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はてなキーワード: 自然発生とは

2021-09-23

失業したり、子供ができたり、病気になったり、災害に見舞われたりしてもちゃんと生きていけるシステムをつくってほしい」

って、めちゃくちゃおかしな事を言っているのに気付かないのかな。

何故そこに子供を並べる?他は避けようとしても避けられない不慮の出来事だけど、子供だけは違うよね?

子供は「できる」ものではなく「作る」ものです。自然発生的に子供ができると本気で思っているなら小学校理科からやり直せよ。

なんでこう、その気がなくともどこからともなく子供が沸いてくるかのような認識で語る人が多いのか。

失業したり、病気になったり、災害に見舞われたりしてもちゃんと生きていけるシステムをつくってほしい」ならめちゃくちゃ同意するし

子供を作ったり、海外旅行したり、高級ブランド品を買ったりしてもちゃんと生きていけるシステムをつくってほしい」でも同意するけれど。

どうして、「子供」というのは最低限度の生存権保障されたその後の贅沢品だという認識にならないんだろうか?

2021-09-22

日本子供を持つのはまるで罰ゲーム」って

はあ?

子供自然発生的に沸いて出たのか?違うだろ

別に義務でも何でもないのに好き好んで子供を作っておいてなんで被害者面?

貧困故に結婚できない人の事は全く顧みないのに、好き好んで子供を作りその結果ちょっとだけ苦労しているプチブルには異常に同情する世相が本当に謎

2021-09-16

anond:20210916100857

でも立民に対するネガキャンあくま自然発生批判が重なっただけなんですよね?

2021-09-11

anond:20210911173205

そもそもオリンピック関係者からラムダ株とか持ち込まれてるしな

いつもの通り隠匿したけど

 

あと、1+1理解できないやつはどうにもならないと思う

来日した選手関係者10万人超で単純に10万人以上(伊勢原市の総人口)が人が増えてるのに

人流がないって施設内に人間自然発生したの?みたいな

そもそも全国から警察官ボランティアがかき集められてるしな

2021-08-29

anond:20210829132132

1. 本当に無感染だったら、セーフ。新コロでは死なない。なぜなら、パスツールが「自然発生」を否定してくれているので。

2. 実は感染していた。でも、無症状な場合がある。過去には、メアリーマローンという人を研究で、チフス菌が「不顕性感染を起こし、チフス菌をばら撒いていた」ことがあったのでした。

2021-08-28

医大生だけど、新型コロナウイルスについての感想を列挙する

2021-08-22

世界中で反ワクチン派が続々と感染死してるみたい

皆一様に反省と後悔を口にしながら、くたばっていくってさ。

自由意味を履き違えた権利振りかざしお化けや、頭の沸いた陰謀論者が淘汰されてく。

このまま変異株が出続けていったら、反ワクの馬鹿けがバタバタ死ぬ病になるかも。

自然発生ウイルスが、ある閾値以下の知能の層だけを間引いていってしまう。

これじゃまるで野生のホロコーストじゃないか。くわばらくわばら。

長い目で見た社会全体に与える共通利益としては、そちらの方が好都合なのかね。

でもドイツからホモ知的精神身体障害者が居なくなったなんてことはないからなぁ。

多少の影響があるとしても当代のごく僅かな間だけだろうな。うん。

追記

ソッコーで何匹か釣れてて草。入れ食いじゃんか。増田にもウヨウヨいるのな。

2021-08-21

anond:20210821172709

恋愛接触から自然発生するもの

接触を減らせと言って出生率低下を考えてない奴はただのバカ

サークル文化って保護するほどの事でもないし、人が集まるようになれば自然発生するでしょ

継続させないといけないようなものか?伝統文化か?

2021-08-07

明後日から甲子園

前回までの緊急事態宣言発出時、部活動をはじめとする課外スポーツは休止している所もあったが、今回は通常通り活動しているところが多い。

しか日本ではPCR検査を気軽に受けられる環境にないので児童、生徒、指導スタッフの誰一人検査などしていない状態で集まることになる。

デルタ株は感染力が強いだけでなく児童でも発症することが知られている。また、無症状でも後遺症が出るケースも報告されている。そして16歳未満はワクチン接種の対象外となっている。可能な限り感染自体を防ぐべきだ。

路上飲みは自然発生的なものだが部活動等の課外スポーツ文科省管轄のはずだ。無視を決め込むなど許されるわけがない。

目下、医療崩壊中の地域もあり急病や怪我にも即時の対処が難しい。一切の活動を即刻中止すべきだ。

2021-07-31

anond:20210730164344

最近商業BLは攻めと受けの体格差が少なくなってきているそうな。

なので、数年前はニッチ趣味だったマッチョ受けというのが、一般の受けの筋肉増量により稀釈されて目立たなくなったらしい。

そして、男性同士で恋仲になることへの障害の少ない世界観物語が多い。

一応はポリコレ配慮作品も出てきており、危険な性行為を描かない作品で人気のものもある。成人×少年BL少年同士での18禁はあまり見られなかったりする。

BL禁忌性がめっきりなくなってしまった昨今だけれど、数年前に海外発のBL文化オメガバース」が輸入されてきた。これは自然発生的なブームではなく、出版社ふゅーじょんぷろだくと意図的流行らせたものだ。

オメガバースによって格差恋愛が復活してきた。また、オメガバースのおかげで海外BL特殊設定に興味が持たれ、Dom/Subユニバース(主に遺伝によってSMのSかMとなることを宿命づけられているという設定)も輸入された。

そして、BLに限らないけど、最近では格差恋愛可能にする設定として時代もの異世界もの獣人ものがある。最近結婚ものというか輿入れ譚が流行ってるようだ。本屋のTL(中高生の好みそうな少女漫画的な作風で男女の恋愛を描いた、エロあり18禁ジャンル)の棚の端から端までどの本の表紙も結婚している……。

2021-07-24

anond:20210724225510

積極財政をやった上で消費税減税、累進所得税増税法人税増税、そのうえで、消費、設備研究投資に関わるものだけ減税して、金の回転を上げるべき。

日本の没落の原因は「本来だったら圧倒的な差のつく個人間の能力の差」を認めずに、資格学力といった「日本しか通用しないこと」に価値があるという誤認を、無理して「教育福祉解決できる」と国民政治力で信じた結果、無理が来ているのでしょ?いま必要なのは、その手の教育できない自然発生的に生じる天才を、市場経済で見つけ出すというプロセスの構築であって、評価されない民は貧乏になって退場していただくという、極めて生物学的な問題なんじゃないの?

2021-07-20

anond:20210720223605

やりすぎだけど法的規制もないし自然発生的+扇動があったら止められないことが証明されてしまった

2021-06-21

anond:20210621104015

こどおじ同士集めたら自然発生的にあちこち喧嘩がおこりそう

2021-06-18

https://www.refugee.or.jp/fukuzatsu/hirokimochizuki08

リンさんが妊娠に気づいたのはちょうどその頃のことだ」

ここがまずおかしい。何故妊娠の原因である行為があった事を先に書かない?

何もしていないのに胎児自然発生たかのような書き方はあまりにも技能実習生に寄り過ぎている。

2021-06-14

パンデミック2016年予言されていた

http://globalprioritiesproject.org/wp-content/uploads/2016/04/Global-Catastrophic-Risk-Annual-Report-2016-FINAL.pdf

これを見ると、人為的または自然発生するパンデミックが5年以内に発生すると予測されてたんだな

そして、核戦争が起こるリスクも同様に高いと書かれてるんだけど、怖いな

2021-06-09

anond:20210608195033

彼女いたことがない終わってる人間

彼女自然発生しない。

彼女がほしくて、彼女を作ろうと努力したことがある人間なら

「頑張っても彼女ができなかった」になるはず。

親がどうこう、はスタート地点の差にはなるが、ここまで文章が書ける程度には育ててもらってんだ。

20過ぎて親のせいにしても何も進まん、何も変わらん。腹括れや。

何でもママのせいにする自立できてないヤツの彼女なんてその子可哀想だわ。

まり、お前は彼女ができるような社交性を持った人間になる努力が出来なかった人間なんだよ。

正しく認識しような。

2021-06-07

カードゲーム競技プロ化、eスポーツ化に向いてない的記事への反論

メンタルが完全に死んでいるので、手短にかく。

 

カードゲーム競技プロ化、eスポーツ化に向いてないと言う話

https://note.com/kinghalo_dl/n/n939546088687

へのツッコミ

前の記事こちら。MPL終了の記事の読み方を書いてる。ここの内容と被るので別の読まなくていい。

anond:20210520025445

 

カードゲームは観戦するのに必要知識量が多すぎる」

僕は格ゲーを実際にプレイしたことはないのですが、何やら人間離れした技が繰り出されたことはこれを見ると理解できます

各所で突っ込まれてるけど、この背水の逆転劇、とりあえずゲーム素養がない人には何やってるかわからないよ。

少なくともブロッキングシステムがわからなければ、このシーンでウメハラが高度なことをやってるかどうかわかんない。自分母親にこれ見せて理解させられるかって考えてみ?

TVでこの動画が紹介された時も、ブロッキングについて説明してたぐらいなんで非ゲーマーが一目見て分かるものじゃない。

実際、オタクが分かると思ってるこのレベルスーパープレイでも「わからない」んよ。というか、スポーツスーパープレイも多くがそう。流石に格闘技かになると派手なものはわかるだろうけど。

 

あと、挙げられている紙のハイライトシーンはそりゃわかんねーだろーって思う。カード名挙げないといけない時点で難しいよ。

俺はMtGを長くやってるので、あんま知らない人向けのハイライトとして挙げるとしたらこ動画か。

https://www.youtube.com/watch?v=4t0pzLnSWw0

 

ざっくり説明すると、プロツアー準決勝で敗勢に追い込まれプレイヤーが、勝負をかけるために自分リソースオールインし、次の手番で引いたカードで見事勝利をつかむというもの

最後勝敗を賭けたドローで引いたカード名、彼がこの勝利で得た賞金からとって「$16,000 Lightning Helix(1万6千ドルの《稲妻らせん(カード名)》)」ともいわれるこの動画は、引いたカードで劇的に勝利を収めるという点ではわかりやすいとは思うが、これもカードやってない人にとってはまあわかんねえと思う。

 

MTGにもプロ化を成功させられる可能性はあったはずです。(現時点での結果のことを失敗と定義しています)

ここが大きな突っ込みどころなんだが、別に失敗してないよ。定義とやらが間違ってる。

MPLっつーのは、これまでMtG採用していた、プロツアー、グランプリのような個人スポーツライクなプロ興行(参考にしたのはテニスゴルフあたりだろうか)をやめて、デジタルゲーム界隈でやってたプロ興行システムに移行したもの

今回の発表ではそれをやめ、コロナが終息し次第、段階的に以前のような実イベント重視、デジタルはその次って方針に戻すって話。(店舗イベントを重視するって声明が出ているので、加えて小売へのサポートも厚くなると思う)

やめる理由ってのはおそらく以下。

1) MPLというリーグの仕組みがカードゲーム興行に向いてない

MPLってのはリーグ戦であり、勝ち抜くにはアベレージを求められる。2日間一発勝負のこれまでのプロイベントとは違う。

なので、安定して勝てるデッキが選ばれがちで、プレイヤーから見ていてあまり面白いものでもなかった。

デジタル化で環境で強いデッキが見つけ出される速度が上がっている中でこの状態は、見世物としてはかなり厳しかった。

2) 紙のカード販促イベントが無くなったことによる小売りからの反発

ショップイベント自体の開催やブース出店で儲けてた分をコロナによるイベント中止で失うことになった。また公認店舗大会も開けずシングルの売れ行きも下がっただろう。

これ自体MPLが原因ではないけど、小売からは薄くなった販促施策店舗サポートに対して不満が出ただろうし、コロナで体力のなくなった多くの小売を無視してMPL継続するって選択肢は無かっただろうと思う。

一応MtGは紙とデジタル両輪でやってるので、紙のほうはコレクター向け商品を出す施策に切り替えたんだが、これも小売りにはおそらく評判が良くなかったと思う。ショップ機会損失を減らすため複数バージョンある同名カード在庫する等、以前より在庫をかなり持たないといけなくなった。

体力のある大手ショップ以外はかなりキツいんじゃないだろうか。

3) イベントのアウトソースを進めていたWotCイベント部門をまた抱え込むことが問題になった

WotCはここ10年ぐらいで、大型イベント運営を大型ショップ委託認定ジャッジ制度の外部組織への切り出し、などなど、イベントについては運営に直接関わるのを止めサポートに回る、というような方針をとっていた。

そんな中、世間流行に合わせてMtGのeSports化を発表!リーグやります!なんてことはじめたんだが、当然運営は紙のショップ委託できるわけないので、自社でやる羽目になるだろ。じゃあ、なんでGPの開催を外部に委託したんだ?意味なくない?ってなる。まともな企業なら。

自社でやる以上はかなり厳しいコスト管理販促効果に対する評価が行われたと思う。そこでペイしないって判断になったんだと思う。

 

 

カードゲームは人々に観せるのに向いていない」

マジで蛇足。というか自分で書いたの読み返して違和感いか

カードゲームである必要性がないと考えます」で挙げられている理由すべてに反例がそこまでの文章存在する。

書く必要ないよここ。

要は

プレイヤーにスター性がないし、カードゲームって地味だし、なんかプロとか無理じゃね?」

って言ってるだけよ。

この文章読んで参考になるとか書いてる人マジ大丈夫か?ほんとに。

 

まり人々を魅了するために必要な要素とはなんでしょうか?

自分には到底出来そうも無い達人ならではの驚異的な技術を見られること

この人を応援したい、この人に勝ってほしいと思わせるような選手独自の技や人間性への感情移入

要はスター性のある選手って事よね。そう。カードゲームプレイヤーにはスターがいない。

認知度が低いのはそのせい。松坂桃李くんがMtGやってGP優勝すればとかあればいいんだけどな。

野球だって、人気のあった大学野球スーパースターである長嶋プロ入りするまではプロなんて全然人気なかったからね。

でも認知度が低いこととプロ化ができないことって、カードゲームにおいては別の話じゃない?

カードゲームイベント基本的販促イベントプロスポーツを模しているし、WotCも上位常連になるようなトップ選手が数名出ると予測はしていたみたいだけど、それで生活する奴が出るとは考えてもなかっただろう。

あくま販促としてのイベントをやってたら賞金やらショップから給料で食う「プロ」ってのが自然発生したってだけよ。

いわゆるスポーツの「プロ」とはちょっと違う。一般の人への認知度も重要だが、それがカードゲームプロとしてどうかみたいなのはちょっと論点ぶれる

 

 

「強いかお金が稼げるんじゃない 」

少なくとも、MtGは強いかお金が稼げるシステムで回ってた。だからそもそもここで書かれていることは的外れ

スポンサー契約とか、まあショップとの間にはあるんだが、生活を支えていたのは、トッププロ向けにあるイベントへの参加報酬制度とかそういうやつ。

というか、この文章書いてる人その辺の事情全然知らないよね。一回「なかしゅー世界一周」とか通読したほうがいいよ。

MPL以前のMtG競技プロ生活がどういうものかわかる。

https://mtg-jp.com/reading/worldswalk/

プロスポーツは、興行をとおして、観客を集めることが大事だし、選手にもそれが求められる。

でもゲームイベントは、イベントのものそもそも販促目的利益度外視とは言わないが、そのイベント単体での収支は求められないことが多い。

選手は高い技術プレイを見せることのみが求められ、ゲーム会社はそのプレイを通して、お客さんにゲームの奥深さを訴求する。本気で遊ぶに足るゲームであると。

プロスポーツイベントってより、モータースポーツイベント自動車会社関係に近いじゃないんかな。

突っ込み先の文章ではこの辺混同しまくってて話にならない。

 

おわり

とりあえず、80分ぐらいでここまで書きなぐったので、おわりにする。

突っ込み元の記事を読んで違和感覚えなかった人の参考になれば幸い。

 

追記

語尾直して、ついでに冗長記述修正した。指摘どうもありがとう

2021-06-06

anond:20210605151142

男子校とか全然関係ないよ

良い歳こいて女が近距離にいれば恋愛自然発生すると思ってるのか?

2021-06-03

anond:20210603150205

こういうのは自然発生的に決まってしまうもんだけど

かにこれはセンスねぇなって思う

2021-05-22

恋愛至上主義なんて言葉があるけど

生きるのに必死だった時代を経て豊かになった時代産物だったのかもなあと

子供の頃からマンガ読んでもドラマ見てもフィクションには恋愛が付き物で

当たり前にあるはずの描かれ方だった

が、自分人生を振り返ると、そんなものはどこにも自然発生しなかった

一方的に思うだけか、近づこうと努力しても避けられるか

恋愛イベントが起こるということは、けっこう特別な事だったんじゃないか

少なくとも誰にでも当たり前に起こるようなものではなかったんじゃないか

2021-05-16

テイエムオペラオー包囲網って結局実際にあったのなかったの?

特定ファーム主導でやったよ」とか

特定ファームの馬が大半ならともかくほぼ出てねぇのに主導は無理があるだろ」とか

騎手が強い馬をマークするのは当然なので自然発生でああなったよ」とか

「一部の騎手派閥でやったよ」とか

「で、誰か表向き処分なりなんなりされたんか?されてないんならそういうことだ」とか

異論反論オブジェクションでよく分かんないんだよね

当時を生きた年季の入った競馬おじさんなら何かわかるのかな?

2021-05-15

メモ選手応援したいがオリンピック続行はヤバいというジレンマ

これはある意味典型的認知的不協和なんだろうな。

あるいは、オリンピック続行に反対だが、選手応援したい、というジレンマ

全国的感染が急拡大する中、こうしたジレンマに悩んでいる人、多いと思う。

wikipediaによると以下。

認知的不協和とは、人が自身認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語アメリカ心理学者レオンフェスティンガーによって提唱された。人はこれを解消するために、矛盾する認知定義を変更したり、過小評価したり、自身の態度や行動を変更すると考えられている。

オリンピックに反対であるがゆえに、応援もしない、さらには選手軽蔑する、という形で自分自身の内心の一貫性を持たせようとする心的な傾向は、まさに日的不協和典型例なんじゃないだろうか。

しかし、近代社会というのは、個々人の内心が一貫していることを求めるものでもなく、むしろ個人の好みと社会にとって正しいと思うことがぶつかり合うことを前提とした制度設計がなされている。

例としては、うなぎ大好物だが、乱獲は抑止すべきだ、とか、プラスチックは便利だがプラスチックごみ規制すべき等も思いつく。

自分欲求社会のありようが完全に一致しているひとはまずいないだろうし、ありとあらゆる社会問題は、自分なかに矛盾した形である、個々人の選好と個々人の描く社会の在り方(正しさ、善)を調整する営みなんだろう。

うなぎの例でわかるように、「したいこと」と「よいこと」が矛盾した認知的不協和というのはごく当たり前の心理状態であり、大好物という認知と乱獲防止への政策支持の不一致を解消する必要はない。

うなぎは好きで食べるけれども、乱獲防止政策に賛成という態度はあって当然のこと。むしろこの二重性がなければ、公共判断は成立しない。

うなぎを食べながら規制に反対する、というのも、認知的不協和の解消方法ひとつといえる。人々が矛盾を抱えたままで「正しいこと」に合意し、公共判断を下せるのは、とても合理的制度設計だ。

しかし、人間心理矛盾をなんとか解消

公共的な意思決定は、決して個々人の選好の集合や多数決ではない。

そう考えると、現代民主政が直接ではなく間接民主制なのか、納得がいく。

個人的には好きではないけど自分社会の在り方として正しいと思っていることを代表者が討議し、社会として選択する、という場が必要になる。

そうなると、意思決定者にも、討議に参加する代表者にも、欲望だけに囚われない、人間的にも理性的にも分別のあるマトモな人間であってもらいたい。

近代民主主義を築き上げた初期の人たち、例えばアメリカ建国者のひとりジェファーソンは、

公共的な討議の場を設定するためには、市民としては、そういう矛盾する認知を整理し、公共課題自分欲求から分けて考えることができる分裂症的気質こそ、民主政必要市民資質だと考え、他方、代表者議員)に必要資質アリストクラシー自然的貴族)と呼んだ。

しかし、一般市民としては、自分のなかの矛盾に耐えられない、というのが当たり前。

社会はこうあってほしい、という思いと、自分はこれが好きだ、という、ふたつの矛盾する認知に直面したとき

ふつうの人々は、自分内面を整理するために、どちらかの認知一貫性を持たせるよう、知らず知らずに認知修正してゆくことになる。

今回のオリンピックの例でいえば、特に運営側の闇の側面をいやというほど見せつけれられてきたので、人々のオリンピック嫌いが加速し、中止または延期の世論は7割以上になった。さらに、自分のなかでの論理的一貫性を保つために、選手にも賛同しない、という考えすら生まれてきたのは周知のとおり。

オリンピック選手に対するある種の攻撃的な感情は、こうして醸成されてゆく。

社会規範に合わせて自分に対して一貫性要求しがちな日本人特に自分欲求我慢するのはストレスなので、場合によっては、自分だけではなく、他人にも一貫性を強く要求するようになるからだ。

別の例を挙げれば、60年代セクト化が加速したサヨクの動きが典型例。

エスカレートした「総括」要求など。

また、原発反対するなら電気使うな、オリンピック反対するなら、テレビをみるな、といったよくある論法も、同じ認知一貫性他人に求める一例。

サヨクのみなさんは、極端に走り勝ちで、じゃあ電気をつかわない、といって原始人のような生活を始めたりもしてしまう。

自分のなかで一貫性を持たせようとして、あえてオリンピックをみない、応援しないといった姿勢を貫こうとする人も少なくないようだ。

まさにこれが心理学が扱う認知的不協和テーマなのだろう。

党派性それ自体は、個々人の選好が異なれば自然発生的なものだろうが、

それが過激化するのは、認知的不協和へのストレスのほかに、もうひとつ社会的な原因がありそうだ。

ますます両極化が進んでいき、相手方一貫性のなさを批判し合うようになるまでには、認知的不協和を解消しやす立場の人とと

そうではない人たちとの分断が背景としてあるのかもしれない。

認知的不協和を解消しにくい人々。解消しやすい人々。

コロナ対策では人流の抑制課題なので、パンデミックが始まった一年前、ステイホームが大きく取り上げられた。

しかし、ステイホームできない、したくない人たちの現実、そして経済再開を望む多くの圧力を前に、

次第に言葉の力は失われ、今では行政政治家も口にしなくなってしまった。

もっとも同時に、自粛警察あんまり姿をみなくなったのは喜ばしいこと。

ステイホームができる人と、できない人の立場の差。それを声高に叫べば叫ぶほど、軋轢を生み、社会の分断が加速する。

思い出すのはベトナム反戦運動ベトナム反戦真っ盛りの60年代アメリカブルーカラーと呼ばれる労働者階層が、ベトナム反戦に熱を上げる若者たち

反感を抱いたのは、自らは徴兵されず、安全場所から口だけ反戦を叫ぶやり方が気に食わなかったからだ。

コロナ禍でのステイホームムーブメントでも、それと似たような分断が生じたように思う。

自粛、在宅など社会に貢献できる人々と、ステイホームという形では絶対に貢献できず、むしろ足を引っ張ってしまうようにも見られてしま業界

それが特に浮き彫りになったのが、エッセンシャルワーカーというカテゴリからこぼれ落ちた飲食業界だ。

オリンピック選手もまた、一般人以上に、社会安全自己実現との間の認知的不協和に引き裂かれ、なおかつ、オリンピック反対派の標的にされるという意味では、深刻な犠牲者だろう。

以上の話は、人々のジレンマ構造的にとらえたらどうかな、という試みだけど、

自分自身が考えた正しさは、オリンピック賛成であれ、反対であれ、現在自分社会立場のなかで認知的不協和を解消しやすい形で論理化されたものであり、

自分自身党派性無自覚であってはいけない、

知らず知らずに自分の都合のいいように、正しさの論理的一貫性アピールされているに過ぎない。

しかし、そんなふうにと口でいうのは簡単だが、ふつうはそんな悟りを開いたようなことはいえないし、そんなもの誰とも共有されない。

重要なのは、こんなふうに構造化して達観する、というか、悟りを開け、ということじゃなくて、

相手立場を知る、という機会自体重要なんじゃないかな。

オリンピック観戦は選手の思いを知る絶好の機会。オリンピック反対がトーンダウンした、という論調もあるようだけど、

そうではなくて、自分的には反対は反対だけど、選手たちの置かれている立場もわかって、攻撃性が選手に向きにくくなったということだろう。

飲食でも、これまではタレコミにも怯え、苦しめられてきたけれど、最近は、ある意味、腹を括ったお店も多い。

タレコミも減ってきたという声もきかれる。

こうした寛容さは、行政飲食業界への不十分な手当が報道されたり、飲食の場で実感することで、人々の認知が再修正された結果だと思う。

人々の認知には多様性が生じるものの、異なる立場の姿が可視化されることによって、自分のなかで矛盾する二つの認知をよりクリアに整理することにつながる。

しかし、人々の寛容が進めば、自粛警察抑止力を期待した政策は効力を失う

こうして考えてみると、自粛要請ベースとした日本流政策は、人々の認知が多様になるとかえって不都合なのがわかる。だからこそ政権与党は、人々が同じ方向を向きやすタイミングを狙って、オリンピック直後の選挙を好機とみたりするのだろう。

自粛要請は、政策決定(ルール)に従う形で自分自身の好みという認知的不協和を解消しようとする日本人メンタリティと、同じ社会構成員にも同じ一貫性要求したがる相互監視ムラ社会的なメンタリティが合わさって発揮して初めて効果的だといえるけれど、昨今のオリンピック運営のゴタゴタにみられるように、公共的なルール判断への人々の不信感が強まると、必ずしも政策決定者に都合のいいような仕方で人々が一丸となって、認知的不協和を解消してくれるとは限らなくなる。

ましてや大阪市市長さんのように、それを体現たかのように

感染者がいなければオリンピックもやっている。一生の思い出に残る行事実施したい

などと、都合のいい解釈認知的不協和の解消を政策決定者自らが行うとなれば、

人々は、ルールへ従うことの意味不明瞭になり、ああ、結局、好きなようにやっていいんだな、という思いを強め、相互監視機能せず、自分生活を変えることなコロナへの懸念自分認知のなかで両立させてゆくだけだ。

しかし、現実には、2020年4月に実現した日本人一丸となったステイホームは夢のまた夢だし、飲食業界は我慢限界をとっくに超えているしで、

人々はデルタ株猛威の現実にピンときておらず、人によって温度差のある、かなり適当自粛をしつつ、コロナから目を背けられる絶好の機会とばかりにオリンピックに夢中になっている。

自粛に頼った政策は、結局のところ、オリンピックへの賛否が開催とともに揺れ動いてきたことに典型的に表れているように、認知的不協和の解消の仕方に多様性が出てきた瞬間、崩れ去ってゆく。「コロナ心配、、、」といいつつ普段通りに暮らす人々であふれかえるだけだ。

本来政策というのは、そんな人々の認知世論)など無関係に、討議されるべきであるし、人々は討議の結果に対して法的な拘束力を受け入れるべきだ。

例えば、自分の考えと相反していても、オリンピック応援しているし、これからもしたいが、もし中止という政策決定がなされるならやむを得ない、

あるいは、オリンピック懸念しているが、もし続行という政策決定がなされるならやむを得ないという態度でいられるほどに、政策決定者への信頼が重要になる。

「ほらみろ五輪楽しんでいる奴らが増えただろ」などという次元政策を決めるべきではない。

しろ個人としては五輪は楽しんでいるけれども、政府には感染対策として中止するなら、中止を決定してもらいたい」という、ジェファーソン流にいえば分裂症的な市民判断を見極めたほうがいい。

しかし残念ながら、いまの政権にはそうした信頼が全くといっていいほどない。

いつどんな判断をするか、全くわからない。データは出さない。モニタリングもしない。事実に基づかず楽観論でしか答えない。

将来シナリオを示さない。予測分析を共有しないから、いつも唐突首相が何かを決心したかのように物事が決まって、人々がついていけなくなる。

ある意味ガバナンスの基本ともいえる、こうした事柄に目を背け、

政策への信頼を、世論(最大多数の認知)で推し量ろうとする、その姿勢こそが日本ガバナンスのガンだと思う。

2021-05-04

初心会興亡記 -かの大帝国は如何にして一夜で滅んだか-:追記あり

※この旧版になります。完全版は無料noteで公開中ですので、是非そちらの方をご覧下さい。

https://note.com/syosin_kai/n/nb97f2a0a193a

ちょっとゲーム歴史をかじったことがある人なら聞いたことがあるだろう言葉初心会』。

とにかくこの言葉へのイメージは最悪だ。「真っ黒組織」「ゲームヤクザ」「歴史の闇」「悪の秘密結社」etcetc。

そんな初心会だが、はたしてどれだけの人が正確に初心会とはなんなのか、どのような悪どいことをしてきたのか、そして最後はどういうふうに消えていったかを語ることができるだろうか? おそらく、ほとんどいないのではないだろうか。

この初心会について、私が調べたことをゲーム流通歴史を絡めてまとめて書き出すぞ。これで君も初心会マスターだ! ちょっと長いけど勘弁な!


まずは初心会のものについての解説だ。

もともとの任天堂花札屋であり、そこからトランプおもちゃを売り出したことは知っているかな? 創業明治時代だ。

1960年代前半の任天堂問屋を通じてテリトリー別に小売店団体で集め、トランプかるたの特売セールの景品といった形で温泉招待旅行などを行ったりしていた。そうした中、「ダイヤ会」という親睦会が問屋内で自然発生する。このときあくまローカルな親睦団体という形でしかなかった。

1973年2月光線銃といったヒット商品が出始めたのをきっかけに、このダイヤ会を全国規模のきちんとした親睦会の形にしようとして生まれたのが初心会だ。ファミコンが生まれるずっと前だ。そしてファミコンはこの初心会に参加している問屋(59社加盟、その中でゲームに力を注いでいたのは30社ほどだったそうだ)を通じてのみ、流通させようとした。これには理由がある。

ファミコンゲームROMカセットだ。ROMカセットCDと違って作るのが大変だ。発売日の三ヶ月前にはどれくらいつくるか数字を決めなきゃならない。一本つくるのに1000円以上かかる。もちろん任天堂は自前の工場を持っているわけではないから、他社の工場お金を払って作ってもらうわけだな。(ドラゴンクエストシリーズ京セラがつくっていたらしい)

つくってもらったゲームソフトを売る。売れればいい。残ったらどうするか? ROMカセットはとにかく廃棄しづらい。体積があるから倉庫在庫としては大変だ。処分するにも金がかかる。そのため在庫なしの売り切りスタイルであることが求められた。第一、このとき任天堂に「日本全国どこでどれほど、どのファミコンゲームが売れるか」という予測を立てる能力はまったくなかった。

それゆえ当時の任天堂社長山内初心会の力を借りることにした。ファミコンゲームソフトは全量初心会への返品なし買い切り制在庫は持たず、追加の注文が重なってきたら再販というスタイルだ。ファミコン専売権を与えるかわりに返品は勘弁してくれということだ。初心会は全国にその配下二次問屋があるので、彼らを通じて全国の小売店ファミコンを売りだした。ちなみに当初の初心会参加問屋意見としては「こんなもの絶対に売れない」だったそうだ。

ややこしいのがこの後、ファミコンの登場に衝撃を受けたハドソンナムコサードパーティとして参加することだ。当時の任天堂サードパーティが現れることを予測していなかった。というか、まさか他社がファミコンソフトを作れるとは思っていなかった。そのためサードパーティ参加用の契約書をあわてて作る羽目になったという。(このときアメリカにてアタリサードパーティであるアクティビジョン販売差し止めで訴えていたが、後に和解し、サードパーティ合法化された経緯があるため、そもそもサードパーティを認めない、という選択肢はなかったものと思われる)

このときナムコ簡単だった。ナムコは自前でROMカセットを作ることができたからだ。アーケードの雄はハードウェアを扱う力に長けていた。ナムコに対しては自社生産を認め、1本100円のロイヤリティを収めてくれれば問題ないという契約を交わした。

ハドソン問題だった。ハドソン能力こそずば抜けていたが、なにぶん会社の規模が小さかった。とても自前でROMカセットは作ることができず、任天堂に頼ることになった。

任天堂からしたらさら想定外事態だ。どうやればスマートサードパーティ用のソフト流通させることができるのか。任天堂リスクを負うことなく、かつゲーム市場が適正に伸びていくための方法模索する必要があった。

最終的な仕様は、まずサードパーティは一括して任天堂製造委託費を払う。その中からロイヤリティを差っ引き、任天堂工場ROM発注する。作る数は任天堂サードパーティ初心会の3つで相談して決める。初心会サードパーティ任天堂委託したROMを全数買取、支払いする。これで決まった。

もちろんこれが全てではない。年末クリスマス商戦を狙って多数のソフトメーカーソフトを投入してくるので、思ったような数が生産できないので任天堂が拒絶する場合もある。初心会の見込み以上に売れると意気込んだサードパーティが、自前で在庫を抱えてリピートを狙う場合もあった。ROMカセットは作るのにとにかく時間がかかるからリピート発注が来てもそのとき在庫がなければ応えられるのは早くて三ヶ月後だ(半導体在庫事情によっては半年待たされることもあったらしい)。そうなればすでに需要中古で落ち着いてしまう。そういう理由初心会の注文数よりも多くつくるメーカーもあった。そのままリピート注文が来ず在庫になった? その場合は大特価二次出荷するしかない。君はかつてゲーム屋でファミコングラディウスが新品980円で売られているところを見たことはないか? あれはつまり、そういうことだ。

この中で任天堂非難する流れがあった。サードパーティソフトを出すにあたり、任天堂はなんのリスクもなくロイヤリティ徴収していると。しかしこれはそもそもファミコンという当たるかどうかわからないプラットフォームを立て、リスクを負った会社が得るリターンとしてはむしろ当然ではないだろうか。不満があるならセガのように自社プラットフォームを出せばいい。ナムコも自社プラットフォーム計画していたらしいが、結局世に出ることはなかった。



ファミコン時代流通はこういうことで決まった。このあたりの動きでは初心会があまり悪の組織っぽくなくて意外かもしれない。こんな証言がある。スクウェア創設者鈴木尚2003年岡山大学にてインタビューを受けたとき発言である


初心会っていう問屋集団が、ある時期は全くファイナンス役割果たしてくれてたわけですよ。あまりに量が大きくなると「すみませんお金ないんですよぉ」って言うと手形をくれるわけです。その手形担保銀行からお金を借りるわけです。実質的には、ある日突然ファミコンブーム終焉しない限りは、返ってくるだろうという。

この時期はスクウェアファミコンに参入したての頃を指す。任天堂ROM製造委託費を前払いで求めてくるので、どこかが銀行の代行をしなければならない。そこで初心会が(正確にはその中の一つの問屋だろうが)その役割果たしていたということだ。

スクウェアはこの後ファイナルファンタジーで有数のRPGメーカーとして名を馳せることになるが、実は完全覚醒するまでにはもう少し時間がかかった。初代ファイナルファンタジーの初回出荷数は40万本で、これが最終的には80万本まで伸びる。次回作ファイナルファンタジー2にて70万本超えの実績を得たが、実はこれ、途中でかなり問屋内で在庫が残って大変だったという。しかファイナルファンタジー3では初のミリオン超え(最終的には140万本)を果たす。それに伴い過去作も売れるようになって、リピードがかかったというわけだ。このあたり初心会はうまくスクウェアバックアップに動いているように見える。


そう見えるのは、それはスクウェアが一流メーカー入りを果たしたからだった。ファミコン末期の他のメーカーはどうだったか? 1990年8月晴海にて「ファミリーコンピュータゲームボーイ展示会」「スーパーファミコン発表会」が行われた。年末発売のソフト中心に初心会小売店に対して各ゲームメーカー披露する展示会だ。この展示会自体1988年からやっている。

しか1990年ではついに「受注ゼロ」のソフトが出始めたのだ。しかも一つや2つではなく、この展示会で並んだソフト(約100タイトル)のうち、3割が受注ゼロだった。この時点でファミコン市場は売れるソフトと、そうではないソフトの差が尋常ではなく離れていた。

この場合メーカーには2つの道がある。一つは発売中止。もう一つは「任天堂には最低限の発注を行い、初心会には最大限の営業活動を続ける」というもの。もちろん初心会に対して売る気を見せるために大規模な広告活動をやれば発注はくるかもしれないが、その分当然損益分岐点はどんどん高くなる。もっと有効なのは卸値自体を下げてしまうことかもしれない。

そうしてギリギリの攻防が続けられなんとか出荷したゲームはどうなるだろうか? 端的にいうと、人気ソフトの添え物として扱われた。初心会問屋二次問屋小売店へ向けて1本の人気ソフトに対してこういった不人気ゲームや、在庫売れ残りゲーム抱合せで売りつけた。このときのレートによって「1対3」「1対4」などという言葉が生まれた。(場合によっては1対8なんてのもあったらしい)

さらにはバッタ屋ルートなるもの存在した。問屋の不良在庫を捨て値で買取独自ルート小売店に売る。このとき小売店ゲーム屋とは限らない。スーパーディスカウントストアリサイクルショップと様々だ。なかには「お楽しみ袋問屋」なるものもでてきて、中身が見えないファミコンソフトの詰め合わせが一山いくら世界だったそうだ。こういった不人気ソフトワゴンセールをとてもよく賑わしてくれた。

ちなみに抱合せ販売違法なので、公正取引委員会による排除勧告初心会問屋に入ったことがある。ドラゴンクエスト4の頃だ。そのためかわりに「新作ドラゴンクエストの受注を行います。なおドラゴンクエストの他にあの大人ソフト郡(大人気とは言っていない)のリピート販売を行いますので、ぜひ同時注文してくださいね」なんて手法が取られた。




これらの状況を任天堂は当然良く思っていなかった。もともと任天堂アタリショックを目の当たりにして、「クズソフトの氾濫は市場を殺す」と認識していた。そのため、サードパーティには本数制限をかけた。が、サードパーティ自体が増えれば意味がなかった。子供向けのおもちゃであるために表現規制を敷いたが、クオリティチェックはまだこの時行われていなかった。どんどん増えるソフト初心会流通在庫市場を殺す材料になりえた。どこもが不良在庫を減らそうとやっきになって価格ディスカウントしてしまえば、プレイヤー適正価格ゲームソフトを買おう、という意欲が損なわれる恐れがある。


そこで任天堂はこの状況を打破すべくスーパーマリオクラブという組織を立ち上げる。一般モニタープレイヤー2000人超を使い、彼らに発売前のゲームを二時間実際にプレイしてもらい、どこがどう面白いのか、つまらなかったのかを評価をする。評価は項目ごとに点数付けされ、集計されたデータ問屋小売店に送られる。このデータ雑誌ファミリーコンピュータマガジンなどにも送られ掲載されていたので、知っている人は多いんじゃないかな。そしてこのスーパーマリオクラブソフト売上の予測も立てるようになった。意外なことにこの素人集団予測が的中した。後年はマリオクラブ参加者自身が慣れてきてしまい、その予測が外れるようになってしまったが。余談だがマリオクラブはこの後正式任天堂品質管理部門となった。さらにその後分社化が行われ、マリオクラブ株式会社となった。

任天堂としてはスーパーファミコンを機に一度市場リセットしようと試みた。品質管理に売上予測、あまりに多くなりすぎた流通在庫。今ではピンとこない話だが、当時のゲームメーカーは「いったいどれほどのゲームが実際にプレイヤーの手に渡っているのか、どれほど流通在庫が眠っているのか」を把握する方法ほとんどなかった。商売相手小売店プレイヤーではなく、あくま初心会からこんなことになったわけだ。

当時の任天堂社長山内はこう語っている。「どれほどのソフトが売れるか、我々にはわかりようがない。流通プロに任せるしかない」。これは初心会オンリー流通自己弁護した言葉と思われた。しかしこの言葉には「流通プロでもわからないのなら、任せる意味がない」ということを含んでいる。この言葉の本当の意味はこの後判明する。


そうして新たなスタートをきったスーパーファミコン市場だったが、これは結論からいうと、なんら変わらなかった。むしろますますカオスになっていった。このあたりからいよいよ初心会初心会らしい悪行が目立ち出す。厳密にいうとこの美味しい市場に目をつけた業者が、なんとか流通に入り込もうとし、初心会の中の一部(ここはもしかしたら一部ではないかもしれない)が彼らと手を組んだ結果なのだが。

スーパーファミコン本体がほしい場合アクトレイザーとの抱合せで(違法? 知りません)。しかスーパーファミコン自体の掛け率は98%。場合によっては小売超え。別売りケーブルスーパーファミコンAVケーブル別売りだった)を売るほうが利益がでる状況だ。

・80万本の出荷実績があるサッカーゲームの第二弾が登場したとき初心会とある問屋一社が初回出荷数50万のうち25万を買い占めた。この25万は発売日に大量には卸さず、自前で在庫として抱え、市場在庫が枯渇して小売店二次問屋が注文してくるのに対し、他のクズソフトとの抱き合わせ違法? 知らない子ですね)で売りさばいた。

とある問屋メーカーに対して「うちは来週から社員旅行にでかけるんで、申し訳ないのですけど一週間早くソフトを卸してくれませんか?」と要望があった。それに応じて一週間早くソフトを送ると、なんとそのまま発売日よりも一週間早く小売店ソフトが並んでいた。社員旅行なんてそもそも嘘だった。

メーカーに対してゲームソフトを大量に仕入れることを約束する見返りとして、その担当者個人の口座にリベートを送るように要求した。

問屋勝手に掛け率を決めて発注書をメーカーに送りつけた

(続く)

https://anond.hatelabo.jp/20210504185958

2021/10/1 追記

新作書きました! 今後、新作はnoteで投下します。申し訳ない。

https://note.com/syosin_kai/n/n7d01efa389b8

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