はてなキーワード: シェルターとは
僕の部屋は春夏秋冬いつでも22度だった。ワインセラーの様に一定に保たれた室温は、外の世界へ羽ばたこうとする僕のやる気を削ぎ、やがて窒息させた。
梅雨明けの太陽に照らされたアスファルトを窓から眺めていると、3人の家族が歩いていた。この眩しさはあの3人の為の物なのだと思い、壊れかけのカーテンを強めに締め、定位置に戻る。こうして外の世界を見てしまったあとは、僕を母親の胎内のように優しく包み込む羽毛布団を愛して離せなくなった。
ぬるい室温で育ってきた僕は、働かなければ死ぬという当たり前にすら直視出来ずに死んでる様に生きていた。多分そう、これからもそうなんだ。
ある日の早朝、僕は一匹の野良猫と出会った。出会ったというには少しだけ遠く、分厚い壁を隔てていたが僕の認識では確かに会っていた。
窓の外から見た黒猫はニャーニャーとおばあちゃんの手に頭をこすっていた。昔テレビで見た知識だが、猫が人間の足や手を孫の手のように使っているという事を僕は知った。
なんとも落ち込む話ではあるが、眼前に映るおばあちゃんと猫は確かに愛し合っているように僕は感じた。
猫を撫でる柔らかさと温かさを想像とYou Tubeで補填してみたが、予想通りに可愛いし愛くるしい。
想像できてしまうから、僕は外に出ないんだ。どうせ面白くないと飲み会を断り、どうせ俺なんかと女の子の誘いを断り、どうせ続かないと何一つ始めない。
被災者でもないのにシェルターに逃げ込む自分が今日は不健康に思えて仕方なかった。
そんなことを考えていると、内から鍵をかけたはずの扉が勝手に開いた。僕はいつの間にか扉の向こうにいた。
手探りで人間の模倣をする怪物のように、歯を磨き、顔を洗い、髭をそった。想定を超えて伸びた頭髪は、ツヤもなく、パサパサとしていて普通にキモいなと思った。
洗面所を出て、久々に見たリビングには僕の分の椅子もある。僕はパンを焼いた。母親が買ってきていたのであろう6枚切りの食パンにブルーベリーのジャムを塗りたくった。何となくコーヒーも入れようと思い、ポットでお湯を沸かし、クルクルと注ぐ。
サクサクのパンとブルーベリーの甘さがたまらなく美味しかった。多分ブルーベリーの青さがそうさせている。僕の視界はずっと白黒だったから。
コーヒーは黒くて苦い、でもパンには合った。コーヒーの優しさに気づいた僕は、勢いのまま友人にラインを送ってみた。
「お疲れ。今日飲まない?」
となると、このままでは怪異だ。僕は髪を切らなければならない。僕は、父親から貰ったポーチに財布と2年間読みかけの文庫本いれた。
さて、準備完了だ。多分このときの僕は一般の人間と比べると不快で、不清潔でだったと思うけど僕なりに身なりは整えていた。
靴箱から自分の靴を取り出すと、数年越しに仕事を貰えた靴が生き返るようにホコリを散らした。パンパンとホコリを払うとシャープなロゴがカッコいい。
玄関の扉に手をかけるが扉が開かない。押しても引いてもビクともしない。怖いから?違う、鍵がかかっていただけだった。
僕は扉を開けた。
「「「うおおおおおおおおおお!!!!!」」」
外のエネルギーはとてつもなく、ずっと家にいた僕は打ちのめされた。しかし、このエネルギーと僕は戦うんじゃない、夏と一つになるんだ。
僕も夏になる為に、少し激しめに靴をトントンした。
近所の遊歩道を目指して歩いていると、犬のウンチを片付ける老人と、ウンチなんかしてませんよ?みたいな顔でリードを引っ張る柴犬が格闘していた。
俺も負けてらんねえな。と思い負けじと僕も住居の庭から伸びている葉っぱを千切り対抗する。
しばらく歩いていても猫ちゃんの姿はなかった。自販機でコーラを買い、公園のベンチで飲みながら上を見上げた。久々の木漏れ日は、白熱電球の明かりしか浴びていなかった僕にとっては気持ちの良いものだったけど、「木陰ってこんなに暑かったっけ。」と呟くほどには暑かった。
公園の時計を見てみると7時半をさしていた。30分ぐらいしか外には出ていなかったし、猫を見つけることもできなければ、美容室に行くことも、文庫本を読むことすら出来なかったけど、下手くそな時間割りでも外に出られただけで僕の一日は輝いた。
空き缶をゴミ箱に捨てるとカランと良い音が鳴った事に、いや、この散歩の間に起きた事象全てに感慨深くなる。最早そこにこそ生きる意味を見出していた。
Tシャツがベトベトになる事を、不快と思わず、シャワーを浴びる理由と考えるだけで人生が楽しかった。
そんなことを考えながら、僕は帰宅した。
早速Tシャツとジーンズを洗濯槽にいれる。夏にジーンズは無かったなと今になって思いながら、ほぼ冷水のシャワーを浴びる。ガシャガシャと頭を洗っていると、耳の裏からでっかい皮脂みたいなのが取れて自身の不清潔さにゾッとした。
体を泡で洗っていくと、風呂場の温度で体が温まっていくのを感じ、再び冷水シャワーで体を流した。
ほぼ震えながら体を拭く。下着の棚には僕の物もあり、僕の部屋着も入っていた。当たり前なんだけど、僕は家族と4人で暮らしていたんだ。
コップに氷を3粒落とし、麦茶を入れて飲む。TVをつけるとニュースがやっていて、今は新型ウイルスによる未曾有の事態の只中にいるという事を思い出した。そういえば、外出している人はみんなマスクをしていた。自分が引きこもっている間に時代が変わってしまったんだな。と思った。
タイムスリップ開けのテレビは新鮮で、食い入る様に見ていると、母親の寝室の扉が開く音がした。コツコツと階段を下ってくる。いつもなら刑務所の看守に怯えるように息を潜めるが、驚く事にリビングのドアが開いたとき僕は、「うぃー!おはよ!」と気持ちの良い挨拶をかましていた。
とても親思いの優しい娘さん。
相手も同じ母子家庭の男性だけど、お母さんを大事にして頑張るお兄ちゃん。
この二人が幸せな家庭を築いてほしいと願って止まない。
私が大学生でアルバイトをしていた飲食店は個人営業の欧州系専門店だったが、
ランチは小さい子供に300円で食事とドリンクバーが付いていた。
ある平日の午後、ランチ客も途絶えた頃に若い母親に連れられた4才の女の子が入ってきた。
母親は金髪もまだらになり、服装や持ち物も質素で疲れた表情をしてた。
女の子も髪が伸び薄汚れたワンピースだったが、とても陽気な子だった。
私は厨房に注文を伝え子供用ドリンクバーのコップを持って行くと
母に教わり女の子はドリンクバーでオレンジジュースを入れ自席に戻り、
母親に「おいしいよママ!いいにおいがするよ」と上気した顔で言って、
私は横のテーブルを片付けに行き見ないようにすると後ろで女の子の嬉しそうな声が聞こえ、
「おかわりしていいの?もっと飲んでもいいのっ!」と言い、
そのあと何度かドリンクバーと自席を行き来してた。
その内女の子のランチが出来、私が席に持って行くと、女の子はキラキラした目で
「ママ、ハンバーグだ!〇ちゃんハンバーグ大好きだよっ!」と嬉しそうに弾む声で言うと、
〇ちゃんは「ママのがまだだよ?」と返事したら母親が「ママはお腹いっぱいだから」と返事したら、
〇ちゃんは下を向いて泣き出した。私はどうしたものか・と思ってた。
そのうち〇ちゃんは「ママ、昨日も食べて無かったよ?」と泣きながら言い、
母親も下を向いて動かなくなった。
「ごめんなさいね~おじちゃん、ママのを忘れてたよw」と言いながら母親の前に置いた。
母親は「すいませんが私は支払えません」と言うと
店長はうちの新規会員カード記入用紙を持って行き「お母さん、これ書いて」と告げ、
母親が記入するとうちの食事券2000円分を差し出し「ありがとうございます!
うちの新規会員様へのプレゼントです!」とか言って母親に渡したら、
そして店長は〇ちゃんの方へ向いていつもの怖い顔でにっこり笑い
「さあ、〇ちゃん、美味しく食べてね!」というと厨房へ帰った。
〇ちゃんは大喜びで母親に「美味しいねっ!ママも一緒のハンバーグだ!」
私は我慢できずに厨房へ行くとシティハンターに出てくる海坊主に似た店長が
涙をぽろぽろ流しながら二人を見てた。
そして食事が終わった後、私が〇ちゃんの相手をしてるうちに店長と母親は話をし、
親子の境遇を聞いていたが、途中から店長は泣き出し、私と店長の奥さんが助けに行った。
母親は孤児で就職先で恋仲になった男性と結婚したが義母から壮絶ないびりを受け、
施設出身者というだけで生まれたばかりの〇ちゃん共々家を追い出された。
必死に働き生きてきたが病魔に襲われ家賃も滞納し強制退去となり、
避難シェルターに行ったがそこでも色んな問題があり行き詰まって・・・という。
店長が19才の時に仕事場でお父さんが無理をし続けた結果脳内出血で倒れ
店長奥さんも人生で苦労されたので、その日のうちに〇ちゃんとお母さんはお店の倉庫で
暮らすことになり、お母さんはお店と他で働き、〇ちゃんは保育園に行くようになった。
店長はすっかりお爺ちゃんになり、ご夫婦共々お元気で、〇ちゃんは二人の孫みたいになってる。
エマ・ワトソンをご存じでない?
フォーブスの表紙でおっぱい出して別派閥のフェミからバッシング受けて「フェミニズムは自由のためのもんで、他人を殴る棍棒じゃねえぞ」と反論したエマ・ワトソンをご存じでない?
HeForSheで男性のステレオタイプ抑圧を論じて、男性もまた被害者なのだとおっしゃったエマ・ワトソンをご存じでない?
あなたの猫の額ほどの観測範囲に生息する木っ端フェミニストが束になっても及ばない影響力を持つ超大物フェミニストのエマ・ワトソンをご存じでない?
いや別にエマ・ワトソンに限らず、フェミニストなんて世界中に山ほどいて、主義主張が千差万別なら、国ごとの状況に応じて活動内容も千差万別。
そんな中、どうして自分の観測範囲が全てだと思えるのか。これがわからない。
むしろよく「SNSで見かけた」程度の観測範囲でフェミニストなんていう糞デカ主語を語れるもんですね。「Twitterで僕が見かけたオタクは全部ミソジニストだったから、オタク=ミソジニスト」なんて抜かすやつがいたらフルボッコだろうに。
インドで名誉殺人やブライド・バーニングへの抗議や撲滅運動をしてるフェミニストは「ツイフェミかミサンドリーかその両方」ですか?
レイプシェルターやDVシェルターを建てて被害者を保護しているフェミニストたちは?
サウジアラビアで女性が車を運転できるように抗議し続けたフェミニストたちは?
彼・彼女らは皆「ツイフェミかミサンドリーかその両方」ですか?バカらしい。こんなもんは氷山の一角にも満たないごくごく一部です。世界は圧倒的に多様です。
「我々が実際に目にする」だなんて、勝手に"我々"で括らないでください。あなたの観測範囲が狭くてあなたが特別に不勉強なだけです。
炎炎炎tubodaremoyou2炎炎炎
ああああ小島慶子さん…大好きだったのに…悲しい…「男性器の付いた人が女湯来たら嫌だ」と言ったら差別とされる社会にしたいんですか?身体違和のない女性自認男性身体者を完全に女性として扱えというトランスジェンダリズムが女性迫害カルトであると、気づいてほしい…
LGBT法「差別の禁止明記を」 当事者ら記者会見で訴え | 共同通信
https://nordot.app/762883089844207616?c=39550187727945729
支援するエッセイストの小島慶子さんは「理解増進だけでは当事者は安心できない。性的少数者を差別できないようにするルール作りを第一にするべきだ」と話した。
@GEORGE221
小島慶子さんは前々からそっち系の人やライターと繋がりが深いので、残念ながら驚かないです……。
炎炎炎tubodaremoyou2炎炎炎
そうなんですよね…ああ、でもここまで女性を切り捨てるのかと…キラキラ(TRSのラジオ番組)では私をフェミニズムに導いてくれたのにと…本当に面白くて大好きで…本当に…悲しいんです…
炎炎炎tubodaremoyou2炎炎炎
お子さんに息子しかいないっていうのも、大きいのかもしれませんね。自分の娘が男性器付きの人と女湯に一緒に入ったらと考えたら…賛同できないんじゃないかな…。それとも「そんなことにはなりません!そんな事言うのは差別です!」っていうのかな…欧米では既にシェルターに入ってきてるのに…
@GEORGE221
うーん、関係あるんですかねえ。
https://mobile.twitter.com/tubodaremoyou2/status/1390504886576455680
<あらすじ>
桃子🍑はどこにでもいるアジア系の少女に姿形は見えたが人間ではなかった。
なにせ桃から生まれているのである。哺乳類であるかどうかすら疑わしい。
とりあえず彼女は、岩を卵のように砕いたり、鳥のように高く舞ったり、馬のように地を掛けたり、わかりやすいスーパーパワーを持っていた。
持っていたが、異能がバレたら碌な事にならないと育ての両親にキツく脅されていたため、わかりやすく力を誇示することはなく、クラスの隅っこ女子として過ごしていた。
そんなある日、わかりやすく悪いやつら ONI 👹 が、桃子🍑の街を襲うーーーー・・・・
少女の桃子が街のひいては世界の命運を個人で背負う事になぜかなる。大人達は碌に仕事をしない。
桃子と同じ ⚔SADAME⚔ を持った少女たちと萌えてくださいと言わんばかりにわちゃわちゃしながら ONI と戦いを続ける。
物語中盤で、 桃子は ONI 達と同じ種族であることを知る。
人類と ONI との間で 桃子は 葛藤するがなんやかんやで人類側について ONI を倒してEND。
少女の桃子が街の命運を背負う事態にはならない。大人達がちゃんとお仕事して ONI たちを辛くも追い払う。
ちゃんとお仕事したひとりが桃子の叔父で警察官やONI 対策レンジャーだったりする。
桃子は大人達に普通の少女として守られ、 ONI が現れたら施設にみんなと一緒にシェルターへ避難する。
避難途中で ONI に襲われていた いけすかないクラスメイト を桃子がそれとなく助けて距離が縮まったりする。
ONIとの戦いで傷つく警察官やONI 対策レンジャーたちを見た桃子は、
力ある者である自分も ONI と戦うべきなのでは?と両親に想いをぶつけるが、
「それは大人の仕事。桃子の仕事は勉強する・遊ぶ・避難指示があったらシェルターに逃げること」と諭す。
モヤモヤしながらもそれに従う桃子だったが叔父が ONI に囲まれてピンチの場面に出会す。
それを助けて以降、桃子は両親の目を盗んで ONI 退治をするようになる。
危ないことはしないでくれと両親の泣き落としにあって一度は従うがシェルターのピンチに再び戦うこと選ぶ。
再度、両親から危ないことはしないでくれと言われるが、今度は従わず、自分の想いを伝える。
「この街の人たちを守りたい」
捜査員がガルテン室内に入ると、その異様な臭いと光景で暫し立ち尽くした。
懐中電灯で照らされた暗い室内には、三つの乳幼児らしき死体が転がっていた。
腐敗が進み、白骨化が進んだ死体を見届けた後、奥の部屋から聞こえてくる打鍵音の方へ向かう。
奥の部屋には、物凄い形相でラップトップのキーを叩き続けるハンチング帽の男がデスクに座っていた。
捜査員員が声を掛けようとした刹那、ハンチング帽の男は突然金切り声で笑い始めた。
狂っている、そう感じつつもハンチング帽の男に語りかけた。
つづく
捜査員はハンチング帽の男に語りかけたが、男は不気味な笑みを浮かべたままキーを叩き続けるだけだった。
ラップトップの画面を覗くと、そこには何度も同じ文字が書き連ねてあった。
ーー何故、ぼくを置いて出て行った?
周囲には空の日本酒のビンが散乱し、ぷーんと酒の臭いが漂ってくる。
改めて懐中電灯で男を照らす。
崩れ落ちた男は白いシャツに花柄のスカートという異様な出で立ちをしていた。
「XXさんでよろしいですね?」
捜査員の問いかけに男はビクッと一瞬反応したが、そのまま動かなくなった。
顔を確認するため、ハンチング帽を取ろうとしたが何かで固定されているのかビクともしなかった。
少し力を入れて更に引っ張ると、鈍い音と共に大量の髪がハンチング帽と共に引き千切られた。
男の頭部が懐中電灯に照らされ、満月を思わせる煌々とした光を放った。
男はぶつぶつと呟き始める。
「ぼくの言う通りにやれば、サクッと月商百万は行きますねぇ。今ならこのnoteも貴方に百円で売ってあげましょう。
どうです?安いものですよ?」
つづく
ガルテンに捜査班が到達したのは、捜査員が連絡した1時間後だった。
ハンチング帽の男は、衰弱が激しいため救急車両に乗せられていった。
証拠品ではあるが、致し方ないだろう。
ハンチング帽の妻には直ぐに連絡が取れた。
麓の宗教団体の宿舎に世話になっているらしく、他の信者の付き添いがいる形での面会となった。
「あの人は家族を省みずパソコンに没頭していました。お酒が入ると豹変するんです。耐えかねた私は家を飛び出し、ここにお世話になりました。半年前くらいのことです。」
彼女は薄っすらと笑みを浮かべて、傍らの信者と寄り添っていた。
つづく
捜査員に鑑識からの連絡があったのは、宗教団体の宿舎を出て直ぐのことだった。
ハンチング帽の妻によると、娘が三人いるとの話だったが、おかしなことになった。
ーーーもう一人の女児がいない?
捜査員は意外な展開になったなと、急ぎ車を走らせた。
「春さん、遺体の検死結果はどうだった?」
袈裟春は神妙な表情で答える。
「ああ、遺体は三体とも他殺だった。
乳児は高いところから床に叩きつけられたようだ。死因は脳挫傷。
残る女児と男児は、共に斧の様なもので切りつけられたようで、死因は失血死だ。」
「他殺……ですか。」
捜査員は肝心の男児と居なくなっている女児について聞いてみた。
今、捜査班で手分けして女児の行方と男児の身元を聞き取り調査しているって話だ。」
袈裟春はそう伝えると、慌ただしく動く鑑識に指示を与え、部屋を出て行った。
捜査員はハンチング帽の男の様子を伺うため、取り調べ室に向かった。
つづく
取り調べ室の隣の部屋から、捜査員はハンチング帽の男の取り調べを眺めて居た。
ハンチング帽の男はうって変わって饒舌に取り調べに答えていた。
「やっこさん、ずっとあの調子なんですよ。
子供のことは全く知らぬ存ぜぬって感じで、自己責任とかよく分からないことを言うばかりで。」
ハンチング帽の男に依ると、子供は妻が連れて行った、自分へ全く知らないとのことだった。
男児のことも長女のことも全くわからないようで、ひたすらに自分の仕事の自慢を続けている。
「狂人ですね……。」
つづく
クラインガルテンから更に奥地にある荒地に建てられた小屋に、闇の中で蠢く何者かの姿があった。
人影が鈍く光る斧を翳すと、目の前の青年は驚きの形相でそれが振り下ろされるのを待つしか術はなかった。
あっと声をあげる間も無く、斧は青年の喉笛に一文字の醜い傷跡を刻みつけた。
その刹那、鮮血が宙を舞う。
崩れ去る青年は何かを掴もうとするように手を伸ばし空を握りしめた。
瞬く間に、物言わぬただの肉塊と化した青年を見下ろす人影。
ーーーこれは復讐……。プロブロガーは存在してはならない……。
そう呟いて、人影は返り血を拭いもせずに小屋を離れ、森の中に消えていった。
そして、荒地に再び静寂が訪れた。
つづく
その一報が入ったのは、捜査員がまだ寝室で静かに寝息を立てている時だった。
けたたましく携帯の鳴る音で安眠を妨害された彼は、不機嫌な声で応答した。
例のクラインガルテンの更に奥にある荒地の小屋に惨殺された遺体を発見したのは、同じNPO職員である森という男だった。
「猿さんが朝になっても戻って来ないので、探しに来たんです。
まさかこんなことになっているとは思わなくて……。」
彼の話によると、前日の夜にお世話になっている猟師の男のところに行くと言って出掛けたという。
死因は大量出血による失血死。
鑑識の話では凶器は周囲になく、犯人が持ち去った可能性が高いとのことだった。
念のためNPOの職員らのアリバイを聴取するも、時間が時間だけにアリバイがあるものはいなかった。
つづく
ハンチング帽の男は正気ではなかったし、その妻も他人事のようだった。
捜査線上に挙がった関係者のうちアリバイが成立したのはハンチング帽の妻のみであった。
三人の乳幼児の殺害方法について、まず脳挫傷の乳児は、ロフトの上から叩きつけられた可能性が高いことが分かった、
残る二人の幼児は、切り口に残った金属粉が荒地の小屋で殺害された青年の切り口のそれと一致したため、同じ凶器であると断定された。
しかし、誰が殺害したのか、行方不明の女児の行方や殺害された男児の身元については一向に掴めなかった。
荒地の小屋の事件の翌日、捜査員は殺害された青年が会いに行った猟師の家を訪ねたが長い間不在のようで彼の足取りも掴めなかった。
その後も、山奥の殺害現場では当然ながら目撃者もなく、徒らに時間が過ぎ去るのみだった。
つづく
衰弱はしていたものの、地下室には食料や水などが十分に用意されていたようで命に別状はなかった。
女児は血まみれの服を着ていた。
照合の結果、その血痕は殺害された三人の幼児のものと一致した。
しかし、女児の体力では斧を扱うことには難しく、殺害に関与することは難しく思えた。
「おとうさんが、みんないらないって。
おおきなぼうでみんなをたたいたの。」
女児の証言能力について認められ、ハンチング帽の男は緊急逮捕された。
彼は呟いた。
ぼくはずっとブログを書いてたのです。
早く、PCを返してください。
つづく
鬱蒼とした森の中、木の枝にぶら下がる人影が静かに揺れていた。
足元には黒光りする斧が投げ捨てられていた。
人影の顔が月明りに照らされると、そこには苦痛に歪んだ老人の顔があった。
その遺骸を見上げる人影が一つ。
彼は老人が確実に絶命しているのを確認すると、そこから離れた位置に落ちている猟銃を拾いその場を離れた。
男は猟銃を抱えたまま、また森の中に消えていった。
つづく
袈裟春は発見人の遺留品から唾液の入ったペットボトルを取り出して、軽くうなづいてみせた。
【作者からの挑戦状】
犯人は誰か?
解決編につづく
解決編1
「またお話をお聞きしたいことがありまして、お邪魔させて頂きました。」
ハンチング帽の妻は、少し怪訝そうな顔で捜査員の顔を見ていた。
ハンチング帽の妻はビクッと僅かに反応したが直ぐに冷静を取り繕った。
「我々がDNA鑑定したところ、長女はあなた方ご夫婦のDNA型と一致しませんでした。
貴女はご存知だったのでしょう?」
「あなた方夫婦に三人の娘がいるというのは、周囲でもよく知られたことだった。
しかし、何故か遺体には男児が含まれ、彼もDNA鑑定からはあなた方の子供である事実が判明しました。
ゴクリと息を飲む気配を感じる。
「多分ですが、生まれた時から女児と男児は入れ替わって暮らしていたのではありませんか?
一瞬の静寂の後、捜査員はこう告げた。
そう言って彼が目を合わせたのは、ハンチング帽の妻に寄り添う信者の男だった。
つづく
解決編2
捜査員は話を続ける。
そして、取り違えが起こった。
信者の男は少し怯んだが、直ぐに元の表情に戻った。
しかし、長女と男児が成長するにつれて違和感を感じるようになった。
そして、奥さんがDVを受けクラインガルテンから逃げ出してここに来た時に気づいてしまった。
そこに事件が起こったのです。
それをもう一人の娘が見ていた。
信者の男は不敵な笑みを浮かべて口を開いた。
「馬鹿馬鹿しい。では、男児も私が殺したと?私が殺す理由がない。」
捜査員は少しうなづいてこう返した。
奥さんと一緒になるにはハンチング帽の男の分身が邪魔だった。」
信者の男は凄い形相で睨み付けた。
「彼女は関係ない!私が彼女の安息のために自らの意志でやったことだ!」
ハンチング帽の妻が何か言おうとしたが、男がそれを遮る。
「神の啓示だ。プロブロガーがいる限り、私達家族に安息はないのだから……。」
つづく
解決編3
信者の男は告白するや否や、入り口のドアを開け部屋の外に飛び出した。
部屋を出た時には、別の部屋に男が飛び込むところだった。
彼が部屋の前にたどり着いたその刹那、部屋の中から銃声が響く。
扉を開いたそこには、猟師から奪ったと思われる猟銃で自殺を図った信者の男の骸があった。
しばらく立ち尽くしていると、ハンチング帽の妻がよろよろとその骸にしがみつき嗚咽し始めた。
つづく
<エピローグ>
事件の残る被害者については、ハンチング帽の妻から事情を聞くことができた。
NPO代表理事は、長女がハンチング帽の男の実子でないことに気づいたらしく、信者の男とハンチング帽の妻を強請ろうとしたために殺害されたとのことだった。
また、猟師の男については、罪をなすりつけるために自殺に見せかけて殺したようであった。
長女は責任能力のない年齢のため、当然罪には問われなかった。
また、ハンチング帽の妻も殺害に協力した訳ではないため、共犯の罪に問われることはなかった。
しかし、気が触れてしまったようで、クラインガルテンの周りを徘徊するのを度々目撃された後、ある日崖から転落してその人生を終えた。
つづく
<リ・プロローグ>
漆黒のクラインガルテンの中で、ハンチング帽の妻は自分の人生について悲壮感を感じていた。
まるで飯炊きの女中のような扱いが続き、自分の一生はこのまま終わるのかと思うと、涙が止まらなかった。
いつか白馬の王子さまが彼女を颯爽と救い出してくれる、そう願っていた。
そして、あの日。
ハンチング帽の男は一人で外出していた。
https://www.youtube.com/watch?v=h2_HjymM-FY
簡単に言えば、「男性の権利拡張運動にバリバリのフェミニストが話を聞きに行く映画」だ。
フェミニストである女性が、マスキュリスト男性権利拡大活動家たちにインタビューを行うという映画なのだが、まあ相当内容がエグそう。
女性差別があることは間違いないのだが、男性差別も間違いなく社会に存在することを予告編だけで突きつけてくる。
「私達だって人間です。助けが必要です」「競争社会により、男性は酷使され、使い捨てにされてきた」と訴えてくる。
・DVの被害者は4人に1人が男性である。しかし、男性がシェルターを探しても男性は援助しないと断られる
・レイプ被害を訴えても信じてもらえない。
などなど。
「強いのは男性。女性は弱い」という常識が、もうすでに崩壊しているのは間違いなく、「強い男性社会にNO」という過程で、弱者男性を余計に締め付けてきたフェミニズムという存在も現代は厳しく問われるんだろう。
考えてみれば、「現代社会が弱者に厳しいのは当然であり、弱者男性という存在が男性だから得をする」などということはまずない。
劣悪なブラック偽装請負労働の低賃金で、40℃の気温の中、汗だくに鉄の塊を運んでいたのは、大体男性だった。
なぜ男性福祉の発達が遅れたかと言えば、「強い男性を求める社会」によって男性の弱さを救済する必要を認めなかったんだろうな。
NIKEが「女性が生まれたら生涯年収が低いのよ」とかいうCMを作っていたが、「日本の自殺率の68.6%は男性よ」とかCM作ったら面白いのになと思う。
欧米はじめ、大体の国では男性の自殺率は女性を大きく上回っている。
まあ、そういう切り捨てられた問題が、人権思想の発達によって、「あれ? 男性も社会で差別的な扱いを受けてるよね」と省みられてるのはいいことなんだろうな。
追記 https://www.youtube.com/watch?v=3WMuzhQXJoY
なぜフェミニストがでてくるのかっていうと、こういう男性特有の社会問題を語る際、必ずと言っていいほどフェミニズムの価値観において、男女の競争にすり替えられるからですよね。
今回はなんとかしたのはどうやったかの話を伝えたいとおもいます。
以前も投稿したのでカブるかもしれません。再投稿じゃないから甘えじゃないけど。
とくに、体調が悪いということを、本当に体調が悪いとしてうけとめます。
発達障害のせいかわかりませんが、体の調子や心の調子にとても鈍いところがあるんで、聞いても伝わりません。
「どこがいたいの」「どういうふうにつらいの」というのが詰問になってしまうので、とりあえずは「じゃあ今日は休もうか」とせかさずに言えるようにして、家を味方のいるシェルターにしてあげないとまず話になりませんでした。まあ高校2年半それがほぼ毎日つづいてしまったわけですが。
この子の父親はずっとこの子といろんなとりひきをしてなだめすかそうとしていました。
「今日休んだらテストの日は学校にいけるのなら今日休んでいい」。
「いい成績をとったら希望通り○○してあげる」。
「学校にいかないのなら小遣いなんか、旅行なんか、動画なんか、オフ会なんか全部いらんだろう。」
でも体調が悪いのは本人のせいじゃないんですよね。
なので全部基本的人権としてかんがえ、娘が(思い切って)何か希望したらそれは生きるのに必要なんだと考えてなんでもOKにするよう少しずつでも説得しました。
今も留年や就職活動ができないとつたえるたびに父親は渋い顔をしますが、子供が怯えていたよ!嫌われるよ!病状が余計悪化するよ!と伝えています。
・次に、この子はなんとか病院につれていって適応障害によるうつ病と発達障害と診断されました(それも1・2件目の精神科では門前払いされたので、3件目のメンタルクリニックで。精神科はすごいお年寄の医者でその後すぐに廃業したところと、重症例しかみていない大学病院でした)。
発達障害といっても薬を飲むほどではないので、うつ病の薬をのみました。でも未成年のうちはつかえる量が少なすぎて全然効かないのですが、
うつ病・発達診断の診断書がもらえたことはものすごく助かりました。いろんなところに提出しました。
まずは父親にこれは医者のいうとおりの病気だからうるさくいっても治らないということをいってガミガミをやめさせました。
そして学校の先生(学年主任)には診断書といっしょに、「発達障害(ADS)ってなぁに?」という絵本も買ってわたし、先生はその診断を出した医者に面談してうちの子の発達障害を理解してくれ(ウルサイのが本当に死ぬほどダメだということ)卒業までの特別な利便をはかってもらいました。
また父親にお金のことをうるさくいわれたため、娘は「余計なお金がかかるのなら疲れる病院になどいかない」といいはって家で泣くか寝るかしていたので、市から自立支援医療補助というのをもらいました。これでメンタルの薬も医者も無料になりました。骨折の治療のときも受診料は払っていません。
また大学受験のときも、センター一次については診断書をそえることで発達障害者配慮というのをもうしこんでうけてもらいました。静かな部屋で個人でうけられ、親がつきそいでき、テスト中は別室だが、休憩時間に飲食物や薬をあたえてよい。本人の手足が動かないほどぐったりしている場合は車椅子ではこびこみができるし、車も校舎にじかづけしていい。(ただ、やっぱり志望校には一次でさえ点数がたりなかったので二次はうけていないのですけどね。)
さらに最近ではn級障害者手帳をとったので電車などの市内移動に交通費がかからず、障害者年金を月にm万もらって小遣いがわりにしています。動画にでてくる人のグッズ(同人誌やかばんなど非常にひかえめに)買って、あとは貯金すればといっていますが若いだけにいろいろ欲しくてネットでしっかり検索して安いところで買うように工夫してもギリギリみたいです。アルバイトができない大学生活、リップクリーム一本も、新しいかばん1つも買えないなんて辛いにちがいありません。
旅行代金や服をちゃんと親にねだってくれるようになりました。水商売や犯罪に1回も手を出さないでいてくれてありがたいとおもっています。
話がそれましたが、うつ病の薬は今かんがえれば最初から対象外の未成年でも怖がらずにもうすこし飲んでおいたほうがよかったのかな?とはおもいます。
・3つめ。人とのつながりが大事なのでそこは切らさないようにしました。
本人には高校時代にも何度も「転校しようか」「退学して大学検定にしようか」という話をしました。でも本人にとって命より大事なのが中学で出会った気の合う友達とカラオケにいく時間でした。ですので、無理をして同じ高校を卒業させて、大学でも友達をさがさせました。
ちなみに、成人式にも出場させました。2次会もでられればでたいといっていましたが、やはり体力的に無理でしたが、親としては子供が成人したと一緒にみとめられてうれしかったです。
・4つめ 薬に頼る
20歳までは少なめのうつ病薬+貧血の鉄剤(生理が重いときは生理を止める低用量ピルも)+39種類のビタミン剤「ディアナチュラストロング」でだましだましやっていました。鉄剤、ビタミン剤は自腹です。20歳をすぎてうつ病の薬を増やしてから目に見えて心の調子がよくなってます。とはいえ筋力を超えるほどの肥満があるので体の疲れはどうしようもないとおもっていたのですが、それもメンタルの医者からすすめられて動かなくてもやせるGLP-1という食欲をなくすホルモンを糖尿病専門のクリニックで受けています。これはどうしても自家診療なのでかなりお金が高いのですがうちの場合はよくきいていて必要経費とおもっています。(骨折、血液検査による脂肪肝などですぐ処方してくれた)
でもこれは息子さんの場合は肥満への対処ではなく痩せへの対処が必要だとおもいますが、ずっと寝ているとどうしても体の不調はでがちなので、プロテイン(ザバスのだとビタミン剤も兼ねられます。うちの子はチョコシェイク味が好きです)を足すなどしてあげてほしいです。
・5つめ
なにか得意なことをみつけてほめる。
うちの場合は車の運転です。色々習い事をしたいといいだしてはやはりやめることの繰り返しもありましたが、友達も通っているということで普通免許をなんとかとらせたところ、自動車の運転だけは疲れが少ないようです。薬をのんでいて反応もやや鈍いはずなのですが、慎重さは運転にはとても向いていたようです。
私と仲良くしてくれるママ友はたいていが真面目かつ正直すぎてお子さんの対処もいい加減にできなくてひたすらに困ってる人が多いので世の中の私と仲良くできるタイプのママさんんのお役にたてばいいなとおもいます。
米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。
約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは……。
社会的問題の惨状を語る作品とは異なり、比較的明るくてややユーモアがある。ネタバレではあるが悲惨なエンディングではない。ホームレスという社会的な弱者である人々が、たった一晩でも寒さをしのぎたい、という素朴だが生命に直結する問題への訴えが伝わる。
本物のホームレスはこんなに明るくないとか、綺麗ではないとか、そういうのは言わないで欲しい。
ただし、映画では警察やマスコミの側がヒールになりすぎではあると思う。正義として市民の善意の活動が描かれているが、もう少しヒロイックさを取り除いても良かったかもしれない。
身近にいる弱い人々、はてなでいう弱者男性の一つの例として自分は受け取った。
良い映画なので見て欲しい。
そこで「でも男はそんな奴ほとんどいないでしょ? だいたい自分で何とかできるでしょ? 助ける必要ないよね」って話にしちゃうと「えらいことじゃ…せ、戦争じゃ…」って事にしかならないわけで……
別に女性のシェルターを減らせとか、男女両方が入れる場所にしろとか、絶対同じ数にして平等にしろとか言うわけでなく、ちょっとずつ男性の困ってる人が使える、男性限定の避難施設みたいなのも増やしていけるといいねって話につなげていくのが現実的なのではないかなって思うんですよね。
(あっちなみに自分は女叩きクソ野郎は全員死ねと思ってるにわかオタクのクソフェミです。弱者男性の救済とかメンズリブのことについては全然知識がありません)
(なんか延々トラバしちゃってめんどくさくなっちゃっててごめんなさい、シーライオニングとかじゃないですんでこの辺にしておきます)