はてなキーワード: 均衡価格とは
1. 完備性: ∀x,y ∈ X, x ≿ y ∨ y ≿ x
2. 推移性: ∀x,y,z ∈ X, (x ≿ y ∧ y ≿ z) ⇒ x ≿ z
3. 連続性: ∀x ∈ X, {y ∈ X | y ≿ x} と {y ∈ X | x ≿ y} は閉集合
定理: 上記の公理を満たす選好関係 ≿ に対して、連続効用関数 u: X → ℝ が存在し、∀x,y ∈ X, x ≿ y ⇔ u(x) ≥ u(y)
ワルラス需要対応 x: ℝ_++^n × ℝ_+ ⇒ ℝ_+^n を以下で定義:
x(p,w) = {x ∈ X | p·x ≤ w ∧ ∀y ∈ X, p·y ≤ w ⇒ x ≿ y}
選好関係が連続かつ局所非飽和であれば、ワルラス需要対応は上半連続
1. 閉凸性: Y は閉凸集合
3. 非reversibility: Y ∩ (-Y) ⊆ {0} (無償の生産は不可能)
4. 無限の利潤機会の不在: Y ∩ ℝ_+^n = {0}
多重生産技術を表現する変換関数 T: ℝ_+^m × ℝ_+^n → ℝ を導入:
T(y,x) ≤ 0 ⇔ 投入 x で産出 y が技術的に可能
仮定:
証明の概略:
1. 超過需要関数 z: Δ → ℝ^n を定義 (Δは価格単体)
2. z の連続性を示す
3. Walras' law: p·z(p) = 0 を証明
4. Kakutani の不動点定理を適用: ∃p* ∈ Δ s.t. z(p*) ≤ 0
von Neumann-Morgenstern 効用関数の公理:
1. 完備性
2. 推移性
3. 連続性
4. 独立性: ∀L,M,N ∈ L, ∀α ∈ (0,1], L ≿ M ⇔ αL + (1-α)N ≿ αM + (1-α)N
定理: 上記の公理を満たす選好関係に対して、期待効用表現 V(L) = ∑_s π_s u(x_s) が存在
Choquet 期待効用:
V(f) = ∫ u(f(s)) dν(s)
定義 (相関均衡):
確率分布 μ ∈ Δ(A) が相関均衡であるとは、∀i, ∀a_i, a'_i ∈ A_i,
∑_{a_{-i}} μ(a_i, a_{-i})[u_i(a_i, a_{-i}) - u_i(a'_i, a_{-i})] ≥ 0
地方都市の需要低下と供給過剰の関係をミクロ経済学の基本的な需要曲線と供給曲線を用いて説明する。需要曲線 D(P) と供給曲線 S(P) を考えると、均衡価格 P* と均衡取引量 Q* は次の条件で決定される。
D(P*) = S(P*)
過疎化により需要が減少すると、需要曲線は左方へシフトする。新しい需要曲線を D'(P) とすると、均衡条件は以下のようになる。
D'(P') = S(P')
このとき、P' < P* および Q' < Q* となり、価格が低下し取引量も減少する。この現象は、人口減少によって需要が減少するために発生するものであり、需給関係が変動した結果として生じる自然なメカニズムである。矛盾ではなく、需給バランスに基づく合理的な結果である。
次に、企業が内部留保を増加させる理由を説明する。企業の投資選択は、期待される収益 E[Π] に依存する。デフレ期待が存在する場合、将来の価格水準 Pₜ₊₁ が現在の水準 Pₜ よりも低くなると予測されるため、期待収益は減少し、投資の限界効用も低下する。
デフレ期待が強い場合、将来の収益が現在の内部留保利率を下回る可能性が高くなるため、以下のように内部留保が優位に立つ。
これにより、企業は投資を控え、内部留保を優先する。内部留保が増加することで、流通する資金が減少するが、貨幣中立性により、景気は停滞しない。これは企業が合理的に行動した結果であり、教科書的なミクロ経済学においても説明可能である。
次に、労働市場の硬直性を考える。企業の賃金調整が不完全である場合、賃金の下方硬直性が存在するとしよう。賃金水準 W は均衡賃金 W* よりも下げることができず、実際の均衡賃金調整が行われないため、企業は以下のような制約条件下で雇用形態を変更する。
W ≥ W*
非正規雇用の増加は、企業が硬直性に対応するための手段であり、雇用の柔軟性を持たせることでコストを抑える。このように、ミクロ経済的な分析では、硬直的な賃金制度の下での企業の合理的な雇用選択と消費低下の関係が説明できる。
(a) (5点)予想外の一時的な熱波が東海岸を襲った。ニューイングランドのアイスクリーム市場への影響を示しなさい。
(b) (5点)政府がアイスクリームに課税を導入し、生産者がその税金を支払うことになった場合、アイスクリーム市場にどのような影響があるか?
(c) (5点)中国とメキシコは主要な繊維生産国である。メキシコの労働者がストライキを行うことを決定した場合、メキシコの繊維市場にどのような影響があるか示しなさい。
(d) (5点)(c) で述べた状況が中国の繊維市場に与える影響を示しなさい。
(e) (5点)政府がボトルウォーターに価格上限を設定したと仮定した場合、ボトルウォーター市場にどのような影響があるか示しなさい。
(a) (5点)一般的なコンピュータ vs. Apple MacBook Pro ラップトップ
(b) (5点)一般的なステレオヘッドフォン vs. 補聴器
以下の財ごとに、短期的または長期的にどちらがより自己価格弾力性の高い需要を持つと予想されるかを識別しなさい。上記と同様に、簡単に理由を説明しなさい。
(a) (7点)P_Aを1ドルに固定し、P_T = 5 と仮定しなさい。りんごジュース市場における均衡価格と数量を計算しなさい。
(b) (7点)不作の季節によってりんごの価格が2ドルに上昇した場合、新たな均衡価格と数量を求めなさい。解答を図で示しなさい。
(c) (8点)P_A が1ドル、紅茶の価格が3ドルに下がった場合、新たな均衡価格と数量を求めなさい。
(d) (8点)P_A = 1 ドル、P_T = 5 ドル、りんごジュースに価格上限 P^* = 5 ドルが設定された場合、りんごジュースの超過需要はどのくらいになるか。解答を図で示しなさい。
(a) (10点)この市場での需要と供給の方程式を解き、需要曲線と供給曲線をスケッチしなさい。
(b) (15点)現在、鋼鉄の価格が1トンあたり15ドルで、世界中での鋼鉄の販売量が1億5000万トンであることを発見したと仮定しなさい。今年の業界団体の最も最近の弾力性推定値は、需要が-0.125、供給が0.25であることを発見しました。部分(a) の図を使用して、過去1年間に供給曲線と需要曲線がどのように変化したかを説明しなさい。その変化を説明するような出来事は何か?
論文: https://www.ams.org/notices/199502/saari.pdf
この論文は、経済における価格調整プロセスが数学的にどれほど複雑で予測困難であるかを示す複数の定理を扱っている。以下は、論文に登場する主な定理とその数式の要約である。
内容: SMD定理は、エージェントの数 a ≥ n であれば、価格シンプレックス上のどんな動的挙動も再現できることを示している。これは、どのような複雑な振る舞いが選ばれたとしても、それを再現する過剰需要関数が存在することを意味する。
Fε : [U × ℝ₊ⁿ]ᵃ → Ξε(n)
この結果は、アダム・スミスの「見えざる手」の物語が数学的に保証されないことを示唆している[19:6][19:1]。
内容: 価格シンプレックス上のベクトル場 ξ(p) が価格均衡 p* を持つことを示す。
ξ(p*) = 0
この不動点は、供給と需要が一致する価格である。この定理により、価格均衡の存在が保証されるが、価格が均衡に向かって収束するかどうかは別問題である[19:12]。
内容: 価格動態は次のように表される。
p' = ξ(p)
その離散版では、次の式が使用される。
pₙ₊₁ = pₙ + hξ(pₙ)
このモデルは、価格調整がカオス的な挙動を示す可能性があることを示し、均衡価格への収束が保証されないことを指摘している[19:11]。
内容: n ≥ 2 の場合、次のような一般化された価格メカニズムは存在するが、それが常に収束することは保証されない:
pₙ₊₁ = pₙ + M(ξ(pₙ), ξ'(pₙ), …, ξ⁽ˢ⁾(pₙ))
任意の過剰需要関数や初期条件において、収束しないケースが必然的に存在する。したがって、普遍的な価格調整メカニズムの実現は不可能であるとされている[19:0][19:3]。
定理:完全競争市場において、以下の条件下で競争均衡はパレート効率的である。
2. 全ての財の価格が正
証明:
1. 経済を (X_i, Y_j, ω_i)_{i∈I, j∈J} と定義する。ここで、
2. 競争均衡 (x*, y*, p*) を考える。ここで、
- x* = (x*_i)_{i∈I} は均衡消費配分
3. 背理法を用いる。(x*, y*) がパレート効率的でないと仮定する。
4. すると、パレート優位な別の実行可能配分 (x', y') が存在する。つまり、
∀i ∈ I, u_i(x'_i) ≥ u_i(x*_i) かつ ∃k ∈ I, u_k(x'_k) > u_k(x*_k)
5. 局所非飽和性により、∀i ∈ I, p* · x'_i ≥ p* · x*_i
さらに、k に対しては p* · x'_k > p* · x*_k
6. これらを合計すると:
Σ_{i∈I} p* · x'_i > Σ_{i∈I} p* · x*_i
7. 競争均衡の定義より、∀i ∈ I, p* · x*_i = p* · ω_i + Σ_{j∈J} θ_ij p* · y*_j
ここで、θ_ij は消費者 i の企業 j に対する利潤シェア
8. これを合計すると:
Σ_{i∈I} p* · x*_i = p* · Σ_{i∈I} ω_i + p* · Σ_{j∈J} y*_j
9. 企業の利潤最大化より、∀j ∈ J, p* · y*_j ≥ p* · y'_j
10. これらを合計すると:
p* · Σ_{j∈J} y*_j ≥ p* · Σ_{j∈J} y'_j
p* · Σ_{i∈I} x'_i > p* · Σ_{i∈I} ω_i + p* · Σ_{j∈J} y'_j
12. これは (x', y') が実行可能であるという仮定に矛盾する。
実行可能性は Σ_{i∈I} x'_i = Σ_{i∈I} ω_i + Σ_{j∈J} y'_j を意味するため。
定理:以下の条件下で、任意のパレート効率的配分は適切な富の再分配を伴う競争均衡として実現可能である。
3. 局所非飽和性
証明:
1. パレート効率的配分 (x*, y*) を考える。
2. 集合 Z を以下のように定義する:
Z = {z ∈ R^L | z = Σ_{i∈I} (x_i - x*_i) - Σ_{j∈J} (y_j - y*_j),
∀i ∈ I, x_i ∈ X_i かつ u_i(x_i) ≥ u_i(x*_i),
∀j ∈ J, y_j ∈ Y_j}
4. 0 ∉ int(Z) を示す:
もし 0 ∈ int(Z) ならば、(x*, y*) はパレート効率的でない。
∃p* ∈ R^L \ {0}, ∀z ∈ Z, p* · z ≥ 0
7. 各消費者 i に対して、富 w_i = p* · x*_i を割り当てる。
max u_i(x_i) s.t. p* · x_i ≤ w_i
反証法を用いる。∃x'_i ∈ X_i s.t. u_i(x'_i) > u_i(x*_i) かつ p* · x'_i ≤ w_i と仮定。
すると、z = x'_i - x*_i ∈ Z だが、p* · z < 0 となり、5に矛盾。
max p* · y_j s.t. y_j ∈ Y_j
反証法を用いる。∃y'_j ∈ Y_j s.t. p* · y'_j > p* · y*_j と仮定。
すると、z = y*_j - y'_j ∈ Z だが、p* · z < 0 となり、5に矛盾。
Σ_{i∈I} x*_i = Σ_{j∈J} y*_j + Σ_{i∈I} ω_i
経済学において、均衡価格の静的理論はワルラスによって始められ、アローとドブリューにより確立された。
単一市場からなる簡明な場合、需要=供給方程式で表され、自然な力学が容易に分かるが、複数市場に関する状況は複雑である。
需要過剰は、価格のなす空間から商品のなす空間への関数Z(p)=D(p)-S(p)と考えられる。
ここでDとSはともに個々の行為の合成によって決定されている。
このとき、経済学は個人の振る舞いに関する諸条件に根拠を与え、それらの条件はZの持つべき諸公理を導く。
すなわち Z: R_{+}^{l} → R^{l} が需要過剰写像であるとは、次の公理を満たすZを言う。
これにより、Zは境界を含まない正の象限と(l-1)次元球面との共通部分上のベクトル場とみなせる。
均衡価格ベクトル、つまりZ(p^{*}) = 0となるベクトルp^{*}の存在はホップの定理から導かれる。
とはいえ中級ミクロ経済学くらいの知識はいるので、馬鹿といっちゃうのは言い過ぎかも。
需要と供給のメカニズムが正常に働くためには、メーカーや通常の流通チャンネルが得る利益が上昇しなければならない。転売ヤーは、転売行為を行っている人が儲かるだけでメーカーは儲からないから価格メカニズムによる調整が働かない。転売ヤーがいないほうが商品のアクセスが簡単になる可能性が高いので、流通ともみなせない。生産者からファンへの商流に介入し付加価値を与えずに上前を撥ねるという意味では消費税のほうが原理としては近い。
で、消費税がそうであるように転売ヤーの存在によって消費者が支払う費用が上昇し、均衡供給が減少するので、総余剰が減少する。ゲームのエコシステムは広がらず、アイドルのファンのすそ野は狭くなる。消費税は公共の福祉のために使われることで総余剰の減少を相殺する、ということになっているが、転売ヤーにはそういうメカニズムがない。
そもそも企業が正しい値段付けをしていれば転売ヤーの入る余地はないので転売ヤーは悪くないというのも間違っている。企業には短期的な利益最大化の価格より低い値付けをするインセンティブがあるから。一番わかりやすいのはゲーム機本体のケース。ゲーム機が売れれば売れるほどゲーム機のエコシステムに正の外部性が働くから、売り出し時点の均衡価格より低い値段で本体を販売することで需要を刺激できる。ゲーム機のエコシステムから得られる総利益を考慮すると、ゲーム機本体の会社は均衡価格より低く売り出すインセンティブは強くある。これは、ゲーム機の販売による正の外部性をメーカーが内部化しているということなので、おそらく定価のほうが「短期均衡価格」よりも経済学的な意味で効率的(総余剰が高い)可能性が高い。逆に、転売ヤーみたいに販売後最初の一週間は定価の五倍から始めて一年かけて落としていく、みたいなことをされるとエコシステムの成長が阻害される。
おそらく、アイドルのチケットなどもそう。市場均衡まで価格を上げるより、あまり値段を上げすぎないで、現在収入が低いが熱心なファンにもチケットがいきわたるようにすることで、ファンのすそ野を広げ長期的な利益の最大化が図れる。
転売は悪だが、別に個人の利益の追求の結果としてエコシステムの成長が阻害されたって犯罪ではないし、犯罪とすべきでもないとは思う。マスクとか、全国民に外部性があるようなケースを別にすれば、法律で違法行為とするのは正直疑問感ある。不正競争防止法の文脈なら考えられなくもないけど、あれって具体的な対象の特定が必要だし、そこの建付けを転売ヤーのために変えるのか、というのはパターナリズムが過ぎるかなという感じ。反社会勢力に資金が流れてるとかなら別だけど。
もちろん、自分の利益のためにエコシステムに害を与えているので、ファンから非難されるのも、メーカーが工夫を凝らすのも当然だと思う。善か悪かだったら悪だよね。
例えば
クライアント側が1件1000円以上になったら潰れるという市場を考えてみてほしい
例えば
それが80人になったら売価は上がるように見えるが、80人が残業して100人分の作業をした場合売価は据え置かれる
例えば
売価の本当の値は市場原理的には10円であるが、補助金で990円上乗せさせられて1000円になってる場合
とか、いくらでも需要と供給の話は崩れる(実際は崩れていないパターン含めて)
あとはChatGPTにも聞いてみ
賃金の需要と供給が成立しないパターンは、通常、労働市場において需給の不均衡が生じている状況を指します。以下にその主な例をいくつか紹介します。
1. 最低賃金の制度: 政府が最低賃金を設定することで、労働市場の均衡価格よりも高い賃金が要求される場合があります。その結果、雇用者は賃金の高さを理由に求職者を雇わなくなり、失業率が上昇することがあります。
2. 労働者の賃金固定観念: 労働者が、過去の賃金や業界標準を基準にして賃金の引き下げに反対する場合、賃金の需要と供給が成立しないことがあります。これは、特に経済不況期や技術革新による業界構造の変化時に起こりやすいです。
3. 労働組合の影響: 労働組合が賃金交渉を通じて高い賃金を維持しようとする場合、企業は賃金負担を減らすために雇用を抑制することがあります。その結果、賃金の需要と供給が成立しない状況が発生することがあります。
4. 情報の非対称性: 労働市場において、雇用者と求職者の間で情報が完全に共有されていない場合、賃金の需要と供給が成立しないことがあります。これは、求職者が自分のスキルや経験に見合った賃金を知らず、適切な仕事に応募しないことや、雇用者が求職者の能力を正確に評価できず、適切な賃金を提示できない場合に発生します。
5. 労働市場のセグメンテーション: 労働市場がいくつかのサブマーケットに分かれており、それぞれのサブマーケットで賃金や雇用条件が異なる場合、賃金の需要と供給が成立しないことがあります。これは、一部のサブマーケットでは労働者が過剰供給されている一方で、他のサブマーケットでは労働者が不足しているという状況を生み出出します。このような場合、労働者や企業が市場間で適切に移動できないため、賃金の需要と供給がうまく成立しません。
6. 技術進歩とスキルの不一致: 技術革新によって、特定のスキルや経験が過剰供給されることがあります。これにより、新しい技術を必要とする職種の需要が高まる一方で、古い技術を持つ労働者が求人に適合できず、賃金の需要と供給が成立しない状況が生じることがあります。
7. マクロ経済の影響: 経済全体の景気が低迷している場合、企業は雇用や投資を減らす傾向があります。この結果、賃金の需要が減少し、賃金の需要と供給が成立しない状況が生じることがあります。また、インフレ率が高い場合、実質賃金が下落し、労働者の所得が減少することで、賃金の需要と供給が成立しないことがあります。
8. 人口動態の変化: 人口の高齢化や若年層の減少など、人口動態の変化によって、労働市場における需要と供給が変化することがあります。これにより、特定の年齢層や職種の労働者が不足し、賃金の需要と供給が成立しない状況が発生することがあります。
一般にはある産業に7社程度存在すればほぼ完全競争価格に近付くとされていて、それより少数だと独占価格に近付いてゆき、1社だと独占価格になると理論的には示されている。
従ってアメリカの方が完全競争市場とは乖離した価格になっているということであり、これはフェアな自由競争であったときよりも消費者余剰が生産者側に移転しているということを意味している。
従って市場原理主義的な視点からすれば日本の方がフェアであり、アメリカの方が不公正であると言える。
この構造で安い価格でアメリカに輸出を行ったのが1980年代。基本的にはアメリカの方が高止まりした価格になっているので日本の方が価格競争力があった。
アメリカはそれをダンピングだと言っていたがそんなことは無い。単純にアメリカの価格が均衡価格より不公正に高かっただけ。
そして、それは現在でも同じことが言える。
均衡価格に近い日本の製品をアメリカの不当に高止まりした価格の市場に輸出することが基本的にはベストな選択であるといえる。円安方向の今ならなおさらそう言える。
伝えたかったのは、会社が儲けるのは良いことだが、それは消費者余剰が不当に生産者に移転されることによってなされるべきではないということ。
いやネタ元を読んだが、証明したのは転売屋の存在する前後の等価性であり、資本主義の自由市場であることには変わらないとと思う。
それは元のノートの主張とは真逆の結論だと思う。以下 p22 より
マスクの例に限らず,超過需要発生時に財を割り当てる際,価格メカニズムに頼るのが最も効率的で あることは,ミクロ経済学の基本事項である.だが,その場で競争的に価格を決めない限り,取引価格 は瞬時には上がらないというのもまた真実である.「市場に任せておけばよい」という楽観主義は,価 格も上がらず生産も間に合わない過渡期(短期)には,何の役にも立たない.とはいえ,短期的な超過 需要は,他の配分方法によって解消されるわけではない.仮に,くじで選ばれた人だけ低価格(たとえ ばモデルの P0)で購入できるとしたとき,購入権の売買がなされたらどうするか.配給も同じだ.結局, 権利を購入したいという人間が現れる限り,非効率性は解消されない.つまり生産量限定時における超 過需要問題の解決は,価格が上がることでしか解決できないのである 13).
生産が追いつかないときは製造業者が価格を上げることで非効率性を解消できるが、転売屋がそれをやっても効果は同じだ。ノートは、だから転売屋の存在は無意味だというのを全体通して言ってるんだけど、よく考えると現実には製造業者は価格を柔軟に上げないでしょう? だったら転売屋の初期の行為には意味がある、彼らの値付けが正しい、って事になる。
あと、ノートでは転売屋の市場が異なるケースでは効率性に貢献する、とも言ってるね。この点も転売屋の意義にプラスだ。
ただ、転売屋に有利な仮定になっている、と断り書きのあるものの中で「最終消費者は,転売屋と取引をすることを厭わない.」は、もはやあまりにも現実離れしている、と思う。そう設定しないと分析が複雑になるだろうから仕方がないことだけども。
ここら辺のネタ元はこちら:https://www.eco.nihon-u.ac.jp/about/magazine/shushi/pdf/90_02/90_02_02.pdf
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転売がおきている商品というのは、それが "正しい価格" ではないことが、マーケットによって暴き出されたともいえるのである。
これは同意。だから転売を起こさないためには、メーカー自身がその時点での「正しい価格」(均衡価格)で売ればいい。そうすれば転売行為はほぼ撲滅できる。具体的にはこういう仕組み↓で実現できる。
PS5やプラモみたいに、時間経過とともに供給量が増加していくものの転売と、公演チケットや数量限定販売商品みたいに供給量自体が制約されてるものの転売では、その構造も対策も違うと思うんだけど、主に前者について。
人気があって定価販売の商品は、供給当初は需要が供給を大幅に上回っていて「財の希少性」が高い。市場理論的には本来もっと高く売ってもいい(売るべき)商品を、本来の実需との均衡価格に見合わない安い価格で販売しているから、結果的に転売益を取る余地が生まれる。需要者の効用(買うために出せる金額)がメーカーの標準小売価格を上回っている間は、その差額分の転売益を期待できるので、どうしても転売屋・転売行為は発生する。今はメルカリその他の古物販売プラットフォームもあって、参入障壁がとても低く、誰でも転売屋になれる。極端な話、普通のエンドユーザーがその商品をどうにか入手できて「さあ遊ぼうか」というタイミングで一応メルカリ見て、差益が2万円も出せることを知って、「なら遊ぶのはしばらく待ってもいいかな」と心変わりして転売する、なんてことも普通にありえる。いくら倫理で批判しても、転売益という実利がある以上は、転売行為を撲滅するのは難しい。
だったら、転売益という実利自体をなくしてしまおう。転売屋は市場の仕組みを利用しているのだから、メーカーも同じことをすればいい。新発売から一定期間(より受け入れられやすい表現で言えば「事前販売期間」)は、メーカー自身が自社サイトでネットオークション形式で売るのだ。サイトで一番高値をつけた人たちに順に商品を販売していく。こうすると、転売屋はその商品に手出しができなくなる。
ちなみにオークションといっても1台ずつオークションにかけて1台ずつ落札する必要はない。ヤフオク・モバオクなどでも実装されている複数出品オークション方式を取れば、たとえば初期ロットとして5000台を出品し、それを同時に多数の購入希望者が値付けして、入札額が上位のユーザーから5000人が落札する、ということができる。
なぜこれで転売問題が解決するか。具体的にはこういうことだ。転売屋は3万円で商品を買って、「5万円でも欲しい」という一般エンドユーザーに5万円で売り捌くから、2万円の利益を出せる。でも、メーカーが供給当初にオークション形式で商品を販売すれば、その「5万円出してでも欲しいエンドユーザー」達は、5万円を出してその商品をメーカーから直接購入する。彼らはその時点での本人の主観的効用に見合った金額を払って購入しているので、一切〈損〉はしていない。さらに時間経過とともに生産・供給が進むことで、より高い値段で値付けする「その値段でも買いたいユーザー」から順にどんどん商品を入手してゆき、実需がしだいに満たされ、オークションの約定価格は下がっていく。全てのユーザーは、約定価格が「この値段なら欲しい」と思える値段まで下がった時点で、その商品を入手可能になる。これは市場の仕組みそのものだ。
一方で、転売屋も一般エンドユーザーと同様、メーカーの公式オークションで、たとえばある時点では5万円を出してその商品を買うことはできる。それなら結局、オークション出品分も転売屋が買い占めて転売してしまうのでは?と思う人がいるかもしれないが、そうはならない。考えてみてほしい。オークション実施時の市場の需給均衡価格は5万円なので、転売屋が入手後すぐに転売しても、そのときに期待できる転売益は0円なのだ。
さらに時間経過によって、商品の市場供給の総量は確実に増え、財の希少性が解消されていくので、仮に転売屋が在庫を抱え込んだとしても、それは必ず不良在庫になっていく(時間が経つごとに、入手価格と再販価格の差損(逆ザヤ)が大きくなっていく)。これにより、原理的に転売屋による商品抱え込みが発生しない。
転売屋による買い占め・抱え込みが起こらないということは、オークションで販売される商品が確実に実需を満たしていくということでもある。これにより、発売初期の供給難は、(転売屋の介入余地がある)通常価格での販売よりも、オークション販売の方がずっと速く解消されていく。これも市場の仕組みだ。
オークション形式を取ることで、メーカー側は想定小売価格を超える超過利益が出る。その超過利益は、初期にプレミアム価格で買ってくれたユーザーに、購入時の登録アカウントと紐づけ、特別なバッジやゲーム内決済クレジット付加などゲーム体験に関わる形で(≒転売屋が転売時に付加価値化しにくい形で)還元すれば、ユーザーの満足度も更に高まるだろう。あるいは何か慈善的活動に寄付するでもいい。超過利益を何らかの形でユーザー自身あるいは社会に還元するというポーズを取ることで、メーカーは「強欲」という批判を回避できる。そもそも超過利益を生むことがオークションの目的ではなく、転売行為を抑制して流通上の目詰まりを早期に解消できればそれでいいのだ。
そしてオークション販売サイトでの平均約定価格が本来の想定小売価格に近づいた時点で、メーカーはオークション形式を辞めて通常流通に切り替えればいい。その頃には、その商品の転売行為で利ざやを取れると期待する転売屋は誰もいなくなっているはずだ。
オークション販売はネット通販でないと難しいから、小売店など既存の流通チャネルはどうすんだというのが課題になるが、本体そのものではなく購入権やアクティベーション権だけをオークション販売する、などの迂回策は取れなくもない。転売屋の跋扈を倫理ではなくシステム的に抑え込むという点では、これが一番効果的な対策のひとつだと思う。転売屋の意見を聞いてみたい。