はてなキーワード: 広告業界とは
電通の不正があった。私もネット系のいわゆる広告代理店で働く中の人なので、全く他人事ではない。
私は、今回の電通のトヨタ事件とそれにまつわるいくつかの記事を読んで本当に心が痛くなった。
なぜなら、業界の問題は大切な友人たちが直面している私たちの会社自身の問題そのものだったからだ。
http://anond.hatelabo.jp/20160924144051
もちろん中にいる分、ネット広告の業界の闇の深さは知っている。
工数に見合わない手数料(マージン)、Excelとのにらみ合いの細かい作業の積み重ねと、あまりにも速く急な広告ルールの変更。
広告予算の小さい場合は、特に割に合わない。ある程度、広告を継続出向してもらわないとそもそも最初にかけた営業工数の元すら取れない。
少なくとも、私の周りにいる広告運用者はみんな真面目で、非常に責任感が強く、丁寧に仕事をやっている。
自分たちのクライアントのためになるには、どうすればいいのか?
日々試行錯誤を繰り返しながら、激務の中でも頑張っている。クライアントにも、もうこれ以上追い詰めないであげて、と言いたい。
本当に、誇れる人々だ。
だけど、もうこれ以上、広告運用者やこれから発覚する可能性のあるヒューマンエラーを責めないでほしい。
悪かったのは、不正に気がつく仕組みがなかったこと。仕組みができていなかったことだ。
でも、これを機会にGoogleやYahoo!という媒体側も何か対策をとってほしい。そう、願ってやまない。
今、広告運用者たちは広告運用自動化ツールの進歩を待っている。
広告運用自動化ツールとは、人の手ではなく機械によって、より細かな広告運用をするようなツールである。
今も、Googleなどの媒体やツールベンダーがそれを持っているが早く、
もっともっと進歩して、人の手なんか全然いらなくなってほしい。
あと少しだけ、頑張れるのだ。
ネット広告の本当の姿がもっと明らかになって、正しい形で使われて欲しい。今回の問題の皆さんの反応を見ていて、もっと補足したほうがいいと思い、また増田を借ります。
http://anond.hatelabo.jp/20160924144051
この記事に、
http://anond.hatelabo.jp/20160925031323
今回の問題に対する反応に対する回答形式でネット広告の問題点を書く。
これはその通り。本当にできるなら。
私はそれなりに大きいWEB系の広告代理店に在籍しているが、完全にネット広告全般をインハウスでやっている大企業はほぼないと断言できる。最も運用型広告の結果がわかりやすいダイレクト通販企業やスマホゲーム企業ですら、代理店に依頼している企業が多い。
ネット広告はマス広告以上に発注先、プラットフォームが大量に存在する。しかも、それぞれ形式が異なる。文章だけもあれば、画像(バナー)もある。バナーのサイズはそれぞれ違う。動画も流せる。SNSのタイムラインの中にも仕込める。これらすべてをどこか一企業がまとめている、ということもなくそれらの窓口は別。これを自社でやるとなると、(現在まったく存在していないところから)その人材を集めて部署を作らなければならない。しかしこの人材は少ない。しかも媒体との関係性も新たに築く必要がある。はっきり言って非効率的過ぎる。「ウチは社内でやるから」と代理店から引き上げた企業が、一年やそこらでまた代理店に頼む、なんて話は珍しい話ではないのです。
なので、これは現実的ではない(小さい会社なら別ですよ)。トヨタクラスの大企業が本気を出せばできなくはないと思うが、相当な投資が必要。それよりも、今回のトヨタのように代理店を締め上げて頑張らせる方がよっぽど楽。なにせWEB系代理店はいくつもある。質が低かったり結果が伴わなければ他の代理店に競合させてもっと頑張らせることができる。代理店に任せるというのは「任意でつけ外しできる」ことでもあるので、会社にとっても都合が良いのだ。今回の問題は、代理店もそれを理解しているから、ギリギリのラインで不正をしたということが明るみになったということでもある。
WEB系の新興代理店がネット広告の世界において電通より優れているか?といえば答えはノー。五十歩百歩です。
もちろん、電通、博報堂をはじめとした総合広告代理店はネット広告参入が遅れていたので社員のリテラシーが低い。なので今回のような低レベルのヒューマンエラーが起き得るが、結局電通や博報堂でも、実際に運用広告を回しているのは子会社(電通で言うならCCIという会社)。CCIのレベルは取り立ててサイバーエージェントやオプトなどの企業と比べて低いわけではない。もちろんネット広告業界ではトップofトップではないので、新卒人材の質はサイバーやオプトに比べたら劣るかもしれないが、その程度。
では業界の雄であるサイバーやオプトはどうなのか?といえば、決して図抜けてレベルが高いわけではない。今回のようなヒューマンエラーは確実に起きているはずだし、これらの大きな企業がいくつかのクライアントで、運用型広告において大きなミスをしてクライアントの怒りを買い、代理店が変更になった、という事実を私は知っている。正直言って、ネット広告業界全体がかなりずさんな業界体質なのである。もちろん、在籍している人の多くは不正をしようと思っているわけではない。しかし、膨大な仕事量とプレッシャーによって、ミスは必ず起きてしまう。
なぜ、どの会社がやってもミスが起こりうると断言できるのか。理由は簡単で、監査機能が存在しないから。ミスに非常に気づきにくい、あるいはミスを非常に隠しやすいシステムであり、だからこそ業界全体が自浄作用を持たなければならないのです。
新聞や雑誌の広告というのものは、ゲンブツの広告です。広告代理店は必ず「この号にこのように出ました」と出稿後のゲンブツをクライアントに送ることになっている。すなわち、出稿されなかったら簡単にわかる。テレビも同様。新聞雑誌ほど簡単ではないが、何時何分にどの企業の何のCMが出たかは秒単位で記録されているそうだ。そのシステムそのものに問題があるかはともかく、少なくとも掲載内容に関してウソはつきにくいシステムになっている。まあ私はマス広告は知識レベルでしか知らないので、もしかしたら何か抜け道的に不正が行われているかもしれませんが、一応監査する機能はあるということです。
しかしネット広告はこれが非常に難しい。全ての掲載を確認するのは不可能。自分が運用型広告に配信ターゲットになっていれば接触できますが、じゃあそれが「どれぐらい出たのか」「どの期間でたのか」を知ることは人力ではできないのです。結果的にクライアントが確認する術は、代理店からの主にエクセルのレポートを見ることがほっとんどになる。ただ今回のように、エクセルのレポートは代理店が改ざんできてしまう。
現状、クライアント側が監査するのであれば、配信システム側の管理画面を見ることになる。ただ、恐ろしいことに管理画面はプラットフォームごとに存在する。各媒体を横断的に見るサービスもあるのだが、これはまた別に導入費用が掛かる。導入したとしても、大量に出稿しているクライアントにとって、全ての掲載確認を自社でやるならば地獄のような作業になるはずだ。これをクライアント側がやらなければいけないのか?そんなことはあり得ない。新聞や雑誌の掲載された実物を送るように、代理店側がシステムを用意すべきだ。
我々、WEB系の代理店は、こういってネット広告を売ってきた。「テレビCMは本当に効果があるのかわからない。ネット広告は全てがトラッキングできて結果も明らか。しかも安い!だからテレビでなくてネット広告をやりましょう!」しかしこれは嘘なのだ。インプレッションしたというが、それをbotで消費されていたりする。複雑すぎて期間や出稿量のミスがそこかしこで起きている。マス広告と同じぐらい、あるいはそれ以上に出稿実績が不透明なシロモノ。それがWEB広告の実態である。
・電通はデジタル広告を扱う代理店の中では最も先進的な取り組みをやっている
これは一面が正しくて、一面が間違っている。
まず、いわゆる現在主流のWEB広告の分野においては、電通は遅れている。なにしろ本格参入が遅かった。トップクラスの運用能力を持っていたオプトも切り離してしまったこともあり、サイバーエージェントやそのオプトに対して運用分野ではスピード感もクオリティも負けている。そもそも、電通でデジタル広告回してるのは、大量に出稿してきている子会社や提携会社の人。つまり丸投げってことだ。(聞くところによると、トヨタ問題の発端も出向社員だとか。)
ただ、電通が進んでいるのは、プラットフォーム側、つまりGoogleやFacebook、Twitterなど、WEBのメガプラットフォーマーと組んで様々な取り組みや、専売商品を次々作っていること。あるいは、データ分析の分野ではその分野に強い会社と提携してサービスをどんどんリリースしている(電通のニュースリリースを見るといい)。そういった、「次のWEB広告」あるいは「マーケティングのデジタル化」については、サイバーエージェントやオプトよりかなり先を行っている。
これからの電通はWEB広告でもマス広告同様の勝者となる準備が整ってきた。事実、デジタルコンサルを中心業務とする電通デジタルができたばかり。そこにこの問題。電通のエラい人はさぞかし頭を抱えているだろう。(競合としてはざまあみろだ)
マスの広告はカンタンだった。なにしろ効果が明確に測定できない。なので調査をして効果を報告するとか、あるいはそもそも調査なんてしないことだって多かったそうだ。その一方でデジタルは結果が明確に出てしまう。さらにスピード感も圧倒的に早い。にも関わらず、リーチの問題によって金額は圧倒的にマスよりも安い。もちろんデジタル管理して出しているので、マス広告よりも楽に出せる側面はあるけれど、大量に出稿する場合はとんでもない作業量になってしまう。
今までより圧倒的にシビアに結果が出て、さらに毎日トラッキングして、必要があれば文章や画像を差し替えて、それを多種多様なメディアを選んでPDCAを回しながら調整しなければならない。これだけ大変なのに給料は安い。これは電通が悪いとかそういう問題じゃなくて、インターネット広告の値付けの問題だ。俺は毎日思ってる。誰がこの広告枠の値段決めたんだ?って。マス広告に比べてあまりに枠が安すぎる。この問題に大きく関わっているのは、ネット広告に遅れる弱い総合代理店をしり目に価格で勝利してきた、サイバーエージェント、オプトなどのWEB広告代理店。
彼らの安売りにより、給料は安くなり、しかしタスクは減らないので毎日深夜までビルは明るい。てっぺん超えるんなんて当たり前だ。しかも結果がシビアに出てるので、クライアントからのプレッシャーも厳しく精神的にも苦しい。数年で転職、退職する人も多いので、穴埋めのための人事異動が激しく、プロフェッショナルが育ちにくいのも問題だ。
はっきり言おう。同じような問題がポロポロ出てくるだろう(博報堂や、WEB広告代理店がまともなら)。
内部監査をすれば絶対に見つかることは断言する。ネット広告の現場にいれば、ヒューマンエラーが起きないなんて誰も言えないはずだ。なぜ今まで明るみに出なかったか?それは、ネット広告は掲載確認が難しいから。例えば新聞広告なら、その日の新聞を見れば一発で載ってるか載ってないかわかる。しかしネット広告はわからない。アドネットワーク(皆さんが普段何気なく見ているWEBサイトに載っているバナーなどがそれ)はどこに出てるか分かりにくいし、さらにネット広告は年齢や性別、あるいは趣味嗜好までターゲティングするので、自分がそのターゲットに入ってなければそもそも「出ない」。
そりゃみんなちょっと間違っても隠す。何しろバレにくいんだからね。
元増田が書くようにクライアントがデジタルに明るくない場合も多いことが拍車をかけている。ネット広告の世界はマス広告より圧倒的に複雑なので、リテラシーがなかなか育たないのだ。もちろん、電通の今回の問題は、ただ間違ってただけでなく、間違いを理解した上で不正に請求してるのでただの詐欺。論外。とはいえ、多くのWEB広告代理店の数字に関するプレッシャーを見ていたら、自分の会社がやっていないとは正直言えない。忙しすぎて朦朧としている人、あまりのプレッシャーにクライアントを憎んでいる人、上司におびえている人。様々な人がいて、みんな疲弊してる。そんな同僚がミスを隠して不正請求していないと言えるか・・・俺は言えない。
デジタル広告がこんなに不健全なのは、おそらくマス広告も不健全で、不透明だった名残なのだろう。業界の特性だ。皆さんも覚えている通り、運用型広告ではなく、記事広告(ネイティブ広告)の世界ではサイバーエージェントを筆頭に不正が大々的にまかり通っていたこともあった。はてなでは話題になってないが、つい昨日はFacebookが動画視聴時間について多く見積もって報告していたことが分かった。(Facebookの動画広告を売る際に、Facebookでの動画視聴時間の長さが他のSNSに比べて多いと言って打った俺は詐欺師となったわけだ)
業界全体が腐っている。
しかしこうなったからには、業界全体がしっかりと監査していく仕組みを作らなきゃだめだ。
電通さん、デカいんだからさ。旗振りぐらいやってなんとかしてくれよ。
俺は正直、このニュースを見て安心した。やっとこの業界がオカシイことが世に出た。早くなんとかしてくれないと、ほんとにみんなが潰れてしまう。
長くなってすんません。
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追記
続きを書きました。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/092300445/
この件については電通に同情する余地はなく、徹底的に膿を洗い出して欲しいと思う。
ただし「広告代理店は不正を働くものだからもっとノルマや監視を厳しくしてコストを下げてやれ」という方向に流れがいくことが個人的には一番怖い。この件は電通の組織的な問題だけではなく、広告業界全体の問題、ひいては企業の広報担当者やメディア関係者含む、広告に携わる全ての組織と人間が関係する問題だと思うから。
知らない人多いと思うけど、電通は日本のデジタル広告を扱う代理店の中では最も先進的な取り組みをやっていて規模も大きく、ここ最近M&A含めかなり強引にデジタル化を進めて、テレビ一辺倒の収益体制からの脱却を図ろうとしていた。
誓っていうけどおれは別に電通の回し者でもなんでもないし、つい先日まで広告代理店でデジタル広告をやっていた。もう辞めたけど。後で書くけどデジタル広告業界は漆黒なほどブラックな業界だ。これを業界全体が改善するきっかけになったらいいと思ってるけど、さらに悪い方向に進む可能性もあると危機感を持っている。こうやってる今も死にそうな顔で仕事をしてるかつての同僚がいるに違いないし。
まず今回の問題を乱暴に一言で言ってしまうと「日本の広告業界のデジタル広告の未成熟さ」に尽きると思う。
何が未成熟かというと色々あるが、中本副社長も言っている通り「組織の管理体制」「恒常的な人不足」がまず大きい。元も子もない話だけど、「発注する側も受注する側も、デジタル広告についてあまり分かってない」ので。
広告代理店は「代理店」なので、発注者が面倒臭い、できればやりたくないことを代理でやることでお金を頂戴している。広告戦略の策定・具体プランの提案・運用・レポート・反省点と次に生かすべきポイントを報告、などなど。会社にもよるし人にもよるからこれが全部じゃないけど、基本的に企業の広報担当は代理店からの提案を受けて、確認をし、問題があれば改善指示を出し、よければ社内決裁を通すだけの場合が多い。この社内決裁がまた面倒だし、最近は定時もうるさいので発注者側はデジタル広告について勉強しない。そもそもあまり興味がある人もいないかもしれない。それでもデジタル広告は国産/海外産含め新しいテクノロジーや広告メニューが毎日のように発表されるし、それを活用した新たな事例や手法がどんどん登場する。代理店の担当者はこれらを常にチェックして、発注者のためになるプランとメニューを作り、適切に受けた発注の運用を行なっていかなくていけない。
ただしこれができる代理店の人間は、もう本当にほんとーーに少ない。代理店の人間の大部分は、細かい数字ばっか追っていくような仕事をそもそもやりたがらない。でもニーズはめちゃくちゃある。だから発注を受けたら子会社やグループ会社の人間に丸投げすることになる。
そして子会社やグループ会社の人間は、残念ながら優秀な人間は少なく、大きな戦略を作ったりすることはおろか、与えられた目の前のタスクもボロボロこぼしていく有様だったりする。そりゃそうだ、給料低いんだもん。経験の少ない若者か、経験はあっても能力の低い人しか雇えない。
代理店はその中でも比較的マシな人間を代理店に出向させて名刺をもたせて権限を与えてデジタル広告担当として業務を押し付ける。そこで成長してバリバリこなす人もいるけど、たいていは津波のように押し寄せる業務に呆然となってしまう。日付の確認ミス・金額の記入間違い・指示を勘違いして間違った発注をする、間違ったバナーを掲出する等々、細かいミスやケアレスが多発していく。呆然となりながら業務をしているとミスをしたことすら気づかず、次々とやってくる業務をちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返す。受注を取ってくる営業がそんな細かい運用の話をわかるはずもなく、売り上げのことだけを考えて、ミスが含まれたレポートや請求書を、分からないまま得意先に報告することになってしまう。
デジタル広告の運用結果は数字に表れるから、得意先は代理店から報告された数字を見ながら、提案されたプランの中で、予算に合っているメニューを選んでいくんだけど、その数字には「どれだけの人間が稼働して作ったものか」が一切現れない。デジタル広告担当は毎日朝帰り、休日出勤当たり前が恒常化している。体を壊して休職する者も多い。
広告代理店は発注者の「これやりたい!」を何とかして叶えてやることで食っている商売だから、それは組織としてやりたいを叶える体制を作らないといけないんだけど、管理職のオヤジどもはデジタル広告の現場で何が行われているかわからず、かつて自分達がテレビコマーシャルの受注を取ってきたようにイケイケドンドンで売り上げを伸ばそうとして無茶なノルマを現場に課すことになる。
現在広報部長や宣伝部長を務める人も同様で、何となくデジタルが重要だということは知ってるけど、具体的にどういうことなのか全く分かっておらず、面倒臭いことは嫌だから細かい数字の話は避けて、「とにかく最先端でかっこいいことをやって目立って話題にしてほしい」と言う。そもそも得意先の言う「やりたい!」がどう考えても達成出来ない無茶苦茶な要求である場合も多いのだ。
これは広告業界に蔓延する悪癖のようなもので、特に電通は「いまの広告の最先端はこれですよ!?え、あなたの会社はまだですか?遅れてる!」といって発注主も代理店も煽って焚きつけて商売にしようとしてる。電通報とかその権化のようなサイトだ。
そもそもデジタル広告をまともにできる人間が全然育ってないのに、業界全体で「デジタルだデジタルだ」と掛け声だけは威勢が良く、組織的なサポートもほとんどなく小会社やグループ会社、下請けに丸ぶりし、一部の責任感の強い担当者が過労で疲弊する中でミスが起こり、ミスに気づかず間違いのまま発注主に報告や請求が行く。
広告のデジタル化は避けては通れず、今後も需要は高まっていくのは間違いなく、今は完全に個人が人力で回しているのをいかにして組織的に回していけるようにするかが課題だ。
一番の問題は発注者側も、代理店側も、「デジタルはやらないといけないのは分かってるけど、面倒臭いことはやりたくない」というマインドであることだ。
電通の不正を追及するのは最もだけど、本質はそこではなく、業界に携わる人間全員が腹をくくってデジタル広告を正面から取り組むこと、そしてそのための組織的なサポート体制を作ることだと思う。
これハフィポスに出る前からニュースでやってて憤慨してたんだけど。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/22/is-the-nara-logo-design-too-expensive-_n_12130574.html
いろんな人が多くの時間を割いて関わってんのよ。
こういう感じのものにしようとコンセプトを出す。
クリエイター以外にもいろんな人がこの段階で関わる。
あーでもないこーでもないをやる。
デザイナーごとに10も20も、場合によっては何十案もデザインする。
デザイン案が上がったら、
最低でもこれくらいの段取りを踏む。
高名なアートディレクターは得てして
デザイナーたちがどれだけ徹夜を重ねる日々を送ってもろくな稼ぎにならない。
「見張り番・生駒」の首魁たる阪口保県議のサイトを見てみよう。
http://www3.kcn.ne.jp/~hayaku/
デザインなんてまったく理解していないのであろうことが一目瞭然である。
恥ずかしげもなく「ロゴは単なる絵」と言い切ってしまえるような
そのために広告業界はブラック労働でデザインを提供すべきとでもいうのだろうか。
政策Not Found。ごあいさつNot Found。ご意見Not Found。
http://www.geocities.jp/miharibanikoma/
“無駄”とはなんぞや?
イベントの規模に比して妥当な発注であったかの精査なら理解はするが、
“ただの絵には30万が妥当”などというウンコしか視界に入ってなさそうな意味不明な基準で
広告制作業の事業が成り立たないウンコレベルの低価格を規定することは
「行政による違法・不当な行為」に当たらないと強弁するつもりだろうか。
自分たちの目的のためなら他が不法・不当に搾取されても構わないのがこの市民団体のスタンスだろうか。
https://mobile.twitter.com/five_island/status/761399221077495809
http://mainichi.jp/articles/20160805/k00/00m/010/122000c
・ド平日に
・固定電話のある
あるいは両方か、全く別のそれ以外か?
怒らないから正直に名乗りなさい。
細かい格付けは面倒だしそういうことにしてくれ。
「いいな~、就活余裕じゃん」だのと言う。
そんなことは断じてない。
でも、スタートがいくら良くても、転んだり、脱線しまくったり、そもそも走る気が無かったら。
当然ゴールできないよね。
ていうか学歴が悪いといって嘆く奴らは、どっかで手ェ抜いてんだよ。
ESの段階で落されたら、すぐに学歴を逃げ場にするだろ。
学歴がある人間は学歴のせいに出来ない。今まで踏ん張ってきた自分に対するプライドもある。
過去の自分を裏切らないように、早いうちから動いて本気でやってる人間の割合が高いんだよ。
それをこっちが学歴だけで勝ち上がってるように言って来る自称低学歴連中。
学歴偏重の社会を恨むんじゃねーよ。今日日高校生でも知ってる現状だろ。
本当に社会変えたかったら下から吼えるんじゃなくて、頑張って偉くなっとくれ。
そして、肩書きは無いがポテンシャルがある人間を見分ける目を養ってくれ。出来る?笑
話が逸れまくった。
ここまで読んでくださった優しい皆様方は、もうお分かりだろうか。
私はカメだ。
優遇された位置からスタートさせてもらえ(るはずだっ)たのに、3歩歩いてそこに座り込んだまま。
だって、やりたいことがないんだ。
そりゃ、趣味はある。
昔から絵や漫画を描くのが好きだったし、今は宅録にハマってる。
だけど、それが仕事になるなんて到底思えないんだ。
自分の創作活動が、他人を拒絶するための壁を構築する手段だって、分かってるから。
人間が嫌いなんだ、関わりたくない。
他人と関わらないためにやってる生存活動で金を稼ぐなんて、出来ると思えない。
なんとなく広告業界を志望してみたりなんかして、
落ちた。
基本的にどの段階まで行こうと、「受かった」か「落ちた」の二択しかないのは分かってる。
でも、「とりあえずここまで来たってことは、そんなにコミュニケーション能力(笑)が無いわけではないのかな~」と確認して、ちょっと安心した。
(しかしその後、選考方法に非難ゴーゴーのなんちゃらの学校の最終面接で落されたので、「やだ、私のコミュ力、低すぎ?!」と傷つく)
ああ、これでまだ働かなくて済む、といった感じ。
でも生きていくためには稼がなきゃなんないね~。
うだうだ言ってもしょうがないしね~。
とりあえず、考えます。
最近LINEが株式上場(証券コード:3938)したようだ。一時は高値で5,000円まで上がったが、安値4,310円(2016年7月16日 17:44現在)まで下がり、なんと690円も下がっている。一瞬の差し足で儲ける連中は賢い。
今流行の統計的な手法やdeep learning(機械学習・人工知能)を駆使し、株価が3,000円台まで下がるタイミングは何月何日か?を探り空売りできないかを考える今日この頃。
さてここからが本題。金融に関する仕事、コンサルタントなどはできないと思い、とりあえずWebシステムもどき、あるいはWebサイトらしきものを作る仕事を始めた人の愚痴である。
まずA社が商品販売するところから、B社がWebサイト制作をするまでの流れを簡単にまとめた。
[Step2]:商品の開発期間・開発コスト・広告や集客を考える(Plan)
[Step3]:2におけるチラシ・ホームページを外注に投げる
[Step4]:外注先がそれらを一件○万円で引き受け、広告完成(Do)
[Step5]:広告効果がどれだけであったか?を調べ、問題点について調べる(Check)
[Step6]:商品販売を取りやめるべきか?広告の打ち方を変えるかの改善を図る
[Step7]:改善された広告・販売戦略を基に動き直す(Action)
さて、かの有名な電通鬼十則( こちら参照)にも「「大きい仕事」と取り組め。小さい仕事は己を小さくする」と言う言葉がある。
先日その大きい仕事のお膝元というべき会社で、Step4を担当している人と話した。それが意外に俺と同じ事を考えててビビった。って事は日本の広告業界すべてが、派手な物を作って...って発想なのかと思った。
さて案件の規模が小さい程[Step1〜7]全体の大部分に関与でき、大きい程[Step1〜7]全体が見渡しにくく、関与もしにくい場合もある。そして自分でアクションを起こしたが、結局[Step1〜7](PDCA)全体が回ってない事もあるのは何処も一緒なようだ。
もちろん自分は[Step4]の工程の1部品として動いていて、基本1〜7の大枠の中の1部品として動いているに過ぎない。ここでStep4の仕事をしていて愚痴りたい事の1つに、「[Step4]の人たちって、どうして[Step4]の事しか考えないのだろうね?」と言う事だ。以下その愚痴を書きたい。
どうも俺は「俺が作ったデザインすばらしい」「よそがやらないようなデザイン」をひけらかす為に話を進めている場合程、やる気なく仕事している。
過去酷いと思ったのは、[Step1〜3]側のクライアントと会議で決まった内容を、[Step4]のこちら側で無理矢理ひっくり返した物を作った事だ。無論自分らの意見を押し通すのも商談の上で必要な事もあるが、必要ないならやらなくて良いと思う。
上は上で「クライアントでなくウチがやりたいんだ」と一点張り。それに対し、実際に手を下す俺は「既に決まった物なのに、そもそも全体の進捗を狂わす事はないんじゃない?ただただ作業日数も増え、俺のやることも増えるだけだし、俺そこまで能力ないし」と思っていた。
その結果中間会議でクライアントに「やらない方がいいんじゃないですか?」と言われ、ざまーみろと思った事もあったっけ(笑)。こうなると「俺はこんなに素晴らしいと思っているのに、お前はそう思わないのか」と言う流れになり、相手からすげえ嫌がられることも少なくない。
確かに「とりあえず始めて見て反響を見る」と言う事も重要だ。しかしながらStep4の自分らが、デザインをひけらかすが目的ならこれは論外だ。以上。こうして俺はデザインを仕事ではやりたくないなあと思うようになった。
この時自分がやっていた仕事は、「商品Pの広告をターゲットとする客層のx%に見てもらい、商品Pにおける売上高をy%向上させる」事の一部ではなかろうか?ならば見た目自慢よりも、サイトに依ってお客さんにどれだけ反応が呼べたか?という事を調べ、クライアントと一緒に[Step5〜7]に活かす事も重要だと思う。
サイトの見た目、機能、SEO(検索エンジン・ソーシャル対策)などがそれぞれバラバラなのもいけない。そしてそもそものところで「どのようなお客さんに見てもらったり使ってもらったか?」「そもそもの事業戦略」が無視されている。
そんなに見た目や機能が重要か?必要最小限で良いから会社の事業が回るようなものにする事こそ、自分ら[Step4]の人間のやる事だと思う。
そのためにクライアント、各Step毎の人と連携する姿勢を忘れてはいけない。先ほどの愚痴みたいに各Step毎にバラバラに行動するようなやり方は、今後世界的にも流行らないと予想する。又、システムやホームページが内製化されるのも、Step毎の連携を良くする為である。
さて、商売柄わからないことがあると、はてなブログ、Qiita、StackOverflowなどのレシピサイトを見る事が多い。ここで最近Qiitaを読んでいて、「マーケティング担当者にSQLを完全マスターさせた話:Qiita」と言ういい記事があったので紹介したい。以下デザインの話から離れるが、是非聞いて欲しい。
みなさんこの試みをどう思うだろうか?俺はこの動きに賛成だ。俺の推測を書くが、恐らくこの会社の社員数は多くて100人前後まで位で、上記の[Step1〜7]までの多くの部分を1社で担当していると思う。
無論顧客情報や売上情報に関するデーターベース(SQL)にアクセスし、それを分かりやすく画面に表示してくれるアプリはあるはずだ。これをみて経営や商品を売るのをどうしていくか?を考えて行く訳だ。
例えば、1ヶ月に100回以上データベースに対し特定の処理がなされるのなら、アプリにした方が良い。しかし「この時だけ単発にデータベースに○○な処理をさせて、△△な事を調べたい」と場合もあるはずだ。こうなってくると、「マーケッターの人に単発のSelect文案件を片付けてもらおう♪」という流れになる。
以下何故この作戦が必要かを熱く語る。例えばファミコンのボタンは「Aボタン、Bボタン、STARTキー、SELECTキー、十字キー」しかなく、それ以外の事は一切できない。これはアプリケーションも同じで、アプリケーション化する事でユーザーの動きを制限することにつながる。
必要最小限に仕事をまとめたい場合は別だ。しかし今回の場合「火属性の敵に対し、どう対処するか?」「そもそも相手を属性E_1,E_2,…,E_nに切り分け、それぞれに対しどう対処するか?」の場合ならば敵の弱点も変わってくる。そのため制限ありだと対処できないケースも出て来る。
こうなれば「賢者、すっぴん、すっぴん、すっぴん」では某エ△スデスに勝てないだろう。それに賢者が戦闘不能の時はもう冷あせもんだ。レイズ、アレイズ、フェニックスの尾がないときは、誰がケアルやエスナしてくれよう。そこで全員が「賢者、赤魔導士、赤魔導士、赤魔導士」位ならば、賢者が忙しい時にケアルが使えてラクだし、全体を有利に進める事が可能になる。
[Step4]の会社にいる立場としてこんな選択が出来るのが羨ましい。なので新しくツールを作るだけが選択肢ではなく、みんながある程度できるようにしておきたい。
以下その為に自分は何ができ、どうしていきたいか?について話す。まず自分は学生時代、どちらかと言えばxとyが嫌いだった人が絵や音楽をやる事もあるようだ。俺はその逆で、絵を描くのをサボってでもxとyをやり続けていたい人だった。なためどうも絵が好きな人、音楽が好きな人の話が抽象的に感じる事がある。(俺、Webシステムの方がリクツが分かるほうだから得意かも...)
起業は無いものとして考えた時、どの道Step1〜7のPDCAサイクルなど早々回りゃしない。ならば、少しでも自分の出来そうな方で仕事したいと思っている。わがままを言えば[Step1〜3]寄りの仕事がしたいと薄々思っている。
このまま堅い商売を続けるなら、それこそ物理学者みたいに世の中の物事を数値やy=f(x)化し、扱いやすくしてやりたいとも思う事もある。例えば商売なら、未来を予測しきる無敵の関数y=f(x)を編み出してもうけるとか。
又は経営層やマーケッターがxとyを見やすく、確認しやすくするデーターベースツールの開発が出来て、売っぱらう事ができれば…(用語言うなら、Microsoft PowerBIと言ったツールかな?)
xとyをフル活用することで、できる限り失敗しない線を探して勝ちを拾う。又はマーケッターなどの人と協力し、無難な商品Pを売る上での最強の市場(=有利な戦場)を見つけて行ければとも思う。
最後に「無理に成功を夢見る」ではなく、「出来る限り失敗しないように無難にやる」「無難にやる策を模索する」で行きたい今日この頃。まあ、難しいんだけどな。
ボトルメール交換アプリとして怪文書のやり取りを楽しむものらしいがまだ何が面白いのかは掴めない。
何が起きているのか調べるとどうやらこのゲーム(アプリ)が動画広告をちまちまダウンロードしているらしい事実に辿り着く。
アプリを買わないと広告が表示されるけど、広告をガマンすれば無料で使えるよというアプリは今までもあった。
しかしここまでのペースで動画広告を落としてきてパケットを喰らい尽くしてくるアプリは始めてだ。
動画広告というユーザー目線を捨てた発明+アプリを無料提供しつつそれなりの収入を得たい作者の気持ち+スマホのパケット制限
最悪の組み合わせである。
だがそれを普通の広告と同じ感覚でスマホにバシバシ投げつけるのはどうかしている。
頭がおかしい。
こんな嫌がらせをしてその商品やサービスの購買意欲が湧くと思っているのは頭がおかしい。
ヘイトを稼いでるだけの行為を最新の広告スタイルとして売り込まれて納得している広告主も頭がおかしい。
頭がおかしい。
広告を見たらタダでサービスが受けられるとでも思っているのだろうが、そんなうまい話は世の中にはない。学校でちゃんと教えないから勘違いしてる人が多いけど。
広告費用はスポンサーが出している。スポンサーの収益は消費者が払うお金で成り立っている。つまり、広告費用は消費者が出している。
この無駄な広告というシステムを廃さないと、サービスに無関係な消費者が広く浅く負担させられっぱなしになるのだ。そしてこれだけ広告が氾濫している所を見てもわかるように、広告業界に落ちるお金は決して少額ではない。
増田みたいなクソサービスを見ない大多数の人も、広告を通じて費用を負担させられているのだ。こんなメチャクチャなシステムが良いわけがない。
ご存知の通り、無料で利用できる多くのオンラインサービスは、広告を収益の柱に立てている。
ところで最近の広告は(倫理・手法など様々な理由により)ヘイトを集めており、私も広告ブロックの機能を積極的に導入している。
広告ブロックをブロックするシステムもあるらしいが、少なくとも私にとって「無料で利用できる」というのは遠巻きに「広告ブロック機能を使用していても無料で利用できる」という意味であり、広告ブロックをブロックするサービスはもはや「無料」ではない。よって使わない…が、そんなことはどうでもいい。
思考実験はここからである。オンライン広告がビジネスとして成り立たなくなったら、オンラインサービスはどうなるのだろう?
まず、これまで広告を収益の柱にしていたサービスは軒並み終了する。ここまでは誰でも予想できるだろう。
では、その後代替のサービスは現れるのだろうか?個人的には難しいと思っている。代替のサービスだって、何らかの方法でお金を稼がないと維持できないのだ。広告以外の方法でお金を稼ぐことができるなら、前のサービスは潰れなかったはずであろう?
つまるところ、インターネット上のサービスはお金を払わなければ何もできない空間になっていくであろう。
そうなったとき、「無料だから」インターネットを利用していた層はインターネットそのものを切り捨てる。
この事象は「インターネットの質を担保する」という意味では歓迎するべき流れである。というのも「無料だから」インターネットを利用していた層はオンラインでサービスをしている限りでは通信回線以外に一切お金を払うつもりがない、見込みすら無い客であり、この(一切見返りがない)層のためにサービス側はリソースをドブに捨て続けなければならなかったからだ。
…さて、平凡な私に思いつく「広告で稼げなくなったインターネットのその後」は、この程度のものだ。あなたはどうなると考える?
追記
広告そのものの需要について否定しているわけじゃないよ。紙もラジオもテレビも生き残ってるし、別に消えてもらいたいわけじゃない。紙もラジオもテレビも、見てないし聴いてないからね。
なんでこんな思考実験をするに至ったか、その思考の過程をダンプする。
例えばサービス企画屋が新しいWebサービスを作ろうと思ったとき「広告で稼ぐ」というある種安易なマネタイズ手法に行き着くことが多いけど、一方の利用者側からみるとWebの広告はウザくてすごく嫌われている。
嫌う気持ちはわかる。(広告を表示するお仕事を請けたのが理由で)普段は有効にしているAdBlockを無効にしたら、見るWebページすべてが広告まみれになって視聴に耐え難かった。世の皆様はこんな地獄を毎日味わっているのかと思う。
インターネット上で触れる多くのWebサービスがこれほど嫌われている媒体に支えられている世界って、控えめに言っても歪んでいると思う。
(個人的には、Webの広告業界がB2B2B2B2…2Cという多重構造によりCに行き届くまでが非常に見えづらくなっていて、実はCに行き届いていると見せかけてB間で握りつぶす…とまでは言わなくても水増しを装うことが可能なのではないか、と思っている)
で、この歪みはブラックマンデーのようにある日突然解消されるのではないか?あれっこれ広告主が業界全体の水増しに気づいたら終わりじゃね?これで食えない人が続出したら俺の知ってるあのサイトもこのサイトも閉鎖するよね?あれっ?あれっ?
追記2
『広告ブロックをブロックするサービスはもはや「無料」ではない』のニュアンスをもう少し掘ってみる。
例えとしては微妙だが、テレビ録画機のCMスキップ機能のようだと思う。CMは無料なのだから削れなくてもいいじゃないか、CMを削ったらテレビ局のビジネスモデルが崩壊するからやめよう、という話をユーザサイドから聞いたことがない。CMカット機能を歓迎したユーザは、CMに対して負の価値を感じていたユーザだと言い切っていいと思う。
もし万が一テレビ局が「広告収入で維持できなくなったので視聴者の皆様から受信料を徴収いたします、お支払いいただけない方は番組を視聴できなくなります」と宣言したとして、どれほどの視聴者が「無料テレビ視聴環境の維持のためにがんばってCMを見よう!」となるだろうか?想像できないんだよなぁ。テレビ局の都合なんか知るかよ、勝手に潰れろよ、と思わない?それが市場原理ってものではないの?
(収入格差が拡がりつつある今、オツムの弱い層向けだったテレビでCMを流しても、オツムの弱い層が洒落にならないほど貧乏なのでお金が落とせない、というのはありえる未来だと思う)
広告として使われなくなると弱くなる、というのはどんな媒体でもそうだと思うが、特にWebの場合はダメージが大きい。というのも、Web上の多くのWebサービスが(ユーザ数に依存して増える)広告収入に依存しており、多くのユーザが「無料だから」Webサービスを利用しているのだとすると、この共依存のいずれかが破綻しただけでWeb全体がシュリンクしてしまう。今はただ偶然に膨張している時期、ただのバブルというだけだ。
シュリンクの原因は、今の時点では想像も出来ない要因になると思う。まさかFlashがセキュリティ上の理由で標準無効になる日が来るとは、誰も予想できなかっただろう?
ある大御所氏の感覚がズレてるなーと思って、そういえば何年か前に同じこと思ったなと思ったら当時その界隈でバズってたブログへのメモが出てきたから貼っておく。いまも彼らの感覚はそんなに変わらないんじゃないかな。
▶シャープやパナソニックやソニーの凋落を、広告人や広告会社はもっと恥じるべきじゃないかな
http://www.satonao.com/archives/2013/03/post_3511.html
業績や商品が多少ダメでも、そのメーカーやブランドの「本当のファン」であれば、すぐに浮気などしない。というか、そういうファンを作ることこそ、広告の仕事の大きな部分ではなかったか。"
"広告は、シャープやパナソニックやソニーをはじめとするクライアントの「本当のファン」を作れてこなかった。このことを心底反省してやり方を変えないと、広告コミュニケーションという手段そのものが、クライアントから見捨てられる日が必ず来るだろうと思う。"
もうどこから突っ込んでいいやらよくわかりませんが。
もうとっくに見捨てられてるよ、とか、SONYやシャープの業績は”多少のダメ”どころの騒ぎではないだろう、という話はおいておくとしても、”メーカーやブランドの「本当のファン」であれば、すぐ浮気などしない”とかかいてあって、本当のファンが作れなかったのは広告人の怠慢のせいだから恥じるべきだ、的な話が続く。
「広告には”本当のファンをつくることができる力”があって、それを怠ってきたのは広告人の努力が足りなかったからだ」とでもいいたいのだろうか。「恥じるべき」とか言っている時点で自意識過剰というか、正直、おこがましい。としか思えない。広告にはそんなパワーはない。少なくともいまの広告業界の現場レベルの世代は、そんな時代を知らない。もし仮に広告にそんなパワーがあるのであれば、それを成し遂げた広告というのは、過去にいったいいくつあるのだろう?ピントがズレ過ぎているというか、「バブル世代の広告人って、こんなおこがましい感じ方するんだね」という感覚だ。別にそれが悪いとは思わない。そういう時代だったのだろう。
そりゃーあんたたちの世代はそう思うよねー、だって市場全体が成長期で、かつ人口動態的にも消費市場は増え続けていたわけで、イケイケドンドンで広告人がおもしろいアイディア考えてドカドカCM打てば、モノは売れて企業のファンは増えたもんねー、でもそれって市場が成長期だから売れてただけで、「俺たちはおもしろいアイディアでクライアントの本当のファンを作っている!」と壮大な勘違いしてただけじゃないの?とか思ってしまう。それはきっとあなた方の”すばらしいアイディアの広告”の力ではない。それは当時日本企業が作っていたプロダクトの力と、時代の力だ。
そういう話じゃないんだよなー、と思うわけですよ。広告業界もバブル世代を終わりにして、そろろそ広告がどんな役割を果たせるのかきちんと考えたほうがいいと思う。