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はてなキーワード: DC1とは

2022-09-18

anond:20220918082631

正攻法としてはDC1もらって両親に支援もらいつつ学位取るよね普通

子供できちゃったから体面保つためだったんだろうけど、民間企業でもない中途半端なとこに就職しちゃったのが間違い

2022-08-09

anond:20220804160350

自分無能に気づくのが遅すぎた、とか言ってるけど、当然DC1は通ってるんですよね?

2022-08-08

anond:20220804160350

世の中には飛び級修士博士を取る猛者もいるけど、研究のペースなんて人それぞれなんだから自分のペースで納得いく研究をした方がいいよ。

私の周囲には、ボスが厳しくて5年在籍して博士号がやっと取れた人や、妊娠出産などライフイベントがあって4年で取得した人、定期的にメンタルがやられて4年で出た人、などなど3年以上在籍で博士号取った人がたくさんいるので、在籍年数はさほど大きな問題ではないと思ってるよ。

増田のように、研究の遅れに加えて経済的事情もあって、1年休学して翌年に取得した人もいる。1年働いてお金を貯めて、休学中に論文書いていた。多少の実験であれば、ボスのはからいで許されていたらしい。国立だったので休学中の学費免除されていた。

そんな人たちも今は大学教員になってるよ。

研究計画性が最も重視される研究機関理研とか)に就職したいのでないなら、在籍年数よりも研究の内容を大事にしよう。アカポス面接研究者なんだから研究内容の面白さを重視する人が多い。だからこそ論文は在籍年数よりも優先順位が高い。

もちろん大学たかったらそうしてもいい。

私の周囲にも、ボス放任過ぎて、博士課程に6年在籍したのに博士号取れなかった人がいる。彼はうちのラボに来てテクニカルスタッフやってたけど、再就職もうまくいって今は他大学ベンチャー職員をしているよ。

アカポス以外の道もたくさんあるよ。DC1取ったけど、その後にアカポス行けなくて、弁理士資格取って働いている人もいるし、アカデミアは肌に合わないから数年でやめて、ラボの共同研究先に就職した人もいるよ。

なので、全然人生終わってないよ。これからどうにでもなるよ。

才能がある人が多い世界ではあるけど、凡才だけど研究楽しいから続けてる人もいるよ。あと一部の突出した才能の持ち主以外、アカポスにつけるかどうかは運。

今、増田は疲れがピークに来ているから、人生について悲観しちゃうと思うの。1週間でも1か月でも休んで、疲れをとってくれ~~

2022-06-26

年収240万博士課程のリアル

anond:20220625124534

年収で殴り合う記事が増えてきたのでそろそろ低めの目線から殴っていこう

前提

自分コンピュータサイエンス関係研究室に在籍していて,日本学術振興会特別研究員(DC2)に採択された博士後期課程の学生

特別研究員は優秀だとされる学生に国が給与研究費を与える制度であり,その給与額がボーナスなし月20万.なので年収は240万となります

博士後期課程1年からもらえるDC1と呼ばれるプログラムと2年からもらえるDC2があり,倍率はどちらもだいたい5倍です.

5倍という難易度を高いとみるか低いとみるかは諸説ありますが,覚悟決まった人しか応募しないのでそれなりに難しいと思います

自分DC1には落ちてDC2には受かっているので,まあ特別優秀というわけではないけど業績はあるくらいの人間です.

生活

手取りは色々引かれて月15万.さらにそこから授業を受けていないのに授業料を払う必要があります不思議ですね.

公立場合申請すると半額免除になりますが,それでも年に約26万を払う必要があるのは大変です.

また,普通会社員とは異なり特別研究員は国に雇用されているわけではないので,社会保険料は全額負担になります.それも手取りに響いてきます

だいたい都内在住が多いので,みんな月5, 6万くらいの家賃の部屋に住んでギリギリ生活をしている人が多い印象です.

暮らしていけるのか

ちょっとした予定外の出費を気兼ねなくできる」のが年収1000万の生活らしいですが,240万はそうなると詰んでしまます

自分場合一番多いのが,友人の結婚のご祝儀で数万円が飛んでいくパターンでした.

あと病気にかかると厳しいので,心身を健康に保つ必要があります博士課程の場合特に一定間中ノルマ以上の業績を上げる必要があるので,

プレッシャーからうつ病になる人が少なくありません.その場合医療費もかさんでいくので,

メンタルコントロールするための手段(例えば他に趣味を作っておくなど)を持っていたほうがいいと思います

まあそういう変な出費や事故さえなければ,貯金はできないが生きていくことはできるくらいの生活をすることはできます

自分はそこまで物欲がなく事故もなかったので,2年間で100万くらいは貯めることができました.

それを元手に50万ビットコイン投資したのですが,一気に1/3に下落してしまいました.ビットコインカス

研究できるか

自由度の高い研究はできるんですけど,最近CS関係企業でも自由研究ができる風土ができつつあるので,どちらが恵まれいるかちょっとからないですね

結婚育児

やってる人はいるが共働きでないとほぼ無理.

飼えない.

副業

規定により不可能.昔はインターンでも金を返す必要があったが,最近は返さなくても良くなった

社会人博士

周りを見ている限り取れるんだったら学生のうちに取っておいたほうがいい

なんでわざわざそんなことやってんの

将来のキャリアプラスだと考えたから(希少性が高い,海外で働きやすい,ビザを取りやすい,など)

自業自得.有り難いと思え,国から貰っておいてぐだぐだ言うな

うるせーーーーーーーーーーーーーーーーー

会社員もっと大変なんだ,甘えるな

うるせーーーーーーーーーーーーーーーーー

低所得には低所得の、年収1000万には年収1000万の苦労があるんや

いや絶対年収240万のほうがツライでしょw

2022-02-15

これは言うべきかどうか悩んでいたのですが、この際なので言います。去年何人かの人に「VTuberというものを観ています」と話した時に、「え、無理かもw」「あー…そういうのなんですね」みたいな反応を割と露骨にする人たちがいました。しかもその人達は日頃「対話大事だ」と主張する人達でした。

https://twitter.com/Ricoeur1913/status/1493438804283199490

山野 弘樹 / Hiroki YAMANO@Ricoeur1913哲学研究しております東京大学大学院日本学術振興会特別研究DC1東京大学RA(UTCP) )。哲学知識イベントに関する情報を発信しています2022年からVTuber研究を始める予定です。実績一覧→http://researchmap.jp/HirokiYamano/ お仕事のご依頼はDMにてお願いいたします。

1ツイートだけにしました🙇

2021-11-01

トレセン大学

ウマ娘大学に移行するッ!

4回生 スペシャルウィーク

主人公

関西国立大学生物学生

頭を使うより体を動かすほうが好きなので、ウェットのバイオ研究室に入った

回生までの学生実習は楽しかったけど、研究室で何やるかまだ分かっていない

「今年から研究室配属になったスペシャルウィークです!」

「夢は大学先生になることです!!」

さて、スペの研究室ライフはどうなるか?

スペが入ったのはテイオー研でした

配役はこれ

教授 トウカイテイオー

夢があって、天真爛漫で、目標を楽し気に語る様はまさに教授

能力も誰もが認めるところだし文句なし

研究所所属メジロマックイーン教授の話をよくしてくるので勝手に会ったことないマックイーン先生に親しみが湧いている


准教授 エアグルーヴ

トウカイテイオー教授の夢いっぱいなヴィジョン現実的に進められる実務能力を持つ教授の片腕が務まるのはエアグルーヴ

研究進めてみるといつもトウカイテイオーの見ているものが正しくて驚く


助教 エイシンフラッシュナカヤマフェスタ

物静かだけど理路整然としていて、それでいて行動力を持つの助教エイシンフラシュ

なんか心向くままに研究やってて、一般企業就職もしたくないままいい結果出してきて助教になったナカヤマフェスタ


D3 ゴールドシチー

クッソ頑張るしギラギラしてて尊敬できる先輩なんだけど、なんかいつも怖い

でも機嫌いい時は色々面倒見てくれる

無理しすぎてるから、たまに寝坊していない日はついに死んだのかと思う


D2 ゼンノロブロイ

ちょっとしづらいけどめっちゃ知識が幅広いので、セミナー質問してくると一番嫌なのがゼンノロブロイ先輩

最近トウカイテイオー国際学会に連れてってもらって張り切っている

たまに意味不明テンション高い


D1 ビワハヤヒデ

DC1取っていて、マイペース実験するからまりさない先輩

でも自分セミナーすると、たまに楽し気に、ほう、とか言ってくれるからちょっと嬉しい


M2 メジロドーベル

なんか頑張ってるのに結果が出ないのでいつも難しい顔してイライラしている

ドクターは何も考えずに行くところじゃない」といつも言ってくるのが怖い

でもたぶんドーベル先輩もドクター行く


M2 ゴールドシップ

研究室対抗ソフトボール大会で優勝経験がある研究室から、という理由でテイオー研に入った

実験中にトレーニング理論話してくるのがよくわからんけど先輩だから聞くしかない

深夜に階段ダッシュしてる


M1 アグネスデジタル

ヲタクでこわい

優秀だよ、と聞くけど正直よくわからない

セミナーヲタクっぽい絵を挿入してくるのでエアグルーヴ先生がよく怒る

実験台にフィギュア置いている


M1 メジロライアン

めっちゃ面倒見てくれる優しい先輩

実験もすごいしてるし、とても尊敬している

花見の買い出しはライアン先輩とスペが行った

イオ先生の夢を手伝いたい、って目をキラキラして話すので、スペも早く実験したいと思った

2020-07-07

ポスドクってこんなんなの

研究室の先輩なんだけど、実験結果はすごいし業績もあげてはいものの、ちょっと複雑な理論になると全然自分で手計算しなくて、ラボボスのところに足繁く通って理論解釈だけ聞き出してはオウムのようにそれを繰り返すだけの人

質問してもいつも雰囲気で返されるしなんなら優秀なM2のほうがきちんと説明できる

実験屋だからねーなんて言ってるけど、これで夢は大学教授なの本当に謎

でもDC1通ってたし、論文数も多いし受賞歴も多いしで、要領よく仕事ができる人ってことにはなるのかな

それも才能かー

2020-01-20

まともな両親じゃないとまともな大学生になれない (1/22追記しました)

3人兄妹の真ん中で生まれた私はたぶん、軽度の虐待を受けて育った。

からずっといじめられていたのに、誰もかばってくれなかった。

両親からの直接的な暴力こそほとんどなかったものの、私だけ誕生日を祝ってもらえなかったり、サンタクロースからプレゼントがなかったりした。

決して貧乏な家じゃなかったとおもう。世帯年収で1500万円ぐらいあったらしいし。

こどものころは「そういうものかー」と思っていたけど、高校生ときに、私だけご飯が出なくなってから異常であることに気づいた。

なんとか祖父母の家に転がり込んで勉強した。

地元から離れたくて一生懸命勉強した。

運良く地底に合格できて一人暮らしを始めた。

8割ぐらいの新入生が一人暮らしをする大学だった。

入学金と授業料祖父母に払ってもらった。

きっと、この決断のせいで人生がだめになったように思う。

入学して半年祖父母が亡くなり、保証人がいなくなった。

未成年に住むところを貸してくれる会社もなければ借りられるお金もない。

教科書を買うお金もない。理系だったから (?) なおさら教科書が高かったように思う。

奨学金も借りられない。一般的日本学生支援機構奨学金は親の収入証明必要になる。

親に収入証明を出してもらおうとお願いし、土下座までしたが蹴り飛ばされて終わった。

今までで一番ひどい暴力だったが、痛みよりも呆然とした気持ちでいっぱいだった。

なんとか、友人の家や先輩の家に転がり込んで、生活費を稼ごうと居酒屋バイトした。

まかないは好きなだけ食べて良いお店だったから、食べるのは1日1食でなんとかしのいだ。店長理解してくれる人で、余り物をもらって持ち帰ったりもした。

ずるずると4年生になって、研究室に配属された。

その頃にはバイトでなんとかお金を貯めることができて、家も借りられた。家賃1.5万円の築40年以上経過してる、寝るためだけの場所

研究は、目の前のことに集中していればいいから楽だった。まわりは大変そうだったけど、私にとっては現実逃避のようなものだった。

ふと冷静になると、友人や同級生家族に支えられながら、心配されながら暮らしているのに、私はなんてみじめなんだろうと感じた。

そういうのを感じたくないか年末年始お盆もただただ研究してた。

別に楽しいとか好奇心とかはなく、逃げるために研究してたのかもしれない。

ラボスタッフには褒められてうれしかったけど、どこまでもみじめだと思ってた。

就活もしたかったけどお金がなくてできなかった。地方大で就活する場合一般的に30万円ほど必要になるらしい。

例年、4年生の9割近くは大学修士課程に進学する大学で、同級生は当たり前のように進学を希望していて、もちろん親に援助してもらっていて、なお一層つらくなった。

就活するにも進学するにもお金必要で、でも親の協力を得られないとなんにもできない日本が嫌になった。

ここまで生きるのを頑張ってきて、必死でやってきたことを無駄にしたくなかったから、理解してくれた知人を尋ね回って進学する資金を集めた。

そのまま修士課程必死に頑張り続けて、ようやく修士論文提出の直前まで来た。

ただ、やっぱりふとした瞬間に、どこまでもみじめで、どうしようもないやるせなさに襲われる。

来年からDC1に採択されてきっと生活は楽になるけど、ここまでで350万円も奨学金以外の借金を背負ってしまった。

かに奨学金は親の収入が少ない学生には配慮しているけれど、私のような親との関係性が悪い学生のことは考慮してくれないのだろう。

つくづく日本という国のシステムが嫌になる。他国がどうなってるかは知らないけど。

理系博士課程1人を育てるために、1億円近い税金が投入されているらしい。

そりゃ確かに1 mL10万円もする試薬もざらにあるし、多分本当にそのくらいかかっているんだろう。

一方で私が払った学費たかだか500万円にも満たないものだ。

でも、どうしても日本という国が好きになれない。もっと人間らしい生活を送りたかった。もっと大学生らしいことをしたかった。

だって新しい服を買いたいと思ったし、趣味お金を使うこともしたかった。旅行にいける友人がうらやましかった。

私の青春はきっと、来ないままで終わるんだろうなって思うと無性に悔しくなる。

ちょっと前までは全部親が悪い、日本が悪いと思いこんでやり過ごせていたけれど、最近はすべてなにかに責任押し付けようとしてそれらしい理由を探しているんじゃないかと思ってきた。

何が正しいのかはわからないけど。

どうすれば正解だったんだろうなぁ。一般に楽しくて自由な期間は全て終わってしまった。私にはモラトリアム期間はなかったんだろう。明日明後日も漫然と研究して、過ごすんだろうなぁ。

今後もずっと親と国を憎みながら、過ごすんだろうなって想像できる。

もっと良い両親の下に生まれたかった。なにもかもが悔しい。

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1/22 追記

はじめて投稿してみましたが、予想以上の方々に反応していただきありがとうございました。

賛同・同情してくださった意見批判してくださった意見のどちらも、ありがたく受け止めさせていただきます

また、本文中で触れていませんでしたが、私の大学生活を支えてくれた祖父母・知人には、当然ですが心から感謝しています

その上で、私が思ったことについて返答させていただきます

(引用) 本人に貸与されるタイプは親のいらないし そもそも働けばいいのでは?

前半部分について、本人に貸与されるタイプでも親のサイン・判子は必要になると思います。最も一般的日本学生支援機構第一種第二種奨学金でも、機関保証を用いている場合だとしても親・もしくは後見人同意確認必要でした。そのため、私は借りることができませんでした。企業財団法人から奨学金に関しては、すべてをチェックしているわけではないので100%ないとは言えませんが、ご存知でしたら後学のためにおしえていただきたいです。

また、後半部分についてですが、これはそのとおりだと思います大学に行きたいというのは私のわがままであることは自覚しています (言い訳としては、大学入学時には祖父母が健在だったため、途中で、資金が大きく不足することを予定していませんでした) 。その上でですが、50%は大学進学しないというご指摘いただいたように、言い返せば50%が大学進学できる日本で、親の援助が受けられないという理由だけで大学進学ができなくなるとしたら、それは大きな問題であると思います借金を背負ってでも大学勉強したいという意思がある場合には、最低限人間らしい暮らしの中で、勉学に集中できる程度の援助が受けられる体制があれば良いなと思っていますとはいえ、国が憎いというのは確かに過剰な表現でした。申し訳ありませんでした。

(引用) 親が貧乏なケースよりも、親が金持ち年収1000万超とかで色々な支援がなくなる)だけど非協力的な方が詰むケース多いよね。

(引用) 自分だけメシがない、っていうのは平等にメシがないより辛いよね

私が一番強く言いたかったのはこれです。簡潔にまとめてくださりありがとうございます

はじめて自分経験文章にして、自分の考えがまとまったようでスッキリしました。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

2019-05-19

大学院 (特に博士課程) 進学を考えるとき研究室選びのTIPS 2

https://anond.hatelabo.jp/20190519190721 の続き

・その研究室院生と会話をする

首尾よくそこの院生を紹介してもらえたら、教員には聞きづらい研究室生活リアルを存分に聞こう。就活で「残業」について聞くと嫌われるらしいが、研究室見学でこの手のことを聞いても印象が悪くなることはまずないと思う。むしろ、心象を悪くしているようだったら、今すぐ、そこから逃げた方がよい・・・

具体的には次のようなことを聞けばどういう生活になるのか、見当がつくだろう。

(i) 教員とのやりとり

指導教員とはどれくらいの頻度でディスカッションをしていますか」

研究室によっては完全放置というであることがあるため、自分に合ったペースで面談をしているのかを確認しよう。個人的には、二週に一度個別面談、半期に一度くらいに研究室メンバー全員への進捗報告があるとペースがよく感じる。ただし、分野、研究内容、個人性格で変わる部分なので、どの程度がよいペースなのはその人次第だ。まだ研究のペースについてよくわからなければ、「それくらいでちょうどいいですか?まだその辺りよくわかっていないので」と先輩に聞いてしまえばいい。

(ii) 研究の決め方

研究テーマはどうやって決めていますか」

指導教員からかなりトップダウンで降りてくる場合もあるし、ある程度裁量がある場合もあるだろう。これに関しては何が正解というわけではない。私の経験したパターン後者で「まず自分が知りたいことを見つけてこい」と放り出されたところから始まった。あなたにとって納得できる方針であるかを確認しよう。これは教員本人にも聞いた方がよい。

(iii) 労働時間

「平均して何時頃に来て、何時頃に帰っていますか」

「土日はどれくらいの頻度で来ていますか」

ラボコアタイム (必ずいなくてはいけない時間) はありますか」

働きすぎは人生の毒だ。必ず確認しよう。コアタイムが長い (例えば8時間) 研究室であれば、警戒した方がよい。

ただし、8時間研究室にいること自体不思議であるとは思わないし、実験が佳境であったり学会前にはそれ以上いることだってざらだ。大学院生になる以上、それは覚悟しておく必要がある。あくま懸念事項は、「平常時から8時間強要している」という点にある。私が知っているケースだと、就職活動コアタイム中これなくなったことに苦言を呈されるという事態を見たことがある。これはいくら何でも無茶苦茶だ。

どれだけ長く滞在しているのかを誇っている様子だと、やや注意した方がよい。もちろんあなたが、大学院に入ったら研究以外全てを投げ打って働きたいというのなら、それはそれで構わない。しかし、多くの人間にとって研究人生の一部である人生ではない。「これは奴隷の鎖自慢なのでは?」と一歩引いた目で見るようにしておいてほしい。

(iv) 所属メンバー

博士学生ポスドクはいますか」

博士学生ポスドクがいたら、自分よりはるかノウハウがある先輩がいるわけなので、入学後大きな助けになる可能性がある。いる場合、「博士学生ポスドクとは議論したり、一緒に研究をしたりしていますか」と聞いてみるとよいだろう。

(v) 学会出張などへのサポート体制

学会などへの出張費はきちんとカバーしてくれていますか」

信じられないことに、自費で海外学会に行かせる研究室もあるのだ。博士学振研究員に採択されているのならともかく、多くの学生にとっては経済的にこれはかなりきつい。

人件費をどれだけ重視しているのかは教員によってかなり落差があるので、聞いておいた方がよい。

(vi) 学位取得の要件

学位の取得状況はどうですか (博士号は3年で概ね取れているのか)」

学位要件は、実際のところどの程度要求されていますか」

「隠れた要件はあるのか (要綱には書いてないが、実質的要求されること)」

これまた信じられないことに、博士号を頑なに出さな教員というのは実在する。理由は様々だが、中には目を覆うような酷い話もある。だが、理由など知らなくてよい。あなたがすべきなのは人生を棒に振らないためにも学位取得状況は早い段階で知っておくことだ。これは教員本人にも聞いておくとよい。「その人次第」としか返ってこなかったら、黄色信号だ。その人次第な部分が大きいのはその通りなのだが、これでは答えになっていないからだ。

上記にあげた質問に、先輩の博士院生教員が明快に回答できなかったら、要注意だ。

(vii) 学生生活

学生間の仲はどうですか」

「同じ研究科他の研究室との関係は良好ですか」

研究室でのduty (研究以外での義務、例えば掃除) はどれくらいありますか」

快適に研究室ライフを過ごせるかどうかはこの辺にかなり左右される。ただしdutyがあること自体普通なので「あるからダメ」と言いたいわけではない。あなたにとって適切な量と内容なのかが重要なのだ

(viii) 大学院試についての相談

見学して好感度が高い場合、具体的に院試を受ける際の助言も聞いておいた方がよい。どの教科書を使って勉強するのか、講義資料院試過去問はもらえるかといった点だ。

さて、首尾よく研究室見学ができたとする。「もうここしかない」と思うかもしれないし、決めかねて迷っているしれない。が、どちらの場合にせよ、即決するのは性急だ。最終決定するにはまだまだやることがある。

複数大学院見学する

一つだけ見て、そこに決めるのは危険だ。できれば複数研究室見学しよう。

複数研究室比較することで「実はあそこは環境が悪い/良い」ということに改めて気付けるかもしれない。

劣悪な環境研究している院生は、本人たちは「大学院はこういうもの」と思い込んでいることが多い。奴隷はいしか自身を縛る鎖に安心感を抱くものなのだ。そうならないためにも、早い段階で多様な研究者と話すことで、研究に対する価値観養生していった方がよい。

・話せる大学教員研究者にその研究室評価を聞く

「授業を受けていた」程度の間柄でも構わない。「大学院進学をしたくて、○○研究室を考えています」と言えば、よほど酷い人格の持ち主でない限りは何らかの返答はしてくれるだろう。「そこは素晴らしい」だとか、逆に「正直お勧めしない」だとか。もちろん、研究者も人間なので、その人一個人見解だ。なので、全て鵜呑みにする必要はない。例えば、私は知り合いの研究者に「君、そこに進むと厳しいよ?」と諌められたが、(今のところは) 生き延びている。あくまで、考える材料として聞いてみるとよい。

指導教員研究費を取れているかを調べる

研究には金がかかる。指導教員研究費を取れているのかは、自身の学び、研究の質、量、そこから生じる心理的幸福全てに絶大な影響を及ぼす。どのようなテーマ資金を獲得しているのかは、研究室ウェブページに書いてあることもあるし、そうでなくても調べようはある。

科研費データベース

https://kaken.nii.ac.jp/ja/

このウェブページには、 日本学術振興会提供する科学研究補助金 (科研費) の採択リストが載ってある。研究室教員名前を打ち込めば、その人がキャリアを通じて獲得した科研費を全て知ることができる。もちろん、科研費限定なので民間助成金は載っていないが、大きい額の研究資金は概ね科研費なので、これを見ておけば大体の資金獲得状況はわかるだろう。

Researchmap

https://researchmap.jp/

これは、雑に例えると「研究者のFacebook」だ。研究費の獲得歴を記載してある人が多い。自分の興味のある教員名前を打ち込んでみよう。

資金自分入学時も継続している場合は、どのようなテーマ教員資金を得ているのかが、自分研究テーマにも直結するため、必ずチェックしよう。

博士号取得者のその後

その研究室学位を取った人のその後のキャリアを追ってみよう。人によっては研究室ウェブページ掲載している。そうでなくとも、博士取得したであろう過去院生名前検索したり、その後の業績を追いかけるとよい。著者名での論文の調べ方がわからなければ、「Google Scholar 著者名」で検索してみよう。

学振DCPDの採択実績

学振DC、あるいは学振PDとは、日本学術振興会特別研究員という制度だ。簡単に言えば博士課程や、その後のポスドクでもらえる給料研究制度だ。博士課程を希望していてこれを知らないのはもったいないので、知らなければすぐに調べたらよい。

博士に進む場合は、学振採用されることはかなり重要だ。色々問題ある制度であることは否めないが、例えばDC1に採択されれば少なくとも3年間の生活保障されるので、狙わない手はない。

学振に通る研究室は、大体固定化される傾向にある。「結局は知名度」と言われる意見散見されるが、私はそうは思わない。学振に毎年のように通る研究室は、先輩が後輩の申請書を添削したり、後輩が採択された先輩の申請書を丹念に分析して執筆しているものだ。

従って、進学先の研究室の先輩が学振に採択されているのかはしっかりと見ておいた方がよい。学振に通っているのかは、研究室ウェブページ掲載されていることが多い。そうでなくても、学振ウェブページに採択者一覧が載っているので、教員名前で調べるとよいだろう。

https://www.jsps.go.jp/j-pd/pd_saiyoichiran.html

学振に通らなくても研究者として成功している人が大勢いるので、学振に通ることと研究者として成功することはイコール関係ではない。だが、ある程度博士課程学生がいるのに、誰一人通ってない研究室というのは、やや危険かもしれない。個人的にはやめておいた方がよいと思う。学振が通っている研究室は、申請書を見せ合う文化がある。往々にしてそのような環境の方が、平時から学生同士が活発に議論したり、お互い批判的に語りあえる仲であることが多い。

少なくとも、学振が全く通っていない研究室では、質の良い申請書を書くノウハウ指導してもらえることはあまり期待できないだろう。

https://anond.hatelabo.jp/20190519202206 に続く

2018-11-05

DCを取れなかった人々

覚書を兼ね増田に書く。

我々素寒貧大学院生業界において最初の関門の一つに日本学術振興会による特別研究員制度がある。

これは事実上給料を月20プラス研究費が頂け、かつ実績として記述も出来るというとんでもなく有り難い制度であるが、合格20%ほどのかなり狭き門である

先日、その合否の発表がされ、来年の春にその申請のチャンスが来る修士2年(医学部途中編入阿呆場合)の僕も身の回り申請を出された先輩にそれとなく聞いてみた。

残念ながら身の回りにいるたった3人の先輩は残念ながら駄目であったようだ…

この制度は、超優秀、優秀、平均、駄目の4つに分類がなされるらしい。

超優秀は書類選考のみで採用される。

しか普通申請者の大体半分くらいまでに優秀と平均の人はトーキヨーへ呼び出され極僅かな時間プレゼンをする機会を与えられ、自らはこんなに優秀である、よってお金くださいと言いに行く。

そのうちまた上半分が優秀とされ採用、もう下半分の平均が不採用となる。

残念なことに僕の先輩方はトーキヨーに呼ばれなかったらしい。

ポスター発表やファーストではないにしろいくつかの論文も乗っかっているにもかかわらずにだ。

今回話題としているDCという区分比較的そういった業績にある程度目を瞑り、将来性で判断して頂けるまたとない大チャンス。(勿論超優秀な方々はインパクトある論文を既に書いているのだが)

僕は途中編入してからの2年間、お恥ずかしい話だが全く業績が無い。

から来年度が大変不安になった。と言うか全く採用される気がしない。

でも書かなきゃ当たらないので勿論書くつもりである

業績もポスターくらいはなんとか発表したい。

そこで増田に聞きたいのだが、やはり僕のように業績素寒貧採用された方は果たしてホントにおられるのだろうか?

僕のボスDC1は書類の内容のガチンコ勝負だけででイケると言って下さっているがそれでも大変心が落ち着かない。

業績の有無にかかわらずそういう経験をお持ちの方のお話を聞ければ幸いです。

2018-10-10

物理科 素粒子分野の業績事情

人文系の文献の取り扱いとか業績についてちょっとだけ - dlitの殴り書き

こちらの記事賛同したので続いてみます

かに異分野の事情をお互いにわかっていたほうがみんな幸せになりますよね。パーマネントや学振採用とか。

はじめに

素粒子分野は大きく分けて

に分かれています。これらの間には超えられない壁がありまして全てをまとめるのはちょっと難しいのですがなんとか書いてみます

間違いを見つけたら教えてください。

論文事情

素粒子論文は全て英語で書かれます国内雑誌としてはPTEP(旧PTP)がありますこちらも英文です。当然どれも査読があります

業績リスト論文査読なし)には国際会議研究会の proceeding を載せたりします。

素粒子分野には論文投稿前に arXiv に載せる慣習があります

これは投稿前に業界の人たちに意見をもらい論文修正するためです。accept 後に査読済みの論文差し替えます

arXiv に載っているのは基本的投稿前/査読中/査読済み の論文及び国際会議の proceeding です。

素粒子査読をしないというのは誤解です。

論文雑誌とIF

特に素晴らしい研究Physical Review Letters (Phys. Rev. Lett) に投稿されます。IF8.839 です。

Nature や Science に投稿することはまずありません。

IFの基準業界によりかなり異なるでしょう。

おそらくは  [ 業界の人数 ] x [ 1年間に発表する論文数 ] に依存するはずです。まあ人数の少ない分野は引用数も少なくなるでしょうね。

同じ素粒子業界でもその専門ごとにかなり違うはずですが、とりあえず Inspires によると以下のように分類されています

# of citations
Renowned papers 500+
Famous papers 250-499
Very well-known papers 100-249
Well-known papers 50-99
Known papers 10-49
Less known papers 1-9
Unknown papers 0

自分確認したい人は Inspires で fin a s Masukawa などと打ってみてください。

業界事情

素粒子実験論文を出せない

素粒子実験特にエネルギー方面ではなかなか論文が出せないことがあります

理由簡単実験計画から結果が出るまで多数の歳月がかかるからです。

例えばLHC計画からヒッグス発見まで20年弱かかりました。論文の著者数は5000人を超えました。

このような事情なので「博士課程単位取得満期退学後に研究を続けて論文を出すと同時に博士を得る」というような方がたまにいらっしゃいます

博士号をもっていない素粒子実験の人に出会っても決してバカにしてはいけません。

彼らは博士号取得と同時にノーベル賞を得る人たちなのです。

素粒子理論学生論文を出せない

素粒子理論研究に入る前の勉強量が膨大です。

まず 場の量子論超対称性理論群論リー代数 あたりは三分野共通勉強すると思います

加えてそれぞれの分野の専門的教科書、例えば弦理論なら String Theory (Polchinski) 格子なら Lattice Gauge Theories (Rothe) など。

分野によっては位相幾何学微分幾何学勉強しなければなりません。共形場理論もですね。

この辺りでようやく基礎ができてきましてこのあと30年分くらいの論文を読みます

研究に入るまでの勉強時間がかかるので修論レビューになることが多いです。

当然学振は出せない・・はずだったのですが最近どうも事情が変わってきたようです。

学生の方が学振(DC1)に固執して勉強も途中に研究を始めてしまう、勉強途中のM1研究できることなんてたかが知れているので

必然的にあまり重要ではない研究に貴重な時間を費やしてしまう、というような話をぼちぼち聞くようになりました。

学振についての考え方は人によるとは思うのですが、ちょっと危うい傾向だなと私は思うことがあります

そこでちょっとお願いなのですが

学振研究者の登竜門!取れなかったらやめよう!」などとblogに書いて煽るのをやめていただけないでしょうか?

いや書いてもいいのですが主語を書いてください。「情報系では」「生物では」とかね。

理論博士号を取れない

博士号は足の裏のご飯粒」と言われて久しいですが、弦理論では博士号を取るのはまだまだ難しいと思います

まあとったところで「足の裏のご飯粒」なんですけれどもね・・・

追記

放置していてすみませんまさか今頃上がるとは思っていませんでした。

いただいた重要コメントこちらにも転載しておきます

new3 言いたいことはわかるけど、普通は「ヒッグス発見」を博論テーマにせずもうちょっと控え目な研究に留めるものでは?日本でもJ-PARCからSuper-Kにニュートリノ撃てるんだし10年に1本はさすがに少ないと思う。

どうもありがとうございます文章を少し修正いたしました。他にも間違ったところがありましたら教えてください。

niaoz 懐かしい。補足するとストリングやるなら一般相対論ベース重力理論必要/場の理論は確かに簡単じゃないけど楽しい量子力学特殊相対論(電磁気学含む)を修めたらやってみるとよいです。



kirarichang 学振出せないと思われるのは,(学振の)制度不備だよなぁ.

monopole 素粒子理論分野では修士論文書きにくいけどDC1の枠はあるので、採用者は実績によらずほぼランダムだったり有名研究室に偏ったりする。まあ論文なしでも通る可能性あるから学振気合い入れて書け

えっ!!論文なしでも通ることあるのですか!

Ho-oTo 今時の素粒子理論院生DC1用に1本は書いてるイメージが強い。

最近は大変ですよね。指導している方もすごいと思います

kowa 素粒子系は知性の墓場だと感じてる。優秀な人材があまりに何もできなくて、消えている。魅力はわかるが、1/5000のcontributionだかでいいのだろうか

猫も杓子も素粒子目指しすぎですよね。宇宙論も。

2018-08-31

知ってる範囲博士を短縮(2年とか2年半)で修了した人はみんな学振DC1持ちからアカポスゲットしとるなあ

ワイは3年たってもまだD論すら着手できとらんわ、留年しないってだけですごい…すごくない?

2018-04-16

修士1年の春から就活が始まる日本死んでくれ

今年の4月から情報系の大学院生になった。

から奨学金授業料免除(まだどちらも確定していないが) で生活をやりくりしていかないといけない。

もちろん、奨学金だけでは生活費を賄えないかバイトして不足分を賄わないといけない。1週間に2日ほど研究のための時間労働時間に充てがわれる。

平日は授業があるため、(僅かな時間ではあるが)研究時間が授業に充てられる。

いくつかの企業では、夏のインターン募集が始まっていたりもする。

研究者になりたいと思って大学院入学したはいいが、大学院入学時までに特筆する成果がない人間は、今の時点で就職か進学かを選択させられる。

DC1に通れば進学後の(一定の)生活保証されるものの、それに通りそうか通らなさそうか見通しがつくのがいつなのか分からない。

となるとこの時期からインターンに応募しないといけない、という焦りが生まれる。

2年になったら就活が本格的に開始し、研究時間が更に減る。今いる研究室のM2だって最近は半分しか研究室に来ない。

結局このまま修了時までどれも中途半端になるかもしれないと思うとこのまま過ごすのが本当に辛くなるが、かといってどちらかに振り切るための勇気も自信も、またそれが正しい選択だと言い切れる根拠もない。

家族から修士卒業したら就職しろ、と何度も言われている。その話を聞くたびに目の前が真っ暗になるような感覚がする。

何故こんなに生きづらい世の中に生まれたのか。早めに死んでおけばよかった。余計なことに惑わされずに2年くらい研究していたい。

2018-04-05

大学院から分野をガラッと変えてただ漫然と研究をしてきた自分が悪いのだと重々承知しつつも,後輩や同期が成果を挙げているのを見るのはやはり辛い

研究成果なんてテーマ次第だって自分に言い聞かせて誤魔化すことのなんて惨めなことか

何でリーディング大学院なんてとってしまったんだろう

やっぱり向いてなかったんじゃないか

学振申請書の業績欄が殆ど空白なのを見てこの一年何をしてきたんだろうという後悔しかない

研究室の過去の先輩はDC1の時点で業績が埋まっているのに

時々言及されるゴミみたいな博士学生とはまさしく未来の私ではないのか

そんな不安ばかりで研究もロクに進まないし

とてもつらい

2018-01-07

古市憲寿の代わりに落合陽一を使うべき10の理由

古市憲寿社会学落合陽一は学際情報学で分野は確かに違う。だが、古市憲寿を使うほとんどの場面で、落合陽一の方が良い仕事をすると思う。

  1. 古市憲寿早生まれ1985年まれ落合陽一は1987年まれ落合陽一の方が3学年も若い
  2. 古市憲寿社会学者と名乗るだけの大学院生落合陽一は正真正銘准教授大学院生を教える側。落合の方が古市より3学年も若いのに!
  3. 古市憲寿議論の場で関係ないプライベートなことを持ち出す。小沢一郎離婚について尋ねたり。落合陽一は変人だが効率重視なので、そういう無益なことはしない。
  4. 古市憲寿は今の社会分析する(分析できているとは思えないが)。落合陽一は未来社会を作る。技術は単なる道具。どっちの価値が高いかは明白。
  5. 古市憲寿は、あれ、多分英語論文読み込んでない。落合陽一は読み込んでいる。
  6. 古市憲寿社長じゃない。落合陽一はピクシーダストテクノロジー代表取締役社長
  7. 古市憲寿越谷北高出身落合陽一は天下の開成高校出身
  8. 落合陽一は、博士号研究科で初めて早期修了で取った。古市憲寿は、その博士号すらまだとれていない。
  9. 優秀な博士課程の学生お金を出す学術振興会特別研究員制度というのがある。落合陽一は、博士課程在籍時にDC1というのを取っていた。古市憲寿はまだ博士課程の学生である上に、それすら取っていない。
  10. 落合陽一は大学の同じ学年内で最優秀の学生に与えられる筑波大学学長賞を取っている。古市憲寿慶応SFCAO入試卒だが、学長賞など取っていない。

2016-07-24

博士後期に行かない理由

「『博士課程行くの?』と聞かれたと仮定して、絶対行かないよって決めてる人はその理由を一旦紙に書けるだけ書いてみる。そして最後質問を『なんで修士課程行くの?』に変えて、紙をじっと見る」という遊びは危険なので、該当する人はくれぐれも院試勉強中などにやらないように

というつぶやきがあったのでやる.

行かない理由結論としては研究するモチベーションインセンティブもないことである.

依然として僕の価値観としては, 修士に行って博士に行かないことは妥当だと思えた.

博士後期に行かない理由

- 本当に研究したいことなどない (解決したい問題はあるが, それは小学生宇宙飛行士に憧れるのに似ている)

- このネタ論文をかけるかどうかしか考えていないことに嫌気がさす

- 独立した研究者としてやっていけるとは思えない

- 常に研究のことが頭から離れない3年間(B4, M1, 2)につかれた

- さらに3年間は長すぎる

- 労働環境が劣悪

- 十分な業績をあげようと思ったら, 労働時間青天井

- とても月20万(DC1, 2, etc.)だけでやろうとは思わない

- 日本大学機関は衰退していくであろうという僕の想像 (大学教員という職業狭き門であるし, そもそも魅力的ではない)

- 遥かに労働環境のよい企業内定をもらった

修士課程に行った理由

- 就活アピールできるものは「勉強頑張りました」しかなかった

- 業績を稼いでそれをアピールしようと思った

私の大学時代はとても胸をはってよかったと言えるものではない.

- 1 on 1で飲みに行く友人は片手で数えられる

- 彼女などいなかった

- バイトなどはしていない

- 平日は大学と家の往復

- 土日は引きこもる

- 就活アピールできるもの研究しかない

業績は修士としては十分すぎるほど稼いだ.課程博士審査基準をすでに満たしている.

業績だけみると, 僕の分野の修士では日本においてはトップレベルだと思っている.

しかしその業績は僕ひとりで稼いだものではなく, 指導教員の皆様のおかげである.テーマを自ら考えたものでもない.

(さらに言えば, 僕の研究業界へのインパクトもない)

独立した研究者としてやっていけるとはまったく思えない.

研究することのモチベーションは「就活アピールするものがなくてマズイという焦燥感しかなかった.

2016-03-01

D進する学生って

実家も太くないし、DC1にも決まってないのに、なんでD行っちゃうの?

2015-12-08

落第博士英雄譚《ディサテーション(dissertation)》

ストーリー

己の魂を論文に変えて戦う現代魔法使い研究者リサーチャー)が存在する世界で、その養成課程である博士課程に通っている少年黒鉄一輝しかし、彼は研究者としての能力値が低すぎて学位が取れずに留年してしまい、周囲の人間からは落第博士オーバードクター)と呼ばれていた。

新年度が始まる直前に研究室に戻ろうとした所、十年に一人の逸材である学生Aランク博士学振DC1)で科研費皇女と呼ばれる入学直前の異国の皇女ステラヴァーミリオン鉢合わせしてしまい、結果的一輝は討論を挑まれて勝利してしまう。一輝論文の代わりに討論を極めた異端の実力者だったのだ。

互いに切磋琢磨し、強さを高めあううちに惹かれてゆく一輝ステラ。そして博士課程学生の頂点を争う戦いの中、落第博士学生の頂点の候補の一人、業績皆無の学生(ペーパーワン)としてすべての博士課程学生から注目されるようになってゆく。

2015-12-04

中退へのメンタル閾値が低い高校中退者による博士課程一問一答っぽい

この記事博士課程 Advent Calendar 2015 - Adventarの5日目のエントリです。前回はid:kybernetesさんのこの世界への関心を諦めない人に博士課程はオススメ - 表道具でした。

(今年は無事に退学せず済みそうなので、退学 Advent Calendar 2015 - Adventarじゃなくてこちらに参加します。)

http://anond.hatelabo.jp/20141201200815]から大幅にテンプレート拝借

某国立大物理D1場合

Q1. 博士課程ってなんですか

A1. 大学院入試面接で「進学するつもりはある?」って聞かれるあれ

たいていの理系人生において、ここに進むか否かで修士課程終了後の幸せ曲線が大幅に変わるともっぱらのうわさ。(私はまだ実感してないんですが、この手の話聞くたびおっかない)

Q2. なんで博士課程に進学するんですか

A2. 高校中退したあと某高専に潜り込んでたんですが、「高専新卒」という最強就職カードをかなぐり捨てて大学編入しちゃったので毒食わば皿まで、ではないですがやるとこまでやったろう!というのがひとつ

高専時代に言われた「好きなことを仕事にすると長続きしないよ」とかいもっともらしいアドバイスを真に受けて転科する!って編入した先があろうことか原子力系で、在学中の3/11以降いろいろ考え修士課程でまたしても転科したので、たった2年じゃやるとこまでやれん!というのがふたつ。すごくいきあたりばったりですが特に2つ目はこればっかりはしょうがない。

Q3. 普段どんな生活してんのさ

A3. 後述のRAが勤怠とられるので、普通に9時5時で他の職員さんと同じような勤務体系です。

理論系だし実験と比べて体力的に楽かなーと思いきや、週末もけっきょく自宅で作業してしまうので気分的には週休ゼロ日っぽい

研究で頭ハチハチしてると朝の民放テレビとかマジで情報洪水、うるさすぎてたまんないのでNHK教育はなかっぱとか見て心を浄化してから出勤してます

あとは平日休日わずメンタルのために趣味ゲームしたりピアノ弾いたり、こういうのがすごく大事な時間です。

Q4. 在学時の金銭問題に関して一言

A4. 某国研のRA学費とか税金年金もろもろ賄ってるのと、実家暮らしで家にお金入れてるわけでもないので(お父さんお母さんごめんなさい!)あんまり気にしたことはないです。

一人暮らししたら学費免除通りやすくなるのかな…在学中に結婚したら学費全額免除もらえたとか、配偶者に養ってもらいながら(3号被保険者として)生活してたとか、聞くけどどこでみなさん恋人とか見つけてくるんですかね???

Q5. 学振について

A5. 私は修士課程から新しい分野に来ていまだに業績ほとんどないから全然無理無理、って思って出してないんだけど、情報系とかみたいに早くからぽんぽん査読つき学会だの論文だの出せる分野だと申請書も見栄えするんだろうなぁ、って勝手に思ってます物理の人もそんなみんな修士課程からポンポンPhysics Review うんちゃらみたいなのにポンポン載せてるんですかね…

Q6. インターンについて

A6. 来年に行く予定があるんだけど、大陸ヨーロッパなので日常生活英語通じるのか?っていうのと最近テロちょっと心配

他の人とか分野の事情まったく知らないんだけど、大学とか受け入れ先から予算が出るなら是非とも行っておいたほうがいいのでは。

Q7. 楽しいこと3つ

A7.

(1) 高専卒で就職した同期とかの話聞くと、「仕事の内容はいいんだけど人間関係が辛い」(脳筋DQN体育会系みたいなのが多い、の意)というのを割りと聞くので、そういうのが理学系だとないなーっていうのが人間関係に恵まれてていいなって思います高専特に機械科とかほんと脳筋DQNのすくつだったしね。

(2) RAも実際のところ普通ホワイトカラーと違ってあんまり時間には厳しく言われないので、朝が弱いマンにとっては大変助かる。

(3) 本人はいつも自分には研究向いてない…辞めたい…って思ってるのに、親しい人とか親戚がすごく買いかぶってくれてるとこ。自己肯定感が全力で慰撫されますね。

Q8. つらいこと3つ

A8.

(1) 当たり前ですが自分の頭で考えて自分なりの意見を主張していかなきゃならないこと

いまだに自分意見をいうのが怖い、いつもいつもフルボッコにされるんだろうなーって怯えながら進捗報告する日々。

(2) 将来への見通しが無い

(3) どうせいずれ死んでしまうのにこんな研究やってて何の意味があるんだ…

Q9. 現時点で後悔していること

A9.

(1) 高専から大学に編入するときに専攻を変えてしまったこと

高専から大学編入して学振DC1通ってる人とかけっこういるじゃないですか、彼らは高専時代からずっと自分の専門分野に一途だったんでしょう。

まさに「転がる石に苔つかず」で、転がってばかりだと成すものも成せなくなるんだなあ。

(2) 将来への展望ゼロ

安定は、希望です | 参院選に挑む | 公明党みたいな人は博士課程に進学しちゃダメゼッタイ

(3) 人間関係を軽視しすぎたこと

いろんな人の話し聞いてると、高校学部時代の人脈があとあと強い意味を帯びてくる、みたいなのあるじゃないですか。

高専で人脈とかまぁ無理にしても、学部時代に引きこもったりしなければ、留年したりしなければよかったな。

Q10. 博士課程に向いている人

A10.

(1) 「正しさ」をめぐって駆動される権力力学無頓着な人

 これだけで政治哲学上のひとつトピックになりそうだし私が簡単にどうこう言えるものではないけど、教員側でもそういうのに無頓着な人がいますしね。本人の名誉のため名前は伏せます

教員:「何か発言しろ

学生:「いえ、特にありません」

教員:「何でも良い、言え!」

学生:「・・・では、~だと思います。」

教員:「ふざけるな、大間違いだ!謝罪しろ!」

学生:「間違っていました申し訳ございません。」

なんていう地獄絵図はまったく想定していませんでした。

みたいなブログも見つけまして、大変脱力してます。一歩大学の外に出れば↑みたいなのがむしろ普通なのにね。そういう環境適応してきた学生だけ一方的に責めるのはどうなの?

(2) 命令指揮系統崩壊している末期戦みたいな前線でも気にせず自分勝手に動ける・動きたい人

A8(1)と関係しますが、上から命令が降ってくるわけじゃないので、【北朝鮮】最高司令官同志、命令だけ下してくれ! - YouTubeみたいなのは決定的にダメですね。

(かの国における首領・党・人民三位一体による有機的政治生命体、っていうのはたぶん研究職と相性悪いと思う。)

(3) 聞き分けのいい素直なお利口坊や/お嬢ちゃんじゃなかった人

 高専の同期のDQNが「ああぁぁん?てンめぇナマいってんじゃねえよぶっ殺すゾ!!おおおぉぉぉん??(どうでもいいけどなんでこういう威嚇する声ってだいたいプロソディーが短調ぎみなんだろう?)」って言っててもあんなん慣れりゃ自分に直接は害が振らないから別にいいけど、自分の今後に生殺与奪を握ってる偉い人相手には「相手の意のままに動かなきゃ、自分から敢えてケンカ売るようなマネは…」というのが適応戦略としては普通なので。そういうまともな感覚が無い人のほうが博士課程向いてるんじゃない?

後半が「博士課程もう辞めたいこんなん嫌や!!」って思いながら書き溜めたやつで、前半がちょっと最近持ち直してきたときかいたやつなのでニュアンスが違います

なにか質問あれば追記しま

2015-01-20

http://anond.hatelabo.jp/20150119185257

阪大卒の私がきましたよ。

十年ほど前のことだけど、うちの学科トップだったやつの話をしよう。

彼も、受験東大受かるレベルだったそうだけど、ずっと阪大と思っていたし地元だったので、

そのまま阪大を受けたそうだ。

まあ、一番優秀でしたよ。

でも、そいつ匹敵するくらい優秀なやつも、30 人弱のクラスの中にもう 1 人いたけどね。

で、当たり前のようにそいつ主席卒業学振DC1 とってドクターに残り、ばりばりと研究の日々。

それで結局、そいつが今何をしてるかというと東大先生ですわ。


阪大なんて馬鹿にされがちだけど、学科トップ数人は東大に受かるやつが入ってて当たり前。

そしてそういうやつは大概、素晴らしいポジションについていくもの

アカデミックに残らなくても、企業にいったってそうなんじゃないかな。

ちなみに俺は F ラン大の先生ですよ。

クラスで平均的な成績だったからね、俺は。

それでも今のご時勢、アカポスつけただけでもラッキーだよね。

あ、そうそう、いま思い出したけど、おじちゃん東大行きたかったんだけど、センター後ヒヨって阪大に変えたんだった。

担任は変えずに東大受けろって言ったけど、たぶん受けてたら落ちてたと思うなあ。


それを踏まえてアドバイスをすると、

・受かるレベルの成績だからって、実際に受かるとは限らない (もちろん、A ついてる阪大だって落ちる可能性がある)

・あとから経歴を見れば、阪大卒より東大卒のほうが格好がいいので、可能なら東大がいいのは当たり前

・本当に優秀なやつは、どこの大学出たって最終的に行き着くポジションは同じ

(それでもやはり、阪大東工大東北レベルより下に落ちると、同じ場所には行けないかも?)

まあ、どっちだって構わんと思いますよ、俺は。

2014-12-16

博士課程一問一答

博士課程 Advent Calendar 2014(http://www.adventar.org/calendars/548)のエントリーです。

1回目のテンプレhttp://anond.hatelabo.jp/20141201200815)をお借りしました。

 

Q0. 筆者プロフィール

 

Q1. 博士課程ってなんですか

大学での研究生活の後半 (学部4年の1年間 + 大学院修士の2年間 + 大学院博士の3+年間)。

ワンピースでたとえるなら新世界みたいな感じ。人によっては前半の研究生活を「楽園パラダイス》」と呼ぶとか呼ばないとか。

 

Q2. なんで博士課程に進学するんですか

人によってはキャリアパスのためという理由もあると思うけど、個人的には、研究楽しい/研究自由にやりたいから

スラムダンクでたとえるなら「リサーチャーになっちまったのさ…」(まだなってないけど)

 

Q3. 普段どんな生活してんのさ

調子が良い時の例:

調子が悪い時の例:

調子が最悪の時の例:

 

Q4. 在学時の金銭問題に関して一言

学振DC1をもらってますので月20万(マイナス 税・学費など)をもらってます

学費は、(大学によって学振受給者の使いが違うようですが)自分は半額免除もらいましたので年間26.8万円(2.2万/月くらい)払ってます

徒歩20~30分くらいのところに5.9万のワンルームアパート都内23区)を借りて、気分転換運動を兼ねて徒歩で通学してます

今のところほぼ完全に自炊をしていて食費は月2万くらいです。

初年度は税金等がないのもあって、±ゼロ ~ +3万(黒字)くらいの家計でやりくりしています

 

Q5. 学振について

修士2年5月の時に、国内会議1本+国際会議1本+国内論文誌1本+学内賞 で学振DC1に応募して面接免除採用になりました。

その後、いろいろあって研究室を変えることになり、採用内定後に指導教員の変更届を学振に提出しました。

 

Q6. インターンについて

博士に入ってからはまだどこにも行けていないのですが、修士1年の終わりくらいに海外研究所で4か月ほどインターンしました。

インターン先で研究してからますます研究面白くなったり、博士にいってもやっていけそうという自信がつきました。

学部4年になった時から博士神学は考えていましたが、最終的に博士進学の決心が固まったのはインターンから帰ってきたとき修士2年の始め)です。

また、インターンに行ったことで、研究に対しても、キャリアプランに対しても、自分なりに視野を大きく広げることができて、本当にいい経験になりました。

 

Q7. 楽しいこと3つ
  1. 学振給料でようやく一人暮らしを始められたのもあり)いろいろ料理をするのが楽しい
  2. 海外インターン学会発表で頻繁にいけるのが楽しい
  3. 博士課程の先輩や博士志望の後輩とかと飲みに行ったり家に招いたりするのが楽しい

 

Q8. つらいこと3つ
  1. 同期の数が博士になると一気に減る(同じ専攻で3~5人くらい)ので同期と話す機会が減ってつらい
  2. 研究がうまくいかったり論文が落ちたりしてつらい
  3. 発表スライドジョークで場が凍り付くとつらい

 

Q9. 現時点で後悔していること

D1とき(今年)インターンにいけなかったこと (後悔というより残念なこと)。

 

Q10. 博士課程に向いている人

2014-12-13

バッタ

博士課程 Advent Calendar です(http://www.adventar.org/calendars/548)。これ書きました http://anond.hatelabo.jp/20141201200815

いくつかトラックバックが付いていたので、それに関してコメントを。


モチベーションの保ち方について

博士課程の学生はみんな三度の飯より研究大好きモチベーション維持できないやつは進学する資格なし!!!!と言われたりしますが、それは多分あまり正確な話ではないです(ちなみに私は三度の飯のほうがよっぽど好き)。モチベーションを含め、自分をちゃんとコントロールするのは難しいので、それを三年間で身につけたら良いのかなぁと思っています

まず、多分人間誰しもモチベーションが下がるときはあります(そうならない人は才能だと思うので大事にしてください)。そういう時に無理して研究しようとすると、研究は進まないし時間は浪費するし、かなり精神的にクるので、やめた方がいいです。私の場合は、事務的に出来る作業をやるとか、諦めて遊んだします。

ではモチベーションを下げないようにするにはどうしたらいいか、という話ですが、2つ実践していることがあります

1つは、短期的・中期的・長期的な目標自分で立てること。で、ちゃんとできたかできなかったかフィードバックをして計画を立て直します。

例えば長期的な目標(= grand goal)を、◯◯という論文誌 or 国際会議投稿する、という月単位目標として設定したとすると、中期的な目標は、いつまでに手法を考え、実験をし、論文の初稿を仕上げるか、という週単位目標として、短期的な目標は、この論文今日理解する、とかこのコード今日は書き上げるとかという日単位目標になるかと思います。((もちろんもっと長いスケールでも目標は建てます))

で、大事なのは、長期的な目標ほど死守する、ということだと思いますケツカッチンだと取捨選択がちゃんとできて個人的には良いです。逆にいつまでもグダグダ手法を考えたり論文を読んだりするのは得策ではありません。諦め(=取捨選択)が肝心です。

もう1つは、先に述べたことと関連していますが、研究テーマにあまりこだわりすぎないことです。一つの分野で何十年も研究を重ねるのが素晴らしくて、ころころ研究分野を変えるのはあまり好ましくないという先入観が(私には)ありますが、その美徳を全員に押し付けるのは酷なことだと思います。何十年も同じ研究分野で研究をできるのは才能だと思うので、それができない人は、諦めましょう。面白い研究分野に移りましょう(このように吹っ切れたのは最近のことで、チューリング賞授賞者と懇談会をしたときに、飽きたら研究分野変えたらいいじゃんアホかお前は、みたいなことを言われたのでそれに後押しされたのが大きいです)。ただ、移るだけ移って勉強をして終わりではあまりコスパが良くなくて、移ったからには何本か論文書くぞ、という気概を持つの大事だと思います


研究時間が少ない

基本的はいつでもどこでも研究ができるので、研究室に長時間いるということはありません。その点は情報系の利点だと思います(生の実験があるところだと、実験装置スケジューリングがあって、夜中に実験するはめになったりするらしいですね、つらい)。あと私の場合は、一日のうちで集中できる時間が限られているので、特に研究時間が少ないと思います。ヘタすると4時間くらい集中してやって終わり、ということもあります。長時間集中すると、翌日廃人になるので、継続的に良いパフォーマンス研究をしようと思うと、このくらいの時間がよいのかなと思って今はその生活リズム生活しています

研究時間の話は人それぞれなので、自分特性をきちんと把握するとよいと思います。長時間研究室にいる=すごい、短時間しかいない=クソ、という図式は、人間多様性無視しているので捨てたほうがいいです。自分特性を把握して、ベストパフォーマンスを出せるように生活したらよいのです。諦めが肝心です。


モラトリアムm9(^Д^)プギャー

24時間の使い方を自分裁量で決められるので、趣味時間とか取れていいですよ。このような生活を維持したいです。


学振貰ってる場合バイトは一切禁止。インターンとかもってのほか通報しますた

バイト、禁止です。TARAは頑張っても月数十時間くらいしかできないのも仰るとおりです。

実はインターンシップは、自分研究計画に資する研究を行う場合ならば、いくつか条件を満たせば参加可能なのです(http://www.jsps.go.jp/j-pd/data/tebiki/h26_tebiki.pdf の p.33)。

ただし手続きちょっと面倒臭いです。海外インターン場合は、まず学内インターン参加の許可を得る&海外長期滞在の許可を取る必要があります。うちの大学だと研究科レベル教授会にかける必要があるので、ヘタしたら数ヶ月待つ必要があります学内の許可を取ったあとは、それを学振に伝えてさら学振からも許可を取ります。こうして晴れて堂々とインターンに参加することができるようになります。このような手続きを踏んでいるので、少なくとも今回私が参加したインターンはlegalというわけ。

ちなみにインターン給料をもらうと自分確定申告しなければならないので、それもちょっと面倒です。外貨給料もらった場合どうしたらいいのかわからんぜ...。


博士課程修了後の予定はありますか?

考えている進路はあるのですが、あまりそれを書いても面白く無いので、一般論を書きます。ただし、私はまだ仕事経験していないので、だいたいは噂・妄想です。

進路はアカポス企業かに分かれると思いますアカポス志望の場合は、だいたいD3の夏過ぎ頃から助教ポスドク公募がでて、それに応募して次の4月から採用、というスケジュール一般的なようです。また学振からお金を貰うポスドク場合には学振と同じようにD34月だか5月に申請し、11月/12月に結果が出る(面接場合さらに遅い)ようです。優秀な方はポスドクを経ずに助教なるみたいですが、学振PDはかなり自由なので、これと迷う方もいらっしゃるようです。企業志望の場合は、一般的企業採用プロセスに則って就活をすることが多いようです。ちなみに、国外場合も、時期は日本半年ずれたりしますが、アカポス場合公募メーリングリストで回ってきますし、企業場合公募の形を取っているものが多いようです。国内場合は、学会などで顔を売りやすいので、就活はしやすいかと思いますが、海外場合はなかなか大変なようです。馬鹿正直に公募に応募しても、書類審査落ちすることが多いとか。なので、中の知り合いを作るのがよい、というのを聞いたことがあります

次にそれぞれの利点欠点を考えますアカポスの利点は、自分裁量が大きいということかなと。自分研究テーマを決めて予算を取ることができます。共同研究とか自由にできます企業だとそこまでの自由はないっぽいです。ただし、アカポス任期があったり、ポスト数が企業と比べると圧倒的に少なかったりします。なので、多分プレッシャーは大きいです。あと引っ越しとか多そうです(良さげなポストが空いていれば全国どこへでも引っ越す可能性がある?)。また大学企業ではアクセスできるリソースに違いがあると思いますアカポスだと好きな機器を買えたり、好きなシステムを作れたりしそうですが、全部一から作る必要がありそうな気がします。企業だと、例えばニュース配信アプリを作ってるようなベンチャーだと、たくさんのユーザアクセス可能な環境がすでに整っていたりします。

どちらが良い・悪いという話ではなく、どちらが自分に向いているか・向いていないかという話なのであしからず


情報系は金回り有利そう

他の分野は知りませんが、インターンとかあるし、就職の幅もそれなりにあるので野垂れ死ぬ可能性は低そうです。生の実験とかをすることがないので、研究予算がそんなになくても最低限研究できるのもいいところだなと思います


DC1は明らかに学校もしくは研究室名前で合否が決まる

DC1がよく通っている研究室は、そういう指導体制スケジューリングうまいんだと思います。申請書を先生や先輩がちゃんとアドバイスできたり、先生学振を見越して学生のケツを叩いてくれたり。通った人と知り合いになって、通った申請書を見せてもらったり、あわよくばアドバイスを貰ったりすると良いと思います。通ったらその分後輩の面倒を見て恩返しをしましょう。


情報系において民間ではなく大学からこその強みってなんでしょうか

このあたりはあまり自分でも結論が出ていないのですが、大学はカネにならないことをやってもいいところなので、そういうことを堂々とできるのが強みだと思います。例えば、理論研究を行って最終的に会社が儲かるというストーリーを考えるのは難しいので、それを仕事として行うのは難しいと思いますが(企業利益に全くつながらないことをやってる人間給料研究費はあげられないですよね)、大学だと論文を書いたりすれば良いので、堂々と理論研究できると思います。また、夢を語る系の研究(こんなことができたらいいよね、こんな世界になったら良いよね)というのも、企業よりは大学のほうが気兼ねなくできるのかなと思います


社会人ドクターってどう思います

特にポジティブネガティブ感情はなく、単純に大変そうだなと思います会社の業務に追われながら博士論文を書いたり大学博士課程学生に割り振られている仕事をこなしたりするみたいなので。ただ、博士号を取るパス博士課程に正規で入学するパスだけになってしまうのはなんとなく健全ではないような気がするので、そういうオプションを後世に残すためにも頑張ってください。

またなにかあれば。

2014-12-01

博士課程一問一答

以下、国立情報D2場合博士課程生活について。

Q1. 博士課程ってなんですか

A1. 博士後期課程の略。学部4年、修士課程2年過ごしたあとに、さらに(通常)3年間大学に在籍して研究を行う。

Q2. なんで博士課程に進学するんですか

A2. 基本的には研究がしたいから

私の場合M1の初めはD進も考慮しつつ、夏頃には就職する気マンマンだったが、12月下旬にふとD進しようと思い立ったのでD進した。

Q3. 普段どんな生活してんのさ

A3. 朝7時前後起床、眠かったら二度寝。早ければ9時ごろ大学に行き、勉強 or 研究 or 事務作業。

混むのが嫌なので11時半すぎに昼食(半分くらいはぼっち飯)、18時〜19時ころ大学を出る、という生活の繰り返し。

気が向かなかったら平日休んだり、気が向いたら休日大学に行ったりとフレキシブル生活がおくれる!

かまって相手があまりいないので、研究に集中できる!!

多くは一人飯なので、好きな時間に好きなものを食べられる!!!

Q4. 在学時の金銭問題に関して一言

A4. 学費はだいたい国立場合年60万円くらいかかります

学振という制度を使うと、額面月20万円がお給料として貰える+最大年100万円研究費が貰える。

基本的には博士課程学生年収240万円が上限なのだが、お給料貰えるインターンシップに参加すると学振給料を止めてインターンシップから給料を貰うことができるので、さらなる高みを目指すことが可能。

学振を取れなかった場合でも、先生によっては毎月RA代(学振と同額支給する先生も!)を出してくれるので、そういう先生を選ぶことで金銭問題はあまり問題とならない。

Q5. 学振について

A5. 日本学術振興会特別研究員DC1とDC2の二つがある。

DC1修士2年生の時に申請して、通れば博士1年から三年間上記の給料+研究費が貰える制度

DC2は博士1年 or 2年の時に申請して、通れば博士1年から二年間上記の給料+研究費が貰える制度

給料がもらえるのはありがたいし、何より先生から自立できるのが一番大きい。先生に気を使わずに色々買えるし色々旅できる。

おおまかに言って、研究計画、業績、研究者としての資質の三軸で評価されるらしい。

私の場合は、DC1落ち、博士二年からDC2採用

しばしば、DC1は業績あれば通ると言われるがそれはおそらく嘘で、一つでも大きく欠けてしまうと通らないっぽい(有利なのは確かだが)。

また、研究計画は盛ればいい、というのもおそらく嘘で、所定の年数で博士課程学生が一人でできそうな研究計画(×(1+ε))くらいでいいっぽい。

Q6. インターンについて

A6. 博士課程では数ヶ月研究関係インターンシップに参加する人がぼちぼちいます特にD2夏休みくらいがベストシーズンのようです。

どのようにインターンを探すのかについて、3通りくらいある。

1つめは、メンターになって欲しい研究者に直接コンタクトを取る方法。やったことないけど、効果は一応あるっぽい?

2つめは、会社研究所インターン募集サイトから自分で申し込む方法。このパスはあまり有効でなかったりするらしいので、中に知り合い/メンターになってほしい研究者がいればその人に頼む方が確実だとかそうでないとか。

3つめは、先生経由で紹介してもらう方法。誰かいい人いませんかメールが他の研究者採用人間からくることがあるらしいので、それに紹介してもらう。

インターンで何をやるのかは場合によって大きく異なるらしいので、打ち合わせが必須特に研究をやりにいったのに論文にできない/ならないような仕事をやって帰ってくるとか、準備不足で行って時間が足りずに終了となる場合もあると思うので、打ち合わせは念入りにしておくと後々楽だと思います

また海外インターン、準備とか後片付けとかとても面倒くさいのですが、年取ると多分もっとめんどくさくなるので、博士課程にいるうちに一発覚悟をキメてやってみると後々の就職活動の幅が広がっていいのかなと思いました。もう少し歳を取ってから海外生活となると多分キツイ

Q7. 楽しいこと3つ

A7.

(1) 平日の昼間に遊ぶことができる

(2) かなり多くの時間をやりたいことに費やせる

(3) 学会で色々なところに行ける

Q8. つらいこと3つ

A8.

(1) 論文通らない

(2) 難しい研究理解できない

(3) 論文書き上げるのしんどい

(4) 学部修士卒業した人たちと違う世界にいる気がする(みんな働いてて偉い!)

(5) 「今何やってるの〜?」「学生」の気まずい瞬間

Q9. 現時点で後悔していること

A9.

海外大学/院を受けなかったこと

研究業界で名の知れた研究室や、研究業界の主導権を握っているような研究室の人と仲良くなるのは大事なような気がしますが、やっぱり学生の頃からそういう環境に身をおいてみたかった。

D1の頃に長期インターンに参加しなかったこと

D2の頃に三ヶ月の海外インターンに参加してとても楽しかったので、D1の時も参加できたらよかったなぁと。一つ応募していたのは落ちてしまったのですが、複数応募しておけばと思います

・じっくり勉強をすること

業績を稼ぐのに焦っていて、じっくり勉強する時間が少なかったような気がします。じっくり考えましょう。

Q10. 博士課程に向いている人

A10.

自発的に動ける、かつ、困ったら人に助けを求められる人。

なんか書いてほしいことあったらコメントにお願いします。もう一回くらいアドベントカレンダーで書くかも。

2014-09-26

流されるままに生きてきました

気がつけば博士後期課程。

うちの大学は色々適当TAが教鞭を持つこともあるのだが、その経験が楽しかったので大学教員になりたいな~となんとなく考えていた。

しかし、進学後自分にはジャーナル1本/年という生産は無理だったことに気がつく。

思い返せば、学部修士の時に学生奨励賞とか沢山貰ったので勘違いしちゃったんだろうな。

DC1に落ちた時点でさっさと諦めるべきだった。

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