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はてなキーワード: 生殺与奪とは

2018-09-01

最近縁を切った元友達サイコパスだったかもしれない

15年友人関係続けて耐えられなくなって逃げた。

俺が大学とかバイト先で新しい友達ができたと知るとこの幼馴染は

「はっ!?ふざけっ…んだよそれよお」

イラついてみせてから紹介するようせがんでくる。

まれるがまま遊びに誘って引き合わせると

「どうもはじめまして~。なんだよ、全然普通そうな人じゃん!!お前、悪口ばっか言ってるからどんなヤバい人くるかとドキドキしてたわ〜w」

冗談めかして完全な嘘をぶち込んでくる。

当然、このせいで新しくできた友達と徐々に疎遠になる。

なんであんな嘘ついたんだ、なにがしたいんだと幼馴染に猛抗議しても

「ちゃっと待ってよ〜w言ってたじゃん!!www」

とシラを切り続ける。

第三者がいるときならともかく、俺とこの幼馴染、事実を把握できてる者二人きりのときにこういう無意味な弁明をするから唖然してしまった。

機嫌が悪いときは手がつけられない。

電気屋店員をテメエ呼ばわりしたり、観光案内所の人に「(バスルートを)とっとと教えて?バカでもできる仕事なんだからさあ」と八つ当たり目的挑発したりと、完全にぶっ飛んでる。

どういうときに幼馴染の機嫌が悪くなるのかは全く読めない。上機嫌だったのに突然癇癪を起こすときもある。

ある日、遊んだ帰りに幼馴染が強引に俺の実家に上がり込んだときがあった。

部屋で小一時間遊んだあたりで

宅配ピザが食べたいなあ〜(笑)

とか独り言の体で冗談っぽくタカる芝居を始めたから、そもそも出前目当てで家に来たんだなとすぐにわかった。

そんな要求適当にあしらってたけど夜の6時過ぎても幼馴染は帰ろうとせず、俺の母親が気を利かせて出前を提案したので彼は目論見通りピザにありつくことに成功した。 

ピザ食ってる最中母親が「お漬物あるんだけど食べる?」と勧めた瞬間に幼馴染の上機嫌は吹っ飛んだ。

ピザ漬物って……食うわけねえだろ。何言ってんだよお前」

とピシャリ

俺も母親も完全に凍りついてた。バラエティ番組ノリの冗談かと思って幼馴染の顔を見たら完全にブチ切れた表情してた。

機嫌を直したときも幼馴染は油断できない。

ある友人が遊びの待ち合わせに大幅に遅れたときがあった。

当然、幼馴染は機嫌を損ねてブチ切れる。

駅前だというのに周りが振り向くくらいキレまくってた。俺は周りの視線が痛いのでずーっと幼馴染をなだめていた。

やっとこさ姿を表した友人は青い顔をしていた。人前で恥ずかしいからやめてくれ、ってくらい大袈裟に謝ってきた。  

そしたら幼馴染が

「なあ、もうお前許してやれよ。こんなに謝ってんのにまだキレてんの!?こいつ来るまでずーっとキレて、こいつが来てもまだムスッとして…いい加減にしてくれって…」

と悲しそうな顔で俺に苦言を呈してきた。

俺は自分の頭がおかしくなったのかと思った。

遅れてきた友達は大慌てで謝り倒しながら「この前借りた2000円、今返すよ。遅れて本当にごめん」とまで言ってきた。

「いや、俺そもそもキレてねえから!それにこの返され方じゃカツアゲしたみたいになるからタイミング的にちょっと

困惑してると再び幼馴染が

「わかったわかった!俺がその2000円代わりに払うよ。で、お前は今度俺に2000円返せばいいよ!

いや、2000円ごときいいわ(笑)俺に返さなくてもいいよ。完全に精算!これで終わり!かわいそうになあ、こんな無理矢理払わせるみたいなマネされてよお」

と同情を禁じ得ないという感じで一芝居打ち、表情を強張らせ俺をキッと睨みつけながら

「ほら、お前もういいだろ…これで収めろって」

自分の財布から2000円を出して俺に突きつけてきた。 

本当に恐ろしいやつだと思った。

敵に回したら怖い、とかそういうのじゃなくて得体のしれないモンスターのような恐ろしさを幼馴染から感じ取った。

人を陥れたり、誰かに寄り添ったりするこういうでっち上げの立ち回りを幼馴染はよくやっていたので、周りから信頼されていた。

たとえ幼馴染が発作的な不機嫌を起こしても、皆困惑しながら自分たちの行いをひたすら思い返しては責めていたくらいだった。

幼馴染はこういうめちゃくちゃな行動を相手選んでやっていたと思う。

実際、俺はなかなか縁を切れなかったわけだし、他の友達も突然の八つ当たりやブチ切れに目をつむってこの幼馴染をしたい続けていたし。

それに、目上には徹底的に礼儀しかった。体育会的なわざとらしい服従ではなく、自分生殺与奪を握っているような目上に対しては本当に常識的にごく自然に敬意を払っていた。

から職場ではとにかく好かれているようだった。

連休のたびに上司から餅つき釣り食事に連れ回されてさすがに困ってる」とかそういう話をよく聞いた。

15年経ってこの幼馴染の行いがようやく俺の中での許容値を超えてフェードアウトすることになったのだが、

縁が切れた今気になるのはなんでこいつがこんな人間になってしまったのかということだ。

意外に思われるかもしれないが、この幼馴染は家族仲がすこぶるいい。

付き合いが長いからよく知っているけど、両親は良識ある物凄く良い人たちだ。

学生時代イジメを受けた過去もなく、むしろ同級生たちのリーダー存在だった。教師からもとにかく可愛がられていたし。

俺と違って思春期彼女もいたし、一流大学にサクッと合格してた。就職先も一流。

コンプレックスらしいコンプレックスとは無縁の人間だった気がする。

それだけに、この幼馴染がモンスターになった原因が全くわからなくて途方に暮れている。

遺伝でもなく、環境でもなく…じゃあ他になにがあるよ?っていうのが正直なところだ。

全くわからない。

2018-08-24

anond:20180824010938

海外権益をすべて失い、300万人が死に、1000万人を殺し、日本のすべての都市空爆され、50万人が外国強制労働させられ、外国に無条件降伏して国民すべての生殺与奪を握られる、ことより悪いことなんて平時には存在しないと思う。

植民地は徐々に放棄じゃないかな。欧米列強20世紀後半に苦しみながらしたように。

2018-08-23

ネット

いかにクソバカを排除できるかが生殺与奪の鍵となるはずだったが、全般的に大失敗の模様

2018-08-16

anond:20180816150230

知らんが、今ラグナロクオンラインキャラクターで名があるものが一人も残っていないように、オンライン前提のキャラゲーって別にキャラゲーではなく体験を売っているビジネスモデルなので「キャラクター名前も形も実は適当で良い」という問題があったりする。

ワイもよく知らんが最近おめーらが注目してる血小板ちゃんみたいな「雑なキャラデザ」でも別に許されはする。そしてそれは艦これ例外ではない。

これらのオンラインゲーの殆どキャラゲーではなく正にコミュニティゲーであり、その生殺与奪コミュニティがそれを握る。艦これたまたまグル」がいただけであり、数多撃沈された艦これクローンたちは「グル」がいなかった。ただそれだけの話よ。

2018-08-12

現代日本で最強なのはサラリーマンでは?と思ったエピソード

部署飲み会解散になり家路につこうと、帰る方向が同じ先輩と一緒に駅に向かって歩いていた新入社員私。

この先輩、部署内で一番寡黙な男と誰もが認めるほど静かな方だったので並んで歩きながら「話がはずまないなあ…」と思いながらボーッとした。

そんなバカな私はこっちに向かって歩いてきた人と盛大にぶつかってしまった。

「あっ、すいませんでした!!」と咄嗟に謝り顔をあげると目の前にはタトゥー入りまくり筋肉ムキムキの某連合さながらの怖ーいお兄さんが。

タトゥーさんが放つ圧倒的な威圧感に半べそかきながらも

「(でも、こういう人ほど普段は優しいって聞いたことあるし……)」と自分に言い聞かせていたけど、

現実はそう甘くはなくメチャクチャ恐ろしい恫喝が飛んできて私は両足ガクガク……。

「(あーこれ私死んだわ)」と顔面蒼白でいると先輩がスッと近寄ってきて一言

「あっ、彼女に触らないほうがいいですよ?触った時点で暴行罪成立しまから。一応、お伝えしときますけど」

煽 っ て ど う す ん ね ん

先輩を見ながら絶句する私、怒りでみるみる顔を赤くするタトゥーさん。

そりゃそうだ。この先輩、ヒョロヒョロした色白でパッと見でもう喧嘩と無縁なタイプなのがわかるような人。

百戦錬磨の暴れん坊(推定)のタトゥーさんがプライドを傷つけられたとしても無理はない。

案の定、飄々とした態度を取る先輩に対してもメチャクチャに凄んで見せ、今にも掴みかからんばかりの勢いでブチ切れるタトゥーさん。

それでもこの先輩、一切怯える様子もなくポーカーフェイスでボーッと突っ立ってるままでいる。

先輩、ついに魂抜けちゃったのか!?

ことの行末を見守るしかない私。怒りのボルテージがどんどん上がっていくタトゥーさん。

さすがにこの頃にはもう周りを行き交う人たちが足を止めてざわつき出していた。

そしてついにタトゥーさんは先輩のネクタイを掴み上げた。

すると先輩は

「あっ、暴行罪成立ですねー。目撃者もいます警察呼びますねー」

ポケットからスマホを取り出し操作し始めた(この時も表情変わらず)。

唖然としている私を尻目に警察電話をかけようとする先輩。

するとなんとタトゥーさんは焦って足早に逃げて行ってしまった。  

緊張が解けて泣き出してしまった私を先輩は静かな場所に移動させ、泣き止むまで一緒にいてくれた。

ようやく気分が落ち着いた私が、どうしてあんな落ち着き払っていられたのか先輩に尋ねると(もしや武道格闘技の達人!?みたいな期待もあった)

「私さんね、この法治国家では無法は通らないんだよ。どんな大男でもどんな凶暴な人間でも法を破った瞬間に社会的制裁を受ける。

世の中の仕組みがそうなってるんだよ。警察も優秀だしね。

社会ルールを当たり前に守りながら生きてきた僕たちと違って、絡んできたあの男はルールを軽んじて生きている。自分から負けに行ってるようなもの。だから怖いなんて思わないよ」

と当然のことのように先輩は言ってのけた。

「まあルール範疇でやる気満々でこっちと闘ってくる競合他社や、こっちの生殺与奪を握ってる取引先のほうがサラリーマンの僕からしたら百倍恐ろしいね笑」

そう最後に付け加える先輩を見て、現代日本で最強なのはサラリーマンなのではないかと私は思った。

2018-07-28

anond:20180728191140

客が医者看護師に横柄に接しないのは生殺与奪を握られてるからで単なる力関係  

心付けとかい賄賂も手を故意に抜かれたくない恐怖で患者側が自主的忖度して実施される 

https://anond.hatelabo.jp/20180709055614

2018-07-17

インターネットフェミから足を洗った

痴漢性的嫌がらせに散々遭ってきた人生で、この不快感理由を求めてインターネットフェミの影響を受けてきたけれど、考え方が変わった。現在行われている差別性差別よりも資産差別のほうが強力で、深刻で、本質的だ。資産がない女性資産がある女性よりも性差別を受けやすい。資産がない男性男性であるからといって恩恵を受けてない。そう思うようになったのは会社で私が決裁権者になってからだ。高額商品の見込み客や、決裁権を持つ人間への態度は、とても丁寧なものだ。そして匿名の「女」としては相変わらず帰宅ラッシュ痴漢に遭う。なぜ女全般が軽んじられるかというと、職権の低い、力の弱い人間が多い傾向にあるからだ。

 

女性差別の深刻さには、明らかに地域差がある。肉体労働が主な産業で、男性のほうが明らかに稼げてきた歴史のある地域は、女性蔑視や男性による女性への暴力が多い。生糸など女性でも稼げる…というよりむしろ女性有利な産業があった地域では、DV率が低くかかあ天下の傾向がある。結局、金なのだ生活を支える金、食い扶持なのだ

 

私は私の人事評価をするポスト男性から嫌がらせを受けてきた。しかその男性は女性だけに嫌がらせをするのではなく、職位が下の男性にも似たようなことをしている。私が昇格してから私への侮辱は止んだ。よって、あれは性差別ではなかったことがわかった。ほとんどのハラスメントは男女問題というより「職権乱用」であって、日大監督が職をあっせんするから大学生は逆らえないという問題、職をあっせんしてやると言って薬を盛られて強姦された詩織さんの問題、それらのものと一緒のものであるという認識になった。虐待についても「親権乱用」と考えられる。

 

権限の乱用をどうしたら良いのだろう。アシスタントがついた上に、接待も受けるようになって、「これを浴び続けていたら人間絶対おかしくなる」と感じた。農家長男ハラッサーが多く見られるようだけど、相続において優位=母親から接待を受けて育ってきた歴史があるからだと思う。もてない男ばかりの集団チヤホヤされる紅一点も非常識要求をするようになっていくようだけど、これもワンチャン狙いの接待に育てられているのだと思う。そしていま一番深刻な接待が、雇ってもらうため・待遇改善してもらうため・商品を買ってもらうためといった、お金のため、生殺与奪を握る種類の接待であると思う。女性差別は、高賃金の職に就くことに繋がる高等教育を受ける機会や、決裁権のあるポストに就く機会を性別理由剥奪されていたというものであって、そうした差別が(特に首都圏大手で)じわじわ改善していっている今、差別本質として残るのが資産の偏りを使った、ブラック労働下請けの買い叩き、営業マン侮辱的な行為を強いるような暴力だと思う。男が強いんじゃない、女が強いんじゃない、資産の持ち主が強いんだよ。やりたい放題なんだよ。

2018-06-05

教師クズが多い

教員だが教員には本当にクズが多い

授業では天皇

授業中の生徒の生殺与奪権を握っているから好き放題できる

1年めのペーペーだとしても授業中は天皇

生徒は生徒で先生に従うものと教えられているので

多少のおかしいことでは従ってしま

結果、自浄作用のない教員はどんどんつけあがってしま

授業は聖域

授業中は他の教員見学することはないのでやりたい放題

たまーに授業研究とかあるけどやる気がある教員しかやらない

進学校以外は成果を問われるわけでもなし

首にならない程度しかやる気の無い教員はいくらでもいるし

それをとがめ空気でもない

定期的な転勤

その地域1番の部活指導をしているとかよほどの事情がないと

公立校は約3年周期で転勤する

業者との癒着を防ぐという意味もあるらしい

中途半端になるので思い切った改革なんてできないし

結局は前例主義になる


民間では通用しないクズばかり

ま、民間で求められるのとは違うスキル必要から

2018-05-27

軍人になる人って自分らが殺し合いすることになるって気づいてるのか

自衛隊に限った話じゃないんだけどさ、軍人のくせに自分が殺し合いに巻き込まれることをイメージ出来てない人が結構多いんだよね、本人たちから話聞いてると。

お前それ戦場で言えるの?みたいな事へいきで言うんだわ。

そして驚くのが命かけてる割には待遇があまり良くないことな

訓練したり、管理したり、銭勘定したり、よく分からん物資補給手続きみたいなのやったり、そういう事しつつ、いざとなったら前線人殺し自分も殺されてってなる割には給料あんまよくない。

なんかもうね、「お前ら、自分が銃で人殺したり爆弾で脚吹き飛ばされたりするイメージなんて持ってないだろ」と言ってやりたくなる。

でも傭兵は違うんだよね。

話すと生殺与奪を握り合うことに対してそれぞれの哲学を持ってる。

やっぱね、兵士傭兵に限るよ。

2018-05-09

かっこいい四字熟語はかっこいい四字熟語から作れるはず

かっこいい四字熟語を作りたい。そのために、字面がよさそうなかっこいい四字熟語を集めてみた。これらから漢字を選べばそれなりの四字熟語になるのではないか

山紫水明、色即是空疾風迅雷、諸行無常

人海戦術森羅万象、秋霜烈日、権謀術数

天衣無縫酔生夢死、快刀乱麻、花鳥風月

光学迷彩前人未踏、神出鬼没、泰然自若

臥竜鳳雛、燕雀鴻鵠、危急存亡、起死回生

変幻自在、軽妙洒脱一騎当千一刀両断

比翼連理極悪非道疑心暗鬼、行雲流水

運否天賦生殺与奪堅忍不抜明鏡止水

2018-04-20

取材者と取材源に「セクハラ」は成立するのか

セクハラは優位な立場から劣位な立場しか定義上あり得ないが、取材源とメディアってそんなはっきり立場の優劣がついてるのか?

メディアが公に「メディアより取材源の方が優位な立場にある」と明言したようなものだが、実際そうだとしてもそれを公に表明してしまっていいのか?

官僚に嫌われたら特オチするから逆らえなかった」ということは、もう既に官僚メディア生殺与奪を握っているも同然じゃないか

2018-02-23

anond:20180223184305

創作可能性も高いが、こういう女もいると知っていないながら

であるだけで恋愛は優位、恋愛生殺与奪を握っているのは女、みたいなこと言う男が絶えないのが不思議だね

2018-02-22

[] #50-7「猫の生殺与奪権」

俺は他種の生き死に対して薄情な人間だとよく言われる。

実際、自分でもそう思っているし、それの何が悪いのかとすら考えていた。

だって命は平等じゃない。

平等だっていう人もいるけど、現実はまるでそうではないだろう。

同じ人間に対してだって、身内の死と、知らない人の死を同じようには思えない。

有名人の死だって、その人のファンだったら冥福を祈りたくても、さして関心のない人物だったらスルーする

同じヒト相手にその調子なのだから、他種に対する命の測り方はよりゾンザイだ。

ほとんどの人間が、皿に盛られた命の残骸に思いを馳せたりしない。

動物や魚を食べるのにも関わらず、イルカクジラとか種類によっては庇護したがる。

ベジタリアンだって植物に情を感じないし、感じていたとしても動物よりは軽いものであることを事実上認めている。

結局、人間推し量る命は普遍でもなければ不変でもない。

どう足掻いても、手前勝手ものしかないってことだ。

だったら、どうすべきか。

出せる答えはそう多くない。


「はあ……俺が飼おう」

俺は渋々といった具合にそう告げた。

みんな驚いていた。

俺の口からそんな言葉が出るとは思いも寄らなかったのだろう。

「ええ!? マスダ、猫が好きじゃないんだろう?」

「厳密には『好きでも嫌いでもない』だ。好きだからといって飼っていいとは限らないように、好きじゃないからといって飼っちゃダメとは限らないだろう」

「でも、他に動機がないじゃん。何で飼おうと思ったの?」

「まあ、強いて言うなら“情にほだされた”って感じかな」

実に勝手理由だ。

だが同じ“勝手”なら、自分の心に従ってマシだと思う方を選びたい。

この猫を人間の都合で殺すことはエゴだ。

だが人間の都合で生かすことも、結局はエゴだ。

何かと理由をつけて、そのエゴを避けられると思うほうが欺瞞なんだろう。

それでも答えを迫られるときがあるから人間はそのエゴと付き合っていくしかない。

そう開き直った俺は、その宿命に身を委ねたまでさ。

馬鹿なことを。その場限りの安易気持ちで、貴様はその猫を生かすというのか?」

「そういうことだな」

「他の猫も殺されそうになっているのを見かけたら、その度に同じ行動をするのか?」

「しないだろうな」

ウサクは呆れ果てている様子だった。

かにこの猫を一匹を助けたところで俺たちの自己満足しかなく、大した意味はない。

それを分かった上で出した、俺の結論だ。

「なんでそこまで、堂々と自分が身勝手人間だと公言できる?」

「まあ、“人間のサガ”ってやつなんじゃねえの」

こうして俺は、人間エゴによって殺されそうになっていた猫を、安易人間エゴでもって「キトゥン」と名づけたのだった。

思い返してみても、まるでドラマティックな話じゃないな。

今でも滞りなく飼えているのが、我ながら不思議だ。


…………

余談だが、俺たちの国では害獣ジパングキャットは、ジパングでは益獣らしい。

ウナギが増えすぎて邪魔なので、それを処理してくれるからとか。

ただ、最近ジパングキャットも増えすぎたので、天敵のジパングースを意図的に放って数を調整している。

猫を殺すほどの獰猛動物を野放しにしていいのかと疑問に思うかもしれないが、ジパングースは寿命が短く繁殖能力も低いため、放っておいたら勝手死ぬという算段らしい。

俺よりも遥かに開き直ったことしてんなあ。

「この国でもウナギが増えたら、キトゥンたちは害獣にならなくなるのかな」

この話をしたとき弟はそう言った。

希望的観測からそう言ったのだろう。

俺はキトゥンの背中を撫でながら、そっけなく答える。

「どっちでもいいさ。それは“俺にとって”重要なことじゃない」

俺たちは人間の枠組みの中でしか押し測れない。

動物相手にどう振舞っても、人間エゴであることを避けられないんだ。

せめてその選択に信念を持ち、相応の振る舞いをするのが関の山なんだろう。

(おわり)

2018-02-21

[] #50-6「猫の生殺与奪権」

「この品種環境のせいでウナギに慣れ親しんでいただけ。だからウナギを食べなくても支障がないんだ。わざわざ殺す必要はない」

「それは分かるが、そんな理由だけで皆が納得するようなら最初から害獣とは認定されていないぞ」

そう、そこが一番問題なんだ。

ナイフをぶら下げている人が「誰も襲わない」と言って、その理由をどれだけちゃんと説明できたとしても意味がない。

「となると、管理下に置くしかないな」

「まあ、そうなるよね。ここに放っておいても、いずれ業者に捕まったら殺されちゃうし」

とどのつまり飼うってことだ。

シンプルかつベター方法である

だが、この案が今まで出てこなかったのには理由があったんだ。

「言っておくが、我んちは無理だぞ。そもそも反対派だからお断りだ」

「あたしの住んでるところペット禁止なんだよね……」

「妹が猫アレルギーで……」

小鳥飼ってるから……」

みんな飼いたくても飼えなかった。

いずれにしろ、そんなことは人間側の都合でしかないのだが。

猫を殺すのは人間側の身勝手だと言っておきながら、この体たらくなのだから余計に際立つ。

「マスダは?」

「いや、俺は猫が好きでも嫌いでもないし。そんな人間の家に飼われても、この猫はロクなことにならないぞ」

そういう俺もこの期に及んで無関心を貫く。

つくづく身勝手なんだと思い知る。

だが、ここで一人だけ色よい返事をするものがいた。

「俺の家は飼えるよ」

弟だ。

当然、弟にそんな権限を持たせるわけにはいかないので俺は反対した。

「お前にこの猫を飼えるか? 父さんや母さんは認めてくれるかもしれない。だが、飼うのはお前だぞ? この意味が分かるか?」

知識も道具も用意しておくべきものはたくさんある。

そんな責任能力がないことは、本人も分かっていたのだろう。

弟は俺の言葉にうなだれた。

「生半可な気持ちでやっていいことじゃない。いや、気持ちがあればいいってものでもないんだが……」

俺はそう語る途中で固まった。

自分で言っておきながら、その言葉に何か“引っ掛かり”を覚えたんだ。

俺は頭の中でその言葉を反復する。

そこに俺が出すべきなのに避けていた結論が、あるように思えたからだ。

だが、出てこない。

「なあ、お前はどうしたい?」

俺は何の気なしに、猫に話しかけた。

我ながらバカな行動に出たものだ。

猫に話しかけても返ってくるのは鳴き声だけだし、そこに何らかの意図があっても読み解くことは当然できない。

仮に読み解けたとして、俺たちは結局のところ人間エゴ押し付けることしかできない。

それが生かすか殺すかなだけ。

……そうか、そうだよな。

俺は自分が保留していた答えを、出すときが来たのだと思った。

(#50-7へ続く)

anond:20180220230710

かにナウシカがいなければ現生人類はすぐに絶滅していただろう、そこは認める。

しかナウシカに全責任押し付けたのなら、押し付けられた最高責任者であるナウシカ最後まで慎重な判断をするべきだった。

墓の技術を用いれば現生人類が新しい環境でも生きていけるだけの可能だってあった。

その真偽を確かめる前に破壊したのは全責任を背負わされた者の判断としては絶対に間違っている。

人が傲慢であることを認めるなら例え危険を冒してでも墓の技術現生人類存命のために転用しようと努力するべきだろ。

ナウシカ境遇に対する同情は当たり前だが、それとは分けてナウシカ現生人類運命決断する立場いたことを理解するべきだった。

現生人類奇跡的に新しい環境適応できる確率と、

墓と和解する、墓の技術を使って適応できるよう変わる、新生人類共存の道を歩む確率なら後者の方が高いことは疑いようがない。

武力制圧観点からなら生殺与奪拳をナウシカが握った時点でついている。

その後は交渉テーブルにつくのが最善策だった。

ところがナウシカは根っからテロリストから相手が無力化しても最後まで暴力を手放さなかったわけだ。

その場にもしヴ王がいたらやはり選択は違っていただろう。

真意を聞かされた人間ナウシカだけだったのが現生人類旧人類・新生人類全員の不幸だった。

それにナウシカ押し付けられた側というのなら、ナウシカ現生人類と話し合い情報を共有しあったか

勝手に一人で現生人類を愚かだと決めつけて話すタイミングもあったのに、一人で判断し一人で決断してたじゃないか

それがエゴ以外の何だというんだ。

王蟲とは心を通わせるというが、ナウシカのような特異な人間でないからこそ現生人類を導く役目があったのではないか

カリスマ求心力を向かわせた先は結局ただの暴力破壊活動だった。

それが真実であるのは最後破滅主義選択物語っている。

人間は、追いつめられるとその人間の核心に迫る。

平時においてはみなまとも、とは夏目漱石言葉だが、平時でないからこそナウシカ本質が浮き出た最終審判となった。

どれだけ苦しくても人の命を奪ってでも生きたいと願わない人間もいる。

ナウシカ危険な道を手探りで歩くことよりも、エゴイズムにまみれた自分の信じる正義現生人類の生きのこ選択を奪った。

それはナウシカに背負わされた責任よりも遥かに重い結果だった。

何度でもいうが墓の技術破壊したというのは取り返しがつかない選択だ。

政治力武力を持った人間が行うべき選択は、支持率多数決問題ではない。

正しい歴史が残るかどうかだ。

それは現実世界でも同じだ。

 

ってこんだけ書いててヴ王もその場にいたような気がするなあ。

というかラストヴ王ナウシカ決断に納得してるのがやっぱり腑に落ちないわ。

ヴ王なんて墓所技術を何としても手が欲しかった側の人間じゃん。

墓の技術でとんでもないことになると分かってても欲しがるタイプでしょ。

なんでぶっ壊したナウシカ共感してるんだよ。

そんなお人よしなら不毛権力争いしてるわけないでしょ。

大団円にしたかたか宮崎ヴ王思考を捻じ曲げたのか、ナウシカカリスマに当てられたのか、わからんけど。

2018-02-20

[] #50-5「猫の生殺与奪権」

ウナギを守るためだ!」

「『人間の作った勝手尺度で他種の命を測るな』って言ったのはお前だぞ! ウナギを守るために猫を殺すってのは、命に優先順位をつけたってことだ」

貴様らは考えが浅すぎる! もっと広い視野物事を見ろ! 『殺される猫が可哀想』くらいにしか思っていないくせに、その場限りの安易気持ちで猫一匹を守ってどうする」

みんなの言い分も、ウサクの言い分も、相容れないようにみえ本質は同じように思えた。

あーだこーだと理由をつけてはいるが、とどのつまりは異なる命を天秤に乗せ、どちらがより重いか外野が言い争っているに過ぎなかったからだ。

「僕たち人間の都合で猫を殺すなんて勝手すぎるよ」

「その猫を生かしてウナギを見殺しにするのも貴様らの身勝手だろう!」

どちらが身勝手かというなら、どちらも身勝手という他ない。

理由が何であれ、猫を殺すにしろ生かすにしろ、それは俺たちの都合でしかないのだ。

だが、そうやって俯瞰しているつもりの俺もロクなもんじゃない。

ただ成り行きを見守り、自分自身が出すべき結論から逃げていたのだから

しかし逃げられるものでもないことは何となく分かっていた。

この猫を捕まえるのにだって小魚を一匹エサにしている。

その上で握った猫の生殺与奪権。

もはや俺たちは後戻りできなくなっていることを肌で感じていたからこそ、何らかの結論押し付けなければならなかったのだ。


議論平行線を辿っていた。

いや、悪化しているかもしれない。

もはや互いの主義主張をひたすら押し付けつつ、罵詈雑言が入り混じる泥沼と化していた。

テーマが何であろうと、所詮はガキ同士の言い争いってことなんだろう。

まあ、それでも上等なほうだとは思うが。

「ええい、埒があかん! マスダ、猫をこっちに寄越せ」

ウサクはとうとう強攻策に出てきた。

ダメだ! 渡すんじゃない!」

当然、弟たちが割って入る。

兄貴、その猫を連れて逃げろ!」

別に猫を庇いたいと思っているわけではないが、この状況でウサクに渡したところで事態は進展しないだろう。

弟たちとの争奪戦が勃発するだけだ。

かといって逃げたところでその場しのぎにしかならない。

結局、互いが納得しなければ解決しないのだ。

こうなったら、俺が出来る提案は一つしかない。

「みんな落ち着いて、いったん話を整理しようぜ。よく考えてみれば、猫を殺すかどうかの二択じゃないことは分かるはずだ」

「え? どういうこと?」

「この猫がウナギを食べるかもしれないことが問題なんだろ? だったらこの猫がウナギを食べなければ、殺す必要はないってことだ」

折衷である

みんなも疲れてきているから、多少のことは妥協したくてたまらないはず。

「なるほど~、頭に血が上ってその発想がなかったよ」

「ふむ、理屈は分かる」

予想通り、みんな提案に乗ってきた。

こういう口論がゴネ得だといわれやすいのは、この点が大きい。

理屈が通らなくても主張を押し通し続ければ、折衷案に持っていける可能性があるからだ。

不毛な言い争いが辿る流れはいだって同じで、俺はそれを第三者立場から少し早めただけ。

「で、具体的にはどうするんだ?」

強いて不安があるとすれば、折衷案に持ち込んだ後のことについては俺もノープランだってことだ。

(#50-6へ続く)

2018-02-19

[] #50-4「猫の生殺与奪権」

俺はあの猫が先ほどいた場所にエサを置き、そこから一歩離れた場所で中腰になって構えた。

そうしてしばらくすると、目論見どおりあの猫が姿を現す。

しかし、エサにはすぐ食いつかない。

こちらを窺っているようだ。

手を出せば捕まえることができる距離まで近づいてきたが、それでも焦らず腰を据える。

俺はおそるおそる人指し指を突き出した。

猫もおそるおそる指の匂いを嗅ぐ。

よし、ここまでくればほぼ成功だ。

そこから流れるようにそっと猫の首や背中をなでるが、抵抗せずに身を委ねてくる。

最初に会ったとき何となく分かっていたことだが、やはりこの猫は人慣れしている。

猫が人間社会で生きていこうとすれば、人間をアテにしたほうが合理的から当然だろう。

ウサクみたいに強い敵意を向けたり、強引に迫ろうとしなければ逃げようとはしない。

から俺は、エサをあげたいだけの猫好き一般人を装うだけでいいんだ。

そうして猫が完全に警戒心を解いたのを見計らい、俺は用意していたカゴに導いた。

「よし、捕獲完了


…………

俺たちは捕まえた猫を引き渡すため、施設へと移動を始める。

「素晴らしい達成感だな。我々は社会に貢献したのだ!」

猫一匹捕まえただけで、ウサクは大義を成したとばかりに喜んでいる。

ある意味では子供らしい反応なのだが、愛嬌はまるで感じないな。

「それにしても、兄貴って意外と猫好きだったんだね」

「そう見えたから、この猫も近寄ってきたんだろうな」

「え? つまりきじゃないってこと?」

猫だけじゃなく、お前まで騙されてどうするんだ。

「好きじゃないっていうか、まあ厳密には好きでも嫌いでもないな」

「えー!? なのに、あんな……」

「とんだ猫たらしだ」

みんなの目が冷ややかだ。

俺はスマートに捕まえてみせたのに、なんでそんな態度をとられなければならないんだ。

そもそも俺が猫好きだったら、わざわざ業者に引き渡すようなマネはしねえっての」

「え? どういうこと?」

どうやら弟は要領を得ていないようだ。

そんな状態で猫を捕まえるのに精を出していたのだから、何とも残酷な話である

だって業者に渡したら、猫は最終的に殺されるだろ」

俺がそう答えると、弟は固まってしまった。

というか、それを聞いていた学童仲間みんなが固まってしまっていた。

「“殺す”んじゃない。“駆除”するんだ。」

ウサクが慌ててフォローするが、大して意味はない。

都合よく言い換えたところで、事実は何ら変わらないからだ。

「結局は殺されるんだろ」

「いや……“駆除”という言葉には、“殺す”という意味以外も含まれているのであって……。業者に渡したからといって、必ずしも殺すというわけでは……」

「じゃあ、この猫は殺されないの?」

「……少なくとも苦しむような手段はとらないだろう」

ウサクの歯切れが悪い。

イエスともノーとも答えていないが、その反応だけで察するのは簡単だった。

そして、その時にやっと弟たちは自分のやっていることが“どういうことか”自覚したらしい。

罪の意識に駆られた弟たちは、それを解消しようとウサクを非難するという行為に及んだ。

俺はウサクが少し気の毒にも思えたが、半ば強制的に手伝わされた恨みがあったので擁護する気になれなかった。

かといって猫に思い入れがあるわけでもないので、弟たちの側に入る気も起きない。

俺は猫が入ったカゴを抱えながら、その様子を静観しているだけだった。

「ウサク! 僕たちに何てことをさせたんだ!」

「俺たちを猫殺しに加担させるなんて……」

「殺すわけじゃない。我々は捕まえて、業者に渡すだけだ」

「でも、その業者に渡したら殺されるんだろ?」

さすがに目の前の命が危機さらされていると分かれば、ロクな主義主張を持たないガキでも必死になる。

弟たちは猫を業者に渡すことに猛烈に反対した。

「な、なんだ貴様ら。さっきまで猫を捕まえることに協力的だったくせに……」

「殺されることを知っていたら、こんなことはしなかったよ!」

「『無知は罪』という言葉を知らんのか!? 『知らなかった』、『いま知ったから』で簡単に手の平を返して許されるとでも?」

ウサクはみんなにそう返すが大した理屈じゃない。

俺たちがガキであることを抜きにしても、ヒト一人が知っていることなんて高が知れている。

なのに知らないことを罪だと責めるのは理不尽だ。

とはいえ、今こうして言い争う皆を見ていると、分からなくもない主張ではあった。

(#50-5へ続く)

2018-02-18

[] #50-3「猫の生殺与奪権」

そうして、しばらく探し続けるも、やはり猫は見つからない。

闇雲に探しても無理だと考えた俺たちは作戦を変更することにした。

「エサでおびき出そう」

「エサはどうする?」

ジパングキャットはウナギが好物なんだろ。だったらウナギでしょ」

貴様、ふざけているのか。ウナギ絶滅させないためジパングキャットを捕まえるのに、そんなことしたら意味ないだろ」

「俺たち子供資金力じゃウナギは買えないしな」

「うーん、じゃあ他の魚にする? 近くの川に行けば小魚くらいならいるでしょ」

「よし、それでいこうか」

ウナギは駄目なのに他の魚ならOKってのも変な話だが、そう思ったのは俺だけのようで皆そそくさと川へ移動を始めた。


予想どおり、川の中には小魚がちらほらいた。

道具もロクにないか必然的に手掴みでやるのだが、これが中々捕まえられない。

「そこだ!……あれ、おっかしーなあ」

捉えたと思っても手から滑り落ちていく。

弟はめげずに頑張っているが、俺はというと早々に諦めて濡れた身体を乾かしていた。

「どうしたの、兄貴。猫をおびき出すためのエサを、おびき出すためのエサでも探しているの?」

「そんなことしねーよ。猫をおびき出すためのエサをおびき出すためのエサも、おびき出すためにエサが必要だったらキリがないだろ」

「うん?……そうだね……?」

効率ではあるが小魚のほうはいずれ捕まえられるだろうし、俺はやらなくても大丈夫だろう。

「おい、マスダの兄方! 魚を捕まえないなら、せめてバリケードでも作っておいたらどうだ」

無駄対策だ。

急造したバリケードとき、猫のジャンプ力の前では無意味だろう。

「そう言うなよ、ウサク。猫を捕まえるのは俺がやるからさ」

貴様が? 出来るのか?」

「じゃあ、ウサクがやるか?」

「……分かった、任せよう。だが自分から『やる』と言ったからには相応の働きをしてもらうぞ」

俺の申し出をウサクはすんなり受け入れる。

ウサクも分かっているのだろう。

重要なのはエサではなく、“その後”だ。

結局、エサで上手くおびき出せても、捕まえられなかったら作戦は失敗するのだから

ではどうするか。

近くに潜んで、不意をつく方法はなしだ。

猫は人間より聴力があるから十中八九バレるだろう。

それに無理やり捕まえようとすれば、猫は抵抗してひっかいてきたり咬んでくるに違いない。

ましてや野良猫なんて、かなりヤバい病気を持っていてもおかしくない。

から捕まえるなら、もう少しスマートに行くべきだ。


それから十数分後、仲間の一人がやっとのこさ小魚を一匹捕まえた。

掴むのが無理だと判断し、川の水を豪快にすくって陸へ打ち上げ方針に変えたところ、それが上手くハマったようだ。

結局、陸に打ち上げられたその小魚を掴むのに苦戦していたが。

「エサは用意できた。で、どうやって捕まえるつもりだ? 我々は何をすればいい?」

「念のため、お前らは離れた場所バラけて待ってればいい。カゴでも用意して待っててくれ」

「一人でやるの?」

「むしろ人が多いとやりにくい」

みんなは要領を得ないようだったが、別に大した方法じゃない。

気乗りはしないが、日も暮れ始めたしさっさと終わらせよう。

(#50-4へ続く)

2018-02-17

[] #50-2「猫の生殺与奪権」

猫嫌いかアレルギーかと思ったが、そういうことではなかった。

貴様ら、何を悠長にしている。あれはジパングキャットだ! 捕まえて、業者に引き渡さねば!」

ジパングキャット……

ジパング国の環境が作り出したとされている外来種だ。

そもそも猫は雑食であり、健康面を考慮しないのならば大抵のものは食べてしまう。

このため猫の食生活環境によって大きく異なるといえる。

牛肉の国では牛肉を食べ、野菜の国では野菜を食べ、カレーの国ではカレーを食べるわけだ。

そして、ジパングキャットはウナギ稚魚主食とした。

ジパングにはウナギが大量にいることから、そこに生息する猫たちも自然と食べるようになったのだが、これが他の国ともなると事情が変わってくる。

ウナギは俺たちの国では高級食材とされているほど希少な魚であり、国産ともなると一般庶民の手には届かないほどであった。

そのためジパングキャットはこの国のウナギ絶滅させるとして、害獣認定されていたのだ。

あん外来種をのさばらせて、ウナギ絶滅させたとあっては我が国の一生の恥だぞ」

ウサクは真剣だったが、対して周りの反応は冷ややかだった。

ほとんどの子供はそういった話を理屈の上では分かっても、その危機感までは伝わりきらない。

はあ、そりゃ大変だ、くらいにしか思えないのだ。

「それじゃあ、まあ捕まえる? ウナギ食えなくなったら嫌だし」

大した主義主張を持っていない俺たちは、ウサクに何となく話を合わせる。

「『ウナギ食えなくなったら嫌』? 何と軽薄な。『絶滅する』と言え」

俺たちからすればウナギ絶滅するのも食えなくなるのも同じようなものだと思うんだが、細かな表現の違いで何かが変わるんだろうか。

「『絶滅する』って表現じゃなきゃダメなの?」

「当たり前だ。人間の作った勝手尺度で他種の命を測るんじゃあない!」

「それだとウサクの言った『我が国の一生の恥』って理由も“人間の作った勝手尺度”なんじゃ……」

貴様とは志が違う!」

志の違いで本質が変わるとは思えないが、ウサクにとっては決定的な違いなのだろう。

ウサクはこの当時から我が強いというか、思想が強いというか。

まあ何らかの使命感に燃えているような奴だった。

そして、燃えて熱くなったウサクの相手をするのは面倒くさいのでテキトーに受け流す。

間内自然と出来た通例だ。

はいはい

「違う!もっと真剣になるのだ!」

「分かったから、さっさと捕まえにいこうぜ。目的はそっちだろ」


こうして俺たちは捕獲作戦を開始したのだが、いざ探し始めると目的の猫が中々見つからない。

あの猫、かなり人に慣れているようだから、ひょっこり顔を出してきてもおかしくないと思うんだが。

第六感とやらで危機を察知して、俺たちの思いもよらないようなところに隠れているのだろうか。

「おいマスダ! もっと気合を入れて探せ!」

もとから気乗りのしない俺は探すフリをして誤魔化していたのだが、バレバレだったようでウサクに檄を飛ばされた。

「弟を見習ったらどうだ」

「根っほり~ん、葉っほり~ん」

かに弟は歌いながらではあるものの、文字通り草の根を分けて捜しているほど一生懸命だった。

だが弟があそこまで頑張っているのはウサクみたいな志があるというわけではなく、猫探しをゲーム感覚くらいにしか思っていないからだろう。

学童仲間たちも似たような気持ちだったに違いない。

ちょっと知的に振舞ったところで、当時の俺たちは所詮ガキ。

ウサクの言っていたことが実感に繋がらないように、自分たちのやっていることが“どういうことか”も、あまり分かっていなかったのだ。

(#50-3へ続く)

剣闘士アイドルはよく似てる

彼ら/彼女らは奴隷

奴隷の身である彼らに人権はない

養成所で訓練を受け、戦いに身を投じる

 

円形闘技場では、様々なシチュエーションで戦いが行われる

伝説虚構に満ちたかつての戦争ドラマ世界

剣闘士同士が物語人物を演じ、殺しあい、観客はそれを見て喜ぶ

究極のリアリティーショーだ

 

戦闘不能に陥った剣闘士生殺与奪を決めるのも他ならぬ観客である

親指を上に向けるか、下に向けるか

かつて、剣闘士を神の如く崇拝していたはずの観客が「殺せ」と叫ぶ

競争に負けた、見苦しい戦いをした、という観客の気まぐれで

どんなアイドルでも未来を断たれるのである

 

奴隷ではあるが、強き者はマルスヘラクレスに等しい扱いを受ける

奴隷神聖 矛盾する二つの要素が合わさる

市民権を持った人間としては見られない

そして政治家や有力者は私欲の為に彼らを利用する

彼らを戦わせて、民衆の不満をお上から反らす

愚かしい民衆政治よりも、自分の推す剣闘士を語りつつ葡萄酒を啜る

 

つの時代も変わらない

彼女らは欺瞞に満ちた存在

2018-02-16

[] #50-1「猫の生殺与奪権」

俺は猫を飼っている。

猫の名前は“キトゥン”。

我ながら酷いセンスだ。

キラキラネームのほうが、まだマシだったかもしれない。

有名な猫のキャラクターを参考にして名づけたのだが、それが安易だと気づくのはしばらく後になってからである

その頃には完全に定着してしまい、そいつは「キトゥン」と呼ばないと反応しなくなっていた。

俺も面倒くさいので改名はしていない。

ゾンザイだと思われるかもしれないが、実際その通りだと思う。

なにせ俺は猫が好きでも嫌いでもない。

好きでも嫌いでもないものに対して、人はとても薄情だ。

今でこそキトゥンという個に対しては多少の情こそ湧いているものの、それでも猫自体が好きなわけではない。

そんな俺がなぜキトゥンの飼い主なのか。

大してドラマティックでもないが、今回はその出来事について話そう。


…………

から数年前。

自分から見ても一般社会から見てもガキとして認識されている歳だった頃。

その日は弟や学童仲間と連れ立って、近所の空き地で遊んでいた。

そこで皆が思い思いの遊びをする中、弟がするのはもっぱら生き物探し。

その空き地は色んな生物がひしめいていることで有名だった。

名前すら分からない虫や動物がその空き地には多くいて、当時は何とも思わなかったが、いま考えるとかなりヤバい空間だった。

「見てよ、兄貴! この虫、すっげえ見た目!」

俺が当時ガキだったわけだから、弟に至ってはもっとガキだ。

好奇心の塊で、虫や動物を平気で触ろうとする。

俺はそういったものに対して抵抗感を覚え始めており、その様子を遠巻きに眺めるにとどめていた。

兄貴! 珍しい猫がいるよ」

弟は無造作に置かれた土管近くでそう言った。

「ああ、そうかよ」

「本当だって! 見てみなよ!」

俺はテキトーに聞き流すが、弟にせがまれて渋々と猫を見てみる。

首輪がないので野良だと思うが、人慣れしているのか至近距離まで近づいても猫は平然としている。

全身が白い体毛で纏われているが、背中部分だけは妙に赤い。

まりに不自然だったので最初は怪我をしていると思ったが、血の色にしては鮮やか過ぎるので柄なのだろう。

「ニャー」

鳴き声も独特だ。

猫の鳴き声を文字に起こすとき「ニャー」と表現することは珍しくない。

だが実際にここまで、ハッキリとそう鳴く猫は逆に奇妙だった。

かに弟の言うとおり、今まで見たことないタイプの猫である

「え、なになに? 猫いるの?」

鳴き声を聴きつけ、他の学童仲間たちがゾロゾロと集まってくる。

すると猫は警戒したのか、逃げるようにどこかへ走っていってしまった。

「ああ~、いっちゃった……」

みんな残念がっている。

学童仲間はみんな猫好きだったのだろう。

猫の何がそんなにいいんだか。

そう思いながら学童仲間たちを俯瞰して見ていると、一人だけ険しい表情をしている奴がいるのに気づく。

ウサクだ。

(#50-2へ続く)

2017-12-30

anond:20171230214459

ここで言及しても、お門違いであることは理解していますが、それでも一応お返事など。

「生まれからでは遅い」のは彼らの都合であって、これから生殺与奪判断されてしまう本人の意思や都合は1ミリ足りとて考慮されていませんよね。

自分たちの思惑や判断絶対であり、それ以外のものは一顧だにしない「ように見える」姿勢に対して、ついうっかり脊髄反射日記を書き殴ってしまたことは反省していますちょっとだけ。

しかし同時に、その身勝手さ(あるいは、身勝手に感じられる姿勢)が途轍もなくイヤなものに感じられたので、つい手先だけで日記を書いてしまいました。

お騒がせしました。反応ありがとうございました。

2017-12-13

anond:20171212214436

ブコメに追記しようと思ったけど字数足りんからここに書くわ。

増田発注側じゃん?

身も蓋もない事いえば立場は上な訳。

でも会社の先輩後輩や親子、先生生徒じゃあるまいし、発注受注では人間同士の関係としては対等の取引という建前でやってるのね。

から事実上選択権や生殺与奪裏付けを持ってる発注側が「いやお前 下だしわかってろよ」みたいな上下関係を想起しかねない表現してくるのは相手はカチンとくんのよ。

「何?私 お前の子分?」って。

なんで殊更に気をつけて、「先生のココに感動しました!」とか「いつも身体張って助けてくれて助かってます!」くらい、対等もしくはへりくだった方が無難だよ。

改善提案に関してはそれ自体はされても失礼と感じない。

「ここは直す必要があるのです」を「私の評価では」でなく「私も抵抗できない事情によって」か「私に力を貸してください」というニュアンスで伝えるようにすればいいと思う。

2017-10-30

anond:20171027234333

自分お金が回りやすくなる仕組みよりも

経営者が持つ生殺与奪拳のせいで雇用者自由な発想や行動が制限されてると考える。

会社を辞められない理由生活できなくなる=死ぬ からという動機はあってはならないはず。

それは会社就業者マッチ以前だからBIによってその枷を外してあげることが最優先。

生活が安定・保障することで物欲経済的活動一般的大衆から無くなるどころか、むしろ加速すると信じる。

例え失敗しても食いっぱぐれることはないので自分のやりたいことに挑戦しやす社会がくる。

かといって誰もがやりたい仕事には当然競合だらけになる。

才能のない人間自己評価を納得する機会が与えられ、以後真面目に仕事することで成果を目指そうとする。

これこそボトムアップ必要経済構造ではないか

 

憲法により守らなければいけないのは

国民価値観が旧資本主義から変革する前に止まってしまうことが恐ろしいから。

実際にBIを基軸にした新資本主義生活根付いて民衆が良い点も悪い点も経験しきったあとなら

BIを守る憲法必要ないしなくしてしまっても構わない。

ただ自分が死亡した後も、少なくとも50年は国民経験させて判断させるべきだと思うので、

死後守るためのものとして憲法に組み込んで信仰で守らせる必要がある。

国民が良いかいか客観的判断できることを正とするなら

時間と共に自然社会問題解決されている。そしたら政治家必要ないはず。

まり実際は国民は正しいことが判断できないし、この先できるとも思えない。

2017-10-19

anond:20171019194153

そろそろ逆ギレで働き口という生殺与奪を握ってるのはこっちなんだぞと化けの皮べろ~んする頃合いだろうか

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