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はてなキーワード: 打者とは

2016-02-04

清原和博凋落

 (以前書いたものを今回の事件修正

 清原和博覚醒剤容疑で逮捕された。1990年頃に彼がここまでひどい人生になるとは、一体誰が想像しただろう。

 今の若い人で「球界アイドル清原」の時代を知る人は少ないだろう。入団の経緯もあり、計算高そうで表情の起伏に乏しい桑田との対称で、清原喜怒哀楽が素直で純朴、というイメージ一般には持たれていた。また球界代表する投手のウィニングショット(例えば山田久志シンカー)を簡単に流し打ちスタンドに運ぶ打撃など、野球ファンに抱かせる将来への期待という点でも計り知れないものがあった。日本球界で、最もバッティング能力が高かった選手は誰かと言われれば少し迷いつつ「落合博満」と答えるが、素質や潜在能力については迷わずに「清原和博」と答える。

1990年代前半まで、当時は日曜日の午後に、テレビ朝日で必ず西武戦の中継が行われていて、私は(アタック25と一緒に 笑)毎週ほとんど観ていたと思う。だから清原和博の全盛時代は目に焼き付いている。

 かといって私は清原の大ファンだったわけではない。むしろ西武では石毛宏典秋山幸二などに比べて、プレースタイルが野暮ったいという印象があり、話すことも面白みのない優等生発言ばかりで(ヤクザキャラ現在でもこれが器用にできたりするのが悲しい)、正直それほど好きではなかった。しかし、これからどのくらい凄い成績を残すのだろう、というワクワク感を抱かせる選手であったことも確かである。好きな選手石毛秋山ではあったが、毎日の成績が気になったり、テレビで是非打ってほしいと願いながら見ていた選手は、明らかに清原であった。

 清原はいから悪くなりはじめたのか。個人的な印象で言えば1993年である。多くの人は1997年巨人入団から急激に悪化したような印象を持っているだろうが、それはあくまで「キャラ」の部分である。私は西武時代後半の不調を、そのまま巨人入団後も引きずってしまったと考えている。年度別成績を見ればはっきりするが、西武時代最後の2年と巨人入団後の2年はほとんど成績が変わらない。

 それまでの清原は、PL学園時代に叩きこまれ技術をそのまま生かして、自然体の構えから、そのまま軽く素直にバットを出している感じだった。それが1993年から、力感のある構えから打席内で大きな(さらに言えば無駄な)動作をするようにな った。体つきは、かつてよりガッチリするようになり、野茂伊良部の剛速球を豪快なホームランで弾き返すことがあった一方で、明らかに雑な三振が増えるようになった。それまでも調子の起伏が激しく、意外に精神的に不安定な選手であるという認識はあったが、この頃から徐々に打撃そのもの劣化している印象があった。

 特に1995年失望の年だった。春のキャンプ清原肉体改造をして相当に絞り込んでいるという姿が伝えられ、今までとは違う精悍な顔つきの清原に、私も「これは期待できるぞ」と思っていた。しかし、シーズンに入ると成績はさっぱりで、相変わらず動作の大きな打撃フォームから、雑な三振を繰り返していた。シーズン半ばに走塁中の肉離れで一月弱ほど戦線離脱をしたが、それまで故障知らずだった清原が、通常のプレー中に大きな怪我をするというのが俄かに信じられなかった。

 この「劣化」の背景には色々考えられる。一つにはよく言われていたことだが、清原自身打者としての理想や上昇志向が高すぎて、欠点を直そうとするばかりに利点を失わせてしまったこと、二つには秋山石毛、辻といった黄金期を支えたベテランメンバーが次々と西武を去り、清原自己満足的な打撃に歯止めをかける存在がいなくなってしまったこと、そして三つ目には、この時期パリーグ球場が新しくかつ広いものとなり、本塁打数も全般的に減少傾向にあったのだが、それに力で対処しようとしてしまったことである

 それでも清原が成長する過程なのかもしれない、と当時はまだ若干の期待を残していたが、巨人入団後に完全に露呈した打たれ弱さ、精神不安定さと、週刊誌の「番長キャラ」に自らも乗っかるようになったことで、清原の将来に期待することは完全になくなった。選手としての能力以前に、人格的に国民スターの器ではない(ある種純粋人間ではあるけど)ことは余りに明らかだった。週刊誌清原ネタを、自分も笑って楽しむようになってしまった。

 2000年以降に(清原によるとホームから離れて打席に立つことで)若干の復活の気配も見せたが、明らに無理なトレーニング野球選手とは言えないような体型となり、毎年のように大きな故障長期離脱を繰り返した。番長キャラにも年々拍車がかかった。オリックストレードされた頃は、既にかつての天性のしなやかさは完全に失われ、最後はまともに走ることすらできなくなっていた。若い頃の清原は頑健というだけではなく、無駄全力プレーをすることがない、身体に負担の少ないプレースタイルだったので、晩年ここまで怪我に悩まされるとは想像もできなかった。

 誰しもが思うことだが、18歳の時に既に完成されていた打撃技術をそのまま大事にし、無理なトレーニングをせずに練習で自然についた筋肉だけで勝負し、私生活でももう少し節制すれば・・・もし1990年の頃の自分に会うことができたら一体何をアドバイスするか、と清原に一度尋ねてみたい。

2016-02-01

メジャーリーガーは走り込みをしないらしい。

なんでも、野球必要なのは瞬発力で、バットを振る瞬間、投げる一瞬、塁までの疾走に力が発揮出来ればいい、との理論のようだ。

攻撃の時は打者以外はベンチだし、守備だって玉が前に飛ばなきゃ野手ほとんど動かないし。

しろ、なんで走るんだ?

技術練習とウエイトトレーニングだけでいいはず。

とのこと。

正論すぎると思った。

真夏高校野球根性論の国とはやっぱり違うね

2016-01-21

東北6県 歴代プロ野球選手打線組んでみよう

としたら、組めない県多数・・・

歴代の投手打者の中から最強な人を1人ずつ選ぶことに

といったわけで秋田総合優勝

2016-01-09

1日1増田すれば

イチローですら3-4割打者ならば、

素人は1割もない5分として、

1日1増田を続ければ1年で365増田

5分で365 * 0.05 ≒ 18

当たり18本を書けるのではないか。

2015-11-22

没落気味のスポーツの人気を取り戻すためのルール改善案

相撲土俵を広くする。パワータイプ以外も勝てる余地が出てくると思う。

野球→6回にする。試合時間が長すぎだから打者2巡でいいんじゃないピッチャーも先発完投が可能に。

サッカーキーパーも手を使うの禁止。もしくはキーパー廃止。ロングシュート10分に一回は入るダイナミックな展開でマニア以外も楽しめるようになる。

2015-11-09

http://anond.hatelabo.jp/20151109205114

でも、投手戦だと、その段階までいかない。

で、投手打者対峙しているのを延々みてるだけで、ベース回ってくるのが目的だなんて伝わらない。

http://anond.hatelabo.jp/20151109144842

例えばBasketballがかごにボールを入れる球技なように

例えばVolleyballがボレーを続ける球技なように

例えばFootballが足でボールを蹴る球技なように(手で持って走る方々は一旦ご退場ください)

この辺は見てれば分かる。

Baseball」は「Baseを巡る球技である

この辺は、見てても伝わりにくい。

投手打者の対決のほうがクローズアップされたりするし。

で、見ても分かりづらいっていうと、

グダグダ説明し始めるやつがいる。

このへんが、野球のウザさ。

Baseball」は「Baseを巡る球技

http://anond.hatelabo.jp/20151108234357

http://anond.hatelabo.jp/20151109101956

http://anond.hatelabo.jp/20151109110332


例えばBasketballがかごにボールを入れる球技なように

例えばVolleyballがボレーを続ける球技なように

例えばFootballが足でボールを蹴る球技なように(手で持って走る方々は一旦ご退場ください)

Baseball」は「Baseを巡る球技である

Baseとは何か。

基地である。陣地である。まさに「塁」である。とりでである

塁は安全地帯である。ここにいれば兵士=走者は死ぬことはない。

塁間は戦場である

さて、走者の死の種類には主に3つの種類がある

塁間にてボールタッチされた場合、死である

これが「タッチアウトである

盗塁などで走者の足にタッチしているのはこれである

また、重要ルールとして、進塁義務、「フォース」という状態がある。

つの塁には一人の走者しかいることができない。

走者が一塁にいる場合打者は打ったあと一塁に走る。

この時、一塁走者は「打者走者に必ず一塁を譲り渡さなければならない」

一塁走者に二塁への進塁義務、「フォース」が発生している。

この際に、守備側は二塁にボールを投げ、ボールをもったまま進塁義務である二塁を踏む。

踏んだ際に、走者が二塁にたどり着いていなければ死である

これが「フォースアウトである

守備側が二塁を踏んだ後素早く一塁転送打者走者が一塁にたどり着く前にボールをもって一塁を踏む。

打者走者も死である

これがいわゆる「ダブルプレー」「ゲッツー」「併殺打である



そして、進塁義務があれば、帰塁義務もある(リタッチ義務)。

打球が地面に落ちず直接キャッチされた場合、走者は一度元の塁まで戻らなければならない。

高く打ち上げたまま落ちてくる間に進み続けることは許されない。

一度塁に戻ると、再び次の塁に進むことが許される。

このプレーがいわゆる「タッチアップ(タッグアップ)」である

さて、今一塁に走者を置いた状態で、打者が強い打球を打った。

しかし、内野手の好プレーで、直接捕球によるアウトになった。

一塁走者は慌てて一塁に戻らなければならない。

内野手は走者が戻る前に一塁に送球し、一塁手ボールをもって一塁を踏む。

さて、ここでのアウトは、「アピールアウトである

アピールアウト」は、ルール違反を指摘して取るアウトである

違反があった塁にボールを投げて踏み、審判アピールすることで成立する。

ベースの踏み忘れや打順の間違いなどがある。

ここでは、リタッチ義務を怠ったことに対するアピールである

また、「タッチアップ」の離塁が早かったというアピールもこの「アピールアウトである



さて、Baseballは、「ボールを投げてバットで打つ球技」だという認識の人が非常に多いだろう。

これは間違っていない。決して間違ってはいない。

しかし、BaseballBase=塁を巡る球技であることを理解すれば、

進塁義務フォース」、帰塁義務リタッチ義務」によって、それぞれの細かいルール理解が容易になる。

このことを前提としていれば、

インフィールドフライはなぜあるのか、

インフィールドフライが発生しない状況とは、

はたまた、いわゆる「ルールブックの盲点の一点」が盲点でもなんでもないことが分かりやす説明できる。

(そもそもしっかりルールブックに書いてあるのに盲点くそもないだろう!

ある個人サイト1つしか使ってなかったのがwikipedia転載されたのち広まってしまった用語というのは調べがついている)

「ろくむし」が野球を原型としていることも自明である


こんな感じでの野球ルール説明を、

モバマス姫川友紀ちゃん使ってニコ動あたりでやろうかと妄想だけしては放置してるんだけど誰か手伝ってくれんか

2015-11-08

http://anond.hatelabo.jp/20151108221711

6回でいいな。

打者二巡で十分だろうし、投手完投できるし。

2015-10-31

僕は勉強しかできない

小さい頃から、まったく運動センスがなかった。友だちと鬼ごっこをすれば、すぐに捕まって鬼になってしまったし、一度鬼になったが最後、いつまで経っても他の人を捕まえることができなかった。結局、そんな僕を見かねた友だちがわざと近くまで捕まりに来たり、僕だけ有利になるようなハンデをつけてもらったりしていた。

小学校の授業でドッジボールをしたときは、最後の方まで残ることが多かったように思う。僕はほとんど戦力になっていないので、ボールを当てるのは後回しにして構わないからだ。運動が得意な子たち同士の激しい応酬が一段落した頃合いに、遠慮がちに投げられたボールを避けそこねてコート外へ出るのが僕の日常だった。野球キックベースをしたときも、僕は守備の役には立たなかったし、打者になったときには投手がかなり手加減をしてくれていた。

男の子にとって、運動が上手にできないというのは、人間としての価値ほとんどないのに等しい。そんな空気を感じ取っていた幼い頃の僕は、自分はみんなよりも劣った存在なのだと信じて疑わなかった。

そんな自分自身のことが恥ずかしすぎて、特別親しい相手以外とはコミュニケーションを取るのが苦痛だった。できる限り他人との関わりを避けているうちに、自然と、社交性に欠ける今の人格形成されていったのだと思う。

こんな僕だけれど、勉強だけはすごく良くできた。授業を聞いて理解できないという経験は一度も無かったし、大して勉強をしなくても試験はいつも上位に入っていた。受験でもまったく苦労をせず、地元で一番の進学校入学し、日本の誰もが知っているようなトップレベル大学合格した。

いまの歳になるとこういう話は自慢だと受け止められるけれど、思春期の頃の僕にとっては、勉強ができることなんて自慢でもなんでもなかった。勉強ができたって、世の中の役には立たないし、かっこよくは無いし、女の子にはモテない。そう思っていた。

もし、できることならば、あの頃の僕に言ってあげたい。

近い将来、学ぶことが楽しくてたまらない毎日が訪れること。研究という、かけがえのない仕事出会うこと。昼ごはんを食べるのも忘れて、海外数学書を読みふけるような大人になること。まる一日、方程式と向き合って、解けるまで家に帰らないと意地を張ったりすること。客員研究員という肩書きをもらって、ヨーロッパ大学滞在すること。研究でいろいろな賞を貰ったりすること。周りの人たちから期待され、また、尊敬眼差しで見られること。

なにより、もうすぐ童貞のまま30歳を迎えるということ。

2015-09-08

明治大学法科大学院司法試験問題漏洩事件についての一意見

増田プロフィール(※以下個人情報についてはフェイク有)

明治ロー卒業生

数年前に司法試験合格

教授とは面識がないし他ローの事情も伝聞でしか知らない

はじめに

母校が世間を騒がせている

http://mainichi.jp/select/news/20150908k0000e040142000c.html

http://www.asahi.com/articles/ASH9835GDH98UTIL007.html

母校愛は全くないつもりだが、母校愛がない俺なりの母校へのささやかな貢献として、そして何より自分承認欲求のため、この場を借りて知っていることを述べたい

教授受験業界では俺の受験生時代においても試験への影響力が強いということで有名だった

司法試験受験テクの一つとして、考査委員の顔ぶれや過去学術論文から翌年の出題傾向を探ることを試みることがあるのだが、俺の観測範囲でそのテク的に“全科目の中でも”最重要人物視されていたのがA教授であったほどである

ロースクールというところ

情けない話だが、このようなことが起きても不思議ではないというのが率直な印象である

俺の在学中にも、飲み会に異性未婚学生と二人で堂々と揃って遅刻して登場し、飲み会終了後も二人で堂々と揃って夜の帳に消えていく教授(考査委員ではなかったが、既婚者だった)がいたりした

学生達も試験合格必死だし、教授達は業界内で限定されたものはい権力を持っているし、そんな環境の中で、中には使える武器(ゲスパー)は何でも使って情報を得ようという発想をする奴もいるだろう  そうじゃない奴が大半だったと思うがね

換言すると、狭いコミュニティーで、モラルの壊れた権力者モラルの壊れた権力利用者がいれば、今回のような事件が起きるのは必然だし、その可能性はそこまで低くないということだ

どこか別のところでも聞いたことのあるよくある話である

学生間でも色々なことがあったが、今回の事件とは無関係なので割愛する

“オタサーの姫”“青春を取り戻そうとするKY既婚おっさん”くらいのキーワードで察してもらえればよいかな

早く制度ごとつぶしてしまえばいいのに

憲法論文問題漏洩ということ

今年の司法試験問題もまだ見ていないので、事件記事以外の情報はないものの、特に司法試験憲法論文問題は、その問題自体を事前に知ったところでどうしようもない傾向がある

“できるやつは制限時間内で余裕の合格答案を書けるし、センスがない奴は基本書を見ながら丸一日かけてもそこそこの答案しか書けない”という傾向が最も強い科目だというのがほぼほぼ受験生の共通見解

俺も試験合格後に学生受験指導をしたことがあるのだが、毎年公表されている採点実感や予備校の模範答案を見て書かせても、特に憲法論文についてはセンスがない奴はセンスがないなりの答案しか書けないのである

しかし、解答内容まで懇切丁寧に教えていれば話は別だ

既に一部報道もされているが、今回、当該学生の答案の出来が良すぎて発覚したということは、問題漏洩が解答指導も含めて本当の本当に根幹の部分までされたのであろう、ということだ

考査委員を長年勤めた教授が本気で憲法論文の解答指導なんかしたら明らかに不自然な答案ができあがるに決まっている

たとえるなら、憲法論文に関していえば、

・出題分野の漏洩ピッチャーの球種を各打者に公開(受験生バッター(以下同))

問題文の漏洩ピッチャーの球種・球速を各打者に公開

プラス解答指導属性情報ブースト変更・ホーミングモード

くらいの次元の違いがある

したがって、試験合格後は刑事事件に全く縁がないので「半可通の感想として」にとどめておいて欲しいのだが、特捜はこの事件はきっちり背景を含めて捜査するんでないかな、というのが俺の考えだ

背景事情によっては、試験制度根本を揺るがす特大スキャンダルからな(現時点で既に“大スキャンダル”だがw)

これを機に制度潰すくらいの勢いで腐った部分を徹底的に取り除かないと社会的にもマジでやばい

例の件でデザイン業界業界人の内輪擁護炎上している状況を遠巻きに見てきたものだが、次がウチの業界の出番とならないことを心より願って締めの言葉とする

さいごに

旧司の一行問題時代には、考査委員東大教授の直前の期末試験問題が丸々コピペだったりしたので、「昔は受験生が競って情報を取り合ったものだ」とこないだマック女子高生が話していたのだが本当なのかね?

追記 9/9 0938

b:id:urashimasan

問題作成者が公開なのが意外。しかもその間学生指導ができないのか(http://www.moj.go.jp/content/001129497.pdf)。授業は指導に入らないということなの?

そのとおり、「授業≠指導」というのが建前だ

どう違うのか、というと説明しづらいが、誤解を招きかねない個別ゼミや私的な少人数ゼミはもちろんNGだし、俺の知っている考査委員教授は“指導”をしないよう慎重に配慮していたものである

また、実際の問題http://www.moj.go.jp/content/001144527.pdf》を見てもらえれば明らかなように、問題が複雑すぎて独力で問題作成することは不可能であるし、実績のある学者に頼らざるをえないのが現状だ

問題作成者の公表は、隠したところで隠しきれるものではないし、情報平等観点から妥当だと思っている

2015-07-03

直球勝負打者有利なので、打者は走らないように

よく野球漫画で出てくる直球勝負

リアルでも言う有名選手もいる。

ストレートに自信がある投手も、力と力の真向勝負と受けて立ったりする。

なんか五分五分みたいな感じになってるけど、球種分かってたら打者有利でしょ。

打者は打っても走らない、とかやって欲しい。

2015-07-02

ライトフライ

15年ほど前、俺は野球ルールをあまり知らなかった。

まり知らないといっても、

バット持ってボールを打ち返す

・投げる人がピッチャー、受ける人がキャッチャー

・走るチェックポイントは1塁~3塁

ボールが遠くまで飛んだらホームラン

というぐらいは知ってたし、それで別に不自由なかった。

どちらかというとサッカーの方がドリブルでスルっといくのがかっこよくて好きだったので、

テレビ野球中継をやっていても、ボールが小さくて何がどーなってるのかさっぱりわからなくてつまらないと思っていた。

小5の春、転校した田舎の村では、地区ごとにある子供会という組織小学生強制的に参加させられることになっていた。

子供会では男子ソフトボール女子バレーボール活動があり、当然のように強制参加だった。

チームの高学年の人数が少ないので、バットを持ったことすらないチビガリの俺も自動的レギュラーにされる。

最初キャッチボール経験すらなかったので、グローブの付け方や使い方もわからなかったし、ボールを掴んで投げるという動作もものすごくぎこちなかった。

飛んでくるボールが怖くてキャッチできなかったので、キャッチボール練習は俺とペアになった子が俺に球拾いをさせるだけの作業になっていた。

さらに、コーチ野球好きな誰かのお父さんたちなんだけれど、その人たちは俺が野球の細かいルールをさっぱりわかってないことに気付いてなかった。

練習を見に来たお母さん方の中には、もしかして…と気づいていた方もいたらしいのだけれど、

コーチは「野球ルール知らん子供なんかおるわけあれへんがぃ!」「転校生やゆーても子供はみんなやっとるもんやろ」で流してしまっていたそうだ。

田舎の子たちはみんな小1から子供会ソフトボールに参加するので、高学年になってもルールを把握してない、という可能性を思いつかなかったのだろう。

結局一度も詳しいルールの説明をしてもらうことなく進んでしまい、あっという間にソフトボールの練習は俺にとって、

知らない怖いおじさんに怒鳴られながらルールのわからないスポーツを無理やりさせられる苦痛時間になってしまった。

とりあえずヘタクソ枠ということになっていたっぽいライトが定位置になったが、

飛んでくるボールや勢いよく転がってくるボールキャッチできないので、ライトホームランボーナス状態になってしまう。

重点的にやらされたフライキャッチの練習ではグローブの使い方や落下点の予測が下手で見失ったり頭や顔でボールを受けたりしまくって、

どんどんボールが怖くなって落下点に近づくこともできなくなった。

打席に立ってみても、ストライクボールの見極めなんかできるわけがなかったし、

怖くて飛び退って逃げるか、目をつぶってキャッチャーミットにボールが収まってからバットを振り始めるくらいのトロくささで、

たまーにバットボールが当たったら、ボールの勢いに負けてその場で尻もちついてコケる有様だった。

キレたコーチに「やる気あんのか!?」と何度も怒鳴られるけど、残念ながらそんなもの最初からない。

なにがなんだかわからなくて、上達しようという意欲もこれっぽっちもわかず、痛い思いをしたくないから逃げるのだけが早くなった。

試合では、守備側が相手バッターを煽る掛け声をずっと上げ続けるように指導された。

バッタービビッとる!ヘイヘイヘイ!」 言うのも言われるのも苦痛だった。

そのうち、練習の日になると腹痛を起こして下痢が止まらなくなることが多くなった。

小6の最後の村内大会の日、大会にはどうしても来いと言われたので仕方なしに行った。

いつものライト守備位置につく。みんなは相変わらず相手打者を煽ってたけど、俺は口パクごまかしていた。

試合経過は覚えていないけれど、うちのチームは他のチームに比べると比較的高学年が多かったので、俺というお荷物がいてもある程度点は取っていたらしい。

最終回、打球がライトに飛んだ。なんのことはないフライだが、そこにいるのは今日もいつも通りやらかしまくっていた俺だった。

俺は一応ボールを追いかけようとして上を見上げて、眩しくて即座に見失ってフリーズした。

全然見えないのでとりあえず太陽を遮ろうと掲げたグローブの中に、ボスッという慣れない感触があった。

たまたまボールが落ちてきてグローブに入ったのだ。保護者席で歓声が上がった。

完全に偶然だったけれど、そのとき俺は、初めて試合フライキャッチ成功した。

そして、照れながらボールを2バウンドピッチャーに投げ戻した後は、二度とボールが飛んでくることもなく試合が終わって、チームは優勝していた。

不良が更生したらやたら褒められるのと同じ理屈なのか、チームメイトコーチからはやたらと褒められて、初めてちょっとだけ楽しいと思えた。

野球ルールはいまだによくわからない部分もあるけど、

今ではなんとなく甲子園とかを見て、「わーがんばってるなーすごいなー」と思うくらいはできるようになった。

もしあの時偶然ボールキャッチしていなかったら、今頃もっと野球が嫌いになっていただろうなと思うと、俺は運がよかったのかなーと思う。

2014-11-14

一生に一度見てみたい

初回先頭打者逆転サヨナ満塁ホームラン

2014-11-01

なんでこういう考えにまとまるのか

先日の日本シリーズ西岡の件。

こういう大事試合だけ厳密判定されている(普段の試合ラインのどこを通っているか?見てすらいないんじゃないか?)と思った点が腑に落ちなかったのです。要はラインを1ミリでも内側に越えたらダメ(中にはライン上でもダメと言う声もある)、でも、安全圏で外を通れば通るほど、打者にとっては遠回りをすることに成り、明らかにバッターランナーは不利です。

http://www.gloriousblogger.net/entry/2014/10/30/230327

頭やべーだろ。

2014-09-24

清原和博劣化について

 最近清原和博をめぐるニュースが、薬物疑惑DV、劇太り、後輩の離反、仕事の激減、離婚などなど、あまりにひどいものばかりだ。1990年頃に彼がここまでひどい人生になるとは、一体誰が想像しただろう。

1990年代前半まで、当時は日曜日の午後に、テレビ朝日で必ず西武戦の中継が行われていて、私は(アタック25と一緒に 笑)毎週ほとんど観ていたと思う。だから清原和博の全盛時代は目に焼き付いている。

 かといって私は清原の大ファンだったわけではない。むしろ西武では石毛宏典秋山幸二などに比べて、プレースタイルが野暮ったいという印象があり、話すことも面白みのない優等生発言ばかりで(ヤクザキャラ現在でもこれが器用にできたりするのが悲しい)、正直それほど好きではなかった。しかし、これからどのくらい凄い成績を残すのだろう、というワクワク感を抱かせる選手であったことも確かである。好きな選手石毛秋山ではあったが、毎日の成績が気になったり、テレビで是非打ってほしいと願いながら見ていた選手は、明らかに清原であった。

 清原はいから悪くなりはじめたのか。個人的な印象で言えば1993年である。多くの人は1997年巨人入団から急激に悪化したような印象を持っているだろうが、それはあくまで「キャラ」の部分である。私は西武時代後半の不調を、そのまま巨人入団後も引きずってしまったと考えている。年度別成績を見ればはっきりするが、西武時代最後の2年と巨人入団後の2年はほとんど成績が変わらない。

 それまでの清原は、PL学園時代に叩きこまれ技術をそのまま生かして、自然体の構えから、そのまま軽く素直にバットを出している感じだった。それが1993年から、力感のある構えから打席内で大きな(さらに言えば無駄な)動作をするようにな った。体つきは、かつてよりガッチリするようになり、野茂伊良部の剛速球を豪快なホームランで弾き返すことがあった一方で、明らかに雑な三振が増えるようになった。それまでも調子の起伏が激しい選手ではあったが、この頃から徐々に打撃そのもの劣化している印象があった。

 特に1995年失望の年だった。春のキャンプ清原肉体改造をして相当に絞り込んでいるという姿が伝えられ、今までとは違う精悍な顔つきの清原に、私も「これは期待できるぞ」と思っていた。しかし、シーズンに入ると成績はさっぱりで、相変わらず動作の大きな打撃フォームから、雑な三振を繰り返していた。シーズン後半に走塁中の肉離れ長期離脱をしたが、それまで故障知らずだった清原が、通常のプレー中に大きな怪我をするというのが俄かに信じられなかった。

 この「劣化」の背景には色々考えられる。一つにはよく言われていたことだが、清原自身打者としての理想や上昇志向が高すぎて、欠点を直そうとするばかりに利点を失わせてしまったこと、二つには秋山石毛、辻といった黄金期を支えたベテランメンバーが次々と西武を去り、清原自己満足的な打撃に歯止めをかける存在がいなくなってしまったこと、そして三つ目には、この時期パリーグ球場が新しくかつ広いものとなり、本塁打数も全般的に減少傾向にあったのだが、それに力で対処しようとしてしまったことである

 それでも清原が成長する過程なのかもしれない、と当時はまだ若干の期待を残していたが、巨人入団後に完全に露呈した打たれ弱さ、精神不安定さと、週刊誌の「番長キャラ」に自らも乗っかるようになったことで、清原の将来に期待することは完全になくなった。選手としての能力以前に、人格的に国民スターの器ではない(ある種純粋人間ではあるけど)ことは余りに明らかだった。週刊誌清原ネタを、自分も笑って楽しむようになってしまった。

 2000年以降に(清原によるとホームから離れて打席に立つことで)若干の復活の気配も見せたが、明らに無理なトレーニング野球選手とは言えないような体型となり、毎年のように大きな故障長期離脱を繰り返した。番長キャラにも年々拍車がかかった。オリックストレードされた頃は、既にかつての天性のしなやかさは完全に失われ、最後はまともに走ることすらできなくなっていた。若い頃の清原は頑健というだけではなく、無駄全力プレーをすることがない、身体に負担の少ないプレースタイルだったので、晩年ここまで怪我に悩まされるとは想像もできなかった。

 誰しもが思うことだが、18歳の時に既に完成されていた打撃技術をそのまま大事にし、無理なトレーニングをせずに練習で自然についた筋肉だけで勝負し、私生活でももう少し節制すれば・・・もし1990年の頃の自分に会うことができたら一体何をアドバイスするか、と清原に一度尋ねてみたい。

2014-09-12

野球サッカーで怪我人が多くなってきた気がする

いずれもここ10年ぐらいの競技の変革にプロ選手の体が追いついていないかんじ。

野球投手に関してはもはや肘やったらすぐトミー・ジョンして1〜2年かけて復帰するのが当たり前になってきて、

ダルが苦言を呈してるけど中5日は最低取って欲しいところ。

肘をやってしまうのはまぁ変化球が多彩になってきたからだと思う。スプリットやらツーシームやらね。

わっちもよく戻ってきたけど2年も無駄にしてしまったね。

日本人打者は非力が増えてきたように思えるけど、

NPBMLB共にツーシームで芯を外されても強引にもっていく力は足りないってだけ。

筋肉量としてはあまり変わっていないのでは?

から更に体をデカくするんだけど、デカくしても節や骨が強くなるわけではないので、

その結果怪我をするっていうパターンだと思う。


サッカーはもはや走るサッカーでなければサッカーではないみたいな風潮すらあるため、

怪我が本当に多くなった。ウッチーなんか慢性化してるし、長谷部とかたぶんウチのサカティも…

ハードワーク・ハイプレス…全員で攻撃して全員で守るのはいいけれど、

ドルトムントシャルケを見ると選手資産としてきちんと守っているのか?そのサッカーでいいのか?と思ってしまう。

ショートカウンターなんか前線選手負担を考えると恐ろしい。Cロナウドやらロッベンやら大きな怪我もなく、本当にすごい。

MLBトミー・ジョンの流行で中5日が話題になったように、

サッカーでも選手の怪我が多いクラブは、運動量を極力減らして勝てるサッカーを追求するべきだと思う。

つまんないと言われようが選手を潰してまでやるよりは広島サッカーとかでいいんじゃないかな。


サッカーでも野球でも負傷箇所をトレーニングすれば?というのもあるけど、

大事なのは筋肉バランスから偏らないトレーニングをする必要があるし、骨についても考えなきゃいけない。

一番重要なのは腕のみせどころは監督でも選手でもなく、腕のいいスポーツトレーナーなんじゃないかな。

2014-09-05

野球三冠王っておかしくね?

首位打者本塁打王打点王を同時に獲得すると三冠王なんだけど、首位打者だけ「王」じゃないじゃん。

首位打者のことは打率王と呼ぶべきじゃないだろうか。

あと「打点」はチームの強さが影響する数値なので三冠王に相応しくないのでは。

打点王は単に最高打点とだけ呼んで三冠王の構成要素から除外する。

その代わりに盗塁王を持ってくる。

と考えると真・三冠王は「打率王」「本塁打王」「盗塁王」となる。

良く打ち、良く飛ばし、良く走る。

この三つを満たすような選手は確かに最高の打者であるはずだ。

プロ野球野手たちにはこの真・三冠王を目指してほしい。

2014-06-05

好きな短編漫画打線組んだ

http://anond.hatelabo.jp/20140604175240

思ったより反応がよかったので、うれしくなって2日連続仕事? いいじゃないですかそんなことは。

1遊 競技ダンス部へようこそ(横田卓馬)

2二 ゲンセンカン主人(つげ義春)

3中 半神(萩尾望都)

4三 童夢(大友克洋)

5捕 バットマンキリンジョーク(アラン・ムーアブライアンボランド)

6右 式の前日(穂積)

7一 アンダルシアの夏(黒田硫黄)

8左 肩幅の未来(やまむらはじめ)

9投 ノース2号の巻(手塚治虫浦沢直樹)

中継 マイ・フェア・アンドロイド(岡崎二郎)

抑え 夕凪の街(こうの史代)

「それではグラウンドレベル増田さん、お願いします」

1遊 競技ダンス部へようこそ(横田卓馬)

「気弱な少年競技ダンスの魅力に取りつかれる話。単行本未収録。友情努力・勝利という週刊少年ジャンプの三大原にのっとった、さわやかな余韻が印象的な期待の新星、かと思いきや、ヤングマガジンにおける連載作はエログロ。なにそのふり幅。連載化待っています。あと集英社は一刻も早く『戦下に咲く』と合わせて単行本化してください」

2二 ゲンセンカン主人(つげ義春)

白昼夢のような短編。正直、いまだに内容が理解できていない。まったく意味がわかりません。それでもつげ義春全集を読んだ後に、どれが一番面白かったか聞くと、皆が口をそろえて『ゲンセンカン主人』と言う。凶悪なクリンナップへとつなぐ技巧派の曲者。いまだご存命とのことですが、水木御大同様この人も妖怪なのでしょうか」

3中 半神(萩尾望都)

「腰のあたりでつながったまま生まれてきた双子姉妹の話。20頁弱と短いながら、大正義萩尾望都代表作として名高い名作。切れ味が鋭すぎて若干トラウマになります

4三 童夢(大友克洋)

「ある団地における超能力者たちの戦いの話。不動の四番。本塁打王打点王の二冠。その圧倒的な迫力と威圧感は、全盛期のカブレラを思わせます。難点は、あまり体躯のぶ厚さからルールに引っかかる恐れがあること」

5捕 バットマンキリンジョーク(アラン・ムーアブライアンボランド)

バットマンジョーカー因縁の話。チーム内唯一の助っ人外人にして捕手メジャーリーグからきた黒船シーズン途中まで4割を打って首位打者。『助っ人外人捕手って、どうなの?』という方もいらっしゃるかと思いますが、だってアラン・ムーアだし、どう考えても一番かしこから仕方ない。いいときのマウアーが日本球界に来た、と思ってください」

6右 式の前日(穂積)

結婚式を前日に控えた男女の会話劇。期待の巧打者です。クリンナップが重量級のため、肩肘を張らずに読める短編を6番に置きました。合コンオススメ漫画を聞かれたら、最近面白かった漫画として、これか『俺物語』と答えるのがスマートな大人ではないかと思います映画で言うと『リトル・ミス・サンシャイン』。電車の中で読んで泣いた、との知人の声多数」

7一 アンダルシアの夏(黒田硫黄)

自動車競技選手人間模様の話。連作短編茄子』に収録されています宮崎駿が認める天才打者。今回はクリンナップが凶悪すぎるのでこの打順だけど、去年までのカープなら中軸です。余談ですが、最初ピッチャーを『連作短編』つながりで組んでいたため、当初は先発として起用していました。チームの都合で野手転向

8左 肩幅の未来(やまむらはじめ)

若いカップルの何気ない日常を特徴的なコマ割で描いた話。今回のひいき枠。大好きなんだから仕方ない。漫画評論家の泉信行氏も『やまむらはじめ非公式ファンサイト』を運営していました。たんたんとしつつも、じんと胸にしみる佳作。短編集『未来のゆくえ』で読めます。粒ぞろいの短編集なので、是非」

9投 ノース2号の巻(手塚治虫浦沢直樹)

戦闘ロボットピアニストのふれあい長編PLUTO』の中の一エピソード。『5回までなら完全試合完投させたら滅多打ち』こと浦沢直樹最高傑作ではないかと思います。。独立した短編としても読めるだろう、と無理やりねじ込みました。たとえルール違反だとしても、面白いんだから選ばざるをえない」

中継 マイ・フェア・アンドロイド(岡崎二郎)

人間そっくりなアンドロイドと、彼女教育する科学者の話。SF短編につづいて連続登板。だって好きなんだから仕方ない。連作短編アフター0』に収録」

抑え 夕凪の街(こうの史代)

「説明不要金字塔。もし増田文部科学大臣に選ばれたら、強権を使って教科書に載せます連作短編夕凪の街、桜の国』に収録」

こちらからは以上です。

好きなSF打線組んだ

好きなSF短編打線組んだhttp://anond.hatelabo.jp/20140604175240

が楽しそうだったので、便乗。短編に限らずに打線組んでみました。

1二:ニールスティーブンスン「スノウ・クラッシュ

フランチャイズ小国家、凄腕ハッカースケートボードに乗った運び屋、仮想空間上のAI人格等々、わかりやすサイバーパンクガジェットを詰め込みつつも説明臭くはなく、スピード感ある展開で一気に読めるエンターテイメントSF。よくできたハリウッド映画みたいで素直に楽しい。粘り強いバッティングと走力に裏打ちされた出塁率の高さから、不動の先頭打者

2遊:パオロ・バチガルピ「第六ポンプ

バチガルピは、個人的には長編だとちょっとダレる感があって、そういう意味ではこの短編集の方が好み。ねじまき少女世界観濃縮版「カロリーマン」、文明がゆるやかに崩壊する恐怖「第六ポンプ」が好み。現代代表する作家の一人に数えられますが、独特のディストピアバイオパンクを突き詰める職人気質。2番ショートで起用。

3中:チャールズ・ストロス「アッチェレランド

現代と地続きの近未来からスタートして、加速度的に変容する社会人類技術的特異点を迎えるまでを描く大作。ストロスはコンピュータ関連のジャーナリストってこともあって、ギーク文化との親和性も高そうなディテールが満載で楽しい。抜群の守備範囲の広さ、打てば長打を量産する勝負強さで3番に定着。

4一:グレッグ・イーガン順列都市

イーガン短編無難と言われてますが、この「順列都市」は素直に面白いと思う。荒唐無稽アイデアを、超力技で煙に巻かれてなんとなく納得されられてしま快感。本書冒頭の、コンピュータ上でシミュレートされた人格コピーが、目覚めて状況を把握してから辿る思考過程を描いたシークエンスが最高で、10回は読み返してる。イーガンほど投手プレッシャーを与える打者はそういないでしょう。ネクストバッターサークルにいるだけでも圧倒的存在感

5右:チャイナ・ミエヴィル都市都市

現代SFファンタジー最右翼(本人は左翼だけど)。スキンヘッドピアスのイカツイ兄ちゃんです。一見ありふれたハードボイルド警察小説?と見せかけて「重ね合わされる都市」というとんでもない舞台装置、どうやったらこんなもの思いつくのか。さらにそれを言語化できる力量もすごい。

6三:ブライアン・W・オールディス「地球の長い午後」

ここまででお分かりの通り、増田現代SF好きです。が、この「地球の長い午後」は入れざるを得ない。遠未来、自転が停止した地球動物植物の力関係が逆転した異常な世界で、食物連鎖の下層で右往左往する人類の、圧倒的無力感ベテランならではの味わい深さと駆け引きの巧さ。

7左:椎名誠「武装島田倉庫

6番・オールディスの直接的な影響下にある、椎名誠SF三部作。の中でも、この「武装島田倉庫」が一押し。奇妙な生き物が跋扈する文明崩壊後の世界を、さまよい、戦い、逃げ惑う人間たちの群像劇です。これも何度も読み返してるな。漬汁がなんか旨そう。

8捕:コーマック・マッカーシーザ・ロード

海外文学方面では、現代SFにおけるイーガン大正義ポジションを占めておられますマッカーシー御大の手による、核戦争後と思しきポストアポカリプス世界をさまよう親子を描いたロードノベルです。沈黙の音が聞こえそうなくらいの静寂と、真綿で心臓を締め付けられるような絶望と哀しみ。大変地味ですが間違いなく大傑作。

9投:ウィリアム・ギブスンヴァーチャルライト

ギブスンといえば「ニューロマンサー」でありそれに続くスプロールシリーズなんでしょうが増田はどうにもこの「ヴァーチャルライト」が好きでして。何と言っても作中に出てくるベイブリッジ。閉鎖された橋をホームレス選挙して好き勝手に増設を繰り返し、無計画・無軌道に成長してしまった構造物…すてきすぎる。

中継:テッド・チャンあなたの人生の物語

増田の中では「柔らかいイーガン」という位置づけにあるんですけどどうでしょうか。「実存」をメインテーマに据えながら、幻想的・宗教的な色彩の強い作品群。ワンアイデアをじっくり煮詰めて、これ以上ないくらい適切に料理した佳作集。死ぬほど寡作なのが玉に瑕。最近何してんの。

抑え:ジェームスホーガン星を継ぐもの

ハードSF is 星を継ぐもの

監督 オラフ・ステープルドン最後にして最初人類

増田的には究極のSFはステープルドンになるんじゃなかろうかと思っています20世紀から20億年後までを俯瞰する人類史。これほどのタイムスパンで書かれた作品は他にないんじゃなかろうか。しかもこれ1930年作品ですよ。半端ない

2014-06-04

好きなSF短編打線組んだ

仕事が暇なので書きました。後悔はしていない。

1中 オートマチックの虎(キット・リード)

2三 午後の恐竜(星新一)

3遊 しあわせの理由(グレッグ・イーガン)

4一 メタモルフォセス群島(筒井康隆)

5右 シェイヨルという名の星(コードウェイナー・スミス)

6左 詩音が来た日(山本弘)

7捕 たんぽぽ娘(ロバート・F・ヤング)

8二 トインビー・コンベクター(レイ・ブラッドベリ)

9投 たったひとつの冴えたやりかた(ジェイムズ・ティプトリー・Jr.)

中継 マイ・フェア・アンドロイド(岡崎二郎)

抑え 空にふれた少女(マイク・レズニック)

「それでは解説の増田さん、お願いします」

1中 オートマチックの虎(キット・リード)

SF版『山月記』。大好きなので。短いページ数ながらも切れ味のある読み応えと広い守備範囲考慮して、1番センターで起用しました」

2三 午後の恐竜(星新一)

星新一については、小粒ながら小技の利く選手が多いため、当初は2番セカンド『宇宙の男たち』で起用するつもりだったのですが、タイプの似た選手であるレイ・ブラッドベリとの兼ね合いから比較長打力のある『午後の恐竜』をサードで起用することにしました。終末SFとしての情景の美しさは随一ではないかと思います

3遊 しあわせの理由(グレッグ・イーガン)

「説明不要大正義グレッグ・イーガン先生代表作。抜群の身体能力と懐の深さを備えた守備、勝負強いバッティング考慮した結果、3番ショートでの起用となりました。全盛期のジーターみたいなもんです」

4一 メタモルフォセス群島(筒井康隆)

コメディタッチの導入部から、突然ホラーに変わる異色の短編です。放射能汚染された島に生物学者が調査に向かう話。筒井先生が『結末を考えずに書き出してみて、途中でオチ思いついた感』満載なのが笑えます。大好きなので入れました。一応星雲賞をとっているのですが、大変読む人を選ぶ短編で、ハマる人はハマる。ダメな人はダメアダム・ダンのような味わいがあります最後植物名前は作中で明記されていませんが、おそらく『カリクビ』なのでしょう」

5右 シェイヨルという名の星(コードウェイナー・スミス)

囚人たちが地獄を思わせる惑星に送られる話。4番がバクチ性の強い打者なので、ある程度確実性のある、コードウェイナー・スミス先生代表作を5番に選びました。結果、3番大正義からの4番・5番は『この世の地獄』つながり、という大変邪悪なクリンナップが形成されたのではないかと思います

6左 詩音が来た日(山本弘)

認知症患者看護をするアンドロイドの話。連作短編『アイの物語』の中の一編です。5番打者としての起用も考えたのですが、下位打線を『ハートウォーミング』つながりにしたいと考えたため、6番に繰り下げました。率も残せて長打もある、将来の4番候補。『アイの物語』は、他にも読み応えのある短編の多く、お買い得感があります

7捕 たんぽぽ娘(ロバート・F・ヤング)

「『悲運の少女』つながりで投手陣を起用しているため、彼らの球を受けるキャッチャーには、ロマンチックSF代表作を起用しました。タイムマシン未来からやってきた少女出会う話。一時期、『ビブリア~』効果価格が高騰しましたが、新訳が出たので価格は落ち着いた様子。プレミアがついてるうちに売っとけばよかったかな、という邪まな思いが頭をよぎります

8二 トインビー・コンベクター(レイ・ブラッドベリ)

タイムマシン未来を見てきたという男と、彼にインタビューをするアナウンサーの話。『霧笛でも万華鏡でもなく、なぜこの作品なのか』と不思議に思う方もいらっしゃるかと思います。ひいき起用です。SF界の吟遊詩人がつづる『嘘とはなにか』という大演説にしびれます。なお、個人的ブラッドベリ最高傑作は『ウは宇宙船のウ』の序文

9投 たったひとつの冴えたやりかた(ジェイムズ・ティプトリー・Jr.)

「『悲運の少女』その1。少女と、彼女の脳に寄生したエイリアン友情。説明不要の大投手。怪我さえなければ300勝できます

中継 マイ・フェア・アンドロイド(岡崎二郎)

「『悲運の少女』その2。人間そっくりなアンドロイドと、彼女教育する科学者の話。唯一の漫画からの選出です。マナカナ若いうちに、世にも奇妙な物語実写化するべきだと思いますオルセン姉妹ならなお良し」

抑え 空にふれた少女(マイク・レズニック)

「『悲運の少女』その3。隔離された世界から飛び立つことを夢見る聡明な少女の話。連作短編キリンヤガ』の中の一編です。ヒューゴー賞ローカス賞SFクロニクル賞・SFマガジン読者賞・ホーマー賞受賞作の鉄壁クローザー。是非とも沢村賞サイ・ヤング賞を取っていただきたい」

こちらからは以上です。

追記:好きな短編漫画でも打線を組みました。

http://anond.hatelabo.jp/20140605192918

2014-06-03

ラノベ流行がない時代がやってきました

ラノベやばい

 はい、いきなりはじまりましたが、一応ラノベ業界人です。エロゲ業界にもちょっと関わってたり知り合いが多かったりもします。

 で、どうやばいのかというと、何がヒットするのか完全に手探りすぎてやばい

 それでも面白けりゃヒットすんだろ。だなんて仰られる方ももいらっしゃるしょうが面白いのにヒットしない作品ゴロゴロしててやばい

 何年か前、プロ野球史に名前を残したある大打者が、その年打撃好調だった若手に対して、「打ててる根拠がない」と苦言を呈したのと同じで、いまヒットしてるラノベの大半が、「売れている根拠がない」状態でよくわからないまま数字を伸ばしている。

 もっともらしいヒット要因を挙げようと思えば挙げられはするけど、それってヒットしなかった作品にもあてはまるからややこしい。

 近年のラノベ業界は、完全な手探り状態が続いている。

 流行らしい流行存在しなくなって久しい。

 学園ラブコメや謎部活やらせとけばよかった時期はとっくに過ぎてしまった。

 一部レーベル萌え風味のファンタジーをプッシュしているが、あれは要するに、根強いファンがある程度存在するであろうファンタジーに、自レーベルノウハウを蓄えている萌えプラスすることで手堅く読者を獲得しようという守りの戦略に他ならない。

 そんなんじゃブームは起こらないし業界の主流にはならない。需要に応えてるわけじゃないからね。

 そう、需要がわからなくなってきてるんだ。

 そういう傾向はエロゲ業界にもあって、「なんで売れてるのかわからない」状況が続いているというようなことを知人はいっていた。

「“面白くないのに”なんで売れてるのかわからない」というやっかみみたいな話じゃなく、ヒットを飛ばしている側の人間もたしかな売れてる要因を捉えきれなくて困惑気味だったりする。

 よく言われる絵が良いとかヒロインかわいいだとか、そんなあやふやなのはからないのと一緒だよ。

 だからラノベ業界は人気WEB小説にこぞって手を出す。たしかものを捉えたくて。

 ~~だから売れている。~~だから人気がある。というヒット要因が、WEB小説商業よりもわかりやすい。わかりやすいように見える。

 いわゆる俺TUEEEだとか異世界転成だとかそういうの。

 で、それらの特徴を商業でも取り入れようとしてる人たちも現われたんだけど、あんまし上手くはいってない。投稿サイト発とちがって思ってたより需要がないっぽい。

 いまの商業ラノベは、つまるところ、面白い作品面白くない作品も、売れるか売れないかが運のようなあやふやものに左右されすぎててやばい

 それから、学園ラブコメブームに乗ったつもりであぐらをかいちゃってました。そういうのを安定して書いていけば長く食っていけると高をくくってました。

 ごめんなさい。

 ※思ったより反響があったので追記

 学園ラブコメというのはひとつの例ですけど、ヒット作を生みやすい枠があって、その枠の中でのクオリティアップやインパクトの発生に力を注いでいればそこそこ安定して売れた時期はたしかにありましたよ。

 そのころの成功体験が忘れられない人たち、会得したラノベセオリーをは見直せない人たちはだいたい苦労してますね。

 作家編集も、場合よっちレーベルもね。

 実質ゼロからスタートに戻りはじめてるのに、そこに対応し切れてない人が業界に多すぎるのがやばい

 見方を変えればチャンスなのに、オタクさんたちに間でさえラノベに対する偏見が目立ちはじめてるのがやばい

 でも、売れてる作品は売れてるからやばい

 組織に少々問題あり、兵器にも少々問題あり、それなのに結果としては戦争には勝っているようなもので、言いしれぬ不安と隣り合わせなのがいまこれからのこの業界ですよ。

   

2013-10-24

ウエハラ・フェノメノ

メジャーリーグワールドシリーズがついに始まりましたね。そこで、5日ほど前のものですが、アメリカ3大ネットワークの1つNBCによる上原の記事を翻訳してみました。誤訳があったらご指摘ください。

ウエハラ・フェノメノ

NBCスポーツハードボールトークより

http://hardballtalk.nbcsports.com/2013/10/18/the-uehara-phenomenon/

 さて、君もおそらく、今年のボストンレッドソックス)の上原浩治が、野球史上の全投手と比べて、最も塁に出るのが難しい投手だったということをご存知だろう。それはとてもいいことだ。ここにWHIP(1イニングあたりの被安打と与四球の合計。少ないほど出塁されていない)の歴代トップ10、少なくとも50イニング以上を投げた投手リストがある。

1. 上原浩治, 2013年, 0.565

2. デニス・エカーズリー, 1989年, 0.607

3. デニス・エカーズリー, 1990年, 0.614

4. クレイグ・キンブレル, 2012年, 0.654

5. マリアノ・リベラ, 2008年, 0.665

6. ホアキン・ベノワ, 2010年, 0.680

7. エリック・ガニエ, 2003年, 0.692

8. J.J.プッツ, 2007年, 0.698

9. クラ・メレディス, 2006年, 0.711

10. 斎藤隆, 2007年, 0.715

 興味深い小ネタを2つほど――リスト11位はまたも上原で、2011年のことだ。12位は? ペドロペドロ・マルチネス)だ。それは2000年のことで、WHIPは0.737であった。彼がほかの選手の3倍のイニングを投げたことを考えると(訳注ペドロ・マルチネスは先発投手)、彼の三振四球比(K/BB)が284割る……まあ、多くの人々が、ペドロ2000年のシーズンこそ野球史上で最高のシーズンであったと信じるのも、驚きではないだろう。

 とにかく、トップ10を見れば君も気づくだろう……クローザー(抑え投手)だ。いや、そのうちの2人――ベノワとメレディス――はセットアップマン(セットアッパー、中抑え)だが、残りは全てクローザーである。歴代のWHIPトップ10のうち8人がクローザーだという事実は「9回はアウトを奪うのが最も難しいイニングだ」という神話に小さな短剣を投げつけるかも知れない。だが、今日ポイントはそこではない。我々が焦点を絞っているのは上原だ。

 上原キャリアスタートさせたのは日本である――大阪大学訳注大阪体育大学の誤り)を出て、ドラフト1位で指名されたのだ。上原は1年目に20勝を挙げて、読売ジャイアンツの先発投手として活躍。また、オリンピックWBCなどでは、日本代表の先発投手としてめざまし活躍を遂げた。2007年、32歳のときに、上原読売クローザーになり、そこでも周囲を圧倒した。2008年のシーズン終了後、上原は先発投手としてボルチモア・オリオールズ契約する。(しか2009年)彼はもがき苦しんだ。彼は故障した。翌年、オリオールズ上原ブルペンに送った(リリーフ転向させた)。上原は驚くべきコントロールを見せ(44イニングで与四球は5個)、いくつかの試合では実際にボルチモアクローザーもつとめた。だが、誰も彼に熱狂することはなかった。

 そして2011年、当時は誰も驚異とは考えなかった驚異のトレードが行われることになる。

 オリオールズ上原と幾ばくかの金銭をテキサス・レンジャーズに送った。レンジャーズトミーハンターという悩める先発投手と、クリスデービスというマイナーリーグ一塁手を送り返したのである

 私は、彼らが言うことも正しいと思う。将来の50本塁打男(訳注デービスは今年のアメリカンリーグ本塁打王打点王)と、年間WHIPの史上最少記録保持投手を、小さなトレードが生むことになるなんて知るよしもない。OK、それがことわざだかどうかは分からない(訳注:ここら辺ちょっと自信なし)。上原レンジャーズでいい投球をしたが、怪我なしで居続けることはできなかった。テキサスでのWHIPは驚天動地の0.685。純粋安打を打たれなかったし、四球も出さなかった。だが、1年半でたった54イニングしか投げなかった。そしてともかく、ただ1つ、誰もが本当に注目したのは、上原2011年ポストシーズンの3試合で苦しんだということだった。それはおおむね1試合のことだ。2011年地区シリーズタンパベイ(レイズ)との一戦で、上原は7対3でリードする7回に登板。すぐさまデズモンド・ジェニングスに四球を与えると、B.J.アップトンにライナー性の安打を打たれ、エバン・ロンゴリアに本塁打を打たれた。そして降板させられた。

 上原はまた、デトロイトタイガース)とのアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズにおける、次の二度の出番でも失点を許した。しかし私は、それが酸っぱい後味を残した初めての出番だったのではないかと思う。上原はそれまで、アメリカ野球ファンたちの心に、何一つ印象を残してこなかった。無地のスレート(屋根葺き用の石板)のようなものだったのである。ロンゴリアの惨事のあと、誰もが皆、上原に(悪い)印象を持った。翌年、上原ボルチモアオリオールズ)とのワイルドカード決定戦に、レンジャーズがすでに3対1で負けている状況で登板。トレード相手のクリスデービス三振に仕留めた。アダム・ジョーンズも三振に仕留めた。マット・ウィータースも三振に仕留めた。だが、それは大事局面ではなかったし、ロンゴリアの記憶を消し去るのに十分ではなかった。

 レッドソックスは、425万ドル(約4億2500万円)という以前と同じくらい少額の契約で、上原と1年契約を結んだ(とはいえ、今では2年契約になっている。付与オプション有効になったからだ。ボストンにとって大変嬉しいことだろう)。上原クローザーではなく、セットアップマンでもなく、セットアップマンのためのセットアップですらなく、単なるチームの6イニングの選択肢になろうとしていた。レッドソックスの本来のクローザーは剛速球投手ジョエル・ハンラハンであった。ハンラハンは9試合で肘を破裂させ、トミー・ジョン手術を受けた。

 そこで全員1つずつ繰り上がった。つまり、今やアンドリュー・ベイリークローザーになったということだ。ベイリーアスレチックスクローザーとして2009年新人王を獲得し、翌年もまた周囲を圧倒していたが、その後はあらゆる怪我と辛苦を経験していた。ベイリーレッドソックスクローザーを3カ月弱つとめ――そして肩を故障した。6月26日レッドソックス上原クローザーに指名した。

 ではここで、上原の残りのシーズン(クローザー指名後)の成績をご紹介していこうと思う。拍手喝采は紹介が終わるまでお待ちいただきたい。

投球回:44 1/3

安打:14

安打マジで):14

おいおい、打たれたのはいくつだって?:14

ふざけてるよな:分かるよ。

失点:3

本塁打:1

三振:59

四球:2

待った、今すぐ止めろ:2四球。よく見ろ。

被打率:.094

出塁率:.108

長打率:.152

WHIP:聞く準備は本当に整っているか

早く言えよ:ちゃんと頼め。

WHIP:0.358

 紳士淑女の皆様、ご来場ありがとう。気をつけてお帰りください。

 どうやって? OK、これはたった44回1/3でサンプルとして少なすぎるし、クローザーは1試合でたった1イニングしか投げないし……、どうやって?? 上原浩治は剛速球を投げない。Pitch f/xは上原の速球が平均で89.2マイル(143.6キロ)だと示しており、これは彼が日本から来たときとだいたい同じままだ。上原マネーピッチ(決め球)、スプリットフィンガー・ファーストボールは約81マイル(130.4キロ)。102マイル(164.1キロ)の速球の世界で、一体どうすれば上原は対戦相手に出塁するのが無理だと証明できたのだろうか?

 もちろん、コントロールの話から口火を切ることができるだろう。これはマリアノ・リベラ栄光の輝きの中で、常に最も過小評価されてきた部分の1つである――そう、リベラは対戦したみんなのバットをへし折ってきたし、同じ球を繰り返し繰り返し投げ続けてきたが、四球で自滅することはまずあり得なかった。リベラの最高のシーズンはおそらく2008年だ。彼は70回2/3で6人の打者しか四球を出さなかった。

 上原は、大リーグでのキャリアを通じて常に、気が狂うほどコントロールが良かった。2012年レンジャーズでは、わずか36イニングしか投げなかったが、四球を出したのはたった3人だ。我々は、キンブレルの代名詞である剛速球を投げるようなクローザーと恋に落ちている(訳注:ここら辺自信なし)。しかし、剛速球を投げない代わりに、ピンポイントコントロールと多くの惑わし(投球術)で成功した名クローザーたちは、これまでにも多数――デニス・エカーズリーを筆頭とするが、偉大なるダン・クイゼンベリーダグ・ジョーンズも含まれる――存在した。上原も明確にそれらを備えている。

 2つめはこれだ:上原の投球――特にツーシームファーストボールとスプリッター――が非常に鋭く動き、メジャーリーグ打者たちはしばしば当てるのに失敗しているということ。それがストライクゾーン内であったとしても。これは重大だ。大リーグ打者ストライクゾーン内のボールバットを振るとき、一般に大成功を収めるものである。今年、打者ストライクゾーン内でスイングした上原ボールは、31.1%空振りだった。これはいうまでもなく球界で最高のパーセンテージだ。

ストライクゾーン内のボール打者空振りさせた投手トップ5は:

1. 上原, 31.1%

2. エルネスト・フリエリ, 26.9%

3. アロルディス・チャップマン, 25.6%

4. グレッグ・ホランド, 24.2%

5. ケンリー・ジャンセン, 23.8%

さて、同じトップ5の速球の平均急速は:

1. 上原, 89.2マイル(143.6キロ

2. フリエリ, 94.1マイル(151.4キロ

3. チャップマン, 98.4マイル(158.4キロ

4. ホランド, 96.1マイル(154.7キロ

5. ジャンセン, 93.6マイル(150.6キロ

 ああ、そうだ。君にも違いが分かるだろう。彼らは打者バットを吹き飛ばす。上原打者バット上下を通り抜けるのだ。上原には、大きく違う方向に動く2つの球種がある。ツーシームファーストボールは右打者に向かって突っ込んでくるかのように見えるし、左打者を引き剥がす――リベラ代名詞カッターの逆バージョンのようなものだ。そして、スプリットフィンガー・ファーストボールチェンジアップのように機能する傾向がある(速球より8マイル遅い。これは理想的な差に近い)上、遅くになって急降下する。打者観点からすると、これは見たところ(飛び回る)スズメバチと、地中から現れるゾンビの手に、攻撃されるかすら定かではないまま、草原に踏み入れるようなものらしい。打者はどこを見ればいいのか分からないのだ。

 さらに、ご存知の通り、上原四球で歩かせてくれない。

 全力の上原を前にしては、今や逃げ場などどこにも存在しないのだ。

 特に上原は今38歳で、レッドソックス上原クローザーとする前に2人の男たちを試していたということを考慮すると、これは極めて異例な才能の行列である。ここまでのポストシーズン上原は7試合に登板し、そのうちの1試合タンパベイのホセ・ロバトンサヨナラホームランを許した。ほかには、落ち着く前にタイガースの2人から安打を打たれたが、失点は許さずにイニングを終わらせた。木曜日上原は1回2/3をパーフェクトに抑えた。

 全体として、このポストシーズン上原は8イニングを投げて安打を4本で抑えた。WHIPは0.500。ここまで、一人の打者にも四球を出していない。

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