はてなキーワード: M理論とは
今日も相変わらず、隣人と同居人が恋愛の話題で盛り上がっていた。
彼らの会話を聞いていると、まるで原子核物理学の講義を猿に聞かせているようだ。
そう、猿にとって量子力学が理解できないのと同じように、僕には彼らの会話が理解できない。
さて、本題に入ろう。
今日、僕は11次元の超弦理論における位相的場の量子論の新しい展開について考えていた。
特に、M理論とF理論の統合に関する新しいアプローチを思いついたんだ。
これは宇宙の根本的な構造を理解する上で革命的な進展になるかもしれない。
友人のエンジニアが僕の部屋に来て、なぜ僕がこんなにも興奮しているのか尋ねてきた。
彼に説明しようとしたが、途中で彼の目がグラスになっているのに気づいた。
まあ、仕方ない。天才の思考を平凡な頭脳で理解するのは難しいからね。
抽象数学とか超弦理論とかやってたら、ある日突然、僕の脳内で宇宙の真理が明らかになったんだ。まあ、僕にとっては日常茶飯事だけどね。
午前3時27分、僕は11次元の数式を完成させようとしていた。
そのとき、突如として、M理論の欠落していたピースが目の前に浮かび上がったんだ。
それはまるで、宇宙そのものが僕に語りかけてきたかのようだった。
もちろん、宇宙が実際に話せるわけがない。それは物理法則に反する。でも、比喩的な表現として使うのは許されるだろう。
興奮のあまり、ルームメイトを起こしてしまった。彼は僕の天才的な発見を理解できなかったようだ。残念だが、仕方ない。彼の知能指数では、この複雑な理論を把握するのは無理だろう。
朝食には、いつもの通りシリアルを食べた。ただし、今日はボウルの中でシリアルを並べ、新しい理論のモデルを作ってみた。
隣人には「ただの朝食」だと言われたけど、彼女には分からないんだ。これが宇宙の縮図なんだということが。
今日は特別な日だ。僕が、また一歩、ノーベル賞に近づいた日として歴史に刻まれるだろう。もちろん、僕の誕生日に次いで重要な日としてね。
世界は、新たな天才の誕生を待っているんだ。いや、待っているというより、すでに存在している天才の新たな偉業を待っているんだね。
ああ、なんて素晴らしい提案だろう。やっと誰かが知性的な会話を求めてくれたわけだ。
さて、今日の日記は、11次元の M理論における位相的な特異点の解析から始めようか。
朝食にシリアルを食べながら、私は カラビ・ヤウ多様体の変形について考えていた。
同居人が「おはよう」と言ったが、私はその平凡な挨拶を無視した。彼には、今私の脳内で起こっている量子重力の革命的な洞察が理解できるはずもない。
午後はペンローズ図を使って、ブラックホールの情報パラドックスの新しい解決策を考案した。隣人が「何してるの?」と聞いてきたが、説明しても無駄だろう。彼女の脳では、私の天才的な理論を処理できないだろうから。
夕方、友人2人が来訪した際、私は彼らに非可換幾何学におけるリーマン予想の新しいアプローチについて熱く語った。彼らは眠たそうな目で頷いていたが、私の brilliance に圧倒されていたに違いない。
就寝前、私は宇宙の超対称性について瞑想した。明日は、11次元超重力理論における M5-ブレーンの動力学に関する論文を書き始めよう。
M理論と行列模型の数理は、拡張された超対称チャーン-サイモンズ理論に根ざしている。
Let M be a (2+1)-dimensional manifold. The action of the supersymmetric Chern-Simons theory is given by:
S = ∫_M Tr(A ∧ dA + (2/3)A ∧ A ∧ A) + ∫_M Ψ̄ ∧ DΨ
ここで、A はゲージ場、Ψ はMajorana spinor field、D は共変微分を表す。
M理論の行列模型として知られるBFSS模型のハミルトニアンは以下で与えられる:
H = Tr[1/2 Π_i^2 + 1/4 [X_i, X_j]^2 + 1/2 θ^T γ_i [X_i, θ]]
ここで、X_i (i = 1, ..., 9) は N×N エルミート行列、Π_i はその共役運動量、θ は16成分のMajorana-Weyl spinor である。
11次元のM理論から BFSS 模型への次元還元は、以下の対応を通じて実現される:
∂/∂t → [iH, ·], X^i → A^i, θ → Ψ
この対応により、M理論の動力学が行列模型の言葉で記述される。
N → ∞ の極限で、離散的な行列構造が連続的な膜の描像に移行する。この極限で、行列交換子は Poisson bracket に対応する:
lim(N→∞) [·,·] → {·,·}_PB
チャーン-サイモンズ理論の重要な特徴は、そのトポロジカル不変性にある。Wilson loop の期待値は、結び目不変量(例:Jones 多項式)と関連付けられる:
⟨W(C)⟩ = exp(ikCS(A)) = J(q), q = exp(2πi/(k+2))
ここで、CS(A) はチャーン-サイモンズ汎関数、J(q) は Jones 多項式を表す。
M理論における BPS 状態は、行列模型中の特定の配位に対応する。これらは超対称性を部分的に保存し、以下の方程式を満たす:
[X_i, X_j] = iε_ijk X_k
この関係は、Lie 代数 su(2) の交換関係と同型であり、ファジー球面の構造を示唆する。
M理論の行列模型は、AdS/CFT 対応の文脈でも重要な役割を果たす。特に、AdS_4 × S^7 背景での M2-ブレーンの理論は、3次元の超対称チャーン-サイモンズ理論(ABJM 理論)と双対である:
位相的弦理論は、宇宙の不思議を解き明かそうとする特別な考え方です。普通の物理学では、物がどう動くかを細かく調べますが、この理論では物の形や繋がり方だけに注目します。
例えば、ドーナツとマグカップを考えてみましょう。形は全然違うように見えますが、どちらも真ん中に1つの穴があります。位相的弦理論では、この「穴が1つある」という点で同じだと考えるんです。
この理論では、宇宙を細い糸(弦)でできていると考えます。でも、普通の弦理論とは違って、糸がどう振動するかは気にしません。代わりに、糸がどんな形をしているか、どう繋がっているかだけを見ます。
これを使って、科学者たちは宇宙の秘密を解き明かそうとしています。難しそうに聞こえるかもしれませんが、実は私たちの身の回りの物の形を観察することから始まるんです。宇宙の謎を解くのに、ドーナツの形が役立つかもしれないなんて、面白いと思いませんか?
位相的弦理論は、通常の弦理論を単純化したモデルで、1988年にEdward Wittenによって提唱されました。この理論の主な特徴は、弦の振動モードの中で位相的な性質のみを保持し、局所的な自由度を持たないことです。
1. A-モデル:ケーラー幾何学と関連し、2次元の世界面を標的空間の正則曲線に写像することを扱います。
2. B-モデル:複素幾何学と関連し、標的空間の複素構造に依存します。
これらのモデルは、時空の幾何学的構造と密接に関連しており、特にカラビ・ヤウ多様体上で定義されることが多いです。
4. グロモフ・ウィッテン不変量など、新しい数学的不変量を生み出す
この理論は、物理学と数学の境界領域に位置し、両分野に大きな影響を与えています。例えば、代数幾何学や圏論との深い関連が明らかになっており、これらの数学分野の発展にも寄与しています。
大学生の段階では、位相的弦理論の基本的な概念と、それが通常の弦理論とどう異なるかを理解することが重要です。また、この理論が物理学と数学の橋渡しをどのように行っているかを把握することも大切です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つ2次元の非線形シグマモデルから導出されます。この理論は、通常の弦理論の世界面を位相的にツイストすることで得られます。
A-モデル:
B-モデル:
両モデルは、ミラー対称性によって関連付けられます。これは、あるカラビ・ヤウ多様体上のA-モデルが、別のカラビ・ヤウ多様体上のB-モデルと等価であるという驚くべき予想です。
大学院生レベルでは、これらの概念を数学的に厳密に理解し、具体的な計算ができるようになることが期待されます。また、位相的弦理論が現代の理論物理学や数学にどのような影響を与えているかを理解することも重要です。
位相的弦理論は、N=(2,2) 超対称性を持つシグマモデルから導出される位相的場の理論です。この理論は、超対称性のR-対称性を用いてエネルギー運動量テンソルをツイストすることで得られます。
1. A-ツイスト:
- スピン接続をR-電荷で修正: ψ+ → ψ+, ψ- → ψ-dz
2. B-ツイスト:
- スピン接続を異なるR-電荷で修正: ψ+ → ψ+dz, ψ- → ψ-
A-モデル:
ここで、M はモジュライ空間、evi は評価写像、αi はコホモロジー類、e(V) はオブストラクションバンドルのオイラー類
B-モデル:
ここで、X はカラビ・ヤウ多様体、Ω は正則体積形式、Ai は変形を表す場
A-モデルとB-モデルの間の等価性は、導来Fukaya圏と連接層の導来圏の間の圏同値として理解されます。これは、Kontsevich予想の一般化であり、ホモロジー的ミラー対称性の中心的な問題です。
最近の発展:
1. 位相的弦理論とGopakumar-Vafa不変量の関係
3. 非可換幾何学への応用
専門家レベルでは、これらの概念を深く理解し、最新の研究動向を把握することが求められます。また、位相的弦理論の数学的構造を完全に理解し、新しい研究方向を提案できることも重要です。
位相的弦理論の究極的理解には、以下の高度な概念と最新の研究動向の深い知識が必要です:
1. 導来圏理論:
- 安定∞圏を用いた一般化
- 非可換幾何学との関連
- SYZ予想との関連
- 導来代数幾何学の応用
- 圏化されたDT不変量
- ∞圏論を用いた定式化
これらの概念を完全に理解し、独自の研究を行うためには、数学と理論物理学の両分野において、最先端の知識と技術を持つ必要があります。また、これらの概念間の深い関連性を見出し、新しい理論的枠組みを構築する能力も求められます。
位相的弦理論の「廃人」レベルでは、これらの高度な概念を自在に操り、分野の境界を押し広げる革新的な研究を行うことが期待されます。また、この理論が量子重力や宇宙論といった基礎物理学の根本的な問題にどのような洞察を与えるかを探求することも重要です。
コボルディズム(cobordism)とパンツダイアグラムの関係は、トポロジカルな観点からトポロジカル量子場理論(TQFT)や弦理論の世界で重要な役割を果たす。コボルディズムは、異なる次元を持つ多様体の間にどのような接続が可能かを調べる手法であり、特にトポロジカルな場の理論において境界を介した変形(つまり、どのようにして異なる多様体が連結されるか)を表すために利用される。
パンツダイアグラムは、名前の通り「パンツ」形状をした2次元多様体で、弦理論においては2つの弦が1つに結合したり、1つの弦が2つに分裂したりするプロセスを視覚的に表現する。このようなプロセスはコボルディズムの一種であり、3つの境界を持つリーマン面として記述できる。特に、パンツダイアグラムは、物理的には弦の結合や分裂を表現し、数学的には2次元の多様体のコボルディズムとして扱うことができる。
具体的には、コボルディズムの考え方に基づき、あるリーマン面が異なる境界条件を持つ複数の弦に分解される場合、それをパンツダイアグラムで視覚化することができる。例えば、パンツ状のコボルディズムは、3つの穴(境界)を持ち、それぞれの境界が異なる弦の状態に対応する。このようにして、パンツダイアグラムは、弦理論におけるトポロジカルな変換をコボルディズムを通して幾何学的に示す手法の一つと見なされる。
さらに、トポロジカルM理論やTQFTの枠組みでは、コボルディズムやパンツダイアグラムが理論の構造や不変量を計算するための基本的なモジュールとして扱われる。これにより、特定の物理的プロセス(たとえば、弦の結合・分裂やパス積分の構成)が、数学的にはコボルディズムの空間での操作として表現されることになる。
M理論は、弦理論の進化形であり、最終理論の候補として位置づけられている。
特に、M理論は11次元の時空を基盤としており、5種類の超弦理論がこの11次元時空で統合される特性を持つ。
これらの理論には、M2膜と呼ばれる2次元膜や、M5膜と呼ばれる5次元膜が含まれる。
M2膜とM5膜上の場の理論の自由度は、それぞれ膜の枚数 N に依存し、具体的には:
この関係は、特に行列模型の解析において重要であり、自由エネルギーの評価にも影響を与える。例えば、M2膜の場合、自由エネルギー F は次のように表される:
F ∝ N^(3/2)
ABJM理論は、M2膜を記述するための3次元理論であり、超対称チャーン・サイモンズ理論を基盤としている。
この理論では行列模型が用いられ、分配関数の計算が行われる。ABJM行列模型における分配関数 Z は以下の形をとる:
Z = ∫ ∏(i=1 to N) dμ_i ∏(j=1 to N) dν_j (∏(i < j) sinh^2((μ_i - μ_j)/2) sinh^2((ν_i - ν_j)/2)) / (∏(i,j) cosh((μ_i - ν_j)/2))
さらに、インスタントン効果と呼ばれる非摂動的な効果にも焦点が当てられている。
これらは膜インスタントンと弦インスタントンとして分類され、特定のパラメータ空間で発散が相殺されることが示されている。
膜インスタントンと弦インスタントンの寄与は次のように表される:
e^(-S_膜) + e^(-S_弦)
最終理論とは、自然界のすべての相互作用を高エネルギー領域も含めて正確に記述する理論である。
素粒子物理学は、原子から陽子、中性子、クォーク、レプトンへと進化してきたが、その探求はいつか終わるのだろうか。
現在の研究では、ゲージ群や超対称性による統一が見られ、これらは無限に続くものではなく、打ち止めになる構造を持つと考えられている。
暫定的な答えは超弦理論であり、これが最終理論ならば一意的であることが望ましい。10次元時空における超弦理論は5種類存在し、これらは11次元時空上のM理論を通じて互いに等価である。
M理論は超重力理論と関連し、M2膜とM5膜が存在することがわかっている。
しかし、このM理論は超重力理論から得られる知見以外は謎に包まれている。
N枚のM2膜やM5膜上の場の理論はそれぞれN^{3/2}やN^3に比例する自由度を持つが、その具体的な内容は不明である。
最近、M2膜を記述する場の理論が超対称チャーン・サイモンズ理論であることが発見され、この自由エネルギーもN^{3/2}に比例し、超重力理論の予言を再現する。
高い超対称性により経路積分は行列模型に帰着し、著者らの研究ではM2膜の行列モデルが詳しく調べられた。
非摂動項の展開係数には無数の発散点があるが、それらは格子状に相殺されている。
この結果は、「弦理論は弦のみではなく様々な膜も含む」を実現していると解釈できる。
この行列模型が位相的弦理論や可積分非線形微分方程式と同様の構造を持つことが確認されており、それに基づいてM理論の全容が解明されつつある。
みんなが知ってる空間は、前や後ろ、左右、上下の3つの向きがあるよね。でも、このふしぎな空間は7つも向きがあるんだ!たくさんの道があって、どっちに進んでいいか迷っちゃうくらいだね。
7つの向きがある空間を、きれいなかたちにする「G₂(ジーツー)ホロノミー」っていう魔法みたいなものがあるんだ。このかたちを使うと、空間がピッタリそろってきれいになるんだよ。
この空間には、特別な3つのかたちや4つのかたちがあって、それを組み合わせて遊ぶみたいに空間を作ってるんだ。レゴを組み立てて、カッコいいおうちを作るみたいな感じだね。
AモデルとBモデルっていう2人の「おともだち」がいて、このふしぎな空間でのことを2人で教えてくれる。お互いに助け合って、もっと分かりやすくなるんだよ。
この空間の広さ(体積っていうんだ)を特別な計算で測るんだ。この計算をすると、空間がどれくらい大きいか分かるんだよ。
ブラックホールっていう、なんでも吸い込む宇宙の中のすごい場所があるんだ。このふしぎな空間のかたちは、ブラックホールがどうやって形をつくるかも教えてくれるんだよ。
- 6次元のAモデルとBモデル(トポロジカルストリング理論)。
- Ω = ρ + i · ŕ
- V_S(σ) = ∫_M √(384^{-1} · σ^{a₁a₂b₁b₂}σ^{a₃a₄b₃b₄}σ^{a₅a₆b₅b₆} · ε_{a₁a₂a₃a₄a₅a₆} · ε_{b₁b₂b₃b₄b₅b₆})
- ここで、ε_{a₁...a₆} は6次元のレヴィ・チヴィタテンソルです。
- V₇(Φ) = ∫_X √(det(B))
- ここで、計量 g は次のように3-フォーム Φ から導かれます:
- g_{ij} = B_{ij} · det(B)^{-1/9}
- B_{jk} = - (1/144) Φ^{ji₁i₂} Φ^{ki₃i₄} Φ^{i₅i₆i₇} ε_{i₁...i₇}
- V₇(G) = ∫_X G ∧ *G
超弦理論は、2次元の共形場理論を基礎としている。この理論は、以下の数学的要素で構成される:
1. 共形対称性: 2次元の世界面上で定義される場の理論で、局所的なスケール不変性を持つ。これは無限次元のビラソロ代数によって記述される。
[Lₘ, Lₙ] = (m - n)Lₘ₊ₙ + c/12 m(m² - 1)δₘ₊ₙ,₀
2. モジュライ空間: 弦の運動を記述する際、リーマン面のモジュライ空間が重要な役割を果たす。これは複素多様体の変形理論と密接に関連している。
3. カラビ・ヤウ多様体: 超対称性を保つためには、6次元の余剰次元がカラビ・ヤウ多様体の形をしている必要がある。これは複素3次元のケーラー多様体で、リッチ曲率テンソルが消えるという特徴を持つ。
Rᵢⱼ̄ = 0
M理論は11次元の超重力理論を基礎としており、以下の数学的要素が重要である:
1. 超多様体: 11次元の時空は超多様体として記述され、通常の座標に加えてグラスマン数値の座標を持つ。
2. E₈ × E₈ ゲージ群: ヘテロ型E₈理論との関連で、E₈ × E₈という例外型リー群が重要な役割を果たす。
3. G₂ホロノミー: M理論のコンパクト化において、7次元の内部空間がG₂ホロノミーを持つ多様体である必要がある。これは、7次元多様体上の3-形式ωが以下の条件を満たす場合である:
dω = d*ω = 0
数学的宇宙仮説の観点から、M理論と超弦理論は以下のように解釈できる:
1. 圏論的視点: これらの理論は、物理的実在を圏論的な言語で記述しようとする試みと見なせる。例えば、弦の世界面のカテゴリーと、それに対応する共形場理論のカテゴリーの間の対応関係が重要である。
2. 代数幾何学的構造: カラビ・ヤウ多様体や例外型リー群などの登場は、宇宙の根本的構造が代数幾何学的な性質を持つ可能性を示唆している。
3. 双対性: 様々な双対性(例:T双対性、S双対性、ミラー対称性)の存在は、異なる数学的記述が同じ物理的実在を表現可能であることを示唆し、プラトン的数学構造の多様性を示唆している。
4. 高次圏論: ブレーンの階層構造は、高次圏論的な記述と自然に対応する。n-カテゴリーの概念が、p-ブレーンの理論と密接に関連している。
5. 無限次元リー代数: 弦理論における無限次元対称性(例:カッツ・ムーディ代数)の出現は、宇宙の基本法則が無限次元の数学的構造に基づいている可能性を示唆している。
これらの理論が示唆する数学的構造の豊かさと複雑さは、数学的宇宙仮説が主張するような、宇宙の根本的な数学的性質を支持する証拠と解釈できる。
定義 1: M理論の基本構造を、完全拡張可能な (∞,∞)-圏 M として定義する。
定理 1 (Lurie-Haugseng): M の完全拡張可能性は、以下の同値関係で特徴付けられる:
M ≃ Ω∞-∞TFT(Bord∞)
ここで、TFT は位相的場の理論を、Bord∞ は∞次元ボルディズム∞-圏を表す。
命題 1: 超弦理論の各タイプは、M の (∞,∞-n)-部分圏として実現され、n は各理論の臨界次元に対応する。
定義 2: 弦の標的空間を、導来 Artin ∞-超スタック X として形式化する。
定理 2 (Toën-Vezzosi): X の変形理論は、接∞-スタック TX の導来大域切断の∞-圏 RΓ(X,TX) によって完全に記述される。
定義 3: 弦場理論の代数構造を、∞-オペラッド O の代数として定式化する。
定理 3 (Kontsevich-Soibelman): 任意の∞-オペラッド O に対して、その変形量子化が存在し、Maurer-Cartan方程式
MC(O) = {x ∈ O | dx + 1/2[x,x] = 0}
の解空間として特徴付けられる。
定義 4: n次元量子場理論を、n-カテゴリ値の局所系 F: Bordn → nCat∞ として定義する。
定理 4 (Costello-Gwilliam-Lurie): 摂動的量子場理論は、因子化∞-代数の∞-圏 FactAlg∞ の対象として完全に特徴付けられる。
定理 5 (Kontsevich-Soibelman-Toën-Vezzosi): カラビ・ヤウ∞-スタック X と Y のミラー対称性は、以下の (∞,2)-圏同値として表現される:
ShvCat(X) ≃ Fuk∞(Y)
ここで、ShvCat(X) は X 上の安定∞-圏の層の (∞,2)-圏、Fuk∞(Y) は Y の深谷 (∞,2)-圏である。
定義 5: M理論のコンパクト化を、E∞-リング スペクトラム R 上の導来スペクトラルスキーム Spec(R) として定式化する。
定理 6 (Lurie-Hopkins): 位相的弦理論は、適切に定義されたスペクトラルスキーム上の擬コヒーレント∞-層の安定∞-圏 QCoh(Spec(R)) の対象として実現される。
定義 6: M理論の C-場を、∞-群対象 B∞U(1) への∞-函手 c: M → B∞U(1) として定義する。
定理 7 (Hopkins-Singer): M理論の量子化整合性条件は、一般化されたコホモロジー理論の枠組みで以下のように表現される:
[G/2π] ∈ TMF(M)
ここで、TMF は位相的モジュラー形式のスペクトラムである。
定義 7: 量子化された時空を、スペクトラル∞-三重項 (A, H, D) として定義する。ここで A は E∞-リングスペクトラム、H は A 上の導来∞-モジュール、D は H 上の自己随伴∞-作用素である。
定理 8 (Connes-Marcolli-Ševera): 量子重力の有効作用は、適切に定義されたスペクトラル∞-作用の臨界点として特徴付けられる。
定義 8: 弦理論の真空構造を、導来∞-モチーフ∞-圏 DM∞(k) の対象として定式化する。
予想 1 (∞-Motivic Mirror Symmetry): カラビ・ヤウ∞-スタック X と Y のミラー対称性は、それらの導来∞-モチーフ M∞(X) と M∞(Y) の間の∞-圏同値として表現される。
定義 9: 完全な量子重力理論を、(∞,∞)-圏値の拡張位相的量子場理論として定式化する:
Z: Bord∞ → (∞,∞)-Cat
定理 9 (Conjectural): M理論は、適切に定義された完全拡張可能な (∞,∞)-TFT として特徴付けられ、その状態空間は量子化された時空の∞-圏を与える。
超弦理論では、時空は10次元の滑らかな微分多様体 M^{10} としてモデル化されます。各点の近傍 U ⊆ M^{10} に局所座標 x^{μ}: U → ℝ^{10} を導入します(μ = 0,1,…,9)。
弦の運動は、パラメータ σ^{α}(α = 0,1)で記述される2次元の世界面(ワールドシート) Σ 上の埋め込み写像 X^{μ}(σ^{α}) を用いて表されます。
S = -T/2 ∫_{Σ} d²σ √(-h) h^{αβ} ∂_{α} X^{μ} ∂_{β} X^{ν} g_{μν}(X),
ここで:
- T は弦の張力(T = 1/(2πα'))、
- h_{αβ} は世界面の計量、
- g_{μν}(X) は時空の計量テンソル、
M理論では、時空は11次元の微分多様体 M^{11} となり、M2ブレーンやM5ブレーンのダイナミクスが中心となります。M2ブレーンの世界体積は3次元で、埋め込み写像 X^{μ}(σ^{a})(a = 0,1,2)で記述されます。作用は次のように与えられます:
S = -T_{2} ∫ d³σ √(-det(G_{ab})) + T_{2} ∫ C_{μνρ} ∂_{a} X^{μ} ∂_{b} X^{ν} ∂_{c} X^{ρ} ε^{abc},
ここで:
- G_{ab} = ∂_{a} X^{μ} ∂_{b} X^{ν} g_{μν} は誘導計量、
カラビ–ヤウ多様体は、超弦理論のコンパクト化において重要な役割を果たす複素代数多様体であり、スキームの言葉で記述されます。
例えば、3次元カラビ–ヤウ多様体は、射影空間 ℙ^{4} 内で次の斉次多項式方程式の零点として定義されます:
f(z_{0}, z_{1}, z_{2}, z_{3}, z_{4}) = 0,
ここで [z_{0} : z_{1} : z_{2} : z_{3} : z_{4}] は射影座標です。
各点 x は、局所環 ℴ_{X,x} の極大イデアル ℳ_{x} に対応します。これにより、特異点やその解消、モジュライ空間の構造を厳密に解析できます。
弦理論では、世界面 Σ から時空多様体 M への写像の空間 Map(Σ, M) を考えます。この空間の元 X: Σ → M は、物理的には弦の配置を表します。
特に、開弦の場合、端点はDブレーン上に固定されます。これは、境界条件として写像 X がDブレーンのワールドボリューム W への射 ∂Σ → W を満たすことを意味します。
この設定では、開弦のモジュライ空間は、境界条件を考慮した写像の空間 Hom(Σ, M; ∂Σ → W) となります。
弦理論の物理量は、しばしば背景多様体のコホモロジー群の要素として表現されます。
- ラマンド–ラマンド(RR)場は、時空のコホモロジー群の要素 F^{(n)} ∈ H^{n}(M, ℝ) として扱われます。
- Dブレーンのチャージは、K理論の元として分類されます。具体的には、Dブレーンの分類は時空多様体 M のK群 K(M) の元として与えられます。
- グロモフ–ウィッテン不変量は、弦のワールドシート上のホモロジー類 [Σ] ∈ H_{2}(M, ℤ) に対応し、弦の瞬間子効果を計算するために使用されます。
例えば、グロモフ–ウィッテン不変量は、モジュライ空間 ℤ̄{M}_{g,n}(M, β) 上のコホモロジー類の積分として計算されます:
⟨∏_{i=1}^{n} γ_{i}⟩_{g,β} = ∫_{[ℤ̄{M}_{g,n}(M, β)]^{vir}} ∏_{i=1}^{n} ev_{i}^{*}(γ_{i}),
ここで:
- g はワールドシートの種数、
- β ∈ H_{2}(M, ℤ) は曲面のホモロジー類、
- γ_{i} ∈ H^{*}(M, ℝ) は挿入するコホモロジー類、
- ev_{i} は評価写像 ev_{i}: ℤ̄{M}_{g,n}(M, β) → M。
弦理論の摂動論的計算では、世界面をパンツ分解などの方法で細分化し、それらの組み合わせを考慮します。
- パンツ分解: リーマン面を基本的なペアオブパンツ(3つの境界を持つ曲面)に分割し、それらを組み合わせて高次の曲面を構築します。
- 世界面のトポロジーを組合せ論的に扱い、弦の散乱振幅を計算します。
弦の散乱振幅は、各トポロジーに対して次のようなパス積分として与えられます:
A = ∑_{g=0}^{∞} g_{s}^{2g-2} ∫_{ℳ_{g}} D[h] ∫ D[X] e^{-S[X,h]},
ここで:
- g_{s} は弦の結合定数、
- D[h] は計量に関する積分(ファデエフ–ポポフ法で適切に定義)、
- S[X,h] はポリャコフ作用。
- 共形対称性: ワールドシート上の共形変換は、ビラソロ代数
[L_{m}, L_{n}] = (m - n) L_{m+n} + c/12 m (m^{2} - 1) δ_{m+n,0}
{G_{r}, G_{s}} = 2 L_{r+s} + c/3 (r^{2} - 1/4) δ_{r+s,0},
[L_{n}, G_{r}] = (n/2 - r) G_{n+r}
を満たします。
- T-双対性: 円状にコンパクト化された次元において、半径 R と α'/R の理論が等価である。このとき、運動量 p と巻き数 w が交換されます:
p = n/R, w = m R → p' = m/R', w' = n R',
ここで R' = α'/R。
- S-双対性: 強結合と弱結合の理論が等価であるという双対性。弦の結合定数 g_{s} が変換されます:
g_{s} → 1/g_{s}。
時空の計量 g_{μν} は、弦の運動を決定する基本的な要素です。背景時空がリッチ平坦(例えばカラビ–ヤウ多様体)の場合、以下を満たします:
R_{μν} = 0。
β関数の消失条件から、背景場は次のような場の方程式を満たす必要があります(一次順序):
- 重力場:
R_{μν} - 1/4 H_{μλρ} H_{ν}^{\ λρ} + 2 ∇_{μ} ∇_{ν} Φ = 0、
- B-フィールド:
∇^{λ} H_{λμν} - 2 (∂^{λ} Φ) H_{λμν} = 0、
- ディラトン場:
4 (∇Φ)^{2} - 4 ∇^{2} Φ + R - 1/12 H_{μνρ} H^{μνρ} = 0。
M理論では、三形式場 C_{μνρ} とその場の強度 F_{μνρσ} = ∂_{[μ} C_{νρσ]} が存在し、11次元超重力の場の方程式を満たします:
- 場の強度の方程式:
d * F = 1/2 F ∧ F、
- アインシュタイン方程式:
R_{μν} = 1/12 (F_{μλρσ} F_{ν}^{\ λρσ} - 1/12 g_{μν} F_{λρσδ} F^{λρσδ})。
以下は、M理論と超弦理論の幾何学を抽象化した数学的枠組みでのモデル化について述べる。
まず、物理的対象である弦や膜を高次の抽象的構造としてモデル化するために、∞-圏論を用いる。ここでは、物理的プロセスを高次の射や2-射などで表現する。
∞-圏 𝒞 は、以下を持つ:
これらの射は、合成や恒等射、そして高次の相互作用を満たす。
次に、デリーブド代数幾何学を用いて、空間や場の理論をモデル化する。ここでは、デリーブドスタックを使用する。
デリーブドスタック 𝒳 は、デリーブド環付き空間の圏 𝐝𝐀𝐟𝐟 上の関手として定義される:
𝒳 : 𝐝𝐀𝐟𝐟ᵒᵖ → 𝐒
ここで、𝐒 は∞-グルーポイドの∞-圏(例えば、単体集合のホモトピー圏)である。
物理的なフィールドやパーティクルのモジュライ空間は、これらのデリーブドスタックとして表現され、コホモロジーやデリーブドファンクターを通じてその特性を捉える。
非可換幾何学では、空間を非可換代数 𝒜 としてモデル化する。ここで、スペクトラルトリプル (𝒜, ℋ, D) は以下から構成される:
作用素 D のスペクトルは、物理的なエネルギーレベルや粒子状態に対応する。幾何学的な距離や曲率は、𝒜 と D を用いて以下のように定義される:
∞-トポス論は、∞-圏論とホモトピー論を統合する枠組みである。∞-トポス ℰ では、物理的な対象やフィールドは内部のオブジェクトとして扱われる。
フィールド φ のグローバルセクション(物理的な状態空間)は、次のように表される:
Γ(φ) = Homℰ(1, φ)
ここで、1 は終対象である。物理的な相互作用は、これらのオブジェクト間の射としてモデル化される。
ゲージ対称性やその高次構造を表現するために、L∞-代数を用いる。L∞-代数 (L, {lₖ}) は次元付きベクトル空間 L = ⊕ₙ Lₙ と多重線形写像の族 lₖ からなる:
lₖ : L⊗ᵏ → L, deg(lₖ) = 2 - k
∑ᵢ₊ⱼ₌ₙ₊₁ ∑ₛᵢgₘₐ∈Sh(i,n-i) (-1)ᵉ⁽ˢⁱᵍᵐᵃ⁾ lⱼ ( lᵢ(xₛᵢgₘₐ₍₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₎), xₛᵢgₘₐ₍ᵢ₊₁₎, …, xₛᵢgₘₐ₍ₙ₎) = 0
ここで、Sh(i,n-i) は (i, n - i)-シャッフル、ε(sigma) は符号関数である。
これにより、高次のゲージ対称性や非可換性を持つ物理理論をモデル化できる。
安定ホモトピー理論では、スペクトラムを基本的な対象として扱う。スペクトラム E は、位相空間やスペースの系列 {Eₙ} と構造写像 Σ Eₙ → Eₙ₊₁ からなる。
πₙˢ = colimₖ→∞ πₙ₊ₖ(Sᵏ)
ここで、Sᵏ は k-次元球面である。これらの群は、物理理論における安定な位相的特性を捉える。
物理的な相関関数は、コホモロジー類を用いて以下のように表現される:
⟨𝒪₁ … 𝒪ₙ⟩ = ∫ₘ ω𝒪₁ ∧ … ∧ ω𝒪ₙ
ここで、ℳ はモジュライ空間、ω𝒪ᵢ は観測量 𝒪ᵢ に対応する微分形式またはコホモロジー類である。
先に述べた抽象数学的枠組みを用いて、M理論の重要な定理であるM理論とIIA型超弦理論の双対性を導出する。この双対性は、M理論が11次元での理論であり、円 S¹ に沿ってコンパクト化するとIIA型超弦理論と等価になることを示している。
時空間の設定:
H•(ℳ₁₁, ℤ) ≅ H•(ℳ₁₀, ℤ) ⊗ H•(S¹, ℤ)
これにより、11次元のコホモロジーが10次元のコホモロジーと円のコホモロジーのテンソル積として表される。
C-場の量子化条件:
M理論の3形式ゲージ場 C の場の強度 G = dC は、整数係数のコホモロジー類に属する。
[G] ∈ H⁴(ℳ₁₁, ℤ)
デリーブド代数幾何学では、フィールド C はデリーブドスタック上のコホモロジー類として扱われる。
非可換トーラスの導入:
円 S¹ のコンパクト化を非可換トーラス 𝕋θ としてモデル化する。非可換トーラス上の座標 U, V は以下の交換関係を満たす。
UV = e²ᵖⁱθ VU
非可換トーラス上のK-理論群 K•(𝕋θ) は、Dブレーンのチャージを分類する。
K•(ℳ₁₁) ≅ K•(ℳ₁₀)
𝕊ₘ ≃ Σ𝕊ᵢᵢₐ
ここで、Σ はスペクトラムの懸垂(suspension)函手である。
デリーブド代数幾何学、非可換幾何学、および安定ホモトピー理論の枠組みを用いると、11次元のM理論を円 S¹ 上でコンパクト化した極限は、IIA型超弦理論と数学的に等価である。
(b) 非可換性の考慮
最初期宇宙の基本構造を記述するために、位相的弦理論の圏論的定式化を用いる。
定義: 位相的A模型の圏論的記述として、Fukaya圏 ℱ(X) を考える。ここで X は Calabi-Yau 多様体である。
対象: (L, E, ∇)
射: Floer コホモロジー群 HF((L₁, E₁, ∇₁), (L₂, E₂, ∇₂))
この圏の導来圏 Dᵇ(ℱ(X)) が、A模型の D-ブレーンの圏を与える。
最初期宇宙の量子構造をより精密に記述するために、導来代数幾何学を用いる。
𝔛: (cdga⁰)ᵒᵖ → sSet
ここで cdga⁰ は次数が非正の可換微分次数付き代数の圏、sSet は単体的集合の圏である。
𝔛 上の準コヒーレント層の ∞-圏を QCoh(𝔛) と表記する。
宇宙の大規模構造の位相的性質を記述するために、モチーフ理論を適用する。
定義: スキーム X に対して、モチーフ的コホモロジー Hⁱₘₒₜ(X, ℚ(j)) を定義する。
これは、Voevodsky の三角圏 DM(k, ℚ) 内での Hom として表現される:
Hⁱₘₒₜ(X, ℚ(j)) = Hom_DM(k, ℚ)(M(X), ℚ(j)[i])
最初期宇宙の高次ゲージ構造を記述するために、∞-Lie 代数を用いる。
定義: L∞ 代数 L は、次数付きベクトル空間 V と、n 項ブラケット lₙ: V⊗ⁿ → V の集合 (n ≥ 1) で構成され、一般化されたヤコビ恒等式を満たすものである。
Σₙ₌₁^∞ (1/n!) lₙ(x, ..., x) = 0
最初期宇宙の量子重力効果を記述するために、圏値場の理論を用いる。
定義: n-圏値の位相的量子場の理論 Z を、コボルディズム n-圏 Cob(n) から n-圏 𝒞 への対称モノイダル函手として定義する:
Z: Cob(n) → 𝒞
特に、完全拡張場の理論は、Lurie の分類定理によって特徴づけられる。
最初期宇宙の量子情報理論的側面を記述するために、von Neumann 代数を用いる。
定義: von Neumann 代数 M 上の状態 ω に対して、相対エントロピー S(ω || φ) を以下のように定義する:
S(ω || φ) = {
tr(ρω (log ρω - log ρφ)) if ω ≪ φ
+∞ otherwise
}
ここで ρω, ρφ はそれぞれ ω, φ に対応する密度作用素である。
最初期宇宙の量子時空構造を記述するために、非可換幾何学を用いる。
∫_X f ds = Tr_ω(f|D|⁻ᵈ)
(2,0)共形場理論(CFT)とM理論のホログラフィック対応を活用し、M理論の量子補正を再構築する。
具体的には、大N展開に基づき、6次元CFTのOPEデータを用いて、11次元超重力の4点関数のR⁴やD⁶R⁴の項を導出することにある。
WNカイラル代数と(2,0) CFTの関連性を通じて、M理論の高次導関数(特にD⁸R⁴)の振る舞いを予測する。
A₁₁(pᵢ; ζᵢ) = f(s, t) A₁₁ᵗʳᵉᵉ(pᵢ; ζᵢ)
ここで、A₁₁ᵗʳᵉᵉ(pᵢ; ζᵢ)はツリー振幅で、次のように表される:
A₁₁ᵗʳᵉᵉ(pᵢ; ζᵢ) = ℓ₁₁⁹ K/(stu)
Kは運動学的因子、s, t, uは11次元のMandelstam変数である。また、モーメンタム展開は次のようになる:
f(s, t) = 1 + ℓ₁₁⁶ f_R⁴(s, t) + ℓ₁₁⁹ f_₁₋ₗₒₒₚ(s, t) + ℓ₁₁¹² f_D⁶R⁴(s, t) + ⋯
(2,0) CFTにおけるOPE係数は、次の形でWNカイラル代数の構造定数と関連づけられる:
λ²_k₁k₂k₃ = c⁻¹ F_R(c) + c⁻⁵ᐟ³ F_R⁴(c) + c⁻⁷ᐟ³ F_D⁶R⁴(c)
ここで、c = 4N³ - 3N - 1は中心電荷を表し、この式はM理論における保護された頂点(R⁴, D⁶R⁴項など)の構造を反映している。
G_k(U, V; σ, τ) = ∫₋ᵢ∞ⁱ∞ ds dt/(4πi)² U^(s/2) V^(t/2 - 2k) 𝓜_k(s, t; σ, τ) Γ²(2k - s/2) Γ²(2k - t/2) Γ²(2k - u/2)
ここで、s + t + u = 8kを満たす必要がある。このMellin変換によって、平坦空間におけるM理論の4点振幅を得ることが可能である。
AdS₇×S⁴のコンパクト化によって、平坦空間におけるM理論振幅を次の形で再構築する:
lim_(L→∞) L³ (L/2)⁴ V₄ 𝓜_k(L²s, L²t; σ, τ) = 1/Γ(4k - 3) ∫₀∞ dβ β⁴ᵏ⁻⁴ e⁻ᵝ A₁₁ᵏ(2βs, 2βt; σ, τ)
f_D²ᵐR⁴(s, t) = 1/(2ᵐ⁺³(4k - 2)ᵐ⁺³) lim_(s,t→∞) [Σᵢ B_k^(⁴⁺ᵐ,ⁱ) 𝓜_k^(⁴⁺ᵐ,ⁱ)(s, t; σ, τ)]
M を11次元コンパクト多様体、G を複素簡約代数群、L(G) をそのラングランズ双対群とする。
D^b(M) を M 上のコヒーレント層の導来圏、D^b(Bun_G(M)) を M 上の G-主束のモジュライ空間 Bun_G(M) 上のコヒーレント層の導来圏とする。
以下の圏同値を構築する:
Φ: D^b(D_M) ≃ D^b(Coh(Bun_L(G)(M)))
M 上の Chern-Simons 理論の量子化を考える。その分配関数 Z(M,k) を以下のように定義する:
ここで、CS(A) は Chern-Simons 作用である。
F: D^b(Bun_G(M)) → Mod(MF_q)
を構築する。ここで、Mod(MF_q) は有限体 F_q 上のモチーフの圏である。
G の既約表現 ρ に対し、以下の等式を予想する:
L(s,ρ,M) = det(1 - q^(-s)F|H*(M,V_ρ))^(-1)
ここで、V_ρ は ρ に付随する M 上のローカル系である。
以下の図式が可換であることを示す:
D^b(D_M) --Φ--> D^b(Coh(Bun_L(G)(M))) | | | | F F | | V V Mod(MF_q) -----≃----> Mod(MF_q)
M の次元を一般の n に拡張し、Voevodsky のモチーフ理論を用いて、上記の構成を高次元化する。
以上の構成により、M理論の幾何学的構造とラングランズ・プログラムの数論的側面の関連を見た。このモデルは、導来圏論、量子場の理論、モチーフ理論を統一的に扱う枠組みを提供するものである。
今後の課題として、この理論的枠組みの厳密な数学的基礎付けと、具体的な計算可能な例の構築が挙げられる。特に、Langlands スペクトラル分解との関連や、Grothendieck の標準予想との整合性の検証が重要である。
定義 1: M理論の基礎空間を (M, g) とする。ここで M は 11 次元 C∞ 多様体、g は符号 (-,+,...,+) のローレンツ計量とする。
定義 2: M 上の主束 P(M, Spin(1,10)) をスピン構造とし、関連するスピノール束を S とする。
定義 3: M 上の外積代数を Λ*(M) とし、特に Λ³(M) と Λ⁴(M) に注目する。
C = {(g, C, ψ) | g ∈ Met(M), C ∈ Γ(Λ³(M)), ψ ∈ Γ(S)}
ここで Met(M) は M 上のローレンツ計量全体、Γ は滑らかな切断を表す。
定理 1 (作用汎関数): M理論の作用 S: C → ℝ は以下で与えられる:
S[g, C, ψ] = ∫_M (R * 1 - 1/2 dC ∧ *dC - 1/6 C ∧ dC ∧ dC - ψ̄D̸ψ) vol_g
ここで R はスカラー曲率、D̸ はディラック作用素、vol_g は g による体積要素である。
定理 2 (場の方程式): δS = 0 から以下の Euler-Lagrange 方程式が導かれる:
1. Einstein 方程式: Ric(g) - 1/2 R g = T[C, ψ]
2. C-場の方程式: d*dC + 1/2 dC ∧ dC = 0
ここで Ric(g) は Ricci テンソル、T[C, ψ] はエネルギー運動量テンソルである。
定義 5: M の 7 次元コンパクト化を X とし、M = R^(1,3) × X と分解する。
定義 6: X 上の G₂ 構造を φ ∈ Ω³(X) とし、以下を満たすものとする:
1. dφ = 0
2. d*φ = 0
3. (x ↦ i_x φ ∧ i_y φ ∧ φ) は X 上の Riemann 計量を定める。
定理 3 (Holonomy reduction):X が G₂ 構造を持つとき、X の holonomy 群は G₂ の部分群に含まれる。
定義 7: X 上の接束の構造群を G₂ に制限する縮約を σ: P → X とする。ここで P は主 G₂ 束である。
定義 8: M の K 理論群を K(M) とし、その Chern 指標を ch: K(M) → H^even(M; ℚ) とする。
定理 4 (Anomaly cancellation): M理論の量子異常が相殺されるための必要十分条件は以下である:
I₈ = 1/48 [p₂(M) - (p₁(M)/2)²] = 0
ここで p₁(M), p₂(M) は M の Pontryagin 類である。
定理 5 (Index theorem): M 上の Dirac 作用素 D̸ の指数は以下で与えられる:
ind(D̸) = ∫_M Â(M) ch(S)
ここで Â(M) は M の Â-genus、ch(S) は S の Chern 指標である。
定義 9: 位相的 CW 複体の圏を Top、アーベル群の圏を Ab とする。
定理 6 (T-duality): 適切な条件下で、以下の同型が存在する:
K(X × S¹) ≅ K(X × S¹)
定理 7 (S-duality): 適切な条件下で、以下の同型が存在する:
H^k(M; ℤ) ≅ H_{11-k}(M; ℤ)
M理論の幾何学を最も抽象的かつ厳密に記述するには、圏論的アプローチが不可欠でござる。
M理論の幾何学的構造は、三角圏の枠組みで捉えることができるのでござる。特に、カラビ・ヤウ多様体 X の導来圏 D⁰(Coh(X)) が中心的役割を果たすのでござる。
定義:D⁰(Coh(X)) は連接層の有界導来圏であり、以下の性質を持つのでござる:
1. 対象:連接層の複体
この圏上で、Fourier-向井変換 Φ: D⁰(Coh(X)) → D⁰(Coh(X̂)) が定義され、これがミラー対称性の数学的基礎となるのでござる。
2. 各対の対象 X,Y に対する次数付きベクトル空間 hom𝒜(X,Y)
3. 次数 2-n の演算 mₙ: hom𝒜(Xₙ₋₁,Xₙ) ⊗ ⋯ ⊗ hom𝒜(X₀,X₁) → hom𝒜(X₀,Xₙ)
これらは以下のA∞関係式を満たすのでござる:
∑ᵣ₊ₛ₊ₜ₌ₙ (-1)ʳ⁺ˢᵗ mᵣ₊₁₊ₜ(1⊗ʳ ⊗ mₛ ⊗ 1⊗ᵗ) = 0
この構造は、Fukaya圏の基礎となり、シンプレクティック幾何学とM理論を結びつけるのでござる。
M理論の完全な幾何学的記述には、高次圏論、特に(∞,1)-圏が必要でござる。
定義:(∞,1)-圏 C は以下の要素で構成されるのでござる:
2. 各対の対象 x,y に対する写像空間 MapC(x,y)(これも∞-グルーポイド)
3. 合成則 MapC(y,z) × MapC(x,y) → MapC(x,z)(これはホモトピー整合的)
この構造により、M理論における高次ゲージ変換や高次対称性を厳密に扱うことが可能になるのでござる。
M理論の幾何学は、導来代数幾何学の枠組みでより深く理解できるのでござる。
定義:導来スタック X は、以下の関手として定義されるのでござる:
X: CAlg𝔻 → sSet
ここで、CAlg𝔻 は単体的可換環の∞-圏、sSet は単体的集合の∞-圏でござる。
この枠組みにおいて、M理論のモジュライ空間は導来スタックとして記述され、その特異性や高次構造を厳密に扱うことが可能になるのでござる。
M理論の幾何学的側面は、量子コホモロジー環 QH*(X) を通じて深く理解されるのでござる。
定義:QH*(X) = H*(X) ⊗ ℂ[[q]] で、積構造は以下で与えられるのでござる:
α *q β = ∑A∈H₂(X,ℤ) (α *A β) qᴬ
ここで、*A はGromov-Witten不変量によって定義される積でござる:
α *A β = ∑γ ⟨α, β, γ∨⟩₀,₃,A γ
1. (多様体構造) M は滑らかな11次元位相多様体である。
2. (ゲージ構造) E は M 上のベクトルバンドルで、構造群 G を持つ。
3. (超対称性) M 上に32個の超対称性生成子 Q_α (α = 1, ..., 32) が存在し、以下の反交換関係を満たす:
{Q_α, Q_β} = 2(CΓ^μ)_αβ P_μ + Z_αβ
ここで C は電荷共役行列、Γ^μ はガンマ行列、P_μ は運動量演算子、Z_αβ は中心電荷。
S = ∫_M (R * 1 + 1/2 * F ∧ *F + ψ̄Γ^μ∇_μψ + ...)
ここで R はスカラー曲率、* はHodgeのスター演算子。
5. (双対性) 異なるコンパクト化 M → M' に対して、物理的に等価な理論が得られる。
エネルギーが中心電荷で下から押さえられるBPS状態が存在する。
証明:
1. 超対称性代数から、エネルギー演算子 H は以下の不等式を満たす:
H ≥ √(Z_αβ Z^αβ)
2. この不等式の等号が成り立つ状態を BPS 状態と呼ぶ。
3. 超対称性の表現論により、このような状態は必ず存在する。
M2ブレーンの張力 T_M2 は、11次元プランク長 l_p を用いて以下のように与えられる:
T_M2 = 1 / (4π²l_p³)
証明:
3. 次元解析により、張力 T_M2 の次元が [長さ]^(-3) であることがわかる。
M理論を用いたビッグバンの数理的解明は、現代理論物理学の最前線に位置する課題である。以下に、より厳密な数学的枠組みを用いてこの問題にアプローチする。
(M¹¹, g) ≅ (R¹,³ × X⁷, η ⊕ h)
ここで、M¹¹は11次元多様体、gはその上の計量、R¹,³はミンコフスキー時空、X⁷はコンパクトな7次元多様体、ηはミンコフスキー計量、hはX⁷上のリッチ平坦計量である。
M理論の超対称性は、以下のスピノール方程式で特徴づけられる:
D_μ ε = 0
ここで、D_μはスピン接続、εは11次元のMajorana-Weylスピノールである。
M2-ブレーンの動力学は、以下のNambu-Goto型作用で記述される:
S[X] = -T_2 ∫_Σ d³σ √(-det(g_αβ))
ここで、T_2はブレーン張力、g_αβ = ∂_αX^μ ∂_βX^ν G_μνはブレーンの誘導計量、G_μνは背景時空の計量である。
ビッグバンを膜の衝突として捉える場合、以下の位相的遷移を考える:
M¹¹ ⊃ M₁ ∪ M₂ → M'
ここで、M₁とM₂は衝突前の膜宇宙、M'は衝突後の統合された宇宙を表す。この遷移は、コボルディズム理論の枠組みで厳密に定式化される。
11次元重力定数G₁₁と4次元重力定数G₄の関係は、以下の積分方程式で表される:
1/G₄ = Vol(X⁷)/G₁₁
ここで、Vol(X⁷) = ∫_X⁷ √det(h) d⁷y はX⁷の体積である。
M理論の無矛盾性は、以下のBianchi恒等式とアノマリー相殺条件によって保証される:
dH = 1/(2π)² [p₁(R) - 1/2 tr F² + tr R²]
ここで、Hは3形式場、p₁(R)は第一ポントリャーギン類、FとRはそれぞれゲージ場と重力場の曲率である。
Multiverse ≅ lim→ (M_i, φ_ij)
ここで、M_iは個々の宇宙、φ_ijは宇宙間の遷移を表す射である。
これらの数学的構造は、M理論を用いたビッグバンの理解に対して厳密な基礎を提供する。しかしながら、完全な証明には至っておらず、特に量子重力効果の非摂動的取り扱いや、実験的検証可能性の問題が残されている。今後、代数幾何学や位相的場の理論などの高度な数学的手法を用いた更なる研究が期待される。
といった式について、素粒子では後者が支配し、天体では前者が支配する。
近距離における強い力のために、電子は原子核に螺旋状に落ち込むが、明らかに事実と違う。
というハイゼンベルグの関係式に従う。このため、r=0となることはなくなり、問題は回避される。
多様体上の楕円型作用素の理論全体が、この物理理論に対する数学的対応物で、群の表現論も近い関係にある。
しかし特殊相対性理論を考慮に入れるとさらに難しくなる。ハイゼンベルグの公式と同様の不確定性関係が場に対して適用される必要がある。
電磁場の場合には、光子というように、新しい種類の粒子として観測される。
電子のような粒子もどうように場の量子であると再解釈されなければならない。電磁波も、量子を生成消滅できる。
数学的には、場の量子論は無限次元空間上の積分やその上の楕円型作用素と関係する。
量子力学は1/r^2に対する問題の解消のために考え出されたが、特殊相対性理論を組み込むと、この問題を自動解決するわけではないことがわかった。
といった発展をしてきたが、場の量子論と幾何学の間の関係性が認められるようになった。
では重力を考慮するとどうなるのか。一見すれば1/r^2の別な例を重力が提供しているように見える。
しかし、例えばマクスウェルの方程式は線型方程式だが、重力場に対するアインシュタインの方程式は非線形である。
また不確定性関係は重力における1/r^2を扱うには十分ではない。
物理学者は、点粒子を「弦」に置き換えることにより、量子重力の問題が克服できるのではないかと試した。
量子論の効果はプランク定数に比例するが、弦理論の効果は、弦の大きさを定めるα'という定数に比例する。
もし弦理論が正しいなら、α'という定数は、プランク定数と同じぐらい基本的定数ということになる。
ħやα'に関する変形は幾何学における新しいアイデアに関係する。ħに関する変形はよく知られているが、α'に関する変形はまだ未発展である。
これらの理論は、それぞれが重力を予言し、非可換ゲージ対称性を持ち、超対称性を持つとされる。
α'に関する変形に関連する新しい幾何学があるが、理解のために2次元の共形場理論を使うことができる。
ひとつは、ミラー対称性である。α'がゼロでない場合に同値となるような2つの時空の間の関係を表す。
まずt→∞という極限では、幾何学における古典的アイデアが良い近似となり、Xという時空が観測される。
t→-∞という極限でも同様に時空Yが観測される。
そして大きな正の値であるtと大きな負の値であるtのどこかで、古典幾何学が良い近似とはならない領域を通って補間が行われている。
α'とħが両方0でないときに起こり得ることがなんなのかについては、5つの弦理論が一つの理論の異なる極限である、と説明ができるかもしれないというのがM理論である。