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はてなキーワード: 力学系とは

2024-11-13

線形代数学的自由意志モデル

1. 数学的定式化

自由意志表現する n 次元ベクトル空間 V を考える。この空間において、意思決定 d は以下のように表現される:

d = Σ(i=1 to n) αi ei

ここで、

2. 基底の選択自由意志

定理任意の n 次元ベクトル空間 V に対して、無限に多くの正規直交基底が存在する。

証明グラムシュミット直交化法を用いて、任意の n 個の線形独立ベクトルから正規直交基底を構成できる。

この定理は、意思決定空間において無限表現可能性が存在することを示唆する。

3. 量子力学解釈

自由意志非決定論的側面を表現するため、量子力学概念を導入する。

意思決定を量子状態 |ψ⟩ として表現

|ψ⟩ = Σ(i=1 to n) ci |ei⟩

ここで、

測定過程意思決定の実現)は、波動関数崩壊として解釈される。

4. 位相空間軌道

意思決定過程力学系として捉え、2n 次元位相空間 Γ を導入する:

Γ = {(q1, ..., qn, p1, ..., pn) | qi, pi ∈ ℝ}

ここで、qi一般化座標、pi一般運動量を表す。

システム時間発展は、ハミルトン正準方程式に従う:

dqi/dt = ∂H/∂pi

dpi/dt = -∂H/∂qi

H はハミルトニアンで、システムの全エネルギーを表す。

5. カオス理論自由意志

決定論カオス概念を導入し、初期条件に対する敏感な依存性を自由意志表現として解釈する。

リアプノフ指数 λ を用いて、システムカオス性を定量化:

λ = lim(t→∞) (1/t) ln(|δZ(t)| / |δZ0|)

ここで、δZ(t) は位相空間における軌道の微小な摂動を表す。

6. 制約条件と最適化問題

社会的物理的制約を、ラグランジュ乗数法を用いて表現する:

L(x1, ..., xn, λ1, ..., λm) = f(x1, ..., xn) - Σ(j=1 to m) λj gj(x1, ..., xn)

ここで、

2024-09-19

[] 政策決定の数理

抽象数理モデル

1. モデルセットアップ

(a) 消費者集合と効用関数

消費者集合:N = {1, 2, ..., n}

消費ベクトル:各消費者 i の消費ベクトルを X_i ∈ X_i ⊆ ℝ^(k_i) とする。

個人効用関数:U_i: X_i × G → ℝ

ここで、G は政府提供する公共財の集合である

個人効用自分の消費 X_i と政府支出使用用途 G に依存する。

 

(b) 政府政策変数

税収:T ∈ ℝ_+

国債発行額:B ∈ ℝ_+

政府支出の配分:G = (G_1, G_2, ..., G_m) ∈ G ⊆ ℝ_+^m

G_j は公共財またはプロジェクト j への支出である

政策空間:P = { (T, B, G) ∈ ℝ_+ × ℝ_+ × G }

 

(c) 政府予算制約

予算制約:

Σ_(j=1)^m G_j = T + B

政府総支出は税収と国債発行額の合計に等しい。

 

(d) 消費者予算制約

可処分所得消費者 i の可処分所得 Y_i は、所得税 t_i によって決まる。

Y_i = Y_i^0 - t_i

Y_i^0 は消費者 i の総所得である

税制考慮:総税収 T は個々の所得税の合計である

T = Σ_(i=1)^n t_i

消費者予算制約:

p_i · X_i ≤ Y_i

p_i は消費財価格ベクトルである

2. 力学系の2つのステップ

(a) ステップ1:政府の決定

目的政府社会的厚生 W を最大化するために、以下の政策変数を決定する。

個人別の税負担 { t_i }

国債発行額 B

政府支出の配分 G = (G_1, G_2, ..., G_m)

制約:

政府予算制約。

税制に関する法律規制

 

(b) ステップ2:消費者の消費行動

消費者最適化政府政策 (t_i, G) を所与として、各消費者 i は効用を最大化する。

最大化 U_i(X_i, G)

X_i ∈ X_i

制約条件:p_i · X_i ≤ Y_i

結果:各消費者の最適な消費選択 X_i*(G) が決定される。

3. 社会的厚生関数

社会的厚生関数:W: ℝ^n → ℝ

W(U_1, U_2, ..., U_n) は個々の効用社会的厚生に集約する。

合成関数

W(U_1(X_1*(G)), ..., U_n(X_n*(G)))

これは政府政策 G と { t_i } の関数となる。

4. 政府最適化問題の定式化

政府は以下の最適化問題を解く。

最大化 W(U_1(X_1*(G)), ..., U_n(X_n*(G)))

{ t_i }, B, G

制約条件:

Σ_(j=1)^m G_j = Σ_(i=1)^n t_i + B

t_i ≥ 0 ∀i, B ≥ 0, G_j ≥ 0 ∀j

X_i*(G) = arg max { U_i(X_i, G) | p_i · X_i ≤ Y_i } ∀i

X_i ∈ X_i

5. 数学的解析

(a) 政府消費者相互作用

政府役割公共財の配分 G と税制 { t_i } を決定する。

消費者の反応:消費者政府の決定を受けて、最適な消費 X_i*(G) を選択する。

 

(b) 力学系の特徴

スタックルベルゲーム政府リーダー)と消費者フォロワー)の間の戦略的相互作用

最適反応関数消費者の最適な消費行動は政府政策依存する。

 

(c) 一階条件の導出

ラグランジュ関数

L = W(U_1(X_1*), ..., U_n(X_n*)) - λ ( Σ_(j=1)^m G_j - Σ_(i=1)^n t_i - B ) - Σ_(i=1)^n μ_i (p_i · X_i* - Y_i)

微分政策変数 t_i, B, G_j に関する一階条件を計算する。

チェーンルール消費者の最適反応 X_i* が G に依存するため、微分時に考慮する。

6. 公共財使用用途モデル

(a) 公共財の種類

公共財ベクトル:G = (G_1, G_2, ..., G_m)

例えば、教育 G_edu、医療 G_health、インフラ G_infra など。

 

(b) 消費者効用への影響

効用関数への組み込み

U_i(X_i, G) = U_i(X_i, G_1, G_2, ..., G_m)

公共財 G_j が個人効用にどのように影響するかをモデル化。

 

(c) 政府支出の配分の最適化

目的公共財の配分 G を最適化し、社会的厚生を最大化。

制約:政府予算制約内で配分を決定。

7. 政府政策選択解釈

(a) 税制設計

所得税の設定:各消費者所得税 t_i を調整。

再分配政策所得格差を是正するための税制設計

 

(b) 国債発行の役割

将来への影響:国債発行は将来の税負担に影響するため、長期的な視点必要

制約:債務の持続可能性に関する制約をモデルに組み込むことも可能

 

(c) 公共財の最適配分

効率性と公平性公共財の配分が効用に与える影響を考慮

優先順位の決定:社会的厚生を最大化するための公共財への投資配分。

8. 力学系としてのモデル

(a) ステップ1:政府最適化

政府の決定問題消費者の反応を予測しつつ、最適な { t_i }, B, G を決定。

情報の非対称性消費者の選好や行動に関する情報を完全に知っていると仮定

 

(b) ステップ2:消費者最適化

消費者の行動:政府政策所与として、効用最大化問題を解く。

結果のフィードバック消費者選択社会的厚生に影響し、それが政府の次の政策決定に反映される可能性。

9. 結論

(a) モデルの意義

包括的政策分析政府税制国債発行、公共財使用用途統合的にモデル化。

力学系アプローチ政府消費者相互作用を動的に考察

 

(b) 政策提言への応用

最適な税制支出配分:社会的厚生を最大化するための政策設計の指針。

財政の持続可能性:国債発行と将来の税負担バランス考慮

 

(c) 抽象化のメリット

一般性の確保:特定経済状況やパラメータ依存しないモデル

理論洞察政府役割政策効果に関する深い理解を促進。

 

政府は、税制 { t_i }、国債発行額 B、そして公共財の配分 G を戦略的に決定することで、消費者効用 U_i を最大化し、社会的厚生 W を高めることができる。

このモデルでは、政府政策決定と消費者の消費行動という2つのステップ力学系考慮し、公共財使用用途も組み込んでいる。

2024-09-16

匿名サイトエントロピー最小化問題

匿名サイト上のコミュニケーションシステムを、抽象的な非可換力学系として捉えます。この系を記述するため、von Neumann 代数 M 上の量子力学フレームワーク採用します。

M を II_1 型因子とし、その上のトレース状態を τ とします。系の時間発展は、M 上の自己同型写像 α_t: M → M (t ∈ R) によって与えられるとします。この α_t は強連続な一径数自己同型群を成すと仮定します。

系のエントロピーを、Connes-Størmer エントロピーとして定義します:

h(α) = sup{h_τ(α,N) | N ⊂ M は有限次元von Neumann部分代数}

ここで、h_τ(α,N) は N に関する相対エントロピーレートです。

エントロピー最小化問題を、以下の変分問題として定式化します:

inf{h(α) | α は M 上の τ-保存自己同型}

この問題に対するアプローチとして、非可換 Lp 空間理論を用います。p ∈ [1,∞] に対し、Lp(M,τ) を M の非可換 Lp 空間とし、||x||_p = (τ(|x|^p))^(1/p) をそのノルムとします。

エントロピー汎関数連続性を保証するため、超弱位相よりも強い位相を導入します。具体的には、L1(M,τ) と M の積位相を考えます。この位相に関して、エントロピー汎関数 h の下半連続性が成り立ちます

次に、Tomita-Takesaki モジュラー理論適用します。τ に付随するモジュラー自己同型群を σ_t とし、KMS 条件を満たす平衡状態考察します。これにより、系の熱力学性質エントロピー関係を明らかにします。

エントロピー最小化のための具体的な戦略として、非可換 Lp 空間上の勾配流を考えますエントロピー汎関数 h の L2-勾配を ∇h とし、以下の発展方程式を導入します:

dα_t/dt = -∇h(α_t)

この方程式の解の存在と一意性を、非線形半群理論を用いて証明します。さらに、解の長時間挙動分析し、エントロピー最小の状態への収束を示します。

系の構造をより詳細に理解するため、M の部分因子 N ⊂ M を考え、Jones の基本構成 M_1 = ⟨M,e_N⟩ を行います。ここで e_N は N 上への条件付き期待値拡張です。この構成を繰り返すことで、Jones タワー

N ⊂ M ⊂ M_1 ⊂ M_2 ⊂ ...

を得ます。各段階でのエントロピーの変化を追跡することで、系の階層構造エントロピー最小化の関係を明らかにします。

最後に、自由確率論観点から系を分析します。M 内の自由独立部分代数の族 {A_i} を考え、それらの自由積 *_i A_i を構成します。自由エントロピー

χ(X_1,...,X_n) = lim_m→∞ (1/m) S(tr_m ⊗ τ)(p_m(X_1),...,p_m(X_n))

定義し、ここで X_1,...,X_n ∈ M、p_m は m 次の行列代数への埋め込み、S は古典的エントロピーです。

この自由エントロピーを用いて、系の非可換性とエントロピー最小化の関係を探ります特に自由次元 δ(M) = n - χ(X_1,...,X_n) を計算し、これが系のエントロピー最小化能力指標となることを示します。

以上のフレームワークにより、匿名サイト上のエントロピー最小化問題を、非可換確率論作用素代数言語記述し、解析することが可能となります

2024-08-15

マグルのワイが魔法のことを考えたで

今日は朝から頭の中で魔法数学的に抽象化することを考えてみたんやけど、これがまためちゃくちゃ深いんや。まず、魔法呪文をバナッハ空間作用素として考えるっちゅうのは基本やけど、これをさらに進めて、フォン・ノイマン代数の元として捉えてみたんや。ここでは、呪文自己随伴作用素 T として、スペクトル分解を通じてその効果を解析するんや。これが無限次元空間での作用を考えると、スペクトル理論作用素環論が絡んできて、ほんまに深遠やわ。

次に、変身術をリー群作用として捉えるんやけど、これをさらに高次元多様体上の微分同相群の作用として考えてみたんや。対象の集合 X 上の微分同相群 Diff(X) の滑らかな作用として、g ∙ x = y みたいに表現できるんやけど、ここでリー代数のエレメントを使って無限小変換を考えると、接束や微分形式が出てきて、微分幾何学的な視点さらに深まるんや。ホンマに、変身術って奥が深いわ。

さらに、魔法相互作用ホモトピー型理論と∞-カテゴリーを使って考えてみたんや。これを使うと、魔法は∞-グループイドの間の射として捉えられて、ホモトピー同値空間の間の射として表現されるんや。例えば、呪文 f: A → B は対象 A を対象 B に変える射と見なせて、これがホモトピー同値やったら、逆射が存在するんやで。これを使って、魔法の可逆性とかを高次元ホモトピー理論文脈議論できるんや。

最後に、魔法エネルギー保存をシンプレクティック幾何学の枠組みで考えると、エネルギーの変化をシンプレクティック多様体上のハミルトニアン力学系として解析できるんや。シンプレクティック形式 ω を使って、エネルギー E の時間変化を考慮すると、ハミルトン方程式が出てきて、これが魔法の持続時間効果を決定するんや。ほんまに、魔法って物理的にも数学的にも奥が深いわ。

今日はこんなことを考えながら、また一日が過ぎていったわ。魔法のことを考えると、なんや心が落ち着くんや。ほんまに不思議なもんやなぁ。

2024-08-05

意識数理モデルの具体化

1. 抽象状態空間

Ωを仮に100次元の実ベクトル空間R^100とする。各次元特定の神経活動パターン対応する。

Ω = {ω ∈ R^100 | ||ω||₂ ≤ 1}

ここで||・||₂はユークリッドノルムである。τは標準的ユークリッド位相とする。

2. 一般観測作用素

観測Oを10100の実行列として定義する。

O : Ω → Ω

O(ω) = Aω / ||Aω||₂

ここでAは10100の実行列で、||Aω||₂ ≠ 0とする。

3. 一般エントロピー汎関数

シャノンエントロピー連続版を使用して定義する:

S[ω] = -∫Ω p(x) log p(x) dx

ここでp(x)はωに対応する確率密度関数である

4. 観測によるエントロピー減少の公理

任意観測Oに対して以下が成立する:

S[O(ω)] ≤ S[ω] + log(det(AA^T))

5. 抽象力学系

非線形常微分方程式系として定式化する:

dω/dt = F(ω) + G(ω, O)

F(ω) = -αω + β tanh(Wω)

G(ω, O) = γ(O(ω) - ω)

ここでα, β, γは正の定数、Wは10100の重み行列tanhは要素ごとの双曲線正接関数である

6. 一般情報幾何

フィッシャー情報行列を導入する:

g_ij(ω) = E[(∂log p(x|ω)/∂ω_i)(∂log p(x|ω)/∂ω_j)]

ここでE[・]は期待値、p(x|ω)は状態ωでの条件付き確率密度関数である

7. 抽象量子化

状態ωに対応する波動関数ψ(x)を定義する:

ψ(x) = √(p(x)) exp(iθ(x))

ここでθ(x)は位相関数である

8. 一般統合情報理論

統合情報量Φを以下のように定義する:

Φ[ω] = min_π (I(X;Y) - I(X_π;Y_π))

ここでI(X;Y)は相互情報量、πは可能な分割、X_πとY_πは分割後の変数である

9. 普遍的学習

勾配降下法を用いて定式化する:

ω_new = ω_old - η ∇L(ω_old, O)

L(ω, O) = ||O(ω) - ω_target||₂²

ここでηは学習率、ω_targetは目標状態である

10. 抽象因果構造

有向非巡回グラフ(DAG)として表現する:

G = (V, E)

V = {v_1, ..., v_100}

E ⊆ V × V

各頂点v_iはω_iに対応し、辺(v_i, v_j)はω_iからω_jへの因果関係を表す。

実装例:

このモデルPythonとNumPyを用いて以下のように実装できる:

import numpy as np
from scipy.stats import entropy
from scipy.integrate import odeint
import matplotlib.pyplot as plt

class ConsciousnessModel:
    def __init__(self, dim=100):
        self.dim = dim
        self.omega = np.random.rand(dim)
        self.omega /= np.linalg.norm(self.omega)
        self.A = np.random.rand(dim, dim)
        self.W = np.random.rand(dim, dim)
        self.alpha = 0.1
        self.beta = 1.0
        self.gamma = 0.5
        self.eta = 0.01

    def observe(self, omega):
        result = self.A @ omega
        return result / np.linalg.norm(result)

    def entropy(self, omega):
        p = np.abs(omega) / np.sum(np.abs(omega))
        return entropy(p)

    def dynamics(self, omega, t):
        F = -self.alpha * omega + self.beta * np.tanh(self.W @ omega)
        G = self.gamma * (self.observe(omega) - omega)
        return F + G

    def update(self, target):
        def loss(o):
            return np.linalg.norm(self.observe(o) - target)**2
        
        grad = np.zeros_like(self.omega)
        epsilon = 1e-8
        for i in range(self.dim):
            e = np.zeros(self.dim)
            e[i] = epsilon
            grad[i] = (loss(self.omega + e) - loss(self.omega - e)) / (2 * epsilon)
        
        self.omega -= self.eta * grad
        self.omega /= np.linalg.norm(self.omega)

    def integrated_information(self, omega):
        def mutual_info(x, y):
            p_x = np.abs(x) / np.sum(np.abs(x))
            p_y = np.abs(y) / np.sum(np.abs(y))
            p_xy = np.abs(np.concatenate([x, y])) / np.sum(np.abs(np.concatenate([x, y])))
            return entropy(p_x) + entropy(p_y) - entropy(p_xy)
        
        total_info = mutual_info(omega[:self.dim//2], omega[self.dim//2:])
        min_info = float('inf')
        for i in range(1, self.dim):
            partition_info = mutual_info(omega[:i], omega[i:])
            min_info = min(min_info, partition_info)
        
        return total_info - min_info

    def causal_structure(self):
        threshold = 0.1
        return (np.abs(self.W) > threshold).astype(int)

    def run_simulation(self, steps=1000, dt=0.01):
        t = np.linspace(0, steps*dt, steps)
        solution = odeint(self.dynamics, self.omega, t)
        self.omega = solution[-1]
        self.omega /= np.linalg.norm(self.omega)
        return solution

    def quantum_state(self):
        phase = np.random.rand(self.dim) * 2 * np.pi
        return np.sqrt(np.abs(self.omega)) * np.exp(1j * phase)

# モデル使用model = ConsciousnessModel(dim=100)

# シミュレーション実行
trajectory = model.run_simulation(steps=10000, dt=0.01)

# 最終状態の表示
print("Final state:", model.omega)

# エントロピー計算
print("Entropy:", model.entropy(model.omega))

# 統合情報量の計算
phi = model.integrated_information(model.omega)
print("Integrated Information:", phi)

# 因果構造の取得
causal_matrix = model.causal_structure()
print("Causal Structure:")
print(causal_matrix)

# 観測の実行
observed_state = model.observe(model.omega)
print("Observed state:", observed_state)

# 学習の実行
target_state = np.random.rand(model.dim)
target_state /= np.linalg.norm(target_state)
model.update(target_state)
print("Updated state:", model.omega)

# 量子状態の生成
quantum_state = model.quantum_state()
print("Quantum state:", quantum_state)

# 時間発展の可視化
plt.figure(figsize=(12, 6))
plt.plot(trajectory[:, :5])  # 最初の5次元のみプロット
plt.title("Time Evolution of Consciousness State")
plt.xlabel("Time Step")
plt.ylabel("State Value")
plt.legend([f"Dim {i+1}" for i in range(5)])
plt.show()

anond:20240804172334

2024-08-04

意識抽象数理モデル

1. 抽象状態空間

意識抽象的な位相空間Ωとして定義する。

Ω = (X, τ)

ここでXは点集合、τは開集合である

2. 一般観測作用素

観測をΩ上の連続写像Oとして定義する。

O : Ω → Ω'

ここでΩ'は観測後の状態空間であり、Ω'⊆Ωである

3. 一般エントロピー汎関数

状態ωに対するエントロピー汎関数Sで定義する。

S : Ω → ℝ

S[ω] = -∫ f(ω(x)) dx

ここでfは適切な凸関数である

4. 観測によるエントロピー減少の公理

任意観測Oに対して以下が成立する。

S[O(ω)] ≤ S[ω]

5. 抽象力学系

意識時間発展を抽象力学系として定式化する。

dω/dt = F[ω] + G[ω, O]

ここでFは自律的発展、Gは観測の影響を表す汎関数である

6. 一般情報幾何

状態空間Ωに情報計量gを導入する。

g_ij(ω) = ∂²S[ω] / (∂ω_i ∂ω_j)

7. 抽象量子化

古典的状態空間Ωの量子化Q(Ω)を定義する。

Q : Ω → H

ここでHは適切なヒルベルト空間である

8. 一般統合情報理論

統合情報量Φを抽象的に定義する。

Φ[ω] = min_π I[ω : π(ω)]

ここでπは可能な分割、Iは相互情報量一般である

9. 普遍的学習

観測に基づく状態更新普遍的規則を定式化する。

ω_new = ω_old + η ∇_g L[ω, O]

ここで∇_gは情報計量gに関する勾配、Lは適切な損失汎関数である

10. 抽象因果構造

意識状態間の因果関係を有向グラフGで表現する。

G = (V, E)

ここでVは頂点集合(状態)、Eは辺集合(因果関係)である

まとめ

このモデルは、意識特性についての仮説である。「観測能力」と「エントロピー減少」を一般化された形で捉えている。具体的な実装解釈は、この抽象モデル特殊化として導出可能

課題としては、このモデルの具体化、実験可能予測の導出、そして計算機上での効率的実装が挙げられる。さらに、この枠組みを用いて、意識創発自己意識クオリアなどの問題にも着手できる。

2024-07-22

[] 動的一般均衡理論抽象拡張

1. 基本設定

経済表現する空間を E とし、これを局所位相線形空間とする。価格空間 P を E の双対空間 E* の部分集合とし、商品空間 X を E の部分集合とする。

2. 一般化された超過需要関数

Z: P × Ω → X を一般化された超過需要関数とする。ここで Ω は外生パラメータ空間である。Z は以下の性質を満たす:

(a) 連続性:Z は P × Ω 上で連続

(b) 一般化された同次性:任意の λ > 0 に対して Z(λp, ω) ≈ Z(p, ω)

ここで ≈ は適切に定義された同値関係

(c) 一般化されたワルラス法則:<p, Z(p, ω)> = 0

ここで <・,・> は E* と E の間の双対性を表す

(d) 境界条件:p が P の境界に近づくとき、||Z(p, ω)|| は無限大に発散

3. 価格調整メカニズム

価格の動的調整を表現するために、以下の無限次元力学系を導入する:

dp/dt = F(Z(p, ω))

ここで F: X → TP は C^1 級写像であり、TP は P の接束を表す。

4. 均衡の存在と安定性

定理1(均衡の存在):適切な位相的条件下で、Z(p*, ω) = 0 を満たす p* ∈ P が存在する。

証明の概略:KKM(Knaster-Kuratowski-Mazurkiewicz)の定理一般化した不動点定理を応用する。

 

定理2(局所安定性):p* の近傍 U が存在し、初期値 p(0) ∈ U に対して、解軌道 p(t) は t → ∞ のとき p* に収束する。

証明の概略:リャプノフ関数 V(p) = ||Z(p, ω)||^2 / 2 を構成し、V の時間微分が負定値となることを示す。

5. 不均衡動学

不均衡状態における経済主体の行動を記述するために、以下の最適化問題を導入する:

 

経済主体 i に対して、

最大化 U_i(x_i)

制約条件 <p, x_i> ≤ w_i + Σ_j p_j min{z_ij, 0}

 

ここで U_i は効用汎関数、w_i は初期富、z_ij は財 j に対する主体 i の超過需要である

6. 確率拡張

確率空間 (Ω, F, P) 上で、以下の確率微分方程式を考察する:

dp(t) = F(Z(p(t), ω))dt + σ(p(t), ω)dW(t)

ここで W(t) は適切な次元のウィーナー過程、σ はボラティリティ作用素である

7. 漸近解析

ε → 0 のとき、以下の特異摂動問題考察する:

ε dp/dt = F(Z(p, ω))

この解析により、短期的な価格調整と長期的な均衡の関係を明らかにする。

8. 一般化された不動点定理

定理3(一般化された不動点定理):P が局所位相線形空間 E の非空、凸、コンパクト部分集合であり、F: P → P が連続写像であるとき、F は不動点を持つ。

この定理を用いて、より一般的な経済モデルにおける均衡の存在証明できる。

 

定理 4: 漸近挙動定理

ε → 0 のとき、特異摂動問題 ε dp/dt = F(Z(p, ω)) の解の漸近挙動は、元の動的システムの長期的均衡と一致する。

2024-07-05

制限を増やす自由が増えることがある

自由ってそもそも定義が何だって話なんだけど、ここでは仮に行動の制約が少ないこととするね

で、そうするとどうなるのか

まずわかりやすいのがインターネットで、知ってる人は多いと思うけど、アクセス制限をしたいサイトには/etc/hostsってファイル記述して回避できんのよ

で、大の大人がなんでそんなことするかって言ったら、そのサイトにあまりにも時間が取られて不自由になってるからなんだよね

このパラドックスわかるかな?

まりね、一見すると自由を減らすための行為であるアクセス制限」という行為が、中毒を減らすことによってかえって自由を増やしてるってこと

言い換えると、中毒が新しい制約になっちゃってるんだよね

まり「なんでもかんでも制限をとっぱらえば、自由が最大化できるのか」っていうとそうでもないって話

いうなれば、正しい制約が存在すると、かえって自由が増すんだぞってのがここでいいたいことね

Twitterで「言論の自由を増やすために、誹謗中傷もある程度許可する」という発想があるみたいだけど、それは真の言論の自由ではないんだよね

同じ論理適用すると、誹謗中傷を恐れて発言する人が減るから、その分の自由が失われるわけだよね

犯罪規制するのも同じ論理で、その犯罪許可することによって失われる権利(例えば自由)が存在するからこそ、法律存在するわけだよね

ちょっと難しい言葉を使うなら、一種力学系みたいなもので、力学系ってなにかって言うと、一定規則に沿って時間遷移するシステムのことね

まりアクセス制限する」という規則採用した場合とそうでない場合時間遷移を追うと、後者場合は「中毒」が現れやすくなって、結果的自由の数値が減少してるって話

しかし、ただ制限すればいいって問題じゃないのよ

まり正しく制限を行わないと、別の代替品の費用がかかって不自由が増すこともある

で、この観点誹謗中傷自由関係を捉え直すとどうなるか

かに特定個人について誹謗中傷すれば、それは逮捕だろう

しか匿名不特定多数人間攻撃を行った場合は、かえってそれが憂さ晴らしになっている可能性がある

結果的に、重大な犯罪が起こることもなく、ある種の生贄を捧げるだけで済むようになっている

と、似たようなことをYoutubeで言ってる人を見たんだけどね、俺はそれには納得できないなぁ

そもそも憎悪憎悪を見ることで増大する性質を持っていると俺は思ってる

低能先生事件を起こしてしまったなら、生贄で憂さ晴らしして安全性を保つという発想が大した役割をしていなかったってことだな

この意味で俺は、「実名性」という制約を付け足せば、自由が増加すると考えている

実名個人攻撃したことによる誹謗中傷犯罪となるから誹謗中傷を見つけたらすぐに警察にでも通報するか、訴えればいいからね

まり実名であれば、正当化できる攻撃存在しなくなり、結果的憎悪憎悪を生み出すことも減り、投稿がしやすくなり、自由が増えるということ

でも匿名での投稿を法的に規制しても、児童ポルノと同レベルの重罪に問わないと抜け穴が出るだろうね、Torサーバー立ち上げるとかね

から匿名ダイアリー」は自由でもなんでもなく、不自由な場であると俺は言っておくね

実名で発信すれば、仮に誹謗中傷されても訴えることが可能だけど、匿名だったら誰がIDを見てるかわからないし、叩かれ放題だから

ただし「実名という制限を課せば、その分自由に発信できるようになる」という考えは、

あくまでも発信内容が恥ずかしくない正当な場合だけで、陰口とか暴言とか書くなら発信しないほうがいいよ

それは君に人格上の問題があるからまずは人格問題を直してね

 

追記:

陰口、暴言を書く人間人格上の問題があるというのは単なる事実なので理解してね

追記:

誰でも楽しく日記を書けるサイトで長文を書いただけなのに、「スクロールが疲れる」とかいいちゃもんをつけるのはやめてね

2024-06-11

[] 経済理論への力学の導入

問題: 価格調整を含むように、一般均衡理論拡張せよ。

 

経済学において、均衡価格の静的理論ワルラスによって始められ、アローとドブリューにより確立された。

単一市場からなる簡明な場合需要供給方程式で表され、自然力学が容易に分かるが、複数市場に関する状況は複雑である

需要過剰は、価格なす空間から商品なす空間への関数Z(p)=D(p)-S(p)と考えられる。

ここでDとSはともに個々の行為の合成によって決定されている。

このとき経済学個人の振る舞いに関する諸条件に根拠を与え、それらの条件はZの持つべ諸公理を導く。

すなわち Z: R_{+}^{l} → R^{l} が需要過剰写像であるとは、次の公理を満たすZを言う。

これにより、Zは境界を含まない正の象限と(l-1)次元球面との共通部分上のベクトル場とみなせる。

均衡価格ベクトル、つまりZ(p^{*}) = 0となるベクトルp^{*}の存在ホップ定理から導かれる。

この問題は、価格ベクトル状態とする力学モデルを探すということである

この理論現存する均衡理論と両立しなくてはならない。

理想的なのは経済行為者の個々の行為によって決定される価格時間発展をも含むことである

2024-04-08

[] 賃金物価スパイラル悪循環を続けるか

賃金物価スパイラルとは、まず何らかの原因でインフレが生じ、物価高が生まれます。その後、実質賃金物価に見合わないので、賃上げ圧力が生じ、賃上げします。企業としては賃金コストなので、生産性が向上しないままコストだけ増加すると、それを補う形で財・サービスへの価格転嫁します。するとまた実質賃金が低下するので、その繰り返しが生じます

これはコストプッシュインフレの一つの形態です。賃金プッシュインフレと言います。通常、この種のインフレは「悪いインフレ」と言われ、国の豊かさが低下しているのに物価が高まっています。この状態スタグフレーションと呼びます

インフレが生じた原因については色々ありますが、ロシアウクライナ問題において原油価格が高騰していることだけが問題ではありません。コロナ禍で政府財政政策を行うことでマネーサプライが増えたことがインフレの大きな要因です。

近年の経済学は、理論よりも実証分析が盛んです。経済の状況などを保存したデータベースからエピソード」を検索します。例えばこの場合歴史的賃金価格スパイラルが生じた例を調べるわけです。そして、そのエピソード複数シナリオとして分岐することがわかるでしょう。スパイラル継続して実質賃金が低下していったエピソードスパイラル継続しなかったエピソードスパイラル継続されたが実質賃金回復したエピソードなどです。

これらのエピソードにおいて、どれが2024-04-07時点のケースとして再現するのか、全くわかりません。以下の記事では、実際にエピソード分析されていますが、結論として「過去エピソード再現すると考えるのは時期焦燥」と述べています

"It is still too early to say whether the immediate future will replicate these patterns." https://cepr.org/voxeu/columns/wage-price-spirals-historical-evidence

そもそもインフレによって社会はどのようなコストを支払うことになるのでしょうか。

まずインフレするということは、貯金などの資産価値が減っていくことを意味します。つまり国家の富の総量が低下します。デフレ下では貯金という選択肢比較安全資産管理方法でしたが、インフレになるとこれらの資産価値が下がり、同じ貯金の額で買える物の数が減っていきます

日本世界有数の債権国である」と言われましたが、それはデフレ円高だったからです。円安になり、賃金価格スパイラル継続すれば、債権者不利益を被るでしょう。確かに借金をする人は借金を返しやすくなるのがインフレの良いところで、設備投資などもしやすくなりますが、債権者にとっては不利な結果になります

そしてインフレ下では、労働組合賃上げ圧力が増し、先鋭化します。「実質賃金物価に追いつかない」といって、賃金を上げるように交渉することになるでしょう。

ここで一つ質問がありますが、名目賃金賃上げ企業物価転嫁引き起こし物価高を生んでいるのであれば、「賃上げインフレの原因であり、実質賃金低下の原因である」といえるでしょう。それなのに、なぜ「追いつけ追いつけ」と賃上げをするのでしょうか。

経済学的には、適切な賃上げ生産性の向上分に限定する必要があるでしょう。生産性向上分を賃上げに当てれば、企業価格転嫁する必要が無いからです。つまり現在賃金物価スパイラルによる「悪循環」は、生産性上昇分を超える賃上げをしてしまっているのです。

では、生産性とはなんでしょうか。計算式は色々ありますが、アウトプットインプットで割ったものとして定義されますアウトプット収益インプットコストです。コスト労働投資設備投資などがあります。つまりこれは利潤=収益コストという計算式を分数の形に置き換えたものです。

近年の技術進歩しているので、企業生産性を上げるためには、人よりも設備投資したほうが合理的であると考えるでしょう。そこで賃上げ対処するには、まず設備投資生産性向上を、というわけです。実際、設備投資が増えているという統計存在します。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA123100S4A310C2000000/

賃上げしなければならない、そのためには生産性を上げる必要がある、そのためには設備投資をする必要がある、生産性が上がれば物価転嫁をする必要がなくなる、というわけです。

このような「力学系(時間とともに変化するシステム)」が存在するので、実質賃金が今後回復するのかどうかについて、なかなか現時点では判断が難しいというわけです。実質賃金平行線をたどる可能性も、低下していく可能性も、上がる可能性もあるのです。

いくつかの経済論文では、賃金物価スパイラルにおいて「初期に実質賃金が低下し、その後回復する」と述べていますが、再現性については疑問が残ります

"The real wage falls early on and recovers later." https://economics.mit.edu/sites/default/files/inline-files/WagePriceSpirals.pdf

2024-02-23

不滅の経済・クソ焦ってる囚人達を済民

あるいは、既存研究調査能力の著しく低い223人のエセインテリブクマカ

「答」としての追記

人間市場の全情報を持ってて最適な行動を取ってれば予測はできるんじゃね?(昔は絵空事だったけど今はコンピューターかい人民を苦しめるためのうるさ過ぎる箱があるのでギリいける)

情弱エージェントたるお前らが最適な行動を取れるわけではないので、効率的な均衡を取れないって感じだね。この世はめっちゃくちゃ焦ってる囚人ゲーム囚人だらけでめちゃくちゃ。

経済市場におけるカオス現象とそのリスクの馴化.PDF

Cournot モデルに, 価格及び費用非線形構造, 情報の不完全性や遅れ,学習等を加味することにより, 複占・寡占エージェントの動学モデルを構築し, 市場が複雑に振舞うことが示されている.([Puu1991], [Puu 2003], [Kopel 1991]).

(略)

効率的な均衡を外れ予測不能な変動を

続けるカオス状態分岐してしま

いやこんなクソ古い上に廃れた理論持ち出すのも変だけど、お前らは何一つ引用してこないのな←よく読んだらまあまあいた。もっと星つけて目立たせといて

本気で人生せ?野比

本文

貨幣人間が作り出した。経済人間が形作っている。では、なぜだれにも予測できない?

多分、お金経済も、人にやる気を出させる作用があるという点に理由があるんじゃないか

米軍には「チャレンジコイン」って制度があるらしくて、「褒章叙勲するまでには至らない程度の功績があった隊員への謝礼」なんだと。だから金銭的には価値が薄い。でももらったら絶対嬉しい。貨幣経済を一瞬でなくしたとしても、こういう「褒め」と、それを形にして交換する制度は出現するはず。

思うのが、経済人間に作られるのを待っていた概念なのでは?遺伝子があたか宿主を操っているかのように見えるのと同様、経済人間を操る高次元概念

お前らこんな寝ぼけた話でよく盛り上がれるのう暇なんかアホ働け

なんで俺の渾身のインモラル詩はバズらんでこんなカオス理論(古っ!古典じゃこんなもん)で散々語り尽くされた話、弄んでるんだ

なんか追記書いてる間にまともなコメントが増えた

関係する人間の数が多すぎるからだよ。

人間なんて自分身体すら思い通りにいかない生き物なのに、何故コントロール可能だと?

漫画ハイパーインフレーション」読もうぜ!

自分たちで植林した杉の木さえ制御できずに花粉症で苦しんでいる人間がいるんだよ。いわんや非線形創発現象制御なんて夢のまた夢。

あざすよんどきます

学術的な議論に触れたければ「社会主義経済計算論争」

幼い頃の自分はこれが言いたかったんだわあざすあざす。文系なのに頭いいんすね?バグ

疎外(独Entfremdung、英alienation)の一語で済む話。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%96%8E%E5%A4%96

話題をむやみに広げたので色んな分野からツッコミが来とるわ中野バスターミナルくらい知識が交差しとる

知った被って馬鹿尊敬されつつまともなやつに馬鹿にされてる中田敦彦みたいなインフルエンサー中田敦彦とか)の気持ちが分かったわ

群体

群体が云々のトップコメ言いたいことは結構分かる(んだけど経済学で一般に言われてることではないよね?)。でも生物学の群体は全体として自分がやってることが分かって生活してるから制御できてんだよな。

群体をつくるヒドロ虫

群体とは,無性生殖自分と同じ遺伝子を持つ分身をつくること)によって,殖えた個体どうしが体の一部などでつながりあって生きている生活の形です.

あとこれ→群体性と個体性

複雑系経済学の資料

カオス理論自体説明を含んだまとめっぽいやつ

カオスと経済動学一理論と応用.PDF

複雑系経済学の現在(2004くらい)

↓すまん引用元忘れた

最大リアプノフ指数力学系のアトラクタが 示す軌道不安定性を定量化する指標である

2023-12-07

[] 環境経済数学を学ぶステップ

数理モデリングの基礎を学んだあとで力学系に興味を持つと、自然な流れとして数理生物学という応用に興味を持つ。

典型的な応用が人間の漁獲や伐採を含めた生態系分析というものがあり、これは資源が持続可能性を持つための収穫量を見極める際に判断根拠となる。

しか歴史的に見て人口キャパティ分析する流れは、人類出生率・死亡率をコントロールするという発想に行き着き、倫理的な面で危険施策秘密裏に考案される事が多い。

2023-10-04

[] 経済数学

昨日はFaddeevから少し離れてダニエルフライシュという人のシュレーディンガー方程式について書かれた本を読み終えました。

またTwitterの使い方に関してですが、本当に興味のあるトピックについてつぶやく人か、あるいは自分フォローしてくれる人以外はアンフォローしたほうがよいと思いました。

というのもあらゆる政治ツイートを見ていると、ドーパミン製造機のようになってしまうのです。

政治ツイートは、特に経済的ものは間違いが散見されます。するとついついツッコみたくなるのです。

例えば、インフレというトピックがあるとします。主な要因は、原油価格財政政策金融政策賃上げによるものです。

一部の人が、「金を刷れば刷るほど無尽蔵に豊かになる」などと言っている度に、貨幣価値の話とその方法で失敗した国の話、インフレターゲットの話をしなければならなくなります

本当に経済について間違いを指摘したいなら、ちゃんとした長文でまとめておいた方がよいと思いますが、そのような情報ならインターネット上にあるでしょう。

しか問題なのは政治経済情報は玉石混合なのです。正しいことをいう人はいますが、間違ったことをいう人もたくさんいます。そして価値判断問題もあります

とりわけ、マクロ経済と呼ばれる分野において混乱が生じているように思えます

ミクロ経済であれば、すでに数学手法確立されており、今後100年経っても教科書数学手法自体は変わらないでしょう。

しかマクロ経済に至っては、経済現象因果推論が雑に行われており、理論の前提に問題が生じているケースというのがあると思うのです。

経済にはポジティブな側面もあります超弦理論が新しい数学を生み出すように、経済現象ゲーム理論確率微分方程式力学系などの数学を生み出すのです。

私が経済インチキを見る時、そこから政治感情を抜き去り、抽象化を施して、数学というドメインに変換すれば冷静になれると思うわけです。

2023-02-08

[]シュレーディンガーの猫のいくつかの解釈

シュレーディンガーアインシュタインに宛てて、量子力学コペンハーゲン解釈の重大な欠陥を明らかにするために、架空実験装置を作った。この解釈では、量子系は外部の観測者と相互作用するまで、2つ以上の状態の重ね合わせに留まるとされる[1]。

この効果を、原子というミクロ世界特殊性として片付けることはできるかもしれないが、その世界が、テーブル椅子、猫といったマクロ日常世界に直接影響を及ぼすとしたらどうだろうか。シュレーディンガー思考実験は、それを明らかにすることで、量子力学コペンハーゲン解釈不条理を明らかにしようとした。 粒子が重ね合わされた状態にあることは、一つの事実だ。しかし猫はどうだろう。猫はどちらか一方にしかさないし、死んだり生きていたりもしない。

ガイガーカウンターの中に、ほんの少しの放射性物質が入っていて、1時間のうちに原子の1つが崩壊するかもしれないが、同じ確率で1つも崩壊しないかもしれない。このシステム全体を1時間放置しておくと、その間、原子崩壊していなければ、猫はまだ生きていると言うだろう。システム全体のΨ関数(波動関数)は、その中に生きている猫と死んだ猫(表現は悪いが)が等しく混ざり合っていることで、このことを表現している。

この思考実験意味合いについては、多くの現代的な解釈や読み方がある。あるものは、量子力学によって混乱した世界に秩序を取り戻そうとするものである。また、複数宇宙複数の猫が生まれると考えるものもあり、「重ね合わせられた猫」がむしろ平凡に見えてくるかもしれない。

 

1. シュレーディンガーのQBist猫について

通常の話では、波動関数は箱入りのネコ記述する。QBismでは、箱を開けたら何が起こるかについてのエージェントの信念を記述する。

例えば、Aさんがギャンブラーだとしよう。ネコの生死を賭けたいが、量子波動関数が最も正確な確率を与えてくれることを知っている。しかし、世の中には波動関数のラベルがない。自分で書き留めなければならない。自由に使えるのは、Aさん自身過去の行動とその結果だけである。なので結果として得られる波動関数は、独立した現実を反映したものではない。世界がAさんにどう反応したかという個人的歴史なのだ

今、Aさんは箱を開けた。死んだ猫、あるいは生きている猫を体験する。いずれにせよ、Aさんは自分の信念を更新し、将来の出会いに期待するようになる。他の人が不思議な「波動関数崩壊」と呼ぶものは、QBistにとっては、エージェント自分の 賭けに手を加えることなのだ。

重ね合わせを形成するのはエージェントの信念であり、その信念の構造から猫について何かわかる。なぜなら、波動関数は、エージェントが箱に対して取り得るすべての行動(相互排他的な行動も含む)に関する信念をコード化しており、Aさんの信念が互いに矛盾しない唯一の方法は、測定されていない猫に固有の状態が全く存在しない場合からである

QBistの話の教訓は,ジョン・ホイーラーの言葉を借りれば参加型宇宙であるということである

 

2. ボーミアンについて

量子力学コペンハーゲン解釈によれば、電子のような量子粒子は、人が見るまで、つまり適切な「測定」を行うまで、その位置を持たない。シュレーディンガーは、もしコペンハーゲン解釈が正しいとするならば、電子に当てはまることは、より大きな物体特に猫にも当てはまることを示した:猫を見るまでは、猫は死んでいないし生きていない、という状況を作り出すことができる。

ここで、いくつかの疑問が生じる。なぜ、「見る」ことがそんなに重要なのか?

量子力学には、ボーム力学というシンプルでわかりやすい版があり、そこでは、量子粒子は常に位置を持っている。 猫や猫の状態についても同様だ。

なぜ物理学者たちは、シュレーディンガーの猫のような奇妙でありえないものにこだわったのだろうか?それは、物理学者たちが、波動関数による系の量子的な記述が、その系の完全な記述に違いないと思い込んでいたかである。このようなことは、最初からあり得ないことだと思われていた。粒子系の完全な記述には、粒子の位置も含まれるに違いないと考えたのである。 もし、そのように主張するならば、ボーミアン・メカニクスにすぐに到達する。

 

3. 知識可能性について

シュレーディンガーの猫の本当の意味は、実在論とは何の関係もないと思う人もいる。それは、知識可能性と関係があるのだ。問題は、量子世界が非現実であることではなく、量子系を知識対象として安定化できないことである

通常の知識論理では、私たち質問とは無関係に、知るべき対象がそこに存在することが前提になる。しかし、量子の場合、この前提が成り立たない。量子力学的なシステムに対して、測定という形で問いを投げかけると、得られる答えに干渉してしまう。

 

4. 反実仮想的な本質

シュレーディンガー実験には、3つの基本的意味がある。

これらの本質的な特徴は「反実仮想」であり、何があるかないか現実)ではなく、何が可能不可能かについてである。実際、量子論の全体は反実仮想の上に成り立っている。反実仮想性質は、量子論運動法則よりも一般的であり、より深い構造を明らかにするものからだ。

量子論後継者は、運動法則根本的に異なるかもしれないが、反実仮想性質を示すことで、重ね合わせやエンタングルメントさらには新しい現象可能になるだろう。

シュレーディンガーは、仮想的な猫の実験で何を言いたかったのだろうか?現在では、シュレーディンガーは、量子論は、猫が死んでも生きてもいない浮遊状態にある物理可能性を示唆していると主張したと一般に言われている。しかし、それは正反対であるシュレーディンガーは、そのようなことは明らかに不合理であり、そのような結果をもたらす量子論理解しようとする試みは拒否されるべきであると考えたのである

シュレーディンガーは、量子力学波動関数は、個々のシステムの完全な物理記述提供することはできないと主張したアインシュタイン-ポドロスキー-ローゼン論文に反発していたのであるEPRは、遠く離れた実験結果の相関関係や「spooky-a-distance(不気味な作用)」に着目して、その結論を導き出したのである

シュレーディンガーは、2つの前提条件と距離効果とは無関係に、同じような結論に到達している。彼は、もし1)波動関数が完全な物理記述提供し、2)それが「測定」が行われるまで常に彼自身シュレーディンガー)の方程式によって進化するなら、猫はそのような状態に陥る可能性があるが、それは明らかに不合理であることを示したのだ。したがって、ジョン・ベル言葉を借りれば、「シュレーディンガー方程式によって与えられる波動関数がすべてではないか、あるいは、それが正しくないかのどちらか」なのである

もし、その波動関数がすべてでないなら、いわゆる「隠れた変数」を仮定しなければならない(隠れていない方が良いのだが)。もし、それが正しくないのであれば、波動関数の「客観的崩壊」が存在することになる。以上が、Schrödingerが認識していた量子力学形式理解するための2つのアプローチである。いわゆる「多世界解釈は、1も2も否定せずにやり過ごそうとして、結局はシュレーディンガー馬鹿にしていた結論に直面することになる。

 

5. 波動関数実在論について

シュレーディンガーの例は、量子システムの不確定性をミクロ領域に閉じ込めることができないことを示した。ミクロな系の不確定性とマクロな系の不確定性を猫のように絡ませることが考えられるので、量子力学ミクロな系と同様にマクロな系にも不確定性を含意している。

問題は、この不確定性を形而上学的(世界における)に解釈するか、それとも単に認識論的(我々が知っていることにおける)に解釈するかということであるシュレーディンガーは、「手ぶれやピンボケ写真と、雲や霧のスナップショットとは違う」と指摘し、量子不確定性の解釈はどちらも問題であるとした。量子もつれは、このように二律背反関係にある。

ベルが彼の定理実験的に検証する前、量子力学技術が発展し、もつ状態実在性を利用し、巨視的なもつシステムを作り出す技術が開発される前、形而上学的な雲のオプションテーブルから外されるのが妥当であった。しかし、もしもつれが実在するならば、それに対する形而上学的な解釈必要である

波動関数実在論とは、量子系を波動関数、つまり、死んだ猫に対応する領域と生きた猫に対応する領域で振幅を持つように進化しうる場と見なす解釈アプローチであるシュレーディンガーが知っていたように、このアプローチを真面目に実行すると、これらの場が広がる背景空間は、量子波動関数自由度を収容できる超高次元空間となる。

 

6. 超決定論について

不変集合論IST)は、エネルギーの離散的性質に関するプランク洞察を、今度は量子力学状態空間に再適用することによって導き出された量子物理学のモデルであるISTでは、量子力学連続ヒルベルト空間が、ある種の離散的な格子に置き換えられる。この格子には、実験者が量子系に対して測定を行ったかもしれないが、実際には行わなかったという反実仮想世界存在し、このような反実仮想世界は格子の構造矛盾している。このように、IST形式的には「超決定論」であり、実験者が行う測定は、測定する粒子から独立しているわけではない。

ISTでは、ISTの格子上にある状態は、世界アンサンブル対応し、各世界状態空間特別な部分集合上で進化する決定論的系である非線形力学理論に基づき、この部分集合は「不変集合」と呼ばれる。格子の隙間にある反実仮想世界は、不変集合上には存在しない。

アインシュタインは、量子波動関数は、不気味な距離作用や不確定性を持たない世界アンサンブル記述していると考えていたが、これは実現可能である特にシュレーディンガーの猫は、死んでいるか生きているかのどちらかであり、両方ではないのだ。

 

7. 関係量子力学について

シュレーディンガーの猫の寓話に混乱をもたらしたのは、物理システムが非関係的な性質を持つという形而上学仮定である。 もし全ての性質関係であるならば、見かけ上のパラドックスは解消されるかもしれない。

猫に関しては、毒が出るか出ないか、猫自身が生きているか死んでいるかであるしかし、この現象は箱の外にある物理系には関係ない。

箱の外の物理系に対しては、猫が起きていても眠っていても、猫との相互作用がなければその性質は実現されず、箱と外部系との将来の相互作用には、原理的に、猫がその系に対して確実に起きていたり確実に眠っていたりした場合には不可能だった干渉作用が含まれ可能性があるからだ。

まり波動関数崩壊」は、猫が毒と相互作用することによって、ある性質が実現されることを表し、「ユニタリ進化」は、外部システムに対する性質の実現確率進化を表すのである。 これが、量子論関係論的解釈における「見かけのパラドックス」の解決策とされる。

 

8. 多世界

物理学者たちは古典物理学では観測された現象説明できないことに気づき量子論現象論的法則発見された。 しかし、量子力学科学理論として受け入れられるようになったのは、シュレーディンガー方程式を考案してからである

シュレーディンガーは、自分方程式放射性崩壊の検出などの量子測定の解析に適用すると、生きている猫と死んでいる猫の両方が存在するような、複数の結果が並列に存在することになることに気づいた。実はこの状況は、よく言われるように2匹の猫が並列に存在するのではなく、生きている1匹の猫と、異なる時期に死んだ多数の猫が並列に存在することに相当する。

このことは、シュレーディンガーにとって重大な問題であり、量子測定中に量子状態崩壊することによって、量子系の進化記述する方程式としての普遍的有効性が失われることを、彼は不本意ながら受け入れた。崩壊は、そのランダム性と遠方での作用から、受け入れてはならないのだろうか。その代わりに、パラレルワールド存在が示されれる。これこそが、非局所的な作用回避し、自然界における決定論を守る一つの可能である

[1] https://en.wikipedia.org/wiki/Schr%C3%B6dinger%27s_cat

2014-04-21

円城塔もっと楽しむためのノンフィクションはこれだ!

SFもっと楽しむための科学ノンフィクションはこれだ! http://d.hatena.ne.jp/huyukiitoichi/20140417/1397744529 を受けて10冊選んでみました。

「『現実とはなにか』という認識が変わっていく」ような本はありません。

言語

ヨーロッパにおける完全言語を求める歴史を扱った『完全言語の探求』と多くのプログラミング言語設計者へのインタビューをまとめた『言語設計者たちが考えること』は、あまり読者が重なっていない気がしますが、円城塔きっかけにして両方読んでみるのもいいのではないでしょうか。

つぎの著者につづく」(『オブ・ザ・ベースボール』収録)の冒頭で語られるエピソードが『完全言語の探求』から引いたものであることは単行本収録時に追加された注で明示されていますし、「道化師の蝶」に出てくる無活用ラテン語についても『探求』で触れられています

一方『言語設計者たちが考えること』については、読書メーターで「小説を書く人も読むと良い」(2010年12月10日)とコメントしていて、『本の雑誌』の連載でも取り上げています(2011年11月言葉を作る人たち」)。また『本の雑誌』の連載では『言語設計者たち』以外にも時々プログラミング言語言語処理についての本が取り上げられています

最近連載のはじまった「プロローグ」(『文學界掲載)も今のところ、より望ましい文字の扱いや処理についての話をしているので、いささか強引な解釈ですが『完全言語の探求』『言語設計者たちが考えること』と繋がっている小説です。

翻訳

ロシア語作家として出発しアメリカ亡命後に英語作家に転身したナボコフは、自分自身の書いた文章を別の言語翻訳する「自己翻訳」を相当数おこなっていますが、それを主題とした評論書です。

円城塔本人も語っていますが、「道化師の蝶」ではナボコフモチーフとして使われています。友幸友幸が「希代の多言語作家であることもナボコフへの参照のひとつでしょう(若島正は『乱視読者の新冒険』のなかでナボコフを「稀代の多言語作家」と形容しています)。その希代の多言語作家の「わたし」とそれを翻訳する「わたし」が重なるようで重ならない「道化師の蝶」の筋立てにも、同じ作品について作者と翻訳者の両方の役割を演じたナボコフの影が見出せます。また「道化師の蝶」の姉妹編といえる「松ノ枝の記」での、相互翻訳相互創作する2人の作家という設定も「自己翻訳」の変奏と見ることができるでしょう。こうした創作翻訳交錯する2編を再読する上でも、この評論書が良い補助線になるのでは。

読書メーターコメントは「素晴らしい」(2011年4月28日)。

数学 全般

最初期に書かれた『Self-Reference ENGINE』や「オブ・ザ・ベースボール」「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」(『虚構機関』収録)などに顕著ですが、円城塔小説には、掌編の積み重ね(積み重ならず?)によって全体の物語が作られるという構造がよく現れます。これは辞典を順番に読んでいく感覚ちょっと似ているかもしれません。『数学入門辞典』を読んでいると、たとえあまり数学に詳しくなくても、円城塔小説に対してしばしば言われる「よく分からないけど面白い」という感覚を味わえると思います。ただし、円城塔小説に出てくる数学用語がこの辞書に出てくるなどと期待してはいけません。

一家に一冊」だそうです。 https://twitter.com/rikoushonotana/status/402707462370758656/photo/1

数学 数学者

円城塔小説には数学者やそれに準ずる人が多く登場しますが、『史談』は数学者を語った本として真っ先に名前のあがる定番の名著です。著者は類体論確立したことあるいは解析概論の著者として知られる高木貞治。かの谷山豊はこの本を読んで数学者を志したそうです。

数学部分については河田敬義『ガウスの楕円関数高木貞治先生著"近世数学史談"より』という講義録があるくらいには難しいので適当飛ばしましょう。

考える人2009年夏号 特集日本科学者100人100冊」で円城塔が選んでいたのが高木貞治とこの本でした。

数学 モンスタームーンシャイン

ムーンシャイン現象は、『超弦領域』収録の「ムーンシャイン」の題材で、他に「ガーベジコレクション」(『後藤さんのこと』収録)にも単語だけですがモンスター群とコンウェイが出てきます(コンウェイは「烏有此譚」の注にも言及あり)。作品内に数学的ホラ話といった雰囲気がしばしばあらわれる円城塔にとって「怪物的戯言(モンスタラスムーンシャイン)」はいかにもな題材かもしれません。

ムーンシャインを扱った一般向けの本というとたぶん最初に『シンメトリーモンスター』が挙がるのですが翻訳が読みにくいし『シンメトリー地図帳』にはあまり説明がなかった気がするので、この『群論』を挙げます

数学の専門書ですが、第4章「有限単純群の分類/Monsterとmoonshine」は読み物風の書き方になっています。ただし詳しい説明なしでどんどん話が進んでいくところも多く、きちんと理解するのは無理です(無理でした)。

第4章を書いている原田耕一郎はモンスター群の誕生にも関わりが深い人で、多くの文章モンスタームーンシャインについて触れているので、雑誌などを探せば難度的にもっと易しい文章が見つかるかもしれません。

数学 確率

円城塔小説には「オブ・ザ・ベースボール」のように確率についての言及もよく見られます。『数学セミナー』『数学のたのしみ』『科学』等で高橋陽一郎が書いた確率論についての諸入門解説記事、は探すのが面倒だと思われるので、もっと入手しやすいこの本を。

確率微分方程式で有名な伊藤清エッセイ集です。「確率」より「数学者」の項に置くのがふさわしい本ですが確率の本として挙げます

読書メーターコメントは「素晴らしい」(2010年10月24日)。

数学 力学系

やはり専門が力学系ということもあり、力学系関連もしばしば登場します。

本のタイトルを見て「力学系力学は違う」と指摘されそうですが、副題は「カオスと安定性をめぐる人物史」。力学系歴史に関する本です。実のところどんな内容だったか覚えていないのですが、「いわゆるこの方程式に関するそれらの性質について」(単行本未収録)で引用文献に挙がっているか大丈夫でしょう。

数学 ロジック

Nova 1』収録の「Beaver Weaver」をはじめ、ロジック(数学基礎論)関連も円城塔小説に頻出する素材です。

とりわけ計算可能性、ランダム性、busy beaver、コルモゴロフ複雑性……とあげてみると、まずはチャイティンの諸作が思い浮かびますが、あれはむやみに勧めていいタイプの本なのかちょっと疑問なので避けます読書メーターでは、最近出た『ダーウィン数学証明する』に対して「 チャイティンチャイティンによるチャイティンのためのいつものチャイティン」(2014年3月20日)とコメントしています

これという本が思い浮かばなかったので、いくらかためらいながらもこの本を挙げました。『メタマジックゲーム』か、あるいはヒネリも何もなく『ゲーデルエッシャーバッハ』でよかったのかもしれません。ただ『ゲーデルエッシャーバッハ』だけを読んでもほぼまちがいなく不完全性定理理解できないということはもっと周知されるべきじゃないかと思います

円城塔はこの本について「すごかった。(但し、かなりハード。)」(2011年3月27日)とコメントし、『本の雑誌』でも取り上げています(2012年10月ゲーデルさんごめんなさい」)。

初心者向きの本ではありませんが、不完全性定理について一席ぶつ前に読んでおくといいでしょう。


天体力学パイオニアたち』が上下巻なので、以上で10冊になります

別にノンフィクションを読まなくてもフィクションを楽しむことはできますが、ノンフィクションを読むことによって得られるフィクションの楽しみというのもまた楽しいんじゃないでしょうか。

追記: 小谷元子編『数学者が読んでいる本ってどんな本』に寄稿している13人のうちのひとりが円城塔なので、そちらも参照してみるとよいと思いますリストに挙げられている約50冊の本のうち半分くらいがノンフィクションです。上に挙げた本とかぶっていたのは『数学入門辞典』『天体力学パイオニアたち』『ゲーデル定理 利用と誤用の不完全ガイド』でした。また、はてブコメント言及のあったイエイツ『記憶術』もリストに入ってました。

2014-01-27

http://anond.hatelabo.jp/20140127175006

いやそんなもん俺だって理解してないけど。

でも「進化のために繁殖する」とか「強い遺伝子が生き残る」みたいな子供妄想みたいな単純な話ではないということは容易に想像できる。

統計力学では協同現象という物理が広く存在するけど、これは局所的な相互作用だけで全体的に協調的な動きをすることがあるということ。

鳥や魚の群れが一斉に同じ方向に動いたりするのを見ると、「単純な進化論」的な思考だと何か全体の意思があると思ったりするんだろうけど、

もちろんそんなものはなくて、単に各個体自分の近くの個体の動きに機械的に合わせてるだけ。

非線形力学系ではリミットサイクルというもんが存在して、あたかも何か意味ありげ構造的な運動が現れたりするけど、これも別にそれ自体

深淵意味があるというより、運動方程式非線形性がたまたまそういう形を成しただけで、違う形のリミットサイクルが(見えないだけで)

無数に存在したりする。

極端に単純化した物理モデルでもそれだけ複雑な構造が起こるわけで、不確実性が比べ物にならないほど大きくて複雑な生物システムでは何が起こるか

なんてどう考えても単純に言い表せるものではないだろうし、「進化」とか「強さ」とか分かったような顔して語れるものでは絶対に無いだろう。

非線形っつーもんはそのくらい致命的に複雑。人類非線形についてはまだほとんど何も知らないと言っていい。

2013-01-25

バタフライ効果」に噛みついてる人、非線形力学系について全然分かってなさそう

2010-01-14

http://anond.hatelabo.jp/20100114214951

専門かどうかとか、そういうレベルじゃないからwwwww

線形代数わかってない物理学科出身者みたいなもんだっつーのwwww

「いや僕は力学系なんで線形代数はちょっと」とか言う奴がいたら爆笑するだろwwww

あとどこにあるか忘れたけど線形コントロールかなんかのペーパー書いてるぞあいつwww

 
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