はてなキーワード: 繁華街とは
「当たり前やろボケぇ」という回答がたぶん正解なのでしょうが、
業界歴がそれなりにある「当事者」からするとパチンコ店というのはかなり環境が今と昔で違う上に、今だけで見てもまさにピンからキリまであります。
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で、基本的にパチンコ店に対し攻撃的な論調な方々は、パチンコ店に対する「情報の更新」をちゃんとやった上で語っているのか?というのが気になっていました。
皆さんそうだと思いますが、人間は「嫌いなものに対する情報」を更新しておこうと思うでしょうか?思わない人の方が多い気がします。
本来、「批評のマナー」としては「ちゃんと対象について調べる」のが基本だと思うのですが、どうにもネットの無名の人々はもちろん、コメンテーター、評論家とされる方々すらそれを怠っている所があるので、もはや「ちゃんとした批評」は希少種なのかもしれません。
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ということで参考までに、そうした環境についての情報を列挙しておこうと思います。
ちなみに別に私は業界を守りたいなどというたいそうな思いはないので、皆さんがどう考えようが自由です。当然の話ですが。
重要なのは前述した「批評のマナー」を守った上での意見かどうかで、逆を言えば業界に肯定的な意見でも何の根拠もない妄想で語った意見はよろしくないと思います。
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<換気の悪い《密閉》空間>
多くの他業種店舗では「窓を開ける」「出入り口を開ける」という対応をよく見かけますが、パチンコ店は店内を「静音化」できないうるさい環境なので、この対応が出来る店は限られます。元から外も騒がしい繁華街の中の店舗なら問題ないかもしれませんが、そういう所があるのか確認する間もなく殆どの店が休業しているのでこの点は不明です。
ただ、窓・出入り口開け放しが出来ない環境でも、「空調」の点でパチンコ店は特殊な部分があります。
といっても業界基準になってるわけじゃないので、導入店舗は限られますが。
パチンコ店は4月に法律が改正されるまでは、多くの店舗が分煙・禁煙対応をあまりしてこなかった所があります。
ですが少数派かもしれませんがタバコを吸わないお客様もいます。
その結果、「ホールの分煙・禁煙化をしないままタバコの煙対策をするシステム」が幾つか開発・導入されています。
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◆台間空気清浄機/送風機
隣接する遊技台の間にそれぞれ送風機があり、近隣のタバコの煙を直接浴びない様にするものです。中には空気清浄機能、プラズマクラスター発生装置までついてるものもあります。
シャープの公式サイト情報にはプラズマクラスターがコロナウイルスを不活化させる機能があると「実証」したと記載があるので、シャープを信じるならば効果はあると思います。
とどのつまり、その機械が設置してあるパチンコ店は様々な業界と比較しても最多の空調機械が動作して空気が流動しています。ある意味お客様1人に1つ以上空調がついている事になるので。
と、言っておりますが、逆を言えば膨大な数の空調機械がホール内に存在するので、メンテナンスが追いつかない場合もあります。つまり「設備があっても十分に機能しているか」という意味でのピンキリもあります。
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たぶんアクリル製だと思いますが、遊技台の間に物理的に仕切板があって、必要な方は引き出して使います。これによって煙なども防げますが、今で言えば飛沫対策にもなります。そもそもパチンコ店は「台に向かって、殆どしゃべらず遊戯する」お客様が多いので、ダイレクトな対面会話よりは飛沫は浴びない気はしますが、仕切板があれば更に守れます。
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◆その他空気清浄機・空調
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◆天井の高さ
主に大手の運営会社に多い気がしますが、天井を高く店舗設計する傾向があります。「左右」は人が集まれば密集しますが、「上下」に関してはスペースがあります。ただそういった「天井の高さ」が密閉に対応する効果があるのかは不明ですが。
もちろん逆に昔の建物な所だと天井も低い所があるので、そういう「天井の低い店」×「人気店」だったら完全に密集悪条件が揃うことになります。まだ営業を自粛してない店舗がそういう店舗設計だったらかなり危険な気もしますが、果たしてどうなのでしょう。
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<多数が集まる《密集》場所>
これも当然ピンキリです。人気店は密集しますし、逆に過疎りまくりなのに何であの店潰れないのなんて所もあります。
ただ営業自粛状態になった事で自粛しない店舗が密集地になるという困った事も起きます。
あと開店前に行列が発生する店なんかも対応が必要です、このあたりは外なので店舗側の意識によります。行列が長くなっても往々にして人気店は駐車スペースも広いので大丈夫だとは思いますが、もしかしたらそういう店舗外のスペースに余裕がない所だと行列対応は大変かもしれません。
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<間近で会話や発声をする《密接》場面>
やはりこれもピンキリです。私が複数の店で経験した限りですと、大多数は「台に向かって黙々と喋らず、景品交換すら店員にうなづく程度で終わる」パターンです。
ただ逆にしゃべるタイプの方は店内がうるさいので大声になりがちです。最もリスクが高いのはこのあたりな気がします。
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<衛生面>
当たり前ですがこれまたピンキリです。パチンコ店は遊技台が「共有状態」になるので、不特定多数の方々が触れたものを触る事になり、衛生面のリスクは高いです。ゆえにアルコールや次亜塩素酸水を常時携帯して遊技台やお客様が触る設備をこまめに拭いたりしてる所もありますが、やるのは人間なので精度にバラツキはあると思います。
あとお客様側の衛生意識もピンキリです。元からパチンコ店は玉やメダルで手が汚れやすいので、気にする人はこまめに店内のおしぼりで手や台を拭く人もいます。
逆にどうせ汚れるからなのか、元から不潔なのか、トイレでも手を洗わない方が結構います。流水ではなくおしぼりで済ます方もいますが、言わずもがなおしぼりは万能じゃないのでリスクは高いです。
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<その他>
・多くの所でやっている店員の体温チェック+基準以上の人は休ませるも多くでやっています。出勤スタッフのマスク着用も同様です。
・あとマスクをお客様に無料配布している所もあります。全お客様に強制配布・装着義務化するぐらい出来ればいいのでしょうが、当然ながらそんな在庫を確保するのは困難だと思います。
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冒頭に記載しましたが、法律が改正された事でパチンコ店もタバコ対策が求められるようになり、多くが「店内禁煙・喫煙所設置」の対応をとりました。
この時点でお察しかと思いますが、ここが寧ろ最大の3密地点になるのでは、という気がします。特に完全に外で吸わせるパターンではなく、律儀に「分煙ボックス」的なやつを設置してるパターンの方です。狭いしみんな深く呼吸するし、換気は確か国が定めた基準値上の空気の流動状態を作っているはずですが、それがコロナ対応的にも効果があるのかは不明です。そして何よりもタバコなので肺に悪影響なのは言うまでもありません。
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以上が私が知る限りのパチンコ店の環境情報です。末端の下っ端なので全部を把握している訳ではありません、なのでこれが全部だとは言い切れません。
言わずもがな、結論から言えば「リスクゼロ」なんてありえないので、パチンコ店あぶなくないよーなんて業界寄りな私でも絶対に言いませんが、
ただ「パチンコ店ってそんなにクラスター発生させてるのか?」というのが気になっていて調べているのですが、見つけられないんですよね。
3月末に厚生労働省が「全国クラスターマップ」という「実例」が出た所をまとめたものがあるのでが、そこにはパチンコ店のクラスター発生例が「一件もない」んです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618504.pdf
業界が下火になっているとはいえ、パチンコ店の規模ってのは未だに膨大なものがありますし、遊技人口もかなりいるはずです。フィットネスクラブやライブハウスが複数クラスターを発生させてるのに何故パチンコ店は出てこないのか?
もちろん「出てない」=「発生してない」とは限りませんし、そもそも業界イメージ的に考えても感染した人が「パチンコ屋行ってた」と申告しない可能性もあります。パチンコ屋行ってコロナかかったなんてそりゃ笑いものじゃすまない事になるでしょうし。
だからこそ業界寄りの人間としては複雑な気持ちです、役人が名指しするほどの「危険な存在」として扱われながらも「実例」が曖昧という状況は。
なぜなら、やはりマスクには感染拡大を防ぐ効果はなかったと言わざるを得ないからだ。
よくて一瞬エアロゾルから守ってくれる程度。その後はウィルスを持ち歩くことになりむしろ危険だ。
ところが世の中を見てみるとどうだろう。
マスクは感染拡大防止だけでなく、感染そのものも防止してくれると思いこんでいる人だらけで、マスク=外出許可証のような扱いになってしまっている。
これだけ専門家が人との接触を8割減らせと叫び続けていたにも関わらず街はマスクをした人間で溢れかえり、繁華街で姿を消した人達が地元商店街にあふれかえるようになった。
これはつまり、感染のステージがより身近な場所に近づいたことを意味している。
君たちは葉っぱだ。枝や幹は社会とのつながりだ。
感染はまず大きな幹を通って入り込んでくる。そしてクラスターはそこから枝分かれした太い枝で起こる。
太い枝でクラスターを防ぐことができているうちは姿を追うことができるが、そこから入り込んで更に細かい枝にまで感染が達してしまえば、感染を追うことはもうできない。
夜の街クラスターやライブハウスクラスターは、まだ遠い枝の話だったかもしれない。
しかし、すでに家庭内感染の割合は増加傾向にあり、つまりは自分のすぐ隣の葉っぱにまで感染が広がっていることを意味している。
つまり、太い幹に生えている枝で抑え込んでいた時期が終わり、枝先のように葉っぱ一枚ずつに細かく分かれている枝にまで感染が達している状況=感染爆発の予兆の段階と言えるのだ。
それでも自分の行動を注意深く見守っていれば、感染してしまったかもしれないタイミングに気づくことはできる。
それなのに感染経路不明というのはつまり、マスクを付けていたから感染するはずがないという思い込みの裏付でしかない。
三密が防ぐのはクラスターだ。感染はもっと身近に、意図しない場所でも十分に起こり得る。
それを三密以外なら感染しないだろうと曲解させている原因はマスクだ。
こんな大した効果が期待できないマスクを、息を荒げながら奪い合う姿を滑稽と言わずしてなんと言えというのか。
合格祈願のお守りを徹夜で並んでもらえなかった悔しさで神社に火をつけるような愚かな行動だ。
猛獣の檻に裸で放り出されることがわかっていれば、家から出るバカはいない。
全員が無防備だとわかっていて初めて、全員が正しく恐れることができる。
君たちが付けているマスクは、盾の絵が書かれたダンボールでしかない。
そんな姿で史上最悪のウィルスと戦えると思ってしまうことこそ危険だ。
国民よマスクを取りなさい。無防備だからこそ守れる適切な距離がある。
マスコミは人混みをいたずらに責めるのではなく、マスクがどれほど限定的で脆弱であるかを報道してほしい。
それをしないのであれば、結局のところ報道は公共性の姿を借りた金儲けの道具に過ぎず、頼るに値しないものでしかないのだ。
ウィルスはあなたの手に付きあらゆる手段で体内に侵入を試みる。
まずはとにかく手を洗いなさい。
手についたウィルスを確実に洗い流すのだ。
店の入口にあるアルコールを過信するな。ウィルスの射出もとは口だ。
感染した人間が手についたウィルスを消毒したところで、たった一言の発言で室内はウィルスで汚染されてしまう。
汚染された商品を手に取った時点で、アルコール消毒はすでに意味を失ったも同然だ。
その商品が家に持ち込まれれば家の中だからって安心できることはない。
その程度で防げるくらいなら世界中でこれほどまでに感染が広がることなんてない。
すでに感染者数、陽性率、感染不明率、家族内感染数、重傷者数、死者数、残存病床数の全てが感染爆発が間もなくであることを示している。
緊急事態宣言がそれら数値の増加を押さえることができていないのは、医療の専門家じゃなくても、世界の傾向と比較すれば誰でもわかるはずだ。
マスクを捨ててすぐに家にこもりなさい。
近所の繁華街の隅っこに、闇市の趣を残すバラック商店街がある。
そのアングラな雰囲気が廃墟と歴史感があって割と好きで、目的地へ少し遠回りになっても通り道にすることがあったのだが、ある日気付いた。
トタンのような素材で囲った壁にぺたぺたと秩序なく貼り付けられているポスターが、全て立憲民主党と共産党なのだ。
自分が観光や歴史探訪気分で歩いているこの真っ暗な商店街には、当たり前だが日々生活を送る人が住んでいて、暮らしているわけだ。
そんな人達はきっと裕福の逆のところに住んでいて、自分の不幸を嘆き、何かに怒りをぶつけてやっと生活を維持しているのだ。
そんな時、思いの代弁者として出てくるのが、立憲民主党や共産党なのだ。
きっと彼らには、将来の日本がどうとか、未来がどうとかは関係なくて、ただただこんな状況におちいったのは、政府であり自民党のせいで、だから叩くのは当たり前、と考えているんだろう。
ただ批判するだけでなくより良い提案を考えようとしている国民民主党より、自民党をひたすら叩くことが目的な立憲民主党の方が支持率が高い理由はここにあるんだろう。
ふと気になって、Twitterを開いてみた。日経やその他のニュース記事につく非難のコメント。句点句読点を知らない、てにをはを正しく使えない、社会的弱者と思われる彼らのコメント。
ツイートを遡ると、今の自民党政権をばちばちと叩いている彼らは、2009年から数年のその時には、しっかり民主党を叩いていた。
彼らの目的は「怒る」なのだから、きちんと話し合おうとしても無駄なのだ。
「東京都区市町村別新型コロナ感染者数ランキング」 https://anond.hatelabo.jp/20200417201611 を書いた増田です
せっかく表作ったのにあまりにも注目されないので釣りタイトルで少しメモを
高々2,000余りしかデータがないので確定的なことは何も分からないんだけど
でも、ちょっと奇妙じゃないですか?
普通、感染症といえば公衆衛生意識の甘い貧乏人が苦しむ病気ってイメージがあるじゃないですか
港・新宿・渋谷・中央と大きな繁華街を抱える非常に地価が高い地域に住める人達、目黒・品川・世田谷と意識高い系住民が多そうな良質な住宅地を抱える地域に住んでいる人達の方が感染者比率が高い
もちろん、高等国民が多いから検査も優先実施してもらえて結果感染者判明率が高いんだ、と、「陰謀論」を唱えることもできるけど、
それにしても港・新宿等が足立・江戸川等の5倍6倍も感染者比率が高いって、ちょっと異常な気がします
貧乏人が多く感染してないから日本は感染者数も死亡者数も低く抑えられているという可能性はあるかもしれませんね
金持ちが多い地域住民の感染率が高いんなら金持ちがもう少し金や知恵を出して何とかしてよ、って、ちょっと思っちゃったりします
国民は冷静に受け止めるべきです」と言うのはハーバード大学院卒で医学博士の左門新氏だ。
「この数字はあくまでも日本人がまったく自粛しない場合を想定したものです。だけど実際はこの数週間、われわれは週末の外出自粛に始まって、日常の行動を控えるよう努力をしています。そのため主要駅や繁華街では人が激減しているし、テレワークも活用している。42万人はかなり大げさな数字で、国民への“恫喝”みたいなもの。本来なら自粛が6割なら死者が何人になり、7割なら何人になるといった細かい数字を出してもいいはず。計算はすぐにできます。それを出さず、いきなり自粛ゼロの数字を提示したということは、政治家や役人に言わされてるんじゃないですか」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/271970/2
「西浦教授の発表の背後には安倍首相ら政治家の影がちらつきますね。アベノマスクなどの不評で、もはや国民は安倍首相の言葉をまともに信じていない。しかも政府は居酒屋などへの休業補償をやる気もない。だからやむなく営業している店が存在するのです。こうした現状を打開するために政府が専門家を使って、“外出自粛しないと大変なことになるぞ”と脅しをかけているとしか思えません」
ラジオで「家族がいるから電車に乗るのも気を付ける」という話を聞いて、ああ、そういう感覚の人が多いんだなということに気が付いた。
我が家は2人世帯、双方リモートワーク無しの共働き、外出頻度が元来高め、住んでいるところがほぼ繁華街なので、怖いというよりも、既に罹患していて無症状だったのか、実はまだ感染していないのかどっちかはっきりしてくれという思いでいる。
これを大っぴらに言うのがちょっと怖い。
コロナ禍が始まってから1年強が経った。欧米をはじめとする各国の厳しいロックダウンは、当初の見通しを大きく超えて結局半年以上続いた。払った犠牲は小さくなかったが、強力な措置が功を奏し、これらの国では次々と「2週間以上新規感染発生数をゼロ」を達成し、国境の封鎖も解除、自粛の揺り戻し景気で街は暗い空気を抜け出しつつある。一方で、ゆるい自粛を続ける日本の感染者数は相変わらず低空飛行を続けていて医療崩壊瀬戸際の状況を保っている。当初は1年強でワクチンが開発されるなんていう楽観論もあったが、結局は臨床試験でボツになってばかりで、今も見通しは経っていない。
数か月前に「このペースで国民全体が集団免疫を獲得するにはあと5年はかかる」という専門家の発表があった時は、「もう自粛をやめよう」という空気が一気に広まり、観光地が久しぶりに大混雑し、一瞬だけとても楽しかった時期があった。案の定2週間後に感染者数が急増し、再び自粛しない人たちを袋叩きにする空気に戻った。ただ最近はそのフェーズも一巡して、感染済みの免疫保有者が自由に街を歩いている姿が目立ってくるにつれ、既感染者と未感染者の間での分断が深まりつつある。ウイルスが喉や鼻ではなく目の粘膜経由で感染した場合は無症状や軽傷で済むことが多い、という報告が話題になってから、軽傷で免疫を獲得することを目的とした薄めたウイルス入りの目薬が一部でもてはやされており、密売する感染者が後を絶たないらしい。この先免疫保有者が多数派になっていくにつれ、感染歴が無い人たちとの分断が新たな問題になっていくだろう。
もう一つ顕在化しつつある大きな分断が、地方間での分断だ。最初の頃は「国の動きが遅いので地方が独自の対策を打つ」という性格のものだったが、独自政策がエスカレートするにつれ、次第に地方間の差別化に焦点があてられるようになってきた。最初に「安全地帯宣言」をした小豆島は、島外からの全移入者に2週間の隔離を義務付け、島内にウイルスを一切持ち込まない代わりに、バーもカラオケも自由にした。これをきっかけに小豆島への移住者が激増したのを見た他の島の自治体も追随し、ついには沖縄県も県内の封じ込めに成功し、県全体に安全地帯宣言をだした。移住者が殺到した那覇の繁華街は同じ国とは思えないほどの異常な活気につつまれており、「沖縄独立」が連日ツイッターのトレンドに上がる事態になっている。北海道も安全地帯宣言を検討し、大出血を伴いながら道内の完全封じ込め一歩手前まで迫ったものの、「近々安全地帯宣言がでるのではないか」という見通しを報じたマスコミのせいで宣言開始前に移住者が殺到してしまい、再び感染が拡大して振り出しに戻ってしまった。
一方の首都圏はオンライン業務やテイクアウトが日常になり、座席ごとの換気システムを備えたクリーン居酒屋が登場するなど、テクノロジーの進化と普及という点では国内最先端をいっているものの、何せあまりにも人口密度が高すぎるので、今の中途半端な自粛を続ける限りはいつまでも封じ込めは見えてこない。今からでも欧米並みの完全ロックダウンをすれば数か月でほぼ封じ込められることは皆が分かっているものの、「これまでの(ダラダラ続けてきた)自粛の日々」というサンクコストに囚われるあまり、誰もいつまでも決定できず、ダラダラとここまで来てしまっている。先進国で唯一国際線がほとんど再開できていない状況なのに、本当に今年「復興オリンピック」をやるのだろうか。やるんならそろそろ本気出さないとヤバいでしょ、とみんな思ってからもう半年くらい経っている気がする。
2つの点で魅力的な案だった。誘われたのが僕で、誘ってくれたのが彼女だったからだ。それ以外は最悪だった。説教などしたくはないが、真面目に答えることにする。
「あのさ、みんなそういうの止めようって自粛してるんだよ。控えようとは思わないの」
「むしろ逆でしょう。明日までは"要請"で、それ以降は"命令"なんだから」
自由に遊べる最後の日ですもの、と言うので、僕は上司に休みをもらうと連絡した。
会うのは久しぶりだった。駅の東口、喫煙所で煙草を吸って時間を潰していると、向こうから彼女がやってきた。都合15分ほど待たされたが、特に申し訳なさそうな様子もない。自分を地軸か、グリニッジ天文台だと思っているのだろう。
我々はとりあえず全く人気のない元繁華街を歩き回り、そのゴーストタウンぶりを満喫した。スクランブル交差点で無意味にぐるぐる大手を振って回ってみたり、いつも行列の店に5分で入ったりした。
そういえばタピオカ流行には乗り遅れた、というので、有名店を探してしばらく歩いた。紡錘形のカップにカラフルな色のドリンク、そして黒ぐろと浮かぶタピオカ。実を言うと僕も初めて飲むことになった。一応人気店ではあるらしいが、人っ子一人おらず、普通に買えてしまった。
「こんな風にドッと流行って、すっと収まってくれたらいいのにね」
お前は誰の目線で怒っているのだ、と思わなくもなかった。
カップの中で滲んでいる黒い影は、ニュースで見るウイルスにそっくりだった。
貸し切れるなら何がいい?と相談した結果、次に映画館へ赴いた。
営業時間は短縮されていて、本数も少ない。係員は皆、マスクを付けていて表情が分からない。
ポップコーンだけはなぜか平常時と同じくらい作られていて、あんな量誰が食べるのだろうと僕は不思議に思った。
券売機で見ると、なんと一人も客が居ない上映時間があるではないか。内容には毛ほども興味はなかったが、ホール一つを貸し切れるのならばと我々は即断しチケットを購入した。
内容はやはりイマイチだった。貸し切りのつもりだったのに、途中で大学生風の男が入ってきてしまった。
仕事を休んでまでロックダウン・モラトリアムを楽しんでいた自分も、人のことを言えた義理ではない。
僕は目が悪く、暗いところから明るいところに出ると、その差に目が慣れず、時々立ち眩みを起こしてしまう。
「まるで酔っ払ってるみたい」
「なら、映画館なんて入らなければよかったのに」
とはいえ、手を握って支えてもらえるので、決して悪い気はしなかった。しばらく散歩しながら、色々な不安を語り合った。どうしようもないことは、一度手放して時間を置くことが必要なのだ。自分の手から離すためには、誰かに話すことが一番だった。
「優しいお父さんだったのね」
そうだったのかもしれない。でも、父については分からないことが多いままだった。もっと話しておくべきことは沢山あったのに、ないがしろにしてしまったのは僕だった。
「ねえ、明日東京がロックダウンするっていうのは、実は嘘なの」
でも、その具体的な内容を僕は思い出すことができなかった。
「明日も、明後日も。大きくは変わらない。象徴的な出来事なんて起こらないし、生活は錆びた車輪みたいに金切り声を上げるけど、誰にも届かない」
「もし、次に生きて会えたら、もうちょっと面白い映画を見ましょう」
「いいね」
そのようなことを話して、僕らは帰路についた。
4月2日(木)
夜中の3時に意味不明な夢を見たので疲れた。おまけに前日に2発自慰行為を行ったためか、昼間に異様にムラムラして困惑した。
この日もcivilization 6をプレイした。スウェーデン文明でプレイ。外交勝利を目指し、25時半までプレイ。少し自重した。
4月3日(金)
やっぱりこれでも睡眠時間は足りない。あまり集中できなかった。とはいえ、金曜日になんだか面倒くさくなるのはいつものことな気もするし、そもそも、やる気ないとか集中できないとか言いながらきちんと作業は進んでいるので、単純に気のせいなだけかもしれない。
この日は髪を切った。もっさりしていたのがさっぱりしたので、マイナスからゼロくらいにはなれたのではないかと思う。ただ、この発想は少し自虐的に過ぎるかもしれない。
帰路、繁華街を通ったらバニーガールバーの看板の前でためらいがちにうろうろしている20代のグループがいた。居酒屋もレストランも外から見る限り店を閉めていたり、ほとんどお客さんが入っていなかったりするようだが、人通りはそこそこあった。
civilization 6は無事に外交勝利した。外交ポイントの稼ぎ方がわかってきたので、科学勝利や文化勝利よりもやりやすかったかもしれない。比較的早めに片が付いたので、そこまで夜更かしせずに済んだ。
4月4日(土)
寝たはずなのに週末のせいかひたすらに眠い。夜にならないとやる気が出なかったので、買いためておいた八木ナガハルと詩野うらの短編漫画を読んだ。独自性というか、隠しようのない作者の癖があってとても面白かった。特に、詩野うらの、時間が止まった世界の宙にとどまった涙の描写が良かった。そして、猛烈に道満晴明の昔の作品が読みたくなり、よんどころない事情で処分したのを後悔した。やっぱり書籍は整理すべきじゃない。
4月5日(日)
午前中に寝て午後にジョギング。途中から雨が降ったので引き返そうと思ったのだが、気合で走り続けたら雨雲の領域を抜けることができた。桜は散り始めている。そろそろ八重桜に交代だろうか。虹が出るかな、と期待したけれど見られなかった。
そういえば、相変わらず風俗に行きたいのだけれど、ソープランドで女の子のオマンコをなめてきても、それほど濡れるわけじゃないのがちょっと悲しい。体質によるのかもしれないけれど、どうせローションか何かを仕込んでいるのだろう。
いや、実際に濡れていたのかな。よくわからない。馬鹿なことを考えずに寝よう。なんにせよ、行きたいと思うのは気の迷いだ。本当は空想しているだけで楽しいのだ。
この日はciv6のバイキングシナリオでデンマークをプレイ。以前敗北したので再チャレンジ。とりあえずイングランドを荒らしまわって遊んだ。
オタクとしてステレオタイプにイメージされやすいパソコンへメチャクチャ強く、漫画アニメゲームが大好きで、それがこうじて同人ゲームを作っちゃうような俺は日々充実したオタクライフを送っていた。
結婚なんて縁がないものと中学生の時点で既に気付いていたので、ドールを理想的な容姿にして愛でていた。ドールへ自分好みのミニスカ履かせようがホットパンツ履かせようが誰にも迷惑かけじゃん?
そんなある日、子供部屋おじさんだった俺は親から呼び出され突然2万5千円を請求された。
「毎月6万円収めてるのに金ないのか?香典がかさんだ?」
「いやいやいや待て待て待て。なにしてくれちゃってんの?どうして勝手にやって折半しようとしてんの?」
勝手に結婚相談所へ入会させた上に折半しようとする我が両親の頭がついにボケたかと悪態をつきたくなった。2万5千円あったらフルプライスのゲームを3本買えるんだぞ。積みゲー消化しきれてないけど。
「親父は知らんかもだけど世の中にはお金を払えばデートしてくれる女がいっぱい居るんだよ?たぶん1万円くらいで」
「そういうの利用したことは?」
「無いな。まず俺の中にそういう需要が無い。1万円払うならBlu-ray買う」
「そういうデート商売みたいなもんは男だけが金払うんだろ?結婚相談所は女性も払ってる。デートに本気だ」
「逆に嫌だよ。狩猟民族みたいな本気の女に俺は狩られて剥ぎ取られる側だよ」
「しかしもう入会したからな。先方の都合もあるし1度だけでも行って来い」
ここから何とか抵抗を試みたものの、気弱なオタクの俺へ世間に迷惑をかけるぞと暗に脅しを掛けてくるクソ親父の口の上手さに負けて結局は1度だけデートするまで結婚相談所を利用することになった。
信じられないかも知れないが、俺という存在は古生代から連綿と生命を現代まで繋ぎ続けてきた種族繁栄に関して環境最適化された遺伝的エリートなのだ。
環境最適化の多様性を確保するための突然変異個体という可能性も無くはないが、この遺伝子が積み重ねてきた実績はなかなかのものじゃないかと。
挑戦せずに諦めるのはアフリカ出身のミトコンドリア・イブおばあちゃんに申し訳ないんじゃないか。俺はおばあちゃん子だったし。
思い立ったが吉日、取り敢えず女にどうすると好印象、とまではいかないが悪くない印象を与えないようにしなくてはならない。少なくともお巡りさんと目があっただけで職質されないようにしよう。強気だったお巡りさんが鞄の中身を確認するとドール出てきて申し訳なさそうな顔するからね。
すかさずググった俺は「清潔感」という謎の判定基準を目の当たりにする。ちゃんと定数を設定しろ。
どうすると良いのか全く見当がつかなかったので、Google NewsのAPIを使ってキーワードでWebページを取捨選択、wgetでWebクローラーをぶん回し頻出単語の抽出を開始した。大勢意見が王道だろうという甘い考えだ。
その中で出てきたのはやはり「清潔感」が最も多く、「服」や「髪型」「匂い(臭い)」「ファッション」「容姿」「年収(収入)」などが目に付いた。
抽出されてくる単語の中で俺はついに自分を変えてくれるだろうというものを発見する。それは「美容院(美容師)」だ。そうプロ!プロに頼めば良いんじゃないかと!
美容院に行ったのは確か小学生のとき忙しかったのかお袋に連れられ髪を切りに1回だけ行ったのみ。普段は近所の床屋だったので美容院は物凄く化粧臭いイメージしかない。
しかし美容院をググったりして色々調べてみるものの一切判断基準が理解できず詰んだ。ていうか書いてある用語がカットとカラーリングしかわからん。なんちゃらマッサージとか皆やってんの?そしてなぜ長さで値段変わるのか。
というような話を晩飯時に両親としていたらお袋が「そこの美容院、息子さんが繁華街で美容院やってるよ。若い子に人気みたい。相談してみる?」と教えてくれた。流石は母ちゃんや!近所の話を普段はどうでも良いとか思っててゴメンな!
早速予約して貰って休日行ってみた。訪店すると事情を既に把握しており1から説明する必要が全く無かった。むしろ逆にお袋はどこまで話したのか不安になる勢いだ。ていうか今の美容院は化粧臭くないのな。
「婚活でそれなりに見られるようにしたいと」
「いやそれなりというか悪くは見られたくないっすね」
「婚活のお客さんたまに来るんですよ。そこでウチの店って実は服屋と提携してるんです」
「えっ服も選んでもらえるってこと?」
「そうです。まぁ服屋って言っても大手じゃないですし、ていうかその服屋はもともと僕の友達ですねw」
「あーなるほどw」
「身内贔屓かも知れませんがセンスは保証しますよ。悪いようにはしないと」
完全に全て言われるがまま何1つ文句を付けないで美容院と服屋に任せた。帽子を被るとどうしてもドン小西感が溢れ出てくるが多分これがオシャレというものなんだろう。
いやしかし流石は服屋もプロである。服屋で買ったは上着3枚、シャツ3枚、ズボン3枚、帽子2つ、靴3足だ。
「着回しを考えて、どの組み合わせでもそれなりに見えるよう考慮しました」
革命的だと思った。私服ファッションで最も苦労するところは組み合わせである。AとBは正しい組み合わせだがAとCは正しくないという点がファッションの怖いところである。しかし服屋は俺のそのセンスを察してどの組み合わせでもいけるようにしてくれたのである!
装備を整え、次は結婚相談所の面談。担当者は俺と同年代くらいの女性だった。
いきなり女性のお見合い写真的なものを見せられるのかと思っていたが、結婚相談所の制度やら規約、どのような相手を求めるのか、女性と付き合う上でのアドバイス的なものを話して頂き、ペーパーテストみたいなものもやった。そして「性的嗜好が女性なのか?」と聞いてくるのね。そりゃ確かに大事だ。
そしてここで両親に騙されていたことへ気付く。まだ入会完了してないやんけ!初回面談後に正式入会なの黙っていやがった!そりゃ話が一部噛み合わないわ!
まぁもう美容院や服屋に金かけちゃったので入会したけれども、俺の特性を上手く把握されていて無性に笑えてきた。
面談の結果によって色々ピックアップするようで数日おいた後に結婚相談所へ再び出向いた。
「相談者様とのマッチングの結果このような方々が候補に挙がっています」
いやはや選り取り見取り。えっ!?と思うような美人から、他人のことは言えないがデブが居たり、俺より年収が高い人、低い人、夫婦の財布は別々で管理したい人、中には初っ端から別居希望の人まで居た。
渡されたタブレットの画面をスッスッとスワイプして世界の広さを痛感していると目に止まった女性が居た。幸薄そうな女だ。ただどことなく初恋のあの子に似ていなくもない。詳細プロフィールを確認すると趣味が映画鑑賞と音楽鑑賞、読書だった。これは同族の匂いがする。
つまり映画鑑賞=アニメ、音楽鑑賞=アニメソングまたはアイドルソング、読書=マンガということだ。求める男性像が「趣味を共有できる方」というのも裏の意味があり「私の趣味を認めろ」という強いメッセージだ。
ちなみに俺は担当者に違う表現にしたほうが良いと助言は受けたものの堂々と漫画・アニメ・ゲームと書いてある。キモデブなオタクを禁忌する女はこっちから願い下げだ。こっちのほうがむしろ高精度のフィルタとして機能する。
「この方にお会いしたいのですが」
「はいでは受理いたしますね。ただ本当に会えるかどうかは相手様次第です。相手様が乗り気になるお誘いのメッセージを考えなくてはなりません」
「でしたらデートは池袋もしくは秋葉原はいかがでしょうか?とお送りください」
「女性目線で言えばデートスポットとしてはあまりオススメ出来かねますが・・・」
「良いのです。これで断られたらそれこそマッチングしていないのです」
俺は自分自身がキモデブなオタクと理解している。確かに髪型や服装は背伸びしたものの内心がそうそう変えられることはない。会社でもオタクとして知れ渡っているし女性従業員との話題も仕事以外ならば9割サブカルだ。俺はそれで良い。そもそも恋愛駆け引きなどできるわけがない。
そしてキモデブなオタクかつ気弱なので無理に背伸びして見ず知らずとはいえ女性から幻滅されると心が折れてしまうに決まっている!そういう自信だけは人一倍あるぞ!
そしてそれから2週間、なにも音沙汰なく、なんなら忘れかけていた所に結婚相談所の担当者から連絡が来た。
「えっ本当ですか?自分で言うのも難ですけど僕はハズレくじでしょ?」
「相手様は忙しかったらしく連絡が遅れて申し訳ないと仰っていました」
「そうかぁ・・・(いやキモデブかよ!って躊躇しただけでは?)」
「ではお日取りを調整いたしますのでご予定をお教えください」
「わかりました」
決まった瞬間はデート?デートねぇ・・・よくわからんなぁとモヤモヤしていたが、デート当日が近づいてくるごとに謎の危機感が増してきた。いやヤバイ・・・どうしよ・・・えっ何話したら良いの?デートって何するの?
そしてデート当日、池袋西口公園で待っているとタブレットで見たあの女性が来た!あああああ!もう頭の中はパニックである。思ったよりも細い!小さい!色白!ヤバイ!言葉が出ない!俺を見てる!俺の言葉を待ってる!
「あっどっっどうも増田です」
「あぁ良かった人違いなのかと」
俺!あっ挨拶できた!挨拶できたぞ!!!さぁどうする!?どうする!?えっ次どうすんの???はァァァァンンン!!!
パニックを起こしている自分を、もう一人の自分がパニックを起こしながら見ている謎の感覚に陥り、脳内会議は大混乱である。パニックしているヤツしか居ない。気合を入れて先ずは謝罪だ!
「すみません!僕は女性とデートしたことがないので至らないことがあると思いますがよろしくお願いします!」
「わっ私もしたことがないんです。いっ池袋を選んで頂いてくれたので私も安心しました。オタクさんなんですよね?」
「はい!そうです!良かった!もしかしたら!コッチ側の人なんじゃないかと!それで!お声をかけさせて頂いて!サブカルなら僕でも何とか!何とか案内できるだろうと!」
「わっ私もたぶんそっちのほうが楽ですので」
「でっではメイト行きましょう!メイト!正直何話していいのかわからないのでメイトに行きましょう!」
正直ここから何話したか全く覚えていない。メイトで見かけたコンテンツの話をしたような気がするけれども確かではない。本当にどうしようもなく情けなく常にパニック状態であったことは予想がつく。池袋のHUBで飯を食ったのは覚えているけれども、こちらでも何を話したのか覚えていない。
HUBで飯を終えたあとにちょっとブラブラし「それでは」と別れたのだが、なぜ帰る流れになったのかも覚えていない。デートの前は初回でも「そういうこと」がある期待感は多少あったが、デート本番ではそれどころじゃなかった。
自宅へ戻るとハッと我に返り、圧倒的な絶望感に陥った。もうこれ絶対にダメだろと。常にテンパっていて何話したか覚えてなくて、たぶん失礼な物言いとかしていて女から嫌われるキモデブオタクムーブを思いっきりやらかしていたとしか思えない。ダメだ!もう寝る!俺は寝る!と布団へ飛び込んだ。
次の日の朝、更に絶望する。そう言えば結婚相談所の担当者の話ではお礼のメッセージを送るのが普通だと言っていた。俺はそれを完全に忘れていたのだ。
もうすぐにメッセージ送らなければ!とスマホを手に取るとメッセージ通知がある・・・!!
グボォ!ゲッホ!ゲッホ!ヒィ!ハッ!ハッ!えええええ!?ゴッ!ブフゥ!はぁ!?マジ!!!!???えっなんでえええ!!!!!?????
もうね、これしか送れなかった。会社へ通勤し何度メッセージを確認しても「今後ともお付き合いお願いします。」としか書いておらず、俺は「こちらこそよろしくお願いします!」と返信している。
そうこうしていると結婚相談所の担当者から連絡があり「相手様が次回のお日取りを決めたいという申し出があった」と言うではないか。何がどうなっているんだ。
わけわからずコチラの予定を伝えるとトントン拍子で次回のデートが決まってしまった。これは童貞をこじらせた俺の夢なんじゃないか。
何なんだこの湧き出るやる気は。仕事が楽しい!全能感がすげえ!今ならどんな仕事も出来る気がするし、チームのミスだって些細だと笑って許せる!これが恋愛か!これが恋愛か!!!!!おいお前ら!(誰?)これが恋愛だぞ!!!!!!!
「前回、女の子のミニスカート姿が好きだって言ってたじゃないですか。頑張っちゃいました。ちょっと短すぎましたかね?」
前回の俺はなに言ってんだ馬鹿か、考えなしも程があるわ・・・下手するとセクハラだぞ死ねよ。ああああああ好き。大好きすぎて昇天するわ!!!!!
「俺!痩せます!」
「えっどうしたんです?」
「今まで自分のことキモデブとか自虐してたけどアナタが俺の好みに合わせてくれるなら俺は痩せてアナタの自慢の夫になりたい!だから痩せます!鍛えます!」
「そうですねぇ太り過ぎてると長生きしないって言いますしね。できればずっと一緒に居たいですし」
申し訳ないが実はこの辺りもあまり覚えていない。頭の中はどうなってるんだ!何が起きているんだ!俺は一体どうなるんだ!という意識ばかりで冷静な判断ができなくなっていた。別れ際、子供のように手をブンブン振ったのは覚えてる。
自宅へ戻ると今度は速攻でメッセージを送った。
「楽しすぎて僕にはアナタしか居ないと思っています!今度ともどうかよろしくお願いします!」
「夫になりたいと言ってもらえてすごく嬉しかったです。私も増田さんの妻になりたいです」
記憶を掘り返すと確かに言ってる!俺プロポーズしてる!!!勢いで言っちゃってるよ俺!!!もっと良い言葉あるだろ!!!!!あああああゴメンなさあああい!!!!!
そんなこんなで次の日、結婚相談所へその旨を伝えると成約に至った。
3回目のデート以降は頻繁に会うようになり、一緒にアニメ映画を観に行ったり、漫画の貸し借りしたり、彼女のパソコンを自作したり、彼女の同人誌のお手伝いしたり、両親へ紹介をしたりされたり、結婚式の日取りを決めたり、今振り返ると物凄く濃密だった。
ちなみに夜の方は2人とも初心者ということもあり、非常に緊張して彼女が拒否したり、コチラが立たなかったりしたので、一緒に風呂へ入るなどをして徐々に慣らすことにした。何だかんだで出会ってから半年以上掛かってしまった。2人ともオタクなので一線乗り越えると、まぁアレだね。今は子供が3人居ます。
夫婦生活は円満というか、俺が嫁さんを好きすぎるので子供と嫁さんを奪い合う日々を送っている。トレーニングは続けていて体重が120kgから今は70kgになった。幸せ痩せである。嫁さんは子供産んでからちょっと丸くなった。ガリガリだったのでちょうど良い。幸せ太りである。