はてなキーワード: 記念品とは
昔、私にはガチ恋している推しがいた。初めは3枚目キャラで好きになったが、よく見たら顔も良いことに気づき、それから全てが好きになってしまった。周りに異性が居ない環境なこともあり、恋にまでなってしまった。バレンタインデーには事務所にファンレターを送った。チョコは送れないから文房具をつけた。推しの勉強に役立つように。
そんな推しが配信を始めた。最高だった。推しの一挙一動を見守りつつコメントすれば、HNとはいえ自分の名前を呼んでくれるのだ。なので私は仕事の合間を縫ってパソコンに齧り付いた。配信には常連もおり、その人達にも「○○アイコンの増田さん」と認知されるようになった。
ある日、いつものように推しの配信を見ていると、気になるコメントを見つけた。
おかしい。事務所には公式ファンクラブなどない。その発言した人のSNSを辿ると、どうやらファンクラブという名のLINEグループがあるらしい。その方は常連さんで、SNSのプロフィールでも、「○○君ファンクラブLINEグループ有。興味のある方は連絡下さい!」との事。
当時はLINE黎明期。アカウントを持っていなかった私はいそいそとLINEに登録し、SNSで常連さんに「ファンクラブ興味あります!」と連絡した。
すぐさま「わっかりました!少々お待ち下さい!」と連絡が来た。その後、いくら待っても返信が来ない。何回も確認した。何も無かった。ファンクラブの為に作ったLINEのトーク画面にはずっとブラウンが佇み、紙吹雪を散らし続けていた。
今考えたら、LINEグループなんて結構プライベートな繋がりである。推しの配信でしか絡まない、SNS相互でもない私は無かったことにされた訳だ。
その当時の私は、弾かれたなと察し、まあ仕方ねえなと思った。同時に「少々お待ち下さい」と嘘をついてブッチする常連さんに少し腹が立った。そして、その後悲劇が起きたのである。
推しのイベントが開催された。終盤に握手会(サインとか写真撮影も付く)があり、ここで少し推しと話が出来る。
私の番が来た。しかし対応が雑だったのを感じた。「はい握手ね。サイン書くよー。はい写真撮るねー。」って感じで、いつもより雑に感じた。その原因は私の次の人にあった。
次の人は、例のLINEグループを作った常連さんだった。推しは、その人の番には私よりテンションが高く、「お待ちしてました!」って感じの対応だった。それを目撃した瞬間、とても悲しくなった。推しは人が良く真面目キャラだったので、良くも悪くもファンは平等に扱われていた。しかし、今日はそうでは無かった。私は失意の内に家路についた。
帰ってSNSを眺めると、常連さんは「ファンの皆で作った記念品、○○君に渡したよ✩」と投稿していた。何がファンの皆だ。私的な集まりの癖に。と思った。そして、様々な感情が頭の中を駆け巡った。LINEグループという割と私的な集まりがファンクラブ扱いされてる事への怒り、私がもっとSNSで常連さんと仲良くしておけばこんなことも無かったのにという後悔、そして何より推しに雑に扱われた事への悲しみ。
イベントの日以降、私は推しを推せなくなった。最近久しぶりに配信を見ていたら、常連さんは居なくなっていた。何処へ行ったのだろうか?
これが、SNS下手すぎて推しを失った私の顛末である。まあ、そもそも私がもっと推しの配信で推しに絡めば認知もされ、雑な対応も避けられたのかもしれない。しかし、ネット交流という意味では一緒だと思う。
狭い界隈だった為、フェイクは入れてあるが、これあいつじゃねーかと思っても言わないで欲しい。まあ相互でもない人間を覚えてはいないだろうけど。
これらを捨てることを決意するのに10年以上かかった。
ゴミ袋の奥底に詰めたいまも、
誰とは言わないけれど
5年以上まえと、10年以上まえに、
白くて小さな蛆が何匹かくっついてうねっていた。
その腕時計は、あるお祝いでその人がもらった記念品の時計だった。
まだ気持ちが整理されたわけでは、ない。
自分だけ生き残っていていいのかと、
彼らのように苦しまなくてよいのかと、
毎日思いながら生きている。
その罪悪感を忘れるために日々
忙しい日々で紛らわせているようなものだ。
つらい気持ちを忘れることは悪のように感じていた。
だけども、わたしは
そんなふうにして
抜け殻として
つらい思い出を緩和させるために
日々を散漫に過ごすのはやめようと思った。
一歩を踏み出して
大きな仕事をしている。
有名人になっている。
その決意は、関係していると思う。
急に片付きはじめたので、驚いた。
フローリングの床が見えて来た。
とても気持ちよかった。
心が軽くなったのでYouTubeでダンス音楽を流して、すこし飛び跳ねたりした。
その部屋にいると、
いつも苦しくなるのだった。
時計が重しになっていたのだなと思った。
今年で37になる。
恐縮だが、私はモテる方だ。
年に2回は女子から食事に誘われる。飲み屋に行くと女性客に話しかけられるし、タイプの子に「付き合って」と伝えてもフラれたことはない。
若い頃はモテなかった。高校生や大学生の頃は、いつもモジモジしていて、おどおどしていて、恋愛に受け身だった。今の私が当時の私に抱く感想というのは、正直いいものではない。
どうしたことか、27才の頃から急にモテ始めた。仕事とかで自信がついて、笑顔と余裕が増えたからだろうか。顔つきも若い頃に比べて変化した気がする。目力も強くなった。何よりも心だ。
さて、『好き避け』という言葉を知る機会があった。かぐや様のアニメで知った。
恋する女子にありがちな症状で、意中の人の前で、「あなたが嫌い」みたいな態度を取るらしい。
私の中で稲妻が走った。そういうことだったのかと…
「私のことが苦手なんだな」という態度を取った子でも、なぜかガードが緩い子が何人もいた。
貴重な経験だったのかもしれない。記録として残しておきたい。
印象に残っている子を3人挙げる。特定されたら困るので、ある程度は時系列などをぼかしている。
1人目.カシワギさん
・ある年の春
会社の製品を一般市民にアピールするための行事で一緒になった。
かなり若い子(18か19のはず)だったので、イベントでの動き方がわからず、仕事がなくて泣きそうになっていた。
私がその時にやっていた、くじの引換券を整理する仕事をあげたら、そそくさと仕事を始めた。それから十数分おきにトコトコとやってきて、「もっと」みたいな無言の催促をしてきた覚えがある。
・ある年の夏
当時は、土木コンサルで働いていた。土地の測量や道路の設計をする仕事だ。
ある時、公図が必要になって、カシワギさんが働いている部署に行く機会があった。
ブルーマップのコピーを渡したら、必要なデータをすぐに拾ってくれたのだが、様子がおかしい。
公図のコピーをくれる時に、かなり上ずった声で、「個人情報なので気を付けてください!」と言われた。
受け取った直後に目が合ったが、瞬間、凄まじい勢いで真下を向いた。
廊下ですれ違った時に挨拶をしたら、真横を向きながら「お疲れ様です」と言う。階段でぶつかりそうになったので謝ったら、口をへの字に結んで何も言わずに上階に向かった。
カシワギさんのいる職場で調べものをさせてもらっている時に、不明な点があったので声をかけたら、ロケット砲みたいな勢いで椅子から飛び上がって、私の前にまっすぐに来た。顔は強張っていた。
・ある年の秋
夜9時頃に退勤して、駐車場の中を歩いている時だった。カシワギさんを追い越したのは。
「お疲れ様です」と声をかけると、いきなり携帯の画面を眺め始めた。もちろん無視だ。
「そんなことしたら駄目だ!よくない社員になってしまうぞ」と怒ったら、悲しそうな顔で立ち止まった。
ハラスメントはしたくなかったので、私はそのままマイ自動車の方に向かった…
・ある年の春
いきなりだった。イベントで一緒の受付係になって、話が盛り上がって、そろそろ午前の部の片付けかなというところだった。
やんわりと断った。危うく、若い社員らによるイタズラに違いないと判断するところだった。
今思えば、好きになった理由的なものを聞いておけばよかったのかもしれない。
この時分は、好き避けなる言葉を知らなかった。
これまで私を好きになった女の子は、みんな私の目をキラキラとした瞳で見つめてきた。顔はほころんでいた。隙あらば間近に寄ってくる。
2人目.イイノさん
会計をして、レシートを受け取って、商品をレジ袋に入れに行こうとする時――かなりの確率でこちらを見てくる。
私もイイノさんを見返すと、流れるような動きで体ごと視線を逸らす。
とにかく動きのある子だった。例としては…
①レジの入り口で、イイノさんの視界に私の姿が入った途端、彼女はクルッとターンをする。ポニーテールが空気を弾いて宙をまわるので、見逃したとしてもターンしたことは嫌でもわかる。
②レジを受けてもらって、商品を袋に入れて、さあ帰ろうかというタイミングで、イイノさんは必ず私に背を向けている。ほかの店員さんは、レジカウンターに向かってまっすぐ(客から見て垂直の方法、または斜め)を見ているのに、あの子だけは私に向かって背中を向けている。それで、いつも買い物袋をワシャワシャと掴んで離してを繰り返している。
③ある時、イイノさんが髪型を変えていた。千円札を渡したところで、「髪の感じ変わった?パーマかけたんだね」と聞いたら、「ハイ、変えました……」とだけ答えた。お釣りを握っている手が震えていた。10円玉が零れ落ちそうになった。このご時世だというのに、イイノさんは直でお釣りを渡してくる。ほかの店員さんは、お客さんに直接手渡しせずに、四角い入れ物みたいなやつにお釣りを置くのだが…
いま勤めている会社の後輩だった。
挨拶する時は割と普通なのだが、距離が近づくと一気に駆け足になる。
ある時、逃げようとするのを片手でブロックして、「フジワラさんは陸上部だったの?」って聞いたら、「ごめんなさい」と言って俯いた。笑んでいた。
朝、出勤する時に廊下を歩いていて、その子がいるオフィスを通りかかるのだが――私の姿を認めると、掃除をやめてこちらに歩いてくる。そのままずっと、私の部署まで数十メートルを一緒に歩くことになる。そんな体験を二十回はした。
ある時、仕事で一緒のチームになった。会社そのものをPRするための行事だった。どんな記念品がいいとか、会場の導線はどうすべきとか、いろいろ打ち合わせをした。
この子も、私と目を合わせなかった。合うといえば合うけど、まずいものでも見たかのように視線を下げる。2人でいる時に複数の選択肢があった時に意見を聞くと、必ずと言っていいほど「どっちでもいいですよ」というフレーズが出てくる。
ふふっと笑いながら言うので、ムカついてしまうこともあるけど、私がどちらかを選ぶと、その後は必ず言うことを聞いてくれる。
なんだかんだで賢い子だった。仕事の内容に注文をつけまくっていたら、いつの間にかレベルの高い成果品が仕上がっていた。
一か月後に私から告白した時は、「わたしでいいんですか?」とドラマみたいな台詞を返してくれた。
それからも色々と世話になった。今の私のポジションがあるのは、はっきりいってフジワラさんのお陰だ。感謝している。でも、当時の私は感謝の言葉を述べなかった。
今でも夢に見る。
あの子のお墓に行って、目を閉じると、あの子の姿をした何かが私の方に降りてきて、「ありがとう」「ごめんね」と呟く。それで、私は「よい旅を」とだけ告げてお墓を離れる。そういう夢を見る。
ありがとう。今ここでこんなことを書いてもしょうがないけど、とにかく私はフジワラさんに感謝しているし、尊敬している。来世で会いたい。
長くなった。
三千字以上も書く事ではなかった。不快になった人がいたらごめん。
読んでくれた人に感謝する。
買い切りゲーム出しても割れだけじゃなくて中古購入とかセール待ちとかの売上を脅かす要素はいくらでもある。
ぶつ森ぐらい圧倒的な知名度を持って「今この瞬間にプレイしなきゃ!」を競わせるような形になれば確かに凄く売れるかも知れない。
一度に有名になるゲームは頑張って3つだ。
今だって農業ゲーが話題になっているけど、他のゲームはその影に隠れてしまっている。
大通りでブームにはならなくて隅っこで話題になっているという状態が起こせても、熱狂的なファンがお布施をする方法なんて書いきりだったらDLCでスキンを少し買うぐらいだ。
というか隅っこで話題になるのがまず厳しい。
ソシャゲならその壁を破れる。
そして、それにとことん嵌った者たちが毎月数万円お布施するような機会を、お布施に対する記念品を添えて提供できる。
ソシャゲというやり方は全て間違っている何ていうのは、ゲームバランスやプレイの快適さを人質にとってユーザーの財布を無理やりこじ開けることばかり考えているゲームのせいだ。
悲しいことに大手ゲームメーカーが苦し紛れに出したソーシャルゲームほどそういう傾向が強い。
強いキャラクターがいなければゲームを楽しめないように作られていて、強いキャラクターを手に入れて手にするのはようやく完成形になったゲームという終わりのない賽の河原の徒労感ばかり。
無数にあるクリア手段との偶然の出会いの中でそれぞれのプレイヤーだけの経験が生まれるような作りがある。
あのキャラクターとあのキャラクターを一緒に使いたいという気持ちを煽るのは確かにアコギかも知れないが、それはゲームがゲームであることを人質にしているのではなく、それぞれのプレイヤーの体験に味付けをしているものだと捉えるべきだ。
まずゲームが既にあって、そこにどう向き合うかがユーザーに委ねられていて、偶然が絡み合い、もう一つの人生が生まれる。
遊んで楽しくお金を入れれば新しい出会いが生まれる素敵な賽銭箱の出来上がりだ。
金儲けのためだけに生まれた不幸なソシャゲが無数にあるだけ(そして、悲しいことに大手ゲームメーカーが目先の金目当てにそういうのをたくさん作るのだよ)
記念品って何貰えたの?
■受付
俺は事前予約をしていたからまだマシだったが、前に並んでいた人は2時間待ちと言われていた。
で、混雑を捌かなければいけないからか、受付窓口の人が超早口で
言っている事の半分は聞き取れなかった。一応ノリで返事しておいたが、
「肩がどうのこうの」という感じで聞こえたセリフは、ついぞ分からないままだった。
俺が休みモードで頭が回っていなかったという事もあるだろうが、
ハッキリ言って「人に説明している」とは、とても思えなかった。
血が通っていない、とでも表現すれば上手い事言ったことになるのだろうか、よくわからない。
■待合室
仕方が無いので別の席(固いベンチ席)に座り、呼ばれるのを待つ。
この段階で、もう既に帰りたかった。
隣の席のおっさんが、案内スタッフに対してかなり横柄な態度だった。
その時は「なんだこいつ」と少し思っていたのだが、後に印象を変える事になる。
やる事も無いし、また席を奪われるのも嫌なのでボーっとしていると、番号を呼ばれる。
案内スタッフの説明も窓口スタッフと同様に早口だ。聞き取れないがノリで返事をする。
もう今日だけでも何十回と説明している事なのだろう、全く抑揚が無く
立て板に水と言えば聞こえは良いが、言わなければいけない事を暗唱しているだけだ。
話し方はゆっくりだったので、内容は一応聞き取れた。
その後、検査採血を行う。これも流れ作業で、まくしたてるような説明だった。
始めに両腕を出して「どちらの腕で採血するのか」を決めるのは、以前の経験で知っていたが
何も言わずに右腕の方をチューブで縛り始めたので、こちらも何も言わずに左腕を引っ込めたら
「いや、両方縛ってみるので腕を出したままにしておいて下さい」。
右腕縛る時に言えよ。
■採血
元々血圧や心拍数の関係なのか、人と比べて採血スピードが速いのだが
貧血や立ち眩み防止のためか、足の運動や手の運動をさせられたこともあって
爆速で終わった。
砂時計をひっくり返し、「この砂が全部落ちたらベッドから降りて良いですよ」と言われ
大人しく待っていたのだが、最終的には砂が落ち切らないうちに「もう降りて良いですよ」
と言われ、「はぁ!?」という表情をしてしまった。
自分がぞんざいに扱われたと言うよりは、浅はかな考え(と俺が感じた)に対してイラっと来た。
しょうもない所で時短すんなよ。急いでベッドから降りて、貧血で倒れられた方が面倒だろうが。
採血が終わり、やっぱり混雑している待合室で
ベンチに座って呆けていると、番号を呼ばれる。
そこで、例の超早口な説明とともに、献血カードとポイントカード、
あれ?予約して献血した人にはお菓子と記念品が貰えるんじゃなかったっけ?
そんな疑問を浮かばせている間に、言いたい事を言った案内スタッフはもう目の前から消えている。
記念品は「在庫限り」って書いてあったからまあ仕方ないかもしれないけど、お菓子が無いってありえなくね?
と思っていたら、ほどなく呼ばれた斜向かいの席の人は普通に貰っている。
今までのコンボで怒りゲージが溜まっていたのかもしれない。
「〇時に予約をして、先ほど400ml全血献血をしたのですが、記念品等は貰えないのでしょうか?」
と告げた。クレーマー扱いはされたくないので、出来るだけ穏便に、冷静に、
わざわざ受付の列に並んで、言った。
対応したオジサンは流石に少し慌てた風で、別所にあるパソコンを操作していたが、
他の窓口の人たちは全く意に介せず、防護フィルム越しの献血者にせっせと説明をしている。
初音ミクや棒読みちゃんの方が感情があるんじゃないか、と思えるようなトーンで。
少しして、オジサンが「申し訳ありません」とお菓子と記念品を差し出してきた。防護フィルム越しに。
それに対して何と回答したのかは覚えていない。声を荒げたりはしなかったと思うが、
おそらく何も言わなかった、言えなかったと思う。
何とも言えない感情のまま、ロッカーから荷物を取り出し、献血ルームを出た。
前述の横柄なオッサンの事を思い出し、ああいう態度になるのも仕方ないのかなと思った。
だって、向こうはこっちの事を血袋としか思ってない(ように思える)のだから。
コロナ渦で医療関係が大変なのは分かってるつもりだよ。献血についても例外ではないという事も。
俺だって、血液が足りないというメールが来て、それで久しぶりに献血に行こうと思ったわけだし。
でも、混んでるじゃねえかよ。これで血が足りないって本当かよ、管理方法に問題があるんじゃねえの?
って少し思ったよ。
とりあえず、当面の間は献血には行かない。そもそも2,3か月は行けないけど。
少なくとも、もう土日祝日には一生行かない。
母が引き寄せの法則にハマっている。
楽しい人の周りには楽しい人が集まるみたいな意味で、何かが何かを引き寄せる力を持つという事はあると思う。
ただ母が言っているのは神様とか、精霊とか、魂とか、愛とかそういうような話だ。
母がある日、大きな包みを持って帰ってきた。
行った百貨店で〇万人目の来場者みたいなキリバンを踏んだらしく、記念品として1万円相当のお菓子の詰め合わせをもらってきたのだ。
数ヵ月後、母が大きな包みを持って帰ってきた。
「もしかして」と問うと、「また当たっちゃったの!今度はたまたま抽選が当たったのよ!」と言って、まったく同じ1万円相当のお菓子の詰め合わせが出てきた。
さらに数ヵ月後、もうお察しだろう。また同じ包みが家にやってきた。
また抽選に当たったらしい。母は「引き寄せの法則ってやつよ。」としたり顔で言う。
3回も同じものが当たることなんてあるのか?この時自分はほんの一瞬だけ思った。もしかして本当に引き寄せの法則はあるんじゃないかって。
……いやでも、よく考えてみろ。もし思った結果を引き寄せられる力が本当にあるのなら何を引き寄せる?
1万円相当のお菓子の詰め合わせではないよなって。
もっとこう、突然降ってくる素晴らしい人脈やビジネスチャンスとか、あるいは宝くじ高額当選とかじゃない?
そう思うと、やっぱり嘘と言い切ってしまうか、仮に本当だとしてもそんなに素晴らしい話じゃないなって思う。
原爆資料館に行った。すげえ大規模な、誰もが参拝しておくべきお墓参りの場所だった。
落とすのが正しいとか正しくないとかじゃない。ただただ死んだ。たくさん死んだ。覚えておいて、おもいださなくちゃいけない。人間はこれができる。やってしまう。ということを。
展示見て出てきてから、すこしのあいだなにもできなかった。あのお土産売ってるとこ、あー記念品買おう―ってテンションじゃないよな。やってけんのかなあれ。
それはそれとして腹は減るので適当な食堂で食ってお城(コンクリだ)行って刀とか甲冑とかみてカキのたくさん入ったお好み焼き食って次の日大和ミュージアム行って鉄のくじら館行って地元に帰った。
こっちはエンタメ寄りなので原爆関連より心が重たくない。ちょっとだいぶ心に胃もたれしてたので助かった。
大和は沖縄に死にに行くところ以外全然働いてないし役にも立ってない(≒あんまり殺してない)ので。乗組員ほとんど死んでるけど悲惨だけど原爆前の日に見てるとレベルがほっこり程度である。
展示も「いやー作るの大変だったっすわー」「期待すごかったんすわー」「作るの大変大変」「あっちこっちいって遠目から砲撃したりはしました」「あ、沖縄で壮絶に討ち死にしました」みたいな。あっさりなんですね最後みたいな。
でもたまにあの「お墓参り」にまた行きたくなる。
新宿シアターモリエールで10月に予定されていた下記公演の延期メールが今届きました
キャストを見ると方向は違えどこれも「虚無」なのか?と思いませんか
私も「虚無」っぽさを感じてたんですよ
映画「ニンジャバットマン」は面白かったけど全キャスト未定で企画ありきでスタートしてる地雷感にゾクゾクしますよね
この公演にはプレミアムチケットというものがありバットマンのペーパーナイフかジョーカーの扇子が選べます
「虚無」の記念品なら安いもんだとプレミアムチケットを買ってみたわけですが「虚無」自慢する場も無いんですけどね
一応中止ではなく延期(未定)とのことなので「楽しみ」にして待ちますがそもそもシアターモリエールのような狭い空間でニンジャバットマンをどうやるんだと
沖縄県では、2008年にレジ袋を有料化した。一つの都道府県で一斉にやろう、という場合、県境で有料と無料が分かれて客が取られる、と言う問題があるが、陸で県境がない県だからスムーズだったんだろう。
対象は主要なスーパー・ドラッグストアで、小規模なスーパーや個人商店やコンビニや服屋やディスカウントストアは対象外だった。
自分は、このときに有料化を体験した。そのとき何が起こったかを、覚えている限りで書く。
「実際、始まっても3円ぽっちだったら、毎回買うんじゃないの?」とか思っていたが、レジに並んだみんなが律儀にマイバックを持ってきた。
https://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/seibi/ippan/documents/r2_rejibukuro_jitai.pdf ここの資料によると、マイバッグ持参率が2割から8割になってる。そして、微減ながら現在でも相当高率を保っている。
自分も、カバンに小さめのを一枚、クルマには4~5枚常時乗っけるようになった。
有料化直後は、銀行も保険会社も旅行会社も、何かあるとマイバッグを記念品に付けてきた。あのころ、買ったマイバッグ持ってた奴なんていないんじゃないか。
ところが、大体1年くらいすると、そういう風潮は段々となくなってくる。みんな持ってるからもらっても邪魔になるし、数年単位で使えるし。ということで、いつでももらえるからいいや、と思っているとそのうち買う羽目になる。
コンビニではどうなるかわからないが、スーパーの話。肉とか魚とか、豆腐とかをくるむ薄っぺらいビニール袋。2~3個の買い物だと、「透明ビニールに入れますか?」とレジの人が聞いてきて、はい、とか言うと手際よく入れてくれるようになった。今回の有料化でも、持ち手がない袋は有料化の対象外になっている。 https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html
おそらく、柄の悪いあんちゃんとかに「3円になりますが」「あぁ!?」みたいなやりとりが、初期に相当あったと思われる。
「レジ袋なんか大してゴミ減量にならない」とうそぶく人もいるが、主な目的はマイクロプラスチックの削減だと思う。砂浜に打ち上げられるゴミの中に、レジ袋は確実に減った。それでもペットボトルや弁当のケースや外国の洗剤なんかはいまだにあるんだけど。でも、レジ袋は減った。
以上。
「せっかく金払うんだから」と、大きいサイズをみんなが求めるんだろう。500mLペットボトルとお菓子1個が入るような小さな袋は使われなくなり、レジ袋は週末の買い出しに使うような「大」と、それよりもっと大きい「特大」くらいしか選択肢がなくなる。「俺は毎回金払うぜ!」とか言ってても、ペットボトル1個に大きな袋を出してくるのが馬鹿馬鹿しくなって、結局マイバッグを持つか、前述の透明ビニール袋で妥協することになる。
7/7
ブックマークの増加に衝撃を受けました…公開してから2週間ほどブクマ数はゼロでした。
多分誰かがSNSに上げてくれたのだと思います。ありがとうございました。
(以下本文)
後悔している。
今付き合っている恋人のことだ。
別れたい。
相手は22才。もうすぐ23になる。付き合い始めたばかり。同じ会社で働いてる。
綺麗だ。身長は160で、細身でもなければ太くもない。
髪型がおしゃれだ。今時な感じ。「髪が長すぎるよ。垂れてるし不潔に見えるよ」って言ったら、次の週にはセミロングだった。
仕事ができる。初めてのイベント運営でも、一生懸命に仕事をこなした。何十人と並んでいても、受付事務のスピードが落ちることはなかった。たとえ遅くてもちゃんとやってた。
気質が優しい。弾んだ声で笑いながらしゃべる。今時の女の子なんだけど、ちょっと影がある。
この年で人事に期待されている。今は国に対して数億円の補助金を請求する仕事をしている。
ミオはモテる。アタックしている男性社員は少なく見積もって2人。みんな男前だ。人柄もいい。
ミオと早く付き合ってくれよと願いながら、社員食堂で同年代の男と話しているのを見て思う。
俺の話をする。
結婚活動を始めて1年ちょっとになる。30代半ばのリーマン。土木の測量をしている。
婚活は母親に言われて始めた。35になる頃だった。母親に泣かれた。早く結婚しろって。孫の顔が見たいって。いい年なんだから家から出ていけって。
月に6万も家賃を払っているのに、農業だって、親の会社の手伝いだって、町内会活動だってやってるのにひどいなと思ったけど、さすがになと思って婚活を始めた。
マッチングアプリをやり慣れてる人ならしないようなミスをやらかしていた。
・いいねされる数が少ない。月に3人とか
・メッセージは自分のことばかり。返信しにくい。さっき見返して噴き出した
3か月が経って、ようやく会える子が見つかった。テルコとする。
写真がかわいいなって思って、いいねを送って、マッチングして、メッセージが長続きして、会う約束をして、会う前に電話をして、マッチングしてから2週間後に初めて会った。
地元の駅で待ち合わせした。駅の外でなかなか見つからないなと思ってたら、テルコが集合場所を駅の中だと勘違いしていた。場所の詳細を写真で送ったのに。
……駅の正面入口からテルコが出てきた。ようやく会えた!と思った。人生初のデートだと期待していた。
思い違いだった。その子が俺の前に来た時、「あ!?」って思って、唇が歪んだ。
違う人だった。
まず、顔の輪郭が違う。写真では細いのに、本人はなんかもう小倉トーストだった。
マッチングアプリの初心者だった。違う人の写真を使う奴がいるというのをわかってなかった。
テルコ(実物)の顔は真っ黒で、ニキビが多い。髪は長め。身長に嘘はない。確かに170センチある。
「お疲れ様です」と俺は言った。テルコは「どこにいるのかと思いました」と低い声で言った。
それから、一緒に市街を歩いたけど、向こうは俺と話す気はないようだった。常に俺の前を歩いて、話しかけてもいい反応はない。ぶっきらぼうだ。冗談を言うと、「さよなら」「知らないです」「じゃあ帰りましょう」みたいな答えを返す。
我慢して我慢して、候補にしていた店のひとつであるハンバーグレストランに着いた。
店の出入口で、「おごりでもいいし、そっちがちょっと出すのでもいいよ」と聞くと、「どっちでもいいです」って返事だった。「じゃあ千円だけ出してね」と言った。
レストランの店内でも最悪だった。食事が出てくる前はひたすらに携帯電話を触っていた。ハンバーグの定食が出てきた後で携帯を触るのをやめたけど、それでも会話にならない。たまに何往復か続くけど、それだけだ。
1時間もしないうちに会食は終わった。また携帯を触ろうとしていたので会計にした。5,500円だったかな?ごちそうさまはない。
店を出て、テルコは足早に歩き出した。俺のことなど眼中にない。追い抜くと逆に速度を下げる。その繰り返しだ。
百貨店の前の地下階段まで来ると、「もうここでいい!」とテルコは言った。「うん。じゃあね」って言ったら、何も言わずに階下に降りて行った。
帰りの電車の中、「今日はありがとうございました」というメッセージを送ったら、「こちらこそ」というメッセージと一緒にスタンプが送られてきた。
寝床につくとき、ペアーズでテルコの顔写真を確認しようとすると、テルコはどうやら俺をブロックしていた。
何が悪かったんだろうと考えた。1時間は考えたろうか。結論は出なかった。
次の日になって、とりあえずできることを考えた。
テルコをペアーズの運営に通報した。事実として、違う人間の顔写真を使っていたからだ。許されることじゃない。人を騙しているじゃないか。俺以外の人間にもおそらくこんなことをしている。
翌日、運営から、「本人に警告します」みたいなテンプレメールが返ってきた。本当に警告なんてしたんだろうか、実はしてないんじゃないのか?って考えた。前科〇犯になったら初めて警告が行くとか……
反対の考えが込み上げてきた。もし本当に警告を受けたのだとしたら、かわいそうに思えてきた。テルコはどうしてあんな態度を俺に取り続けたんだろう。そういえば、仕事の話だけは頑なにしなかった。仕事のことは話したくないって言ってた気がする。
テルコはストレスが溜まってたんだろうか。だから、あんなことをしたんじゃないか?
と思ったら、可哀そうなことをしてしまったのかな、という感情が込み上げてきた。昨日までは俺以外の騙された人に同情していたのに、この日はテルコに同情していた。
ひとつだけ感情が残った。悔しさ、そして不甲斐なさだ。ふたつあるけど気にしないで。
悔しかった。
チャンス自体はあった。
中学生の時だった。放課後に同級生の子に「家まで送ってよ」と言われた。「1人で帰れ」って言ったら、口のへの字に曲げて瞼を落として、顔が石みたいになってた。今でも覚えている。お地蔵みたいな顔。
高校生の時だった。柔道部の合宿帰りに、先生が運転するハイエースの中で、ゴトウという仲間に「チハヤがお前のこと好きなんだって」と教えられた。ほかの部員も何人かその場に居て、ゴトウの携帯電話のメール画面を覗いていた。
チハヤは、たまに話す程度のクラスメイトだった。小柄でおとなしくて明るい子だ。恥ずかしがりなところがある。よく教室を走り回る。
友達から携帯を渡されて、画面を見ると、「〇〇(※俺の名前)のことが好き。伝える方法があったらゴトウ教えて」みたいなことが書いてあった。
先生のハイエースから降りる時、ゴトウは俺に、「7時30分にチハヤがお前に電話するからな」と言った。
俺は黙っていた。いたずらだと思ったからだ。現に、俺が通う高等学校は底辺に近いところだったので、告白系のいたずらもあった。携帯を所有していない俺は、そのメールの文面はゴトウが作った偽物だと考えた。
でも、友達がいない俺にゴトウはよく話しかけてくれる。それが嬉しかった。ゴトウの言葉を信じようという気持ちが湧いていた。
午後7時30分。電話がかかってきた!クラシックな着信メロディが鳴っている。ゴトウに電話番号を教えてもらっていたので、コードレス電話の着信画面を見てチハヤだとわかった。7コールほど鳴った時に受話器を取ろうとして切れた。
心臓が痛い。どうしようかって思って、ちょっと開いた襖の戸に手をかけて、握りしめて離してを繰り返した。カーペットに落ちているリモコンを足でつついて、炬燵の方まで軽く蹴飛ばした。炬燵の足に当たって高い音がした。
……受話器を握ってリダイヤルした。何コールだったかな?諦めて受話器を置いて、リモコンを炬燵机の上に置いて、カレンダーをボーっと眺めた後で2階にある自分の部屋に帰った。
8時半にもう一度着信画面を見ると、チハヤからの着信があった。あれから4,5分後だった。俺は夕食を食べに離れの家に向かった。それから電話はしなかった。
以後、学校で出くわしてもチハヤの態度に変化はなかった。いつもどおりの低い声で、恥ずかしそうに喋っていた。卒業までずっと、小柄でおとなしくて明るい子だった。
大学生の時にもチャンスはたくさんあった。
当時は気が付かなかったけど、とにかくチャンスはたくさんあった。ぜんぶ棒に振ったけど。
今なら、あれがチャンスだったんだなってわかる。
教職課程の最難関と言われる講義で、半年間一緒に戦った仲間たち。
『みやこ音楽祭』なる学生イベントで、出演者側の芸能事務所のマネージャーや現場スタッフに舐められ、バカにされながらも、当日本番の舞台管理をやり切ってイベントを成功させた。
でも、恋愛はできなかった。できればしたいなと思うばかりで、自分から前に進むことはなかった。相手から来てくれればいいなと思っていた。男として三流以下だ。ナンパに挑戦しているダサい男の方がまだいい。男として優れている。
ここから本題だ。
ミオと出会ったのは、会社のイベントにスタッフとして参加した時だ。
冬にやるウォーキングイベントで、毎年何百人もの人が参加して長距離を歩く。
ウォーキングコースの中間地点(兼昼食場所)にミオはいた。年配の社員と一緒に中間受付用のテントや机を並べていた。
ミオと挨拶を交わす前に感じたことがある――この子は俺よりも格上だ。
まず、気品がある。上品な笑顔に、さらさらとしたロングヘアに、真白のワンピースみたいな冬物のコート。コートの下はジャージだけど、ウォーキング大会の雰囲気に合っている。
この子がいるのは社長の肝いりで作られた部署だ。そこに入社何年目かの女子が入って、会社の威信に関わる仕事をしている。
ひとまず、「お疲れ様です」と挨拶をした。そしたら、ミオの『お疲れ様です』という落ち着いた声とともに、トラブルの話が始まった。
ミオの話によると、休憩場所になっている体育館の照明が点かないという。現場に行くと、奥の方にあるブレーカーが落ちていた。古い体育館なので、普段から切ってあったのかもしれない。
体育館を出て、受付場所に戻って報告を済ませ、ミオと年配の職員との3人でしばらく雑談をした後、本来のポジションである参加者を誘導する仕事に戻った。
それで、1時間ほど経って、昼食をしに戻ったんだよ。そしたら、イベント参加者がもの凄い行列を作っていた。100人以上はいる。初めてのイベントなのに大丈夫かなって思って、サポートをしようとしてテントを覗いた時、ミオの凄さが伝わってきた。
逃げてない。普通の人だったら、そんなに並ばれたら怖じ気づいて投げやりな受付になるだろうに、テンパってしまうだろうに、ミオは逃げてなかった。戦っていた。参加者の番号を聞いて、名簿に消し込みを入れて、到着時刻の記入と出発の説明をして、昼食場所を案内する。
この人は物事に対して本気になることができるんだな、凄いなって感心した。
イベントが終わる頃、参加者誘導の仕事を終えた俺は、ゴール地点の最終受付で記念品を配る仕事をしていた。
残りの参加者はあと半分くらいかなってところで、ミオの存在に気が付いた。今いる建物の入口あたりで携帯をいじっている。手持ち無沙汰らしい。
仕事を中断して、ミオのところに行った。「俺、このイベントやってる部署にもういないし、よかったら〇〇さん(ミオの苗字)、記念品渡す仕事やる?」って声をかけた。「どっちでもいいです」と言われたので、「じゃあついてきて」って言って、仕事の内容を説明して交代した。
それがきっかけだ。
イベントの数日後に、駐輪場でミオとばったり会った。彼女も自転車通勤だったらしい。イベントお疲れ様でしたと伝えあった。
ミオと駐輪場でよく会うようになった。最初は挨拶だけだったけど、お互いの仕事の話とか、経歴の話とか、休日に何をしてるとか話すようになっていった。
ラインの交換をして、1日で数回程度のやりとりをして、食事に行く約束をして、携帯電話の番号を教えあって、実際に食事に行って、次はデートに行って、さらにまたデートに行って……こないだのゴールデンウイークだった。一緒に夕食を食べた帰りに寄った公園で告白した。
嬉しかった。喜びというよりは、これで俺は一歩前進したんだって、一人前に近づくことができたんだって、救いようのない人間じゃないんだって安心できた。
別れたい。
これが今の気持ちだ。
コロナ禍の渦巻く中、ひっそりとデートを重ねた。手を繋いで、体を寄せ合って、口づけを交わした。
あぁ、こんなもんかという感想だった。
デートの最中、何度も冷たい気分になった。ミオに対して何も感じない。
その時、何年も前のことを思い出した。夜の散歩中に野良猫に出くわしたことを。そいつは茶トラで、怖がりで、そそくさと俺から逃げて行った。
でも、そいつを振り向かせたくて、ゆっくりと追いかけた。茶トラはやがて、田んぼの中にある収穫間際の稲の中に入っていった。
しゃがんだ姿勢で、ずっとそいつを待った。指を振ったり、声を掛けたりして、目の前の猫に届けばなと思ってずっと待った。撫でつけるような、不安そうな猫の声が響いている。
……30分ほどが経つと、ザザッという音がした。茶トラは稲の中を縫うようにして出てきて、こちらに寄ってきた。
体を擦り付けてくる猫を正面から抱きかかえて俺は、歩き出した。柔らかい温度が腕に伝わってくる。
同時に冷たい気分になった。
猫がキモい。猫がウザい。さっきまで、この茶トラに懐いてほしい、信頼してほしいって確かに願っていたのに――抱きかかえたところで、俺の中の何かが変わってしまった。
ミオに対する無感情。この猫とのことを思い出した瞬間に、本当の自分に気が付いた。
本質的な意味で、他人に興味がなかったんだ。だから、友達はいないし、恋人も作れなかった。思い出してみれば、他人と会話が弾んだことがないじゃないか。最初は自分から話すけど、段々と何も話さなくなっていって、他人と俺は単なる存在同士になる。
そんな人生だった。
俺は人間に興味を持つことができない。そういう人間なのだとわかった。
でも遅い。俺には彼女ができてしまった。もうすぐ1ヶ月になる。
週に一度はデートをするけど、ミオが塩ビの人形みたいに思えてくる。
セックスしたくない。肌がきれいだとは思うけど、なんだか気持ちが悪い。自慰をすることはできるのに。
ラインに返事をしなくなったら文句を言われた。うざいなこいつって思った。ミオがキモい。ミオがウザい。こんな感情は持ちたくない。
昨日、廊下ですれ違った。あっちは俺をチラッと見るけど、俺は彼女を見ない。
朝の駐輪場。今は、ミオと絶対に会わないであろう時間に家を出ている。
ミオと別れたい。
どうしたら平穏に別れられる?
増田の人、教えてくれ。頼むよ。
ミオのために。
茶トラの猫は家に持って帰った。今も飼っている。
後日の話
https://anond.hatelabo.jp/20200708194035
そうだね。うんちだね泣
助言ありがとう。あなたの言うとおりだ。全力を尽くすよ。目標は来月中。
助言ありがとう。男に性的な興奮はしないんだよ。たぶん俺は人間が好きじゃないんだと思う。
幸せな方だとわかっている。本当にきれいな子なんだよ。俺はまともな人間じゃないけど、まともな人間に擬態することができる。人生で一度はノロケてみたい。
彼女金持ちなんだよ。すごくお金持ち…苗字がすごい。めちゃくちゃ難しいうえに普通読みが不可能。
明らかな嘘はつきたくない。つかない。でも、あなたのアドバイスで気が付いたことがある。助言ありがとう。
先週、伝えた。怒った顔をしてた。すぐに辛そうな顔になったよ。なんて言っていいかわからなかったけど、話し合いを続けた。それはまた追記する。コメントありがとうございます。
それは間違いなく違う人なのです…
私は異常なんだと思う。普通の人は、性格いいし綺麗な子と付き合えたら幸せな気分がドバドバと湧いてくるんだよな。俺にはそれがない。それが治ったら治療完了になるのかな?
ググったよ。近いかもしれない。もっと勉強してみる。コメントありがとう!
別れないことにした。ミオのことが気持ち悪いという感情は今でもある。でも、ここで諦めたら駄目だと思った。最低1年は続けてみせる。
さんま御殿みたいに賞金とはいかずとも、記念品くらいもらえたらうれしいなーと思ってさ。
欲しいじゃん、水ダウの記念品。
調べても特に返礼品の記述も無いけど、もらえるかなー?どうかなー?採用になった後で、急に送ってきたりするのかなー?
ってね。
そしたら、応募フォームに電話番号も具体的な住所もメールアドレスも入力する欄がないから、もらえるわけがないんだよね。
ペンネーム入力したのに、何に使うんだよ名前。書いちゃったよ。間違って本名公開とかしないでくれよな。
してもいいけど。
こんなことなら、はてブで大喜利して、黄ばんだ色のスターでももらった方がましだったぜ。
ちなみに、0歳児~6歳児連れてる親に、「今が一番かわいい時期ですね」と話しかけたとき、あえて否定する人0人説だ。
みんなは、何か説ある?
本屋で本を買うとわざわざ着けてくれる紙のブックカバー。いらんやん。ゴミになるだけやん。それ付けて外で本読んだらなんかそこの店の宣伝してるみたいやん?そんなんしたくないし。店員さんに手間かけさせるのも迷惑ちがう?本当に必要ならブックカバーくらい気に入りのを買うし。そやからいっつも断るねん。みんなもそうしたら?
あと甲子園の砂の意味ほんまにわからん。記念品的な?ただの砂やん。あれのためによそからわざわざ砂運んでくるねんて。どんだけ手間かけてんのいう話よ。そんなお金あるんやったらかっこいい記念品作ってあげたらええねん。高校生も高校生や。先輩がやってきたからいうて同じようなこと繰り返さんでもええやん。余計なお世話かもしれへんけどもうやめたら?
元増田です。
多くの方に読んでいただけて、そしてコメントも頂戴して重ね重ねありがとうございます。
実際の婚活は5年以上前のことで、アドバイザーさんとの実際の会話でどんな言葉を使ったか正確には覚えていない部分があります。元記事の会話部分については、そういう意味の会話をしたのは間違いないのですが、口調と単語は正直盛りました。アドバイザーさんの名誉のために蛇足ながら何点か説明します。後だしで大変申し訳ありません。
「増田さんは初めからそこまで広げなくても多分相手は見つかりますよ。見つからなかったら広げましょう」ということを合わせて言われました。ただし、「そこをOKにしてると訳アリ男性かと勘繰られがち」とも言われたので、その是非はともかく、アドバイザーさんの経験則として、そういう傾向はあったようです。
実際に言われた言葉は「増田さんは優しそうな方ですから」だったのですが、見た目についての評価が「優しそう」って、まあそういう意味だよねと私は解釈しました。
『誰かとの交際を始めた等の理由で、相談所からの紹介その他を一切停止する代わりに、最大で1年間(うろ覚え)休会し、その間は月額の会費を払わなくて良い』というシステムが、私の利用した相談所にありました。私は、3か月ほど休会して、その間の交際を経て妻との婚約に至ったため、正式に成婚退会したとの流れでした。
成婚退会と言っても電話・メール連絡だけで済むところ、事務所に挨拶に来てくれたら記念品をくれると言われ、妻と二人でホイホイ行った場で言われたコメントでした。なお、事務所スタッフ総出で拍手で送りだされ、とても恥ずかしかったことを覚えております。
司会「かしこまりました、『知人の紹介』とさせていただきますね」
司会「奥様とのご結婚を決断された理由はどんなものでしたか?」
ワイ「ええっ!? 理由!? うーん、うーん……まあ、結婚前提で交際していた期間中、特に無理なところが無かったというか、しない理由が見つからなかったというか……そんな感じでしょうか……」
司会「……かしこまりました。『一目惚れ』とさせていただきますね」