はてなキーワード: 部活とは
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この日だけは生理にならないで欲しいと念じ、部活に励んでカロリーを消費しまくった時に限って、予定でもなかったのに生理になる。それがぼくのあるある事象で、修学旅行でも、ぼくは三日前から生理になった。荷物の半分が生理用品になる。トイレにやたら時間がかかり、ただでさえ移動中に立ち寄るトイレはとても混雑するのに、ぼくはそわそわとして落ち着けない。レイジとは同じ班になったが、レイジは相変わらず女としての煩い事には無関係の人だから、どこへ行っても楽しそうだ。
自由行動の日、レイジはぼくがトイレに行ったきり中々戻って来ない間、もっぱら寺社の境内で鳩とたわむれて時間を潰していた。ぼくが貧血と歩きすぎとでふらふらの状態でトイレを出ると、レイジの周りをうろうろしていた鳩達が一斉に飛び立つ。背の高いセーラー服の少女と鳩という、ミラクルな光景をレイジがつくりだしている。眩しくて目眩がした。観覧した寺社の事なんかろくに覚えていやしないが、その景色だけは今でもよく覚えている。
夜、泊まった宿では大浴場が貸し切りで使えたが、生理の生徒は部屋の内風呂を使ってよいとされていた。ぼくは当然内風呂に入ることになったが、大浴場を使える女子達はひとの気も知らずに一緒に入ろうよと誘って来る。ぼくはうっすらと屈辱を感じつつ断る。相部屋にも何人か内風呂を使う人はいたが、ぼくは「先に入る?」という気遣いを全部断って一番最後に入った。
せっかく広いお風呂に入れるはずが、見たことのないほど狭い風呂で我慢しなければならないのは惨めだが、レイジの裸を見ないで済んだのは良かった。小学5年生で行った臨海学校の風呂を思い出した。あれがぼくが集団で大浴場に入った最後の機会だったが、当時既に同級生には女らしい体型の女子が何人もいて、あれはかなり気まずかった。どこを見ても生々しい女体が視界に入るのが嫌でずっと俯いていたし、落ち着いて湯船に浸かっていられなかった。あの頃は成人女性のような体つきの女子もほとんどは薄手の子供用の肌着を着て、その上に体操着を着ていたのだから、思えば気持ち悪くクレイジーな文化を生きていた。それを許していた大人達の気が知れない。
修学旅行の夜は恋ばなで盛り上がるのは定番だが、同室に奇跡的にオタクばかり集結してしまったので、ぼく達は漫画とアニメの話ばかりをしていた。だがみんなそれぞれ好きなものが違うので、話が全く噛み合わない。なのに何故か会話は成立しているように見えた。
23時を回る頃には話のネタも尽き、昼間の疲れも出てきて、皆口数が減ってきた。ついにここにはいない他人の恋ばなくらいしか話す事がなくなってきた時、レイジがぼくに言った。
「なあ、お前は男同士って、どう思うの?」
誰にも聴こえるような大声でいうから、同室の極めてお喋りな女子が、
と盛り上げてくる。レイジのご指名はぼくだったから、全員が興味津々でぼくの答えを待っている。
「うーん、」
そういえばレイジって「やおい」が好きなんだったなと思いつつ、ぼくは答えた。
「男同士も、ぼくはいいと思う。ただし、美しいのに限る」
皆はぼくの答えにキャーキャーと黄色い声をあげた。ぼくは半ばレイジに当て付けて言った。いつもぼくを驚かせてばかりいるんだから、たまには君もぼくの言うことにびっくりしろと思った。レイジにはぼくの意図が伝わったらしく、
「ああそうかよ、つまんねーな」
といい、さっさと布団を被って寝てしまった。
同室の女子達はカマトトぶっていたが皆「やおい」が大好きだった。学校までエロ同人誌を持って来て回し読みをしている連中(そういう奴らに限って本当はオタクではない)は他の部屋だったにしろ、みんな男同士の禁断の関係性に興味があった。禁断だからこそいいという価値観の共有されているところへぼくが堂々と「いいと思う」と言ったのはかなりウケた。隠すべきとされているものを隠さなくていいと言ってのけるのは、その時はまだ新しすぎる考えだったのだ。
実はレイジは「やおい」の愛好者で、そうとうの数のやおい同人誌を持っているらしかった。一年生の頃、ぼくの家にレイジが遊びに来たことがあるのだが、その時レイジが同人誌を何冊か持って来た。二人で格ゲーで遊ぶのに飽きた頃に、レイジが鞄からそれらを取り出して見せてくれた。それは幽遊白書の同人誌で、レイジが開いて見せてくれたページには、いやにリアルな筆致で描かれた幽助と蔵馬があられもない姿でぼくには理解不能なことを行っていた。ぼくは気持ち悪くて無理だと言った。ついでにいうとぼくの一番好きなキャラクターは軀だから、軀が出てこない時点でかなりがっかりだとも言った。するとレイジは
「まだ子供のお前には早かったな」
と言って本を仕舞い、代わりにもっぱらギャグ漫画ばかり載っている同人誌を出して、ぼくに貸してくれた。たぶん、レイジは「やおい」というものの中でもぼくが「気持ち悪い」と切って捨てた部分こそが好きだったのだと思う。
やおいというもの自体はわりと好きだとぼくは思った。でもぼくはそれを男同士というよりは人と人同士だと思って読んだ。女でなければ無性別。性別が無いというのは人として完璧なのではないかと、あの頃のぼくは思っていた。今となって思えば、そんな考えは母親譲りの潔癖症的な考え方であまり良いとは言えないのかもしれない。
修学旅行から帰った後、ぼくはレイジとは違う高校に進学しようと決めた。レイジは市内にある名門女子高を受けるといっていたので、ぼくは電車で何駅もある遠くの共学を受けることにした。レイジの行きたい女子高はぼくの母親の母校だったから、そこを目指すのは母親の思うつぼにはまったようで嫌だったのもある。
レイジと二人でつるむのは楽しいが、いつまでもそしているとぼくの世界は広がらないのではないかと思った。ぼくは一人で新天地を目指したい。だがそれは大きな間違いだと知ったのはそれから何年も先のことだ。現実には、一人でいるとずっと独りぼっちになりやすい。二人で楽しそうにしていると、それを見て何人もの人が集まってくる。友達が増えれば世界が広がる。独りきりで見える世界は、とても狭苦しくて窮屈だ。
だが、誤った道を選んだおかげでぼくの今の暮らしがあると思えば、それはそれで良かったのかもしれない。
レイジとは別々の高校に進学して以降は二度くらいしか会っていない。いつだったか、一緒にどこか遊びに行こうと約束して待ち合わせたら、レイジはまるでデキる女の休日ファッションみたいなスタイリッシュな服装に薄化粧までして現れた。ぼくはといえば、男ものの服を着れば男の子のようになれると信じた結果、ただの引きこもりみたいなダサい格好をしていた。どっちに合わせても相手が浮くし、そもそもお互いに学チャリで来て一体どこに行けるのかということで、近場の公園のベンチに座り、レイジがわざわざぼくに食べさせようと作ってくれた焼き菓子を食べながら雑談をした。
最後に会ったときはぼくはもう結婚していて、久しぶりに実家に帰省した際にレイジの家に遊びに行った。中学時代にレイジがぼくの家に遊びに来たことは何度かあったが、ぼくがレイジの家に行ったのはそれが最初で最後だ。
レイジの部屋はすっきりと片付いていた。オタクらしいのは座卓の上を立派なデスクトップパソコンとその周辺機器が占拠している事くらいだったが、それだって配線がごみごみと見えないよう置き方が工夫されていた。オタクの部屋というよりは仕事でよくパソコンを使う人の部屋といった感じだ。
「漫画と同人誌をいっぱい持ってるって昔言ってたけど、もう全部捨てたのか?」
ぼくが問うと、レイジは「いや、」と言い立ち上がって部屋の奥の襖を開けた。
「さあ見れ!」
その時ぼくは初めて、筋金入りのオタクは押し入れを改造して大量の蔵書を隠し持つのだと知った。
「だが、お前の読むようなものは何もないけどな」
レイジはお子ちゃまはそんなもんよりもこれでも見てろと言い、パソコンを起動させて秘蔵の面白動画を見せてくれた。ぼくらは中学時代のようにくっついてそれを見て、腹がよじれるほど笑い、床を転がった。
と、レイジは言った。
ぼくはそう言い返した。
「そうかもな」
「でもぼくはもう結婚した。だからけっこう変わったと思う。ところで、レイジはぼくが結婚なんかするなんて変だと思わないの?」
ぼくはレイジに聞いてみた。ぼくの家族、特に母親はぼくの結婚をついに人生に敗北したと言って馬鹿にするし、昔の同級生達からも祝われるよりも先に引かれがちだった。
「変だとは思わねーな。だいたいお前、中学の時だってなんだかんだ好きな男いただろ。案外普通の女子なんだなと思ってたよ俺は。ずっとふらふらしてるより早々に結婚しちゃう方が良かったんだろ、実際」
「確かに……。ぼくはかなりモテないから、夫と結婚しなかったら永遠に独身だという自信がある。けど、ぼくだってぼくなりに頑張って、何人かと付き合ってはみたんだが、まあ色々と、無理だったかもしれない」
「色々っちゃなんだよ」
「言っても引かない?」
「別に引かない。俺は自分に話す事が何もないぶん聴き手に回り易いから、ダチの恋ばなを聞き慣れてるんでね。だから今さら何が飛び出しても驚かないぜ」
「じゃあいうけど、夜のあれがつまらなくて……別に苦手な訳ではないのだが……」
「あはははははははは!」
「笑うな! 何が飛び出しても驚かないって言ったじゃないか」
「いやいや驚きゃあしないって。むしろお前らしくて笑うわ。お前、本当にいつまで経ってもお子ちゃまなー」
「うー、うるさい。でも、否定は出来ない……。ぼくはもっとこう、セックスとは楽しいものかと思ったけど、全然そうならないんだ。しかも十中八九、ぼくのせいで盛り下がっているという、自覚がある」
「なぁ、膝出してみ?」
「膝? はい」
いぶかしみつつもぼくは素直に片膝を立てた。そこへレイジが指をさわさわと這わせた。
「それだからお前はなー。じゃ、今度は俺に真似してやってみ?」
ぼくはレイジの膝を擽った。だがレイジはぞくぞくするどころか擽ったさも感じないと言う。
「まぁまぁ。毎日部活に出て稽古に励んでも全然強くならなかったほど、運動神経のないぶきっちょさんのお前さんがさ、セックスの時だけ上手い事やれるなんて、その方がおかしいだろ? 女だからやれて当然じゃないんだ。才能のないもんはどうしようもない。諦めろ」
「そういうもんかな」
「おー。そういうもんだと俺は思うぜ。でもまあ結婚はしたんだからよかったじゃん。婚姻届出しゃあもう、お前のエロさが足りないなんて理由で簡単に別れる事なんか出来ないんだぞ」
「だといいけど」
「浮気されたら愚痴でもなんでも聴いてやらぁ。そういうの聴かされるのは慣れてるからよ」
「ははは。それより、子供が出来たらちゃんと連絡くれよ。そしたらお祝い包んでやるからさ」
「単に俺がそうしたいだけなの。うちは兄貴も結婚しそうにないし俺はこんなだから、がきんちょにお小遣いくれてやる機会があまりなくてな。ダチの子供にお年玉やると、俺も大人になったなーって思えるし、気分がいいんだ」
そんな事をレイジは言った。
確かに、子供のためにお金を遣うと大人になったという感じがする。一度に三万円は痛いが、それで子供達が喜んでくれたのだから、大した事のない出費に思える。しかしぼくは今やただの大人じゃなくて親だから、子供にしてやらなきゃいけないことは、他にも沢山あるけれど。
次女の誕生日のあと、長女の誕生日があって、その直近の祝日、二人に誕生日プレゼントと服を買ってやるために買い物に出た。トータルで三万円くらいかかった。はぁ。
服を買う時に、ついでに長女に今のうちに生理用品とかブラを買っとこうぜ、と言うと、長女は思いの外喜んだ。
長女は11歳になったのだが、最近爆速で身長が伸びると共に体型も大人に近づきつつある。彼女は小さい頃から今に至るまで安定の痩せ体型だ。身長に合わせてズボンを買うとウエストがブカブカだったのが、今は150のズボンを履いてもずり落ちなくなった。痩せているなりに身体の厚みは増しているのだ。
最近の長女は胸が急に育って来ているのが悩みらしい。そういう事をぽつぽつ言うのだが、ブラが欲しいと自ら言う事がないので、親であるこちらから提案した方がいいんだろうなあと思った。
長女を子供の下着売り場に連れて行くと、彼女は種類の多さに圧倒されていたが、ぼくが
「ステップ1とか2とか3とかタグがついてるな。まずはステップ1でいいんじゃないか?」
と言うと、それらを物色しはじめた。
「すごーい、いっぱいあるー。こんなのが欲しかったの!」
などと言うから、可愛い色のやつを買うのかな? と背後で見ていたら、スタンダードな感じの、キャミソールと一体型の白いのを二枚選んだ。黒や紫もあるし、ブラだけ独立していて、同色のショーツとセットになったものもあるよとぼくが言っても、「絶対これがいい!」と長女は譲らなかった。まあ、白無地はアウターに響かなくていいよな。もし、ぼくがユニクロの白のエアリズムばかり着てることに影響されたのだとしたら、なんかすまないなと思うけれど。
今時の小学生女子は、他の子がどんな下着を着けているのか、気になりはしないのだろうか? ぼくが子供の頃は、女子はそういう事についてはかなり煩かった。白い「初めてのブラ」なんか着けていると、露骨に馬鹿にされたものだ。
ぼくが子供の頃、ぼくの母親はどういう訳か我が子の二次性徴について捻れた考えを持っていた。だからぼくはなかなかブラを買ってもらえなくて、確か中学に上がってしばらくはノーブラで過ごしていた。部活の時以外は胸が目立たないよう猫背で下を向いて歩きがちだったように思う。
当時はぼくの母親だけでなく、世の母親達の考えは大抵いい加減かつバラバラだったので、胸が既にかなり大きいのに「子供だから」という理由でノーブラな女子というのはしばしばいた。ぼくはそれが好きじゃなくて、自分はそうはなりたくないと思ったのだが、無駄に性に対して厳格な家庭でしかも鈍感な母親にブラが欲しいなんて強請るのはあり得ないと思って我慢していた。ただ、ぼくの場合は胸が発育しかけだとしても限りなく俎板に近い胸をしていたので、ブラを着けていないことを誤魔化すのはそんなに難しいことではなかった。
だが、体育の授業や部活の授業の前後に更衣室で着替える際だけは誤魔化しなどは利かない。
体育の時の着替えはまさに針の莚に座るような心地だったが、部活の時はそうでもなかった。更衣室では先輩達が下着姿で悪ふざけをしていたし、彼女達の下着はみなカラフルでまるで見せるためのもののようだった。たった一、二学年違うだけでどうしてこんなにも文化が違うのか不思議だった。ぼく達の学年はいつまで経っても白いペラペラの下着で、誰が一番先に「色気づいて」大人のようなブラを使い始めるのか、監視し合い足を引っ張り合っているのに。
先輩の一人が日曜日に買ったばかりだというグリーンのチェックのブラを見せびらかしている時、ぼくはホワイトボードの下にレイジと二人で潜り込んでぴったりと身を寄せ合って先輩達の馬鹿騒ぎを眺めたり、今週のジャンプの話したりしていた。ブラの自慢をしていた先輩がぼくらの所にやってきて、
「今日も二人、異様に仲がいいよね」
といい、ぼくはそこに含みがある事に素で気づかず、
と答えた。
レイジとは中学に上がってすぐの部活見学期間のある日に出会った。レイジは武道館の片隅に一人で体育座りをして、先輩達の稽古の様子を眺めるでもなく膝の上に顔を伏せていた。最初にレイジがぼくを見たが、話しかけたのはぼくの方からだ。当時のぼくは既にはみ出者気質を全開にしていたが、今よりは社交性があったのかもしれない。
レイジの第一印象は、大人しそうな男子、といった感じだった。目が合って、一言二言交わしただけですぐに気が合いそうだと思ったのと、ぼくと同性である事に気づいたのとは、どっちが先だったろうか。立ち上がれば性別を間違いようはない。レイジはぼくよりずっと背が高く、正面から相対すると迫力のある胸が視界を圧倒してくる。まるでモデルのように手足が長く、メリハリのある体型をしていた。
そんなレイジだが、ほとんど大人同然の背格好をしていたにも拘わらず、ぼくと同じくまだ「子供」というカテゴリーに押し込められていた。つまり中学に上がってもしばらくはノーブラで過ごした。その点でぼくにとっては類友でもあった。
いつだったか、先輩の一人がそんなぼくらを見かねて声をかけてきた。ブラをしないと恥ずかしいとか乳が垂れるぞとか、そんなことを言われ、ぼくらは「はーい」と返事をしたが、すぐに他愛ない雑談に戻った。レイジは先輩に言われたことなど全く意に介していないようだったけれど、ぼくは内心かなり気にしていて、やはり母親にブラが欲しいとお願いしなくてはならないのだろうか? と考え、まだ何も行動しないうちから屈辱に打ち負かされたような気になっていた。
記憶に間違いがなければ、ぼくらは少なくとも一年の夏休みまでは「子供」カテゴリーのままでい続け、それぞれ親の方針通りに子供の肌着を制服の下に着続けていたと思う。そのことによってレイジがどんなデメリットを被ったかはぼくは知らないが、ぼくの方には人には言えないようなデメリットがあった。
ある日、竹刀を振った瞬間に身体の内側から「ぶちっ」と音がした。腕のつけ根辺りがヒリヒリと痛くなった。家に帰ってから服を脱いで見てみると、鎖骨のすぐ下辺りに赤い皹が入っていた。まるで鋭利な刃物でひと突きしたような傷は薄い表皮で繋がっていて、出血はない。どうやら急に大きくなった胸の重さに皮下の肉が負けて裂けてしまったようだった。奇妙な傷はその後いくつも増えていき、白い痕になって残った。
肌にいくつもの傷が残るほどに、ぼくの胸はお荷物になりかけていたのだが、だからといって目立って大きいのかというと全くそんな事はなく、服を着ている限りは相変わらずの俎板に見えるほどだった。なのに、ただ普通に生活していくだけで服の下に隠れた部分が傷だらけになっていく。その原因がさして膨らんでいるようには見えない胸であるなど、親に相談出来る訳もなく、ぼくはひた隠しにした。
その件はレイジにも話した事はない。そもそもぼくとレイジは「親友」だと言い合っていたのにも拘わらず、お互いに相手の内面には踏み込もうとしなかった。ぼくらは校舎の内外を、ひとの目も気にせず手を繋いで歩き、座る時にはスズメのきょうだいのように身体をくっつけた。部活の合間の休憩時間には互いの背中を背もたれにしたり、膝枕をしあったりした。
ぼくがレイジの太ももを枕にしている時、ぼくの鼻先にはレイジの胸があるのに、そのぼくの胸の何倍も大きな肉の塊はレイジにどんなダメージを与えたのか与えなかったのかなんて知らなかったし、レイジはレイジで、ふざけて指でつついたぼくの貧相な胸がぼくにとってはけっこうな凶器だった事など知らないままだった。
レイジに対してのぼくの隠し事なんて大した数はないが、ぼくにとってレイジは謎の多い奴であり続けた。真面目そうに見えてちゃらんぽらんで、部活だって、ぼくとレイジとはたった二人だけの新入部員なのに、レイジはよくサボり、ぼくを一人にした。夏休みの部活に、レイジは半分も顔を出さなかった。なのに試合に出ればそれなりに勝つのが不思議だ。何故レイジはそんなに休むのか、ぼくはしばしば先輩達から聞かれたが、わかりませんと首を振るしかない。
親友の癖にぼくはレイジの個人的な事をほとんど知らない。そのことが気にならない訳ではなかったのだが、いざレイジと顔を合わせると、数々の謎の解明などどうでもよくなってしまう。レイジとする話は好きな漫画やアニメの話ばかりで、端からみればそれは終始うわべだけの話をしつづけているだけで、それのどこが親友なのか不思議だったかもしれない。
ぼくとレイジは心が遠くにあるのを補うかのようにスキンシップだけは過剰に行った。一日の中で最初に会ったときは、相手の存在を視認したらどんなに遠く離れたところからも全力で駆け寄り、
「カーラミーア!」
「モンシェ!」
と叫ぶとひっしと抱擁し合う。隙あらば、学校内のどのカップルよりも密着して過ごした。
夏の間、ぼくはろくに飲食をせずに部活でしごかれていた。これ以上身体に無駄な肉がつくのを止めたかったし、生理の出血をなんとか止めたいと思って行った無謀なダイエットだったが、消耗したわりに効果はいまいちだった。ひと夏で顔だけげっそりしたぼくだったが、片やレイジは夏休み前と少しも変わらず飄々としており、健康そのものに見えた。実際、心ない男子がぼくらに対して目障りだ死ねと罵倒を浴びせるやそいつを蹴り倒しプロレス技をかけて泣かせるなどワイルドに暴れることもあった。
ぼくは安心した。実はぼくの母親がぼくとレイジが仲良くなったのを知り、ぼくの同級生の母親達の情報網を使ってレイジの個人情報を仕入れており、聞いてもいないのにぼくにそれを話したのだ。ママ友ネットワークをもってしてもレイジの事で確かな情報は得られず、噂程度のことしか仕入れられなかったようだ。それによれば、レイジは何らかの病気で定期的に通院しているという。だがその病気が何であるのかは誰も知らないらしい。
ぼくが知っているレイジの個人的なことといえば、レイジには兄が一人いて両親も健在で、四人家族で仲良く暮らしているということくらいだった。
「レイジのジは二番目のジってこと?」
「そそ」
「納得した」
きょうだいの二番目だから「レイジ」と名乗るレイジとぼくとは部活つながりの親友。クラスと出身小学校が違うせいでお互い相手の事で知らないことが多いかもしれないが、そんな事は関係なく、ぼくらはとても仲がいい。
秋になった。ある日、学校から帰るとぼくの部屋に大きな買い物袋が置かれていた。母親が開けてみろというので中身を見たら、「はじめてのブラ」と書かれた厚紙つきの白いブラが三着ほどと、その他下着類が入っていた。母親によれば、「ぼくに必要だから買った」というより「みんなが必要だと言うから買った」ようだ。母親は他人の言う事になにかと流される。
しかし、断られる可能性が高いと思いつつこちらから羞恥心を堪えつつ頭を下げてお願いすることもなしに、必要なものが手に入ったのは良いことだ。ぼくは「はじめてのブラ」を着けてみた。ところがサイズが全然合っていなかった。それはAカップだがアンダーが85cmもあって、上半身だけは骨の浮くほどガリガリだったぼくにはユルかった。
翌日から「はじめてのブラ」を着けて登校したが、いざ日常生活を送ってみると、ユルすぎるブラはぼくの助けになるどころか邪魔で邪魔で仕方のないものだとわかった。ちょっと身体を動かしただけで背中のホックが外れる。これまでの習慣通りに猫背にしていると外れるし、かといって背筋を伸ばしてもまた外れる。走るとどんどんブラが浮いてきて胸の上までずり上がってくる。それを狼狽しながらも誰にも気づかないよう適正な位置に引き下ろさなければならない。
なんなんだこれ……。母親に苦情を言うべきではないかと思わなくもなかったが、母親がぼくにブラを買い与えた時、牽制するように「デブで胸のないお前にはサイズがそれしかない」と言ったから、解決策は何もないとぼくは思い込んだ。デブは言いがかりだ。ぼくはチビの癖に肩幅と腰幅があり、脚も太かったから、セーラー服を着るとずんぐりむっくりに見えたが、上半身はガリガリに痩せていたのだ。
何でぼくだけこんな事に……と思いつつ、部活の際に先輩達がふざけながら着替えている間は、いつもの様にぼくは部室の隅っこにレイジとぴったりくっついて体育座りで待っていた。先輩達は相変わらず可愛いブラを着けていて、それらはぼくの「はじめてのブラ」のようにズレたりホックが外れたりはしない。どうしてぼくの「はじめてのブラ」はこんなにも役に立たないのか、すぐそこに何事にもあけすけな先輩達がいるにも拘わらず、ぼくは誰にも打ち明けられない気がして、勝手に孤独に浸っていた。隣のレイジは、元からそういう話をすべき相手ではない。
その時、ツンツンと脇腹をつつかれた。隣を見れば、レイジが膝の上に半分顔を埋めたまま、いやーな顔で笑っていた。
「お前、これなんなの?」
レイジはニヤニヤしながら、ぼくのTシャツの上からブラのバックベルトを引っ張った。
「何でもいいだろ!」
ぼくは小声で身をよじりながら言った。その反応がレイジには面白かったらしく、レイジは「なんなの、なんなの」と言いながらぼくのブラのあちこちを引っ張り、脇を擽ってきた。そんなぼくらの攻防戦を先輩達はいつものじゃれ合いだと思ったらしく、「今日も二人は仲良いよねー」と言った。
その日以来、レイジはぼくがブラを着けているのを面白がり、やがて服の上からブラのホックを外すという技を会得した。レイジが通りすがりにぼくの背中を叩くと、ホックが外れる。とんでもない悪戯だが、ぼくのホックは悪戯をされなくてもしばしば外れるし、ぼくとレイジはクラスが違うので、被害を受けたところで大した事にはならない。それでぼくとレイジの仲が決裂するという事もなかった。
ただ、レイジがぼくをブラのことでイジッてくるのは意外だと思った。同級生女子の中には、他の女子が「色気づく」のを嫌って意地悪をしたり他人の足を引っ張るような事をする奴が何人もいたが、レイジはそんな陰湿な女子どもとは最も遠い存在のような気がしていた。でも、その頃レイジはまだ「子供」カテゴリーの内にいて、それをぼくなんかみたいな貧乳の方がイチ抜けしたのだから、変に執着されるのはおかしい事ではないような気もした。
人の心理としてレイジの反応は特におかしいものではない。が、ぼくらの関係性の絶妙なバランスをレイジの方から崩して来ようとするのは……逆にぼくの方から壊しにかかるなら自業自得なのでまだしも……どうしていいのかわからない。わからなさすぎたので、ぼくは何事もなかったかのように過ごす事を選んだ。
二年からはぼくとレイジは同じクラスになった。一緒に過ごす時間は益々増えた。レイジが休み時間の教室ですれ違いざまにぼくのブラを外して遊ぶ事もあったが、ぼくは責任を取ってホックを元に戻せとレイジに要求し、レイジは「はいはい」と言ってぼくの制服の背中に手を突っ込んでホックを掛け直した。
その頃にはレイジは既に「子供」カテゴリーを脱していたのだと思うが、ぼくにはその件については全然記憶がない。少なくとも、ぼくはレイジからされたようにレイジがブラを着け始めた事をからかうことはなかった。
教室が一緒だと、友達同士なら休み時間ごとにお互いの机のところを行来するものだ。ぼくは授業が終わってもすぐに教科書をしまって離席することがないから、レイジの方からぼくの席にやって来がちだった。ふとぼくが顔を上げると、視界の全面をレイジの胸が塞いでいる。よく、胸の大きな女性が「(男は)私じゃなくて私の胸に挨拶をする」と言うが、レイジの場合はぼくに胸から挨拶して来るようなものだ。ぼくはレイジに知られないよう視線を外した。だからレイジの胸がしょっちゅうぼくの目と鼻の先にあったのに、ぼくはレイジのブラ事情など全く知らない。一方レイジはといえば、ぼくをからかえるだけからかって恥ずかしい思いをさせたのに。
レイジは狡いと思ったが、他の女子といがみ合うようにレイジと争うのは嫌だった。レイジと喧嘩する事があるとしたら、それとは全く関係のない、取るに足らない事が原因だ。そしてベッタリと仲がいい分喧嘩するのもわりとしょっちゅうだった。大体はぼくの方から吹っ掛ける。そこにレイジは狡いという思いがなかったとは言えないと、当時を振り返って思う。
レイジは胸が大きくて手足が長くてモデルのような体型をしていたが、女としてはある意味で無敵だった。ぼくはといえば、自分の身体がなにかとコンプレックスで、わざと身体に合わないダボダボな格好ばかりしているから、本当はガリガリに痩せていたのにすんぐりむっくりのデブだと思われがちだったうえに、貧相な体つきのわりにはきっちりと女であることのデメリットを受けた。すなわち生理が異常に重くて一月のうち絶好調なのは三日ほどしかなく、あとは瀕死。
レイジは不調知らずで常に元気いっぱい走り回っていた。何かの病気で通院しているという噂はデマに過ぎないのではないかとぼくには思われた。だがレイジはよく部活をサボった。同じクラスで親友のぼくにも何も言わず、放課後になるといつの間にか姿を消している。ぼくは既にレイジはそんなものだと思っていた。部活の顧問から、来年の女子部部長は消去法でぼくに決まりだと聞いて軽く絶望した。レイジの方がぼくよりもずっと強いのに、部長は実力よりも真面目さが大事だと顧問は言う。だがぼくは顧問が思うほど真面目ではない。絶不調ながら毎日律儀に部活に出ているのはほとんど、稽古でカロリーを消費しつくせば生理にかけるエネルギーが少なくなり、来月こそは体調がましになるのでは? と期待していただけに過ぎない。
そんな馬鹿な事をしていたせいで、ぼくはある日、体育の授業中に具合が悪くなった。その日のメニューは1000メートル走だったが、ぼくは運動神経がない癖に中距離を走るのが大好きで得意だったので、生理中だというのに無理をした。酷い目眩がして手足が冷たくなり、震えが止まらなくなった。爪が真っ青になり、顔色も青を通り越して真っ白だと、ぼくを見た体育教師が言った。体育教師は厳しい人で滅多な事では生徒を休ませないのだが、ぼくが芝生に座っても一向に回復しないので、保健室に行って休めと言った。ぼくは保健委員に付き添われて保健室へ行った。ベッドに寝かされた途端に意識が落ちた。
気がついたらベッドの側にレイジがいた。
「おはよー。今どんな気分?」
「どんなって、最悪だけど。でもさっきよりはましな気がする」
「ははっ、体育の時はヤバかったな。こいつマジで死ぬんじゃね? って感じの顔してて、先生がさすがに焦ってた」
そう言うとレイジはぼくのほっぺたをつまんで引っ張った。
「ほっぺぷにぷにー。すべすべで真っ白ー。でもさっきよりはましー」
レイジはぼくの肌をすべすべで真っ白だとよく言う。小学校時代は徒歩通学で、中学に上がってからは自転車通学で、それなりに日に焼けていたから、ぼくの肌も黒くて荒れているはずだと自分では思い込んでいたが、レイジに指摘されてはじめて、ぼくは色白で肌質がいいのだと知った。少なくともレイジのほっぺたよりはぼくのほっぺたの方がすべすべで白い。
「今どんな気分?」
「君が血色が戻ったというなら、思ったよりもいいんじゃないだろうか。確かに吐き気はしないし、頭痛もしない」
「ふーん。俺にはそういうのが無いからわからないけど、まあ無理すんなよ」
レイジはいいな。ぼくと性別が同じでもぼくのような思いはしないんだ。でもぼくみたいにひ弱なのはレイジには似合わないから、それでよいのだと思った。
トラバに続く。
中1の時にTwitter始めてからずっと相互だったおばさんフォロワーをブロックした。理由はめちゃくちゃウザかったから。今はTwitterをやめ、細々とpixivに投稿を続けている。
ウザかった、というのも、そのおばさんフォロワー(以下Aとする)の言動に私が耐えられなかった。Aはネトスト気質があったので、普通にキモかったのもある。
Aは30代の専業主婦で、私がTwitterを始めてすぐ相互になったフォロワーだった。当時の自ジャンルではちょっと名の知れた支部作家で、私が二次創作を始めたきっかけになった人でもあった。初めて感想を送った後すぐに繋がってもらい、私が当時中学生だということもあって、とても可愛がってもらっていた。
二次創作を始めるきっかけになった人だけあって、初めは素直にAを尊敬していた。Aの言動に嫌気が差し始めたのは、初めてオフで会った時だった。
「私ちゃん、**住みで〇〇の学校行ってるよね?部活は××部。合ってる?」
一緒に入ったコラボカフェで、Aはドヤ顔でそう言った。私はゾッとした。概ね正解だったからだ。別に必死に隠していた訳ではなかったけれど、大っぴらにしていた訳でもない。というか、勘づいたとしてもわざわざ本人に確認取るか普通?
よく分かりましたね、と言うと、Aは自慢げに
とのことである。モラル無いなこの人、と思っていたが、次の瞬間、お互いに相互のフォロワーの職業・住所・年齢・出身などの推測をベラベラと語り始めて閉口した。さすがにちょっとどうかと思い、
と言うと、Aは
「ネトストって!悪用とかしないしただの興味本位だから(笑)私も別に特定されても良いしね〜」
と大笑いして言った。ちなみに彼女は自分の顔と名前、子供の保育園や名前、顔すら平然と晒していたし(隠してるみたいだけどお粗末すぎた、特定しようとしなくても分かる)、確かに特定されても良いのだろう。ただその精神を他人にも適用しないで欲しかったが。
もう一つキモエピソードをあげるなら、同人誌の通販をした時に住所を教えたのだが、私は届いた封筒を即破棄していたのに対しAはバッチリ控えて年賀状を送ってきた事だろうか。リプで「Googleマップで私ちゃんの家見たけど、××(地域名)の中でもすごいとこだよね〜」と送られ即削除を依頼したこともある。
要はAはネットリテラシーが無かったのだ。私をよく可愛がってくれ、色々と付き合いを深めていく上で、おそらくオープンな場であるという意識が彼女にはなかった。これがAに嫌気が差したまず一つ目の理由である。
二つ目はAからのリプがめちゃくちゃ多かったこと。内容も相まって、純度100%のストレスでしかなかった。
まず、午前中にツイートをすれば、どんな内容でも「おはよう」のリプがつく。それも絵文字付き。推しcpの妄想ツイをしても、作品の投稿をしても必ず、朝というだけで「おはよう〜!(太陽)私は今日は……」みたいな、挨拶とAの予定報告が来る。これがとにかくストレスだった。
おばさん世代はどうか知らないが、私達にとって絵文字の入った文面はDQNかオジサンのもので恐怖でしかない。あと、恋人でもないのに毎朝「おはよう」を言ってくる意味が分からない。そしてAの近況には一ミリも興味がない。
特に絵文字入りの文面は全てのリプで共通で、内容は普通でもぱっと見が完璧なオバサン構文すぎて目も当てられなかった。ついでに返信する私も絵文字を入れずにいたら、「ちょっと冷たいよね」と言われてしまう。うるせえ十代文化圏では絵文字のやりとりはバカップルぐらいの親愛度でしか起らねえんだよ。
そしてそのオバサン構文リプが大体のツイートに飛んでくる。余程暇なのか知らないが、こっちは学校もあって、ただオタ活を楽しみたくてTwitterをやっているので、よく分からない自分語りやアドバイスは要らないのだ。
極めつけには話題が無くなったのか、私が別ジャンルの話をすると、すぐ知ったかをしてネタにするリプを付けるようになった。「私よく知らないけど、**くんって守銭奴なんでしょ?(笑)」みたいなやつである。
これに関してはTwitterなんかでネタにしている我々ファンも悪いのだが、推しのカッコいい所や素晴らしい点を理解した上でカッコ悪さや駄目な所をネタにするのと、ただ単にカッコ悪くて駄目な奴としてネタにするのは違う。前者は愛のあるいじり、後者は風評被害だ。
正直これが一番嫌だった。好きなものを延々馬鹿にされることに耐えられるオタクはまず居ないと思う。
自分は入り口は何でも良かったので、とにかく興味を持って貰えれば、と思い馬鹿にされたキャラ・ジャンルの良いところもあるんですよ、と勧めてみたりもしたが、全部「あ、別に履修する気はないんだよね」で一蹴。別に大して知る気もないけどオモチャにはしたいらしい。Aは私へのリプだけでなく、普段のツイートでも流行りのジャンルに乗っかっては大して知りもしないくせにネタに乗って馬鹿にして、それがとにかく見ていて痛々しかった。子供を育てているような大人が、何より私が憧れていた同人作家がすることじゃないと思っていた。
許せなかったのは、Aは自分が好きなものを何も知らずにネタにされること、さらに言及されることすら嫌らしいというところだった。「大して調べもせずによくネタになんてできますね」とよく言っていた。アンタのことじゃないのか、と何度も思っていた。
さて、この一連の出来事が積もりに積もって、本格的に彼女が嫌になっていたのが相互になって2年目だ。それから3年間、縁を切れなかった理由は二つある。一つは、共通のフォロワーが多く、彼女からのリプ数がとにかく多かったのもあって、私達が界隈で「仲良しのフォロワー」という認識を受けていたこと。もう一つは、フォロワーが1桁だった私を拾い上げ、ずっと可愛がってくれていたことがあった。
Aの言動に、全て悪気はないのだ。私が彼女の性質をとにかく受け入れられなかったというだけ。ネトストも本当にただの好奇心だろうし、大量のリプも親愛からだということは分かっていた。推しを馬鹿にすることも、彼女としては「愛のあるイジリ」という認識だったのだと思う。ただただ、私が彼女の時代性と性格についていけなかった。
彼女を捨てたのは限界が来たからだった。3年前、私は自分のストレスの限界を感じてから、Aに言動の改善を頼もうと動き始めた。ブロックできなかったのは、彼女への情と、界隈の空気が悪くなるのをビビったから。
それから、私は遠回しに皮肉を込めたりして、時にはDMまで送って彼女の行動の改善を試みた。しかし全て空振りした。
私の日本語力がないのかもしれないと思ったが、何人か別のフォロワーから「この一年ずっと見てたけど、多分Aさんには伝わってないよ」と忠告されたので、多分Aの察しが悪すぎるだけだと思われる。
その忠告が来た時、界隈の空気に少しでも影を落としてしまったこと、そして彼女がどうやら18歳のガキよりも言葉の裏が読めない大人だったことに気づいて、諦めた。指定校が決まる前で、受験勉強に疲れていたのもあるかもしれない。アカウントを捨てたのはすぐだった。
…………‥とまあ、色々書きましたが釣りです。垢消しする勇気のある18歳のJKはいません。Aとは今でも相互だし、ずっとブロックしたいな、と思いながら、でも悪い人じゃないしな、と思ってやめてる。なんというか、育児ストレスで人格変わってるだけだと信じて最近をやり過ごしてます。
特定されたくないから、そこそこの誇張とある程度のフィクションが入ってる。
けど今これを読んで少しでも心当たりのあるおばさんオタクがいたら、頼むから自分の言動を振り返ってみてほしい。それ、キモいから。そのままの自分突き通したいんだったら同世代とだけ連んでくれ。
同じ状況に苦しんでいる十代オタクへ。できてない自分が言うのもあれだけど、多分早々にブロ解した方がいい。あるいは転生。良い大人もいっぱいいるから離れ難いのも分かるけど、心機一転しても遅くないから。次は同世代とだけ連もうな。
中高生が金を払わなければ自分を認めて貰えないと当たり前のように考えている。
「親の無償の愛」があてにならない今誰が、何が彼女たちをケアするのか。
2022/09/18
どう考えたってちげーだろw
・「今」なにか特別に親子関係が破壊されてるみたいなデータとかあるんですか?
・なんで100文字中でも「中高生が」から「彼女たち」に主語がスライドするんですか?
・その理論では男子中高生も自己肯定感が低いはずなのに、なんで女子中高生にだけコンカフェ問題が問題が発生すんだろうね?
これに関しては自己肯定感なんて話じゃなくて
十代の子供なんて馬鹿だからこの手の恋愛的な刺激のある搾取スキームに簡単にはまっちゃうってだけ
でもガキからたいした金とれないので男のガキは積極的にはめ込もうとしない
これだけよ
自己肯定感の問題なんかではなく性的価値とヤカラビジネススキームの問題だろうが
お前等さあ、こんなんを「自己肯定感の喪失」みたいな話にしてヤカラスキームから目を背けるならさあ
それこそ統一教会だって何だって同じような処理に出来ちゃうってわかってる?
「信者の人達は教会にはまり込んでお布施をする以外に居場所が無かったんだ
自己肯定感を持てない社会で今誰が、何が信者たちをケアするのか」
↑
こんなんどう考えたってトンチンカンなの分かるよな?
教会がバカみたいなお布施を回収できるのは信者の自己肯定感にそれだけ巨大な穴が開いてるからではなく
そう仕向けるはめ込みスキームが回ってるだけだわ。わかるだろ?それは。
統一教会の問題への対処は自己肯定感についてポエム書くことか?
えげつない金集めスキームの摘発や規制とそれを妨害するような政治家の調査だろ。
○「問題はガキ相手に色恋営業して高額売掛つけて回収を図るビジネススキーム」
こんなん手を変え品を変え発生するんだから
どんな社会でもそういうのにはめこまれる若い女というのも一定数発生する。
それを激減させたいとか撲滅したいとかなら
「ホストクラブ的なものは広く規制」または「ガキ相手に営業した店一発取り潰し」で終わりよ。
この2つを実行する際の摩擦係数が少ないほど若い女を食い物にするスキームは肥える
害が大きくなっていて(というデータはあるのかもしらんけど)減らしたいなという事なら
摩擦係数を高めりゃ若い女を食い物にするダニは痩せるし数も減る
構造の話な
誰かに相手してほしいなら「今」はいっくらでもそんな相手は見つかるわいな
それで刺激が足りなきゃ変な配信で姫でもやってりゃいいじゃんよ
もっと品行方正がいいならふつーーーに勉強や部活を頑張ってりゃ手ごたえのある人間関係ぐらいいくらでも作れるよ
人とうまくやれないならネットでいちびっててもいいし、一方通行の推し活もアイドルからvまでよりどりみどりだ
わざわざメンズコンカフェだのホストクラブだの行くのは家庭状況がどうあれ
「独特の容姿とノリと対応をしてくれる若い男」に相手してほしいから行くんだわ
ソープに行くおっさんだって誰でもいいから相手してほしいんじゃなくて
「手軽にセックスしてくれる女」に相手してほしいからソープ行くんだろ
なんだろう要するにこういうポエマーって自分が感情移入する相手が
そういうつまんない下品な物への消費欲をもってること肯定したくないんじゃねーの
だから「自己肯定感のフンダララ」みたいな別の論点を作り出したい
それで話がどんどん現実から乖離した見当外れポエムになっていく
俺がこういうコメントに☆付けて1位にするコミュニティの何がムカつくってさあ
お前等は真面目に考える気が全くないんだよ。
ひどい目に遭う子のこと真面目に心配する気なんか一ミリもない。
なのになんかポーズだけ取りたがるじゃん?そしてその欺瞞の自覚もぼんやりしている。
人としてよいとこが1個もないやんけ。
改めて見てみろよこれ。ひでーだろ。内容空疎根拠ゼロ現実的ソリューションゼロ。
「今誰が、何が彼女達をケアするのか。」←明らかにポエムやんこれ。
ぜってーこれ書いてる時気持ちよかったんだぜこいつ。 ☆付けてる奴等もな。
人間が何かを切実な問題として考えてたら、たとえ結構頭が悪い人間でも絶対にこうはならない。
端から真面目に考える気が無い人間特有の思慮深げ意味深風社会派仕立てのポエムなんだわこれ。
こういう腐れポエムを書く人間それを賞賛する人間が「良心的ないい人」で、
それらを唾棄して罵る俺みたいなのは「根性の悪い荒らし」なんだろ。
いい人気分で集団オナニーしてたところにこんなん書かれると超気分悪いので
相手を悪人扱いにして罵ったり論点そらしのブコメで言い返したり増田で書いたからどーちゃらこーちゃらって喚くんだろ?
心配する気もない女の子のこと心配してるふりする暇があったら自分のおつむと性格の心配をしたほうがいいぞ。
どんなちょっとしたことであれモノ考えたり書いたりする時はもっと真剣に考えたらどうなんだ?
…っていうこれも悪意の罵倒扱いで耳塞げばいいんだろ?
身体も小さく(小学校6年間ずっと学年で一番低身長だった)スポーツも全くできずコミュ障で陰キャをやってた俺からすると、人生の序盤で上手くやってたのにそこまで転落してしまうというのが想像しがたい…。
小さな頃から我が家では、「ご飯を食べた後家族みんなでリビングで勉強する」という習慣があった。地方銀行員の父は内部管理責任者や銀行業務検定などの勉強。薬剤師の母は薬事法管理者や新薬の勉強をしていた。俺は公文のプリントと進研ゼミ、英検、数検。俺がわからない所があると両親はリビングのホワイトボードを使って教えてくれた。駅弁附属の小学校、中学校に進み千葉県立千葉高等学校に進んだ俺は学年が上がってからも勉強に躓くことはなく、中学、高校でも成績をキープしながら部活や習い事に集中することができた。
このように勉強に苦手意識を抱かなかったのは両親のおかげなのだが、10代の俺は「俺ってすごい才能のあるやつなんだな」と勘違いを起こして努力を怠った。そして「将来の日本は俺が背負うぜ」と官僚を目指した。しかし大学受験ともなると流石に努力しなければどうにもならない。塾の授業を受けるだけでまともに自習することがなかった俺は、夏休み以降に急激に力を付ける同級生たちに追いつかれ始め、結局センター試験で早稲田大学、一般入試で慶應義塾大学に合格したものの東京大学文科一類には不合格。
一年間も追加で勉強するのは面倒臭く、浪人せずに現役で早稲田に進学。大学在学中はギリギリ単位取得のCを取り続けて卒業し、「日本を背負う官僚」となることはなく民間企業の歯車として働いている。
来月で三歳になる子供が水溜まりにはいって遊んで泥んこになって
服を洗ったけれども子供のお気に入りの服の汚れがとれなかった(洗いかたを調べてみたら私の洗いかたは間違えてた)
泥ジミだらけになった子供のお気に入りの服を子供に見せて「この汚れとれなかった。もう水溜まりで遊んだらだめだよ」って言っちゃったけど
子供が水溜まりのなかに入るのは子供にとっては自然な行動ってネットででてきて
私の行動は間違っていたのか……と落ち込んだ
子供のお気に入りの服はちょっとおたかめのブランドの服なので汚れがとれないと私が落ち込む
安い服だったらそんなに気にならないけど服のこだわりが激しい子供なのでお気に入りの服を着たがる……公園に行くときは安い服を着てほしい
はやく子供が大きくなって、こういう悩みとは無縁の生活が送りたいけど
子供が大きくなったらなったでテストが~夏休みの宿題が~入試だ塾だ部活だとまた別の大変なことがやってくるんだろうけども
ハーレム(プラチナ)エンドが見たいために分岐まで戻ってフラグを折ったり、そこまでしなくて良くない??という気持ちが抜けない(精一杯人生をやってもどこかしらで瑕疵は出てしまうので)
マルチエンディングでやったことはないが覚えているのがあって、
「どこかの部活の主将キャラを攻略しないでおくと、主将キャラが全国インターハイで勝ってめちゃめちゃ強い選手になる感じの恋愛ゲーム」
これのタイトルが思い出せない。
この作品の良さ(やってないが)はヒロインとして選ばなかった女の子たちも主人公が不在の人生をやってるところで、シノアキルートの結婚まで進んだならそれ人生としてかなり良い方では??という気もするしシノアキが@KIとして活躍していたら、結婚(人生の理解者を得る)はしていなかったし、家事もできないままでどこかでドン詰まる気がしてならない。
なんなら主婦やって再活動しようとしてるシノアキのほうが積みから遠そうだし、活躍できそうな気がする。これはこれでシノアキの幸せな気もする。
生徒にとって親身で、将来への指針を示してくれて、多くの有用な知識を教えてくれて、いつか感謝されるような先生になりたいんよ。
残業しないと授業のクオリティが下がって教科書を読むロボットになるかもしれないし、ホームルームはただの伝達事項の確認だけになるかもしれない。部活は無理せずに週3で1回1時間のみ、とか。
それで良い、という人もたくさんいるだろうけど、多分卒業後、生涯に渡って感謝し続けられるような存在にはならないじゃん?それだとやり甲斐を感じない人が多いんよ。
自分より圧倒的に弱い立場の子供に一方的に「指導」をしてそれを生涯にわたって感謝されたいって、完全にサイコパスとか自己愛性人格障害にしか見えないな。でも実際そういう奴にとって都合のいい仕事なんだろうな教員は。
なんかこういう感じで、「私の考える理想の生徒像」とか「私が感謝して欲しいと思う生徒像」とかを勝手に期待してそういう非実在生徒に向けた独りよがりの指導()をして悦に入ってる教員いたな。
部活や遠足や修学旅行、体育祭、文化祭、進学指導を楽しみに学校に来てる子たちに
「今日から教科書を読み上げて、教科書に書いていることを黒板に写し続けます。行事や部活は勤務時間を超えるからしません。」って言ったら可哀想じゃない?