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2024-06-06

anond:20240606103333

双葉山呉清源がジコーサマに入門したという。

呉八段は入門して益々強く、日本の碁打はナデ切りのウキメを見せられている。

呉八段が最近しきりに読売新聞碁をうち、バクダイな料金を要求するのも、ジコーサマの兵タン資金を一手に引きうけているせいらしい。

僕も読売のキカクで呉清源と一局対局した。そのとき読売の曰く、呉清源の対局料がバカ高くて、それだけで文化部の金が大半食われる始末だから

安吾氏は対局料もベン当代も電車チンも全部タダにして下され、というわけで、つまり私も遠廻しにジコーサマへ献金した形になっているのである。南無テンニ照妙々々。

双葉や呉氏の心境は決して一般には通用しない。

然し、そこには、勝負世界の悲痛な性格が、にじみでゝもいるのだ。

文化高まるにしたがって、人間迷信的になるものだ、ということを皆さんは理解されるであろうか。

角力トリのある人々は目に一丁字もないかも知れぬが、彼らは、否、すぐれた力士は高度の文化である

なぜなら、角力技術通達し、技術によって時代に通じているからだ。

角力攻撃の速度も、仕掛けの速度や呼吸も、防禦の法も、時代文化に相応しているものであるから

角力技の深奥に通じる彼らは、時代の最も高度の技術専門家の一人であり、文化人でもあるのである

目に一丁字もないことは問題ではない。

高度の文化人、複雑な心理家は、きわめて迷信に通じ易い崖を歩いているものだ。

自力のあらゆる検討のあげく、限度と絶望を知っているから。

すぐれた魂ほど、大きく悩む。大きく、もだえる。

力士双葉山、大碁家呉八段、この独創的な二人の天才がジコーサマに入門したことには、むしろ悲痛な天才苦悶があったと私は思う。

ジコーサマの滑稽な性格によって、二人の天才の魂の苦悩を笑殺することは、大いなるマチガイである

太宰治情死考 坂口安吾

https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/43137_30135.html

2024-04-12

日記

ストリップの照明なんで仕事としてあんだと考えてたけど

しかしたら人間の裸ってエッチじゃなくて

色を当てて演出することでエッチになるのかも

人間の肌ってエッチじゃないのかも 安吾も言ってた

2023-09-23

@user-hb9zu5sm8y 10 日前

解像度が低い。厭世的な日本人に対する理解度が乏しい。

夏目漱石こころ

芥川龍之介羅生門

坂口安吾安吾巷談 麻薬自殺宗教

滝本竜彦NHKにようこそ!』

・『女神転生シリーズ

・『serial experiments lain

最低限、このくらいは履修してほしい。

2021-07-14

誇りのない生き物という概念

これを娯楽作品商業作品表現するのは難しい

趣味創作なら表現できるけど

大金バンバン稼ぐ大作家でもそういうことじゃないでしょ・・・って表現になりがちなので

一般人表現力・技術力だとさらに難しい

 

坂口安吾の『白痴』や『風と光と二十の私』は若干近いかなって思う

石津は貧しい家の娘で、その身体はいっぱい虱しらみがたかっていた。外の子供がそう云って冷やかす。キリリと怒るような顔になるが、やがて又たわいもない笑い顔になってしまう。善良というよりも愚かという魂が感じられる。読み書きはともかく出来て、中くらいの成績なのだが、人生の行路では、仮名も知らない女よりも処世に疎うとくて、要するに本当の生長がないような愚な魂がのぞけて見えるのだ。そのくせ、ひどく色っぽい。ただ、それだけだ。

 

坂口安吾 風と光と二十の私と

https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42615_21291.html

 

精神薄弱とは本当に的確な表現だね

もちろん困難を抱えている人たちのために言葉が改められてよかったと思うけど 

 

 

あと見目が良いというのはほぼすべての問題解決するので安吾が考えてるようなことにはなんねーからとは思いつつも

(同年代には相手にされなくても子どもは持って子ども依存する。もしくは養い主の惰性(別れるの面倒)に居直る・縋る)

他者への攻撃性・信頼性のなさはこれだと思う

 この娘の母親がある一夜私を訪ねてきたことがある。この娘の特別事情、つまり、何人かの妹弟の中でこの娘だけが実子でないために性格がひねくれていることを説明して、父母の方では別に差別はしていないのだからもっと父に打ちとけるように娘にさとしてくれというのだ。この母親は淫奔な女だという評判で、まったく見るからに淫奔らしい三十そこそこの女であった。いや、ひねくれてはおりません、と私は答えた。ひねくれたように見えるだけです。素直な心と、正しいものをあやまたずに認めてそれを受け入れる立派な素質を持っています。私の説教などは不要です。問題あなた方の本当の愛情です。私がいちばん心配なのは、あの娘は、人に愛される素質がすくない。女として愛される素質がすくない。ひねくれのせいではないのです。あの娘は人に愛されたことがないのではありませんか。先ず親に、あなた方に愛されたことがないのではありませんか。私に説教してくれなんて、とんでもないお門違いですよ。あなたが、あなたの胸にきいてごらんなさい。

 この母親はちっとも表情を表わさずに、私の言葉をとりとめのない漠然たる顔付できいていた。これも仮名名前しか書けない一人だろうと私は思った。ただ、子供とはあべこべに、徹頭徹尾色っぽく、肉慾的だ。最も女であった。その淫奔な動物性が、娘の野性と共通しているだけだった。娘は大柄であるのに、母親はひどく小柄であった。顔はどちらも美人の部類である。二三分だまっていたが、やがてひどく馴れ馴れしく世間話をして帰って行った。

 

毒親を許してはいけない

2021-03-19

あんご!

私は二ヶ月前からゴルフをはじめた。しかゴルフ道具一式は何年も前から持っていた。ゴルフ靴もボールも何ダースも買いこんで持っていたが、二ヶ月前までゴルフをやらなかったのである

 なぜやらなかったかというとむろん然るべき理由はある。そしてそれは一つの訓戒を守ったためであるけれども、訓戒を守ることは大切だということを、その結果として近ごろ痛感しているのである

 私は子供の時から胃弱で、それが唯一の持病である。そのため適度の運動必要で、終戦キャッチボールをやった。手軽にできる運動はそれだけだからだ。

 ところが私の年齢ではキャッチボールは無理だ。十ぐらい投げただけで肩の痛さが堪えがたくなり、運動の役にたたない。

 そのとき、さる人がゴルフをすすめて、胃弱にこれぐらい適当スポーツはないから是非これにしなさい、道具を格安ゆずろうという。その人は大金満家でゴルフ狂であったから、最高級のゴルフセットを四つも五つも持っていた。その一つを私にゆずってくれることになった。

 五十本ぐらいもある大きなセットでウィルソンの最高級品とかいう話であったが、十万円か十五万円ぐらいか、売る方も値のつけようがないらしい。買う方に至っては、そんな大金が有りっこない。そのうちに金ができたら買いましょうなぞとお茶を濁していた。

 そのころ獅子文六さんと会ったら、ゴルフをしなさい安吾さんや、とすすめるから、実は拙者もそのつもりで、十万円だか十五万円だかの金策に頭をなやましている旨を有りのまま伝えた。

 すると文六さんは話半ばにカンカラカラと笑いとばして、おもむろに眉をしかめて、

「世の中にお前さんぐらいバカな買い物をする人はないね

「昔の金に換算すると、十五万円でも格安らしいですがね」

「いけませんよ。十万円は天下の大金です。初心者がそんなゴルフセットを持つ必要はない。お前さんは四万五千円で犬を買ったろう。犬に四万五千円の大金を投じるとは、なさけない人だね」

 その席に坂西志保さんがいた。坂西さんは犬猫の大経験であるから

コリーは高価な犬ですよ」

 と取りなしたが、微醺びくんをおびている文六さんは受けつけない。

安吾さんの買い物には乱世の兆があるね。私が格安で手頃のゴルフセットを世話するから、乱世の商談はやめにしなさい」

 その晩は文六さんのウィスキーの肴にされたが、もともとゴルフ道具は高価なもので、特に私が買う筈だったのは最高級品だったから、乱世の兆があるほどのソロバンとも思われない。要するに私は文六さんのウィスキーの肴にされただけだろうと考えて、当夜のことは忘れてしまった。すると、そうでないことが起ったのである

 みんな忘れたころに、運送屋が大きな荷物をドサリと持ちこんだ。同時に文六さんからハガキがとどいた。

 弟が新しいセットを手に入れて古いのが要らなくなったから君にゆずらせる。高級品ではないが、初心者には十分と思う。代金は二万円だが、ついでの時でよろしいという文面であった。

 ちょうど東京ゴルフ道具のブローカーをやってる人が来合わせていた。アチラ物なら五万円ぐらいでお世話しますというような話の最中であった。

 文六さんが送ってくれたセットは、アイアンは全部マクレガーであった。ちょうど五万円という話の最中の品物であるから相場にしては安すぎるが、と訊くと、

「そういう値はバカげてますな」

 彼はいきなりシャッポをつかみとって、さっさと帰ってしまった。文六さんはブローカーを走らせたのである

 ところが文六さんが私にゴルフをすすめるについて、特に一ヶ条だけ訓戒を垂れたことがあったのである

ゴルフというものはヘタがたのしむ遊びであるが、ヘタにも限度があって、我流でやると進歩がない。習いはじめに悪いフォームが身につくとそれまでだから最初の何ヶ月はプロについて正しいフォームを身につけなければならない。この一ヶ条は堅く守らなければいけませんぜ」

 ということをまア五六ぺんはコンコンと訓戒をうけた。よほど我流の悪癖を身につけ易い人物見立てたらしい。

 一しょにゴルフ場へでかけようと計画をたててるうちに、張本人の文六さんが胃カイヨーで入院手術した。退院して湯河原で静養中に、ゴルフボールを一ダース退院祝いにぶらさげて遊びに行くと、さっそく箱をあけボールをとりだして眺めたり撫でたり、まるで舐めやしないかと思うような喜びようであった。しかし、そのあとが、よくなかった。

「ニューボールというものは仲間同士がトーナメントでもやる時に三つほどずつおろすようにしなければならない。初心者がニューボール練習するなどとは言語道断の話で、ゴルフ場へ行くとキャデーが中ブルのボールを安い値で売っているから、練習はそれで間に合う。ニューボールを何十ダース何百ダース所蔵するのは心あたたまるものではあるが、それは使わずに、時に眺めつつ所蔵せることを楽しむ境地がよろしいな。安吾さんもゴルフとともに、この心あたたまる境地を会得して欲しいな」

 また乱世の兆しについて一本クギを打たれたのである。文六さんが乱世の兆しを排撃するについては、口頭だけでなく実質的に力行の士であることを体得していたから、論争の余地がないのである

半年後にはゴルフができると思うから、それまでにプロについて正しいフォームを身につけておいてくれたまえ」

 約束して別れた。

2021-02-15

ミステリ好きなら読破しておきたい古典を読んでおきたい古典100冊を読むべきではない100の理由

https://anond.hatelabo.jp/20210215101500

エドガーエラン・ポオ「モルグ街の殺人

 ・しょうもない犯人しょうもない気付き、しょうもないミステリ元祖

ウィルキー・コリンズ「月長石」

 ・長さのわりにミステリを期待して読むと徒労に終わるドラマ観れば十分。

コナン・ドイルシャーロック・ホームズの冒険

 ・長編よりいくらかマシという程度。

モーリス・ルブラン「怪盗紳士ルパン

 ・南洋一郎訳のほうがおもしろい。

ロナルド・A・ノックス「陸橋殺人事件

 ・いわゆる「ノックスの十戒」を定めた著者だが、作品凡庸

フョードル・ドストエフスキー罪と罰

 ・ミステリか? 別にいいんだけど。主人公臭い自意識に長時間堪えられるのなら。手塚治虫漫画版で十分。

コンラッド「闇の奥」

 ・「闇の奥」そのものより、「闇の奥」をもとにした無数のコンテンツのほうがおもしろい。『地獄の黙示録』とか。

F.W.クロフツ「樽」

 ・『樽』はタルい。これミステリ界の常識アルよ。クロフツもっと薄くておもしろいのがいっぱいある。

S.S.ヴァン・ダイン僧正殺人事件

 ・ヴァン・ダインとか今更読むやつおる??

ガストン・ルルー黄色い部屋の謎」

 ・これもルールタビ―ユくんのキャラ小説なんだよな。意外にミステリしてる点は評価できなくもない。

エラリー・クイーン「Yの悲劇

 ・別のトラバの人も言ってたけど、悲劇四部作は通しで読めよ。おまえはスター・ウォーズをEP5から観るのか?

ジョン・ディクスン・カー火刑法廷

 ・オカルト〜〜〜〜〜〜wwwwww すいません、ふつうに好きです。

アガサ・クリスティそして誰もいなくなった

 ・クリスティならなんぼでもこれよりおもしろいのがある。まあ、ある種のパターン確立したという意味で必読ではある。

ドロシー・セイヤーズナインテイラーズ」

 ・別にナインテイラーズ」でもいいんだけど。

イーデン・フィルポッツ赤毛のレドメイン家」

 ・いいかげん昔の人が評価してたからって理由だけでレドメイン家をこういうリストに入れるのやめない?

G.K.チェスタトンブラウン神父童心

 ・妥当。これもシリーズを通しで読むべきではある。

フランシス・アイルズ殺意

 ・アイルズ入れるのは当然として、バークリーも入れないのは理解に苦しむ。

ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」

 ・惰性でオールタイム・ベスト入ってる系の古典としては意外なほどエキサイティング。アイリッシュもっと評価されてもいい。

コリン・デクスターキドリントンから消えた娘」

 ・今読むとちょっとメカニカルすぎてキツいところがある。

セバスチャン・ジャプリゾシンデレラの罠」

 ・ハッタリのきかせ方は歴史に残るけど、わりに印象に残りにくいんだよな。

ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」

 ・これも型を確立したという点で必読ではある。

ウィリアム・L・デアンドリア「ホッグ連続殺人

 ・出たよホッグ。20年くらい前ならおもしろかったのかもしれんけどさ。

クリスチアナ・ブランド「招かれざる客たちのビュッフェ

 ・さすがにブランド否定する理由がない。

エリザベスフェラーズ「猿来たりなば」

 ・知名度の割に、ブクオフに行ったらかならず置いてあるだけの理由はあるものだ。

ロアルド・ダールあなたに似た人」

 ・出来不出来が激しい作家の一人。奇妙な味勉強したいんなら異色作家短編集読めば。

ダフネ・デュ・モーリアレベッカ

 ・そういえば映画版最近リメイクされてましたね。つまんなかったなあ。ヒッチコック版と原作はいいです。

レイモンド・チャンドラー「長いお別れ」

 ・御三家のなかで一番キツい。春樹訳はさらにキツい。ロバート・アルトマンくらいの諧謔が加わって初めて鑑賞に堪えうる。

ダシール・ハメットマルタの鷹

 ・ハードボイルドの先鋭性をもっともよく表した作家ではある。本篇より諏訪部浩一の『「マルタの鷹講義』のほうがおもしろい。

ロス・マクドナルド「ウィチャリー家の女」

 ・ロスマクの一冊を選ぶとなると戦争が起きる。法月綸太郎みたいなものさ。ここでもな。

フレデリック・フォーサイスジャッカルの日

 ・めちゃめちゃエキサイティングなんだけど、分厚いし今手に入りにくいし……。

ジョン・ル・カレ寒いから帰ってきたスパイ

 ・ル・カレのなかでは読みやすい部類だし、正解だと思う。

パトリシア・ハイスミス見知らぬ乗客

 ・ハイスミス20歳をすぎてから

ドナルド・E・ウェストレイクホットロック

 ・なぜよりによって『ホットロック』?

ボアローナルスジャック悪魔のような女

 ・ボアナルほんとに読んだことある?俺はない。映画は傑作だった。

トルーマン・カポーティ冷血

 ・ルポルタージュミステリとしては先駆的だったのかもしれないが、今読むと長いしタルいし冗長カポーティの美点がほとんど失われてしまっている。

ジム・トンプスン「内なる殺人者」

 ・ポップでしょ。

ウンベルト・エーコ薔薇の名前

 ・たかだかミステリ読みごときエーコの真価が理解できるとはおもわない。

ローレンス・ブロック八百万の死にざま」

 ・タイトルで勝ってるよな。アル中文学系譜が産んだ名作。

ルース・レンデルロウフィールド館の惨劇

 ・一発ネタ長編まるまるひとつ持たせた奇跡のような書物とはいえレンデルもっと濃ゆいのがある。

ウィリアム・ゴールディング「蝿の王

 ・別にここに入れる必要はないのでは。

ジェイムズ・クラムリー「酔いどれの誇り」

 ・ネオハードボイルド作家たちは再評価されるべきだと思うが、中途半端に古くなってしまった感もあり、難しい。

ジェイムズ・エルロイブラック・ダリア

 ・反面エルロイは古びない。ただLA四部作は何も知らない人が「ブラック・ダリア」だけ読んでもわからん気がする。

ジャック・ヒギンズ「鷲は舞い降りた」

 ・冒険小説進化してるので、いつまでもヒギンズを引きずるのは不幸というか、グリーニーとか読ませたほうがいいのでは。俺は嫌いだが。

アリステア・マクリーン女王陛下のユリシーズ号

 ・マクリーンなんかよりイアン・フレミングのほうがよほどリストに入れる意味あるよ。

トマス・ハリス羊たちの沈黙

 ・作者がキモい

ドナルド・A・スタンウッド「エヴァライカー記憶

 ・このリストのなかでは比較的新しい作品で、オールタイム・ベスト的なリストでみかけるのは珍しい。個人的思い入れがあるのか? たしかに発売当時からそこそこ評判高かったけれど、薄い記憶を掘る限りそこまで評価する理由が見当たらない。気になる。

クレイグ・ライススイートホーム殺人事件

 ・ライスはたまに読むと心温まってよいが、それはスレた読者の愉しみなのであって、入門者が読んでも伝わりにくい。

アゴタ・クリストフ悪童日記

 ・たしかに仕掛けはミステリなしおもしろ小説なのだが、別にこのリストに入れる必要はない。なんでミステリの人は文学コンプレックスを抱くのだろう。

アイラ・レヴィン「死の接吻

 ・うーん。

リチャード・二ーリィ「心ひき裂かれて」

 ・オールタイムベストでも陰が薄い存在なので、入っていると嬉しい。まあでも数合わせだよね。

ケン・フォレット「針の眼」

 ・フォレットもそろそろ再評価されるべきだと思うのだが、ダン・ブラウンみたいなものと思われているのだろうか。

マイ・シューヴァル、ペール・ヴァール「笑う警官

 ・北欧系の元祖ではあるのだろうが、だったらよりエポックミレニアム入れたほうが誠実な気がする。

黒岩涙香巌窟王

 ・ごめん、モンクリの方しか読んだことない。

甲賀三郎ニッケル文鎮

 ・はあ。

江戸川乱歩「孤島の鬼」

 ・え?

大下宇陀児「石の下の記憶

 ・変格って今読むとふつうにつまんないの多いよね。

夢野久作ドグラ・マグラ

 ・そりゃ読んでも損はないとは思うが。

浜尾四郎「鉄鎖殺人事件

 ・当時としてはアベレージはある作家だろうが、そこで鉄鎖を選ぶ理由がよくわからない。

大阪圭吉「とむらい機関車

 ・うーん……いいんじゃないんですか。

小栗虫太郎黒死館殺人事件

 ・どう読むかによる。単純な出来でいったら虫太郎にはもっといいのがいくらでもある。すまん、いくらでも、はない。

木々高太郎新月

 ・すっかり忘却の彼方すぎて妥当かどうかさえわからん

横溝正史獄門島

 ・横正の作品をチョイス理由を添えずにポンと出されても困るんだよな。高校生も困ると思うよ。こんなんだけ読まされても。しょうがない。

坂口安吾不連続殺人事件

 ・本格ベタ安吾のなかでもなんでよりによって一二を争うほど不出来な作品を選ぶのか。嫌いなのか?

高木彬光人形はなぜ殺される」

 ・高木彬光でこれがあがってしまうのは、消去法の結果なのだと思う。

山田風太郎「妖異金瓶梅

 ・特にケチをつけようとは思わない。

海野十三「海底都市

 ・海野十三本領はヌケの良いバカバカしさだと思う。

大坪砂男涅槃雪」

 ・通っぽいセクレトだが、そこは素直に「天狗」にしとけ。コケまくったサンドマンが唯一正位置になってしまった作品なのだから

松本清張砂の器

 ・映画の印象は強いが、清張であえてピックアップするほどかといえばどうか。

鮎川哲也薔薇殺人事件

 ・変化球狙いすぎて外しとる。

有馬頼義「四万人の目撃者

 ・流れ的にはわからないでもない。

仁木悦子「猫は知っていた」

 ・と思ったらいきなり脳死みたいな。

高城高X橋付近

 ・今あえて読むほどのものではない。

水上勉飢餓海峡

 ・同上。長いだけ。

笹沢左保「暗い傾斜」

 ・同上。とはいえ笹沢左保はもうちょっとまれてもいい。

飛鳥高「細い赤い糸

 ・飛鳥高長編ってそんな良いイメージないのだが。賞とったってだけで入れてない?

土屋隆夫天狗の面」

 ・今選ぶとなると難しい作家だが、針の誘いとかでいいのでは。

陳舜臣「玉嶺よふたたび」

 ・そもそもミステリうまい作家ではない。

竹本健治匣の中の失楽

 ・パッションだけで突っ走った奇跡であることは間違いないが、三大奇書にならべて語るほどかといわれれば疑問符がつく。竹本健治は”今”が面白い現役の作家だ。

中井英夫虚無への供物

 ・不可欠だとは思うが、真剣に読んでる人は少数派だろう。

赤江瀑オイディプスの刃」

 ・そうね。

都筑道夫三重露出

 ・またひねくれたもん入れてくるな。

森村誠一新幹線殺人事件

 ・ごめん、森村あんま興味ない。

天藤真大誘拐

 ・色んな意味稀有作品ではある。

西村寿行「滅びの笛」

 ・特に反対する理由もない。

清水一行動脈列島

 ・人間生きてて清水一行の話することある

戸川昌子大いなる幻影

 ・戸川昌子の話をすることはあるかもしれないな。

戸板康二グリーン車の子供」

 ・マスト

泡坂妻夫「亜愛一郎の狼狽

 ・鉄板

大岡昇平事件

 ・入れても良いとは思うが、そういえば結城昌治がおらんな。

田中光二黄金の罠」

 ・エッ? そこ?

栗本薫「絃の聖域」

 ・読んでない。そろそろ疲れてきた。

連城三紀彦「宵待草夜情」

 ・好みの問題であるとは思うが。

辻真先アリスの国の殺人

 ・アー。完全恋愛かいいんでは。

笠井潔サマーアポカリプス

 ・第一作だしリストになら入れてもいいと思う。

逢坂剛カディスの赤い星」

 ・もうちょっと高校生までに」という点を考慮しようよ。

船戸与一「猛き方舟」

 ・船戸与一今読むと意外にいいものもあるんだよね。

島田荘司占星術殺人事件

 ・このへんはね。

綾辻行人十角館の殺人

 ・入るよね。

京極夏彦姑獲鳥の夏

 ・急に九十年代っぽくなったけど、2000年代にもインスタントクラシック作品はたくさんあると思うよ。

皆川博子「死の泉」

 ・皆川博子ミステリ的に評価できるかといえば微妙なんだけど、ミステリ界以外で評価される土壌がさほどないようなので、不運な作家だと思う。偉大な人です。

2019-10-29

元彼マッチングアプリで見つけた

別れてから3ヶ月。

友達に紹介を頼んだり合コンに行ったりアプリ登録したり、この3ヶ月間元彼を忘れるために色々やった。

それはもう色々やった。結婚相談所に話を聞きに行ったりもした。入会しなかったけど。

元彼出会ったのもマッチングアプリだったんだけど、彼と出会ったアプリはどうしてもインストールすることができなかった。

思い出すと辛すぎて。

それでもこのままじゃいけないと思ってインストールしてみたら彼がいるんだもの。驚いた。

しかも最終ログイン3ヶ月以内。

あ、私と別れてすぐ登録したんだ。

それでもうログインしていないってことは別で彼女ができたのかな。

たったの2ヶ月半しか付き合っていなかったから、相手の中では私は付き合ったうちに入ってもいないのかもしれない。

恥ずかしい話だけど、23歳で初めてできた彼氏だった。

最初はそんなに好きじゃなかったけど気づいたらどんどん好きになっていって、私が大好きになった時相手の熱は冷めてた。

よくある話。

よくある話だけどまさか自分がそうなるなんて。

結婚の話もして、子供の話もして、当たり前のようにこの人と一生添い遂げるんだろうなって思ってた。

価値観の違いは感じていたけど、好きだったから歩み寄りたかった。

私は問題を話し合いで解決したくて、彼は話し合い抜きに自分気持ちを察して動いて欲しいみたいだった。

彼の気持ち理解したいと頑張ったけど、まあやっぱり他人同士だから話し合い抜きで完全に分かり合うことなんて出来なくて、

そんな中初めて2人で旅行に行くことになって、もしかしたらそこで持ち直すかもしれないなんて淡い期待を持ってた。

そんなわけなかった。

2日目に大喧嘩して、3日目に別れることになった。

喧嘩と言っても向こうがずっと怒ってるのを私がひたすら聞いていた感じ。

旅行中私の体調が悪くなったんだけど、

それに対して自業自得とかわがままとか思いやりがないとか散々怒られた。

旅行中1度も私の名前を呼んでくれなかったのに、ようやく私の名前を呼んでくれたのが喧嘩した時だったなんて笑える。

せっかくの旅行なのに一緒に楽しめなくて本当に申し訳なかったけど、弱っている時に好きな人から罵倒されるのが辛すぎて自分から別れを切り出した。

体調不良の時に突き放されたのはこれで2度目だった。

私の周りの人はみんな優しいから、

元彼モラハラだった、他にもっと良い人がいるって言ってくれる。

それでもずっと悲しくて、元彼が好きで、

3ヶ月間ずっと泣いて泣いて泣き続けている。

今日マッチングアプリで彼を見つけて、私と別れたことは彼にとってそんなにショックな出来事じゃなかったんだなってまた一段深く落ち込んだ。

客観的に見たらどう考えても価値観は合わないし、それを分かって自分から別れを切り出したのにどうしてまだこんなに悲しいんだろう。

付き合ってた期間より別れてからの方が長いのに、それでもまだ忘れられないってちょっとただ事じゃない。

元々恋に落ちづらくて、告白されても断り続けていた中ようやく好きになれた人だから執着しているのかもしれない。

付き合っている時に私がしてしまった思いやりのない言動を物凄く後悔しているっていうのもある。

それにしたって。

それにしたってもう疲れちゃった。いつまで悲しんで苦しめばいいんだい。パトラッシュ…もう疲れたよ。まじで。

「元より人間は思ひ通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず」

安吾あんたは正しいよ。

「けれども、ともかく、希求の実現に努力するところに人間生活がある」

そこまで含めて全部正しい。きっと。

あーーーあ。

いつまで頑張ればいいんだろうなあ。

2018-02-15

結婚生活というものは、屁理窟世界ではないのである思想が違うから、とか、人種が違うから、とか、そういう一般論では割りきれないもので、男女二人の関係は、いつの世に限らず、男女二人だけの独特の世界だ。

坂口安吾 安吾巷談 天光光女史の場合

婦人が、一般論として男子差別のない参政権を求めたときイギリス婦人たちに参政権を与えたのは、保守党であった。

宮本百合子 戦争はわたしたちからすべてを奪う

軍艦三笠」にせよ「錆びた銃弾」にせよ、共に特殊主題ではあるが、これを一般論化して、象徴的意義に解することも出来る。

豊島与志雄 書かれざる作品

そしてその夜、銀座裏のバーで酔っぱらいながら、異民族間の距ては如何ともしがたいなどと、梅子のことについてではなく、一般論として言いだした。それから更に、日本人は全体として中国人蔑視してるとまで言った。

豊島与志雄 秦の憂愁

以上、一般論は終りだ。どうも僕は、こんなわかり切ったような概念論は、不得手なのだ。どんな、つまらない本にだって、そんな事は、ちゃんと書かれてあるんだからね。なるべくなら僕は、清潔な、強い、明るい、なんてそんな形容詞を使いたくないんだ。自分からだに傷をつけて、そこから噴き出た言葉だけで言いたい。下手くそでもいい、自分の血肉を削った言葉だけを、どもりながら言いたい。どうも、一般論は、てれくさい。演説は、これでやめる。

太宰治 乞食学生

よき文章家には、必ず隠そうとして隠し切れないであろう特色が、自らその文章に浮び出るものである。要は明快であることだ。だが、これは一般論であって、その小説から文章だけを切り放して、内容と別個のものとして論じることは不可能なことである。以下、私は各論はいるのであるが、そこで各種類の中に、内容と文章とを合せて詳論したいと思っているから、ここではこれ位に止めることにしよう。

直木三十五 大衆文芸作法

さあ以上から一般論」の意味をみんなで考えてみよう。

2017-08-30

作家呼び捨て名字名前

筆名に名字というくくりはふさわしくないかもしれないがあくまでも遊びということで。
批評も愛憎も好き嫌いも含めて呼び捨てにされる作家たちがいる。名字だけで、名前だけで、その作家が思い起こされる作家がいる。そこに何かつながりめいたものはないか自分の印象をちょっと羅列してみる。

呼び捨てにしたい名字

大江、石牟礼川端、塩野、志賀、司馬、城山、太宰、三島、谷崎、つか、筒井、星、津本、中上、ねじめ、野坂、灰谷、埴谷、百田、舞条、町田、丸谷、向田、安岡、横溝、横光、池波、伊坂、井伏

呼び捨てにしたい名前

乱歩、独歩、安吾、花袋、蘆花、荷風、らも、昌也、芙美子、一葉、四迷、万太郎、清張、朱門、実篤、春樹、鴎外、漱石、登見彦、ナオコーラ詠美風太郎、一力、周五郎、獏、淳之介、ばなな、鏡花

フルネームで呼びたい

安部公房遠藤周作大藪春彦佐野洋田中芳樹陳舜臣小松左京中村文則恩田陸南條範夫西村健太、馳星周長谷川伸北杜夫東野圭吾平野啓一郎福井晴敏堀田善衛海野十三宇能鴻一郎柳美里夢野久作

特殊

織田作、寂聴(瀬戸内寂聴は無論名前で想起するのだけど、瀬戸内晴美時代作品もあるから

2017-06-23

日本ミステリ略史

日本ミステリ史をまとめようとしている人を見たので自分でもやってみようと思った。

箇条書きでも大体分かるだろう。あと本格中心なのは許してくれ。

探偵小説輸入の開始

http://fuboku.o.oo7.jp/e_text/nipponbungakukouza_19270530.html

神田孝平訳「楊牙児奇獄」1877

黒岩涙香翻案『法庭の美人』1888

須藤南翠『殺人犯』1888(『無惨』に先立つ創作) "まづ未成品で、単に先駆的なものしか見られない"(柳田泉


黒岩涙香『無惨』1889 "日本探偵小説嚆矢とは此無惨を云うなり"

・"日本最初創作探偵小説" (乱歩)

・「探偵叢話」連載開始(都新聞) 1893 ……探偵実話の流行

ドイル「唇の曲がった男」翻訳 1894

映画「ジゴマ」公開 1911

谷崎潤一郎「秘密」1911「白昼鬼語」1918 「途上」1920 日本探偵小説 "中興の祖"(中島河太郎

・『中央公論』「芸術的探偵小説企画(谷崎・芥川佐藤春夫里見弴)1918


雑誌新青年』創刊 1920 "第一の山"(乱歩

・当初は翻訳を重視

横溝正史(1921)、水谷準(1922)、甲賀三郎(1924)、小酒井不木(1925)、大下宇陀児(1925)、夢野久作(1926)、海野十三(1928)など登場

乱歩二銭銅貨」1923 "これが日本人の創作だろうか。日本にもこんな作家がいるであろうか"(森下雨村

http://www.aozora.gr.jp/cards/001826/files/57173_58183.html


戦前探偵小説最盛期 "第二の山"(乱歩)"第一の波"(笠井

浜尾四郎殺人鬼』 1931

大阪圭吉デビュー 1932

・『ぷろふいる』創刊 1933

木々高太郎デビュー 1934

小栗虫太郎黒死館殺人事件』1934

夢野久作ドグラ・マグラ』 1935

・蒼井雄『船富家の惨劇』 1935

横溝正史真珠郎』1936

久生十蘭魔都』1937

◇「本格探偵小説

http://d.hatena.ne.jp/mystery_YM/20081205/1228485253

甲賀三郎「印象に残る作家作品」1925 が初出 http://kohga-world.com/insyouninokorusakukasakuhin.htm

小酒井不木当選作所管」1926 (「本格」「変格」使用

・当時の「探偵小説」という語の広さ……「本来の」探偵小説detective storyとそれ以外を区別

・"理知的作品"と"恐怖的作品"、"健全派"と"不健全派" 1926(平林初之輔

・本格・変格論争 1931(甲賀、大下)

探偵小説芸術論争 1934-36(甲賀木々



戦時下の中断

乱歩 少年探偵団(二十面相)シリーズ中断 1938

乱歩芋虫発禁 1939

・"探偵小説全滅ス"(乱歩) 1941


戦後ミステリ復興 "第三の山"(乱歩)"第二の波"(笠井

・横溝『本陣殺人事件』1946

・横溝『蝶々殺人事件』1947

・横溝『獄門島』1948

安吾不連続殺人事件』1948

高木刺青殺人事件』1948

雑誌宝石』創刊 1946

・『宝石第一公募 1946(香山滋飛鳥高山田風太郎島田一男

大坪砂男天狗」 1948

・『宝石』第四回公募 1949(鮎川哲也土屋隆夫日影丈吉

中井英夫虚無への供物』1964(構想1955-)

◇「探偵小説」→「推理小説

当用漢字表制定 1946.11

日本探偵作家クラブ設立 1947

講談社「書下し探偵小説全集」1955-1956

・清張『点と線』1958 (表紙に「推理小説https://www.amazon.co.jp/dp/B000JAVVEU

講談社「書下ろし長編推理小説シリーズ」1959-1960?

日本推理作家協会成立 1963

参考…

甲賀三郎『音と幻想』1942 http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007753808-00

雄鶏社推理小説叢書」1946.7-

安吾推理小説について」1947

安吾探偵小説を截る」1948

安吾探偵小説とは」1948

安吾推理小説論」1950


松本清張点と線』1958

・「社会派推理小説」、清張ブーム

心理的要素・動機の重視、小説としての充実重視

・"探偵小説を「お化屋敷」の掛小屋からリアリズムの外に出したかった"(清張)

◇「本格冬の時代」?

・謎解きの興味の強い作品は絶えていない……『本格ミステリ・フラッシュバック

・清張は謎解きを排斥していない。「新本格推理小説全集」1966 "ネオ・本格"

・「現実離れ」の作品が世に出にくかった……らしい https://togetter.com/li/300116

風俗を描いただけの謎解きの要素の薄い作品が氾濫していた……らしい?

"社会派ということで、風俗小説推理小説かわからないようなものが多い。推理小説的な意味で言えば水増しだよ"(清張、1976)

複数対立軸? http://d.hatena.ne.jp/noririn414/20070314

リアリズム――非リアリズム

・「おじさん」――「稚気」

・都会・洗練――土着

海外ミステリ――国内ミステリ

サブジャンル・隣接ジャンル

歴史ミステリハードボイルドエスピオナージュ、「冒険小説」、伝奇小説SF、……

・ここ掘ると全体が何倍かに膨れ上がるから触らないよ


◆「新本格」以前の非・サラリーマンリアリズム系譜 "2.5波"(笠井

桃源社「大ロマンの復活」1968- (国枝史郎小栗虫太郎海野十三久生十蘭香山滋……etc

・『八つ墓村』(漫画)1968-

中井英夫虚無への供物文庫入り 1974

・『犬神家の一族』(角川映画)1976

雑誌幻影城』1975-1979(泡坂妻夫連城三紀彦栗本薫竹本健治……etc)"探偵小説復権"

笠井潔『バイバイエンジェル』1979

島田荘司占星術殺人事件』1981

江戸川乱歩賞青春ミステリ……小峰元アルキメデスは手を汚さない』1973、梶龍雄『透明な季節』1977、栗本薫ぼくらの時代』1978、小森健太郎『ローウェル城の密室』(最終候補)1982、東野圭吾放課後』1985


◆「新本格ミステリ」 "第三の波"(笠井

綾辻行人十角館の殺人』1987.9

・「新本格」の公称は『水車館の殺人から……講談社文三によるブランディングの側面

◇「新本格」に顕著な要素(佳多山大地)……

・〈青春ミステリであること

・本格推理形式の先鋭化・前衛化が著しいこと

古典的天才探偵復権

大学ミス研のコネクションを軸とした作家の発掘

講談社――島田荘司――宇山日出臣――京大など

東京創元社――鮎川哲也――戸川安宣――早稲田立教など

公募による「新本格作家の発掘

鮎川哲也と13の謎 13番目の椅子 1989

鮎川哲也賞 1990-

・『競作 五十円玉二十枚の謎』1993

・『本格推理』1993-2008

・創元推理短篇賞 1994-

メフィスト賞 1996-(『姑獲鳥の夏』1994)

2017-01-03

創作物というのは、全て毒薬だと思う

小説だけではないと思うよ、安吾さん

苦悩と悲哀を母体に、あらゆる形で慰めてくれるおもちゃ

健康な豚が飲むと、毒になる

病んだ者にとっては一時的に慰めてくれる催眠薬だけれども

創作ジャンルでは、沼という言い方がある

ネットコピペでは猫型の穴という文言も使われる

人はその欠落に惹かれるが、一度触れた穴は自分にも移植され

救いようのないその欠落によって、呪いのように飢えて死ぬ事となる

ミーハーな穴だけを開けて、大量供給されるあらゆる世俗に塗れて生きていきたい

個人的な痛みなど、欲しくはない

代えの効かない人生など、怖くて仕方がない

こわい、こわい

2014-04-26

http://anond.hatelabo.jp/20140425140814

太宰とか安吾を読んでても別に文学ヲタじゃないよ。春樹と変わらん。

ピンチョンとかカネッティとか莫言とか読んでたら立派なオタクだ。

2013-07-18

参議院議員選挙についての雑感――自民党ブラック企業

若い世代の方にとって、今回の参院選ではどういうことが話題になったでしょうか。「ブラック企業」と名指しで批判されることも多い、ワタミ渡邊美樹候補を自民党擁立したことでしょうか(ここではワタミが実際に「ブラック企業であるかどうかは問いません)。

ブラック企業」と呼ばれる企業は、労働基準法抜け道をつかい若い労働者を長時間働かせます。もちろん、低賃金で、です。そのような扱いを受けた労働者のなかには、体調を崩し、「うつ病」に近い状態になり働けなくなってしまう人もいれば、自殺をしてしまう人もいます。「ブラック企業」は、どうしてそんなひどいことをするのでしょうか。

ブラック企業」の経営者は、国内や国際の市場における競争に勝つためには、経営努力必要であるといいます。つまり、売上を増やし、売上をつくりだすために必要コストを最大限に下げるのです。際限なくコストを下げようとするとき、まっさきに削られるコスト人件費、つまり労働者賃金です。

そんなひどい低賃金長時間労働をさせられるのなら、退職すればいいじゃないかもっといい会社転職すればいいじゃないか、そうすれば「ブラック企業」などなくなってしまう、と考える方もいるかもしれません。

しかし、現代就職難の状況では、生活していくためのお金を稼ぐために、厳しい労働環境職場を選択しなければならない人々がたくさんいます。誰かが退職しても、いくらでも新しい労働者が「ブラック企業」に供給されるからこそ、「ブラック企業」のようなやり方を続けていくことができるのです。「ブラック企業」は、「お前がやめても代わりはいくらでもいるぞ」と労働者恫喝します。だから労働者労働環境改善するような声を挙げることが非常に難しくなってしまます

まり、「ブラック企業」で働く労働者には、企業の言いなりになって奴隷のように働くか、退職して厳しい求職活動を行っていくかの2択がつきつけられるのです。背に腹は代えられません。いくら低賃金でも、お金がなければ日々を生きていくことはできません。その結果、労働者自分の自由を犠牲にしてでも、ブラック労働環境で働きつづけることを余儀なくされます

さて、一部からブラック」と呼ばれる渡邊美樹候補は、こんなことを言っています。つぎの演説をみてください。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/90354

この演説のなかで彼はこう言っています

日本のこの国を立て直すとしたらですよ。確かに社会保障費、そう動かせないお金もありますしかし半分にしたらですよ。この国、立ち直るんですよ!」

国には、たしかに「経営」としての側面があります。その点では、国の運営にかかるコストを少なくすることが大事でしょう。

ワタミ渡邊美樹候補は、会社経営を合理化するように、社会保障費を縮小し、国の経営を合理化したい、と言っているのです。

社会保障費」は、働けなくなった人、病気をした人、高齢者などの生活を支えるための重要費用です。すこし前に、生活保護不正受給が問題になりましたが、実際のところ、生活保護不正受給というのは、全体のわずか1.8%にすぎません(2010年データ)。もちろん不正受給は許されるものではありませんが、専門家は、生活保護に関してはむしろ、本当に生活保護必要な人に支給できていないことが問題だと指摘しています。つまり、実際には生活保護必要なのに、生活保護が支給されていないケースが非常に多いのです。

このように考えると、渡邊美樹候補の主張に疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。

からワタミ渡邊美樹候補を批判しつつ、彼を擁立した自民党を支持するという意見を聞くことがあります

しかし、そのような立場は本当に正しいのでしょうか?

国の経営を合理化し、国際競争に勝つために労働基準法そっちのけで労働者使い捨てるいわゆる「ブラック企業」の精神は、現在景気を回復させはじめた経済政策アベノミクス)を武器に、さまざまな労働改革を行い、社会保障を引き下げ、生活することすら困難な日本に住むマイノリティを排除しようとする自民党精神と同じであるように私には思えます

いわゆる「残業代ゼロ法案」であるホワイトカラーエグゼンプションを推進したり、企業労働者解雇やすくする解雇規制緩和を推し進めようとしているのは、自民党です。安倍首相は、アベノミクスによって60万人の雇用をつくりだしたと主張していますしかし、実際に増えたのは非正規雇用が116万人であり、正社員は47万人減少しているのです。国の経営合理化によって、今後も不安定な非正規雇用を強いられる傾向は、今後どんどん高まっていくのではないでしょうか。

そのほかにも、自民党憲法を改正し、立憲主義の原則を取り壊し、これまで保障されてきた基本的人権を縮減し、自衛隊を「国防軍」として位置づけることによって、日本軍事力を明確にもつことができるようにしようとしており、その点でも多方面から批判されています

しかし、それでもなお、自民党経済政策に期待する声があります

そういう人は、おそらく次のように考えているのではないでしょうか?

―― 「国際競争のなかで日本が負けてしまったら、大変だ。うちの会社がつぶれると、自分も食えなくなる。だから自民党の多少の欠点には目をつぶって、日本をうまく経営してもらいたい。それが結局のところ、自分利益にもつながるのだ」、と。

しかし、この考えは、「うちの会社ブラックだけど、自分サビ残してでも何とかしないと、自分の職がなくなるから困る。食えないのは困るから、ここで働くしかない」という、「ブラック企業」で働くことを余儀なくされている労働者の考えとまったく同じです。

ブラック企業」やそれに近い労働環境で働く人たちは、自分のことを「社畜」などと呼んで、ブラック労働環境ネタ化して、無害化することがあります。ならば、「ブラック企業」と類似した考えによって行われる経済福祉政策を肯定する人たちは、自分のことを「国畜」と呼ぶのでしょうか。

社畜」「国畜」などとネタ化すると、本質が見えなくなります。それは、たんに「奴隷」なのです。賃金がなければ、お金がなければ生きていけないから、基本的人権は制限されてもしょうがないし、社会保障はどれだけ削られてもしょうがない、という考えは、お金という鎖につながれた奴隷以外のなにものでもありません。

無理やりの原発再稼働、ブラック企業正当化国防軍必要だという声。これらに共通するのは、恫喝ものごとを動かそうとすることです。権力者はつねに次のように言います。「原発を動かさないと経済ダメになるぞ! 労働基準法など守っていては国際競争に負けてしまうぞ! 中国韓国に侵略されるぞ! 」、と。

このように、危機に乗じて威圧的論理をつかい政治を動かそうとすることを、ナオミ・クラインは「ショック・ドクトリン」と呼んで批判しました。

もっと簡単にいえば、それは「(現在の危機に対して)いつやるの? いまでしょ! いまやらなければ、さもないとひどいことになるぞ!」という論理です。

こういう論法は非常に威勢のいいものです。たしかに、いますぐ何かをやって、変えてくれそうな気がします。しかし、その一方で、「いま」の危機がどういうものであるのか、という点は覆い隠されてしまます。たとえ国際競争に負けるからといって、過労死者をだすような労働環境正当化されるでしょうか。たとえ経済ダメになるからといって、活断層の上にある原発を動かしていいものでしょうか。

その意味で、例の「いつやるの? いまでしょ!」の人は時代の申し子というか、およそ考えうる最高の(最悪の)タイミングで出てきたわけです。

少しうがった見方をすると、ワタミ渡邊美樹候補というのは、今回の参議院選挙における自民党支持のための逆説的装置なのではないでしょうか。

まり、こういうことです。――世の中では、自民党の勢力が強いらしい。かといってその流れに単に乗るだけでは自分は「自由」ではない。しかし、ワタミ渡邊美樹候補を批判することができる私は「自由」であり、自分で「主体的に」政治についての情報を得ている。だから私は政治を「知っている」。 このように考えることができるというわけです。

要するに、「ブラック企業」といわれるワタミ情報インターネットから得て、それを批判することによって溜飲を下げ、安心して「自由な主体」として自民党を支持できるというわけです――「私は自民党にどっぷり浸かっているわけではない、批判もしている。それゆえ私が自民党を支持することは自由の証である」、と 。

しかし、そのような「自由」は本当の意味での自由でしょうか?

この参議院選挙のあと、自民党憲法改正にむけて大きく舵を取ります。彼らの改正案は、どういうものでしょうか。

その一番の特徴は、基本的人権を守ろうとする姿勢が大きく後退していることです。たとえば、自民党改憲案では、表現や集会や言論の自由は、たしかに保障されていますしかし、この自由は「公益及び公の秩序を害することを目的」とする場合には、保障されません。この規定によって、たとえば今の政府についての批判を行うことが「公益及び公の秩序を害する」と権力者が判断すれば、そのような批判は制限されてしまます政府を批判することすらできなくなってしまう可能性があるのです。

もちろん、批判する必要のないほど完璧政府であればいいでしょう。しかし、日本に生きる全員にとって「完璧政府」などというものが、はたしてありうるでしょうか。

それでも、景気の回復だけを理由に、自民党を支持することができるでしょうか?

こういう逸話があります

ある男が暴漢に拳銃をつきつけられ、「自由か死か!」と問われますふつう、死にたくはないですから、「自由」を選びますしかし、「自由か死か!」という二択を迫られたときに「自由」を選んでしまうことは、その選択を暴漢から強制されることにほかなりません。ならば、その男は、自分が自由であることを示すためには、「死」を選び、自由を放棄するしかありません。こういう逆説がいま、現実に起こっているのです。

経済政策武器に、私たちの自由を奪うような憲法改正を行うとする自民党を支持することは、自分が自由をもっていることを示すために、表現の自由も思想・信条の自由も、さらには基本的人権すら売り渡すことに他ならないのです。

実際に、いままさに私たちの「表現の自由」が制限されはじめつつあります。興味のある方は、次の記事をしっかりと読んでおきましょう。

http://kiikochan.blog136.fc2.com/?no=3113

世界歴史の至るところで、私たち私たちの「自由」を獲得するために、数多くの努力を行ってきました。その結果が、現行の憲法の「思想及び良心の自由(第19条)、表現の自由(第21条)、学問の自由(第23条)」です。こういった自由は、おそらく、あっさりと奪われてしまます。そして、こういった自由をふたたび取り戻そうとするときには、数多くの血が流れることは間違いありません。そのことは、歴史証明しています

すでに長くなってしまいました。

しかし、もう少し伝えたいことがあります

ここまで読んできてくれた方のなかには、「いや、そうは言っても外交問題などは、自民党以外にはまかせておけない」と言う方がいるかもしれません。

ところで、今の若い世代の方のインターネット上の発言をみていると、少なからぬ方が、いわゆる「2chまとめサイト」(「痛いニュース」「保守速報」「アルファルファモザイク」など)のURLSNSに貼り付け、それを情報源として政治について語っていることがよくあります中国韓国北朝鮮といった東アジア外交問題に関しては、とくにその傾向が強いように感じます

しかし、そのような「2chまとめサイト」を情報源として利用することは、とても恥ずかしいことだと私は思います

なぜなら、いわゆる「2chまとめサイト」は、その名の通り「2chで話題になったことをまとめた」ものではないからです。

この点について興味のある方は、次のURLを参照してください。

http://anond.hatelabo.jp/20130705113110

若い世代の多くの方が、「2chまとめサイト」をTV週刊誌などのマスコミから伝えられる情報とはちがった「自分で手に入れた真実情報」として受け取っていますしかし、「2chまとめサイト」は、その話題を提供するプロセスから、その記事作成に至るまで、実はごく少数の人物によって管理されているのです。

多くの「2chまとめサイト」は、嫌韓民族差別ネタを娯楽のようにパッケージ化して私たち提供しています。本当に愚かなことですが、「差別」はもっとも簡単に娯楽になるのです。差別を娯楽として提供することが一番PVを稼げるから、結果として思想的な偏向を生み出しているわけですね。

しかし、その娯楽を享受し、そのURLを嬉々として貼り、情報/娯楽として消費する行為は、まるで、いとも簡単に餌につられ、その餌に群がる昆虫のようではないでしょうか?

少し、個人的な話をさせてください。

私はたぶん2chとの出会いは早かったほう(たしか2000年)だと思います

2ch最初に見たとき、歯に衣着せぬ酷い書き込みの嵐に、「あ、これが筒井康隆が言っていた「ブラックユーモアは厳しい自己認識の手段である」ということなんだな」と思いました。そのことをよく覚えています

作家筒井康隆の作品には、さまざまな差別ネタや障害ネタが登場します。そのため、筒井は「2ch以前から一人で2chみたいなことをやっていた人」のように言われることがあります

しかし、彼の作中での差別や障害ネタは「差別を見て笑って/楽しんでしまう私のおぞましさ」を発見するための装置なのである、と筒井は語っている。私たちは、いくら「差別はいけない」と思っていても、実際に差別を目にしてしまったときに、笑ってしまう、その差別を楽しんでしまうことがあります。そういう「私」のおぞましさを発見させてくれるのが、「厳しい自己認識の手段としてのブラックユーモア」だということです。

文学価値としてはパロディよりもブラックユーモアのほうが高いとされている。なにしろ ブラックユーモアは16世紀のイギリスで発生してこのかた5世紀というスウィフト以来の伝 統を持っていて、それはすなわち死体をもてあそび、宗教冒涜し、病人をいたぶり、糞尿を 好み、身障者を笑いものにし、極端な人種差別をするというものであることはご存知のとおり である。それはまさに人間が、人間であることによって否応なしにもたされた醜さをすべて暴 き立てられ、鏡のごとく自分の醜さに対面させられ、叫ぼうがわめこうがどうしようが、それ を自らの笑いによって証明させられて認識せざるを得ないという、いわば厳しい自己認識手段 なのである。この伝統を守り、20世紀の日本などという建前社会おいて消滅させたりして はならないと孤軍奮闘してきたつもりであったが、今や世の底流はほうっておいてもブラック ユーモア指向しはじめた。「偉い人」だの「尊敬すべき人」だのといった言葉が出てきた限 りは、以後そういうことを言い出した人自身が自分の醜悪さの中にまみれてもらわねばならな い。どうやらまた何かしら倫理を作ろうとする連中がちらほらしはじめている。人間人間倫理など作れるほどの偉いものなのかどうか、自分の魂の地獄サイコダイバーとなっており ていってもらい、じっくり見てもらおうではないか。もちろんおれも一緒だ。安吾先生ではな いが、堕ちるところまで堕ちた人でないと倫理の何たるかすらわからない。

(『笑犬樓よりの眺望』http://sound.jp/kita-g/black.htm より引用)


初期の2chには、おそらく「厳しい自己認識の手段」としてのブラックユーモアがあったように思いますしかし、現代の「2chまとめサイト」は、その差別ブラックユーモアを単に娯楽として消費されるようにパッケージ化しています

こういったサイトの「情報」をもとに、政治の話をするのは、もうやめにしませんか?


最後に、映画監督想田和弘さんと、哲学者木田元さんが今回の参院選について語った言葉引用しておきます

マジでおかしいよ、自民党マジでブラック化している。 」

「僕は別に自民党に恨みがあるわけじゃないんだけどいまだに原発進めたり海外に売ったりTPP公約違反を犯してだまし討ちで進めたりトンデモ改憲案を出したり軍法会議検討したり生活保護切り崩したりワタミ会長公認したりとあまり最近ブラック過ぎて絶対投票するのはやめて欲しいと言いたい。 」

時代には勢いがあります。今ならば、ちょっと右寄りの方がかっこいいとか、そろそろ憲法改正必要だとか、昔日の日本の威光を取り戻そうとか、そういう動きですね。それらに安易同調したり、勝ち馬に乗ろうとしたりすると、とんでもないことが待っているかもしれない。… 戦前日本孤立を決定づけた国際連盟からの脱退に国民拍手喝采しました。その愚を繰り返さないように立ち止まって考え、『勢い』をチェックして、場合によっては抑えることが必要でしょうね。賢さと言い換えてもいい」

http://

2011-10-14

UN-GO(ノイタミナアニメ)がTOHO系劇場レイトショー

忘れないようにメモ

UN-GO episode:0 因果論」
(上映:約45分予定)
11月19日(土)よりTOHOシネマズにて2週間限定レイトショー上映
監督: 水島精二
ストーリー脚本: 會川昇
アニメーション制作: ボンズ
 
[上映劇場TOHOシネマズ六本木ヒルズTOHOシネマズ渋谷お台場メディアージュTOHOシネマズ府中TOHOシネマズ川崎TOHOシネマズららぽーと横浜TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、TOHOシネマズ東浦、TOHOシネマズなんばTOHOシネマズ二条TOHOシネマズ伊丹天神東宝

原案: 坂口安吾明治開化安吾捕物帖監督: 水島精二
ストーリー脚本: 會川昇
キャラクターデザイン: pako、高河ゆん
アニメーション制作: ボンズ
制作: 「UN-GO製作委員会キャスト結城新十郎: 勝地涼
因果: 豊崎愛生
海勝梨江: 山本希望
虎山泉: 本田貴子水星玄: 入野自由
海勝麟六: 三木眞一郎UN-GO episode:0 因果論」
(上映:約45分予定)
11月19日(土)よりTOHOシネマズにて2週間限定レイトショー上映
監督: 水島精二
ストーリー脚本: 會川昇
アニメーション制作: ボンズ
 
[上映劇場TOHOシネマズ六本木ヒルズTOHOシネマズ渋谷お台場メディアージュTOHOシネマズ府中TOHOシネマズ川崎TOHOシネマズららぽーと横浜TOHOシネマズ名古屋ベイシティ、TOHOシネマズ東浦、TOHOシネマズなんばTOHOシネマズ二条TOHOシネマズ伊丹天神東宝

原案: 坂口安吾明治開化安吾捕物帖監督: 水島精二
ストーリー脚本: 會川昇
キャラクターデザイン: pako、高河ゆん
アニメーション制作: ボンズ
制作: 「UN-GO製作委員会キャスト結城新十郎: 勝地涼
因果: 豊崎愛生
海勝梨江: 山本希望
虎山泉: 本田貴子水星玄: 入野自由
海勝麟六: 三木眞一郎

高河ゆんって久しぶりに見たわ。

最初見たのはカラートーンの美麗なイラストの頃(CLAMPも当時カラートーン多用で美麗だった)

漫画家としても活動しているのね。

コミカライズも読んでみようかな。

2009-08-17

いまどき貞操問答かよ、おまえらは統一協会か、という悪罵はともかく

http://anond.hatelabo.jp/20090817170303

非処女嫌悪なんてのは相手が自分とつきあう前にまで嫉妬するという点で、たしかに自然な感情ではあるが、それだけに醜い独占欲に過ぎない。

セックスによって女性に何か不連続な変化が起きるというのは、あえて侮辱的にこの言葉を使うなら、もっとも典型的な『童貞妄想』だ。

(すなわち、紙たる女性に男は自分の影響・支配を書き込む、だから白紙がよい、という権力妄想)

非処女の汚れなるモノは女性側にあるのではない、汚れを感じてしまう側の心が汚れているのだ。

というか、セックスによって女性が何らかの意味で汚れるというのは、まさしくイデオロギーそのもので、なんら客観的根拠を有しない。

という、もう100年か最低でも50年くらいまえの議論に何で戻らなければいけないんだ、情けない。

ちなみに日本処女性の尊重が、純潔という観念ロマンチシズムとともに輸入されたのは透谷による。明治20年代だ。

http://www.aozora.gr.jp/cards/000157/files/45241_19756.html

天地愛好すべき者多し、而(しか)して尤も愛好すべきは処女の純潔なるかな。もし黄金、瑠璃(るり)、真珠を尊としとせば、処女の純潔(チヤスチチイ)は人界に於ける黄金、瑠璃真珠なり。もし人生を汚濁穢染(をぢよくゑせん)の土(ど)とせば、処女の純潔は燈明の暗牢に向ふが如しと言はむ、もし世路を荊棘(けいきよく)の埋むところとせば、処女の純潔は無害無痍(むい)にして荊中に点ずる百合花とや言はむ、われ語を極めて我が愛好するものを嘉賞せんとすれども、人間言語恐らくは此至宝を形容し尽くすこと能はざるべし。噫(あゝ)人生を厭悪するも厭悪せざるも、誰か処女の純潔に遭(あ)ふて欣楽せざるものあらむ。

 然(さ)れども我はわが文学の為に苦しむこと久し。悲しくも我が文学祖先は、処女の純潔を尊とむことを知らず。徳川氏時代の戯作家は言へば更なり、古への歌人も、また彼(か)の霊妙なる厭世思想家等(など)も、遂に処女の純潔を尊むに至らず、千載の孤客をして批評の筆硯に対して先づ血涙一滴たらしむ、嗚呼(あゝ)、処女の純潔に対して端然として襟(えり)を正(たゞし)うする作家、遂に我が文界に望むべからざるか。

 夫(そ)れ高尚なる恋愛は、其源を無染無汚の純潔に置くなり。純潔(チヤスチチイ)より恋愛に進む時に至道に叶(かな)へる順序あり、然(しか)れども始めより純潔なきの恋愛は、飄漾(へうやう)として浪に浮かるゝ肉愛なり、何の価直(かち)なく、何の美観なし。

安吾曰く

 貞操は一人の男のためではないので、自分のためのものだ。自分の純潔のためのものだ。より良くより高い生活のためなら、二夫にでも三夫五夫にでも見(まみ)えてよろしく、それによってむしろ魂の純潔は高められるであろう。愛する男にすら許さぬという処女の純潔も、より高い生き方のために何人もの男に許すという純潔も、純潔に変りはない。貞操は処女を失うとか二人に許すという問題でなく、わが魂の問題だ。

 女房の貞操にはもう魂がなく、亭主への義務だけだから、義務などはたよりない代用品で、小平が述べたごとく、処女は抵抗する故に殺され、あまたの人妻は抵抗せぬために放免された由、女房の貞操は惨たるものである。もっとも貞操ぐらい何でもない。

http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42858_31421.html

2009-03-25

http://anond.hatelabo.jp/20090325033005


その解釈で間違ってない。

安吾はいいぞ、俺の精神的支柱だ。

高校の頃出逢ってから、時折「堕落論」は読み返してる。

他の評論もすごい刺激的で面白い。

今も角川か新潮から出てるから、もしよかったら、読んでみてくれ。

中卒で遊んでたけど社会復帰した奴や、

入った高校があんまりにもクソで辞めて大検とって大学合格した奴や、

ヒッキーなったけど社会復帰した奴とか知り合いにいるんだけど、

みんな「このままじゃダメになると思って」っていう。

楽な方に流され続けるのも、ある意味シンドイらしいw

紹介して良かった。

こちらこそありがとう

http://anond.hatelabo.jp/20090324011546

なるほど。堕ちるのは人間であれば自然で、でも堕ちぬくことは出来ないから安心しろ、というメッセージだと善意解釈する。ありがとう増田。そしてついでに安吾も。

ただ、堕ちるのはあまり気分がよくなくて、逆に堕ちぬくのは気分よさそうだ。底に届いて足がつくからかもしれない。中途半端に堕ちている時の浮遊感は、乗り物酔いをしているみたいに気分が悪くてバランスを崩す。

2008-10-27

http://anond.hatelabo.jp/20081027105849

安吾は海に欲情できる変態だからな。ちょっとその辺の人間とは器が違う。


ちなみに海に欲情する安吾ロリから老婆までインテリから白痴まで女ならなんでもOKで、自然に欲情する北杜夫ホモショタニンフェット趣味、というのはなぜなんだぜ。

http://anond.hatelabo.jp/20081027105125

白痴」だけってんじゃなくて、「白痴」的な女性に惹かれるという安吾の話を総合してみれば、という話なんだ。小説タイトルともとれるよな。すまん。流れ的に言えば、少女そのものを対象としていなくても、ある種の「成人女性/成長恐怖症」的な精神傾向が「(架空の)純粋少年少女時代への憧憬」と手を結んでロリ属性化するケースはあるだろって話なんだよ。

安吾ロリ気がある、って、たとえば「風と光と二十の私と」とかどうだ。小学校代用教員時代の話だけに少女満載、成長拒否気味厨二病全開時代の想い出話だけど。

あと『圧倒的な知力胆力を持つ女にひれ伏したい欲』とロリ属性矛盾せんのよ。ツンデレロリお嬢様属性人間なんて掃いて捨てるほどいるし、安吾でも「夜長姫と耳男」なんてまさにそうじゃね?

http://anond.hatelabo.jp/20081027105125

安吾悪女/ヤンデレ萌え

容貌がきれいなら歳はどうでもいいみたいだけど

80の老婆よりは20の美女の方がいいにきまっとる!と言い切る漢。

http://anond.hatelabo.jp/20081027103750

白痴だけ読んで安吾ロリ説唱えられても…

安吾はどっちかってーとロリではないと思う

圧倒的な知力胆力を持つ女にひれ伏したい欲ビンビン感じる

http://anond.hatelabo.jp/20081026212332

ハインラインは確かに『悪女ベルに対して書き方が冷たくて、かつ軍隊とかハードSF好きの変態だからどう罵られようが知ったことじゃないが、夏への扉主人公はどちらかといえば単なるヒッキーの猫ヲタであって少女愛好家ではないのではないか?少なくとも子供のときの彼女に対する恋愛感情をほのめかす記述は無かったと思うのだけど(少女主人公、があることをもってハインラインロリなんだよ!と言いたいのかもしれないが、思春期少年少女が身近な年上異性に憧れるのは普通では?)。

どちらかと言うとそれはたとえば「腐女子EYE」みたいなもので、あなたには何見ても「ロリコン妄想きめぇ!」と思うような変な色眼鏡がかかってんじゃないのか? なんか「夏への扉」を熱く語る男にトラウマが? そうじゃないとすると、そのうちあなたがブラッドベリの一連の少年もの(「たんぽぽお酒」とか)読んで「ホモショタきめえ!」とか言い出すんじゃないかと思って心配だ。

あと引用元の某氏は多分「『夏への扉』なんてロクなSFじゃないぜ、センスもなければワンダーも無えよ。」って言いたいんだと思う。まあ個人的には「宇宙の孤児」、「メトセラの子ら」とか確かに好きなんだけど、でもそういうのを崇拝するSFオタが「『夏への扉』なんてSFとしてはランク低いぜ」とか吹いてると、少し苦笑いしてしまう。小説は読んで面白ければそれでいいわけで、別にSFとして』評価されるかどうかなんハインラインさんは知ったこっちゃないんじゃないかな。そんな「評価」なんてそれこそSFオタの自己満足にすぎないしね。

ちなみに「ロリコン知識人代表」とされるルイス・キャロルは、人妻になって子供もできたアリスリデルとも大変仲良くしていた。そういった事例を踏まえて「ロリータと年齢は無関係である」とする理念学会には存在している。そういう立場から、「夏への扉」という小説ロリ属性がある、とあなたが主張するなら、それはそれで理解しなくもない。

ただそうすると、日本近代小説でもたとえば鴎外なんて確実にロリ気があるし(エリスは17歳設定)、二葉亭だって怪しい(成長拒否的)。谷崎は確実にそうだ(源氏物語訳)し、堀辰雄幼年時代)、太宰(女生徒)や安吾白痴)なんかも多分そう。大丈夫なのは三島ぐらいではないか(三島は別の意味大丈夫ではないが)。というわけで、そういう人・小説はたぶんゾロゾロ出てくんじゃないかなとも思う。

 
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