はてなキーワード: ジャズとは
深刻なのになると、専攻している楽器そのものが「自分のやりたいことじゃない」と言い出す場合も。
でも、マジな疑問として音大まで行ってそんな事ある??
クラシックの何が嫌いなんだろう?
音大なんて端から無理だったクラシック好きの楽器愛好者からしたら、
「クラシックより好きな道に行った」
ならまだわかるけど、
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思春期にナンバガやゴイステを聴く陰気な少年をマジでかっこいいと思ってるし、自分もそうありたかった。
実際の所は姉の影響やミーハー心で事変やサカナクションを聴いていた。最近はそれもまた等身大の高校生といった感じで良いような気もしてきた。逆張りの申し子だったからそもそもオーケストラやジャズばっかり聴いていてロックはあんまりだったが……
夜の踊り子の焦らしは今でも高ぶるし、群青日和のギターソロは本当にかっこよくてクネクネせずにはいられない。
借り物の青春像ではなく、最大音量で1812年を聴きながら高尾山に登ってみたり、閃光少女のアウトロを何百回も繰り返しながら多摩川を延々下ってみたりした逃避行の原体験に誠実でありたい。
ここ1年で初めてはてなブックマーク日毎の総合人気エントリ入りしたドメインからのホットエントリ、ブクマ数順トップ30
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50-60年代のジャズにハマり出したけど、名盤が多過ぎて「あとで聴く」が溜まってヤバい。
ディスクガイド本を見ながらサブスクで試し聞きして気に入った曲をポイポイとプレイリストに入れていったら30時間分くらいになるし、そこからさらにアルバムを深掘りして聞いたり、後の時代のものを聞いたりしたら無限に聞くべきものが出てくる。
昨日は「ウェイン・ショーターって人のNight Dreamerってアルバム、ジャケットも含めてかっこいい… あ、ウェザーリポートってこの人のバンドなんだ、名前だけ知ってるわ」と思ってたら訃報のニュースがあって驚いた。もはや伝説の時代の人で生きていると思ってなかったから。せっかくだから聞きこんでおくことにする。
・「俺たち、最高だったな」のセリフいとエモし
ずっと組むっていうのがない〜の下りと
掛け算で感情にきた
あの3人が組んだ1年は時間的に見ると短い一時だったけど滅茶苦茶熱い完全消化、今後生きてくのに焼き付く時間だったんだなあって
東大的な大学にガチガチの運動部やりながら現役合格するのすごすぎ
早稲田やったわどっちにせろすごすぎィ
普通の人だったら「そんなに早く上手くなる訳ないじゃろ!」ってなるけどこの人ならまあ…ってなる
「ようやっとる」グッ と
・ピアノの人、あざてえよ…
こんなん好きになるやろ…
「ちんちんでか男」みたいな名前になってなかった?違う?そっか…
・ピアノの人、「ピアノやるならそんな指傷めるリスクの高い所じゃなくて接客業とかやればいいのに」と思ったらアッ
・所々挟まれる「当時を振り返って〜」ターンで不穏になった この時間は…永遠じゃないんか…?
・色んなおじさんが沢山出てたまに「このおじさん誰?!誰なのぉ?!」ってなった
公開初週の日曜だったか原作ファンっぽい一人鑑賞おじさん勢が多い印象
・モブサイコの監督の人って聞いてほえ〜せなんや〜と思ったら思ったより共通点あった 演奏シーンのカラフルな波とか異次元に連れてかれる感じとか
・主人公の演奏に魅せられると一瞬金色にピカッってなる演出、カッコイイ
原作読んでみたくなった
追記)
よかった
一緒に行った人が「初ライブの演奏以降、良すぎて自然に涙がでてきた」っていってて映画すげえや!ってなった
お客さん、やっぱ40〜60代位の男性が多め
2回目だと初ライブが「ぴったり合ってない」感じに聞こえて、ライブを重ねてくにつれて音がぴったり合ってくのがわかって面白かった
1回目だと「初ライブから上手いじゃん!」ってなったけど2回目だと「ピアノとサックスそれぞれ上手いけどなんか慌ててる・走ってる・いまいち重なりきらない上手い音+滅茶苦茶パニクってがんばってるドラム」って感じだった
クラシックやジャズに興味がないという人も少なくはないでしょう。かなり初歩的な内容になりますが、編成について少しだけでも知れば解像度が上がるかもしれません。音楽は調和の芸術ですが、個々の音に分解して耳を傾けてみるのも楽しいのではないかと思います。
バッハやベートーヴェンなど、いわゆるクラシック音楽などの編成。映画音楽もこれが多いですね。弦、金管、木管、打楽器が編成の基本。
弦は小さい方からバイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス。
打楽器は……まあ、色々です。スネア、ティンパニ、シロフォン(木琴1)、マリンバ(木琴2)、グロッケン(鉄琴1)、ビブラフォン(鉄琴2)、…etc
ここぞという時に使う持ち替えの楽器というものもあります。フルートの人がピッコロ、トランペットの人がピッコロトランペット、オーボエの人がイングリッシュホルン、他にも色々。
小さい楽器ほど高い音が鳴り主旋律を担当し、大きくなるほど低い音になりリズム隊の担当になります。中間の楽器はそれぞれの橋渡しと言った所でしょう。
弦楽器は和音も出せますが、基本的にオーケストラで使う楽器は単音しか出せません。調和の音楽たる所以でしょう。
楽曲によってはハープやピアノ、その他おもしろ楽器(打楽器による担当が多い気がする)が入ったりもします。サックスは基本入らないのですが、新しめの曲だと使われる事もあります。
楽器ごとに1st、2st、3rd(、4th…)と担当が分かれます。部活などでは、基本上の学年(か実力者)ほど若い数字のパートを担当。ソロは基本1st、曲により2ndが担当。
数字が若いほど高い音を担当し、パート全体で和音を構成します。
ソロパートなど目立てる箇所もありますが、個は埋もれがちかもしれませんね。指揮者に束ねられ、各々が細かく決められた役割のもと調和を目指す編成なのでしょう。
余談ですが、指揮者ってただ棒を振り回しているだけではなくて、コンサート本番に向けて楽団の練習を仕上げる監督の役割も大きいんですよ。
・室内楽
「クラシック」で一括りにされがちですが、オーケストラ以外にも少人数の編成があります。オーケストラが大衆向けの音楽だとしたら、室内楽は音楽が貴族のものだった頃の編成と言えるでしょう。音楽家に演奏させたり、自分らで演奏したり。バッハやモーツァルトが得意とする所ですね。
二人ならデュオ、三人ならトリオ、四人ならカルテット、五人ならクインテット……
編成は色々です。
弦楽四重奏のパッヘルベルのカノンなんかは極めて有名ですね。エヴァの旧劇場版のエンディングで流れた時、感動しました。木管五重奏では、なぜか金管のホルンが入ったりもます。
少人数で個が立つ編成の分、ジャズにも近い側面があるかもしれませんね。
・ジャズ
現代のポップスやロックの原点である、偉大なブラック・ミュージック。
ルーツについては色々言われているようです。その一つに、スコット・ジョプリンに代表されるラグタイムというピアノの曲のジャンルがあります。彼の"The Entertainer"は誰しも一度は聴いたことがあるでしょう。"Bethena"もベンジャミン・バトンで重要なテーマ曲になっていました。
彼の曲を「クラシック」ではなく「ラグタイム」と言えると、ちょっとかっこいいかもしれませんね。
さて、ジャズの編成について。
トリオやカルテットなど、少人数でのセッションとビッグバンドに大別されます。
ドラムス、ウッドベース(オーケストラで使うコントラバスと同じものです。弓は使わずピッチカートだけで弾く場合が多いですね)、エレキベースなどのリズム楽器、トランペット、トロンボーン、アルトサックス、テナーサックスなどのメロディー楽器。あるいはボーカルも。ピアノとエレキギターは万能です。
それぞれから一つずつ以上選ぶのが基本です。ベーシックな編成としては、ドラムス、ベース、ピアノ/管楽器/ボーカルのトリオでしょうか。
しかしジャズは自由な音楽です。リズム隊のベースやドラムにもよくソロが与えられますし、何ならメロディを丸ごと担当する事だってあります。
変わり種でフルートやバスクラリネットという楽器なんかも使われたりします。
大きなクラリネットにサックスみたいなウツボカズラがついててかっこいいんですよこの楽器。ジャズの奏者ではエリック・ドルフィーが有名です。
色々な編成を聴いてジャズという音楽の懐の深さを感じるのもまた一興でしょう。
そして、ビッグバンドについて。ビッグバンドといえばグレン・ミラー。youtubeで色々聴けると思います。どれか一つくらいは耳に覚えがあるでしょう。『茶色の小瓶』や『アメリカン・パトロール』なんかが特に有名ですね。
編成としては、ブラスバンドに近いかもしれません。金管はトランペット、トロンボーン、木管はクラリネットとバリトン〜アルトサックス、リズム隊にピアノ、ベース、ドラムス。オーケストラ同様に、1st、2ndが割り振られます。
少人数でのセッションのライブ感に対して、比較的まとまりのあるサウンドと言いましょうか。予定調和的ではあるかもしれませんが、足並み揃った音の厚みや迫力はまた魅力的なものです。
偏見ですが、中高の吹奏楽部員上がりはビッグバンドかオーケストラに入りがちな気がします。
ジャズの魅力の一つに、キンキンと鳴り響く金管のハイトーンがあります。メイナードファーガソンや、エリック宮城なんかが有名どころでしょうか。「すごい!かっこいいなあ…」となるものですが、こればっかりは実際に自分で楽器をやってみないと凄さが中々分からないものでしょう。
余談ですが、ビッグバンドのトランペットは2ndがソロを吹く事も少なくありません。1stもハイノートで疲れているんでしょうかね。
ジャズにはフュージョンというジャンルもあり、T-SQUAREやウェザー・リポートなどが代表的でしょうか。今はあまり流行りではありませんでしたが、EWIやリリコンという電子管楽器が使われていました。ジャズがスノッブで肩肘張った音楽ジャンルに思われるかもしれませんが、案外ミーハーな所もあるかもしれませんよ。
・吹奏楽
日本の部活ではこれ。たまに間違えられますが、「ブラスバンド」はサックス+金管楽器(+パーカッション)の編成なので、実は異なるものです。サックスも金管楽器なんじゃないか?と思われるかもしれませんが、楽器の素材ではなく音の出し方による分類のため、木管楽器になります。
ブラスバンドにはスーザフォンやコルネット(ほぼトランペットです)、バリトンやアルトホルンなどマイナーな楽器が使われたりもます。
さて、本題の吹奏楽。
基本的にはオーケストラから弦楽器が丸ごと抜け落ち、管楽器にユーフォニアムとサックスが入ります。「吹奏」楽たる所以ですね。
管弦楽曲の吹奏楽編曲では、弦楽器が担っていた主旋律をクラリネットが代わりに担当している印象があります。しかし、弦と管ではやはり表現が異なります。特にピッチカートという弦を弾く演奏法は、管楽器でいくらスタッカートを強調した所で別なものです。にもかかわらず、指揮者に「ピッチカートっぽく弾いて」なんて無茶振りをされる光景はままあるような気がします。
中高生の部活で弦楽器を扱うのが難しい(幼い頃からやっていないと人前で演奏するレベルになるのは難しいという風潮?傾向?があります)という事情のもと、部活では管弦楽ではなく吹奏楽が多く採用されているのではないかと思います。
しかし、吹奏楽独自の編成を活かした曲があまり書かれておらず、オーケストラやジャズ、ポップスの吹奏楽版編曲が多く演奏されがちな気がします。それって別に吹奏楽編成でやる必要なくない?となってしまうので、吹奏楽らしさを活かした快活で明るいサウンドにしようとの苦心が見られますが、どうにもダサい方に転んでしまう印象を受けます。
悪口のようになってしまいましたが、吹奏楽にも独自の良さはあるはずです。コンクールでもよく使われる曲を作っている樽屋雅徳という方は、吹奏楽編成のための曲を書いているので、興味があればぜひ。
日本のスポティファイで新しいアーティストがランクインしないのは、新曲を聴かせる経路が日本では完全になくなったからだ。
では、かつてそれはなんだったのかというと、音楽番組と有線。
かつて日本ではほぼ毎日、音楽番組が放映されていてそこで新人が曲を披露していた。
それがここ十年で皆無になった。
この恐ろしいほどの変化はあまり気づかれていない。
それと有線。以前はどこに行っても有線で最新の曲が流れていた。
カフェに行っても有線。居酒屋に行っても有線。電気屋に行っても有線。
しかし、今や有線を流しているような店は皆無だ。
どこもかしこもスポティファイでジャズかオールディーズのロックを流している。
そもそも外を歩いていて邦楽の曲を聴くということがめっきりなくなった。
新曲が流れている場所がないのだから、それを知ることができないのは当然だ。
今の日本では新曲を探して聴くという行為は相当マニアックな趣味になっている。
クラブが気軽に行ける場所ではない日本ではクラブ文化が根付いていない。
日本では'76年に、フィレス・レーベルの作品がまとめて再発売されたことがありましたが、ボックス形式としては本邦初で、しかもCDのボックスとしては今回が世界初ということになります。また同時に、<ヒーズ・ア・レベル>という、関係者のインタビューを中心にした本が白夜書房から発売されます。それを読みながらこのBOXを聞きますと512倍楽しく聞けることを保証致します。
1958年、17才にして彼は”スター”でした。この後ポップスの歴史を彩ることになるクリスタルズやロネッツ、キャロル・キングやバリー・マン、ビーチ・ボーイズやビートルズの誰よりも先に<NO.1ヒット>を持っていた!、このことが良くも悪くもスペクターのその後の人生を決定づけたと思います。ポップス史上、#1ヒットを星の数ほど作り続けたリーバー&ストラーや、ジョージ・マーチンも、自らの#1ヒットはなく、このことが彼を単に<プロデューサー>の範疇では捉えられない最大の理由です。<彼を知ることは、彼を愛することだ>というデビュー曲の<彼>は、もちろんスペクター本人の意味で、そこには強引さ、傲慢さも感じられますが、実はそれが力強くもあり、<スターの要素>そのものだともいえます。彼の仕事ぶりを評して、全てを自分一色に染めてしまう、という批判をよく聞きますが、これはことの本質を理解してい居ない人の発言です。かれは<裏方>ではなく<スター>なのです!それを、アーティストの持ち味を引き出すのがプロデューサーの仕事だ、という常識的な意味で彼を捉えようとするから批判的になるのです。彼こそが<スター>で、誰が歌おうか演奏しようが、他の人は全て脇役なのです。単に映画監督と言う視点でヒッチコックを捉えるとおもしろい解釈は生まれない、というのにも似ています。(誰が主演でもヒッチの映画になります。黒沢さんもそうですね。)
デビュー・アルバム「TEDDY BEARS SING」のB-1「I DON'T NEED YOU ANYMORE」の<ステレオ・バージョン>はナント、リード・ボーカルの女の子の声が左で、真ん中がフィルのコーラス、しかも、ところどころリード・ボーカルの3倍くらいの大きさでコーラスが<邪魔をする>といってもいいほどの前代未聞のバランス!です。
デビュー前からしてこうなのですから、自己主張とかワガママなどという、なまやさしいことではないのです。
SCHOOLもの
のちにブラック・ミュージックにのめり込んでいった彼ですが、スタートは白人ポップスでした。まずは自らのヴォーカリスト、ギターリスト、および作曲家としての才能を試すところからはじめた、というところでしょうか。'50年代後半は、まだ黒人音楽は一般的ではありませんでしたが、若者の間では熱狂的な指示を得ていました。スペクターもいろいろな黒人アーティストを聞いていたようですが、こと自分のデビューに関しては、世間的に穏便な方法をとったところなど<奇[...]
また'50年代中期には「暴力教室」をはじめ「HIGHSCHOOL CONFIDENTIAL」など<怒れる若者>をテーマにした映画が続々と作られ、その代表としてJ・ディーンが登場し、代表作が「理由なき反抗」-REBEL WITHOUT A CAUSE -でした。このように、当時の若者のキー・ワードの一つは<REBEL>であり、「乱暴者」のマーロン・ブランドのような皮ジャン、サングラス、バイクというスタイルが流行しました。
彼のでデビュー・ソングはたしかに<学園もの>でしたが、それまでの、例えばドリス・デイの「先生のお気に入り」調のホンワカしたものではなく、女の子が自分の想いを直接的、また積極的に<ナゼわかってくれないの?>と切々と歌い上げるというのは冬至の若者のフィーリングにピッタシきたようです。実はこの手法、スペクター特有の<ソフィスティケーションの中の直接性>というもので、彼を理会する上で大事なことなのです。
ある程度、あるいはそれ以上の音楽の素養がなければミュージシャンや作曲家になれなかったジャズと違って、ギター1本あればだれでもロックンローラーになれる、というのがロックの時代でした。子供が技術を会得して成長し、大人の仲間入りをするのがジャズだとすると、ロックは、子供が子供のままで音楽ができるというのが特徴でした。ヒョットしたらオレにもなれるかもしれないと、多くのシロウトがわれもわれもと参加したことが、音楽の単純化に拍車をかけました。ジャズが豊満でふくよか、とすると、R&Rは骨と皮だけといえましょう。ジャズが大人の音楽で、背景はナイトクラブと女性とお酒が似合いましたが、子供の音楽として誕生したR&Rの背景に一番ピッタリだったのはナント、<ガレージ>でした。
麻雀同様4人(あるいは3人)いればすぐにできたのがR&Rの特徴でしたが、ニュー・ヨークのようにせまいところで大声を上げれば、お母さんに怒鳴られるだけですからストリートへ出るわけです。50'sのDoo Wapブームの背景は街角-ストリート・コーナーが似合ったわけです。
それにくらべて土地の広大な中西部や西海岸は車がなければ不便なので、当選、どこの家にもガレージがあり、ここが若者の格好の練習場所となりました(蛇足ですが、今の日本のロックのサウンドの背景は<貸しスタジオ>--密室--ではないでしょうか?)。さて、楽器は感覚でどうにか弾けますが、作曲というのは簡単そうでもやはり多少の音楽の素養は必要です。しかし、若者の、なんでもいいからR&Rをやりたい!という想いはこんなことではくじけません。骨と皮だけのロックを、さらに皮も捨てて骨だけにしたのです。それが<ギター・インストゥルメンタル>でした。これは、楽器を感覚的にかき鳴らすだけですから、とりあえずだれにでもできました。ジャズの単純化がロックとすれば、これはさらに、ロックの単純化で、その極致であったわけです。
これが<ガレージ・サウンド>の正体でしたが、この時代に呼応するかのように、新しく生まれた現象がありました。それは、録音機が少しずつ普及し始め、ガレージや居間などでの<ホーム・レコーディング>が行われるようになったことです。そして、デモ・テープのような、ある意味では乱暴
チャートに登場するようになり、まさに音楽の大衆化が、内容だけではなく、音質までにも及んだのです(エルビスもバディ・ホリーもデビュー曲は地方の、オヤジさんが社長、オカミさんが専務、というような町工場風のスタジオで録音したものです)。
それまでの録音は、演奏者と録音技師はガラスを隔てて別々の仕事場でした。技師が演奏者にマイクの使い方を指導することはあっても、演奏者の方が技師に注文をつけるというケースはめったにありませんでした。しかし、ホーム・レコーディング特有の、機械いじりの好きな少年の思い付きや、また機材不足からひねりだした斬新な工夫は、新しいサウンドの母体となるのです。
スペクターは、テディー・ベアーズの録音の時から、スタジオ内と調整室を行ったり来たりして、録音技師を困らせていたようですから、コダワリの姿勢は最初からのようです(口述しますが、後年よくいわれるワグナー好きやソウル・ミュージックの追求というのは、スターにありがちな<後付け>である、と私は考えています)。
このホーム・レコーディングが、実は<スペクター・サウンド>の根幹なのです!<BACK TO MONO>の意味もこのことなので、一つのかたまり、大人数、熱気、乱雑の中の整理、複雑の単純化、そして<ホーム>、これが彼の求めたものでした。かたまりは<MONO>、大人数はミュージシャンの数、熱は<ハル・ブレインのドラム>、整理は<J・ニッチェのアレンジ>、単純化は<L・レビンのミックス>、そしてホームは<西海岸>、これがスペクター・サウンドの中味の分析ですが、詳しくはこれも後述します。
この当時のロックンロール少年と同じく、スペクターもギター少年でした。本名のフィル・ハーヴェイとしてインスト・レコードも発表しています。また'58、'59年はインスト・ロックの当たり年で、チャンプ栖の「TEQUILA!」が#1になったり、B・ホリーのインスト版ともいえるファイヤーボールズ、リンク・レイ、そしてジョニーとハリケーンズ、サント&ジョニー、サンディー・ネルソン(「TO KNOW HIM~」のドラムはデビュー前の彼です)、そして極め付きはギター・インストの王者、デュアン・エディーの登場でした。
日本ではなぜか、ほとんど評価されませんでしたが、ギターリストとして一番の人気とヒットのあった人で、そのサウンドのユニークさとポップ・シーンへの影響は大きいものがありました。またイギリスでの人気は特に異常で、'60年の人気投票では1位でした(すごい!)。近年リバイバル・ヒットした「PETER GUN」などは後の<007シリーズ>や<バット・マン>のもとになったともいえますし、日本では未公開の映画「BECAUSE THEY'RE YOUNG」のテーマは、彼の"トワンギー・ギター"と流麗なストリングスとのコンビネーションは、すぐアル・カイオラが取り入れて「荒野の7人」となって登場、西部劇のインスト・テーマの基本形となりました。また「ビートルズがやってくる ヤァ!ヤァ!ヤァ!」のジョージ・マーチン楽団の「リンゴのテーマ」も、まさにD・エディーのマネジャー兼プロデューサーがレスター・シルで、テディー・ベアーズの録音の際、隣のスタジオで仕事をしていて知り合ったといわれ、この人と出会ってなければ<スペクター・サウンド>はこの世に存在しなかったといえるほど重大な出会いでした。
シルはこの時すでにスペクターがプロデューサー向きであることを見抜き、早速契約を結び、最初に買った曲のタイトルがナント「BE MY GIRL!」。
スペクターについては、まわりにいた人に才能があったので、本人にそう才能があったわけではない、という人もいますが、これは間違いです。確かにまわりにいた人々は有能でした。しかし、彼はプロデューサーとして一番重要な要素である<何をやりたいのか>ということが明確にありました。それは前にも述べましたがいろいろな意味での<直接性>というテーマを持っていたことです。これはもちろんR&Rのイディオム(佐野元春調)ですが、荒々しいサウンドの中の直接性より、スペクターがポップスに折り込んだ直接性の方がより<暴力的>ですらありました。
例えば、R&Rの時代になって<BE>という動詞で始まるビッグ・ヒットは「BE MY BABY」が第1号です(BE CAREFUL~などの慣用句を除く)。簡単なようですが、作る側にまわってみると、これが簡単に言い切れるものではないのです。まさにこれをスパッと言い切れるのが<スター>なのです。「TO KNOW HIM~」の断定と「BE」の命令。このシェイクスピア調の、時代がかったともいえる口調が、逆に新味を呼んだのではないでしょうか。この大時代的で、且つ直接的な手法は「I WANT TO HOLD YOUR HAND」(ユーモアの点ではJ&Pの方が数段上ですネ!)に共通したものを感じます。
シルと契約直後、スペクターはD・エディのセッションを見学しています。さっそく実地訓練をさせようというシルの計らいで、時は'59年の4月の後半でした。この年のエディーの最大のヒットは6月に発売された「FORTY MILES OF BAD ROAD」(9位)で、この曲はナント<ベース・ドラムだけをイントロでフィーチャーした、ポップス史上初のヒット曲>なのです。さて、ベース・ドラムのイントロといえば「BE MY BABY」ですが、この2曲の因果関係についての疑問を、10年ほど前の<ニュー・ミュージック・マガジン>で発表したことがありましたが、時期的にはこの推論が成り立つようです。が、モチロン、その因果については全く憶測の域は出ておりません。
エディーのスタジオは1トラックのテープ・レコーダーが1台しかないという粗末な設備ながら、そのエコーを駆使してのサウンド作りは、特に録音にはうるさかった若き日のスペクターには刺激的な体験だったと思われます。トワンギー・サウンドの秘密であった水道管やドラム缶をエコーに使用するという一風変わった手法は(そのためシルは何10個もドラム缶を買い、しかも一番響きのいい缶を探したといいます)スペクターが興味を持たなかったはずはありません。
そのような多彩な録音技術を駆使していた人は、D・エディー・サウンドの製作者<リー・ヘイズルウッド>でした(エンジニアはエディー・ブラケット)。ヘイズルウッドといえばナンシー・シナトラとのデュエットやアストロノーツの「太陽の彼方に」の作者として日本ではおなじみですが、エディーのプロデューサーとして最初に評価された人なのです。
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中したスペクターは、一瞬たりともヘイズルウッドの背後から離れなかった>と発言しています。
その後シルは、スペクターをプロデューサーにすべく、今度はニュー・ヨークのリーバー&ストラーのもとへ送り込みました。’60年代の代表的なコンビがレノン&マッカートニーとすれば、’50年代はリーバー&ストラーの時代で、ロック・ビジネスを目指す人々にとっての目標でした。スペクターの学校の先輩でもあった彼らのデビューに一役買っていたのが、これまたレスター・シルでした。シルがマネージャーをしていたコースターズをきっかけに、ドリフターズ、そしてエルビスへの曲提供やプロデュースを行い、初のR&Rにおける独立プロデューサーとしての地位を確立したのがこの二人なのです。
スペクターにとって、このニュー・ヨークでの修行時代の最大の収穫はベン・E・キングのヒット曲「SPANISH HARLEM」をJ・リーバーと共作できたことでしょう。これはR&Rビジネスへの切符を手に入れた、つまり、お墨付をもらったということ......って、最大の自信となったことは疑う余地はあり.....
ま.... ドリフターズの「THERE GOES MY BABY」...にストリングスをフィーチャーする手法を....ことも<スペクター・サウンド>への引金になったと、私は思います。その手法でプロデュースしたジーン・ピットニーの「EVERY BREATH I TAKE」は、全くドリフターズ調でしたが、すでに<スペクター・サウンド>は出来上がっていた、ともいえる、本家を凌ぐ作品でした。<ゴフィン&キング>との最初の作品でしたが、この日のセッションにはリーバー&ストラーをはじめ、B・バカラック、B・マン&C・ウェイル、アルドン出版社の代表のD・カーシュナーら、そうそうたる顔ぶれが集まったといいます。そしてこの作品が、ここに集まった全ての人にスペクターの印象を強く与えることとなり、一緒の仕事が始まるわけです。特にこの曲で印象深いのはドラムのフレーズですが、G・ゴフィンの証言によれば、フィルはドラマーのゲイリー・チェスターに指示をして、それが実に的確だった、ということです。
この修行時代にすでに、J・ニッチェやH・ブレインがいなくても、これだけのものを作っていたことは見落とせません。スペクター・サウンドを作ったのはやはり彼なのです。
この曲は残念ながら大ヒットにはなりませんでしたが、来たるべき<スペクターの時代>の幕開けを飾るにふさわしい素晴らしい曲でした。
また、この頃、レスター・シルとリー・ヘイズルウッドは共同活動を解消、スペクターは新たなパートナー、いわば後釜としてシルと関係を結び、それが二人の頭文字を合わせた<PHIL+LES>の誕生となりました(シルとヘイズルウッドのレーベル名は二人の息子の頭文字から<GREG+MARK>というものでした)。
人気の高い楽器を演奏する人は、演奏させてくれる楽団を探すのが大変である。一方、上達のための情報も選べるパーツも多い。私は体格に恵まれず昔から競争を避ける習慣がついたので体格に恵まれないにも関わらずバリトンサックスを選び20年以上演奏させて頂いている。フルート、アルトサックス、クラリネット、トランペットなどメロディーを担う楽器の奏者はそのポジション数と比較して演奏人口が多いため
等の必要に迫られる。ロックバンドのエレキギターリストも似たような状況である。一方、低音管楽器奏者はどちらかというと頼まれて楽団をヘルプする形で演奏に参加する。ロックバンドではドラマーがそのような位置づけである。日本の吹奏楽文化がアマチュア管楽器奏者を大量生産しているの対し弦楽器奏者は少ないのでアマチュアオーケストラの弦楽器パートは常に人数不足という話も良く聞く。
低音管楽器。おいしい様に思えるが色々困難もある。