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はてなキーワード: PGとは

2024-03-07

anond:20240307111129

SE派遣だけど、色んな現場入るからその都度業界勉強必須だし、

色んなコード見るからぶっちゃけ正社員飼い殺しPGより知識も応用も出来る自信はある。

ただまぁ飛びぬけて腕のいいヤツは大体引き抜かれて大手に行くわな。

anond:20240307105404

それはありそう。

40超えて事務職とか大体ハズレ

技術職系(PGとか)の人は強い人多いわ

2024-03-01

絵描き界隈の生成AIに対する忌避感がすごい不思議で。

文章書きもPG音楽もそこまで否定的じゃないのに、絵描きさんだけえらいアレルギー起こしてるように感じるんですよね。

明日にでも食い扶持奪われそうなプログラミングで食ってる自分は、「AIに完全取られるまでに利用する側にシフトしていこう」と思わずはいられないのに、絵描きさんだけ敵視してるように感じて。

国内で反対ぶちあげてても、声の届かない海外サービスかに食われてしまうだけなので、はやく利用する側に転じた方がいいと思うんですよねー。

知らんけど。

2024-02-02

anond:20240202120536

プログラマーなんだけど、このプログラム形式で条件を記載するとこ見ると職場にるあたおかPG層を思い出して頭痛くなる

2024-01-19

PGが売ってた

さすがに三万近いプラモデル

ぽいっと買う勇気

箱も大きいし

悩んだ末がまんした

2024-01-13

anond:20240113005730

うーむ、そこはやっぱり相入れないのか。

悲壮さを伝えたい、加害者側の気分で興奮するためではない何らかの演出意図でそういうシーンを入れる可能性は、普通にあると思うのですよね。

物語って、別に加害者被害者視点だけで見るものではないので。

現状だと局部を映さなければ18禁にはならないので、ダイレクトエロでなければ(不快であっても)普通に流してOKとなってしまうと思いますが、それもやはり注意書きだけではダメというご意見なのでしょうか?

個人的には、(性被害ではないものの)いじめのシーンもけっこうクるんですが、いじめ悲壮さを伝えたい意図があるなら制作側は入れたくなるだろうと思う。

それと同様に性被害描写を入れたい、と思う作り手がいてもなんらおかしくはない気がするんですよね。

あと全ての表現がすべて意図に基づいているわけでない可能性もあるかなと。

あとは表現意図でそこを分けることがそもそも可能なのか?そこで分けてもいいのか?という問題もある気がします。

アニメ映画であればPG,R指定がありますが、やはりR指定となると

・性描写がどのぐらい扇情的か、性器が写っているか

・内容が反社会的

犯罪を賛美するように描いている

・薬物関係特に厳しい。注射器が映っただけで即アウトになる場合もある。

のあたりが判断材料になってくる。

でもそういう基準を全部飛ばして、制作意図あいまい可能性を検討できずに一律で長く描写するなら18禁、というのであればそれはこうしてほしいという表明以上の、現状の規制を変える話になってくるように思います

快斗のような現状の倫理観と不一致な部分は、社会の流れと視聴者意見にそって自然と変わっていくと思うのですが、

やはり増田はそれではまだ不満であるように感じました。

2023-12-21

anond:20231221073720

数十万人いるSEPGで、情報系でてる人なんてごく僅かだからな。

AIで大虐殺が始まるってことか。

2023-12-12

anond:20231212124709

女に下着プレゼントって意味わからん

そんなの欲しいもんなんか

わいはPGZガンダムプレゼントされたら泣いて喜ぶけどパンツかいらんわ

2023-11-19

池田大作が授与された国連平和賞特に実態のない賞だった

長すぎたし読みづらかったので結論だけ先に書く。

追記)それでも読みづらかったので改行を入れまくった。

結論

それを満たせるだけの大物という意味では、やはり池田大作はひとかどの人物であったのだろうとは思う。

しかしそれだけで内閣総理大臣名で追悼文を出すレベル文化人だったと言えるだろうか。多分言えないんじゃないかな。

結論終わり。

この結論になった経緯を以下にだらだらと書いているので、暇な人は読んでみてほしい。

---------------

国連平和賞は本当にあるのか

岸田首相内閣総理大臣名で池田大作への追悼文を出し、賛否両論を浴びている。特にX上でこれを擁護するポストには大まかな類似性があり、興味深い。

彼らの言い分はこうだ。

池田大作世界中の著名な大学からおびただしい数の名誉博士号を、そして国連から国連平和賞を授与された世界的な文化人であるからして、総理大臣が追悼文を出すのは妥当である

このうち名誉博士号についてはしばしば「金で買った」という噂が飛び交っている。ディプロマミルと呼ばれる詐欺的な学位授与団体現実存在することを踏まえての推測だろうが、真偽は判然としない。

そもそも池田大作創価大学創立者ということになっているのだから提携している大学要請すれば名誉学位程度は手軽に得られるのではないか正規手段とまでは言わないが、少なくとも大手を振って見せびらかすことができるルートで手に入れた学位なのではないかと思われる。

とはいえいくら数百もの名誉博士号を持っていても、それだけで現役の総理大臣が追悼文を出すのは尋常なことではない。

とするとやはり、国連平和賞が効いているのだろうか。

そのシンプル文字列から権威性がほとばしってやまない。誰がどう見たって「国連平和活動関係者に対して贈る賞なのか」とひと目で分かる。

X上では「国連平和賞だけはガチの実績がないと取れない」「国連平和賞が金で買えると思ってんの?w」等のポスト散見される。

ただ引っかかるのは、私が「国連平和賞」なる言葉を知ったのは今回が初めてだということである

いや国連平和賞って何だよ。

俺が知らなかったのにネット逆張りイキりしてる有象無象が知ってたわけねえだろ。

絶対胡散臭いだってこんなの。

そう思ったので少し調べてみた。

調査

皆も検索してみてほしいが、まず国連平和賞Google検索すると以下のような検索結果に大別される。

実質的wikipediaくらいしかまともな情報源がないので眺めてみる。

概要についてはこうあった。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ国連ピースメダルとも日本語表記される[1]。受賞者には、ミュージシャン文化活動家、政治家宗教家映画監督などがいる

国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ」とはっきり書かれている。これは驚いた。本当に国連が授与している賞らしい。実はまともな賞なのか?

沿革について。

> 第3代国際連合事務総長ウ・タントによって創設された[2]。各国代表が習慣的に贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになった[2]。また、国際連合総会総長として尽くしたものにも授与される[2]。

ごめんやっぱりまともじゃないかも。

贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになったって......もしかしなくてもコネってこと?

まあコネは金で買える場合とそうでない場合があるので「金で買えない」のは部分的に正しいのかもしれない。

日本人受賞者を眺めてみると、政治家岸信介福田赳夫笹川良一など錚々たる顔ぶれ。宗教関係者では池田大作立正佼成会青年部......どっからどう見ても国際勝共連合草生える。これにはマザームーンもニッコリ。てかマザームーンいないの?逆に。

まあ共産主義と戦うことは、広義の平和活動なのかもしれない。国連立場的にそれでええんか?

冗談はさておき芸術家系の受賞者はあまりそういった政治色はなさそうなので、そういった政治性のある賞ではないようにも見えた。

海外の受賞者にもそういった激烈な党派性は見当たらないので、やはり仲良しグループコネコネしたという方がしっくり来る。

英語検索

日本語ではこれ以上まともな情報が出てこなかったので英語検索することにした。

幸いなことに日本語wikipediaには "United Nations Peace Medal" という英語表記が載せられている。これで検索すれば国連公式の受賞者リストや受賞基準などが出てくるかもしれない。

そうして一番上に出てきた検索結果は、メルカリだった。

United Nations Peace Medalが大量に出品されている (https://jp.mercari.com/search?keyword=united%20nations%20peace%20medal)。

いやそうはならんやろ。何で急にそうなるんだよ。

もしかして界隈では昔から有名な案件だったりするのか?わけがわからん。急に胡乱な話になってきたな。

商品紹介ページを見ていると「国連本部のビルで売ってた」とか「昔は国連寄付すると記念品としてもらえた」という話が出てきた。なるほどね。なるほどね?

そしてやはり、国連公式説明文書が引っかからない。United Nations Medalについてはヒットするものの、これは国連平和維持活動に参加した軍人警察官に贈られるもの記述があるため、明らかに宗教関係者が授与されるようなものではなさそうだ。

実際日本語版のwikipediaにも「国際連合PKO要員へ授与するUnited Nations Medal(国連メダル)とは別物である。」とある

仕方がないので英語版のwikipediaを読んでみた。

The United Nations Peace Medal is a commemorative medal produced by the United Nations to promote peace. First made by Franklin Mint in 1971,[1] a new design is produced annually, with limited editions offered for sale in gold, silver, and bronze.[2] Gold medals may be formally presented by UN officials as a diplomatic gift to heads of state, former UN Secretaries-General, and dignitaries visiting the UN Headquarters.[3][4]


国連平和メダルは、平和を推進するために国際連合制作した記念メダルです。(中略)。毎年、新しいデザイン制作され、金、銀、銅の限定版が販売されています金メダルは、国連の高官によって国家元首、元国連事務総長国連本部を訪れる要人に対する外交的な贈り物として公式に授与されることがあります

なるほどね。完全に理解した

私は国連平和賞胡散臭い賞ではないかと推測したが、それは誤りだった。そもそもこれは「賞」ではない。何というかその......メダルだ。

この訳は流石にミスリードを狙っているとしか思えない。訳した奴は一生反省し続けてほしい。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ

この日本語wikipedia記述があまりにも味わい深い。

なるほど、嘘は書いていなかったのだと深く理解できるし、叙述トリックを受けていたかのような感動がある。wikipedia叙述トリックをするなナメてんのか?

流石に爆笑しかけたが、英語版のwikipediaの内容が捏造されている可能性も当然ある。

そもそもこれを外交的な贈り物としていたのなら、国連公式ソースがあってしかるべきだ。しかしそれが見当たらないのはどういうことか。

wikipedia脚注を見ると、公式文書があるようだがリンク切れしている。

幸いなことに国連デジタルライブラリー (https://digitallibrary.un.org/) にあったので見てみると、なるほど確かに一般人にも売っていたらしい (https://digitallibrary.un.org/record/98028?ln=en)。

メダル図柄記載されているほか「国連職員20%割引があるよ!」とか書いていて少し笑える。どうも注文書らしいフォーマットだ。

また公式ではないが1981/10/18に書かれたNew York Times記事 (https://www.nytimes.com/1981/10/18/arts/numismatics-the-value-of-smart-long-term-investments.html) にもメダルについての記載がある。

この記事は「堅実な投資先としてコインって案外良いんじゃね?」という少し頭の悪そうな内容の記事だが、そこでUnited Nations Peace Medalについての記載があった。

1981年国連平和メダルフランクリン造幣局によって製造されている。(中略)。この作品は、クルト・ヴァルトハイム国連事務総長が各国首脳やその他の訪問高官に公式に贈るために鋳造されているほか、コレクター向けに限定販売されている」

ゴールドシルバーバージョンはどちらも直径39ミリで、価格はそれぞれ1200ドルと55ドルである

どうやらそういうことらしい。

また、Encyclopedia of Violence, Peace, and Conflict という書籍のp.799でもその旨の記述がある。

URL: https://books.google.co.jp/books?id=TG2kN033mDkC&lpg=PP1&ots=6bsz6qC8-W&dq=Encyclopedia%20of%20Violence%2C%20Peace%20and%20Conflict%2CAcademic%20Press%2C&lr=lang_ja%7Clang_en&hl=ja&pg=PA799#v=onepage&q&f=false

It is presented to heads of state in the course customary exchanges of gifts, and to those who have served as president of UN General Assembly

「恒例の贈り物交換の際に各国首脳や国連総会議長を務めた人物に贈られる」とある

高官たちの贈答品交換の際に、国連側の贈答品のオプションとしてあるのだろう。つまり寄付の代価ということにもなりうるのか?

しかしそうなると芸術家に対して贈られているのはよく分からない。というのも、このメダルは元々パブロ・カザルスという著名な音楽家に対して贈られたものらしい。

もしかして平和活動を行う芸術家に対しては真面目に選考して授与しており、政治家たちには贈答品として授与しているということだろうか。

ともあれ特段表に出ている授与基準はなく、もっぱら国連事務総長をはじめとする高官がわりとノリで渡せる程度のものであるらしいことは分かった。そもそも同じ物を1200ドルで売っていたのだから......。

池田大作国連平和賞って何だよ

岸田首相内閣総理大臣名で池田大作への追悼文を出し、賛否両論を浴びている。特にX上でこれを擁護するポストには大まかな類似性があり、興味深い。

彼らの言い分はこうだ。

池田大作世界中の著名な大学からおびただしい数の名誉博士号を、そして国連から国連平和賞を授与された世界的な文化人であるからして、総理大臣が追悼文を出すのは妥当である

このうち名誉博士号についてはしばしば「金で買った」という噂が飛び交っている。ディプロマミルと呼ばれる詐欺的な学位授与団体現実存在することを踏まえての推測だろうが、真偽は判然としない。

そもそも池田大作創価大学創立者ということになっているのだから提携している大学要請すれば名誉学位程度は手軽に得られるのではないか正規手段とまでは言わないが、少なくとも大手を振って見せびらかすことができるルートで手に入れた学位なのではないかと思われる。

とはいえいくら数百もの名誉博士号を持っていても、それだけで現役の総理大臣が追悼文を出すのは尋常なことではない。

とするとやはり、国連平和賞が効いているのだろうか。

そのシンプル文字列から権威性がほとばしってやまない。誰がどう見たって「国連平和活動関係者に対して贈る賞なのか」とひと目で分かる。

X上では「国連平和賞だけはガチの実績がないと取れない」「国連平和賞が金で買えると思ってんの?w」等のポスト散見される。

ただ引っかかるのは、私が「国連平和賞」なる言葉を知ったのは今回が初めてだということである

いや国連平和賞って何だよ。俺が知らなかったのにネット逆張りイキりしてる有象無象が知ってたわけねえだろ。絶対胡散臭いだってこんなの。

そう思ったので少し調べてみた。

読者の皆さんも検索してみてほしいが、まず国連平和賞Google検索すると以下のような検索結果に大別される。

実質的wikipediaくらいしかまともな情報源がないので眺めてみる。

概要についてはこうあった。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ国連ピースメダルとも日本語表記される[1]。受賞者には、ミュージシャン文化活動家、政治家宗教家映画監督などがいる

国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ」とはっきり書かれている。これは驚いた。本当に国連が授与している賞らしい。実はまともな賞なのか?

沿革について。

> 第3代国際連合事務総長ウ・タントによって創設された[2]。各国代表が習慣的に贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになった[2]。また、国際連合総会総長として尽くしたものにも授与される[2]。

ごめんやっぱりまともじゃないかも。

贈答品の交換を行っているうちに贈呈されるようになったって......もしかしなくてもコネってこと?

まあコネは金で買える場合とそうでない場合があるので「金で買えない」のは部分的に正しいのかもしれない。

日本人受賞者を眺めてみると、政治家岸信介福田赳夫笹川良一など錚々たる顔ぶれ。宗教関係者では池田大作立正佼成会青年部......いやあのこれどっからどう見ても国際勝共連g(ry)。これにはマザームーンもニッコリ。てかマザームーンいないの?逆に。

共産主義と戦うことは、広義の平和活動なのかもしれない。実際一理あるかもしれない。国連立場的にそれでええんか?というツッコミは置いておこう。

冗談はさておき芸術家系の受賞者はあまりそういった政治色はなさそうなので、そういった政治性のある賞ではないのだろう。

海外の受賞者にもそういった激烈な党派性は見当たらないので、やはり仲良しグループコネコネしたという方がしっくり来る。

日本語ではこれ以上まともな情報が出てこなかったので英語検索することにした。

幸いなことに日本語wikipediaには "United Nations Peace Medal" という英語表記が載せられている。これで検索すれば国連公式の受賞者リストや受賞基準などが出てくるかもしれない。

そうして一番上に出てきた検索結果は、メルカリだった。

United Nations Peace Medalが大量に出品されている (https://jp.mercari.com/search?keyword=united%20nations%20peace%20medal)。

いやそうはならんやろ。何で急にそうなるんだよ。

もしかして界隈では昔から有名な案件だったりするのか?わけがわからん。急に胡乱な話になってきたな。

商品紹介ページを見ていると「国連本部のビルで売ってた」とか「昔は国連寄付すると記念品としてもらえた」という話が出てきた。なるほどね。なるほどね?

そしてやはり、国連公式説明文書が引っかからない。United Nations Medalについてはヒットするものの、これは国連平和維持活動に参加した軍人警察官に贈られるもの記述があるため、明らかに宗教関係者が授与されるようなものではなさそうだ。

実際日本語版のwikipediaにも「国際連合PKO要員へ授与するUnited Nations Medal(国連メダル)とは別物である。」とある

仕方がないので英語版のwikipediaを読んでみた。

The United Nations Peace Medal is a commemorative medal produced by the United Nations to promote peace. First made by Franklin Mint in 1971,[1] a new design is produced annually, with limited editions offered for sale in gold, silver, and bronze.[2] Gold medals may be formally presented by UN officials as a diplomatic gift to heads of state, former UN Secretaries-General, and dignitaries visiting the UN Headquarters.[3][4]

国連平和メダルは、平和を推進するために国際連合制作した記念メダルです。(中略)。毎年、新しいデザイン制作され、金、銀、銅の限定版が販売されています金メダルは、国連の高官によって国家元首、元国連事務総長国連本部を訪れる要人に対する外交的な贈り物として公式に授与されることがあります

なるほどね。完全に理解した

私は国連平和賞胡散臭い賞ではないかと推測したが、それは誤りだった。そもそもこれは「賞」ではない。何というかその......メダルだ。

この訳は流石にミスリードを狙っているとしか思えない。訳した奴は一生反省し続けてほしい。

国連平和賞(こくれんへいわしょう、英語表記United Nations Peace Medal)とは、国際連合が発行するメダル顕彰ひとつ

この日本語wikipedia記述があまりにも味わい深い。

なるほど、嘘は書いていなかったのだと深く理解できるし、叙述トリックを受けていたかのような感動がある。wikipedia叙述トリックをするなナメてんのか?

流石に爆笑しかけたが、英語版のwikipediaの内容が捏造されている可能性も当然ある。

そもそもこれを外交的な贈り物としていたのなら、国連公式ソースがあってしかるべきだ。しかしそれが見当たらないのはどういうことか。

wikipedia脚注を見ると、公式文書があるようだがリンク切れしている。

幸いなことに国連デジタルライブラリー (https://digitallibrary.un.org/) にあったので見てみると、なるほど確かに一般人にも売っていたらしい (https://digitallibrary.un.org/record/98028?ln=en)。

メダル図柄記載されているほか「国連職員20%割引があるよ!」とか書いていて少し笑える。どうも注文書らしいフォーマットだ。

また公式ではないが1981/10/18に書かれたNew York Times記事 (https://www.nytimes.com/1981/10/18/arts/numismatics-the-value-of-smart-long-term-investments.html) にもメダルについての記載がある。

この記事は「堅実な投資先としてコインって案外良いんじゃね?」という少し頭の悪そうな内容の記事だが、そこでUnited Nations Peace Medalについての記載があった。

1981年国連平和メダルフランクリン造幣局によって製造されている。(中略)。この作品は、クルト・ヴァルトハイム国連事務総長が各国首脳やその他の訪問高官に公式に贈るために鋳造されているほか、コレクター向けに限定販売されている」

ゴールドシルバーバージョンはどちらも直径39ミリで、価格はそれぞれ1200ドルと55ドルである

どうやらそういうことらしい。

また、Encyclopedia of Violence, Peace, and Conflict という書籍のp.799でもその旨の記述がある。

URL: https://books.google.co.jp/books?id=TG2kN033mDkC&lpg=PP1&ots=6bsz6qC8-W&dq=Encyclopedia%20of%20Violence%2C%20Peace%20and%20Conflict%2CAcademic%20Press%2C&lr=lang_ja%7Clang_en&hl=ja&pg=PA799#v=onepage&q&f=false

It is presented to heads of state in the course customary exchanges of gifts, and to those who have served as president of UN General Assembly

「恒例の贈り物交換の際に各国首脳や国連総会議長を務めた人物に贈られる」とある

高官たちの贈答品交換の際に、国連側の贈答品のオプションとしてあるのだろう。つまり寄付の代価ということにもなりうるのか?

しかしそうなると芸術家に対して贈られているのはよく分からない。というのも、このメダルは元々パブロ・カザルスという著名な音楽家に対して贈られたものらしい。

もしかして平和活動を行う芸術家に対しては真面目に選考して授与しており、政治家たちには贈答品として授与しているということだろうか。

ともあれ特段表に出ている授与基準はなく、もっぱら国連事務総長をはじめとする高官がわりとノリで渡せる程度のものであるらしいことは分かった。そもそも同じ物を1200ドルで売っていたのだから......。

結論:

国連平和賞」は賞ではない。普通に買えるし、コネがあると貰える。

国連平和賞マジで実績が必要」は完全な間違いであることが分かった。何故ならそのような賞がないので。

国連平和賞が金で買えると思ってんの?」はジョークとして奇跡的な完成を見せている。United Nations Peace Medalはまさしく金で買えるものだった。インターン生も含めた国連職員にはディスカウントもあるよ!

池田大作国連平和賞をもらえるほどの文化人だった」という主張には一考の余地がある。というのも、United Nations Peace Medalを「もらう」ことは一般人にとって極めて難しい。それを可能にする人脈と知名度、そして最低限与えても問題ないだけの外面が要求されるだろう(A級戦犯被疑者岸信介笹川良一がもらえるんだから大抵の瑕疵は何とかなるのだろうが)。それを満たせるだけの大物という意味では、やはり池田大作はひとかどの人物であったのだろうとは思う。

しかしそれだけで内閣総理大臣名で追悼文を出すレベル文化人だったと言えるだろうか。多分言えないんじゃないかな。

2023-11-14

anond:20231114103812

パチ組みで綺麗なほうがいいってことなんだろうけど

HGよりディテールしっかりしててPGほど難しくないの丁度いい案配だと思うんだけどね

2023-10-29

ラグビーW杯2023 10/29 決勝 ニュージーランド対南アフリカ

9月9日開幕戦から20チームの激闘を見守り続けてきたウェブエリスカップ

50日間の戦いの末に、今日、その所有者が決まる。


おはようございますこんにちは、こんばんわ。

レビュー増田です。


4年に1度のラグビーの祭典ワールドカップ2023年フランス大会も、ついに決勝を迎えた。

47試合の末、ファイナルに駒を進めたのは、南半球、いや世界ラグビー象徴ニュージーランドと、ディフェンディングチャンピオン南アフリカ


開催国フランス好調や、ランキング1位で乗り込んだアイルランドフィジーサモアなどのアイランダーチームやアルゼンチンの成長などで、勢力図の変化が噂される中で開幕した今大会だが、蓋を開けてみると、決勝はおなじみの最強同士の対戦となった。


ニュージーランド開幕戦フランス相手に1試合を落として以降は、圧倒的な得点力で対戦相手沈黙させてプールステージ突破した上、準々決勝ではアイルランド相手守備の硬さも見せつけて準決勝進出。チーム初の優勝を狙うアルゼンチンに完勝して決勝まで勝ち上がってきた。


大会前までは仕上がりを不安視されていた黒衣の軍団だが、オールブラックスに関しては「史上最強」「完全な優勝候補」とみなされていたような大会の方が勝てないことが多く、今回のように「ぱっとしない」と言われる時の方が優勝を攫ったりする。


チームをみると、LOサム・ホワイトロックSHアーロンスミスなど、レジェダリーなベテラン選手活躍する一方、PRイーサンデクラークティレルロマックス、CTBリーコ・イオアネ、WTBマーク・テレアウィルジョーダンなど20代のプレーヤーも多く、ベテラン、中堅の経験値と、若手のエネルギーバランス良くミックスされたチームになっている。

大会で最強と呼ばれた世代の多くが引退した後、世代交代の最中で完成形が見えづらいままW杯に臨んだが、まさにこのW杯で成長したのかもしれない。

7週間にも及ぶ戦いの中で調子を上げ、持ち前の得点力だけではない守備の硬さ、意外とも言えるスクラムの強さも見せつけてきた。


HCのイアン・フォスター大会後の勇退が決定しており、スーパーラグビーの常勝軍団クルセイダーズHCのスコット・ロバートソンにその場を引き継ぐことが決定している。

つなぎの世代と言わせず、このチームこそが最強のオールブラックスであることを証明できるだろうか。


対する南アフリカはというと、フィジカルバトルを得意とするチームが集まったプールBをアイルランド戦の1敗以外に圧倒的な強さを見せつけて決勝トーナメント進出

フランス戦、イングランド戦の2試合連続の1点差で制して決勝に進出した。


優勝した前大会の時点で主力メンバーが若かったため、本大会でも優勝メンバーが残り、FWの安定感がチームを支えてきた南ア代表だが、なぜかこのチームに起こりがちな「完全な1本目のSOがいない」という問題に今回も悩まされ、重要得点源のキックの精度などはイマイチとみなされていた。

そこに、負傷で代表メンバーから外れていたハンドレ・ポラードが、大会中に負傷したメンバーと交代して第4戦目から復帰。

この決勝で先発のSOをベテラン司令塔に託すことになった。


ラードはあまり華麗なパスを見せる司令塔ではなく、南アらしいキックFW戦のタクトを振るのを得意としているが、この試合に望むリザーブメンバーを見ても、南アがどういう試合にしたいのかが垣間見える。というかクッキリ見える。

なんと8人のリザーブのうち、FWが7人。

SOはおろか、SHの替えすらなく、デクラークが負傷した際にはWTBチェスリン・コルビが務めるとアナウンスされるほど。

80分間、FWを惜しみなく使って身体を当て、キック得点する気満々で、スプリングボクスらしい戦いでオールブラックスを迎え撃つ構えだ。


オールブラックススプリングボクスが戦えば、激しいフィジカルバトルに耐えてちょっとの差を掴み取るゲームになるしかない。

決勝のスタット・ド・フランスは雨。

身体をぶつけあうには絶好のコンディションだ。

どちらが「ちょっと」をモノにしてウェブエリスカップを掲げることができるのだろうか。


両国国歌斉唱につづいて、オールブラックスが今大会最後ハカ、カパ・オ・パンゴを披露し、オールブラックスボーデン・バレットキックオフで試合が始まった。


前半

開始早々、大会を通して南アスクラムを引っ張ってきたンボナンビが脚を痛めてグラウンドに倒れて負傷後退。

その直後の交錯オールブラックスのシャノン・フリゼルイエローカード

双方がゲームの進行にダメージを受ける波乱の幕開けとなる。


ボールキープしてパスとランからゲインをねらうオールブラックスに対して、ディフェンスからキックを蹴らせ、受けたボールを蹴り上げて、キック前進する南ア

もとからお互いやりたいことをするとこうなるわけだが、南アがジリジリ前進できている。

リゼルの反則で獲得したものにつづいて、オールブラックスを押し込んで序盤に2つ連続ペナルティを獲得した南ア

ラードキック南ア 6 - 0 NZ とする。

ロースコアゲームで蹴り勝ちたい南アにしたら上首尾なゲームの入りだ。


オールブラックスボールを回しながら前進してPGを返すが、南アFW戦で圧力をかけてペナルティを狙い、PGを重ねて差を詰めさせない。

南ア 9 - 3 NZ


スコアで突き放されながらも、ゲームが進行するにつれボールをまわす攻撃で徐々に先進し始めたオールブラックスだが、雨の影響でボールが手元で滑り、掴みかけた攻撃のチャンスでボールを失っている。

そしてゲームの流れを大きく変える瞬間が訪れた。

28分にFLサム・ケインハイタックルレッドカードの退場。

前評判の低かったチームを獅子奮迅活躍で牽引してきたキャプテンまさかの決勝の舞台で一足先に試合を去ることになった。


荒れ模様前半はその後、双方がPGを重ね、南ア 12 - 6 NZゲームを折り返した。


試合としては前半の25分過ぎからオールブラックスボールを保持した攻めで南アディフェンスを切り裂き始めており、圧倒されているわけではない。

しかし、ラインアウトの不首尾や、滑る手元、高く入ってしまタックルなどで得点のチャンスを失うオールブラックスに対して、南アが手に入った機会に過大な結果を狙わず即座のPG得点を重ねて6点差。

攻めがつながっているので、後半での逆転もあり得る点差だが、相手そもそもロースコアを狙ってきている南アだなると話が違う。

それに、フィジカルバトルを狙ったオーダーを組んできた南ア相手に人数の不利を被ったのは大打撃だ。

南アにしてみれば、相手ミスに救われているところもあるが、それは要所でうまくプレッシャーをかけて、危機を切り抜け続けているという事になる。

この決勝でも当然のように発揮される南ア勝負強さは驚くべきものだ。


オールブラックスは不利を跳ね返して逆転のトライを決められるのか、それとも南ア得点以外でも前半につけた差を活かして突き放すのか。


後半

後半の南アキックオフから敵陣深くに侵入して圧力をかける。

得点匂いがする猛攻だったが、この攻撃のなかで、今度はシア・コリシの頭が当たってイエローカードで退出し、人数のアドバンテージを失う。


後半頭で試合を決めるチャンスを逃した南アに対して、オールブラックスは人数の不利がないうちに攻め込んでいく。

ボール展開すればゴールライン間際まで迫ることができるが、オールブラックスとしては歯がゆいことにスコアまでに至らず、トライラインまで到達したプレーも、ノックオンでチャンスを失ってしまう。

今日はずっとこんな調子だ。

全てがうまくハマる日もあれば、そのピースをはめる時に手がパズルの傍にあるグラスに当たったり、膝がテーブルの下を叩いたりする日もある。

それが起きているのが、4年間の努力の末のW杯の決勝の場で、相手最後まで勝負を投げない南アだというのが最悪だ。


ズルズルと時間勝機を失ういかけていたオールブラックスだが、58分、ついにゴールラインを破るトライを獲得。

ここで7点を取れば、ロースコアの試合で果てしなく大きい1点のアドバンテージを得ることができたところだが、決定力の高いモウンガのCVは外れて、リードを奪うまでに至らない。

南ア 12 - 11 NZ


W杯も残りは20分となり、ゲームの内容としてはボールを敵陣に運べているオールブラックスに傾きかけているのだが、勢いにのってひっくり返したいところで、雨の影響もあってかボールが手に付かない。


ゲームが動かないまま10分がすぎ、1本のPG勝利に直結する時間になってきた。

オールブラックスPG1本でも欲しい、南アは逆にこれをとって試合を決めたい。

試合を分ける攻防の中で、南ア・コルビの故意と見做されるノックオンオールブラックスPKとなり、またも試合をひっくり返すチャンスが訪れるが、ジョーディ・バレット重要な1本が外れて1点差のまま。


1プレーで逆転できる1点差が果てしなく遠い。

のこりは5分を切り、最後の攻めのチャンスが巡ってきたオールブラックスだが、ここでも敵陣深くまで迫りながらノックオンボールを失う。

残り10秒のスクラム最後希望をかけるも、必死で守る南アボールラインに押し出されて、試合終了を告げるホイッスル


最終スコア

南ア 12 - 11 NZ


降りしきる雨、試合開始直後の負傷退場やイエローカード、両キャプテンの反則退出、度重なるハンドリンエラーなど、双方にとってゲームは思惑通りに進まなかった。

しかし、オールブラックスが何度も訪れた逆転のチャンスを悉く掴み損ねたのに対して、ひっくり返されそうになった南アは、諦めずに自分達のするべきことに徹して耐え抜き、ゲームを決める「ちょっと」をものにした。


大会前はアイルランドフランスなどが見事な戦績を積み上げ、南アNZも今回は圧倒的な存在ではないと見做されていたが、両チームは大会の中で成長しながら決勝まで辿り着いた。

そして、歯を食いしばりながら薄氷勝利を積み上げた南アは、なんとこのW杯決勝トーナメント試合全てを1点差の勝利で勝ち抜いて、ついに連覇のウェブエリスカップを掲げる最後の勝者になった。


この大会前回大会から8年間、時代の主役だったプレヤーたちの多くが代表を去る。

ウェールスのダン・ビガー、アイルランドジョニー・セクストンニュージーランドアーロンスミス

日本代表でも年齢的に堀江などは次の大会で見られないかもしれない。

選手が入れ替わるだけでなく、大会レギュレーションも見直され、次のオーストラリア大会からは出場チームが24に拡大される。

4年後はラグビーを取り巻く景色が大きく変わっているだろう。

演者舞台も大きく変わる節目の大会となった。

時代の終わりに少しの寂しさがある。

でも、次の時代の準備はもう始まっている。


自分の話をさせてもらうと、今回は大会が始まる前までレビューを書くか迷っていた。

大会日本開催で多くの人が試合を見ることが予想されていたのに対して、今回はフランス開催で試合リアルタイムでは観戦しづらく、日本代表の苦戦も大会から予測されていた。

また、自分自身この夏から本業が急に忙しくなったので、1ヶ月半以上毎週レビューを書くだけの気力が続くかという心配もあった。

ただ、やはり4年に一度しかいからと、初戦のチリ戦からレビューを書き始めると、まだ待っていてくれていた人から応援コメントや、他の試合をみたトラバなどが寄せられて、ともにラグビーの祭典を楽しみたいという人がいたことにとても支えられた。

(あと、本業の厳しい局面でも「リーチ・マイケル堀江あんなに頑張ったしな」なんて思って自分を奮い立たせたりもした)

ラグビーを見る人の楽しみに少しの助けになりたい」と始めたことが、皆の支えでやり切れて、自分自身がこの4年の集大成を、そして時代の変わり目をしっかり目に焼きつけられたのは感謝気持ちでいっぱいだ。


ラグビー身体のぶつかり合いが特徴のスポーツで、試合感想を語ろうとすると「フィジカルに圧倒された」という話になりがちで、それ以外だと「反則が多かった」「あの選手のあのプレーが」という結果の一部だけを取り上げた議論になってしまう。

このレビューを書く上で意識していたのは、結果の現象だけでなく、双方のチームがどういう強みとプランをもって試合に臨んだのか、キックオフなどのゲームの状況が基本的にどちらに優位に働くのかなどに注目して、「なんとなく身体能力で負けた」「多分ミスで自滅した」「全力を尽くして感動した」よりもう少し理解度をあげて、とはいえつのサインプレーなどの細かい話に入りすぎて全体像が見えづらくならないようにと思って書いていた。

自分はいファンにすぎないので、長年のオールファンを唸らせるようなレビューは書けないと思っていたけど、日本代表試合から見てみようと思った人に、今回少しでも役に立てたなら嬉しい。


これが今大会最後レビューなる。

もう一度、みなさんありがとう

最後まで書き切れたのはみんなのおかげです。

またどこかで、会いましょう。


anond:20231021081219

2023-10-21

ラグビーW杯2023 準決勝 ニュージーランドvsアルゼンチン

9月18日20チームで開幕したラグビーW杯2023フランス

1ヶ月経った今、16のチームが大会を去り、未だ戦っているのは4チームのみ。

イングランド南アフリカニュージーランドアルゼンチン


おはようございますこんにちは、こんばんは、レビュー増田です。

遠いヨーロッパでの開催のため、日本放送は深夜、早朝になったこW杯

日本大会を去った今、試合を追いかけるのもなかなか大変だが、決勝トーナメントに入ってからは深夜早朝の試合を追いかけても後悔のない、まさに1点を争うような好試合が続いている。


遊手候補と目されていた開催国フランス南アフリカにまさに1点で涙を飲み、イングランドは初戦を彷彿とさせるドロップゴールでトーナメントを駆け上がろうとするフィジーを止めた。


今夜戦うのは、前半にペースを握られながら流れを引き寄せてウェールズから試合を取り返したアルゼンチンと、最終盤に37フェイズにも及ぶアイルランドの猛攻を耐え切ったニュージーランド


日本視聴者日本を下したアルゼンチン応援しながら決勝トーナメンを観戦している人も多いようだが、ニュージーランドラグビーファンにとって昔も今もラグビー界の神の如き存在だ。


ニュージーランドの国としての強みは、どれだけ良い選手が変わっても、さらに上回る選手が現れる層のぶ厚さで、世界最優秀選手に輝いたこともあるLOロディ・レタリックや、稲妻のようなランで日本にもファンが多いダミアン・マッケンジーリザーブで出てくるなんて、他の国からしたら考えられないような贅沢さだし、W杯がすでに始まっている状況で「真剣大会中に門限に遅れたから」と日の出の勢いの若手、マーク・テレアメンバーから外せば、「じゃあ」とウィルジョーダントライを取る。

チームは家族とも言われており、アンストラクチャーから混乱状態で誰がボールを持っても、かならずフォローするランナーが現れて、見事な連携トライを取る。

大会が始まる前までは「パッとしない仕上がり」と言われていても、いざ始まれば、初戦以外は対戦相手から大量トライを奪い、世界一位のアイルランドフィジカルを全面に出した猛攻にも耐え切ってみせた。

豊富人材と、流れるような連携、そしてここぞという時の硬いディフェンス

やはりオールブラックスはいつの時代も優勝の本命なのだ


ちなみに家族話題が出たが、この試合オールブラックスは本物の家族が3人、スタメンに名を連ねる。

スコット・バレットジョーディー・バレットボーデン・バレット

バレット家には、さらに2人の兄弟、3人の姉妹がいる。

8人兄弟という時点でなかなかだが、そのうちの3人が同時期に世界最強チームの代表プレーヤーというはなかなかない。

大谷翔平的なマンガ設定のような話だ。


さて、対するアルゼンチンだが、どういうチームかというのは予選プールから試合を見てきたみんなにはもはやおなじみだろう。

スキルフルなキックフィジカル押し出した展開攻撃個人のラン突破などを組み合わせて戦う好チームだ。

アルゼンチンにとっては、この準決勝で対戦成績 2勝33敗1分けのニュージーランドと戦うのは大きなチャレンジとなる。

負けられない大一番に向けて、前節でウェールズを破ったメンバーから1名のみを変えて試合に臨む。


アルゼンチンにとって気がかりなのはメンバーにどれだけ疲労が残っているかではないだろうか。

準々決勝でフィジカルな激闘を制したのは相手も一緒だが、ニュージーランドは予選プールフランス以外に脅かされるような存在がなく、それほど激しい消耗を強いられていないように見える。

アルゼンチンはというと、予選プール日本戦も終盤までもつれ、ウェールズ戦もギリギリで勝ちをさらった。

クロスゲームを制したこの2戦では、身体を当てながらの展開を繰り返して後半にディフェンスをこじ開けたので、これが攻めの切り札だろう。

こういうスタイルだと、FWの体力がいつまでもつの心配になってくる。

相手アイルランドの波状攻撃を耐え切ったニュージーランドである


攻撃に、守備に、身体を打つけづつけるのはここにきて難儀だけど、ではと崩しを狙って迂闊にコンテストキックを蹴って、ちょっとでも甘くなれば、それこそオールブラックス大好物、思う壺だ。


勝負どころで勢いを掴みながら接戦を切り抜けてきたアルゼンチンが、ここでも我慢比べに勝って巨星を飲み込むのか、それとも黒衣の最強軍団死神となって挑戦者の息の根を止めるのか。


小雨降るスタット・ド・フランセに響く両国国歌斉唱につづき、オールブラックスがカパオパンゴを披露し、アルゼンチンキックオフで試合が始まった。


前半

試合の入りはアルゼンチンにとって悪くなかった。

キックオフ直後から身体をあてて敵陣深くに侵入、開始3分PKを獲得し、先制のゴールで3点を獲得した。

アルゼンチン 3 - 0 ニュージーランド


両チーム、キックを蹴りあげて激しく序盤のペースを争う中で、アルゼンチンハイボール処理もよく、自分達の攻めにつなげられている。

対するオールブラックスモールなどをつかった硬い攻めを見せ、手元を落ち着かせてから着実に攻める。

するとニュージーランドセットプレーから再びのモールペナルティを獲得。

ゴールライン上の攻防から外でまつでウィルジョーダンボール渡りゴールライン右に飛び込むトライ

アルゼンチン 3 - 7 ニュージーランド


アルゼンチン連続攻撃は悪くない。

しかオールブラックスは硬い守備から切り返す。

先ほどトライを決めたウィルジョーダンから今度はジョーディ・バレットにつないで、またもゴール右にトライ

アルゼンチン 3 - 12 ニュージーランド


キックオフからの攻めを2本失ってスコアされているアルゼンチン

20分までに3回22mまで侵入できているが、その度にオールブラックスディフェンスボールを失っている。

ノックオンというわけではなく、ジャッカルで引き抜かれてなので、アルゼンチンとしては全力を出せているのに黒い壁を抜けない。


ゲーム風景としては双方が入ったボールキープして展開して、手元のエラーも少ないので、ボールインプレーが長い試合となっている。

29分にやっとファーストスクラムとなり、アルゼンチンPKを獲得。

ショットアルゼンチン 6 -12 ニュージーランド


いかけるアルゼンチンが苦労して点差を積めるが、オールブラックスはすぐにPGで取り返す

そして終了間際、今度はオールブラックスボールスクラムからミスなく攻め込んで、41分にトライ

アルゼンチン 6 - 20 ニュージーランド


双方がボールを持った時に、保持して攻め込んでいく。

アルゼンチンとしては、攻めが良くつながっているし、手元のミスもない。

しかし、ゴールライン直前まで迫ったところでオールブラックス守備に捕まってしまう。

結果として、似たようなカードを出し合っているのに、スコアは開いている。

自責ミスでチャンスを失っているわけではないので、力負けと言っていい状況で、アルゼンチンとしては修正が難しく見える。


2トライ2コンバージョンの差を埋めるため、アルゼンチンは後半にどうやって流れを掴みにかかるのだろうか。


後半

後半の入りは前半と打って変わってアルゼンチンにとって不幸なものだった。

オールブラックスアルゼンチンキックオフ処理のエラーにつけ込み、わずか2分でトライを奪う。

この失点後、アルゼンチンキックオフの有利状況なので攻めたいのだが、ハイパンを蹴り合って、結果はオールブラックスボールが渡ってしまう。

ここでニュージーランドが攻め切って追加のトライ

アルゼンチン6 - 34 ニュージーランド


後半開始直後のトライ事故みたいなものだが、このトライアルゼンチンにとっては厳しい。

前半最後の繋ぐラグビーから一転、ハイパントで崩しを狙った攻めをしたところで、ボールオールブラックスに渡ってしまい、攻め切られる。

相手の有利な形に飛び込んで取られていているのは悪いシナリオだ。

ボールを上げるのでスクラムも多くなっているが、このスクラムでも負けていて、黒衣の戦士はどんどん自陣に入り込んでくる。


守勢一方のアルゼンチン対して、オールブラックスは55分に選手を大幅に入れ替える。

交代で入るのはフロントロー3人と、ダミアン・マッケンジートライも取れる俊足SHフィンレー・クリスティ

タイミングとしてはかなり早いが、点差があるので、余裕をもって体力のあるメンバーを投入できる。


攻めのチャンスがあっても前半のように敵陣に侵入できないアルゼンチン

ボールオールブラックスのものとなり、61分に、ウィルジョーダンが2つめのトライ

アルゼンチン6 - 39 ニュージーランド


65分はまだ時間があるが、33点のビハインドはあまりに重い。

15分で5トライを奪うのはどんなチームでも非現実的だろう。

どこでここまでの差がついたのだろうか?

ゲームは終盤に向かいアルゼンチンほとんど深く攻め込めない中で、74分にもウィルジョーダンラインブレイクしてハットトリックとなるトライ


後半に入って全くスコアできないまま、時計は80分を過ぎた。

一矢報いたいアルゼンチン、自陣深くのスクラムから最後の攻めもオールブラックス守備突破できず、試合終了。

最終スコア

アルゼンチン6 - 44 ニュージーランド


テリトリー

アルゼンチン45% - 55% ニュージーランド


支配

アルゼンチン44% - 56% ニュージーランド


スタッツの示すこの数字オールブラックスボールを持たなくても勝てるチームだが、今日ボールを保持して戦い、アルゼンチンを圧倒した。

ボールを蹴り上げる状況としては、繋いで前進できない末にボールと引き換えにエリア前進を取るか、攻撃が停滞する前に先制で崩すかなので、繋ぎ前進できた今日オールブラックスは蹴る必要がなかったとも見える。

ただ、これは想像なのだが、結果でそうなったというより、初めからアルゼンチン疲労を見越して高いエネルギーをつかうポゼッションラグビーを仕掛けたのではないだろうか。

直近の対戦成績で2勝を挙げていたアルゼンチンは、勝てるチームを作り上げてきたが、ここに来たときにはにすでに満身創痍状態だった。


開始ホイッスル前の前段を書き終えたのは前日で、双方がどういうチームか知っている人にとってこの辺りの予測はおそらく特別ものではない。

その流れにおおむね沿う「驚きのない試合」になったのは、オールブラックスが圧巻の強さを見せたということだろう。

まり一方的試合となったので、母国では批判も起きるかもしれないが、ここまで死線の際で戦い続けてベスト4まで駆け上がったアルゼンチンは、前評判に相応の結果を残したと言っていいと思う。


これで決勝に進出するチームの1つが決まった。

準決勝のもう1試合は、前回日本大回の決勝カードイングランド南アフリカ

このW杯最後試合ラグビー界の黒衣の神と対戦するのは、白か、緑か。

あと2試合で、4年に及ぶ長い長い戦いの覇者が決まる。


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2023-10-16

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元増田ではないがラグビーワールドカップ、準々決勝4試合を見た。予選にも素晴らしい試合がたくさんあったが、大会ベストゲームという視点からはそれを五番手以下においやってしまうくらいにどれも素晴らしい試合だったので寸評を。基本的に敗者目線で。

アルゼンチン29vs17ウェールズ

元増田の指摘するとおり試合支配したのはウェールズだが一手足りずスコアメイクできない。

・前半最後PG2本はウェールズとしては完全に余計。せめて1本だけにしておけば…

・後半自陣でのプレーが多くなったがウェールズにとっては珍しくなく、決して主導権を渡したようには見えなかった。自陣ゴールライン5メータからの赤い壁と言われる守備力は健在。しか普段に比べて規律が乱れ反則を重ねたのが敗戦に繋がった。

・こういうスタイルのチームにはアルゼンチン・ボフェリのどこからでも狙えるPGは脅威だったのでは。

最後は点差が開いたがこれは逆転を狙うウェールズリスクあるプレー選択たからで、日本戦と同様に点差よりも拮抗したゲーム

日本とやっていたらどうなっていたのかと想像する。アルゼンチンよりは噛み合いそうな気もする。

ニュージーランド28vs24アイルランド

前回大会に引き続き優勝候補として乗り込んできたアイルランド南アフリカ戦の勝利を含め完璧に予選プールクリアしてきた。こんなところでは終われない。

ニュージーランドはアンストラクチャーからアイルランドフォワードバックス展開に正攻法で攻め、それぞれ持ち味を出した素晴らしい展開。

アイルランド司令塔、38歳となるセクストン疲労が気になった。他の選手と違い密集への寄りが遅くパスを出すことだけしかできておらず、相手を迷わせることができない。

・だが、セクストンがいない場合はチームの総合力が一段落ちるのは予選でも明らかだった。結論としてセクストンの交代選手を用意できなかったアイルランド最後で押しきられた形となった。二大会連続で素晴らしい選手を揃え、チームを作ってきたアイルランド、さぞ無念だろうと思う。

イングランド30vs24フィジー

・予選最後ポルトガルまさか敗戦を喫したフィジー、切り替えができているか。またこれまではベスト8が最高位で期するものがあるはずだ。

試合開始からフィジー集中力が高くイングランドを押し込むが点を取りきれない。日本戦でも見せた分厚い守備フィジーを阻む。

・押されているように見えながら着実に加点していくイングランドフィジーは逆に反則を重ねていく。規律が乱れやすい弱点が出てきてしまった。

・このままズルズルいくかと思われたフィジー、後半半ばからその集中力が復活する。縦横無尽フィールドを駆けパス繋ぎ規律も守る、後れ馳せながら強いフィジーが帰ってきた。

・と思ったら調子に乗ったフィジーにとって全然遅くなかった。たった5分の間に2トライ2ゴールを決めてあっという間に24-24の同点に。

フィジーの流れの中、ファレルがこれぞイングランドというドロップゴールを決め勝ち越した。恐らくポイントがここで、ファレルチャージに行くフィジー選手が誰もおらずフリーで蹴らせてしまった。疲労もあるのだろう。この試合に限らないがキックへのチャージなど99%徒労に終わるプレーに全力を尽くすチームが勝ち上がっている印象だ。

ラストフィジーは80分を越えても6分も攻め続けた。体力も尽きた中鬼気迫るものがあったがイングランド規律の取れた守備が上回った。

フィジーはキッカーが不在だったとのことで、それがそのまま点差に響いた。キッカー不在でポラードを追加招集した南アフリカ然り、上位国の選手層は分厚い。

名勝負として記憶に残るものになるだろうが、フィジーにとってはグッドルーザーでは物足りないだろう、今後に、まずは五輪の7人制に期待する。

南アフリカ29vs28フランス

開催国フランス、2019のワールドカップも若手中心と今大会に向けて育成を図ってきたフランス、予選もニュージーランドを下すなど完璧に終えてシルバーコレクター返上の期待がかかる。

試合は概ねフランス支配したと言って良いだろう。だがハイボール処理というピンポイントで劣性に立たされ失点が続き思うように突き放せない。

・この試合興味を引いたのが密集への寄りの早さとラックでの攻防。双方ともにかなりの密集でボールを奪いに仕掛けておりプレッシャーのかけ方が素晴らしかった。

・殊勲は南アフリカのコルビ。コンバージョンへのチャージで2点救っただけではなく、爆発的なスピード、小さな身体を活かした突破、小さい身体を感じさせないアグレッシブ守備は「小さな人間には大きなスペースがある」のシェーンウィリアムスウェールズ)を彷彿とさせた。来季から日本サントリーサンゴリアスに加入するとのことで生で見られるのは嬉しい。

・最終的にはキックの精度が明暗を分けた。ゴールもそうだがタッチキックを真横に蹴ってしまうなど緊張もあったのだろうか。素晴らしい試合だっただけにフランスは悔やんでも悔やみきれないだろう。

その他

トーナメント出場国は予選プールから確実にギアを一段上げてきた。どれも素晴らしい試合で眠気に耐えた甲斐があった。

○どの国も密集への寄りが早く、また疲れるプレーサボる選手ほとんどいなかった(フィジーファレルに対する棒立ちは本当に疲労からだろう)。今大会日本にはできていなかった部分で見習わなければならないのではないか

○ここで負けたチームを含めもっと試合を見ていたいが残り後4試合、楽しみたい。

2023-10-15

ラグビーW杯2023 10月15日ベスト8 アルゼンチン vs ウェールズ

これが最後W杯になるかもしれないリーチマイケルが、日本の最終試合後に代表ジャージのまま夜の街に出て、カフェファンとの交流を楽しんだ夜から1週間。

2023年大会は、フランスの地でに残った8チームによる決勝トーナメントが始まった。

おはようございますこんにちは、こんばんは。

レビュー増田です。

ノックアウトステージ最初試合は、プールC1位・ウェールズプールD2位・アルゼンチンの対戦となった。


イギリス連邦とはいえ日本ではあまり馴染みがないウェールズはどういうチームなのかというと、硬い守備ベースに、獲得したペナルティーからセットプレーであったり、ハイパント守備を崩してからシンプルボールを順目に送り、ランナーが個々のスキルディフェンスを振り切ってトライを狙うチームだ。

もう一つの得点源が、SOダン・ビガーの正確無比なキック

正確な上に射程距離が長いので、ハーフウェーライン前後ペナルティを獲得しても3点を狙える。

時間ボールを持つチームではなく、ポゼッション相手に取られることが多いが、一瞬の切り返しで点を取る。

予選プールでも相手に攻めさせてからの一撃必殺の切り返しで対戦相手を沈めてきた。


得点源のバックスベテラン揃いで、ダン・ビガー、SHガレス・デービスCTBジョージ・ノース、WTBジョシュアダムス、FBリアム・ウィリアムズの前W杯出場組の合計キャップ数が420を超える。

もう3回もW杯に出ているダン・ビガーは今大会での代表引退を表明しており、この大会にかける気持ちは強いだろう。

注目の若手の14番ルイスリーズ=ザミットもベテランに負けじと予選プールトライを量産した。


対するアルゼンチンHOフリアン・モントーヤLOギド・ペティトマスラバニーニなどFWに地キャップ数80を超えるベテランを揃えるが、攻撃の指揮を取るサンティアゴカレーラスキャップ数34の25歳、日本戦で3トライを決めたマテオ・カレーラスキャップ1023歳の新鋭。

リザーブキャップ数97のSOニコラス・サンチェスキャップ100のアグスティン・クレービー(38歳!)も控えており、若手をベテランが支える。


ボールをつないで走るラグビー代表といえるオーストラリアを前大会まで指揮していたマイケル・チェイカをHCに迎えて、今大会でも強力なフィジカル突破力と左右への展開力で戦ってきた。

戦い方をアップグレードしている最中のチームで、大会前にテストマッチニュージーランドを破ったりもしているが、今大会に入ってからボールを持ちすぎて攻めが停滞する場面があったり、ハンドリングエラーが多く、調子に波があるのが気掛かりだ。


アルゼンチンセットプレーを渡したくないし、ダン・ビガーにキックも蹴らせたくない。

ウェールズアルゼンチンを波に乗らせたくない。

日本ファンとしては、日本を破って進出を決めたアルゼンチンの戦いぶりも気になるところだろう。

どちらがペースを握って自分達の形でゲームを進めることができるだろうか。


スタジアムはスタット・ドゥ・マルセイユ

試合に先立って紛争が激化しているイスラエルパレスチナの人々に対する黙祷に続いて、両国国歌斉唱斉唱され、ウェールズキックオフで試合がはじまった。


前半

開幕直後、ダンビガーのキックから前進するウェールズアルゼンチンは自陣に押し込まれる。

ゲームの入りはウェールズのペースだが、コンテストキックの処理からボールを獲得したアルゼンチン守備良くウェールズに勝るポイントである連続の展開でフォワードフィジカルをぶつける。


ボールを持って地面を縦横に走るアルゼンチンに対して、ウェーズルはガレス・デービスダン・ビガーが垂直に蹴ってからシンプルに順目に送ってまっすぐ走る。


コンテストキックを蹴るのは再獲得にも相手の取られての守備にも自信があるからで、パントの多いゲームでその後の処理をどちらがうまく進めるかが前半のポイントとなる。


序盤10分までのボールポゼッション77%のアルゼンチンだが、キックから押し込んでくるウェールズに対して、なかなか相手陣の深くに侵入できない。


すると、15分、ウェールズスクラムから必殺のセットプレーアルゼンチンディフェンスを崩し、ジョージ・ノース、ガレス・デービスと繋いで、ダンビガーがトライ

これぞウェールズ得点パターンというトライからコンバージョンも決まり

ウェールズ 7-0 アルゼンチン

とする。


ここで、レフェリーヤコ・ペイパーさんがブレイクダウン周りの攻防に巻き込まれ脚を痛めるという珍しい展開になり、レフェリーの負傷交代という激しいフィジカルバトルを象徴するような場面となった。


先制のトライを許し、早く返したいアルゼンチンが地上の展開に持ち込もうとして攻めるが、ウェールズの硬い守備にあってのエラー攻撃も途切れてしまう。

そして突破できないうちに、ウェールズに切り返され反則、こうなるとウェールズのしたいラグビーだ。

ダン・ビガーの長距離砲で、ウェールズ 10-0 アルゼンチン


ウェールズのやっていることはほとんどワンパターンにも見えるのだが、アルゼンチンスコアリードされたまま、押し込まれて自陣を出ることができない。


序盤を完全に持っていかれているアルゼンチンスコアが内容ほど離れていないのはウェールズ最後の一手でのミスに助けられている。

なんとか前半のうちに少しでもスコアして、流れを変えたい。

ハーフタイムまで5分を切ってやっとそのチャンスが来る。

相手陣深く侵入してラインアウトからペナルティを獲得してショット選択

ウェールズ 10-3 アルゼンチン


この38分のスコアアルゼンチンに勢いと幸運を呼ぶことになる。

前半最後に追加でスコアしたいアルゼンチンが攻める中、タックル後のボール処理をめぐってジョシュアダムズがレイトタックルを犯し、掴み合いの末、ゴール正面でPGを獲得する。

ウェールズ 10-6 アルゼンチン


4点差なら1トライで逆転できるので、後半に望むプレッシャーが全く違う。

アルゼンチンは期待をもたせるスコアで前半を終えた。

この10分でアルゼンチンは流れを掴んだのか?

それともウェールズワンチャンスで終わらせるのか?


ここで前半のスタッツで気になる点がある。

ウェールズラインアウト成功率成功 2/5 という数字

ここまで内容で支配しているなら、6点取られようが問題いくらい離せていてもおかしウェールズだが、重要得点源の一つがフルにいかせていない。

内容が良くても最後スコア勝敗を決する。

ウェールズはこの細部で顔を出す荒さが気がかりだ。


後半

アルゼンチンキックオフから始まった後半は前半の最後の流れがそそまま続いているように、アルゼンチン身体を当てて攻め込む。

22mに深く侵入してゴール直前でPGを獲得、ウェールズ 10-6 アルゼンチン とする。


さらに47分、自陣からPGアルゼンチンはついに逆転に成功

ウェールズ 10-12 アルゼンチン となる。


アルゼンチンウェールズミスにも助けられて前半ほど自陣に押し込められていない。

この35分から55分までの20分で、流れがアルゼンチンに行きかけてる中、ボールを上げてキックゲームに戻そうとするウェールズは56分、やっと巡ってきたセットプレーのチャンスに抜け出したトモスウィリアムズが乱れたアルゼンチンディフェンスをすり抜けて中央トライ

PGも決まってウェールズ 17-12 アルゼンチンとなる。


流れが変わりかている中、60分の5点差は全く安心できない数字だ。

前半がウェールズ、後半がアルゼンチン

ウェールズはなんとか逃げ切りたいが、ルイスリーズ=ザミットのミスキックアルゼンチンにチャンスを与えてしまう。


そしてそのミスキックで押し込まれ状態からアルゼンチンセットプレーを耐える展開となり、最終ラインをこじあけられてトライを許してしまう。

コンバージョンも決まって ウェールズ 17-19 アルゼンチン


残り10分の2点差はPG1本でウェールズの逆転もある数字だが、前半とは景色がすっかり変わっている。

アルゼンチンは、先立って投入したクレービーにつづいてサンチェスも入って、キャップ数197のベテランでこのクロスゲームを制しにかかる。


逆転にかけるウェールズは、22歳のルイスリーズ=ザミットがゴールラインに迫るが、わず10cnmほど足らずにタッチラインを割る。

ここで決まれゲームウェールズのものだったが、76分、34歳のサンチェスウェールズパスを読み切ってインターセプト勝負をほぼ決めるトライ

ウェールズ 17-26 アルゼンチン


ウェールズ最後の攻めを断ち切ってとどめを刺したのも38歳のクレービーのジャッカルだった。

最終スコア

ウェールズ 17-29 アルゼンチン

最後PGを蹴ったのはサンチェスだった。


終盤に機会は双方に訪れたけれど、ウェールズの期待の俊英から溢れた幸運を、アルゼンチンベテランがしっかりと掴んだのは劇的だ。


ゲーム全体でみると、前半最後の勢いを活かせたアルゼンチンと、決めるべきところでミスをしたウェールズ明暗が分かれた。

ウェールズはもとからボールを持ちつづけるチームじゃないので、攻める時に絶対決めないといけない。

予選まではその脅威の決定力で勝ちを重ねたが、この試合の後半でエラーをたくさん出してしまった。


12年間、ウェールズのSOとしてチームを牽引し、ライオンズでも司令塔を勤めたダン・ビガーは、ここで最後W杯、そして国際レベルラグビーから去ることになる。

最後の旅を最高の結果で終えられなかったのは残念だろうが、その場に立った全ての人々が全力を尽くし、誰かはその真剣な望みが断ち切られることになる、それが勝負事の世界なのだ


これでアルゼンチン準決勝まで駒を進める。

相対するのは、これに続くゲームアイルランドを破ったニュージーランドだ。

アルゼンチンが優勝候補一角とも見なされるようになったのが、オールブラックスを破ってからだった。

ここにきて勢い勢いを取り戻しつつアルゼンチンは、その勢いで再び強豪を飲み込むことができだろうか。


2023W杯も残りの試合が少なくなってきた。

開幕戦から選手の入場を見守るウェブエリスカップ、その所有者は、あと5試合で決まる。


anond:20231009025044

2023-10-09

ラグビーW杯2023 10月8日第4週 日本 vs アルゼンチン レビュー

ラグビーW杯2023 フランス大会が始まって早1ヶ月。

秋も深い10月の第1週に、日本は予選突破をかけて南米の強豪アルゼンチンと対戦する。

おはようございますこんにちは、こんばんは。

レビュー増田です。


予選リーグラウンドは今週が最終週だが、これまでにほとんどのプール突破の2チームが決定しているような状況で、まだ2位が確定していないプールCでも、勝ち点計算としては順位の変動がありうるが、実力差を勘案すればほとんど逆転はないという状況になっている。

そんな中、今日行われる日本 vs アルゼンチン勝敗帰趨予測しづらい一戦で、最終週の試合としてはもっとも注目度と緊張感の高い試合と言える。


アルゼンチンといえば、国際リーグスーパーラグビー代表クローンチームを送り込む手法で強化を図ったチームの草分け的存在であり、参戦チームのハグアレスは参加当初こそ南半球最強リーグで苦戦していたが、2020シーズンにはファイナル進出するほどに成長。

その手法が実を結び、代表世界の強豪の一角として定着した。


自分が見るアルゼンチンボールを持った時の選択肢サモアより豊富だ。

ランもあるしエリアを取るキックもあるしアタッキングキックもある。

日本としては、ボールを持たれたら裏へのキックリスク承知で早いディフェンスアタックを潰して切り返すより攻めに転じる機会が無いように思う。


前進から始められるので原則として有利な自ボールキックオフ時でも一筋縄では行かなそうだ。

キックオフからボールの保持をやりとりして、相手陣まで入っての自ボールセットプレーまで落ち着けられたらしめたものだけど、そこにたどり着くまでに手前に蹴っても奥に蹴ってもアルゼンチンコンテストキックカウンターのランを仕掛けてきそうだ。


「この攻め方がハマれば相手を封じられる」というような戦略が立てづらく、常にリスクをとってチャンスを掴みに行かないといけない。


日本代表は今大会キック主体とした戦術試合を組み立てている。

日本が蹴るキックオールファン批判が多いが、現代ラグビーではディフェンスが整備されていて、突破きっかけを見出せないままボールをもってフェイズを重ねすぎても、相手からプレッシャーを受けてボールを失うリスクが高くなる。

なので自分キック戦術批判的ではない。

とはいえアルゼンチンとしては日本キックからカウンターを狙っていることだろう。


日本代表はPL稲垣が侍の生死をかける抜刀にこの一戦を例えたが、まさに緊張感を表したような発言だと思う。


日本はこの一戦でどう言った戦術をとるのだろうか。


ところで全くの余談だが、アルゼンチンのHCを務めるマイケル・チェイカ氏がファッションビジネス大成功を収めたビジネスマンであることは国際ラグビーファンの間では有名な話で、このことについて、チェイカ氏は「お金のことを考えずに意欲だけで仕事ができるのが自分の強みだ」とコメントしている。

なんとなく余裕を感じないでもない発言だが、南米の強豪の代表監督ともなれば、成果が振るわなかった時の批判想像を絶するものであろうことを思うと、お金心配どころではないもっとヤバめの心配別にあるのかもしれない。

とはいえ生活資金で追い詰められる心配をすることなく、名誉と使命感と情熱だけで勝敗が全てを決する世界に臨めるのは、職業人として羨ましい限りである


選手たちもまた、激しい衝突を恐れることなく、その腕の中に使命をしっかりと握りしめて戦う。

国歌斉唱では姫野は涙を流し、アルゼンチン選手は周囲の気温が上がるような闘志を発している。

情熱的な空気の中、アルゼンチンキックオフで試合は始まった。

前半

アルゼンチンは自ボールキックオフから松田の返しのキックを蹴らせて、日本陣内のラインアウト獲得でリスタート

この冒頭にとった非常に有利な展開で、日本は一度攻めをストップさせたものの、モールを組まれて崩された後に、抜けだしたサンティアゴチョコレスに2分で先制トライを許してしまった。

日本 0-7 アルゼンチン


日本キックオフでのリスタート、蹴らせたキックラインアウトを獲得したのはアルゼンチンと同じ展開だったが、ここでのラインアウト日本FWは確保できず、アルゼンチンボールとなってしまった。

攻撃のチャンスはそう簡単にこないので最大限に活かしたいが、ラインアウト日本代表W杯に入っても修正が間に合わなかったポイントで、貴重な機会が安定していないのが痛い。


この展開で日本は22m付近まで侵入を許した位置スクラムになったが、こちらは素晴らしいスクラムとなり、組み勝った日本PKで陣地を挽回した。

スクラムは結果によってラインアウトにつながる可能性がある重要セットプレーなので、優位性が見えるのは大きい。


再び攻め込んでくるアルゼンチンに対し、日本は粘り強くディフェンスをする。

何度かお互いに小さな反則を獲得しながら、日本齊藤スペシャルプレー、背面に向いてのハイパントから敵陣深く侵入し、トライ目前まで迫るがノックオントライならず。

引き続き、ボールを回して攻める。

日本としては、できるだけ長く相手陣でプレーしたい。


14分にアルゼンチンボールスクラムから日本切り返しリーチラインブレイク、このボールを繋いだロックのファカタバがまさかチップキックキャッチから快走をみせトライ

日本 7-7 アルゼンチン


アルゼンチンとしてはすぐさまキックオフからやり返したいが、せっかくの有利なシチュエーションノックオン

また、エリアをとりにきたキックミスになり、日本攻撃継続させてしまう。


前半20分というのはここでどちらが取るかで、中盤までの試合の流れが大きく動く時間帯だ。

22分、日本ディフェンスピーター”ラピース”ラブスカフニの頭が当たってしまい、イエローカードとなる。

このペナルティアルゼンチンPG選択

日本に攻められ続けて乗り切れなかったので、まずスコアを狙うのは良い判断のように思えたが、これをボフェリが外してしまう。

さらに脚を痛めたFLマテーラが負傷で交代。

アルゼンチン歯車がずれたような感じで、リズムを掴み切れなくなってきた。


相手調子を出せない間に畳み掛けたい日本だが、攻撃の中で蹴ったキックがクレメルのチャージあいボールを取り返したアルゼンチンに一気にゴールラインを越えられた。

29分日本 7-12 アルゼンチン

アルゼンチンはボフェリのキックが当たっていないので、コンバージョンで突き放し切れない。

日本が1人少ないのは絶好の得点チャンスなのに、5点しか取れないというのはアルゼンチンとしては納得できない結果だが、ラピースが帰ってくる直前にやっとボフェリのPGがきまり、苦労しながら1トライ差以上に突き放す8点差とした

日本 7-15 アルゼンチン


それでも均衡は簡単に崩れない。

日本はライリーフィフィタと繋いだボール齊藤が受け、これこそが彼のアビリティといえるフォローランで前半も残り少ない37分にトライ

日本 14-15 アルゼンチン とし、決定的な優位を見せられないアルゼンチン日本が食らいつく形で前半が終了した


前半のスタッツ

キャリーメートル

日本 235m - 272m アルゼンチン


キックゲイン

日本 308m - 306m アルゼンチン


テリトリー

日本 46% - 54% アルゼンチン


日本はこの一戦でもキックを使っているもの今までの3戦と比較するとやや少なく、ランで前進できている。

逆に数字が似通っているアルゼンチンボールを持っての攻めがディフェンスに捕まったりミスで停滞している印象を受け、結果日本攻撃時間が長くなっている。


ハイボ、ラインアウトで機会が取れない日本と、単調な攻撃ミスで決定機を掴めないアルゼンチン

どちらがより上手に修正して後半を自分達の形にできるのだろうか。


後半

日本キックオフで後半のスタート

ほとんど点差がない中でなんとか後半最初得点相手プレッシャーをかけたい。

長い攻防でお互いスコアできない時間帯が続くが、アルゼンチン試合冒頭で優位性を見せたものの、使っていなかったモール日本を押し込み、45分にトライ


自分達の強みに立ち戻ろうとするようなプレーで、単なる7点以上に大きな影響を感じさせるものだった。

ハーフタイム修正が入ったのかもしれない。

日本 14-22 アルゼンチン


離されたくない日本は49分にアルゼンチンキックミスで深く侵入しての松田ショットで追い縋り、日本 17-22 アルゼンチン

国際映像2度目の登場となるラグビー芸人しんやガッツポーズフランスからシーソーゲームの熱気を伝える。


後半に入ってからも、アルゼンチンボールを持ってのランでなかなか前進できない。

日本ディフェンスがいいのか、アルゼンチンがまだ自分達の強みを発見しきれてないのか、どうも両方のように見える。


アルゼンチンが未だ調子を掴み切れない中、56分にはレメキが意表をつくドロップゴールを決め、日本 20-22 アルゼンチン勝敗帰趨がまだ全く見えてこない。


しかし、ここでアルゼンチンキックオフは、キャッチ時に正面の日光が目に入った姫野がノックオン

22mセンター、絶好の位置で獲得したスクラムから、59分にアルゼンチンがチャンスを生かしてトライ

日本 20-29 アルゼンチン


60分は非常に重要時間帯だ、ここでどちらが加点できるかで試合が終わるか、終盤までもつれるか決まる。

少しでも点差を詰めたい状況で日本ペナルティキックを獲得する。

3点でもあとワントライで逆転までの点差内にとらえるが、トライを狙いに行く日本

このリスクをとった選択があたり、65分にタップキックから攻撃で交代出場のナイカブラがゴール右隅に飛び込んでトライ

松田が脅威の正確性で難しい角度のコンバージョンキックも決めて、日本 27-29アルゼンチン


残り時間は15分、こんな時間になってまでまだ勝敗が朧げにも見えてこないのは全く驚きだ。

日本は追いつきたいし、アルゼンチンは突き放したい。

ここでアルゼンチンキックオフから今まで結果としてつながっていなかったランでの崩しがついに成功し、トライ

日本 27-36 アルゼンチン


70分をすぎても終盤まで続くペース争い、80分がすぎてもボールがつながっている間はプレーが続くラグビーにあって、9点差は未だ逆転の可能性がある点数だ。

しかし残り時間が刻々とすぎていく中で、点差の意味が徐々に変わっていく。

最後可能性にかける日本

しか勝利を確実にしたいアルゼンチンが75分についにPGを獲得、1トライ1ゴール1PGでも追いつけない12点差をつけることに成功した。


78分、2分で2トライというほとんど不可能にも見える可能性をまだ捨てず、相手陣深く侵入する日本

ここでトライできるかどうかは勝利への最後のチャンスと言っていいが、無情にもアルゼンチンがこのボールを取り返す。

80分、アルゼンチンボールを蹴り出して試合終了。

日本 27-39 アルゼンチン

張り詰めた80分の末、勝利は青と白のジャージ選手たちが掴んだ。


試合後、SNSタイムラインには「やはりアルゼンチンは強かった、差があった」という感想が踊った。

かにアルゼンチン圧力は強く、点差も1トライ以上離されたが、では内容までアルゼンチンが圧倒していたかというと、実態全然違う。

日本代表の戦いぶりは素晴らしく、アルゼンチンは終盤までペースを掴めていなかった。

最後の瞬間まで日本勝利可能性を追い、アルゼンチンが突き放すために死力を尽くすという、見る側にまで強度を要求するようなゲームだった。


試合の細かい点をふりかえると、アルゼンチン試合冒頭ではモールの優位性を見せた割に、前半をランの単調な攻めに固執してペースを掴み損ねていたものの、後半になってから思い出したようにモールパントを織り交ぜた攻めを見せてきて、そこから日本は失点した。

不調時にあって見事な修正力が効いた形になったように思う。

これが底力というものなのだろう。


日本としてはラインアウトが悪かったのは、試合支配できなかった大きな要因だと思う。

数字上では8/9で1本しか失っていないが、プレッシャーさらされクリーンに攻めにつなげられた機会は少なかった。

この点はW杯前に完成度の粗が指摘されていた面でもあり、予選の最終盤でそれが結果として跳ね返ってきてしまった。

同じく心配されていたスクラム完璧に近い形で修正成功していただけに悔まれポイントだった。


8年前、日本代表世界最強のチームの一つである南アフリカを破って、日本中、ラグビーファン以外にまで広がるインパクトを届けた。

4年前には自国開催W杯欧州の強豪を次々と破って史上初となる予選リーグ突破を成し遂げた。


それでも自分はまだ日本代表の実力を信じきれていなかった。

一時のピークなのではないか自国開催が実力以上のパフォーマンスを出させたのではないか


大会は強化への道のりも平坦ではなく、遠いフランスへの遠征地の利もない。

3敗、4敗があったとしても不思議ではないとさえ感じていた。


しかし、初出場の勇敢なチリを降し、前評判の高かったサモアプランが見えるような試合で封じ込めた。

負けた対イングランドアルゼンチン戦でも、流れに入っていけず一蹴されたような試合ではなく、むしろ少し違っていれば勝てるかもしれないというような見事な内容だった。


礎を作ったエディー・ジョーンズと今回で勇退するジェイミー・ジョセフは、日本を真に強いチームに押し上げた。

そして、日本代表選手たちは強豪国の選手というのにふさわしい戦いぶりを見せてくれた。

すばらしい1ヶ月、そして10年以上にも及ぶ戦いだった。


これで日本代表2023年W杯は終わり、大会を去ることになる。

日本中を巻き込むようなインパクトの再来がならずとなったのは残念だ。

でも、今大会日本が見せてくれたたしかな軌跡は、4年後にも確実につながっていくことになるだろうと思う。


4年前、南アフリカに敗れて流は泣き、今日アルゼンチンに敗れて松田が泣いた。

また4年後涙が流れるかもしれない、でもその涙が、次の日本代表戦士の喜びの涙となると、僕は信じている。


anond:20230930035211

2023-09-30

anond:20230930035211

Unbrave call

あの選択がそのような名前で後世に残らないといいが。

後半最後日本スコアになったPG選択だ。4トライでのBPは取れず、おそらくチリに大勝するであろうアルゼンチンとの最終決戦に、引き分けという選択肢はなくなった。

もちろん勝つべきで勝利だけを目指して試合に臨むべきだが、戦略的重要オプションを失ったのは事実だ。

 

その前にサモア陣ゴール前のモールアンプレアブルでトライチャンスを逃したのが大きいが、その後にショットを狙うのであれば、あのラインアウト選択は「一貫性」という意味では疑問だ。もちろんモメンタムがあったのでああ判断した、というのはわかるが、個人的には14人のチームを相手にするならあの場面は人数差を優位にしやすスクラム選択だったと思う。7人で組んでくれば押せる、という状況でもあったし、サモアはその方が嫌だっただろう。

 

時間の使い方としても、最後PG選択は誤っていると思う。結果的サモアにもう一度攻撃するための十分な時間を与えてしまった。

 

2015の南ア戦、後半遅くに南アPGを狙った時、堀江は「相手が退いたな」と精神的優位を感じたという。それが歴史的な逆転勝利に繋がったわけだが、メンタルという面では、あのPG選択サモアに息を吹き返させてしまった。

 

PGを狙わずにあそこで4トライ目がとれていたかはわからない。

ただ、ジャパンのあの選択は「弱さ」をサモアに、ひいてはアルゼンチンに見せてしまものだった。

あの選択は、失敗。私はそう考える。

ラグビーW杯2023 9月29日プール第3週 日本 vs サモア レビュー

5チームの総当たりを行うラグビーワールドカップグループリーグは長い。

すでに9月末、日本の空にはすっかり秋の涼しい空気が流れてきた。

おはようございますこんにちは、こんばんは。

レビュー増田です。

季節を跨いで行われるラグビーW杯、みんな楽しんでいるだろうか。

プールDの第3戦、遠いフランストゥルーズで日本代表サモア代表と戦う。


サモアとは前大会でも予選リーグで相対し、その時はキック効率的に攻めた日本勝利したが、今大会サモアは今までとは違う。

自国に国際レベルリーグがないために、W杯ごとに欧州スーパーラグビー選手で急に代表が結成される彼らは、チームとしてのまとまりに欠き、規律の乱れで反則をしがちという長年の弱点があったのだが、前大会後に国際プロリーグスーパーラグビー自国メンバー構成されるモアナ・パシフィカを送り込んで、一つのチームとして組織的プレーできる選手たちを育ててきた。


また、祖父母までがその国の出身で、かつ他国代表過去3年間試合に出場していなければ、1度だけ代表所属国を変更できるという規定の変更により、元オーストラリア代表クリスチャン・リアリーファノ、元ニュージーランド代表チャーリー・ファウアウイナなどの経験豊富メンバーサモア代表に加わった。

アリーファノは白血病を克服したあと、ジャパンラグビートップリーグでもプレーしており、日本でも知られた存在だ。


ではそんな彼らの戦術遂行はどうか。

W杯入ってからのスタッツを見ると、サモアはランでキャリーする距離よりキック前進した距離の方が長い。

同じアイランダーのチームでも自陣からも持って走るフィジーとは随分違う。

キック前進してセットプレーからのパワフルなランと衝突で押し切るという攻撃の形が見えてくる。

タッチキックで大きく前進するシーンがたくさん見られるなら、それはサモアの形になっている。


遂行面で、大会に入ってからサモアは、リアリーファノのゲームメイクキックで、きちんとラックを作った落ち着いた攻撃をしている印象で、試合を左右するような重大な反則も過去に比べてとても少ない。


反面、カウンター攻撃オプションとしてはイングランドアルゼンチンより少ない。

キチンとしたゲームの入りにまだ慣れていないのか、ノリどころを見逃しがちで、スイッチが入るのに時間がかかる印象もある。


守備面でも規律改善されてよく守ってるが、タックル成功率自体は高くなく、自陣深くまでの侵入を度々許している。


日本は反則に気をつけてセットプレーを渡さず、相手陣にボールを運び続ければ封じる目もありそうだ。

スクラムラインアウト重要になるのだが、大会前の不安視されたパフォーマンスとは打って変わって、W杯に入ってから日本セットプレーは目を覚ましたように安定していて、封じ込めは現実的にも見える。

ただ、万一シンビンなどで人数を欠くと、強力なフィジカル圧力をモロに受けてしまう。


分析が封じるのか、経験アップグレードされたパワーが押し切るのか。

トゥールーズの観客の大歓声を背に、ウォークライシバタウを披露したサモアキックオフでゲームは始まった


前半


キックオフ直後の1分、日本キックで攻め入りたいサモアに反則をしてしまい、機会を与えてしまう。

ショットで先制点をとりにきたサモアは外したものの、蹴り返した日本キックで結局セットプレーに。

ラインアウトからモール、これはサモアの攻めの形だ。

しかしこれを耐え切り、今度は今度は日本サモアの反則からキックで敵陣に入り込む。

相手の形になりかけたのに凌いだのは幸先が良い。


ラインアウトスティールされたが、その後も相手の後方にキックを蹴る。

日本キック相手を常に後方に下げて、消耗を避けつつ侵入を防ぐ戦術だ。

カウンターアタックでもレメキがアタッキングキックを蹴る。

ハイパントがどちらに入るかはその後のセットプレーの結果に直結する。

今日ハイボール日本に入る。


8分には注目のファーストスクラム

ここもサモアの狙い所で、圧力に負けるとサモア前進を許してしまうが、反則をせず止めた。

日本代表ゲームを左右するポイントが締まっていて幸先がよい。


すると12分にレメキのビッグゲインからピーター“ラピース”ラブスカフニが先制のトライ

先制点は日本のものになった。


キックオフから反撃したいサモアはランでボールを持ち込んでPKを獲得。

深い位置から、立て続けのラインアウトスクラムで攻め立てる。

サモア自分達の形でトライを取りたいし、日本相手の長い攻めを徒労に終わらせたい。

結果はサモアショットで3点を許したが、日本相手意図したプレーで結果をださせなかったことで流れを押しとどめた。


リスタートからPG日本はすぐさま3点を返すと、ライリー、レメキの鋭いランからリーチが追加のトライ

PG28分で、このトライ31分。

3点を取るのに15分を要したサモアに対し、日本10点を取るのに要した時間3分

この効率の差はなにか。

サモア攻撃オプションの少なさが時間無駄遣いにつながっているように見える。


前半の残り時間でなんとしてもトライが欲しいサモアと、リードを守りたい日本

サモアはこのW杯でよく攻めをコントローしてきたタウマテイネを、日本スクラムの要の堀江を互いにイエローで欠く形となる。

フィジカルに勝るサモア相手に人数を欠くのは避けたかった試合ポイントだ。

ここしかないとモールを仕掛けるサモア

日本はついに相手の強みでトライを与えてしまう。

サモアにとっては嬉しく、日本にとっては避けたかったトライだった。


日本 17-8 サモア で前半が終了。


前半のテリトリー支配は共に

サモア 62% - 38% 日本


数字だけだと、サモアが圧倒したようにも見えるが、ピッチ上の実際の出来事を突き合わせてみると、攻め手がないまま長時間ボールを持ったサモアと短時間スコアする日本という形となった。


ちなみに前半の残り時間ほとんどない中、退出した堀江に変わってリーチラインアウトを投げ入れるという珍しいシーンがあり、この件についてラグビープレーヤーの同僚に解説を求めたところ「ああいった場面で対処がわからずチームに迷いが広がるのを嫌ったのかもしれない」ということだった。


漢の中の漢は、勝利に何が必要かわかっている。

本物は自分がすべきことがわかっている時、いちいち人の指示を待ったりしたい。

目の前に為すべきことがあれば、リーチは余計なことは言わず、ただそれを為す。


ブライトンではリスクを恐れずスクラムを選んで勝利を呼び込んだ。

スクラムを組んだリーチ達をみてエディーさんはブチキレた。

ニュージーランドの自宅では最高のコンディションを維持するためリビングサウナを作った。

リラックスできないと奥さんに怒られた。

そして、トゥルーズで黙ってラインアウトを投げ入れたリーチは、ハーフタイムジェイミーに怒られた。


怒られることを恐れて為すべきことを引っ込めたりしたい。

リーチはそんな漢だ。


後半

日本サモア、互いに14人で始まった後半にどう言った修正をしてくるか注目だが、日本は前半に引き続いてサモアラインの後方にキックを蹴る。

前半に長時間の攻めで体力を使いすぎたサモアに対してさら無駄なランを強いる作戦のようだ。


ここで今大会をよく我慢しているサモアは、ついにゲームを大きく動かす反則をしてしまう。

ラブスカフニに対するベン・ラムの肩から入ったタックルが頭に当たってしまい、レッドカード可能性もある一時退出。


そしてシンビン開けの堀江が戻った日本が、1人分のアドバンテージを活かしてモールトライ

国際映像に写りこんだラグビー芸人しんやガッツポーズトライに華を添える。

48分、日本 22 - 8 サモア

ベン・ラム審査レッドカードになったことによって、サモアは残り30分、14人で2トライ2ゴールを追うこととなった。

ショットさらに加点する日本


ラグビーを見る時に、前後半をさらに半分に分けて、20分、40分、60分、80分に四分割すると、20分と60分で試合様相が変わることがよくある。

60分から日本は今まで蹴ってきたキックを蹴らずにボールを持って走る戦術に切り替えた。


対するサモアにもうできることは少ないが、少ない選択肢が迷いを消して流れが変わることがある。

サモアラックの近場を縦にこじ開けて、オフロードをつなぐ、往時の戦術勝利をかけた。

これが実って65分にリアフィーファノが飛び込んでトライ

日本 25 - 15 サモア


残り10分を残して、日本サモアも、互いに最後の切り札を出す展開となる。

素早い展開とランで侵入してキックで3点を持ち帰る日本に、フィジカルで縦に押し込みトライで追い縋るサモア

最終盤スタジアムが両観客からの大歓声に包まれる中、日本ボールピッチから蹴出してノーサイド


日本 28 - 22 サモア


試合支配

日本 42% - 58% サモア


テリトリー

日本 49% - 51% サモア


最後に押し込まれものの、後半は日本テリトリー支配率も返した形で、これはベン・ラムの退場もあるけど、60分からキックではなくランで攻める日本プランがこういう結果になったのだろう。


ゲーム全体をみると、サモアはやはり攻撃オプションが少なかった。

フィジカルの強さは最大の強みだが、正面からドーン、ドーンとくる感じ。

圧力はあったものの「予想外の何が出るかという怖さ」がなく、日本が全力を出せるかどうかというゲームだったように思う。


「やるべきことができなかった。そのおかげで日本が陣地を広げることができたと思う。もっとボールに向かっていけばもっとスコアを取れるポジションに行けたと思う。過去3試合でもそういう傾向だった。だから、この展開は自分もチームも責任を取るべきだ。しかし、努力をしてきたことには誇りに思う」

とマプスワHC。

試合前に感じていた「きちんとしたゲームメイクだが、以前より大人しくなりすぎ」という印象はある程度サモア自身も感じているようだった。

フィジカルの強さに、もしハイパンの優位性や、スラロームのようなランなどの攻撃オプションがあったのなら対処が難しいチームだった。


「まだ1試合残っている。やるべきことがある。次に進めないかもしれないけど、2027年の豪州大会に向けても頑張っていきたい。とにかくイングランド戦に全力を尽くし、明るい気持ちで終えられるようにしたいが、まだ試合は終わっていないんだ」


明暗は別れ、これで予選突破が厳しくなったサモアに対して、日本はあと1勝で予選突破が決まる状況になった。

ベスト4目標に掲げる日本しか決勝トーナメントの前に立ちはだかるのが、先週、日本に先立ってサモアを退けたアルゼンチンだ。

このプール終戦に勝ったチームが8強に進出するだろう。


南米最強のチーム相手突破をかける大一番は、3連休中日10月8日の20:00にキックオフだ。


anond:20230918114556

2023-09-26

anond:20230926171409

結構前に書いたものに反応がついていて嬉しい。

これを書いた増田雑魚PGだったので雑魚範囲しか書けないことは許して欲しい。

それでも噂でIBMから派遣されるエンジニアは単価200万超えだってみたいな下世話な噂は聞いたことはある。

増田のように人生ちゃらんぽらんに生きてきたのと違ってしっかり教育体制整っているんだろうなぁ、見てみたいなぁという願望はありますね。

そういう世界からは今後もお呼ばれすることは絶対に無いですから悲しいですね。

anond:20230926170204

募集がかかる雑魚PGについては元増田の言うことはあってる。

一時的雑魚PG必要になるのは、帳票の改定などの部分だから雑魚OK。2次請けには50万+αで募集をかけてる。募集に応じるPG雑魚of雑魚技術不要半年ぐらいで解雇作業ピークの時期以外はいらない。いると邪魔

ユーザー企業が高給を払ってキープしているのは、z/OSDB2、IMS、CICS、SAIL/ESAなどの知識を得ている要員。この人たちは、元増田が挙げたどの領域よりも高給を得ている。この種類のエンジニア新卒計画的に育成してキープしているので、元増田が見ているような媒体募集がのることは殆どない。

2023-09-19

anond:20230917223337

経験40歳PGはムリ筋。

まずは週に何度か数時間働くことから始めましょう。

役所相談しなよ、そういう部署あるよ。

2023-09-18

ラグビーW杯2023 9月18日プール第2週 日本 vs イングランド レビュー

残暑もようやくその勢いを失いつつある9月半ばの初秋、月曜未明キックオフ普通だったら観戦するのを躊躇する時間帯だが、幸いにも日本今日、3連休の最終日だ。

おはようございますこんにちは、こんばんは。

レビュー増田です。


フランスで開幕したラグビーW杯は2週目、日本代表はラグビー母国イングランドと対戦する。

このイングランド、対戦成績でいうと、日本は勝てたことがない。


ただ「勝てたことがない」でいうと日本南アフリカにもアイルランドにも勝ててなかったわけで、それがいつ「勝ったことがある」に変わるかはわからない。


実際、日本はすでに全ての国に警戒されるまで地位を上げてきており、強豪国といえど研究を重ね、策を練って当たるようになってきている。


国際的認知されている日本の強みといえば、ボールを保持しての素早い展開であり、保持しての攻めは強豪国も手を焼くものだ。

なので、増田としては多くの人が予想する「キックをぶつけてくる」のではなく、イングランドは「保持して渡さない」という戦術予測した。

まったく主流でない予測だが、保持された方が日本としては対応がないように思えたのだ。

果たしてイングランドはどういった戦術を取ってくるか、そして日本は。


イングランドアルゼンチンとの初戦、戦慄のキックで全得点を叩き出したジョージフォードだけでなく、フロントローベテランで固めてきた。

もし予想外のことがあっても、素早く修正してくるだろう。

対する日本も通常リザーブ出場が多いラスボス堀江フッカースタメンに起用。

まず前半からスクラムで流れを渡さないつもりだ。


スタット・ド・ニースピッチマイクで拾っているはずの中継の声も聞こえづらいほどの大歓声。

観客もこの1戦が、過去の対戦成績やランキング通りの結果で簡単に予想できるものではないものになると期待しているのかもしれない。


不評を受けて今回から合唱だけでなく伴奏付きに選択できるようになった国歌斉唱は、双方が伴奏アリを選択し、聴き慣れた君が代とゴッド・セイブザ・キングに続いて大一番はキックオフとなった。


前半

イングランドキックオフで始まった大一番は、開始直後にFBマシレワがインゴールノックオン

いきなり危機さらされた日本最初スクラムを見事止め被トライを防いだが、その後イングランドペナルティを獲得されPG

フォードキックでまずイングランドが先制した。


その後もフォードのロングキックエリアを取ってくるイングランド

増田イングランド戦術としてホールドしてくるのもアリかと思ったが、気を衒わず利があるキックをぶつけるのが最善、ということなのだろう。


イングランドが蹴ってエリアを獲得してくるので、FBキックを処理しなくてはならず、マシレワの今日仕事は多いのだが、そのマシレワがキック処理後に不運にも右脚を負傷。

早々にレメキと交代となった。

交代カードをあまり早く切ると、その分消耗が早くなったり、戦術の替え場をコントロールできなくなったりするのだが、怪我ではしょうがない。

ただ、マシレワは蹴った後にハムストリングを痛めたように見えたので、次戦以降にどうなるのかが心配だ。


さて大方の予想通りキック主体に攻め入るイングランドに対して日本はというと、こちらは意外と言うか、蹴り返して応戦する。

この蹴り合いは、テリトリーではやや押されている場面があるものの、あまり決定的なゲインを許していない。


芝が剥がれるような激しいスクラムでも、日本は譲らない。

ラスボス堀江コントロールするスクラムいまのところは互角に見える。

20分にはフォードキックチャージしてイングランド陣内に深く侵入ペナルティを獲得して松田キックスコアを先行した。


その直後の24分、今度はミスを見逃さずキックで深く侵入したイングランドトライを被るが、対する日本も再びキック有効活用して深く侵入してPGをかえし、1点差まで詰め寄る。


38分をすぎイングランド10 - 9 日本

日本代表は出来過ぎなくらい上手く戦っている。

ほぼ差のないまま後半に入ることができればこの大一番の勝利もうっすらと見えてくる。


なので、前半終了間際にゴールライン側まで大きく押し込まれたシーンはピンチだ。

日本は守りたいところだし、イングランドとすればトライで突き放して気勢を削ぎたい。

前半最後の攻防は41分まで粘った日本からPG獲得、イングランドわずかだが確実なアドバンテージをもち帰り、4点差での折り返しとなった。


それにしてもイングランドが蹴るのは予想の範囲内だったが、日本がこれだけ蹴るとは、そして蹴り合いとなって僅差で前半を折り返すとは誰が想像したろう。


蹴り合いのゲームはハマれば消耗が少ない。

日本はスタミナを温存して後半に臨むことができる。


後半

前半に予想外の戦術をとり、後半をどう戦うか注目された日本だが、50分を過ぎても流のボックスキックなど、キック前進

前半最後の1本を帳消しにする松田PGで再び1点差まで詰め寄る。

前半よりキックを使う回数は多いくらいだ、大方の予測通りに蹴ってきたイングランドに対して、日本もこの試合では徹底的に蹴るつもりかもしれない。


蹴り合いのタイトゲームの均衡が破れたのは56分。

ゴールライン手前までイングランドが押し込んでからジョーマーラー金髪モヒカン頭に当たったボールコートニー・ローズの手元に入り、ノックオンかと日本選手の脚が止まったなかでこれがトライ

日本堀江スクラム存在感を見せているが、イングランドベテランは強運で思わぬアシスト引き寄せ、ラグビー母国がこの試合初めて1トライ分以上の点差をつける。

ここでノックオンセルフジャッジをして足を止めた一瞬は、日本にとってのちに響く大きな差となった。


日本代表選手の集中が少しだけ切れたのか、見えない流れがイングランドに渡ったのか、蹴り合いの後のボールを獲得できない日本に対して、ゴールではなくライン側を狙ってもイングランドの名手のキックが冴え渡る。

64分にはフォードキックパス長身フレディ・スチュワードピンポイント渡り、見るものを感嘆せしめるトライ安全圏の2トライ以上の差をつける。


67分で15点差はこちらに展開を持ってくることができれば追いつけない差ではない、しかラグビー母国選手たちは抜け目なく、挑戦者にチャンスを与えない。


残り時間が減っていく中で、日本は狙うべき現実的ターゲットが逆転から、同点、7点差以内敗戦ボーナスポイントへとズルズルと下がっていく。


78分で自陣で相手ボールスクラムになってしまえば、15点差から8点をとってボーナスポイントを狙うのももう無理だ。

苦い味のする最後ケーキ相手ボーナスポイントを渡さない被トライ3以下。

しかし、妥協しないイングランドはこれすらも許さず、81分に日本は4トライ目を献上してしまった。


イングランド 34 - 12 日本


キックに自信をもつイングランドに蹴り合いを挑み、前半を互角に戦った日本だが、勝ち点の上では完敗とも言える結果、どこで、どのように流れがイングランドに渡ったのだろうか?


試合のスタッツを見てみよう。

キャリーメートルイングランド 533m -324m 日本 に対して、

キックゲインイングランド 1177m - 938m 日本からお互い蹴ったゲームだった

試合全体のテリトリーイングランド 61%-39% 日本ボール支配イングランド 66%-34% 日本

大きく押し込まれいたことを示す数字だが、これらの数字イングランドに傾いたのはおそらく後半だろう。


ラインアウトイングランド 成功10/13 - 成功8/12 日本

イングランドミスはしていたものの、日本が失った4本を成功できていれば、ここを起点にもっと前進できたかもしれない。


スタッツで取られないところだが、ハイボールの競り合いも日本クリーンにとれていたところがあまりなく、イングランド局面で優勢だった印相。

ディティールではこの辺りでイングランドに流れが渡ったように思える。


ゲームを通してボールが滑り、双方多くのノックオンを犯した。

ノックオンになればスクラムだが、ベテランを起用した日本スクラムは抜群に安定しており、組み負けてPGを取られるという悪い展開にならなかった。

キックを多用した戦術選択は、このスクラムの自信と、滑る手元でボールを動かすことの不確実性が考慮されたのかもしれない。


戦術選択についてたらればを言うのは本当におこがましいのだが、ハイボが入らない、ラインアウトが完全に支配できないという状況で、個人的には後半のもう少し早くにボールを保持して、イングランド前進できる機会を減らすというオプションがあったらどうなっていただろう、という感想はもった。


ただ、試合後の選手インタビューでは、プランというより、遂行の面での不備を振り返るものが多く、実際にもプランがそこまで破綻した場面はないように見えたので、増田感想あくま素人考えの域をでないだろう。


「落ち込む時間もない。10分ぐらい落ち込んで、次の10日間でサモア戦に向けて準備したい。」

リーチ言葉日本代表の総意かもしれない。


10日後に日本代表とまみえサモア23日に先立ってアルゼンチンとも対戦する。

この結果はどちらに転んでもプールDに大きな混沌をもたらしそうだ。


そしてその帰趨ともに、次戦の結果で日本がこの混沌に潜む魔物犠牲者となるか、他国にとっての死神となるかが決まるだろう。

混戦を抜け出す勝利を掴むことはできるだろうか、日本 vs サモアは29日未明日本時間4:00にキックオフだ。


anond:20230916113338

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