はてなキーワード: 満天とは
サバイバルゲームあるいはホラーゲームの歴史を塗り替えた名作といえば、バイオハザードが挙げられると思う。
それこそ無限ランチャー取るくらいにはやり込んだ=敵の出現パターンと撃退方法をほぼ全て把握するレベルになった。
しかしそれくらいやり込んでも、このゲームはなんだか怖さがつきまとった。
そこまで行って、この恐怖演出は本物だし、故にこれは本当に名作だと実感したのだった。
聞けばこのゲームのディレクターがホラー映画マニアで、それこそ映画館で作品を観た日にはおおよそ先の展開が読めてしまい、実際その通りになってほくそ笑むレベルという。
(ちなみにそのシーン、隣で観ていた女子大生が飛び上がるほど驚いていたりする)
余談だけど武器のチョイスも安っぽさや子供っぽさとは無縁な独特の納得感があって、上述の恐怖に立ち向かう良き相棒になった。
(マグナムを当初はコルト・アナコンダにするつもりが、他のスタッフが皆「パイソンパイソン」と言うもんだからパイソンになった話も含めて好き)
だから、続編が出ると知ったときも本当に期待したのだが…結論から言えば大いにがっかりした。
武器のコレジャナイ感もさることながら、一番の問題は「全然怖くないこと」だった。
でもそこは2がダメでも3で是正してくるだろうと思い直し、これまた見事に裏切られた感じ。
それからかなりの時間が経ち、バイオも最近20周年?そんな続いてたのか。
そしてなんという巡り合せなのか、最近評判のVである壱百満天原サロメ氏の実況で、全くノーチェックだったバイオ7(おバイオ)を見る機会を得た。
するとどうだろう。実によく出来た名作になっているではないか。
それこそ、当時バイオからの離脱のきっかけになった恐怖演出も全く問題ないどころか、控えめに言って最高。
恐怖とそれに立ち向かうバランスが、最新の技術で表現されていると感じた。
これならVillageも相当な完成度であることが予想できる。
少々話は脱線するが、ゲーム実況に定評のある他のVの7実況のアーカイブも、この機会にチェックしてみた。
神エイムの湊あくあ氏、ナイフ格闘でも怯まず立ち向かう戌神ころね氏、オールマイティにゲーム慣れしている白上フブキ氏と、それぞれの個性がよく引き出され、その意味でも良作であることを実感した。
そんな7をきっかけに更に調べたところ、2と3もリマスターが出たというではないか。
これもハードを持ってない都合により解説動画のみの確認だが、もはや別物レベルのリファインで、しっかり「怖くなった」っぽい。
なんとも嬉しい限りで、本当に素晴らしい。
この分野はガチ素人ですが、特にゲーム部以前は聞きかじりです。エンタムという事務所もあったんだよ。
ウェザーロイドやバーチャルアイドルの時代。VTuberのイメージも固まっていない。
キズナアイやミライアカリら五人揃って四天王が現れてVTuberのイメージを形成していく(が、イメージがそのまま引き継がれているとは言えない)
一つのチャンネルで複数のVTuberが配信し、箱として大きな人気を博す。
しかし、演者に過酷な勤務を強いていた労働問題が明らかになり炎上。演者交代の暴挙に出て凋落。最近解散した。
四天王の電脳少女シロが導線となり、リレー形式で見やすい1時間配信を行うことでファンを箱でガッチリ囲い込む。ファンアートの作成などにも積極的な箱推しファンを育成する。
だが、夜桜たまが引き起こした騒動によりファンの間で激しい対立が起こり勢いを失う。
初期から比較的(あくまでも他社との比較)安定した運営がなされてきたが、所属VTuberをひたすら増やしていく路線の中から飛び抜けた人気を持つVTuberが増えてくる。その一方で一期生が重みを失っていない点も強みと思われる。
男女混合で運営される中で、男性VTuberに人気の集中する傾向が徐々に出てくる(壱百満天原サロメは久々に大ヒットした女性だが)。
ホロライブはどっとライブで騒動があった時期くらいからアイドル路線に切り替えてきた(同じ会社のホロスターズを含め、男性VTuberとのコラボを特定のVTuber以外はほとんどしなくなった)。バイリンガル(スペイン語もそこそこ行けたようなのでトライリンガル?)のヤクザドラゴン桐生ココ加入などの要因もあり海外でも人気を得て大いに伸びる。
その桐生ココやスパチャ世界一にもなった潤羽るしあは炎上もあり引退したが、VTuber登録者数最大のがうるぐらを擁し、新人はデビューが決まるだけで初配信前には登録者数が10万人を超えるなど、かなりの勢いを保っている。
アメリカ・インドネシア・中国などの海外にも多くの視聴者を集める事務所が現れてくる( Vshojoなど。おそらくスペイン語圏でシェアのあるOWOZUというところを今知った)。
ホロライブやにじさんじの海外事務所も人気を得る(にじさんじは最近EN以外をにじさんじ本体に合流させた。VTuber間の目立った交流はないが中国にも事務所あり)。にじさんじを運営する「えにから」が上場し、最近デビューした壱百満天原サロメが大きな話題になる。
ホロライブの次に来るかもしれないと言われていた「ぶいすぽっ!」は前述のゲーム部を運営していたUNLIMITEDに買収されファンの間に不安が走る(他にもまともに運営してきた事務所を持っているため心配のしすぎという意見もある)。独自のショート動画路線でホロライブを超える再生回数を叩き出すようになったあおぎり高校(ここもUNLIMITED傘下)、トップにならなくともコツコツと安定した運営を続けてきた774inc.(有閑喫茶あにまーれは引退者多めだが)、プレイングマネージャー犬山たまきの率いるのりプロ、武道館単独ライブを決めた花譜のいる神椿(KAMITSUBAKI STUDIO)など独自のニッチを築いているところもある。
また、個人VTuberではVOICEROID化によってボイロ動画とのシナジー効果を起こすトレンドが伺える(以前からUTAU化などはあった模様)。
TVにおけるマツコ・デラックスに魔法をかけて、ネットの文脈に合わせたタレントに変換をおこなうと、壱百満天原サロメになるのだ。
もし君がマツコが嫌いなら、アクの強いタイプの好きな芸能人をあてはめればいい。その場合でも結果は大して変わらないから。
僕は今まで、ネット民がVtuberを観るのは、TVが嫌いだからなのだと思っていた。人工的に作り上げられた、面白さを強要する仕組みが気に食わないのだと思っていた。リスナーにとってVtuberのライブ配信を観る意義とは、同じ時間を共有することで寂しさをまぎらわせたり、彼・彼女の人格を好んで接することに充実感を抱くからなのだと思っていた。そこがTVとVtuberの根本的な差異だと思っていた。
でも違った。ネット民の大部分はTV的なものが大好きなのだということに自分は気がついてしまった。彼らがTVを避けていた理由はただひとつ、ノリが古かったからだ。それ以外にはない。
自分は、5年後にはホロライブではなく、別の新たな事務所がトップに立つと思う。それは今のホロライブのスタイルにTV的なものを持ち込み、ミックスしたようなものになるだろう。
右上に行くほど落ち着いていて、左下に行くほど個性的、っていうイメージ。
清楚 | ||||||
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鈴谷アキ | シスター・クレア | ベルモンド・バンデラス | ||||
鈴木勝 | ルイス・キャミー | 小野町春香 | 桜凛月 | モイラ | ||
レヴィ・エリファ | エリー・コニファー | 来栖夏芽 | 愛園愛美 | ニュイ・ソシエール | ||
物述有栖 | 雪城眞尋 | 先斗寧 | 戌亥とこ | 舞元啓介 | ||
天宮こころ | 葉加瀬冬雪 | アクシア・クローネ | フレン・E・ルスタリオ | ドーラ | ||
家長むぎ | 西園チグサ | レイン・パターソン | イブラヒム | 社築 | ||
森中花咲 | アルス・アルマル | 瀬戸美夜子 | 竜胆尊 | 夢追翔 | ||
天ヶ瀬むゆ | 朝日南アカネ | 長尾景 | 白雪巴 | |||
安土桃 | 鷹宮リオン | 健屋花那 | 夜見れな | 神田笑一 | ||
夢月ロア | ラトナ・プティ | 緑仙 | 叶 | 加賀美ハヤト | ||
魔使マオ | 奈羅花 | 飛鳥ひな | 渋谷ハジメ | 早瀬走 | ||
ガキ | 椎名唯華 | 星川サラ | リゼ・ヘルエスタ | 静凛 | 黛灰 | 大人 |
笹木咲 | 海妹四葉 | 甲斐田晴 | ローレン・イロアス | オリバー・エバンス | ||
えま★おうがすと | 東堂コハク | 葛葉 | 夕陽リリ | 弦月藤士郎 | ||
宇志海いちご | 空星きらめ | 三枝明那 | 春崎エアル | シェリン・バーガンディ | ||
勇気ちひろ | 卯月コウ | 山神カルタ | 黒井しば | レオス・ヴィンセント | ||
町田ちま | 本間ひまわり | アンジュ・カトリーナ | える | ジョー・力一 | ||
北小路ヒスイ | でびでび・でびる | エクス・アルビオ | 伏見ガク | |||
周央サンゴ | 語部紡 | フミ | 成瀬鳴 | |||
魔界ノりりむ | 赤羽葉子 | 樋口楓 | 不破湊 | グウェル・オス・ガール | ||
矢車りね | ましろ | 壱百満天原サロメ | 剣持刀也 | 花畑チャイカ | ||
葉山舞鈴 | 相羽ういは | 雨森小夜 | ギルザレンIII世 | 郡道美玲 | ||
文野環 | 月ノ美兎 | 轟京子 | 鈴鹿詩子 | |||
狂気 |
https://togetter.com/li/1897879
何度も配信見させてもらったが正直普通に普通の発言をして普通の時間帯に普通の時間配信をし、特に突出した一発ネタも無ければお嬢様ネタも語尾だけだし使い古されたネタで目新しさも無かった。それでも視聴者からは「全く新しい」「ワードセンスがピカイチ」と賞賛されていて「いやあのVの方が〜」と自分の中を老害的な思考が埋め尽くした時点で時代は変わったんだなあと。
自分のことを老害とみじんも思ってなさそうな典型的コサカスで好き。
・サロメ様がバズった理由って「初配信の奇抜さに反して、先輩ライバーたちのノウハウの良い所を学んでトーク力やファンサの質を堅実に高めてる所」で、そういう堅実路線のライバーって登録者数30万~60万くらいの中堅層に多いイメージだけど、現状、サロメ様の登録者数に釣られたミーハーはトップ層のライバーだけ見て「サロメ以外のVtuberはダメだわ」と煽ってる状況だから、V業界全体のリスナー増加にはあまり繋がらない気がする
こういう新参を敵視するやつがニワカ視聴者をつぶすんだよなあ……。
古参であること以外に何の価値もないただの壱視聴者が勘違いして居座ってるV界隈が大大大大大嫌いだったから
こういうやつがぶつぶつ言ってるの最高に楽しい。
胃カメラとかお嬢様言葉とかの一発ネタは、普段Vtuber見ない人の目には新鮮なんだろうけど、サロメ様本人に突出したオタク知識は無さそうだから、ソロゲー配信と雑談だけではいずれネタ切れしそうなんだよな。なので今後先輩ライバーとのコラボで活動の幅広げられるかが重要で、仲良くしておかなくちゃいけない時期に、一部厄介リスナーが登録者数とかで先輩ライバーと比較して無自覚に対立煽りしててサロメ様本人も注意喚起してる状況だから、厄介リスナーが応援だと思ってる行為が本人にとっては逆効果でしかないのがかわいそう
極めつけがこれ。何とかして失敗してほしいと願ってるのがわかってほほえましい。この人はてなブックマークやってそう(悪口)
ほかのVのもたぶん見りゃ面白いんだろうけど何百時間もあるアーカイブ見て、コラボの関係性も理解して、当時の催し物の歴史とかも学んで、スパチャも投げてようやく得られるのが理解の浅いフ新参ファンって地位だし正直やってられんのよ 他の新人もユニット売りとか何とかで把握がめんどくさいし サロメはピンだし1本1時間数も少ないで追いつくのも簡単だし、スパチャ読みなんて変な儀式もしてないしで バーチューバー面白そうやけど手を出すのはダルいみたいな層を直撃したんやろ
古参様が「見極めてやろう」って見始めてまともな判断ができるか、そもそもVに触れてこなかった人にとってはそういうのが嫌なんですよ。
ほんまこれ。
初めに断っておく。これは全部俺の実体験だ。
最近、壁を歩く男に会わなくなった。
日本中どこにでもいて、みんなが見たことがあるだろう、あのニンジャだ。
なに、ニンジャを見たことがない? 車や電車の窓からぼんやり外を眺めていると、風景と並走して走っているのを幻視した子供は多いと聞く。
俺はニンジャを見た記憶はないが、これから話す男は、それに属するものだ。
学校、午後、お昼時。
眠気に耐えながらぼんやり授業を聞いているときに、そいつはよく現れた。
窓の外なんてもんじゃない、室内の、目と鼻の先をそいつは歩いている。
壁は泥のように変化し、足首まで壁にどっぷり浸かりながら、そいつはえっちらおっちらと室内を歩いている。
俺の足は壁に浸かっているし、足には苦労しながら壁を歩いている感覚がある。
そして同時に、椅子に座りぼんやりと授業を聞いている俺の感覚と意識も確かにある。
本来の俺と壁を歩く俺、二人の体の感覚を共有しているかのような、そんな奇妙な感覚だ。
俺はたぶん、三半規管だか何だか、とにかく脳の重力に関する部分に欠陥か緩みかがあるんだと思う。
お昼時のように意識が緩む条件のとき、その箇所が無意識からささやく。「あれ、おかしいぞ? 重力が真下じゃなく横を向いてるぞ?」と。
両者を脳がうまいこと折衷した結果が、「壁に立つもう一人の俺」であり、「足首まで壁に埋まってなんとか踏ん張る俺」なのだ。
子供の頃、俺は満天の星空や青空の大伽藍を異常に怖がる子供だった。それと何か関係があるのかもしれない。
脳科学者、オリヴァー・サックスならどういう診断をしただろうか?
そんな壁を歩く男だが、成人を超えてからも時々見た記憶がある。しかしここ最近、年をとってからはめっきり会うことがなくなった。
年をとったことで、脳のその辺の配線が変わってしまったのかもしれない。
もう、あの男には会えないのだろうか。もう一度、あの男に会いたい。
そして俺はあの男になって、もう一度壁を歩きたい。
まずはじめに、この画像イメージをHDDドライブに保存してほしい。容量は約5MB程度だ。
そのあと、PDFフォーマットに変換し、加工を加えたあと、オンライン上に保存してくれ。
どうだ、やるかどうかはっきりと明言してほしい。
え、頭痛が痛いだって?そんなこと言って、後で後悔しても知らんぞ。
さあ早く私の受注を受けてくれ。私だって被害を被りたくないんだ。
うん、犯罪を犯したくないお前の気持ちもわかる。私もアメリカに渡米したい気持ちだ。
だがこのままではすべてが未だに未解決のままなんだ。
ほら、この前までクリスマスイブの夜だったのに、こうしてる間にもう元旦の朝を迎えている。
この仕事が終わったらチゲ鍋でも食べよう。私がクーポン券を持っているから。店は予め予約しておくよ。
そして、サルサソースとグレイビーソースとワインビネガーをマグカップに入れて飲み干そう。
そのあとは旅行だ。サハラ砂漠とゴビ砂漠とキリマンジャロ山とナイル川とガンジス川へ行こう。
そして、沿岸沿いで、満天の星空を見ながら、フラダンスを踊ろう。
よし、やってくれるか。では手元の書類に捺印を押して、秘密裏のうちに行ってくれ。
この件はお前に全てを一任する。これが最後のラストチャンスだ。尽力を尽くし、雪辱を晴らしてくれ。
期待して待っているぞ。
俺には実にクソみたいな未練がある。お前らにはあるか?
未練。
それも。ログインもできなくなったソシャゲのトップ画面を、それでも一日一回は習慣のように開いてしまうとか、そういうバカみたいな未練。
そのソシャゲ専用のブラウザをスマホの容量が足りなくなってきても消せなくて、機種変したのにまた入れなおす、みたいな。
それで今日もログインボタンを押しかけてどうしても押せなくてブラウザ閉じてでも気づいたらまた同じ画面の前でためらって、こんなことに時間を使うなんてそれこそバカがすることだって思うのにやめられなくて。
やめられないままもう1年も経ってしまった。
俺は、きみを愛しただけだった。
なのにどうしてきみと一緒にいられなくなったんだろう。
俺の愛したきみはとにかく、残念な、と言われがちな人だった。俺からしてみれば、きみに何も残念なところなどなかった。
きみはただ、自分を隠すのがうまかっただけだ。親しみやすく抜けたところがあるように見せかけて、その心の内側に確固たる信念を秘めていただけ。
けれど、ともかくユーザーの多くに残念、と言われることが多かったのは事実だし、本当に惜しんでくれるユーザーもいたとは思うが、その大半が嘲笑を含んでいたものだったことは俺の被害妄想ではなかったはずだ。
なにせけして長くない歴の中で、団を何度も辞めることになってきた。全て同じ理由でだ。
きみを嘲笑することがまかり通っている場所にいるのが、嫌だった。
それでも、すぐに辞めたわけじゃなかった。3回は耐えた。だいたいいつも4回目くらいで団長に事情を話して自分でも苦言を呈しては周りに笑われたり馬鹿にされたり嫌な目で見られたりして、それからしばらくして、辞める。
そういう辞め方を少なくとも5回とかしたくらい、きみは大多数のユーザーからすると玩具みたいな扱いをしてもいいものだと思われていた。いや、ユーザーだけじゃない。
たまにストーリーに出てきてくれた時、個別ストーリーの時の、選択肢だとか。あるいは番外の漫画だとかでの表現を見るに、きっと運営からも雑に扱っていいくくりにいれられていたんだろう。オタク特有の寒い悪ノリに悪ノリが重なる流れのせいで、それは年々悪化していたように思う。
俺だって別にきみを過剰に褒め称えてほしいとかそういうわけじゃなかった。ただ、そっとしておいてもらえたらよかった。ヨゴレ扱いされてほしくなかった。そういうキャラクターでしょうと言われたって、きみが何でもないことみたいに笑ってみせるのが得意だからって、馬鹿にされたり無碍にされることに慣れてほしくなかった。
俺の大事なきみだったから、せめて俺にだけでも、大事にさせてほしかった。せっかくのきみの個別ストーリーで、きみを貶めるような選択肢を自分が選ばざるを得ないのはつらかった。どんぐりの背比べみたいな選択肢の中からどれが一番きみを傷つけないか苦心して苦悩して選んでも、結局きみを傷つける人たちのひとりになることしかできなかった。
いっそスキップしてしまおうかと思った。でも、どれだけ苦しくてもきみを見ていたかった。
自分のことを少しも話してくれないきみのことを、少しでも知れたらといつも必死だった。笑いかけてくれないか、きみが名前を呼んでくれやしないか。いつだって浅ましく期待してもいた。
そうだ。俺は、いつだってきみに笑っていてほしかった。振り回されることも名前を呼ばれることもからかわれることも、何より幸せだった。そういうささやかな幸せで十分だった。
俺の、愛しいきみ。
きみは誰より強かった。うつくしかった。そして、俺にとっては誰よりも可愛かった。何よりも尊い人だった。世界中の無辜の人々のためにそのちからを揮おうと決めて立ったきみが、ずっと眩しくてたまらなかった。
まばゆいきみは空に輝く太陽のようで。あるいは満天の星そのものだった。
いつだってあんまりきらめいていて真っ直ぐだから、汚して引きずり落としたい人間がいるのも理解はできた。
理解ができたとしても、納得したことは一度だってなかった。嘲笑も侮蔑もきみに相応しいわけがない。
そうやって不満とか悲しさとかが燻る日々が続いていた。
周りでも憤って、あるいは呆れて辞めていく人間が何人かはいたように思う。思う、っていうのは、あの時の俺は後から考えると全然正気じゃなかったので周りのことなんか正直よく覚えていないからだ。
きっかけ自体はイベントの調整についてだった。俺はその調整が示した運営のユーザーに対する姿勢を知ってから、何かの糸が切れたみたいにゲームに対する気力を失った。
毎日馬鹿みたいに真面目にしていた周回も日課もしないで、ずっとずっと考えていた。
俺のこと。
きみのこと。
どうして俺は大多数のユーザーのひとり、になれなかったんだろう。俺が運営から見たときに客として多数派の層にいたら、もしかしたら送ったご意見が受け入れられたりすることがあったんじゃないか。
だっていわゆるメインターゲットに愛された人たちはきみみたいには扱われなかった。たとえ笑われたとしても貶めるようにではなかった。彼らの強さは余すことなく語られて、周りの人々にだってきちんと大事にされていた。ユーザーの大多数にだってヨゴレ扱いされたりしない。貶めてもいいものだなんて思われて踏みにじられることもない。
俺がメインターゲットじゃなかったから、きみは大事にされないのか。
けれど、俺と彼らの愛に何の違いがあるんだろう。
きみを愛していたから、なるべく最速で最終まで開放したつもりだ。
だからか、いつだったかお前のランクと歴で最終まで終わってるのはキモイと笑われたこともあった。別にキモくてもよかった。
満天の星であるきみがもっと、誰よりも輝けるようにってその為ならなんだってしたかった。だから周回だって天井だってなんだってしてきた。新規衣装が出たときは5垢つくって衣装買ったし相性がよさそうなキャラが出たら天井を叩いてだって手に入れた。いつだってきみをなるべくフロントで出せる編成を考えて少しでも使用率を上げようとして、だからもちろん久遠だって一番にあげたけど、そういうことが全部全部無駄なことでしかなかったと突き付けられたような気持ちだった。
どうやったら、きみのために何かを成せたんだろう。きみを大事にできたんだろう。
自意識過剰だって笑われて当たり前、自分だってわかっている。自分ひとりの行動が運営に対して影響を与えるわけがない。
けれど俺は今もどこかで思ってしまう。
愛が報われないことも勿論悲しかったけれど、きみが報われないこともずっとつらかった。
きみに報われてほしかった。たとえきみがそれを望まないとしても。
俺は結局、きみが理念を語るのを愛せても、きみが語る理念は愛せなかったな。
俺はきみが生きていてくれたらよかった。世界の敵になんかなってほしくなかった。きみが築いてきたすべてなんか俺はいらない。思慕も敬愛も親愛も全部全部きみに向けられたままであってほしかった。きみに成り代わりたくなんてなかった。他の誰よりも、きみに報われてほしかった。
そうしてできたら、叶うなら、傍にいて笑っていてくれたら、それでよかったのに。
あの日から俺は気力を少しずつ失って、きみの為に何もできない自分の無力さに嫌気がさして、目標も見失った。
数少ない友人たちも他ゲーに流れていく日々の中、いつの間にかログインすることさえできなくなった。未練だけ、みっともなく残したまま。
今日だって、結局何度も何度もためらって時間を無駄にして、それでログインできないままなんだろう。
ごめん。弱くてごめん。きみの望むような強い人であれなくてごめん。
きみを愛しただけだったんだ。
嘘だ。
俺は、今でもやっぱりきみを愛している。
シエテ。
きみだけを。
今も。
これからも。
ずっと。
二日前、オモコロで催眠術の記事を読んだことをきっかけにYouTubeで催眠術の動画を見た。ヒプノディスク(なんかようわからんぐるぐるするやつ)を見ているうちに手が開かなくなったりとか、そのまま目を閉じるとまぶたが開かなくなったりとか。そういう5分に満たない動画。数年前にこれを試したときはてきめんに効いて驚いたのだけれど、今回は二度目だからか、当時よりも大人になったからか、はたまたヒプノディスクってヒプノシスマイクみたいだな…と邪念が湧いていたからか、催眠に対して抵抗することができた。アッもしかして"ヒプノ"は催眠を表す単語ですか?
その流れでおすすめに上がった前世催眠…前世瞑想…?の動画を見ることにした。こちらは30分程度の大作である。人生の30分をこれに使うのかと思ったけれど、どうせ暇なので、惰性のままに再生ボタンを押した。導入。ゆったりとした女性の声が私にリラックスを求めてくる。部屋を薄暗くし、マットレスに横たわり、命じられた深呼吸を繰り返しているところでアロマを炊けばよかったかとほんの少しだけ後悔した。埃をかぶっているアロマランプはこういうときに使うものだろう。たぶん。
さて、動画の女性は私が完全にリラックスできたていで話を進めていく。私の精神は深呼吸くらいでリラックスできないし、身体は深呼吸くらいで脱力できないのだけれど、まあ、しかたがない。というか呼吸って意識すればするほどに浅くなりませんか?ほんとうにアロマを炊けばよかったと思ったよ。とにかく彼女は私に目を閉じろと言った。私は閉じた。あなたは海にいますと言われた。海。これまでの人生の1/3を海沿いの町で過ごしてきた私は海のイメージに自信があった。今となっては思い出の中にある海。真っ暗な空とそれよりも深い色をした海面、テトラポットに打ちつけられる波の音と飛沫、寒さでざらざらとするような潮風とその匂い。遠くで空港につながる道が光っている。
「満天の星が輝いています。あなたを包む風はあたたかく……」と女性が言った。後出ししないでほしかった。思い出をまるめて捨てた私はおそらく海外だろう美しい砂浜を作り上げることに努めた。
この時点で結構いっぱいいっぱいというか、彼女が想定している私の脳内と実際にかなりの乖離があったのだけれど、彼女はペースを緩めてくれない。その海の中からなにかがあなたを案内するために迎えにくると言われ、それは人かもしれないし動物かもしれないし物体かもしれない、とにかくあなたが安心できるものだと。ところで、私はそれまでの時間を乙女ゲームにかけていた。攻略対象のpicをずっと見つめていた私が急拵えで作った「私を迎えにきた安心できるもの」は当然のように攻略対象だったわけだ。
いや、ちがうだろ、と思った。
私はそのイメージを打ち消すと、白いワンピースに身を包んだ幼女を一心不乱に想像した。案内役が幼女で安心できるのかと言われたらNOだと今になれば思うのだけれど、そのときは焦っていた。幼女は……というか動画の女性は私を海底に導いた上で目の前に門があるとぬかす。門。門か。門ってなんだろう。コナンのアニメで出てくるあれかな?両開きの扉がついているやつ。もうそれでいいよ。妥協が肝心だ。この門をくぐると私は前世を体験できるらしい。いよいよである。
これはもうほんとうにイメージの話であるのだけれど、事件の始まりを予感させる扉の先で脳内に浮かんだものはショッキングピンクだった。女性が足下を見てくださいと命ずる。なにを履いていますか?それとも裸足でしょうか……ゴールドのハイヒール……ハイヒールということはドレス……いやでも前世でパーティードレスを着るか?ドレス……なんかもっとこう異世界転生して悪役令嬢になった主人公が着るような……マリーアントワネットみたいな…………連想ゲームのような感じで私の前世は決まった。中世ヨーロッパの貴族の令嬢。連想ゲームというか乙女ゲームの世界から抜け出せていない感じは否めない。あと、ショッキングピンクはまじで関係がなかった。なんだったんだよ。
女は「前世のあなたがいちばん幸せだった場面に飛びます」と言った。私は飛んだ。素直だから。その場面の私は幼女の姿をして椅子に座っていた。優しそうな侍女が私の長い髪をくしで梳かして、ととのえている。指先や表情から彼女が私をかわいがってくれていることは明らかだった。嬉しいなあ。幸せだなあと思ったけれど、これをいちばん幸せな瞬間とするならば前世の私はよほど不幸だったのか。はたまた、ありふれた日常の一幕こそがほんとうの幸福なんだよ、そういう教訓だろうか。とにかく私は侍女のことが大好きで彼女にハグをしていると「今度はあなたがいちばん愛情を感じた場面に飛びます」と指示が入る。飛んだ。そこは、舞踏会か、なにかしらのパーティーの壇上だった。17歳の私はそのきらびやかな席で主催である父親に娘だと紹介されている。そっかあ、そうかあ。だれに紹介しても恥ずかしくない娘か……
ぶっちゃけ、これが前世のはずはないのだ。わかっている。ただイメージを作ることを強制された脳内の中で自分の欲望は思いがけず、はっきりと浮かぶもので、要するに私はすでに父親がいない。彼は再婚した先で新しく家庭を築いている。そうして私は、私が、両親にとってよくない娘であったことがずっとコンプレックスだった。そのことで苦しむ夜は数年単位で訪れていないのだけれど。
なんだかしゅんとしてしまった。あと、この場にさっきの侍女がいないことがさみしかった。なんとなく彼女はすでに私から離れているような気がしていた。さっきから母親の影がないこともなにかしらの表れかと悲しい思いがする。
しかし感情に浸る間もなく「現世であなたをレベルアップさせるための場面に飛びます」と女がめちゃくちゃを言った。それはもう私の脳内にないだろって。そのイメージの材料は無意識下にでもないだろって思ったのだけれど、だからなのか、使い回しのように私は海辺にいた。差分変化として夕暮れだった。隣に妙齢の女性。
彼女は厳しい目で海をながめていた。馬鹿にしているようでもあった。ただ、私は怖い顔をしているけれどこの人はほんとうは海で遊びたいんじゃないかな?と考えていた。誘ってみようかな。ああでも彼女も美しいドレスを着ているから海に入れないか。でも……「あなたは前世から戻ってきます。少し先の未来でレベルアップしたあなたはなにをしていますか」私は職場にいて、四月に入職したり異動してきたりしたまだ親しくない同僚にいっしょに仕事しましょうと持ちかけていた。それを終えて、大変だったけれどやってよかったですねえと笑った。
これで前世旅行はおしまい。不思議な三十分間だったので記録しておきたいと思って、これを書いた。なんの意味もない。この話をしたら友達からは「新興宗教か?」と訝しまれたのだけれど、それはほんとうに私もそう思うよ。
僕は煙草を吸いに席を立ち、トイレ近くにあった灰皿の前で煙草を吸いながら満天の星空を眺めていた。
そこへAちゃんが来た。かなり暗かった為、僕には気付かずトイレに入っていった。
薄い扉の向こうでAちゃんが用を足しているのかと思うと興奮より申し訳なさが大部分を占め、僕は火を消して立ち去ろうとした。
その時、扉が音を立てずゆっくり開き、Aちゃんがうんこをしている姿がまる見えになった。
満天の星空の下、トイレの中の中薄暗い灯りに照らされうんこをひねりだすAちゃん。
Aちゃんのうんこは一流のピアニストが弾くソナタのようだった。