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はてなキーワード: ピタリとは

2020-02-17

twitterって日本人と相性悪い

twitterのおかげで、日本はめちゃめちゃになったと思わないか

匿名でいい加減な発言する5ch(2ch)が国民に広まった感じ。twitterは圧倒的にインターネットの「負」の部分を撒き散らした。

匿名を好む日本人にピタリとハマったが、洗脳デマ工作活動の温床になっちまった

twitter見なきゃいい、ってレベルじゃなくて、日本に毒を撒き散らすのにピッタリだった。

日本にとっては実に相性悪い。

2020-02-15

anond:20200215171527

人間はモノ(制度もモノ)を作り出すことで自分たち環境を変える。

個人感性環境の影響を受ける。つまり人間はモノを作り出し、モノに教育される。

人間とモノはそれぞれ影響しあい変化しながらつかず離れず進む。

感性制度齟齬がなくなりピタリと一致することは永久にない。どっちも動いているか

2019-12-21

anond:20191221012849

人間それぞれがそれぞれの島宇宙帰属し、島宇宙間では交流がないために断絶が起こる……ってのはかつてポストモダン論なんかで結構語られてたよね。

2010年代も終わろうとしてる現在、あの頃の言説はピタリと当てはまってるように思う。

2019-12-19

anond:20191218145005

トラバまで読んで、クソバイスかもしれないと思いながら書く。

うちは妹が発達障害暴力傾向があり。私は姉。

子供の頃から、時々妹に暴力を振るわれていた。親が止めてくれたか大事に至ったことは少ないが、流血沙汰もあり、一生残る傷を顔につけられたりもした(幸い小さくて目立たない)。

血を流して泣く私を見て、妹は(こいつは暴力で黙らせられる)と判断していたんじゃないだろうか。

だが、二十歳を越えたある日、私のほうで何かが切れた。こいつに一生、舐められて暮らすのはごめんだと思ったのだ。

それまでの私には、暴力への禁忌感覚が強くあったのに、その瞬間だけは吹き飛んだ。

私は妹を殴りつけ蹴り倒し、傍らにあったフライパンを持ち上げて、わめく妹の頭の上に振りかぶった。

さすがにそれを下ろすつもりはなかったと思う。わからないが。

妹は目を丸くして、逃げていった。それからしばらくは、妹はおとなしくしていた。

だが数ヶ月後、やはり私の言動が気に入らなかった妹が、誰もいない時を見計らって飛びかかってきたことがあった。

その時も、私の頭の中で何かが静かに切れた。

私はタックルしてきた妹の体を掴んで地面に叩きつけ、そこからはまた手加減をやめた。

この後どうなってもいいから、こいつが死んで私が刑務所でいいと、本気で思った。

対して、妹は舐めていた。前回の件があったとはいえ、なんだかんだこれまで姉を暴力ねじ伏せてきた歴史が、妹を油断させていたのだ。

本気になってみると、妹は体こそでかいが、力は弱かった。そういえばこいつ運動苦手だったな、とぼんやり思ったのを覚えている。

劣勢を感じ取った妹が私を

キチガイ!」

と罵った。私は

「ああそうだよ。テメーはそのキチガイに今まで何してきたか、わかってるよな?」

と返し、妹はその瞬間びくっと体を震わせてから、泣き出した。

それが十五年ほど前のことだ。

あれ以来、妹の私への暴力ピタリと止んでいる。

問題はまだ沢山残っている。気が重い。妹は相変わらず私の重荷だ。

けれど暴力だけはなくなったし、更に私の言葉に対してある程度従順になった。他の人間言葉に反発しても、私があの日のことを思い出しながら話しかけると、渋々ながらも話をきこうとする。

もちろんこんなのは、ひどい話だ。妹の何かが改善したわけではなく、ただ怯えておとなしくなっただけ、何も解決していない。

だが向こうから暴力がないこと、かつてのような舐めきった態度に出られないことだけでも、私にとっては多少の救いにはなった。

すすめられる方法ではない。最低だからだ。自覚している。しかし、暴力相手ねじ伏せようとする人間は、だからこそ暴力で対抗された時、脆かったりするということは事実だ。それだけを伝えたかった。

2019-11-15

電車で明らかに自分サイズにあってない席に座るおっさん

片手チョップの仕草で口を尖らせ小声で「スイマセン」といいながらケツを両脇の人の肩に擦らせながら座る。

座ってから、この席が自分には狭いことに気付く。

芝居ががった仕草で肩を極端にすぼませ、脚をピタリ閉じる。キョロキョロしたり咳払いをしたりして「なんかココせまかったな〜 僕どうしよう」とでも言いたげな表情をする。

10分後〜

疲れるからすぼませた肩や閉じた脚のことは忘れてしまう。それと同時に両脇に人が座っている事も忘れてしまう。身体全体の筋肉から力を抜く。ここはおれの城だ!

2019-11-12

乳幼児スナイパー vs ステンカラーズ

本来なら横のつながりのない乳幼児スナイパーの業界で、唯一ひそかに徒党を組んでいると思われる同業者たちがいる。この季節になるとなぜかステンカラーのコートを好んで着たがる女性だけで構成されたその部隊を俺は「ステンカラーズ」と呼び警戒している。

コートの色がそれぞれ違うのは、きっと彼女たちの中で仲間を識別するためと思われ、特にベージュのそれを身にまとう者は士官クラスであると俺は踏んでいる。

テンカラーズの恐ろしい所は、俺のように鬼気迫る一瞥や、標的を恐怖のどん底に突き落とす表情や、特殊攻撃モジュール必要とせずに、「にっこり」と笑顔だけで乳幼児の動きを封じてしまスキルにある。おそらくは精神波による強制暗示の使い手だろう。射程距離は多少短めだが、その分至近距離から確実に乳幼児を仕留める恐ろしい奴らだ。この業界における、目的のためには恫喝白兵戦も厭わない彼女たちの専横ぶりを同業者たちの警戒を促すべくここに記す。

さて平日の朝の、ここはとある私鉄の某駅に停車中の車内である。乗り換えの急行から降りてきた家族連れが満員の車内に乗りこんできた。ベビーカーをたたみリュックを前に抱えたパパがいる。つまりそれはその背後にママに抱っこされた赤ん坊がいる事を意味している。あのスーパーワゴンみたいなんじゃなくてたためるベビーカーと言うことは首が座ってるくらいの赤ん坊だろう。長年の電車通勤をしている大人の俺はそれを肌でわかっている。

果たして俺の狙撃の標的となるやもしれなかった赤ん坊ママに抱っこされてだらしなく口を開けて惰眠を貪っていやがった。何かおいしいものを食べてる夢でも見てるのかときおり口をもぐもぐさせている。いい気なもんだ。とりあえず勘弁してやろう。大人からな。

状況が動いたのは表参道の駅で乗客大勢入れ替わる乗り降りの瞬間だった。目を覚ました赤ん坊は周囲をキョロキョロして「あぁ」とか「たぁ」とかわけのわからない言葉を発し始めた。本当に語彙が貧困で活舌も悪いガキだ。もちろん俺は一瞥を開始している。しか赤ん坊はなかなかこちらを見ない。にぶいガキだなあ。ところが「つぎはぁ霞ヶ関ぃ」とスピーカーから聞こえてきた瞬間泣き始めた。霞ヶ関に何かトラウマでもあったようだが、遂にプロの出番だ。しか今日立ち位置問題がある。俺の隣にリュックベビーカーを抱えて直立不動父親がいるのだ。

「えへっえへっえへぇぇっ・・・・」と赤ん坊が肺の中の空気を残らず吐き出した。これはシン・ゴジラよろしく次の瞬間一気に「すうっ」と深呼吸して「っびゃああああ!」と大泣きするサインだ。プロの俺は知っている。乳幼児スナイパーが警戒すべきなのは親に気づかれることなのだが、周囲の目にも気を遣わなくてはいけない。目撃者存在自分危険に追いやり、とき社会的地位を脅かされるリスクもあるのだ。大人には大なり小なり社会的地位があるからな。たとえ底辺リーマンであってもだ。

しかしこれはA+級の泣き声を上げるサイン。ここは多少の傷を負うことは覚悟して俺はバッグの中にしのばせた、昨日酔っぱらってゲーセンクレーンゲーム両替機に足を運んでまで入手した特殊攻撃モジュールの在り処を確認した。頭にゴム紐のついたライチュウハロウィン仕様)のぬいぐるみだ。

だが次の瞬間、母親の右前に立っていた女性が振り返った。

テンカラーズ!しかベージュ

間髪を入れず彼女は至近距離から「にっこり」攻撃赤ん坊精神支配下に置いた。初弾でこの威力!まさにステンカラーズ。赤ん坊は恐怖のあまり泣き声をピタリと止めて凍り付いた表情で彼女を見つめている。

くそ!俺の獲物を貴様!頼むからそっち向いてつむつむでもやっててくれよ!そんな俺の殺気など意に介さず彼女は「ひとがたくさんでびっくりしちゃったねぇ」。なんと恫喝まで加えるコンビネーション。おそらくはステンカラーズの中でも相当の上級者と見た。

テンカラーズの女の攻撃はなんと母親にまで及び「うちの甥っ子もこれくらいなんです」と恫喝し、母親のガードも破壊した。なお父親空気である。俺も空気である

多少ぐずりつつも少し落ち着いた赤ちゃんに、彼女人差し指をそっと突き出した。おいやめろ、まさか白兵戦に引きずり込む気か。目の前に突き出された人差し指赤ん坊は反射的にぎゅっと掴んだ。これは・・・握手!ステンカラーズ士官のあざやかな手口に母親は「すみませぇん」父親は「ありがとうございます」と完全に彼女支配下におかれた。俺は空気だった。俺のバッグの中のライチュウハロウィン仕様ももはや出番はなかった。

家族連れは日比谷で降り、なんと別れ際には赤ん坊降伏意味するバイバイまでせしめ、ステンカラーズの女は何事もなかったかのように二重橋前で颯爽と降りて行った。その後ろ姿はまさしく大人女性の貫禄。

から突然現れたステンカラーズに戦況をがらりと一変させられ、何もできず一方的な敗北を喫し車内に取り残された俺はぼんやりと、目に留まった週刊文春中吊り広告に今週の原色美女図鑑をチェックしていた。ヤンジャングラビアのチェックじゃないぞ俺は大人からな。

11/14→https://anond.hatelabo.jp/20191114000736

2019-10-23

anond:20191022151516

そもそも観測者が固定されてないか仕事が発生してないように見えるだけ。

真上に発射された核ミサイルを上から押してピタリと止めてるスーパーマンは一切仕事してないのか?

前に進もうとするエンジンスーパーマンの怪力(と地球の引力その他諸々)という二つの仕事が打ち消しあって釣り合ってるだけ。

仮にここで核ミサイルエンジン故障していきなり止まったら、スーパーマンの怪力でミサイル自由落下よりも遥かに速く真下に叩きつけられる、つまり仕事が発生したように見えるはず。

テーブル云々はただの蛇足。その「荷物」とやらが排水量10万トンの航空母艦だったら?IKEAで売ってるテーブル一つで支えきれるか?

2019-10-13

人の気持ちがわからない

そりゃ他人の頭や心の中を開けて覗き見ることは不可能だが、自分想像力や観察力の欠如なのだろうか。

実践的な方法として、相手の声、目線ジェスチャー、話の流れ、などを総合的に判断して相手気持ち推し測る、ということを実行しているが、これまでの経験では、いくら観察し想像してもこの方法相手気持ちを当てることができなかった、つまり相手気持ちがわからなかったのである

もちろんその結果相手不快な思いをさせたことも少なくない。

そんなにも私の観察力や想像力は劣っているのだろうか。

まりにもこのようなことが続いたため、いつしか人とコミュニケーションするのがこわくなった、そして面倒になった。

どうせわからないなら、はじめから相手にしない。

自分コミュニケーションによるメリット享受できないかわりに、相手デメリットを与えることもない。

「人の気持ちがわかる」って具体的にどういうことなんだ?

覗き見ることもできなければ、人は皆エスパーでもない。

私以外の人たちは一体どんなマジックを使ってるんだ?

私と接触した人は私の気持ちピタリと当てることができるんだろうか。

2019-10-06

anond:20191006124139

ほんの一時間前まで稼働してたのにピタリとやむも何もないだろ

飯食ってるだけの可能性の方が高い

2019-09-06

夫が家捜しする

夫はどうも私の財布や手紙や書いたものや持っている本を盗み見ている。

以前夫の私への威圧的もしくは迷惑言動、例えば暴言を記録していたらあるときからピタリとなくなり、かわりに子供に嫌みを言うようになった。

単位で続いていた、迷惑な改めてくれない行動を勿論夫には未公開のつもりで記録し始めたら改めた。この事は生活し始めのときにどうして欲しいかいちどならずハッキリ伝えていた。しかし軽くでも謝るでもなくずっと無視だった。

言葉でハッキリと、どうしてほしいか具体的に伝えると改めない。もしくは増悪させる。あるいはお前は感情的になっているから話さないと怒る。そうでないなら喧嘩を売っていると怒りまるで話にならない。

しかし記録すると改める。

 

全く色々と想像が湧く。

先日、私にきた手紙を本に挟んでおいたら、本から抜いて読んだ形跡があった。またかと次の日、別の場所に入れてみた。台所の、夫が開けてみることもない場所に。翌日の朝確認したらどうも触ったような乱れがある。もう一度、まず触ることのありえないところに慎重に納めた。今朝確認したら納めた時と様子が違う。毎日家捜ししてるのか。

気持ち悪い。

とはいえ上記の事を誰かと一緒に確認したわけでもないから、ドクター案件可能性もないわけでもないだろう。

気持ち悪いわ。

2019-08-29

命日の決まっていた猫のはなし

の子は命日が決まってるんだな。


安楽死を決めた時、私はそう思った。


うちのかわいいかわいい猫のはなしをしようと思う。

疲労と虚しさMAXだった若かりし頃、実家の犬を恋しがる私に知人が囁いた。

「猫なら手がかからないよ」

あれこれ言い返したと思う。それでも知人は言葉巧みに猫の良さを吹き込み続けた。

結果、私は一度でいいから飼ってみたい、とメインクーンを選んだ。

いい子が安く買えるかも、と安易な思いつきでネット検索し、ブリーダーからそれはそれはかわいいブラウンクラシックタビーの男の子を譲ってもらった。

買い手がつかず生後半年のその子は、7万円で我が家にやってきた。

残念なことに重度の食物アレルギーを持っていたその子は、メインクーンとしてはあまり大きくなれなかった。

メインクーンの成長が止まるまで三年ほど。その間、血便を伴う下痢を何度もくり返し、体質に合う処方食が見つかるまで一年かかった。

ベスト体重は6.4kgの、男の子にしては小さなメインクーンになった。

ただ、私の猫はとても朗らかだった。

人間が大好きで、友人たちのアイドルになった。

「猫は好きじゃないけどこの子は好き」

積極的に会いに来てくれる人もいた。

7歳の時にアレルギー改善したのは幸いだったと思う。アレルゲンの除去療法に成功したのだと思うけれど、詳細は医学系の情報をあたっていただきたい。

10年生きればいい、と言われた猫は、13歳になった。免疫力が落ちてきたのか、鼻炎で鼻水を垂らすようになったけれど、月に一回の通院で点鼻治療を続けた。獣医が言うには加齢によるものから対症療法しかないとのことだった。

13歳になったある夜のこと、帰宅すると猫が倒れていた。体温が下がり、呼吸は荒く、今にもしんでしまいそうな様子だった。

近所のかかりつけ医に連れて行くか、救急病院に連れて行くか、それとも家でこのまま看取るか、悩んだのは10分くらいのことだった。

私は猫をキャリーバッグに詰め込んで、タクシーに飛び乗っていた。

朝まで元気だった。食事を少し残したことが気になったけれど、それだけだ。わけもわからず失いたくなかった。

向かったのは、夜間診療もしている以前のかかりつけ医だった。引っ越しして何年も経つが、カルテが残っていた。

タクシーの中から電話をしたので、急患として即座に処置を行ってくれた。電話を聞いて急いでくれたタクシー運転手さんにも、病院スタッフの皆さんにも、その間待ってくださった他の患畜の皆さんにも、感謝している。

採血レントゲンCT、様々な検査をして酸素が投与された。

原因はわからないが肺に水が溜まっている、無気肺を起こしている、心臓肥大している、明日はないかもしれない、そのようなことを言われた。

今夜が峠ですってやつだな、と頭のどこかで考えていた。原因がわからない以上、治療のしようもなく、とにかく今晩頼んで帰宅した。

妹猫が、不安そうに待っていた。抱きしめて泣いた。

ほとんど眠ることができず、翌朝病院が開くのと同時に向かった。酸素ハウスの中で猫は、ぐったりと寝ていた。声をかけて触ると、目だけでこちらを見た。

酸素投与とステロイド抗生物質の点滴を続けた。

猫は三日間何も口にせず、病院許可を取って自宅からフードを持参した。四日目の朝だ。朝ごはんを完食したとうれしそうに看護師さんが教えてくれた。猫は酸素ハウスの中で座って、帰りたいと鳴いた。

どこかで見た記憶を頼りに、ペット用の酸素ハウスレンタルして、自宅で看取ると連れて帰った。猫はなかなか酸素ハウスに入ってくれなかったけれど、その間は酸素マスクそばに置いた。明日にもしぬかもしれない猫を、無理矢理ハウスに入れるつもりはなかった。

毎日好きなものを食べさせた。後にいうちゅ~る食べ放題まつりだ。

内服薬だけはと飲ませながら、一ヶ月、二ヶ月、三ヶ月。酸素ハウスを返却した。猫は普通に歩いていた。

猫の中で何がおこっているんだろうと、もう一度病院へ連れて行った。色々と再検査をし、二回目のCTを撮った。前回の入院で右の肺は半分ほど潰れてしまっており、心臓肥大していた。

「あのあと他の先生たちにも聞いてみたんです。猫ちゃん重症喘息による無気肺です。あの時は肺炎合併してああなったんでしょう。また繰り返す可能性はあります

うちの猫喘息だったなんて、全く気づかなかった。鼻水を垂らしてくしゃみをしている、と思ったのは咳だった。それと知ってから注意して見ると、くしゃみをする時と、咳をする時があった。喘息治療をすべきだったのに放置していたことを、深く後悔した。

近所のかかりつけ医は信用できないと、遠くの病院まで月に一回ほど通うことになった。そんな生活を7ヶ月ほど続けた。

ある時、帰りのタクシーの中で猫が粗相をしてしまった。ペットシーツのおかげで大事には至らなかったが、粗相するほど我慢させたことが申し訳なくて、近所に開院した別の病院に連れて行った。

その頃猫はまた鼻水を垂らすようになっていた。それから右目だけ瞬膜が出るようになっていた。年を取ると瞬膜が出っぱなしになりやすいというが、右目だけ? と少し気になっていた。

これまでの経過を聞いた先生も、それが気になると言っていた。ひとまず二週間分の喘息の薬をもらって、信頼できそうな先生だと安心した。

二週間後、先生が言った。

「顔の右側が腫れてきている。鼻の悪性リンパ腫可能性があります

そうか、と思った。ショックもあったが、もしかしたら、と思っていたからだ。

右側からしか出ない鼻水、瞬膜、大きくなってきたおでこ

「顔の悪性リンパ腫はどうなりますか」

「すごく腫れます。ぼこぉって変形してくると思います最後は悪液質で亡くなることになります

私の猫は片肺の13歳だ。抗がん剤治療には耐えられないと判断して、ステロイドによる治療選択した。

けれど腫瘍を抑えることはできなかった。ステロイドを増やしても、どんどん腫れるばかりだった。

25mg/日を10間内服させて、それでも腫れが進行していた。鼻血浸出液で、可愛かった顔は汚れるばかり。けれど拭かせてくれなかった。

副作用による空腹感で、猫は鳴いて鳴いて、可哀想だった。

ステロイド25mgは5錠になる。朝3錠、夜2錠。追加して抗生剤が半錠ずつ。

苦しみながら飲む猫に、私は治療の中止を選択した。自己満足しか思えなかった。

薬剤性の高血糖で血糖測定やインスリンもしていたが、全てやめた。

ステロイドを中止した翌日から、猫は昏昏と眠るようになった。

ごはんを食べて、寝る。そんな穏やかな生活は、5日しか続かなかった。

から鼻血、口からはよだれが大量に出るようになり、ペットシーツが欠かせなくなった。それでも気を抜けば部屋のどこかが血だらけになっていた。

カリカリを食べなくなった。ウェットなら食べてくれたのも2日ほどだった。それからはちゅ~るしか受け付けなくなり、ちゅ~るさえ食べない日もあった。

視神経が圧迫されたのか、目が見えなくなった。突然の全盲であちこちぶつかりながら、恐恐歩くのが可哀想でベッドの上を区切ったらそこで眠るようになった。

トイレにいけなくなった。連れて行くとおしっこはするときもあったが、どんなに踏ん張ってもうんちは出せないようだった。

2週間が経った。

ちゅ~るも食べなくなった。食べられなくなった。

最初は食べようとしたけれど、ひどくむせて鼻からも口から出血する。鼻と口が繋がってしまったようだった。そのうち猫は食べることを諦めた。

当然水も受け付けない。脱水がひどくなり、あれほど出ていた鼻血浸出液ピタリと止まった。

このまま家で見ていても、数日で亡くなるだろうと思った。

けれど、体の置き場がないとフラフラになりながら寝返りする姿や、一箇所でぐるぐると回る姿、とうとうベッドの上でおもらしして自分でショックを受けている姿を見て、安楽死を考えるようになった。

別れたくない。悲しい。寂しい。

それと同じくらい、楽にしてあげたい。

戻れないことはわかっていた。朗らかで、やんちゃで、甘えて鳴いてばかりのあの子はもう戻ってこない。

自分だったらどうだろう。ガンの痛みに苛まれて、目が見えなくなって、鼻からも口からも色々な体液が出て、お腹が空いても食べることができなくて、そして今は脱水症状に苦しんでいる。

動物病院に状況を報告した。安楽死選択ひとつだと思うと先生は言った。

苦しみの合間、眠っている猫を見て思った。

の子は命日が決まってるんだな。

翌日は動物病院休みだったから、一日中猫と過ごした。

苦しんで鳴く猫を撫でて、体をトントンして、そうすると猫は15分くらい寝る。それからまた起きて苦しむ。

愛しさと諦めが交互にやってきた。

安楽死の当日。予約時間ギリギリまで悩んだ。

行きたくないと言って泣いた。ずっと一緒にいたい。家で最期まで看取りたい。

猫は眠る時間が少し長くなったように思った。昏睡に近かったのだと思う。

やっぱりやめようか、と言ったのは予約時間5分前だ。

猫は起きて、苦しそうに叫んだ。

看取りたいというのは自分エゴだと思った。泣きながら猫をキャリーに入れて、病院へ連れて行った。

病院は昼休みだった。着いたときから先生看護師さんも泣いていた。おとなしい猫のことを、かわいいかわいいと言って撫でてくれた人たち。

点滴の針を刺す。処置室へ移動する。気が済むまで二人で、と先生たちは出て行った。たくさん話しかけてあげて、と。

けれど、声を出したら号泣してしまいそうで、やっぱりやめると言ってしまいそうで、囁くように「いいこ」「ありがとう」とくり返していた。

猫はぐったり寝ていたけれど、起きて、また鳴いた。苦しい、と。

大丈夫もっと話す?」

顔を出した先生に、私は言った。

「お願いします」

病院がきらいな子ではなかったけれど、一番好きなのは家に決まっている。

早く連れて帰りたかった。楽にしてあげたかった。

最初に繋がれたのは麻酔薬だった。プロポフォールだと思う。しみる薬剤だから、薬が入る時、猫は苦しそうに泣いた。前投薬をお願いしなかった私のミスだ。

数十秒で猫は眠って、呼吸が浅くなった。

そのあとに二種類入ったけれど、そちらが何だったのかはわからない。猫は呼吸が止まり心拍が止まった。

二人とも号泣しながら、とりとめもなく話をした。

先生は、前は安楽死に反対していたけれど、自分の猫の時に限界まで頑張らせてしまって、後悔してからは賛成していると言っていた。

「やさしい選択をなさいましたね。いいおねえちゃんでよかったね」

先生は私も、猫も褒めてくれた。

帰ったらお風呂に入れてあげるといいと言われて、本当はもう何も本人の嫌なことはしたくなかったけれど、少し悩んで体を洗った。

たっぷりシャンプーリンスを使って、血の塊やこびりついていたおしっこを全部洗い流した。

体を拭いて一番涼しい部屋に連れて行くと、留守番していた妹猫が不安そうにしていた。

帰ってきた兄猫、もう呼吸の止まっている兄猫、私を見て、鳴いた。

「どうして」

体を乾かして、耳や口に脱脂綿を詰める姿を妹猫はじっと見ていた。

すべての処置が終わって、ダンボールに入った兄猫のところにもう一度行って、悲しそうに見ていた。

猫が"死"を理解しているのかはわからないけれど、どんどん具合が悪くなる兄猫が妹猫の相手をしなくなって、苦しそうにしている姿をずっと見ていた。

「もう大丈夫だよ」

妹猫を撫でて、一緒に寝た。兄猫のように朝まで一緒にはいてくれなかった。

いつかはと思っていたから、その後の段取りスムーズだった。

猫が生きている間に葬儀社を見繕ったり、アイスノンの用意をしたり、体が収まるサイズダンボール箱を用意したりするのはつらかった。

でも、しておいてよかったと思う。きちんと見送ってあげることができたから。

それから、死後の処置自分でしてよかったと思う。

鼻血浸出液の塊を洗い落とした猫の顔は、やっぱり私にとって世界一かわいかったけれど、同時に諦めがつくほどに哀れだった。

大きくなった腫瘍が鼻の穴を塞ぎ、裂いて、口の中まで入り込んでいた。

処置をしなくてもあと2~3日だっただろう。

けれど、その2~3日あとには更に腫瘍が広がっていただろう。

どれほど頑張ってくれたのかわかって、うれしかったし、ありがたかった。

姉が言った。

「いっぱい愛してもらったね」

そう。猫に愛されていたのは、私だった。

家猫のあの子にとって、世界で一番愛しい相手は私だった。

安楽死を悩んだ時、はてな匿名ダイアリー記事がとても参考になった。

自分ペットに対して安楽死選択したことは、あまり口にできないことだと思う。

感謝気持ちを込めて、私も書き残そうと思った。

それから、鼻腔内腫瘍、鼻の悪性リンパ腫の転機についても可能な限り詳細に記した。

目に見える病気はつらい。これからどうなるんだろう、最後はどうなるんだろう。調べてもわからなかった。

もちろん、早期から悪液質になり、眠るように息を引き取る子もいるとは思う。

ただ、私にはそういう例が見つけられなかった。

ペットロスに関しても、亡くなる前の方がキツかった。

対処法を調べても亡くなったあとのことばかりで、毎日毎分生きてるか不安に思いながら涙する感情対処する方法は見つからなかった。

結論から言うと、どうにもならない。だからどこにも書いていないのかもしれない。

とりあえずいつでも仕事をやめられるように貯蓄に励むといいと思う。かけられる人は不労保険とかもかけたらいいんじゃないかな。

自分に関して言えば、家で付き添うようになってからの方が不安は少なかった。

離れている間にしんでいないか毎日戦々恐々としていた。

最後お金の話をしようと思う。

7万円を最初に出したのはそういう意図だ。

4日間の入院で15万円ほどかかった。

酸素ハウスを3ヶ月レンタルして6万円。

薬代が月に1.5万円~3.5万円。

採血レントゲンが1.5万円。

CTが4万円。

そして安楽死処置が3万円で、葬儀が2万円。

治療11ヶ月に及んだ。がんばった私。

もっともこれはミニマム治療だった。良心的な動物病院だった。

抗がん剤を使っていたら、入院が長期に渡っていたら、考えるとキリがない。

お金がない人はペットを飼ってはいけない。

これはもう、べきとか、なるべくとかではなく、事実として。

最低賃金上がればいいのに。

雑然と書いたけれど、私の猫の話はここでおしまいです。

いつかどこかの誰かと猫の、役に立ちますように。




8/31追記

twitter感想を見かけたよ」と友達が教えてくれたので、検索して全部読んだ。

自己満足と、もし検索に引っかかればって気持ちで書いた乱文に、たくさんの言葉ありがとう。とてもうれしかった。

今でも歩いている時に何の前触れもなく涙が出たりするけれど、愛の量だと思ってる。

安心してるんだ。もう苦しんでいないって。

でも、私の帰りを待っていることはないって、それがどうしようもなく悲しいんだ。

この感情はそれぞれ別のものから、ずっと抱えていくと思う。

話が複雑になるので詳細は省いたけれど、妹猫の話を少ししようと思う。

便宜上妹と言っているけれど、血縁関係はないんだ。

今回記事に書いたメインクーンが超絶寂しがり屋で、一頭飼いしてたら精神的におかしくなってしまったので、保護猫だった年上の女の子に来てもらったのが最初(便宜上姉猫)。

姉猫は10歳で先立ってしまった。その時も色々あったけれど、今回は触れない。

姉猫が亡くなってしばらくはメインクーン一頭飼いだったけど、やっぱり寂しかったみたいで、妹猫に来てもらった。

飼いたくてメインクーンを選んだけれど、飼ってみたらあんまりに愛しくて、猫のことを色々調べるようになって、保護問題ペットショップの不適切販売を知ったんだよね。

私は安易に猫を飼いはじめてしまったけれど、だからこそ2匹目は保護猫って決めてた。

妹猫は兄としてメインクーンを慕ってくれて、本当に仲が良くて、その姿は癒やしだった。

その時に弟猫だったメインクーンは、兄猫になったんだ。

妹猫は寂しそうだし、悲しそうにしてる。人間と同じように、悲しみを抱いて生きてくんだと思う。

「別れがつらいから二度と飼えない」って人に伝えたいことがあるんだ

姉猫が逝った時、もういいかなって私も思った。兄猫が寂しがらなかったら、妹猫は来てなかった。

実際のところ来てくれたから、わかったことがある。

それは、亡くなったあとも、思い出が増えていくってこと。

妹猫を見て、姉猫はああだったな、こうだったな、って思い出すことが増えた。

最初ちょっとつらかったり、姉猫と妹猫を比べるようで申し訳なくなったりしたんだけど、すぐに違うなって気付いた。

妹猫を通じて、姉猫の思い出がどんどんやさしいものに変わっていった。当たり前だった記憶ひとつひとつが、キラキラ色づくようだった。

亡くなったあとも姉猫を愛しく思う気持ちはずっと続いていた。

兄猫がさみしがらなければ、妹猫が来てくれなければ、知らなかったこと。

きっとこれは、新しい子を迎えるつもりはなかったのに迎えることになったから気付けたことだったので、共有しとく。

別れはつらいけれど、悲しいし寂しいけれど、次の出会いを恐れる必要はないと思うよ。

いつかあなたが、愛し愛される家族とまた暮らすことができますように。

姉猫も兄猫も妹猫も、どの子世界一かわいい

世界一ひとつしか持っちゃいけないって誰が決めたんだ。少なくとも私の辞書にはないな。

生きててくれるだけでよかった。逝ってしまっても愛してる。

の子もみんな世界一だよ。

あとな、創作って言ってた人な。

文章力があるって受け取っとく。ありがとうな。

創作だったらいいな。

そしたらきっと今頃、どの子もうちで伸び伸び寝てて、パソコンに向かってる私のところに兄猫あたりが飛び込んでくる。

キーボードダイブしてもいいよ。叱るけど。

ずっとずっと愛してるよ。

ところでなんで増田なのか(あとでぐぐっとく)

2019-08-21

アルキメデス大戦 ネタバレ感想

・冒頭の交戦シーンがいい。エンジン音とか、爆弾がヒューッと落ちてくる音が恐ろしくて、思わず身震いしてしまった。

プライベートライアン級とは言わずともかなりの迫力。

・撃ち落されたアメリカパイロットが回収されるシーンは、少し鼻がついた。

意図はわかるけど、3~4人全員が手を止めていかにもなショック受けました顔はくどい。もっと自然演出にして欲しかった。

・実際のところ、戦艦ひとつが有るか無いかで、戦争への運命が変わるか?そんな単純なもんじゃないよねっていう映画を楽しみつつも心の片隅にあったツッコミに対してもきちんと回答があったのがよかった。

平山案阻止が戦争回避になると信じる主人公の櫂と、戦争回避など時すでに遅しと、その後の事を構想する五十六平山の対比ね。

天才だけどまだ青い。その若さが眩しいよ。

・老獪なジジイどもに才能あふれる美しき青年がやり込められる図はいものだw

平山に篭絡されるところはもはやエロスさえ感じる。

しかし、平山思想って基地外すぎるだろwでも物語として面白かった。

・ずーっと「平山案」と呼ばれていた戦艦名前が「大和」と明かされるところは、おおってなった。いい脚本だ。

TV最近、めっきり疎いので菅田将暉がこんなに魅力的な俳優とは知らなかった。演技うまいね。

・板書しながらの演技はお見事。

グラブルキモイCMの人ぐらいの認識しかなかった。これは確かに売れっ子になるわ。

悪魔に魂を売ってしまった後の櫂の表情は最高だった。あの敬礼の死んだ目線はしびれる。これが見たくて2回も見てしまった。

・しっかりと時の経過を感じられるのがよかった。少佐から中佐に昇進して何を思ってやってきたんだろうと思いを馳せたくなる。

・あと、演技いいなと思ったのは田中少尉平山中将永野中将

・最高のバディだったよ、田中少尉は。敬語やめて欲しくてムキになるところの言い方が面白い。

平山中将眼鏡キラーンと光るのは、あまりにも漫画表現すぎて笑いそうになったけど、それ以上にシビレた。

特に美味しい場面がある訳じゃないけど、永野中将がやたら好きだった。

・國村さんの声が良すぎてずるい。大音量流れるボイスが心地よすぎる。

・櫂が自分で導き出した式で金額ピタリとあてるところ。まず1回目に五十六バンバンと机をたたくのもいいが、2回目に永野中将競馬に勝ったおっさんみたいにはしゃぐの好き。

煙草をくゆらせるのも全部かっこいい。この映画で一番かっこいいのは永野中将だ。

鶴瓶鶴瓶しかなかった。下手くそで正直萎えたけど、原作キャラクターがまんま鶴瓶らしいね

・1回目はキャイーン天野からなかったけど、2回目は気づいた。枝野さんにめちゃくちゃ似てね?

尾崎お嬢様の服かわいい。演技が若干拙いところが却って浮世離れ感出てた。

・橋爪さんはもう今はデフォあん滑舌なのか?

・一目で敵側とわかる高任。顔がもう悪役ですとこれでもかと主張しているので、演技はそんなに過剰しなくてもよいのでは。

2019-07-25

ウヨにせよサヨにせよ仕事を辞めた寂しい老害には政治ピタリとハマる

左右どちらに転ぶのかは何で決まるのだろうな

2019-07-16

最近路線バス

カメラ乗客監視していて、乗客全員が座席に座るか吊革・手すりを握っていることを確認しないと出発しないんだな。

運転手がずっと呼びかけをしていて、ピタリとも動かないの。

あんまりバス乗らないかある意味びっくりなんだけど、最近はそんなもんなのかな。

バスに乗る時は両手に荷物が離せないような状況にならんようにしないとなぁ。

2019-07-11

anond:20190710171347

ピタリと当てる必要はない。あやしいやつをクビにして、もっといいやつと入れ替えればいい。入れ替えられなければ、採用担当者無能という事なので、採用担当者を入れ替えればいい。簡単だろ?

2019-07-10

anond:20190710171139

その悪い誰かをピタリと当てられるようなら、そんな状況にそもそもなってない

2019-05-21

anond:20190520230346

こういうもっともそうな理屈虐待正当化する親って子供が育って腕力でかなわなくなるとピタリ虐待しなくなるんだよなあ

2019-05-13

anond:20190513140429

すごいね

元増田リスト微妙さの雰囲気ピタリと合ってるわ

お前AIか何かか?

真面目に感心した

2019-04-14

anond:20190413114026

(4/14追記)

この期に及んで「議論の種になったのだから成功」などと言ってる人は最後の1文をもう一度よく読んでこれを書いた意味理解してください。

(4/14追記

事実、各種のデータが、女子受験生偏差値の方が男子受験生偏差値よりも高いことを証明しています。」の箇所を「事実、各種のデータが、女子東大受験生偏差値の方が男子東大受験生偏差値よりも高いことを証明しています。」と補足して読むことで若干解釈が変わるので補足しておく。(前の文章からの流れを考えればこれは女子受験生全体・男子受験生全体を指すと解釈するのが自然であるし、このように読むと「理工系文系女子が優位な場合が多い」という主張の説明がつかなくなる。)

まずこのように解釈すると、文の構造としては「各種のデータが……を証明しています。」という命題を「(そのデータとは)第1に……第2に......」で説明していることになるので、「統計データを示せよ。」というツッコミは間違っていたことになる。また、「女子受験生偏差値男子受験生偏差値より上」という主張と「偏差値正規分布に男女差はない」という主張の両立も可能になる。前者は東大受験生の話をしていて、後者受験生一般の話をしているわけだ。

その上で第1-3の「データ」を読み解くことにすると、まず第1の「データ」が事実であればこれは確かに命題説明できる。ただし具体的な数字がないので信憑性が低いことに変わりはない。次に第2のデータであるが、これは第1のデータと同趣旨の内容である。つまり女子比率が低いので成績上位者から受験していると仮定すれば確かに女子東大受験生の平均偏差値男子より高くなる。一方第3のデータに関しては完全に的外れである大学進学率の違いと女子東大受験生の平均偏差値が高いことに因果関係はない。因果関係がないので、第3のデータ命題が真であることを補強はしないが否定もしない。

このように非常に好意的解釈すると、一応上野氏の主張が明瞭に見えてくる。彼女の言いたいことはおそらくこうだ。「女子東大受験生偏差値の方が男子東大受験生偏差値よりも高いので、理科三類合格率に男女差がないのはおかしい。不正があるのかもしれない。」

第2のデータ事実なので、仮に「全科目において男女の成績の平均・分散ピタリと一致して」いれば、確かにこのような疑問は湧いてくる。しか彼女スピーチにおいてそのようなデータは挙げられていない。また、そのような統計データは私が探した限りでは見つからない。

2019-02-23

人工地震陰謀論について

北海道での地震を期に「人工地震陰謀論が活発になりつつある。

そこで今ふたたび人工地震という陰謀論を考えてみよう。

人工地震陰謀論歴史

人工地震という陰謀論比較的新しい。なぜならば昔は「神」や「悪魔」などの超常現象的なもの説明がついたからだ。

しかし近年になると状況は一変する。陰謀論者の間で「HAARP」というスターが現れたのだ。

HAARPは主に軍が主導する研究で、正式名称は「高周波活性オーロラ調査プログラム

巨大アンテナから電磁波放出して電磁波電離層関係等を調査する研究プロジェクトだ。

一見すると地震とはなんの関係もなさそうに見えるが、「軍」「電磁波」ここらへんの単語に刺激されたのだろう、アメリカの陰謀論者たちはこの研究プログラム地震や干ばつ、洪水ハリケーン台風停電慢性疲労症候群などを引き起こす装置だと断定した。

地震ときにはHAARPは大活躍する。

例えば東日本大震災ときには震災直後からHAARPのせいだというツイート拡散され始め、2013年頃には最盛期を迎えた

最近熊本地震北海道胆振地震でもHAARP人工地震だという説は事欠かない

なぜ「人工地震」は流行るのか

一体なぜ、こうやって見ると荒唐無稽な「人工地震陰謀論流行ってしまうのだろうか?

ヒントは「同質性」にある。

みなさんも心当たりがあるだろうが、SNSでは同じ考えを共有するもの同士がつながる傾向にある。

似たもの同士が集まり合い、お互いにお互いの意見を絶賛しあいしまいにはゲテモノとなったのその主張が正しいと信じ込んでしまうのだ。

可能性はゼロではない

こういった陰謀論付属するのがこの言葉可能性はゼロではない」だ。

この可能性はゼロではないという言葉は、あらゆるデマ陰謀論適用できる魔法言葉だ。

なぜならばどの陰謀論可能性はゼロではないからだ。

陰謀論は「ありそうなこと」をもとにしているため、この言葉をつけることが容易なのだ

ひたすらデマを繰り返すことでその情報が既成事実化して「否定する人が多いのが逆に怪しい」「行政否定してるのが怪しい」という言説が出るようになった場合、そのデマをなくすことは難しくなる。

正しい情報は広まらない・論破しても意味はない

陰謀論デマを信じる人々に「正しい情報」を提示しても彼らは止まらない。

なぜならば陰謀論者が信じる情報というものには自身アイデンティティや信念が内包されているからだ。

よって、正しい情報を信じることは自身否定することにつながる。

そういったことで、一度信じ込んでしまった情報を「あれは間違っていた」とすることは、間違った情報を信じ込むことより遥かに難しいことになる。

デマに対して「論理的反論」をすることも逆効果だ。

さら対立を促し、陰謀論者の思考が凝り固まることにつながるのだ。

よって、この記事陰謀論に対して論理的反論をしたとしても彼ら/彼女らには響かないし、信じることはできないのだ。

鳩山氏について

とは言っても、著名な人物陰謀論拡散するというのは実に見苦しい状態だ。

CCSによる人工地震可能性は、日本CCS調査株式会社による発表

地震震源は貯留地点より水平距離で約31km離れた胆振地方中東部の深度37kmで発生しております(深さを考慮した直線距離で約47km)。実際の二酸化炭素が圧入された地層と地震震源位置する地層とは連続性がなく、二酸化炭素の圧入による影響が本地震震源まで及んだとは考えられません」

により完全に否定されているが、これも陰謀論者に言ったところで信じることはないだろうということを考えると、虚しくなるのである

まとめ

陰謀論は日々発生しているし、たいして影響もないがそれが災害という特殊な状況下では別だ。

災害下では人々が精神的に動揺し、疲労し、憔悴するからだ。そういったことにより、デマは信じられやすくなる。

私達は災害時の陰謀論デマ危険性を知っているはずだ。それで多くの人命が失われた事例も知っているはずだ。

災害時に陰謀論を垂れ流すことはあってはならないことなのだ。

もう一度いうが、人は一度信じ込んでしまたことを自分自身で正すことは難しいのだ。

陰謀論には注意しよう。

2019-02-03

真面目そうな子がおっさんに言い返してビビった

バイク一台やっと通れるくらいの細い踏切があって、そんな狭さだから自然一方通行になる。でも踏切を待ってる人は両側にいるから、最初に渡る流れができなかった方は、向こう側からくる人たちを待たなければならない。

そんな踏切で、俺は向こう側からくる人たちを待っていた。いつにも増して人が多く、流れが途切れない。俺の前にいたおっさんがついにキレて、いつまで待たせるんや、こちとらずっと待ってんのやぞ!と向こう側から渡ってきた人たちに文句を言い始めた。ほとんどの人は知らないふりをして目を合わさず去っていったが、一人、真面目そうな高校生女の子が「黙って待ってられねーのかよ」と吐き捨てた。

おっさんの顔は見ていないが、たぶん面食らったんだろう。ピタリと黙ってしまった。その子はそのまま自転車に乗って去っていった。

夕暮れに田んぼが広がる田舎道で、なんか印象的な光景だったので書き残しておく。

2019-01-17

anond:20190117224242

ゴチの面白さは1回きりの勝負じゃなくて

ピタリとかクビレース争いの方がメインコンテンツでしょ

2019-01-12

anond:20190111211705

俺はむしろ古文を読み現代語について考察する度に、現代語の過渡期的性質、つーか、英語などの言語システムを取り込んだ近代以降の日本語の「成熟して無さ」をひしひしと感じて歯がゆい思いがする。


これは、単純に翻訳などのケースで生じる問題だけど、たとえば"You should die."をどう訳すかって時に、漢文なら「汝可死」だから古文でも「(なんじ)死すべし」でOKなんだよね。ところが、これを現代語に翻訳するとなると、「死ねばいい」「死んでいい」「死んだらいい」「死んだ方がいい」「死ぬべき」「死ね」「死ぬ」…

と多彩な表現になってしまい、しかもそれぞれ微妙に異なるニュアンスで受け取られてしまう。ついでに言えば、ここに語尾が「よ」「ね」「の(ん)だ」「んだよ」「んだよね」「んだね」……等々付くと、更に表現可能性やニュアンスの違いは増える。(※)

これは日本語が繊細で微妙表現可能にしているというレベルを通り越して(ほとんどの人はこのように多彩な表現可能性として使いこなしたりしていない)、単純に相手真意を伝えそこねるコミュニケーションリスクを生んでいる。このように現代語の表現ピタリと定まらない原因は、たとえば言文一致の推進、翻訳文体流入、詩的言語日常語化など様々な要因があると思うけど、いずれにせよ結果は見てのとおりだ。要するに、現代日本語は、言語として成熟していない、不完全な代物だ。


昨今、ケータイ小説から始まって、ネット文体ラノベ文体やなろう系がかなり日本語シンプルアップデートするべく頑張っていると思うので、個人的にはそれに期待したいところなんだが、それでも一般化まではまだ百年単位時間がかかるだろうな。そして、それ(新しい成熟した日本語)が成ったあかつきには、現在目にする多くの「日本語」は過渡期の産物として一部の古文研究家の独占するところとなり、地域社会的位置身分を問わない「2000年代初頭の日本語」が集積する増田は過渡期の日本語サンプルとして広く用いられる基礎資料となっているだろう。そのときこの文章を読む人にこそ、俺が言いたかたことが大体伝わるだろうと想像すると胸が熱くなるな

2019-01-09

anond:20190107214043

研修医として思うのは、増田よりコメ欄の「医者」「医療」への過大評価

初診外来医師にとって嫌というか難しいものだけど、1人に数時間かけられるわけじゃないし、病歴や身体所見上緊急性(命に直結するもの)や典型的な所見がないと判断できれば大した検査もしないし、対症療法的な処方して終わらせることも多い。

通常はそれで問題いからこそそれで済むわけだけど、中には症状が持続する人もいて、再度受診してきたとき改めて次の一手を考えるということもある。

初回の受診で全て済ませろや、というのが患者としての本音だろうけど、緊急性もなく非典型的な所見でいちいち採血してX線撮ってCT撮ってMRI撮って、、などとしていたら医療費が10倍あっても足りない。X線CT被曝するからメリットないと撮らないし。MRIは予約で埋まってるし。その他技師さんにやってもらう検査だって予約埋まってて入院患者だって2週間後まで施行できないとかままある。

おそらく医療費やマンパワー無限にあるとすれば即検査入院して数多の検査して必要情報集めて診断下すことは今よりはできるようになるとは思うけど、そもそも時間経過しないと重要な所見が取れないこともある。インフルエンザだって発症すぐに検査したって偽陰性になることが多いわけだし。

増田では整形外科槍玉に挙げられているけど、開業医レベルの無床診療所骨折等緊急性のある所見がなかったら、初回は痛み止めや湿布処方するのは当たり前だろうと思う。もちろん大病院救急外来に行っても同じことになる。半年も痛みが変わらない、という重要情報があればそれで改めて何が原因なんだろうね、となることもあるだろうけど、整形外科診療の幅(専門性)が高いし私は研修してないので実際どうなのかわかりません。

コメ欄で気になることにちょっと私なりの意見を。

id:tkomy ずっと同じ病院にいき、「腹痛」だといわれ続け、破裂寸前で「盲腸」だとわかり別の病院で緊急手術になった私が通りますよ。自分判断もヤブ医者判断も正解かはわからない。別の病院ちゃんと診てもらって。

急にお腹が痛くなる「急性腹症」は原因が色々ありすぎて診断が難しいものひとつ特に急性虫垂炎(いわゆる「盲腸」)は一見ありふれているけど診断は難しいし遅れると大変なことになるのでしんどい疾患ではある。私は、高齢者虫垂炎が進行して穿孔した汎発性腹膜炎を危うく見落とすところだった経験があります。。足が痛いとは言うけど全くお腹が痛いと言わないのでお腹のことは綺麗さっぱり鑑別から抜けていたというもの。炎症反応がやたら高値だったので原因検索のために撮ったCTで診断がつき、即緊急手術となりました。

id:FlowerLounge ウチの親とかパーキンソン病と診断されるまで数年かかったよ。何度も病院をかえて診察してもらった。

神経変性疾患の症状を来したので神経内科受診してすぐ診断がつく、というのはあまり考えられない。大学病院でも神経変性疾患疑いで紹介してもらって長々と検査してようやく、ということも多い。然るべきタイミングで然るべき専門機関受診する難しさもある。

id:abababababababa 平熱が35度の祖母微熱訴え続けてたけど、36度にしかなってないから『微熱とは言え一般的な体温なので』とあしらわれ続けつつも、病院を回った。その中去年亡くなった。肝臓ガン末期。最後医者は手遅れ、と。

お悔やみ申し上げます腫瘍熱は診断基準があるわけでもないし、36度の熱のみで癌を疑うのは相当に無理めだなあというのが正直なところ。。よく平熱は低いんで、と言われるけど発熱医学的には定義されていて、平熱をどこまで考慮できるかというとわからない。平熱の状態患者医者は見ていないわけだし。

id:naruoe 最初医者に処方されたクスリ飲んでも全く咳が止まらない上「飲んで即効く薬などこの世の中に存在しない」と諭されたが、耐え切れず別の医者に処方してもらったら、ピタリと咳が止まったことがある。

咳の原因が感染症ならば咳を止めることを目的としても意味がないし、咳を止めてくれ、という受診は割と困る。むしろピタリと咳を止める薬を処方した、という方がなんか怖い。。ちなみに最初医者と別の医者の処方薬は何でしたか?後学のために教えていただければ。

セカンドオピニオン

セカンドオピニオンは、一度診断がついたものについて、別の医師から再度診断を仰ぐ相談なので、この場合全く別物です。

増田へ。

慢性疼痛というのも医学的に対処が難しくて、麻酔科領域でも研究対象領域になっているくらい。

どうしても痛いならペインクリニックに行ってみるのもひとつの手ではある。非医療従事者が思うような「完全な完治」が望めるかはわからないけれど。

追記

AI

診断をするには必要情報を集めなければなりません。年齢、性別社会背景(職業も)、家族歴、既往歴、現病歴、陽性症状陰性症状身体所見などなど。必要に応じて、採血したり各種画像検査したり、と情報を得ていくわけですが、検査にも当然不確実性があり、偽陽性偽陰性なども多々あります身体所見上の各種徴候にも、感度が高いとか特異度が高いとか特性があって、100%の所見はありません。

症状があって受診しても、緊急性や顕著な所見でもない限り経過観察になることが多く、それを不満に思う方がAIを望むことがあるのだと思うのですが、必要情報を取らないことにはAIが鑑別を挙げることも不可能でしょう。初めに述べた通り、あらゆる訴えについてあらゆる所見を取ることに医療費的にもマンパワー的にもメリットがないし、不可能です。保険診療上では無理なので、むしろ患者の望む通りになんでも検査して診断しようとしてくれる自由診療機関必要なのかな、と思いました。

追記2

id:nannimonai そう初診で全てなんて無理。あなたも書いているが初回は経過観察と伝え「痛みが引かなかったらいらっしゃい」と伝えることが抜けている。それをコメ欄はヤブと言っている。

急性発症だが軽症の場合、突然のことで患者さんも不安になっていることも多い。なので当院では「対症療法的な処方なので痛みが強くなったりしたらまた受診してくださいor近くのクリニックを受診してください」と必ず伝えるように指導されている。それがないのは、それを言えないくら外来患者数が多い(疲弊している)のか、そもそもそういう指導を受けたことがないかのどちらかなんだろうなと。若い医師ほどそういう接遇力は向上していると周囲を見ていると感じるのだけどいずれ気にしなくなってしまうような気がしないでもない。。

id:zeromoon0クコメが気になった。

恥ずかしくなってきたので無難コメ欄修正しました。

追記3

id:narukami 風邪が元で咳が止まらなくなって何度も薬変えた挙句で出たユニコンが劇的に効いたんだけど同じ人を感染源として同時に風邪引いた別の友人は最初からユニコン処方されてたので咳が一発で止まった話「あるある」しか

風邪による咳にユニコン錠(一般名テオフリン徐放錠)を処方されたと。テオフリン気管支喘息COPD適応があり、咳を止めたり息苦しさを和らげたりします。テオフリン中毒になりやす血中濃度が少し高まるだけで不整脈やけいれんを来すリスクがある(特に小児)ため血中濃度モニタリング必要、というのは医師国家試験レベル知識なので、実際成人への内服薬投与ではそこまで気にしてないのかもしれませんが、どのみち感染による咳には本来適応はないので、研修医としてはなかなか恐ろしい話だと思ってしまます。。

id:AyanoIchijo 私も元増田、他の病院行こうぜって書いちゃったけど、同じとこにもう1回行ってもいいのかー。/でもまあ「なんかあの医者やだった」感があったなら、他のとこ行くのも手よね。

上で書き忘れたのですが、病院を変える最大のデメリットは、【初診時の所見がわからない】ことにあります最初受診時の情報がない、というだけで再び診断の難易度が上がります患者さんは初診時の医師がどういう意図でどういう治療方針を立てたのか十分に説明できないうえ、初診時の医師説明が不十分なことも多いので(外来では十分に説明して納得してもらう時間もない)、病院を変えたところで、新しい医師医学的に重要情報が伝わらず同じことが繰り返されることもあるでしょう。

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