「経済主体」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 経済主体とは

2024-11-18

経済理論多様性適用範囲

経済理論妥当性を議論する際、多くの場合特定理論が想定する前提条件が、ある国の経済状況に適合するかどうかという問題帰着する。

例えば、新古典派経済学説明力は、特定の条件下でのみ発揮される。

この認識は、経済理論に関する投稿への反論検証する過程で、教科書学術論文記事を精査することで得られる。

経済理論多様性適用範囲

経済学には、リフレ派やMMT派のような一部の「間違った」モデル例外を除き、多様な「正しい」モデル存在する。

これらのモデルは、それぞれ異なる経済状況や前提条件に基づいて構築されており、特定の状況下での経済現象説明するのに適している。

この事実に直面することで、経済理論の複雑さと自身知識限界認識できる。

デフレインフレ論争の本質

デフレインフレの良し悪し論」も同様の文脈理解する必要がある。

デフレが有利になる経済主体がいる一方で、インフレから利益を得る主体存在する。

このような状況下では、個別立場から自分に有利だからこうすべき」と主張しても、単なる多数決論理に陥ってしまう。

マクロ視点重要

したがって、このような問題に対しては、日本全体の利益という観点から分析を行うことが不可欠だ。

マクロ経済的な視点を持つことで、個別の利害を超えた、より包括的政策判断可能になる。

ただし、パレート最適性や功利主義を持ち出すことには一定の注意が必要である

2024-09-18

[] 補償原理の導出

定義仮定:

経済主体の集合 I と財の集合 L を考える。各主体 i ∈ I は以下を持つ:

  • 消費集合 Xᵢ ⊆ ℝ₊ᴸ
  • 完備的、推移的、連続的、凸的、局所的非飽和性を満たす選好関係 ≽ᵢ
  • 初期保有 ωᵢ ∈ Xᵢ

市場価格ベクトル p ∈ ℝ₊ᴸ が与えられると、各主体は以下の予算集合を持つ:

Bᵢ(p) = { x ∈ Xᵢ | p · x ≤ p · ωᵢ }

第1基本定理(厚生経済学の第1基本定理):

仮定の下で、競争均衡はパレート効率である

証明:

競争均衡 (p*, x*) を考える。ここで、x* = (xᵢ*)ᵢ∈I は各主体の最適選択であり、市場均衡条件を満たす:

1. 最適性条件:

xᵢ* ∈ arg max{x∈Bᵢ(p*)} { x | x ≽ᵢ xᵢ }

2. 市場均衡条件:

Σᵢ∈I xᵢ* = Σᵢ∈I ωᵢ

仮に x* がパレート効率的でないとすると、ある実現可能な配分 y = (yᵢ)ᵢ∈I が存在して:

  • yᵢ ≽ᵢ xᵢ* (全員が現状以上)
  • 少なくとも一人について yᵢ ≻ᵢ xᵢ*
  • Σᵢ∈I yᵢ ≤ Σᵢ∈I ωᵢ

zᵢ = yᵢ - xᵢ* と定義すると:

Σᵢ∈I zᵢ ≤ 0

主体の最適性より:

p* · yᵢ ≥ p* · xᵢ*

従って:

p* · zᵢ ≥ 0

しかし、少なくとも一人について p* · zᵢ > 0。すると:

Σᵢ∈I p* · zᵢ > 0

しかし:

Σᵢ∈I p* · zᵢ = p* · Σᵢ∈I zᵢ ≤ 0

これは矛盾である。従って、x* はパレート効率である

第2基本定理(厚生経済学の第2基本定理):

仮定の下で、任意パレート効率的配分は、適切な初期保有の再分配後、競争均衡として実現可能である

証明:

任意パレート効率的配分 x* = (xᵢ*)ᵢ∈I を考える。社会的に望ましい配分として、適切な価格ベクトル p* ∈ ℝ₊ᴸ を構築する。

1. ハイパープレーンの分離定理適用:

パレート効率性より、以下の集合は交わらない:

これらの凸集合を分離するハイパープレーン存在し、その法線ベクトルとして価格 p* を得る。

2. 各主体最適化問題:

再分配された初期保有 ω̃ᵢ を考える(Σᵢ∈I ω̃ᵢ = Σᵢ∈I ωᵢ)。各主体は以下を最大化する:

max{x∈Xᵢ} { x | x ≽ᵢ xᵢ, p* · x ≤ p* · ω̃ᵢ }

適切な ω̃ᵢ を選ぶことで、xᵢ* が各主体の最適解となる。

補償原理:

ある政策変更により得られる利得者の利得が、損失者の損失を完全に補償できる場合、その政策潜在的パレート改善である

証明:

経済内の二つの状態 A と B を考える。状態 B への移行で利得者と損失者が存在する。

1. カルドア基準:

利得者の余剰 G と損失者の損失 L を計測し、G > L であれば、利得者から損失者への補償可能である

2. ヒックス基準:

損失者が利得者に支払ってでも状態 A を維持したい額を W とすると、G > W であれば、状態 B への移行が望ましい。

3. 潜在的パレート改善:

補償が実際に行われなくとも、理論可能であれば、社会的に望ましいと判断される。

2024-09-15

[] 無限次元確率動的一般均衡モデル

1. 確率基底と関数空間

完備確率空間 (Ω, ℱ, ℙ) 上で、右連続増大フィルレーション {ℱₜ}ₜ≥₀ を考える。

状態空間として、実可分ヒルベルト空間 ℋ を導入し、その上のトレース作用素なす空間を 𝓛₁(ℋ) とする。

2. 無限次元確率微分方程式

システムダイナミクスを以下の無限次元確率微分方程式記述する:

dXₜ = [AXₜ + F(Xₜ, uₜ)]dt + G(Xₜ)dW

ここで、Xₜ ∈ ℋ は状態変数、A は無限次元線形作用素、F, G は非線形作用素、uₜ は制御変数、Wₜ は Q-Wiener プロセスである

3. 一般化された経済主体問題

経済主体最適化問題を、以下の抽象的な確率最適制御問題として定式化する:

max𝔼[∫₀^∞ e⁻ᵖᵗ L(Xₜ, uₜ) dt]

ここで、𝓤 は許容制御の集合、L: ℋ × 𝓤 → ℝ は汎関数である

4. 無限次元HJB方程式

価値汎関数 V: ℋ → ℝ に対する無限次元Hamilton-Jacobi-Bellman方程式

ρV(x) = sup{L(x, u) + ⟨AX + F(x, u), DV(x)⟩ℋ + ½Tr[G(x)QG*(x)D²V(x)]}

ここで、DV と D²V はそれぞれFréchet微分と2次Fréchet微分を表す。

5. 無限次元Fokker-Planck方程式

システム確率分布時間発展を記述する無限次元Fokker-Planck方程式

∂p/∂t = -divℋ[(Ax + F(x, u))p] + ½Tr[G(x)QG*(x)D²p]

ここで、p: ℋ × [0, ∞) → ℝ は確率密度汎関数、divℋ はヒルベルト空間上の発散作用素である

6. 無限次元随伴方程式

最適制御問題随伴方程式

dλₜ = -[A*λₜ + DₓF*(Xₜ, uₜ)λₜ + DₓL(Xₜ, uₜ)]dt + νₜ dW

ここで、λₜ は無限次元随伴過程、A* は A の共役作用素である

7. 無限次元マルチンゲール問題

価格過程一般的な表現を、以下の無限次元マルチンゲール問題として定式化する:

Mₜ = 𝔼[M_T | ℱₜ] = M₀ + ∫₀ᵗ Φₛ dW

ここで、Mₜ は ℋ 値マルチンゲール、Φₜ は予測可能な 𝓛₂(ℋ) 値過程である

8. 関数空間上の測度変換

Girsanovの定理無限次元拡張を用いて、以下の測度変換を考える:

dℚ/dℙ|ℱₜ = exp(∫₀ᵗ ⟨θₛ, dWₛ⟩ℋ - ½∫₀ᵗ ‖θₛ‖²ℋ ds)

ここで、θₜ は ℋ 値適合過程である

9. 無限次元確率偏微分方程式

インフレーション動学を、以下の無限次元確率偏微分方程式記述する:

dπₜ = [Δπₜ + f(πₜ, iₜ, Yₜ)]dt + σ(πₜ)dW

ここで、Δ はラプラシアン、f と σ は非線形作用素、iₜ は金利、Yₜ は総産出である

10. 関数空間上の漸近展開

さなパラメータ ε に関して、解を以下のように関数空間上で展開する:

Xₜ = X₀ + εX₁ + ε²X₂ + O(ε³)

ここで、各 Xᵢ は ℋ 値確率過程である

11. 実質賃金への影響分析

実質賃金過程無限次元確率微分方程式として定式化する:

dwₜ = [Bwₜ + H(wₜ, πₜ, iₜ, Yₜ)]dt + K(wₜ)dW

ここで、B は線形作用素、H と K は非線形作用素である

金利上昇の実質賃金への影響は、以下の汎関数微分評価できる:

δ𝔼[wₜ]/δiₜ = lim(ε→0) (𝔼[wₜ(iₜ + εh) - wₜ(iₜ)]/ε)

ここで、h は ℋ の任意の要素である

12. 抽象考察

1. 非可換確率論:

量子確率論の枠組みを導入し、不確実性のより一般的な記述を行う。

2. 圏論アプローチ

経済モデルを圏として捉え、関手自然変換を用いて分析する。

3. ホモトピー型理論

経済均衡の位相構造分析し、均衡の安定性を高次ホモトピー群で特徴付ける。

4. 超準解析:

無限小解析を用いて、極限的な経済現象を厳密に扱う。

結論

無限次元確率動的一般均衡モデルは、金利インフレーション実質賃金相互作用一般的な形で記述している。

モデルの複雑性により、具体的な解を得ることは不可能に近いが、この理論的枠組みは経済現象本質的構造を捉えることを目指している。

このアプローチは、金利上昇がインフレ抑制を通じて実質賃金に与える影響を、無限次元確率過程観点から分析することを可能にする。

しかし、モデル抽象性と現実経済の複雑性を考慮すると、具体的な政策提言への直接的な適用不適切である

このモデルは、経済学の理論的基礎を数学的に提供するものであり、実際の経済分析政策決定には、この抽象的枠組みから導かれる洞察を、より具体的なモデル実証研究と慎重に組み合わせて解釈する必要がある。

このレベル抽象化は、現代経済研究最前線はるかに超えており、純粋理論的な探求としての意義を持つものであることを付記する。

2024-09-10

[] ミクロ経済学抽象化

1. 圏論アプローチによる消費者理論

1.1 基本設定
1.2 選好の表現
1.3 一般化された効用最大化問題

sup_{x ∈ U(X)} x subject to φ(x) ≤ w

ここで、φ: U(X) → ℝ は連続線形汎関数、w ∈ ℝ は初期富である

2. 微分位相幾何学アプローチによる生産理論

2.1 基本設定
2.2 一般化された利潤最大化問題

sup_{y ∈ T_p𝓜} ω(y)

2.3 生産対応特性化

生産対応を η: T*𝓜 → 2^{T𝓜} とし、以下の条件を満たす:

∀ω ∈ T*𝓜, η(ω) = {y ∈ T_p𝓜 : dω(y) = 0}

ここで、dω は ω の外微分である

3. 作用素代数アプローチによる一般均衡理論

3.1 経済定義

経済 ℰ をC*-代数 𝒜 上の作用素の組として定義

ℰ = ((ℋ_i, π_i, Ω_i)_{i ∈ I}, (T_j)_{j ∈ J})

ここで、

3.2 均衡の定義

状態 (ψ_i*)_{i ∈ I} と価格作用素 P ∈ 𝒜 が均衡であるとは、以下を満たすことを言う:

1. ∀i ∈ I, ψ_i* = arg max_{ψ ∈ ℋ_i} ⟨ψ, π_i(P)ψ⟩ subject to ⟨ψ, π_i(P)ψ⟩ ≤ ⟨Ω_i, π_i(P)Ω_i⟩ + ∑_{j ∈ J} θ_{ij} τ(PT_j)

2. ∀j ∈ J, T_j = arg max_{T ∈ 𝒜} τ(PT)

3. ∑_{i ∈ I} (ψ_i* - Ω_i) = ∑_{j ∈ J} T_j

ここで、τ は 𝒜 上のトレース、θ_{ij} は消費者 i の生産者 j に対する利潤シェアである

4. 非可換幾何学アプローチによる市場構造

4.1 スペクトル三つ組

市場構造を非可換幾何学の枠組みでモデル化:

(𝒜, ℋ, D)

ここで、

4.2 市場均衡の特性化

市場均衡を以下の作用素方程式特性化

[D, π(a)] = 0, ∀a ∈ 𝒜_{eq}

ここで、𝒜_{eq} ⊂ 𝒜 は均衡状態を表す部分代数、π は 𝒜 の ℋ 上の表現である

5. ホモトピー理論と均衡動学

均衡への収束過程ホモトピー理論を用いて分析

H: [0,1] × X → X

ここで、X は経済状態空間、H(0,x) = x_0(初期状態)、H(1,x) = x*(均衡状態である

均衡の安定性は、ホモトピー H の特異点構造と関連付けられる。

2024-08-26

[] 社会厚生の公理的定式化

基本設定

1. 経済主体の集合は E = {1, 2, ..., n} である

2. 財の集合は G = {1, 2, ..., m} である

3. 消費集合は Xᵢ ⊆ ℝᵐ₊ for i ∈ E である

4. 選好関係は ≽ᵢ on Xᵢ for i ∈ E である

5. 生産可能性集合は Y ⊆ ℝᵐ である

効用最大化問題

消費者 i の効用最大化問題は以下のようになる。

max{xᵢ∈Xᵢ} uᵢ(xᵢ) subject to p · xᵢ ≤ wᵢ

ここで、uᵢ: Xᵢ → ℝ は効用関数、p ∈ ℝᵐ₊ は価格ベクトル、wᵢ は初期賦存量である

利潤最大化問題

企業利潤最大化問題は以下のようになる。

max{y∈Y} p · y

一般均衡

一般均衡は以下の条件を満たす配分 (x*, y*) と価格ベクトル p* の組である

1. xᵢ* ∈ arg max{xᵢ∈Xᵢ} {uᵢ(xᵢ) : p* · xᵢ ≤ wᵢ} for all i ∈ E

2. y* ∈ arg max{y∈Y} p* · y

3. Σ{i∈E} xᵢ* = Σ{i∈E} wᵢ + y*

厚生経済学の基本定理
ホテリング補題

利潤関数を π(p, w) とすると、

∂π(p, w)/∂pⱼ = yⱼ(p, w)

ここで、yⱼ は財 j の供給関数である

生産者余剰の変化

価格変化による生産者余剰の変化は以下のようになる。

ΔPS = ∫{p₀}^{p₁} y(p, w) dp

公共経済学の定式化

社会厚生関数は W: ℝⁿ → ℝ である

政府問題は以下のようになる。

max{x,y,t} W(u₁(x₁), ..., uₙ(xₙ))

subject to:

1. Σ{i∈E} xᵢ = Σ{i∈E} wᵢ + y

2. y ∈ Y

3. xᵢ ∈ arg max{xᵢ∈Xᵢ} {uᵢ(xᵢ) : p · xᵢ ≤ wᵢ + tᵢ} for all i ∈ E

4. Σ{i∈E} tᵢ = 0 (予算均衡条件)

ここで、tᵢ は個人 i への移転支払いを表す。

2024-08-04

[] 金利上昇が経済に与える影響

1. インフレ抑制効果

金利上昇によるインフレ抑制効果は、フィリップス曲線を用いて説明できる。フィリップス曲線は、インフレ率 (π) と失業率 (u) の間の関係を示す。

π = πᵉ - α(u - u*)

ここで、πᵉ は期待インフレ率、α は係数、u* は自然失業率である金利上昇により、失業率が上昇し (u ↑)、インフレ率が低下する (π ↓)。

2. 貯蓄促進

金利 (r) の上昇が貯蓄額 (S) に与える影響は、以下のように表現できる。

S = S₀ × (1 + r)ⁿ

ここで、S₀ は元本、n は期間である金利が上昇することで、貯蓄額が増加する。

3. 企業設備投資への影響

金利上昇が企業資金調達コストに与える影響は、以下の式で表現できる。

C = L × r

ここで、C は資金調達コスト、L は借入額である金利が上昇すると、資金調達コストが増加し、企業投資 (I) が減少する。

I = I₀ - βr

ここで、I₀ は初期投資額、β は感応度である

4. 株価への影響

株価 (P) は、将来のキャッシュフロー (CF) を割引率 (r) で割った値として表現される。

P = Σ (CFₜ / (1 + r)ᵗ), t=1 から T まで

金利が上昇すると、割引率が上昇し、株価が下落する。

5. 為替への影響

金利差 (Δr) が為替レート (E) に与える影響は、購買力平価説金利平価説を用いて説明できる。

E = E₀ × (1 + (Δr / (1 + r_f)))

ここで、E₀ は初期為替レート、r_f は外国金利である金利上昇により、自国通貨が高くなる。

6. 住宅ローン金利の上昇

住宅ローンの月々の返済額 (M) は以下の式で表現される。

M = L × (r × (1 + r)ⁿ) / ((1 + r)ⁿ - 1)

ここで、L は借入額、r は金利、n は返済期間(月数)である金利が上昇すると、月々の返済額が増加する。

7. 実質経済への影響

インフレ抑制されると、実質経済に以下のような影響が期待できる。

7.1. 実質購買力の向上

実質購買力 (RP) は名目購買力 (NP) と物価水準 (P) の関数として表現できる。

RP = NP / P

インフレ抑制され、物価水準 (P) が安定すると、実質購買力 (RP) が向上する。

7.2. 実質賃金の安定

実質賃金 (RW) は名目賃金 (NW) と物価水準 (P) の関数として表現できる。

RW = NW / P

インフレ抑制され、物価水準 (P) が安定すると、名目賃金 (NW) の上昇が実質賃金 (RW) の上昇につながりやすくなる。

まとめ

金利上昇の影響は多岐にわたり、単純に経済成長が鈍化するとは限らない。金融セクターや貯蓄行動、為替レートなどにプラスの影響を与える一方で、企業投資にはマイナスの影響を与える可能性がある。これらの影響を総合的に評価するためには、各セクター経済主体に対する個別の影響を数理モデルを用いて分析することが重要である

2024-07-22

[] 動的一般均衡理論抽象拡張

1. 基本設定

経済表現する空間を E とし、これを局所位相線形空間とする。価格空間 P を E の双対空間 E* の部分集合とし、商品空間 X を E の部分集合とする。

2. 一般化された超過需要関数

Z: P × Ω → X を一般化された超過需要関数とする。ここで Ω は外生パラメータ空間である。Z は以下の性質を満たす:

(a) 連続性:Z は P × Ω 上で連続

(b) 一般化された同次性:任意の λ > 0 に対して Z(λp, ω) ≈ Z(p, ω)

ここで ≈ は適切に定義された同値関係

(c) 一般化されたワルラス法則:<p, Z(p, ω)> = 0

ここで <・,・> は E* と E の間の双対性を表す

(d) 境界条件:p が P の境界に近づくとき、||Z(p, ω)|| は無限大に発散

3. 価格調整メカニズム

価格の動的調整を表現するために、以下の無限次元力学系を導入する:

dp/dt = F(Z(p, ω))

ここで F: X → TP は C^1 級写像であり、TP は P の接束を表す。

4. 均衡の存在と安定性

定理1(均衡の存在):適切な位相的条件下で、Z(p*, ω) = 0 を満たす p* ∈ P が存在する。

証明の概略:KKM(Knaster-Kuratowski-Mazurkiewicz)の定理一般化した不動点定理を応用する。

 

定理2(局所安定性):p* の近傍 U が存在し、初期値 p(0) ∈ U に対して、解軌道 p(t) は t → ∞ のとき p* に収束する。

証明の概略:リャプノフ関数 V(p) = ||Z(p, ω)||^2 / 2 を構成し、V の時間微分が負定値となることを示す。

5. 不均衡動学

不均衡状態における経済主体の行動を記述するために、以下の最適化問題を導入する:

 

経済主体 i に対して、

最大化 U_i(x_i)

制約条件 <p, x_i> ≤ w_i + Σ_j p_j min{z_ij, 0}

 

ここで U_i は効用汎関数、w_i は初期富、z_ij は財 j に対する主体 i の超過需要である

6. 確率拡張

確率空間 (Ω, F, P) 上で、以下の確率微分方程式を考察する:

dp(t) = F(Z(p(t), ω))dt + σ(p(t), ω)dW(t)

ここで W(t) は適切な次元のウィーナー過程、σ はボラティリティ作用素である

7. 漸近解析

ε → 0 のとき、以下の特異摂動問題考察する:

ε dp/dt = F(Z(p, ω))

この解析により、短期的な価格調整と長期的な均衡の関係を明らかにする。

8. 一般化された不動点定理

定理3(一般化された不動点定理):P が局所位相線形空間 E の非空、凸、コンパクト部分集合であり、F: P → P が連続写像であるとき、F は不動点を持つ。

この定理を用いて、より一般的な経済モデルにおける均衡の存在証明できる。

 

定理 4: 漸近挙動定理

ε → 0 のとき、特異摂動問題 ε dp/dt = F(Z(p, ω)) の解の漸近挙動は、元の動的システムの長期的均衡と一致する。

2024-03-03

[] インフレは良いもの

標準的経済理論経済主体の行動を決定するのは、名目変数ではなく、実質変数である

賃金物価の好循環」がなぜ好循環なのか。「デフレを抜け出したいでーす!ピロローン!」ぐらいの根拠しかない。

経済の実質値がインフレによって高まるということはあるのだろうか。

名目賃金物価が同時に上昇する経済の方が、互いに凍結し合っている経済よりも好循環が起きやすい、という見方を100歩譲って認めるとしてみる。

しかし、その正の効果果たしてどのくらい大きいのか?

家計企業のように、物価賃金名目値が上昇する経済が、消費や住宅投資をより増やすかと言われれれば、それはかなり怪しい。

貨幣錯誤はあるかもしれないが、実質賃金が低下し、物価が高まれば消費は減る。当然である

賃金物価の好循環」の正の効果が、他のリスク要因を上回るかというと、断定はできない。

デフレが続いたことによって生まれた「インフレは良いもの」という妄想は疑う必要がある。

2023-03-09

anond:20230308222646

糾弾できなかったのは背景に女性消費者という巨大な経済主体存在があるわけで。。って話しても女にはわかんないか

2023-01-08

社会貢献とは、奴隷奴隷らしくこき使われること2

何も考えずに放言してしまったので少し考えた。

まず俺は勝ち負けの話はしていないつもりだったが、仮にそれを定義するならいくつかの種類があるとは思う。

1. ロビンソンクルーソー経済生活をして幸せに暮らす。

2. 収入から支出を引いたものが常にプラスに保たれ、かつ資産が増加している状態を作る。

3. 投機リスク(つまりあ資金を投じると一定確率利益一定確率で損失になる)を取ることで大儲けする。

弱者権力者資金面で勝つなら3ぐらいしか方法がないので、「イノベーションは悪!」と言うやつがいたら既得権益を守ろうとしていると考えて良い。

3によって勝ち組になっている奴もいるかもしれないが、生存者バイアスがかかるので破産して人生終了する可能性は無視できない。

経済活性化」とは、パイを奪い合う機会を生じさせるゲームと考えることができるが、別の言い方をすると経済主体が全員合理的なら経済は硬直する。

そのようなゲームがうまく機能するには不合理な弱者存在しなければならず、その弱者媒体としてパイの奪い合いをしているのが今の経済と俺は思ってる。

そういうゲームがあってもなくても消費される財・サービス生活必需品と呼ばれるが、そういう「必要な」ものをやり取りするだけの経済なら、適切な規制のもとでは奴隷というものはない。

日本労働市場は「パイの奪い合いに関するゲームを公正にやろうとしていない」という事ではないかとは思う。

anond:20230108065454

2022-02-06

anond:20220206183006

国は収入を稼ぐ経済主体ではないんだがwそんなに自分が刷ったお金大事なら、刷ったそばから市中に流さず直接金庫に貯めとけよwwww

2021-12-15

男が女を連れ込む同居は単なる同棲なのに

女が男を連れ込む形での同居がヒモと呼ばれるの

どういう現象なん?

これも典型的男性差別だと思うんだが

別に男女どちらが経済主体になってもいいだろ

其れを片一方だけヒモといって揶揄する風潮は間違いなく単なる差別だろ

2021-06-02

anond:20210601142224

これは典型的ミクロ経済マクロ経済の違いですね。元増田はそのあたりを把握したほうがよいです。

ミクロ経済的に最低賃金が上がった場合は、要は労働価格市場価格より高止まりする、つまり需要供給を下回り

労働力が市場にだぶつく、つまり人は雇わなくなるだの最賃より高い人の給与があがるだのといった現象が導けるという感じです。

ただこれはあくまでも個別経済主体、つまり一人の経営者目線にすぎず全体の経済事象が見えていない状態です。

マクロ経済的にはそもそも労働供給最低賃金を上げたからといって物量が急に増えるなんてことはなく、基本的には安定しています

そのため供給曲線はある意味水平線みたいな形になるため、ミクロ経済視点よりも最低賃金の上昇が与える労働需要

現象はかなり緩やかなものになるのです。つまり労働力がある程度だぶつくという事象は発生するが、それは経営者が考えている

ほどではないということです。

また一般的労働が生み出す価値というのは、労働者本人の能力に加え、会社提供する資本ビジネスモデル割合が大きいです。

そのため労働者の能力以上に単に生産性の低い企業労働需要を満たせなくなり、生産性の高い企業労働力が移動する

という事象が発生します。これが要は日本必要と言われていた構造改革であり、今薦めるべき政策の一つというわけですね。

しかし、これには昔から1点反論がありました。外国人労働者存在です。今までの話は労働供給価格(=賃金)によって

左右されにくいというマクロ経済の前提をベースにおいたものですが、実は日本グローバル化しているのに伴い外国人労働者

存在によってこの前提は崩れつつあったのです。つまり労働価格が高いため海外から労働者が来るようになり

スーパーとかを見てもわかると思います日本国がマクロ経済で語れる存在からミクロ経済個別経済主体に

過ぎないものになってきたということです。

ところがここ2年は更にその前提が崩れています。皆さんご存知のコロナです。コロナのため国内最低賃金ベースで働くような外国人

は急に減少している状態であり、おそらくあと2年程度はまともに入ってこないと思われます

まり最低賃金を増やして構造改革を薦めるタイミングは実は今しかないのです。

2019-12-13

財務省さん、5年前にはなんて言ってたっけ?

純利払い費が対名目GDP比で1%を優に下回っていることを考えれば、日本債務の持続可能性を重要視しすぎている。

"日本が繰り返した消費増税という過ち" By Mike Bird, The Wall Street Journal 2019年12月12日 14:28 JST https://jp.wsj.com/articles/SB11472337774144154450204586073110834531904 ちなみに英文タイトルは"Japan and the Art of Making the Same Mistakes Over and Over Again"

今年の日本の年間利払い費は8.85兆円で、直近の名目GDPは559.22兆円です。そのまま割ると1.6%程度ですが、ここでウォールストリートジャーナルが純利払い費(英文ではnet interest payments)を対GDPの1%未満としているのは国債のうち政府機関(主として日銀保有分に対する利払いをオフセットしているからです。

そのように観察すべき点については、アメリカマクロ経済学者も指摘しています

GDP比で250パーセントにのぼる日本債務警鐘を鳴らす識者が少なくないが、この比率危険性は誇張されている。金融市場は引き続き落ち着いており、2017年8月時点で日本の長期国債金利はほぼゼロで、世界最低水準にある。金融市場日本債務懸念していない理由は2つある。第1に、日本国債の多くを保有しているのは、日本政府日銀であり、それ以外の民間保有する国債の対GDP比は40%に過ぎず、アメリカより大幅に低い。第2に、アメリカ場合国債残高のかなりの割合外国人保有しているのに対し、日本国債ほとんどは国内の貯蓄者や機関保有している。

ロバート・J・ゴードンアメリカ経済 成長の終焉日本版・日経BP2017年 https://www.amazon.co.jp/dp/B07KWMYP13/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

公的債務とは政府負担するトータルとして定義されます。すなわちあらゆる経済主体に宛てて発行された債券負債)の総額です。そしてその経済主体には他の政府部門家計民間企業、そして外国投資家が含まれます公的債務財政赤字の累積でもあります

・・・ここで政府債務とは政府内の他の部門によって保有されている債券も含まれていることに留意してください。2010年の半ば時点において、連邦準備制度は1兆ドル財務省証券保有しています。それに加えて数兆ドル財務省証券ソーシャルセキュリティ社会保障基金)やメディケアトラストファンド医療保険基金)によって保有され、それによってベビーブーム世代リタイアした場合に増大する給付や彼らが支払ったペイロールタックス(※増田注:社会保障税。アメリカ公的年金の財源です)に対応する支払い等の将来の支払い義務対処することが可能になっています

このセクションで議論になるのは、将来世代負担という問題は、政府債務政府内の他の部門によって保有されている場合は必ずしもあてはまらないということです。政府負担するグロス債務政府保有する総額です。それゆえ、ネット債務グロス債務から政府自身保有する持分、すなわち連邦準備や政府信託保有する債券を控除して求められます懸念すべき唯一の問題ネット債務です。なぜならばネット債務の利子は将来の納税者によって支払われるからです。それと対照的に、政府内部で保有されている負債から生じる利子は、支払われると政府に戻っていきます。例えば、Fed連邦準備制度)はその大量の政府証券保有から得る利子から毎年多額のドル財務省に戻しているのです。

Robert J Gordon "Macroeconomics" 12th Edition,Pearson(2013) https://www.amazon.co.jp/dp/B00IZ0B3NK/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

ところで、2019年の年間利払い費は8.85兆円は、実は名目GDPが350兆円程度だった昭和60年代よりも少ない額なのですが、財務省は5年前には利払い費は今後10年で2.4倍になると試算していました。

"国債利払い費、今後10年で2.4倍に 財務省試算" 日本経済新聞 2015年2月18日 https://www.nikkei.com/article/DGXLASFS18H4K_Y5A210C1EE8000/

グロス数字のみ示す不適切さはおくとしても、当時の試算によると2019年の利払い費は12.9~13.2兆円、来年は14.0~14.7兆円、再来年は14.8~16兆円。2020年の予想と2019年の実際の利払い費の差額は今年の増税分とほぼ同じ、このような試算をしていたのであれば、予想が外れた今年、むしろ消費税は下げるべきでした。

日本経済がパッとせず人々の暮らしが苦しくなったのはGDPが増えなかったからで、GDPが増えなかったのはアベノミクスの以前の日銀金融緩和消極的かつ財政支出が不十分だったからで、アベノミクス以後少し増えるようになったのに物足りず、「生活が苦しい」という人が少ししか減らないのは安部政権が1年目を除き財政支出を渋るうえに消費税増税しているからですが、そうした政策はこういう邪悪で愚かな試算を根拠としていますしかしながら盛大に外したことあきらかになっているのに、財務省責任を問う声はまるで聞こえず、財政再建批判するのは外国新聞エコノミストばかりです。マクロ経済に関心が薄い社会は、財務官僚にとってはチョロい社会ですがロスジェネは救われません。

過去増田です)

"れい新選組立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいか追記しました) " https://anond.hatelabo.jp/20190622204530

"金融政策はこれからマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンツイートより" https://anond.hatelabo.jp/20190824134241

"国土強靱化いつやるの?今でしょう!" https://anond.hatelabo.jp/20191014111057

"お金が余ると財政健全化できない?そんなバカなことあるか!...あるんです " https://anond.hatelabo.jp/20191111070842

"長期停滞下の経済政策" https://anond.hatelabo.jp/20191208114156

2019-11-11

お金が余ると財政健全化できない?そんなバカなことあるか!...あるんです

"資金循環 ゆがみ拡大 借金政府に偏在 日米欧企業カネ余り-チャートは語る"日本経済新聞2019年11月10日

"ピーターソン国際経済研究所のオリビエ・ブランシャール氏は金利が成長率より低い現状では財政赤字の許容度が高まると説いた。"

"上智大学中里准教授は「経済低迷を放置すればデフレに陥る。経済政策として財政健全化選択しにくい」"

https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5185015006112019MM8000?disablepcview


なぜお金があまると、貯蓄が過剰だと財政健全化できないんでしょう?

Ys = Yd, Y = C + I + G + NX という等式からスタートします。

前者は生産、分配(所得)、支出からみたGDP三面等価より総供給Ys=総需要Yd、後者はYが所得、Cが消費、Iが投資、Gが政府支出NXがX-M、経常収支プラスなら黒字です。これはマクロ経済学の基本なので、分からない人は教科書などで確認しておきましょう。

この等式の両辺からC, I を引きます

Y - C - I = G + NX

左辺はY、つまりその期間に生産された財・サービスから消費と投資(いずれも家計がする場合企業がする場合があります)を除いたものですから民間部門の貯蓄です。つまり民間部門の貯蓄は政府支出経常収支黒字の合計に等しいということです。

もちろん消費も投資政府支出も、異なる経済主体が独自判断ですることなので、当期に直ちに等しくなるとは限りません。事後的に等しくなる方向で経済が動くという意味です。Ys > Yd 、つまり供給過多で生産された物・サービスから売れ残りが生じても、長期間でみれば価格調整メカニズムが働いて、Ys = Yd となるのかも知れません(この考え方を"セイの法則"といいます。)。しかしながら短期間で観察すると価格調整メカニズムが働くといっても限度があります売れ残りが生じるとなると、企業は次年度はむしろ生産する数量を減らすでしょう。つまり、少なくとも短期間でみると需要供給規定しているのです(この考え方を"有効需要原理"といいます。これはケインズ発見とされています。)。

では民間貯蓄が過剰な場合経済を縮小しないで左辺と右辺を均衡させるにはどうしたらいいでしょう?

まずIを大きくする、つまり投資を増やす方法があります。全体としてのIは利子率rの関数とされているので(これを"投資関数"といいます。)、貨幣供給を増やして金利を下げることです。ただし利子率が10%もあればいいのですが、下げて下げてゼロゼロ近辺に達した場合は、これより下には下げられないか、下げられたとしても(注1)Iを増やす効果限定的です(この状態を「ゼロ金利制約」「流動性の罠」といいます。)(注2)。そもそも過剰貯蓄とは本来資金不足で、つまりお金を借りて商売をしていた企業資金余剰に転じたから生じた現象で(家計はもともと資金余剰です。)、企業資金余剰というのはお金の借り手がいないということですから、そういう現象が生じた時点で利子率はかなり低いのです。

次にNXを増やす方法があります。ただ、この方法他国との軋轢の原因になるうえ、貿易黒字通貨高を招き国際競争力の低下を来たすので、ドイツのように特殊な国際環境でもない限り増やすといっても限度があります(注3)。

残った方法はCを増やす、つまり減税か、Gを増やす、つまり政府支出の拡大です。いずれも財政状況は悪化します。中里准教授が「経済政策として財政健全化選択しにくい」というのはこのようなメカニズムを指していますいくらお金があっても誰かが使わないと所得は産まれないのです。

財政健全化というのはマクロ経済的にいうと貧しくなれというのと同義です。もちろん少子高齢化ならやむをえないとか、むしろ経済成長にとらわれない里山資本主義でいくのだ、というのもひとつ生き方選択だと思いますが、それならそれで正直にそういうべきで、財政健全化たらみんなが安心して豊かになってという説明はどうかと思います

(注1) 銀行間の借入れ金利に働きかけることにより銀行家計企業に貸す出す貸出金利を間接的に下げる「伝統的な金融政策」に対して、ゼロ近辺に達したインターバンクレートからターゲットを変えて、ターム・プレミアムリスクプレミアムによってそれより高く設定されている長期金利を下げることを狙うのが、いわゆる「非伝統的な金融政策」です。貸出金利の指標商品である長期国債を大量に購入する、MBSETFなどのリスク資産を購入してリスクプレミアムを下げる、インフレ目標と金政策の先行きを示して期待インフレ率を上げる、などの方法があります

(注2) 近時、低すぎる利子率は弊害を産む可能性があることが指摘されています。"金融政策はこれからマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンツイートより"、ラリーサマーズのいくつかのツイートを参照。https://anond.hatelabo.jp/20190824134241

(注3) ドイツ事情についてはマーティンウルフ日本化しないドイツ幸運フィナンシャル・タイムズ日本経済新聞2019年11月1日がよくまとまっていますhttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO51634760R31C19A0TCR000/

過去増田です)

"れい新選組立憲民主党 どちらが正しいか (自民党とどちらが正しいか追記しました) "

https://anond.hatelabo.jp/20190622204530

"金融政策はこれからマクロ経済の安定化ツールであり続けることができるのか サマーズとクルーグマンツイートより"

https://anond.hatelabo.jp/20190824134241

"国土強靱化いつやるの?今でしょう!"

https://anond.hatelabo.jp/20191014111057

2019-10-05

anond:20191005190522

ていうか経済主体領主一人の家産国家と、財産を共同所有するという建前で共産党単独でそれを管理する共産主義国家って実質一緒じゃねえ?

現実共産主義封建制しか見えない。

2019-09-03

軽減税率のせいでインボイス義務化されるし、自営業も殺されに掛かっている」

軽減税率のせいでインボイス義務化されるし、自営業も殺されに掛かっている。自民党支持者って自殺願望あるようにしか見えん。

これは違う。


ていうかちゃんとググれば情報は出てくる筈なんだけど

税理士ブログの要点まとめなんかではまだ本当のずぶの素人には理解できないんだろう。



インボイス制度軽減税率関係あるのか?

ない。

まずここが重要で、関係ない。

インボイス制度は何のために導入するのかというと、益税」を見逃さないようにするってこと。

益税というのは事業者なのに消費税納めないってこと。なお自分もの売る時はきっちり消費税とる。つまり美味しい。


そもそも消費税は我々最終消費者負担して(俺もさっきコンビニで水を買って8円払った)、それを受け取った事業者当局に納める仕組み。

8円を俺が負担してるんだけど、納めるのは俺から8円受取ったコンビニオーナーなわけ。

ただしコンビニオーナーもその水を25円で仕入れときは2円の消費税仕入れ元に渡してる。

からコンビニオーナーが当局に納める消費税は6円で、残りの2円は仕入れ元が納める。


ちゃごちゃした説明は実は読まなくていいんだけど、

要するに事業者は代金と一緒に消費税を預かって、それを当局に納めてるわけ。


益税とは何か?

消費税を預かりながら納めずに懐に入れちゃうの。

さっきの例でいえば、コンビニオーナーがもし免税業者なら6円は納めず懐へ入れてよかった。

これけっこうでかいよ?


なんでこんなことになってたかというと

まあ免税業者って言うのは売上が少ない業者なので手続き事務処理も大変だろうって言うお目こぼし

過去のことはそれでいいんだけど、まあ公平ではないのでそろそろやめましょうかと。

インボイス制度で何が起きるかというと、免税業者がいなくなるんです。

これは当局は確実にそういう意図があります

売上が年1000万円以下の事業者も、みんなと同じく消費税納めなさいねってこと。

おおざっぱに売上-費用×10%か。

まあ従来に比べると納めなきゃいけない税が増えるのでずっと免税業者益税状態だった事業者増税感を持つと思う。


ただそもそも益税ということに大義名分はないからね。

から消費税預りながら実はぽっけに入れてたってことで、免税業者以外の経済主体からイメージも良くない。

増税だ―」って騒いでも支持を得られにくいと思う。


2.軽減税率インボイス制度に絡むとすれば

インボイスって要するにただの領収書なんだけど、

軽減税率が含まれるような商売だと、税率ごとに記載しなきゃいけなくてめんどくさい。

ただ、どんな自営業のお店でもレジ簡単会計システムぐらい入れてるから

さほど大変にはならんと思うよ。

軽減税率との絡みはそれだけ。



3.なんで軽減税率インボイス制度を絡めた声が上がっているのか

ぶっちゃけ

https://www.zenshoren.or.jp/zeikin/chouzei/180219-08/180219.html

この全商連のホームページのせいだと思う。

twitterでこれで騒いでる人はみんなここのイラストだし。


確信犯的に絡めてるコアと、内容よくわからずにぼんやり「これも軽減税率関係あるんだ!」と思って広めてるライト層がいる。

全商連の狙いは自営業者の多い免税業者に対する益税廃止(実質増税)に対する抵抗


画面下の方を見ると全商連会員の声が写真付きで見られるけど、

まあ町の自営業の爺さま婆さまです。

インボイス実施なら「値引きか、撤退か、消費税を支払うか」だ

当たり前の選択肢を並べてるだけだけど、要するに消費税を払いなさいと言われてるからそりゃそうです。

インボイスを出せるか」で選別は失礼!取引慣習もダメにする

これだと新しい制度なんか一切導入できないでしょう。


軽減税率には世間非難や疑問の声が多い一方

益税状態をなくすことにはきっと社会の支持は大きくなるので

こうやってほとんど関係ない問題を絡めて巧みにtwitterで流してるのです。


田舎中小業者のじっさまばっさまの団体にしては有能だと思います

比較若い目端のきいた人がいますね。

2019-06-23

anond:20190622204530

2014消費税増税後も、PLを見れば上場企業は最高益であった。

将来の物価上昇を予想すると、企業民間経済主体)は

①まず内部留保を取り崩し、自己資金投資を増やし、

②やがて銀行から借り入れて投資を増やす

 ②がマネーストック増のことであり、リフレ開始するとまずマネタリーベースけが増えるがそれは当然のことである

というのが岩田規久男氏の主張であった。

2014年以後企業金融流動性資産(現預金株式公社債・その他有価証券)は増加しており、

2018-07-23

なぜLGBT少子化対策予算を投入しなければならないのか教えて

少子化対策として

異性間カップルを増やすような支援政策予算を投じれば出生率上がるかもしれないけど、

LGBTカップルを増やすような支援政策予算を投じても出生率は向上しないと思うよ。

もちろん首相夫妻のような高齢夫婦少子化予算投じても出生率は向上しないだろうね。

かに少子化対策という観点で見るとLGBT高齢カップル人口生産性は期待できないよ。

 

里親には成れるだろうけど、里親という属性支援すればいいのであって

特別LGBT高齢カップルという属性支援する理由はないね

それと人口生産性の話なので経済主体として生産性があるとかい議論意味がないよ。

 

LGBT人達の息苦しさを解消するには、

少子化対策ではなく人道や人権平等観点から政策を作って予算を充てるべきだよ。

障碍者高齢者の支援と同じように生産性議論から離れて行うべきだよ。

人を支援するのに人口生産性本来関係ないよ。

 

なので以下の杉田議員の主張は正しいよ。 

「例えば、子育て支援子供ができないカップルへの不妊治療税金を使うのであれば、

 少子化対策のためにお金を使うという大義名分があります

しかし、LGBTカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。

 彼ら彼女らは子供を作らない、つまり生産性』がないのです。

そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」(『新潮45』P.58~59より)

 

これに対しては、

生産性など関係あるか!困っている人達税金を投じて支援してやってくれ。」

という賛同の声をみんなが上げればいいだけだよ。

 

ただし、生きづらい人たちは沢山いるから、

どうしてLGBTという属性だけを優先して支援するのか納得させられる説明ができないと

LGBTへのヘイトを煽る結果になるので注意しないといけないね

僕としては実質LGBT支援目的だけどそれ以外の属性人達への支援にもなってて

反発がなく目立たない形で各法律改正時にこっそりLGBT支援政策を実現してくれないかなと思うよ。

2017-08-23

VALUの税金問題についての一考察(発行側)

私はVALUを売っても買ってもいません。

というわけでさほど興味はなかったのですが、税に関わる仕事をしているものとして課税関係についても昨今の議論はとても楽しくみています

国税庁に照会中ということで近々見解は出るのだと思いますが、色々と検討した結果を記録しておいて、将来の答え合わせを楽しもうと思います

(買った方についても書きたかったのだけど、長くなっちゃったのでまた今度)

ちなみに他の先生方の意見はこんな感じ。

山田真哉先生

VA発行者事業に絡む優待事業所

事業に絡まない優待 → 雑所得

優待ナシ(無償収入) → 贈与税

大河内先生

所得贈与税(たぶんそんな意見なのだろうと読み取りました)

発行者はVAを発行してBTCで対価をもらうわけですが、現金だろうとBTCだろうと経済的に得をしたのであれば課税対象とはなるはずです(税金がかかる場合、きっと所得税贈与税なのでそこに絞って進めます)。

VALUに限らず資産が動いたり利益を得た時には課税を疑うということは義務教育から教えてほしい。

課税されるかどうか

所得税法第36条

その年分の各種所得金額計算収入金額とすべき金額又は総収入金額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、その年において収入すべき金額金銭以外の物又は権利その他経済的利益もつ収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額)とする。

相続税法第1条の4

次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、贈与税を納める義務がある。

一 贈与により財産を取得した個人で当該財産を取得した時においてこの法律施行地に住所を有するもの

所得税の方で重要なのはカッコの中で、金銭以外のなんらかで対価をもらってもその金額課税しますよ、となっています

物々交換だろうとなんだろうと対価があれば課税です。

ですからBTCでもらったからどうとかい問題ではないわけですね。

贈与の方は見たまんまです。

ちなみに所得税法でも相続税法でも税金がかからないものについては規定存在しますが、今回のようなケースに該当するものは見当たりません。

というわけでまあVAが売れた場合には課税関係は出てくるでしょう。

どんな形で課税されるか

では、所得税なのか贈与税なのか。所得税だとしたらどんな所得区分なのか。

所得税だとした場合

所得税に関しては譲渡所得、一時所得、雑所得などの意見が多いようですので、一つ一つ見てみます

所得税法33

譲渡所得とは、資産譲渡(中略)による所得をいう。

譲渡所得に該当するには「資産譲渡」でなければなりません。

では、ここでいう「資産」とはなにか。

所得税法では「資産」という言葉に関しての定義はしていませんので、会計学でいう「資産」はこんな定義になっています

資産とは、企業等の特定経済主体帰属する用益潜在力で貨幣額で合理的評価できるもの定義されます

「用益潜在力」というと難しく聞こえますが、「何らかの役に立つもの」という感じでふわっと認識してください。

で、「何らかの役に立つもの」であれば何でもいいかというとそうでなく、「貨幣額で合理的評価できるもの」という条件もあります

肩たたき券なんかはダメなわけです。

そう考えるとたいていの優待は税法上資産性はないと考えられますので、VA自体資産ではないと考えられます

流動性などは資産定義に含まれていませんので「流動性があるから資産」というお話はここでは通じないのでしょうか。

そう考えると「資産譲渡」が対象譲渡所得には該当しないといえます

そうなると一時所得か雑所得です。

所得税法第34条

一時所得とは、利子所得配当所得不動産所得事業所得、給与所得退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

実態はどうあれ、VAの発行は「営利目的とする継続的行為」ではないはずです。

そして「労務その他の役務又は資産譲渡の対価としての性質を有しない」とも思われますのでこれはなかなかに近いと思われます

一時所得に該当すれば必然的に雑所得にはなりませんので、所得税対象となるとすれば一時所得なのではないか個人的には思っています

贈与税だとした場合

ここまではあくま所得税だったらのお話

贈与になる余地もあります

何らかの対価性がなく「応援」という形でVAが売れた場合にはそれはもう贈与です。

優待がある!」と考える方もいると思いますが、優待確約されたものではなく、先ほど見たように資産性もありません。

個人的には贈与で良いのではないかと思っています

所得税だとしたら一時所得、でも贈与にもなると思うよ」という結論なわけですが、この二択をどう考えるか。

ここも所得税法に解答があります

所得税法第9条

次に掲げる所得については、所得税を課さない。

十六 相続、遺贈又は個人からの贈与により取得するもの相続税法昭和二十五年法律七十三号)の規定により相続、遺贈又は個人からの贈与により取得したものとみなされるものを含む。)

贈与に該当するのであれば所得税は課さないといっていますので、両方に該当する気がするような場合には贈与が優先されます

そう考えると私の結論は「VAの販売贈与税対象となる」となります

はいくらが課税対象となるかということですが、所得税法第36条のカッコ書きはその時点での時価で課税すると解釈されていますので、約定した日におけるBTCのレートで換算した金額が贈与額になると思われます

最後

発行者としては課税されないのがベストしょうが、それはちょっと難しい。

最後になりますが、贈与だとした場合の良い点、困った点を考えてみます

<良い点>

・110万円までは税金がかからない。

<困った点>

贈与税がめっぽう税率が高い

税金現金納付なのでBTCを現金にする必要がありますが、その際にはまた所得税がかかる(原価なしということになるので結構負担になるかと)

まああくまで一考察しかありませんので、答え合わせを楽しみにしています

しかし、なんでスタート前に事前照会をしなかったのか、顧問税理士が何も言わなかったのかというのは気になりますね。

2017-01-26

この比較優位説明の仕方だと、誤解する人を生むよ。

 貿易とは、得意な産業では輸出して、不得意な産業では輸入することだ。これは「比較優位」という概念説明される。



Wikipedia言葉を借りるなら『経済主体内での相対的有利さを経済主体ごとに比較したときにどちらが優位であるかという二重の相対比較比較優位』ということ。

日本の中では自動車農業の3倍得意で、アメリカの中では自動車農業の2倍得意、その3倍と2倍を日米比較したら日本の方がより自動車相対的な得意さが大きい、

これが日本アメリカに対して自動車比較優位を持つということ。アメリカ自動車の方が得意で農業の方が不得意だけど、アメリカ比較優位農業になる。

ここが元増田説明の仕方だと、誤解を生みやすい。

アメリカ自動車生産性日本自動車生産性より高くても、比較優位があるのは農業の方になる、というのの方は比較優位単語を知ってる人は誤解しないけど。

なお、もしアメリカで何かの理由農業が壊滅したら、日本農業が得意ってことになる。


http://anond.hatelabo.jp/20170126101104

2015-11-13

簿記エッセンス(簿記という言葉意味を間違えないために。)

http://lacucaracha.hatenablog.com/entry/2015/11/11/100336説明を見て、簿記会計を初めて知る人が誤解されかねない箇所が多々あり、さすがにどうかと思ったので、自分簿記エッセンスをまとめました。

簿記とは? 辞書をひいてみよう。

まず辞書をひいてみよう。国語辞典が手元にあればそれでひいてほしい。残念ながら手元にない人は、Web上の辞書をひいてみよう。

できれば複数辞書をひいてみよう。複数辞書意味を見較べてみよう。

ぜひ本当に引いてみて欲しいのだが、今私が引いた結果を記しておく。

Wikipediaでは、 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B0%BF%E8%A8%98 )

簿記(ぼき、英語: bookkeeping)とは、ある経済主体経済取引によりもたらされる資産負債純資産の増減を管理し、併せて一定間内収益及び費用を記録することである。より平易な言い方をすると「お金ものの出入りを記録するための方法」が簿記である[1]。

大辞林 第三版の解説 では ( https://kotobank.jp/word/%E7%B0%BF%E8%A8%98-132641#E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.9E.97.20.E7.AC.AC.E4.B8.89.E7.89.88 )

ぼき【簿記

一定期間における経済活動を,一定の記録方法で帳簿に記録・計算・整理し,財産資本負債の増減を明らかにする計算制度。記入方法により単式簿記複式簿記に分けられ,業種により商業簿記工業簿記銀行簿記農業簿記などに分けられる。 〔「帳面に書きつけること」の意。英語 bookkeeping の訳語福沢諭吉福翁自伝」(1899年)にある〕

デジタル大辞泉では ( https://kotobank.jp/word/%E7%B0%BF%E8%A8%98-132641#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 )

会社官庁組合など経済主体活動一定方法で帳簿に記録・計算し、一定の時点で総括して損益の発生や財産の増減を明らかにする技法。記帳方法によって単式簿記複式簿記に分けられる。

日本大百科全書(ニッポニカ)では ( https://kotobank.jp/word/%E7%B0%BF%E8%A8%98-132641#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 )

一定ルールに従って帳簿を作成取引等の事実を記録・管理する技法のこと。

世界百科事典 第2版では ( https://kotobank.jp/word/%E7%B0%BF%E8%A8%98-132641#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88 )

企業政府のような特定経済組織体管理する資本財産価値変動を一定表現技法にのっとり記録・計算し,その結果を伝達する行為,またはその表現技法をいう。〈帳簿記録〉という用語に由来するとされ,日本では1873年(明治6)大蔵省公刊のアラン・シャンドAlexander Allan Shand(1844?‐1930,イギリス)《銀行簿記精法》で簿記という訳語が使われて以来,一般化した。この技法現在あらゆる経済体制を問わず,さまざまな組織で用いられている。

とそれぞれ説明されている。

それぞれの単語意味をよくとらえよう。共通する単語はなにか?

どの辞書辞典を見ても、共通する言葉がある。例えば「経済主体」や「経済組織体」といった言葉。「帳簿」、「記録」、「計算」、「一定」も共通している。「技法」という言葉や、「増減」といった言葉も目につくだろう。

どの辞典でも使用されている同じ単語を、うまく抜き出して意味をまとめてみよう。こんな感じになるだろうか。

経済主体が行う経済活動(これを取引といったり、財産などの価値の変動ともいうようだ)を、一定方法で記録したり、計算する。その結果を帳簿に書いておく。場合によってはそれを伝達する。これを簿記という。

さらに簡単にまとめてしまえば、「お金ものの出入りを記録するための方法」を簿記という。

とでもなろうか。これが簿記という言葉意味である。つまり

1.ある個人や集団がいて、

2.それらのお金ものなどの財産全般が、

3.増加したり、減少したりしたときに、

4.それを帳簿に書いておく。場合によっては誰かに伝える。

ということが簿記エッセンスである簿記が行っていることはこれだけだ。とても簡単なことに見えるだろう。

意味理解するうえで間違われやすいところ

自分なりに間違いやすいところをあらかじめ指摘しておくと、

1.「簿記=財務諸表をつくるもの」だと思っている

よくある間違いは、簿記=財務諸表をつくるもの、といった短絡的な勘違い財務諸表がまず何かわからない人も多いと思うが、主に会社が、ある期間の業績などをアピールするために作成している書類で、決算書と呼ばれることもあったりする、くらいの意味合いを抑えておけば十分だ。

いままで見てきたように、簿記のものは、財務諸表ではない。財務諸表を作る上で役に立つが、簿記自体財産の変動を記録して帳簿に書いておく、といった意味合いしか無い。したがって、簿記説明で「財務諸表説明だけしかしない」のであれば、それは間違いだ。簿記から財務諸表を作ることができるよ、といった説明ならば、もちろん間違いではない。簿記財務諸表は別の言葉であり、意味は等しくはならない。

例えて言うならば、プログラミングをする上で様々なプログラミング言語があるわけだが、では、ある言語を持って、「それだけ」をプログラミングと呼ぶか?というようなものだ。「Java言語プログラミングをする」という文は間違っていないが、「プログラミングをすること=Javaである」というようなことを言われると、それは誤解であるC言語Pythonや他にもいろいろプログラミングをする上で利用されるプログラミング言語はあるのだから。「USBメモリー=USB」みたいな、誤解されかねない意味の略し方になりかねない。

2.「財産の変動=現金の動き」だと思っている

財産という言葉を聞くと、簿記会計を全く知らない人は、現金(硬貨とか紙幣)だったり、あるいは、金の延べ棒みたいなものとか、袋にドルマーク($)が描かれたものイメージとして浮かべがちだ。実際に簿記でもそれらは対象になるのだが、「お金自身の動きだけをもって、簿記である」と勘違いしてほしくない。あくまでも、「財産」の変動を対象にしている。この財産とは「経済的価値を持つもの」全部を指すのだ。だから現金以外もいろいろ入ってくる。

例として、火災天災などが挙げられる。(他にも会計的なものはいくらでもあるが、知らない人がわかりやすいのはこれ以外には少なかろう)

火災天災によって、ある会社工場や営業で使っている自動車が焼失したり、破損することがある。このとき会社からお金は減っていないが自動車が使えなくなってしまうために、財産として計上している「自動車価値」を減少させる。複式簿記仕訳で書けば、

  ○月☓日 (借方)  火災損失(天災損失などもあるだろう) □□□万円 / (貸方) 自動車(車両運搬具だったりもするが) □□□万円

といったようになる。よくわからないところが多いと思うが、「お金のもの」がどちらの側にも無いということを確認してほしい。

簿記=お金」のイメージが学び始めのころはついてまわると思うが、だんだん学習が進むにつれて、お金のものを扱っているといった見方では説明できないものがたくさん出てくる。むしろそういうものばかりになる。

それゆえに簿記言葉説明するときには、「財産」とか、「経済的価値変動」といったような、お金よりも抽象的な言葉説明せざるを得なくなる。わざわざ難しそうな言葉を選んでいじわるをしているわけではなくて、正確な言葉を使わないとあとあと矛盾がたくさん出てくるゆえだ。定義がピンとこない人の方が多いと思うが、誤解しないでほしい。

「○○簿記」と行った用語のいろいろ (例 : 商業簿記 工業簿記 複式簿記 単式簿記 )

記録する対象商業であれば、商業簿記になる。ここでいう商業とは、ものを仕入れて、仕入れた商品をそのまま販売することをいう。スーパーマーケットの(惣菜みたいなそのお店で調理していないで、)袋詰されて並んでいるもの対象に含まれる。加工している場合にはその加工にかかった費用計算する必要があるので、商業簿記では取り扱われない。

工業簿記は、商業簿記とは異なり、仕入れたものを加工して販売する。典型的なのは自動車産業のようなものだ。鉄やガラスなどを加工して、自動車を作り、それを売る。加工する途中で、工員が作業を行う必要があるし、加工のために工具や電気代、燃料代などがかかるだろう。そういった加工を伴う簿記工業簿記範囲である。(工業とついているので、工業だけと思われるかもしれないが、加工を伴うものであれば工業以外でもよい。例えば洋服オーダーメイドで作製する個人商店なども、布地を加工して服に仕立てるので、工業簿記範囲だ。生の牛や豚をさばいて、畜肉にする作業も加工を伴っているので工業簿記であるテクニカルタームだが、そういうとき副産物や連産品として処理したりする。金額的な重要性によって会計処理が変化することがあるが)

他にも農業簿記銀行簿記といった言葉もある。それぞれ農業使用される簿記銀行業務で使用される簿記である。(私も詳しくは知らない)

ここまでは、業種に応じた簿記の違いであった。複式簿記単式簿記の違いは、記録のとり方(これを記帳方法と呼ぶ)の違いである。

単式簿記は、記録を取るときに、科目を一つだけにしぼって記帳する方法である家計簿子供のおこづかい帳のようなものだ。(と書くと、ほとんど使われていないと思われるかもしれないが、少し前までは東京都単式簿記で記帳していたし、他の自治体は、今でも単式簿記によるところもあると思われる)

例えば、お母さんからおこづかいをもらった時に、

  ○月☓日 おこづかい 500円

などと、お小遣い帳に記帳する。もしおこづかいからおやつを買ったときには、

  ○月△日 おやつを買った -300円 (あるいは支出欄があれば、そこに300円と書く)

などと書いていけば良い。この「○月☓日 おこづかい 500円」といった部分を仕訳と呼ぶ。

複式簿記は、記録を取るときに、科目を左側と右側の両方を立てて記帳する方法である

例えば、お母さんからおこづかいをもらった時に、

  ○月☓日 (借方)  おこづかい 500円 / (貸方) おこづかい受贈益 500円

などと、帳簿に記入することになる。この、「○月☓日 (借方) おこづかい 500円 / (貸方) おこづかい受贈益 500円」の部分を、単式簿記の時と同じく、仕訳と呼ぶ。(受贈益という言葉が気になるかもしれないが、今回は説明しない。正確に書くための前提知識がそれなりに必要なので。今回は例に挙げただけなので、もらって得した、というくらいの浅い理解で十分だ)

この、仕訳を書く帳簿を仕訳帳と呼ぶ。(たまに普通仕訳帳と読んだりもするが、その場合特殊仕訳帳があるケースがほとんどだ)

単式簿記は科目が1つで、複式簿記では科目が2つになることがわかるだろう。これは正確に言うと、複式簿記は科目を書く欄が「左側と右側と2つある」という理解をしてほしい。したがって、もし、お母さんだけでなく、その日にお父さんからもおこづかいをもらったとしたら、複式簿記仕訳を作ると以下のようになる。

  ○月☓日 (借方)  おこづかい 1200円 / (貸方) お母さんからのおこづかい受贈益 500円
                    /    お父さんからのおこづかい受贈益 700円

右側が2行になったことがわかる。左側は1行のままだ。そして、右側の金額を合計すると、左側の金額の合計と一致していることもわかるだろう。これも複式簿記仕訳である。このように、右側が2行になったりすることもあるし、反対の左側が2行になったりすることもある。もっと行数が増えることもある。仮におじいさんやおばあさんからももらったとしたら、3行、4行と増えることになるだろう。(狭義の簿記範囲外だが、連結財務諸表の合算の仕訳などが典型例だ)

このように、複式簿記は「左側と右側」にそれぞれ科目を立てるゆえに「複式」簿記と呼ばれる。

(余談だが、行列簿記など、他の記帳方法存在する。自分も詳細は知らないが)

複式簿記場合仕訳帳に仕訳を書いたあと、勘定科目ごとに総勘定元帳と呼ぶ別の帳簿に転載する。この転載する作業を「転記」と呼ぶ。(この後もいろいろ話はあるが、まあこれくらいのことがわかれば複式簿記イメージが持ってもらえるはずだ。)

まとめ

いろいろ例を挙げて説明してきたが、今までの内容をまとめる。

1.簿記とは「経済価値の増加や減少を記録して、帳簿につけること」を意味する言葉である

2.簿記の頭に○○簿記と言ったように、修飾語がつくときには、その修飾語は業種や記帳法(帳簿の記入形式)を詳しく説明している。前者は商業簿記工業簿記など。後者単式簿記複式簿記といった言葉がよく使われる。

3.複式簿記という簿記は、仕訳が左側と右側の2つに分かれている。左側の合計と右側の合計は同じ金額になる。単式簿記は1つである

といったことを説明してきた。おそらくこれだけ知っていれば、簿記という言葉がおおよそ何を意味するかわかるはずだ。(会計という言葉はまた別の意味になる。単語が違うということは、当然その意味は違うのだから)

もしこれを読んだ人に子供さんがいたりして、その子供に「簿記って何?」と聞かれたとしても、今までの内容を漏れ無く、内容を興味を持てるようにある程度やさしいものに組み立てなおして説明してもらえれば十分わかるはずだ。

簿記という言葉意味については、会計方面に接点がない人は、今までの内容を理解してもらえれば、十分である。もちろんこれから会計を学ぼうとしている人も、今までの説明で、これから学ぶ内容と矛盾が起こらないように配慮して説明してきたので、そこそこ役に立つはずだ。

2015-08-29

比較優位原理会社員生産性にあてはめるのは適切なのか?

どんな無能な人でも比較優位性のある仕事をすれば会社全体の生産性を上げることができる、という言説をときおり耳にする。私自身は無能人間で、こういう耳ざわりの良い話は大好きなのだけど、一方で鵜呑みにしてしまっていいのだろうか?と思う。

ウィキペディア経済学入門書から読みかじった程度の知識なんだけど、そもそもリカード比較優位の話って二国間貿易での話なんだよね?大抵の会社での業務は2人よりもはるかに多い人との分業で成り立っているはずだから比較優位でもって安易生産性について語ることはできるのだろうか?

もう一つの疑問として、比較優位性のある能力を活かす部署に配属されている場合はどうすればいいのか、というのがある。企業貿易とか自由業者の話であれば、経済主体意思比較優位を活かした経済活動ができるだろうけれども、人事に業務を制約される会社員比較優位性を活かすのは、実は結構難しいことなのではないだろうか。

他にも、業務知識をうまく共有できてない職場では、分業を進めすぎるとかえって的確な判断ができなくなるということもあるのではないかと思う。そういう状況下で各々が比較優位を重視して仕事しても、全体の生産性向上にはあまりつながらない気がする。

なんだかまとまりのない、もやっとした疑問になってしまったが、要するに自分の置かれている環境の制約について考慮せずに比較優位原理でもって仕事の話をするのは、無能自分諌めるアヘンしかならないのではなかろうか、というのが私の疑問。

そういうことを考え始めると、やっぱり無能自分会社を辞めて隠遁生活を送ったほうがいいんじゃないかと思いはじめて眠れない。

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん