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はてなキーワード: 改竄とは

2018-03-07

改竄しただろ

改竄なんてしてない

改竄してない証拠を出せ ← 悪魔の証明


そこまでたどり着いてないんだよばーか

2018-03-06

anond:20180306025709

最大限現政権を信じて、安倍晋三との利害関係は一切存在せず、改竄に一切関わっていないと仮定しても、現政権一年不正発覚を遅らせた責任は重いということを示しただけだ

近畿財務局東北厚生局公文書改竄問題比較する

民主政権下で公文書改竄事件があったという記録を引っ張り出してきて、アノニマスポストやら保守速報といったいつもの連中が「ブーメランwwwwww」と囃し立てている。

これらの悪質まとめサイトの言うことを真に受けるのは馬鹿のすることだが、公文書改竄問題があったのは事実だ。

はいえ、「同じ公文書改竄なんだから同じ対応をすればいい」なんて雑な考え方で良いわけがない。

という訳で、2つの改竄問題比較して、



といった点に検討を加えようと思う。もっとも、門外漢の私には知り得ない部分も多いので、想像が入り込んでしまうのはご容赦願いたい。

なお、現状、私は財務局改竄はあったものだと思っている(厚生局改竄厚生省が認めているため確定している)ので、その前提に立って話をすすめる。

どうやら今日には政権側の調査結果が出てくるようなので、私のこのコタツ検証記事妄言だったと確定するような、改竄がなかったことの確実な証拠を持ってきて欲しいものである

さて、近畿財務局改竄問題は連日騒がれているのでともかく、東北厚生局改竄問題ネットの海を探してもなかなか出てこない。大半が右派系悪質ブログ記事に埋められている。

とりあえず当時の記事としては、日経記事

A: https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2901L_Z20C10A6CR0000/

毎日新聞記事(のWebアーカイブ

B: http://web.archive.org/web/20101025113044/mainichi.jp/select/seiji/news/20101024ddm041010114000c.html

が見つかった。

上の日経記事2007年に行われ、2010年に発覚した改竄

下の毎日記事2010年に行われた改竄問題が取り上げられている。

まり東北厚生局2007年2010年に二回改竄やらかしており、そのうちの一回が民主政権下だったということだ。

さて、この2つの改竄問題だが、どちらも「福島県郡山市医療専門学校」に関するものだ。調べればすぐにどこか分かることだが、まあ学校名はこの際関係ないので触れないでおこう。

ちなみに、どちらも初報を飛ばしたのが毎日新聞のようだが、記事が残っていない。当時の記事が残っている日経が神に見えるぞファッキン毎日

と思ったらこんな記事も見つけた。おそらく毎日新聞の当時の記事コピーであろう。……まあ、コピペされた記事改竄されてない保証はないが。

C: http://jcs2b5lboa.jugem.jp/?eid=57

Cの記事がこの中では一番古いもので、2010年6月15日付だ。これを受けて、厚労省事実を認めた記事がAで、日付は2010年6月29日となっている。

この2つが扱っている事件事件1としよう。

Bの記事2010年10月24日のもの。初報は20日だったようだが、残っていない。これを事件2とする。

事件1の概要はこうだ。

以前(2004年ごろ?)から問題医療専門学校で授業時間の不足が学生教員から指摘されていた。

再三の指摘を受けて、東北厚生局2006年11月調査実施

卒業生男性2007年6月に開示請求を行う。同年8月に開示。

一部黒塗りの資料が開示されたため、男性2010年4月に再度の開示請求。いつ頃開示されたのかは定かでないが、おそらくニュースになる直前だろう。改めて開示された文章に、2007年の開示請求時にはなかった文章存在するのが発覚した。

まり、黒塗りではなく文章が消されていたものが、再度の請求では存在したため、2007年の公開文書改竄があったことが発覚したという事件だ。

一方、事件2の概要はこうだ。

問題医療専門学校解雇され、不当解雇だと裁判を起こしている教員2010年7月8日東北厚生局資料請求

30日の決定期間延長後開示されず、教員東北厚生局へ問い合わせを行う

東北厚生局からは「記載に間違いが見つかったので学校に訂正を求めている」と回答がある

2010年10月1日付けで開示。ただし大幅に改変されたもの

2010年10月20日毎日新聞問題を取り上げる

2010年10月22日東北厚生局から「先に開示した行政文書の一部に誤りがあった。改めて開示すべき文書を郵送する」との伝言があった。

2010年10月23日に258箇所の改変があることが発覚

……っていうか、馬鹿なのか東北厚生局は。

記載に間違いが見つかったので学校に訂正を求めている」って、「今改変してます」って言っちゃったのか……

そりゃバレるよ。バレない方がおかしいよ。

それはともあれ、事件1と事件2だが、共に同じ医療専門学校に関する資料であり、また改変箇所も授業時間の水増しなど共通する点が非常に多い。

まりここから当然のごとく導かれる結論として、東北厚生局問題医療専門学校はズブズブの癒着関係であったと言えよう。

2007年事件1と、2010年事件2は地続きの事件なのである

では、この件、責任を求められるべきなのは誰か。

事件1は民主政権下で発覚したとは言え、改竄が行われたのは2007年8月2007年9月自民党総裁選が行われていて、福田康夫が新しく自民党総裁総理大臣となった。改竄が行われたのはそれよりも前なので、その当時の総理大臣は、安倍晋三である。あれ?

改竄が行われた資料調査が行われたのは2006年11月なので、その当時の総理大臣は……やっぱり安倍晋三である

まあ、東北厚生局安倍晋三の一声で動くって訳でも無いだろうし、安倍晋三東北地方学校癒着しているなんて証拠もないので、この件に関してはなんとも言えないだろう。

とは言え、東北厚生局問題医療専門学校癒着関係にあったことに関しては、橋本龍太郎自社さ連立政権以来10年以上政権与党であった自民党に重大な責任があると言えよう。問題医療専門学校運営する学校法人設立1998年なので、癒着関係がそれより前から存在したこともない。

さて、事件2に関しては、民主政権下で起きた事件である

民主政権下で起きた行政による事件である以上、当時の民主党責任がないとは言えない。

とは言え、民主政権に関しては、

1. そもそも東北厚生局問題医療専門学校癒着が、自民党政権時代に培われた物であった

2. 民主政権が発足してから1年しか経っていない時点での出来事であった

という点を勘案すると、自民党時代負の遺産を負わされた事件であったように見える。

民主党に落ち度があるとすれば、2010年6月事件を受けて東北厚生局をきちんと内部調査し、不正を厳しく罰すべきだったということだろう。

この点に関しては擁護のしようがない。当時の民主党は手ぬるかった。政権担当能力に欠けていた。

しかしながら、上記検証から、当時の東北厚生局問題には、民主党政権の者が関わっている可能性は低く、それこそ官僚独断暴走であった可能性が高い。

さて、一方で近畿財務局改竄問題である

森友学園問題が報じられたのが2017年2月。1年と少し前だ。1年以上もやっているのかこれ……。

問題とされた点に関しては、いまさら振り返るのも面倒であるが、国有地の売却価格評価額の14%であった、といった報道がなされた。

それ以来、「国会空転」「モリカしかできない」などと揶揄されながら野党政権批判を続け、途中で解散総選挙があったりなんだかんだで、今に至る。

政権対応徹頭徹尾「指摘には当たらない」「そのようなもの存在しない」といった話であったが、無いとされていた資料が途中から出てきたりもした。

そこにきて朝日による「改竄」の指摘である

改竄を行った主犯は誰なのか、また改竄が行われていたとして、森友学園を「特例」扱いしたのは誰なのか、と言った点に関しては今後の調査を待たねばならないが、この件に関して、現時点でも明確に分かる現政権の落ち度は、まさに「指摘には当たらない」で貫き通したことである

疑惑が発生してから、現政権調査の協力を拒み続けてきた。朝日新聞が掴めたネタを、真面目に調査して政権が掴めない訳がない。つまり、この一年間「国会空転」させ、「モリカしか」やらない状態になったのは、正しく現政権責任であり、重大な問題であると言える。

また、「指摘には当たらない」で矛先を逸し続けた戦略は、選挙結果に大きく影響を与えていると言える。

野党の主張を「言いがかり」とし、無能野党 vs 有能な政権演出してきたが、蓋を開けて見れば言いがかりではなく、しか政権調査に協力すればもっと早く決着が付いていたということになる。野党総辞職を求めるのには、一定の理があると私は思う。

何にせよ、真実が明らかになるのは(真実が明らかになってほしい)今日国会だ。

どのような結果になるにせよ、国民失望させるようなことにはならないことを祈る。

2018-03-03

森友文書改竄問題で、はてな良心を見た

普通であれば数百ブクマ、あるいは1000に近いブクマを集めて大騒ぎになる所。

しかし、普段政権批判的な有名ブクマカも、とりあえず3月6日まで静観しようという流れに見える。

その証拠に集まるブクマは100~300くらいまでが多い。

燃えてるのは報道事実認定している早とちりな、普段から先走る尖鋭的な人ばかり。

そして見慣れぬアイコン無しもいっぱい(ネット工作?)

ある程度の良心を持ったブクマカは、事実を見極めてから態度を決めようとしているみたいだ。

この一呼吸置こうという良心が有る限り、まだはてなは捨てたものでは無いと思った。

叩くのは事実が出揃ってからだ。この一呼吸が置けない人は、そもそも社会問題に口出しする資格など無いのだから

自分が信じられない

例えば多数の人間の手が加わる仕事ミスが出たとする。

最後確認作業自分だったとして、その後に人の手が加わったか曖昧場合でのミス発覚である

自分ミスしたのかもしれない…。

でもこんなミス自分がするなんて信じられない、きちんと確認したはず。

…いや、でも焦っていたのかもしれないし確認したという記憶自分ミスをしたと信じたくないばかりに記憶改竄しているのかも。

という具合で自分が信じられない場合が多々ある。

また自信を無くし死にたくなるわけである

あ~~石油掘り当てて不労所得を得て社会迷惑かけないよう家の中に引きこもって暮らしてぇ~~~。

ってなる。

いくらなんでも決裁文書改竄はしないでしょ

って思われるだけの信用はまだ残ってるんだよな

今の所は

2018-02-08

anond:20180208201441

色々出てくるなあ というわけで追加

Tatsuo Shibata

@tstateiwa

医学部出身ホラッチョ斉藤はMPUの素人に過ぎない。小保方事件の時もそう思ったが、問題は、政府がなぜ簡単に騙されてしまうのかということだ。

最近産業界も学界もマスメディアも、インチキなモノが新興宗教オカルトの如く跳梁跋扈するようになった。論文偽造・改竄は当たり前の時代だ。補助金詐欺不正使用は後を他絶たない。量子コンピューターAIビッグデータ、IoT、自動運転電気自動車、反原子力自然エネルギー発電、等々。

プロフ浪人って書いてあるけど10浪くらいしてそう

2018-02-05

anond:20180205172821

ブロックチェインの根幹部分の考え方は、帳簿の改竄防止用などに、ごくありふれた当たり前の技術として、

ひっそりと使われてゆくんじゃないかなぁ・・・

たぶん、使ってる本人も使ってることに気づかないくらいのレベルで。

2018-02-01

2018年代、引越し物件探しにまつわる諸問題

十数年ぶりに引越した。

三十路過ぎたシケた独身おっさん都内での引越しなんざ世間から見ればどうでも良い事なのは分かるが、物件探しに関してモニョる部分があったので書いてみたい。

物件探しはまだ学生だった前回の引越しの時のように不動産屋に片っ端から入ってチラシを見て探す時間がなかったのでHOMES、SUUMOの2アプリを使って絞った後に不動産屋へ赴き該当物件書類を見せてもらい、内覧するという方式で探した。

正直この二つのアプリに関しては出てくる情報はほぼ一緒だったし使いやすさに関しても大した違いは感じられなかった。

問題アプリ掲載されていた物件情報と実際に不動産屋で見せられる書類内覧で見る実情(基本的には平米数)が違う物件が「特定個人のうっかり記載ミス」ではすまないレベルで多かった事だった。

アプリでの条件を絞った検索で40平米以上の自分の払える家賃からしたらお得な物件を十件くらいみつけたが、その全てが実際は40に達していなかった。

正式な平米数が書かれた書類を出してくれる不動産屋はまだ良心的だったが、中には「明らかにこれ30平米もないだろ」な物件内覧先で笑顔で勧めて来るファンキー不動産屋もいた。

汚れたおっさんとしてはどこかが数字を「現況優先」という魔法言葉による絶対防御を利用して過大に書き、不動産屋はわざわざ車を出して現地まで同行する事で手間をかけてもらっているという申し訳なさを感じさせ、道中の車内閉鎖空間で親しく会話する事などで心情的に縛って断りにくくして契約させたり「他にもいくつか似たような物件あるので見てみますか」方式でその物件以外を勧めてなし崩しに契約に持っていくという商法なんじゃと邪推したくなるが、どこかで数字を過大に改竄しているのがどこかに関しては確証が持てない。

受験シーズンも終わり、これから上京の為の物件を探す方々には遠方から都内に来て限られた時間で探さなければならない、という自分よりも遥かに大きな制約があるのでアプリ情報と実際の物件情報乖離している事例が多々あるし、あらかじめ不動産屋に電話なりして「アプリ広告記載内容と現況は一致しているのか」くらいの確認はしておいた方が余計な苦労がなくなるのでは…という事をお節介なのは承知でご進言させて頂きます

まあ十数年ぶりの引越しなんで世間では既にこんなの常識なのかもしれないけど。

あと42平米と記載されてたのに30平米もない物件を勧め、「検討します」とやんわり濁して帰ってからメールで断りをいれた某有名チェーンな不動産屋のお兄さん、ノルマ地獄なのはなんとなく想像つくけど断られた後に「私と○○さんの信頼関係を~」的な電波契約懇願長文メール送るのはやめたほうがいいと思います

自分のような擦れたおっさん苦笑いで酒買う口実にするくらいだが、擦れてないヤング相手にやるのは秋葉原で絵を売ってる連中(まだいるんだろうか…)と同レベルだし、邪悪人類相手にやってしまうと非常に危険度が高いので。

逆にこちらが対会社攻撃力の高い弁護士&労基&精神科バリューセットを紹介したくなりましたよ。

とりあえず不動産賃貸関係に詳しい方、実情がどうなってるのか教えていただければ幸いです。

2018-01-12

[] 日本で見つかった「国宝級中国陶器」は本物か、偽物か?

原典:日本發現的「國寶級中國瓷器」是真是假? 日經中文網

日本で見つかった「国宝級中国陶器」は本物か、偽物か?

2017/06/26

日経中文網 特約コラムニスト 張石

2016年12月20日、日本のテレビ東京系のテレビ番組「開運!なんでも探偵団」で「衝撃的なニュース」が報じられた。番組始まって以来最大の発見として、世界で4個目となる中国宋時代の陶器「曜変天目茶碗」が発見されたというのだ。番組の中で、日本の著名な美術鑑定家の中島誠之助氏は、「12~13世紀中国南宋時代に福建省の建窯で焼かれた『曜変天目』に間違いない」と述べ、2500万円の価値があるとした。

曜変天目茶碗とは

曜変天目茶碗」は中国の宋時代に作られ、その窯は建窯と呼ばれた(歴史的には建陽窯とも呼ばれる)。現在の福建省南平市建陽区水吉鎮にある。この茶碗は釉薬が焼成の過程で流れ落ちて厚く溜まり、一部は凝集して滴を作る。この滴の周囲で特殊な窯変反応が起き、七色に輝く光彩を生じる。その輝きはまるで夢幻かあるいは変化する気象のようで、色鮮やかな霞をまとっており、神秘小宇宙に輝く星空のようだ。この種の茶碗が焼けるのは極めてまれな偶然によるもので、一説には窯変過程でこのような効果が生じるのは数百万個に一個ほどと言われる。現在世界に存在する完全な「曜変天目茶碗」はわずか3個で、東京静嘉堂文庫京都大徳寺龍光院大阪藤田美術館が所蔵し、すべて日本の「国宝」に指定されている。中国には現在「曜変天目茶碗」の陶片が1点あるのみだ。

天目茶碗は宋代に制作され、その生産は元時代の初期まで続いたが、以後は二度と作られていない。中国では明や清の時代に曜変の再現が試みられたが成功しなかった。日本では江戸時代から再現が試みられており、美濃や瀬戸で「白天目」などは生産されたものの、「曜変天目茶碗」の再現には至らなかった。1974年、日本の化学者安藤堅は48歳で、それまで定収入が得られていた仕事を辞め、高級住宅も売却して「曜変天目茶碗」を再現するための研究を始めた。彼は貧困の中で困難な研究を続け、ついに1977年に古代の「曜変天目茶碗」に似た最初の作品を焼くことに成功した。安藤に続いて、日本の陶芸家の林恭助、桶谷寧、長江惣吉や中国人間国宝国家級非物質文化遺産建窯代表伝承人)である孫建興らが曜変に似た作品を作っている。

曜変天目茶碗」の鑑定が日本で大論争に

番組の放送後、徳島県教育委員会はこの茶碗を県文化財に指定するための調査計画した。

しかしここで、日本の陶芸家や専門の研究者から曜変天目茶碗である」という番組の鑑定に対して疑問が投げかけられた。愛知県で古くからの窯が多い瀬戸市に住む陶芸家の長江惣吉氏は家業の陶工を継ぐ9代目で、父親の曜変天目研究を継承している。彼は父の業績を引き継ぎ、「曜変天目茶碗」の再現に一定の成功を収めた。1996年以来、中国を28回も訪れて建窯の研究を行っている。中国では中国科学院上海珪酸研究所と連携して陶磁器の国際研究会にも参加し、中国の陶磁専門家に友人も多い。中国古陶磁の再現についても意見交換を行っている。その長江氏が番組に異議を唱えたのだ。彼はインターネットで、福建省周辺で作られた「曜変天目茶碗」の複製品を購入し、これが番組の認定した「曜変天目」と出所が同じだと考えている。

「この茶碗には顔料(スピネル顔料)が使われています。この顔料ヨーロッパ18世紀に発明されたもので、曜変天目が作られた宋代(12~13世紀)には存在しません。ですから、こういった顔料が宋代の茶碗に使われることはありえません。この顔料の主な成分は、化学的に製造されたコバルトクロムセレンカドミウムです。これらの元素が多く含まれていれば、例の茶碗を分析すれば各々の顔料部分からこれらを検出できるはずです。これらの元素は完全に天然原料から作られた当時の建盞には全く含まれません。仮にこれらの元素が天然原料に不純物として含まれていたとしても、その量は 0.01% 程度にしかなりません」

「曜変の光彩はオパールのように、見る角度が変わると光彩も変化します。非常に美しく、人を魅了するものです」

「いわゆる「曜変」という言葉の意味は、輝きが変化するということです。(長江氏がネットで購入した茶碗を示しながら)しかしこの茶碗は、単に青・緑・赤の顔料が発色しているだけです。この種の茶碗の場合、釉薬の成分(リン酸)の関係で、顔料釉と白濁釉にわずかな光彩が出るのみです。曜変の明るい光彩とは比べ物になりません。私がネットで買った茶碗を番組の茶碗と比べると、赤色の内側部分がよりはっきりしていて白い部分はありませんが、これは顔料で描くとき方法の違いや白濁釉と顔料の濃淡の違いによるもので、実際のところはどちらも同じですよね?」

長江さんは後で筆者に述べた。

「あの茶碗は中国の福建ではどこでも見られる商品です。「曜変天目茶碗」に似ていると言う人もいるかもしれませんが、これは偽物として作られた物ではなくただの商品で、非常に安い値段で売られています。番組の中でテレビ東京はあの茶碗を宋代に作られた「曜変天目茶碗」だと説明しましたが、これは「鹿を指して馬だと言う」ようなものでしかありません。」

中国陶磁史と中国陶磁考古学の分野で世界的な影響を持つ権威である沖縄県立芸術大学教授森達也氏も、筆者の取材に対してこう述べた。

「少なくとも「曜変天目茶碗」ではありません。12~13世紀製造されたという可能性も非常に低いものです。」

筆者がその理由を尋ねると、森達也氏は以下のように述べた。

「1. 日本国内には3個の「曜変天目茶碗」があります。私は杭州で出土した「曜変天目茶碗」の破片も手に取って見たことがあります。「曜変天目茶碗」の外側にはテレビ東京の番組の茶碗のようなはっきりした模様はありません。

2. テレビ東京の番組の茶碗に見られる模様は雲のようですが、これは曜変天目の模様とは全く異なります。本物の「曜変天目茶碗」の模様は白くて丸い斑紋で、その周囲には虹のような色鮮やかな光芒が出ています。

3. テレビ東京の番組で鑑定された「曜変天目茶碗」には、茶碗の底に「供御」という二文字があります。確かに建窯の窯跡では「供御」と書かれた陶片が見つかっていますが、割れていない完全な陶磁器でこの二文字が刻まれたものは世界中で一つも見つかっていません。模倣品でこの二文字を刻んだものは数多く存在します。テレビ東京の茶碗は本物の「曜変天目茶碗」とは全く異なるものですが、最近中国流行している模倣品とは非常によく似ています。」

森達也教授さらに述べた。

テレビ番組としては劇場的な効果さえあればよく、科学的な研究は要らないのです。あの茶碗が日本の3点の国宝と同じであるなどというのはナンセンスな話ですが、陶磁器科学研究を行っている人々からすればこれは非常に残念なことです。」

この論争は中国にも広がっている。中華陶磁芸術設計大師の資格を持ち、国家級非物質文化遺産建窯代表伝承人(日本の人間国宝に相当する)でもある建窯陶磁研究所所長の孫建興氏は、「曜変天目茶碗」を再現し建窯を再び曜変の産地とする事業に40年にわたって取り組んでいる。彼はこれまでに黒釉の天目茶碗や黄(赤・青・金・銀)などの兎毫盞、異毫盞、虹彩(金縷、白点)、鷓鴣斑、鐵銹斑、毫変、国宝油滴、金(銀、虹彩)油滴、黄天目、蓼冷汁、灰被、玳瑁、柿紅、虹彩、金(銀)彩文字、木葉、窯変、曜変天目などの一連の作品を作ってきた。彼が長江惣吉氏に送ったメールで、彼は述べている。

「これは曜変の偽物で、現代に焼かれたものです」

筆者も電話で孫氏と長時間話をした。彼は筆者にこのように述べた。

テレビ東京で放送された茶碗はせいぜい数年前に作られたものです。」

新聞や雑誌で真贋論争が過熱した後、この「曜変天目茶碗」の所有者は茶碗を奈良大学文学部文化財学科教授の魚島純一氏に渡し、分析を依頼した。魚島教授は蛍光X線装置を用いて茶碗表面の色の部分を分析した。

魚島教授物質に含まれている元素を検出できる蛍光X線分析装置で、茶碗表面の各色にX線を照射して元素の種類と量を測定した。その結果、アルミニウムなど10種類の元素を検出したが、化学顔料に使われる元素については発色に影響しないほどわずかな量しか検出されなかった。

魚島教授は述べている。

「X線分析の結果、表面のどの色の部分かによらず、検出成分はほぼ同じであった。このことから、茶碗に使われている釉薬は1種類であると考えられ、この分析結果からは茶碗が偽物であることは断定できない。」(《德島新聞》,2017年2月28日

一方、長江氏は筆者に対して次のように述べた。

「魚島教授は、釉薬の発色に影響するだけの量が検出されなかったため、判断ができないと言っている。であれば、魚島氏は最低限どれだけの量が含まれていれば発色に影響するのかを具体的に言った上で、分析の結果その最低量を下回っていたことを示さなければならない。しかし、魚島教授データには下限値の数値も書かれていないし、彼が分析で得た数値も書かれていない。よって彼の判断には根拠がない。」

日本の複数メディア報道によれば、その後、茶碗の所有者から茶碗についての資料が提供されないため、徳島県文化財指定のための調査を中止した。

なぜ「曜変天目茶碗」の鑑定は論争を引き起こしたか

私自身、「開運!なんでも鑑定団」は好きな番組だ。自分も中国の古陶磁を蒐集しており、骨董の鑑定について10年近く独学で学んでいる。浅学ながら陶磁器の本や文章なども執筆してきた。私は中島誠之助さんの陶磁器鑑定、特に日本の陶磁器鑑定については相当の経験をお持ちで深い造詣を有していると思っている。

だが、中島さんと彼の鑑定についてはともかく一般論として、一人の鑑定士の鑑定範囲が日本だけでなく海外をもカバーして、なおかつ正確であることを求められるというのは、鑑定士にとっては間違いなく一種冒険と言ってよい。陶磁器は全世界に存在し、最古の陶器は数万年以上の歴史を持っている。一人の鑑定家が古今東西全てについて完全に判定できて一度も間違えないなどということが可能だろうか? 一度間違えればその後も間違いの危険は存在するのだ。

「荘子」で述べられているように、「吾が生や涯(かぎり)有り、而(しか)も知や涯無し。涯有るを以て涯無きに随(したが)うは、殆(あやう)きのみ」(我々の人生は有限である。しかし人間の知は無限だ。有言の身で無限のことを追い求めるのは危うい)なのだ

このことは、最も権威ある陶磁器研究者であっても忘れてしまうことがある。例えば、1959年国際的に知られた陶磁研究専門家で日本陶磁研究第一人者でもあり、当時日本の文部省の技官として文化財専門審査委員を務めた小山富士夫氏が、「永仁の壺」と呼ばれた陶器を日本の重要文化財に指定するよう強く推薦したことがあった。これを受けて同年6月27日文部省は「永仁の壺」を鎌倉時代古瀬作品であるとして重要文化財に指定した。

その後、日本の有名な陶芸家であった加藤唐九郎が海外に渡航した際に、唐九郎の息子である加藤嶺男が「いわゆる「永仁の壺」は自分が作った」と述べた。唐九郎の帰国後、彼はメディアが大騒動になっているのを目の当たりにした。1960年9月23日、唐九郎は「永仁の壺」は1937年に自分が作ったものであることを認めた。(真の作者が誰であったのかについては異なる見解がある。)「永仁の壺」が本物である証拠は、古瀬戸の「松留窯」で発見された陶片が「永仁の壺」の胎釉と一致するという点にあったが、実は「松留窯」自体加藤唐九郎による捏造で、陶片も彼が偽造したものだった。

このようにして、「永仁の壺」を含む重要文化財3点が指定取り消しとなり、小山富士夫は委員会を辞職した。ゆえに、賢明な鑑定家は誰であれ、古物の鑑定には、異議の申し立てが容易に行えるように、議論の余地を残しておかねばならないのだ。

私は中島氏の鑑定が間違っていたと言っているのではない。第一に、私はこの分野の専門家ではない。この件で私が真贋を判断するのは無意味だ。第二に、厳密にいえば、文物の鑑定とは考古学歴史学、美学、自然科学にわたる総合的な学問である全面的に、かつ正確に古代の文物の年代を特定・鑑定する厳密な科学方法は存在しない。言い換えれば、こういった議論で100%の是非を決める結論を得るのは難しい。

筆者は言いたい:このような重大な鑑定では、もっと広く意見を求めるべきだったのではないか?

確かにテレビ番組では、科学研究場合のように「この品物が疑わしい」と言うのは難しいことだ。しかし、結論を出すのが難しい文物、特に「鑑定団史上最大の発見」といった結論や、「現存4個目の中国宋代の陶器「曜変天目茶碗」」のような鑑定については、中国建窯の専門家と日本の権威ある専門家の意見を求めるべきではないだろうか。筆者はテレビ東京の番組担当者に、この論争についての意見を求めて何度も電話をかけ、メールを送った。しかしこの原稿を執筆している時点では、彼らからの返答はない。「週刊ポスト」の報道によれば、この件についてのテレビ東京見解は以下の通りだ。「鑑定は番組独自見解であり、お答えすることはございません」(《週刊ポスト》,2017年6月23日,146頁)

だが、もしもっと広く意見を集めることができたら、例えば中国で初めて建窯の陶磁器の再現に成功した前述の孫建興氏のような専門家の意見を求めてはどうだろうか? 彼の「曜変天目」に関する研究と実験は非常に深いものだ。彼は考古学、鑑定、科学実験の各方面に非常に造詣が深い。こういった人々の意見には重みがあると言えないだろうか。もしテレビ東京がこのような人々にもっと意見を求めるようにすれば、論争は減るのではないか?

もう一つの問題は、文物の鑑定に自然科学が介入するという話だ。実際、今のところ文物科学的に鑑定する完璧方法というのは存在しない。多くの人が挙げる放射性炭素年代測定法は、自然界に存在する炭素14という同位元素を使ってもともと生きていた動植物の年齢を決める放射年代測定法だ。動植物が生きている間は生物の新陳代謝によって生体内の炭素14の量は一定に保たれる。生物が死ぬと体内の炭素14は崩壊して減り続ける。だが磁器・陶器・青銅器などは無機物だ。しかも時代の古い文物場合炭素14年代測定では年代の上下の誤差が大きい。一方で、1000年から2000年前という比較的新しい歴史的文物場合基本的には炭素14鑑定は使えない。

また、熱ルミネセンス法と呼ばれる鑑定方法もある。陶磁器が焼かれるときに500℃以上に加熱されると、外部から吸収した輻射エネルギー放出される。その後、焼成から年月が経つと、年月の長さに応じた量の輻射エネルギーを再吸収していく。熱ルミネセンス法の原理は、古陶磁の内部に蓄えられているこの輻射エネルギーの量を計ることで年代を測定するものだ。誤差範囲一般的に±20%程度で、相対的には正確な方だ。

しかしこのような報道もある。

「数年前、北京の二つの有名な博物館がそれぞれ六朝時代の陶器を古物市場で20万元で購入したが、後にそれらがすべて贋作であることが判明した。これらの品は河南省の某博物館の下で作られたアンティーク工芸品であったが、なぜこれらが北京の潘家園旧貨市場に流れたのかは分かっていない。ある古物の専門家が古物市場を訪れ、そこで売られている品物を熱ルミネセンス法で調べると、約1600年前という測定結果が出た。そこで誰もがそこの品物を買った。買われたことが知られると、同じような品物が古物市場にどんどん出現した。そこで国家文物局がすぐに公安部通報した。公安部担当者は、「墓が荒らされて大量の遺物が盗まれる事件が発生している」と説明した。警察が現地に到着すると、地元の住民が自宅で贋作を作る作業をしているのを発見したという。彼らは六朝時代の墳墓から盗掘したレンガを削って粉にしていた。この粉を贋作に使えば、熱ルミネセンス法にかけても墳墓の中で長年溜め込んだ輻射を出すので贋作を判別できなくなる。また彼らは、こうして作った粉で六朝陶器を偽造するための特別な装置も使っていた。このようにして、熱ルミネセンス法での検査は失敗してしまうのだ。」 (《鑒定家VS造假者》,新華網,2005年03月15日

魚島教授が蛍光X線分析を用いた点に関して、森達也教授は私に述べた。

「彼は本物の曜変天目との比較を一切行わず、例の茶碗のみで分析を行いました。これでは意味がありません。」

筆者は魚島教授にも、蛍光X線検査について質問を行った。彼は言う。

「私はあくまでも顔料部分の元素を調べる目的でこの装置を用いました。私が調査結果を発表した際に、茶碗が偽物である考える人たちから非難を受けましたが、私は真贋鑑定をしたわけではありません。」

筆者:

―― それはつまりあなた検証結果は、この茶碗には18世紀以降の顔料は使われていない、ということですよね。

魚島教授

「それは新聞がいい加減に書いていることです。私は18世紀以降云々といったことは言っていません。私はただ、現代のものと考えられるような種類の顔料は検出されなかった、と言っているだけです。」

筆者:

―― 言い換えれば、18世紀以降に発明された化学顔料は使われていなかった、ということですよね?

魚島教授

「これらの顔料が使われているから茶碗は偽物なのだと主張する人々もいますが、私はただ、そのような顔料は検出されなかった、と言っているだけです。私は陶磁器鑑定の専門家ではありません。あの茶碗が偽物だと主張する人々は、化学顔料元素が茶碗に含まれているはずだ、と言っています。私は単に、その元素があの茶碗に本当にあるかないかだけを調べたのです。どの時代に作られたものか、という調査をしたのではありません。ただ、あなた方が言っているような元素はありませんでした、と言っただけです。」

筆者は質問した。

―― 例えば、もちろんこれは(例の茶碗のことではなく)仮定の話ですが、誰か現代の人間が、今回指摘されたような元素を含む現代の化学顔料ではなく、昔の顔料を使って茶碗を作ったとしたら、あなた検証方法では今回と同じような結果が出ますか?

魚島教授

「その可能性はあります。」

しかしながら、中国では古代の陶磁器を偽造または模造する際に化学釉薬を使うことは多くない。中国の多くの地方には陶磁器の偽造工房があり、こうした工房の多くには専門技術を持った人間がいるわけではない。地元の農民が、数千年間にわたって埋まっていた陶土を掘り出し、古代の方法で焼いているのだ。匿名で語ってくれた、中国で著名な建窯の研究家考古学者、鑑定家たちが筆者に述べたところでは、現在中国には建窯産品のコピー品工房が1600以上存在する。その多くは偽造品を作りたいわけではなく、単にアンティーク風の品や旅行土産製造するのが目的だ。もちろん中には偽造品の製造目的とする人々もいるが、偽造品の製造方法はどこにでもあるような手法だ。科学的な鑑定が困難になるように、古い器の底の部分だけを新しい器に接合したり、古い胎土に新しい釉薬を使ったり、古い胎土に古い釉薬を使ったり、その他いろいろな方法を使っている。

このことは、古物鑑定が文化や歴史年代、改竄や継承といった問題と関わっていることを示している。加えて社会的な影響や国際的な影響も大きい。今回の鑑定やテレビ東京の件は別にしても、日本の博物館や歴史研究部門では、中国文物を鑑定する際に同じような問題に直面しているはずだ。それゆえ、重大な結論に至るような場合には、我々は注意深くなる必要があり、広く意見を求めるべきなのだ

※ この記事は筆者の個人的視点を示したものです。

張石 略歴:

1985年中国東北師範大学外国語言文学系研究所卒業修士号を取得。1988年から1992年まで、中国社会科学院日本研究所助手研究員 Permalink | 記事への反応(0) | 00:35

2018-01-07

仮想通貨が本当に通貨になったらいかに便利か力説してみる

仮想通貨メリットが今ひとつからない。

自分なりに仮想通貨しか出来ない使い道を考えてみる。

テロリストテロ支援国家関係の深い団体個人の口座は凍結されて、テロリストテロ支援国家に送金は難しい。

でもビットコインなら大丈夫

誰も改竄できない取引正当性担保しつつ、誰も個人特定できない完璧匿名性!

テロとか自分から遠すぎて実感がわかないけど、身代金とか振り込め詐欺あたりなら一般市民にも関係するかもね。

スマートコントラクトが実装された仮想通貨市民権を得たら、もっと便利!

足がつかないうえに踏み倒されないノーリスク闇金開業できる!

今はまだ仮想通貨は、使えるところがない、ただの電子ゴミだけど、これが本当に通貨としての地位を獲得していけば、すごく便利かも。

きっと市民権を得て、街中の買い物で仮想通貨が使える日もくるよ!

2017-12-24

三十路過ぎのこぎたないオッサン初恋が終わって一年が経ちました

聡明でかわいらしい、素敵な彼女だった。

酔狂にも俺というオッサンを選ぶくらい、独特の価値観を持つ女性だった。

おまけに脳内存在ではなく、実在しているときた。二次元相手にすら恋愛という感情を覚えることができないままぶくぶくと肥ったオッサンには過ぎた幸福であった。

三十路半ばに降って湧いたように訪れた初恋一年と少しで消えていった。

仲違いではないし、ケンカをしようといっていたけれど、それも楽しみにしていたけれど、結局できないまま終わっていった。

わかっていたことだが、未来よりも過去が強く、彼女は聡明でやさしく、俺は弱かった。

「いつか、彼女が俺に愛想を尽かすだろう」と、非モテオタクらしくビクビクした卑怯惰弱予防線をはりめぐらせ、それでも卑屈にならぬようにつとめて一年を過ごした。

それは思い返しても幸福で濃密な一年で、一人で過ごしたこ一年はただネトゲソシャゲの数値を漫然と増やすのと同じ時間であることがにわかには信じられないほどであった。

我々は遠距離であったから、一年の間にともに過ごしたのは実質3週間かそこらといったところではなかろうか。

俺は身に余る幸福を、軽々に疑うことなく、その一瞬をひとつづつ大切に味わい、決して忘れないようにしようと思ったのだ。いつか失われるものだと予感していたから。

別れを告げられる前の、楽しそうだった最後デートで時折見せた憂いの表情で確信にかわった。

もちろん決裂を回避すべく、さまざまな方策が取られた。しかし、竹ヤリで飛行機は落ちない。俺にできることはこの先のお互いの平穏を用意することしかなかった。

万全の心の準備があった。

傷付かずにいられると思った。

やせ我慢などではなく、こんな甲斐性も主体性もない男に生まれてきたことを感謝させてくれてありがとうな。なんて思っていた。

愛想をつかされたわけではない、しかし、どうしても避けられぬ別れを。一緒になるには俺が俺であること自体障壁になる理由を、来るべき三行半をLINEでしぼりだすように送られたとき

ここからの余生が決定された。

このハッピーにもほどがある一年を思い返し、少しずつキャラメルなめるように溶かしながら生きていくのだ。

それはそれで悪くないと、口を半開きにして漫然と生きてきた自分には身に余る幸福なのだと本気で思った。

恋をしたことがないオッサンは、恋に免疫はなかった。ぶっちゃけ甘く見ていた、ひどくナメていた。今自分にとりついている無情感、寂寥感、つかれ、首の凝り、残尿感、就寝後喉から込み上げてくる胃液で灼ける喉、そういったもの一時的な症状で、一年もたたないうちに治るのだと。

そうしたら、突然推し自分ちの台所で白米を炊き始めたのを目撃した女子のごとき切ない声をあげてうずくまるようなこともなくなるだろうと軽く考えていた。

これは失われゆくとき効果を発揮し、一生をかけて宿主を食らう猛毒の類であることに。オッサンはようやく最近気づかされてしまった。

余生のはじまりであったこ一年は短いが、人生支配するには十分な期間だった。

一年には四季があった、ふたりでいろんな話をしながら、様々なところにでかけた。おそらく、ほかのつがいたちがそうするように。我々もさんざんそうした。行こうと約束したきりの場所が、いくつもあった。

から、いろんなところに手がかりを残してしまった。

ひょんなところで、どうしても、少しのきっかけで思い出してしまう。

つきあっている間からちょっとした瞬間にこねくりまわしていた甘い思い出たちが、刃を剥いてオッサンのやわらけえ心をズッタズタに切り裂いていくのだ。

お揃いで買ったボールペンを筆箱から取り出したとき。町中でてんぷらそばの香りが漂ってきたとき。美しい紅葉を見たときバスの中が閑散としていたときTwitterネタ画像を貼ろうとしてカメラロールをたぐったときカップル用の写真置き場として導入したアプリに「もう別れた」と告げることもできないままだったから「つきあって2年目ですおめでとう」という通知が臆面もなく画面に現れたときテレビサメがでてきたとき花火の音を聞いたときモネの絵を見たとき映像の世紀テーマソングが流れたとき。海。いきつけの居酒屋。空が透き通るように青かったときふたりで行こうと話していたその場所への旅行記。机の引き出し。

容赦なくそれらにまつわる我々のイベント一枚絵がフラッシュバックしていく。

思い出がたのしかったほどに、もはやそれらが二度と訪れないことを突きつけていく。無能怠惰だった自分を上っ面だけなじって、甘い記憶の反芻にくたびれる。

そして文字通りくたびれたオッサンは何度目か忘れた記憶の反芻の果てに、ふと気づいてしまう。

記憶は軽く、少しずつ改竄され、曖昧になっていっている。

たった一年だ。

たった一年でも、強い記憶でも、そのすべてをわすれないように目に、鼻に、耳に、手がかりをのこして脳の一番とりだしやすい引き出しにこうしてしまいこんだつもりでも。

どうしたって、あせていくのだ。あせていく割に、思い出したときダメージは軽くなりはしない。ただうすくらがりの割合が増していき重くなっていく。

忘れたもの自分にとってどうでもいいものだったのか。

なんて意味のない自問をして、やめて、また自問して、夜が明ける。

どうすればこの変質を止めることができるのか。

高校生のうちになやんで置くべき事をいまさらやりはじめているから、だれもその無意味思索を止められない。

写真を眺めても、LINEのやりとりをさかのぼっても

俺の印象に沿って変質した思い出を、きっと刻み込んだ瞬間から変質しつづけているその代替品を、いつまで、いつまで舐め続けることができるのか。俺が改竄したのは、いったいどの部分か。彼女の行動か、表情か、懊悩か、それらを突きつけられまいと先手をとって口先で蓋をしていった愚かで卑しい自分の行動か。

傷つけるかもと言おうとして言えなかったうわっつらの言葉か。

変えられなかった自分怠惰か。

いや、それに妥協する自分を、自己愛自覚していますみたいなメタい達観視点で、別の自分を用意したあげくのいぎたないマウントをキメる惰弱自分への嫌悪感だ。

こんなものが、二度とこない、見ることのできない美しい追憶邪魔をする。

しかしこんなものがなければ俺はきっと、こんなこともわかりはしなかった。

ひとりの脆弱なオッサン過去に食い尽くされるより、

きっと、未来朽ち果てる方が早いんだろう。

冒頭で「フラれたときに、余生を決定した」と言った。

本当は、もっとからずっと余生だと思っていたのだ。

20代のはじめに自分というハードウェア脆弱性愕然とした自分は、ここより余生という看板を高々とかがげ、レールにトロッコを設置してゆっくりと坂を下りはじめた。山にぶつかるまでが人生だと割り切ってみると、けっこう空は綺麗だったし、白米は噛むと甘かった。

本当にしあわせだった、大事にしたかった。

思い出じゃなくて、君と君と一緒にいる自分自身を。

なんて、ありあわせの後悔を口に出せば、どうしたって、安っぽくなる。

感謝言葉を書き連ねたいが、それここでやるにはあまりにも浅ましすぎる。

誰の目にもつかず埋もれるか、「貴様の贅沢な懊悩など見る価値ないわ」と吐き捨てるように扱われたいだけなのに。

そうでもされないとやっぱりやってられないくらいにただひたすらに、いまだに、恋しさだけが、こびりついていく。

こんな寒い日に、さびれた地方都市ビジネスホテルで、小さなシュトーレンを分けて食べた。

あの日彼女が着ていた服をもう、思い出せない。






みんな! 現実には存在しないキモオッサン気持ちになって書いたキモポエムをここまでよんでくれてありがとうな! 愛してるぜ!

2017-12-20

はあちゅうかいうのがウンコ過ぎてヘドが出る

自分セクハラモラハラやってて注意されてもふくれっつらで

都合悪いこと言いそうな知り合いはFBプライベートページ晒し牽制しててしかもその内容も改竄してあって

諸々のこれは本日発売の自著に時期を合わせたプロモーションだった

なにこれサイコパス

もう岸がどうとか無関係ウンコじゃん

どおりで「はあちゅうは嫌いだけど本件は支持」みたいな言い方が異常に多かったわけだ

みんなあの人物がこんなんだってこと知ってたんだな

てゆうかこれにガッチリ噛んでるヨッピーも当然諸々知ってたんだよね

それが一番ショック

こんな人間新刊プロモーション成り上がりのためにシリアス社会問題っぽいのぶちあげて騙しおおせるつもりだっだんだよね

あのへんのチーム黒すぎひん?

ていうかバスフィードもなんなの・・・

なにも知らずに利用されてた第3者と思えるほどのナイーブさはもう残ってないよ・・・

2017-10-18

神戸製鋼データ改竄に関する簡単説明など

なんでこんな記事を書こうかと思ったかと言うと、公式リリースでは引張試験などについての説明がなく、何の知識もなかったら何言ってるかさえ読み取れないだろうと思ったから。

http://www.kobelco.co.jp/releases/1197833_15541.html

魚拓: https://megalodon.jp/2017-1017-2227-45/www.kobelco.co.jp/releases/1197833_15541.html

機械的性質って何さ?

文中に頻出する機械的性質について説明する。

まず機械的性質って項目を列挙するだけで結構ある。引張強さ、圧縮強さ、剪断強さ、硬さ、曲げ性、靱性、脆性、耐摩耗性などなど。材料開発の現場では金属組織化学特性(耐酸性・耐アルカリ性)なども評価する。

評価方法

基本的にこれらにはJISなどの規格によって定められた試験方法存在している(たまに独自試験もあるが)。勿論そういった規格に沿った試験機が広く販売されている訳だが、試験機も良いお値段がするので自社内で全部揃えようとすると結構大変なんだ。だから、その手の装置を抱えてる試験専門の会社外注する事も多い。自社でやるにしても外注するにしても測定したら検査成績書ってのを発行する。普通はそれを製品に添付して顧客に納品する。

簡単試験は自社でやるんだが自社でやる試験ほど誤魔化しやすい。その中の代表例が「引張試験(引張強さを測る試験)」と「ビッカース硬さ試験(ビッカース硬さを測る試験)」である。硬さの測定方法は幾つかあるが、説明の分かりやすさのためビッカース硬さをチョイスした。

自社内でやりやす試験=偽装やす試験

さて、偽装やす試験について書く。代表例は上述の通り引張強さとビッカース硬さニュースリリースに「検査データの書換行為」と書かれているのはこのどちらかだと勝手に思っている(個人の感想です)。

引張強さとは?

普通、引張強さ(tensile strengh)というのは、その試験片での最大荷重(M点)を、試験片の元の断面積で除した値である

『鉄鋼材料改訂版』著者: 門間改三 (発行: 実教出版) P.23

例えば、エレベータロープに何人ぶら下がれるか分からなかったら怖いと思うんだよね。だから千切れるまで測ってみよう、と言うのが引張試験の考え方。実際には材料から試験片を切り出して破断するまで力を加え続け、ひずみと応力関係を測定する。結果として鉄(SS400)なら400~510[N/mm^2]、アルミ(A5052)なら230[N/mm^2]の力を加えられますよ、というのが分かる訳。世に出回っているあらゆる製品は、この数字だけは絶対に超えないように設計されている(はず)。

試験片作ったりするのにちょっと時間がかかるから数検査は難しいけど、製造ロット毎くらいには測る。顧客から絶対要求される。

ビッカース硬さとは?

これは四角錐のダイヤモンド(圧子と呼ぶ)を決められた力で材料に押しつけるだけ。凹みの寸法で硬さが分かる。製品破壊せずに実施できるから簡単なんだよ。楽な試験ってやる気になるからいいよね。

ところで「硬さの相似則」ってのがある。実はビッカース硬さと引張強さには相関があり簡易的に換算できるんだ。「ビッカース硬さ 引張強さ 換算」とかでググれば出るんだが、得られる結果は参考値にすぎない。不適合製品の③はこれをやりました、と書いてある。

引張試験データ改竄するとどこらへんの製品ヤバいか?

どれくらいの荷重でその材料が壊れるか分からなくなるのが一番の問題しか材料側が危険でも設計側で安全マージンが取られていればそこまで心配する必要はない。

100人吊ったら千切れるはずのロープが、データ改竄により90人吊った時点で千切れると分かったとしても、10しか吊らない設計になっていたら実用上安全と言える。こんな風に100kgfで壊れる部品設計上で10kgfまでしか荷重がかからないようにするような状態安全率(100kgf/10kgf=)10状態という。

この安全率は業界毎、製品毎に決まっている。例に出したエレベータロープ安全10以上にするように決められている。「うちの製品に使われてますけど大丈夫です」などというアナウンスを出した会社もあったが、そういうのは設計面で高い安全率を設けていたり、または材料を購入する毎に自社内で評価試験実施しているから言える話で、何も根拠なく言っている訳ではない。

問題なのは安全率の低い業界の話。例えば軽さが重要業界、すなわち航空宇宙関係部品だ。どうしても軽さと安全率はトレードオフ関係なので安全率がかなり低い。基本は1.5、物によっては1.2を割る場合もあるとか(伝聞)。安全率1.1ってどういう状態かというと限界値の(100*1/1.1≒)90.9%まで使用するという状態から、仮に引張強さが10%も低く偽装されたら壊れる計算になる。航空機メーカーメンテナンス等に熱心なのは運用でカバーしているからなので、ボーイングに納入した材料データ改竄洒落にならないと思う。

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うそう、ニュースリリース読んで駄目すぎて笑ってしまったのが本件不適合製品④で、「引張特性の一部を書き換えたりした」他に「測定していない微量合金成分値を入力」したと書いてあった件。もはやそれ別物じゃん!

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2017/10/20[00:51] 追記: 結構反響が大きくてビビってる。

かにブックマークコメントにて補足されているように応力やひずみの説明をすべきだったし、やはり弾性変形・塑性変形などについても説明すべきと思いましたが、分かりやすさのために色々と割愛しました。説明もかなり雑ですが考え方として読んで貰えたら嬉しい限り。あと、勢いで書いてしまったので以下の通りに怪しい日本語修正しました。

修正箇所:

①×引張試験などについての説明が何もなく

 ○引張試験などについての説明がなく

②×試験機も結構良いお値段が

 ○試験機も良いお値段が

③×この数字だけは絶対に超えないように部品設計されている(はず)。

 ○この数字だけは絶対に超えないように設計されている(はず)。

④×または材料購入する毎に

 ○または材料を購入する毎に

⑤×航空機メンテナンス等に熱心なのは

 ○航空機メーカーメンテナンス等に熱心なのは

アカシックレコード実在した場合

からアカシックレコード実在してそれを予言者でもない一般人リアルタイム確認できるとするじゃん

アカシックレコードには「あなた10分後に自宅のトイレで大便をひねり出す」って書かれていたとして

それに反する行動を取ろうと増田ならその場で大便をひねり出すじゃん

そうした時点でアカシックレコード予言は的中しなくなるわけじゃん

増田リビングで、大便、漏らした~(森本レオ)になるわけじゃん

そしたらアカシックレコードが役目を全うするには「増田リビングで、大便、漏らした~(森本レオ)」って書いてある

別のアカシックレコード存在してないといけなくなるわけ

アカシックレコード確認しようとする限りアカシックレコード記述改ざんしないといけなくなる

うーん?

最初から最後まで結果を記述してるはずのアカシックレコードの内容が変わるっておかしくない?

おかし

これってアカシックレコード認識することで行動を変えれる存在が悪いんだよね

アカシックレコードを岩や水が見て行動変えれるわけがない

動物理解できない

人間けが理解できる

ということは人間けがアカシックレコード運命干渉できる存在ってわけ

もちろんアカシックレコードを読む能力があればの話だけど

最終的に人間アカシックレコードを読み切ると思うんだけど

自由改ざんできるようになった結果、未来がどうなってくるのか予測がまるでつかない

物理的な宇宙法則で、宇宙改竄ブロッキングするシステムになっているのか、

それとも宇宙法則バックドアを開けることができて、

そこに人類は帰っていくのか、

はたまた力尽きて勝手にめでたく滅亡するのか、

あ、あ、とにかく分からんけど

この世界から脱出というのができるかどうか気になるよ俺hあ

2017-10-13

神戸製鋼はどうして改竄したの?

改竄すると何のメリットがあるの?

2017-10-10

anond:20171010115049

会社内でそういう部署?があったの?

改竄はあるんだね…

anond:20171010114400

元・改竄職人ですが、今でもばれていません。

anond:20171010114400

現在進行で改竄してるところは結構ありそうだが。

バレてないんだからわからんだろ

改竄

神戸製鋼データ改竄問題になっているが、

これまでばれていないデータ改竄ってあるのかしら。

中小とかだったらありそうだけど。

絶対にバレるのかな。

2017-09-11

散歩する侵略者」を見てきた。

設定に共通点があると言われた「美しい星」も、東出昌大関連で「寄生獣」も事前鑑賞済み。

上記作品も「散歩する侵略者」もなかなか面白いものであった。

話は打って変わるが今作鑑賞後からテレビでお馴染みのCMが気になって仕方ない。

それがこれだ。

「ここで、一緒に」もしも篇

大和ハウスグループ:

https://youtu.be/Y4xnGZgKN_I

深津絵里リリーフランキーシックで落ち着いた画調。

もうどれをとっても僕には宇宙人に体を乗っ取られた夫婦しか見えない。




服を見立てる冒頭のシーンや不器用ゴルフクラブスウィングするシーンは人間らしい振る舞いに苦戦する2人を表している。

同窓会の受付でハイタッチしてくる女性彼女のぎこちない表情から言い様のない違和を感じたことだろう。

旧友と談笑しているように見えてもその実、誰を仲間の宿主にするか品定めをしているだけであって目は笑っていない。

多分すでに何人かは乗っ取られている。

二次会舞台であるカラオケボックスがあのあと地獄絵図になったことは想像に難くない。

おそらく夫婦は各々違う星人に乗っ取られている。

そして互いに正体がバレてないと思っている。

僕が思うに夫が妻の動向を監視しているんだと思う。

書店ですれ違う黄色カーディガン女性や髭を剃ってあげていた理髪師は、夫と同じ星人で経過報告をしたり指示を仰いだりしていたのだろう。

しかスナックママは多分地球人だ。

カウンターを挟んで向かい合うのは「我々と対峙する決して相容れない存在」というメタファーなのだ

スナックママはふとした瞬間に彼が宇宙人であることに気がついてしまった。

そのためシガレットケース型記憶改竄機で脳内操作されたに違いない。

そして夫は妻の監視以外に、マスメディアを通し人間を徐々に洗脳するという任務を担っている。

そのために広告代理店に勤め、あるプロジェクト遂行しているのだ。

全ては順調に思えた。しかしある日妻が奇妙なことを問いかける。

「生まれ変わってもまた一緒にいるのかなぁ?」

へ?どういうことだ?何が言いたい?

夫は「難しいね」と笑って動揺を誤魔化そうとするが妻は追い打ちをかけてくる。

夫は半ば諦めたように「来世は犬になるかもしれないな」と言うが、観客にその意図はわからない。ここは原作者も明言は控えている部分。

(犬や猫に擬態している宇宙人もいるという設定はある)

とにかくこの応酬があってから妻に対する夫の監視は厳しくなり、とうとう監視区域から外れているスーパーにまで妻を追跡する。

自然スーパーへ現れた夫を見て全てに気づいた妻。

「その次はわかんねえよ」

夫はその言葉を残したのち、急所である肩を鋭く突かれて死ぬ





もはや僕にかかればダイワハウスの大きな屋根がそのままUFOになるような気すらしてならない。

2017-09-05

anond:20170905123846

市民」とかいうクソでかい主語代表面すんなって話なんですが、

勝手に「少数者は代表面をするな」に代わるあたり、

改竄主義の方は意味を改変するのがお好きですね

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