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はてなキーワード: 秘密とは

2021-07-12

メロス激怒した。必ず、かの邪智暴虐じゃちぼうぎゃくの王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此このシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、内気な妹と二人暮しだ。この妹は、村の或る律気な一牧人を、近々、花婿はなむことして迎える事になっていた。結婚式も間近かなのであるメロスは、それゆえ、花嫁の衣裳やら祝宴の御馳走やらを買いに、はるばる市にやって来たのだ。先ず、その品々を買い集め、それから都の大路をぶらぶら歩いた。メロスには竹馬の友があった。セリヌンティウスである。今は此のシラクスの市で、石工をしている。その友を、これから訪ねてみるつもりなのだ。久しく逢わなかったのだから、訪ねて行くのが楽しみである。歩いているうちにメロスは、まちの様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、まちの暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、市全体が、やけに寂しい。のんきなメロスも、だんだん不安になって来た。路で逢った若い衆をつかまえて、何かあったのか、二年まえに此の市に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、まちは賑やかであった筈はずだが、と質問した。若い衆は、首を振って答えなかった。しばらく歩いて老爺ろうやに逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。老爺は答えなかった。メロスは両手で老爺のからだをゆすぶって質問を重ねた。老爺は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。「王様は、人を殺します。」「なぜ殺すのだ。」「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」「たくさんの人を殺したのか。」「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣よつぎを。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」「おどろいた。国王は乱心か。」「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」 聞いて、メロス激怒した。「呆あきれた王だ。生かして置けぬ。」 メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城はいって行った。たちまち彼は、巡邏じゅんらの警吏捕縛された。調べられて、メロスの懐中から短剣が出て来たので、騒ぎが大きくなってしまった。メロスは、王の前に引き出された。「この短刀で何をするつもりであったか。言え!」暴君ディオニスは静かに、けれども威厳を以もって問いつめた。その王の顔は蒼白そうはくで、眉間みけんの皺しわは、刻み込まれたように深かった。「市を暴君の手から救うのだ。」とメロスは悪びれずに答えた。「おまえがか?」王は、憫笑びんしょうした。「仕方の無いやつじゃ。おまえには、わしの孤独がわからぬ。」「言うな!」とメロスは、いきり立って反駁はんばくした。「人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。王は、民の忠誠をさえ疑って居られる。」「疑うのが、正当の心構えなのだと、わしに教えてくれたのは、おまえたちだ。人の心は、あてにならない。人間は、もともと私慾のかたまりさ。信じては、ならぬ。」暴君は落着いて呟つぶやき、ほっと溜息ためいきをついた。「わしだって平和を望んでいるのだが。」「なんの為の平和だ。自分地位を守る為か。」こんどはメロス嘲笑した。「罪の無い人を殺して、何が平和だ。」「だまれ、下賤げせんの者。」王は、さっと顔を挙げて報いた。「口では、どんな清らかな事でも言える。わしには、人の腹綿の奥底が見え透いてならぬ。おまえだって、いまに、磔はりつけになってから、泣いて詫わびたって聞かぬぞ。」「ああ、王は悧巧りこうだ。自惚うぬぼれているがよい。私は、ちゃん死ぬ覚悟で居るのに。命乞いなど決してしない。ただ、――」と言いかけて、メロスは足もとに視線を落し瞬時ためらい、「ただ、私に情をかけたいつもりなら、処刑までに三日間の日限を与えて下さい。たった一人の妹に、亭主を持たせてやりたいのです。三日のうちに、私は村で結婚式を挙げさせ、必ず、ここへ帰って来ます。」「ばかな。」と暴君は、嗄しわがれた声で低く笑った。「とんでもない嘘うそを言うわい。逃がした小鳥が帰って来るというのか。」「そうです。帰って来るのです。」メロス必死で言い張った。「私は約束を守ります。私を、三日間だけ許して下さい。妹が、私の帰りを待っているのだ。そんなに私を信じられないならば、よろしい、この市にセリヌンティウスという石工がいます。私の無二の友人だ。あれを、人質としてここに置いて行こう。私が逃げてしまって、三日目の日暮まで、ここに帰って来なかったら、あの友人を絞め殺して下さい。たのむ、そうして下さい。」 それを聞いて王は、残虐な気持で、そっと北叟笑ほくそえんだ。生意気なことを言うわい。どうせ帰って来ないにきまっている。この嘘つきに騙だまされた振りして、放してやるのも面白い。そうして身代りの男を、三日目に殺してやるのも気味がいい。人は、これだから信じられぬと、わしは悲しい顔して、その身代りの男を磔刑に処してやるのだ。世の中の、正直者とかい奴輩やつばらにうんと見せつけてやりたいものさ。「願いを、聞いた。その身代りを呼ぶがよい。三日目には日没までに帰って来い。おくれたら、その身代りを、きっと殺すぞ。ちょっとおくれて来るがいい。おまえの罪は、永遠にゆるしてやろうぞ。」「なに、何をおっしゃる。」「はは。いのち大事だったら、おくれて来い。おまえの心は、わかっているぞ。」 メロスは口惜しく、地団駄じだんだ踏んだ。ものも言いたくなくなった。 竹馬の友セリヌンティウスは、深夜、王城に召された。暴君ディオニス面前で、佳よき友と佳き友は、二年ぶりで相逢うた。メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言で首肯うなずき、メロスをひしと抱きしめた。友と友の間は、それでよかった。セリヌンティウスは、縄打たれた。メロスは、すぐに出発した。初夏、満天の星である。 メロスはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌あくる日の午前、陽は既に高く昇って、村人たちは野に出て仕事をはじめていた。メロスの十六の妹も、きょうは兄の代りに羊群の番をしていた。よろめいて歩いて来る兄の、疲労困憊こんぱいの姿を見つけて驚いた。そうして、うるさく兄に質問を浴びせた。「なんでも無い。」メロスは無理に笑おうと努めた。「市に用事を残して来た。またすぐ市に行かなければならぬ。あす、おまえの結婚式を挙げる。早いほうがよかろう。」 妹は頬をあからめた。「うれしいか。綺麗きれいな衣裳も買って来た。さあ、これから行って、村の人たちに知らせて来い。結婚式は、あすだと。」 メロスは、また、よろよろと歩き出し、家へ帰って神々の祭壇を飾り、祝宴の席を調え、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった。 眼が覚めたのは夜だった。メロスは起きてすぐ、花婿の家を訪れた。そうして、少し事情があるから結婚式明日にしてくれ、と頼んだ。婿の牧人は驚き、それはいけない、こちらには未だ何の仕度も出来ていない、葡萄ぶどうの季節まで待ってくれ、と答えた。メロスは、待つことは出来ぬ、どうか明日にしてくれ給え、と更に押してたのんだ。婿の牧人も頑強であった。なかなか承諾してくれない。夜明けまで議論をつづけて、やっと、どうにか婿をなだめ、すかして、説き伏せた。結婚式は、真昼に行われた。新郎新婦の、神々への宣誓が済んだころ、黒雲が空を覆い、ぽつりぽつり雨が降り出し、やがて車軸を流すような大雨となった。祝宴に列席していた村人たちは、何か不吉なものを感じたが、それでも、めいめい気持を引きたて、狭い家の中で、むんむん蒸し暑いのも怺こらえ、陽気に歌をうたい、手を拍うった。メロスも、満面に喜色を湛たたえ、しばらくは、王とのあの約束をさえ忘れていた。祝宴は、夜に入っていよいよ乱れ華やかになり、人々は、外の豪雨を全く気にしなくなった。メロスは、一生このままここにいたい、と思った。この佳い人たちと生涯暮して行きたいと願ったが、いまは、自分からだで、自分のものでは無い。ままならぬ事であるメロスは、わが身に鞭打ち、ついに出発を決意した。あすの日没までには、まだ十分の時が在る。ちょっと一眠りして、それからすぐに出発しよう、と考えた。その頃には、雨も小降りになっていよう。少しでも永くこの家に愚図愚図とどまっていたかった。メロスほどの男にも、やはり未練の情というものは在る。今宵呆然歓喜に酔っているらしい花嫁に近寄り、「おめでとう。私は疲れてしまたから、ちょっとご免こうむって眠りたい。眼が覚めたら、すぐに市に出かける。大切な用事があるのだ。私がいなくても、もうおまえには優しい亭主があるのだから、決して寂しい事は無い。おまえの兄の、一ばんきらいなものは、人を疑う事と、それから、嘘をつく事だ。おまえも、それは、知っているね。亭主との間に、どんな秘密でも作ってはならぬ。おまえに言いたいのは、それだけだ。おまえの兄は、たぶん偉い男なのだから、おまえもその誇りを持っていろ。」 花嫁は、夢見心地で首肯うなずいた。メロスは、それから花婿の肩をたたいて、「仕度の無いのはお互さまさ。私の家にも、宝といっては、妹と羊だけだ。他には、何も無い。全部あげよう。もう一つ、メロスの弟になったことを誇ってくれ。」 花婿は揉もみ手して、てれていた。メロスは笑って村人たちにも会釈えしゃくして、宴席から立ち去り、羊小屋にもぐり込んで、死んだように深く眠った。 眼が覚めたのは翌る日の薄明の頃であるメロスは跳ね起き、南無三、寝過したか、いや、まだまだ大丈夫、これからすぐに出発すれば、約束の刻限までには十分間に合う。きょうは是非とも、あの王に、人の信実の存するところを見せてやろう。そうして笑って磔の台に上ってやる。メロスは、悠々と身仕度をはじめた。雨も、いくぶん小降りになっている様子である。身仕度は出来た。さて、メロスは、ぶるんと両腕を大きく振って、雨中、矢の如く走り出た。 私は、今宵、殺される。殺される為に走るのだ。身代りの友を救う為に走るのだ。王の奸佞かんねい邪智を打ち破る為に走るのだ。走らなければならぬ。そうして、私は殺される。若いから名誉を守れ。さらば、ふるさと若いメロスは、つらかった。幾度か、立ちどまりそうになった。えい、えいと大声挙げて自身を叱りながら走った。村を出て、野を横切り、森をくぐり抜け、隣村に着いた頃には、雨も止やみ、日は高く昇って、そろそろ暑くなって来た。メロスは額ひたいの汗をこぶしで払い、ここまで来れば大丈夫、もはや故郷への未練は無い。妹たちは、きっと佳い夫婦になるだろう。私には、いま、なんの気がかりも無い筈だ。まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。そんなに急ぐ必要も無い。ゆっくり歩こう、と持ちまえの呑気のんきさを取り返し、好きな小歌をいい声で歌い出した。ぶらぶら歩いて二里行き三里行き、そろそろ全里程の半ばに到達した頃、降って湧わいた災難、メロスの足は、はたと、とまった。見よ、前方の川を。きのうの豪雨で山の水源地は氾濫はんらんし、濁流滔々とうとうと下流に集り、猛勢一挙に橋を破壊し、どうどうと響きをあげる激流が、木葉微塵こっぱみじんに橋桁はしげたを跳ね飛ばしていた。彼は茫然と、立ちすくんだ。あちこちと眺めまわし、また、声を限りに呼びたててみたが、繋舟けいしゅうは残らず浪に浚さらわれて影なく、渡守りの姿も見えない。流れはいよいよ、ふくれ上り、海のようになっている。メロス川岸うずくまり、男泣きに泣きながらゼウスに手を挙げて哀願した。「ああ、鎮しずめたまえ、荒れ狂う流れを! 時は刻々に過ぎて行きます太陽も既に真昼時です。あれが沈んでしまわぬうちに、王城に行き着くことが出来なかったら、あの佳い友達が、私のために死ぬのです。」 濁流は、メロス叫びをせせら笑う如く、ますます激しく躍り狂う。浪は浪を呑み、捲き、煽あおり立て、そうして時は、刻一刻と消えて行く。今はメロス覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきと掻かきわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに憐愍れんびんを垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。メロスは馬のように大きな胴震いを一つして、すぐにまた先きを急いだ。一刻といえども、むだには出来ない。陽は既に西に傾きかけている。ぜいぜい荒い呼吸をしながら峠をのぼりのぼり切って、ほっとした時、突然、目の前に一隊山賊が躍り出た。「待て。」「何をするのだ。私は陽の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ。放せ。」「どっこい放さぬ。持ちもの全部を置いて行け。」「私にはいのちの他には何も無い。その、たった一つの命も、これから王にくれてやるのだ。」「その、いのちが欲しいのだ。」「さては、王の命令で、ここで私を待ち伏せしていたのだな。」 山賊たちは、ものも言わず一斉に棍棒こんぼうを振り挙げた。メロスはひょいと、からだを折り曲げ、飛鳥の如く身近かの一人に襲いかかり、その棍棒を奪い取って、「気の毒だが正義のためだ!」と猛然一撃、たちまち、三人を殴り倒し、残る者のひるむ隙すきに、さっさと走って峠を下った。一気に峠を駈け降りたが、流石さすがに疲労し、折から午後の灼熱しゃくねつの太陽がまともに、かっと照って来て、メロスは幾度となく眩暈めまいを感じ、これではならぬ、と気を取り直しては、よろよろ二、三歩あるいて、ついに、がくりと膝を折った。立ち上る事が出来ぬのだ。天を仰いで、くやし泣きに泣き出した。ああ、あ、濁流を泳ぎ切り、山賊を三人も撃ち倒し韋駄天いだてん、ここまで突破して来たメロスよ。真の勇者メロスよ。今、ここで、疲れ切って動けなくなるとは情無い。愛する友は、おまえを信じたばかりに、やがて殺されなければならぬ。おまえは、稀代きたいの不信の人間、まさしく王の思う壺つぼだぞ、と自分を叱ってみるのだが、全身萎なえて、もはや芋虫いもむしほどにも前進かなわぬ。路傍の草原にごろりと寝ころがった。身体疲労すれば、精神も共にやられる。もう、どうでもいいという、勇者に不似合いな不貞腐ふてくされた根性が、心の隅に巣喰った。私は、これほど努力したのだ。約束を破る心は、みじんも無かった。神も照覧、私は精一ぱいに努めて来たのだ。動けなくなるまで走って来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を截たち割って、真紅心臓をお目に掛けたい。愛と信実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたい。けれども私は、この大事な時に、精も根も尽きたのだ。私は、よくよく不幸な男だ。私は、きっと笑われる。私の一家も笑われる。私は友を欺あざむいた。中途で倒れるのは、はじめから何もしないのと同じ事だ。ああ、もう、どうでもいい。これが、私の定った運命なのかも知れない。セリヌンティウスよ、ゆるしてくれ。君は、いつでも私を信じた。私も君を、欺かなかった。私たちは、本当に佳い友と友であったのだ。いちどだって、暗い疑惑の雲を、お互い胸に宿したことは無かった。いまだって、君は私を無心に待っているだろう。ああ、待っているだろう。ありがとうセリヌンティウス。よくも私を信じてくれた。それを思えば、たまらない。友と友の間の信実は、この世で一ばん誇るべき宝なのだからな。セリヌンティウス、私は走ったのだ。君を欺くつもりは、みじんも無かった。信じてくれ! 私は急ぎに急いでここまで来たのだ。濁流を突破した。山賊の囲みからも、するりと抜けて一気に峠を駈け降りて来たのだ。私だから、出来たのだよ。ああ、この上、私に望み給うな。放って置いてくれ。どうでも、いいのだ。私は負けたのだ。だらしが無い。笑ってくれ。王は私に、ちょっとおくれて来い、と耳打ちした。おくれたら、身代りを殺して、私を助けてくれると約束した。私は王の卑劣を憎んだ。けれども、今になってみると、私は王の言うままになっている。私は、おくれて行くだろう。王は、ひとり合点して私を笑い、そうして事も無く私を放免するだろう。そうなったら、私は、死ぬよりつらい。私は、永遠に裏切者だ。地上で最も、不名誉人種だ。セリヌンティウスよ、私も死ぬぞ。君と一緒に死なせてくれ。君だけは私を信じてくれるにちがい無い。いや、それも私の、ひとりよがりか? ああ、もういっそ、悪徳者として生き伸びてやろうか。村には私の家が在る。羊も居る。妹夫婦は、まさか私を村から追い出すような事はしないだろう。正義だの、信実だの、愛だの、考えてみれば、くだらない。人を殺して自分が生きる。それが人間世界の定法ではなかったか。ああ、何もかも、ばかばかしい。私は、醜い裏切り者だ。どうとも、勝手にするがよい。やんぬる哉かな。――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。 ふと耳に、潺々せんせん、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々こんこんと、何か小さく囁ささやきながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手で掬すくって、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。肉体の疲労恢復かいふくと共に、わずかながら希望が生れた。義務遂行希望である。わが身を殺して、名誉を守る希望である斜陽は赤い光を、樹々の葉に投じ、葉も枝も燃えるばかりに輝いている。日没までには、まだ間がある。私を、待っている人があるのだ。少しも疑わず、静かに期待してくれている人があるのだ。私は、信じられている。私の命なぞは、問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ! メロス。 私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。メロス、おまえの恥ではない。やはり、おまえは真の勇者だ。再び立って走れるようになったではないか。ありがたい! 私は、正義の士として死ぬ事が出来るぞ。ああ、陽が沈む。ずんずん沈む。待ってくれ、ゼウスよ。私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。 路行く人を押しのけ、跳はねとばし、メロスは黒い風のように走った。野原で酒宴の、その宴席のまっただ中を駈け抜け、酒宴の人たちを仰天させ、犬を蹴けとばし、小川を飛び越え、少しずつ沈んでゆく太陽の、十倍も早く走った。一団の旅人と颯さっとすれちがった瞬間、不吉な会話を小耳にはさんだ。「いまごろは、あの男も、磔にかかっているよ。」ああ、その男その男のために私は、いまこんなに走っているのだ。その男を死なせてはならない。急げ、メロス。おくれてはならぬ。愛と誠の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。メロスは、いまは、ほとんど全裸体であった。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シラクスの市の塔楼が見える。塔楼は、夕陽を受けてきらきら光っている。「ああ、メロス様。」うめくような声が、風と共に聞えた。「誰だ。」メロスは走りながら尋ねた。「フィロストラトスでございます貴方のお友達セリヌンティウス様の弟子でございます。」その若い石工も、メロスの後について走りながら叫んだ。「もう、駄目でございます。むだでございます。走るのは、やめて下さい。もう、あの方かたをお助けになることは出来ません。」「いや、まだ陽は沈まぬ。」「ちょうど今、あの方が死刑になるところです。ああ、あなたは遅かった。おうらみ申します。ほんの少し、もうちょっとでも、早かったなら!」「いや、まだ陽は沈まぬ。」メロスは胸の張り裂ける思いで、赤く大きい夕陽ばかりを見つめていた。走るより他は無い。「やめて下さい。走るのは、やめて下さい。いまはご自分のお命が大事です。あの方は、あなたを信じて居りました。刑場に引き出されても、平気でいました。王様が、さんざんあの方をからかっても、メロスは来ます、とだけ答え、強い信念を持ちつづけている様子でございました。」「それだから、走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い! フィロストラトス。」「ああ、あなたは気が狂ったか。それでは、うんと走るがいい。ひょっとしたら、間に合わぬものでもない。走るがいい。」 言うにや及ぶ。まだ陽は沈まぬ。最後の死力を尽して、メロスは走った。メロスの頭は、からっぽだ。何一つ考えていない。ただ、わけのわからぬ大きな力にひきずられて走った。陽は、ゆらゆら地平線に没し、まさに最後の一片の残光も、消えようとした時、メロス疾風の如く刑場に突入した。間に合った。「待て。その人を殺してはならぬ。メロスが帰って来た。約束のとおり、いま、帰って来た。」と大声で刑場の群衆にむかって叫んだつもりであったが、喉のどがつぶれて嗄しわがれた声が幽かすかに出たばかり、群衆は、ひとりとして彼の到着に気がつかない。すでに磔の柱が高々と立てられ、縄を打たれたセリヌンティウスは、徐々に釣り上げられてゆく。メロスはそれを目撃して最後の勇、先刻、濁流を泳いだように群衆を掻きわけ、掻きわけ、「私だ、刑吏! 殺されるのは、私だ。メロスだ。彼を人質にした私は、ここにいる!」と、かすれた声で精一ぱいに叫びながら、ついに磔台に昇り、釣り上げられてゆく友の両足に、齧かじりついた。群衆は、どよめいた。あっぱれ。ゆるせ、と口々にわめいた。セリヌンティウスの縄は、ほどかれたのである。「セリヌンティウス。」メロスは眼に涙を浮べて言った。「私を殴れ。ちから一ぱいに頬を殴れ。私は、途中で一度、悪い夢を見た。君が若もし私を殴ってくれなかったら、私は君と抱擁する資格さえ無いのだ。殴れ。」 セリヌンティウスは、すべてを察した様子で首肯うなずき、刑場一ぱいに鳴り響くほど音高くメロスの右頬を殴った。殴ってから優しく微笑ほほえみ、「メロス、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私はこの三日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。」 メロスは腕に唸うなりをつけてセリヌンティウスの頬を殴った。「ありがとう友よ。」二人同時に言い、ひしと抱き合い、それから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた。 群衆の中からも、歔欷きょきの声が聞えた。暴君ディオニスは、群衆の背後から二人の様を、まじまじと見つめていたが、やがて静かに二人に近づき、顔をあからめて、こう言った。「おまえらの望みは叶かなったぞ。おまえらは、わしの心に勝ったのだ。信実とは、決して空虚妄想ではなかった。どうか、わしをも仲間に入れてくれまいか。どうか、わしの願いを聞き入れて、おまえらの仲間の一人にしてほしい。」 どっと群衆の間に、歓声が起った。「

anond:20210712125327

ブラジリアンワックスを使ってみた感想

[内容物]

これらがビニールにパッキングされて届いた。

まずブラジリアンワックスを買って驚いたのはその成分。

てっきりオキシゲドンアポカリラプスとか、プラトロゲドロヒドロキシジルみたいな、毛根を溶かす薬剤がアメリカ比率で混入したゲル想像していた。

しか実態は水飴だった。

本当に水飴。

成分表には、

しか記載がなかった。

クエン酸は腐らないようにするためなのかな?と思う。

そしてカラメル色素は着色のため。

まりブラジリアンワックス

が主成分なのである

これには本当に驚いた。

複雑だと思っていたものシンプルであることに気付く。こういうときが1番驚くんではなかろうか?

何で稼いでるか分からなかった叶姉妹が、

実は資産運用で稼いでいただけだったときと同じ質の驚きだった。

さて、

こんなに簡単ブラジリアンワックスが作れるなら、なぜ参入している会社が少ないのだろうか?

今回のセットは3千円。

ガリガリ君のハズレ棒、これはブラジリアンワックス(今後その呼び方をするのは腹が立つので以降は水飴と呼ぶ)を塗るときに使う。

こんなもん、100本で40円とかだろう。

となるとだ、この

  • 破れそうで全く破れない短冊型の紙

秘密があるのではないか

と思う。

この紙は、ビリビリという紙が破ける効果音と縁がない。本当に何回力付くでやっても破れないのだ。

新聞紙を縛るビニールテープのほうがまだ破れる希望があると言える。

この紙が恐ろしく高いのだろうな。

そう思いながら、ハズレ棒で水飴を足に塗りたくり、謎の紙をそこに貼り付け、一気に引き剥がした。

そこには女性の脚があった。

チュルンチュルンの脚。

吸い付くモチモチの脚。

気付いたことがあった。

女性の脚のなんとも言えないスベスベ感、モチモチ感。

あれは毎日クリームを塗ってできる賜物だと思っていないか

違う。

毛さえなければ、俺たちもあの脚なんだ。

その日からおれは毎日脚を触るようになった。

毎日腰を曲げて脚を触り、

次第に腰を曲げることすら面倒になり、今度は腕の毛を水飴で絡め取った。

また毎日腕を組むようにして、スベスベの両手を触った。

1日1万回、感謝の両腕スベスベ。

1万回を1時間で終わるようになった頃、「スベスベ」が音を置き去りにした。

2021-07-11

ネタバレあり】鬼滅の刃10大しっくりこない要素

 これ、伏線かと思ったら以後まったく言及なくてびびる。というか刀折ったあとは勝手に刀届いてるし、もはや自分で選ぶ必要なくね? せめて刀鍛冶の里でなんか解説しろ

  • 稀血のくだり回収されない問題

 玉鋼のくだりよりマシだけど、投げっぱなし半端ない。なんかこう、倒せると思った鬼が稀血を喰らって目の前で強大化するとか、味方に稀血がいて鬼が大群で攻めてくるとか、そんな展開考えてたと違うんかい

 鬼を増やせる鬼はただ一人、無惨のみ!とか言い切ってるけど、いや普通にみんな増やしてんじゃん。そもそもなんで鬼殺隊がその秘密知ってるのよ。しか最初、義勇さんは傷口に鬼の血を浴びて鬼になったとか言ってるし。ゾンビかよ

 しのぶさんが炭治郎たちを預かった直後に「出発ですかー?」ってやってるけど、その後、炭治郎たちが回復して訓練して列車に乗るまでかなり日数経ってるよね? その間、ずっと駅弁食ってたのかよ

 「捕まっている。琵琶の女の能力!?いや、琵琶の音は聞こえなかった」 なら、どんな能力だよ。無限城の中だと無惨様の能力が隅々まで届くのだとしたら、最後の決戦の時にみんな血祭りじゃん

 その後なんもないんかい。というか刀の扱いが全体的に軽すぎやろ

 珠世さんとしのぶさん有能過ぎかよ。複合効果とか、分解阻止とかご都合主義過ぎだろ。ぜったい分解阻止とか後から付け足したやん

 普通の鬼→手鬼(異形の鬼)→沼の鬼(異能の鬼)→ 朱紗丸と矢琶羽(自称下弦の鬼)→キョウガイ(下限の鬼崩れ)→累(下弦の鬼)→ 魘夢(パワーアップした下弦の鬼)→ 堕姫・妓夫太郎(上弦の鬼)→上弦の鬼2人

 戦いものの常ではあるけど並び過ぎだろ!

 ドラゴンボールスーパーサイヤ人常駐にインスパイアされたのは分かるけど、せっかく水の呼吸とか、呼吸を全面に押し出してるのに常駐とかしたら魅力減るやん

あと一つは?

2021-07-09

3Pおばさんが死んだ(再掲)

3Pおばさんは私がはじめてセックスした人だ。

おばさんといっても30代を少し過ぎたばかりで

今考えると全然おばさんではないし、

当時でもおばさんという気持ちは抱いていなかったが

当の本人から命令でおばさんと呼ばされていた。

 

たまに生徒とセックスをする女教師というのが話題になる。

だいたいはLINEやらなんやらで発覚するケースだ。

情報化社会という言葉も随分と古臭いITもあれだが、

ようは何かと証拠が残る時代から発覚するのだろう。

発覚してないだけで未成年セックスする女なんて掃いて捨てるほどいるし

昔なら今よりいっそう見つからなかったであろうことは想像してもらえると思う。

 

3Pおばさんは私の初めてづくしの人だ。

はじめてキスした人だし、はじめておっぱいをもんだひとだし、はじめてクンニをした人だし、

まあとにかくはじめてセックスした人なのだから

はじめてづくしは当たり前だろう。

当たり前でないのは3Pおばさんとは常に3人でセックスをしていたという点だろう。

これだけはかなり特異だと思う。

 

3Pおばさんのセックス相手一子相伝というかスターウォーズシスに似ている。

それは一番上の学年の生徒が、真ん中の学年の生徒を勧誘することから始まる。

おもにターゲット3Pおばさんが顧問をしていたクラブの生徒から選考されるが例外もあったようだ。

ただ私の場合は私のシスは私が所属していたクラブ部長だったし、

私の弟子は私が部長をしているときに次の部長候補としてリストされている生徒だった。

その一年間にセックスをする生徒は二人だけ。それ以上にはならない。

上級生が卒業したときにひとりになるが、ひとりになっている間、3Pおばさんは絶対セックスをしない。

これは私の師匠ときもそうだったし、わたしときもそうだった。

から必死になって弟子勧誘するのだ。

 

なんで3人だったのかは謎なんだけど、おそらくはそのほうが秘密を守れる、

僕たちをコントロールやすいとおばさんは考えていたのだと思う。

とにかく僕たちが互いに嫉妬を抱くようにおばさんは常に仕向けていた。

おばさんに気に入られたいという思いから自ら進んでおばさんに服従していた。

そうしておいてから

 

……少し長くなってしまった。

お酒も回ってきた。

供養のつもりで書き始めたが

しんどくなってきた。

寝るわ。

3Pおばさんが死んだ

https://anond.hatelabo.jp/20210708230828

3Pおばさんは私がはじめてセックスした人だ。

おばさんといっても30代を少し過ぎたばかりで

今考えると全然おばさんではないし、

当時でもおばさんという気持ちは抱いていなかったが

当の本人から命令でおばさんと呼ばされていた。

 

たまに生徒とセックスをする女教師というのが話題になる。

だいたいはLINEやらなんやらで発覚するケースだ。

情報化社会という言葉も随分と古臭いITもあれだが、

ようは何かと証拠が残る時代から発覚するのだろう。

発覚してないだけで未成年セックスする女なんて掃いて捨てるほどいるし

昔なら今よりいっそう見つからなかったであろうことは想像してもらえると思う。

 

3Pおばさんは私の初めてづくしの人だ。

はじめてキスした人だし、はじめておっぱいをもんだひとだし、はじめてクンニをした人だし、

まあとにかくはじめてセックスした人なのだから

はじめてづくしは当たり前だろう。

当たり前でないのは3Pおばさんとは常に3人でセックスをしていたという点だろう。

これだけはかなり特異だと思う。

 

3Pおばさんのセックス相手一子相伝というかスターウォーズシスに似ている。

それは一番上の学年の生徒が、真ん中の学年の生徒を勧誘することから始まる。

おもにターゲット3Pおばさんが顧問をしていたクラブの生徒から選考されるが例外もあったようだ。

ただ私の場合は私のシスは私が所属していたクラブ部長だったし、

私の弟子は私が部長をしているときに次の部長候補としてリストされている生徒だった。

その一年間にセックスをする生徒は二人だけ。それ以上にはならない。

上級生が卒業したときにひとりになるが、ひとりになっている間、3Pおばさんは絶対セックスをしない。

これは私の師匠ときもそうだったし、わたしときもそうだった。

から必死になって弟子勧誘するのだ。

 

なんで3人だったのかは謎なんだけど、おそらくはそのほうが秘密を守れる、

僕たちをコントロールやすいとおばさんは考えていたのだと思う。

とにかく僕たちが互いに嫉妬を抱くようにおばさんは常に仕向けていた。

おばさんに気に入られたいという思いから自ら進んでおばさんに服従していた。

そうしておいてから

 

……少し長くなってしまった。

お酒も回ってきた。

供養のつもりで書き始めたが

しんどくなってきた。

寝るわ。

2021-07-07

anond:20210707231834

日本大企業だって、それ相応の学閥、家柄を兼ね備えた奴じゃないとソルジャーだぞ

偉い奴の尻拭いして秘密を共有するとかしなければ役員にはなるのは難しい

新卒は横一線スタートなんて幻想だよ

anond:20210707113127

自然災害でも医療でも自衛隊がかかわると途端に秘密だらけ

軍事上の理由云々で秘密主義なんではなくて自衛隊の人らはうそをついて国民をだますのが好きなんだな

家庭菜園肥料について、代用する方法について等。

ちょっと色々分かってきた気がするので書く。

  

効果が定かではなく、トンデモの域を出ないと思うもの

これらに、成分で植物の発育に明確に効くものは入っているの?

  

肥料

肥料の3大要素(N, P, K)については、どれを選んでも大きく違わないので、省略する。

中量要素
Ca

牡蠣石灰の粒状タイプがいいと思う

Mg

苦土石灰施用しても、途中で苦土欠乏になるときがある。

そのときは、下記に示す微量要素の肥料か、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)(入浴剤として使われている)を買うのがよいと思う。

微量要素(Mn, B, Fe, Mo, Zn, Cu等)

私は3大要素とは別に施用したいので微量要素だけ含まれているものを書く。

微量要素8が400gと容量小さくて家庭菜園向きだと思う。

ハイポネックスジャパンから出ている、リキダスもコスパはやや悪いけれども、微量要素含まれているらしい(組成メーカー秘密にしているそう)し、使い勝手はいいのでこちらもおすすめ

他にも色々あるとは思うので、あったら教えてほしい。

  

その他肥料じゃないけど植物有用そうなもの

腐植酸

発根を促したりするらしいよ[要出典]。

少量がよければ、Amazonで1kg1000円くらいで売ってるのがあって、それが一番入手しやすいと思う。

グリシンベタイン

サカタの液肥GBっていう商品があって、いろいろな効能がある商品らしい。

しかし、1kgとか買ってもどうせ使わないし、私はアミノ酸とかも不要なので、グリシンベタイン(=トリメチルグリシン=TMG≒単にベタイン=無水ベタイン)だけ買って施用するとよい。

トリメチルグリシンなどのキーワードAmazon検索すると、化粧品のものがヒットするのでそれ買うのがいい。

  

コスパが悪く、買うべきではないもの

二価鉄で、多くの人が自作しているように、簡単に安上がりにできる。ちょっと手間はかかる。

液肥といえば、定番はこれで、実際昔からよく使っていたけど、ベジフル液肥のほうがもうちょっと安くて成分いいと思う。

2021-07-06

anond:20210706053551

もともとそういうものです。

秘密にしてねというのは国の建前。

2021-07-05

anond:20210705161833

裸の心は菅田将暉に宛てた歌

っていうのはここだけの秘密

anond:20210705144112

西部浜松袋井磐田掛川方面)の人達以外の県民にとっては、

全国の人達と同じぐらい「後から知った」食べ物なので、実はそこまで思い入れはないんだ。

衛生管理はすごいねと思うけど、それと味の善し悪しはまた別の話だしね。

絹挽きなので食感もちょっと物足りない。自分ハンバーグ食べに行くのは別の店。

しかしこれだけでは何もならんので、増田にもさわやかを楽しんでもらうための

極秘情報を教えたる。

さわやかの鉄板にいる牛の鼻には「π」という字が書いてある。秘密だぞ。

2021-07-04

anond:20210704103447

彼氏が欲しいのなら何も考えなくても秒でできると思う。

彼氏が欲しくないのなら「秘密です〜」とか言っとけばバレるもなにもないだろう。どうせ男には女の真意なんて分からない。チャラ男に持ち帰られない程度のガード感だけは出しておけばいいだろう(持ち帰られたいなら好きにすればいいと思うけど)。

2021-07-02

夏への扉』以外の作品を薦める試み

 ロバート・アンソン・ハインライン作品で『夏への扉』以外を薦めるならばどの作品か?と問われたとしたら、私ならば『宇宙孤児』を薦めたい。

 この物語は「Good Eating!(良いお食事を!)」という挨拶と共に、中世ヨーロッパのような社会生活描写する場面から幕を開ける。そして、読み進めるうちに、主人公たちが暮らし物語が展開される舞台がどのようなものなのかが次第に明らかになっていく。

 その世界には空が無い。主人公たちが暮らす街の地面の下へ降りると、別の街が有る空間に出る。その街の地面の下に降りると、また別の街が有る。そうやって、下へ下へと降りて行くと、それ以上の先(下)には降りられない最下層に行き着く。

 逆に、街の天井の上に昇ると、別の街が有る空間に出る。そうやって昇って行くと、徐々に重力が弱くなる。しかし、或る階層から先(上)は、それ以上昇ってはならない立入禁止場所とされている。そこには、恐ろしい「ミュータント」という怪物たちが住んでいて、迷い込んだ人間を食べてしまうと伝えられているかである

 主人公は、ひょんなことから立入禁止場所に入り込んで「ミュータント」たちに一時捕らわれの身となり、それを切っ掛けに、他の人間には秘密にしたまま、普通人間と姿や能力が異なるミュータントたちと交流するようになる。中でも「ミュータント」たちのリーダーであるジョウ=ジム主人公は、親友あるいは師弟のように仲良くなる。師がジョウ=ジムである。一つの身体に二つの頭部を持つ双生児男性ジョウ=ジムは、ミュータントではあるが怪物などではなく、ユーモアと優しさと、何よりも知性に満ち溢れた人物である。このジョウ=ジムから教育を受けたことによって、主人公は、自分たちが暮らす世界の真の姿を理解するに至る。

 主人公たちが暮らすのは、車輪のように回転する巨大な宇宙船の内部であった。故郷である地球から遥か遠く離れた他の恒星系に存在する、人類居住可能惑星移住するためには、何光年もの距離を渡らねばならない。しかし、光速の壁を破ることができないので、広大な宇宙を渡るには長い年月を要する。そのために宇宙船は、多数の人間居住することが可能な、巨大な閉鎖環境都市として設計された。車輪のように回転することで、遠心力重力代用としている。移住者の祖となるべく宇宙船に乗り込んだ人々は、宇宙船の中で子を生み育て、やがて彼らが死ぬと、その子たちが新たに彼らの子を生み育て、そうして子へ孫へと何世代も何世代も長い年月を重ねながら、彼ら星々の移住者たちは宇宙船の中で暮らしながら遥かな旅を続けた。

 しかし或る時、宇宙船の動力である原子力機関から放射性物質漏れるという、大きな災厄が発生した。放射能による内部環境汚染は、食糧生産を担う農業区画にまで及んだ。ミュータントたちの誕生食糧不足。人々の絆は引き裂かれ、内乱が発生し、宇宙船内部の文明崩壊した。その結果、都市の内部で暮らす人々は、知識科学技術伝承できなくなった。こうして彼らは、地球という故郷存在も、自分たち宇宙船に乗っているという事実も、宇宙船の外部に広がる世界のことも忘れ、科学の代わりに教会が説く迷信を拠り所として、広大な宇宙彷徨い続ける「孤児」と成り果てたのである物語の冒頭に出てくる「Good Eating」という挨拶は、災厄によって起きた食糧不足時代の名残りである

 ジョウ=ジムによって啓蒙された主人公は、宇宙船の乗組員として、自分たち本来の使命を果たそうと提案する。すなわち、地球のように人類居住可能惑星を見つけてその星に降り立ち、狭い宇宙船を離れて、新たな世界を切り拓こうと言うのである。それは、自分たちが巨大な宇宙船の内部で暮らしているという事実理解しているジョウ=ジムですら、出来っこ無いと諦めていたことであった。しかし、その使命を果たす為には、何も知らない人々に、この世界真実理解させる必要が有った。

 主人公は、自分が知った事実を人々に知らせようと試みるが……。

 ちなみに本作品を私が初めて読んだのは、あかね書房から出版され、多くの小学校図書室などに置かれていた少年少女世界SF文学全集の一冊として収録されていた『さまよう都市宇宙船』のバージョンであった。タイトルネタバレがヒドイが気にしない、気にしない。

 ハインライン作品を離れ、他に古典SF作品初心者に薦めるならば、私としては

(1)アイザック・アシモフ鋼鉄都市

(2)ジョン・ウィンダムトリフィド時代

(3)ロバート・シェクリイ『不死販売株式会社

辺りを薦めたいのだが、如何だろうか?

ワーケーションやってみた

ワーケーションやってみたので感想書く

スペック

首都圏在住23区IT企業勤務独身KKO

去年の6月くらいかテレワークで、今年の2月くらいか必要あれば出社する感じ

社内も社外もウェブ会議になれていることもあるので、実際には今でも月に2,3日出社するくらい

■ 行った場所

秘密

ただ選んだ基準としては、3時間くらいで行こうと思えば出社できる場所

実際ワーケーション中にどうしても必要で1回出社した

■ 泊まった場所

本当は2週間くらいいたかったんだけどいいプランがなくて普通ホテルで3泊4日にした

ワーケーションプランは高すぎて無理

■ 全体的な感想

80点。いやもうちょっといかもしれない。割と最高と言っていいかもしれない。

都会を離れると本当に心が安らぐ

朝起きたときに車の音がしない、カラスゴミ捨て場にたむろしていない

20分くらい散歩してコンビニ行くときにすれ違う人も1,2人。進路を塞ぐように割り込んでくるやつもいない。

仕事の合間に浜辺を歩くのも最高

自分の中に溜まっていた澱のようなもの自然の中に溶けていくみたい

最高。

ワーケーション中の仕事

UQ mobile回線auスマホテザリングでやったけど割と普通にできた

ホテルWifiもあるんだけど90分で再度認証を求めるような仕様で使いづらく途中でキレてテザリングにした

会議も社内へのVPNガンガンやって4日で5GBくらい

テレワーク始めてからパケット繰り越しでMAXだったので繰り越し分も使い切れない

もう1台IIJmio回線docomoスマホも持っていったが電波が貧弱で速度が出なかった

そういえば田舎auが強いってのを思い出した

仕事ホテルの部屋でやっていたが清掃が入るのでそのときロビーでやったり泊まったホテルにはビジネススペースがなかったので

その割にはカラオケルーム会議室はあるんだよね誰も使ってないのに

もうちょっとビジネスユースも考えてくれるといいなー

滞在中の食事

朝食夕食が出るプランにした。朝食はバイキングで夕食は地元料理が出るやつ

この夕食が豪華で最初はうわーってアガるんだけど、2日3日続くとちょっと飽きてくる

ホテルリゾートホテルで周囲に食事できる場所もないので選択肢がないかしょうがないんだけどこれは宿泊場所選択問題で、キッチンがある長期滞在型のホテルにすればよかったんだろうけど日本ってそういうホテルまりないんだよね

ホテルの近くにカーシェアがあればまた話は違っていたのかもしれない

会社への移動

泊まった場所から東京への移動がだいたい2時間半。都内の移動を入れると片道3時間くらい

正直朝9時出社は無理。午前中移動しながら仕事して11時出社ならできる感じ

田舎からの移動なので電車もぜんぜん人がいないので快適。移動中の会議の参加は無理かも

帰りも夕食を移動中に取りながら帰れば割と現実的時間に帰ることができる

いやでもこれ毎日は嫌だわ。週に1日でもえーって感じ

業務上必要ときは朝9時出社必須、と言われると選択肢限られるなという感じ

ワーケーション中の娯楽

自分もびっくりするくらい仕事しかしなかった

朝起きて飯食って仕事して飯食って仕事して飯食って温泉入って寝る、というサイクルを3日繰り返した感じ

本とか持っていったのに読まなかったしネトフリも見なかったしゲームもしなかった

でも不満を感じなかった。環境が良くなって焦りが薄れたのかもしれないし

そういうことするにはやっぱりワーケーションじゃなくてフルで休みを取ったほうがいいなという感じ

土日を挟むとまた変わってくるのかもしれない

ワーケーション中の探索

ほとんどずっと仕事しててホテルから出なかったのでできていない

そもそも移動手段がないので探索するにも限界がある感じ

周囲でカーシェア借りれたり、駅近のホテルだったらまた違っていたのかも

ワーケーションまたやりたい?

やりたい。今度は2週間やってみたい。場所も変えてみたい

やっぱり海が見えるところがいいな

何故女は主語デカに走りがちなのか

その秘密を探るべく我々はアマゾンの奥地へと向かった

2021-07-01

anond:20210630183036

小5のころ友だちに「セックスって知ってるか?」と聞かれて「知ってるよ」と知ったかぶりした。

流行ってた歌に「セクシー~」みたいな歌詞があったから「色っぽい」くらいの意味かと思ってた。

そのすぐ後くらいに性教育の授業で詳しく知った。これのことか!と。

うちの両親は仲が悪かったわけではないけど、スキンシップとかの愛情表現を見たことなかった。

からセックス秘密を知って、「な~んだ、仲いいんじゃん」と思った。嫌な気持ちはしなかった。

そういえばもっと小さいときに薬箱に「ゼリーつきなんとか」っていう袋をみつけて、母に「これなに?食べれる?」と聞いたら「お父さんに聞きなさい」って言われて、何かおかし雰囲気を察してそれ以上詮索しなかった。

今にして思う。もっとちゃんと隠しとけよ!

2021-06-29

秘密

家族親友にも言えない、いわゆる墓場まで持っていく話。

誰にでもそんな秘密があると思う。

たまにすごく誰かに打ち明けたくなる。

でも結局、誰にも話せない。

きっとそれが本当の秘密なんだろう。

そんな秘密を抱えながら、明日悶々と生きていきます

anond:20210629102927

催眠術で飯を美味くするのはイクミの秘密って漫画にあったな・・・あのおっさんもこうやってまっとうに稼げたかもしれない・・・

もうトランスLGBT存在無視したほうがよくない?

https://gendai.ismedia.jp/frau

この辺の記事をつらつら読んでいて思ったのは

性的マイノリティ(って事に現状なってる)人たちって「自分達の存在問題は知ってもらいたいけどかといって特別気を使われたくない」という精神性なのよね


この「気を使われたくない」ってのがやっかいで、「自分達を特別扱いしないで!でも自分達を丁重に扱って!!でも自分達が苦しんでる事ちゃん理解って!!!!でも特別気を使わないで!!!!」って言われたら流石にカチンと来るのはやむを得ないんじゃないの。


だって、どーーーーーしたって気は使うよ。


仮に周りの人たちが良心的で、性的マイノリティを傷つけないよう勉強したり理解を深めたりしてる時点で、もう「気を使われてる」んだって自覚してよ。




中には性的マイノリティの人で「周りは気を使わずノーマルと同じように接してもらってる」って思ってる人いるでしょうけど

それは「気を使ってる風に思われないように気を使ってる」んだよ。



あなた達の地雷を踏まないように常に「気を使ってる」んですよ。



わかれよ、いい加減。




あなた達に対して「気を使わない」ようにするのはどだい無理な話です。




「当たり前のように扱う」という「気を使われて」いる事はもういい加減承諾してくれ。




本音を言うならこっちも気ー使いたくねえんだよ。



だけど世の中的には気使わなきゃならなくなってんじゃん。

から気を使ってんだよ



そしたらお前ら今度は「特別な気を使うな」ってなんじゃコラ、ボケ



あ、今だけ気を使ってないで書いてるよこっちは。



余計な気を使われたく無いのは誰だって一緒だ。



なんかちょっと自分達のほうに風向きが向いたら、過剰にあーしろこーしろあーするなこーするなと。いい加減やかましいんだよ。



素直に気を使われておけや。



それが嫌なら秘密墓場まで持って行けや。





特別存在」だとそんなに思われなくないなら、もうトランスジェンダーLGBTも、「性的マイノリティ」なんて概念のもの存在しなかった事にしたらよくね?

最初からそんなもん無かった事にできたら差別も苦悩もクソも何も無いだろ。

からみんながみんな平等で当たり前の生き方を望みたいなら、性的マイノリティ最初から居なかった事として無視していったほうが良いと思う。



いい加減こっちも無視ときたいよ。

2021-06-28

見知らぬ男が肩をポンポンと叩いて耳打ちしてきた

タラオの秘密知りたくないか?」

そう言って、男はビルビルの間の路地へ歩いていった。

俺は男の言葉理解するのに数秒かかった。

タラオというのはあのタラオのことか。サザエさんフグタラオ。

聞き間違いとすると何が考えられるか。タラ尾、タロオ、何にしても見ず知らずの男に話しかけるのはおかしい。

まともではない。危険だ。危険人物だ。ついていく必要はない。

それにタラオにしろ何にしろ秘密など知りたくない。タラオがどんな変態性欲者だろうと関係ない。俺はタラオとは無関係人生を生きている。

から、ついていく必要はない。ついていってはいけない。

だが、万が一、億が一、とんでもない秘密だとしたら?

タラオのとんでもない秘密が待っていたとしたら?

そう考えていると男の姿はもう見えなくなった。

今になってはっきり思う。

俺は知りたい。

知りたくてたまらない。

タラオの秘密を教えてくれ。

「イヤイヤ」のジェスチャーは万国共通

最初言語ともいわれるボディランゲージ地域民族によってそれぞれ独自の発展を遂げたもので、

言語とは一種約束なのでコミュニティ内の合意がとれていれば外から見たときにどれほど不合理でも、そう成り立っているのならばそれが維持される。

間内だけで通じる冗談なんかを想像してもらえるとわかりやすいが、ボディランゲージはおそらくはじめは些細なきっかけで生まれた。それが世代を経て「そういうもの」として伝わり、

もともとの由来は不確かでも、そのボディランゲージ自体意味を持つようになる。

物心ついたときにはその言語の中で暮らしいるから、それに違和感を持つこともないというわけだ。

そしてそのボディランゲージの持つ意味というのはその共同体の中で決まるから、同じ動作でも別の場所ではまったく別の意味になるということも多くある。

日本の手招きは欧米では……など)

しか世界さまざまな地域民族を較べてみても、一つだけ共通のものがある。

それが「イヤイヤ」だ。首を横に振る否定ポーズ。これだけはどの地域年代でも等しく同じニュアンスを示している。

それはなぜか? その秘密は、この仕草の由来を考えるとすぐに分かる。

赤ちゃんおっぱいを飲んでいるところを見たことがあるだろうか?

母乳を飲んだ赤ちゃんお腹いっぱいになってもう飲めない、と主張するとき、首を横に振るのである

これは首がまだ座ってない(筋肉が発達していない)状態がそうさせる動きでもあるのだが、ともかくこういう動きになる。

これが否定ポーズの由来である

そして赤ん坊のいない民族原始的コミュニティ存在しないから、これが世界共通仕草となったわけだ。

弊社で絶賛社内恋愛中の男と女

お前ら!!!!!

全然気付かれてないと思ってますね!!?

バレバレですよ!!!

柱の影でイッチャイッチャしてるのも!!!

2人でランチデートしてるのも!!!!!

いやランチはお昼休みから良いんですが!!

業務時間中にカフェデートしてるのも!!!!!

みんな気付いてます!!!!!

営業さんは外から帰るとき!!!!!

我々内勤も役所とか郵便局行く時に

よく目撃しちゃってるんですよ!!!!!!

あのね、気付かれてないんじゃなくて、

「全員気付いてないフリしてる」だけです!!!

社員数千人の大企業ならともかくね!!!!!

弊社零細よりの小企業なので!!!!!

!!!!!!

一応ワイには言ってくれてありがとう!!!

でもその時「ヒソヒソされてる気がして...」て

言ってたな!!?

そりゃしゃーないで!!!!!!

業務時間カフェデートは印象悪い!!!!!

せめて覚悟してデートしろ!!!

あとそのランチ帰りにせよカフェ帰りにせよ

デート帰りに社員とすれ違った時

こちらの「お疲れ様です」の挨拶

ペコリともせず2人でシカトしてそそくさと

去っていくのも印象悪いんじゃ!!!!!

営業さんも内勤の先輩も「シカトされた」

言うてたぞ!!!!気まずいんやろうけど!!!

せめて堂々としろ!!!会釈くらいしろ!!!

!!!!!

女は結婚したがっとる!!!

お前元カノ10年くらい付き合ってたやろ!!!

どしたんや元カノ!!!振ったんか!!?

振られたんか!!!???どっちか知らんが

元カノとはおそらく20歳ほど年下の彼女

乗り換えたんやから今度は責任取れよ!!!!!

老いるまで付き合ってまた次若い女

乗り換えるんか!!!???許さんぞ

堂々とデートなりイチャイチャなりしてるくせに

秘密なので......」ていう雰囲気

このクソ狭いコミュニティで出すな!!!!!

気ィ遣ってんねんみんな!!!

気付け!!!!!

気付けバカップルどもーーーー!!!!!!

2021-06-26

なろう小説を3年かけて完結させた

700話超の話数、200万文字を超える物語。よく書き上げたものと思うこと、しきりだ。

思いつきで始めた小説

少しだけ時間に余裕ができたので、小説を書いてみることにしたのが3年前。

適当妄想して、案外いけそうだと判断して、半年くらいで完結するお話を作り始めた。

目的は、3年くらい先の自分に向けて。

完結して2年も過ぎれば書いた内容を忘れて楽しめるだろうと思ってのことだ。

Webで小説を読んでいる中で思った事、自分が望む事を詰め込むことにした。つまり自分の為の小説

歴史に埋もれた秘密。暗躍する組織権力闘争。そんなことを意にも介さず突き進む主人公冒険するのは、不思議で、愉快な土地

そしてハッピーエンド

やりたいことを詰め込むのは思った以上に大変だった。

書いてみて、思い知る事も多かった。

資料の集め方に、どうやって空想の穴を埋めるかの方法、などなど。

始めたばかりの時には思いも寄らなかった諸々の問題を一個一個対処していった。

図書館は思いのほか有用だったし、VRも巨大建築物雰囲気を知るには有用だった。

そうこうしているうちに、見積もりの甘さも分かってきて、完結まで半年の予定だったものが、1年を超え、2年を超え、とうとう3年も要する結果になった。

最初は楽しくかけていたが、1年を過ぎたあたりから仕事が忙しくなったこともあって、しんどくなった。

キーの叩きすぎで手が痛くなり、音声入力に切り替えるなどの工夫もこらした。

最後らへんは、引くに引けない戦い……終わりの見えないマラソンをしているような感じだった。

完結が間近になった時は、事故に遭わないように、気をつけて外を歩いたりしていた。

それがようやく終わる。

本当に大変だった。

得るものも多かったが本当に大変だった。

今は解放感が半端ない

とりあえず、ちょっぴりだけど投稿サイトロイヤリティが入ったので、お寿司を食う。

今日くらいは、自分小説で飯を食っている……そんな気分を味わおうと思う。

いや、本当に苦労した。でも、完結できて嬉しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

追記

はてぶみると反響あってビックリしました。

以下が今回完結させたお話です。

召還社畜魔法の豪邸 ~ 召喚されたおかげでデスマーチから逃れたので家主の少女のんびり暮らす予定です~

https://ncode.syosetu.com/n4415ew/

ちなみにロイヤリティうんぬんの話はカクヨムの事です。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054891613554

2021-06-24

閃光のハサウェイで学ぶ恋愛工学

ハサウェイは完全に恋愛工学マスターしたニュータイプと言えるだろう。

冒頭15分

YouTubeで見れるのでぜひみてほしい。

https://www.youtube.com/watch?v=iMAj6ggHEyU

ネス大佐を始め、多くのメンズがギギ・アンダルシア口説くが、美女ギギ・アンダルシアには見向きもされない。

そう、このような女性にこそ恋愛工学有効なのである

恋愛工学がどのような女性にも通用する、というのは完全な誤解で、上位20%程度のSクラス女性しか通用しない。

早速ハサウェイは、テロ集団をバッサバッサとなぎ倒し、機内で圧倒的なプレゼンスを発揮することで、ギギ・アンダルシアへのアピール成功させるのだった。


ハサウェイ's オープナー

ハサウェイが空港ロビーに入ると上品女性握手を求められ、

「皆さんにご紹介させてくださいな」などと言われ、両手に花状態で引っ張っていかれる。

そう、この時点でハサウェイの「モテスパイラル」は始まっている。

もちろん女性モテている男性=魅力のある男性認識するので、

他の女性から連鎖的にどんどんモテ出し、加速度的に魅力が高まっていく。


一人になり、ふと横を見ると、ギギ・アンダルシアフリーだ。

「さっきは、なんで笑ったんだい?」

素晴らしいオープナーである


オープナーとは、第一声のかけ方をかっこよく呼ぶ方法であり、

表参道ヒルズってどっちですか?」という道聞きオープナーや「この辺でこれくらいのペンギン見ませんでした?」と聞くペンギンオープナーなどがある。


しかし、このような凡庸なオープナーでは、

あなたってパターンしかしゃべらないんだ」

と言われてしまうことだろう。


「さっきは、なんで笑ったんだい?」

「笑った?そう?私が?」

「なんでマフティーを騙った連中だと見抜けたんだ?」

この返しには、正直、唸らされた。


美女に対して「かわいいね」「きれいだね」と伝えても、美女はそれに慣れているし、それではきっと、

あなたってパターンしかしゃべらないんだ」

と言われてしまうことだろう。


しろ自分ポジションを下げる行為であり、推奨できない。

しかし、女性は褒められなれていない意外な点を褒めてあげると喜ぶことが多い。

これは質問形式でありながら、相手の素性を見抜く能力があると伝えているわけであり、相当高度な褒めテクニックである

さすが、組織トップは違う。


そしてこの後、ハサウェイは高度な会話テクを駆使し、ハサウェイ=マフティという秘密をギギ・アンダルシアと共有することに成功する。

もちろん、秘密の共有は親密度を高める常套手段である


「人って、自分のことになると馬鹿になるって本当ね」

ここで、少しギギ・アンダルシア側に主導権を握られそうになる。

だが、ハサウェイはこれを許さない。

「だけど、言葉で人を殺すことができるということは覚えておいてほしい」


これは、ハサウェイが「調子に乗るな小娘、俺が格上だ」というメタメッセージを伝えた、ということである

女性は格下の男性には惹かれない。美女さらにその傾向が強い。

ハサウェイの術中にはまり、ギギ・アンダルシア狼狽、無事にどちらが上かを印象付けることに成功した。


冒頭23分でかなり良い試合運びとなっている。


Cフェーズ⇒SフェーズComfort Building⇒Seduction)

そしてリムジンの中。

窓の外を見つめるハサウェイにギギ・アンダルシアが「何が気になるの?」と問いかけると、

危険になるのはもっと嫌だから…しゃべらない」

と耳元で囁く。


これは、仕草と声色ばかりが注目されがちだが、言葉選びにも注目いただきたい。

「お前を危険にしたくない」という意味合い女性庇護欲をかきたてるし、「おあづけ」プレイも兼ねている。

何者なんだ…ハサウェイ・ノア


そして、ギギ・アンダルシアからの同室オファーをきっぱり断るハサウェイ。

そう、欲望最後の瞬間まで隠し通すことがマナーである

「俺はそんなに簡単に女と寝る男じゃない」と伝えることで、「俺は女に困っていないほどステータスの高い男だ」というアピールができる。

ますます女性は「このステータスの高い男性に抱いてほしい」と思うことだろう。


ギギ・アンダルシアの生足を凝視するハサウェイ。

男性は性欲を喚起させられると、おおよそ70%程度は知能が低下する(要出典)と言われているが、視線に気づいた彼女に対し、ほぼノータイム

「君が元気になってうれしいのさ」

と返せるハサウェイの知能指数はIQ300くらいと推察される。


「君がいるということで、気を遣うということはしたくない」

シャワーを浴びに行くハサウェイ。

これは再度の格上アピール

「同じよ」

攻めあぐねたか。ここでシャワー室でクールタイム

「この事態はどう考えたらいいんだ…」


続いて、問題ラッキースケベシーン。

「失礼ね」に対し、

「よく、そう言える…(中略)…どこ構わず裸でいる女は嫌いだな」

これは決まった…と思いきや、残念、GOALならず。

理想では、「散歩に出るが!?」⇒「一人にしないで」⇒GOALLLL!!!!だったものを…


軽率だったかクェス・パラヤと同じか…」

反省するハサウェイ。

さすが、女性類型化しパターン攻略しようとするのが恋愛工学基本的パラダイムと言える。


その後、ケネス大佐になびいているような素振りでハサウェイの気を引こうとするギギ・アンダルシア

これはまあ、仕事も忙しいのでスルー。同室の優位性は揺らがないのである


午前3:52のベッドシーン

ここからマフティの反撃が始まる。

そう、昼の顔はハサウェイ、夜の顔こそがマフティ

ギギ・アンダルシアの寝室に向かう。


いつ非常停止するかわからないエレベーターに乗り込むかの判断を迫られるハサウェイとギギ・アンダルシア

ここが最も決定的なシーンだった。

「乗るか?」と目で訊くハサウェイ。

大丈夫…乗ろ」と声で応えるギギ・アンダルシア

そう、恋愛工学徒は無理やり行為に及ぶことはない。

必ず相手同意を得て進めなければならない、という啓蒙要素も表現されている。


なお、「大丈夫」の母性的な安心感、「乗ろ」の清純的な少女感。上田麗奈様の表現も素晴らしかった。


「どうして私に訊いたの?」

「君のカンにかけたのさ」

「それなら、さっきのごちゃごちゃした話もすっきりさせてよ」

いいですね。こういうトークで始められるようにしたい。


賢明な読者はすでにお気づきだろうが、このあとハサウェイは「やっぱりコワいことする」(=行為に及ぶ)わけである

ギギ・アンダルシアから見たとき行為は「戦場で逃げ惑う」ようなものに見えているのであり、

ここからの逃げ惑うシーンはもちろん、行為比喩である

行為積極的女性であれば、例えばクェスのように、パイロットとして戦っていたはずだ。

そう考えれば、ギギ・アンダルシア過去にそうした虐待を受けていた可能性がある。


余談だが、ガンダムにおける男性パイロット女性パイロット戦闘行為比喩であることが多い。

直近の好事例としては、ガンダムUCのマリーダとバナージの戦闘シーンがそれだ。

途中まで無我夢中で攻め立てていたバナージが、マリーダの壮絶な過去を聞いて萎えしまったが、

マリーダはそんなバナージに優しさを感じる、というシーンは素晴らしいと思った。


ホテル外に逃げ出した2人の前に現れるエメラルダ。

これは、ベッドで2人のときスマホが鳴り、彼女からLINEが来たような状態意味しているだろう。

そうであれば、ギギ・アンダルシアの「置いていくの?」に対しては、

まさか

しかなりえない。


逃げ惑う2人。

降り注ぐ銃弾火災

ギギ・アンダルシアの恐怖、叫び、声、息遣い

男性女性ほど行為最中快感を感じられないというが、もしかすると、男性にとっては、戦闘行為での興奮が女性のそれに相当するのかもしれない。


そして、閃光。

モビルスーツは大破し、光が溢れ出す。きつく抱き合うふたり

その光は言うまでもなく、射精象徴であった。


行為のあと、大佐のもとに駆け寄るギギ・アンダルシア

ハサウェイはクェスが去るときイメージフラッシュバックし、真っ黒に塗りつぶされる。

そう、これこそが恋愛工学ニュータイプ・ハサウェイの正体である

過去女性に傷つけられたことを引きずり、いつまでたっても非モテインセル呪いは消えない。

それはどんなに良い女、例えばギギ・アンダルシアのような女性を抱いたとしても

消えることのない、本質的な自信のなさ、センシティブな心そのものなのである


それにしても、アジア圏で製作された男ふたり女ひとりの実写映画ってなんだろう?

https://febri.jp/topics/gundam_hathaway_4/


それでは今週もよろしくお願いします。


anond:20210624150748

明かした瞬間に墓場までは持っていかない秘密になるやろ

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