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2024-02-11

石積み

幼少期

はじめて、教えられたのは

石積みだった

プルプル・・プル・・・

コトッ

ママ

「わーーーーーーーーー!!」

「パパ見てーーー! のんたんが、石積みしたよ!」

パパ

「おー、のんたん。さすが、でかしたぞ!」

ママ

「きっと、この子は立派な石積みする子になれるね!」

パパ

「そうだな、のんたんの将来が楽しみだ」

石積み、

それになんの意味あるかなんて、ぼくは分からなかった

だけど、ママもパパも、石積みをしている

隣のおじさんも、近所のお姉さんも、友達けいすけくんも

みんな毎日毎日、石積みをしている

ぼくは、ただなんとなく、石積みをしなければならないのだなって思った。


学校

学校で教えられることも、みんな石積みについてのこと

石積みについて、いろんな見方で石積みのことを教えている

先生は言っていた、みんな将来は立派な石積みをする大人になるんだぞ!って

クラスのみんなも、みんな毎日毎日石積みに励んでた

高く石を積めた優等生のおざきさんを、先生は褒めた

「おざきは、立派だ!みんなもおざきを見習って、高く積めるようになるんだぞ!」

みんな石積みをして、立派な大人になりたかった

立派がなんなのか、よく分からないけれど

石積みをちゃんとしていれば

いつかは立派な大人になれるんだと思ってた

だけど、

石積みは石積み

誰もしたい訳じゃない

したいっていうやつもいるけれど

それは、石積みをした後のことを楽しみにしていて

石積みだけがしたい訳じゃない

石をひとつひとつ積み重ねていく

それは、とてもめんどくさくて、退屈な作業

みんな石積みは嫌いだけど、けどしない人はいない

ぶーぶー文句いいながら、みんなちゃん毎日石積みをしていくのだ

中には、周りを油断させる為に

「俺、石積みなんて全然してないよー」とか言いながら

徹夜で、石積みをしているやつもいるか不思議なもんだ

コトッ

そして、ぼくも今日も石積みをする・・


社会

社会に出ても、ぼくは、毎日相変わらず

石積みをしている

ぼくは割りと、容量よく石積みが出来る方なので

子供ときから、積み上げてきた石の高さに見合う

会社仕事をしている

石積みを続けてきて、分かったこ

それは石の積み方には個性があるということだ

学生時代の連中も、それぞれ石を積み上げてきた

石をたくさん積むのだけど、慎重すぎて積み上がった石が高くないやつ

石を積むのはうまいんだけど、安定感がなくてどこか危なっかしいやつ

石積みというものをいまだに、分かっていないやつ

石積みをしなきゃしなきゃと言いながら、全然やってないやつ

一見大きな石の山のようになっているけれど、親の積み上げたものに石を乗せている、すねかじりのボンボン

そう比較すると、わたしの石積みはとてもバランスがよくて、石積みをよく理解していると思われるような綺麗な山だった

崩れないほどに安定していて、無駄に安定させず工程数も増やさない、理にかなった重ね方

石積みの真髄は、いか効率よく無駄な手間をかけずに高く積み上げること

そんな石積みを見て、まわりは評価する

君の石積みは立派だ

ぼくも君のような、石積みがしたいと

けれど、わたしには

いままでずっと感じていた疑問があった

なぜ、石 積 み を し な け れ ば な ら な い の か ?

子供とき、一度先生質問したことがある

「なんで、石積みをしないといけないの?」

「それはな、大人になってから分かる。そして大人になってから、石積みをしていて、よかったなーって気付くものだよ」

他の大人も似たようなことを言って、

同級生友達も「石積みはしなければならないもの!」の一点張り

それからわたしのこの疑問は胸の奥にしまわれたままだった

いつか、わたしが立派な石積みが出来たら、分かる日が来るのだろうと・・

けれど、そんな日は来なかった

理想の石積みに近づくほど、疑問は鮮明になっていき

日に日に、なぜ石積みをしなければならないのか

理解しなければならない気持ちが大きくなってきた

みんな石積みはしなければならないと、子供ときから教えられ

ただひたすら、石積みのことばかり教育されて、

石積みをさせるようにマインドコントロールさせているようにしか見えない

もう、意味もなく目的もなく

石積みをするなんて訳の分からないことするのは、疲れた

そんなある日、ひとつ広告を見つけた

「石積みに疲れたあなた。いらしてください」

路頭に迷っていたわたしは、行き先もないのでふらふらとその病院へ行った

すると、医師わたしに、鬱病だと言った

そうか、わたし鬱病なのか

鬱・・そうなのか? わたしおかしいのか?

石積みを真剣にしている方が、おかしくないか

まーまー、あなたは、いままでがんばりすぎるほど、たくさん石積みをしてきました。

もう、のんびり石積みをしていけばいいんじゃないんですか?

けど、わたしは石積みをする理由が分からいから、石積みをしたくないんです。

あんまり、石積みのことを考えてしまうと、それが負担なっちゃますから、あまり深く考えずに、のんびり〜のんびり〜いきましょう。

はぁ・・

あと、気持ちが安定するお薬も出しておきますね。

悩んだときは、これを飲むと、落ち着きますよ。

わかりました。



1ヶ月後

それからわたしは、石積みに対する疑問は、ならべく持たないようにした。

それでも、考えてしまう時は、安定剤を飲んで紛らわせた。

これからも、わたしはきっと、石積みを続けていくんだろうと、ぼんやり思った。

蟻たちは地面の腐敗物を清掃するように

きっと、石積みをすることが、わたしたちの役目なのだろうか

今日わたしは、石積みをする為に会社にいく。

あぁ、なにかおかしい気がする

気を紛らわせてまで、したくもない石積みをしなければならないのは

なぜだろうか

anond:20240211124501

最近はやった方がいいんじゃないかみたいに思う

持ち家がいいか借家がいいか程度の問題

日本医者やってもハワイブルーカラーくらいしか稼げないって考えると

なんか怖いな

日本51番目の州になってもいいんじゃないだろうか

社会インフラだけ悪くなるかもしれないけど

アラフォー独身非モテ女だけど結婚相談所に行くか

タイトル通りで迷っている。

40歳/デブ

ちなみに交際経験は一度もない。異性愛者だとは思うけど……というレベル。厨二か。

正社員一人暮らしで、年収は多少たまに贅沢できる程度にあるし、各種保険年金もかけているので余程じゃなければ、このまま年を取っても詰まずに済むように色々と用意はしている。

が、兄弟親戚で独身のままアラフォーを迎えている例もなく、兄弟からは若干両親が死んだあとまさかこちらに迷惑をかけないだろうな、という目で見られている節があるので、やはり一馬力だと家族からも信用面で弱いな〜という。

結婚に憧れというか「信頼できる第三者」の存在に憧れがないわけではない。結婚している友人たちも夫婦家族仲が良くて、幸せな話にはこちらもにっこりとする。

自分も、趣味映画鑑賞洋画アクション)なので一緒に見に行ける人がいればなあ、という憧れだ。

でもそういう人に自分が一番差し出せるメリットとか、自分が友人たちのように他の人にリソースを割くほどの余裕があるんだろうか……と、まあ前述の通り出会いもなければ、デブなので声もかからないんだけども。

でもいつまでもウダウダするよりは、結婚相談所みたいなところに行って「やっぱ向いてねーな!」で諦めをつける方が逆にいいんじゃないかなとたまに見てるんだけど、諦めるだけに払う金にしては高け〜〜〜〜!!!

どうすっかなマジで。という書き散らし。

ぶっちゃけ結婚じゃなくていいので友だちマッチングサービスが欲しい。エクスペンダブルズ4一緒に見ないか友だちいねーのよ。

(正直2が一番好きやな、アクションは1)

2024-02-10

anond:20240210194557

投資に興味がない(元本が比較保証されて、毎年インフレ分+αぐらいで増えれば良いやぐらい)なら、GAFAM株を毎年360万ずつ利確してNISAオルカンでも買えば。あとiDecoは上限までやって節税見込むとか。

 

所得から厚生年金iDeCoで老後は問題無いだろうし、子供も産まなければこれ以上貯める必要は無いよ。なんだったら地価の下がりにくい場所土地付き戸建(こだわり無ければ築10年未満の築浅中古ベストコスパ高いうえ、30〜40年後までギリ耐えられる)でも買って、老人ホーム入る時に売って頭金にしても良いし。家買えば家賃分がプラスになるうえ、住宅ローン減税も使えるしね。

 

だんだん体力も衰えてくるだろうし、もっと趣味かに金かけていいんじゃない。あまり散財癖付けると万一会社辞める時に詰むリスクもあるけど、若いうちにもうちょっと金使っても良いと思う。

anond:20240209212447

大暴れしたクソ客のビッグネームの自宅に早朝から拡声器持って街宣する様子を生配信するのなんかもいいんじゃないか?

「なんであんな酷いことしたんですか!!!!!あんな酷いことされたせいでハンドル握れなくなってしまったんです!!!!一体どうすればいいんですか!!!

とか絶叫してあくま弱者スタンスで大騒ぎするの

その場で崩れ落ちて泣いてみせてもいいかもしれん

anond:20240209212447

面白そうだし間違いなくバズると思うけど雇われでやるのは厳しいと思う。

個人タクシーでやればいいんじゃないかな?

夜にしか「でーと」しない女

マッチングアプリで知り合ったのかなんなのか覚えてないが、女とデートしたことがある

その女は夜にしかデートしない、しかもやることと言ったら夜空を二人で数時間眺めながら街を歩くだけといった具合。

「なぜ夜なのか?」と聞いたら「星空がみたいそれだけですよ」とくすくす笑ってた

「じゃあもっと綺麗な星空が見れる場所の方がいいんじゃないか?」とも聞いたら

「いいえ、このぐらいの星空が好きなんです。粉砂糖を振り撒いたみたいな」と言われた

当時の俺からしたらさっぱり女が何をしたいのか分からなかったが、そのうちヤレるだろと思い何回かデートに付き合った

その中でも不思議だった行動は頭上に飛行機ヘリが飛んでくると女は手を降り、ジャンプしたりする。「まさか飛行機に気づいてほしいのか?」と思って「そんなアピールしたって高いところからじゃ見えませんよ」と俺が言ったら

顔をむっとさせて「違いますよ、星が光を遮られたと思って不安にならないようにここにいるよ〜って合図してるんです」ってさ

全く変な女だったよ。なぜ星空が好きのかって理由は星が光を届けてくれたのに見てあげないなんてかわいそうじゃないですかだと

結局、ヤレはしなかったがあのオンナは一体何だったんだろう。精神がアレな人かただのカマトト不思議ちゃんかはたまた

今夜もこの街に粉砂糖を振り撒いたような星空がみえて、女もどこか同じような粉砂糖を振り撒いた夜空の街で空に向かって手を振ったりしてる気がしてしまうのだ

Steam買収すりゃいいんじゃないのと思ったけどEU文句言ってきて無理だろうな

anond:20240210152451

わいもそうおもうんよ

わりと路上事故YouTubeとかで公開して(ナンバーとかうつってないからだけど)犯人確保につながりましたとかやってるもんなあ

警察事件化証拠になるし検挙やすくて点数稼げる

被疑者さんも「あーこれオレだヤバ、ちゃんとしよう」ってなるから

とりあえずそのへんからやればいいんじゃない

漫画編集者の端くれだったことがある


青年向け漫画編集者をしていた。といっても若い頃の話だ。都内にある編集プロダクションを辞めて田舎に帰ったのが36の時だから、おじさんの入り口に立った頃か。今では完全なるおじさんである

本日記は『セクシー田中さん』の件とは関係ありません。

働いていた会社というのは、講談社とか小学館とか秋田書店とか、そういう大手出版社ではない。あくま編集プロダクションである出版社編プロがどう違うのかって……ざっくり言うと元請け下請けだ。出版社出版事業(今回だと青少年向けの漫画作りや商業展開)の企画をして、漫画家が作品のものを作って、編プロ雑誌本体を作って、その制作過程印刷所やデザイン事務所といった専門集団関係することになる。

イマイチ説明になってしまった。一般社会の例で説明する。民法でいうところの委託(準委任契約)に当たる。公共建築の分野でいうと、公共機関の建築技師が新しい建築物のマンガ絵を作り、建築事務所が基本設計~詳細(実施)設計をして、出てきた成果物を元に大手建設会社施工監理し、地元にある中小事業者が実際の土木建築作業をする。

自分が勤めていたのは、この例でいうところの建築事務所だ。受益者(国民=漫画読者)の希望に応えたい組織があって、そこから依頼を受けて動いている関係会社ひとつ。そういうアナロジーだ。

出版社との役割分担は、そこまで分離しているわけでもない。漫画編集者といえば、昔の手塚治虫ほかの自伝みたいに、漫画家とアツいやり取りをしているイメージがある。ああいう、企画経営制作現場の間にあるような仕事は、出版社社員が直接することもあれば、編プロ出版社(編集部)のオフィスを間借りして行うこともある。

前者の例だと、マガジンサンデーチャンピオンなどだ。コンビニ書店にほぼ必ず置いてあるレベル漫画誌。大手出版社総合職コース入社した人が、(編集取材制作、資材、宣伝マーケティング、総務経理人事その他事務)といった多くの部門ひとつである漫画編集部に割り振られて其処に居る。

後者の例だと、大手出版社が出している漫画誌でも、あなたが聞いたことのないやつもけっこうあると思う。そういうのは、編プロ出版社(編集部)の仕事を丸ごと請けて実施していることが多い。自分は、そういう会社で働いていた。職場自体大手出版社の中にあるが、いわゆる委託先の社員だった。別の言い方をすると、親雑誌に対する子雑誌関係

ほかの長文増田記事を見るに、あまりたくさん書けない仕様のようである。何文字までかは知らないが、文字制限があると思う。本当は何万字でも書きたいのだが、あくま自分が書きたいだけであって、あなたが読みたいとは限らない。一万字以内になるよう心掛ける。以下に、自分が関わった漫画家を2人だけ紹介しよう。最後に所感を述べて終わりにする。

その2人(A先生とB先生。どちらも若手)と私は、分水嶺のような関係追記;わかりにくい表現ですいません。ブクマカのBuchicatさんコメントのとおりです)だった。ある日、私が担当していた漫画家のA先生が新作の企画提案に来ていて、同じタイミングで別の編集者のところに持ち込みをしたのがB先生だった。その別の編集者が不得手なジャンルだったこともあり、A先生との話が終わった後で、私も一緒にB先生作品を読んだ。

その後、編集部責任者を交えた会議で、私が引き続きA先生の新作の担当者に決まった。新人であるB先生担当になる可能性もあったが、そうならなかったのは、今の漫画界の一界隈にとって幸運なことだった。



A先生について

A先生は、雰囲気が暗めだった。人間性まで暗いというわけではなく、心を開くと明け透けになるタイプだった。モードに入ると饒舌になる。

弊誌では、読み切りを何度か掲載したことがあった。アシスタント経験あり。小さい賞を取ったことがある。ヒット作はないが、若き漫画家としてはキャリアがあった。

画力が抜群だった。小学校中学校で、学習ノートフシギダネの絵とかをソラでゲームパッケージそのまんまに描く子がいただろう。とにかく天賦の才を持っていた。最小限の画量で、それでいて迫力と感情に溢れた1枚1枚を描く。そういう人だった。

難点は、マジメすぎるところか。少し前にやっていたアニメだと、チェンソーマンに登場するアキくんか(少し前……?)。とにかくマジメだった。いや、やはり『直向き』に訂正する。

A先生は、少年誌に見合わない重たいテーマに挑むことがあった。今でもそうだ。彼のマンガには『緩さ』がない。それもいいところなのだが。私は好きだった。はっきりいって。が、読者の傾向に合っているか微妙だった。

子どもの頃から漫画が好きだったらしい。中学生の頃のイラストを見せてもらうと、俄然キャラクターへの愛に溢れる作画を見ることができた。中学生らしい、プロには程遠いクオリティなのだが、しかし見ていて違和感がないというか、自然にくっきり入ってくる。

私という人間は、具体例で物事説明する癖がある。上の「中学生らしいイラスト」を別の事例で表現すると……「うるせ~!!知らね~!!FINALFANT ASY」(短縮URLhttps://x.gd/L5cc4)だろうか。以前、いつぞやかのid=pptppc2さんのブックマークコメントきっかけで元ネタを知ることになった。

あの時のA先生イラストは、ベルセルクセルピコだったと思うが、力強い表現だったのを覚えている。セルピコファルネーゼを抱きかかえて、

申し訳ありません 道案内を頼まれまして 少し席を外していましたもので」

と言うシーンの模写だった。

さて、そんなA先生だったが、ある時これまた重量級のテーマで描きたいものがあるという。先ほどの、編集部での新企画提案の話だ。

その際、A先生からプロットをもらい、私のデスクで拝見させてもらったところ……うちの雑誌では持て余しそうだった。作品の質が低ければ普通に打ち切りになりそうで、作品の質が高くても――弊誌の売上規模だと会社グループ全体の機会損失になりそうだった。私の前でパイプ椅子にかけているA先生は、不安げな面持ちだった。

内部の話で悪いが、例えば「甲」という雑誌亜流「乙」という雑誌があるとする。ビッグコミック(オリジナルスピリッツスペリオール)みたいな感じだ。この時、甲と乙に明確な上下関係があった場合、乙誌に掲載された漫画が甲誌に引き抜かれることがある。その際、甲誌の編集部から言われるのが、

「なぜうちの編集部に見せなかった?」

という意見だ。これは、ストレートに言われる場合もあれば、暗に言われる場合もある。だが、事前に上流の雑誌に見せていたとして、多くの場合玉虫色の返事があるだけだったりする。

話を戻そう。この時の自分は、編集部自分デスクのあたりでA先生次回作を見せてもらっている。確か缶コーヒーを飲んでいた。

自分としては、A先生マンガを弊誌に載せたいと思っていたが、先ほど述べたとおり、後ろ髪を引かれる思いもあった。社会派少年漫画というのは扱いが難しい。その作品が「あしたのジョー」の影響を受けているのは明白だった。「A先生であれば、きっと面白い作品にしてくれるのだろうな」という期待はあった。

うーん、大いに悩むところだ。どうしよう。思いあぐねていたところで、別の編集者から声がかかった。要約するとこんなところか。

「持ち込みに来た人がいる。私の専門じゃないので判断が難しい。門前払いにするレベルではないので、あなた判断を仰ぎたい。上の人間は今出かけている」

要するに、自分の専門外なので判断できないよ、と言っている。ここも会社なので、編集者の上には当然上司がいる。その人達がいなければ同輩に相談するのが基本だ(余談だが私は後輩だった)。こういう原則一般会社と変わらない。

その『別の編集者』というのは、儚い感じの純文系が得意なタイプだった。一番わかりやすい喩えは……『はちみつクローバー』みたいなやつだ。ああいうのが得意な人だった。

その時は、A先生との話が終わったら行くと告げた。それで、しばらくそのまま話を続けた。

「この作品はい意味で重たいねちょっと考える時間がほしい」

と言って、その日は解散した。A先生は、「お願いします!」と言ってパイプ椅子を立ち、そのまま帰っていった。いつもだったら喫茶店ご飯をおごっている。

A先生は、『いい子』だった。あまり感情は出さないけれど、人間に対する愛を持っている。そういう子だった。私が当時、A先生ご飯を奢って、彼がおいしそうな表情で食べている時、私は幸せだった。A先生幸福だと、自分幸福だと思えた。A先生漫画という手段で自らを表現している時、まるで自分もそれに劣らぬような喜びを得ていた。

ヘンな表現かもしれないが、例えば読者がA先生を褒めている時、自分A先生との区別がなくなっているというか。彼のことが、自分ことみたいに嬉しかった。これは愛なのだろうか。



○ B先生について

持ち込み部屋に行くと、別の編集者と、持ち込みに来た子が対面で座っていた(ちょこんと挨拶をしてくれた)。自分が座る席には作品が置いてあった。綴じられていない原稿用紙がある。ページ数にして30枚ほどだった。もっと多かったかもしれない。記憶あやしい

実際、B先生作品面白かった。コテコテの学園ものかと思いきや、登場人物それぞれに適度な制約があって、キャラクターも立っていた。これまでのキャリアを聞き取ったところ、作品雑誌掲載されたことがあるようだ。アシスタント経験もある。

絵の方は、自分がこういうのも大変失礼だが、上手な方ではなかった。どちらかというと、脚本や設定、キャラ作りが得手のように映った。当人情熱を注いでいる箇所はすぐにわかる。キャラ絵が有名漫画家の影響を受けているとか、キャラクター台詞回しがハリウッド映画風とか、背景や小物を手を抜くことなく全部描いているとか、そんな具合に。

光るものがある作家だった。これを見抜けないようなのはモグリ――そんなレベルで輝いていた。

私は作品を読み終えた後で、「ちょっと待ってね」と自席に戻り、少し残っていた缶コーヒーを飲み干して、思案を重ねつつ持ち込み部屋に戻った(どうするのが最良かわからないケースだった……)。

それで、テーブルではこういうやりとりをした。

私「イイ作品だと思います特にセリフ回しにセンスを感じます掲載ができるとかここでは言えないけど、話は通してみますね」

B「ありがとうございます

私「それで、担当はね……縁なので。あなたがするのがいいのでは?」

編「私よりもほかの人がいいと思いますもっと才能を引き出せる人が……」※小さい声で

私「いや、でも恋愛描いてるよ。エンタメだけどいいんじゃない」(こいつ、作家の前でアホなこと抜かしよって)

編「難しいです」

私「でもこれ、縁だよ」(意識が低すぎる……)

編「ほかの作家さんも抱えてるので。いっぱいいっぱいです」

私「わかりました」(トラブル回避のため後で編集長に説明しとこう)

B「すいません。僕の作品はどうなるんですか?」

私「後日連絡しますね。必ずしまから、それまでは他誌への持ち込みは待っていただけますか」

B「あの、はい。できればですが、早めでお願いします。一週間くらいでなんとかなりますか」

私「なんとかしてみます

作品のものと、作家プロフィールと、付属資料コピーを取らせてもらって、彼には外で缶コーヒーを奢った。ビル入り口まで送ったところまではいい気分だったが、正直、身に余る事態だった。

持ち込み作家の才能がありすぎるのも考えものだ。嬉しい悲鳴というやつ。誰が担当に付くかで今後の雑誌の売り上げに影響がある。重大な意思決定ということになる。

最悪、『進撃の巨人』の時みたいに優れた作家を逃してしま可能性がある。あれも、実際は諌山先生門前払いではなく、週刊少年ジャンプ担当が付くか付かないか微妙ラインだったらしい。それで、誰が担当になるかを押し付けあっている間に諌山先生が他雑誌に持ち込んでしまった、という話が業界団体公的飲み会で囁かれていた。



○ その後~

B先生についてだが、一週間後に担当編集が決まった。「別の編集者」でもなく私でもない。当時、若手のひとりだった20代の子が任されることになった。編集部トップを交えてB先生原稿コピーを読んだのだが、「若い感性が光る。年齢が同じくらいの人と組ませる方がいいのでは?」という結論になった。

その20代の子は、上の組織からこっちに出向してきている子で、いわば武者修行の身だった。一流大学出で、本社プロパー社員。いわゆる総合職である

最初は、私に選択権があった。B先生担当になる道もあった。だが当時の私は多忙であり、月に何度も会社に寝泊まりするレベルだった。新人は抱えるべきではない。しかし、才能のある子だから迷いがある。

A先生のこともあった。彼のあの作品を世に出してやりたい。もっと有名にしてあげたい。そんな想いがあった。

私が悩んでいるうちに、例の20代の子が手を挙げたのだ。私としても、彼のやる気と知性と直向きさは買っている。諸手を上げて賛成した。

今思えば、正しい選択だった。もし私がB先生担当になっていたら、面白い恋愛エンタメを楽しめる読者の数は減っていただろう。これでよかったのだ。

以後のB先生は、例の持込漫画ブラッシュアップを続けた。翌年には、晴れて弊誌に第一話が掲載されることになった。さらに以後は、担当編集とともに二人三脚で躍進を続け、イケイドンドンの勢いを保ったまま、一度も息切れすることなスターダム上り詰めた。今では漫画家として世に知られている。

一方で、私が担当を続けたA先生は地道な努力を続けた。

上で挙げたA先生の意欲作は、読者層に合っていなかった。それでも、高い画力シナリオ構成の上手さがあったのだろう。その意欲作は、連載期間を積み重ねる度にファンの数が増えていった(業界的には、Amazon第一巻のレビュー数が人気の代替変数になることが知られている)。

今では、A先生は親雑誌で連載を勝ち取るまでになった。去年だったか。彼の作品コンビニ立ち読みする機会があったのだが、やはり突き抜けた画力だった。週刊連載であそこまでの画力というのはまずない。



2024年現在、私は東京を離れて田舎暮らしている。地元町役場Uターン就職して、実家農業を手伝いながらスローライフに近い生活を送っている。

実は、編集者だった当時、働きすぎて病気になった。ある日、下腹部の辺りに違和感を覚えて、血の塊のようなものが血管を這っている感覚があった。病院に行くと、「遅くても明日中に入院しなさい」という医者から指導があった。

それなりに重い病気にかかってしまった。一応は死亡リスクもある。数か月ほど入院した後、どうしようかと考えて、考えて、考えて……編集部に復帰後は、労働を最小限にしつつ転職活動スタートした。

A先生については、幸いだった。彼の意欲作とは最終回まで付き合うことができた。私が退院した後、無事完結を迎えることができた。あしたのジョーに比べればハッピーエンドだった。

入院中に、A先生とB先生がお見舞いに来てくれたのを覚えている。ほかの編集仲間も来てくれた。A先生は、テンションが低めで、何を考えているのかわからないこともあるのだが、人間への基本的な愛というか、思いやりがある人だった。

もう40才を過ぎている。はてなユーザーの中では平均的な年齢か。思えば齢を重ねたものだが、当時の日々は今でも夢の中に出てくる。

若いから編集者をやってきた。身体を壊さなければ続けていたのかというと、多分そうだろう。でも、今の生活も悪くないと感じている。自分語りはここまでにして、締めにしよう。

もしあなたが、Webでも紙媒体でもいい。気になる漫画作品を見つけたとする。面白いものを見つけたと感じたら、ひとまず買ってみるのがいい。Webだと1話単位で売っている。

ひとかどの漫画家というのは、自らが産み出すモノを本気で高めにいっている。あなたフィーリングが合ったのなら、ひとまず1巻だけでも読んでみる方がQOL高まると思う。ハズレを引くことはあるだろうが、アタリだってちゃんとある人生は運試しである

2024-02-09

anond:20240209234359

🍜『「二郎」も「ラーメン」と似たようなものだろ

もともと学生男性向けを目指していたラーメン二郎がドカ盛りグルメを指して使われるようになった

たぶん無難呼び名としては「脂ぎって度を越した大盛りラーメン」でいいんじゃないの?』

anond:20240209211134

女郎」も「遊女」と似たようなものだろ

もともと高貴な女性を指していた言葉売春婦を指して使われるようになった

たぶん無難呼び名としては「娼妓」でいいんじゃないの?

anond:20240209070948

今の会社に不満があって3年経ったなら、もうよそに行っていいんじゃないかな。

1年せずに辞めて次の仕事に行くのを繰り返している奴は正直ヤバい奴だと思ってしまうけれど、3年してどうしてもあわなかったのでやめましたはそうは思わないかな。

自衛隊の人が書いたメンタル本で2年くらい堪えたら周囲の状況が変わるから、とにかく2年間何とかメンタルを持たせろみたいなことを言っていて、個人的にはそうだなと思っている。

これまで糞な上司に当たったことが何回かあったが、1回目は1.5年くらいしたら知り合いか仕事を紹介されて、2年目くらいで移動した。

2回目は2年くらいしたら上司の進めていたプロジェクトごと解散になって、別の部署に異動した。

3回目は他部署上長が異常な状態を見かねていて、それが1年以上解消されなかったので、そちらに呼ばれるままに異動。

逆にどんなにすごい上司の下で働いていても2年くらいでそうでもない人が上司になることも普通にあるし、同じプロジェクトが2年以上続くこともほぼ無いと思う。

元増田はあるいは隕石は落ちなくても、3年前ほど隕石が落ちて会社が滅んでほしいとは思ってないのかもしれない。

anond:20240209143324

整体師「まあねえー今後家族が増えることがあったら尚更、元気でいてほしいですよねー」

あなた「あーいや、子供を産まない選択してるんですよー」

整体師「あー、そうなんですねー。もちろん元気でいてほしいことには変わりないですけどねー」

くらいに気軽な感じの会話になればいいんじゃないかな。

別に隠すことでもないし、価値観は多様だし、でも子どもを持つ夫婦のほうが多いから聞いてみました、くらいなもんだし、音楽を聴かない人もいるし、裸眼視力がいい人もいる、みたいなのと同じ感覚で。

たことを覚えてメモする増田酢丸スモメテエ墓御を床太観(回文

おはようございます

テレビかいろいろ見聞きしてそのまま流してさだまさしいや精霊流しみたいに流れて行っちゃいつつ、

せっかく時間を割いて見た内容を忘れちゃうのはもったいないじゃない?って思って何か一つでもそれをネタにしてって思うネタ帳的なものをって

考えながら思うに、

私はそう言ったものの視聴メモを付ける用にしたの。

観た日とかタイトルとか、

面倒くさいときは最低限でも記憶にとどめておけば

あとで思い出せるのよね。

それを実践してみていくつか思ったことがあるの。

細かくメモ付け始めると

視聴速度が遅くなる弊害があるわ。

メモながら見ながらなので

気が向いたら書くスタイルなので一字一句全部メモとかはそんなことはさすがにしないけど、

心の隅にとどめておきたいものだとか、

このキーワード面白そうだなーって

ピンときものを書き留めておくのよ。

なかなか面倒だけど楽しくその時の気分でメモしてみるのは

あとで見返したら面白発見さらにあったりなんかして、

へー私って意外な発見をそこでしまくりまくりまくりすてぃーそんなことを思っていたのね!って思わずはいられない山脈に向かってヤッホー!って叫んじゃうのよ。

今は楽しいからテンション高くてメモ付けているけど、

これがなんか重荷になって付けなくなっちゃったら元も子もない本末転倒寺の和尚さんに三日坊主か!って

御坊に怒られてしまうって最悪の事態になるの。

から楽しく気が向いたらってそんなに気負いせずに

視聴メモ付けておこうかなーって思って実践しているのね。

絶対何かの金鉱にぶち当たって何かが採掘されるはずなのよ。

そんで、

いろいろとフォーマットを決めてChatGPTちゃん相談していて私が巧妙にボケを仕掛けられたChatGTPちゃんと書きたいほど反町隆史さんのGTOとは違う感じの書き間違いを私でも気付かないボケかますところだったわ。

いまもう10枚ぐらい書いちゃってみて、

これさていざどうやって整理しよう!って

最終的にはデジタル化?の並が私にも訪れている訳なの。

そうなるってーとよ。

手書きメモデジタルメモ

どちらが最新版か?

取り込んだあとで手書きメモを書き加えたら差分が出ちゃうし、

そう言うバージョン管理も、

え?これややこしくなる寸前のマジで5秒前の恋どころの話しでは無かったわ。

でも自分の中でルールを決めてやっちゃ言えば、

視聴メモ付けて、

もう牡蠣加えて走り出す泥棒猫のように

書き加えることがないとまでの期間定着してからデジタルで取り込めばいいんじゃない?って

そりゃ牡蠣泥棒の加えて走り出す泥棒猫も納得すると思うわ。

ややこしそうだけど、

そこは自分適当メモしま適当運用していけばいいのかしら?って井の頭線の車内で揺られながらそう思ったのよ。

ただただ時間無駄にして見て何も記憶に残っていないのは、

もったいないじゃない?

滝川クリステルさんも

お・も・て・な・し節回し

も・っ・た・い・な・い!って言ってくれるはずよ!

なので、

ここ最近みっちり

ChatGPTちゃんにいろいろアイデアを出してもらっていたのよ。

でもChatGPTちゃんアイデア出してくれるのは良いけれど

100個出されてもそれ全部採用できないぐらいの情報出力量は圧倒的なパワーよね!

さすがだわ。

その100個から選抜してメモフォーマット作る作業も大変じゃない。

それをより分ける人間作業量が考えている時間より長くなるという始末の顛末よ。

一応はでも

イオリジナル視聴メモは出来上がって

付けている感じが、

今のところ現在楽しいかなって感じね。

続けられっといいなーって

適当に続くようにやっていくわー

頑張る!とは言わないのよ。

気負いしちゃうでしょ?

うふふ。


今日朝ご飯

タマサラダパンしました。

シンプルでもタマゴの美味しさがとてもヤミーでやみつきになる感じの朝のご機嫌さんよ。

しかサンドイッチよりもリーズナブル

2つ買っちゃったわ!

いいでしょー。

デトックスウォーター

ホッツ白湯ウォーラー

今日ストレートホッツ白湯ウォーラーよ。

塩でも適宜入れてみるのもホッツ白湯ウォーラーのレシィピにどこかで見たことあったから、

それも良いかもしれないわね。

温かく温活で朝からスタートよ!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

anond:20240208184136

いいんじゃない炎上するということは同じような不満を持っている人が多かったということだろうから企業等が優先して対応する意味もあるでしょ。まあ炎上自体がハックされていて、炎上させるためのノウハウがある人だけ上手く炎上させられる傾向が見られる気がする点は懸念点だけど、世の中に完璧方法なんて無いしな。

はいつになったらFGO遊べるんだろう……

オフライン版が発売されたら遊ぶと決めてはや5年。

宝具がスキップされたらいい加減遊ぼうと決めて3年。

未だに遊ぶことが出来ずにいる。

そろそろ漫画版で全てが網羅されるっぽい感じではあるのだが……漫画で全部終わらせていいものかどうか悩み所だ。

戦闘パート全部削ってノベルゲーとして出してくれねえかな。

それならもう動画いいんじゃないかって話ではあるんだが……

2024-02-08

anond:20240208193546

撮影開始する前に脚本合意したり、印刷物の山を積み上げる前にチェックしていただくなり丁寧にやればいいんじゃないですかね

anond:20240207152146

仲良いんなら一度会ってみればいいんじゃない?向こうがあなたの年齢知ってるか知らないかで色々変わりそうだけど

別に労働者階級赤の他人ネットでギャーギャー言ってるだけでガス抜きで満足する不平不満なんてほっときいいんじゃないか?

労働者階級全体に高度な知性や品性を求めても過ぎた要求だと思うし

赤の他人なんて社会歯車としてきちんと動いてくれていればそれ以上の価値というか関心ないだろ

anond:20240207195244

何度も書かんでいいぞ

■これまで2社のブラック企業経験したんだが共通点が物凄く多くて驚いた(再掲)

(※これ2社のうち1社は銀行リース会社の話でーす。

そうと知らず有名大学出て入ってしま新卒不憫すぎる。言っとくけど、君らの同級生の多くがうちの会社比較にならないくらいまともな環境で、うちの会社じゃほぼお目にかかれないくら道徳的にまともな人達に囲まれて働いてるからな。)




ブラックな面に関しては、ネット上ですっかり広まってるような「ブラック企業あるある」では全然挙がらないようなものがかなり多かったのに、俺が経験した2社では色んな点で被ってたから本当に不思議だった。

以下、どっちの会社でも見られたブラックな面。

障害者差別言動

鬱病休職者が出た時に「うわぁマジかあ……あいつ遂に障害者なっちゃったのかあ!!!」と顔を覆う同僚がいた点。

鬱病休職者が復帰した後、女性社員の一部が『挨拶されたこと』、『(仕事にまつわる)内線がかかってきたこと』を涙を流さんばかりに怖がって周りの同僚たちに慰められているという光景

社内の常識的メンタル休職=人の形をしたバケモノ誕生だった。

セクハラ

セクハラブラックあるあるなんだろうけど、具体的な手口まで全く同じセクハラがいくつかあった。

同期飲みのときに、男性陣がニヤニヤしながら大人しいタイプの女同期に遠回しのセクハラ言動を投げかけてチキンレースする遊び。

ターゲットの女同期に対して白子ポン酢さりげなく食べるよう勧めてその子が実際に口に入れるやいなや一人の男が「アッ‼あっ…ああ……」と射精っぽい声を挙げて他の男性陣が爆笑する、

「あの、ちょっといいですか?〇〇(AVメーカーや有名なAVシリーズ)って知ってますか?」と他意のない風に問いかけてニヤニヤする、

これら二つのセクハラ手口まで被ってたのを見て自分がデジャブを起こしたのかと衝撃を受けた(もしかしてこれSNSとかで流行ってたのか?)。

言うまでもなく上司から若手女性社員に対するボディタッチとか、えぐいセクハラLINEとか、上司女性社員たちだけを飲みに誘ってホステス扱いするとかもあった。


パワハラ

ポンコツ社員をみんなの前で立たせながら、あるいは別室に移動して1~2時間説教

説教最中はまるでその場で何事も起こっていないかのように完全に黙り込んで仕事を続けていた周りのみんなが、上司ポンコツ社員が離席したタイミングで爆発したように湧き上がって『ヤベえぞ!!ヤベえぞ!!(笑)』と最高に楽しそうに盛り上がる点、

パワハラといえばあの人!みたいな社員がたくさんいて、彼らが他の社員から顰蹙を買うということはなく、むしろパワハラ被害とは無縁でいられている社員たちが皆「あの人俺にはすげえ優しいんだよな」と誇っている点、

『おめえぶっ殺すぞ!!』とか『てめえの親ここに呼んで来いよおおおおお!!!』とか一発アウトを通り越してるような異常言動が出た時は周りが完全に同じタイミングで「ガーッハッハッハハハwww」と大爆笑することで冗談の体を守り通そうと忖度する点、

これらは共通してた。

レクチャー

配属初日新人に対して

「あの先輩にはため口使っていいぞ(笑)

とか

あいつはこうこうこういうミスして何やってももう怒鳴られるようになったんだぞ(笑)

とかレクチャーして心を掴もうとする連中がたくさんいる。

会議

発言を求められた社員が頓珍漢なことを言うというか、10文字くらい発声したタイミングで揚げ足取ったりツッコミ入れたりして発言を完遂させない。

例えば

社員「それに関してですg」

上司「いや、それってなんだよ(笑)どれ?これのこと?これはボールペンだよ?そんなこと聞いてませんよ?(笑)それともこれ?これは手帳ですよ?(笑)

とかマジでこんな感じ。

凄い強引に笑い物にする。で、周りの社員が「ガーッハッハッハハハwwwwww」と大爆笑して和気あいあい風を演出するまでがワンセット。

(ていうか、全く同じタイミングでそこにいる皆が一斉に大爆笑し始めるのって某巨大新興宗教団体もそうだけど、 あれってマジでなんなんだろ)

嘱託イジメ

嘱託社員に対して「おめえ今日も座りにきたの?」とか「あんた何言ってんのかわかんねえよ」とか課長次長が率先して喧嘩売りに行ってた。

若手~中堅社員あいだで

パワハラモンスターみたいな先輩社員上司にどれだけ好かれているか

『年次が上の社員に対してどれだけ失礼な言動ができるか』

が今後の出世バロメーターなるみたいな地獄みたいな認識が共有されていたので、なるべく目立つようにフロア中に響き渡るような大声出して自分の親と同じくらいの年齢の嘱託社員をめちゃくちゃに罵倒して侮辱するキレ芸に走る奴が何人かいた(恐ろしいことに、こういうことやる若手や中堅が本当に出世していってた。まあ基本的年功序列から誤差みたいな違いだけど)。

ウソみたいだけど、これまであげた様々なブラック面、かなり具体性があるのにもかかわらずどっちのブラック企業でも共通している点だった。

2社目に入ってしばらくは「また同じような会社を引き当ててしまうなんて俺はなんて運がないんだ」と愕然としたけど、やがて「こんな都合よく似通うものなのか?これって本当に偶然なのか?」と疑うようになった。

まり遺伝子と形質の関係のように、会社を近似のブラック環境たらしめる何かがあるんじゃないかと思うようになったのだ。

それがなんなのか探り当てることはできていないのだが、何かヒントになるものが潜んでいるかもしれないので2社間の細かい共通点を列挙していこうと思う。

こんなブラック企業はごめんだ、絶対人生で関わり合いたくないという人の参考になれば幸いだ。

・平均年齢45歳(毎年多少の変動はあるけどまあこのくらいだった)

・平均年収800万弱

職場公認サンドバッグみたいな立場の人だと年収700万で頭打ち。順調に出世すれば50歳くらいで年収950~1000万くらい。

平時だと8時出勤20時退社がデフォで繁忙期だと23時退社。年1回特定短期間だけ27時退社がデフォになる人はいた。残業代は月30時間までつく。

社員の平均学歴日東駒専MARCHくらい

あくまで平均なので、かなりレベルが低い大学出身者も結構いた。一方で上振れはあまりなくて早慶以上出身者は少なかった。

女性社員ナチュラルセクハラ以外ではめちゃくちゃ大事にされている

どんなパワハラ怪物女性社員には猫なで声でめちゃくちゃ優しく接していたし、産休育休取得は余裕だし、定時退社がデフォだった。

から寿退社する人はそんないなくて、30~40代1020選手)の女性社員がめちゃくちゃ多い。

(ゆえに女性社員の多くはパワハラ上司がどんなに暴れていようとビビッていなかった。「〇〇ちゃんまた大暴れしてたね~(笑)」とかキャラ化して人間模様を楽しんでる感すらあった)

男性社員は1時間前出社が暗黙の了解

無論、早出の部分には残業代はつかないし、恐ろしくてつくかどうかを尋ねたことすらない。

多分、実際に訊いたとしたら訊いたという行動自体が罪になって一気に社内カースト最下位になったと思う。

社員の大半が既婚者

・社内のサークル部活が盛ん

離職率がめちゃくちゃ低い(平均勤続年数20年軽く超えてた)

・労基以外に対しての法令順守意識がめちゃくちゃ高い

・今後50年はまあ潰れない

・「うちの会社ほど悪い人がいない会社はなかなかない」と言い合っている

これ上も下も自然に言ってたからほんと不思議だった。

・「社名 ブラック」とか「社名 パワハラ」とかでググっても全然醜聞が出てこない

髪型とか身に付けている小物とかを工夫して、外見を意図的昭和っぽいヤクザに寄せてきてる役職者がポツポツいた。

でも学生時代本当に本職顔負けの武勇伝に溢れてた人が中央法とかに行ってお行儀よく新卒で固い会社就職して~、みたいな人生行路を歩むはずがないのでゴッコなんだろう。

となると40代、50代にもなってまだ精神性が中高生並みということになってしまう。

追記

しか給料は悪くない会社みたいだから、下手したらこの手のセクハラパワハラしている人が、社会的に立派な肩書きを持っていることになって、許容されていると思っちゃうわけだから

どっちも社会的信用は非常に高い会社だと思う。

天下に轟く大企業!!とかでは全くないけど、親なんかは「(手堅い、安心という意味で)いい会社に受かったねえ」と安心するし、住宅ローン審査は超余裕で通るし。

それだけに、中に入ってから異常性が炸裂している様をありありと見せつけられて大ショックだった。あとそこに関して自浄作用が全く働いてなかったのも絶望的だった。

付け加えておくと、社員100%異常者ってわけじゃ決してなくて、(あくまで俺基準だと)40%くらいまともな範疇に入るような人だった。それこそ人格的に優れていて仕事もできて~みたいな聖人みたいな人は2%くらいいた。

ただ40%くらいいる”まとも”な社員たちも、パワハラには加担しないまでも、目の前で繰り広げられるパワハラ苦笑いで見守り、ひと段落ついた頃にパワハラ加害者に対して「ずいぶん怒ってたね~(笑)」とか調子は合わせるし、まあ傍観者スタンスでいた。

聖人みたいな人はというと、異常社員パワハラ被害者もイジメ被害者も分け隔てなく慈しんでいて、全員で仲良くやりたいみたいなタイプからパワハラ最中は悲しそうにしていて、終わったあとはタイミング見計らって被害者のとこいって慰める程度にとどまっていた。

従って、自浄作用は働きようがなかった。

で、残り60%の「普通じゃない人」はさぞかしキチガイ極まってると思われるだろう。

かに彼ら彼女らは間近で行われているパワハラを完全に余興のように楽しんでいたし、時に「あいつ(パワハラ被害者)朝眠い眠い言ってましたよ?ここは一発指導したほうがいいんじゃないっすか?(笑)」とか上司を煽ってパワハラ誘因するときすらあったし(上司のほうも「ほんと~?(笑)じゃあやっとかないとね(笑)」とか冗談めかしてにこやかに返していたのを見るに、マジで当事者エンタメとして楽しんでたんだと思う)。

ただ、彼らはどっからどう見ても外形的にはまともの中のまともだった。

30歳過ぎても高校大学時代の仲良しグループたちとBBQ行ったり、家族ぐるみで川に遊びに行ったり、完成した新居に呼んだり呼ばれたり~みたいな、キチガイでは到底築きえないような人間関係の輪を彼らは持ってたし、加えて彼らの多くは良き家庭人・良き父親であった。

はっきり言って社会めっちゃ高い人種だと思う。

マジモンのキチガイや性悪でも友達は作れるけど社会に出ると同時にフェードアウトされるのが普通だと思うし、30歳過ぎてまで家族ぐるみの友人付き合い維持できるなんて人格破綻者ではないことの証明だと思う。

じゃあ、なんで彼らが会社では異常者や異常空間形成共犯者に化けてしまうのか不思議なところだが、俺は彼らの社会性の高さが原因じゃないかと疑ってる。

武士がお家を守ることにアイデンティティを抱いていたように、彼らは習性として自分が属するコミュニティ様態や安定性を維持することに全力を注ぎ(告発改革などもってのほか)、結果として”会社共同体ではキチガイなのに非利益共同体では良き隣人”という矛盾を孕むことになったんじゃないかと。

となると、会社という”器”それ自体キチガイ性や異常性でもって均衡が保たれてるのかって話になるけど、もしかしたらそういうオカルトじみた現象ってあるのかもしれない。

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