昔、私にはガチ恋している推しがいた。初めは3枚目キャラで好きになったが、よく見たら顔も良いことに気づき、それから全てが好きになってしまった。周りに異性が居ない環境なこともあり、恋にまでなってしまった。バレンタインデーには事務所にファンレターを送った。チョコは送れないから文房具をつけた。推しの勉強に役立つように。
そんな推しが配信を始めた。最高だった。推しの一挙一動を見守りつつコメントすれば、HNとはいえ自分の名前を呼んでくれるのだ。なので私は仕事の合間を縫ってパソコンに齧り付いた。配信には常連もおり、その人達にも「○○アイコンの増田さん」と認知されるようになった。
ある日、いつものように推しの配信を見ていると、気になるコメントを見つけた。
おかしい。事務所には公式ファンクラブなどない。その発言した人のSNSを辿ると、どうやらファンクラブという名のLINEグループがあるらしい。その方は常連さんで、SNSのプロフィールでも、「○○君ファンクラブLINEグループ有。興味のある方は連絡下さい!」との事。
当時はLINE黎明期。アカウントを持っていなかった私はいそいそとLINEに登録し、SNSで常連さんに「ファンクラブ興味あります!」と連絡した。
すぐさま「わっかりました!少々お待ち下さい!」と連絡が来た。その後、いくら待っても返信が来ない。何回も確認した。何も無かった。ファンクラブの為に作ったLINEのトーク画面にはずっとブラウンが佇み、紙吹雪を散らし続けていた。
今考えたら、LINEグループなんて結構プライベートな繋がりである。推しの配信でしか絡まない、SNS相互でもない私は無かったことにされた訳だ。
その当時の私は、弾かれたなと察し、まあ仕方ねえなと思った。同時に「少々お待ち下さい」と嘘をついてブッチする常連さんに少し腹が立った。そして、その後悲劇が起きたのである。
推しのイベントが開催された。終盤に握手会(サインとか写真撮影も付く)があり、ここで少し推しと話が出来る。
私の番が来た。しかし対応が雑だったのを感じた。「はい握手ね。サイン書くよー。はい写真撮るねー。」って感じで、いつもより雑に感じた。その原因は私の次の人にあった。
次の人は、例のLINEグループを作った常連さんだった。推しは、その人の番には私よりテンションが高く、「お待ちしてました!」って感じの対応だった。それを目撃した瞬間、とても悲しくなった。推しは人が良く真面目キャラだったので、良くも悪くもファンは平等に扱われていた。しかし、今日はそうでは無かった。私は失意の内に家路についた。
帰ってSNSを眺めると、常連さんは「ファンの皆で作った記念品、○○君に渡したよ✩」と投稿していた。何がファンの皆だ。私的な集まりの癖に。と思った。そして、様々な感情が頭の中を駆け巡った。LINEグループという割と私的な集まりがファンクラブ扱いされてる事への怒り、私がもっとSNSで常連さんと仲良くしておけばこんなことも無かったのにという後悔、そして何より推しに雑に扱われた事への悲しみ。
イベントの日以降、私は推しを推せなくなった。最近久しぶりに配信を見ていたら、常連さんは居なくなっていた。何処へ行ったのだろうか?
これが、SNS下手すぎて推しを失った私の顛末である。まあ、そもそも私がもっと推しの配信で推しに絡めば認知もされ、雑な対応も避けられたのかもしれない。しかし、ネット交流という意味では一緒だと思う。
狭い界隈だった為、フェイクは入れてあるが、これあいつじゃねーかと思っても言わないで欲しい。まあ相互でもない人間を覚えてはいないだろうけど。
うんち
増田がめちゃめちゃ可愛かったら食われてただろうからこれはワンチャンなかったやつ。そのままストーカーに進化する前に芽がないことに気づけてよかったな。
女特有の嫉妬で蹴落とされたと思え。元気出せ。