はてなキーワード: 等価とは
─追記は下に─
立花氏が今回生み出した物語によって、左派がこれまで積み上げてきた価値観やストーリーはほぼ崩壊したよね。例えば「若者の投票率が低いのは政治に無関心だから」っていうお決まりのセリフ。結局それをひっくり返して「民主主義の底が抜けた」とか言い出したら、そりゃ支持もされないわけだ。実際には民主主義じゃなくて、マスメディアの腐った部分がバレただけなんだろうけど、それも結局似たような話だよね。
で、左派が次に頼ったのが「陰謀論が原因だ!」っていう批判。けどさ、この「陰謀論批判」がすでに陰謀論と見分けがつかないレベルになってるのが、もうギャグでしかないというか。陰謀論を否定するために自分たちが陰謀論っぽくなるって、それ誰が信じるの?って話でさ。こうなると中間層の多くは「何も信じられない」に行きつくしかないわけ。
というか、現実問題としてもう「何も信じられない」状態だよね。
メディア全体の信頼がぶっ壊れた結果、すべてのメディアが等価になったんだよね。マスメディアもソーシャルメディアも同じ。どっちが信頼できるかなんて、個人の好みとかそのときの気分で決まるレベル。これを引き起こしたのは、マスメディアの「証拠の扱い方」や「党派性」。言い方変えると、都合のいいときだけ証拠を重視して、あとは適当に流してきたツケだよね。
そこに「反マスコミ」という新しい物語をぶち込んで、実際に結果を出してみせたのが立花氏なわけで。これがすごいのは、マスメディアの価値を破壊しただけじゃなく、「マスコミに味方される=反マスコミの敵」って構図を作り出したこと。これはけっこうキツいよね。今後、どの陣営も「マスコミ寄り」だと思われるだけで不利になるんだから。
で、信頼を得るためには証拠が必要、っていう考え方が実は強くなってるなんて言えちゃったりもするんだよね。例えば「斎藤知事は選挙期間中に誰の悪口も言わなかった」みたいな清廉さを評価する声がある。でもそれに対して「いや、立花氏にアウトソーシングしただけじゃん」とか言う反論があるわけで。ただ、それも結局「証拠がないなら言うな」で終わる。状況証拠じゃ誰も自分の意見を変えるには至らない時代になっちゃったって言っても良いかも。まぁ、全てにそれが適用されるなら限りなく正しい姿勢なんだけどね。状況証拠しかないから信頼しないという判断が、今は元局長や既得権益者からのクーデターだという状況証拠しかないことを信頼しない、という判断とパラレルになっちゃうし、百条委員会の県議の事務所に押しかけたのも、斎藤知事は同じような批判に耐えてきたって物語で十分に相対化できちゃうわけだ。
まぁ決定的な証拠があることのほうが少ない! なんて言っても、リベラルは得てしてその辺やってきちゃったでしょう? 不倫問題とか、松本人志とかまさにさ。全部相対化できちゃう。
んで、リベラルや理念派には特に厳しい話だよね。情報が多すぎる中で、全部を精査するなんて無理ゲー。でも、その無理ゲーから目をそらして「とりあえずマスメディアはそれなりに正しい」ってやってきた結果が今の状況で、ツケ。だから、もう「全部陰謀論だ!」みたいな極論に逃げ込むしかないわけ。
でさ、こういう状況だと結局「何もわからない」って結論になっちゃうのが普通だよね。判断基準が壊れちゃってるから、最後は「なんとなく身近に感じるほう」を選ぶしかない。そこに理屈なんていらないし、むしろそういうふんわりした感覚が今の時代にはマッチしてるのかもしれないね。
良い感じに発酵してきてるんじゃない?
─追記1─
"SNS経由で根拠不明の主張を鵜呑みにした有権者が続出している事実を前に「状況証拠じゃ誰も自分の意見を変えるには至らない時代になっちゃった」と書く増田こそ「都合のいいときだけ証拠を重視」してませんかね? ご冗談を"
素晴らしい指摘! そのとおり、まさにあなたの言う通り『都合のいいときだけ証拠を重視』するんだよね。
そしてそれがオールドメディアもソーシャルメディアも大差ないと示されて、相対化されてしまったから、信じたいものを信じるときにだけ状況証拠をウィンドウショッピングして、あとは確固たる証拠とだけ真っ向勝負にならなければ良い。
だから『自分の意見を変える』には至らないと書いてみたよ! 説得や歩み寄りみたいなことにはならない。まさしく裁判みたいな形で確固たる証拠を突きつけない限りは意見を変えたりしないってこと。だって党派性でそうしてきたのが今までなんだからさ。
とても現代的でいいと思わない?
─追記1ここまで─
─追記2─
確かに思ったより釣れなかったけど、面白いコメントは見れたからまぁいいかな。できればもっと反論して欲しかったけどね、切実に。
"支持してるかどうかはっきり言わないまま冷笑的に今回の結果を語るのって、ずいぶんかっこ悪い話だと思うよ。"
こんなにまさしく「党派性」全開のコメントある? 笑っちゃうんだけど。
支持してるかどうかはっきり聞いた上で、その内容読んで決めるよ~みたいなのって先入観持ちたいだけなんじゃないの? それって、どういう立場なのか逆に聞いてみたい、なんて訪ねてみてもいいよね? 聞かれちゃったし。
一応俺の立場聞きたいなら教えてあげるけどさ?
悲しいことに、俺の意見はほぼ坂下元知事の言ってることと一緒なんだよね。「たとえ公益通報が体を成しきれていないと考えられたとしても、特に自らの問題について言及しているそれを、即決で処分にまで至らせたのは明らかに行政の長としての資質を欠く」ってやつ。
俺、橋下元知事って正直苦手なんだけど、今回だけは残念ながら言ってることが一致しちゃったんだよね。
あと付け加えるなら、「斎藤知事が再選したこと自体は兵庫県民から見て県政としては良かったとしても、公益通報者保護っていう法の実現性が後退する可能性が高く、残念な結果」だと思ってる。
その上で本来なら冷静に相手の意見を判断しどのような要素を考慮に加えてきたのか、いかなる理由で再選に至ったのか改めて真剣に考え直して、相手がどのような動画を見てきたのかを調べて、どのような要素が軽視されてどのような要素が重視されたのかを改めて精査して、状況証拠だけでは説得しきれないという現実を直視してその上で自分たちができることを考え直す必要があると必死に考えるべきだろうに、なんで愚民だとか愚かだとか切り離して勝手に考えて良くしようということも考えずヒトラーだ民主主義の敗北だなんて仲間内で気持ちよくなってポエムに浸ってリポストされていいねされて最後には陰謀論じみた何一つ精査してもない印象論に堕した対陰謀論なんてブチ上げてそれでいいと思ってるなら増田で冷笑したくもなるよ。しろくまセンセもあんな感じだったし。
アメリカの選挙から何か学んだんじゃなかったの? ってなるだけ。
これで満足?
─追記2ここまで─
「30年に及ぶ不況。そこにコロナで物価高という日本の状況ですね。これによって高齢者の5人に1人が貧困で、一人暮らし女性の4人に1人が貧困、そしてひとり親世帯の2つに1つが貧困」
日本は不況、コロナ、物価高の3重苦で、貧困が広がっているという説明だ。党首討論でも同じセリフを言っていたように思う。
日本に貧困が広がってるってマ?そんな感じはしないけど、そんなに日本やばいの?
食べるものもなくて、道端で暮らしている…貧困というとそんな生活をイメージするが、れいわ新選組の言っている貧困は相対的貧困のことだ。
相対的貧困とは「等価可処分所得の中央値の半分」に満たない人のこと。
ややこしい言葉が並んでいるが、所得の多い人、少ない人をずらーっと並べて、その真ん中が中央値だ。それの半分に満たない人のことを相対的貧困と呼ぶ。
「2021(令和3)年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は127万円」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
まあ、ざっくりいうと手取りが約130万円以下で生活をしている人のことだ。
ん?手取りが130万円以下?
よく学生のアルバイトが103万円の壁を超えないように就業調整をするというが、そんな学生アルバイトと同じくらいしか稼げてない人が実は滅茶苦茶多いの??
最低賃金で全国最安は秋田県の951円だ。手取り130万円稼ぐのに必要な額面はざっくり160万円。
では貧困にならないようにするにはどのくらい働けばいいのか計算してみよう。
たったの211日アルバイトをするだけで貧困から脱出できるということになる。年間休日154日だぜ??
ちなみに2024年9月のアルバイトの有効求人倍率は1.19倍で、仕事がないということでもない。
普通に働けば貧困にならないことがわかった。貧困なのは「働かない」か「働けない」のどちらかということになるだろう。
単身世帯の65歳以上の女性44%、男性30%が貧困だ。65歳未満と比べて圧倒的に貧困率が高い。
それはなぜかと言うと、年金だけで生活しているからだろう。年金の受給額は人によって違うが基礎年金だけだと78万円くらい、パートとかだと厚生年金も若干あって100万円くらい。
高齢者の持ち家率は80%以上だそうから、家賃もかからず、生活費と言えば食費、水道光熱費、医療費だけで、100万円以下でも暮らしてい行けるのだろう。
つまり高齢化社会になればなるほど、日本の貧困化は進んでいく。
貧困率を下げる方法は年金受給額を増やすのが最も手っ取り早い。あるいは所得の中央値を引き下げる(日本全体を不景気にしていく)のも貧困対策に有効だ。
書いていて馬鹿らしくなる。そんなことをしていったい誰が幸せになるのか。
(もし日本の貧困率を押し上げているのが高齢者なら)貧困率対策など不要だ。
確かに2021年の20-64歳までの単身世帯の貧困率は23.9%だ。
ただれいわ新選組の言うように30年の不況でコロナで物価高だから貧困率が悪化しているわけではない。
なぜなら2018年の貧困率は24.5%で、むしろ最近になって貧困率は下がっている。
とはいえ、一人暮らし女性がなぜ24%も貧困なのかはよくわからない。
ひとり親世帯の約46%が貧困だ。これは働けない子供を抱えているからだ。
子どもがいると、就労時間に制約が生じるから十分な所得を得られない。それだけでなく、世帯数が増えるから可処分所得も下がり貧困に近づくことになる。
少しややこしいが、「貧困線とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得(収入から税金・社会 保険料等を除いたいわゆる手取り収入)を世帯人員の平方根で割って調整 した所得)の中央値の半分の額」となっている。
手取り180万円、母親と子供1人の2人暮らしの場合、180万円÷√2=約127万円が可処分所得になる。
まあ要するに子供の数が増えるほど、可処分所得は下がっていき、貧困に近づいていく。
これに関しては確かに貧困と言えるかもしれない。だが必要なのは消費税廃止や季節ごとの給付金か?
それよりも本来子どもを養うはずの父親が養育費を払わないことが問題の本質なのではないか。であれば養育費を国が立て替えて、国が父親に請求をする、などと言った根本原因の解決を図るべきなのではないか。
相対的貧困は貧困における一つの指標ではあるが、実態が見えない。たとえば
・貯金300万くらいあるので、1年だけ無職を楽しみます→貧困
・月8万しか年金もらえないけど、持ち家で食費・水道光熱費しかかからないので、月4万円で楽しく暮らしています→貧困
逆に月7000ドル(約100万円)以上稼いでいるけど、インフレが酷くて、家賃と食費で6000ドル以上かかりますみたいな海外で起きてそうなケースは相対的貧困ではないが、生活はかなり苦しいはずだ。
相対的貧困だけでは、その人の生活実態は見えてこない。ゆえにこの指標をもとに政策を決めるのは難しいと感じた。
れいわ新選組の経済対策といえば消費税廃止だ。消費税をすることで消費を促し経済を活性化させていくという論理なのだが、そんなことをしても日本の貧困率を引き下げることは難しいだろう。
なぜなら高い貧困率の原因はおそらく不況ではないからだ。高齢化社会こそ真の原因ではないか。
ただ消費税廃止は生活コストを引き下げるので、高齢者にとっては生活しやすい社会になるだろう。
というかれいわ新選組の消費税廃止、季節ごとの給付、年金底上げって全部高齢者向けの政策なんじゃ…。若者に人気の政党かと思っていたので、ここが意外でした。
※私自身はれいわ新選組の支持者でもアンチでもないです。山本太郎さんは意見交換会で直接有権者から質問を受けていて、その場で答えていて、普通にすごいと思ってます。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
もう一つの可能性に対しての解釈多様性みたいなのが薄いんですよね。
漫画の世界においては「あの1枚の漫画によって世界は分岐した」というのが本当に確かな説得力っていうか、マジでそれぐらいの力があったんだと信じさせる何かがあったんだけど、映画だといまいち伝わってこない。
そもそもあの漫画はどこから来たのかについての解釈の余地というか、「インターステラー的な何かが起きた可能性」というのを感じさせるだけのパワーみたいなのがイマイチ薄いんだよね。
あの状況における作品世界自体で起きていることは「もう一つの世界が存在した可能性についての想像」なのは事実なんだろうけど、それが観客席からだと「本当にあったかもしれないもう一つの世界」として等価の存在として映る所がルックバックの醸し出す凄みの秘密だと思うんだよね。
「どこまでも都合が良いような世界、でもそれがもしかしたら本当にありえたのかも知れない」って事がより強い悲しみを生むけど、同時にそれが「いま自分たちが生きている世界はこっちなんだから前を向かなければ」という気持ちのトリガーになるっていうか。
元ネタであるワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドなんてまさにそういう映画だったと思うわけよね。
なんつうか「こういう空想の中で自分たちを慰めることも出来る。創作活動を続けるってのはそういうことなんだ。創作活動最高と言え」みたいなパワーがあるわけですよ。
そこがイマイチ足りてないっつうかさ、もっと深く踏み込めば、あの事件に対してどう向き合うかって話だった訳じゃないですか。
まあ映画版はそのへんについて「パクりやがってよぉ!」の言葉を入れてくれているので敬意は凄い感じるわけなんですけど。
それでもやっぱ足りないっていうか、根本的な構造としての「漫画の世界における漫画の力」と「映画の世界における漫画の力」だとやっぱエネルギー量に致命的なまでの差があるなと。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドという映画が「映画の中で映されたハリウッドという土地の持つエネルギー」によってあの荒唐無稽さすらある並行世界を描いたことの再現は出来てないなと。
こんだけ頑張ってもらえるんだからタツキ先生も喜んでますよって感じましたよ。
でもやっぱちょっとだけ足りないんですよね。
観客の頭の中で「並行世界への扉」を開くだけのパワーが足りてなかった感じなんすよ。
なんつうんですかね、繰り返しになるんですけどワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドという映画の中においては、あの映画の中で起きたことこそが事実だったわけじゃないですか。
「俺達の住んでいる地球の事実」と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドの事実」はそれぞれ存在できていて、どっちが上か下かっていうのとは違ったと思うんですよ。
その等価性があったからこそ、「でも俺達の地球で起きている事実が俺達の生きる現実でしか無いんだよね」という読後感みたいのに繋がるっていうか。
ルックバックという作品のキモってどうしようもなくそのワンポイントに集約されていると思うんですよね。
経済が悪化している原因を単純に財務省の責任に帰する考え方は、極めて荒唐無稽な陰謀論であり、実際の経済状況を正確に反映していない。
このような単純化された見方は、複雑な経済システムの実態を無視しており、学術的にも実証的にも全く支持されない。
財政政策の理論的枠組みと実証分析を考察すると、財政政策の有効性は限定的であることが明らかである。
新古典派総合の視点からは、IS-LMモデルにおいて財政政策の有効性はLM曲線の傾きに依存し、リカードの等価定理は財政政策の有効性に疑問を投げかけている。
新ケインズ派モデルでも、動学的確率的一般均衡(DSGE)モデルにより短期的な財政政策の有効性が説明されるものの、その効果は限定的である。
日本における実証研究では、構造VAR分析や DSGEモデルによる分析により、2000年代以降の政府支出乗数から政策の効果が極めて限られていることが示されている。
財政政策の制約と有効性を考えると、財政の持続可能性に関する懸念から財務省の政策選択肢は著しく制限されている。
動学的効率性条件や債務残高対GDP比の安定化条件を考慮すると、日本の財政状況は極めて厳しい状況にある。
さらに、構造的問題と財政政策の限界を考えると、生産性の停滞や人口動態の変化など、財政政策では直接対応できない構造的要因が経済停滞の主因となっていることは明白である。
全要素生産性(TFP)成長率や労働生産性の低迷、人口オーナスの進行、社会保障費の増大などは、財務省の政策だけでは解決できない根本的な問題である。
したがって、経済停滞を単純に財務省の責任とする見方は、学術的にも実証的にも全く根拠がない荒唐無稽な陰謀論であると断言できる。
このような単純化された見方は、複雑な経済システムの実態を無視しており、建設的な議論や効果的な政策立案を妨げる有害な考え方である。
経済停滞の解決には、財政政策の枠を超えた包括的なアプローチが必要である。
生産性向上のための規制改革、人的資本投資の促進、イノベーション政策の強化、そして持続可能な社会保障制度の構築など、多面的な取り組みが求められる。
位相的弦理論は、宇宙の不思議を解き明かそうとする特別な考え方です。普通の物理学では、物がどう動くかを細かく調べますが、この理論では物の形や繋がり方だけに注目します。
例えば、ドーナツとマグカップを考えてみましょう。形は全然違うように見えますが、どちらも真ん中に1つの穴があります。位相的弦理論では、この「穴が1つある」という点で同じだと考えるんです。
この理論では、宇宙を細い糸(弦)でできていると考えます。でも、普通の弦理論とは違って、糸がどう振動するかは気にしません。代わりに、糸がどんな形をしているか、どう繋がっているかだけを見ます。
これを使って、科学者たちは宇宙の秘密を解き明かそうとしています。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの身の回りの物の形を観察することから始まるんです。宇宙の謎を解くのに、ドーナツの形が役立つかもしれないなんて、面白いと思いませんか?
位相的弦理論は、通常の弦理論を単純化したモデルで、1988年にEdward Wittenによって提唱されました。この理論の主な特徴は、弦の振動モードの中で位相的な性質のみを保持し、局所的な自由度を持たないことです。
1. A-モデル:ケーラー幾何学と関連し、2次元の世界面を標的空間の正則曲線に写像することを扱います。
2. B-モデル:複素幾何学と関連し、標的空間の複素構造に依存します。
これらのモデルは、時空の幾何学的構造と密接に関連しており、特にカラビ・ヤウ多様体上で定義されることが多いです。
4. グロモフ・ウィッテン不変量など、新しい数学的不変量を生み出す
この理論は、物理学と数学の境界領域に位置し、両分野に大きな影響を与えています。例えば、代数幾何学や圏論との深い関連が明らかになっており、これらの数学分野の発展にも寄与しています。
大学生の段階では、位相的弦理論の基本的な概念と、それが通常の弦理論とどう異なるかを理解することが重要です。また、この理論が物理学と数学の橋渡しをどのように行っているかを把握することも大切です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つ2次元の非線形シグマモデルから導出されます。この理論は、通常の弦理論の世界面を位相的にツイストすることで得られます。
A-モデル:
B-モデル:
両モデルは、ミラー対称性によって関連付けられます。これは、あるカラビ・ヤウ多様体上のA-モデルが、別のカラビ・ヤウ多様体上のB-モデルと等価であるという驚くべき予想です。
大学院生レベルでは、これらの概念を数学的に厳密に理解し、具体的な計算ができるようになることが期待されます。また、位相的弦理論が現代の理論物理学や数学にどのような影響を与えているかを理解することも重要です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つシグマモデルから導出される位相的場の理論です。この理論は、超対称性のR-対称性を用いてエネルギー運動量テンソルをツイストすることで得られます。
1. A-ツイスト:
- スピン接続をR-電荷で修正: ψ+ → ψ+, ψ- → ψ-dz
2. B-ツイスト:
- スピン接続を異なるR-電荷で修正: ψ+ → ψ+dz, ψ- → ψ-
A-モデル:
ここで、M はモジュライ空間、evi は評価写像、αi はコホモロジー類、e(V) はオブストラクションバンドルのオイラー類
B-モデル:
ここで、X はカラビ・ヤウ多様体、Ω は正則体積形式、Ai は変形を表す場
A-モデルとB-モデルの間の等価性は、導来Fukaya圏と連接層の導来圏の間の圏同値として理解されます。これは、Kontsevich予想の一般化であり、ホモロジー的ミラー対称性の中心的な問題です。
最近の発展:
1. 位相的弦理論とGopakumar-Vafa不変量の関係
3. 非可換幾何学への応用
専門家レベルでは、これらの概念を深く理解し、最新の研究動向を把握することが求められます。また、位相的弦理論の数学的構造を完全に理解し、新しい研究方向を提案できることも重要です。
位相的弦理論の究極的理解には、以下の高度な概念と最新の研究動向の深い知識が必要です:
1. 導来圏理論:
- 安定∞圏を用いた一般化
- 非可換幾何学との関連
- SYZ予想との関連
- 導来代数幾何学の応用
- 圏化されたDT不変量
- ∞圏論を用いた定式化
これらの概念を完全に理解し、独自の研究を行うためには、数学と理論物理学の両分野において、最先端の知識と技術を持つ必要があります。また、これらの概念間の深い関連性を見出し、新しい理論的枠組みを構築する能力も求められます。
位相的弦理論の「廃人」レベルでは、これらの高度な概念を自在に操り、分野の境界を押し広げる革新的な研究を行うことが期待されます。また、この理論が量子重力や宇宙論といった基礎物理学の根本的な問題にどのような洞察を与えるかを探求することも重要です。
最終理論とは、自然界のすべての相互作用を高エネルギー領域も含めて正確に記述する理論である。
素粒子物理学は、原子から陽子、中性子、クォーク、レプトンへと進化してきたが、その探求はいつか終わるのだろうか。
現在の研究では、ゲージ群や超対称性による統一が見られ、これらは無限に続くものではなく、打ち止めになる構造を持つと考えられている。
暫定的な答えは超弦理論であり、これが最終理論ならば一意的であることが望ましい。10次元時空における超弦理論は5種類存在し、これらは11次元時空上のM理論を通じて互いに等価である。
M理論は超重力理論と関連し、M2膜とM5膜が存在することがわかっている。
しかし、このM理論は超重力理論から得られる知見以外は謎に包まれている。
N枚のM2膜やM5膜上の場の理論はそれぞれN^{3/2}やN^3に比例する自由度を持つが、その具体的な内容は不明である。
最近、M2膜を記述する場の理論が超対称チャーン・サイモンズ理論であることが発見され、この自由エネルギーもN^{3/2}に比例し、超重力理論の予言を再現する。
高い超対称性により経路積分は行列模型に帰着し、著者らの研究ではM2膜の行列モデルが詳しく調べられた。
非摂動項の展開係数には無数の発散点があるが、それらは格子状に相殺されている。
この結果は、「弦理論は弦のみではなく様々な膜も含む」を実現していると解釈できる。
この行列模型が位相的弦理論や可積分非線形微分方程式と同様の構造を持つことが確認されており、それに基づいてM理論の全容が解明されつつある。
ヤンサンだけは、当時欠かさず購読していた俺が書かないと、という義務感から書いた。
異論は受け付ける。順不同。
この作品を世に遺せたことだけでも、ヤングサンデーという雑誌が存在した価値がある。世界規模で暴力と正義を等価値に描いた、怪作にして超名作。マクロな視点のテーマ性や劇的なストーリー展開と、市井の人々のエゴをディテールたっぷりに描いたミクロな視点の描き込みの両立が天才的。「宮本から君へ」はモーニング連載だが、この作者で一作だけ選ぶならこれだと思う。
「のぞき屋」の頃から片鱗が見えてはいたが、変態的なキャラクター造形と淡々とした描写が素晴らしい。そして前作からの画力の進化にも驚く。海外でも評価が高い。この作風はスピリッツ連載の次の怪作「ホムンクルス」へと繋がっていく。
ヤンサンは、山田玲司を育てた雑誌でもある。個人的には『アガペイズ』の方が圧倒的に好きだが(最高傑作だと思う)、知名度や重要作品としてはこっち。オタクがモテ男に変身していくHowToマンガの側面もありつつ、純愛を志向することでバブル期の軽薄な恋愛観へのアンチテーゼになっているメタ的な作品。ちなみに作者はヤンサン廃刊後、「山田玲司のヤングサンデー」という人気のYouTubeチャンネルを運営していて(後から出版社公認に)、マンガ評論がかなり面白い。
共著の「サルまん」を除けば、これが相原コージの最高傑作だと思う。白土三平的な王道忍者マンガと、「勝手にシロクマ」「コージ苑」的な不条理ギャグと、「サルまん」的な実験的アプローチとを高度に融合して、両立どころか鼎立させた奇跡的な作品。
遊人は、青年誌エロマンガにおいて未到達だった性表現の境地を切り拓いたので、漫画史的にも取り上げる必要がある。散漫なストーリーはともかく、今見ても女の子の絵が抜群に上手いし、性的描写のお下劣さが限界突破している。新宿の風俗店にイラストが無許可で使われ続けてて可哀想。
最初はベスト10作品にしようかとも思ったが、逆に絞るのが難しかった。
冬物語、シーソーゲーム、SOMEDAYなど。ヤンサンの看板作家だとは思うが、これといった新規性は感じられない。
どれも安定した名作揃いで、ほぼ外さないのが凄いのだが、逆に言うとヤンサン時代には、まだ突出した作品がない。
他誌で『ブラックジャックによろしく」があるからなー。名作だが、ドラマ化されるまでは割と知られていなかった。
アオイホノオ、おやすみプンプン、Dr.コトー診療所、クロサギ、イキガミ、土竜の唄などの名作・人気作が、廃刊と同時に他誌へと移転している。本当に、こんな良い作品が集まってた雑誌を廃刊にするとか、何考えてんだよ……。
よくある不条理ギャグと思わせつつ、後半からの哲学的なヤバい展開。しりあがり寿の弥次喜多に通じるところがある。
長尾謙一郎の作風は、ヤンサン以降の「ギャラクシー銀座」などで完成されたので入れなかった。
ちなみに作者は、最新作ではギャグを完全封印して、爽やかな青春空手マンガ「三日月のドラゴン」を書いていて、これもめっちゃ面白い。
前身の「少年ビッグコミック」からの移籍だし、代表作は他誌で『あずみ』があるからなー。
ここは、かなり迷ったが、入れなかった。作者で入るとしたら、「へうげもの」「望郷太郎」かな。しかし、とんでもない傑作SFになる可能性を秘めていた度胸星を未完結で打ち切った当時の編集部の罪は重い。
喜国雅彦は独特すぎて扱いづらい……。「月光の囁き」はシリアス路線で作家史的には価値があるが、基本的にギャグ漫画。どうなんだろう。
忘却のサチコでブレイクした阿部潤、帝一の國などで知られる古屋兎丸、さそうあきらなども、漫画家としての初期は、この雑誌で育てられたという印象が強い。
内容:
俺を攻撃するために地球上の日本以外の国は全部超先進国にされてたwwwwwww
俺のpcを攻撃するためだけに日本国内のネット全部荒らされたし政治家も猿にされてたしGoogle日本語入力もクソにされてたwww
なんでこいつ俺のpc見つけられるんだって思ったら俺がそいつが作ったVPNにずっと繋いでたわwwwww
まじでごめんなwwwwwwごめんwwwwwwwww草wwwwwwタコwwww🐙wwwwwwwwww
そのために5chのVIPも買ってたし増田も荒らしてたしXも荒らしてたwwwwwwwwwwwwwwwwwww
ずっとネット見てなくてごめんなwwwww
2. 波動関数がシュレーディンガー方程式に従って時間発展する。
Hilb は次の性質を持つ。
- (S ∘ T)† = T† ∘ S†
- (T†)† = T
- id_H† = id_H
- (T ⊗ S)† = T† ⊗ S†
- 評価射: eval_H: H* ⊗ H → ℂ
- 共評価射: coeval_H: ℂ → H ⊗ H*
- (id_H ⊗ eval_H) ∘ (coeval_H ⊗ id_H) = id_H
- (eval_H ⊗ id_H*) ∘ (id_H* ⊗ coeval_H) = id_H*
⟨φ|ψ⟩ = (φ† ∘ ψ): ℂ → ℂ
⟨A⟩ψ = (ψ† ∘ A ∘ ψ): ℂ → ℂ
U(t) = exp(-iHt/ħ): H → H
- 射: t₁ → t₂ は t₂ - t₁ ∈ ℝ
- 射の対応: F(t₁ → t₂) = U(t₂ - t₁)
ψ(t₂) = U(t₂ - t₁) ∘ ψ(t₁)
U(t₃ - t₁) = U(t₃ - t₂) ∘ U(t₂ - t₁)
H_total = H_BH ⊗ H_rad
U_total(t): H_total → H_total
- U_total(t) はユニタリ射。
E(ρ_in) = Tr_H_BH (U_total ρ_in ⊗ ρ_BH U_total†)
- Tr_H_BH: H_BH 上の部分トレース
- 存在定理: 任意の完全正なトレース保存マップ E は、あるヒルベルト空間 K とユニタリ作用素 V: H_in → H_out ⊗ K を用いて表現できる。
E(ρ) = Tr_K (V ρ V†)
- バルクの圏 Hilb_bulk: ブラックホール内部の物理を記述。
- 境界の圏 Hilb_boundary: 境界上の物理を記述。
- G は忠実かつ充満なモノイドダガー関手であり、情報の完全な写像を保証。
- バルク: F_bulk: Time → Hilb_bulk
- 境界: F_boundary: Time → Hilb_boundary
- 各時刻 t に対し、η_t: F_bulk(t) → G(F_boundary(t)) は同型射。
η_t₂ ∘ U_bulk(t₂ - t₁) = G(U_boundary(t₂ - t₁)) ∘ η_t₁
- これにより、バルクと境界での時間発展が対応し、情報が失われないことを示す。
量子力学を圏論的に定式化し、ユニタリなダガー対称モノイド圏として表現した。ブラックホール情報パラドックスは、全体系のユニタリ性とホログラフィー原理を圏論的に導入することで解決された。具体的には、ブラックホール内部と境界理論の間に忠実かつ充満な関手と自然変換を構成し、情報が圏全体で保存されることを示した。
超弦理論では、時空は10次元の滑らかな微分多様体 M^{10} としてモデル化されます。各点の近傍 U ⊆ M^{10} に局所座標 x^{μ}: U → ℝ^{10} を導入します(μ = 0,1,…,9)。
弦の運動は、パラメータ σ^{α}(α = 0,1)で記述される2次元の世界面(ワールドシート) Σ 上の埋め込み写像 X^{μ}(σ^{α}) を用いて表されます。
S = -T/2 ∫_{Σ} d²σ √(-h) h^{αβ} ∂_{α} X^{μ} ∂_{β} X^{ν} g_{μν}(X),
ここで:
- T は弦の張力(T = 1/(2πα'))、
- h_{αβ} は世界面の計量、
- g_{μν}(X) は時空の計量テンソル、
M理論では、時空は11次元の微分多様体 M^{11} となり、M2ブレーンやM5ブレーンのダイナミクスが中心となります。M2ブレーンの世界体積は3次元で、埋め込み写像 X^{μ}(σ^{a})(a = 0,1,2)で記述されます。作用は次のように与えられます:
S = -T_{2} ∫ d³σ √(-det(G_{ab})) + T_{2} ∫ C_{μνρ} ∂_{a} X^{μ} ∂_{b} X^{ν} ∂_{c} X^{ρ} ε^{abc},
ここで:
- G_{ab} = ∂_{a} X^{μ} ∂_{b} X^{ν} g_{μν} は誘導計量、
カラビ–ヤウ多様体は、超弦理論のコンパクト化において重要な役割を果たす複素代数多様体であり、スキームの言葉で記述されます。
例えば、3次元カラビ–ヤウ多様体は、射影空間 ℙ^{4} 内で次の斉次多項式方程式の零点として定義されます:
f(z_{0}, z_{1}, z_{2}, z_{3}, z_{4}) = 0,
ここで [z_{0} : z_{1} : z_{2} : z_{3} : z_{4}] は射影座標です。
各点 x は、局所環 ℴ_{X,x} の極大イデアル ℳ_{x} に対応します。これにより、特異点やその解消、モジュライ空間の構造を厳密に解析できます。
弦理論では、世界面 Σ から時空多様体 M への写像の空間 Map(Σ, M) を考えます。この空間の元 X: Σ → M は、物理的には弦の配置を表します。
特に、開弦の場合、端点はDブレーン上に固定されます。これは、境界条件として写像 X がDブレーンのワールドボリューム W への射 ∂Σ → W を満たすことを意味します。
この設定では、開弦のモジュライ空間は、境界条件を考慮した写像の空間 Hom(Σ, M; ∂Σ → W) となります。
弦理論の物理量は、しばしば背景多様体のコホモロジー群の要素として表現されます。
- ラマンド–ラマンド(RR)場は、時空のコホモロジー群の要素 F^{(n)} ∈ H^{n}(M, ℝ) として扱われます。
- Dブレーンのチャージは、K理論の元として分類されます。具体的には、Dブレーンの分類は時空多様体 M のK群 K(M) の元として与えられます。
- グロモフ–ウィッテン不変量は、弦のワールドシート上のホモロジー類 [Σ] ∈ H_{2}(M, ℤ) に対応し、弦の瞬間子効果を計算するために使用されます。
例えば、グロモフ–ウィッテン不変量は、モジュライ空間 ℤ̄{M}_{g,n}(M, β) 上のコホモロジー類の積分として計算されます:
⟨∏_{i=1}^{n} γ_{i}⟩_{g,β} = ∫_{[ℤ̄{M}_{g,n}(M, β)]^{vir}} ∏_{i=1}^{n} ev_{i}^{*}(γ_{i}),
ここで:
- g はワールドシートの種数、
- β ∈ H_{2}(M, ℤ) は曲面のホモロジー類、
- γ_{i} ∈ H^{*}(M, ℝ) は挿入するコホモロジー類、
- ev_{i} は評価写像 ev_{i}: ℤ̄{M}_{g,n}(M, β) → M。
弦理論の摂動論的計算では、世界面をパンツ分解などの方法で細分化し、それらの組み合わせを考慮します。
- パンツ分解: リーマン面を基本的なペアオブパンツ(3つの境界を持つ曲面)に分割し、それらを組み合わせて高次の曲面を構築します。
- 世界面のトポロジーを組合せ論的に扱い、弦の散乱振幅を計算します。
弦の散乱振幅は、各トポロジーに対して次のようなパス積分として与えられます:
A = ∑_{g=0}^{∞} g_{s}^{2g-2} ∫_{ℳ_{g}} D[h] ∫ D[X] e^{-S[X,h]},
ここで:
- g_{s} は弦の結合定数、
- D[h] は計量に関する積分(ファデエフ–ポポフ法で適切に定義)、
- S[X,h] はポリャコフ作用。
- 共形対称性: ワールドシート上の共形変換は、ビラソロ代数
[L_{m}, L_{n}] = (m - n) L_{m+n} + c/12 m (m^{2} - 1) δ_{m+n,0}
{G_{r}, G_{s}} = 2 L_{r+s} + c/3 (r^{2} - 1/4) δ_{r+s,0},
[L_{n}, G_{r}] = (n/2 - r) G_{n+r}
を満たします。
- T-双対性: 円状にコンパクト化された次元において、半径 R と α'/R の理論が等価である。このとき、運動量 p と巻き数 w が交換されます:
p = n/R, w = m R → p' = m/R', w' = n R',
ここで R' = α'/R。
- S-双対性: 強結合と弱結合の理論が等価であるという双対性。弦の結合定数 g_{s} が変換されます:
g_{s} → 1/g_{s}。
時空の計量 g_{μν} は、弦の運動を決定する基本的な要素です。背景時空がリッチ平坦(例えばカラビ–ヤウ多様体)の場合、以下を満たします:
R_{μν} = 0。
β関数の消失条件から、背景場は次のような場の方程式を満たす必要があります(一次順序):
- 重力場:
R_{μν} - 1/4 H_{μλρ} H_{ν}^{\ λρ} + 2 ∇_{μ} ∇_{ν} Φ = 0、
- B-フィールド:
∇^{λ} H_{λμν} - 2 (∂^{λ} Φ) H_{λμν} = 0、
- ディラトン場:
4 (∇Φ)^{2} - 4 ∇^{2} Φ + R - 1/12 H_{μνρ} H^{μνρ} = 0。
M理論では、三形式場 C_{μνρ} とその場の強度 F_{μνρσ} = ∂_{[μ} C_{νρσ]} が存在し、11次元超重力の場の方程式を満たします:
- 場の強度の方程式:
d * F = 1/2 F ∧ F、
- アインシュタイン方程式:
R_{μν} = 1/12 (F_{μλρσ} F_{ν}^{\ λρσ} - 1/12 g_{μν} F_{λρσδ} F^{λρσδ})。
以下は、M理論と超弦理論の幾何学を抽象化した数学的枠組みでのモデル化について述べる。
まず、物理的対象である弦や膜を高次の抽象的構造としてモデル化するために、∞-圏論を用いる。ここでは、物理的プロセスを高次の射や2-射などで表現する。
∞-圏 𝒞 は、以下を持つ:
これらの射は、合成や恒等射、そして高次の相互作用を満たす。
次に、デリーブド代数幾何学を用いて、空間や場の理論をモデル化する。ここでは、デリーブドスタックを使用する。
デリーブドスタック 𝒳 は、デリーブド環付き空間の圏 𝐝𝐀𝐟𝐟 上の関手として定義される:
𝒳 : 𝐝𝐀𝐟𝐟ᵒᵖ → 𝐒
ここで、𝐒 は∞-グルーポイドの∞-圏(例えば、単体集合のホモトピー圏)である。
物理的なフィールドやパーティクルのモジュライ空間は、これらのデリーブドスタックとして表現され、コホモロジーやデリーブドファンクターを通じてその特性を捉える。
非可換幾何学では、空間を非可換代数 𝒜 としてモデル化する。ここで、スペクトラルトリプル (𝒜, ℋ, D) は以下から構成される:
作用素 D のスペクトルは、物理的なエネルギーレベルや粒子状態に対応する。幾何学的な距離や曲率は、𝒜 と D を用いて以下のように定義される:
∞-トポス論は、∞-圏論とホモトピー論を統合する枠組みである。∞-トポス ℰ では、物理的な対象やフィールドは内部のオブジェクトとして扱われる。
フィールド φ のグローバルセクション(物理的な状態空間)は、次のように表される:
Γ(φ) = Homℰ(1, φ)
ここで、1 は終対象である。物理的な相互作用は、これらのオブジェクト間の射としてモデル化される。
ゲージ対称性やその高次構造を表現するために、L∞-代数を用いる。L∞-代数 (L, {lₖ}) は次元付きベクトル空間 L = ⊕ₙ Lₙ と多重線形写像の族 lₖ からなる:
lₖ : L⊗ᵏ → L, deg(lₖ) = 2 - k
∑ᵢ₊ⱼ₌ₙ₊₁ ∑ₛᵢgₘₐ∈Sh(i,n-i) (-1)ᵉ⁽ˢⁱᵍᵐᵃ⁾ lⱼ ( lᵢ(xₛᵢgₘₐ₍₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₎), xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₊₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ₙ₎) = 0
ここで、Sh(i,n-i) は (i, n - i)-シャッフル、ε(sigma) は符号関数である。
これにより、高次のゲージ対称性や非可換性を持つ物理理論をモデル化できる。
安定ホモトピー理論では、スペクトラムを基本的な対象として扱う。スペクトラム E は、位相空間やスペースの系列 {Eₙ} と構造写像 Σ Eₙ → Eₙ₊₁ からなる。
πₙˢ = colimₖ→∞ πₙ₊ₖ(Sᵏ)
ここで、Sᵏ は k-次元球面である。これらの群は、物理理論における安定な位相的特性を捉える。
物理的な相関関数は、コホモロジー類を用いて以下のように表現される:
⟨𝒪₁ … 𝒪ₙ⟩ = ∫ₘ ω𝒪₁ ∧ … ∧ ω𝒪ₙ
ここで、ℳ はモジュライ空間、ω𝒪ᵢ は観測量 𝒪ᵢ に対応する微分形式またはコホモロジー類である。
先に述べた抽象数学的枠組みを用いて、M理論の重要な定理であるM理論とIIA型超弦理論の双対性を導出する。この双対性は、M理論が11次元での理論であり、円 S¹ に沿ってコンパクト化するとIIA型超弦理論と等価になることを示している。
時空間の設定:
H•(ℳ₁₁, ℤ) ≅ H•(ℳ₁₀, ℤ) ⊗ H•(S¹, ℤ)
これにより、11次元のコホモロジーが10次元のコホモロジーと円のコホモロジーのテンソル積として表される。
C-場の量子化条件:
M理論の3形式ゲージ場 C の場の強度 G = dC は、整数係数のコホモロジー類に属する。
[G] ∈ H⁴(ℳ₁₁, ℤ)
デリーブド代数幾何学では、フィールド C はデリーブドスタック上のコホモロジー類として扱われる。
非可換トーラスの導入:
円 S¹ のコンパクト化を非可換トーラス 𝕋θ としてモデル化する。非可換トーラス上の座標 U, V は以下の交換関係を満たす。
UV = e²ᵖⁱθ VU
非可換トーラス上のK-理論群 K•(𝕋θ) は、Dブレーンのチャージを分類する。
K•(ℳ₁₁) ≅ K•(ℳ₁₀)
𝕊ₘ ≃ Σ𝕊ᵢᵢₐ
ここで、Σ はスペクトラムの懸垂(suspension)函手である。
デリーブド代数幾何学、非可換幾何学、および安定ホモトピー理論の枠組みを用いると、11次元のM理論を円 S¹ 上でコンパクト化した極限は、IIA型超弦理論と数学的に等価である。
(b) 非可換性の考慮
1. (多様体構造) M は滑らかな11次元位相多様体である。
2. (ゲージ構造) E は M 上のベクトルバンドルで、構造群 G を持つ。
3. (超対称性) M 上に32個の超対称性生成子 Q_α (α = 1, ..., 32) が存在し、以下の反交換関係を満たす:
{Q_α, Q_β} = 2(CΓ^μ)_αβ P_μ + Z_αβ
ここで C は電荷共役行列、Γ^μ はガンマ行列、P_μ は運動量演算子、Z_αβ は中心電荷。
S = ∫_M (R * 1 + 1/2 * F ∧ *F + ψ̄Γ^μ∇_μψ + ...)
ここで R はスカラー曲率、* はHodgeのスター演算子。
5. (双対性) 異なるコンパクト化 M → M' に対して、物理的に等価な理論が得られる。
エネルギーが中心電荷で下から押さえられるBPS状態が存在する。
証明:
1. 超対称性代数から、エネルギー演算子 H は以下の不等式を満たす:
H ≥ √(Z_αβ Z^αβ)
2. この不等式の等号が成り立つ状態を BPS 状態と呼ぶ。
3. 超対称性の表現論により、このような状態は必ず存在する。
M2ブレーンの張力 T_M2 は、11次元プランク長 l_p を用いて以下のように与えられる:
T_M2 = 1 / (4π²l_p³)
証明:
3. 次元解析により、張力 T_M2 の次元が [長さ]^(-3) であることがわかる。
ブラックホール情報パラドックスは、量子場の理論と一般相対性理論の整合性に関する根本的な問題だ。以下、より厳密な数学的定式化を示す。
量子力学では、系の時間発展はユニタリ演算子 U(t) によって記述される:
|ψ(t)⟩ = U(t)|ψ(0)⟩
ここで、U(t) は以下の性質を満たす:
U†(t)U(t) = U(t)U†(t) = I
これは、情報が保存されることを意味し、純粋状態から混合状態への遷移を禁じる。
ブラックホールの形成過程は、一般相対性理論の枠組みで記述される。シュワルツシルト解を考えると、事象の地平面の半径 rₛ は:
rₛ = 2GM/c²
ここで、G は重力定数、M はブラックホールの質量、c は光速。
ホーキング放射による蒸発過程は、曲がった時空上の量子場の理論を用いて記述される。ホーキング温度 T_H は:
T_H = ℏc³/(8πGMk_B)
ブラックホールが完全に蒸発した後、初期の純粋状態 |ψᵢ⟩ が混合状態 ρ_f に遷移したように見える:
|ψᵢ⟩⟨ψᵢ| → ρ_f
ホログラフィー原理は、(d+1) 次元の重力理論が d 次元の場の理論と等価であることを示唆する。ブラックホールのエントロピー S は:
S = A/(4Gℏ)
ここで、A は事象の地平面の面積。これは、情報が事象の地平面上に符号化されていることを示唆する。
AdS/CFT対応は、d+1 次元の反ド・ジッター空間 (AdS) における重力理論と、その境界上の d 次元共形場理論 (CFT) の間の等価性を示す。AdS 空間の計量は:
ds² = (L²/z²)(-dt² + d𝐱² + dz²)
CFT の相関関数は、AdS 空間内のフェインマン図に対応する。例えば、2点相関関数は:
ここで、m は AdS 空間内の粒子の質量、L は測地線の長さ。
量子エンタングルメントは、ブラックホール情報パラドックスの解決に重要な役割を果たす可能性がある。2粒子系のエンタングルした状態は:
|ψ⟩ = (1/√2)(|0⟩_A|1⟩_B - |1⟩_A|0⟩_B)
ER=EPR 仮説は、量子エンタングルメント(EPR)とアインシュタイン・ローゼン橋(ER)の等価性を示唆する。これにより、ブラックホール内部の情報が外部と量子的に結合している可能性が示される。
超弦理論は、ブラックホール情報パラドックスに対する完全な解決策を提供するには至っていないが、問題に取り組むための数学的に厳密なフレームワークを提供している。
ホログラフィー原理、AdS/CFT対応、量子エンタングルメントなどの概念は、このパラドックスの解決に向けた重要な手がかりとなっている。
今後の研究では、量子重力の完全な理論を構築することが必要。特に、非摂動的な超弦理論の定式化や、時空の創発メカニズムの解明が重要な課題となるだろう。