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2022-04-23

ネットかいノーランの悪いところを凝縮した作品

インセプションは退屈で筋も通ってない駄作ながらまだ作品としての形を保ってたけどテネットマジでひどすぎる

設定の奇抜さと展開の速さでごまかしてるが、登場人物の幼稚な行動原理薄っぺら人物相関と設定、行き当たりばったりでなんの深みもない展開、

薬をキメながら書いてるとしか思えないこんな脚本を提出した監督ライターもすごいが、これを映画にして世に出そうと決めた配給会社や周りの人間も救いようがない

インターステラーの時のバランス感覚を思い出してほしい

2022-03-19

今更ながらテネット見たけど浅いな

友達に勧められたからネトフリで見たんだけど俺が中学の時によくやってた妄想と同じレベル

結末が銃の説明始めたあたりで読めた

この監督ちゃん大学出てるの?

ちゃんとした理論的な話でも大学ラウンジ意識の高い一年のガキがやるようなレベルだよね

少なくとも俺の母校慶應義塾大学ではそうだったけど大学教養レベルのことを映像昇華できたからすごいって話なの?

偏見申し訳ないけどその友達ネトゲで知り合って「チ。」やら「ジョジョ」やらがやたらと好きな専門卒のやつなんだよなぁ

これまでのノーラン作品の中でも群を抜いて面白いっていうから期待してたけどテネット新書レベルの内容に感じたわ

2022-03-09

増田にみてほしい、ソ連崩壊後のロシア戦争を描いた映画2本

ソ連ロシア戦争映画って言うと第二次大戦大祖国戦争ものばかりでなんか食指が動かないよねという増田対照的な2本をお勧めするよ。

1)『オーガストウォーズ』(2012年ロシア映画

2008年南オセチア紛争舞台

キービジュアルは『トランスフォーマー』を連想させるような巨大ロボがドーンとでてきているけど、これは空想の中でしか出番がない。

主人公の息子が、勇敢な巨大ロボットと共に闇の帝王と戦っている、という空想に耽っている。

なんやかんやあって南オセチアグルジア国境戦争が始まってしまい、離婚していた父親に会いに行った息子ちゃんとが巻き込まれて、モスクワにいた母親主人公)が息子を助けに…というお話

CGでのロボ変形シーンはトランスフォーマーばり。ジェネリック

ロシア政府全面協力だけあって、プロパガンダ匂いが強烈。実物の戦車もカッコよく描かれてて、敵軍を吹っ飛ばすとやった~ってなるほか、当然ながらロシア軍人が外面も内面イケメンで、惚れてまうやろ…となる。

ロシアマッチョさは少年が「空想世界(≒逃避)」を捨て、現実世界に戻ってくるところにも表れている。

面白うてやがて寒々しい露映画かな。


2)『あの日の声を探して』(2014年フランスグルジア映画

1999年第二次チェチェン紛争舞台ダブル主人公制度。(最近メジャー映画で言うとノーランの「ダンケルク」みたいな)

Aパートチェチェンにおける虐殺家族を殺され、一人生き残るもの精神的ショックから失語になってしまチェチェン少年難民キャンプなど、行く先々でむき出しになった戦争の結果そのものに直面する。

Bパートロシア普通青年。町を歩いていたらささいなことで警察言いがかりをつけられ、そのまま懲罰的兵隊にさせられてしまう。

大日本帝国軍のシゴキ・イジメを思い出させる軍隊描写からまりこっちのパートも実に刺さる。AB交互に進んでいく作品。Aの方、赤十字に引き取られた生活善意制度でありながら少年にとっては却って辛い描写とか、もうね…

こちらはロシア政府が協力したわけではないのですが、寒々しい荒野をあるくこどもと実機の戦車の進軍の対比など、何とも言えない「リアル」さが力強い。

2021-11-24

最近映画がつまんない

洋画邦画に限らずここ1,2年に公開された新作映画がことごとくつまんない

ストーリーは練られてるのが多いんだけど演出が下手すぎる

映画ってまず最初20分ぐらいかけて観客に状況把握をさせるっていうのがセオリー

セオリーを破るとしたらシンプルな進め方をしないと観客がついて行けない

ロード・オブ・ザ・リングだってスターウォーズだって丁寧に世界説明するでしょ

マーシャン(オデッセイ)はすぐに火星に取り残されるでしょ

最近映画説明なしにどんどん登場人物だけ増やしていく(しかも魅力が無い)から全然話の内容が分からんし追いつけない

後半になって最初の方に出てきたあいつが実は犯人でしたーとか言われても

「は?誰?」

ってなるし脚本家大丈夫か?っていう気分になる

面白かったのはテネットぐらいだけど、あれは分かりにくいのを「まぁノーランからいか」で乗り切ってるところがある

結局、続編とかテレビアニメの続編とかが席巻してて、もう新作映画ダメなのかな

2021-11-12

ここ半年で見た洋画ネタバレ注意)

ネット ★5

クリストファーノーランの最新作。時間が巻き戻しの世界で戦ったり、順行の時間と交差しながら戦う。何が起こっているか途中で分からなくなるので、「爆発だー」「どうやって撮ったんだー」とかの感想しか出てこない。ネタバレサイトor3回は見ないと分からない。でもおすすめヒロイン相棒

スノーピアサー ★3.5

虫注意。世界は氷におおわれていて、人類列車しか存在していない世界。乗車時のチケットランク居住エリアが決められていて、主人公達は無賃乗車組なので最後尾で奴隷扱い。そこから反乱を起こす話。設定からして面白い。でもなんか中盤は見てて飽きた。

8mile ★3.8

エミネム様の映画。数曲知っているandニコ動で有名な曲が流れるので見てみたいと思って視聴。コンテナハウス貧乏暮らししつつ、ラップしつつ、必死に生きていく感じ。ラップシーンはかっこいい。特に最後やつは何回もみちゃう。しっかり濡れ場があったので注意

ゴーンガール ★4.5

有名かな?サスペンスが見たい人にはおすすめ。いきなり妻が失踪して、警察捜査すると「あれ?主人公犯人じゃね?」ってなって主人公の妹とか刑事さんとか弁護士とかがわちゃわちゃする映画。詳しく書くとネタバレ。途中がっつりトップレスシーンがあるので注意。

キャプテンアメリカ/ザ・ファーストアベンジャー ★3

キャプテンアメリカ映画。アベンジャー系列のもの見たいなーと思って視聴。なんか普通に王道だった。のであまり覚えていない(笑)第2次大戦関係だったか

8月家族たち ★4

ジュリアロバーツ主演のドロドロ家族劇。終わり方も後味悪い。父が行方不明になって家族が集まるけど、色んなことで喧嘩する感じ。ドンパチもエログロも無いけど、気まずい雰囲気とか言い争いがめっちゃ面白い。でも実際その場にいると泣く。吹き替えもいいけど、字幕の方が良かった

鑑定士と顔のない依頼人 ★3.5

最近話題になった?胸糞悪い映画の筆頭。胸糞悪いと思いながら見たらそこまでダメージいかも。前情報なしで映画館で見てたら泣く。でもそういう楽しみ方もしたいよね

ザ・ゲスト ★4

帰還兵の主人公親友訃報家族に知らせて、そこになぜか住まわせてもらうハートフル映画(大嘘)主人公サイコパス一家をぼっこぼこにします。最後はなぜかホラーテイスト。謎の鑑後感。

赤ずきん ★2

失敗した。なんか人狼かな?

ボーダーライン ★5

いえーい!特殊部隊の銃撃戦サイコー!!ベニチオ・デル・トロかっこいいー!!シビア世界恐いいいい!!ってなる映画

ホーンテッド 世界一怖いお化け屋敷 ★3

お化け屋敷行ったら殺されます映画館で見たら怖かったか

ミスティックリバー ★4

胸糞映画で調べたら出てきた。ちゃんと胸糞。主人公の娘が殺されたんやけど。。。これ以上はネタバレ!話し合いは大事マルコも言ってた。(進撃の巨人より)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーandリミックス ★4

SF映画ファンタスティックフォー的な。アクション有り、ドッグファイトあり、誰でも楽しめます王道すぎてあんまり記憶に残ってません。木の妖精グルートがかわいい。口笛で動く魔法の矢は殲滅力最強

コンテイジョン ★4

パンデミック映画。よく作られている。ワクチン誕生日毎に抽選で配られたり、デマ野郎が死ななかったり、メインキャラ死んだり、主人公(ブラピ)の奥さん不倫してたり、悲しい映画だった。

透明人間 ★3.8

現代インビジブルあんまおぼえてない

インベージョン ★3.5

寝たらウイルスに乗っ取られて別の人間になってしまパンデミックもの。設定がおもろい

ロックダウン ★3.5

コロナ禍で撮影されたアンハサウェイ主演の映画離婚寸前のカップルダイヤすり替えて盗んでやり直す話。強盗ものに見せかけて、ヒューマンドラマ寄り。アンハサウェイの顔芸がとても良い。コロナのうっぷんたまってんなーって感じがでてた。盗みに入るシーンはやっぱハラハラする

スリビルボード ★4

娘が強姦されたのに捜査しない警察に対して、看板広告警察署長に喧嘩を売ることから始まる話。悲しい要素あり。見た後の何とも言えない良い感じが良い。見て損はない

ザ・プレデター ★3.8

ででででででん ででででででん(プレデターテーマ)

プレデター最新作。プレデター地球にやってきたと思ったら、一回り体のでかいプレデターがやってきた!主人公一味がいいパーティー。ふざけあったり、助け合ったりが良い。B級感も洗練されてる

2021-11-01

anond:20211101094703

キモオタク共みたいにみんながみんなジャケットの色やらなんやらを気にしてるわけじゃないんだぞ。

ジョーカー」っていろんな映画漫画イメージを着てるだけで、ノーラン版どころかティムバートン版のつもりかもしれないぞ。

2021-10-19

anond:20211019005122

うむ、共産主義ノーランチャートで言えばライトでもレフトでもない、ポピュリズム(全体主義)なんだよな

個人社会的自由経済的自由尊重する姿勢があるわけがない

大衆迎合してその時々で叩けるやつを締め上げることで自分たち権威と見せかけるだけの、今でいうキョロ充みたいな空っぽ思想

2021-08-22

TENET テネットを観た。

 

超難解とかいネット煽り文句を受けて身構えてみてしまったが

いつものノーラン節だから普通にリラックスして観た方が楽しめたと思う。

ほんとネット煽りだけは真に受けてはいけない。

 

話の整合性云々とかい話題もあるが

ノーラン映画基本的整合性がとれていないから気にしてはいけない。

あの夢の中に入る映画最後の方で設定を無視していて破綻してたし

奇術師の話もパラドックスに入ってしまっていただろ?

ノーランはそういうもので、それが味みたいなものだと思っている。

 

この映画シナリオノーラン007の新作を撮らせてたらよかったのにね、と思う。

007シリーズの中で最もユニーク映画となったはずた。

勝手妄想だけど押井ルパンと並んで

幻の映画勝手自分の心の棚にしまっておくことにする。

2021-07-03

anond:20210702165607

関係ないんだけど

SF弱者からいまだに映画インターステラーが名作扱いなの理解できない

というのも最後最後オカルト解決になってて文字通りポカーンって感じで呆れたのよ

こりゃ酷評だろうって思ったけど、IMDBで8.6だしマジかよって思ったよね

今までで一番物理を正しく描いた!とか大宣伝してて見に行ったからさ

クリストファーノーランからって理由評価されてない?

SFってそういうもんなの?

2021-05-13

アカデミックを諦めて外資ゴロをやっている白痴妄想

Libertarian の私は国による免許制度とか国の機関というものが嫌いなので、あたり前に医師会なんてものに好感がある訳ないのですが、そもそも前提がそれのため、スキャンダルが出てきてまぁ当たり前だよね、うん。としか思いませんでした。今更なにを言っているのかがよく分かりません。Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely.ですよ。腐敗は権力を与えられた者の責任ではありません。腐敗は権力属性です。腐敗は権力というものの側面です。側面ですから必ず付随しています

そもそも論としてあらゆる組織はその構成員のためにのみある。もっと言えば人間組織を作る理由自分を守るため以外に何もありません。医師会組織です。組織であるなら構成員の為にの医師会が行動を取ることは当たり前の話です。人間すべからく利己的なので、医師利己的です。そしてあらゆる集団利己的な目的にのみに基いて組織されます。そこに例外はあり得ません。そのために医師会利己的です。利己であることは悪いことではありません。むしろ利己であることこそが、自身自身として力強く地を踏む最低限のものです。

スキャンダルが悪いとしても、悪いのは政治家医師ではない。権力監視できない全ての責任だ。

私は政府中央というものが大嫌いですが嫌いだからと言って、叩いていいとは思わない。無駄だとも思わない。不正義だとも思わない。ただ嫌い。私の政治思想合致しない。でも私の政治思想は正しくないので、社会がどうあってもそのままそれでいい。

そんなことを思う。政府なんてものシュリンクの極限で、機能しなくなるくらいが丁度いい。レッセフェール社会は良くなることはないかも知れないが、レッセフェールで良くならないならそれはそれで歩むべき道なんだよ。国家なんて要らない。それで人類が滅びても、歪な状態で生き長らえるよりはずっと良い。それが私の政治思想です。完全自由主義です。ノーランチャートの右上です。が、しかしそんなことを思う人がこれ以上増えてはいけないと思う。

とりあえず良識のある市民の方々はがんばって libertarian というダークサイドまで堕ちてこないようにして欲しい。

2021-03-06

雑誌映画秘宝』の記憶(3)

今回の俎上に上げるのは、てらさわホークです。

人間性には問題が有ったかもしれないが、彼ら(町山智浩柳下毅一郎高橋ヨシキてらさわホーク)の本業である映画について書かれた記事や本をこれまで読んで楽しませてもらった」と言う人も散見されます。そこで今回は「そもそも、彼らの本業の部分である映画について書く/語る能力』も、本当は怪しいものではないのか?」と云う点について、てらさわホークを事例として書きたいと思います

雑誌映画秘宝』では近年、クリストファー・ノーランディスる傾向が見られました。おそらく、柳下毅一郎クリストファー・ノーランを嫌うようになった事が原因なのだと思います雑誌映画秘宝』のホモソーシャル環境の下、柳下毅一郎オジキのご機嫌を損ねないように、子分たちは必死クリストファー・ノーランを腐すことで忠誠心を示していたのです。それも『映画秘宝』内部だけに留めておけば、馬脚をあらわさずに済んだのかも知れませんが、今となっては完全に後の祭りです。

発端は、映画マン・オブ・スティール』が公開された当時、てらさわホーククリストファー・ノーランを叩く記事を『映画秘宝』以外の場で執筆したことでした。ちなみに、本作におけるクリストファー・ノーラン原案製作であり、監督脚本ではありません。監督ザック・スナイダー脚本原案デヴィッド・S・ゴイヤーです。

てらさわホーク執筆した記事は、大まかに言えば「原作過去スーパーマン作品には無かった要素や描写を、クリストファー・ノーランが付け加えた事によって映画マン・オブ・スティール』は出来が悪くなった」と、ノーラン糾弾するといった内容のものでした。ところが、てらさわホークよりもアメコミ事情映画に詳しい(だけでなく、作品との向き合い方についても遥かに誠実な姿勢の)人がはてなユーザーの中に存在した為に、てらさわホークの怪しい点が明るみに出ることになりました。この人が「てらさわホークが『原作過去スーパーマン作品には無い』として挙げた事柄は、実際は、いずれも原作過去作品の中で描かれている。てらさわホークは、原作であるアメコミをきちんと読んでいないのではないか?」と、てらさわホークの『事実誤認』を指摘する記事はてなブログにアップしました。

この指摘について、てらさわホーク反論文を自身はてなブログにアップしたのですが、この時、てらさわホークは『致命的と言ってもよいミス』を犯しました。何と、てらさわホークは「それらが原作アメコミで描かれている事実について、自分も知っている」と反論したのです。その結果「知っていたのならば、ノーランイメージを悪くする事を意図して『ノーラン原作過去作品には無かった要素を付け加えた』と云う嘘を故意に書いたのではないか?」と、てらさわホークには新たな批判が向けられる事態になりました。この新たな批判には答える事が出来なかったため、てらさわホークブログコメント欄を閉鎖して現在に至ります

実際にどのような遣り取りがされたのかに関して興味がある人は、はてなブックマークなどで検索してみましょう。今でも読めると思います

現在てらさわホークは、アメコミ原作映画に関連する仕事を幾つも手掛けているようですが、彼が本当は「アメコミ事情に暗くて知識に乏しい」のか、それとも「知識は有るが何らかの理由が有れば平気で嘘を書き散らかす」のか、プロフェッショナルライターとしての自身能力姿勢を、てらさわホークは明らかにするべきではないでしょうか。個人的には後者だと推測していますが、このように能力疑念を抱かれるようなライターが「アメコミ有識者であるかのように居座り続ける事を許している現状を見ると、本邦の映画ライター業界は余程の人材不足なのでしょうね。

ところで、パワハラ問題の発覚後の3月1日に柳下毅一郎Twitterで出した謝罪文には「ヨシキくん」の文字は有れど、てらさわホークの「て」の字も見当たりませんでした。もしかして高橋ヨシキ『ら』」と書いてある『ら』の字が「て『ら』さわ」の『ら』の字なのでしょうか?あれだけクリストファー・ノーラン叩きを頑張ったのに、てらさわホークに対して柳下毅一郎は少し冷たいと思います。『事実誤認』の指摘に対する反論文をブログにアップした時も、てらさわホークは「どうしてクリストファー・ノーランに対して(自分は)カリカリしてしまうのか」と白を切って、ノーランを叩く理由について口を割らなかったんですよ。子分の鑑じゃないですか。

そんな頑張り屋さんのてらさわホークには、せめて柳下毅一郎ぐらいは是非とも優しくして上げて欲しいと思います

気が向いたら、また書きますね。アーメン

2021-01-23

とある映画館スタッフが今更ながらこの一年を振り返ってみたんだけど

結論から言うと、映画館は閉めて補助金くれ。 これに尽きる。

去年の一月から二月は平常運転だった。

ただ、パラサイトが大ヒットしてミッドサマーが予想外に大ヒットしている間、ニュース流れる感染話題に若干の不安も感じつつあった。

三月になる頃には、子供向けの映画が延期になり始めた。しまじろうアンパンマンクレしんドラえもんそしてコナンなどが次々と延期になっていった。閉めなくていいのかな?映画館内にそんな空気が漂い始めていた。

三月上旬マスクは7割ぐらいのスタッフが着用。中旬ぐらいからは着用が義務づけられたがしかし、既に市場から消えていたので消毒液もマスク支給されず、ティッシュを中敷きに同じマスクを使い続けることに。

三月下旬から都市部映画館が週末休館に。都会は大変だねーと愚痴りあう余裕はまだあった。

四月、ついに都市部緊急事態宣言が。映画館も終日休館となり、地方映画館は流す映画がなく旧作でご機嫌をうかがう日々。レイトショーもこの頃やめたんだったかな。

ミニシアター危機が叫ばれていて、映画館スタッフであるとともにいち映画ファンである私はクラウフドファウンディングお金を投下し続けた。ちなみにとある映画館は全国規模のやつなので資金は潤沢と言われていた。マジかよ。じゃあもっと金くれよ。

四月中旬、全国の映画館が一斉休業に。仕事ゼロになった。保障があるとかないとかニュースで流れていたけど、まだ決まってないか有給を消化するんならしてくれと人事から言われた。正直、休館になったことは仕方ないぐらいの感覚だったし、保障さえされるのなら出たくなかった。とにかく金だ。金さえ貰えれば。ミニシアターの援助してる場合じゃないのかも…と思い始めた。

五月中旬緊急事態宣言が解除され、多くの映画館営業が再開。感染予防策がえぐい座席の間隔や検温やマスク着用はいいけど、毎回のアルコール消毒にポップコーン提供時の専用手袋配布などほんとにここまで出来るのかな?と思う程の徹底ぶり。マスクしてないお客さんが来たらどうするのか?配るマスクは用意できるのか?不安は尽きない。

六月、全ての映画館が再開。長きに渡る感染予防対策の幕開けである。上映する映画が圧倒的に少ない為、寅さんマーベル作品など旧作と新作(とはいえ休館前に上映していた作品)が半々。お客さんはまだまばら。時短営業間引き販売と弱い作品群で売り上げは侘しいものに。経費と売り上げで言ったら経費の方がかかっているのでは?

六月末、ここで映画館救世主ジブリ投下。これはマジですごかった。ゲドを除くすべてのジブリに人が押し寄せ、ポップコーンも売れたしやっと売り上げが上向き始めた感覚

それと同時にこの辺りから本格的なお客さんトラブルが起こり始める。

マスクをつけないのはポップコーン食べる以上しょうがない部分もあるけど、とにかく座席の間隔を空けてくれないのだ。

感染予防で一席一席に張り付けていった”この席には座らないでください”の紙なんて丸っきり無視。平気で剥がしたり上から座ってグチャグチャにする。注意しても無視家族なんだからいいだろ?と怒られる。そして食べながら会話する。必死注意喚起しても聞いてくれない徒労感。

注意以外の作業スタッフの心と体をジワジワ蝕む。こまめな清掃がマジでキツイ。手すりを拭きまくりドリンクホルダーを拭きまくりトイレを拭きまくり… 手袋はしているものの、手は荒れマスクで酸欠状態に。マスクの上からフェイスシールドつけてた時期もあったな… あれはいけない。息ができないんだ。お客さんの声も聞こえないし、撤廃になってよかった。

七月、今日から俺は!が始まり客層がさら悪化。全く注意を聞いてくれない。もともとあった、スマホ使用や会話などの映画館マナー破りに加えての感染予防対策無視攻撃

大ヒットしたら普段映画館に来ない人たちが来る、それは当然だけど同じように当然のごとくマナーの悪い人たちが増えるという現実

普段から映画館に来ているお客さん(マナーに厳しい)とそうでないお客さん(マナー無視)との板挟みになるのはいだってスタッフ。そうなんだ。

スマホの光でいら立つ気持ちはわかる。べちゃくちゃ喋られて気分が悪いのもわかる。けど、矢面に立たされて謝罪するしかないスタッフ気持ちちょっとだけでいいか想像してみて欲しい。我々はいつも注意してる。気付く範囲で注意してる。何もしてない訳じゃないんだ。それだけはわかって欲しい。あいつがくっついて座ってる、あいつがマスクを外して見てる、わかった、わかったから全てコントロールするのは不可能だと仮定してくれ。あと、そこまで不安だったら映画館に来ないでくれ。

八月、ジブリ今日俺ショックも収まりドラえもんは予想を下回る客足。毎年地獄のようになるお盆興業が初めてお盆興業でなかった夏。感染者は出ていたけど、今思えば全然控えめな数字だった。あの頃間引き販売で今の数千人規模で全席販売っていうのもおかしもんじゃいか


九月、伊勢谷友介さん逮捕とんかつDJはどうするんだよ…!


同九月、待ちに待った洋画の大作が公開。待ってたテネットありがとうノーラン草なぎさんのミッドナイトスワンも期待以上の集客だった。そしてこの二作品は客層がいい!

もともと、オタク気質の強い人が多いアニメ作品は、ポップコーンやグッズの売り上げも良いしマナーもきちんと守ってくれる(絶対一席づつ空けてくれる)のでありがたい限りなのだが、この辺りの作品もみなさん協力的で嬉しかった。

そして十月。鬼滅だった。鬼滅一色だった。コロナなどなかったように、映画館に人が押し寄せた。同時にマナーの悪い人たちも帰ってきた。むしろ大幅アップした。

公開にあたり、厚労省から映画館感染リスクが低いか飲食オッケー”とのお墨付きが出てスタッフは色めき立ったが、別のどこぞの省が待ったをかけた為とある映画館間引き販売をやめてドリンクのみ販売に切り替え。ただし、フードの販売禁止ではなく持ち帰りのみ可という建前で販売したせいで現場は大混乱。

まず、先日まで間引いていた席を全席開放したことに怒る常連客の発生。映画館に来た上で「どうして間隔空けないの!危ないじゃないの!」って理不尽過ぎないか

そして、先日まで飲食可だったスクリーン内でドリンクしか飲めないことに怒るお客さん。飛沫感染防止の為なので…と言っても聞いてくれない。勿論部屋に入ったら食べ始める。ポップコーンを?いや、持参したおやつを。

持ち帰り分だと言って購入したポップコーンを場内に持ち込み、上映が始まったらこっそり食べ始めるお客さんも続出。そうまでして食べたいかポップコーンを。注意したらさっと隠してスタッフが離れたらまた食べ始める。いたちごっこである

十一月、鬼滅は引き続き大ヒット。週末は全席販売ドリンクのみ可、平日は間引き販売でフード類可という変則的ルールのせいで混乱を極める現場スクリーン内でポップコーン食べてるお客さんを見つけて「コラー!」って注意したら平日だったなんていう悲劇も聞こえてきた。マスクはすっかり定着し、稀に見かけるしてないお客さんもマスクを渡せば極めて協力的な態度。

十二月、ついに全席販売下での飲食も解禁。十二月後半、鬼滅がさらブーストをかけるべく4DX、MX4Dまでも上映開始。アクキーと新たな入場者特典効果でまたもや映画館は満杯に。

感染は着実に増えていたのに、信じられないほどのお客さんでごった返すスクリーン。周囲ではコロナ感染や濃厚接触情報が飛び交っていたが、鬼滅で2500万密状態だった映画館ではクラスタが発生していなかったのでどこか現実味がない。そして増え続ける感染者。

現在一月中旬、鬼滅の熱狂も落ち着き、銀魂は初週の鬼滅ブーストのみでその後の動員は凪状態緊急事態宣言は出されたがレイトショー含む少しの時短のみで通常営業。再び洋邦画の大作が延期され始め、やっとヤバめな空気映画館にも漂い始めた。

映画館は換気が徹底されているし消毒も頻繁に行っているし、なにより会話が少ないか感染リスクが低い。

しかにその通りかもしれない。

でも、現場スタッフ懐疑的だ。だって絶対来てるから。無症状の感染者、症状あるけど来ちゃってる感染者、絶対いるから。

入り口で検温やってるけど、正直あの機械まり当てにならないから。測るたびに違う温度出るし。

ゴホゴホせき込むお客さんが来るとする。どうすると思います?注意する?帰ってもらう?言えないんですよ。様子見です。さすがに一時間咳っぱなしだったら一回出てもらいますけど、それだって注意に行ける通路寄りの席なら可能だけど奥の方に座られてたら行けないですし。

クラスタは発生していないかもしれないけど、把握出来てないだけなんじゃないかと思う。

から、お客さんも落ち着いてて新作も軒並み延期になりつつある今、映画館は思い切って閉めたらどうかな。そして国は補助金を出してくれ。とある映画館のような資本金の多い会社はいいから、ミニシアターには補助金を出してくれ。そして安心して休業させてくれ。空気だけで圧かけて自粛させないでくれ。正直映画館はもうギリギリだ。(他の業種もだろうけど)

今書いた一年間がもう一度繰り返されるかもしれないと思っただけで窒息しそう。

いつかコロナが落ち着いて、洋画の大作も世界中の人たちが安心してみられるようになった時、肝心の映画館が息していないんじゃあ意味がないじゃないか

金をくれ。そして映画館を閉めてくれ。明日の為に閉めてくれ。

2021-01-16

anond:20210116094609

日本の政治家は右左の視点で見ることあべこべから右翼左翼がみたいな党派性で見ること自体が混乱を招く

ノーランチャート判断するとこの人の考え方ライトウィングにもレフトウィングにも寄ってなくてポピュリズムじゃんみたいになりがち

ノーランチャートで察したかもしれんけど俺はリバタリアンからリバタリアニズム系の経済しか読んでないし日本の政治には興味も期待もない

でも少なくとも左右の1軸よりノーランの2軸で考えるのは有用だと思う

2020-12-21

TENETとノーランの嫌いなところ

からくり面白いと思った。説明の仕方とかは微妙だしもっとなんとかやりようがあったんじゃないのと言う気がしたけど。

でもそれよりなによりこれが映画としてダメでクソだと思うのは、任務のためなら自分の命も他人の命も意に介さないはずの主人公が、なんの縁もゆかりもなくたまたま出会っただけで内面も何も知らない女のために恋愛なのか同情とか憐憫なのかしらないが世界危機晒して平然としているところ。

女についてわかってることは見た目がすごく良くてなんか境遇ちょっとかわいそうということだけ。息子命というが何故息子がそんなに大事なのかも明かされない。(息子が実は世界滅亡の鍵だとかいうならよかった)

でもノーランの中で、以下の2点については説明する必要がない宇宙の真理なんだろう。

1. 綺麗でかわいそうな女を助けるために世界犠牲にするのは当然

2. 母親子供に向ける愛情無償で唯一無二のもの。そこに説明理由はいらない

一生懸命世界の仕組みについて考えてても、この2点がドーンと出てくるとなんかどうでもよくなって考える気をなくす。

インターステラーも、結局鍵は愛!みたいなオチちょっと白ける気持ちにもなったけどあれはまあ強固な親子の愛が世界を救った!ていう筋書き自体破綻してなかったからともかく、この主人公の男とロシア人の妻ってなんの縁もゆかりもないからね???しか世界破滅させようとしてるし。とにかくそこがアホくさくて見るものをしらけさせる、なんか時間無駄にした気にさせてくれる映画だった。

ノーランの中には小難しいことを一生懸命考えたいオタクノーランと、頭がパッパラパーでとにかくかわゆい美人理由なく世界をめちゃくちゃにしてでもラブラブしたい恋愛脳男ノーランがいて、その二つを詰め込むとこういうクソみたいな映画が出来上がるんだろうなと思った

ていうかこいつはラブストーリーを舐めてる。見ていてこっちも恋に落ちるような説得力のあるものが見たいのに、見た目がキレーイ!!モデルみたーーい!!そして境遇がかわいそう!!てそれだけじゃ恋に落ちねーし憐憫や同情で世界犠牲にしていいなら任務の途中で犠牲にしてきた市民の皆さんにどう申し開きするんですかね

2020-11-01

ネット最初のシーン結局何だったの?っていうのの考察ネタバレ有)

クリストファーノーランの「TENET」は考えれば考えるほどよくわからなくなってくる映画だ。

この映画では大きく分けて4つほど大きなイベントが発生しているが、どのイベントでも複数人物が各々の思惑で動いているうえ、常識的にあり得ない時間の流れ方が一部に起こり、尚且つ一つのイベントがより大きなイベントの一部であったというような入れ子構造になっていたりもする。人類の命運をかけたヒーローヒール一騎打ちだとか、国家総力を手玉にとったクライムアクションとして扱うには話が複合的過ぎる。

それでもなんとかストーリーの流れは把握できてそれなりには楽しめた。生意気を言うと映画作品の出来としてはちょっと言いたいこともあるけど、好事家同士で談義したり一人で考察を広げたりしがいのある作品であることは確かだと思う。

先々週の日曜に初めて観たあと、気になった部分を確認するため先週末に再び映画館に行った。パンフレットあいにく売り切れていたのでAmazonで注文することにした。

二回見てある程度自分解釈が固まってきたので言葉にまとめようと思う。


劇中内でいくつか引っかかるシーンがあって、それが集中しているのが冒頭のウクライナ国立オペラコンサートホールでのテロ事件シークエンスである

このシークエンスを手短に解説すると、

1998年ロシアミサイル基地から行方知れずとなってしまったプルトニウム241(以下241)という危険物質を、CIAスパイウクライナ政府関係者に成りすまし入手した。

しかしその情報リークしたロシアウクライナ?)政府オペラコンサート爆破テロに見せかけて強奪しようとする。

主人公たちのチームもCIAスパイで、ウクライナに潜入中の仲間の救出と241の保護のためテロ制圧しようとコンサートホールに乗り込む…

といったあらすじである一見しただけはこれだけでも把握するのが難しく、詳細を解説したいのは山々なんだけど話が長くなるので割愛する。

自分が気になった部分を記述していく。

まずこのシーンでの主人公周りの描写においてその後のシーンと辻褄が合わなかったり奇妙な部分がちらほらある。

主人公は持ち物置き場からウクライナ潜入者のバックパックを探し出し、中から241(観た人はわかるが実際は奇天烈な”アルゴリズム”)を運び出している。だが後々のシークエンスで再び241を見た際に「これはプルトニウムじゃない」とか「プルトニウムじゃないなら(敵に)渡してもいいんじゃないか?」と不可解な発言を行う。

また冒頭部分では度々「黄昏に生きる 宵に友なし」というホイットマンの詩の一節を合言葉として用いているが、その後セイターにそのフレーズを投げかけられた時は「それがどうした?」とばかりに呆けた反応を示していた。セイターは主人公CIAか確かめるために組織で使われている合言葉でカマをかけたんだという解釈をしている人を見かけたが、プリヤが言うようにセイターは元から241を奪取した主人公を襲撃して横取りする手立てだったので、セイターが主人公の素性に拘る必要性はあまりない。それに外交員という見え見えな嘘で近づいて241のことをまくし立てる主人公を見て、テネット組織存在を嗅ぎ取れないほどセイターは鈍感でもなければ情報を知らないわけでもないはず。

最後に、コンサートホールから逃げ込んできた主人公と同僚は逃走用のバンに乗り込むが、「違う男だ」という支離滅裂言葉を浴びせられた後に殴り倒され人気のない列車の車庫基地拷問を受けることになる。主人公拉致たこの一味は何者なのか、「違う」ということはどんな男が乗り込んでくることを想定していたのか、様々な点で確信できる情報がなくこのシーンは謎に満ちていて解釈が難しい。

ここで僕がたてた仮設というのは、あのコンサートホール主人公は二人いたのではないか?というものだ。

ご存じの通りスタルスク作戦でテネットアルゴリズムを手に入れた後、全てを知った主人公世界の均衡を守るために過去に戻りテネットを創設することを示唆して物語は終わる。

ニール未来主人公の指令で派遣されてきた未来人で彼がテネット組織したという説が根強いけど自分はそうではないと思う。長期の逆行自体危険リスクの高い行為であり、かつそれだけの逆行を経てもあの若さであるということは幼く経験が乏しいころに指令を受けたことになる。それよりも主人公自身が逆行を重ねて各時代ごとに指示出せば、もし主人公の身に何かあっても誰かが跡を継げるのでよほど現実的ではないかニールが「君は物語中間地点にいる」「僕は過去に君に会って、君は未来に僕に会うんだ」といった感じの台詞うろ覚えすまん)もそう考えるほうがしっくりくる気がする。重要事件であるフリーポートの件で、回転扉から出てきたマスク男の正体に最初は気がついてなかったりと、事の顛末を知っている未来人とするにはニール無知すぎる気もするし。)

コンサートホールには何も知らずにただ爆破テロ被害を最小限にすることに勤しみ、謎の男が逆行弾を放つのを目撃してから拷問を受ける主人公Aと、実はテネットメンバーであるウクライナ潜入者とアルゴリズムコンサートホールから救出するために未来からやってきて奔走する主人公Bがいたのではないだろうか。

このシークエンス中ずっと主人公の傍らにいるジョセフゴードンレヴィット似のCIA工作員(以下ジョセ)がいるが、彼もテネットメンバーでありアルゴリズム保護作戦の補助と主人公Aの警護が彼の役割だったとする。ジョセは皆で物置に入って防護服から着替えていくところまでは主人公Bの傍らにおり、その後主人公Aがホールから出るのを待ってAと共に車に乗り込んだと考える。「黄昏~」の合言葉はテネット内で使われる言葉でありウクライナ潜入者、主人公B、ジョセ、ニールの間では通じるが、主人公Aは当然そんなもの知らない。

そう考えれば合言葉を使いこなしアルゴリズムバックパックから取り去った主人公Bの活躍は、主人公視点に立てば物語の一番最後となるためそのあとのシーンの主人公が諸々知らないことにも納得がいく。劇中における物語の始点は主人公Aが逆行弾を目撃するシーンからというわけだ。

そう考えると例の拷問シーンや、カモフラージュのために組織メンバーは皆服装を変えているのに主人公だけはずっと防護服を着ていることも説明がつく。

「違う男だ」という台詞主人公Bを捕まえるつもりがAの方を捕まえてしまったということだ。ぱっと見ではジョセがウクライナ潜入者の影武者になったということのようにも見えるが、リスクヘッジとしてあまりいい考えとは言えないし、ジョセが一番最後ホールから出てきてはその意味がないので妥当解釈ではないはず。あの一味はアルゴリズム強奪という目的以外にテネットに関する情報を掴みたかったのではないだろうか。

主人公が飲んだ偽装自殺ピルも実は製造にテネットが関わっているのかもしれないと思ったけどどうだろう?普通毒薬を回転扉を介することであのピルができたりしないだろうか?エントロピーの減少とかよくわかんね)

この説明を聞いて「結局アルゴリズム取られてもう一回タリンで奪取しに行ってんじゃん。逆行してきたんならなんでキエフ作戦失敗するんだよ」とつっこみが入りそうだ。この点は逆行経験者は常人とやや異なる思考をするためなんだと思う。「空ってわかってんだからわざわざ車越しにケース受け渡しするの無駄じゃね?」と一瞬感じてしまったりするセイターが仕掛けた挟撃作戦のまどっろこしさや、ニールの「起こったことは変えられない」という言動からかるとおり、未来を知っていてその行為自分にとって不利益になるとわかっていても、最終的な結果に至るプロセスに絡んでくるなら避けようがないし、パラドックスを起こしかねないので避けようとするべきではないと逆行経験者は考える。キエフタリンの失敗があったからこそスタルスクの戦いが成功したんだと認識しているはずなのだ

主人公覚醒後に君はテスト合格者だと告げられるが、安全のために未来から来た主人公はテネットメンバーにも素性を明かしてない

このオペラコンサートテロ事件ロシア政府CIAが241をめぐって攻防を繰り広げるという風に説明したが、描写される情報が少ないために鑑賞しただけでは如何様にも解釈ができる。

第一1998年ロシアから241がなくなった事件の際実際何があったのかはよくわからないし、その後の20年近く241がどんな環境に置かれていたのか、なぜ今はウクライナにあるのかも把握しようがない。CIAが戦っている相手ウクライナ特殊部隊変装したロシア人なのか?それともロシアに脅しをかけるため241を利用しようとしたウクライナ政府が、ウクライナ部隊を借り出して工作しようとしているのかもどちらか断言はできない。CIA及びテネットも事前にいくつかワッペンを用意していた辺り当人たちもそこらへんはっきりわかってないようだ。


ここからは僕の想像しかないが、実はこのテロ事件はセイターが裏で仕組んでいたことではないだろうか。

まりスタルスクの企みから少しでも目を逸らすため、またタリンでの241強奪に繋がる道筋を作るために、コンサートでのテロが引き起こされるよう各要人をセイターが誘導していたのではなかろうか。

アルゴリズムを集めることをライフワークとしていたセイターは241の行方についても常に関心を払っていた。それは主人公よりも先にタリンで241の受け渡しがあることを知っていた部分で顕著に現れている。(セイターのアジトタリンにあることから、セイター自身タリンまで241を運ばせた可能性もある)セイターはウクライナで起こった事件の詳細を把握していたはずであり、把握するために自分や部下を現場派遣していたと考えるのが自然だろう。

アルゴリズムを起動しようとしていた時にセイターはハノイ沖のクルーザーに居たが、このセイターは未来から逆行しやってきた個体である。では順行時間軸上のセイターはどこにいたのか?というと劇中明示されていないのではっきりとはわからない。セイターもキエフにいた可能性は大いにある。

スタルスクに側近ボルコフがいるため、キエフでのテロに一枚噛もうとしていた場合セイター本人が赴いて事態確認するのは道理にあっている。また物語上の動機付けとしても妥当であるように思える。

僕が思うにセイターはこのテロに、未来から来た主人公拉致拷問にかけるという裏の目的を忍ばせていたのではないだろうか。そう考えれば、主人公Bが車に乗り込んだ後の「違う男だ」という台詞とも符号する。主人公Aを捕まえる魂胆だったセイターの手先が、間違えてBを車に招き入れてしまったためにあのようなリアクションになったのではないか

セイターが終盤しげしげと眺めていたあの銀色カプセル。あれはタイトルロール主人公が飲み込むのに失敗したあのカプセルではないだろうか。

主人公に帯同したジョセも主人公Aを逃すためにBを囮にし、かつ主人公Bがテネット保護されるまで時間を稼ぎ守るという使命を負っていたのではないだろうか。ジョセは主人公に飲ませるための特別カプセル携帯しておりそれを飲ませたのだ。

ネットという映画の全編はスタルスク挟撃作戦内包した壮大な挟撃の戦いとも言えるわけだが、話は劇中を飛び越えて、さら未来から逆行しながらテネットを指揮していく主人公と、何十年も前から順行時間上でアルゴリズムを集め世界攻撃し続けるセイターの幾度にも渡る戦いがあるような気がしてならない。テネットストーリーもまた長年の戦いの一部というわけだ。さらにいえばセイターを操る上位存在である未来人とそれに拮抗する現代人の戦いでもある。

こうして映画という枠を超えた途方もない入れ子構造想像したとき僕はロマンを感じたし、ストーリーの背景にある物語を観客に思惑させられるノーラン作家性にただただ舌を巻くばかりである

ブログ用として1か月半前に8割がた書いたものの、そのまま放置してしまった文章をまとめました。気がついたら11月になり世間鬼滅の刃ブームの真っ只中。完全に時季外れとなってしまいましたがせっかく書いたのでここに流します。

これを書いたあともう一回観に行きました。Blu-rayも特典目当てで買うと思います

現代の各地に存在する回転扉についての解説や、タリンクラッシュしたセダン風力発電所からネット研究所へ移動する際に使われていたものと同型ではないか?という考察など、他にも気になる点があるので機会があればどこかに書いておきたいです。

2020-10-04

二度目のTENET

一度目のテネット寝落ちしてしまったので、今日は体調を万全に整えて二度目の鑑賞に挑んだ

今回はだいぶ理解が進んだが、不満点は、うんちが肛門に戻るシーンがカットされていることだ

弾が銃口に戻っていく描写よりもよほどわかりやす世界観表現できるのに

ノーランは本当にわれわれのニーズが分かっていない、配信までにカット追加しといてよね!

とうんちを我慢しながら思った

2020-09-29

anond:20200929083122

「実写を売りにすることによって宣伝効果を出している」←まさにその通り。

ノーラン普通にCGを使っている。

ノーランは「映像を撮るためにこんな努力をしています」っていう前情報の出し方がうまいんだよね。それが迫力を生む。映画のものよりうまい

今の時代実写にこだわる必要ってあるの?

ノーランお前のことだよ。CGも実写も区別つかない今、実写にこだわるってただの老害じゃねえの?

それとも実写を売りにすることによって宣伝効果を出しているの?

あとテネット映像面白かったけど脚本はおもんない。

2020-09-24

『テネット』観てきた!

 クリストファー・ノーラン監督映画『テネット』を観てきた。2時間40分という上映時間ビビリながら映画館に行ったが、冒頭のテロのシーンから一気に映画世界に没入し、楽しむことができた。真の敵の目的の壮大さに呆れ、「順行時間」と「逆行時間」が入り乱れるアクションシーンの精密さとそれを支える撮影技術に舌を巻き、あの一言はこういう伏線だったのかと最後に驚く、楽しい映画体験だった。

 楽しむことは出来たのだが、100%理解できたかといえばそうではなく、正直「逆行」とか過去時間で並行に起こる出来事とかよく分からなかった。思わずパンフレット買って帰ってしまった。読んでもイマイチ理解できず、ファンの皆さんによる解説ブログなどを眺めていた。眺めているうちに、これはもう映画をもう一度観るしかないなと思った。

 

 ところで以前、同じくノーラン監督映画インセプション』を観たときも、分からないと思ったことを思い出した。『インセプション』について調べると、Amazonプライムビデオ配信していた。思わず、観てしまう。

 すると、なんと、分かった。

 以前観た時は、観ているうちに分からなくなってしまった夢の多重構造と話の筋がすっと頭に入ってきた。そしてびっくりするほど面白かった。むしろ何で分からなかったんだ過去自分馬鹿なのか。

 途中、元妻との話が少し過剰なのではなどと思ったりもしたが、あのラストに繋げるためと思えば納得。仲間を集めるところも「お約束感」がありながらもワクワクした。そしてコマ重要アイテムであり、トーテム。あのラストですよ、コマと夢と現実と。

 思わずコマ、買ってしまった。

 公式のではないけど、「インセプション コマ」で検索すると出てくるパチモンコマ。800円ほどだった。

 

 まもなくコマは届いた。過剰に大きな段ボールに包まれてやってきたコマ。謎の金属製で、ひんやりとしていた。手に持つと、小さな割にはずっしりと重かった。これでインセプションごっこができる。

 さっそくリビングテーブルの上で回してみる。

 指の捻りと共にテーブルの上に落とした。勢いをつけてコマは回りだす。回りだす。回り続ける。

 あれ、と思う。

 コマは回り続ける。倒れない。

ちょっと、これ観て」

 ダイニングのソファーで寛ぐ妻に声をかけた。彼女は回り続けるコマを観ても顔色を変えなかった。そして一言

「私はあなた投影から

 この文章を書いている間も、テーブルの上では、コマが回り続けている。

 逆行のためのゲートはどこにも見つからない。

anond:20200924160231

ノーランって長嶋茂雄っぽいよな

大げさで意表をつくことで人気者になり狂信的なファンまでいるけど、実は実績はそれほど出してない、あと正常と電波のギリな所攻めてる感じ

少なくとも王ちゃん系ではない

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