はてなキーワード: 異変とは
主人公チャーリイは、他人を疑うことを知らない、お人好しの社畜だった。
ある日彼は、「海外ニート」「ちきりん」「脱社畜ブログ」「dankogai」「pha」などをネットで知り、意識が高くなってしまい、会社を飛び出してしまう。
しかし、ノマドになった先で彼を待っていたのは、無職に対する周囲の冷たい視線だけだった。
そんなある日、彼に異変が起こる。
あと数週間で貯蓄が尽きてしまうことが分かったのだ。
彼は段々と正気を失っていき、自分のブログの最後に「ソンジャーネに花束を供えてやってください。ブルジョワおばさんに騙された!RIP!」と謎の恨み節を記し、自宅のMacBook Proの前で息絶えた状態で、不審に思った家主に発見されるのだった。
https://web.archive.org/web/20130520163420/http://anond.hatelabo.jp/20130512160633
虫歯と無縁だった関係で歯医者に通う習慣が全然なかったのだけれど、
ガムの噛みすぎか、仕事中にストレスを感じると奥歯を噛みしめるクセのせいか、
原因はいまだ不明だが、4年ほど前のある日「なんか顎が痛いなー」と思ったら顎関節症になっていた。
生活に支障がない程度に口は開くんだけど、ハンバーガー食べる時とかに大きく開けるとバキって鳴るアレだ。
元々拳が口に入るタイプの人間だったので、それが指四本分になっても正直あまり困らなかった。
「なんかバキって言うようになった!」と調子に乗って踊りながら積極的に鳴らしてリズムをとったりして遊んでいたら、
2ヵ月ぐらい経過したある日突然、口を開けると痛くて半開きにするのもやっとという状況に急速に悪化した。
その段階でようやく調べて、自分が顎関節症になっていることを把握、半泣きで最寄の口腔外科に駆け込んだ。
ところが、マウスピースを作ってもらって、翌日受け取りに行く頃には、
医者に「あれ?全然開くじゃないですか」とか言われる程度まで症状が軽くなって、
自分より小さい医者の手だと、貫手を親指まで丸呑みにできる程度には開く感じ。
医者が作ってくれた硬質プラスチックの上の歯にはめるタイプの薄いマウスピースは、
つけて寝るように努力したものの、どうしても異物感が強くてつけている間になかなか寝つけないし、
ようやく口に入れたまま眠れてもすぐに外れるので朝になったら行方不明……ということを繰り返しているうちに、
実家の母親が地元で評判の歯医者に作ってもらって歯ぎしり対策に使っていたソフトタイプのマウスピースの存在を知っていたので、
なんとなくマウスピースが薄いのが良くなかったような気がして別の口腔外科を受診することにした。
「顎関節症用にマウスピースを作ってもらったけど薄くてすぐ外れて割れちゃったし付けづらいから、ぶ厚くて外れにくいのを頼む」
と伝えたところ、どう見ても前と同じ素材だけど上の歯の前面にもやや回り込む形状でちょっと外れにくい構造に進化した硬質マウスピースを作られた。
コレジャナイ感を感じて、ソフトな素材はないのか?と聞くと、「顎関節症用はコレだ」というので、専門家がいうならそういうものなのかと思って引き下がった。
さらに、マウスピースを作る前に撮ったレントゲンを見せられて、
「親知らずが真横に向いて4本とも生えてるから、これを何とかした方がいい。」と言われる。
確かに口の奥の方に生えかけのツノみたいなのが何本かある気がしてたけど、これ親知らずだったのか!
しかし、硬質でぶ厚いマウスピースは相変わらずつけたまま寝ろと言われても異物感ばかりで、
数週間経てば慣れると言われたのに全然つけたまま眠れるようにならないし、
たまに眠れても相変わらず起きたときにはどこかに飛んでいっているし、
なんとか眠ろうとして何度か徹夜になったり、あきらめて外してから寝たものの寝坊して仕事に遅刻したりするので使用を中止してしまった。
顎関節症の症状自体はカラオケで全力で歌うことができなくて消化不良になるのと、
サブウェイのサンドイッチを丸かぶりで食べきる頃には顎がバキバキ鳴りすぎて痛むのと、
アクビや笑ったときにたまにバキっと鳴って不快なこと以外は大して困らないし、
なんとなく望んだ治療と違う気がして、二件目の口腔外科も自分の中で信頼度が低くなってしまったので、
同僚から評判のいい歯医者の情報を集めて、割とよさそうな医者を教えてもらって行ってみた。
三件目の医者は街中で、施設も新しくて綺麗だし、医者の説明も今までの医者よりダントツに丁寧だった。
歯石取りというのもやってもらって、歯科衛生士だか歯科助手だかのおねーさんのおっぱいが云々という都市伝説が現実だったのだと知って同僚に感謝を捧げた。
それどころかおっぱいが頭にあんまり当たるというか、いっそ頭に乗る勢いなのでさすがに申し訳なくてモゾモゾ逃げようとすると、
そのことに気付いたおねーさんにちょっと照れながら「ごめんなさい、でも動かないでくださいねー///」とか言われてギュッと押さえつけられる始末。
おっぱいカバーの下側に入ってるワイヤーらしき硬質な感触と、それでは隠しきれない柔らかさと確かな重みを額に感じる。
なんだこれは、保健の効く範囲内でおっぱいを押しつけられた上にそのことを謝罪される空間なんて現実に存在していいのか!?
っていうか虫歯のある奴らは今まで「歯医者めんどくせー」とか言いながらこんなメにあっていたのか!?チクショウなんて奴らだ!
問診で経緯は伝えたものの、相変わらず「全然開きますね……」と医者に苦笑されるくらいには口が開くし、
正式に転院しているわけではないので再度レントゲンを撮ったところ、
「顎関節症も親知らずが原因かもしれないから、マウスピースは一旦置いておいて親知らずを何とかした方がいい。」と言われた。
「じゃあそれで」と返事をして治療プランを具体的に作ろうとしていたら奥から院長が出てきて、
「親知らずが真横すぎてウチの設備では対処できないので、大きな病院を紹介します。」と言われて紹介状を書かれてしまった。
結局この病院には定期的に歯石取りにだけ通うことになったのだけれど、
歯磨きを頑張っていると、おっぱいが的確に褒めてくれるという一点に絞ってもとてもいい病院だったと思う。
その後引っ越して通えなくなってしまったけれど、その間に俺の歯茎は劇的に健康になった。
俺は今もおっぱいの教えを守って歯磨きをしている。
予約を取って大病院に行ってみたところ、
相変わらず顎関節症については「開いてるじゃないですか……」と言われ、親知らずは「見事に真横ですね……」と言われる。
親知らずは、4回通って1本ずつ抜くプラン、2回通って上下または左右で2本ずつ抜くプラン、
1日入院して全身麻酔で一気に4本抜くプランを提示されたが、若干家から遠くて面倒だったので1日入院して一気に抜くことにした。
入院して、手術室に入り、看護師さんにきれいな手ですねー、爪がきれいでうらやましい、とか言われてる間に意識を失って、起きたら親知らずは無事全滅していた。
医者からは「一気に抜くともっと腫れる人が多いのに全然腫れてない、本当にあなたは運がいい。」と心底残念そうに言われ、大病院を後にした。
その後しばらくは抜糸や経過観察のために通ったものの特に問題はなく、
顎関節症についても「ウチで作っても同じタイプのマウスピースになる」
「十分開いてるし、親知らずを抜いたことでバランスが整って治る場合もあるから様子見」と言われてしまい、
一応硬質マウスピースを再度作り直してもらったけれどやっぱりイマイチなじまず、
顎の筋肉をほぐす体操を教えられてその大病院とは縁が切れてしまった。
その後、まあ実際そこまで困っていなかったので顎関節症は放置し、
前述の通り引っ越したりしたのもあって、また歯医者そのものと縁がない暮らしに戻ってしまった。
ところが、最近になって何度か開閉していると顎がすぐ痛くなるようになったり、
平常時でも顎のあたりに感じる違和感が強くなり始めて、やっぱり顎関節症をなんとかしたいと思うようになった。
しかし口腔外科は大病院でも硬質プラスチックのマウスピースだったし、
硬いマウスピースはどーも合わないし……と思うと病院探しも億劫になる。
というかもう「治したい」というより、「ソフトタイプのマウスピースが欲しい!」という気持ちになっていた。
売ってた。ドラッグストアで。
お湯につけて柔らかくなったマウスピースを噛んでから冷やせば形状記憶するというもの。
医者はどうも作ってくれないし、千円ちょっとだし、もうこれでいいや、と思って買うことにした。
説明書通りにして使ってみる。寝床に入って装着。やっぱり異物感があって眠れない。
グギギ。グギギ。マウスピースを噛みしめながら深夜3時まで粘ったものの眠れないので外して寝た。
ミントの味とか染みだしたらいいのになー、などとしょうもないことを考えた。
若干オーバーサイズなマウスピースの端が擦れるダメージにも、おっぱいの教えを守って鍛え抜いた歯茎は出血することなく耐えてくれた。
翌日も、翌々日も、同じことを続けた。
三日目の朝。異変に気付く。
あくびをしても顎が鳴らない。
思わず顎を外す勢いで口を開く。鳴らない。
拳を咥えてみる。鳴らない。
それどころか顎にずっとあった痛みも違和感もない。
ハンバーガーをチマチマかじらずに蛇のごとく縦にかじってみた。痛くない!
ヴァーティカルバーガースタイルを選べる自由を得た喜びに震えた。
足が遠のいていたカラオケに行って思いっきり歌ってみた。痛くない!
久しぶりに新しい歌を覚えたくなった。
結局のところ、どういう理屈で顎関節症が消え去ったのかは自分でもよくわかっていないものの、それ以後も俺の顎は好調そのものだ。
俺のように、治らないものだと半分諦めている顎関節症患者も多いと聞いたので、
こんな感じで治ることもあるんだということを知って欲しかったので書いてみた。
なにを馬鹿なことをと思われるかもしれないが、僕ははっきりと主張したい。
もちろんママの方が大変だ。妊娠、出産の不安からくる心の問題だけじゃない。
お腹はどんどん大きくなるし、ホルモンバランスだって変わる。身体だって大きく変化するわけだから、マタニティブルーになったって当然だ。
でも、パパだってマタニティブルーになることはある。なったっていいじゃないか。
パパだって不安なのだ。立派な父親にならないと!だとか、ママの支えにならないと!だとか、日々そんなことばかり考えているのだ。
30歳の新米パパ
今でこそ、胎動を感じることができるので、赤ちゃんがちゃんと生きているという証拠があるから安心できる。
しかし胎動を感じるまでは、いつ心臓が止まってたっておかしくないわけで、いつも夫婦ともに死んじゃっていないか不安なわけです。
近いうちに検診に行くのだけど、もし万が一のことがあったら・・・・・・、と夫婦共にナーバスになってしまって、
お互いにイライラしたり些細なことで喧嘩することがほんと多かった。
2月頃の定期検診の一週間前。
パパもママも共にマタニティブルーになって、いつものようにほんと些細なことで喧嘩してしまったのでした。
喧嘩に疲れてお互いふて寝していたら、深夜二時くらいに妻が僕を起こす。
顔面蒼白で、唇をふるわせながら妻が枕元に立っていた。
どうしよう、トイレに行ったら、少し血が出た。
妻はか細い声でこう言った。
僕は体中の血の気が一気に引いていくのを感じた。
とにかく、妻には明るく接する。そしてうそをつく。
大丈夫大丈夫。ちょっとくらいの出血無いなら問題ないってネットに書いてたから。
でも念のため心配だから、病院に電話してみるね。24時間受け付けているみたいだから。
でも知識としては知っていた。この10週から20週の間の出血はまずいということを。
気が動転していて病院の連絡先の紙が見つからない。ネットで検索しようと思ってもキーボードをうまく叩けない。
スマホの音声検索を使ってようやく病院の電話番号を調べだし、連絡する。
優しい女性の看護師さんとお医者さんが電話に出てくれた。きわめて落ち着いた対応だった。
お医者さんが言うには、この週数での出血は心配なので、救急車の必要はありませんが、明日一番で病院に来てくださいとのこと。
妻には、心配だとかそこらへんのことは伏せて、とにかく明日の朝一番に空きがあるので、仕事休んででも一緒に病院に行こうと伝える。
とにかく妻を安静にさせないと。
妻の手を握って添い寝をして、とにかく寝かしつけることを優先する。
大丈夫大丈夫だから、ほんとに危険なら救急車を呼ぶようにお医者さんから言われるはずだから。
根拠のないことをさも正しいかのように妻に言って聞かせる。
初めは妻も不安で胸がいっぱいという風だったけども、30分すると、少し安心してくれたのか、ようやく寝息が聞こえ出す。
ここから、パパの眠れない夜が始まるのだ。
頭の中でぐるぐる回る後悔、自責の念。
どうして喧嘩なんてしてしまったのだろう。僕が真っ先に謝ればよかった。つまらないことで意地を張る必要はなかった。
ほんのスプーン一杯分の優しさを持てば、喧嘩なんかならなかったんだ。
妻はマタニティブルーなんだ。体の異変と心も不安を抱え、イライラしたって当然だ。
身体は何一つ変わっていない旦那が妻を支えるべきではなかったのか。
妻は何一つ悪くない。
僕が赤ちゃんを殺したのだ。
横になっても目をつぶっても眠れない。頭の中から後悔と自責の念が離れない。
早く朝になって欲しかったが、いっこうに時計の針は進まなかった。
僕はどうにかしてこの不安を断ち切るために、起きあがってスマホでいろいろと調べてみる。
しかし、僕の期待とは裏腹に、出てくる記事は怖い内容のものばかり。
この時期の出血は心配ですと言う産婦人科医の記事。流産したママさんたちのとても悲しい体験談。
ここで不思議なことが起きた。
えー助けてから助けるに変わってる!!
男前すぎるだろ!!
その文章を読んだとたん、なんだか少し不安が解消された気がした。
とにかく今悔やんだって結果は変わらないので腹をくくろう。
そうこうしているうちに夜が開けた。
そんなこんなで朝一番に病院に行ったのですが、検査の結果異常なし。赤ちゃんの鼓動も正常で、エコー診断委も異常なし。子宮の状態も全く異常なし。
まさかGoogle先生がインターネットの英知を使ってなおしてくれたのか?
これからパパになる予定がある人は是非読んでいてほしいことなのだけど、
やっぱりパパだってマタニティブルーになる。なるのだけども、やっぱママの方が負担は大きいわけで、支えていかないといけない。
そうしないと後悔しても後悔しきれないことが起きてしまうかもしれない。
妻にだけは当たらぬよう、喧嘩はしてもすぐパパが謝ることを心がけるべきだなぁ、とつくづく思いました。
あと病院の連絡先は書き出して冷蔵庫に貼っておくことと、Google先生は時として男前の発言をしてくれること。
それが今回の件で学んだことです。
自閉症の症状を調べると、これまでの人生で失敗してきたことが、全て自閉症が原因だと気付く。
自閉症がきっかけで、私は空気が読めない男となり、人から嫌われ、鬱病を患った。
何度も自殺しようか考えた。鬱で明日が怖くなり、睡眠障害も患った。
睡眠障害は過眠症だったので、一日中眠かった。それも周りから馬鹿にされ、更に鬱になった。
大学時代は極楽だった。講義ごとに人が違うから、人付き合いを気にしないで良かったから。
その頃には鬱は晴れたが、過眠症は治らなかった。
少しでも興味が無い講義は、とてつもない眠気が襲い、寝てしまっていた。
寝るのは良くないと思い、ひたすらノートに書く事に集中したら、眠気は全く起きなかった。
書く事に興味を持っていたら、成績が良くなってしまい、何度も表彰された。
同時に何か異変を感じるようになる。音を気にしすぎるようになった。
社会人になったら、過眠症が原因でよく叱責されるようになった。
「寝ちゃだめだ」と思えば思うほど眠くなる、後にそれがナルコレプシーと判明する。
営業部の美人局ババアの独り言だけが耳に入るようになる。先の聴覚の問題が現れる。
周りからはさして気にするほどでもない音だが、私には気になって気になって、常にイライラしていた。
私は電話の取り次ぎがとても下手で、相手の名前と会社名と誰宛なのかを覚えられなかった。これもよく怒られた。
上司に仕事の報告をするにしても、事前にカンニングペーパーを入念に作らない限り、「君、何言ってるかわかんない」と返された。
言葉が出ない。思い浮かぶ言葉が関係ない言葉ばかり。そして話がとても長くなってしまう。
その会社は寝過ぎで解雇された。自己都合退職という名目になったのがせめてもの幸い。
その結果、自閉症と診断された。
ここまで読んだ人なら気付くかもしれないが、私は話を要約出来ない。これについても後々後悔する。
結局何が言いたいか。
色々ありがとー。
「若い人にはよくあることだから、聞かれないかもしれないぐらい」ありふれた話なんだってさ。
だから、ここは前向きになるよう、マイナス面の報告で終わるんじゃなくて、プラス面の報告に持っていけるように
話を脚色すればいいんだってさ。
「十分な休養をとることができたおかげで、今は元気ですし、また、メンタル面で不安を抱えることの恐ろしさも知る事ができました。そのため、将来PGリーダーなどを任された際には、いち早くメンバの異変に気づくことができるかもしれません」
みたいな、奇麗事を言っておけば良いらしい(本当か?)
http://anond.hatelabo.jp/20150314072253
準備期間を儲けてから、就職した方がいいよって言われたんだけど
どうも、四日市市のハローワークでやってるそういう準備の支援が、イマイチなのしかなかったんだよね。
だから、先月働いた分がその準備期間だった、と思ってえいや! って就職活動してみることにしましたー。
なるようにしかならないけど、頑張るよー!
その日の朝、A部はいつもと同じ時間に目を覚ました。最近は歳のせいか、ずいぶんと早い時間に起きるようになった。
国会が開会中のため、今日の定例閣議は9時からだ。それまでは特に予定は入っていない。朝食を取りながら、昨日見られなかった続きもののドラマを見ることにしよう。
ダイニングに降りると、A恵がすでに朝食の用意を済ませていた。平和な朝だ。週刊誌が文部科学大臣のスキャンダルを騒ぎ立てているようだが、あの内容であれば守りきれるだろう。このタイミングで閣僚をもう一人辞めさせるわけにはいかない。
A部がドラマを見るためにHDDレコーダーのリモコンを手にとったところで、電話が鳴った。どうやら秘書官からのようだ。こんな早い時間に連絡してくるというのは、何かあったのかもしれない。
「私だが」
「そ、総理、大変です!」
受話器越しにも、秘書官が動揺しているのが分かる。
「どうした?」
「S村大臣との連絡が取れません」
「なんだと!自宅に電話はしたのか」
「それが、夫人ともども連絡が取れないのです」
「まさか、あれしきの記事でバカなことをしたわけじゃないだろうな!」
安倍は録画したドラマを諦めて、すぐに官邸に向かうことにした。秘書官には早急に全閣僚を官邸に招集するよう命じた。
いつものリムジンで官邸に向かう途中、電話で官房長官のSを呼び出す。S村の件での対応を相談するためだ。万が一のさいのマスコミ対策などについて話し合う。憲法を改正するまでは、なんとしても私の内閣を終わらせるわけにはいかない。だが、とにかく情報が少なすぎる。
A部がふと窓の外に目をやると、いつもなら通勤途中のサラリーマンでごった返しているはずの道が妙に静かなことに気づく。東京の街はこんなにも人が少なかっただろうか…。
やがて、官房長官のS、財務大臣のA生、防衛大臣のE渡、国家公安委員長のY谷らが慌てて部屋に入ってきた。だが、文部科学大臣のS村は言うまでもなく、外務大臣や厚生労働大臣、国土交通大臣など10人近い閣僚が姿を見せない。
「どういうことだ!」
思わず、A部は立ち上がった。
「K田大臣のご自宅に連絡したところ、奥様が電話にお出になられて、今朝からご主人の行方が分からないそうなのです」
「テロか?」
「強引に連れ去られたといった様子はなく、ただこつ然といなくなったのだそうです」
A部は思わず腰を落とす。
「いったい、何が起きているんだ…」
***
ほとんどの職員が出庁してこないのだ。姿を見せたのは、清掃職員や食堂のおばちゃん、あとはごくわずかのノンキャリア組だけだ。なにせ人がいないのでパニックは起きない。だが、がらんとした庁舎のなかで、出る者のいない電話だけが狂ったように鳴り響いていた。
「いったい、何が起きているんだ…」
***
だが、「何が起きたのか」はすぐに判明した。文京区本郷、左京区吉田、青葉区片平、豊中、北区札幌、千種区東山、東区箱崎、国立、目黒区大岡山、港区三田、そして新宿区早稲田。
いつもなら若者たちの声が響いているはずのキャンパスが廃墟のように静まり返っていた。わずかな数の教職員だけが、人の姿を求めてキャンパスのなかをさまよっていた。
東大、京大、東北大、大阪大、北海道大、名古屋大、一橋大、東工大、慶応大、早稲田大という日本を代表する大学の現役学生およびそのOB/OG全員が突如として姿を消したのだ。
***
「これで日本に残されたエリート大学は上智大とICUだけだな」
「横国を忘れてやいませんかね」
「日・本・の・最・高・学・府 筑波大学ですが何が」
「駅弁の医学部のほうが慶応とか早稲田の文系の連中のほうが偏差値はずっと上だから、その連中が無事だってことは、偏差値が高いから消えたってわけでもなさそうだな」
***
A倍は残された閣僚でとりあえず対応を検討していた。だが、家族がいなくなってしまったという閣僚は早々に退散してしまい、残った閣僚も前代未聞の事態に誰もが言葉を失っている。
A倍はやはりそこが気になる。
「自衛隊は幹部クラスを除けば、大丈夫だと思います。幹部クラスには東大卒が結構いましたが、防大出身者で中核は固めていますので」
防衛大臣のE渡が答えた。
「中央官庁はほとんど消滅に近いようです。大手企業の本社も潰滅状態に近いところが多いようですし、地方自治体も上級職では相当の被害が出ているようです。鉄道や電力などのインフラは現場の判断でなんとか回しているようですが、この事態が長引けばやがて混乱が拡大していくでしょう」
「そうか、やはり日本は学歴エリートなどいなくても回るんだな」
A倍は少し笑みを浮かべた。何よりも嬉しいのは、この事態になってもマスコミの連中がほとんど動いていないことだ。特に高学歴者で占められた大手マスコミは消滅に近い状態になっている。朝○、朝○、朝○。あの偽善者どもが集団でいなくなってくれたのは日本の国益としか言いようがない。
「しかし、情報が流れないと、大きな混乱が生じることになりかねません」
官房長官のSが眉を寄せる。
A部は少し考えて秘書官に命じる。
「よし、私が直接に国民に話そう。テレビカメラさえあればいい。NHKに連絡してくれ。内容については任せる」
いつの間にか、A部は事態を楽しみ始めていた。盟友のS村がいなくなったのは確かに痛手だが、懐刀のSがいるし、なによりもこれで自分の学歴がバカにされることはなくなる。
名ばかり大臣のポストに押し込めたI破や、賢しらな外務大臣のK田が時折自分に向けてくる見下すような眼差し―――。思い返すだけでムカムカしてくるが、それからようやく解放される。もちろん、こんな思いは胸の深いところにしまっておかねばならない。だが、どこかでざまあみろと思う自分がいることも確かなのだ。
「5時から放送ができるようです。NHKでも会長を始めとして、幹部職がほとんど消失したようです」
A部は自分がゴリ押ししたNHK会長の顔を思い浮かべた。まあ、あんなのの代わりはいくらでもいる。
そういえば。
リムジンに乗り込みながらA部は思い出した。今朝見損ねたドラマ。あのドラマの主人公を演じていたのはたしかどこかの有名大学の出身だったような気がする。まあいい、ドラマよりももっと面白いことが、いまこの国には起きているのだ―――。
3人姉弟の片田舎育ちで、平凡に暮らしていた。田舎にも種類があるけれど、イオン的な郊外型ショッピングモールがあって、公立に行ってなんぼ・私立はバカが行くところだ系田舎。
親子と祖母と暮らしていて、小さい頃は親戚と遊んだり家族旅行に行ったりもした。
異変は小学生の頃。中学生の姉が父親と喧嘩したらしく次第にギスギスし始めた。何年か経って聞いたところによると、姉の何かしらの行為に腹を立てた父が姉を投げ飛ばしたらしい。
私にも似た経験がある。あまりにも些細すぎてその片鱗さえ覚えていない。が、何かしらの悪さを私は働いた。穏やかに諭す父。まだ10歳にもならなかった私は「歯を食いしばれ」の言葉に素直に従いゲンコツ一発を頂戴した。当時はただただ驚いていたが今なら言える。対価でかすぎだろ。
姉は父と距離をとった。洗濯物どころか食事さえ別室でとった。
私も思春期さながらの「お父さんキモい」発動。昔からどこか冷静だったから、「思春期だから仕方ない。この感情に従おう。あとに残すとややこしい大人になるし」と自分の感情のままに生きた。
しかし何年経ってもそれは続いた。高校を卒業しても、成人を迎えても、働き始めてからも、今も。
大学は地元を離れた。その時やっと父を人として見る余裕ができた。
別に暴力的なわけでもなく(上記のあれは一度きりだし)、お酒もひどくないし、タバコに至っては吸わない人。
それまではとにかく嫌で嫌で、話すのも見るのも見られるのも同じ空間にいることさえも嫌だった。離れたかった。
物理的に距離ができたことによってマシになった。
祖母の葬式で久しぶりに会って少し話したが「ああ駄目だ」と思った。近づくと無理になる。家族だからといってなぜ同じ家に住まわなければならないのか。本能的に無理なのだ。いやしかし、単純に姉の影響なのかなとも思う。それでいて父との関係修復に恐れを成しているのだ。よくわかんないけど言葉にするならそんな感じ。思い込みの激しいところが昔からあるから。
家族主義のこの国においては、いやきっと地球上どこへ行ったって、非難の対象だろう。面倒くさいから死んでほしいよねと姉とたまに話している。母の前では言えない。
何かの時に父の話を母とした。母は「嫌いだとは思うけど、まさか死んで欲しいと思っているわけじゃないでしょう?」と冗談っぽく言う。ごめんね、私達そんなにきれいじゃない。
大学の時両親は離婚した。よく、離婚の原因がわからないという男性がいるが、女性の気持ちはポイント制という例えがしっくり来るのではないだろうか。母に尋ねると「確かに好きで結婚した。けど、昔からなんかこの人変だなと思うところがちょくちょくあった。その小さな積み重ねの結果だよ」と。父は病院に行くほどでは全くなかったが精神不安定な面があったようで、私が大学に入ってしばらくした頃に母と口論した際、最終的に包丁を持ち出してきたのだという。
ちがう。父を嫌いな自分を肯定する材料が欲しかっただけだ。腹を立てるパフォーマンスだった。
実際、再婚した母が旦那さんとの時間を優先させているのを見ると、すごく腹が立った。自分勝手な上に子どもだ。もっと親に甘えれば良かった。なぜだか上手く甘えられなかった。気を回す必要など全くなかったのにいつも気を回していた。勉強をしろとか、なんにも言われなかった。自由に習い事もさせてくれた。困ったら助けてくれた。優しかった。
甘えられなかった自分が悪いのかな。
外見だけ大人になって、中身はずっと子どものまんま。無責任で身勝手で自分のことだけ考えてて自意識過剰の厨二病。
なんで産んだんだ。
ずっと虚しさでいっぱいだ。
ジャニーズJr.っていうのはテレビに出てるジャニーズの後ろでペラペラな割に色やスパンコールやフリンジのきついジャケットと黒いタンクトップを着て踊ってたりするアレで、今まで全くそういうのに興味がなかったのに大学生になってからはじめて本格的に好きになった。山Pはずっと好きだったけど毎月毎月見たいっていう欲求はなかった。テレビでよかった。今はテレビでよくないので、これは異変なんだと思う。
いろいろあって、そのジャニーズJr.にはまってから1年間で100万円使った。これはチケット代だけの金額で、遠くの会場でのコンサートにも行ったから交通費もたくさんかかったしいろいろなプレゼントも渡したけどその費用は別。計算が面倒なのでしません。
100万円という金額が多いのか少ないのかはわからない。都内実家在住、親からはジャニーズのために1円も出してもらってないのでそこそこ頑張ってる方だとは思う。上を見ればいくらでも上はいるし、若手のジャニーズでも舞台の最前列はヤフオクで15万円くらいで転売されてると聞く。そういう良い席を買い集めるために風俗をやっている人もいるし、突き詰めていけばキリがない。
(ちなみにこの記事、ジャニヲタの金銭面のサンプルとしてとても参考になると思いますので興味のある方は是非。 http://jma.hateblo.jp/entry/2013/08/26/120132 )
ジャニーズJr.はすぐ認知してくれる。もちろんひとりひとりにタイプの違いはあるから一概には言えない、全くファンの顔を覚えないし手を振ったりもしないことで有名なJr.もいればその逆もいる。でも恐らくテレビに出てるアイドルよりは遥かに難易度が低いと思う。
匿名ダイアリーに書くのに隠す意味がないから書くけど、帝国劇場や日生劇場やNHKホールには「列」といわれて出待ち文化が未だに根強く残っている。待っている間はあまりしゃべってはいけない(という空気だ)しスマホもいじってはいけない、若い女の子がひとことも発さず有楽町の地下にずらっと列を作っている光景は宗教っぽいなと毎度思う。全然関係ない一般人が「ここで待たないでください」とか怒鳴られてるのを見ると可哀想だなと思う。
出待ち文化はジャニーズ事務所半公認で、ファミリークラブという「ヲタク統括組織」的なものの下っ端がその出待ち少女の大名行列を整理している。未だに存在している事実をジャニヲタはなぜか必死に隠したがって「れ◯」とか「並んでくる」と婉曲的な表現に終始するけど、バカっぽいからやめたほうが良い。
そういう意外とローカルな「アイドルとファンの繋がり」が未だに残っている。自分でも出待ちは80'sアイドルの代名詞だと思っていた。その反面いまは誰でもスマートフォンを持っているからSNS文化に則した発展もなされている。
ジャニヲタのあいだで伝言ゲーム的に広げられていくアングラ匿名掲示板が存在する。海外の無料サーバーに何者かが設置していて、パスワードがついている。パスワードも伝言ゲーム的に広がっていく。
「ヲタ糧」とか「列糧」とかある。ヲタ糧は「ヲタクの話をする糧(=カテゴリの略)」でひたすらジャニヲタが特定個人を誹謗中傷してる。例えば「松本潤担」(担=担当。「推し」と同義)っていうスレッドがあると「今日どこどこの席にいた松本担のツイッターわかる?」とかそういう書き込みが延々なされている。裾野の広い相互監視社会って感じである。「列糧」は出待ちに関する話を延々としてる。今日は◯◯くんの機嫌よかったね、とか。
つまりファミレスとかですればいい女子特有の噂話をジャニヲタはみんな顔を合わせずにアングラ匿名掲示板で行っている。特定個人の誹謗中傷をする掲示板があるという事実だけでも冷静に考えてみるとヤバすぎるし、容易に一般人が首を突っ込んでいいかというと恐らくよくない範囲の話になってしまう。
そして一般的な認知に至るまでのプロセスとしては、出待ちに通ったり、毎月あるジャニーズJr.歌番組の収録に行ったり、舞台に行ったりコンサートに行ったりして認知されていく。
最初は自分にとってそのジャニーズは神にも等しい存在で、多少遠くてもその姿を確認できて踊っているところが見られるだけで「美しい」という感想を抱きながら家に帰れたし、たまに良い席に入ってそのジャニーズが近くに来ようものならもう狂喜乱舞といった感じで、はじめの頃は泣きながら駅のホームで電車を待ったりしていた。うちわに「◯◯くんダブルピースして」とかの文字を書いてダブルピースされようものなら途端にすべての悲しみや苦しみがスッと失くなって足元がふわふわと浮かぶような気分になった。
「リア恋」という言葉がある。リアルに恋してる、の略で恐らく「ガチ恋」等の単語と同義。アイドルを本気で好きになってしまう現象、その状態、そうなっている人のことを指すけれどまさにその単語に当てはまると思う。恋で頭が混乱して、「好きなジャニーズが近くに来る座席を狙ってヤフオクで落札する」という行為がどうしても辞められなくなってしまいものすごく働くことになった。ものすごく働くと疲れるけれど、アイドルのことを考えると全然つらくはない。肉体的な疲労はあるけれど精神的なものはすべてアイドルが癒してくれるので、肉体は横たえておけば良い。
最初から認知されようと思って追いかけていたわけではなくて、「とにかく好きすぎて見に行かないと耐えられない」という衝動から追いかけ始めた。自分は「副産物としての認知」タイプだと思うけれど、もちろん最初から「アイドルに認知されたい」という承認の欲求ありきで追いかける人もいるだろう。それもひとつの形だし、原動力がなんにしろ、どんなにやましいものにしろお金を落とすなら別に良いんじゃないかなと思う。
1年近く「◯◯くんを近くで見たい」以外の感情が無かった。「◯◯くんダブルピースして」の少し特殊なバージョンを長くやり続けていたら、見せなくてもやってくれるようになってそのときに「あ、覚えられてるんだ」と思った。はっきり言ってあまり人気がない方のジャニーズで、同じジャニーズのファンで現場に通っている人はあまりいない。いても毎回、執着的に良い席ばかりでは来ていない。
あっという間にそのファンコミュニティで有名になってしまい、最近では自分が知らない人にも知られているようになった。
近ごろ、なんとなく落ち着き始めた。
毎回、自分が視界に入ると彼は「いつもの」合図をしてくれるし、目も意識的に合わせてくれるようになった。手紙も返事が来て、出待ちにいることも把握されている。(冗談だと思われても良いし、イタい妄想だと思われても良いように匿名で書いてる)
最初そのアイドルを好きになった時の自分は「見たい」という原動力で追いかけていたのに、最近では「見られたい」「いることをわかってほしい」ことがメインになっているように思えてはっとした。副産物が主な目的になってしまっている、という自覚を持って恐くなった。
この前、わざと後ろの方の席をツイッターで譲ってもらって舞台を見た。「わたしは見ているのに、彼からは絶対に見られない」という状況が好きになった最初の頃を思い出させて、ぼんやりと認知ってなんなんだろうと考えた。
本質的に自分がお客様、お金を出しているから優位に立っている。アイドルファンには選択の自由がある。Aが気に入らなかったらBに担降り、ないしは推し変すればよい。でも向こう側に「自分の客」として認識されてしまうとその自由は奪われる。一対一で接客してくれるセレクトショップで「やっぱり良いです」と言いづらいのと同じ心理状況。
もちろん、そんなの気にしなければ良い、と言う一般人はものすごくたくさんいると思うけれど、どんな人でも文字のついたうちわを持って横浜アリーナのセンターに座って景色を見てみればきっと少しは理解してくれる、とまだ私は信じている。
「認知の重圧」というフレーズが気に入っていて最近よく使っている。自意識過剰と言われるかもしれないし、「バカっぽい」と自分を形容することも多いけれど、"俺のファンでいて"、"応援していて"というメッセージを受け取って、そして自分よりも熱烈に強烈に応援しているファンがいない状況を目の当たりにすると、彼の応援を放棄して他のことに眼を向けることができない。
わざと後ろの方の席で見たのは舞台期間の10日目だった。数回目の舞台で、はじめてどういう舞台なのか、どういうストーリーなのか、誰が出ているのかを把握できた。
彼の視界にいるとどうしても彼以外に目線を向けることが憚られる。アイドルは自分たちが思っている以上に目線を気にしている。彼しか見ていないので一切舞台の内容が理解できていなかったし、彼しか見ていないと彼以外のことがどうでもいいから全体像を把握する気にもならない事実を改めて認識して本末転倒さを感じた。
「認知されている」優越感はものすごい。何も持っていなくてもピンポイントで手を振ってもらえること、ある程度遠くの席でも見つけてもらえること、周りのファンから羨望の目で見られること。
でもそれは絶対的な優越感じゃなくて周りのファンとの力関係を前提にした相対的な優越感だから、毎日毎晩不安に苛まれている。わりと本気である日ものすごいマダムが彼のファンになったらどうしようと思っているし、そもそもある日彼にぷいっと気を損ねられて嫌われてしまったら何を生き甲斐にしたら良いのかわからない。
それでも根底にあるのは「好き」という気持ちだから、悩んだりしつつ明日も私はバイトに行くし休憩時間には執拗にチケット流通センターをチェックすると思う。
はっきり言って何も残らない。思い出が消えたら半券しか残らない。でもけっこう本気で、死ぬ間際の走馬灯に横浜アリーナが映ったら良いなと思ってる。
私の叔母は母と結構歳の離れた人だった。いつも誰かが私の悪口を言っているという話で始まる、境界性なんたらにかかっていた人だったが、いつも私に優しかった。
子供の頃、私は母に優しくされていなかった為、いつ会っても優しい叔母が大好きだった。ある時私が母と叔母の家へ遊びに行ったとき、風邪をひいてしまった。最初に体調の異変に気付いたのは母でなく叔母だった。叔母は私の顔を両手ではさみ、今日は元気がない、どうしちゃったの?と聞いた。その時自分も体調の変化に気付いていなかったので驚いた。遊びに来たのに熱を出して可哀想だとか、部屋に様子を見にきてくれたのは叔母だった。いとこはヒマだろうと言ってちょっと大人のマンガを貸してくれた。僕が家まで送ってあげると言い、カッコいいスポーツカーで私たちを家まで届けてくれた。
両親の口癖は「甘えるな、お前の召し使いじゃないんだ、お前は女王さまとでも思っているのか」だった。叔母は私の気持ちを気にして、大事にしてくれるという、両親にはない温かさがあった。
もともと自分は乗り気ではなかったんだけど(車だけに)、親がうるさかったので仕方なく取ることにした。
でもさ、正直乗りたくないんだよね、車。
だってさ、自分がいつ事故の加害者になるか分かったもんじゃないじゃん。
交差点で仰向けの恰好でスケボーに乗ってた6歳男児、車にひかれ死亡
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1812970.html
こんなのさ、はっきりいって無理ゲーじゃん。
自分はこんな事故起こさないって自信を持って言える人、いないでしょ。
そりゃ確かに、上の例では運転手の責任は法的には問われないだろうよ。
でも問題はそこじゃない。事情はともかくとしても、人を一人殺したことに変わりはないんだから。
寝る前に、轢いた時の音とか、ハンドルの感触とか、異変に気付いて車から飛び出た時に目に入った子供の無残な姿とか、蘇ってくるんだろうね。
「さっきから車のデメリットばっか強調しやがる。車は人殺しマシーンである以前に交通手段なんだぞ?
たった一件の事故について知っただけでこんなセンチメンタルになりやがって。主語のデカさだけは一丁前の増田だな。」だって?
そりゃそうだね。何事もメリット/デメリットを比較して考えるべきだ。
ところで、俺は東京に住んでるんだよね。だいたい行きたいところには電車かバスで行けるんだよ。
ごめん、話をそらすつもりはなかったんだ。
でも、東京で暮らしてて「車欲しいなぁ」って思うこと、ほとんどないんだよ。
オリンピックが来たらさ、公共交通機関ももっと充実するじゃん?
そしたらもっと車も要らなくなる。
車を使いたくなるのってどういう時なのか、よく分からないんだよ。
それでも一応、エントリに起こすためにちょっとは真面目に考えてみた。
車があると便利なタイミング。
俺、車を使うような仕事に就くつもりないんだよね。
仕事で車使うのって、トラックやタクシーの運ちゃん以外だと、会社の営業とか広報とかくらいなんじゃないの?
よく知らないけど。
俺、結婚できるのかなぁ。
しかもだよ。上で「メリット/デメリットを比較してみよう」とか言ったけどさ。
「人を轢く」っていうリスクを定量的に評価するの、意味があると思う?
車を運転してて実際に人を轢く可能性は、確かにそこまで高くはない。
じゃあ人を実際に轢いた時の損害を算出してみようという段になって、君はその損害を数値化できる?
「車が壊れたから買い替えウン千万。あと慰謝料ウン百万」とかそういうことじゃなくて、精神的な苦痛の話だよ。
例えば彼女にフラれたときの苦痛を100として、人を轢き殺した時の苦痛はいくつだって即答できる?
俺にはできない。強いて言えば「∞に発散する」って答えると思うよ。
「自動車を運転するの、どうよ?」っていう命題は、最悪の事態が発生したときの損害が大きすぎて、メリット/デメリットを比較検討する意味がないと思わない?
どこかの原発でも、「確かにでかい津波来たらやべぇけどさ、そんなのありえなくね?マジこれほとんどノーチャンっしょ」っていう意思決定があったらしいね。あれと一緒。
おまけに、この「最悪の事態」は日本のどこかで日々起きてるんだよ。
車の運転に対する君の感情が、今のところポジティブなものだったとしても、それは単に「運が良かった」だけでしょ?
こんなんだったら俺、免許とらなくても良くない?
宅配とか送迎とかのために、車は使われ続けるだろうさ。
でも、狭い住宅街のただ中を車がビュンビュン走るっていうのは、ちょっと前時代的過ぎると思わない?
今や駅にもホームドアが付いてるんだよ。自殺しようとでも思わない限りはそう簡単には電車に轢かれないよ。
じゃあ、君の家の前の道路はどう?歩道はある?ガードレールは?
でも、歩行者と自動車の間を隔てるのが白線一本だなんて道路は、なくなった方が世のためだと思う。
実際に車を今バリバリ運転してる人は、ここに書いたようなこと、どうやって折り合いを付けたの?
「明日、もし俺/私が人を轢き殺したら」って、考えたことない?
勢いでバーっと書いたエントリだから、少しミスリーディングになってしまった。
「都会暮らしの人には車は基本必要ないし、それ故に免許を取る必要性も俺はほとんど感じないけど、みんなはどう思う?」
って聞いてみたかっただけです。
家族や友人と話をする中で、「車の免許」というものに対する温度差を感じたので。
色々とグダグダ言いましたが、免許は取ります。もう金も払ったし通い始めちゃってるからそこは仕方ないね。
車に対する自分の見方が偏ったものなのか、はてな村民をバロメータに確認してみたかったので、レスポンスがもらえればまあそれでいいやと。
しかし、企業・労働力・雇用・交通機関・資金が、一極集中し過ぎている東京都のような
都会だけではなく、
もちろん、私の議論が交通手段の発達した都会でしか成立しないのは重々承知の上です。
「都会においては、」歩行者を守れるものが白線一本しかないような危険な道路はなくしてくれ、とでもすべきでしたね。
ごもっともです。
結論が免許取得の有無になってしまったのは、単に私が「教習所めんどくせえ」と念じながらエントリを書き上げたからであって、
「免許とかいう制度、この世からなくなれ」などと言うつもりはありません。
リスクなんてそこらじゅうにある、というのはその通りなのですが、
車の運転に関して言えば「都会住みならリスクへの対策が容易(運転を控えれば良いだけ)」かつ「『万が一』の事態が起きる可能性が比較的高い」ため、
通り魔に遭いたくなければ外出を控えなければならないし、スリに遭いたくなければ金品を持ち歩いてはいけない。
どちらもたいへん非現実的です。だから、実際に金品を持って外出する人は通り魔•スリに遭う可能性についてはいわば妥協しているわけです。
ただ、都心の発達した交通網のおかげで「車を運転しない」という選択肢は比較的現実的であると私は思います。
おまけに、種種の犯罪に巻き込まれる確率に比べて自動車による死亡事故を起こす確率はかなり高い。
例えば警察庁のデータ(https://www.npa.go.jp/toukei/seianki/h24hanzaizyousei.pdf)を紐解いてみると、毎年事件に巻き込まれて亡くなる方の人数はおおむね500人前後。
通り魔とかいった「突然、偶発的に巻き込まれる恐れのある事件」のみならず、
怨恨殺人とか、金品狙いの強盗殺人とか、そういうものも含めてこの人数です。
それに比べて自動車事故による死亡者の人数は、2013年で4373人。(http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_tyosa-jikokoutsu)
ニュースで殺人事件の報道がなされ、死亡者の名前が一人読み上げられる裏で、
八名の方が自動車事故で亡くなっているわけです。
「そもそも、4373という数字自体が小さいではないか」と思われるかもしれませんが、
それでは、あなたの知り合いの中で、過去に刑事事件もしくは自動車事故に巻き込まれて亡くなられた方はいませんか?
私にはいます。親戚が刑事事件に巻き込まれ、帰らぬ人となりました。
おまけに、車に乗らなければこのリスクは避けられる。
だったら、乗らない方が身のためだと思いません?
小学生のころからずっと思ってたんだけど、あまりにもあほすぎると思っていままでだれにも言わなかった。けど、増田だったらなんだって言えちゃうし、いいかなと思って。きっとみんなにも共感してもらえるはず。だれも言わないけど、みんなこういう妄想をするものなんです。男子というものは。
「はてなはて男」
「はい!」
はて男が舞台の上を中央まで歩き、九十度向きを変え、前に進み礼をする。だが当然ぼくははて男のことなど見ていない。
つぎに呼ばれるはて美ちゃんが、軽くて薄いひらひらした黒い仕立てのいいスカートを気にしながら、一段一段ゆっくりと、いつもながらの真面目な態度で慎重に数段しかない階段をのぼり、舞台上に立った。くるっと客席のほうを振り向くと、美少女はて美ちゃんの顔がぼくらから見える形になった。バレエで培った美しい姿勢を見せ、うっすらと盛り上がった胸を張り、つぎに自分が呼ばれるのをやや緊張した面持ちで待っている。いつもと違う高貴な服装は清楚なはて美ちゃんの美しさを引き立て、そこだけ黄金の光が集まってきて天使が祝福しているように見える。
「はてなはて美」
「はい!」
ついにはて美ちゃんが呼ばれた。はて美ちゃんは、透明感があり歯切れのいい美声で「はい」とだけ言う。場内にはて美ちゃんの声だけが響き渡り、ぼくらの胸の中にはて美ちゃんの声が入ってくる。ぼくの身はとろけはじめる。ひらひらのスカートがはて美ちゃんの膝のあたりで揺れるが、その軽やかで繊細な動きにぼくの性器がびくんと反応する。美しい「はい」の一声に場内は圧倒されたが、その残響と余韻とともにはて美ちゃんが舞台の上を進む。健康的な筋肉質のふくらはぎに真新しい黒いソックスが食い込んでいる。
ぼくの妄想は加速する。はて美ちゃんの「はい」の合図とともに式場内にいた変態たちが勃起してしまって、はて美ちゃんに襲い掛かろうとするのだ。数人の男たちが舞台中央にいま立とうとするはて美ちゃんに襲い掛かる。はて美ちゃんは異変に気づき、困ったときに出すあのおしつぶされたようなかわいらしい声を出す。男たちにもみくちゃにされるはて美ちゃん。「はい」と言ってしまったばかりにこんな目に……。
どうしてわたしがこんな目に……。ただ「はい」と返事しただけなのに……。
きみは「はい」と言ってしまったんだ。場内の男たちはみんなきみだけを見ていた。そこできみは「はい」と言ってしまったんだ。一切の拒否を含まない、完全な肯定である「はい」をね。きみはすべてを受け入れる決意をしてしまったんだ。娼婦はときに聖女のように見えるというが、きみはまさにそのように、すべての男を受け入れる「はい」を発してしまったんだ。きみは貞潔でありながら、娼婦の道を選んだのであり、また逆に、娼婦としての人生を「はい」によって受け入れたきみは、いっそう美しく輝くんだ。
はて美ちゃんは卒業証書を受け取り、そして舞台から降りた。なにごともなかったかのように。つぎの生徒が呼ばれる。
自分を呼ぶ汚らしい中年男に「はい」と返事してしまったということについてぼくは考える。美少女はてなはて美ちゃんは従順だった。しかしぼくらは従順なはて美ちゃんを性奴隷にするどころか、むしろはて美ちゃんの奴隷になろうとするのではないだろうか。担任の中年男ははて美ちゃんに「はい」と返事をされた瞬間に、はて美ちゃんを犯したような気がしたのかもしれない、がそれと同時に、かれはおそらくはて美ちゃんに完全に屈服してしまったのではないだろうか。おそらくあのとき襲い掛かった男たちもはて美ちゃんをもみくちゃにしたまではいいが、はて美ちゃんの声を間近で聞いてしまうととろけてしまって、射精と同時にどろどろになってしまったのではないだろうか。その光景はぼくにはあたかもはて美ちゃんが舞台上で失禁したように見える。
といった感じで、とにかく美少女が名前を呼ばれて「はい!」と言うのを想像するとすごく興奮する。その状況は「はい!」といわざるを得ない状況だというのもいい。はて美ちゃんの意志はそこにはない。だけど、はて美ちゃんはいやいやながらではなく、「はい!」とすばらしい返事をするのだ。そしてはて美ちゃんは犯されると同時に世界を征服してしまうのだ。そしてぼくははて美ちゃんの奴隷になりたいのだ。
こんな妄想、男ならみんなするよね?
9/19、現地時間で深夜0時を周る少し手前から異変は生じた。
全国各地に散らばっていたはずの電子妖精のトラッキング情報が同一座標を差し始めた。
そして、時間を少し置いて、タイムスタンプ以外全く同一のデータが送られてきた。
まるでDDosのように、一分間に40というスピードで、的確に。
20^3という重さが空白のテーブルを食いつぶしていく。
数の暴力と時間推移がもたらすマトリクスは傾斜をなだらかに描き、
頂きをみることも、それに至る歩みをも、依然とやめようとはしない。
午前7時、朝のテレビは高らかに告げる。
そして、林檎は投げられる。
地図上の侵略拠点から、戦士達と"林檎"の個数がグラフィックスとともに天高く聳え立つ卒塔婆のように伸びていく。出陣の時間だ。
彼らはやがて、あらゆる戸口の鐘を鳴らし、押し入り、一口齧った林檎を証明書として渡す。そして高らかに叫ぶのだ。今ここで一人の人間が林檎帝国に魂を売ったと。その声は電子妖精を通じてモニターに犇き、占有していく。
林檎中心。
一年に数回、泡のように現れ、消えていく戦士達の母艦の名前である。
午後10時過ぎ、お祭りはいつしか過ぎ、蜘蛛の巣のようにマッピングテクスチャを這い回っていた戦士達と電子妖精達は帰る場所に帰ってきた。体力を限界まで減らし、最後に蚊の鳴くような声で終了の時報を告げると電子妖精は己の揺りかごに帰っていく。翌日の5:00にマスターの声に起こされるまでの束の間、彼女達は浅い夢を見るのだ。
「『空気より重い空飛ぶ機械』は不可能だ。」 ロード・ケビン、英国学士院総裁
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
NHK サイエンスZERO 地震予知 最前線 まとめ #001 2012/07/29「地震予知/上空に現れた謎の異変」
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Amazon.co.jp: 地震予報に挑む (PHP新書): 串田 嘉男
Amazon.co.jp: 地震予報のできる時代へ: 森谷 武男
北海道大学 森谷武男博士 凄すぎる地震予知(2008年十勝沖地震)
http://blog.goo.ne.jp/geophysics_lab/e/ee0abe5a9bda310bddb4032bf5e1b792
地震予測 次々と的中! 村井名誉教授「次に起こるのはココ」 〈週刊朝日〉|dot.ドット 朝日新聞出版
フランスは〇四年、電離層での異常を観測するための小型衛星DEMETERを打ち上げ、
既に九〇〇〇例の世界のM4・8未満の地震について、発生数時間前に電離層内でのVLF帯の電波強度が低下することを見出している。
2010年のM_S7.1ハイチ地震前におけるDEMETER衛星で観察した電離層じょう乱 | 文献情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
韓国研究者、「‘音のない’地震警告音を聞く技術確保が必要」(1) | Joongang Ilbo | 中央日報
プレート間圧力の亢進に伴う、ピエゾ効果発露による地震予測 (日本音響学会騒音・振動研究委員会): 2010|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
衝撃のデータ: 3月11日の地震の前に観測された日本上空の赤外線と電子量の急激な変化
電離層の変化、東日本大震災でも…予知に有望? : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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