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2021-12-11

映画『フラ・フラダンス』が今年一番の傑作だった

しばらく映画館に通ってなくテレビも持ってないので、公開前日まで存在を知らなかったくらいだが、これがなかなかどうして近年稀に見る出来だった。

個人的には以下に当てはまる人にオススメできると思う。


さて、そんな想いとは裏腹に観客動員数が伸びてない(はてなーが好みそうな作品なのにブクマも少ない)ようなので、なるたけネタバレを伏せた上でここに私見を残すことにした。

キャストやあらすじは公式サイトを見られたし。

オリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』絶賛公開中

物語が動き出すまでにひと悶着がない

葛藤したり両親が反対したりすることなく、冒頭の10分くらいで主人公日羽はフラを始めることを決心する。

上記のようなありきたりな展開に陥りがちな経緯があったにもかかわらず、そうならなかったのがよかった。(尺の都合もあろうが。)

ただ、やはり相応の年月が経ってることがなせる業だとも思った。これが5年前であれば、難しかたかもしれない。

悪役がいない

話を途端につまらなくする要因の1つが(絵に描いたような凡庸な)悪役の存在だと思ってる。

そららを主人公サイドがやっつけてメデタシメダタシ……というエンドが大嫌いなもんで。

日羽たちが叱責されるシーンはあるのだが、もっともな理由あってのことなので、不快には感じなかった。

基底に史実がある

不幸な出来事がありました――といわれても、よほどの説得力をもって描かれない限り、どうにも感情移入しかねる。

そこへいくと史実はやはり強い。多くの人達実体験してまだ記憶に新しいのであればなおのこと、だ。

ある意味ではチートだともいえるが、この物語を紡ぐにはこの史実必然だったのだから、まあしょうがない。

鈴懸さんやタクシーの運ちゃんの(何気ない)セリフには感じ入るところがあった。当たり前のように来る明日感謝

境遇が重なる

ここは人によるだろうが、日羽たち5人それぞれの境遇自分に重ねることができた。

1人だけできずに自信をなくしたり、ホームシックになったり、親に反対されたりなどを見て高校時代卒業後に東京へ出てきたころを思い出した。

そんなときに支えになってくれたのは、劇中のようにやはり周りの人たちだった。

背景が美麗

電車の乗り換えで小一時間ほどしか滞在したことはないのだが、いわき自然や道、街並みの再現性が素晴らしかった。

実写よりも色鮮やかに描けたり春夏秋冬を一作で出したりできる、このへんはアニメーションの真骨頂だろう。

エンドロールが秀逸

迎えたエンドロール流れる主題歌スクリーンに映し出される数々の画の調和が実に見事だった。

舞台となったハワイアンズをご存知の人であれば、ことさら感動するのではないだとうか。

地味

最後になるが、(ライブシーンはともかく)ストーリーに派手さはない。地味だという感想散見された。

だが、それがいいアラフォーという齢がそうさせるのか、昔よりも地に足のついた作品を好むようになった。

うまく踊れないのであれば、できることは1つ、ひたすら反復練習するだけだ。学問にもダンスにも近道はないのだ。

(書いてて気づいたが、このあたりのスポ根要素は「ウマ娘」にも通ずるところがあるかも。)

まだまだ語り尽くせないが、続きはぜひ劇場で観たあなたに書いてほしい。

願わくばこのようなテイスト作品が後に続くことを祈念して筆を擱くこととする。

 
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