はてなキーワード: インフレ抑制とは
”第2に、最近の米国経済を見ていると、利上げがインフレ抑制に本当に効くのかという疑問をぬぐうことができない。米国のインフレがひところより収まってきたのは、供給制約が正常化してきたからであって、「利上げによる経済の減速」というルートはあまり働いていないように見える。”
”米国の場合、2022年からの利上げで利払いが最も増えたのは政府であり、企業は手元資金の運用利回りが上昇し、利上げでむしろ増益というケースも多い。そうだとすると、政府が主体的に財政引き締めに動かない限り、中央銀行の利上げだけで総需要を抑えるのは難しい。”
”日銀が本格的に利上げに取りかかってみたら、そこで初めて利上げは効かないという現実が明らかになるかもしれない。効きが悪い分さらに利上げを続けざるをえなくなり、ターミナルレートは驚くほど高くなる可能性がある。”
じゃないとめっちゃ遠いところに簡単に作用できちゃう。いや魔法だからいいのか?
魔法にモーメントあった場合は、魔法による怪奇現象を手前の方で、対象に向けて起こすのがメインになりそう。100m先を燃やすんじゃなくて、手に火を起こして松明的なもんを燃やして100mぶん投げるみたいな。
なんていうかめっちゃ遠くをファンタジーな感じにすんのって、世界全部をファンタジーで記述しなきゃだからおっかなくて、手前の方だけ物理学の成績悪くする感じ。
モーメントは「長い棒の先についてるオモリ持ち上げるのって、ふつーに手元で持ち上げるより辛いよね」のイメージで使った言葉。
距離減衰とは若干違うイメージしてる。空間に魔法の抵抗になるものがなければ距離減衰は起こらないし。
あ、モーメントじゃなくて「モーメントにより算出される、遠くの物を動かすのに必要なチカラ(トルク?)」が正しいのかもしれん
あーーこれも言いたかったことの一部にすごく近い。やっぱスレイヤーズはすげーやー
あと妖精さんがでてくるあのラノベ原作のアレのf値みたいな概念好き。空間にファンタジー濃度みたいなのがあるの。魔法が万能過ぎるインフレ抑制になるし、ご都合主義に一応後ろ盾が付く
ともかく1年前、私たち楽観主義者は、現実に比べてデータが悪い数値を示している口実を探していました。いまはその逆です。悲観主義者たちが、データは誤った印象を与えていると主張しようとしています。ですが、その主張を通すのはどんどん難しくなっています。
——EBCの中期インフレ率目標は2%で、2025年のインフレ率は2.2%と予測されています。中央銀行の幹部たちはどこまで本気でこの0.2%にこだわると思われますか。
先のことについては、不確実なことが多いように思います。こうした予測は一貫して間違ってきました。インフレについては楽観しすぎで、雇用については悲観しすぎる傾向にあります。2.2%の予測を真に受けるべきかどうかというと、私はそうは思いません。自然利子率については明らかに不透明な部分が多いものです。
米国の場合、労働市場のデータや実体経済の状況を考えると、インフレ率が下がったことにそれほど驚きません。私が驚くのは、現在の金利で、いま以上の景気減速に至っていないことです。
インフレ率2%にこだわるべきか
——経済はこれまでのところ、うまく持ちこたえています。でも、この流れが行き過ぎるのを懸念されませんか。
インフレ率を2%に戻すには、いまより高い失業率が必要かもしれません。でも2%に戻すことは、そんなに重要でしょうか。セントラルバンカーたちは、「2%に戻せなければ自分たちの信頼に傷がつく」と思っています。たぶんそれは正しいでしょう。そして彼らはこうも信じています。「自分たちの信頼性はとても重要だ」と。でもたぶんそれは正しくありません。
重要なのは、「実体経済」であって「市場」ではありません。インフレとの闘いの上で「中央銀行の信頼性」が重要な要素だというセントラルバンカーたちの考えを立証するデータは実際、存在しません。
もちろん彼らの行動は経済に大きな影響を及ぼします。けれども「市場の彼らに対する信頼性が鍵を握る」とする信念は、彼らが思う以上に正当化できないものです。もし、あなたが中央銀行の総裁なら、あなたの一語一句に注目する金融関係者と一日中、話すことになるでしょう。けれども価格や賃金を決めるのはウォールストリートでも、ロンドンのシティでもフランクフルトでもありません。その意味でも、中央銀行の信頼性がどれほど重要かは、私には確信が持てません。
——彼らが、何百万件もの住宅ローンに影響が及ぶ金利を設定しても?
変動金利型住宅ローンの問題は、欧州では一種の歴史的なアクシデントなのではないかと思います。米国の住宅ローンの大半が15年か20年の固定金利である事実は、(金利の変化の)間接的な影響を防ぐのに役立っています。
——日欧米の中央銀行の総裁たちはポルトガルのシトラで開催されたフォーラムで、賃金上昇について警告しました。企業利益をめぐって何が起きているのでしょう。
「企業利益」のほうが「賃金」より伸びています。このため「賃金上昇」がインフレを直接牽引しているわけではありません。「企業利益」と「賃金」の伸び率の差のすべてではないにしろ、その一部は、市場支配力による搾取を反映しています。この状況を生み出した要因の1つは「強欲」でしょう。でも主な要因ではないと思います。
また賃金があまりに急速に上昇している場合、インフレを抑制することはできません。このような場合、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が賃金に注目するのは正しいと思います。賃金は、経済の過熱具合を監視する1つの指標だからです。そして賃金の急上昇は、ユーロ圏の経済が依然として過熱していることを示しています。
——国際的な機関は各国政府にインセンティブの廃止を呼びかけています。財政面ではどうすべきなのでしょう。
欧州の状況についてはわかりませんが、米国では、インセンティブは事実上すべて廃止されました。別の時代の、別の政治状況下であれば、いまこそ一時的な増税で需要を抑制するときでしょう。でもそのようなことは、起きません。
——増税ですか?
はい。米国では1967年と1968年にそのような増税が実施されました。リンドン・ジョンソン大統領が、インフレを抑える目的で一時的に所得税を上げました。いまでは考えられないことです。
——スペインでは7月の総選挙の際に、右派が減税を訴えていました。
そうですね、低税率は長期的には経済成長を刺激するという偉大なる“ゾンビ的思考”が存在します。欧州のすべての国は、米国よりずっと手厚い社会的セーフティーネットを備えています。これは概して良いことです。そうしたセーフティーネットが働く意欲を削いでいるようなことはありません。就労率は現在、高いですからね。
では現実的に見て、財政縮小はどうすれば実現するのかというと、支出はたいてい良いことのために使われています。増税は政治的にほとんど不可能です。ですから当面の間、すべては金融政策にかかっています。
——1970年代の世界的なインフレの危機のあと、米国では調整がおこなわれました。今回も同様の流れとなるのでしょうか。
米国のインフレ率は約9%から3%まで下がったものの、失業率はまったく上昇していません。ですから70年代のインフレのときとはぜんぜん違います。このため、このまま何もせずに乗り切れるのではないかと私は結構、楽観しています。この度のインフレを70年代のそれと重ねるのは無理があります。
いいえ、実際には米国ではその逆のことが起きました。インフレは貧しい人たちにより深刻な打撃を与えると誰もが考えるものです。でも実際には米国では、高所得者層より低所得者層の賃金の伸び率のほうが大幅に大きい状況が見られました。このため米国ではコロナ禍で格差がかなり縮小しました。1980年代以降、広がった賃金格差の4分の1くらいを回復できました。これは相当です。インフレ率を超える収入の伸びを経験したのは実際、賃金が最も低い労働者たちでした。
——でもスーパーで物価の上昇を一番、実感するのは低所得者では?
確かに、そうです。けれども、それはインフレが、食品価格やエネルギー価格に大きく反映される間のことです。食品もエネルギーも家計に占める割合が大きな品目ですからね。このため食品価格やエネルギー価格の上昇によるインフレが起きている場合、格差は拡大します。けれどもエネルギー価格は現在、ぐんと下がっています。また食品価格も米国では下がっています。
——人々は常に「問題は経済だよ」と言ってきました。でもスペインでは経済活動は活発化しており、雇用も増加していて、インフレ率も2%未満です。にもかかわらず、5月末の統一地方選挙で有権者は与党を評価しませんでした。私たちはいま、経済が最大の関心ごとではない、別の方向に向かっているのでしょうか。
そうかもしれません。米国では、昨年11月に中間選挙がありました。経済が極めて悪い状態にあったため、共和党が地滑り的な勝利を収めるだろうと誰もが思っていました。でもそうはなりませんでした。
スペインの世論調査がどのような傾向を示しているかは知りませんが、米国では妙なことが起きています。人に経済的にどんな調子かと尋ねると「結構いい感じだよ」と答えます。けれども国の経済はどうかと尋ねると、「ひどいね」と答えるのです。ですから本当に不思議なことが起きています。人々の実感は、経済的な現実とかなり乖離しているようなのです。
——スピーチのなかでソーシャルネットワークやメディアの影響力に言及されました。
米国には、さまざまな事柄についてポジティブあるいはネガティブな報道に触れたかを尋ねる調査があって、たとえば「雇用」に関してだと、こんな具合です——雇用ブームのなか、労働市場への新規参入者が月20万人から30万人いたにもかかわらず、多くの人が、見聞きしたニュースの大半は「悪いものだった」と答えたのです。その一因は情報操作です。米国には「フォックス・ニュース」があり、党派的なメディアもありますからね。
——その一方で「気候変動は存在しない」と主張するメディアがある。でもあなたがいらっしゃるスペイン北部はこの猛暑で……。
ええ。マドリードはもっと暑いんですよね。妻はテキサス出身なのですが、そこでは郵便配達員が倒れて、なかには亡くなった人もいます。とんでもない世の中です。
長期にわたる個人的な付き合いがあるポルトガルについてのほうが詳しいのですが……。でもスペインは比較的、良い状態にある国の1つだと思います。2010年代はじめの債務危機がいかに深刻だったかを思えば、経済は持ち直しました。なかにはかなり状況が悪化している国もあります。ドイツは、実際には人々が思っている以上に深刻な状態にあると思います。スペインはそれほどではありません。
ん? 利上げはインフレ抑制になるだろ。
バーンズ元議長は物価上昇圧力を徹底的に抑え込むことに失敗。金融政策を十分な期間にわたって十分に引き締めることをせず、1970年代にインフレを手に負えない状態にさせた。一方、ボルカー元議長は1980年代、2桁に上っていたインフレ率の抑制には成功したが、その代償も大きかった。失業率が10%を上回るなど、経済は深く落ち込んだ。
元FRB金融政策局長で現在はドレイファス・アンド・メロンのチーフエコノミスト、ビンセント・ラインハート氏は「パウエル議長は歴史に自分の功績を残したがっている。バーンズ氏のように見て見ぬふりをして時期尚早に政策を転換したわけでもなく、ボルカー氏のように意図的にリセッションを引き起こしたわけでもない人物としてだ」と述べた。
米金融当局は当初軽視していた物価急騰のペースに追い付こうと、積極的な利上げを昨年進めた。今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では利上げペースを0.25ポイントに落とすと予想されているが、パウエル議長は同時に、政策金利を当面、高水準に維持し、物価上昇圧力が抑制されたと確信するまで金融緩和に転じることはないと表明する公算が大きい。
しかし、こうしたハイブリッド戦略がうまくいかない可能性は高い。世界2位の経済大国である中国が経済活動を再開させる中で石油価格高騰とインフレが再燃し、米金融当局は政策金利を据え置いた後、年内に再び利上げに追い込まれるかもしれない。引き締めスタンスに固執することで、当局の予想以上に失業率が上昇する可能性もある。
民間エコノミストの大半は、金融当局が米景気を悪化させることなく、うまくやれるとは考えていない。ブルームバーグが今月行った調査によれば、エコノミストは向こう1年間に米経済がリセッションに陥る確率を65%とみている。
住宅市場は昨年の急ピッチな利上げを受け、既にひどい打撃を受けている。
ドイチェ・バンク・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、マシュー・ルゼッティ氏は「消費支出が勢いを失い始めているかもしれない」と指摘。同氏は米経済が2023年後半に緩やかなリセッションに陥ると予想している。
ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「リセッションを回避するには、ちょっとした幸運と、ほどほどに巧みな金融政策が必要だろう」と述べた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-29/RP91JXDWLU6901
主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は、今年初めから12月28日までに8.9%上昇した。22年通年で14年以来の上げ幅を記録する見通しだ。同指数は9月下旬に01年以来の高水準でピークをつけた。
ドルはその後、米国のインフレ鈍化が見込まれる中でこの直近ピークから上げ幅を約半分に縮め、守勢で年末を迎えた。
ドル相場が21年も上昇していただけに、大半の投資家が今年のドル高に不意を突かれた。当時、市場はインフレが一過性だとみており、インフレ抑制へ米連邦準備制度理事会(FRB)が22年に利上げを開始するとの見方がドルの支援材料だった。ドルが買われ過ぎだとして下落を予測する投資家もいた。
パウエル議長は45分間に及んだ会見で、物価上昇圧力緩和の兆候や、失業率悪化とリセッション(景気後退)入りを巡る懸念が高まる状況の中で米金融当局がインフレ抑制の闘いで手を緩めるのではないかとの見方を一掃することに努めた。
議長は「まだやるべきことが幾分残っている」とした上で、「任務を完了するまで現在の軌道を維持する」と話した。金融当局は0.5ポイント利上げを決めるとともに、最新の四半期経済予測で来年の追加利上げ見通しを示した。
米金融当局が物価抑制に引き続き強い態度で臨むメッセージを発したと受け止められ、債券相場はいったん下落した。その後、景気悪化を受けて当局が来年には姿勢を転換し、最終的には利下げに踏み切るのではないかとの市場の観測を背景に、相場は上昇に転じた。
スティーフル・ニコラウスのチーフエコノミスト、リンジー・ピエグザ氏は「従来予想よりも高い水準に金利を引き上げてそこに維持するというタカ派姿勢を金融当局が強めているのを市場は信じていない」と指摘。「インフレは当局の予想よりもはるかに望ましい道筋にあると市場が考えているのは明らかだ」と語った。
パウエル議長は金融当局としてインフレ率を2%の目標に押し下げる決意を確認するとともに、投資家がどのように考えるとしても、「インフレ率が持続的な形で鈍化していると確信する」まで利下げを検討することはないとし、「それにはしばらくかかる」と明言した。
議長はインフレ率がピークに達した可能性を示す最近の兆候を歓迎しつつも、「極度にタイト」と表現した労働市場や、賃金上昇が企業の労働コストとインフレを押し上げる圧力につながる点に焦点を定めた。「全く痛みを伴わずに物価安定を取り戻す方法があればよいが、それはない」とも述べた。
リチャード・バーンスタイン・アドバイザーズの債券ディレクター、マイケル・コントプロス氏は14日の議長会見と市場の動きに関し、「市場は自分たちが聞きたいことだけをえり好みしている」と分析。「議長発言は基本的に『一般に予想されているよりも高い水準に金利を引き上げ、そこに長く据え置く。それを知ってリスクを買いたいというのなら、自己責任だ』という趣旨だ」と解説した。
ウェルズ・ファーゴ・インベストメント・インスティテュートのシニアグローバル市場ストラテジスト、サミーア・サマナ氏も、リスク資産の上昇が続けば金融当局は予想よりも高く利上げしてそこに維持することを余儀なくされる可能性があると話す。実際、パウエル議長自身も当局のピーク金利予想がさらに高くならないと確信を持って言うことはできないと警告した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-15/RMWOYDDWLU6B01
なぜこうなってしまったのか。答えは2つ、パンデミックと戦争だ。
長く続いた低インフレと低金利という快適な時代は、コロナ禍の到来で突然終わった。各国政府と中央銀行が、ロックダウン下の企業と家計を支えるために何兆ドルもの支援を投入したためだ。
この命綱のおかげで、労働者は失業手当の列に並ばずに済み、企業も倒産を回避し、住宅価格も暴落を免れた。しかし同時に、そのせいで需要と供給のバランスはかつてないほど狂ってしまった。
2021年に入って各地のロックダウンが解除され、グローバル経済がリセッション後の回復としては過去80年で最速のペースで成長し始めると、世界の貿易システムは経済下支えのために投入された膨大な資金を消化しきれなくなった。
それまで稼働停止していた工場の生産回復は需要の急増に追いつけず、新型コロナ感染防止ルールにより、小売業、交通、医療分野では人手不足が起こり、景気回復にあおられてエネルギー価格は急騰した。
それでも足りないとばかりに、2月にはロシアがウクライナに侵攻した。主要な石油・天然ガス輸出国であるロシアが西側諸国による制裁の対象となり、燃料価格はさらに高騰した。
インフレが「貧者への税金」と呼ばれるのは、低所得者に最も深刻な打撃を与えるからだ。2桁台のインフレは世界中で格差を拡大させている。比較的裕福な消費者は、コロナ禍によるロックダウンの間に積み上がった貯蓄に頼ることができるが、それ以外の人々は家計のやりくりに苦労しており、フードバンクに頼る人も増えている。
北半球が冬になり、燃料費の高騰によって生活費への圧迫はさらに厳しくなる。医療機関から航空会社に至るまで、さまざまなセクターで労働者はストライキを起こし、インフレに見合うような賃金の引き上げを要求している。だが大半は、十分な成果を得ないまま妥協に追い込まれている。
富裕国の政界は生活費をめぐる懸念への対応に追われている。気候変動対策といった他の優先課題も一部で後回しにされている。
最近になってガソリン価格が下落したためプレッシャーはやや緩和されたものの、バイデン大統領率いる米政権にとって、インフレは依然として最大の関心事だ。またフランスのマクロン大統領やドイツのショルツ首相も生活支援プログラムに数十億ユーロを回しており、財政運営に負荷がかかっている。
先進国においてさえ状況が厳しいとすれば、ハイチ、スーダン、レバノン、スリランカといった貧困国では、食品価格の急騰が困窮状態を一層悪化させている。
国連世界食糧計画(WFP)では、世界で7000万人以上が飢餓に近い状態に追い込まれたと推定しており、この状況を「飢餓の津波」と呼んでいる。
世界各国の中央銀行は、需要の冷却とインフレ抑制に向けて急激な利上げに乗り出している。国際通貨基金(IMF)は、世界のインフレ率は2023年末までに現在の水準の半分以下となる4.7%にまで低下すると予測している。
目指すのは、需要の冷却によって住宅市場の崩壊や企業倒産、失業者の急増が起きることがないような「ソフトランディング」だ。もっとも、急激なインフレが生じた過去の例では、そうした最良のシナリオは達成が困難だということが示されている。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長からラガルド欧州中央銀行総裁に至るまで、金利の引き上げという薬は苦々しい結果をもたらし得るという見解が相次いでいる。そのうえ、ウクライナでの戦争や中国と西側諸国の対立といった大きな不安定要因を巡るリスクは、ダウンサイド方向に振れている。
IMFが10月に発表した恒例の世界経済見通しは、ここ数年でも有数の悲観的な内容で、次のように指摘した。「要するに、最悪の事態はこれからである。多くの人にとって、2023年はリセッション(景気後退)の年と感じられるだろう」
https://jp.reuters.com/article/year-end-inflation-idJPKBN2SW04O
イエレン氏は「予期せぬショックがなければ、来年末までにインフレ率はかなり低くなるだろう」と語った。
リセッション(景気後退)の可能性に関する質問には「リスクはあるが、私の考えではインフレを押し下げるために必要なことではない」と述べた。
経済成長は大幅に鈍化し、インフレは和らいでいると指摘。労働市場が健全な状態を維持することに引き続き期待していると語った。
イエレン氏は今年見られたインフレ高進が短期間で終わることを望むと述べた上で、米政府は1970年代の物価上昇を経て、インフレ抑制の必要性について「多くの教訓」を学んだとの認識を示した。
https://jp.reuters.com/article/yellen-inflation-idJPKBN2SW00S
クレセット・キャピタルのジャック・エイブリン最高投資責任者は来年に米景気が緩やかに後退し、FRBが金融緩和を迫られると予想。それまでは投資家が景気循環の落ち込みに強い投資先を志向していくとみる。
ブラックロック・インベストメント・インスティテュートのストラテジストらによると、各中央銀行がインフレ抑制を目指すと引き締め過ぎになりやすく、今後のそうした打撃を株式市場はまだ織り込んでいない。来年は景気変動の影響を受けにくいと考えられるヘルスケア株が推奨という。今年のS&P500種のヘルスケア部門は年初来で約1.7%下落にとどまる。エネルギー株や金融株にも前向きだが、新興市場は全般にアンダーウエートにしているという。
JPモルガンも来年を軽度の景気後退と予測。第1・四半期にはS&P500種が今年の最安値を再び試すとみる。米株は過去平均より割高なことなどから他先進国株より魅力が落ちるとし、推奨するなら一番は英国株とした。
BofAグローバル・リサーチも米景気後退懸念と米企業の収益鈍化により来年の米国株は悪環境になるとみて、米株が値上がりしても弱気相場の中の上昇に過ぎないと受け止めるよう顧客に助言。一方で中国株をオーバーウエートにし、コロナ感染予防の厳格な規制の緩和や政府による不動産部門支援が中国株を押し上げると予想している。
ただ、誰もが今後の米景気後退やその影響を既定路線とみているわけではない。
UBSのストラテジストのルーカス・カワ氏は中国や欧州の経済成長減速といった今年の悪材料が来年は一部改善に向かうとし、資産価格は全般に支えられると予想する。「今年の向かい風が来年は追い風に変わっていく可能性はかなりある」という。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズのストラテジスト、ガレット・メルソン氏は来年は米経済が軟着陸するとの見方。「軟着陸への道は恐らく現在の予想コンセンサスより広い」とし、消費は金利上昇で抑制されるが壊滅はしないとみている。米小型株が既に景気後退を織り込み済みとして、投資に強気と指摘した。
https://jp.reuters.com/article/usa-stocks-weekahead-idJPKBN2SP0F5
同氏は米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレ目標達成について、「インフレ抑制の道のりは長い」と発言。「金融当局は市場が現在判断し、当局者が今発言しているよりも一段の利上げが必要になると思う」と述べた。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は現在3.75-4%。金利先物市場は同目標が2023年5月までに5%前後に引き上げられるとトレーダーが予想していることを示す。
同氏はターミナルレートに関し「6%がわれわれが書くことができるシナリオだ」として、「5%は最善の予測ではない」と指摘した。同氏は11月の米雇用統計発表後に発言した。同統計では平均時給が予想外に急上昇した。
ハーバード大学の教授でブルームバーグテレビジョンの寄稿者である同氏は、「コア基調インフレ測定の単独の最善策は賃金を見ることだ」とし、インフレは人々が予測しているよりも持続的だとの認識を示した。
同氏はまた、多くの米経済指標は金融当局の利上げの影響がこれまで限定的だと示唆しているが、変化は突然起きる傾向があると警告。「いったん否定的な状況に陥ると、雪崩の様相となる。ある時点でこうした事態が発生する現実のリスクがあると考える」と述べた。景気下降に関して「いつそれが起きるかは分からない」としながらも、「それが起きれば、かなり強力なものになると思う」と語った。
同氏はさらに、「今後は比較的高金利下でのリセッション(景気後退)になるだろう。過去のように低金利下のリセッションではない」と警鐘を鳴らした。
また、過去2年間にインフレ急加速を許してしまった後で信頼性の問題が生じる恐れがあるため、FRBのインフレ目標を現在の2%から3%に変更すべきだとは考えてないと繰り返した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMC9ILT1UM0W01
11月の米雇用統計では、平均時給が前月比0.6%増と今年1月以来の大きな伸びを示し、非農業部門雇用者数も市場予想を上回る増加となった。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、インフレ抑制には雇用市場の需給の緩みや企業の収益率鈍化が必要になるとの認識を示しており、こうした統計は懸念材料となる。
ウィルミントン・トラストのシニアエコノミスト、レア・トーマス氏は「米金融当局は政策金利のピーク水準を引き上げ、より長期にわたってその状態を維持せざるを得ない可能性がある」と指摘した。
セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレを鈍化させるため金融当局は政策金利を「最低」でも5ー5.25%に引き上げるべきだと述べている。KPMGのチーフエコノミスト、ダイアン・スウォンク氏ら一部の識者は5.5%に達するとみている。
スウォンク氏は「インフレはがんのようなもので、治療しなければ他に転移し何度も再発するような厄介なものになる」と指摘。その上で、利上げという「治療」によって「2023年は荒れた年になる」と予想した。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-04/RMDJAEDWX2PU01
米証券取引委員会(SEC)への提出書類で円建て社債の発行条件を開示した。償還までの年限が3年から30年に及ぶ6本を同時に起債した。発行額の内訳で最も多かったのは3年債で550億円、次いで5年債が415億円となった。メリルリンチ・インターナショナルと米国みずほ証券が主幹事を担った。
バークシャーは2019年9月に初めて円建て債を発行してから、1年に1回程度のペースで起債してきた。22年は1月に続いて2度目の起債となった。これまでの調達額累計は1兆円を突破した。
社債の発行環境は必ずしも良くない。社債の金利水準を定める上でベースとなる国債利回りに上昇圧力がかかっているためだ。インフレ抑制のため米連邦準備理事会(FRB)を含めて世界の主要な中央銀行は急ピッチで利上げを進めている。対照的に日本では金融緩和が続くが、日銀が利回りを0.25%以下に抑える10年債を除く年限では利回りの緩やかな上昇傾向が続いている。
国債利回りなど基準となる金利と社債発行金利の差を示すスプレッドも拡大している。前回1月の起債時に0.17%だった5年債のスプレッドは今回0.75%になった。同社の信用格付けは変わっていないが、米景気の後退懸念や中国経済の先行き不透明から、社債投資家が投資リスクに見合うスプレッドの拡大を求めた。
もっとも、バークシャーが資金調達コスト増を上回るだけの投資機会が日本株にあると見ているとも解釈できるかもしれない。20年に三菱商事や三井物産、伊藤忠商事などの商社株を5%超保有していることを公表したのも円建て債起債の後だった。
11月21日には商社株を買い増して各銘柄の保有比率を6%台に引き上げたと公表した。今回の起債が商社株の追加投資を手当てするためだった可能性はあるが、別の投資に充てるための資金調達であれば日本株に明るい材料となる。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0203W0S2A201C2000000/
米金融当局はインフレ抑制に向け積極的に利上げを進め、今年半ばごろから短期債利回りは長めの債券の利回りを上回っている。これは長年の経験則によると、迫りくるリセッション(景気後退)の警告だ。長短利回り格差は、インフレ退治に向けボルカー連邦準備制度理事会(FRB)議長(当時)が利上げを実施し、1980年代前半に深刻なリセッションをもたらした時期に匹敵する。
ヤルデニ氏によると、長短金利逆転は信用収縮など他の事象に関する強い予兆でもある。同氏はインフレ高進につながると考えられる金融・財政政策に抗議して債券を売る投資家を「債券自警団」と名付けたことで知られる。
同氏は27日発表のリポートで「実際に逆イールドは米金融政策の引き締めが過度にタイトになりつつあることを予測している。それは、信用収縮に即座に変質しリセッションを招きかねない金融危機の引き金となり得る」と警告。「この夏以降の逆イールドで期待されているように、米金融当局は来年初めに引き締めを終了すべきだ」との見解を示した。
ヤルデニ氏の見方では、10年債利回りは4.24%と終値ベースで今年最高水準となった10月24日にピークに達した可能性がある。直近の取引では3.7%付近。
米国株については、S&P500種株価指数が3577と、終値ベースで今年の最安値だった10月12日に底入れした可能性が同社の分析で示唆されるとしている。11月28日終値は3963.94。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-28/RM2SWRT0AFB701
ブラード総裁はマーケット・ウオッチとのインタビューで、金利がインフレ抑制に向け「制約的となるための道のりはまだ長い」とし、「十分に制約的」な水準にするために、金利を現在の3.75─4%から5─5.25%のレンジへ引き上げる必要があるという考えを改めて示した。
さらに、過去のインフレ動向を踏まえ、金利が制約的な水準に達した後は「23年と2024年にかけ、その水準にとどまる必要がある」と述べた。
その上で「われわれは1970年代よりも速いペースでインフレを抑制したい」とし、来年を通じて物価上昇圧力が緩和する条件を整えるために政策金利を短期間で引き上げることを選好するとした。
12月13─14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅については、パウエル議長に委ねるという考えを繰り返した。市場では0.50%ポイント利上げが実施されるという予想が優勢となっている。
ウィリアムズ総裁はニューヨークのエコノミック・クラブでの講演原稿で「インフレ率はあまりにも高い。インフレが高止まりしていることで米経済が潜在能力を完全に発揮する能力が損なわれている」と指摘。インフレ低下に進展の兆しが見られるとしながらも、インフレ率をFRBの目標に戻すため、一段の措置が必要との考えを示した。
その上で「一段の金融引き締めで需給バランスが回復し、向こう数年間でインフレ率を2%に戻す一助になる」とし、「金融引き締めで需要が低下し、インフレ圧力が下がり始めている。時間はかかるが、持続的な物価安定に戻ると確信している」と述べた。
同時に、米経済は景気後退(リセッション)入りを免れる可能性が高いものの、失業率は上昇すると予想。来年末には4.5─5.0%に上昇する可能性が高いとの見方を示した。
ウィリアムズ総裁はニューヨークのエコノミック・クラブのオンラインイベントで「当面は制約的な政策を続ける必要がある。少なくとも来年を通してこうした政策を維持しなくてはならない」と述べた。
サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンで「私はターミナルレート(金利の最終到達点)の可能性を巡る見通しを上方修正している」と指摘。「私がそう予想しているわけではないが、ターミナルレートが6%以上になっても驚かないだろう」と述べた。
サマーズ氏は4日発表の10月の米雇用統計について、「米国経済が依然としてかなり強く見える」ことを浮き彫りにしたと述べた。
「経済が堅調に見えるというのは良いニュースだが、まだインフレ抑制が働いている証拠があまりないというのは悪いニュースだ」とサマーズ氏は語った。ハーバード大学の教授である同氏は、ブルームバーグテレビジョンの寄稿者でもある。