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はてなキーワード: 感情移入とは

2021-12-17

感情移入

歳をとるにつれて、映画ドラマを見たとき感情移入する人物が移り変わるのはあるよね。

たとえば、風の谷のナウシカを見たときに、最初ナウシカやアスベル感情移入するだろうし、その後にユパ様カッコいい…渋い…ってなるかもしれないし、いやいやトルメキアだってただの悪党じゃないんだよ、クシャナだって過去や思惑があるんだよ、と見えるかもしれないし、クロトワ、いい味出してるねぇ。いつか出世できるといいね、と思うかもしれない。

最近はあれだね、腐海の虫たち。もはや排除されることを恐れながら、必死抵抗をして生き抜く虫に感情移入するからね。

2021-12-14

バチェラー4という「作品」に関するいち考察

バチェラージャパン4という作品を途中まで見たので現時点での感想を述べる。

なお本シリーズを見るのは今回が初めてで、本国作品も未視聴なので、本作が前作までと比べてどうかという話はできない。


ドキュメント風の舞台作品である

男女ともに参加者俳優さん、女優さんだよね?番組のコンセプト上、職業などの肩書きは立派だが役者としては無名、無経験が望ましい。かつSNSでもキャラを崩さない人。危うさがない人。それらのキャストキャラクターの役割バランスよく振られ、物語に沿って演出されている。

 視聴者全面的感情移入できる女性

 視聴者が敵意を感じる女性

 視聴者によって評価が真っ二つになる女性

→これらのキャラクターが動くことによる面白さを描くので、脚本編集能力がエグい。ただ、ドキュメントを銘打っている分、違和感を感じる層は離れていくか、釈迦閻魔様のような立場で楽しむ方にシフトしていく。初めからフィクションと書いてあれば新海誠作品として楽しむけどね。

演出は オーディション番組

視聴者完全不参加型、審査員は1人。付加価値としてキャッツファイトが見られる。


③売りは、視聴者の期待にどこまでも応える番組

ハラハラさせられるんだけど最終的には結末は一緒というジョーンズ感。そうそう、これが見たかったんだよ、という水戸黄門感。視聴者の期待を裏切ってほしいという期待も含めて応えてくれる。



コメンテーター役割

今川、指原、藤森のおかげで番組が3層構造になっている。(参加者→3人→視聴者。)あの3人がある程度ジャッジメント道筋を立てるので視聴者安心できる仕組みである

参加者視聴者の2層構造だったら、距離が近すぎて、見ていて非常にしんどい番組になることだろう。




恋愛

仮にこの非日常環境好意を感じるとするならばそれはドーパミンのせいであって、オキシトシン系はついてこないぞ。10の子は真に受けて真似しちゃダメだよ。これはAVとして楽しむものなのだから



家族観

4のバチェラー限定するけれど 母はどんな時も父を見捨てなかった と言うが、その父は母に対しては何を与えていたのかを合わせて語ってくれないと、薄っぺらく聞こえる。結局sexできる母親が欲しいんだよねって私が解釈する前に早く説明して欲しい。それでいいならそうするけど。



⑦その他疑問

※この番組純粋ドキュメント番組として、感動しただの、切ないだの、誰の性格が良い悪いだのと、完全な手放しで楽しんでいる層が一定数いそうで心配である出演者もあれこれ言われると思うので、人権心配である

※とっても絵が綺麗なので、どんなに盛り上がるシーンでも、今この視点の後ろには何人いるんだろう?(カメラマン、照明、メイク衣装、音声さんなど)何回リハして、何回立ち位置確認して、何回リテイクになったんだろう?と思ってしまうので、各種スタッフ存在を頭から消すのが難しい。警察24時だったらあん映像取れないぞ!という感じである


衣装さんの仕事が良すぎる。全員漏れなく可愛い


※オスとメス

そもそも動物の群れの中で一匹のオスを奪い合ってメスが淘汰し合うというのは不自然だよなぁ。私が知らないだけでメスがオスをめぐって殺し合う動物がいるのだろうか。動物ってだいたいオスの方が派手じゃん、ツノとか羽とかたてがみとか。メスの方が派手な動物っている?有識者の方、教えてください。


外国人を入れるというお約束

ハーレムものだと必ず外国人ハーフの人が出てきて、多様性や非日常感を添えてくれつつ、最終的に本命にはならないよね。どの作品起源なんだろう。



まだ視聴途中なので考察が変わると思います

anond:20211213184121

ほーんと見苦しいよねそう言う増田たちってさ

今の増田なんて若さ思考の柔軟性やコミュ力可能性はゆとり後期世代さとり世代に敵わず

価値観だけは、昭和オヤジバブル期のアホ女並みっていう最悪の性格特性から

発達障害とか精神病気ですとかならそう言う「可哀想な人」で医療福祉対象にはなるんだが

根っこから性格が歪んでて相応しい地位に堕ちてるだけって言うのはもう救いようがない

最後は狂って低脳先生みたいになるかヒッキーヒッキー同然の自称フリーランスエンジニアが有り余る暇で女子高生とか幼女誘拐して警察に捕まったりするのたまにニュースになるけど

あなるのがオチ

なんせ歯を磨く習慣の教育すら受けてないので歯が溶けて6本ない中卒のオッサンみたいなあり得ない珍獣感情移入できるとか言う増田が大量にいるんだからな、ここ

2021-12-11

映画『フラ・フラダンス』が今年一番の傑作だった

しばらく映画館に通ってなくテレビも持ってないので、公開前日まで存在を知らなかったくらいだが、これがなかなかどうして近年稀に見る出来だった。

個人的には以下に当てはまる人にオススメできると思う。


さて、そんな想いとは裏腹に観客動員数が伸びてない(はてなーが好みそうな作品なのにブクマも少ない)ようなので、なるたけネタバレを伏せた上でここに私見を残すことにした。

キャストやあらすじは公式サイトを見られたし。

オリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』絶賛公開中

物語が動き出すまでにひと悶着がない

葛藤したり両親が反対したりすることなく、冒頭の10分くらいで主人公日羽はフラを始めることを決心する。

上記のようなありきたりな展開に陥りがちな経緯があったにもかかわらず、そうならなかったのがよかった。(尺の都合もあろうが。)

ただ、やはり相応の年月が経ってることがなせる業だとも思った。これが5年前であれば、難しかたかもしれない。

悪役がいない

話を途端につまらなくする要因の1つが(絵に描いたような凡庸な)悪役の存在だと思ってる。

そららを主人公サイドがやっつけてメデタシメダタシ……というエンドが大嫌いなもんで。

日羽たちが叱責されるシーンはあるのだが、もっともな理由あってのことなので、不快には感じなかった。

基底に史実がある

不幸な出来事がありました――といわれても、よほどの説得力をもって描かれない限り、どうにも感情移入しかねる。

そこへいくと史実はやはり強い。多くの人達実体験してまだ記憶に新しいのであればなおのこと、だ。

ある意味ではチートだともいえるが、この物語を紡ぐにはこの史実必然だったのだから、まあしょうがない。

鈴懸さんやタクシーの運ちゃんの(何気ない)セリフには感じ入るところがあった。当たり前のように来る明日感謝

境遇が重なる

ここは人によるだろうが、日羽たち5人それぞれの境遇自分に重ねることができた。

1人だけできずに自信をなくしたり、ホームシックになったり、親に反対されたりなどを見て高校時代卒業後に東京へ出てきたころを思い出した。

そんなときに支えになってくれたのは、劇中のようにやはり周りの人たちだった。

背景が美麗

電車の乗り換えで小一時間ほどしか滞在したことはないのだが、いわき自然や道、街並みの再現性が素晴らしかった。

実写よりも色鮮やかに描けたり春夏秋冬を一作で出したりできる、このへんはアニメーションの真骨頂だろう。

エンドロールが秀逸

迎えたエンドロール流れる主題歌スクリーンに映し出される数々の画の調和が実に見事だった。

舞台となったハワイアンズをご存知の人であれば、ことさら感動するのではないだとうか。

地味

最後になるが、(ライブシーンはともかく)ストーリーに派手さはない。地味だという感想散見された。

だが、それがいいアラフォーという齢がそうさせるのか、昔よりも地に足のついた作品を好むようになった。

うまく踊れないのであれば、できることは1つ、ひたすら反復練習するだけだ。学問にもダンスにも近道はないのだ。

(書いてて気づいたが、このあたりのスポ根要素は「ウマ娘」にも通ずるところがあるかも。)

まだまだ語り尽くせないが、続きはぜひ劇場で観たあなたに書いてほしい。

願わくばこのようなテイスト作品が後に続くことを祈念して筆を擱くこととする。

2021-12-10

予約増田:2021年12月31日 午後6:01

Twitter地獄すぎる。

魔女見習いを探してのアンチが暴れている。

実家ボクシングを見ながら両親とアレコレ言いつつチラ見するTwitterアニメ映画声優以外が出てくると暴れるいつもの人達で溢れかえっていた。

魔女見習いを探しては確かにひどい映画だ。

主人公たちの喋りはやっぱり違和感がある。

おジャ魔女映画だと思って見に行って、流石に途中からおジャ魔女映画になると思ったら最後までそうはならなかった。

インターネットでの扱いも、ユアストーリーやレディプレイヤーワンにからめてケチをつけるチー牛でいっぱいで見れたものではない。

なんでこんなもの大晦日に流すのだろうか。

そもそも、多くの人は実家でこうして家族テレビを見るわけだが、そこでアニメ映画スピンオフなんていうオタクしか喜ばないようなものを見せられても困るだろう。

当時見ていた子供はいても、親も当時一緒に見ていたという家庭は少ないはずだ。

自分の子供と一緒に見たところで、子供おジャ魔女をみたことがないか、見たとしても最近見たばかりだろうから、幼少期の思い出として語る主人公感情移入はできないだろう。

こんな映画大晦日に見るのは、オタク同士で集まって映画を見るだけの変わり者か、実家にも帰らない、それか実家に帰っても部屋にこもってテレビを見ているような冷めた家庭で暮らすやつぐらいだ。

ある意味辻褄はあうな。

他のCHが家族で過ごす時間演出するなら、一人で過ごす連中の方を向いたほうが視聴率は出るだろう。

だけどNHKがそれをやるのは違うんじゃないのか?

お前らはニッチを拾うにしても結局其処にメジャーへの媚を売った形に加工して見せるべきだろう。

そういう役割なんだから

ニッチ向けのニッチ作品そのままで世の中に出すのはNHKに求められる役割じゃない。

受信料を返すべきだろう。

一年の終わりをアニメ映画に出てくる非本職声優へのアンチ活動で終わらせる奴らなんて、見たくはなかったよ。

年の瀬ぐらいゆっくり過ごさせてほしい

2021-12-09

anond:20211207001304

まぁ女の子同士がギスギスやってても男は引くだけだし、女は実生活のそういう部分が嫌だから避けてゲームに逃げてんのに作家オナニー見せつけられてもな、ってなるんじゃない?

でもこれが男だったら感情移入出来ちゃうのかしら、自分とは別カテゴリ存在で惹かれるものがあったから、自分と同じようなドロドロを秘めててそれをその存在なりに解決しようとするからもっと惹かれていくのかしら

 

まぁそういうゲームやったことないんですけどね

2021-11-30

入管での虐待って何か感情移入出来ないよな

もし本当に入管危険ならまずは帰国して、安全なところから日本入管について批判していけばいいのに

わざわざ危険入管にずっと止まって入管人権侵害してると言うのってこんな矛盾ある?w

典型的被害者ポジション獲得闘争しかないだろ

職員煽ったり詐病したりしてトラブルを起こす

そのトラブル解消の過程で大暴れして職員不法行為を引き出して被害者ポジション獲得する

職質動画晒してるやつらと同じだよ

わざとトラブル起こして何とか警官不法行為引き出そうと大立ち回りするやつw

本当しょうもないやつらだよな

そんなんで国民の支持が得られると思ってるんだから

馬鹿自分がやってることの真意相手は読めとれないと思い込んでるんだよな

2021-11-29

なぜかはてなーは刺した犯人感情移入してるけど

どっちかというとお前らハッタショは気づかないうちに人をイラつかせて刺される側の人間だぞ

2021-11-27

anond:20211127150503

宇宙世紀世代自分はもう老人なので、

昨日ガンソード観てて、もうエルドラVの老人達の方に感情移入するようになってたことに気付きました

若いな、若造…」とか言ってみたいだけの人生だった…

2021-11-25

はてなーいじめられっ子多すぎワロタ

犯人供述だけでどんだけ感情移入して噴き上がってるんだよwwww

同じく陰キャネットガイジの集まりであるTogetterコメ欄ももうちょい冷静だぞ

2021-11-24

anond:20211124193507

なんだろうなー2/3くらいは自分の心にロリコンのオスがいて、あどけない虹幼女をめちゃくちゃにしてぇって感情があったりする

大人の女体にも興奮する事はあるし、もしかしたら潜在的バイなのかも

あとの1/3は、気持ちよくなってる虹ロリ感情移入?自己投影?してるのかもなー。もちろん実際の自分の子時代に置き換えて想像したら激しく萎えるし怖…ってなるけど

2021-11-23

地方議員感情移入しすぎなはてなー

うっかり投票しちゃったのかな?

政府与党人間もっと目を光らせてくれよ。なんで白紙領収書スルーなんだよ・・・

2021-11-22

anond:20211122103308

わたし感情移入する能力に劣っています、みたいな話を、イキリ風に開陳するのやめーや

2021-11-18

萌え絵は好きだけどそれを群がるオタクは嫌いっていうオタク

なんで少ないか

AVだってイケメン男優が少ないのは視聴者感情移入のためらしいが 同族嫌悪という概念はないの?

2021-11-13

anond:20211113141504

馬鹿にした感じした?気に障ったらごめんな。そういうつもりはないよ。

どっちかというと、文化に俺が置いていかれた感じがするんだよ。VRとかしたいわけじゃないんだよなぁ、学生主人公感情移入できないなぁ、みたいな。懐古厨なのかな。

2021-11-10

ピクミンブルームやってる人いない?

いたらあのゲームピクミン死ぬかどうかを教えてほしい。

ピクミンデザインや生き物としてはかなり好きでグッズも買い集めたりしてるんだけど、ああいう生き物(系のキャラ)の一匹一匹に感情移入ちゃうタイプから一匹でも死んだらしんどくて出来なくなっちゃうのでゲームに触れてないんだ……

ブルームできるかな?って思ってるんだけど死ぬのかどうかはっきり明言してる書き込みが見つからん 誰か助けてくれ

2021-11-03

恋愛小説の読み方がわからなくてつらい

 「青空文庫なりKindleなりで検索すればいくらでも読めるだろ」ではなく。

 小説を読むとき自分文字から絵や音を想像しながら読んでいるが、恋愛の場面だけは何も想像できない。登場人物の表情が分からない。

 面白い面白くない以前の問題で、登場人物感情移入できても、彼/彼女が抱く恋心には没入できない。「その気持ち分かる」がなさすぎて、五十音表をあ行から順番に見ているような気分で場面を読んでいる。当たり前だが、こう考えた時点で登場人物物語に対する解像度は大幅に下がる。

 正直、厨二コピペみたいで自分でもキモいなと思いながら書いてるけど、実際マジでからないのだ。

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 最近読んだ『若きウェルテルの悩み』を引き合いに出すが、主人公ウェルテルはシャルロッテ(ロッテ)という女性に恋をしていて、でもロッテには許嫁がいるからその恋は報われず、いろんな細かな不幸も重なって、結局ウェルテルは自殺してしまう。最初から希死念慮があるみたいな解説をどこかで読んだけど、最終的な自殺の後押しとなったのは失恋だと自分解釈している。

 超ざっくりとあらすじを要約すると「ウェルテルは失恋したので自殺した」となる。だが字面の上での因果関係理解できても、だからといって「うんうん分かる。辛いよな。分かるよ」とまではいかない。その辛さには同情も共感も納得もできない。読んだ文章をうまく消化しきれない。失恋=辛いという公式を知っていても、自分証明できない。実感としては無機質な報告書を読むように事実確認をしただけで読後感なんてものは無いし、当然ながら理解できないもの面白くないのでストレス疲労感だけが残る。超有名な名作を理解できないという羞恥心が後から自分を責める。

 「面白くなければ読まなければいい」で済むならそうしたいが、自分はそれができない環境に身を置いているため、ただただ苦痛。読み進めたページの分だけストレスが溜まる。『ウェルテル』だって読めと課題に出されたから読んだのであって、課題でなければたぶんウェルテルがロッテに恋心を抱いた場面(書簡体小説なので正確には手紙)で読むのをやめていた。

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 必読と言われるような古典の名作ってだいたい主役の男女の恋愛要素が盛り込んであるし、その恋愛要素で話が動くし、恋愛要素そのもの主題になってたりするので、これから先こんな体たらくではやっていけないという不安が強い。実際に大学講義で「『ウェルテル』を読んで共感できない若者はいない」とか先生に言い切られた。自分20代になって少し経ちましたけど、話に共感できなかったのでもう若者じゃないんですね。

 結局は自分恋愛要素を忌避しているだけかも。嫌悪か? 好き嫌いの話なのか? それなら「自分が悪い」って単純に結論づけられるんだけどな。自分の今までの読み方が間違っていたってことなんだから

 改善しないといけないとは思っている。だから何とか読書量を増やして慣れようとしているのだが、これがしんどいしんどいけど読まなきゃ改善できないから仕方なく読む。つらい。いつか小説を読むことすら苦痛になるのかもしれない。つらい。もっとからいっぱい読んでいればこんなことでいちいち悩んだりはしなかったんだろうな。薄っぺら人生送ってきたんだな。つらい。

ホモセックスしていて楽しいのは完全に感情移入・同期出来るから

相手を責めているのと同時に自分快感を感じることが出来るんだよな。

ミラーリング効果快感フィードバックがある。

ぷっくりクリトリスコスコスしてて何度もイカせてるときも若干の同期はあるんだけど

ホモセックスほどではないんだよ。

とはいえ自分は結局女のほうが好きだから

完全に女みたいな男が居たらいいのになあと常々おもう。

小説を書いていた俺が面白かった中世ヨーロッパの本を共有する

歴史を学ぶ上での四つの視点

かつて趣味小説を十年近く書いていた者だ。俺も理系だが、理系歴史を学ぶ上で決して弱みではない。むしろ物事を大局的に眺め、出来事意味や結果をロジカルに考えるうえでは助けになるし、論理的文章も得意だろう。なので、自信をもって執筆に向かってほしい。

とはいえ、いきなり中世ヨーロッパ舞台にした小説を書くのは難しい。農民であれ騎士であれ、生活の細部を思い描こうとするだけで筆が止まってしまう。朝起きて顔を洗い、用を足して食事をする、その半時間のことなのに細部がさっぱりわからず、筆が進まない。ありがちな悩みだが、深刻な悩みでもある。

仮に十年前の日本舞台にした小説を書こうとしても、「当時はスマホが既にあったか」「はやっていた音楽は何だったか」「あの事件はもう起きていたか」など、俺たちの記憶は甚だ頼りなく、資料に頼らざるを得なくなる。ましてや、生まれる前の出来事など仮定仮定を重ねた蜃気楼のようで、資料なしでは立ちすくんでしまう。よくわかる。なので、俺が読んで面白かった本を共有したい。

ところで、増田世界史勉強したいと述べているが、どうも「小説を書くための中世ヨーロッパ知識が欲しい」と「知識から漠然世界史について学びたい」が混在しているようだ。ブクマレスを見ると、その両方に対する回答がある。俺は、ひとまず前者について答えたく思う。後者については、中央公論社の「世界歴史シリーズか、講談社の「興亡の世界史」を読んで、そこから気になったキーワードからどんどん広げていくといいと思う。なお、俺は前者しか通読していない。

さて、過去世界を生々しく想像するためには、俺は四つの視点必要だと考えている。数理的視点物質視点、非物質視点それからエピソード視点だ。以下、それぞれについて述べる。各々の視点に応じて、手に取るべき書籍は異なってくる。

さらに、この四つの視点があると、頭の中で歴史知識を整理するのに役に立つ。少なくとも俺にとってははやりやすい。

数理的視点

過去世界は偉大なようだが、人口現代よりも少なく、都市の規模は小さく、穀物工業製品生産量も少ない。そういうわけで、もしもタイムスリップして中世大都市を眺めたとしても、その小ささに俺たちは意外さを覚えるかもしれない。確かに現代にも通用する芸術作品はあるかもしれない。時代は異なるが、ピラミッド紫禁城のような壮大な建物もあるだろう。とはいえ庶民はそんな生活とは無縁であったはずだ。パリ城壁は今や環状線であるが、今のパリ都市圏はそれを越えて広がっている。

さて、小説を書く上ではリアリティ必要になる。それを支えるのが数の感覚だ。例えば、ある国家人口がどれくらいで、即時に動員できる兵士がどれくらいで、都市都市距離がどれくらい離れており、移動速度はどれくらいか集落の規模はどの程度か。船舶で運べる量は。モデルとする時代数字をおおよその知っておくことで、明らかに自然描写は減らせるだろう。このあたりについては「銃、病原菌、鉄」や通史的に世界人口を扱った書籍が助けになると思う。細かいことは気にしなくていい。オーダーが合っている程度で充分だ。数字を確かめるだけなら、ウィキペディアだけでもいい。これは英語版を併用することを薦める。

物質視点

要するに衣食住の細部だ。先ほど騎士農民の一日を想像するのが難しいと述べた理由はこれになる。増田必要としているのはおそらくフランシス・ギースの出しているシリーズだ。都市農村、城の生活が細かく書かれている。

他に、当時栽培されていた植物動物については、「世界史を変えた50の○○」シリーズもいい。ある素材が手に入るか入らないか、あるいは知識の有無だけで国の命運が変わるというのは、たびたび起きてきたことだ。中世ではないが、例えばヒッタイトで鉄の製法が独占されたこと、柑橘類で長期航海の敵、壊血病が防げるとか、そうしたことだ。

また、具体的な書名はいちいち挙げられないが、図版の多い図解○○のようなシリーズも良い。もし、増田視覚的にものを考えるタイプならなおのことだ。慣れていくと建築芸術の○○様式というのが何となくわかるようになってくる。

加えて、児童書も侮っては行けない。専門家が監修した子供向けの本は、えりすぐりの内容を含んでいる。仮に含まれていないとしても、これだけは伝えておきたいという基礎知識は抑えてある。これは立花隆が言っていたことだったと記憶しているが、なじみのない分野を学ぶためには基本的な内容の本を三冊読むといいそうだ。なぜなら、本当に大事なことはその三冊すべてに書かれているからであり、結果的にその分野の基礎を身に着けることができる。

物質視点

これは当時の人間が何を知っており、どんな風に考えていたかを指す。直接は物質として残らない、人の頭の中にあった知識文化にまつわることだ。当時の科学知識価値観法律迷信などもここに含めてよい。

さっき中世人の朝を想像するのが難しいと述べたが、昼以降の社会生活想像するのはこれでさらに難しくなる。

たとえば俺は異世界ファンタジーをあまり読まないのだが、中世には叫喚追跡という風習があった。当時のイングランド自由市民犯罪が生じた場合には、その犯人逮捕処罰する義務を負っていた。隣保組織の長は角笛を吹き、大声で喚声をあげながら犯人を追跡しなければならず、また周囲の住民もその指揮に従って追跡に加わることが義務付けられていた。しかも、この協力を怠った住民に対しては制裁が課せられる。寡聞にして、こういうファンタジー小説は読んだことがない。

ここまではいかないにしても、海外文学を読むとなじみのない、ちょっとしたジェスチャー迷信出会うことがある。欧米だと、指を交差させることで幸運を祈るし、ロシア人は今でも扉越しに握手をすることを嫌う(宇宙ステーションでさえ)。この辺にリアリティは宿る。ジェスチャー関係なら、中世とは少しずれるが「常識世界地図」が面白い。

法に関しては詳しくないがが、習慣や生活については先ほど述べたフランシス・ギースの本が参考になると思う。価値観では「中世の秋」がいいだろう。科学史については、増田理系から「磁力と重力発見」を薦めたい。難易度はかなり高いが、知識いか科学になっていくかを肌で感じられる。

当時の職業に関しては、未読だが「十三世紀のハローワーク」がいいらしい。

キリスト教宗教史に関しては、聖書エピソードの概略や聖人伝を知っているといい。絵画が好きなら名画で学ぶ○○といったシリーズがたくさん出ている。ただし、聖書がわかったからと言ってキリスト教がわかったことにはならないので注意。

エピソード視点

これは著名な人物の伝記に関する話だ。あるいは、当時の人々が親しんでいた物語も含めてもいい。こういう偉人の伝記や小話をたくさん知っていると、歴史好きの物知りとしてマウントを取ることができるが、その出来事世界史上でどのような意味があったかを語れなければ、自己満足で終わり益は少ない。とはいえ、興味深いのは確かで、プロットの参考になるかもしれない。

このあたりの知識のためには、児童書も含めて伝記を読みあさることになる。または、ハプスブルク家歴史だとか、各国史だとかを扱った新書を乱読する。絵画に興味があるなら、これも名画で見る○○のようなシリーズおすすめだ。

当時の人々に身近だっただろう中世騎士物語については、ブルフィンチアーサー王伝説シャルルマーニュ伝説をまとめている。それとは別にマビノギオン」も面白い。とはいえ、いきなり原典に当たる必要はなく、入門書を読めばいい。

ギリシアローマ神話は呉茂一の本が細かいところまで網羅しているし、ホメロスオウィディウス岩波文庫に入っているが、呉茂一の本は初心者には細かすぎるし、原典に当たるのは趣味領域から小説を書くなら入門書で充分だと思う。同様の理由で、「史記」だとか「ローマ帝国興亡史」なども趣味に属する。当時ならではの視点面白いが、鵜呑みにできない誤謬もあるだろう。

かに読んで面白かったもの

もちろん、単純に上記の分類にすべて本が収まるわけではない。大抵の通史・各国史はこれらを兼ね備えている。

以下、何となく面白かったものを思いついたままに書く。「中世ヨーロッパ歴史」「十二世ルネサンス」「ケルトの水脈」「西ヨーロッパ世界形成」(ただしこの本は著名な王の事績ほとんどの載っておらず、当時の価値観や考え方についてのページがほとんどで、そこがアマゾンで叩かれている)。それから、隣人から視点として「「イスラームから見た世界史」「アラブが見た十字軍」など。

書き洩らしているかもしれないが、今のところ思いつくのは以上だ。

他に、中世舞台にした小説映画おすすめだ。難解だが読み応えのあるミステリ薔薇の名前」、SFだが「異星人の郷」がいい。「大聖堂」は未読だ。「モンティ・パイソン・アンド・ホーリーグレイル」はコメディだが細部の正確さは中世映画随一であるとのこと。毒のある笑いに抵抗がなければおすすめ

増田に注意してほしいこと

中世風の舞台を描くために中世について勉強する。素晴らしいことだ。俺は敬意を表する。それに読んでいるうちにどんどん楽しくなってくるだろう。何かを知る、これは純粋な喜びだ。

だが、小説を書く以上、ある程度は想像力で補わないといけない。ある場面を書く際に必要情報があるとしても、そもそもその資料存在しないかもしれない。研究者でさえわからないことは多い。俺もこれだけ読んできたが、わからないことだらけだ。むしろ、疑問が深まった感さえある。細部も忘れてしまった。増田はぜひ自分で本を買ってメモを取るなり線を引くなりしてほしい。読み飛ばさず、時間を掛ければそれだけ得るものも多いだろう。

もっとも、描写に困った場合は、該当シーンを省いてしまうのも手だ。小川哲がどこかで述べていたが、ある歴史SFを書くときに、細部を省略したシーンがあるという。ストーリーにあまり関わらない部分を省くのは、立派なテクニックだ。読者だって中世建築の細部について延々読まされても困るだろう。

もうひとつ忘れてはいけないのは、増田研究者になろうとしているのではなく、小説を書こうとしている、ということだ。知識目的ではなく、手段だ。これを忘れてしまうと、他人の設定の粗を探したり、中世なのに価値観現代的なのを揶揄し始めたりする。こうなると、物語世界を素直に楽しめなくなる。

大事なのは歴史的正確さよりも、読者を喜ばせることだ。そういう意味では、演出として火薬が出てきたっていい。あるいは、読者が感情移入やすくするように、人を殺してなんぼの武将ではなく、戦争で人を殺すことをためらう武将として、描写する必要がある(ドラマ戦国武将がやたらと戦争を嫌い、優しいのはそのためだ)。異世界ファンタジーの読者が読みたいのは中世ではなく、中世っぽいものだ。そもそも中世ヨーロッパ風なのに唯一神を信じていないファンタジーは多い。

そういう意味では、本を読んでもその知識が直接生きることは少ないかもしれない。くれぐれも、読者に向かって知識をひけらかしてはいけない。あるシーンの正確さのために資料に当たるのはいいが、その成果を延々披露しては読者のストレスになるだけだ。もちろんそういう衒学的な歴史小説もあり、固定ファンはついているが、ネット小説の読者には少ないだろうし、ネット小説の肝であるPVを稼ぐことにはならない。これはいい悪いではなく、ネット書籍媒体の差だと思っている。

また、レッドオーシャン中世ヨーロッパファンタジーに飛び込むのなら、正確さよりも作者の専門知を活かしたものの方が(ブクマで書いている方もいるが)読者の目に留まりそうである。そして、くどいようだが、これだけおすすめの本を書いてきたが、読者が欲しいのは正確な知識ではなく血沸き肉躍る物語である

だが、作者にとっての最大の危険は、どんな物語よりも過去に起きた事実の方が面白いのだと気づいてしまうことだ。この罠にはまると、どんな小説所詮作り事と思われて素直に読めず、何を書いてもむなしくなってしまう。言い換えるなら、創作欲が知識に殺されてしまう。増田には、これに一番気を付けてもらいたい。

それを防ぐには、面白小説を読み、面白ものを書くこと、これに尽きる。先行作品としての中世ファンタジーを愛し、数多く読み、繰り返し読むこと。

知識の増える専門書を読むより、中世ファンタジーの書き方を読むべきだった、と増田がならぬよう、幸運を祈る。

anond:20211031163129

2021-11-02

anond:20211102120338

元増田だけど、確かにあの映画花子側に感情移入していた気がする。場末居酒屋に連れてこられて逃げたくなる気持ちがとてもわかる。

2021-10-29

ワイは自分が「醜いオタク」だから、醜いオタクを描くことで感情移入やすくなる系表現とかええやんと思うけど

でもたぶんもうオタクにもある程度醜くないのが入ってきてしまってるんだろうなあと

2021-10-28

おかえりモネの亮ちんのルックスが良すぎて感情移入できない

朝ドラ「おかえりモネ」の登場人物「亮ちん」は非常に不幸な境遇のため鬱屈した性格になった青年なんだけど

演じている役者さんのルックスが良すぎて「お前不幸だけどさ、その顔面を持って生まれてきただけでお釣りがくるだろ」と思ってしま

作品に「ミツオ」という顔面不細工人物も登場するのだが

もし「亮ちん」と「ミツオ」を演じている役者さんが逆だったら俺はTVの前で物凄く感情移入してワンワンイオイ泣いている筈なんだ

2021-10-27

意味が分かると泣ける珠玉名曲槇原敬之わさび

2021年10月25日に先行配信が開始され今日CDが発売される、槇原敬之の復帰作『宜候(ようそろ)』。

引用という形式ですが、考察として歌詞を書き起こしている都合上、このエントリはすぐ消します。)

こんな素敵な曲なのにネット上でも思ったより反応が薄いのが驚いている。

一方で、仕事中にもかかわらず号泣してしまうほど刺さってる人も居る。俺のことや。

歌詞提供しているのは、尾崎豊村下孝蔵玉置浩二浜田省吾プロデュースしている音楽プロデューサー須藤晃。

説得力のある歌詞歌唱力で人々を魅了してきた。

槇原敬之わさび

https://www.youtube.com/watch?v=vjyQTWT-Oe8

マッキーの静かに語りかけるような独唱

歌詞が伝わりやすいよう、敢えて伴奏ピアノだけという最小限のスタイル

まずは何も言わず配信サービスで聴いてくれ。冒頭35秒だけでいい。

話はそれからだ。

https://ssm.lnk.to/Yosoro

ジョジョを読んだことがない者は幸いである。

これから読むことができるから。」 ーー詠み人知らず

同様に、まだこの曲を聴いたことのないみなさんも幸いである。

私は普段歌詞考察歌詞解説といった野暮なことは一切しない。

その作品出会った際に各々が感じた時のフィーリング気づきこそが宝物だと思っているからだ。

たとえ善意でも、ネタバレによって公式意図と違う形で聴き手に伝わってしまうのはファンとして本意ではない。

ましてや、私個人解釈というフィルターを通すと全く違った風景で見えてしまうだろう。

説明しよう!」と割り込む人は、その作品に邂逅した時の感動を減らし自論を押し付けしまうことになるかもしれない。(本稿の私のことである。)

例えば、誰かがジョーク飛ばして周りが笑ってるのに

「今のは何が面白かったの?」と解説を求めると白けてしまうだろう。

しかしたら自分の前では二度とジョークを言ってくれないかもしれない。

自分の頭や感覚理解することに意味があるのだ。

ガルパンおじさんが「ガルパンはいいぞ」としか言わないのは、単に語彙力が足りないからだと思っていた。

しかし、実際に観てみるとそういった優しさからだったのだと今なら分かる。ガルパンはいいぞ。

だが、この忙しい現代社会

皮肉なことに、日々の仕事や家庭生活真剣に向き合う人ほど

こういった曲のテーマが届かないものである

また、曲の背景に想いを馳せるためには少しばかり教養必要となる。

なので、歌詞考察一助となれば増田冥利に尽きる。

(YOASOBI「夜に駆ける」の原作小説タナトスの誘惑」を読んで納得して

感銘を受けるタイプ歌詞考察厨はぜひ聴いてほしい。)

以下、歌詞引用

ネタバレ厳禁な方はここでブラウザバック推奨。

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「どちら様かは存じませんが

そのサングラスやめなさい

悪い輩(やから)に見えたら損よ

その目を私に見せなさい」

ばあちゃん 俺に微笑みかけて

かすれた声で叱ったよ

出会いと別れを 繰り返し

「もう慣れたわよ」と言ったけど

「やっぱり一人は つらいか

誰かの傍にいなさいね

ばあちゃん遠くの空を見て

さな声でつぶやいた

「夢なんて叶わぬうちが花だけど

かに明日を待ちなさい

待ってるだけでは駄目だから

行きたい場所を目指しなさい」

「橋の袂で声かけられて

いかんざし褒められた

あの日の私が一番綺麗

忘れられない思い出よ」

ばあちゃんはにかみ謝った

「ごめんなさいね こんな話」

「毛皮も指輪も 押し入れの中

どこに置いたか 忘れたわ

一度ハワイに 連れてってくれ

息子に頼んでみたけれど

伊勢神宮さえ 行けなくて

膝が悪くて 行けなくて」

「先頭に立たないように気を付けて

争いごとは やめなさい

じゃんけんぽんは あいこでしょ

いつまでたっても あいこでしょ

「今度訪ねてくれるなら

土産にお寿司を持ってきて

どちら様かは存じませんが

これも何かの縁でしょう

白身の魚に烏賊と蛸

わさびを抜いてくださいね

人生は思うようにはなりません

それでも希望を持ちなさい

神様なんていないけど

わたしはずっとわたしでしょ

変わっていくものを嘆くより

変わらぬものを愛しなさい

笑う門には福来る

あなたはずっとあなたでしょ

あなたはずっとあなたでしょ」


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さて、以降は2回以上聴いた人に読んでもらいたい。

答え合わせをしましょう。(抜け・漏れ解釈違いがたくさんあるはずなので、どうかコメントで補足お願いします。)

歌詞の大部分が、お節介な性分の認知症の「ばあちゃん」が孫(孫と認識されていない)に向けて語りかけるセリフである

叙述トリックで多用される「信頼できない語り手」の可能性も考慮せねばならない。なんせ認識が歪んでいるのだから。)

一見すると(前半はともかく)後半は思い出すままに過去を語ったり、

人生の先輩としてアドバイスを始めたり脈絡が無いように思われる。

しかし、言葉ひとつひとつに含蓄や温度感があり何故か聞き流せない。

出会いと別れを繰り返し」:記憶を失う(別れる)→自己紹介出会い)のループを指すのだろう。

後半で自分の孫に「どちら様かは存じませんが」とまた語りかけるので、「ばあちゃんまたボケとるわ!」とツッコんでしまう。

「やっぱり一人は つらいから 誰かの傍にいなさいね」と語りかけられても、

「ばあちゃん、いま孫がそばにおるんやで…」とさみしくなってしまう。

認知症祖父母介護した経験がある人は共感できると思う。


ところで、こういった違和感がないだろうか。

ハワイに行けなかったら妥協点で伊勢神宮が来るのおかしくない?

・というかハワイに連れて行ってもらいたかったら息子より先に夫に頼めよ

唐突な「じゃんけんぽんはあいこでしょ

・孫のことは何度も忘れてるのに、若い頃に口説かれたことは「忘れられない思い出よ」?

・なぜサングラスをかけるだけで「周囲から悪い輩(ヤカラ)と認定される」と思い込んでいるのか?

グラサンといえばローランの民からすれば陛下象徴と言っても過言ではないだろう)

こういった違和感や疑問を紐解き、一本の補助線を引けば、

ハマらないと思っていたパズルピースが繋がり、この歌詞全体像が視える。

「ばあちゃん」は若い時の戦争経験を語っているのである

「ばあちゃん」は戦災未亡人戦没者遺族であったのだ。

それを前提にもう一度聴いてほしい。

「先頭に立たないように 気を付けて

争いごとは やめなさい」

この歌詞が異様に生々しく感じないだろうか。

まるで親しい人が先頭に立ったせいで亡くなったかのような物言いである

じゃんけんぽんは あいこでしょ

軍艦じゃんけんの掛け声「せーんそっ(戦争)」を嫌ったのではないだろうか。

「グー・チョキ・パー」は「軍艦朝鮮ハワイ軍艦沈没ハワイ地域もあるらしい)」に置き換えられている。

小学校の時に「不謹慎だ」と先生に叱られた人もいるのではないだろうか。

実際、その後にお土産としてお寿司を細かくリクエストしている割に、「軍艦巻き」は入っていない。

「一度ハワイに 連れてってくれ

息子に頼んでみたけれど

伊勢神宮さえ 行けなくて」

→夫が居ないので息子に頼んでいる。おそらくハワイで亡くなった(と聞かされており、真偽は不明)。

そもそも、「ばあちゃん」は太平洋地名ハワイぐらいしか知らない可能性も高い。

なぜなら当時のメディアは時の政府の統制下にあり、大本営発表検証せず偏向報道をするプロパガンダの道具となっていたからだ。

国威発揚のため、日本軍勝利事実以上に喧伝し、大敗事実隠蔽する構造であった。

真珠湾奇襲の報道は大々的に宣伝したので、その印象が強いのではないか

さて、ばあちゃんハワイに夫を弔いに行きたいが、それが無理ならせめて国内で、

ということで日本全国最高位の神社である伊勢神宮にお参りしたいわけだ。

戦後世代にとっては戦没者を祀るのは靖国神社というイメージが強いが、

戦前世代にとっては伊勢信仰普通であったようだ。現在神社本庁の本宗は伊勢神宮

(ちなみに作詞須藤晃は富山県出身槇原敬之大阪府高槻市出身。)

「夢なんて叶わぬうちが花だけど

かに明日を待ちなさい

待ってるだけでは駄目だから

行きたい場所を目指しなさい」

→これは解釈が分かれるところか。素直に歌詞通りに受け取っても良い。

膝を悪くしてしまい二度と夫の弔いという夢が望めなくなってしまった悔恨にも解釈できる。


「橋の袂で声かけられて

いかんざし褒められた

あの日の私が一番綺麗

忘れられない思い出よ」

→孫(俺)のことは何度も忘れるくせに、「忘れられない思い出よ」。

その理由は、夫と過ごした時間が少なく他に思い出が無いからではないか

日常的に赤いかんざしを身に着ける習慣はないと思われるので、

お見合いで精いっぱい着飾ったシチュエーションが想定される。

貧乏ながらも家族が増えて幸せな将来を予期していたところ、

戦争が始まってしまい夫が徴兵されたのだろう。


・「毛皮も指輪も 押し入れの中」

財産が毛皮と指輪しかない。おそらく夫からの贈り物。

・「サングラス=悪い輩」というばあちゃん先入観は、

GHQ連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーの印象によるものではないか

「変わっていくものを嘆くより

 変わらぬものを愛しなさい」

→生きている人より、亡くなった夫への執着を感じないだろうか。

・「あなたはずっとあなたでしょ」

ここの「あなた」は孫(俺)に語っているように見えるが本当にそうだろうか。

夫に似た孫の姿を通して、

過去の思い出の姿の夫に、

あなたはずっとあなたでしょ」と語っているように感じる。

ここにきて思い当たる

「その目を私に見せなさい」と言われサングラスを外し、孫の目を見る描写

ここでばあちゃんは若き日の夫を思い出す。

それをきっかけにこの歌詞セリフのような回想が始まったのがこの曲じゃないだろうか。

タイトルが「ばあちゃん」じゃないのは、一人称が「俺(孫)」に固定されてしま

ばあちゃん感情移入できなくなるからじゃないだろうか。

「ばあちゃん」に感情移入させたいので、

メインディッシュにもなれず世の中の隅っこで苦い人生を送ってきた「ばあちゃん」の象徴として「わさび」がタイトルとして選ばれたのだろう。

わかる。俺もわさび抜きの人生がいい。

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