はてなキーワード: 枢軸国とは
侵略とかの後ろ暗い過去はどこの国にもあるわけで日本や昭和天皇だけが特別邪悪とまでは思わないけど、第二次世界大戦戦後社会である現代において日本のポジションを考えたら、まあこうなるわ。
ウクライナの公式ツイッターアカウントが昭和天皇をヒトラー、ムッソリーニと並べてファシズムの象徴にした動画をアップしたとかで随分と炎上している。
これについてはやはり保守層から相当の反発が出ているが、一方で海外における平均的昭和天皇像というのはやはり「枢軸国の三人の指導者のひとり」というものだ。
「ウクライナ人はそんな反日的な認識なのか」とか言っている人がかなりいたんだけども、これについてはどの国でもそうだよ。よその国に行ってそこの博物館で二次大戦のパートを見てみれば、たいていはヒトラームッソリーニヒロヒトと仲良く並んでる。
・大日本帝国はまあ控えめに言っても軍国主義、ファシズムの国家だった
・日本の首相は当時からコロコロ変わる一方で昭和天皇はずっと在位していたのでシンボルにピッタリだった
問題となるのは3つ目のポイントで、当時の日本からしてヒトラーやムッソリーニと昭和天皇を並べたポスターやらを作ったりしているし、「帝国日本の指導者の天皇」というビジョンをプロパガンダで演出し続けたのは他ならない日本である。
そりゃ現実的に昭和天皇がどれくらい戦争指導に関与したか?についてはすでに相当研究があり、「基本的にはそこまでの影響力はなく、せいぜい戦争「幇助」くらいの影響力」とみるのが妥当なところだろうが、そんなことを海外が斟酌してくれるわけないわな。
向こうからしてみれば「お前ら戦後日本は大日本帝国とは違う国だよってさんざんアピールして今までやってきたんじゃん。なんでキレてんの……?」みたいな感じだろう。
もうちょっと質問あるかと思ったらそこまでなかったね。まだ受け付けてるよ
元増田https://anond.hatelabo.jp/20220312204919
英語原文https://anond.hatelabo.jp/20220313122821
question_marker 侵攻を支持する人々をどう思うか/そんなチャットしてて大丈夫か、捕まらないか/もし経済制裁が無かったらどのくらい侵攻に関心を示していたか/中国・中国人をどう思うか、仲良くやれそうか 聞いてみてほしい
一つ目:元増田にも載せた↓
友達「でも無意味だ。人々はプロパガンダにやられてゾンビのようになっているから政府には逆らわないだろう」
友達「6割のロシア国民は愚かで怠惰だ。ソビエト時代には、戦争はいいものでナチはあらゆるところに巣食っていて略奪はいいことだと教えられていたから」
これで答えになってると思う。追加でなんか聞きたければお気軽に
二つ目:私たちも恐れていて、今までずっとdiscordで話してきたが最近はtelegramに乗り換えている。ただtelegramは日本語の入力がやりにくい(変換を確定するためにエンターを押すと即送信されるとんでもない仕組み。仕方ないからエンターで確定、エンター+別のキーで送信するように設定を変えたがやはり面倒)し検索も事実上ほとんど不可能(単語完全一致でないと検索できないが、スペースや記号で区切られてない文字の連なりを一単語とみなしている。たとえば「明日は晴れそうだねえ」という文章を検索したい場合は「明日」や「晴れ」では検索できず、「明日は晴れそうだねえ」でないと引っかからない)なので使い勝手が悪い。どうにかならんかな
友達はこのウクライナ侵攻より前からロシアの所業とそれに加えられた制裁についてよく知っており、今回のことについても制裁が加えられるだろうと事前に予測していたので「もし無かったら」はよくわからない。しかし戦争はすべて悪とはっきり言っていたので経済制裁関係なく反対していたと思う。
四つ目:前は中国政府をそこそこ嫌ってたけど多分今回の件で見る目変わったと思う。もともと文化や歴史には興味があったらしい。
A. どこからどうみても明らかにサンプル数1で、多数派の声だと勘違いする人はいないだろうから逆に断りは不要だと思った。もちろん増田はその友達個人の意見だと理解してるよ
Q. 「まさかのときの友こそ真の友」とか「雨天の友」とかあるんじゃね
A. 調べた時にそれは見つけたけど、前者は英語からの輸入で後者は三木武夫元首相の言葉らしいからことわざというには違うかもと思った。これはまあ増田の個人的な好みだ
Q. 「大日本帝国のときの日本の市民には責任があったと思う?」
A. ほとんどの日本人には戦争を回避できるような力はなかったから責任を負わせることはできないと考えてる。 歴史や倫理には詳しくなくて通説を知らないからただの私見だけどね
yujimi-daifuku-2222 ナチュラルに戦前、戦中の日本人のみを特別に野蛮と見る偏見にハマってるように見える。まあ平均的な左翼とも言えるけれども。/道徳的に正しい国家がアジアやアフリカに植民地を持つわけがないでしょうに。
いや増田は全くそんなこと思ってない。大日本帝国がブコメで上がってたからその話をしただけで他の国家の人々についても意見は同じだよ。
それとも友達のことを言ってる? 他の国のこともばっちり批判してると思うけど
TorにはBridge 機能があるんだね。増田はこういうの詳しくないからありがたい
A.
あとどのくらい今の生活に耐えられるか(何週間、何か月、何年)
彼の身バレになりそうなので言わない
友達 "I'm afraid Russia would break like USSR."
友達 "a lot of new countries, hunger, poorness. a lot of criminals. a lot of deaths" (注:チャットなので話し方が適当なことがよくある。ちなみに彼はソ連崩壊より少し後の生まれなのでこれは伝聞と学習によるものだろう)
友達 "Putin's surrounding doesn't like that war. they are losing money that they stole. yachts, mansions, everything. EU and USA are taking away their property"
(例の怪文書を読んでもらったときの感想。ただし友達は原文を見つけて読んだ)
友達 "it's basically true. we're on the verge of World War 3
友達 "i'm good at analyzing the situation in here. i live here after all"
Q. その友達の周りの人は戦争についてどう思ってるか聞いた?
A. 彼の身バレになりそうなので言わない
anond:20220313122821 こちらをどうぞ
今聞いてみたから答えてもらえるまで待って
追記:「世界的に有名だと思う。でも興味はない。大露羅も知らない。相手をリングの外に出せば勝つこと、お相撲さんはとても太ってること、かっこいいお相撲さんは横綱と呼ばれることの3つは知ってる」らしいです
peach_333 ロシア人側が言ってる「western」は「西洋」じゃなくて「西側」なのでは?アンジャッシュみたいにすれ違ってない?ロシアは西洋人だけど非西側。
それなら「●●さんは本当に自分のことを西洋人とは思ってないんだな」と聞いたときに「いや、歴史的に西側諸国と東側諸国の対立というのがあって…」などと説明されるはずだ。
だが友達は「今まで私は少しくらいは西洋人だった」と答えた。西側諸国のことを指しているのなら、少しくらいもなにも完全に東側諸国の人なのでこういう答えにはならないだろう。
ryotarox 「> 殺人には絶対反対だから徴兵される気はない」;その気持には賛成だけど、侵略する側の国がこう言えるのは、不公平な気も。侵略される側は、殺すのも殺されるのも嫌だけど、選ぶ必要が生じる。合法化以前の問題。
とりあえず友達に「徴兵断ったら殺されるのでは」と聞いたら「殺すくらいなら殺されるのを選ぶ」と明言していた。本心かは知らないが。
ayumun ロシアではプーチンさんがあちこちに豪華な城みたいな別荘を建ててるとかは、みんな知ってることなの?そういう政権に都合の悪い話が国内で報道されてるのか気になる。
報道されてるかどうかはわからないけど、友達は知ってたよ。castleと言ってた
Shin-Fedor 生々しい。同情するが、とはいえ被害者意識しかないのもな。自分の国の政権によって虐殺が起こっているのだから、少しは加害者の感覚もあるかと思いきや全てはアメリカのせい、西側のせい、そしてプーチンのせい。
国民であるという理由で自らが加害者だという意識を持つ(=自罰)なら、同じ理由で国民全員を責める(=他罰)必要がある。ということを踏まえた上でやはりそう思うのであればもう一度ブコメしてほしい。
友達に責任があるかどうかについて意見を言っている人は多かったので増田も何か言いたいところだが、残念ながら考えがまとまらないので何も言わないつもりだ。
実際逃げてる人は相当いたらしい。友達の友達も多くは逃げたという。今はもう無理だ
申し訳ないが友達は英語で話してる。増田は友達が話すくらいの英語はほぼ自力で読めるようになったけどロシア語はわかんない
gabill グローバル化が進んだ現代では経済制裁の意味が100年前とは違ってきていて、陸・海・空に続く4つ目の軍事領域になりつつある。みんなこれが兵器だとまだ気付いてなくて、罪悪感を抱くことなく無邪気に振り回している
国際法や条約でいくつかの兵器は非人道的とされているが、そういえば日本では金銭(生活保護)を人権として定めているな、とふと思った
h5dhn9k 話が噛み合っていない気がするのだが……。
チャットの性質的に起こりやすい。h5dhn9kさんもチャットやってみる? 今ならdiscordでちゃちゃっとロシア人探して意見聞けると思う。サーバーにもよるけど日本人だと言えば熱烈歓迎されてたとえ拙い英語だとしてもどんどん話せる可能性が高いよ(やったことがある)
調べてみた
周辺民族に奴隷と呼ばれたからという説と、彼ら自身の言語で「言葉」という意味の単語だったという説とあといくつかあるみたいだ
dazed ロシアの友人が、死んでしまった政治家(エフゲニー・プリマコフ)がまだ現役だったと思ってるくだりが本当なら、なかなかに怖い
なにが怖いのか微妙にわからない。よかったら具体的に教えてくれない? 少なくとも友達がそれを知らなかったのはロシアの情報統制とはあまり関係ないと思うよ。
ちなみに増田が友達のことを「●●さん」とよく呼んでいるのに友達は増田のことを名前でほぼ呼ばないのは日本語と英語の性質による
約一年前の会話
友達「ロシア人は今日からアメリカのビザが取れなくなるらしい。そのうちヨーロッパやアジアの国々もそうするだろう」
増田「さあ。アメリカとロシアのどっちが間違っているかなんてどうでもいいですね。私はただ日本の頭上で争いが起こらなければ」
増田「ああ核」
友達「核はアメリカが直接はロシアに攻撃してこないことを保証している。all the world will suffer from that(注:どう解釈すればいいかわからなくて訳せない)
友達「しないと思う。日本は第二次世界大戦のときにいくつか間違った選択をした結果、自身をアメリカの奴隷とすることになった。もし何かが日本を攻撃しても、日本はアメリカを待たなければいけない。これで日本が傀儡国家として使われる可能性が生まれ、また攻撃されても核は使ってもらえない可能性もある。しかし私は、日本がアメリカと仲良くしている限りそんなことは起こらないと思っている。
あと、ロシアが日本に要求することは特にない。日本はKuril Islandsなどいくつかあるだろうが」
増田「北方領土渡しちゃったらしいからそりゃ要求ないだろうね。
まず、ロシアはすでに広いし島の使い道もない。
そして、返還はロシアと日本の間に平和をもたらすだろう。私たちは第二次世界大戦の後まだ公式に和平を結んでいないのだから」
増田「ロシアは土地というより不凍港が欲しくてあの島を求めてたと記憶してるよ」
友達「そうかもしれない。でもやはりあの島々は日本に還るべきだ。なにしろ日本の領土なんだから」
増田「そう(そりゃ●●さんは日本の得になるようにしたいだろうよ)」
友達「ドイツの側についたことだ。ソ連のほうが大きくて軍事的に強かったからドイツでさえ最初はソ連側につこうとしていたくらいだ。
友達「イタリアはほとんどヨーロッパ内部だけで戦っていた。実はイタリアは第二次世界大戦の準備をしていなくて時代遅れの兵器しかなかったのでドイツが代わりに供給することになった。そしてその後イタリアはソ連についたので日本とは関係ない」
増田「そう。むしろドイツがアジアでいろいろやってたのが驚き」
友達「当時の日本はとても残酷で暴力的な軍国主義で、中国や韓国との関係が悪かった」
増田「アメリカは中国の味方だったからアメリカ側にはつかずにドイツと組むしかなかったらしい」
友達「そうみたいだね」
あとネトゲの話の続き
増田「残念だけど外国人が嫌われるのは仕方ないから諦めなよ。私のやった日本のネトゲでも迷惑なプレイヤーを外人と呼ぶことはよくあった。だから日本に期待を寄せるのはやめるんだ」
でも今やそんなことはどうでもいい、どうせロシア人はどこの国でも求められていないんだ。
増田「そう」
・ロシアでは年取った人間がプーチン支持で、若い人はネットをやってたり英語を知ってたりしてプーチン反対戦争反対が多い。この友達もまだ若い。
これには良い点と悪い点があると思っている。
良い点はもちろん、これからの未来を担う人間が民主主義社会を指向していること。
悪い点は、ロシアの現状にほぼ関与していないのに責任を負わされた人々は不公平だと強く感じるだろうということである。
・ウクライナで成人男性の出国を禁止したのは非情だと思っている。国のために命を捨てる覚悟の人は法律なんかなくとも勝手に残るんだからこの法律は逃げ延びて生きたかった人にしか作用していない。これについて「ウクライナだって必死なんだから仕方ないだろう」とのんきに言っている人は、罪もなく侵略されて逃げたい人の必死さをなんだと思ってるんだろう? あともちろん性差別だ。
……とはいえこれで逃げた成人男性と残った成人男性の確執は生まれないだろうと思えば悪くないかもね。
・ウクライナはロシアと人種も文化も言語もかなり似ているから、ロシア的なものが嫌われればよっぽどうまくやらないかぎりウクライナの人々もとばっちりを受けるのでどうやるつもりなのか気になっている。
たとえば友達はネトゲでロシア語を使うと罵倒されると言っていたが、同じくキリル文字を使うウクライナ語も混同されてやられているんじゃなかろうか?と思っていたらやはりそうらしい。
陰謀論にだまされる人間とだまされない人間を「自分が特別な人間になりたくて」とか「コツコツ勉強してる人に一瞬で優位に立てるから」などと精神的な問題で理解するのは間違っていると思う。これはひとえに掴んだ/掴まされた情報が結果的に正しいかどうかが決め手だ。掴んだときの人格や精神状態など情報の正しさには無関係だ。考えてもみてくれ、ロシアのプロパガンダメディアに染まっていた人がある日ネットを見て外のニュースを知ったときのことを。このときこの人が「コツコツ情勢を学んできた人に一瞬で逆転できた」と優越感を感じないだろうと思えるだろうか?
普通の大人や普通のマスメディアに広く支持されている穏当で地味な情報を取り入れていればまともな知識が得られるのは普遍的なことじゃなくて限られた時代限られた地域の人だけの特権だ。
・「自分が正義だと思ったとき、人間はもっとも残酷になる」この言葉は素直に飲み込めるときには不要どころかむしろ有害だと思っている。
…この区域は、この国で中流の人々が多く住んでいる地域です。それでも、多くの人が、爪に火をともすような、つましい生活をせざるを得ません。
インタビュー映像1 「給料は妻と合わせても1か月でたった14万ウォンです。それも家賃でほとんど消えてしまいます。学校にいく子供のノートも、何冊も買えません。」
インタビュー映像2 「最近は、学校には必ず弁当をもっていきます。学食が値上げされてしまって。」
この国はかつて、アジアで一番裕福な国だと言われていました。ニューヨークのエンパイアー・ステートビルを丸ごと購入するほどの経済力がありました。
一度は世界中を敵に回して戦争をし、枢軸国として原子力爆弾を受けましたが、降伏から10年後にはもう、驚くべき復興を遂げていたのです。
しかし、幸運はわずか30年しか続きませんでした。1980年代に不動産投資業の規制に失敗したと言われています。今、この国の人々の平均収入は私たちの国の3分の1以下で、多くの人が高等教育を受けられません。
インタビュー映像3 「あの頃は、仕事帰りに毎日、銀座で飲み歩いていた。朝まで飲んで会社で寝てたこともあったな。高級クラブじゃ国会議員なんかも見かけたもんじゃ。」
1 捕.ホロコースト否定論
2 一.江戸しぐさ
7 二.アジア解放
9 投.白人至上主義
控え
・日ユダヤ同祖論
ホロコーストはねつ造であるという言わずと知れた世界的に有名なトンデモ論。ちなみに国によっては否定するとこの論を唱えると逮捕されるので要注意。できれば他のトンデモ説もこれと同様に法律で取り締まってもらいたいものである。
江戸時代には傘かしげ(傘を指したまますれ違うときには傘を傾ける)、時泥棒(アポなし訪問、約束の5分前に到着しなければ死罪)などのマナーが普及していたが、明治政府の虐殺により失われてしまったというトンデモ論。これの恐ろしいところは小学校の道徳の教科書で取り上げられたり、ACのCMで放送されたことである。
南京大虐殺はねつ造であるというトンデモ論。犠牲者の数については意見が分かれているが、虐殺そのものがあったことは否定できない。しかし、自称愛国者達の間で固く信じられている。愛国者であるなら、正しい歴史を学んで国の恥を晒すようなまねは止めて頂きたい者である
原爆は戦争の早期終結のために不可欠だったというトンデモ論。原爆投下はソ連への威嚇のための人体実験であり、決して正当化できるものではないのだが、アメリカ人達の間では広く信じられ、学校の歴史教科書でも取り上げられている。日本人でも信じている輩がいる
アイヌ民族はいない、もしくは先住民ではないとするトンデモ論。アイヌの人々が日本による弾圧や差別によって苦しめられ続けた事実を無視し、現代でも差別の正当化に利用される非常に害悪な思想である。南京大虐殺否定、アジア解放と並びネトウヨの間で固く信じられている。
第二次世界大戦は悪の枢軸国と正義の連合国の戦いであるというトンデモ論。日本軍やナチスの残虐行為は決して擁護できるものではないが、原爆投下、ソ連抑留など連合国も信じられないような悪行を重ねており、単なる正義と悪の戦いではないことは明らかである。また、東京裁判、ニュルンベルク裁判は連合国の悪事に一切触れず、枢軸国だけを糾弾する、事後法で裁くなどの無茶苦茶なもので、その実態は裁判ではなく報復としかいえない。
太平洋戦争は東南アジアを欧米の植民地支配から解放するための正当な戦争であったというトンデモ論。無論、これは大義名分に過ぎない。白人の植民地支配が残忍であったのも事実だが、日本軍の残虐行為も許されて良いものではない。東南アジアの罪のない人々が数百万人犠牲になったこと、現地の人々が戦後自らの努力で独立を勝ち取ったという事実を無視しており、余りに無礼である。日本軍が独立に寄与したというのはあくまで結果論であり、現地の人々の思いを踏みにじってはいけない。そもそも、フィリピンに至っては近い将来に独立が約束されており、この大義名分は一切適応できない。
薩長はテロリストであるというトンデモ学説。歴史”評論家”原○伊○によって唱えられた。何事にも正と負の側面があるにも関わらず、「明治政府は100%悪!江戸幕府は100%正義!」と極端な善悪二元論で歴史を唱えるのは御法度である。
白人がアジア、アフリカ、新世界を植民地化できたのは白人が優れた民族であるからだというトンデモ論。長らく植民地支配や人種差別の正当化に利用された害悪な説で、今でも信じている輩が少なくない。歴史を全体的に見ればヨーロッパが覇権を握ったのは比較的新しく、その発展も中国、イスラムの繁栄があって初めて成り立つものであることは火を見るより明らかである。白人の覇権には地理的要因も多く絡んでおり、白人崇拝は偏狭な解釈であるというしかない。日本人でも右翼・左翼問わずこの論を受け入れている者が少なくなく、日本人は朝鮮人・中国人よりも白人の遺伝子を多く受け継いでいるという新たなトンデモ論を生んだ。
・日ユ同祖論
日本はユダヤ人の失われた支族であるというトンデモ論。明らかに嘘と分かるもので、フィクションとしては面白いのだが、まれに本気で信じている輩がいるので笑えない。
昭和天皇が自らの意志で積極的に日米開戦を推し進めたというトンデモ論。左翼の間で固く信じられている。確かに軍部の暴走を抑えられなかった天皇の罪は重い。しかし、僅かでも日本史の知識があるなら、天皇は日米開戦には反対であったとうことは分かるはずである。東條英機が首相に任命されたのもそのためである
大正時代が短いのは天皇が知的障害者であったからとするトンデモ論。大正天皇は病弱だったが、多くの漢詩を残す、朝鮮語の学習に努めるなど教養のある人物であり、決して知的障害者ではない。天皇をどうしても貶めたい左翼にねつ造された。
余談
最後にトンデモ本を見分ける方法を紹介したい。しかしながら、このやり方は完全ではないため、結局の所大切なのは、ものごとを多面的・批判的に判断し、すぐ「AはBである」と決めつけない慎重さである。またトンデモ論を信じ、発信してしまえばあなたも共犯者になってしまう。情報の受け入れだけでなく、発信の際にも慎重になろう。
・著者の経歴を確かめる
博士号はおろか、大学の歴史科学科すら卒業していない著者もいる。また、学術論文を雑誌に発表していない著者にも要注意である。更にプロの歴史学者にも専門外の分野に手を出すものがいるため気をつけるべきである
例外もあるが、”~のウソ”、”~の真実”、”~の陰謀”、”反日”などの扇情的な見出しには要注意。
・参考文献がない、もしくは一般書ばかり
・出版社を見る
講談社、岩波、中公は”比較的”信用できる”かもしれない”。百○尚○先生御用達の幻冬舎などの出版社には要注意。ただし、原○伊○の明治維新非難は講談社で出版されたものである。
モンゴル帝国すら退け、戦国、明治と列強国の植民地支配を免れてきた日本ですら戦後アメリカに占領された。列強の征服を免れ、枢軸国でありながら戦後占領されなかったタイもミャンマーに2度征服されている。モンゴル帝国、アメリカを撃退したベトナムですら中国やフランスの支配を受けてきた。アフリカで珍しく植民地支配されなかったエチオピアも第二次世界大戦でイタリアに占領された。ナポレオン、ヒトラーを撃退したロシアもモンゴル人の支配を受けた屈辱の歴史がある。前述の二人に加え、全盛期のスペイン帝国すら退けたイギリスも古代はローマに征服され、中世はバイキングに征服された。ソ連を退けたフィンランドもずっとスウェーデンの支配を受けていたわけだし、ナポレオン戦争でロシアに侵略された。
元ラーメンズ・小林賢太郎が、過去に行ったお笑いコント公演の中でナチスによるユダヤ人虐殺をジョークのネタにした事が発覚し、この情報が海外にも拡散してサイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)の知るところとなり、東京五輪開閉会式の総合演出担当を解任されましたね。
小山田圭吾の障害者虐待が世間一般に広く認知された結果、小山田が東京五輪開閉会式の音楽担当を辞任した際には、一部の人間が「90年代には、悪趣味・鬼畜系カルチャーが存在を許されていた、時代の空気が存在して云々」と小山田を擁護し、それに対して町山智浩は「小山田圭吾は悪趣味・鬼畜系とは無関係(だから、自分[町山智浩]たちには責任は無い)」と反駁しました。
ラーメンズは悪趣味・鬼畜系ではないと思いますが、間違い無くサブカル領域に属する芸能人です。また、今回問題視された90年代半ば当時の彼らの芸風が、当時の、いや、今もサブカル界隈に根強く蔓延る「不謹慎なことを言う/するのがオモシロイ/カッコイイ」と云う風潮の下に成立していたことも明らかでしょう。そして、この風潮を作り出すことには、旧体制『映画秘宝』界隈も関与していたと言えます。たとえば『キネマ旬報』の編集部を襲撃して同誌の編集部員に暴力をはたらいたことを、町山智浩はパイ投げ事件などと称して矮小化して面白おかしく笑い話扱いしていますが、アレは「言論の自由を脅かす暴力事件」以外の何物でもありません。しかし、サブカル界隈の身内贔屓の体質は、町山智浩の仕出かしたことに対して真摯な批判や反省を行うことを忌避する道を選びました。昔から、サブカル業界人は身内贔屓が大好きで、これは松江哲明の性的強要・搾取にダンマリを決め込んだのを見ても判るように、今も変わりません。
ラーメンズがお笑いコントの中でナチスのユダヤ人迫害・虐殺をジョークのネタにしたことに関して、擁護として「米国のサウスパークや英国のモンティ・パイソンもジョークのネタにしているのに、何故、彼我に批判の差が有るのか?」と言う人もいましたが、個人的には、連合国側の人間と枢軸国側の人間では、それをジョークのネタにする資格に差が有るのではないかと思います。何か死傷者を伴うような事件があって、それをジョークのネタにするのは、被害者の親族が言うならまだしも、加害者の親族が言ったらアウトになるのと同じです。
一般的な傾向として多くの日本人は、自分たちが枢軸国側であったこと、戦時中にはナチス政権ドイツと同盟国だったことについて、自覚が稀薄だと私は思います。だから、ナチスドイツをポップカルチャーの一部として、エンターテイメントとして、カジュアルに消費するのだと思います。
さて、エンターテイメントとしてナチスドイツの残虐行為を楽しむといえば、長年に渡って率先してそれを実行し続けてきた人間が、旧体制『映画秘宝』に1名います。ナチス強制収容所ネタのエクスプロイテーション映画が大好きと公言し、自ら「所長」と名乗ってそれらの作品の"素晴らしさ"を布教している、赤毛で入れ墨だらけのオジサンが1名。そう、高橋ヨシキです。高橋は、間違い無く、悪趣味・鬼畜系の範疇に属する人間です。高橋ヨシキによる布教活動は、日本において「ナチスドイツによるユダヤ人迫害・虐殺を、カジュアルに楽しんで消費しても許されるのだ」と云う風潮を作ることに寄与し続けてきました。
もちろん、高橋ヨシキの存在や布教活動が、ラーメンズを生み出した訳ではないでしょう(ラーメンズのネタの公表よりも、高橋ヨシキの布教活動開始の方が時期的に後だと考えられますし、世間的に認知されたのも、ラーメンズの方が高橋ヨシキよりも先でしょうから)。しかし、ラーメンズのネタが世間に発表されてしまった後、長年に渡ってそれが見過ごされたのは、観客である一般人たちの中に「コントのネタなのだから(批判するのはおかしい)」「たかがフィクションのネタに何をマジになってるの?」と云う間違った考えや言い訳の口実が存在したからです。これは、ナチスドイツによるユダヤ人迫害・虐殺と云う出来事が"エンターテイメント・コンテンツ"として、誤った"市民権"を獲得していたからでしょう。そして、高橋ヨシキによる「ナチス強制収容所エクスプロイテーション映画は素晴らしい!」という布教活動は当に、その誤った"市民権"を獲得するための活動でした。だから、次のようには言えると思います。
「高橋ヨシキによる『ナチス強制収容所エクスプロイテーション映画は素晴らしい!』と唱える布教活動は、ラーメンズのネタの"誕生"には影響を与えなかったかもしれないが"生存"には影響を与えたであろう。したがって、その点については、高橋ヨシキ及び彼に同調した人間に責任が有る」と。仮に時代の空気と呼ぶべき何かが有ったとしても、それは勝手に生まれたのではなく、それを意図的に作り出した人間がいるのです。この場合、それを作り出した人間の一人は、間違い無く高橋ヨシキです。
SWCの人たちも驚愕するのではないでしょうか。21世紀の日本で、ナチスドイツによるユダヤ人迫害・虐殺をネタにしたエクスプロイテーション映画を「面白い!素晴らしい!」と公言・賞賛し、他人にも観るように推奨活動している人間が存在して、しかも堂々とメディアに登場し続けていると知ったら。誰か英語が得意な人がいたら、高橋ヨシキがしていることをSWCに報告すると良いかもしれませんね。もしもそうなった時、町山智浩はSWCに対して「悪趣味・鬼畜系カルチャーをやっていたのは、電通・ホイチョイ・フジテレビに対する対抗心が有ったから」と弁明できるのでしょうか。見ものです。
それと、SWCといえば思い出しましたが、長年に渡る町山ウォッチャーならばご存知のとおり、過去に町山智浩自身が他人に対して「オマエのことSWCに通報しといたからな」と言ったことがありました。その矛先が自分の近しい人間に向けられた時、町山智浩はどうするでしょうか。
この投稿は以上です。
単純な話で、日本は枢軸国側で、ナチス政権ドイツと同盟国だったのだから、ドイツのホロコースト(ショアー)をコメディのネタにする資格が無いと、国際社会から見做されているだけの話だと思う。例えば、刑事事件や人身事故の加害者の親族が、その事件や事故を笑い話のネタにしていたら、被害者の親族も怒るでしょ?
それに対して英国は、ドイツと戦っていた連合国側だから、たとえモンティ・パイソンでコメディのネタに使っても、暗黙の了解で「批判的な立場からネタにしている」と解釈されるのだと思う。
とはいえ、モンティ・パイソンだって、全く批判されていないと云う訳ではない。ただ、英国は長年に渡る実績を積み上げて「ジョークの為なら命も惜しくない、頭がおかしなライミーたちの国」と云うイメージを構築しているし、英国王室から貧乏な庶民まで万遍なくネタにするからね。
それに比べれば、日本の自称・毒舌お笑い芸人は忖度だらけだから「笑い」に掛ける覚悟が英国と日本では月とスッポンだと思う。ギョウカイの偉い人を「流石ですねえ!」とか持ち上げて、接待ゴルフみたいな真似してる奴らばかりじゃん。
まあ、私は野村萬斎・椎名林檎・MIKIKOの演出を観られなくなったと知った時点で、東京五輪は観ないと決めたので、この機会にモンティ・パイソンのDVD-BOXを観て過ごそうと思う。
私は、歴史の専門家ではない一般人です。まず前提として、戦前・戦時中のアジア諸国へ与えた被害、南京虐殺や従軍慰安婦問題、米国人をはじめとする敵国捕虜に対する非人道的行為等々について、日本に責任が有ると考えている者です。
フィリップK.ディックというアメリカのSF作家の小説に『高い城の男』という作品があります。貴方は、これを読まれたことはありますか?もし無ければ、今から粗筋を紹介します。もし、既に読まれたことが有るならば、私が以下に書くことは釈迦に説法ですから、無視して貰って構いません。
= 粗筋ここから =
第二次世界大戦は、枢軸国側の勝利に終わった。世界は、ドイツ第三帝国と大日本帝国という2つの大国に支配され、アメリカも日独による占領・分割統治の下に置かれている(西海岸側が日本により占領されている)。
作中では、大戦終了直前にアメリカが、不利な戦況を覆す為に、非人道的戦術を用いたり、残虐な行為に走ったことなども語られる。しかし、そこまでしても敗戦に終わったことから、アメリカ国民の誇りは打ち砕かれている。西海岸で日本人相手に商売をしているアメリカ人は、敗戦国の人間として戦勝国(日本)に対する強い劣等感を抱いている。
戦勝国となったドイツと日本は、いまだ表面上は友好関係を保ってはいるが、アーリア人種至上主義の国と黄色人種の国は呉越同舟である。ドイツは密かに日本殲滅計画を目論み、日本もまたドイツに対して不信感を抱くようになりつつある。遠くない未来には、2つの大国は衝突を避けられないだろう。
このように敗戦国の人間も戦勝国の人間も等しく、将来に対して不安を抱いて生活しているアメリカでは、奇妙な流行が2つある。
1つは「当たるも八卦当たらぬも八卦」で有名な、古代中国の書『易経』に基づく占いである。物語の登場人物たちは、何か不安に駆られる度にコインを用いた占い(※本来は筮竹を使うが、陰陽2つの組み合わせで占うので、コインでも代用できる)によって『易経』の宣託に頼ろうとする。
もう1つの流行は、地下出版により流通する『イナゴ身重く横たわる』と題された1冊の本である。占領国の官憲により発禁本の指定を受けながらも、アメリカ国民は(そして、取り締まる側のドイツ人や日本人も)厳しい監視の目を逃れて、密かにその本を読み耽る。その本には「本当の歴史」が記されているのだという。「枢軸国側が敗戦国になり、連合国側が戦勝国になった歴史」が。
この本を執筆した作家を暗殺する為に、ドイツ当局の手の者が動き出す。また、この本に書かれたことは「本当の歴史」なのか?だとすれば、如何にして作家はそれを知って執筆したのか?それを確かめる為に、一人のアメリカ人女性も作家の下へ向かう。
「高い城」に居ると噂される作家の下へ。
= 粗筋ここまで =
私が知る限りでは、ディックが本物の日本人と実際に交友関係があったという形跡は有りません。しかしディックは、優れた作家が持つイマジネーションの力だけで、敗戦国の日本人の心情を見事に描き出します。「敗戦国の国民となって、戦勝国の日本人に対する劣等感を抱いているアメリカ人」の姿というパロディによって。
『高い城の男』の描く、敗戦国となったアメリカの人々は『イナゴ身重く横たわる』を読みながら夢想します。「非人道的な残虐行為を行わなかったはずの、汚れていないアメリカの姿」や「輝かしい戦勝国となったはずのアメリカ」という「本当の歴史」を。
これらのモチーフや描写を現代の我々が読むと、執筆当時のディックによる意図を超えて、南京虐殺否定論やショア(ホロコースト)否定論に嵌まる人間を傍から見た姿を描く形になっています。
最初に書いたとおり、私は戦前・戦時中の日本による蛮行については、日本に責任が有ると考えています。しかし、日本による南京虐殺等を否定する説や、ドイツによるショア(ホロコースト)等を否定する説を信じる人たちの、それを信じたくなる心情も、『高い城の男』を読んだ私には何となく少しだけ理解できる気もするのです。人間は、弱くて愚かです。ちょうど犯罪加害者の家族が「自分の家族が、そんな酷いことをするはずがない。何かの間違いだ!デッチ上げだ!冤罪だ!」と言いたくなるのと似たような心理なのではないでしょうか。誰でも大なり小なり「祖国に対する愛着の心」が有り、その祖国が過去の歴史の中で蛮行を働いたという記憶は、犯罪加害者の家族の場合と同様「耐え難い現実」であり、可能ならば「違った未来」が実現して欲しかった、「デッチ上げによる冤罪」であって欲しかったという思いを抱かせるのでしょう。
『高い城の男』の詳細と結末については、実際に読んでもらうしかありませんが、それについて少し書きます。ネタバレされるのがイヤな場合、以下の記述を読まないで、書店に向かってハヤカワSF文庫の『高い城の男』をお買い求め下さい。
【【【注意!ネタバレ有り!】】】
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実は『イナゴ身重く横たわる』に書かれた「本当の歴史」は「『高い城の男』を読む我々の存在する現実世界の歴史」ではありません。連合国側が勝利する歴史ではあっても、現実の歴史とは食い違う記述が有ります。つまり、本作の中で『イナゴ身重く横たわる』を読み耽るアメリカ人たちが夢想している「あり得たはずのアメリカ」は「無い」のです。
SF論としては、作家フィリップK.ディックは「本物と偽物」「現実と虚構」というモチーフを書くことに取り憑かれ続けた生涯で云々と話を展開するところでしょうが、ここでは南京虐殺の否定論やショア(ホロコースト)の否定論に絡めて『高い城の男』の話を持ち出したので、別のことを書きます。
心情的には、否定論にすがる人たちの気持ちも分かるような気がすると、私は書きました。
しかし、南京虐殺否定論やショア(ホロコースト)否定論にすがる人たちの「間違いを犯さなかった、こんな歴史であって欲しかった」と夢想する歴史も、結局は『イナゴ身重く横たわる』の記す歴史と同じく「無い」のです。『高い城の男』は第二次世界大戦を下敷きにしていますが、ベトナム戦争のアメリカをはじめ、おそらく何処の国であっても大なり小なり「別の歴史があって欲しかった」という事は有ることでしょう。しかし、勿論それも日本やドイツと同様に「無い」のです。
では、我々は、どうすれば良いのでしょうか?実は、それを示唆する内容が『高い城の男』には書かれています。
『高い城の男』には、占領軍の日本人将校を相手に「アメリカの骨董品」の贋作を作って売るビジネスに関わるアメリカ人が出てきます。しかし物語の終盤に至ると、彼は「偽の歴史を付与した贋作の骨董品」を作って売るのではなく、新たなオリジナルの創作物を作って売ることを決意します。
『高い城の男』は教訓を学ばせる目的で書かれたとは思いませんが、それでも私は、このくだりを読んで思ったのです。「在って欲しかった歴史」「我々の願望を満たしてくれる、都合の良い現実」など有りはしない。どれほど不条理に感じても、動かし難く消し去ることのできない過去を「我々の現実」として引き受けるところから始めるしか他にないのだ、と。
私は、歴史の専門家ではない一般人です。まず前提として、戦前・戦時中のアジア諸国へ与えた被害、南京虐殺や従軍慰安婦問題、米国人をはじめとする敵国捕虜に対する非人道的行為等々について、日本に責任が有ると考えている者です。
フィリップK.ディックというアメリカのSF作家の小説に『高い城の男』という作品があります。貴方は、これを読まれたことはありますか?もし無ければ、今から粗筋を紹介します。もし、既に読まれたことが有るならば、私が以下に書くことは釈迦に説法ですから、無視して貰って構いません。
= 粗筋ここから =
第二次世界大戦は、枢軸国側の勝利に終わった。世界は、ドイツ第三帝国と大日本帝国という2つの大国に支配され、アメリカも日独による占領・分割統治の下に置かれている(西海岸側が日本により占領されている)。
作中では、大戦終了直前にアメリカが、不利な戦況を覆す為に、非人道的戦術を用いたり、残虐な行為に走ったことなども語られる。しかし、そこまでしても敗戦に終わったことから、アメリカ国民の誇りは打ち砕かれている。西海岸で日本人相手に商売をしているアメリカ人は、敗戦国の人間として戦勝国(日本)に対する強い劣等感を抱いている。
戦勝国となったドイツと日本は、いまだ表面上は友好関係を保ってはいるが、アーリア人種至上主義の国と黄色人種の国は呉越同舟である。ドイツは密かに日本殲滅計画を目論み、日本もまたドイツに対して不信感を抱くようになりつつある。遠くない未来には、2つの大国は衝突を避けられないだろう。
このように敗戦国の人間も戦勝国の人間も等しく、将来に対して不安を抱いて生活しているアメリカでは、奇妙な流行が2つある。
1つは「当たるも八卦当たらぬも八卦」で有名な、古代中国の書『易経』に基づく占いである。物語の登場人物たちは、何か不安に駆られる度にコインを用いた占い(※本来は筮竹を使うが、陰陽2つの組み合わせで占うので、コインでも代用できる)によって『易経』の宣託に頼ろうとする。
もう1つの流行は、地下出版により流通する『イナゴ身重く横たわる』と題された1冊の本である。占領国の官憲により発禁本の指定を受けながらも、アメリカ国民は(そして、取り締まる側のドイツ人や日本人も)厳しい監視の目を逃れて、密かにその本を読み耽る。その本には「本当の歴史」が記されているのだという。「枢軸国側が敗戦国になり、連合国側が戦勝国になった歴史」が。
この本を執筆した作家を暗殺する為に、ドイツ当局の手の者が動き出す。また、この本に書かれたことは「本当の歴史」なのか?だとすれば、如何にして作家はそれを知って執筆したのか?それを確かめる為に、一人のアメリカ人女性も作家の下へ向かう。
「高い城」に居ると噂される作家の下へ。
= 粗筋ここまで =
私が知る限りでは、ディックが本物の日本人と実際に交友関係があったという形跡は有りません。しかしディックは、優れた作家が持つイマジネーションの力だけで、敗戦国の日本人の心情を見事に描き出します。「敗戦国の国民となって、戦勝国の日本人に対する劣等感を抱いているアメリカ人」の姿というパロディによって。
『高い城の男』の描く、敗戦国となったアメリカの人々は『イナゴ身重く横たわる』を読みながら夢想します。「非人道的な残虐行為を行わなかったはずの、汚れていないアメリカの姿」や「輝かしい戦勝国となったはずのアメリカ」という「本当の歴史」を。
これらのモチーフや描写を現代の我々が読むと、執筆当時のディックによる意図を超えて、南京虐殺否定論やショア(ホロコースト)否定論に嵌まる人間を傍から見た姿を描く形になっています。
最初に書いたとおり、私は戦前・戦時中の日本による蛮行については、日本に責任が有ると考えています。しかし、日本による南京虐殺等を否定する説や、ドイツによるショア(ホロコースト)等を否定する説を信じる人たちの、それを信じたくなる心情も、『高い城の男』を読んだ私には何となく少しだけ理解できる気もするのです。人間は、弱くて愚かです。ちょうど犯罪加害者の家族が「自分の家族が、そんな酷いことをするはずがない。何かの間違いだ!デッチ上げだ!冤罪だ!」と言いたくなるのと似たような心理なのではないでしょうか。誰でも大なり小なり「祖国に対する愛着の心」が有り、その祖国が過去の歴史の中で蛮行を働いたという記憶は、犯罪加害者の家族の場合と同様「耐え難い現実」であり、可能ならば「違った未来」が実現して欲しかった、「デッチ上げによる冤罪」であって欲しかったという思いを抱かせるのでしょう。
『高い城の男』の詳細と結末については、実際に読んでもらうしかありませんが、それについて少し書きます。ネタバレされるのがイヤな場合、以下の記述を読まないで、書店に向かってハヤカワSF文庫の『高い城の男』をお買い求め下さい。
【【【注意!ネタバレ有り!】】】
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実は『イナゴ身重く横たわる』に書かれた「本当の歴史」は「『高い城の男』を読む我々の存在する現実世界の歴史」ではありません。連合国側が勝利する歴史ではあっても、現実の歴史とは食い違う記述が有ります。つまり、本作の中で『イナゴ身重く横たわる』を読み耽るアメリカ人たちが夢想している「あり得たはずのアメリカ」は「無い」のです。
SF論としては、作家フィリップK.ディックは「本物と偽物」「現実と虚構」というモチーフを書くことに取り憑かれ続けた生涯で云々と話を展開するところでしょうが、ここでは南京虐殺の否定論やショア(ホロコースト)の否定論に絡めて『高い城の男』の話を持ち出したので、別のことを書きます。
心情的には、否定論にすがる人たちの気持ちも分かるような気がすると、私は書きました。
しかし、南京虐殺否定論やショア(ホロコースト)否定論にすがる人たちの「間違いを犯さなかった、こんな歴史であって欲しかった」と夢想する歴史も、結局は『イナゴ身重く横たわる』の記す歴史と同じく「無い」のです。『高い城の男』は第二次世界大戦を下敷きにしていますが、ベトナム戦争のアメリカをはじめ、おそらく何処の国であっても大なり小なり「別の歴史があって欲しかった」という事は有ることでしょう。しかし、勿論それも日本やドイツと同様に「無い」のです。
では、我々は、どうすれば良いのでしょうか?実は、それを示唆する内容が『高い城の男』には書かれています。
『高い城の男』には、占領軍の日本人将校を相手に「アメリカの骨董品」の贋作を作って売るビジネスに関わるアメリカ人が出てきます。しかし物語の終盤に至ると、彼は「偽の歴史を付与した贋作の骨董品」を作って売るのではなく、新たなオリジナルの創作物を作って売ることを決意します。
『高い城の男』は教訓を学ばせる目的で書かれたとは思いませんが、それでも私は、このくだりを読んで思ったのです。「在って欲しかった歴史」「我々の願望を満たしてくれる、都合の良い現実」など有りはしない。どれほど不条理に感じても、動かし難く消し去ることのできない過去を「我々の現実」として引き受けるところから始めるしか他にないのだ、と。