はてなキーワード: 初恋とは
俺はゲイなんだ。初恋の相手は男だったし、今まで生きてきて男としかセックスしたことがない。
でも最近、もしかしたら俺は生まれつきのゲイではなかったのかも知れないと思い始めた。
少し長くなるかも知れないが、読んで、そして率直な感想でも良いからコメントをくれれば嬉しい。
俺が初めて男とセックスしたのは10歳の小学校4年生の時だった。
相手はサッカークラブのコーチだった。当時の俺はすごくサッカーに熱中していて、クラブの時間も、放課後も休日もサッカーをしてない時間はないくらいだった。
当時俺に指導してくれていたサッカークラブのコーチは熱心な人で、厳しい部分もあったが基本的には生徒思いのコーチだったと思う。
そんなコーチと初めて性的な接触をしたきっかけは、俺が休日にもサッカーをしている話をしたことだった。
「そんなにサッカーが上手くなりたいなら、俺が時間がある時なら休みの日でも練習を見てやる!」
コーチの住んでいるアパートは、俺の実家からそう離れておらず、休日の練習場所にしようと約束した公園もアパートと実家の中継地点にあった。
しばらくの間、休日にサッカーの練習を付き合ってもらっていると、ある日コーチが「今日は練習疲れたろ?俺の部屋近いから休んで行けよ」と言ってくれた。
俺は当時、特に考えもなく「ありがとうございます!」とふたつ返事でコーチについて行ったと思う。
コーチの部屋は物が多いのか少し散らかっていた。コーチが部屋で飲み物の準備をしてくれているのを待つ間、ぼーっと部屋を見回していた時に、ある物が目に飛び込んできた。
エロ本だった。コーチは一人暮らしだからか、エロ本が隠すことなく部屋の隅に積まれていた。
エロ本、当時の俺はサッカーと同じくらいエロいことに興味があった。中学生の兄がいたので、兄の部屋に忍び込んでは押し入れに隠してあるエロ本を読んでいた。
当然、俺は興味があるそのエロ本を「読んでみたい…」と凝視していたと思う。
飲み物の準備を終えて持ってきたコーチはジュース片手に「何だ、興味あるのか?」と笑っていた。
俺がエロ本の表紙を凝視しているのが視線で丸わかりだったのだろう。
俺は「あります」と照れ笑いしながら答えた。するとコーチは「良いぞ」と言いながらエロ本を持ってきてくれた。
俺は「エロ本は大人しか読めないのに、読ませてくれて良いのかな」なんてことは全く考えず、ここでも「やった!」とか単純に喜んでいたと思う。
しばらくコーチと一緒にエロ本を読んでいると、「その年でもうエロいことに興味あるんか?」と肩や腕を撫でてきた。
コーチはわりと練習の時から頭を撫でてくれたり足や背中を摩ってくれたりしていたので特に違和感はなかった。
いや、今思い返すと本当は「いつもより多いかな?」という疑問があったかも知れないが、それでもいつもしていることだった。
俺は当時、友達と性的な話をしたこともないし、兄の様子やTVなどの情報を見るにそういう行為を表立って話すのは恥ずかしいことだというのは認識していた。
だからコーチに聞かれた時も「僕の年齢でエッチなことに興味を抱くのは恥ずかしいのかな」と思った。
コーチの問いかけに対して肯定で答えるのも物凄く恥ずかしそうにしていたのだと思う。
コーチは「照れることない。お前くらいの年齢からちょうどエッチなことに興味が湧き始めるもんなんだ」と笑いながら教えてくれた。
その言葉に俺は安心した記憶がある。この頃はまだ陰毛も生えていなかったが二次性徴期が始まる頃に、
同級生より性の話に恥ずかしさが少なかったのはこの時期の経験があるからかも知れない。
性への関心からセックスの話をコーチに振ったのは俺からだったと思う。コーチは笑いながら「あるぞー」と答えてくれた。
俺はセックスってどんな感じなんだろうとずっと疑問だったからコーチに「エッチって気持ちいいの?」と質問した。
エロ本にはセックスはとても気持ちの良いものだと書いてあったからだ。
コーチは「気持ちいいぞ。みんな大好きなんだ。でも周りにそういう話をしたりしない。みんな秘密にしてることだけど。」と
俺は納得していた。セックスの話をしてる人なんて見たことないが、でも隠して独占したいくらい楽しいことなんだと。
そう思っていると、するするとコーチの手が履いていたハーフパンツの隙間から俺の太腿を触っていた。俺は少し、いやかなりびっくりした。
「こういう風に触り合うと気持ちいいんだ、気持ちいいか?」とコーチは言った。
ここまで書いていて俺は思った、俺は当時コーチと初めて性的な接触をした時のことは今でも鮮明に覚えているし、初めてコーチとアナルセックスした時のことも鮮明に覚えているし、
小学校卒業とともにサッカークラブを辞めてコーチと会わなくなるまでの間にしていたセックスの内容も、全部ではないが印象に残っている経験は覚えている。
その仔細をこの文体で描いていると創作エロ小説を書いている様な気分になるし、読んでいる人は「嘘柱 誇張しのぶ ホラの呼吸乙、釣られねーよクソ腐女子w」と思って俺が思ったことを真剣には聞いてくれないだろうと思ったので割愛することにする。増田は追記ができるので反応次第では追記するかも知れないが、俺の経験したエロ話は今回要点ではない。
俺が思ったことは、俺は当時、確かに性に対する好奇心は抱いていたが、勃起や精通もしたことがなかったし(俺が明確に勃起と精通を体験したのは小5だ)、男女への恋愛感情も抱いたことがなかった(初恋は中学校で知り合った同級生男子でコーチではない)。
俺は小学校の時男性コーチとセックスをしなければ、あるいは普通に女性を好きになり恋をして結婚。子供を作っていたのだろうか。幼少期のこの性的な経験が指向をねじ曲げてしまったんじゃないのか。あの経験がなければゲイにならずにノンケとして生きていたのではないかと思うことがある。
実際、Google検索すると、幼少期の性的トラウマが云々という話を見かける。しかし、俺はあの時を思い出して感情がフラッシュバックして鬱になり自傷や自殺未遂を繰り返す。ということはしていない。
NHK中学生日記では男子中学生に対する男性臨時コーチからの性的虐待がテーマとして取り上げた回があったが、作中で登場した少年はかなり思い悩み不登校になったりしている。
一方俺は、コーチとのセックスは当時かなり楽しんで行なっていた様に記憶している。でなければ、何年もの間セックスをし続けることはなかったと思う。
それはつまりあの経験はトラウマにはなっていない=あの経験と俺の性的指向は関係していないということなのだろうか。
覆水盆に返らず。当時の経験をなかったことにした現在というものは存在しないが、もしそのIFがあったら、俺はどんな今を送っているのだろう。そう思うときはわりと頻繁にある。
【終わりに】
俺はコーチと肉体関係を持った後、もう関係がなくなった現在でも、自分のこの経験を友人や知人、親兄弟に話したことはない。
それは単純に性的なことをベラベラと他人に話すものではないという思いとそれが男同士ならなお他人に言って良いことではない。
という認識が小学生だった当時から、今でも自分の固定観念の中に根付いているからだ。
俺が子供の頃は、同性愛というのはTV番組で笑いのネタにされたり、気持ちの悪い可笑しいことだとして扱われる風潮がまだ残っていた。
今でもそうだが、オネェタレントはTVではキワモノ枠で、決して美化されたり憧れられる存在ではない。
つまり、ゲイはゲイというだけでバカにされていじられる存在だと子供ながらに認識していて、そして自分はバカにされて
「ホモだ!気持ちわるい!」と周りから拒絶されるのが怖かったのだ。いや、大人になった今でも、実はそれがとても怖い。
コーチは結局、俺が高校生ぐらいの時、同じ様に自室にサッカークラブの生徒を連れ込みセックスをしていたことがバレて逮捕されていた。
(しかも複数人だ。当時から実は俺以外にも別の相手がいたのだろうか。)
当時、近隣住民や同卒の友人たちはその噂で持ちきりだった。「俺、あいつに体触られたことあるぜ」とか「俺、あいつの家に来ないかって誘われた」とか
その話の内容は、性犯罪の被害に会う危ない目にあったというより「ホモ、気持ちわりー」という嘲笑の内容が多分に含んでいたと思う。
それもあって、関連の話で盛り上がっている友人を何人か見たが、俺はなるべく話に関わらない様にしていた。
また、俺は被害を訴えようと思わなかった、それはやっぱりコーチへの憎しみ(さほどなかったが)よりも、その経験がバレたことで周りから拒絶されることが怖かったからだ。
寒い寒いと言いながら、三時のおやつでも食べようかとリビングに降りてきた私に、キッチンから父がボソッと声をかけた。
「エアコンなら、母さんが業者呼んで清掃してからじゃなきゃ使わん言ってたから、つけたら怒られるぞ」
はぁ?という顔をしている私に、いらんといったのが聞こえなかったのか、みかんを手渡しながら父が言う。
「なんで寒くなる前にやっとかんかったんだって話よな。そんなこと言ったら、怒られるから絶対言わんけど」
からからと笑う父。手に持つマグカップには湯気の立つコーヒー。テーブルに目をやると、みかんの皮が散乱している。
ソファの背もたれにかかっていたひざ掛けを腰に巻いて、リビングのテーブルにつく。渡されたみかんを揉みながら、
頼むより先に父はグラインダーに豆を入れていた。ブィーンという無機質な音が部屋に響く。
「みさちゃん、昨日の夜酔っぱらって、そこまで聞けんかったけど。この後どうすんの。そこらへん、母さんとは話したんか?」
「うーん」
どうしたものかと私は少し考えた。昨夜、久々に帰省した私のために、自宅ではささやかな歓迎会が催された(とはいっても少し豪華な寿司の出前をとったくらいだが)。食事を終えて、家族三人テレビを見ながらダラダラとお酒を飲んでいたのだが、父は早々かつ静かにリビングのソファに沈んだ。腹に猫を乗せて、スマホのバイブほどの小さな音量でいびきをかきながら寝る父をそのままに、母とは今後の話をある程度した。正味二時間ほどかかったその話を、今父にするにはまだ話をまとめ切れていない。母からは同姓として理解は得られても、父にはこの冗長な割に何も決まっていない私の現状を伝えても、ただ心配を駆り立てるだけではと不安になったのだ。
「まぁ暫くは休むよ。貯金もあるし。今はまだ動けん気がするし、何より少し疲れたわ」
みかんの皮をむきながら、はぐらかすようにそう答えると、コーヒーを入れる父の手に視線を移した。暫く見ない間にまた年季が入ったなぁと、ふとそんなことを考えた。
ここ数年、私(輝く三十代独身)はアメリカ西海岸の小さな広告代理店で仕事をしていた。小資本の飲食店や小売店なんかがメイン顧客だったので、今回のコロナによる各種制限後はほどんと仕事がなく、一部制限解除後もほとんどの店はコマーシャルを打つ余力はなかった。片手間に作っていた無料情報誌なんかは、コロナ対策のコラム等を差し込みつつほそぼそと発行を続けていたけれど、いつしかそれも限界に。結果、私はあえなく「状況が良くなったらまた声をかけるから、必ず戻ってきて」とお決まりのコメントと共にレイオフの網にかかったのである。こんな状況ですら私を限界まで雇い続けてくれた会社には感謝しかないが。
解雇後「とりあえず一旦リセットだな」と考えた私は、実家に帰ることにした。異性関係は、現地で交際していた男性と二年ほど前に別れた後はパッタリだったし、行きつけのチャイニーズレストランもコロナで潰れたので、かの地に私を繋ぎ止めるものはもう何もなかった。大卒後から今までずっと海外でもがいてきたこともあり、このひっくり返った世界を口実に、このタイミングで実家でゴロゴロしてやろうと、そういうことである。しかし状況が状況なので、帰国を決断した後も、やれ渡航制限だ、やれチケットの予約だと色んなことがうまく繋がらず、なかなか出国することができなかった。ようやく帰国の日取りが決まったころ、
「帰るで」
ポッと送ったLINEに、
「車で迎え行く!楽しみ!おめかししてく!」
と還暦も半分過ぎた母はノリノリで返信したにも関わらず、当日派手に寝坊した。私が期待していた、到着ロビーでの感動の再会(BGM:青春の輝き/The carpenters)は叶わず。実に四年ぶりの帰国はなんとも味気のなく、一人公共交通機関でと相成ったのである。
「あれな、『コロナだし、やっぱ行かん方がいいと思って』って言い訳しとった」
私の分のコーヒーを手渡しながら、けらけらと父は笑った。
「ほんと昔から適当な人。あんなんと結婚した意味が分からん。初恋の人とか言わんでよ?」
私が次のみかんに手を伸ばしながら言うと、
「初恋かぁ……」
ギリギリ聞き取れるくらいの声でボソッと言った後、父は一人モジモジしながら下を向いた。思えば父と母がイギリスで出会ったという話は聞いたことがあるが、初恋話となると聞いたことがない。恐らくこの人の初恋は母とは別の人と思うが、どうせ時間もあるし、掘れば面白い話が聞けるかも知れないと思った私は、
「そしたら、父さんの初恋っていつよ?」
別に話したくなければいいですよ、ええ。と二個目のみかんの皮をむきながら、興味なさげに聞いてみた。暫く返答がないので視線を上げると、相変わらずモジモジしながら、父は照れくさそうに顔を上げた。
「お墓に持っていくほどのものでもないし、話してもいいか。母さんには内緒だぞ?」
言うと父はテーブルの上のみかんの皮をまとめてゴミ箱に入れると、ゆっくりと向かいの席に着いた。
(結局話したいんでしょうに……)
「みさちゃんも墓参りの時に行った叔父さんの家、まぁあれは父さんの実家でもあるわけだけど、裏手に階段あったやろ。急なやつ。あそこを登ると昔図書館があったんよ。市立だか県立だか忘れたけど、そこそこ立派なやつがね。父さんは大学の受験勉強を毎日そこでしてたんだ。家だと兄弟たちがうるさいから」
父の実家は西日本の某所。坂の多い海辺の町だった。遠方であることもあり、私は小学校高学年の時に祖父母の墓参りに行ったのが最後、以来そこには行っていない。
「そこの自習室がさ、海に向かって大きな窓があって。部屋にストーブがあったけど、やっぱり窓が大きかったせいかな。冬場はすごい寒かった。でもそのおかげで利用者が少なくてね。少し寒いくらいの方が頭も冴えるし、父さんはそこを好んで使ったんだ。あともう一つ、別の理由もあったんだけど」
父はそわそわと立ち上がると、コーヒーのおかわりだろうか、電気ケトルに水を入れて沸かし始めた。ケトルがお湯を沸かし始める音が、私の想像の中の自習室のストーブの音と重なる。父はそのままケトルのそばから離れず、窓の外に目をやりながら続けた。
「父さんともう一人、その自習室を使う女の子がいたんだ。とても綺麗な、束ねた長い髪が印象的な子だったよ」
突如文学的な表現をし始めた父をみて(これはキモイな……)と思った。初恋話を聞くのにある程度の覚悟はしていたものの、父の口から語られるそれは、なんとも中途半端な恋愛小説のようで、
(これは、脳内でキレイどころの女優さんでもキャスティングして、程よく補完しながらでないと聞くに堪えないな)
そんなことを考えながら、みかんを口に放り込んで聞いた。
「それが初恋の人?思ったよりチープな感じ」
「最後まで聞けよ。みさちゃんが聞いたんだし、父さんにとっては大切な青春の1ページだぞっ!」
父はムッとした表情で言った。
「隣の高校の女の子だったんだ。同じく受験生だった。頭のいい子でね。その部屋で一緒になった最初の数回は会話がなかったんだけど、ある時勇気を出して話かけたんだ。『どこの大学を目指してるんですか』ってね」
「ほうほう。で?」
「目指してる大学が一緒だったんだ。まぁ、彼女は余裕の合格圏内。父さんは相当な努力を要するくらいの差はあったけれどね。彼女は英語系の学部に進みたいと言っていた。将来は海外に行きたいと。当時ボーっと生きていた父さんと違って、明確な夢を持っていた彼女はとても輝いていてね。ほら、男って単純だから、一発で惚れちゃったんだ。同じ大学を目指す二人。一緒に勉強する自習室。これは、もう、そういうことだろうってね」
「馬鹿なのではなかろうか」
「いや、馬鹿でなくて!」
父は鼻息荒く私を遮り、
「たしかに最初は一方的なものだったさ。けれど、一緒に勉強……というかほぼ父さんが教わるだけだったけれど、毎日のように、約束して、同じ時間を過ごして、そういう感じになったんだ。『一緒に合格しようね』とか『一人暮らしする時は、近くに住もう』とか、これはっ!もうっ!そういうことでしょうがっ!」
若干の金八先生口調になりながらまくし立てた。
「彼女の教え方が本当にうまいもんだから、ギリギリの成績だった父さんも合格圏内に入るくらいになったんだ。夢の大学生活は目の前だった。ある雪の積もった日、勉強を教えてくれたお礼に、図書館の近くでラーメンを奢ったんだ。温かいものでも食べようってね。その帰り道、初めて手を繋いだんだ。女の子と手を繋いだのは、その時が初めてだ。さっき食べたラーメンが胃から飛び出そうだった。家まで送ると言ったんだけど、ここまででいいと。途中で分かれたんだ。次の日も、いつも通り会えると思った。でもなぁ……」
突然、演技派女優のようにうなだれる父。いや、でもこれは結構シリアスな展開なのでは。私は我慢できず、恐らく一番ビンビンに立っていたフラグを掴むと、
「……し……死んだとか?その才色兼備さんは……事故に遭ったとかで……」
ゴクリと唾を飲みながら聞いた。少しの間、静寂がリビングを包む。父は顔を上げると、
「あっ、忘れてた」
と言って、電気ケトルのスイッチを入れ直した。ズッコケる私を一瞥しながら続ける。
「いや、死んでない」
「おい」
「死んでないんだけど、消えた」
は?という私の顔に腕を組みながらうんうんと頷くと父。
「次の日から、もう試験も近いのにパッタリと来なくなった。いなくなって三日後くらいかな、その子の高校に行ったんだ。名前は知っていたけれど、家は知らなかったし、当時は携帯なんてないからな。それしか方法がなかった。今ほど個人情報にうるさくないからな、聞いたらサラッと教えてくれたよ」
ケトルからサーっとお湯の沸く音がする。部屋が寒いからか、注ぎ口から湯気が濃く立ち上る。
「夜逃げしたらしい。母親がいない家庭で、親父さんがあまり真面目な人じゃなかったようでな。突然いなくなったってことだった。仕事で失敗したんだか、博打なのか知らんが……。家の前にも行ったんだけどな。バラック小屋ってわかるかな?そこまで酷くはないけれども、それに近いような、貧相な家だった。当然、明かりもついてないし、扉を叩いても誰も出てこなかった。家の前には、彼女が図書館まで来るのに使っていた、見覚えのある自転車がそのまま置き去りにされてたよ」
そこまで言い切ると、父は黙りこくった。そのまま暫く何も言わず、再び沸騰したケトルのお湯でコーヒーを入れ始める。
私は恐る恐る聞いた。父はいつの間に私のコーヒーが空になっているのに気付いたのだろうか。二人分入れていたコーヒーの片方を私に差し出しながら、
「父さんは合格したよ?」
知ってるだろ?と言わんばかりのとぼけた顔で答えた。
「いや、父さんでなくて、才色兼備さんは?合格発表で奇跡の再会をしたとか」
興奮する私とは対照的に、父は再び、一人冷静にモノローグに入る。
「あの日、合格発表の日。始発で発表を見に行ったよ。大学は遠かったからな。張り出された番号より先にまず彼女を探した。どこにもいなかった。一通り探した後、掲示板を見た。自分の受験番号があった。でも全く喜ぶことができず、父さん、そこでずっと立ってた」
(ヤバイ、泣きそうだ)
目の前でセンチメンタルに語られるオジさんのモノローグに、不覚にも目頭が熱くなる。
「当然彼女の番号はおろか、受験したかどうかさえ知らないからね。その日は大学の門が閉まるまでそこにいたよ。掲示板は何日張り出されてたんだっけな、もう覚えてないけど、もしかしたら今日これなかっただけで、明日見に来るのかも知れない。そう思った父さんはなけなしの金をはたいて近くの民宿に泊まって、翌日も一日中待ってたんだ」
「……でも、来なかったんでしょ」
ティッシュで目頭を押さえながら私が聞く。指先についたみかんの酸が目に染みる。
「うん。来なかった。そして大学に入ってからも、彼女の姿を見ることはなかった」
自分の話なのに、ウルウルとなく娘にもらい泣きでもしたのだろうか。ズビッと鼻を一度ならすと、
「きっと、受験できなかったんだなぁ。だって受験してたら、彼女なら絶対受かってるもの。あんなに行きたがってた大学だったんだから」
父はしみじみそういうとコーヒーをスッとすすり、一つ残ったみかんを、テーブルの上のカゴから取り出した。
(なんて切ない話だ……)
還暦もとうに過ぎたオジサンのコイバナに、悔しいけれど胸を打たれた私は、鼻水をかみながら劇場を退席しようとした。脳内で有村架純あたりを勝手にキャスティングしていた才色兼備の不憫さも去ることながら、そこにいない初恋の人を必死に探す父の哀れさを思うと、今はすっかり禿げ上がった父にも、そこそこかっこいい俳優をキャスティングしてやらねば。そう思いながら、ソファで眠る猫を抱えて二階に上がろうとした。その時。
「でも、この話には続きがあってな」
ニヤニヤとしたり顔で笑いながら、父は私を引き止めるように言った。
「父さん結婚前にイギリスで単身赴任したことあるって言ったろ。そこで彼女と再会したんだ」
私は慌てて猫をソファに戻すと、前のめりになりながら席に戻った。と同時に私は焦った。父と母はイギリスで出会ったという話を思い出したからだ。そうすると、有村架純をキャスティングした才色兼備の役を再考しなければならない。あの母親は……明らかな才色不備だ。
「あ、母さんじゃないぞ」
私の焦りを察したのか、落ち着かせるように父は釘をさした。
「日本人の駐在員が集まるパブがあってな。仕事終わりにそこで飲んでいたら、隣に二人組の日本人女性が来たんだ。その片方が彼女だった。一目でわかったよ。向こうもそうだったと思う。『もしかして、○○さん?』って聞かれた時、夢でも見てるんじゃないかと思ったよ」
「うわぁ、本当にそんなことってあるんだ。もうそこから話が止まらなかったでしょ」
「いや、お互いとても驚きつつも、一言二言交わしてその日は別れたんだ。向こうは連れがいたしね。翌日は休みだったから、また明日改めて会いましょうと、向こうから番号を渡された。その番号を見て色々悟って、嬉しくなったね」
「なにを悟ったん?」
「電話番号だけで、ホテルの名前とか部屋番号とかは書いてなかった。つまり定住しているってこと。ちゃんと夢を叶えたんだと」
「なるほどねぇ」
そんなに長いこと話したつもりはなかったが、いつの間にか部屋は薄っすらと暗くなっていた。父がパチッと部屋の明かりをつけると、猫が呼応するように二階へ駆けていった。
「でもさ、そんな感動の再会したら、もうそれは運命の人じゃないの?どうしてその人と結婚しなかったのさ」
話が一周して戻ってきたが、単純にそう思ったので聞いてみた。そりゃあ、今の母と結婚したから私がいてとか、そういう御託はあれど、普通ならそこでくっつくだろうと、そう思ったからだ。
「あら、そういうパターン」
「あの後、働きながら勉強して、渡英して、仕事についたと言っていた。そこで出会った人と結婚したそうだ」
それを聞いて、世の中うまくはいかないのだなと思ったのはもちろんだけれど、ふとその時父は何を思ったのかが気になった。初恋の人との運命的な再会と同時に、自分の恋が終わった時、悲しかったのだろうか。悔しかったのだろうか。私だったらグシャグシャになってしまうかも知れない。しかし、そんな私の疑問は、次の父の言葉ですぐに解消した。
「心から嬉しかった。父さん、みっともないけど、そこで泣いちゃったんだよ」
照れくさそうに笑いながら父は続けた。
「良かった。良かったってね。ずっと心につっかえていたものが取れたような気がした。『ありがとう』っていう父さんに、あの人は『なんで?』とは聞き返さなかった。わかってくれたんだろうね。『こちらこそありがとう』と」
「どういうこと?」
今までの話の中で、父がその人に感謝することはあっても、父が感謝されるようなことがあっただろうか。
「『君が海外に行ったら、そこに僕も必ず行くから、その時はバッチリの英語で観光案内してほしい。約束しよう』父さん、そう言ったんだと。全く覚えてなかったけどね」
「そんな約束してたんだ」
「『私が海外に行くことに、きちんと意味を持たせてくれたのはあなただった。約束を守るために、頑張ったから今ここにいるの』と言われた。父さんも、彼女の役に立ててたんだ」
一昔前のトレンディ俳優のようにフッと小さく笑うと、そのまま父はトイレへと消えた。
(お前はすっかり忘れてたわけだけどな)
父の背中に心の中で柔らかく突っ込みながら、私もニッコリ笑った。
「ああ。会ってない。連絡先も特に交換しなかったんだ。まぁ色々あってね」
キメ顔で答える父に、久方ぶりに(気持ち悪い)という素直な感情が戻ってくる。
「ただいまぁ」
「あら。何仲良く話てるの珍しい」
リビングに入ってきた母は、そう言いながら、みっちり膨らんだエコバックをキッチンに置いた。それを見て、先ほどまでの話題のせいで居心地が悪いのか、父が二階へ避難しようとする。
「なになに?なんの話してたん?」
トイレに行こうとする有村架純とは程遠い母が、リビングの出口で父に聞く。
「いや?たわいもない話だよ」
父は道を譲りながら誤魔化した。訝しげな視線を投げながら、母がトイレに入ったのを見計らって、
「ちなみにな」
父は私の耳元に口を寄せると最後にコソッっと
「彼女と再会したとき、パブに彼女と一緒に来てたのが母さんだ」
そう付け足して、ニヤニヤしながら駆け足でリビングを後にした。
「えぇー!?なにそれぇ!」
「ねぇー!何の話なのー?」
あの人との馴れ初め話は、また後日みかんでコーヒーを飲みながらでも聞こうと思う。
会社の研修で「楽しかったことを思い出しましょう」とか「悲しかったことを思い出しましょう」とか言われたりしたんだけど、どっちも特にないことに気がついた。
自分はすぐ笑ったり怒ったりする方だし感情の発露は多いと思う。しかしどうやら、それが記憶に残らないらしい
例えばすごく嫌なやつに嫌なことを言われたとする。その時はかなり腹が立つが、しばらくすると、「何を言われたか」は覚えていても、腹立たしさがなくなる。腹立たしさをなくすと、「何を言われたか」について忘れることも多い。「嫌なことを言われた気がする」という抽象的な記憶は辛うじて残るのだが、何を言われてどう感じたか、具体的なことはほとんど覚えていない。これはうれしい記憶だろうが悲しい記憶だろうが同じだ
みんなそんなものだろうと思っていたのだが、トラウマの話などを聞くと、以前感じた強い感情を長年持ち続けている人は少なくないらしいと気がついた
あとハリーポッターで、ハリーがパトローナスを呼び出すときに、人生で一番嬉しかったことを思い出すシーンがあるが、あの場面で、彼はかなり鮮明に感情を思い出しているような描写があることからも、もしかして普通は強い感情は記憶に付随して残るものなのか?と今更気づいた
別に感情が薄れようが困ったことはないんだけど、初恋が誰だったかとか、人生で一番うれしいだの悲しいだのとか、何をしている時が幸せかとか、そういう質問に答えるのがとても難しいので、どうしたものかなと思っている
てかみんな本当にそんなに感情覚えてるの?
一週間前のことについてその時のような熱量で怒れるの?
彼氏とはお互いに初恋で処女童貞捨てた身で、4年付き合ってる。
結婚の話も出てて仲はたぶんすごく良い。
これからもずっとこの人としかキスもセックスしないんだろうなって思ってたのに、仕事帰りしつこいナンパに無理やりキスされた。
仕事でミスした帰りに話かけられて、辛さから逃げたくてほんの少し話に応答してしまった自分が100%悪いのはわかってる。すごい後悔してる。
罪の意識がキツい。
彼氏とはほとんどなんでも話せる関係なのがたたって今すぐにでも話したいし泣きつきたい。
でも男性って彼女の経験とかにものすごい敏感って聞くし嫌われそうで怖い。
やっぱりこれって話さないほうが良い?私が過敏なだけ?
【萌子さん……】
・元彼くらい情熱的で運命的な恋愛じゃないと結婚できないと思っている?
・もしくは両親のような初恋同士の恋愛じゃないと真の愛じゃないと思っている?
・だとしたら、たった2ヶ月でたった17人の男性の中からそんな恋愛が出来る可能性はほぼ無い。
・選べない、という気持ちは分かる。分かるが……。なぜ参加したのだろう?売名して元彼と復縁したかった?
・2ヶ月間スケジュールをあけ、最後の3人にいたっては家族まで出演した男性陣や、スタッフ、資金、時間の投入をして番組を作った製作陣の期待を裏切る結果となったことについて、一言欲しかった。
・犯人は誰だろう?と楽しみに読んでいた推理小説が夢オチだったかのような終わり方。
・途中までは、意思の強い、先進的な女性像でよかったのだが……。
・思うに、価値観を受容するということがずっと出来ていない。特に藤井さんみたいな生き方は甘さとも言えるが、悪ではない。そういった部分について「私には合わないんだけど、そういう生き方なんだ」ではなく、質問責めで自分の価値観に合わせようとしてしまう。萌子さん的価値観が立派なのも事実だし、番組上、反論しては落とされるのが分かっているので誰も指摘していなかった。この辺を崩せればもっと良かったのになと思う。
・萌子さんよりどこかの部分で上に立てる人物である黄さんと杉田さんが残されたのは納得できる。
・ずっと逆ハーレムというより男子校に赴任した女教師のようで、自己啓発セミナーのようでもあり、見ていて息苦しかった。
自分はどう感じ、どう行動するだろうか?
***
私は学生の頃は弱く、恋において良い思い出はあまりなかった。初恋の時は、自分の好きな人に先に友達が告白して付き合いはじめ、私は自分の気持ちを整理できず、ダメ元で彼氏のいる女の子に告白し、当然のように振られ、友達も失った。ただただ苦い思い出だった。
それから月日は流れ、私も彼女を作ったり別れたりし、そのうち本当に愛し合える人ができ、一度は結婚もしたが、いろいろとあって別れてしまった。
離婚してからしばらくたって、自分の環境が変わった事もあり、色恋でも様々な経験を重ねた。一言で言えば、金持ちになってモテるようになったのである。モデル、グラビアアイドル、声優、AV女優など、多くの女性と遊ぶようになった。
それらの経験から私はある考えに至った。金に群がる女性は数いれど、かつて結婚したほど愛し合える女性は中々見つからない。だが今は、多くの女性に会い、見つけるまでの機会には恵まれている。そこで私は「10年後に結婚する」と目標を定めた。昔のように色恋で尻込みするほど若くない。そして今は仕事が自分の中心だ。色恋よりもすべき事がある。だから期限を定めて経験を積むと心に決めたのだ。
その期間をまだ半分を残している中で、今日の出来事が起こった。
遡ること1年ほど前、仲良くなった女性がいた。年は5つ下だが、遠慮なく私に絡んでくる子で、気兼ねなく話せる友達という感じだった。良く飲みにも遊びにも行くし、きっと「幼なじみの女の子」がいたらこんな感じなんだろうな、という女性で、私もとても居心地が良かった。私も彼女も、本当に気兼ねなく何でも話した。互いに最近ワンナイトで遊んだ話なんかも、楽しく酒飲んで笑いながら話していた。
この時の気持ちは「ザワついた」というのが最も適切な表現だと思う。悲しいとも悔しいとも後悔とも言えない、何ともまとまらない感情。その瞬間に、自分は思いの外惚れていたんだなと気付かされた。今までに会って遊んだ女性が同様にどこかの誰かとくっついても感じなかったザワつきがあったのだ。
とはいえ、数日でその気持ちも一旦の整理がついた。さすが経験を積んだ私である。成長したな俺!今はいくらでも彼女選べる!昔とは違うのだ!と歓喜すらした。・・・が、程なくして、また普通に友達として、その女性と二人で会う機会が訪れることになり、心がザワつかせられたのである。
この機会に決着をつけたい。そう思った。
もうこんなザワつきに惑わされたくなかった。次に進むには精算をしなければいけない。だが今は昔とは違う。もう無邪気に告白して玉砕する様な俺ではないんだ。少々強引でも強く押せばセックスするくらい今ならできるさ。一回ヤればもう満足して、次に進めるに違いない---!
そこまで考え、今日に臨んだのだが、ふと思い留まったのだ。結局は昔と同じ、自己満足のための行動と変わらない、また同じく自分勝手に吐き出すことで、自己完結させようとしている自分のままなら、進歩していないのだと。
どこで気づいたのかはよく覚えていない。ただなんとなく、そうしなければ、今日見て楽しんだ映画の思い出も汚れそうだな、という気持ちはあった。
そうして私は、彼女にこの日記に書いてきた内容と同じ話をしていた。
感情を吐いてぶつけるのではなく、語った。
そして、得難い友人であることは変わりないこと。
そういった話をしたあと彼女は、少し驚いたあと、とても喜び、「ちょっとだけ遅かったな!」と言って笑った。
それを聞いた私も「早く言えば良かったと、改めて後悔した!」と返し、そしてまた二人で笑った。
***
この物語を人はどう思うだろうか。様々な受け止め方があると思うが、少なくとも私は今日、自分自身を乗り越えられたのだと感じている。新しい答えを見つけられたのだと。
けど、今までとは違うのは、互いの思いを知って笑い合った上での友達となった。今後も友情が続くとしても、また別の展開があるにしても、この物語は終わらず前に進んだのだ。
このまえ新幹線に乗ってたら突然知らない女性に話しかけられた。
「増田くんだよね?」
中学のとき(もはや何年生だったかも覚えてない)しばらく席が隣で、それなりに仲が良かったことのある人だった。
動揺しつつも俺はウェ、アア、ソウス、オヒサシブリス、というような声を発した。
彼女はこのようなことを言った。
「やっぱり!すごい奇遇だね。……じゃあ、よい旅を!」
そして俺がまごついている間にサッサと去っていった。
べつに話したいこととかなかったし、下の名前すら思い出せないような間柄だったわけで、あのアッサリさに文句はない。
でも俺は生粋の非モテとして30年近くやってきてるわけで、そんな奴が「新幹線で中学の同級生とバッタリ再会」なんてシチュエーションに出くわしたら惚れるじゃないですか。恋に恋する乙女みたいなモンですからね。
彼女のこと全然好きじゃなかった(嫌いでもなかったが)のに、今や中学の思い出として彼女の顔ばかり思い出される。初恋の人だった気さえしてくる。恋愛が遡及している。
なんなんだこれは。どうしたらいいんだ。
どうもしなくてよく、落ち着くのを待てばいいんだろうな。
でもさあ!1分に満たない会話で俺の心をこんなにかき乱しているという自覚が彼女にはあるのか?
いや、自覚しろって方が酷なんだけども、しかし俺としてはやはり、突然切りつけられたような感覚があることは否めない。
同級生に話しかけるな!「よい旅を」なんていい感じのフレーズを投げつけるな!
クソ〜〜〜ッ
中学のとき好きだった子が音楽に強くて、ピアノを数音同時に鳴らしたらその全部の音がなんなのか分かるっていう能力をもっていた。
経緯はあまり覚えてないけど、音楽室で彼女と一緒になったことがあって、おれは鍵盤を叩いて「これ何?」と聞き、彼女は「ミ、レ、ソ」みたいに答える、っていうのをやった記憶がある。
すげーすげーと素直に言いつつも、正直自分がなんの音を弾いているかも分からなかったから凄さがよく分からないという側面もあって、そう言ったら彼女はなんじゃそりゃと笑っていた。
そういう甘酸っぱい(これ甘酸っぱいですか?)思い出があるのに明日で、というか今日で36歳、恋人はいつも右手、おれどうしたらいいですか?べつにどうっていうのはないねえ、死ねばいいと思うよ(シンジくん)、よかないでしょ、べつにモテたくもないしもはや恋愛にもセックスにも興味はないはずなのになんなんだこの感じは、幻肢痛か?でも幻肢痛ってかつて有ったものが無くなったことによる痛みですよね、おれの場合なにも無くしてないというか、得てないっていう話だからそれは違いますよ、おれどうしたらいいですか?(2)、ハッピーバースデートゥーユーという気持ちが完全に摩滅してしまった、ハッピーではないので、そういえばメリークリスマスのメリーってなんなんだ、メリークリスマスとメリーバッドエンドのメリーって同じか?定期的に意味調べてる気がするんだけど一向に覚えないからどうせつまんない意味なんだろうな、メリーバースデーみたいな言い方もできるんだろうか、できるんならこれまで一回くらい聞いてるだろうけど全然聞いてないってことはできないんだろうな、どうでもいい、おれどうしたらいいかって言ってんだよ、殺すぞ、何がソルフェージュだ、あのときおれの心臓が奏でていた音の高さを彼女が聞き取れていたら、また違う未来もあったんだろうか、無いんだよな、というか彼女のせいみたいな感じにするのはカスすぎる、彼女元気にしてるかな、わりとガチでどうでもいい感じあるな、初恋ってはかな〜い、おれってどうしたらいいですか?(3)、おれってどうしたらいいですか?(4)、中年クライシスってこれか?でもクライシスとか言われるともうちょっとカタルシス感というか、クライマックス感というか、エクスタシー感というか、そういうミクスチャーを期待しません?こういうジメジメしたゴミみたいなのじゃなくてよ、せめて花火のように散りたい、でも花火いうてもいろんな金属粉の寄せ集めじゃからな、彼ら自身にあまり華々しい最期って自覚はないんちゃうか、勝手に知らんやつと抱き合わされた上に燃やされとるわけやし、ふざけんなと思いながら死んでるのでは、そう思うと勝手にキモい顔に産まれた上にいずれ死ぬことが確定してたおれも花火と同じ境遇かもしれんな、もうダメだ、ダメです
どこかに吐き出したくて堪らなくなったので、ここに失礼します。
長くなったらすみません。
好きな仕事に就くために地元から一人で上京して数年。都内での暮らしには慣れましたが、ぼんやりと「ここで死ぬのは嫌だな。いつか地元に帰りたいな」と思い始めています。
そんな中、職場で知り合ったおじさんから「いい人がいるから紹介したい。3人で食事に行かないか」と誘われ、食事だけなら……とOKをしました。
結婚にはあんまり興味がなく、いい人がいればやってみてもいいかもしれない、というくらいの意識です。
恋人や伴侶がいなくても友達や家族がいれば楽しく生きていけるし、結婚すると自分の時間がなくなると聞くし、それなら一人の方が気楽でいいや……という感じです。
なのでおじさんからのお誘いも最初はやんわりと断っていたのですが、おじさんが私のことを心配してくれているのが伝わってきて、断るのが申し訳なくなり先程の流れに。
紹介された男性は10歳以上年上で、力持ちで優しくて、本当にいい人という感じでした。
結婚するならこんな人がいいんだろうな、奥さん大切にしてくれそうだな、と思いました。
おじさんを交えた食事会も楽しくて、また良かったらご飯しましょう、と私から提案して連絡先も交換しました。
相手の男性に好意を持っていると思われるのが怖くて、相手からのメールを待ち、社交辞令の返信をしました。
相手の方が嫌だという気持ちはなく、LoveではなくLikeの関係でいたいと思っています。
(それにしても失礼な対応をしているんですけどね……。いっそそれで嫌われてもいいと考えてしまっています)
そしてこの食事会を切っ掛けに、ある男友達のことを考えるようになりました。
Aと私を含めた男女混じりの5人組で、お昼休みや放課後によく遊びました。
皆ゲームが好きだったので、今日の放課後は○○の家に集合!と、64のコントローラーを持ってチャリを漕いだりしてました。
遊んでいく中で、私はAのことを好きになっていました。
理由は今となっては全然思い出せませんが、私に意地悪をしつつも優しいところに惚れたのかもしれません。
Aのことを好きになってからは、思春期特有の「好きな子に意地悪をする」が発動し、好きな気持ちを伝えることはできず、お互いに悪口(軽口?)を言い合ってました。
小学校を卒業し、中学、高校がバラバラになっても連絡を取り合い、大人になった今でも年に1回は会って飲みに行ったりもします。
私とA以外の3人は結婚しており、最近は奥さん、旦那さんも交えての飲み会もしたりしました。
ある日、Aが仕事か研修かでこっちに数日間来ることになりました。
地元の友達がこっちに来ることは滅多になく、2人で飲むのも楽しそうなので、Aの仕事の後に飲みに行くことにしました。
いつも5人で集まるので、2人で会うのは初めてでした。
私の好みはガタイのいい筋肉質な人で、Aは真逆をいく細身なスタイルですが、何だかドキドキしてしまい、あまり目が見れませんでした。
その時は会うのが久しぶりだったので、お互いの近況や仕事の話をしました。
飲み屋でお腹がふくれたものの、まだ帰りたくないな……と思ったので、近くのカフェでお茶をしました。
自惚れですが、この時、Aも同じ気持ちだったのかな……とか考えてしまいます。
大人になってもAは相変わらず優しい人でした。
知り合った頃は私の方が背が高かったのですが、高校くらいから抜かされてしまい、加えて細身のまんまなのでモデルのようです。
結婚願望のない私ですが、Aとの結婚生活は楽しそうだな、と考えてしまいます。
Aも未だにアニメが好きで、オススメのアニメのDVDを郵送で貸してくれました。
(なかなか見れずに長く借りていたのに、全く怒ることもなく)
LINEでのやり取りも、私が飽きてしまうまで返信してくれました。
(どんどん話題がくっついて長文になっていくのに、全部に返事をくれて)
誕生日にはお祝いの連絡もくれました。
「もしかしてAも私のことを好きだったりして?」と期待する気持ちと、
「Aは優しいから誰にでもそうしているだけ」という諦めの気持ちがぶつかり合い、どこにも行けなくなってしまいました。
Aへの恋心に決着をつけない限り、A以外との男性と、ちゃんと向き合えない気がしています。
けれど、まだ、勇気が出ない……。
どうすんの。いやどうもしないけど。
ふとした瞬間に相手のことを考えてる。
次に会うときは何を話そう、どこに行こう、何を着ていこう。楽しい。ドキドキして落ち着かない。LINEが届く。嬉しい。電話をする。声が可愛い。好き。なんかよく分からんけど好き。
同性に恋心を抱くのは人生2回目。
ちなみに1回目は18歳のときで、初恋だった。バイト仲間に4年間ひたすら片思い。大学卒業を機に会うことがなくなって、やっと諦められた。
社会人になってから2人の男性と付き合って、結婚を前提に同棲を持ち掛けられたこともあったけど、誰かの奥さんになる自分が想像できなくて断った。そして別れた。
男性との性行為は、できなくはないけど可能であればしたくない。なんか抜き差しされてんなーって程度の感覚。彼氏たち、ごめん。人間としては好きだったよ。
そういう罪悪感もあって、男性と付き合うのをやめた。
1人で行く美術館と映画館が楽しいこと、成城石井で買ったチーズをつまみに1人で飲むワインが美味しいこと。他にもたくさん。
この歳になって、世の中は楽しいことで溢れてることに気付いた。自分は思っていたより、おひとり様を満喫できるタイプらしい。
そう思った矢先に落ちてしまった。
行動に移すつもりはないから、ひたすら好きだなぁと思いつつ友達でいるしかない。しんどいけど離れるよりはマシ。4年耐えた経験があるから大丈夫。
大人しそうに見えて好き嫌いがハッキリしてるところ、趣味が合うところ、食べ物の好みが同じところ、声が可愛いところ、仕事に対して真面目なところ、ストレスを溜めて私に愚痴りに来るところ、爪がいつも綺麗なところ、家族を大事にするところ。
全部好きでたまんない。無理。好きなところ羅列してたらもっと好きになってきた。
私が幸せにしてあげられたら良かったな。
手を繋いだり、頭を撫でたり、抱き締めたり。
愚痴も弱音も受け止めるし、いくらでも甘やかしてあげられるのに。
どうにもならないなぁ、本当。
初恋は小学生だったけど、何故か自分の事を嫌いなはずのいじめっ子を好きになってしまった故に、バレた時大泣きされた。
それ以外に恋愛の記憶はないし、女学だったりオタクになってしまったり気がつけば自分の人生に男はいなかった。
高校までの友人も皆オタクなのが楽しいし、男の話なんて一度たりともしなかった。
大学生になった私は相変わらずオタクを続け、推し活動に勤しんでいた。そんな時、高校の友人と飲む機会があったので久々に会った。
久々にオタク話で盛り上がれるのが楽しみだな〜!とワクワクしていたのも束の間、飲みの話題は今付き合っている彼氏がどうとか、好きな男がダメ男だとかだった。下の話もあった。
それから勿論私は経験がないので話を聞き流すだけだった。かつてのオタク仲間が女になってしまったのにショックを受けた。私は高校生のあの時から何も変わってないのに、皆は「経験」を済ませていて人生の一足先に行ってしまった。
恋愛相談されても「もうこの人はセックスしてるんだ」としか思えなくて嫌悪感しかない その上「増田ちゃんは男つくんない方がいいよ〜、居てもいいことないし」とか言われるがじゃあそう思うなら最初から付き合うなと思う
女だからいつかは結婚とかの夢はあるけど、今のところ男に割いてる時間が考えられない。それに、学生時代の今 すぐ結婚出来るわけでもないのに付き合うわけがわからん
別れて一年経ちますが、なんだかんだ2日にいっぺんもしくはそれ以上の頻度であなたのことを未だに思い出します。遠距離だったり同棲だったりでトータル8年ですもんね、長かったから。初恋は特別ということで、たぶん一生引きずっていくのだと思います。私から別れを告げたのに、ずるいよね。
大切な存在には変わりなかったのに、無理やりに近い別れた方をして傷つけてしまって、本当にごめんね。今も罪悪感で、夜目を覚ましてしまうことがあります。他に方法があったのかなぁと思うこともしょっちゅうです。
でもそうでもしないと別れられなかった、私はあなたに甘いし、悲しそうな顔を見るといつも自分を曲げてしまうし、あなたのことがまだ好きだったから。
別れを告げた時あなたにとっては寝耳に水で、楽しく暮らしてた毎日は嘘だったんと言ったよね。泣き顔見るの辛かった。嘘なはず無いじゃん。あなたの色んな部分を好きになって一緒にいると楽しくて、かけがえのない存在だったんだよ。色々あったけど、嫌いになれるわけがないよ。自由で地頭が良くて物知りで穏やかで、マイペースなのに周りの人に好かれているあなた。人の顔色を伺いがちで愚鈍くせにいつも心の中がざわついている私。
社交的なあなたの周りの女性の影にいちいち怯えたり怒ったりすることを、休みが合わずに寂しい休日を過ごすことを、あなたが一人楽しそうにゲームをやってる傍で家事をこなすことを、あなたが私のカードローンで勝手に借金してたことを仕方ないって自分に言い聞かせることを、隠れてギャンブルしてるのを知らんぷりするのを、あなたのために色んなことを我慢することを。
こう書いてみると、なんで付き合ってたんだ?って自分でも思うけど、でもそれでもいいところもたくさんあって好きだった。まぁ私だってあなたを沢山疲れさせたり振り回してるから、おあいこの筈なんだけどね。
あなたはいつもあなたのペースで堂々としてるから、何だか私の方がおかしい気がしてきて、もう少し自分のキャパが広かったらなぁ、私心が狭いなぁて何度も何度も思って、いつのまにか自分を抑えてあなたと暮らすようになってしまって。
あなたといて癒されたり爆笑したり幸せな気持ちになるんだけど、いつもなぜか不安で何で何だろうてずっと不思議だったんだけど、どんどん、その不安は大きくなった。
今日早いからごはん俺が作るよの言葉に軽い足取りで仕事から帰ってきたら、先に帰ってる筈のあなたが散らかった部屋で寝てて、流しにはお茶碗がたまってて、机の上も色んなゴミが乗っていて、私は「あーあ、またかぁ」ってなって、のろのろとご飯の準備をする。
ねぇ私のこと好きって言うけど、本当に大切に思ってる?じゃあもっと、私が喜ぶことしようって思ったりはしないの?と思って、でも彼も仕事で疲れたんだよねと何故か頭の中でフォローして、馬鹿みたいだった。
でもね、何の関係もない時に唐突にうちのこと好き?て聞くと好きだよって返してくれる。
ずっと一緒か?と聞くとずっと一緒やでといつもの返事が返ってくる。ぎゅってしてって言ったらゲームを中断して答えてくれる。それだけで毎回安心できた。
だった筈なんだけど、いつからかなぁ。
あなたの言葉があまり響かなくなってきて自分が不安定になることが前よりも増えた。この先結婚したら、数十年ずっと同じことの繰り返しなのかなとか、子供が生まれたらどうなってしまうんだろうとか考えはじめると漠然と不安になった。出会った頃は煙草吸う姿もかっこいいなぁと思ってたのに、いつからか吸ってる姿を見ると腹が立ってる自分に気づいた。
隣で寝ているあなたの寝顔を見ながら、ああ、やっぱりこれからもずっとは無理かもしれないと優しくできないと思うようになった。
あなたといる時の自分が、あんまり好きじゃなくなってた。あなたは何も変わってないのに自分の変化が悲しかった。
だから一念発起して、無理やりに、頑張って別れたんだ。自己中だけど、あんまり後悔はしてないんだ。あの時別れたおかげで、いい思い出をきれいなまま思い出すことができるから。あなたのことを嫌いにならないまま、あれ以上あなたを傷つけないまま、離れることができたから。
誕生日くらい、連絡してみようかと思ったけどそれはあんまりにも自分勝手だからやらないよ。私とのことは早く忘れて、前を向いて別の誰かと関係性を築いていくれることを本当に心から願ってます。私も勿論そうするよ。
あなたの笑った顔が、声が、厚めの唇が、人に優しいところが、他にも色んなところが(散々伝えてきたからわかるよね)好きだった。
私と同じように、あなたのことを好きになる人はきっといるんだろうね。
でも、これからも毎年、おめでとうって呟くくらいはゆるしてね。
久しぶりにこんな熱量があってせっかくなので残す。
映画「糸」
まず菅田将暉と小松菜奈の出会いから始まる。2人とも中学生、初っ端から子役。菅田でも菜奈でもないシーンが続く。苦手なんよなこういう主人公とヒロインの若かりし頃みたいなシーン(私情)。似てる人探してきたのかな、オーディションの募集要項に『菅田将暉似』とか書かれてたのかなとか余計なこと考えてしまう。それもそうだが2人が出会ったときの菅田(子役)の自転車からの転け方あれはやばい。転けたというより飛んでたし絶対絆創膏で足りる傷じゃないでしょ。なあ。
菜奈の家庭が荒れてて菅田といる時間だけが楽しい…救い…みたいなよくある展開。虐待シーンは普通に胸糞悪かった…やめてよね。てか菜奈が作ったお弁当食べてるとき、菅田がどこからともなく出してきた綱みたいな紐を「これミサンガにする!」って言い出したときはびっくりしたな。糸にかけてはいるんだろうけど。わりと生活に支障出そうなレベルで太かったよあのミサンガ。10年後も菅田は手首につけていたけど……。(まじかよ〜)
なんやかんや結局菜奈の家族は夜逃げしてしまうんだけど菅田、菜奈の家を見つけ出して菜奈をどうにか助けようとする。が、警察に見つかり引き離される2人。いくら好きな女のためとはいえ北海道で1人で動く菅田の行動力エグすぎ。中学生よ?北海道て広いし寒いじゃんか。あと今時こんな若い演者さんでもキスシーンあるんだね…。「青森に知り合いのおじさんがいてそこにいけばなんとかしてくれる」このシンプルな嘘の謎が最後まで解けず、シンプルに謎でした。どうするつもりだったんだ。
大人になった2人が再会。菜奈、綺麗になったね…。お互い気持ちは残っていながらもパートナーがいる2人。菅田は榮倉奈々と、菜奈は斎藤工と。なんかさあ、これを言ったら糸もクソもなくなるんだけどあのまま菜奈と斎藤工が2人で暮らす話を見たかったわあ。事業を成功させて金ならいくらでもある、でも何か足りないみたいな顔したたくみがキャバクラで懸命に稼ぐ菜奈と出会うわけ。菜奈とたくみ、せっかく2人で暮らすとこまでいったのにね。会社がダメになって全部放り出して逃げたたくみを菜奈はちゃんと見つけ出して、それでも一緒にいようって言ったのにね。お前の居場所はここじゃないって言ってたくみ、またいなくなっちゃった。埋めてあげてほしかったよ、菜奈に。うまくやれそうに見えて不器用でどこか似ていてお互いに足りないものを補い合うような2人をもっと見ていたかったよ。菅田とはすれ違いまくるよ。それでよかったのに。(よかったのに)
菅田、榮倉奈々と結婚したよな。病気で死んじゃうんだけど。その病気の体を懸けてまで産んでくれた子ども、いるよな。榮倉奈々のこと、愛していたよな?菅田。
めちゃくちゃ端折るがもちろん2人はもう一度再会して、やっぱりあなたが私の運命の人!糸は繋がる!みたいな感じで終わるんだけど。
菅田さぁ〜、わかるよ?気持ちはわかる。菜奈が近くにいるってわかってなんかどうしようもない衝動で会いに行く!!てなる気持ちはわかる。でもあの榮倉奈々との娘を放って菜奈のもとへ行くのはマジでない。ないわー。いくら運命の相手とか運命の糸だとしても。愛していたよな?そして娘のこと、愛しているよな?
(ここからは超私の感想だけど)べつにさ〜、糸ってたった1人と繋がってるものではなくない?巡り巡って確かに菜奈とはまた会えたけどさ。それを繋げてくれたのは榮倉奈々だったし。いっぱいいたじゃん周りに友達とか、職場の上司(松重豊さん 良かった)とか、榮倉奈々とか、その家族とか、娘とか。たとえるならよ、榮倉奈々との子どもなんて自分が紡いだ糸じゃん。元から繋がってたものだけじゃなくて自ら繋げていくものもあると思うしそれが人生の醍醐味だと思ってるし。
まあ、展開的にあそこに娘連れてったら盛大に「「「糸!!!!」」」って出来なかったからだろうとは思うけど。ほんと全てが2人を中心としていて他はその後付けって感じだった。まあそんなもんか。ようやく2人が会えて抱き合うシーンでこれでもかと打ち上がる花火。爆発事故みたいな音してた。あんな音したらさすがに見るでしょ、花火。見てよ、綺麗だったから。エンドロールで斎藤工と榮倉奈々の名前が横並びになっていて、当て馬枠で流してやるなやと思いました。
淡い初恋の記憶は淡くて綺麗なまましまっておいて、たまに思い出すくらいがちょうどいいんじゃないか。運命とこじつけは紙一重なのかもしれない。(訳:小松菜奈と斎藤工が永遠であってほしかった)
エンディングの菅田将暉&石崎ひゅーいの糸、よかった。途中で突然流れたシンガポール語?の糸、あんなん笑うやん。ゆるして。おわり。
非モテの自分はそうだったが、恋愛自体ほとんどした事が無かった。
恋愛はしてみたいと思っていた。異性から選ばれて承認されてみたかった。
しかし、二十歳を過ぎても一方的な初恋すらしたことが無かった。
最近非モテの話題も見かけるようになったが、相手が好きだとか、幸せにしたいだとか、そういう恋している描写が少ない気がする。
就職してから出会いなんかないし、何より6連敗中であり、自由恋愛で結婚まで行く自信がなかったので、ぼちぼち結婚相談所に登録して婚活しようと思っていた(コロナのせいで先伸ばしにしている)。
相手は、入社したときから1人際立って気にはなっていたが、自分は惚れっぽいと気づいていたので何もしなかった。
ちょうど1年後に少しだけ一緒に仕事をすることになり、そのときにめちゃくちゃ意識してしまった。とはいえその仕事が終われば相手がまた別の事業所に戻るので、何もしなかった。
その1年後、今度は自分と同じ部署に来ることになった。最初に異動の話を聞いたとき、正直気が狂うかと思った。席も相手と向かい合わせなので、意識してしまう相手と顔を合わせて仕事をすると考えると、正気が保てる自信がなかった。
とはいえ仕事は仕事なので、LINEを送ってみたら、どうでもいい話でも1週間くらい続いたので、いけるかもしれないと勘違いしてしまった。相手も自分と共通点をたくさん持っていて(数えると4つだった)、とても親近感を持つようになった。「社内恋愛は煩わしいが、1ヶ月くらい様子を見てアプローチしてみよう。自由恋愛は最後にして、ダメなら婚活しよう」と思った。
配属後、上司を交えてくだけた話をする場があった。上司はオープンな人なので彼氏彼女の話題を振ってきて、そのとき彼女に彼氏がいることが発覚した。やけになって浴びるほど酒を飲んで酔っぱらって帰ってきた(今ここ)。