2022-11-20

アカデミアのアファーマティブアクションなんてクソ喰らえ

東大博士課程 男性

定期的に燃えては消えを繰り返すアカデミアのアファーマティブアクション(以下、AA)に対する怒りが止まらないため感情整理のために書く。

東大准教授以上のポストを今後女性限定で埋める記事を見て日本でのアカデミア就職を諦めかけている。

https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15478221.html

大学のファカルティ職(助教以上のアカポス)の男女比は偏りがあり、教授では7.8%程度になるらしい。そのため、文科省および大学は、女性アカポス比率を上げるために女性限定公募を設け女性比率を向上させる事を推奨している。

パッと見ると非常に重要施策だし、男女平等に向けて良い向きだと思われる。しかし、実際に運営するうえで差別差別で上塗りする面が拭えず一定数の反対を受けるため、それに対する私見を述べたい。

そもそも論として日本アカデミアでテニュアポストは減少傾向にあり、ポストを獲得するという事は簡単な事ではない。そのため有名大(とりわけ大都市予算の潤沢な大学)はひとつポストに対して倍率数百倍という応募が殺到する。つまり、年間数万人の博士誕生するが安定したポストを得ることができるのは男女に関わらず一握りであると言える。ひとつ仮定として、男女平等一定の優秀層が選ばれた場合、男女比は博士学生比率とほぼ同一になると予想される。しかし、博士課程学生における女性比率現在約30%程度となっており、女性に対して選考プロセスで何らかの差別があったと考えても良さそうであるしかし、本当にそうだろうか?

ここで(1)世代間格差, (2)分野間格差, (3)日本における女性ライフスタイルの選好という新たな変数を導入すると、今のAA問題が浮き彫りになってくる。

(1)世代間格差

 これは簡単に言ってしまえば、博士の男女比が世代によって変化しているはずという事である科学技術政策研究所による調査では、1975年博士女性比率は5.8%であり2010年の30%まで上昇傾向にある。

 ここで単純な仮定として、現在教授が60歳とすると博士号の取得年度は1990年となり、その年の博士女性率は12%と推測できる。この場合選考プロセスにおける差別度は前述の30-7.8 = 22.2から12-7.8 = 4.2と大きくポイントを下げる。また准教授助教と職位が下がるごとに女性比率は上昇傾向にある事からも、女性博士取得の上昇とアカポスの女性率は正の相関があり、不合理な差別によって力強い訳圧ある訳ではないと推測できる。

(2)分野間格差

 これは男女の分野による好みの違いである。一般女性STEM(科学技術分野)を敬遠する傾向にある。実際に上述の博士調査於いて人文科学40%に対し、工学6%と選好に差が生じている。また、議員数や社長の男女比により算出されるジェンダーギャップ指数が高い(男女平等度が高い)国ではSTEM系は敬遠される傾向にある事が報告されている。つまり、完全に平等選考プロセスを踏んだとしても分野間による男女比の差は生じるため数値目標には分野間の調整が必要だと考えている。もし、理工系などでアカポス男女比を50%すると言ったら、選考に歪みが生じるのは想像に難くないはずである

(3)ライフスタイルの選好

 これが一番燃えそうな気がするが、つまり女性は養うために仕事をしないという事である

 男女における賃金格差は全業種において大きな問題ひとつだが、独身場合、差はほとんどない事が各調査で示されている(そもそも同じ職位で性別による給与差があれば労基案件である)。では、どこで差が生まれるかというと、単純に結婚後にフルタイムワークからパートタイムに変更するからである。つまり女性結婚後に稼得業務男性委託する傾向にあると言える。これは各家庭の家事/稼得の比率を断定するものではなく総体として、女性結婚出産後に仕事を辞める傾向にあると言う話である

 ではアカポスと何の関係があるかというと、博士アカデミアに残った女性一定確率仕事を辞めているという事である。つまり、単純に博士の数と出口であるアカポスの比率を比べても一生その溝は埋まらないのである。これは個人的観測だが、女性である程度のアカポスにある人は医者同業者などと結婚しており、男性のように専業主婦を養うようなスタイルは非常に珍しい。同期や友人の博士学生プロポーズされたから辞めたいなどと言う始末である。これは全業種の女性収入が高くても専業主夫を養わない事と同根であると考えている。

一方で男性自己実現としての研究職と家族を養うという両軸のバランスを取りながら、覚悟を決めて科学職業にしようとしている。実際にめちゃくちゃ優秀なのに家族を養うためにアカデミアを去った人を何人も知っている。

(まとめ)

以上をまとめると、現在アカポス事情女性博士取得者の上昇に従い、男女比は改善しつつある。しかし、一定の低い分野や上昇の鈍さは女性のものの選好も加味する必要があると言える。

しかしながら、現在進められているAAはこの結果を見ずに、ただ数値目標的に女性比率を上げようとしているものが大半である。これは平等担保されるべきである選考を無理矢理歪めた結果平等であり、断じて許されるものではない。理工系などでは、その歪みによる若手のダメージは深刻である

百歩譲って過去に機会レベル男女差別があった事は認めよう。しかし、男女平等一定水準でインストールされ育ってきた、我々若手男性が不当に差別を受けなければいけないのだ。看護系や美術系に男性が少ない事は、一切問題にしないのに、一部の理工系だけ捕まえて無理なロジックを使わないでほしい。

こっちは今後家族を養っていく事を踏まえて、覚悟を決めたチャレンジをしているのに"自己実現(笑)"みたいなノリで遊びに来ないでくれ。

実際に現場レベルで何が起きてるかと言えば、外国人留学生女性とか教え子を2年とか助教として置いて、外国人1 pt, 女性1 ptと点数稼ぎしてるだけじゃないか。何の意味があるんだ。

声のデカ女性研究者が声高にAAを礼賛し、少しでも反論すれば差別者呼ばわりするのも辟易する。謎のポンチ絵反論したり謎ロジック脅迫しないでくれ。せめて科学者なんだから論理的整合性を取ってくれ。

貴方たちが求めるアカデミアが、結果平等で男女比が均質な世界なのなら、立場の弱い私たちは受け入れて生きていくしかない。ならせめて、加害している事を受け入れてくれ。痛みも背負った戦いをしてくれ。アクロバティックに被害者にならないでくれ。いっそ「差別者だった性別の方に産まれたのが運のツキだったな!バーカ!死んでやり直すんだな!」とか言われた方が気持ちがいい。それなら我々は、男としてこの時代に生まれた事を受け入れて去っていくから

恐らくこれを外で言えば、我々男性は一瞬でアカデミアから消されるだろう。もう動き出したのは止まらないし、誰も変えられない。我々20代からすれば抑圧者はいだって女性である

感情的に書き殴ったが、以上が今のAAに対する素直な気持ちである。これだけ間違っていても私は科学が大好きなので、科学をしながら家族と生きていける未来模索していこうと思う。

改めて言おう。AAなんてクソ喰らえ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん