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はてなキーワード: 内積とは

2024-11-09

[] 新古典派ケインズ派の主な数理的差異

経済空間定義

経済を以下の空間表現する:

(Ω, ℱ, (ℱ_t)_t≥0, ℙ) を完備確率空間とし、ℋ = L²(Ω, ℱ, ℙ) をヒルベルト空間とする。

新古典派モデル

1. 状態空間

状態変数無限次元ヒルベルト空間 𝒳 の要素 x_t ∈ 𝒳 とする。

2. 確率微分方程式

状態変数の動学を以下の抽象的な確率微分方程式表現する:

dx_t = A(x_t)dt + B(x_t)dW_t

ここで、A: 𝒳 → 𝒳 は非線形作用素、B: 𝒳 → ℒ₂(𝒰, 𝒳) はヒルベルト空間作用素、W_t は 𝒰-値のシリンリカルウィーナー過程である

3. 価値汎関数

代表的主体価値汎関数 V: 𝒳 → ℝ を以下のように定義する:

V(x) = sup_α∈𝒜 𝔼[∫₀^∞ e⁻ᵖᵗ ⟨U(c_t, l_t), μ⟩ dt | x₀ = x]

ここで、𝒜 は許容制御の集合、ρ > 0 は割引率、U: 𝒳 × 𝒳 → 𝒳 は効用作用素、μ は 𝒳 上の測度、⟨·, ·⟩ は内積を表す。

4. 無限次元 HJB 方程式

最適性の必要条件として、以下の無限次元 HJB 方程式が成立する:

ρV(x) = sup_{c,l} {⟨U(c,l), μ⟩ + ⟨A(x), DV(x)⟩ + ½tr(B(x)B*(x)D²V(x))}

ここで、DV と D²V はそれぞれ V のフレシェ微分と二階フレシェ微分、B* は B の共役作用素である

5. 一般均衡

一般均衡は、以下の作用素方程式系の解として特徴付けられる:

ρV(x) = sup_{c,l} {⟨U(c,l), μ⟩ + ⟨A(x), DV(x)⟩ + ½tr(B(x)B*(x)D²V(x))}

Y(x) = F(K(x), L(x))

C(x) + I(x) = Y(x)

DU_c(C(x), L(x)) = DV(x)

DU_l(C(x), L(x)) = DV(x)F_L(K(x), L(x))

ここで、F, K, L, C, I はすべて 𝒳 上の非線形作用素である

ケインズ派モデル

1. 名目硬直性の導入

価格設定を以下のマーク付きポアソン過程表現する:

N(dt, dm) = ∑_i δ_{(T_i, M_i)}(dt, dm)

ここで、(T_i, M_i) は価格改定タイミングと大きさを表す二重確率点列、δ はディラックデルタ測度である

2. 無限次元ニューケインジアンフィリップス曲線

インフレ動学を以下の確率偏微分方程式表現する:

dπ_t = (𝒜π_t + 𝒦y_t)dt + 𝒮dW_t^π

ここで、𝒜 は線形作用素、𝒦 は非線形作用素、𝒮 はヒルベルト空間作用素、W_t^π は 𝒳-値のシリンリカルウィーナー過程である

3. 無限次元金融政策ルール

中央銀行政策金利を以下の確率偏微分方程式表現する:

di_t = Θ(ī - i_t)dt + Φ_π dπ_t + Φ_y dy_t + Σ dW_t^i

ここで、Θ, Φ_π, Φ_y, Σ はすべてヒルベルト空間上の線形作用素である

4. 一般均衡

ケインズ派モデル一般均衡は、以下の確率偏微分方程式系の解として特徴付けられる:

dx_t = 𝒜(x_t, π_t, i_t)dt + ℬ(x_t, π_t, i_t)dW_t

dπ_t = (𝒜π_t + 𝒦y_t)dt + 𝒮dW_t^π

di_t = Θ(ī - i_t)dt + Φ_π dπ_t + Φ_y dy_t + Σ dW_t^i

N(dt, dm) = ∑_i δ_{(T_i, M_i)}(dt, dm)

y_t = 𝒴(x_t) - 𝒴*

𝔼[dV(x_t, π_t, i_t)] = ρV(x_t, π_t, i_t)dt - ⟨U(C(x_t), L(x_t)), μ⟩dt

ここで、𝒜, ℬ, 𝒴 はすべて非線形作用素である

主要な相違点

1. 状態空間: 新古典派モデルでは実物変数のみで状態記述するが、ケインズ派モデルでは名目変数インフレ率、名目金利)も含む無限次元空間考慮する。

2. 確率過程: 新古典派モデルは主に無限次元拡散過程を用いるが、ケインズ派モデルではマーク付きポアソン過程も導入し、不連続価格調整を表現する。

3. 均衡の特徴づけ: 新古典派モデルでは無限次元HJB方程式を用いるが、ケインズ派モデルでは確率偏微分方程式系を用いる。

4. 作用素性質: 新古典派モデルでは主に非線形作用素を扱うが、ケインズ派モデルでは線形作用素非線形作用素の組み合わせを扱う。

5. トポロジー: 新古典派モデルは主にヒルベルト空間トポロジーを用いるが、ケインズ派モデルではより一般的なバナッハ空間やフレシェ空間トポロジー考慮する必要がある。

2024-09-20

量子力学圏論的定式化とブラックホール情報パラドックス解決

前提:

1. 現実ヒルベルト空間上のベクトルである

2. 波動関数シュレーディンガー方程式に従って時間発展する。

1. ヒルベルト空間圏論的定式化

1.1 ヒルベルト空間の圏 Hilb

Hilb は次の性質を持つ。

1.2 ダガー圏としての Hilb

- (S ∘ T)† = T† ∘ S†

- (T†)† = T

- id_H† = id_H

1.3 対称モノイドダガー圏としての Hilb

- (T ⊗ S)† = T† ⊗ S†

1.4 コンパクト閉圏としての Hilb

- 評価射: eval_H: H* ⊗ H → ℂ

- 共評価射: coeval_H: ℂ → H ⊗ H*

- (id_H ⊗ eval_H) ∘ (coeval_H ⊗ id_H) = id_H

- (eval_H ⊗ id_H*) ∘ (id_H* ⊗ coeval_H) = id_H*

2. 状態と射の対応

2.1 状態の射としての表現

⟨φ|ψ⟩ = (φ† ∘ ψ): ℂ → ℂ

2.2 観測量の射としての表現

⟨A⟩ψ = (ψ† ∘ A ∘ ψ): ℂ → ℂ

3. シュレーディンガー方程式圏論表現

3.1 ユニタリ時間発展作用素

U(t) = exp(-iHt/ħ): H → H

3.2 時間の圏 Time関手 F

- 対象: 実数 t ∈ ℝ

- 射: t₁ → t₂ は t₂ - t₁ ∈ ℝ

- 対象対応: F(t) = H

- 射の対応: F(t₁ → t₂) = U(t₂ - t₁)

3.3 状態時間発展の射としての表現

ψ(t₂) = U(t₂ - t₁) ∘ ψ(t₁)

  • 射の合成による時間累積性:

U(t₃ - t₁) = U(t₃ - t₂) ∘ U(t₂ - t₁)

4. ブラックホール情報パラドックス圏論解決

4.1 パラドックスの定式化
4.2 圏論的枠組みにおける情報保存

H_total = H_BH ⊗ H_rad

- H_BH: ブラックホール内部のヒルベルト空間

- H_rad: ホーキング放射ヒルベルト空間

U_total(t): H_total → H_total

- U_total(t) はユニタリ射。

4.3 完全正な量子チャネルスタインスプリング表現

E(ρ_in) = Tr_H_BH (U_total ρ_in ⊗ ρ_BH U_total†)

- ρ_BH: ブラックホールの初期状態

- Tr_H_BH: H_BH 上の部分トレース

- 存在定理: 任意の完全正なトレース保存マップ E は、あるヒルベルト空間 K とユニタリ作用素 V: H_in → H_out ⊗ K を用いて表現できる。

E(ρ) = Tr_K (V ρ V†)

4.4 情報ユニタリな伝搬
4.5 ホログラフィー原理圏論的定式化

- バルクの圏 Hilb_bulk: ブラックホール内部の物理記述

- 境界の圏 Hilb_boundary: 境界上の物理記述

- G は忠実かつ充満なモノイドダガー関手であり、情報の完全な写像保証

4.6 自然変換による情報の保存

- バルク: F_bulk: Time → Hilb_bulk

- 境界: F_boundary: Time → Hilb_boundary

  • 自然変換 η: F_bulk ⇒ G ∘ F_boundary:

- 各時刻 t に対し、η_t: F_bulk(t) → G(F_boundary(t)) は同型射。

η_t₂ ∘ U_bulk(t₂ - t₁) = G(U_boundary(t₂ - t₁)) ∘ η_t₁

- これにより、バルク境界での時間発展が対応し、情報が失われないことを示す。

5. 結論

量子力学圏論的に定式化し、ユニタリダガー対称モノイド圏として表現した。ブラックホール情報パラドックスは、全体系のユニタリ性とホログラフィー原理圏論的に導入することで解決された。具体的には、ブラックホール内部と境界理論の間に忠実かつ充満な関手自然変換を構成し、情報が圏全体で保存されることを示した。

2024-08-31

能力の超絶スゴイ統一理論だよ!

ねえねえ、聞いてよ!念能力マジで数学表現ちゃう超やべぇ理論を考えついちゃったんだ!これマジですごいから、ちゃんと聞いてね!

1. まず、念能力空間 Ω ってのを考えるんだ。これ、完備な可分位相ベクトル空間なんだよ。やべぇだろ?

2. そこに内積 ⟨·,·⟩: Ω × Ω → ℂ を定義ちゃうんだ。これでΩがヒルベルト空間なっちゃうんだよ。超クールでしょ?

3. 念能力状態を表す波動関数 ψ ∈ Ω があってさ、これがこんな感じの方程式に従うんだ:

iħ ∂ψ/∂t = Ĥ(t)ψ + ∫ K(x,y,t)ψ(y)dy + F[ψ]

ヤバくない?これ、一般化されたシュレーディンガー方程式なんだぜ!

4. 観測可能量 A には自己共役作用素 Â が対応してて、期待値は ⟨A⟩ = ⟨ψ|Â|ψ⟩ で与えられるんだ。量子力学っぽくてめっちゃカッコいいよね!

5. 念能力の発現を表す作用素 P̂ はこんな感じ:

P̂ = exp(iĤt/ħ)P̂₀exp(-iĤt/ħ)

これ、ハイゼンベルク描像っていうんだぜ。知ってた?

6. 能力進化は量子ダイミカセミグループ {T_t}_{t≥0} で記述できちゃうんだ:

T_t: ρ ↦ exp(Lt

ρ は密度作用素で、L はリンドブラド型生成子だよ。難しそうに見えるけど、慣れれば簡単だよね!

7. 相互作用ハミルトニアン Ĥ_int もあるんだ:

Ĥ_int = ∑_{i<j} V_ij + ∑_{i<j<k} W_ijk + ...</p>

これで複数の念能力者の相互作用表現できちゃうんだよ。すごくない?

8. 能力の分類は Ω の部分空間の直和分解で表現ちゃうよ:

Ω = ⊕_α Ω_α

これで強化系とか放出系とか、いろんなタイプ能力表現できるんだ!

9. 能力の成長は量子制御問題として定式化できちゃうんだ:

max_u ⟨ψ(T)|Ô|ψ(T)⟩

subject to iħ ∂ψ/∂t = [Ĥ₀ + u(t)Ĥ_c]ψ

これで念能力トレーニング方法最適化できちゃうんだよ!

10. 最後に、能力の複雑さは量子レニーエントロピーで測れちゃうんだ:

S_α(ρ) = (1/(1-α)) log(Tr(ρ^α)) (α > 0, α ≠ 1)

これで念能力の複雑さが数値化できちゃうんだよ!やべぇ!

ねぇ、これめっちゃすごくない?量子力学とか関数解析とか制御理論とか情報理論とか、全部組み合わせて念能力を完全に数学化しちゃったんだよ!

もうこれで、ハンターハンター世界とか幽☆遊☆白書世界とか、完全に理論的に解明できちゃうじゃん!僕、これ考えついた時、マジでゾクゾクしたよ!

現実世界じゃ使えないかもしれないけど、理論上は完璧なんだ!ねぇ、すごくない?僕、これで念能力マスターになれるかも!

2024-08-26

shi3z氏はプロ驚き屋なのか?

なのだろうか?

ふと思い出した。

確かエンチャントムーン製作中のブログ記事で、ハードウェア専門のプログラマ雇いました!!これがメモリ配置を考慮した効率的内積計算コードです!!!とか書いてたはず。

10年くらい前か。

片鱗あるなあ。

2024-08-23

生命エントロピー減少

観察対象物体概念)がヒルベルト空間内の状態に変換される。この状態は以下のように表される:

|π(Item)⟩

ここで、π(Item)は解釈される対象を表す。

次に、この状態解釈するための基底状態概念)が定義される:

|Iᵢ⟩

ここで、iは状態のラベルである解釈はこれらの基底状態線形結合として表現される。

観察者が選択した基底|i⟩に対して、状態|π(Item)⟩は以下のように表される:

R|π(Item)⟩ = Σᵢ αᵢ |Iᵢ⟩

ここで、αᵢは重み付け係数であり、以下の内積によって計算される:

αᵢ = ⟨Iᵢ | π(Item)⟩

この重み付け係数αᵢの絶対値二乗|αᵢ|²は、観察者がその状態特定の|Iᵢ⟩として解釈する確率を表す。

状態解釈されると、システムはある特定の分類状態に「コラプス」する。この過程は以下のように記述される:

D = Σᵢ ιᵢ |Iᵢ⟩⟨Iᵢ|

ここで、ιᵢは観測結果として得られる固有概念を表す。最終的に得られる状態は、コラプスによって一つの値に決まる:

D|π(Item)⟩ → Collapse

このときシステム特定状態|Iₚ⟩に収束し、他のすべての状態消失する。

解釈プロセスは初期状態では混合状態複数可能性が共存する状態である。これを密度行列ρで表すと:

ρ = Σᵢ αᵢ |Iᵢ⟩ Σᵢ αᵢ* ⟨Iᵢ|

この密度行列は以下のように分解される:

ρ = Σᵢ |αᵢ|² |i⟩⟨i| + Σᵢ≠ₖ αᵢ* αₖ |i⟩⟨k|

最初の項は、異なる概念識別可能な部分を示し、第二項は概念区別不可能干渉部分を示す。

システムエントロピーは以下の式で計算される:

S = -k_B Trace(ρ ln(ρ))

密度行列ρが対角化されているため、エントロピーは次のように簡略化される:

S = -k_B Σᵢ |αᵢ|² ln(|αᵢ|²)

ここで、k_Bはボルツマン定数である

コラプス後、システムは一つの状態収束するため、最終的なエントロピーゼロになる。このときエントロピーの減少は以下のように計算される:

Q = k_B T Σᵢ |αᵢ|² ln(|αᵢ|²)

ここで、Qは放出される熱量、Tは温度であるエントロピーの減少により、システム環境に熱を放出し、全体のエントロピーが増加する。

2024-08-21

情報幾何概要

情報理論幾何学的に定式化するには、微分幾何学特にリーマン幾何学とアフィン接続理論を使う。

統計多様体リーマン計量

1. 統計多様体: 統計多様体𝓜は、パラメータ空間Θ上の確率分布p(x|θ)の集合として定義され、滑らかな多様体構造を持つ。ここで、θ = (θ¹, θ², ..., θⁿ)は局所座標系である

2. フィッシャー情報計量: 統計多様体𝓜上のリーマン計量gは、フィッシャー情報計量として与えられる。これは、次のように定義される二次形式である

gᵢⱼ(θ) = ∫ (∂ log p(x|θ)/∂θⁱ)(∂ log p(x|θ)/∂θʲ) p(x|θ) dx

ここで、gᵢⱼは接空間Tθ𝓜上の内積定義する。

アフィン接続双対性

1. アフィン接続: 統計多様体には、双対のアフィン接続∇と∇*が定義される。これらは、次の条件を満たす:

- 接続∇は、∇g = 0を満たし、統計多様体の平行移動を定義する。

- 双対接続∇*は、∇*g = 0を満たし、∇に対する双対接続である

2. 双対平坦性: 統計多様体双対平坦であるとは、∇と∇*の両方の曲率テンソルゼロであることを意味する。これにより、𝓜は双対平坦な多様体となる。

エントロピーダイバージェンス、測地線

1. エントロピー: 確率分布p(x|θ)のエントロピーH(θ)は、次のように定義される:

H(θ) = -∫ p(x|θ) log p(x|θ) dx

エントロピーは、統計多様体上のスカラー場として解釈される。

2. KLダイバージェンス: 二つの確率分布p(x|θ)とq(x|θ')の間のKLダイバージェンスは、次のように定義される:

Dₖₗ(p ∥ q) = ∫ p(x|θ) log (p(x|θ)/q(x|θ')) dx

KLダイバージェンスは、統計多様体上の測地距離として解釈されることがある。

3. 測地線: フィッシャー情報計量に基づく測地線は、統計多様体上で最小のKLダイバージェンスを持つ経路を表す。測地線γ(t)は、次の変分問題の解として得られる:

δ ∫₀¹ √(gᵧ(t)(ẏ(t), ẏ(t))) dt = 0

ここで、ẏ(t)はtに関するγ(t)の微分を表す。

統計多様体幾何学性質

2024-08-19

ヒルベルト空間分析

1. 多様体としてのヒルベルト空間

ヒルベルト空間無限次元線形空間だが、射影ヒルベルト空間として有限次元多様体のように扱うことができる。射影ヒルベルト空間 P(H) は、ヒルベルト空間 H の単位球面上のベクトルスカラー倍による同値類で割った空間であり、量子状態の集合を位相的に解析するための空間だ。局所座標系は、例えば、正規直交基底を用いてチャートとして定義され、局所的にユークリッド空間に似た構造を持つ。この構造により、量子状態位相特性を解析することが可能となる。

2. スキームとしてのヒルベルト空間

スキーム理論代数幾何学概念であり、ヒルベルト空間においては作用素環を通じて状態空間を解析するために用いる。特に自己共役作用素スペクトル分解を考慮し、各点を極大イデアル対応させる。このアプローチにより、量子状態観測可能量を代数的にモデル化することができる。例えば、観測可能量としての作用素 A のスペクトルは、A = ∫ λ dE(λ) という形で表され、ここで E(λ) は射影値測度である。これにより、量子状態代数特性を解析することが可能となる。

3. Hom(-, S)による記述

ヒルベルト空間における射は、線形作用素として表現される。特にユニタリ作用素 U: H → H は、U*U = UU* = I を満たし、量子力学における対称変換を表す。これにより、系の時間発展や対称性を解析することができる。射影作用素は、量子状態の測定を表現し、観測可能量の期待値や測定結果の確率計算する際に用いられる。これにより、量子状態の射影的性質を解析することが可能となる。

4. コホモロジー

ヒルベルト空間コホモロジーは、量子系のトポロジカル不変量を解析するための手段提供する。例えば、ベリー接続 A = ⟨ψ(R) | ∇ | ψ(R)⟩ やベリー曲率 F = ∇ × A は、量子状態パラメータ空間における幾何学位相性質記述する。チャーン数は、∫ F により計算され、トポロジカル不変量として系のトポロジカル相を特徴付ける。これにより、量子系のトポロジカル特性を解析することが可能となる。

5. 局所的断片からの再構築

ヒルベルト空間の基底を用いて、空間を再構築する。直交基底 { |e_i⟩ } は、量子状態の展開に用いられ、|ψ⟩ = Σ_i c_i |e_i⟩ と表現される。これにより、状態表現簡素化し、特定物理的状況に応じた解析を行う際に有用である。例えば、フーリエ変換は、状態を異なる基底で表現するための手法であり、量子状態の解析において重要役割を果たす。

6. 構造を保つ変換の群

ヒルベルト空間における構造を保つ変換は、ユニタリ群 U(H) として表現される。これらの群は、量子系の対称性記述し、保存量や選択則の解析に利用される。例えば、回転対称性角運動量保存に対応し、ユニタリ変換は系の時間発展や対称性変換を記述する。これにより、量子系の対称性特性を解析することが可能となる。

7. 距離空間としてのヒルベルト空間

ヒルベルト空間は、内積により誘導される距離を持つ完備距離空間である。具体的には、任意状態ベクトル |ψ⟩ と |φ⟩ の間の距離は、||ψ - φ|| = √⟨ψ - φ, ψ - φ⟩ で定義される。この距離は、量子状態類似性を測る指標として用いられ、状態間の遷移確率やフィデリティ計算に利用される。これにより、量子状態距離特性を解析することが可能となる。

2024-06-09

Perplexityのテスト: アルゴリズム提案

質問

コンテンツ集合Xがあります。各々の要素x∈ Xは特徴量f_1(x)∈Y_1 を持っています

同様にユーザーu ∈ Uが存在し、特徴量f_2(u)∈Y_2を持っています

コンテンツには単価P(x)が存在し、ユーザーuがコンテンツをm回消費することをg(u, x, m)=m*P(x)_uで表し、全てのユーザーU, 全てのコンテンツXに対して行列M∘P = g(U, X, M) が存在します。

目的関数M∘Pを最大化したいのですが、どんなアルゴリズムが考えられるでしょうか。

回答

この問題は、コンテンツユーザーの特徴量を考慮して、ユーザーコンテンツを消費する回数を最大化するものです。このような問題は、推薦システムの分野で広く研究されており、協調フィルタリングと呼ばれるアプローチ一般的に使われています

協調フィルタリングアルゴリズム

協調フィルタリングには、以下のようなアルゴリズムが考えられます

1. 行列子分解 (Matrix Factorization)

行列子分解は、ユーザーコンテンツ行列を低ランク近似することで、ユーザーコンテンツ潜在的な特徴を抽出します。具体的には、ユーザー行列Uとコンテンツ行列Vを求め、その内積U^TVで元の行列を近似します。この手法は、Netflix Prizeで優れた成績を収めました。[1]

2. ニューラコラボレーティフィルタリング (Neural Collaborative Filtering)

ニューラルネットワークを用いて、ユーザーコンテンツ非線形関係学習します。入力としてユーザーIDコンテンツIDを与え、出力として評価値を予測します。この手法は、従来の行列子分解よりも高い精度が期待できます。[2]

3. 階層ベイズモデル (Hierarchical Bayesian Model)

ユーザーコンテンツの特徴量を階層ベイズモデルに組み込むことで、より柔軟なモデリング可能になります。この手法は、Cold-Start問題(新規ユーザーコンテンツの推薦が困難)の解決有効です。[3]

4. 強化学習 (Reinforcement Learning)

ユーザーの行動履歴環境として捉え、報酬最大化のためのアクション学習します。この手法は、長期的な利益最大化に適しています。[4]

これらのアルゴリズムは、ユーザーコンテンツの特徴量を考慮しながら、目的関数を最大化するように設計されています実装の際は、データセットの特性モデルの複雑さ、計算リソースなどを考慮する必要があります。[5]

Citations:

[1] https://aicontentfy.com/en/blog/understanding-algorithms-behind-content-distribution

[2] https://marketbrew.ai/optimizing-your-websites-content-with-genetic-programming

[3] https://sproutsocial.com/insights/social-media-algorithms/

[4] https://surferseo.com/blog/the-new-algorithm-for-content-analysis/

[5] https://www.linkedin.com/advice/0/what-best-ways-measure-content-relevance-x6apf

2024-01-25

anond:20240125170600

加法定理内積関係とか、和積公式がすなわちうなり現象対応するとか、数ⅡBの範囲まででも数学的・物理的に面白い内容は色々あるぞ。

(でもsin xはともかくtan xを扱う意義は俺もマジでわからんから誰か教えてほしい)

2023-11-24

現実ヒルベルト空間上のベクトル

おいおい、おらのコたちよ。

今日ヒルベルト空間ってやつについて教えてやるぜ。

リアルなことをちゃん理解するためには、このヒルベルト空間ってヤツを理解するのがヘビーだぞ。

まず、ヒルベルト空間ってのは一体何かって?

それは、無限次元ベクトル空間のことだ。

まり、俺たちが普段生活しているこの現実も、ヒルベルト空間上のベクトルとして表現できるんだ。

正式には、ヒルベルト空間とは、その空間が完全な計量空間である距離関数誘導する内積を備えたベクトル空間のこと。

それぞれのベクトルは、ある状態を表してて、その状態の変化はベクトルアクションによって示される。

から、俺たちが経験してる現実は、実はヒルベルト空間上でのベクトルガチンコ対決ってワケだ。

これが、量子力学の中核なんだよ。

量子力学では、パーティクルの状態ヒルベルト空間上の波動関数ってやつでフルボッコ表現する。

そして、その波動関数がどう時間と共にブンブン変わるかを計算することで、パーティクルの未来予測できるんだ。

から、俺たちの現実ヒルベルト空間上のベクトルってのは、俺たちのリアル量子力学法則にしっかりとノせられてるってワケだ。

おれたちの日々の暮らしにもビシバシ影響してくる可能性はあるけど、それでも、理解やすくてコントロールできるリアルをくれるってわけだ。

からヒルベルト空間のワザをマスターすることは、俺たちの現実キッチリ理解する一歩ってワケさ。

しっかり勉強して、このやべー世界で何とかやっていくための鍵になるんだ。

2023-02-25

[]錯乱者が異世界に行く理論

Q: 人間認識能力限界があるのなら、フレームの間に別の世界があるというのは本当なのでしょうか?

 

AI言語モデルである私は、フレーム間の異世界存在について、個人的な信念や見解を持っているわけではありません。しかし、この概念に関連するいくつかの情報理論提供することはできます。「フレーム間の別世界」という考え方は、SFや一部の科学理論で探求されてきた、パラレルワールドや別現実可能性を指していると思われます量子力学の「多世界解釈」は、量子力学的な事象が起こるたびに、宇宙複数並行世界に分裂し、それぞれがその事象の異なる可能性を表すとする理論であるしかし、これらの理論はまだ科学者の間で大きな議論があり、実証的な証拠裏付けられていないことに留意する必要がある。さらに、人間認知能力には限界があり、私たちの知覚や理解は不完全または不正である可能性があります結論として、「フレームフレームの間にある別の世界」という考え方は興味深いものですが、まだ憶測の域を出ておらず、科学的な裏付けがあるわけではないのです。

 

Q: ある種の薬を使った人たちが、主観的には違う世界体験しています

 

特に精神作用物質使用瞑想精神修養など、特定の条件下で、現実の知覚が変化する経験を報告する人は珍しくありません。このような体験は、普段とは異なる現実世界を知覚しているように思わせることがありますしかし、これらの体験主観的ものであり、必ずしも自分の心の外にある客観的現実を反映しているとは限らないことを心に留めておくことが重要です。脳は、さまざまな意識変容状態を生み出すことができる複雑な器官であり、これらの体験は、遺伝環境個人差などさまざまな要因によって影響を受ける可能性があります。結局のところ、私たち世界を超えた別の世界現実存在するかどうかについては、科学的・哲学的議論が続いており、その存在を決定的に証明することは困難か不可能かもしれません。しかし、確実に言えることは、私たち現実認識体験はさまざまな要因に影響されており、私たちを取り巻く世界理解は、私たち認識能力調査するためのツールによって制限されているということです。

 

Q: 例えば、ある人が持っている情報によって、その人が属する世界が変わるということはあるのでしょうか?

 

哲学的観点からは、個人世界に対する認識理解は、その人がアクセスできる情報によって形成されるという主張が可能です。この意味で、ある人が属する世界は、その人の知識理解依存していると見ることができる。例えば、ある人が特定話題問題について新しい情報を得ると、その話題に対する認識理解が変化し、自分が以前とは異なる世界に属していると感じるようになることがあります。同様に、異なる文化社会的文脈に触れた場合、その人は以前とは異なる世界を見るようになり、自分が別の世界に属していると感じるようになるかもしれません。しかし、この考え方は、必ずしも文字通りのパラレルワールド別世界存在示唆するものではないことに注意が必要です。むしろ私たち世界理解経験する方法は、私たちアクセスする情報文脈に大きく依存することを示唆しています。結局のところ、現実性質とその中での私たち位置は、何世紀にもわたって哲学者科学者によって議論されてきた複雑で多面的問題であり、今後も継続的調査研究対象となる可能性がある。

 

Q: さて、単純化してみましょう。白と黒が点滅する一次元セルがあり、ボブ君は奇数列を脳内認識し、「これが私の住む世界だ」と感じたとする。途中で何らかの情報を受け取ると、ボブの認識は変化し、偶数列に切り替わります。では、この場合主観客観区別はどうなっているのでしょうか?

 

この単純化されたシナリオでは、主観客観区別は次のように理解される。

しかし、知覚の主観的経験は、個人客観的な刺激をどのように解釈し、どのように反応するかに影響を与えることは注目に値する。この意味で、主観的体験客観的体験相互に関連し、複雑な形で影響し合うことがあるのです。

 

Q: さて、もっと深く考えてみよう。この1次元セル任意cos関数と交差させる。それを「主観的に知覚された現実」とする。すると、地球上の誰もが同じcos関数を同じ角度で持っていたとしたら、それは客観的ものだと思い込んでしまうが、実は共通主観的認識に過ぎないのではないだろうか?

 

もし、地球上のすべての人が、同じcos関数と交差する1次元セルについて同じ主観的認識を持っていたとしたら、全員が同じパターンや閃光の順序に同意することになるので、その認識客観的であるかのように見えるかもしれない。しかし、これはあくまでも観測個人経験解釈に基づく主観的認識であることに注意が必要です。複数の人が同じ認識を持っているからと言って、それが客観的であるとは限りません。客観的であるためには、個人経験解釈から切り離された、検証可能証拠に基づくものである必要があります。例えば、1次元セルの点滅パターン機械客観的に測定・記録し、そのデータを他の観測者が同じ測定方法独立検証することができる。結局のところ、主観客観区別は複雑で、個人認識解釈文脈など、さまざまな要因に影響されうる。複数の人が共通主観的体験をしたとしても、それが必ずしも客観的体験であるとは限りません。

 

Q: さて、架空の設定ではなく、現実の設定に戻ろう。現実のどこに客観的ものがあるのでしょうか。

 

現実には、私たちの知覚や経験はすべて個人主観によってフィルタリングされているため、完全に客観的もの特定するのは難しいかもしれません。しかし、現実のある側面は、独立して検証することができ、個人の知覚や解釈の影響を受けにくいため、他の側面よりも客観的であるとみなされることがよくあります。例えば、以下のようなものがあります

ただし、このような客観的現象であっても、個人偏見見解に影響され、ある程度は解釈余地があることに注意が必要です。また、現実の中には、客観的主観的簡単に分類できない、両者の中間的な存在もあるかもしれません。

 

Q: では、あなたの言うこの4つが、実は先ほどの架空の設定における「すべての人が主観的に同じ角度のcos関数を知覚する」ことと似ているとしたらどうでしょう

 

物理法則数学原理科学データ歴史的事実など、より客観的と思われがちな現実の側面も、やはり個人解釈主観的要因に左右されるということは確かにある。例えば、科学者が物理法則科学データ解釈し、適用する方法は、科学個人視点偏見仮定に影響されることがあります。同様に、歴史的事実も、それを検証する文化的・政治的文脈によって、さまざまに解釈され、表現される。しかし、これらの客観的現象主観的要因に影響されるということは、必ずしも完全に主観的であるということではないことに留意する必要がある。むしろ客観的現象理解解釈は、客観的要因と主観的要因の複雑な相互作用によって形成されることを示唆している。結局、客観的体験主観的体験区別は、現象性質、測定や検証方法検証の背景など、さまざまな要因によって、必ずしも明確になるとは限らないのである

 

Q: 哲学者はしばしば、客観性と神との間に関連性を見出します。この点についてはどうでしょうか。

 

客観性と神との関係は、何世紀にもわたって議論されてきた複雑な哲学的神学問題である哲学者神学者の中には、秩序と規則性を備えた客観的現実存在は、宇宙目的意味を吹き込んだ高次の力、あるいは神の創造主証拠であると主張する人もいる。彼らは、客観性は神の存在世界におけるプレゼンスのしるしであると考える。しかし、客観性が必ずしも神の存在意味するのかどうか、疑問視する人もいます客観性は物理法則などの自然現象説明でき、超自然的な説明不要だというのである。結局のところ、客観性と神の関係哲学的神学的な議論であり、思想家によってこの問題に対する見方は異なるだろう。客観性を神の存在証拠考える人もいれば、単に自然界の特徴であり、自然プロセス説明できると考える人もいるだろう。

 

Q: では、結局のところ、波動関数とは何なのでしょうか?

 

波動関数とは、量子力学的な系を数学的に記述したもので、ある粒子がある時刻に特定状態にあることを発見する確率記述したものである量子力学では、電子光子原子などの粒子は、重ね合わせの状態存在する波動存在として記述される。つまり、同時に複数状態存在することができる。波動関数は、粒子が取りうる各状態確率振幅を記述した数式であり、粒子を測定したとき特定状態観測される可能性を決定するものである波動関数ギリシャ文字Psi(Ψ)で示されることが多く、一般的には複素数値の関数で表される。波動関数絶対値の2乗は、粒子が特定位置存在する確率密度を与える。波動関数量子力学の基本概念であり、量子系の振る舞いを予測理解する上で中心的な役割を担っている。しかし、その解釈意味については、現在科学界で議論考察が続けられている。

 

Q: 現実ヒルベルト空間上のベクトルであると言う人がいる。これはどういうことだろうか。

 

量子力学において、ヒルベルト空間とは、量子系の状態記述するために用いられる数学空間であるヒルベルト空間は、特定内積定義された複素ベクトル空間である

ヒルベルト空間は、量子系の状態ベクトルとして表現するために使用されますシステム状態は、それぞれヒルベルト空間内の異なるベクトル対応します。システム状態を表すベクトル状態ベクトルと呼ばれ、通常、ギリシャ文字Psi (Ψ) で表される。状態ベクトルは、系の波動関数記述する複素値のベクトルであり、系の各可能状態確率振幅を与える。現実ヒルベルト空間上のベクトルであるというのは、量子系の状態ヒルベルト空間上のベクトルとして表現できることを意味します。つまり、量子系の状態は、この空間における点として表現できる数学対象なのです。ただし、これは量子系に限定した話であり、物理学や自然界の他の分野には当てはまらない可能性があることに注意が必要です。

 

Q: ここで、よくある実験を考えてみよう。簡単のために、電子がある線の右側に行ったら、あなた明日フォン・ノイマンゲーム理論の本を読み、左側に行ったら、PCLeague of Legendsプレイするとしましょう。では、あなたが何をしているかからない人は、それを知るまであなた状態読書ゲームの重ね合わせなのでしょうか?

 

二重スリット実験文脈では、電子の振る舞いは、2つのスリットのどちらかを通過する、自分自身と干渉する、検出器の特定場所に行き着くなど、可能な結果の重ね合わせとして記述することができる。あなたシナリオでは、もし電子が線の右側を通ったなら、あなたの決められたルールに従って、あなた明日ノイマンゲーム理論の本を読むことになります。逆に、電子が線の左側を通ったら、あなたPCで『リーグ・オブ・レジェンド』をプレイすることになります。つまり実験結果を観測するまでは、あなたの心の状態は、読書ゲームの重ね合わせの状態であると言えます。なぜなら、重ね合わせの状態にある量子系(電子)があり、あなたの心は、実験結果に依存する形でこの系と相関しているからです。量子力学では、システム状態とその観測者を別々に扱うのではなく、一つの量子システムとして扱います。"量子測定問題 "と呼ばれるものです。したがって、実験結果を観測するまでは、あなたの心と電子は、可能な結果の重ね合わせの状態にある一つの量子系として記述することができるのです。

2022-11-30

anond:20221129085814

この手の話でよく槍玉に上がるのが三角関数だけど、自分場合はそのレベルになると呼吸どころか心臓の拍動くらい自然に使ってるので最早いつ使ってるとか聞かれても分からないんだよな。例えばベクトル内積とった時点で使ってることになるわけだが、そんなの無数にやってていつやったか意識できない。CSも使ってる人にとっては似たようなものなんだよね。

2022-02-01

anond:20220201210958

and を取る、は、使うけど、言われてみたら不思議表現だ。

内積を取る、orを取る…。取る、には計算するという意味があるのか?

2021-09-07

暗記数学が正しい Part. 1

長くなりすぎたので、概要編と実践例に分けます

本稿では、和田秀樹氏らが提唱している暗記数学というものについて述べます

受験数学方法論には「暗記数学」と「暗記数学以外」の二派があるようですが、これは暗記数学が正しいです。後者の話に耳を傾けるのは時間無駄です。

受験諸君は悪質な情報に惑わされないようにしましょう。

よくある誤解と事実

まず、読者との認識を合わせるために、暗記数学に関するよくある誤解と、それに対する事実を述べます

誤解1: 暗記数学は、公式や解法を覚える勉強法である

暗記数学は、数学知識有機的な繋がりを伴って理解するための勉強法です。公式や解法を覚える勉強法ではありません。「暗記」という語は、「ひらめき」とか「才能」などの対比として用いられているのであり、歴史年号のような丸暗記を意味するわけではありません。このことは、和田秀樹氏の著書でも繰り返し述べられています

誤解2: 受験数学は暗記数学で十分だが、大学以降の数学は暗記数学では通用しない

類似の誤解として、

などがあります。これらは事実に反します。むしろ大学理学部工学部で行わていれる数学教育は暗記数学です。実際、たとえば数学科のセミナー大学入試の口頭試問などでは、本稿で述べるような内容が非常に重視されます。また、ほとんどの数学者は暗記数学賛同しています。たまに自他共に認める「変人」がいて、そういう人が反対しているくらいです。大学教育関係者でない人が思い込みで異を唱えても、これが事実だとしか言いようがありません。

嘘だと思うならば、岩波書店から出ている「新・数学の学び方」を読んで下さい。著者のほとんどが、本稿に書いてあるように「具体例を考えること」「証明の細部をきちんと補うこと」を推奨しています。この本の著者は全員、国際的に著名な業績のある数学者です。

そもそも、暗記数学別に和田秀樹氏が最初に生み出したわけではなく、多くの教育機関で昔から行われてきたオーソドックス勉強法です。和田秀樹氏らは、その実践例のひとつ提案しているに過ぎません。

暗記数学の要点

暗記数学の要点を述べます。これらは別に数学勉強に限ったことではなく、他の科目の勉強でも、社会に出て自分の考えや調べたことを報告する上でも重要なことです。

  1. 数学重要なのは、技巧的な解法をひらめくことではなく、基礎を確実に理解することである
  2. そのためには、具体的な証明計算例を通じて学ぶことが効果である
  3. 論理ギャップや式変形の意図などの不明点は曖昧にせず、調べたり他人に聞いたりして、完全に理解すべきである

ひらめきよりも理解

一番目は、従来数学重要ものが「ひらめき」や「才能」だと思われてきたことへのアンチテーゼです。実際には、少なくとも高校数学程度であれば、特別な才能など無くとも多くの人は習得できます。そのための方法論も存在し、昔から多くの教育機関で行われています。逆に、「"才能"を伸ばす勉強法」などと謳われるもの効果があると実証されたもの存在しません。

大学入試に限って言えば、入試問題大学研究活動をする上で重要知識や考え方が身についているのかを問うているのであって、決していたずらな難問を出して「頭の柔らかさ」を試したり、「天才」を見出そうとしているわけではありません。

実例を通じて理解する

二番目はいわゆる「解法暗記」です。なぜ実例重要なのかと言えば、数学に限らず、具体的な経験と結びついていない知識理解することが極めて困難だからです。たとえば、

などを、初学者が読んで理解することは到底不可能です。数学においても、たとえば二次関数定義だけからその最大・最小値問題の解法を思いついたり、ベクトル内積定義線形性等の性質だけを習ってそれを幾何学問題に応用することは、非常に難しいです。したがって、それらの基本的概念性質が、具体的な問題の中でどのように活用されるのかを理解する必要があります

これは、将棋における定跡や手筋に似ています。駒の動かし方を覚えただけで将棋が強くなる人はまず居らず、実戦で勝つには、ルールから直ちには明らかでない駒の活用法を身につける必要があります数学において教科書を読んだばかりの段階と言うのは、将棋で言えば駒の動かし方を覚えた段階のようなものです。将棋で勝つために定跡や手筋を身につける必要があるのと同様、数学理解するためにも豊富実例を通じて概念定理の使い方を理解する必要があります。そして、将棋において初心者独自に定跡を思いつくことがほぼ不可能なのと同様、数学の初学者有益実例を見出すことも難しいです。したがって、教科書入試問題採用された教育効果の高い題材を通じて、数学概念意味や論証の仕方などを深く学ぶべきです。

そして、これは受験数学だけでなく、大学以降の数学を学ぶ際にも極めて重要なことです。特に大学以降の数学抽象的な概念が中心になるため、ほとんどの大学教員は、学生が具体的な実例を通じて理解できているかを重視します。たとえば、数学科のセミナー大学入試の口頭試問などでは、以下のような質問が頻繁になされます


不明点を曖昧にしない

教科書や解答例の記述で分からない部分は、調べたり他人に聞いたりして、完全に理解すべきです。自分理解絶対的に正しいと確信し、それに関して何を聞かれても答えられる状態にならなければいけません。

たとえば、以下のようなことは常に意識し、理解できているかどうか自問すべきです。

  1. 文中に出てくる用語記号定義を言えるか。
  2. 今、何を示そうとしているのか、そのためには何が言えれば十分なのか。
  3. 式変形をしたり、ある性質を導くために、どのような定理を使ったのか。
  4. その定理仮定は何で、本当にその条件を満たしているのか。
  5. そもそもその定理は本当に成り立つのか。自力証明できるか。
  6. どういう理屈意図でそのような操作・式変形をするのか。

ほとんどの人はまず「自分数学が分かっていない」ということを正確に認識すべきです。これは別に、「数学の非常に深い部分に精通せよ」という意味ではありません。上に書いたような「定義が何で、定理仮定結論が何で、文中の主張を導くために何の定理を使ったのか」といったごく当たり前のことを、多くの人が素通りしていると言うことです。

まず、用語記号定義が分からないのは論外です。たとえば、極大値と最大値の違いが分かっていないとか、総和記号Σ でn = 2とか3とかの場合に具体的に式を書き下せないのは、理解できていないということなのですから、調べたり他人に聞いたりする必要があります

また、本文中に直接書いていないことや、「明らか」などと書いてあることについても、どのような性質を用いて導いたのか正確に理解する必要があります。たとえば、

整数l, m, nに対して、2l = mnとする。このとき、mまたはnは2の倍数。

などと書いてあったら、これは

pが素数で、mnがpの倍数ならば、mまたはnはpの倍数。

という一般的定理を暗に使っていることを見抜けなければいけません。上の命題はpが素数でなければ成り立ちません。たとえば、l = 1, m = n = 2として、4l = mnを考えれば、mもnも4で割り切れません。他にも、

a ≡ b (mod n) ⇒ mamb (mod n)

は正しいですが、逆は一般的には成り立ちません。nとmが互いに素ならば成り立ちます。それをきちんと証明できるか。できなければ当然、調べたり他人に聞いたりする必要があります

l'Hôpitalの定理なども、もし使うのであれば、その仮定を満たしていることをきちんと確かめ必要があります

さらに、単に解法を覚えたり当て嵌めたりするのではなく、「なぜその方法で解けるのか」「どうしてそのような式変形をするのか」という原理意図理解しなければいけません。たとえば、「微分極値が求まる理屈は分からない(或いは、分からないという自覚さえない)が、極値問題からとりあえず微分してみる」というような勉強は良くありません。

そして、教科書の一節や問題の解答を理解できたと思ったら、本を見ずにそれらを再現してみます。これは「解き方を覚える」と言うことではなく、上に書いたようなことがすべて有機的な繋がりを持って理解できているかかめると言うことです。

はじめの内はスラスラとは出来ないと思います。そういう時は、覚えていない部分を思い出したり、本を見て覚え直すのではなく、以下のようなことを自分で考えてみます

  • 問題文の条件をどう使うのか
  • 何が分かれば、目的のものが求まるのか
  • どのような主張が成り立てば、ある定理を使ったり、問題文の条件を示すのに十分なのか

こういうことを十分に考えた上で本を読み直せば、ひとつひとつ定義定理、式変形などの意味が見えてきます。また、問題を解くときは答えを見る前に自分で解答を試みることが好ましいです。その方が、自分が何が分かっていて何が分かっていないのかが明確になるからです。

以上のことは、別に数学勉強に限った話ではありません。社会に出て自分の考えや調べたことを報告する時などでも同様です。たとえば、近年の労働法道路交通法改正について説明することになったとしましょう。その時、そこに出てくる用語意味が分からないとか、具体的にどういう行為違法(or合法)になったのか・罰則は何か、と言ったことが説明できなければ、責任ある仕事をしているとは見なされないでしょう。

2021-08-17

数学教科書理解できれば東大も余裕です

自分参考書を書いてみれば分かりますが、数学の検定教科書はおそろしく完成度が高いです。そのことを具体的な実感をともなって理解できれば、あなた学力入試レベルなど優に超えています

数学の本の出来は、理論構成で決まります数学理論構成とは、かんたんに言えば定義定理をどう配置するかと言うことです。どのトピックを載せるか、ある定理を述べるために事前にどのような概念定義しておく必要があるのか、その定理証明するために事前にどのような命題を示しておく必要があるのか。トピックの選定が的確で、理論道筋が明快であるほど、数学書の完成度は高いです。たとえば、余弦定理重要ですから当然載せます余弦定理を述べるには三角比定義する必要があります(鋭角だけではなく鈍角に対しても)。そして、証明には通常、三平方の定理と有名な等式

(cosθ)2 + (sinθ)2 = 1

必要になります(これも三平方の定理のcorollaryです)。さら三平方の定理を示すには、ふつう三角形の相似を使用します。この道筋いか最適化できるかに、著者の力量が現れます。もちろん、余弦定理を要領良く示すために他の定理に至る過程が鈍臭くなってはいけません。全体の最適化を考えなければいけないのです。

証明最適化を図るには、定義から再考しなければいけません。同じ概念であっても、それを特徴づける性質複数あるなら、どれを定義として採用しても良いですが、それによって効率は違って来るからです。たとえば、ベクトル内積

  • x, yのなす角をθとして、x・y = |x| |y| cosθ
  • x = (xi), y = (yi)として、x・y = ∑ xi yi

のどちらを定義としても良いですが、後者場合は別の座標(たとえば、45°回転した座標など)で考えたときに値が同じになるのか疑問が残ります。前者は座標の取り方によらずに定義できています

この場合はどちらを採用してもそれほど変わりはありませんが、指数関数などは定義の仕方で必要議論の量はまるで変わってきます。多くの教科書では、自然対数の底

e = lim (1 + 1/n)n -- (☆)

定義し、そのべき乗として指数関数ex定義します。もちろん結果だけ知っていれば、微分方程式

df/dx = f

を満たすf(x)で、f(0) = 1となる関数としても指数関数定義することはできますしかし、このようなfが存在することを、(☆)を使わずに示すのは高校レベルを遥かに超えます。そのようなfが一意的であることも明らかではありません。

以上のようなことを考えるだけでも相当大変ですが、これに加えて検定教科書では、直感的な理解を損ねないことも考慮しなければなりません。高校生が読んで理解できなければならないからです。理論整合性効率教育的配慮の間でバランスを取るという難しいことを、数学専門家たちが苦心して行い、作成されたのが検定教科書です。このような本は他の参考書にはありません。場当たり的に問題の解き方を解説するだけの本とは格が違います

数学の検定教科書は極めて洗練されています教科書理論構成を把握し、その流れや証明手法合理性必然性を見出だせる水準まで理解できれば、入試などは余裕で通過できます

2021-05-26

anond:20210526154054

その後、sincos入った4x4行列計算して回転とかやって、

それから虚数表現した四元数と4x4行列の回転がどう対応しているかをやって、

みたいな感じかなあ、その後も続くけど…

あと、ベクトル内積外積だよなあ

でも、最近UnityUnreal前提だとかなり必要なくなってるのかもなあ

2020-12-02

社会人になってみると大学受験数学問題を解く気になれないなあ

例えばベクトル外積とか内積知らないとゲーム開発の最初の段階で困ると思う。というか、自分時代高校課程に外積が含まれてなかったので、学部一年で習ったのだけど。

今になってみると、高校受験問題大学受験問題も、この問題解くのなんか意味あんの?食えんの?うまいの?みたいに思ってしまってモチベーションの段階で躓く。

当たり前だ。インセンティブがないからだ。

高校受験ときは基礎的な問題は満点を叩き出すことに躍起だったし、大学受験になると全国レベルになったからか自分学力が急に減少したように思えて焦ったり、

でもセンターレベル教科書を所持していればできない方がおかしいわけで、基礎レベルだけは何とかクリアしようともがいてた気がする。

からすると、受験というのは一種スポーツとかゲームであって、受験勉強というスポーツに優れていればスポーツ特待で優遇されて入学できる、みたいな制度日本受験なのだろう。

受験勉強なんて何の役にも立たないだろ?という人は、野球みたいなスポーツも何の役に立つの?と思っているのだろうし、

野球ができることが何で社会評価されるのか理解できない、くだらないとさえ思っているのだろうけど、そんなの香辛料チューリップ高値取引されるようなものである

社会的な価値観評価は、自分価値観ニーズとはまったく別のものだと考えるべきだ

なんであれが社会的に評価されるのか、シンゴジラや鬼滅が面白いと言っている人達自分には理解できないわけだが、そりゃそうだ

逆に、数学だの受験勉強がなんで役に立つか分からない、みたいに言っている人達を私は理解できない

老人と若者とか価値観の違いでしかない、そこに大した意味なんてない

なんでこのスポーツをやらなければならないのか?

なんでこのゲームをやらなければいけないのか?

こんなゲームやる意味あんの?

と疑問を思ってしまうとそこで手が止まってしまう。これは仕方がないだろう。

よく分からんが、このゲームができたら周囲とか親が褒めてくれるようになったとか、なんか将来の選択肢が増えるんじゃないかとか、

ゲーセンは不良のたまり場とか言われてたのにプロゲーマーだの言うような時代になった途端に世間の態度が変わるみたいな、そんなもの受験勉強には感じるんだよなあ。

勉強というスポーツ自体根本的に好きなんだろうけど、それに世間評価とか加わって、翻弄されて、みたいなのって世の常だと思うんだけど、でも、自分としては何も変わってない

ゲーム開発やるようになれば、受験ではないけど結局数式を読むし、場合によっては式を展開したり、原理からうだうだ考えたりするし、

それにプログラミングがプラスされて、その数式で実際にキャラクターが動いたりするわけで

2020-08-27

中学高校数学にいわゆるユークリッド幾何学不要

ここでいう「ユークリッド幾何学」とは、座標空間ベクトル三角関数微分積分などの解析的手法を用いないいわゆる総合幾何学のことです(*1)。2020年8月現在高校数学カリキュラムでいえば、「数学A」の「図形の性質」に該当する分野です。

ユークリッド幾何学不要だと思う理由単純明快で、何の役にも立たないからです。大学に入って、「補助線を引いて、相似な三角形を作って~」とか「コンパスと定規による作図」みたいなパズルゲームをやることは絶対にありません(*2)。これは常識で考えても分かると思います。たとえば工学研究で、ある物体の弧長や面積などを測定しなければならないとして、ユークリッド幾何学の補助線パズル適用できる多角形や円などしか測れないのでは話になりません。一方、座標空間ベクトル三角関数微分積分などの手法一般的現象記述する上で必ず必要になります

もちろん、たとえば三角比定義するには、「三角形内角の和は180度である」とか「2角が等しい三角形は相似である」といった初等幾何学性質必要になります。そのようなものを全て廃止せよと言っているわけではありません。しかし、高校1年生で習う余弦定理:

OABに対して、|AB|^2 = |OA|^2 + |OB|^2 - 2|OA||OB|cos∠AOB

証明してしまえば、原理的にはユークリッド幾何学問題は解けます。それ以降は、ユークリッド幾何学的な手法問題設定にこだわる必要はないと思いますし、実際それで問題ありません。

現状、少なくない時間ユークリッド幾何学に費やされています数学の1単元を占めているだけではなく、その他の単元にもユークリッド幾何学の発想に影響された例や問題が多く登場します。たとえば、複素平面において4点の共円条件や垂直二等分線を求めさせる問題など。そして最も労費されているのは生徒の自習時間です。以前よりマシになったとはいえ大学入試等には技巧的な図形問題が出題されるため、受験生はその対策に多大な時間を費やしています

高校数学では以下のような事項が重要だと思いますユークリッド幾何学を学ばせている時間があったら、このような分野を優先的に修められるようにすべきです。

これらの分野は数学手法としても非常に強力ですし、大学以降で数学を学ぶ際、現実的問題数学物理問題として正確に記述する際に必ず必要になります。仮にユークリッド幾何学が何らかの場面で応用されるとしても、微分積分などと同レベル重要だと真剣に主張する人っていらっしゃるでしょうか?

ユークリッド幾何学初等教育で教えるべきだとする根拠には、大雑把に言って以下の4つがあると思います

  1. ユークリッド幾何学では証明の考え方を学ぶことができる
  2. 図形問題代数や解析の問題よりも直感的で親しみやす
  3. ユークリッド幾何学問題を解くことで「地頭」「数学直観」などが鍛えられる
  4. ユークリッド幾何学歴史的重要である

しかし、これらはいずれも正鵠を射ていません。

まず①は明らかにおかしいです。ユークリッド幾何学に限らず、数学のあらゆる命題証明されるべきものからです。高校教科書を読めば、相加平均・相乗平均の不等式、点と平面の距離公式三角関数加法定理微分ライプニッツ則や部分積分公式など、どれも証明されていますそもそも数学問題はすべて証明問題です。たとえば、関数極値問題は、単に微分が0になる点を計算するだけではなく、そこが実際に極値であるかそうでないか定義や既知の性質に基づいて示す必要があります。したがって、ユークリッド幾何学けが特に証明の考え方を学ぶのに有効だという理由はありません。

②もおかしいです。図形問題を扱うのはユークリッド幾何学だけではないからです。ベクトル微分積分でも図形問題を扱います。たとえば、三角形の5心の存在や、チェバの定理メネラウス定理などはベクトルを用いても容易に示すことができます。また言うまでもなく、曲線の接線は微分で求めることができ、面積や体積は積分で求めることができます。また、ユークリッド幾何学手法問題ごとに巧い補助線などを発見しなければいけないのに対し、解析的な手法一般方針が立てやすく汎用的です。したがって、図形問題を扱うのにユークリッド幾何学手法にこだわる理由はありません。

③は単なる個人思い込みであり、科学的な根拠はありません。そもそも数学教育の目的は「地頭」などを鍛えることではなく、「大学や実社会において必要数学素養を身につけること」のはずです。また、これも上ふたつと同様に「ユークリッド幾何学以外の数学では、『数学直観』などは鍛えられないのか」という疑問に答えられておらず、ユークリッド幾何学特別視する理由になっていません。

④もおかしいです。そもそも歴史的重要である」ことと「初等教育で教えるべき」という主張には何の関係もありません。歴史的重要ならば教えるというなら、古代バビロニアインド中国などの数学特に扱わないのはなぜでしょうか。もっと言えば、文字式や+-×÷などの算術記号が使われ始めたのでさえ、数学史的に見ればごく最近のことですが、昔はそれらを使わなかったからといって、今でもそれらを使わず数学記述するべき理由があるでしょうか。

数学重要なのはその内容であるはずです。ユークリッド幾何学擁護する論者は、「(表面的に)計算問題に見えるか、証明問題に見えるか」のようなところに価値を置いて、一方が数学教育的に有意疑だと見なしているようですが、そんな分類に意味は無いと思います

大昔は代数計算方程式の解法(に対応するもの)は作図問題帰着していたようですが、現代でそれと同様の手法を取るべき理由は全くありません。記述する内容が同じであれば、多項式や初等解析のような洗練された方法重要な結果を導きやす方法を用いればよいに決まっています数学史家は別として)。同様に、ユークリッド幾何学も、解析的な手法で解ければそれでよく、技巧的な補助線パズルなどに興じたり、公理的な方法にこだわる必要はありません。

たとえば、放物線は直線と点から距離が等しい点の軌跡として定義することもできますが、初等教育重要なのは明らかに2次関数グラフとして現れるものです。放物線を離心率や円錐の断面などを用いて導入したところで、結局やるのは二次関数の増減問題なのですから最初から2次関数グラフとして導入するのは理にかなっています数学教育の題材は「計算問題証明問題か」などではなく、このような観点で取捨選択すべきです。

三角比などを学んだあともユークリッド幾何学を教えたり、解析的な手法では煩雑になるがユークリッド幾何学範疇ではエレガントに解けるような問題を出して受験生を脅したりするのは、意味が無いと思います。それは、「掛ける数」と「掛けられる数」を区別したり、中学連立方程式を学ぶのに小学生鶴亀算を教えるのと同様に、無駄なことをしていると思います

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(*1)

現代数学では、n次元ベクトル空間R^n = Re_1⊕...⊕Re_nに

(e_i, e_j) = δ_i,j (クロネッカーデルタ)

内積定義される空間上の幾何学はすべてユークリッド幾何学に分類されます。したがって、上にあげた座標空間ベクトル微分積分、一次変換なども敢えて分類すればユークリッド幾何学です。しかし、ここではその意味でのユークリッド幾何学不要と言っているのではありません。飽くまでも、技巧的な補助線問題や、公理的な方法にこだわることが不要だと言っています

(*2)

数学科の専門課程で学ぶガロア理論では、コンパスと定規による作図可能性が論じられますが、これは「作図問題ガロア理論が応用できる」というだけであり、「ガロア理論を学ぶのに作図の知識必要」というわけではありません。

2020-07-31

anond:20200731204824

であるならば、同じ方向を向いた人とくっつけ。ベクトルには内積という概念がある。同じ方向を向いたベクトル内積すると値は大きくなり、垂直だとゼロ、反対方向だとマイナスの値をとる。だから、同じ方向を向いた人とくっつけば、倍の速さで前に進めるはずだ。目的を達成することが譲れない道なのであれば、その手段をとることがより合理的戦術になる。

まぁ、そんな人めったにいないし、ベクトルは単なる比喩だけどな。ただ思ったのは、もっと欲張ってもいいんじゃない、ってこと。

2020-07-23

おわかれが ちかいのね って なかれてしまった しょうがない

さいしょのであいがなければ 生涯であわない

 

つの行列内積で2つの行列内積倍してくれ

 

ちなみに この最初出会い邪魔たから 生涯で合わないということに すみませんといって どうなるの?

歴史が代わるの?

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