このまえ新幹線に乗ってたら突然知らない女性に話しかけられた。
「増田くんだよね?」
中学のとき(もはや何年生だったかも覚えてない)しばらく席が隣で、それなりに仲が良かったことのある人だった。
動揺しつつも俺はウェ、アア、ソウス、オヒサシブリス、というような声を発した。
彼女はこのようなことを言った。
「やっぱり!すごい奇遇だね。……じゃあ、よい旅を!」
そして俺がまごついている間にサッサと去っていった。
べつに話したいこととかなかったし、下の名前すら思い出せないような間柄だったわけで、あのアッサリさに文句はない。
でも俺は生粋の非モテとして30年近くやってきてるわけで、そんな奴が「新幹線で中学の同級生とバッタリ再会」なんてシチュエーションに出くわしたら惚れるじゃないですか。恋に恋する乙女みたいなモンですからね。
彼女のこと全然好きじゃなかった(嫌いでもなかったが)のに、今や中学の思い出として彼女の顔ばかり思い出される。初恋の人だった気さえしてくる。恋愛が遡及している。
なんなんだこれは。どうしたらいいんだ。
どうもしなくてよく、落ち着くのを待てばいいんだろうな。
でもさあ!1分に満たない会話で俺の心をこんなにかき乱しているという自覚が彼女にはあるのか?
いや、自覚しろって方が酷なんだけども、しかし俺としてはやはり、突然切りつけられたような感覚があることは否めない。
同級生に話しかけるな!「よい旅を」なんていい感じのフレーズを投げつけるな!
クソ〜〜〜ッ