はてなキーワード: 突き出しとは
わざとぶつかってくる人を追い回して罵る女をやっていた。小柄な女なのでこういった輩に頻繁にわざとぶつかられた。
当時の私も仕事やらなにやらで心身共に擦り減っていたのもあって、鬱憤を晴らしたかったのかもしれない。そんな事馬鹿げていると当時から薄々気が付いていたし、そんな理由で自分の行為を正当化したくはないのだけど。
相手に反撃されるかも、刺されるかも、線路に突き落とされるかも等と叱ってくれる人はいたが、長期間鬱を患っていた事もあって、いつ殺されてもいいと思ってやっていた。そしてわざとぶつかってくる人に反撃する事は本当に気分が高揚した。
ぶつかられた時点では私は被害者で、相手は男、私は女、一般的にはこちら側が弱者と見られるだろう。一人で反撃するよりも周りの人を味方につけるのが効果的だった。面白いほど周囲は私の味方に付き、わざとぶつかってきた人を擁護する人は誰もいない。大半のわざとぶつかってくる人は弱い人だ。まず反撃はしてこないし、刺しても来ない。しかし中には逆切れして殴りかかってくる人もいた。そんな時は周囲の男性が取り押さえて警察に突き出してくれた。逃げられてしまう事も多かったが、駅のホームなら殴られるまではいかなくとも駅員さんに引き渡す事もできる。
これは都会に住んで、人混みを歩く時が多かった事が幸いした。わざとぶつかってくる人よりも、助けてくれる人の方がずっと多い。叫んでも誰も来ないような所だったら、もっと狼狽えていたかもしれない。
そんな周囲の善い人達に気付かれないように、わざとぶつかってきた人を小突いたり罵ったりするのは本当にスッキリしたが、大多数には善人ぶる自分はマジのクズだ。特に逃げられかけた時に全力で付け回して罵るのは最高だったな。
殺されてもいいと思ってたから、極論を言えば相手を線路に突き落としてやってもいいとも思ってた。
「ねえねえ、最初は反撃して来ない人に見えた?」と言わんばかりに嬉々としていたかも。
こんな書き方をして伝わってしまうだろうが、恥ずかしながら未だに武勇伝のように思ってしまう気持ちが完全にはなくならない。
やっていた事は正当防衛の範囲内に見えるようにしていたし、被害者として周囲に話す事もあった。しかし一般的に弱者に見える事を利用して鬱憤を晴らしていた本心を恥ずかしく思い、この気持ちに関しては限られた数人にしか話していないし、心理的には「無敵の人」に近かった、死刑になりたいからと殺人を企てる人と同じだった、と思う気持ちが今は多くを占めている。それは転職が成功して、大事な家族が増えて、失くしたくない生活を得たからだ。
今はこんな風に思っていても、人はいつ人命よりも鬱憤を晴らす事を優先するような環境や精神状態に陥るか分からない。できるだけ多くの人が心穏やかに暮らせる世の中が訪れるようにと願うようになったのもまた、偶然私が穏やかな環境を得たからに過ぎない。
でももしかしたら本当は正当防衛かもしれない自分の行為に罪悪感を持ってしまう今の私が歪んでんのか?
友達が授業中に消しゴム落として、イスに座ったまま拾おうとお尻を突き出した瞬間に『プヒィ~~』と、静かな教室に響き渡った。
私は「ありがとうございました!」って45℃おじぎした時に出ちゃった!
一発じゃなくて、小分けにした感じのやつ!
https://jp.reuters.com/article/tk0880542-usa-topless-idJPTYE87Q02920120827
↑ちょくちょくこういう女性もトップレスになる権利をうったえるデモのニュースを見るけど、こういう思想が広まっておっぱい丸出しが当たり前になったら、男はおっぱい見てもなんとも思わなくなるし、女もおっぱい見られてもなんとも思わなくなるなるわけじゃん。
エロ好きな女は「ビッチ」とか言われて軽蔑されるけど、そういうのをやめてもっとエロに開放的な社会になったら体を触られても「うわ変態だ、うぜ!警察に突き出してやるぜ」くらいで「自分は汚された。一生の心の傷になった」「魂の殺人だ」みたいに深刻にはならないんじゃない。
私はオナニーが好きだ。彼氏いないからHはしたことない。専らシコシコとクリオナに励んでいる。
ある日オカズとして選んだAVで女優さんが挿入されてからずっと涎まみれで獣のように喘いで感じている作品があった。右手でクリを触るのも忘れ、食い入るように見てしまった。ふと(クリオナも気持ちいいけどいい歳だし膣中も弄ってみようかな~)と思い立ち、まずはクリイキしてから中指一本、膣に入れようと思った。が、びちゃっと音がする位濡れていても異物感と痛さで動かそうとも思えず、指を入れて気持ち良くないとただがっかりしていた。
でも中イキはしてみたい、そんな気持ちが強くなった。ネットの助けを借り、膣中の感度を上げるにはクリ・膣の二点責めが有効との事で一人暮しの今、大人のオモチャを購入する決心をした。オモチャのサイトで初心者向きとオススメされていたのがオルガスターだった。バイブは多分入らなさそうだし、これなら細そう丁度いいと思い即ポチ。ついでにローションも買った。
届いてから早速使ってみた。先端部分太くない?!やっぱり入らない。膣の入り口が痛い。Hした事ない処女には太くて入らなかった。まずは指でほぐした。1時間以上ほぐした。
すると何かイキはしないけど淡いような気持ち良さが出てきて何となくしめた!と思い、もう一本指を増やし突っ込んだ。
指二本入った事に感動し、そこからまた30分以上ほぐした。これはオルガスターが入る!と確信を覚えローションを付け再度挿入。さっきより痛くないけどまだ入らない。ま○この力を抜いてグイグイと押し込む。
すると先端がつるんと入った。少し痛かったのと一瞬猛烈な尿意を感じた。全部入った。あの痛みは何だったのか痛くないぞ!と感動した。スイッチをONにするとクリの刺激部分がま○こ全体に響き渡るような感じで気持ちよい。予めネットで四つん這いになるとオルガスターが抜けずに更に感じるとの情報を得たのでトライ。ヤバい。ケツ突き出してオモチャを咥えてる体勢がなんかいい感じに良くて連続で何回もイッてしまった。快感が込み上げてイクのが止まらない。スイッチを強弱で自分を苛めていくと何か奥にグイっとくる感触が。急にピンポイントで強烈な快感を感じ、膣をぎゅっぎゅと締め付けずにはいられなかった。締め付けると声もあげられない程気持ちよくなった。これ以上感じると怖いと思い、オルガスターを引っこ抜くと中から温かい愛液がトローリと漏れた。口コミを見てると感じないという意見もあったけど私にはクリにも当たるし抜けない気持ちいいでヤミツキになりそう。
処女なのに中イキ出来て嬉しい。こんな気持ちいいもんだとは。相手が居たらずんずん突いてくれたら気持ちいいのかなー。彼氏が出来るまでどんとん開発しようと思う。
23歳新卒、喪女。先日、友人に紹介された男性と初デートしてきた。
友人と飲んでたら、突如「増田に合いそうな人がいるんだけど」と紹介された人。
電話番号を教えてもらって、LINEのIDを教えて。相手がランチに誘ってくれて。登録した初日と店決め会話の2日分だけ、LINEを交わして。あとは友人から聞いた紹介だけ、そんな前情報だけで、会ってきた。紹介で初対面デートなんて初めての経験で混乱してた。イタリアンとか小洒落た感じはなんとなく合わない直感がして、評判のいいラーメン屋さんに行ってからお茶することに。
初めてだし、夕方くらいで解散してさくっと切り上げるのがいいのかな、と思ってた。けど、話が弾み、寄り道で時間はどんどん過ぎ、なんだかんだで夜ご飯まで一緒することに。
相手は男子校からの理系で女性慣れしてないんです、と話してくれた人。確かにそんな感じはするけど、むしろ誠実な感じがめちゃくちゃあってよかった。もう少しああしてこうしたら絶対すごくかっこよくなりそう……!って思える感じの、喪女がいうのもおこがましいけど磨いてみたくなる感じの人だった。
帰ったあと、いつもと違う気分だった。温かい重みが心に漂う感覚。人と半日過ごすなんて、今までの自分だったらぐったりして帰宅して即ベッドに倒れ込んでしまう。初対面なんてなおさら。そうだったはずなのに、ああ楽しかったなと、波長合ってた気がするな、という感覚が漂っている。
こういう、恋の片鱗っぽいものに舞い上がるのはいつもの悪いクセ。
でも、いつもとは違う舞い上がり方。今まではわりと、ずーっと長く友達でいた人にだんだん惹かれていって舞い上がってたのだけど。こんなほぼ初対面で舞い上がりはちょっと私も理解できない。
また連絡がきて、他愛もない雑談をしあい、返信どうしようなと考えこみ、ああ既読のまま時間が経っていってしまう、と焦り、それでも次の言葉をどうしようかと探してしまう。言葉が見つからないんじゃなくて、背伸びしたくなってしまっているからだ。そんなことしたところで、何ひとつ自分をよく見せるどころかどんどんポンコツなのがバレるだけなのに。
春に浮かされたからなのか、
ついこの間、1年くらいの片思いが玉砕して心を折ってやっと心の整理が突き出した頃合いだからなのか、
それともほんとうに波長が合ってるのか。
そんなふうに、今の心の温かみが信じられず、何か疑りのような、不安のような、そういうものを次々と考えてしまう。それでも打ち消しきれてない感情。
これがあと数回会ってやっぱり舞い上がりの勘違いだったと思ったりしたら……と思うと悲しいけど、
勘違いじゃなかった……としたら、その先どうしよう。どうしようね、自分!こんなすぐ舞い上がるから前回だって失敗したんだよ!
誰か喝をください。
僕は電池を探した。
探しているよりも小型のものしか見つけられなかったが、アルミ箔で電池ボックスに電気が流れるような装置を作ったから、なんとかこの装置を動かせそうだ。
女の顔はよく覚えて居ないけど、不快な造形ではなかったと思う。
女は気づくと、カウンターの僕側に居た。
女はミニスカートを履いて居て、僕に背を向けて居た。
足の形は悪くなかったように思う。どちらかというとすらりとして居たはずだ。
女は僕にお尻を突き出してきた。
僕は女の股間に手を伸ばし、スカート越しにクリトリスを少し圧迫した。
女は下着をつけて居なかった。
でも形は悪くない。
僕は女の淫部に指を入れ、動かした。
ザラザラとした感覚を、指に感じる。
僕は女から体液を絞り出すように指を動かし続けた。
とゆー話になるんだよな。
昔は「ホームページ」の誤用から「ウェブサイト=家」というイメージが定着していて、
それを打破するために「ネットは家じゃなくてたくさんの人が集まる公共空間だ」と逆張りをしはじめたのが「ネット往来論」なんだけど、
どう考えたってサーバーもドメインも個人サイトもブログもSNSだって、個人に場所が割りあてられるアナロジーなんだよなあ。
「ネット往来論」って要するに「ネットに書いたことは全世界の人に向けて書いていると思え」という趣旨なんだけど、
常に「全体に向けて喋ってる」ことにして「フォロワーに向けて喋ってる」ことを否定するんだったら、いったい何のためのSNSなんだと。
つまりこう考えればいいんだ。
インターネットには無数の個人空間が存在しているが、そこには監視カメラが仕掛けられていてその映像が全世界に公開されているんだと。
これだって別に無責任な行動が許されるわけじゃない、個人空間内でも殺人すれば逮捕されるし、その責任は問われるよ。
それに、個人空間から顔を突き出して天下に向けて語ったりすることもある。いまみたいに。
ただ「Twitterに書き込むということは天下の往来で大声で叫んでいることと同じなんですよ!」みたいなウザ絡みはやめてねってだけ。
多少つっこまれ始めてるけど「女は『みんな』痴漢の経験がある」というのは
「少なくとも私はある」を語るだけでは強い証拠にならないよね。
ネットで語る人は遭遇経験ある人だけで、ない人は語らないのだから実際の割合なんて分かるはずもない。
とはいえ、私も友人と話していておおむね「みんな」経験ありそうだし
痴漢関連の話題で、一部女性が大げさに騒いでるだけと言われるのはイライラするわ。
・薄幸そうな顔の友人が、駅前でよくおっさんに声かけられては「いくらだ」とか「奴隷にならないか」とか言われてたそうだ。
・自転車通学中に後ろから自転車で追い抜かれざまにお尻をなでられた。何が起きたか分からないままとっさに払いのけるとすごい勢いで自転車漕いで逃げて行った。
・女子高だったせいで周辺に露出狂が出没していて、遭遇したことのある友人は多かった。
・同じく、女子高だったせいで文化祭に不審人物が入ってきていた。出し物の控室(着替え部屋)がある建物に入ろうとしたので阻止したとか。あとクラス出し物で昭和風の街並みを再現したんだけど、銭湯のイラスト描いておいたらそれの股間あたりのとこを指でグリグリされたり、キャバ風のコーナーで「触っていいですか(デュフフ)」って言われたので遮ったりとか。(これは当時の配慮が足りなかったなと思ってる。高校生の考えなんで幼稚だった。あと一応、お色気じゃなくて駄菓子屋とか射的とかがメインのつもりだった。)ちなすべて別人物。
大学時代:
・やはり薄幸そうな顔つきの後輩が、よく駅前ですれ違いざま声をかけられていたらしい。いくらで売るかとか、あるいはもっと直接的に卑猥な言葉。もともとメンタル弱い子だったのでなおさら打ちのめされてた。
社会人:
・混雑した電車内でおっさんが股間部分を押し付けてきた、よくあるタイプの痴漢。社内を移動して逃げても追ってきた。イライラして次こそ声を上げようと思ってるうちに途中駅で降りて行ってしまった。電車内で必要以上に体を押し付けられる案件はほかにも数件。
・帰宅中の電車で、吊り革のとこで酔っぱらった風の男性がとにかく女性だけめがけてもたれかかっていた。でも絶対男性には寄りかからない。中性的な格好してる大学生風の男性に寄りかかってた時は、顔見えた瞬間にフ…と移動していってたので意識もあるし狙ってたと思われる。
・到着した電車に乗り込もうとしたら、降りてきた男性にいきなり目隠しをされた(正確に言うと、手のひらを目の前に翳されて視界を遮られた)。一瞬すぎる&接触がないため理解できずに固まってしまい、後から「あぁ、悪戯されたんだ」と理解したらむしょうに悔しくてこれが一番泣けた。
・これは最近。朝の通勤電車で、眠たそうにドアに寄りかかっているおじいさんがどんどん目の前の女性の首元に寄っていく。女性と逆方向にスペースが空いていた(というか空けてやった)が女性の方にしか傾かない。女性がガードしても髪や腕に触れている。見かねておじいさんの肩掴んで「ちょっとすみません」て声かけたら、きょとんとした顔されたけどその後は女性と距離取って寝てた(できるんかい)。
・下の弟と散歩しているときに、ぶつぶつ呟きながら追い回された。近寄った時に「おっぱいおっぱい…」と呟いてるのが聞こえたそうだ。
自分は高校時代は自転車通学だったので、この時に都内で電車通学とかしてたらもっと遭ってたのかなーとか思う。
やっぱり社会人になって数年して、服装とメイクが多少垢ぬけてきてから(そして多少歳くってきてから)あまり遭わなくなってきたので
弱そうに見える人ばかり狙ってるのは間違いないんだろう。声かけられがちな友人たちは、顔が薄くて眉が垂れてて要は見た目が気弱そうだった。
あとやっぱ、ふだん生活してて誰かに怒鳴ったり、知らない人に注意したりした経験がゼロに近いので、
いざというときに毅然と対応しよう!と思ってもなかなか実際に声が出せない。
あと少し続いたら注意しよう、もうちょっとしたら…と思っているうちに逃げられてばかり。
この辺のボーダーラインはほんとに人それぞれだと思うけど、
2017年秋、僕は京都市内でしょーもない会社の飲み会に付き合わされた後、なんとも言えないもどかしい気分を吹き飛ばそうと木屋町の某ヘルスにふらりと向かったのだった。
訪れたのは以前にも何度か利用したことのある店。
ここのシステムではヘルスタイムの前に15分間のお遊びタイムがあり、短時間コースでも3回転、つまり3人の女の子が代わる代わる部屋を訪れてキスや下着越しのお触りなどのプレイを楽しめる。
その中で気になった子がいればヘルスタイムの相手に指名できるし、指名しなければ出勤中の誰かが来る。もちろん事前に指名して予約することもできる。
HPの写真だけで指名するのはリスクが高いが、ここは実物を見て選べるので系列店も含めてよく利用している。
で、このときはフラっと来店したので事前に指名はせず、回転中にビビっと来た子を選ぼうと思っていた。
今となっては1,2人目にどんな子が来たのかは覚えていない。
ただ2人目がまあ許せるレベルだったので、3人目がハズレだったら嫌だなぁとの理由で部屋の受話器を取り2人目の子を指名した。
だが3人目の子がドアを開け入ってきたとき、僕は自分の目を疑った。
黒沢と◯よがいた。
駆け出しの無名声優ならまだしも、今をときめく大人気女性声優がこんなところにいるはずがない。
しかしセーラー服を着た彼女の、150cmも無いであろう身長。
その全てがそっくりだった。
「川崎のアマテン」「中野のあやねる」等、世の中に女性声優似の風俗嬢が存在していることはインターネットで知っていた。
ただそれは関東の話で、ましてやこんなに特徴のある声優に似た嬢が京都にいるなんて夢にも思っていなかった。
その時のプレイ内容は詳しく覚えていないが、とにかく愛嬌たっぷりで、軽いスキンシップしかできない回転タイムながら思わずイキそうになるくらい、乳首攻めと股間のイジり方が抜群に上手かったことが強く記憶に残っていた。
いやその前にトモヨの指名を知らせる店内放送があったのでどっちにしろ指名は叶わなかったのだが。
回転タイムが終わった後、指名料の徴収に来た店員にダメ元でトモヨに変更できないか頼んでみたがもちろん無理だった。
その後のヘルスタイムも、頭の中はトモヨのことで一杯だった。僕は必ずリベンジすることを誓って店を後にした。
ただ、僕は風俗狂いではないので数ヵ月に一度しかこの手の店に行きたくなる気分にはならない。
何度かそういう気分になったときに店のHPを覗いてみたが、出勤一覧に彼女の名前を見つけることはできなかった。
いつしかキャスト一覧の中からも見失い、てっきりもう店を去ってしまったのだと思い込んでいた。
あれから約4ヶ月。
いつものようにムラムラしながらインターネットでポルノサイトを巡回していたとき、何となく店のページを開いてみると、いないと思い込んでいたトモヨの名前が。
やった!まだいたんだ!と喜び、出勤スケジュールを確認。よし、行けなくはない。
ただその時はそこまで機運が高まっておらず、予約することはしなかった。
一方で、これを逃したらもう次はないかもしれないという思いも頭の片隅にあった。
迎えた出勤当日、僕は女性声優のCDを買いに大阪へ出掛けていた。
そのCDは購入一枚ごとに店頭抽選でサイン入りポスターが当たるキャンペーンをしていたのだが、まぁ~当たらない。
結局1万円以上注ぎ込んでも当たりは出ず、僕は意気消沈しながら帰りの電車に乗り込んだ。
その時ふと、そういえばトモヨの出勤日だったことを思い出した。
今日は既にかなりの金を使っている。来月もライブ遠征続きで貯金は減る一方だ。
でも……
「この機を逃したら次はないかもしれない」
オタクショップで予約CDを引き取りながら時間を潰し、決戦の地・木屋町へ向かった。
狭い待合室には先客が3人ほど。
まずは回転タイムだ。
1人目、どエラいブスが来た。
強烈な右アッパーを食らったかのように顔の歪んだ30歳くらいの嬢だ。
これがいつものように無指名来店だったら焦るところだが、今日はトモヨを押さえているのでウォーミングアップと割り切ってスキンシップに興じる。
夢中でおっぱいを貪った。
いよいよトモヨの番だ。緊張を圧し殺しながら待っていると、ノックに続いてドアが開いた。
ひょっこりと顔を出したトモヨは、4ヶ月前と変わらず小さくて可愛らしく、僕は安堵した。
トテトテと近寄ってきてぎゅっと僕を抱き締めるトモヨ。
にっこり微笑んで唇を突き出してくる。
この身長にこの顔でセーラー服姿の子とこんなことをしていて本当に大丈夫なのか心配になってきた。
僕「なんか悪いことしてる気分だ」
以前は気付かなかったが、心なしか声も黒○と○よに似ている気がする。
唇を重ねながら股間をまさぐられていると、あっという間に回転タイムは終了した。
服を調えたトモヨは「また後でね」と告げ、手を振りながら一度部屋を後にした。
まさか女性声優(のそっくりさん)とこんなエッチなことができる日が来るとは……。
数分後、再び扉を叩く音。
トモヨ「ただいまっ!」
僕「おかえり」
トモヨ「え?誰にも似てないよ」
僕「○沢○も○さんって知ってる?声優の」
僕「死ぬほど似てるよ」
彼女の受け答えが本当かどうかはわからないが、軽く会話した後シャワーへ。
おっぱいはギリギリBカップという可愛いらしいサイズ。本物もこんなくらいだろうか。
ダメ元でパイズリできないか試してみたが案の定ボリューム不足で、2人で笑い合った。
トモヨは「最近太った」と話し、確かに少し下腹が出ていたが、女性声優が服を脱いだときにちょっとだらしない身体だったらメチャクチャ興奮するのでむしろ全然アリだった。
ベッドに移ると、トモヨは「シュッシュッ!」と声に出しながら僕の息子をしごき始めた。
この子、とにかくこんな感じでめちゃくちゃノリと愛想が良く、仮に女性声優似じゃなくても指名で通いたいレベルだ。
ここで非常にどうでもいい情報をお伝えするが、僕は極度の早漏である。
本気でちんちんをイジられるとアっという間に果ててしまうので、その旨を申告し優しくするよう要望しておいた。
何度か危うい瞬間があったが、その度にタイムをかけて耐えた。
ちなみにベッド側面の壁は鏡張りになっており、女性声優(のそっくりさん)が僕の息子を舐め回す姿を三人称視点でも楽しめる。
よし、なんとか暴発せずに耐え切った。
トモヨがラストスパートをかけ、剣先を咥えた口の動きが一層速くなる。
僕は全神経を股間に集中させた。
脳裏にあの曲が流れ始める。
“風は吹き抜ける 花は薫る 星は廻って 鳥は翔ぶ 女のコはひかり輝き 心はフォルテで脈打つよ! 愛の鼓動”
人生で最高の瞬間だった。
俺はあの猫が先ほどいた場所にエサを置き、そこから一歩離れた場所で中腰になって構えた。
そうしてしばらくすると、目論見どおりあの猫が姿を現す。
しかし、エサにはすぐ食いつかない。
こちらを窺っているようだ。
手を出せば捕まえることができる距離まで近づいてきたが、それでも焦らず腰を据える。
俺はおそるおそる人指し指を突き出した。
猫もおそるおそる指の匂いを嗅ぐ。
よし、ここまでくればほぼ成功だ。
そこから流れるようにそっと猫の首や背中をなでるが、抵抗せずに身を委ねてくる。
最初に会ったときに何となく分かっていたことだが、やはりこの猫は人慣れしている。
猫が人間社会で生きていこうとすれば、人間をアテにしたほうが合理的だから当然だろう。
ウサクみたいに強い敵意を向けたり、強引に迫ろうとしなければ逃げようとはしない。
だから俺は、エサをあげたいだけの猫好き一般人を装うだけでいいんだ。
そうして猫が完全に警戒心を解いたのを見計らい、俺は用意していたカゴに導いた。
俺たちは捕まえた猫を引き渡すため、施設へと移動を始める。
「素晴らしい達成感だな。我々は社会に貢献したのだ!」
猫一匹捕まえただけで、ウサクは大義を成したとばかりに喜んでいる。
ある意味では子供らしい反応なのだが、愛嬌はまるで感じないな。
「それにしても、兄貴って意外と猫好きだったんだね」
「そう見えたから、この猫も近寄ってきたんだろうな」
猫だけじゃなく、お前まで騙されてどうするんだ。
「好きじゃないっていうか、まあ厳密には好きでも嫌いでもないな」
「とんだ猫たらしだ」
みんなの目が冷ややかだ。
俺はスマートに捕まえてみせたのに、なんでそんな態度をとられなければならないんだ。
「そもそも俺が猫好きだったら、わざわざ業者に引き渡すようなマネはしねえっての」
「え? どういうこと?」
どうやら弟は要領を得ていないようだ。
そんな状態で猫を捕まえるのに精を出していたのだから、何とも残酷な話である。
俺がそう答えると、弟は固まってしまった。
というか、それを聞いていた学童仲間みんなが固まってしまっていた。
「“殺す”んじゃない。“駆除”するんだ。」
「結局は殺されるんだろ」
「いや……“駆除”という言葉には、“殺す”という意味以外も含まれているのであって……。業者に渡したからといって、必ずしも殺すというわけでは……」
「じゃあ、この猫は殺されないの?」
「……少なくとも苦しむような手段はとらないだろう」
ウサクの歯切れが悪い。
イエスともノーとも答えていないが、その反応だけで察するのは簡単だった。
そして、その時にやっと弟たちは自分のやっていることが“どういうことか”自覚したらしい。
罪の意識に駆られた弟たちは、それを解消しようとウサクを非難するという行為に及んだ。
「ウサク! 僕たちに何てことをさせたんだ!」
「俺たちを猫殺しに加担させるなんて……」
俺はウサクが少し気の毒にも思えたが、半ば強制的に手伝わされた恨みがあったので擁護する気になれなかった。
かといって猫に思い入れがあるわけでもないので、弟たちの側に入る気も起きない。
俺は猫が入ったカゴを抱えながら、その様子を静観しているだけだった。
「殺すわけじゃない。我々は捕まえて、業者に渡すだけだ」
「でも、その業者に渡したら殺されるんだろ?」
さすがに目の前の命が危機にさらされていると分かれば、ロクな主義主張を持たないガキでも必死になる。
弟たちは猫を業者に渡すことに猛烈に反対した。
「な、なんだ貴様ら。さっきまで猫を捕まえることに協力的だったくせに……」
「殺されることを知っていたら、こんなことはしなかったよ!」
「『無知は罪』という言葉を知らんのか!? 『知らなかった』、『いま知ったから』で簡単に手の平を返して許されるとでも?」
ウサクはみんなにそう返すが大した理屈じゃない。
俺たちがガキであることを抜きにしても、ヒト一人が知っていることなんて高が知れている。
なのに知らないことを罪だと責めるのは理不尽だ。
とはいえ、今こうして言い争う皆を見ていると、分からなくもない主張ではあった。
美少女コスプレ魔法少女アニメことCCさくらの新作を筆頭に萌えを研ぎすませたアニメがこれでもかと襲い来る。ハクメイとミコチの愛らしいデフォルメ体型に君は何を思う?三ツ星カラーズに真のロリコンを感じているか?はたまたりゅうおうのおしごとにこそロリ王の波動を見出したか?ゆるキャン△のキャラは何故あんなにも生き生きとしているのか。雨上がりのように訪れる恋は男女逆ならただのセクハラではないのか。ヴァイオレットエヴァーガーデンのこれでもかと並べられたむき出しの性癖をしかと見よ。萌えの形は十人十色ながらきっと誰もが気に入った萌えを見つけられるであろう萌えアニメの豊作クールだ。
今期はロボットアニメが二本も始まった。これは凄い。凄いことなんだよこれは。そしてどちらも出来が良い。これは本当に素晴らしい。明るいエヴァンゲリオンことシンカリオンは子供向けアニメにありがちなマンネリズムに囚われまいと物語に揺さぶりをかけようとする作り手の気遣いがあって信用度は高い。なんとエヴァンゲリオンコラボ新幹線が本当に登場するというのだからそこも注目だ。ダーリン・イン・ザ・フランキスはロボットアニメというよりも変態スケベアニメなのだが、作画の質は高いし世界には謎が満ち溢れSFアニメとしての意欲も強い。一見すれば作品の方向を見失わせるようなドスケベデザインや、少年少女の葛藤を剥き出しで描くことによって産まれた青臭さのジェットストリームは、人型ロボットという子供じみた無邪気さとベストマッチしているのではないだろうか。
今期はオリジナルアニメが強い。さきほど語った二つのロボアニメもそのオリジナルアニメである。原作付きであるはずのポプテピピックも、もはや原作の枠の向こう側に飛び出ているのでオリジナルアニメと言っても問題はないだろう。あるのかも知れないが私は無いと思う。他にもいくつかオリジナルなアニメとして注目したい作品がある。1つは刀使の巫女。だけど視聴を薦めるつもりはない。このアニメは余りにも危ういからだ。ストーリーはいつ破綻するとも知れないし、作品の作りたい絵作りもまだまだ見出しきれていない。美少女が刀を振り回したら面白カッコイイカワイイぜをコンセプトに左足が沈む前に右足を突き出して水面を走り抜けている状態が当面は続くだろう。このどこに向かうのかわからない所がオリジナルアニメの魅力なのだ。どこに向かうか分からないといえば『南極』こと宇宙よりも遠い場所だ。南極に向かうのは分かる。だけどそこで何をするのかが分からない。とにかく南極に行くわけだから観測隊に潜り込むために頑張るのは分かるが、それで南極に実際行ったらなにをするのかが未知数だ。危うい。この危うさが魅力なのだ。バクチってのは外れるから楽しいんだよ、だ。
もはや語るまでもない。今期でもトップクラスのアニメである。女の子がカワイイ。キャンプが楽しそう。冬のぼっちキャンプが寒そうで暖かくて季節感満載だ。皆でキャンプの準備するのが楽しそう。ただそれだけだ。それだけなのにどうしてこんなに時間が早くゆっくりあっという間にまったりと流れるんだ。
今季のアニメは豊作である。これは間違いないことなんだよ。他のクールと比較する必要なんて無い。今が楽しければそれでいいのだ。アニメ視聴なんてそれでいいのだ。これでいいのだ。
最後に謝っておく。
嫁なるものは俺の脳内にしかいないのでこれは実質的には俺の感想だ。
これでいいのだ。
停車中の荷物検査は最も危険な時間だ。祐太はコンテナの隙間で白い息を殺し、屈強な女性職員が通り過ぎるのを待った。でも大丈夫、きっと会える。根拠はないけど、かじかんだ手の中にある少女の写真を握りしめると勇気がわいてきた。やがて列車は再び駅を出発した。
※※※ ※※※
「高校は女人町のとこに行くんだ」美術室で部活の後片付けをしながら、由紀はさらりと言った。女人町のことは祐太も知っていた。夜に安心して出歩けるよう、女性だけが生活することを許された町だ。由紀がこの町の女の子であることもクラス中のみんなが知っていた。義務教育を卒業すると、女人町に戻るか外の町にとどまるか、母親が選択することも。ただ、由紀が戻ることになったのを知ったのは、祐太が最初だった。
「そっか、由紀は行きたいのか?」
「わかんない。でも親が決めたことだし」
話はそれで終わった。由紀はそのまま学校を卒業し、女人町の高校に進学していった。通常、女人町に戻った女性は、それ以降もうほぼ外に出ることはない。
※※※ ※※※
祐太は地元の高校に進学し、由紀との思い出は忘れていった。学年たった二人の美術部員だったこと、部の存続をかけての新歓、絵の具の匂い、いつも頬を赤くしすぎる由紀の人物画の癖。
そして大学に進学した1年目の冬休み、消えかけた思い出が蘇った。新しく出来た鉄道趣味の友人が、ポロッと言った一言がきっかけだった。「この貨物列車、女人町に行くんだよな」
「へえ。あそこ、電車が通ってるんだ」
「生活物資やなんかは流通が必要だしな。ああいう町だから、警戒は厳重だけど、荷物は別だよな」
町につながる場所がある。そう思うと急に由紀に会いに行きたくなった。手がかりは卒業アルバムの切り抜きの写真と、中学の頃貰った家の付近のスケッチだけ。町の写真は盗撮につながるからと規制されていたからだ。メールももちろんできない。
それでも祐太は諦めなかった。夕闇に紛れて女人町行きの貨物列車に忍び込むことに成功した。後は列車が連れて行ってくれることを待つだけだ。
※※※ ※※※
検問は数度あった。そのたびにコンテナの死角に滑り込んでやりすごした。屋根も壁もない。昼から小降りだった雨は、東京ではめずらしく雪になっていた。風が強く、寒さが身にしみる。
夜、女人町に入った後、列車が緊急停止した。「人手が足りない!」「男性職員も応援に呼んでください!」「承認はまだ?!」何かしら事故があったのだろう。辺り一面は漆黒の雪景色で、職員たちは雪かきやヒトモノの整理で相当混乱していた。今なら脱出できる!祐太は暗い雪道に踊り出た。
周囲は真っ暗で、明るい場所は雪面をまばらに照らすオレンジや薄紫の街灯くらい。隠れる場所はいくらでもある。とにかくすぐ寒さをしのげるところに逃げ込み、明るくなってからスケッチの場所を探そう。祐太はそんなことを考えながら暗がりを歩いていた。
誰もいないと思っていた。そんな油断もあって、暗闇の中全身真っ黒な服から覗く2対の目に、祐太は気づかなかった。
※※※ ※※※
祐太は人らしきものにぶつかった。背筋が凍る。見つかった!そこにいたのは2人組で、頭の上からイスラム教徒の女性が被るブルカのような真っ黒い布をかぶっていた。
「あなたは…男の人?」
ブルカの女性に話しかけられた。動揺のあまり、祐太はしばらく動くこともできなかったが、やがてやっと声を振り絞り答えた。
「ごめんなさい、人を探して、ここまで来たんです。今回だけは見逃してください!」
「でも、こんな格好をしてると捕まるぞ」
後ろの方のブルカから、男性の声が聞こえた。この町にも男性がいたのか!祐太はほっとした。
「私の服を貸してあげる。まずは私達の家に来ましょう」
そして促されるまま、祐太は二人の家に案内された。
※※※ ※※※
家の中に入ればもうブルカは必要ない。助けてくれた二人を改めて見ると、祐太と同じ大学生くらいの男女だった。女性は比奈、男性は陸と名乗った。祐太は二人の家で事情を話した。スケッチの情報から、比奈が通っている絵画教室をしている家だとわかった。この家の近所だ。陸からは余分なブルカも貸してもらった。男性同士助け合いの精神もあっただろうが、何から何まで手助けしてもらい、本当に感謝するしかない。
しかし、ブルカなんて被って不審がられないだろうか。聞くと、若い女性はだいたいこんな格好だという。
「昔、目元やチークを真っ赤にするメイクが流行ってね。うさぎ目メイクって言ったっけ。好きなは好きだけど嫌いな人は『幼女ポルノのようなメイクだ、ミラノ帰りの自分からは信じられない。VOGUEを見習え』って、大論争。喧嘩を避けるように、結局みんな姿を隠すようになっちゃった。」
「でも、そのおかげで俺たちみたいな男もこっそり生きられるんだけどな」
聞けば恋人を作りたい女性や父親がほしい家庭は、こうやってこっそり男性を家に引き入れて暮らしているそうだ。よく考えるとそうしなければ町の人口は減る一方だ。この町はそうやって矛盾を抱えながら維持されてきたのだろう。
「由紀ちゃんと連絡がつながったわ。今すぐ行きましょう。ゆっくりさせてあげたいところだけど、ママがこれ以上男性を住まわせるつもりなのか疑ってるの…ごめんね。」
どうも話から推測すると、男性を匿いながら暮らすのは専業主婦を抱えるのと同程度に負担のかかることで、できれば避けたいようだ。祐太もこれ以上迷惑をかける気もなかった。コートを着込み、ブルカを身にまとって比奈と共に家を離れた。
二階の窓では、母親と思しき女性が祐太に視線を貼りつかせていた。
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祐太は、ついに由紀の家にたどり着いた。玄関口で見た由紀は、中学のときの面影を残していた。急ぎ足で比奈と一緒に部屋に入り、ブルカを脱いだ。
「祐太…」由紀は口を押さえて、もう半分涙声になっていた。「来てくれたのね…」
「じゃあ、私はお邪魔かな」そう言って比奈は部屋を出た。部屋は由紀と祐太、二人きりになった。まるで中学の美術部と同じ風景だ。そう言えば改めて見渡すと、部屋の様子も美術部室のように幾つもの絵画や機材が並んでいる。ここは由紀の部屋ではないんだろうか?
「お母さんの美術教室のアトリエよ。今時期は教室やってないから自由に使えるわ。布団持ってくるから、ここに今日はここに泊まってって」由紀はいたずらっぽく目を輝かせて言った。「お母さんには内緒ね」
「悪い奴だなぁー」軽口を叩くと本当にあの頃に返ったようだ。「今でも絵、続けてるのか?」
「そうね、つい最近も描いた絵がそこにあった気がするけど…」
「待って、当ててみるよ。…あ、わかった。右から3番目のだろ。なんでわかったと思う?」
「「頬が赤すぎる」」2人の声が被った。そして2人とも大笑いした。
その後は夜遅くまで話をした。昔の思い出、卒業してからの生活、祐太のここに来るまでの冒険譚。話している内に日付が変わり、外の雪はますます降り積もった。
「これから、どうするの?」
「もう少しここにいたら?こんな雪だもん。2~3日は色々マヒしてて気づかれないって」
ひょっとしたらここで暮らすのも悪くないかもしれない。ブルカがあれば外出もできるだろう。男性同士のコミュニティもあるようだし、由紀の家族にも気に入ってもらえればよいな。そんなことを考えながら、祐太は眠ってしまった。
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「おい起きろ!さっさと出る準備をするんだ!」
突然の怒号とともに毛布を剥ぎ取られ、祐太は目覚めた。目の前には警官姿の屈強な女性が2人、立っている。
寝起きで意識がはっきりしないまま、祐太は両脇を抱えられて外に待機していたパトカーに詰め込まれた。「xx時xx分、xxxx確保…」警官の一人が無線で何か会話をしている。まるでまだ夢の中のようだ。いや、昨日までの記憶の方が夢なのか?
祐太はやっとのことで声を出した。答えはしっかりとは聞き取れなかった。これから町の外の警察に引き渡され、そこでこってりと絞られるらしい。
隣に座った大柄な女性警官は威圧的な雰囲気だ。でもパトカーはシャーベットの路面を頼りなく走っていて、そのギャップに祐太は少し笑ってしまった。
なんて結末だ。
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「密告があったみたいね。あんたも大胆なことするわね…」由紀の母親はコーヒーを淹れながら由紀に話しかけた「報奨金高いんだよねぇ。誰だか知らないけどだいぶ儲かったんだろうな」母親は少し呆れていたが、それほど意に介していないようだ。対照的に由紀は朝からずっと泣いていた。
「ごめんなさい。もうこんなことしない…」
「本当だよ!色々面倒なんだからね!」
母親は一言だけ釘をさしたあと、あんたもコーヒー飲みなよ、と一杯テーブルに置き、洗濯物を干しにリビングを出ていった。
その日一日、しおらしく反省した様子を見せていた由紀だが、心の中では計画を立てていた。町を出る。祐太に会いに行く。
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大雪の混乱は女人町では5日間で収束した。もう雪は懲り懲り、そんな気分を察してか、その後はずっと晴れ続きだった。暦はもう立春になったが、まだ気温は冬。それは女人町でも同じだ。
「それじゃ友達の家に泊まりに行ってくる。3日くらいで帰ってくるよ」リュックに荷物を詰めた由紀が玄関で母親に言った。母親は答えた。
「え、え?…お母さん何言った?私友達の家に…」
「こないだ来た男の子のところに行くんでしょ。外の列車の切符なんて買えなかったけど、駅の入場券くらいは買えたわ。あとはあんたで何とかしなさい」
ああ、お母さんには何でもバレバレだ。由紀は素直に切符を受け取った。でも、本当に外に出ていいんだろうか?お母さんに迷惑かかるんじゃないかな?
「やっぱり血筋なのかね。私もあんたのお父さんに会いに列車に乗って出かけていったんだよ。そのときにはもう社会人だったけどね。」
それは初耳だった。色々型破りな母親なのは知ってたけど、まさか列車に忍び込んで町を出るなんて!
「いやいや、その時はこの町もまだインフラが整備されてなくて、男性も沢山作業に出入りしてたんだけどね。ただ住む場所だけは別々で、でもどうしてもあの人に会いに行きたくてさ。臨月なのに常磐線に乗って出かけちゃったの。そしたら電車の中であんた生まれちゃって!大騒ぎだったわ」
何それ!電車で生まれたって聞いてたけど、そんなシチュエーションで生まれたの?何か私より祐太より、お母さんのがよっぽど大胆じゃん!
「だから言ったじゃん。血筋なんだなって」お母さんはいたずらっぽく目を輝かせて言った。「お婆ちゃんには内緒ね」
わかったお母さん。私も頑張る!
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停車中の荷物検査は最も危険な時間だ。由紀はコンテナの隙間で白い息を殺し、屈強な女性職員が通り過ぎるのを待った。でも大丈夫、きっと会える。根拠はないけど、かじかんだ手の中にある少年の写真を握りしめると勇気がわいてきた。やがて列車は再び駅を出発した。
昨日、嵐のライブツアーが終わった。
終わってから1日以上経った今でもなんだか気持ちがふわふわしていて、言葉にもうまくまとめられないんだけど、とにかく心にあることをここに書こうと思う。支離滅裂な文を読むのが嫌な人は、できればここで読むのをやめてほしい。それほど、ちゃんとした文章を書く自信がない。そもそも文章力なんて皆無なのに、その上感情がまとまっていないので、よりひどいことになっていると思う。それでもいいと思った人は、よかったら私の独り言に付き合ってほしい。
今回私は3公演コンサートに行った。今まで1年に1回しか行ったことがなかったんだけど、運良く周りの人や自分が当選したので、幸運にも3公演も入ることができた。
最初は12月末。東京公演の最終日だった。私は大阪に住んでおり、遠征は初めてだった。一年ぶりのコンサート。半年ぶりの生の嵐(ワクワク学校というイベントに6月に行ったため)。沸かないわけがなく、結果喉を使いすぎて風邪をひきさらにはインフルエンザももらってきた。席はスタンド下段の真ん中あたりで、いわゆる天井席(スタンド上段の、ほぼ天井といった席)ではないがファンサは望めない席だった。けれど、トロッコが来れば騒いだしペンライトも振った。
次は1月13日。スタンド下段の1列目(アルファベット列というやつが前にあったため、最前列という訳では無い)だった。前は上から見ていたステージをほぼ横から見ていた。近いし、肉眼で顔が分かるし、とにかく幸福感が半端なかった。一緒に入った友人が騒ぐタイプの子でなく、それに影響を受けて私もあまり騒げなかったが(こんなときも恥を捨てられないのかと少し後悔している。今後は隣に構わず声を出すところは出そうと思った)、それでも終わった後意識はぼんやりしていた。
最後は昨日、最終日だった。いわゆる「オーラス」というやつで、過去数年間を見ているとこの公演だけアンコールが多かったりするので、ファンの間では正直特別視されている公演である(もちろんオーラスの他にも誕生日だとか特別視されている公演はあるけれど)。オーラスに入るのは初めてだったのでとにかく緊張していた。今年は挨拶が定型文だったので、自分達の言葉での挨拶も聞けるんじゃないかと期待していた(実際聞けた)。席はスタンド上段、しかも横で、ファンサはおろか演出もすべて楽しめないんじゃないか?という席だった。結論から言うと今までと違う視点で見られたので新たな気付きが山ほどあったし、伝わらない演出もあったけどそんなの気にならないくらい楽しかった。嵐を好きでいてよかったと思った。そして、これからもずっと好きでいたいと思った。
そして翌日である今日。ふとした瞬間にコンサートのことを思い出して、何度も泣きそうになった。というかこれを書きながら今大泣きしている。
あれで、嵐が「untitled」というアルバムを引っさげて行うコンサートは最後なのである。もうあのセットリストでコンサートを行うことは二度とない。何なら、一生行われない曲だってあの中にはあるのではないかと思う。自分が見られる最後の公演だ、と思ったわけでなく、嵐が行う最後の公演だ、と思うと泣けて仕方なかった。
特にそれを感じてしまい涙が止まらなかった曲がある。UBという曲である。二宮和也と相葉雅紀のユニット曲だ。そもそも私はこの二人のコンビが死ぬほど好きなのである。ユニット曲のメンバーが発表されたときは2週間くらい信じられなかった。それゆえこの曲は私にとってはいっとう大事でいっとう好きな曲だ。そんなこの曲、間奏で行われるダンスが「コンタクト」というもので、簡単に言うと組んず解れつ、知恵の輪みたいに手と足を絡ませ合うものである。
MC中、思い出深いことは何か?という質問に、二宮和也が「最終日のこのダンス」と答えた。「やりながらいっこいっこなくなってく。もうやらないから。これおわりこれおわりこれおわり…って」と言っていた。その言葉を聞いて涙が止まらなかった。ああ、もうこのダンスはしないんだ。二人が引くくらい近い距離で高難易度かつ密着度の高いダンスをすることも、相手のパートを口パクで歌いながら近付くことも、曲が終わってスタンド・バイ・ミーの振り(20年前に二人が出た舞台で行われていたハンドサインで、手を突き出してからサムズアップ、というものである)をすることも、もうないのである。そう思うと悲しくて悲しくて仕方がない。
UBに限らず、どのパフォーマンスも、これからしないのが寂しくてたまらない、素敵なコンサートだった。
さて、ここまで支離滅裂ながら思ったことを簡単に書き出してきた。しかしとにかく読みにくく、本当に言いたいことが伝わらない文だったと思う。というか本当に言いたいことはここまで言っていない。ここからが本題である。
私は相葉担である。自担である相葉雅紀には昨年末、熱愛報道が出た。昔から女ネタに耐性がない(恋愛ドラマも苦手なレベルである)私は大きなダメージを受けた。そんな矢先のコンサートだった。
女がいると分かっているアイドル(もちろん彼女がいないと思っているわけではないが、週刊誌によってその存在が証明されたり結婚発表によって公式に認められたりするのと、勝手にファンが「彼女いるんだろうなあ」と想像するのには、私たちの心持ちには大きな違いがある)を歓声をあげて応援するなんてできやしないと思っている私は、前から「嵐誰か結婚したら担降りする」と言っていたし、正直今回のコンサートも女の影がちらついてしまい全力では楽しめないんじゃないかと思っていた。
しかし先述の通り、死ぬほど楽しかったのだ。これからもずっと応援していたいと思えるコンサートだった。確かにコンサート中女の影がちらついた時は山ほどあったが、それでもそんなの気にならないくらい彼らは魅力的だった。
だからこそ悔しいのである。女の存在が明らかになることで、ファンが離れ、少しずつでも彼らの人気が落ちていくのが悔しい。彼らはこんなに魅力的なのに。女絡みだけでなく、褒められたところではない点もあるけど、それ以上に彼らは魅力的だ。それでもファンは離れていく。ましてやこのまま結婚なんてしてしまったら、彼らの人気はどうなるかわからない。少なくとも、今より上がるようなことはないだろう。
私が言いたいのは、「嵐、頼むから結婚なんてしないでくれ」、ただそれだけだ。こんなところで言ったところで本人達に届くわけがないのは分かっている。けど、こんなところで吐き出さないとやっていられない。
もし結婚してしまったら、素直な気持ちで応援できなくなるのではないかと思う。私たちがいま大好きだと歓声をかける相手には、家に帰れば最愛の妻がいるのだ。そんなの耐えられない。
中にはアイドルが結婚するのを嫌がる心理がわからない人もいると思う。納得しなくていい。その気持ちを理解しなくていい。けど、私たちにとって女の存在は大きなものであるということだけは知っていてほしい。
アイドルだって人間だと思うかもしれないけど、人間であるけれどアイドルなのである。疑似恋愛を商売にしているアイドルなのである。結婚してしまった時点でファンの夢は覚める(覚めないファンもいるし、そこまでの夢を見ていないファンもいると思う)。その時点で彼らはアイドルではなくタレントである。
人気が落ちるのを見るのが寂しい。まだトップでいてほしい。そして何より、まだアイドルである彼らを応援していたい。だからどうか、嵐の皆さんは、もう少しだけ結婚しないでいてください。
(本当はもう少しと言わず一生結婚しないでほしいし、嵐に限らず全"アイドル"はそうであってほしいと思うけど。おわり)
結果最初から最後まで支離滅裂、取り留めのない文章でした。ここまで読んでいただいた方に深く御礼申し上げます。
もちろんすべてのファンがこのように思っているということはありませんが、中には私と同じようなことを思っている方もいらっしゃると思いますし、逆に一切わからないという方もいらっしゃると思います。こちらで話したものは一ファンの意見に過ぎません。嵐ファンの総意であると勘違いなされることはないよう、お願いいたします。