2015-01-14

叔母

私の叔母は母と結構歳の離れた人だった。いつも誰かが私の悪口を言っているという話で始まる、境界性なんたらにかかっていた人だったが、いつも私に優しかった。

子供の頃、私は母に優しくされていなかった為、いつ会っても優しい叔母が大好きだった。ある時私が母と叔母の家へ遊びに行ったとき風邪をひいてしまった。最初に体調の異変に気付いたのは母でなく叔母だった。叔母は私の顔を両手ではさみ今日は元気がない、どうしちゃったの?と聞いた。その時自分も体調の変化に気付いていなかったので驚いた。遊びに来たのに熱を出して可哀想だとか、部屋に様子を見にきてくれたのは叔母だった。いとこはヒマだろうと言ってちょっと大人のマンガを貸してくれた。僕が家まで送ってあげると言い、カッコいいスポーツカー私たちを家まで届けてくれた。

両親の口癖は「甘えるな、お前の召し使いじゃないんだ、お前は女王さまとでも思っているのか」だった。叔母は私の気持ちを気にして、大事にしてくれるという、両親にはない温かさがあった。

叔母は母より美人だった。それも誇らしかった。

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