ある大御所氏の感覚がズレてるなーと思って、そういえば何年か前に同じこと思ったなと思ったら当時その界隈でバズってたブログへのメモが出てきたから貼っておく。いまも彼らの感覚はそんなに変わらないんじゃないかな。
▶シャープやパナソニックやソニーの凋落を、広告人や広告会社はもっと恥じるべきじゃないかな
http://www.satonao.com/archives/2013/03/post_3511.html
業績や商品が多少ダメでも、そのメーカーやブランドの「本当のファン」であれば、すぐに浮気などしない。というか、そういうファンを作ることこそ、広告の仕事の大きな部分ではなかったか。"
"広告は、シャープやパナソニックやソニーをはじめとするクライアントの「本当のファン」を作れてこなかった。このことを心底反省してやり方を変えないと、広告コミュニケーションという手段そのものが、クライアントから見捨てられる日が必ず来るだろうと思う。"
もうどこから突っ込んでいいやらよくわかりませんが。
もうとっくに見捨てられてるよ、とか、SONYやシャープの業績は”多少のダメ”どころの騒ぎではないだろう、という話はおいておくとしても、”メーカーやブランドの「本当のファン」であれば、すぐ浮気などしない”とかかいてあって、本当のファンが作れなかったのは広告人の怠慢のせいだから恥じるべきだ、的な話が続く。
「広告には”本当のファンをつくることができる力”があって、それを怠ってきたのは広告人の努力が足りなかったからだ」とでもいいたいのだろうか。「恥じるべき」とか言っている時点で自意識過剰というか、正直、おこがましい。としか思えない。広告にはそんなパワーはない。少なくともいまの広告業界の現場レベルの世代は、そんな時代を知らない。もし仮に広告にそんなパワーがあるのであれば、それを成し遂げた広告というのは、過去にいったいいくつあるのだろう?ピントがズレ過ぎているというか、「バブル世代の広告人って、こんなおこがましい感じ方するんだね」という感覚だ。別にそれが悪いとは思わない。そういう時代だったのだろう。
そりゃーあんたたちの世代はそう思うよねー、だって市場全体が成長期で、かつ人口動態的にも消費市場は増え続けていたわけで、イケイケドンドンで広告人がおもしろいアイディア考えてドカドカCM打てば、モノは売れて企業のファンは増えたもんねー、でもそれって市場が成長期だから売れてただけで、「俺たちはおもしろいアイディアでクライアントの本当のファンを作っている!」と壮大な勘違いしてただけじゃないの?とか思ってしまう。それはきっとあなた方の”すばらしいアイディアの広告”の力ではない。それは当時日本企業が作っていたプロダクトの力と、時代の力だ。
そういう話じゃないんだよなー、と思うわけですよ。広告業界もバブル世代を終わりにして、そろろそ広告がどんな役割を果たせるのかきちんと考えたほうがいいと思う。