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2023-01-30

学生の頃女子学生から男性仕事が出来る程プライベートも充実するけど女性はどちらかを諦める事が多いと言われた事があり、その時将来の妻には全てを獲得して欲しいと思って、実際結婚後家事も育児も妻を支えて子供3人でき、妻は自分より稼いでるけど妻からあなたの事は愛せないと言われてます

女だけど本当の非モテで、どこにも居場所がなくて辛い

長くなりそうだったのでこちらに追記書きました。

https://anond.hatelabo.jp/20230202020747



30過ぎで未だに交際経験は無く、当然その手の経験も皆無。

勿論異性から言い寄られた事も全く無い。

ニ回だけ、割とこっちから積極的アプローチして、少しだけ良い感じになった事はあるけど

どっちも「良い人だと思うけど異性を感じない」という、まるで非モテ自称優しい男みたいな理由でフラれている。

筋金入りの非モテだって我ながら思う。


同じ様な非モテ友達(大学の時からの付き合いのA・B・C)が3人いて、4人組で定期的に会ってお茶したり飲みとかしてるけど

正直非モテ度合いに差があるというか、私以外はぶっちゃけ非モテとは言えないと思っている。


例えばAは「好みのタイプに好かれない」というタイプで、交際経験も多少あるけどいずれも短期間で終わっているタイプ

Aが好きなのは典型的高身長イケメンで、でもそういうタイプは中々いないしいても当然彼女持ちだったりでAは相手にされず

仕方なく妥協してA曰く「私にお似合いの男」と付き合うも、やっぱり満足出来ずフッたりフラれたりするタイプ

まあ30半ばで独身特に浮いた噂も無いのだから非モテではあるのかも知れない。


BもAと似たようなタイプで、しかももっと好みのタイプが細かい

一時期は婚活もやっていたらしいけど、色々条件つけて結局「ロクな男がいない!」って言って独身でいる事にしたらしい。

Bも私も大差無いスペックなので、相手に求める条件が正直分不相応だと思っていた。


Cは唯一の既婚者。既婚者の時点で非モテでは無いと思うのだけど、Cによると「高校時代に付き合った彼氏と別れて以来、

旦那出会うまでずっと独りだった、旦那以外にはロクに相手にされなかった」から非モテらしい。


非モテ仲間~みたいな感じで一応は仲良くはしているけど、正真正銘ガチ非モテは私だけ。

内心温度差が凄い。私も他の3人と似たような雰囲気を気取ってるけど普通にバレてるだろうし

かと言ってFOしたくても他の仲良かった人達は皆結婚して家庭中心だから良い歳して独身の私は色々と一緒にいて辛い。

から非モテ仲間(自称)といるしかない。



一時期、ネットで男を装って(所謂ネナベ)して非モテ系のスレコミュにいた事がある。

彼らの話を聞いていると、年齢=彼女いない歴は当たり前で(私も年齢=彼氏いない歴だけど…)、しかも私より酷い。

「異性ともう何年も会話してない」「学生時代に外見でイジメられたのがトラウマコミュ障に。恋愛もしてみたいけど異性不信が消えずに無理」

「道を歩くだけでキモいって言われる」「俺だけ当たり前の様に会社飲み会にも旅行にも誘われない。なのに金だけはキッチリ取られる」

「親に泣かれたし俺も末代確定だから何も言えなかった」「やっと彼女出来たと思ったら100万ぐらい貢がせて何も出来ずに音信不通

とか、どこまでが実際本当かは分からないけど、まあ私よりも悲惨な感じの人が多かった。

私も会社では良いして独身なのは私とお局さんぐらいだし、ちょっと肩身は狭いけど、あくまでも「ちょっと」で、表面上は普通には接してくれる。

友達だって非モテ仲間とかい微妙な感じだけど一応いる。

少なくとも、非モテの男達が「モテないし人格否定されがちだし人権が無い」と愚痴ってるぐらいの困窮感までは無かった。


「男の非モテ砂漠で飲み水が無いレベルだが、女の非モテ自販機で飲みたいジュースが無いレベル」(ぐらいの差がある)

という非モテ格差とやらを揶揄するネタを見かける事があるが、実際問題そういう傾向はあるとは思っている。

この私ですら、二回はちょっとだけ、良い感じになった人がいるし。

でもそれが逆に仇となったのか、このたった二回の経験(にもなってない経験)があるから絶望的では無いと思っていたら

あっという間に30過ぎて、思わず知り合いとかに頼んで合コンいったりその手のパーティー行ったり紹介もしてもらった事もあったけど

いずれも不発で、失敗して落ち込んだりを繰り返していたら、あっという間に30半ばになってしまった。


非モテ男達に混じってネナベで愚痴を吐いて慰められたり、馴れ合ったり、時にはレスバなんかもして

居心地は良かったが、「私は彼らとは違う」という思いと後ろめたさが常にあった。

非モテ男達の「女に産まれたら楽だったのに」という呪詛めいた愚痴も辛かった。

実際A達の非モテ仲間を見てると、彼らからすれば「恵まれている」のだろう。

でもここには非モテ男と大差無い非モテ女がいるのだ。恵まれている筈なのに実際は負けまくりなのだ

なのに真の非モテ仲間にはなれない。性別が違うとんでもない壁があるから

結局彼らのコミュニティからも離れてしまった。




何故男達は私を選ばないのか、スペック低めな私から見てもありえないレベルの女にも、彼氏だの旦那がいるのに、何故私にはいないのか?

そんな思いが高じて、一時期はフェミニスト界隈にも接近した事があるが、結局は馴染めなかった。

彼女らは「興味の無いキモい男達に言い寄られる」「常に性的ジャッジされる男社会が辛い」と言うが

まず私は「興味の無い男に言い寄られる」というステージに立てていない。

周りに恵まれていただけかも知れないけど、言い寄られた事も無ければセクハラされた経験も無い。

一度だけ、「これはセクハラでは…?」という発言上司から言われた事があったが、すぐに周りに上司が諌められて

上司も悪気は無かったと謝って終わった。せいぜいこれぐらいの経験だった。勿論痴漢とかその手の被害にあった経験も無い。

(別に被害には遭いたくないし、興味無い男に言い寄られたくも無いけども…実際に言い寄られたら自分はどう思うだろう?という興味も少しはある)


男はみんな女性をそういう目で見て狙っている…怖い…みたいな呟きにも

そもそも見られた事も無さそうな私からしたら、「私は女ですら無いのか?」という惨めな思いになった。


また私は私を選ばない男達に絶望してムカついてはいたけど、ネットフェミみたいに憎んではいなかったんだよね…

この事に気がつけたのは、数少ない良かった事だった。

そもそも私みたいに、ただの一般事務職給料も低い、普通生活をするには普通に働く人に経済力依存するしか無いのだから

これで男憎し!みたいな思想まで行き着いてしまったらますますモテなくなりそうで、結局ここでも馴染む事無く終わってしまった。




一応姉と弟がいるんだけど、当たり前の様に二人は結婚しているし子供もいる。

私が末代にならなくて済みそうなのは不幸中の幸いだけど、別の問題が出てくる。

遠くない将来、私は「独り身で身内に面倒をかける厄介な親族」になる可能性が高い。

親にも遠回しに「そうなるなよ」的な事も言われている。

ムカつきはするが、実際問題高齢になった時、何かあったら多かれ少なかれ迷惑がかかるのは

姉弟なり甥や姪らなのだ

これもあって婚活もしてみたけど、まず交際まで至れないで非モテのまま生きてしまっている。



本当の非モテ女と、ネットでもリアルでも本当に居場所が無い。

同類と傷を慰め合う事すら出来ない。

ひたすらため息しか出ず、マッチングアプリでもやってみようとすら思ってしまう。

でもどうせトラウマできるだけで終わりそう。

ウジウジしているウチに歳だけは取っていく。不安で夜も眠れない……




<返信>

まさかこんなに色々言われるとは思いませんでした。

耳の痛い意見も……でもアドバイス叱咤激励と思って全部読んでいます


この投稿だけじゃわからんけど、節々に無神経さとプライドの高さを感じるからそういうところ見抜かれて遠慮しとこ…ってなってるんじゃないかと思った

自虐混ぜて謙虚さを演出してるかもしれないけど、その実結構自分に自信あるのでは?私ならもっとモテてもいいはずってチグハグさが悩みなのでは?

これは図星だと認めたく無いけど、当てはまると思います

私は確かにスペックが低く、美人でも無いただのチビの小太りで、学歴も大した事無ければ年収も低いです。

でも言うほど低くは無いのでは?とか、私よりブサイクだったり良い歳してフリーターの子ども部屋おばさんでも、普通に彼氏がいる、交際経験が耐えない

つの間にか結婚までしてる…そんな元友人とか、知人もいて、「どうして私はあいつらよりマシなのに選ばれないのか!?」という理不尽さへの怒りがありました。

それが自分を選ばない男にいったり、やっぱりムカついてはいるがネトフェミみたいに憎んでは無いよね…って事に気がついたり、でも選ばれない悲しさは残っていて

何故選ばれないのか?とは思います。でもこれがプライド高いって事なんですよね。

自分卑下するのもどうかと思いつつ、実際は「興味無い男」からも言い寄られすらしないレベルなのに、「〇〇なあいつらよりマシ」って思ってしま自分が嫌になります


idddu "割とこっちから積極的アプローチして、少しだけ良い感じになった事" すまねえここでもうイラっとしちまったわ。アプローチすら許されん層もいるンだわ。

それは非モテコミュニティにいた時に強く感じました。「恋愛してみたいし、頑張ってアプローチしてもキモがられて終わり」という人は少なくありませんでした。

私自身は…もしかしたら、内心はちょっと思っていたかも知れないけど、やんわりと優しくフッてくれました。両方良い人でした。

でもその対応も、私が女だったからなのかも知れません。

アプローチはまだ許されている、かもしれないというだけ恵まれているしマシなのでしょうね。

マシなのに現状は完全な非モテなので、私自身に問題があり過ぎる現実に押しつぶされそうですが…


ここまでモテないなら絶対に原因があるはずなのに書いてないのが怖い 周りの人もいい人そうだし酷い扱いも受けていないのに、そこにブラックホールがある

ファーストインプレッションで弾いてたらそら無理よね。

全てウェルカムで挑めとは言わんけど、なるべく誰とでも可能性があるように意識変えないとダメ

自分では気づいてないんかもしれんけど、我儘言って高望みしてるのと変わらんのよ。

ぶっちゃけ高望疑惑がすごい強い。相手が単にデキた男で優しく断ってくれただけで。

あと、そもそも「少しいい感じになった」程度の段階でそんなバッサリ切られてるのに、それをむしろ成功体験カウントしてるっぽいのがヤバい

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耳が痛いです……原因は分かりませんが、異性を拒絶する無意識の態度とか、高いプライド相手を値踏みしてしまっていたりとか

無意識でやっていて、それが恋愛を遠ざけているのかもしれません。

高望みしているつもりは無いけれど、やっぱり出来れば普通には働いていて欲しいし(私も安月給だけど一応正社員だし)背も少し高めが良い、極端なチビとかデブちょっと

インドア性格なんだけどアウトドア趣味もあるので、両方良い感じのバランスで付き合って欲しいとか、後家事で特に掃除が苦手で料理もそこまでなので

家事に関しては一通りできる一人暮らしの人が良いし、後将来を考えると長男は…うーん、ちょっとギリギリ妥協レベルかも……

なんだか相手に求めているものが色々出てきます

一つ一つは私程度でも求められる様な些細な事でも、全て合わされば「高望み」なのでしょうね。

まずは、この思い上がりを直さなければ…でもも時間あるのだろうか。もう30半ばです…



結婚相談所、という意見もありましたが、資金面問題があり、二の足を踏んでいます

そこで失敗したら二度と立ち直れないかもという恐怖も…

女性無料格安の所も探しても中々見つからないのですが、あったりするのでしょうか?

お試しでチャレンジしてみたいです。




<返信2>

今日は諸事情AM休みでした。

「なんとなく良い人が現れればいいな」という女は(男もだが)具体的な条件を設定しろ

相変わらず耳が痛い…でも「なんとなく」だと難しいのも分かる。こういう所が駄目だったのかもしれない。

私自身ですら具体的にどういう人と付き合いたいのか具体的なビジョンが固まっていない…ご指摘ありがとうございます


色々考えてみたけど、条件を具体的に設定するとしたら、こういう形になるでしょうか?


>やっぱり出来れば普通には働いていて欲しい

年収600~800万以上

私が300万ちょっとしか無いので、仮に共働き前提だとしても、世帯年収1000万を考えたらこれぐらいは必要ですかね。普通範囲内には入るかと。


>背も少し高めが良い、極端なチビとかデブちょっと

・175cm~185cmぐらい?体重身長にもよりますがmax80kgぐらいで

おっしゃる通り、男性の平均よりちょい高めが希望になります私自身は152cmですが…(色んな意味高望み?)

体重は太り過ぎてないのを考えるとこれぐらいかなと。

外見に関しては、私自身が美人ではなく、どちらかと言えばブスなので、あまりイケメン希望とかはありません。

SMAP草なぎ剛くん程度の基準を超えていれば良いです。


>後インドア性格なんだけどアウトドア趣味もあるので、両方良い感じのバランスで付き合って欲しい

インドアな方は、オタク寄りの趣味もあるので基本口出ししないで欲しいです。

マイペース性格なせいか自分のペースを乱されるのが非常にストレスになってしまます

逆に、どこか旅行や遠出、外食等に出かける時は一緒に来て欲しいです。

正直、相手趣味に付き合う、という観点が一切なく、考えていませんでした…こればっかりは妥協ですね。


家事特に掃除が苦手で料理もそこまでなので家事に関しては一通りできる一人暮らしの人が良い

私自身が家事苦手なので、多分「前向きに取り組ませる」とか、教育するとかが難しいと感じています

自発的に色々やってくれる人、と考えると一人暮らしで自立心のある男が良いのでは?と考えていますが、浅はかなんでしょうか…?


>将来を考えると長男は…うーん、ちょっとギリギリ妥協レベルかも……

そうですね…ギリギリ妥協というか、ここは寧ろ譲れないポイントなのかも知れません。

自分人生だけでも辛いのに、他人の親の面倒を見れる自信がありません。

ここは明確に「長男以外」としたいですね。


>なんだか相手に求めているものが色々出てきます

ありがとうございます何だかこうやって書き出してハッキリしてきました。相手も私に求めてくる以上、私も色々考えて良いのだと思える様になりました。

まり自虐し過ぎても駄目なんでしょうね…卑屈なオーラが出ちゃって。


相談所に関しては、迷ってる暇は無いという認識なのでしょうか?今年35歳です。ギリギリですね…

年齢に関しては、やはり同年代が良さそうなので、30~37歳ぐらいを考えています

相談所に入る前に、安そうな婚活パーティー(検索したら幾つかありました)に、行ってみたいと思います

選ばれないトラウマを抱えないと良いと思うけど…トラウマとか言ってられる歳じゃ無いんでしょうね。

改めて痛感します。

本当の非モテ仲間みたいなのがいれば、まだ苦しみも愚痴れたのに…と思わされます

本当に女の非モテは居場所が無い…こういう所が無ければ相談すら出来なかったかも。

2023-01-27

スタンガン威力ってどんなもんなんだろう。

フィクションみたいに気絶はしないとか、いやぶっ倒れるくらいはするとか、電気バチバチ視覚的な恐怖がメインの道具だとか、色々言われてるけど。

ほとんどがネット受け売りを語るエアプの意見っぽいし。電圧か何かが違えば効果も変わってくるのかな。

実際買ってみて自分の腿にでも当ててみたいんだけど、ちゃんとしてそうなのは安くはなさそうだし、使い終わった後家に置いときたくないし、メルカリで売れそうにもないし、捨てるのもアレだし。

2023-01-02

anond:20230102170803

シーライオニングが一番クソだと思うわ

元ネタのあの画像ですら俺にはシーライオンの方が正しくて女がカスだとしか思えん

 

問い詰められたら説明出来ずに困っちゃうような発言はするんじゃねえって話でしかないし、

自分発言質問されて説明できなくなっちゃったんなら醜態を認めて「撤回します」と言えばいいだけだ

 

あれで女側が正しいと思える奴どんだけ自分に甘いんだって話で

そんなスタンスなら他人発言について問い詰めたり反論したりする資格も一切放棄してるけどいいの?ってなるし

そもそも自分発言責任取れねえ宣言から「じゃあお前は今後家の外で口開くんじゃねえぞ?」で終わりなんだよな

家の中で誰にも聞かれずこっそり言ってることまでシーライオンは突撃してこねえし流石にそんな権利はねえから

2022-12-11

anond:20221211100531

奥さん扶養専業主婦だったとして2人で15万ってことは年金自分で払ってた独身だと8〜10万?

ワンルーム家賃5~7万で暮らすと考えるとややきついか

50.60年後家賃・物価高騰してなければいいが…

2022-12-09

anond:20221209184840

そういうことをこういうところで言うから閉経行けず後家おばさんが発狂するんやで

2022-12-05

閉経行けず後家おばさん黙ってて

2022-12-04

おじいちゃんの話。それから

https://anond.hatelabo.jp/20221121085518

 あっというまに、2週間が経ってしまった。

 忌引で仕事を休んだりしたのでまあ周りも知っていることなんだけど、あんまり気を遣われたくなくて、でも誰かに聞いてほしいのでつらつらと書く。おじいちゃんは本当に最後までマイペースだったし、面白い人だった話を、どうか暇な人は読んでいってほしい。

 11/21のお昼前、母方の実家に着いた。

 突然つれあいをなくしたおばあちゃんは、久々に孫であるわたしの顔を見て笑ってくれだけど、足取りがおぼつかなくて、ただでさえちっちゃい(身長、145センチしかない)身体ますます小さくみえた。「おじいちゃん、座敷にいるから会ってあげて」と言われたので向かう。布団に、顔にかけられた白い布。それを見たらぐっと目が熱くなった。布を取ると、眠ってるみたいなおじいちゃんの顔。この家で夕ご飯を食べると、おじいちゃんお酒を飲んで、その後一緒にテレビを見てるといびきをかきながらうたた寝をしてしまう。そんな時の顔だった。声をかけたら起きてくれそうなのに冷たかった。

 その日の夜、おじいちゃんの家でお通夜をした。数人だけど親戚も来るということで、玄関を掃いておこうと、箒を探しに納屋に入ると、使いかけの肥料や、明らかに「まあどうせ明日も使うしここら辺に置いておくか」って感じで適当に置いたらしい鍬、何日に白菜を収穫するとか来年の作付をメモしていたホワイトボードがあって、ああ、おじいちゃんにとってもこれは急なことだったんだなとぼんやりと思った。

 枕経に来た菩提寺住職さんは、わたしとそう歳の変わらない、若いひとだった。お経をあげてもらい、納棺をする。旅支度をさせて、花をいれて、孫全員(私含め6人いる)の手紙をいれ、お気に入りだったシャツをいれ……その過程で、ずっとぼんやりしていた祖母が棺に取り縋って泣き出した。まだ祖父が死んだ実感が薄かったわたしも、さすがにその姿を直視できなくて目を逸らしたとき、視界の端で住職さんがしきりに鼻をすすったり、マスクを直すふりをして目元を拭ってるのが見えた。なんでも、婿養子として今の寺に来た時に、ちょうど祖父檀家の総代をしていて、祖父はそれこそ孫と歳の変わらない若い彼のことを気にかけて可愛がっていたらしい(親戚談)。きっと仏門に入った人にとって、通夜葬儀日常茶飯事だろうに、その人がそんな感情に呑まれるくらい、祖父は面倒見のいい人だったらしい。妹や従妹もその住職さんが泣いているのを見たらしく、後々孫の間で「もしかしたら他所にも孫みたいな人が他にもいるのかもね」なんて話した。

 その翌日は友引で、葬儀は次の日に延ばし、火葬だけを行った。この日もおじいちゃんはなかなかやらかしてくれた。おじいちゃんを乗せた霊柩車が家を出る時は、集落中の人(ガチ限界集落である)が見送りにぞろぞろと集まって、見送ってくれた。ちょっと壮観だった。

 本来こういう時は霊柩車の後ろに、参列者を乗せたマイクロバスがついてみんなで火葬場に行くものだと思う(というかわたし経験した葬式ってそういうのしかない)んだけど、コロナ禍だし、あとあんまりにも急すぎて来れる人も少なかった(田舎だし、みんなお年寄りなので、足が確保できないと来れないのだ)ので、うちや叔母の家の車3台に分乗して、火葬場に向かった。

 しかし、せいぜいどんなに安全運転しても20分くらいで着くはずの火葬場になかなかつかない。道中の信号うまいこと全部赤で引っかかるのだ。わたしの母は三姉妹の長女で、まだ心ここに在らずな状態祖母と連名で喪主をしていたため霊柩車に乗っていたが、わたしが「おじいちゃん、よっぽど行きたくないんだな……」と言うと父は「だろうな……」と深く頷いていた。

 30分以上かけて火葬場に着いた。そこからはさすがの祖父ももうどうにもできず(?)あっという間で、その後2時間もしないうちに、祖父は骨になった。若い頃(といってもわたしが見た記憶があるのでめっちゃ若いわけではない)に建築業についていて、屋根から落ちて骨折した時に手術していれたボルトがしっかり焼け残っててびっくりした。手先、足先の細かい骨は、年齢もあってさすがに……だったが、大腿骨や肩の骨はがっちりしていた。祖父はこの年齢では背の高い人だった(たぶん170センチ越えてた。祖母と並ぶと身長差がすごかった)のに、結局のところ、最後には母が抱えられるサイズの骨壷におさまった。「こんなに小さくなっちゃうんだね」と母がつぶやいた時は、なんで言っていいのかわからなかった。

 帰りはそんな祖父を抱えた母もうちの車に乗って、また3台の車で祖父の家に帰った。霊柩車で来る時に通った道を避けて帰る、ってのは全国共通風習なのかな……?だから、来る時よりは少し遠回りになる……はずだった。でも20分で帰れた。なんせ信号、全部青。骨壷を渡された時の母の顔はさすがに見ていられなかったけど、祖父の家の屋根が見えてきた時に母は、「帰りはあっという間だったね……」と困ったような笑みを浮かべていた。おじいちゃん、どんだけおうち好きだったんだよ……。

 そして11/23菩提寺葬儀をした。

 家族葬だったけど、焼香をしにたくさんの人が来てくれていた。みんな、新聞のお悔やみ欄で見てとるものもとりあえず大慌てで……って感じで来てくれていた。「入院してたのか?!聞いてないぞ!」と言う人もいた。病院には1泊しかしてない、本当に急だったということを何遍も説明する母は、最後のほうはさすがに疲弊していた。ちなみにこの日は大雨だった。無口な従弟がぼそりと「未練あり過ぎだろうが」と言っていた。それな、と返した。

 式自体は身内だけで行って、このご時世だから会食は無しで折り詰めを持って帰ってもらい、また骨と、遺影と、白木の位牌と一緒に祖父の家に帰った。

 とりあえず自分達も折り詰めを食べながら、母は葬儀屋と四十九日の日程をつめ、その後も墓石屋や位牌の手配、この後家に直接弔問に来てくれる人への対応の打ち合わせを叔母たち(と、まだどこか虚ろな顔をした祖母)がやっている時、まだ細々とやることは残ってはいるがひとまずは一通り終わったね、お疲れ様だったね、という空気が流れつつあった。

 でも、ここで終わらないのがおじいちゃんだった。突然この家の固定電話が鳴った。

 母が電話を取ると、相手は伯父(父の兄。他県で父方祖母と一緒に住んでいる)だった。葬儀に花を出してくれたり香典も出してくれたから、今日葬儀だったことはわかっていたはずだし、なんだか様子がおかしい。泣いてるのか笑ってるのかわからない声で喋っていた(母談)らしく、何かあったのか母が(たぶん疲れもあって)少し強い口調で問うた。その返事は、

「○○さん(祖父)からさ、たった今、林檎が届いたんだよ」

 だそうだ。

 祖父は交友関係は広いがそれぞれ相手マメな人だった。うちの父方の親戚に対しても、季節の果物特産品なんかを折々に送っていた(向こうからもよくお返しも来ていた)。この時期は林檎(ほぼ出身地がバレるな……)を、他県の親戚や知り合いに毎年毎年手配して贈っていて、それが、葬儀をやって当の本人極楽浄土に送ろうとしていたっていうのに、それがちょうど終わったタイミング相手に届いた、ということらしい。……それは普段無口な伯父さんも、反応に困っただろう。「○○さんから最後の贈り物だから美味しくいただく。冬にはこっちから蜜柑を送るからよろしく」ということで電話が終わり、私たちは大きく溜息をついた。「たぶん、この調子だともう何軒か送ってそうだなぁ……」とみんなで笑い合った。

 さすがにちょっとしんどかった。

 あまりにも急すぎた。呆然とした祖母を見るのが辛かったし、その祖母の代わりに喪主仕事を引き受けるためにずっと張り詰めた顔をしていた母を見ているのも胸が痛かった。出来ることしか手伝えなかったけど、母から葬儀が終わった後に「あんたら(私や弟妹)がすぐ飛んできてくれて本当に助かった」と言われた時の弱々しさが心配で、結局今いる自分の家に戻って来れたのは11/25だった。

 だけど、そうして過ごす中にも、ふと思い出す祖父の話(孫相手に遊びにムキになったり、高校生の叔母が夜遊びしてぶっ飛ばされた話だったり)や、こうして亡くなった後にもなんだか面白いことをしてくれるおじいちゃんのことを話せる相手は、なかなかいない。

 でも、顔を知らなくて、こんな長文をここまで読んでくれる人に、ちょっとでも聞いてもらえたらなんだか心持ちが楽になる気がして、あと、悲しいだけではないって気持ちになれると思ったので、こうして文章にしてみた。

 読んでくれて、おじいちゃんのことを知ってくれて、ありがとう

余談。

 わたしが今の家に戻る前日、仏具屋に母と行って、位牌のカタログをもらって祖母の家に行った。その後数日、祖母カタログを見て、あと母が撮っていった店頭にあった位牌の写真も見て、散々悩んだけど、そのお店で一番よく出回る、スタンダードものを選んだらしい。「それでいいの?」と母が訊いたら、「わたしが死んだ時は、お父さん(祖父のこと)とお揃いの位牌にしてほしいから。これならすぐお揃い作ってもらえるでしょ」と言ったそうな。お揃いの位牌。ちょっとパワーワードだな、なんて思った。でもさぁおばあちゃん、そんな早くいったらおじいちゃんたぶん額に青筋立ててめっちゃ怒るから、もう少し一緒にいてほしいな。お正月には会いに行くからさ。

2022-11-20

アカデミアのアファーマティブアクションなんてクソ喰らえ

東大博士課程 男性

定期的に燃えては消えを繰り返すアカデミアのアファーマティブアクション(以下、AA)に対する怒りが止まらないため感情整理のために書く。

東大准教授以上のポストを今後女性限定で埋める記事を見て日本でのアカデミア就職を諦めかけている。

https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15478221.html

大学のファカルティ職(助教以上のアカポス)の男女比は偏りがあり、教授では7.8%程度になるらしい。そのため、文科省および大学は、女性アカポス比率を上げるために女性限定公募を設け女性比率を向上させる事を推奨している。

パッと見ると非常に重要施策だし、男女平等に向けて良い向きだと思われる。しかし、実際に運営するうえで差別差別で上塗りする面が拭えず一定数の反対を受けるため、それに対する私見を述べたい。

そもそも論として日本アカデミアでテニュアポストは減少傾向にあり、ポストを獲得するという事は簡単な事ではない。そのため有名大(とりわけ大都市予算の潤沢な大学)はひとつポストに対して倍率数百倍という応募が殺到する。つまり、年間数万人の博士誕生するが安定したポストを得ることができるのは男女に関わらず一握りであると言える。ひとつ仮定として、男女平等一定の優秀層が選ばれた場合、男女比は博士学生比率とほぼ同一になると予想される。しかし、博士課程学生における女性比率現在約30%程度となっており、女性に対して選考プロセスで何らかの差別があったと考えても良さそうであるしかし、本当にそうだろうか?

ここで(1)世代間格差, (2)分野間格差, (3)日本における女性ライフスタイルの選好という新たな変数を導入すると、今のAA問題が浮き彫りになってくる。

(1)世代間格差

 これは簡単に言ってしまえば、博士の男女比が世代によって変化しているはずという事である科学技術政策研究所による調査では、1975年博士女性比率は5.8%であり2010年の30%まで上昇傾向にある。

 ここで単純な仮定として、現在教授が60歳とすると博士号の取得年度は1990年となり、その年の博士女性率は12%と推測できる。この場合選考プロセスにおける差別度は前述の30-7.8 = 22.2から12-7.8 = 4.2と大きくポイントを下げる。また准教授助教と職位が下がるごとに女性比率は上昇傾向にある事からも、女性博士取得の上昇とアカポスの女性率は正の相関があり、不合理な差別によって力強い訳圧ある訳ではないと推測できる。

(2)分野間格差

 これは男女の分野による好みの違いである。一般女性STEM(科学技術分野)を敬遠する傾向にある。実際に上述の博士調査於いて人文科学40%に対し、工学6%と選好に差が生じている。また、議員数や社長の男女比により算出されるジェンダーギャップ指数が高い(男女平等度が高い)国ではSTEM系は敬遠される傾向にある事が報告されている。つまり、完全に平等選考プロセスを踏んだとしても分野間による男女比の差は生じるため数値目標には分野間の調整が必要だと考えている。もし、理工系などでアカポス男女比を50%すると言ったら、選考に歪みが生じるのは想像に難くないはずである

(3)ライフスタイルの選好

 これが一番燃えそうな気がするが、つまり女性は養うために仕事をしないという事である

 男女における賃金格差は全業種において大きな問題ひとつだが、独身場合、差はほとんどない事が各調査で示されている(そもそも同じ職位で性別による給与差があれば労基案件である)。では、どこで差が生まれるかというと、単純に結婚後にフルタイムワークからパートタイムに変更するからである。つまり女性結婚後に稼得業務男性委託する傾向にあると言える。これは各家庭の家事/稼得の比率を断定するものではなく総体として、女性結婚出産後に仕事を辞める傾向にあると言う話である

 ではアカポスと何の関係があるかというと、博士アカデミアに残った女性一定確率仕事を辞めているという事である。つまり、単純に博士の数と出口であるアカポスの比率を比べても一生その溝は埋まらないのである。これは個人的観測だが、女性である程度のアカポスにある人は医者同業者などと結婚しており、男性のように専業主婦を養うようなスタイルは非常に珍しい。同期や友人の博士学生プロポーズされたから辞めたいなどと言う始末である。これは全業種の女性収入が高くても専業主夫を養わない事と同根であると考えている。

一方で男性自己実現としての研究職と家族を養うという両軸のバランスを取りながら、覚悟を決めて科学職業にしようとしている。実際にめちゃくちゃ優秀なのに家族を養うためにアカデミアを去った人を何人も知っている。

(まとめ)

以上をまとめると、現在アカポス事情女性博士取得者の上昇に従い、男女比は改善しつつある。しかし、一定の低い分野や上昇の鈍さは女性のものの選好も加味する必要があると言える。

しかしながら、現在進められているAAはこの結果を見ずに、ただ数値目標的に女性比率を上げようとしているものが大半である。これは平等担保されるべきである選考を無理矢理歪めた結果平等であり、断じて許されるものではない。理工系などでは、その歪みによる若手のダメージは深刻である

百歩譲って過去に機会レベル男女差別があった事は認めよう。しかし、男女平等一定水準でインストールされ育ってきた、我々若手男性が不当に差別を受けなければいけないのだ。看護系や美術系に男性が少ない事は、一切問題にしないのに、一部の理工系だけ捕まえて無理なロジックを使わないでほしい。

こっちは今後家族を養っていく事を踏まえて、覚悟を決めたチャレンジをしているのに"自己実現(笑)"みたいなノリで遊びに来ないでくれ。

実際に現場レベルで何が起きてるかと言えば、外国人留学生女性とか教え子を2年とか助教として置いて、外国人1 pt, 女性1 ptと点数稼ぎしてるだけじゃないか。何の意味があるんだ。

声のデカ女性研究者が声高にAAを礼賛し、少しでも反論すれば差別者呼ばわりするのも辟易する。謎のポンチ絵反論したり謎ロジック脅迫しないでくれ。せめて科学者なんだから論理的整合性を取ってくれ。

貴方たちが求めるアカデミアが、結果平等で男女比が均質な世界なのなら、立場の弱い私たちは受け入れて生きていくしかない。ならせめて、加害している事を受け入れてくれ。痛みも背負った戦いをしてくれ。アクロバティックに被害者にならないでくれ。いっそ「差別者だった性別の方に産まれたのが運のツキだったな!バーカ!死んでやり直すんだな!」とか言われた方が気持ちがいい。それなら我々は、男としてこの時代に生まれた事を受け入れて去っていくから

恐らくこれを外で言えば、我々男性は一瞬でアカデミアから消されるだろう。もう動き出したのは止まらないし、誰も変えられない。我々20代からすれば抑圧者はいだって女性である

感情的に書き殴ったが、以上が今のAAに対する素直な気持ちである。これだけ間違っていても私は科学が大好きなので、科学をしながら家族と生きていける未来模索していこうと思う。

改めて言おう。AAなんてクソ喰らえ

2022-10-11

anond:20221011191655

金さえあれば世の中の99%の悩みは解決する

会社組織コミットし過ぎた結果定年後家庭や地域社会で居場所を得られなかった老人が揶揄されるようになって久しいけど、

現代社会コミットし過ぎて生老病死という根源的な苦悩を直視できなくなった若年中年も心身が衰えた後に老醜を露わにして嘲笑されるのではないかなと憶測してる

2022-09-18

anond:20220918134645

夫が独身時代に今の家を購入した

1〜2年後に結婚自分が同居

その後家のローンその他の生活費は完全折半で夫に渡してる

もし離婚するとして家はいらんがローン分は返してほしいところ

2022-09-16

親のおかげを「自分の力」と勘違いする子供は救えない

さなから我が家では、「ご飯を食べた後家族みんなでリビング勉強する」という習慣があった。地方銀行員の父は内部管理責任者銀行業務検定などの勉強薬剤師の母は薬事法管理者新薬勉強をしていた。俺は公文プリント進研ゼミ英検数検。俺がわからない所があると両親はリビングホワイトボードを使って教えてくれた。駅弁附属の小学校中学校に進み千葉県立千葉高等学校に進んだ俺は学年が上がってから勉強に躓くことはなく、中学高校でも成績をキープしながら部活習い事に集中することができた。

このように勉強に苦手意識を抱かなかったのは両親のおかげなのだが、10代の俺は「俺ってすごい才能のあるやつなんだな」と勘違いを起こして努力を怠った。そして「将来の日本は俺が背負うぜ」と官僚を目指した。しか大学受験ともなると流石に努力しなければどうにもならない。塾の授業を受けるだけでまともに自習することがなかった俺は、夏休み以降に急激に力を付ける同級生たちに追いつかれ始め、結局センター試験早稲田大学一般入試慶應義塾大学合格したもの東京大学文科一類には不合格

一年間も追加で勉強するのは面倒臭く、浪人せずに現役で早稲田に進学。大学在学中はギリギリ単位取得のCを取り続けて卒業し、「日本を背負う官僚」となることはなく民間企業歯車として働いている。

今、定食屋に昼飯食べに来たら子供勉強について話してるおばさん集団がいて、自分の幼少期のことを思い出して書いた。

2022-07-05

不登校 バイト 大学進学 うつ病

 今現在不登校に悩んでいる中学高校生の中にも死んでしまいたいと思って日々の時間が過ぎていくのをただ待っているだけの生活を送っている人がいるかもしれないけれど。地獄のような生活から逃げ出したい一心自殺を考えている人には、少しだけでも楽しいと思えることができる日が来るのを待っていてほしい。どうか自殺へと行動を移さずに、今も流れ続ける時間を忘れられる方法で一日を過ごしてほしい。

そんな思いで書いています

 成人して数年、久しぶりに一本の煙草を吸ったらいろいろな記憶が蘇った。あの頃までは元気になんでもできるような気がしていたのに、ある時をきっかけに学校へも通えなくなった。

 時を遡ると、高校入学した15歳のころ。ある程度の学力がある人々が集まっていた高校なのに、私のクラスはいじめがあった。被害者はNくんとしておこう。Nくんは比較的活発なグループからまずいじめられはじめ、もともと彼が仲良くしていたおとなしめのグループからいじめられるようになった。彼がいじめられる姿を見て、情けない姿を皆が嘲笑うようになった。私はそこに存在するただの傍観者だった。

 時々、私は彼と帰った。Nくんは太鼓の達人が大好きで、放課後ゲームセンターで上手なプレイを見せてくれた。彼は確かに挙動不審なことが多かったが、それでもいじめられる理由にはならないはずだった。私はその中で、彼がいじめられ続け精神的に追い込まれ部活も行けなくなったこと。勉強も手につかなくなったことを知った。それでも私は彼とたまに帰宅する程度の仲を保っていた。

 このころ、母が国指定難病罹患してしまった。そして私は最低の行為をしてしまった。うつ病の薬のこともあり記憶にもやがかかっているが、自分が最低のことを母にしてしまたことは覚えている。

 体調を崩し脱衣所で四つん這いになったままの母に、私は「何してるの? 大丈夫?」という声をかけながら、心の中では私だって忙しいしつらいのになんで家事をしてくれないんだろうと母を責めた。もちろんそれは口に出さなかったが、それと同じくらい非道言葉を母に投げかけた。

「体調が悪いふり?」なんて、今考えるとどうしてそんなことを言ってしまったのかわからないほどの言葉を投げかけたのだ。当時私は母が何に苦しんでいるのかつゆ知らず、難病のことも知らされておらず気を許せる友達もいない戦場のような高校必死に通っていた。

 母はまもなく入院となり、それが信じられなかったのかもしれない父は私には何も教えなかった。家庭から笑顔は消え、父は仕事、私は学校へ通い夜は二人で家事をするという無機質な日々だけが続いた。

母が数か月後家に帰ってきたとき彼女は骨と皮だけのような姿になっており、帰ってきて階段を上がりきった途端にリストカットするような素振りで「死にたい」と何度もつぶやいていた。私は綺麗だった母が幽霊のようになってしまたこと、悲壮感に溢れた声にもならない声で言ったことに大きなショックを受けたことは覚えている。

数か月後、母は元気になった。朝に起きられるようになり、私の朝ごはんを作ってくれるようになるまで元気になった。抜け落ちていた髪も、青々と茂る夏の木々のように生えそろった。

 朝ごはんを食べ終わり、自室に鞄を取りに戻って登校しようとしたある日、私は階段下りながら涙を流してしまった。すすり泣く私を母が見つけ、その日は学校を休んだ。思えば、この日が私の不登校と出不精のはじまりになってしまった。今思うと、知らぬ間に心にダメージを負っていたのだと思う。

 この数か月前から、授業を聴いていても何も頭に入らず、自分がひどく落ちこぼれたような気がして意気消沈していたのを覚えている。数学テストでは一桁の点数を取り、頭の良い生徒ばかりの高校ではあり得ないほどの点数を取った私は、周囲から馬鹿にされた。盗み見られたその点数を見て。Nくんをいじめていた悪魔から「あたまわっるいね馬鹿なっちゃった?」と言われたことを、今日煙草を吸いながら思い出した。

 体調が悪いと言って登校しなかったその日から、私は完全に学校に行きたくなくなった。もうすぐ高校二年生になるころだったのに、私は自宅でうつろに日々を過ごすのみだった。このあたりの記憶防衛反応によるものなのかほとんど残っていない。覚えているのは、今でも大好きな昔の映画を観たり、小さいころに観ていたポケモンアニメを見ながら昔は良かったなと思いを馳せていたことくらいだ。まるで老人のようなその生活を見た母は、私を精神科へと連れて行った。そこでひとまず一種類の薬を飲むようになり、だんだんと種類が増えていったあたりから私は昼過ぎまで起き上がれなくなった。

 こうして”立派”な不登校になった私は、デ・ニーロのグッドフェローズダニー・ボイルの(ユアン・マクレガー名前を出したほうが分かる人が多いかもしれない)トレインスポッティングを観たり、破滅的な思考をなんとか創作の中で味わい続け、自殺を耐えていた。

 結局、高校2年生の1年間はほとんど学校に行けなかった。

 詳しいことは知らないが、3年生に上がるころ担任から「3年生になると2年生のころのように不登校のままだと卒業ができなくなってしまう」ことを告げられ、私は仕方なく登校を再開した。

 正直2年生のころも同じようなことを言われて、もうどうせ進級もできなくて中卒不登校ひきこもりになってしま未来しか見えていなかった私は、4月から懸命に学校に通った。死にたいことを何度もほのめかす私を。父と母は応援してくれた。父は通勤用の車を私のために家に残し、毎日40分近く自転車を漕いで通勤していた。母は私を学校と自宅まで送迎してくれた。毎日だ。

 途中、休むときもあったが基本的には登校ができていた。Nくんへのいじめ常態化していたクラスいたことで脳にダメージがいっていたのか、相変わらず記憶が思うようにいか勉強はさっぱりできなくなってしまっていた。1学期、定期テストではひどい点数を取り、受験どころか卒業が危ぶまれた。担任から何とかならないかと言われたけれど、何とかなんてならないことは私が一番分かっていた。

 あのころどうしていたのかは分からないけれど、2学期からは死に物狂いで勉強をし、数学では及第点、1学期で0点に近かった世界史テストでは90数点を取った。とりあえず3学期もまた90点ほど取れれば卒業はできるだろうと考えて、3学期も同じくらいの点数を取った。記憶がうまくできなかったので、本当に反復の反復、さらに反復のような状態だった。(今では治った)

 大学ももともと目指していた高偏差値のところなんて行けるはずもなく、必死に受けたセンター試験を利用してそこそこの大学に入った。幸い、高校入学するまでに相当勉強していたのでほとんど勉強しなくても9割近く3教科は取れたのだ。それでも自分にとってはショックで、大学に入っても落ちこぼれた印象はずっとついて回った。

 心を入れ替え大学に通い始めたけれど、不登校の癖がついてしまっていて社会的生活に恐怖を感じていた私は、数か月で電車通学が苦しすぎて中途退学してしまった。

 今、その大学に入りなおしてそろそろ卒業を迎える。内定も得て、自分のやりたかった職業チャレンジできる未来が見えている。

 それでも、いじめを見て疑心暗鬼になっていたことの私の時間は帰ってこない。電車に乗って高校生を見ると、あのころ違う高校に通っていればあんな思いもせずに記憶障害のようなものに悩まされることもなかったのかもしれない、と思ってしまって稀に目に涙が浮かんでしまう。

 それでも時は流れ、日々は続いていく。あの頃は帰ってこないし、私もも20台中盤だ。物事に折り合いをつけられるようになり、バイトまでできるようになった。他人と話すのが怖かったくらいだったのに、今ではコミュニケーション能力も高いよね、と年齢が上の方々からも言っていただけるようになった。(バイトを通して苦手だったコミュニケーションを何度も何度も練習するつもりで磨いた)

 

 今、どうしようもなく不安になってこの日記を書いてしまったが、最近うつ病のような症状も収まりひきこもる頻度も減った。それでも時折、元気がなくなると数日ひきこもってしまう。大学生活だってストレートはいかなかった。体調を崩しひきこもった瞬間もあった。

 それでも父と母は私を理解してくれ、応援してくれた。父に関しては昭和の男だから鉄拳制裁を喰らって殴り合いのけんかになってしまたこともあるけれど、いつの日かを境にうつ病を抱えている私を理解してくれるようになった。遊びに誘ってくれたり、断っても体調が悪いなら仕方ないと理解してくれるようになった。

 うつ病の薬を断って、大学でのストレスからやせ体形だったはずなのに食にストレスをぶつけてしまって今では30㎏ほど増えてしまったし、今の体形の自分は嫌いだけれどそれでも毎日を楽しくは過ごせている。だからこそ、今不登校に悩んでいたり死んでしまいたいと思っている中、高校生学生の同じくらいの年齢の方々に伝えたい。

 どうか諦めずに、つらい今は好きなことをして時間が経つのを待ってみてほしい。

 男だから泣くんじゃない、女だからはしたないことなんてするななんて声は無視してしまえ。男だって泣いていいし、女だって冒険をしてもいい。

 いつしか心に余裕ができて、何かができるようになるかもしれないから。

2022-06-28

anond:20220628140519

家康後家さんばかり狙ってたのはそういうことか

さすが家康・・・

2022-06-21

anond:20220621133945

生活保護は「簡単には」通りませんよ

支給までにはたくさんの手順と現状確認があるんです

 

日本社会福祉は事前にどこにどう相談すればいいか調べて知っているなら、困窮したら確かに助けてくれるんだけど、

即時性は全くないから急激に金がなくなって困窮した時には全然間に合わないんだよね

まだ復職できそうにないけどもう2ヵ月で傷病手当支給期限1年6ヵ月経過して収入ゼロになって死ぬんです~みたいなのはどうにかなるけど

病気した直後家賃は傷病手当支給日まで待ってもらうことはできたけど診断書医療費バカスカ金飛んでそもそも支給日までの食費もないんですけどみたいなのは助けてもらえませんよ

今知れてよかったですね

 

生活保護はイージーだなんてここ数年ずっと言われてるのに反論してこなかった4,442,222ですよねー?

典型的ネットDE真実ってやつですね

2022-05-07

地元の酒屋で嫌な気持ちになった愚痴

ただの愚痴なんだけど、一応書き残して発散しておく。

五月の連休帰省して、実家の近くの酒屋で地元の酒を買った。

夜明け前」という銘柄の「澄上」という見慣れないラベル商品があったので、限定品に弱い私としては買っておかねば!という感じだった。

白いラベルのものと、紺色のラベルに"生"のシールが貼られたものと2種類あったのでどちらか買って帰ろうと店員に違いを聞いた。

俺「この2種類の違いって、生か火入れかの違いだけですか?」

店員のお兄さん(たぶん店長)「そんな感じっす」

じゃあ生の方にするかと、紺色の方買って帰ったんだけど、その後家で調べたところ全然別物だった。

まぁ今風な日本酒っていうコンセプトとかは同じなんだけど、白いラベルの方は低アルコール(14%)で基本長野県内でしか売ってない限定商品だったっぽい。こっちの方がよかったなー。

ベルちゃん確認しなかった自分が悪いとは思うものの、わざわざ質問したのに教えてくれなかったのは腹立つの愚痴

品揃えはいいお店なので今後も通販とかでは利用すると思うんだけど、お店にまで行くことはもうないだろうな……。

店頭販売のみの限定品とかもあったからそれ買えなくなるのはちょっと寂しいが、まぁしゃーない。

2022-04-09

anond:20220407192206

ブルーになってる場合じゃないな

ちゃん増田と向き合って増田の悪い部分をちゃんと指摘してくれてるじゃん

 

もう変にカッコつけんな

ちゃんと何かしてやりたいなら何かしてやりたいからどの日が空いてるかぐらいの当たり前のことを聞くぐらいはしてやれ

あと奨学金を返してから結婚しろ馬鹿かお前、何借金残した状態結婚してんだ馬鹿

別にピカチューなんかどうでもいいわ、指輪の方もどうでもいい

彼女や今後家族になるようなのにとって一番マシなのは家族負債がないこと】だろうが

その借金を誰に背負わせるつもりだよテメーは

その借金しててなんで指輪なんか買ってんだ馬鹿

いか奨学金借金だよ。

日本国若い世代に背負わせた借金だ。

それはもうお前がキャリアアップのために背負ったものだ、彼女関係無いんだよ。

でもお前はそれをちゃん背中に隠して生きなきゃダメなんだよ、漏れ出てもダメだ。

漏れ出たらもう背負ってもらいたくなるからだ。

背負わなきゃいけないと勘違いさせるからだ。

それは嫁さんが賢くて無関心だったとしても子供がそれを見て『いつかお父さんの借金を返してやらなきゃな』と思うんだよ。

 

お前に家族を作る資格なんてねえよ

それでもお前と家族になりたいって言ってくれる彼女感謝しろ

ピカチュー婚約指輪は質に入れてお前はちゃんとお前が向き合わなきゃいけないものと向き合え

 

結婚なんて夢のまた夢に決まってんだろ馬鹿

借金あることすら覚えてねえから金銭感覚バグるんだよ

金返してから金銭感覚整えろ

 

結婚はそこに更に金と他人の命を賭けるものだと理解しろ

花畑野郎

ふざけんなよマジで

2022-03-29

多忙ニートの一日

5時半 起床、じいちゃんとばあちゃんの畑の手伝い

7時  家族で飯を食う、父は仕事

8時  父除く家族朝ドラカムカムブリバディ」を視聴。母は仕事

9時  祖父の所有する駐車場空き地の草取りや掃除

11時 早めに昼飯

この後は叔父さんがやってるスーパー移動販売車を限界集落夕方まで走らせたり、母がやってる学習塾の手伝いをし、その後家族で夜飯食ってビール飲む。

こうしてニートの一日が終わる。朝は早く夜も早い。ちなみに小遣いはある程度好きなだけもらえる。

2022-03-11

anond:20220311212340

で、なんて言われているの?

後家殺し?

2022-03-02

そりゃ手が荒れる

朝起きて食事の前に手を洗う。

お手洗いに行ったら手を洗う。

家を出て職場に着いたら手を洗う。

仕事中お手洗いに行けば手を洗う。

ゴミなどを触ったら手を洗う。

マジックサインペンインクが手についたら手を洗う。

休み食事を買いに行ったドラッグストアに入る前にアルコール消毒をする。

帰社後食事の前に手を洗う。

仕事中お手洗いに行けば手を洗う。

ゴミなどを触ったら手を洗う。

マジックサインペンインクが手についたら手を洗う。

退社後家に帰ったら手を洗う。

お手洗いに行ったら手を洗う。

風呂に入って手(…だけではないが)を洗う。

起きてから寝るまでの間に何十回も手を洗ったりアルコール消毒したりしている。

時勢柄しかたないとはいえ、そりゃ手が荒れるわって話で。

あちこちあかぎれみたいになってチクチク痛む。

2022-01-20

江戸時代なんかインフルエンザでコロッと旦那が死んで、20歳後家さんとかわいい女児合法的にゲットできたんだもんな

羨ましい話だ。

まぁ自分がさっさと死ぬかもしれないけど。

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