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位相的弦理論は、宇宙の不思議を解き明かそうとする特別な考え方です。普通の物理学では、物がどう動くかを細かく調べますが、この理論では物の形や繋がり方だけに注目します。
例えば、ドーナツとマグカップを考えてみましょう。形は全然違うように見えますが、どちらも真ん中に1つの穴があります。位相的弦理論では、この「穴が1つある」という点で同じだと考えるんです。
この理論では、宇宙を細い糸(弦)でできていると考えます。でも、普通の弦理論とは違って、糸がどう振動するかは気にしません。代わりに、糸がどんな形をしているか、どう繋がっているかだけを見ます。
これを使って、科学者たちは宇宙の秘密を解き明かそうとしています。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの身の回りの物の形を観察することから始まるんです。宇宙の謎を解くのに、ドーナツの形が役立つかもしれないなんて、面白いと思いませんか?
位相的弦理論は、通常の弦理論を単純化したモデルで、1988年にEdward Wittenによって提唱されました。この理論の主な特徴は、弦の振動モードの中で位相的な性質のみを保持し、局所的な自由度を持たないことです。
1. A-モデル:ケーラー幾何学と関連し、2次元の世界面を標的空間の正則曲線に写像することを扱います。
2. B-モデル:複素幾何学と関連し、標的空間の複素構造に依存します。
これらのモデルは、時空の幾何学的構造と密接に関連しており、特にカラビ・ヤウ多様体上で定義されることが多いです。
4. グロモフ・ウィッテン不変量など、新しい数学的不変量を生み出す
この理論は、物理学と数学の境界領域に位置し、両分野に大きな影響を与えています。例えば、代数幾何学や圏論との深い関連が明らかになっており、これらの数学分野の発展にも寄与しています。
大学生の段階では、位相的弦理論の基本的な概念と、それが通常の弦理論とどう異なるかを理解することが重要です。また、この理論が物理学と数学の橋渡しをどのように行っているかを把握することも大切です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つ2次元の非線形シグマモデルから導出されます。この理論は、通常の弦理論の世界面を位相的にツイストすることで得られます。
A-モデル:
B-モデル:
両モデルは、ミラー対称性によって関連付けられます。これは、あるカラビ・ヤウ多様体上のA-モデルが、別のカラビ・ヤウ多様体上のB-モデルと等価であるという驚くべき予想です。
大学院生レベルでは、これらの概念を数学的に厳密に理解し、具体的な計算ができるようになることが期待されます。また、位相的弦理論が現代の理論物理学や数学にどのような影響を与えているかを理解することも重要です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つシグマモデルから導出される位相的場の理論です。この理論は、超対称性のR-対称性を用いてエネルギー運動量テンソルをツイストすることで得られます。
1. A-ツイスト:
- スピン接続をR-電荷で修正: ψ+ → ψ+, ψ- → ψ-dz
2. B-ツイスト:
- スピン接続を異なるR-電荷で修正: ψ+ → ψ+dz, ψ- → ψ-
A-モデル:
ここで、M はモジュライ空間、evi は評価写像、αi はコホモロジー類、e(V) はオブストラクションバンドルのオイラー類
B-モデル:
ここで、X はカラビ・ヤウ多様体、Ω は正則体積形式、Ai は変形を表す場
A-モデルとB-モデルの間の等価性は、導来Fukaya圏と連接層の導来圏の間の圏同値として理解されます。これは、Kontsevich予想の一般化であり、ホモロジー的ミラー対称性の中心的な問題です。
最近の発展:
1. 位相的弦理論とGopakumar-Vafa不変量の関係
3. 非可換幾何学への応用
専門家レベルでは、これらの概念を深く理解し、最新の研究動向を把握することが求められます。また、位相的弦理論の数学的構造を完全に理解し、新しい研究方向を提案できることも重要です。
位相的弦理論の究極的理解には、以下の高度な概念と最新の研究動向の深い知識が必要です:
1. 導来圏理論:
- 安定∞圏を用いた一般化
- 非可換幾何学との関連
- SYZ予想との関連
- 導来代数幾何学の応用
- 圏化されたDT不変量
- ∞圏論を用いた定式化
これらの概念を完全に理解し、独自の研究を行うためには、数学と理論物理学の両分野において、最先端の知識と技術を持つ必要があります。また、これらの概念間の深い関連性を見出し、新しい理論的枠組みを構築する能力も求められます。
位相的弦理論の「廃人」レベルでは、これらの高度な概念を自在に操り、分野の境界を押し広げる革新的な研究を行うことが期待されます。また、この理論が量子重力や宇宙論といった基礎物理学の根本的な問題にどのような洞察を与えるかを探求することも重要です。
先日10月7日の深夜、日本のツイッタートレンドに『#DFMWIN』のトレンドが入っていたのを覚えているだろうか。
DFMというのは日本のLoLのプロゲーミングチーム、DetonatioN FocusMeの事である。
そんな彼らDetonatioN FocusMeが今夜24時から世界大会本戦(Group Stage)の舞台で戦うので、余りにテンションが上がってしまったため、この増田を書くことにした。
まずLoL、League of Legendsというゲームをご存じだろうか。
このゲームはRiotGamesにより、2009年秋にリリースされ、今年で12年目となるゲームで、世界で最もプレイヤー数の多いPCゲームといわれている。
ジャンルとしてはMOBA(マルチオンラインバトルアリーナ)、最近話題のポケモンユナイトと同じジャンルだ。
5人チームで、すべてのキャラクターが毎試合レベル1からスタートし、経験値を稼ぎながら強くなって勝利を目指すゲームで、毎試合全員が同じ条件でスタートするから、課金じゃ強くなれない、実力差がもろに出るゲームだ。
ポケモンユナイトは1試合10分だが、LoLは相手の陣地最奥のネクサスと呼ばれる建造物を破壊するまで試合が終わらないので、劣勢の側が逆転を目指して粘り続ければ1時間以上続くこともある。
(最近は流石にそういう試合は少なくなるような調整がされているが)
そんなLoLというゲーム、その戦術性の高さから、海外では2011年から世界大会が行われてきた。
しかし、当初日本にはサーバーが無く、日本人プレーヤーのほとんどが北アメリカ、NAサーバーでプレイしていた。
そんなNAサーバーの日本人猛者たちによる大会、League of Legends Japan League、が開催されたのは2014年の事。
その設立当初のチーム数は4チーム、その1つがDetonation FocusMeだ。
(ちなみにLoL日本サーバーがオープンベータとして開放されたのは2016年、1年後の2017年に正式リリースとなった)
2015年のLJLからはRiotGamesの認証を受け、優勝チームが世界大会の予選ステージから参加できるようになり、その最初の世界大会に進出したのがDFMだった。
その大会はIWCI 2015といい、強豪リーグではない、ワイルドカード地域と呼ばれるリーグの代表同士の大会だ。MSIというメインの大会の予選ステージという位置づけだ。
強豪ではない地域とはいえ、サーバーもない、チームとしての戦略などのノウハウもない日本は、7チーム総当たりで1-5という成績に終わってしまう。
それからも毎年毎年、その予選ステージを日本代表は抜けられず、惜しい結果を残したこともあったがなかなか世界では予選ステージすらも勝ち切れない6年間だった。
そして今年の予選ステージ、Worlds 2021 Play-In 、今年も代表として選ばれたのはDFM、歴代最強チームとの呼び声高いメンバーはポジション順に次の通りだ。
長年ゲーム内の最高レーティングに居続ける日本人最強Topレーナー。Youtubeの動画で講座を上げる等、日本サーバーのレベルを上げることにも熱心で、ファンが多い。
彼はカメラに抜かれるといつもサムズアップをし、コメント欄が『b』であふれる。
Jungle: Steal (Mun Geon-yeong)
2017年からLJLでプレーしており、プレー歴の長い選手に適用されるルールにより、今年から日本人枠として認証されることとなった韓国人ジャングラー。実際Eviより日本語が上手い。
今年はチームを支えるようなプレーも自分が試合を動かすアグレッシブなプレーも見せてくれた。これは相手からすれば厄介だろう。
LJL最強Midと名高い彼は、ダメージを出し続けるメイジを使っても、一瞬で相手を落とすアサシンを使っても超一流。
若さゆえの経験の少なさもあり、初出場での世界大会では緊張もあったのか、プレーがいまいちだったが、今回は二度目の出場、さらに進化し続けているプレーヤー。
ADC: Yutapon (Yuta Sugiura)
NAサーバーでTop50人だけがチャレンジャーの称号をもらえたシーズン3(2013)、そのチャレンジャーの1人がYutaponだ。日本からだとPingが高く不利な中でこれを成し遂げた。
他のゲームをやらせても、CSGOではグロエリ、OWではTop500で日本人最高レート、VALORANTではレディアント到達、FPSのセンスもずば抜けている。
笑顔がかわいい韓国人選手。でもかわいい表情からは想像もできないプレーを数々繰り出してきた。
交戦を仕掛けるエンゲージャーとしての判断力はすさまじく、1人で相手全員の足を止めるようなプレーを決めることもある。
Sub Mid: Ceros (Kyohei Yoshida)
Yutaponの竹馬の友。独創的なキャラ選択を見せ、何度も世界を驚かせてきたプレーヤー。
今年はAriaの控えとして出番はないが、長年の経験や、ソロゲームとチームゲームの違い等をAriaに伝えるサブコーチのような役割を果たしているそうだ。
Coach: Kazu (Kazuta Suzuki) & Yang (Yang Gwang-pyo)
Kazuは元DFMのサポート。チームの事をよく知っていて、選手たちと上手く話をまとめながらキャラの選択ができたりする。ちなみにフランス生まれ。
Yangは話聞いてる感じはゲームに関する知識量が半端ない。ちなみにGaengのお兄さん。
Yutapon、Ceros、Kazuの3人は、日本が初めて世界に挑んだIWCI2015の時には選手としてプレーしており、彼らは6年間ずっと世界にこのDFMというチームで挑み続けている。
このメンバーで挑んだ、Play-Inの舞台、5チーム総当たりのグループリーグで、
・1位は即本戦通過、5位は敗退
・3位4位でプレーオフを行い、その勝者と別グループの2位が勝負し、勝った方が本戦通過
というルールだった。
北アメリカ3位のCloud9、3枠以上持っている四大地域の代表。チームとしての歴史も長い名門。MidのParkz選手の年棒は2.8億だとか。
香港台湾東南アジア地域2位のBeyond Gaming。交戦の多い激しいプレースタイルの地域。
トルコ代表のGalatasaray Esports。サッカーで有名なガラタサライ。トルコ代表は毎年存在感のある強豪地域。
CIS地域(ロシアとかその辺)代表Unicorns Of Love。ここも強豪。日本代表は毎年CIS代表に負け続けていた。
日本は2位でプレーオフに勝って本戦通過が目標となっていた。(別グループに別格の強豪が2チームいたため、そことプレーオフになる順位では厳しいため。)
初戦はUnicorns Of Love。例年の日本なら難敵だったが、Steal選手のタロンという若干珍しいキャラ選択が功を奏しての快勝。
2戦目はCloud9。相手のキャラ選択が上手く主導権を取れない展開に。じわじわと押しつぶされるような苦しい敗北。
3戦目はGalatasaray Esports。この試合は序盤でリードをつかむと、終盤までその勢いで押し切っての完勝!
4戦目はBeyond Gaming(BYG)。この試合に勝てば目標の2位以上が確定するという状況で、相手のDoggo選手がかなり強力で苦戦するシーンもあったが、DFMはEvi選手が大爆発!序盤に対面に有利を取りテレポートを消費させた後、自分はそのテレポートを味方の戦闘に駆けつけるために使用!人数差のあるシチュエーションを作ってキルを獲得!最終的にはEvi選手が10キル0デス6アシストというとんでもないスコアをたたき出しての勝利!
3勝1敗で2位以上を確定させ総当たりを終えた日本、残るCloud9(C9)とUnicorns Of Love(UOL)の試合を待つことに。
C9はここまで3-0、1位抜けのために勝利したいが、対するUOLは0-3。前の試合でBeyond Gamingを日本が破ったことで1-3になったので、UOLとしては4位争いのタイブレークのために勝利が必須。
チームとしての格は圧倒的にC9が上であり、いくら何でも苦しいか…と誰もが思っていたが、ここで底力を見せつけたのはUoL!
今大会で圧倒的にメタとなっているミスフォーチュンというキャラをC9がピックしたが、それに対してしばらくメタから外れていたセナというキャラをピックして、断食セナという戦法を決行。
この選択も功を奏し、圧倒的下馬評をひっくり返してUOLが勝利!
このゲームにはチームのロゴや感情を表現するイラストをキャラの上に表示できるエモートという機能があるのだが、試合終了の瞬間UOLのエースNomanz選手が表示したエモートはなんとDFMのロゴ。
「DFM、BYGに勝って俺たちにタイブレークへのチャンスを作ってくれてありがとう、これでお互いにタイブレークだ頑張ろうぜ」
そんな声が聞こえた気がしたのは私だけではないはずだ。
残念ながらUOLは4位タイブレークではBYGに敗れて敗退となってしまったが、彼らの作ってくれた本戦通過へのチャンス、C9とのリベンジマッチが訪れる。
DFMは最序盤にキルを取るものの、C9の選択した序盤中盤に強い構成に対して有利を取るには至らない、じわじわとC9がリードする展開に。
ただその中盤が終わるころ、集団戦で好プレーを決めたDFMが有利を獲得!ただC9も一筋縄ではいかない相手、全員の攻撃に追加ダメージを乗せるドラゴンバフを取り、それを活かしてDFMを苦しめる。
ゴールド的にはほぼ互角な状況から試合を決めたのは、それを取ったら勝ちとすら言われるバフがもらえる、通称『100万点ドラゴン』といわれる中立モンスター、エルダードラゴン前での戦いだった。
仕掛けてきたC9をうまくいなし、相手のダメージ源であるプレーヤーにStealが張り付き無力化、EviとGaengが前線を貼り作った戦闘スペースで、YutaponとAriaがダメージを出した。全員が全員の仕事をしてC9を打ち倒す!
そうして獲得した2分30秒のエルダードラゴンバフ、それを活かし相手陣の防衛施設を破壊し、バフが残り15秒のところで相手のネクサス前まで詰め寄る。勝利は目前だがバフは残り僅か、十分に有利なので、大事を取って下がる判断もありえたが、DFMの選択は試合を終わらせるエンゲージ!相手を3人倒してそのままネクサスを破壊!
こうしてC9を倒した日本代表DFMは日本LoL界初のWorldsGroupStageに進むことになったのだ。
予選のPlay-In Stageに集まってくるのは選りすぐりの”上手い選手”だが、本戦Group Stageで待ち受けているのはLoLにすべてを懸けその座をつかみ取った”ヤバい選手”達といえるだろう。
Group Stageで日本と当たることになったのは次の3チーム、上位2チームがトーナメントラウンドに進出だ。
中国1位、Edward Gaming。圧倒的プレイ人口と市場規模を持つ中国の1位チーム。間違いなく優勝候補。
Scout、Viperの両キャリーが機能する展開の破壊力はえげつない。ちなみにTopレーナーのFlandreの名前の由来は東方。
NA1位、100 Thieves。NAで最も成功しているともいわれるプロゲーミングチームだ。JunglerのCloserのゲーム支配力はとてつもない。
それを支えているのは名コーチReapered。彼は元C9のコーチでもあり、彼がコーチをしていた時のC9にはDFMも苦しめられてきた。
韓国3位、T1。世界大会で3度の優勝を誇る、超名門チーム。その過去3度の優勝を率いてきたMidレーナーのFakerは同一チーム連続在籍年数の記録を持っている。
過去の栄光だけではない、今年はベテランFakerを支える若き10代組、Canna、Keria、Gumayusiが間違いなく成長している。 ちなみにCannaの名前の由来はメイドラゴン。
この3チーム相手に日本のDFMが2位以上を取るというのはかなり厳しいグループとなってしまってはいるが、彼らの健闘を祈って、この記事を〆たいと思う。
Play-Inでは感動をありがとう!GLHF!
【追記】 初戦終わりました。DFMはT1相手にボッコボコにされました。世界の壁を一つ超えたと思ったら、またとんでもない壁がそこにはあるんだなぁ…
>ただ名前と顔を出して活動していてもRIOTから給与が出ていないからE-Sports関係者として取り扱うのが不適当という理屈がよくわからない
「プロゲーマーの品格」を批評する際に、代表的なプロゲーマーを挙げずにとやかく言うのは偏ってる、ということ。
国内のLoLではCeros、Eviが代表的なプロゲーマーだ。
BS放送「運命の日」でLJLが特集された時も、その二人が番組の中心を担っていた。
広告塔の彼らが不祥事を起こした場合、「LoLのプロゲーマーは~」という主語で語られても仕方ないと判断されるだろう。(個人的には納得しないが)
言っちゃ悪いが、当時のHiRoNは代表的とは程遠いプレイヤーで、それはApex R Gamingに所属した頃も同じ。
その一人を取り上げて「eスポーツ界隈のマナーはなっとらん」と語られても、はてな風に言うなら「主語がデカい」という訳。
しかしそのHiRoNも、現在はKEYMAKERと改名してV3 Esportsに所属し、LJLの一部リーグで戦う事になった。
主戦場で活動する以上、ルールの順守と倫理観が求められるのは当然だろう。
>あとこの選手は今も名前を変えて活動しててそれがおとがめなしで許されている現状についてはどう思う?
不便だと思う。
ZerostがSwizzleに改名した時と同様に、選手の情報が調べにくくなるから。
一応、誰が誰に入れたのかを公開することには形式的問題があるかもしれませんので、
下記のような理由でマイナーボートをした人もいた。と認識しておいてください。
※全く関係ない人へ…本日(6/24)全日本学生新人ディベート大会が行われ、(http://www.coda.or.jp/)そこの決勝戦(7人ジャッジ)で審判をしましたので、その判定理由の概要を示しています。論題は「日本は死刑制度を廃止すべき」
略語…Aff:肯定側 M:メリット Neg:否定側 DM:デメリット
■議論整理
Aff.
スタンスをスタンスとして抜き出しておく必要があったのかどうかは謎だが、とりあえずこれ自体は反駁もなく、発生はしていて、残っている。ただし、犯罪を増やしてまで採用すべきメリットなのかどうかについては立論・反駁中でも示されておらず、そこまで強いインパクトではないであろうとの判断。他の人の生命が守れれば正当化されてしまうと自ら言っているので。
発生するはするけれど、多少の合理的な反駁や、(そんなわけないのだけれどdropされた)再審請求していれば執行されないとの反駁もあり、数としては非常に少ないという判断。
拡大自殺に関しては、Negが言うように死刑があろうがなかろうが周りを巻き込む人もいるだろうし、一方で「死刑になりたくてやった」という人の存在自体は否定されず、多少は残るだろうという判断。
★この反駁と立証の評価でジャッジの判断は結構分かれた。反駁を大きくとりこのメリットをほぼ発生しないとしたジャッジも複数
問題は後半で、犯罪が減ったところもある、というのは分かったが、それが拡大自殺だけを反映しているわけではないだろうとも思うものの、触れられていないので明示的にはとれず。また、後述するが、背景要因の検討もこの試合においては不十分。まあとにかく減っているところもある、とだけ。
惜しむらくはせっかく質疑で残忍化効果を匂わせたのにそれを使わなかったところ。
Neg.
A 一般抑止 「死ぬのは怖い」-「ずっと閉じ込められるのは嫌だ」の差分がuniqueness。正直どれくらい大きいのかは不明だし数も不明。いなくもないだろうが、どっちも普通は嫌だし、Affの反駁にも返していないのであまり大きくはとれていない。
別に終身刑でも悪いこととは分かるであろう、という話を採用。上記の差分ともリンク。要は、その差分が大きいと思うか小さいと思うかはかなりジャッジの主観で分かれている。(数十年たたないと云々言っている割には、自ら後で出している資料は直後の増減を論じているというのも疑問)
C 抑止力低下
アーリックモデルに対して、社会的変数などが考慮されていないなど、これでもかというような反駁資料がつけられて、再反駁なかったので、このeviで実際に犯罪増えるとは言えない、という判断。
★このアーリックモデルに対する反駁のeviをこの試合の中でどの程度重視するか、単にこのカードへの返しとだけ考えるか、資料の立証責任レベルを上げるものと考えるかはジャッジで分かれ、投票割れにもつながる
D
・誘拐→「そもそもあまり知られていないのに抑止になるのか、時代も古すぎる」をほぼ返さず、大きくはとらず。まあ、なくもない程度。
・組織犯罪→塀の中から戻ってこれなければ、やはり元も子もないわけで、固有性不明。(なぜ親分に殺されるという話をしなかったんだろう) まあ、なくもない程度。
E 再犯の増加
特に反駁なかったが、結局Aの差分が効いてくるわけで、そこまでも大きくとれず。
S1 アメリカでは2倍に増えたらしい
ここはNeg.のアーリックモデルのカードを援用して立証評価。要は、経済条件はどうだったのかとか移民が増えたのではないかとか、そういう背景を全く言わずに「そのへんの年から2倍に」と言われてもこの試合ではそこまで単純に取れない。そういうことも考慮すべきであるとAff.から示されている以上。
ただ、そこまで考えるべきかどうかはジャッジで分かれていて、結果から言うとそこまで援用しなかったジャッジが多数派。本当はAff.がちらっとでも言うべきであった。
別に死刑囚じゃなくても諸外国ではよく暴動起きてるし…。質疑で応答した、期間が問題というのもよく分からない。それ以上の証明も深刻性言及もないし、立証不足。ていうかこれ発生過程じゃなくて全然別個のデメリットではないんだろうか。
深刻性は、まあそうですね、という判断。
■比較
結局、犯罪が増えるのか減るのかディベーターが明示的に比較していないのでジャッジが考えざるを得ない。
犯罪が増える可能性があるスキームも、減る可能性があるスキームも両方わずかながら生き残っていて、しかも相反しないので、両方起きると考える。
とした場合、減るという資料も増えるという資料もあって、どっちも背景証明が不十分となると、現状とほぼ変わらないのではないか、と判断。