「感染症」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 感染症とは

2016-11-05

http://anond.hatelabo.jp/20161105175706

最近オタク被害妄想」って言えば何でも押し通せると思ってる頭の悪い人が増えてて

俺の知らないところで知能の低下する感染症でも流行ってるのではないかと疑ってしま

2016-10-20

http://anond.hatelabo.jp/20161020113700

さずがに釣りっすよね?全力で釣られました!

半年以上、ずっと部屋に閉じ込められて

妊婦は外出しちゃいけないの?つわり半年も続くの?感染症を恐れているの?それって自分自分の子ものためですよね。

毎日3kgのおもりを持って

冒頭の「半年以上」がかかっているとしたら、事実としておかしいですね。つーか「おもり」って。お前の子どもだろ。

お酒ダメカフェインダメ、甘いものダメ、肉とかくどいものは体が受け付けない。

たいへんですね。自分の子どもために我慢や体の変調おつかれさまです。

そんな状態で、久々に気兼ねなく友達と沢山話が出来る機会に出てきてみれば叩かれる。

いやいやいやwwwたかれてない。妊婦たかれてないwwたたかれてるの元増田www

あなたはこの人になれるの?

何が言いたいか意味不明

2016-10-06

http://anond.hatelabo.jp/20161006121119

食品衛生法とその管理運営基準に関する条例では

料理を作る厨房食品を加工する場所での動物の出入りや飼育禁止しています

なので、看板犬と言えども、厨房でエサをもらっていたりしたら、その店は法的にアウトです。

なぜ、動物の出入りがダメなのかというと、人獣共通感染症と呼ばれる病気があって

そのうちのいくつかの病気は犬や猫に感染しても症状が出ないけれど、人間感染すると重症化するものがあるからです。

動物では症状がでないということは、見た目では分からないということです。

怖いですねぇ。

人間にも感染しているのに症状がでない怖い病気はいくつもあります

から他人のいる飲食店ではどんな病気うつされるか分かりません。

飲食店食事をすること自体とても危険ことなので、お母さまは正しいと思います

2016-09-23

「知らないから出来ないんですけど」と言ってはいけない日本社会24

http://news.livedoor.com/article/detail/12056580/

 国立病院機構長崎川棚医療センター長崎県川棚町)は23日、20代の看護師が誤って、糖尿病の80代女性本来投与すべき量の10倍のインスリンを投与し、女性が死亡する医療事故があったと発表した。

 同センターによると、女性感染症糖尿病のため8月8日に入院。31日午前0時半に大量のインスリンが投与され、同日午前9時ごろ心肺停止状態発見され、死亡が確認された。

 看護師は専用の注射器使用せず、投与前の複数人での確認も怠った上、女性血糖値を測らずに架空の数値を2回にわたりカルテ記載していた。看護師は「初めてやると知られたくなかった。1人でもできると思った」と話しているという。

 宮下光世院長は「大変遺憾で心からおわびする。調査を進め再発防止に努めたい」と話した。 

文系がやってるIT企業ならまだしも医療世界でもこれとかもうどうしようもねーわ。

馬鹿じゃねーの氏ね

失敗や無能は居てはならない存在していたら組織から追い出せじゃいつまで経っても社会全体が上手く回らねーんだよ。

自分たちで人を育てられる土壌ぐらい作っとけよ。

それとも何だ全部塾に丸投げか?

いっそ倫理観もその学習塾で教えてもらうか?

2016-09-22

死ぬ病気より死なない病気のほうが辛い

ザッカーバーグ現在存在する世界の全ての疫病撲滅に30億ドルを投ずると表明したようだ。

今世紀中に全ての病気治療、予防、コントロールすることが目標だという。

現代人の死因の多くを占める心臓病、がん、神経疾患、感染症などの研究を加速させるという。

これ自体は素晴らしいことだ。

しかし、上流階級育ちで健常者のザッカーバーグは気づいていない。

死ぬ病気は対して辛くないのだ。だってほっとけば死んで苦痛から解放されるのだから

死なない病気、例えばアトピー性皮膚炎。こっちのほうが数億倍辛い。

この病の中度~重度の患者は、常に痒みや痛みに襲われ日常生活が困難になる。

おまけに、皮膚の炎症により、肌が赤くなったり、乾燥したり、ぐちゃぐちゃ液が垂れ流しの醜い容姿になる。

この病気は不治の病であり、ほっといても死ねない病だ。死ぬには自殺しかない。

なのに国からは何の支援も得られない。健常者と同じ扱いをされる。

そして、健常者からアトピーは痒みを我慢できない甘えた精神のせいで完治しない病だと思われている。

健常者から無理解発言視線精神的に追い詰められ、二次被害である鬱や対人恐怖症を発症やすい。


以上のことから、より金をかけて研究すべきなのは死ぬ病気ではなく死なない病気だ。

そこんところを健常者の金持ち理解してくれるといいなと思ったニュースだった。

2016-08-24

http://anond.hatelabo.jp/20160823232626

ちょっと嫌な言い方になるけど、母上の身体使って新しい薬の副作用研究しているような面もあると思う

この薬なら副作用比較的軽いとか、白血球数減らす率が比較的低いとか(映画身に行けるってことは感染症に対してすごく神経質にならなくてもいい生活できるのかな と判断

女性ホルモン関係が癌でぐしゃぐしゃになって高血圧とか骨とか高脂血症リスク高い人にどう使っていくか とか

から、気に病むことはないと思う

しろ体張って後世の誰かのために良い治療法見つけるデータ提供してくれてる母上に感謝したい

そういう自分も、多分10年位前に誰かの身体使って「これは卵巣癌に聞く」「これは良くない」と見つけてくれていたか

5年前に抗がん剤治療しても今はほぼ健康でいられるのだし

2016-07-27

http://anond.hatelabo.jp/20160727185002

障碍児は生まれつきよりも、生まれた直後の事故病気でそうなっている可能性が高い。

http://anond.hatelabo.jp/20160727185134

何を根拠に言ってるんだろう

横だが、4〜5人ほど知ってる。

高熱出してからおかしなっちゃったっていうからウィルス性脳症なんだろう。

ちゅうか、元が産婆コピペ感染者みたいだが、生まれつきの障害でも、親の遺伝関係なく感染症とか様々な要因で発生するんだよ。

自分関係ない世界から安心したいって、まあありがちなネトウヨ差別意識だよな。

2016-06-29

頭が悪く品格も劣悪幼稚未熟な犯罪マン擁護なonasussu、huttka、Kitajgorodskijの糞コメントをご覧ください

http://anond.hatelabo.jp/20160627173600

onasussu 彼女クズなのは確かだけどここでどっちが悪いとか論じてどうすんの?とりあえずその彼女と話せよ、脅しを受けてることも含めて。ネットに書き込んで同情集めるし出来ない時点でお前が弱者なんだよ当事者間でやれよ

以下、差別区別境界ガバガバトンチンカンカスたち。こういうクズHIVエイズ蔓延させる。不治の病であるHIVエイズという重大な感染症患者には、社会的にきちんとした制御コントロール必要なんだよ。

それをしないか日本では、特に東京エイズが増え続けているんだよ。差別差別だと壊れたテープレコーダーのように繰り返すだけの無知馬鹿反省しろ

てんかん等発作を伴う病気のやつに自動車なんつう大虐殺凶器の運転を許すやつも同罪だ。

huttka 正直に言ったら差別されるようなこと誰も進んで言わないだろwむしろ心許してカミングアウトしたのに結果的差別されて可哀想ではある

Kitajgorodskij 増田行為彼女行為、個々に批判はしない。ただ一点「HIVキャリアはもう恋愛とかやめてくれよ」は撤回して反省しろ

2016-06-15

子供心臓病のこと

はじめに、このブログは、産まれたお子さんが心臓病と診断された親御さんに向けて書いている。同じような経験を知りたくて、少しでも安心材料がほしくて検索を繰り返したが、あまり見つからなかった。なので、自分経験が少しでも、誰かの参考や支えになるといいと思う。

子供は早産で、先天性の心疾患を持って産まれてきた。

「大動脈狭窄」といって、文字通り大動脈が狭い。そのため血液を送るたびに血管と心臓に圧がかかり、酷いと手術が必要になる。

まれたあとにわかったもので、最初は産まれ病院で様子を見ていたのだが、詳しく調べたほうがいいと循環器専門の病院を紹介されることになった。大きい病院で、日本でも有名な医師がいる病院だった。

七ヶ月になったある日、そこで受けたカテーテル検査で、検査最中心停止を起こした。

結果から言うと、今のところ術後の経過は良好で、子供は元気に育っている。もうすぐ二歳になる。

発達は少し遅いが、好奇心旺盛で、乗り物が大好き。よく笑い、よく食べ、自分なりに一生懸命しゃべっている。最近はイヤイヤ期なのか、自己主張も激しくなってきた。

話を戻そう。心停止を起こした数日後に血管の緊急手術、肺の状態が落ち着かずさらに数日間、胸を開いた状態集中治療室(ICU)に入っていた。狭くなった血管と、弁の形成が手術内容だった。その間、人工心肺と輸血で命をつないだ。執刀してくださった医師、輸血をしてくださった全国の皆さんには、感謝してもしきれない。この場で心から御礼申し上げる。

集中治療室を出てからは、小児集中治療室(PICU)にうつった。人工呼吸と麻酔眠る日が続いたが、徐々に麻酔を減らし、意識が戻った。うっすらと目を開けて、か細い声をあげる子を見て、涙が出た。生きている。生きるために、がんばって生きている。

幸い、術前に説明されていた感染症などはまったくなかった。人工呼吸から酸素管理にきりかえ、すぐにPICUを出たあと、一般病棟うつる。そこからは一週間の入院で、早かった。

検査だけのはずだった入院から、ひと月ほどたっていた。退院後は在宅の呼吸管理必要なく、入浴や生活制限もなかった。

ただ、寝ていた日が長かったせいか、完全にすわっていた首は新生児のようにぐにゃぐにゃになっていた。それもひと月ほどで元に戻ったが、毎日注意して過ごした。

大きな手術を乗り越えて、麻酔で眠っていた時間も長かったので、発達や今後の病状に不安があるのは今でも変わらない。それでも、生きているだけで奇跡のようなものだと思っている。

長くなったが、親御さんには、たとえカテーテル検査であっても病院医師選びをしっかりなさってほしい。うちの子検査中に心停止を起こしたから助かったのだ。紹介してもらった病院も大きい病院で、運がよかったのだ。

一人でも多くの子が、病に負けずに元気になるように。一人でも多くの親御さんが、お子さんと穏やかな日を過ごせるように。それを願って毎日子供と過ごしている。

2016-06-12

[]12:増田展望

 北の増田家(一)が謀略によってあっさり滅亡したことで増田家(四)は周囲から孤立した。

 さいわい増田家(八)が増田家(五)との戦いに集中していることは、いろいろな情報源から明らかになっている。

控えめにみつもっても二倍の国力差を埋めるべく、増田家は用意周到に戦いの準備を整えた。

 増田家(三)も戦の準備を着々と整え、戦う前に勝負は決まっている状態を作って南下をはじめた。

 なお、増田家(五)を増田家(八)と折半する戦略は、増田家(五)が好意的な態度を示していたこから否決された。

増田家(四)を併合して増田家(三)が圧倒的な存在になれば、増田家(五)は戦うまでもなく屈するはずだった。

 せいぜい、敵に滅ぼされない程度に耐えてくれていればよい。

 総兵力六万を号する増田軍は自慢の鯖街道を伝って一路、南進。国境を越えた増河のほとりで、

乾坤一擲迎撃作戦に出てきた増田軍二万五千と遭遇した。

背水の陣か……」

 増田家(三)の当主は遠眼鏡で敵陣を観察した。

 敵軍は増河が馬蹄形に屈曲した部分の内側に立てこもっており、カーブする上流と下流が約1kmまで最接近した部分に戦列を連ねていた。

 側面から攻撃は難しく、まずは正面から攻撃するしかない。その点では利に適っている。

 だが、すいすい背水の陣危険な戦法だ。兵は死力を尽くして戦うかもしれないが、負ければ河に退路を塞がれて壊滅は免れない。

この一戦に負ければ後がないとの増田家(四)の覚悟が伝わってくる。

 当主は足止め部隊を残して敵軍を無視して先に進む妄想をもてあそんだが、

ここは海岸へ向かう重要な渡河点の近くであり、足止め部隊が負ければ、背水の陣になるのは自分たちの方だ。

 敵がゲリラ戦に走らず、雁首そろえて出てきてくれたことを幸いとして、叩き潰すにしくはない。

 増田軍六万は敵軍の前に堂々と展開した。

 右翼には裏切りによって味方についた旧増田家(二)一門を中核とする増田勢、

中央にはもっとも頼りになる譜代勢、そして左翼には本領国人衆と北の傭兵軍団。

前衛には降伏直後で信用されていない旧増田(一)勢が配置された。

 秘蔵のカラトラヴァ騎士団は全軍の後方に配置され、名にしおう増田騎馬軍団の出現と、両翼部隊の万が一の裏切りに備えている。

戦闘正面が狭い問題をのぞけば万全の布陣だった。

それも旧増田(一)勢を使いつぶしにして波状攻撃しかけることで最終的には数の優位を活かせる算段だ。

 増田家(士)が増田家(十)攻めに使ったのと同類の戦法である

 一方、増田軍は二倍以上の敵を前にして多くの兵士脱糞を済ませていた。

おかげで、はらわた刃物にえぐられても感染症死ぬ可能性が低下した。大量のうんこも背水に排水できた。

 増河は赤く染まる前に茶色く染まった。

 下っ端には到底勝てると思えない状況なのだが、当主は泰然自若としていた。

それがブラフなのか、本当に秘策があるのかは、火蓋を切るまでわからない。

 戦いを先にしかけたのは劣勢の増田軍であった。すべての敵を視界におさめておきたい事情は彼らも同じだった。

激しく銅鑼をうちならし、一部の兵が増田前衛に突っ込んでくる。

昨日までの敵にむりやり戦わされている前衛部隊はそれでも勇敢な兵士たちであり、敵の攻撃を真っ向から受け止めた。

 しばしもみ合い両者が離れた時には、大地は両軍の血で汚されていた。

「追えーっ!」

 前衛部隊から誰かの声があがり先制攻撃しかけて来た敵を追う。釣られて六万にのぼる増田軍全体が動き出した。

 迎え撃つは増田軍の歩兵戦列。堅固に隊列をくみ、長柄の先をそろえた彼らは肝を据えて、馬蹄形陣地の栓になった。

なにせ背水の陣なのだ

 増田軍の第一波はおしかえされ、前衛指揮官は冷や汗を流しながら、まずは弓と投石で敵を崩そうとする。

飛道具で狙われた長柄兵は置き楯の後ろに隠れ、増田軍(四)の弓兵が応射する。

味方の支援の下に増田前衛突撃すると、矢の雨が止んだ一瞬をついて、長柄兵が再配置され敵を押し返す。

 その繰り返しは増田家(三)当主を苛立たせたが、確実に敵の体力を削っていった。

「両翼からも弓兵を寄騎にまわしてやれ!」

 噂の手銃がたくさんあれば……と当主は唇を噛んだ。

 いよいよ損耗が深刻になってきた増田軍の第一線は大量の矢を浴びながらやっと後退する。

だが、後退は交代であり、すぐ後ろには第二線の歩兵が穂先を連ねていた。

 しかも、第一線と二線の間には浅い溝が掘られていて、いきおいをえて突撃した増田前衛は転んだところを刺されて大損害を被った。

「下がらせよ」

 不機嫌そうに当主は言い捨て、こちらも前線にたつ部隊を変更させる。

両翼と中央から抽出させた精鋭部隊だ。さらに両翼の部隊には一部に増河をわたらせて敵の側面や背後に出るように命じた。

 直接攻撃するにはもう一度、河を渡らなければならないので実害を与えるのは難しいが、心理的に与える影響は大きい。

裏目に出て背水の陣意識を強めてしま可能性も含めて……。

もっと増田軍は敵の迂回を歓迎していないらしく、渡河部隊は岸にたどり着く直前に伏兵攻撃を受けた。

増田騎馬軍団だ!」

 増田軍の中から悲鳴があがる。川岸に展開した増田軍の騎兵は水中で身動きの取りにくい敵を、馬上から次々としとめて行った。

同じ騎兵相手をしようとしても武具が水を吸っていて分が悪い。何よりも渡河中で相互支援ができなかった。

 おかげで両翼での戦いも思うようには進展しない。

「ワタシたちが出ましょうか?」

 カラトラヴァ騎士団グランドマスダー、アトビーノは増田騎馬軍団の出現を受けて、当主に進言した。

「……しばし待て」

 増田騎馬軍団に河を渡ってくる力がなく、迎撃に専念するなら、突破力のあるカラトラヴァ騎士団中央での決め手として使いたい。

両翼にはせいぜい騎馬軍団を引きつけてもらおう。

 増田家の当主はそんな判断で両翼の渡河作戦を続行させたのだけど、それをみた増田家の当主わずかな焦りをみせた。

「やむをえぬ……我が自ら出るぞ。馬廻衆は続けぇ!!」

 彼は第二線の直後まで本陣を進めて、盛んに督戦した。

大将首だ!」

ヒャッハー!!」

恩賞は思いのママぞ~」

 著名なションベンタレ(魚類、別名タカノハダイ)の前立てを目撃した増田兵が戦場中央殺到する。

その先から屈強な怖いお兄さんたちに追い散らされても次々と新手が押し寄せてくる。

 血と泥と汗の渦、その中心に増田がいた。先に脱糞していなければ、脱糞していたかもしれない。

激闘は数刻の長さに感じられたが、実際には太陽ほとんど動いていなかった。

「御館様!これ以上は!!」

 敵を刺して折れた槍を捨て、太刀を抜いて馬廻りが叫んだ。

同士討ちの危険無視して弓矢が当主の近くまでびゅんびゅん飛んでくる。

「おのれ!ここまでか!?

 増田軍は第三線への切り替えをめざし、二度目の後退をはじめた。

「もらった!つっこめぇーーッ!!」

 敵が下がるのを知った増田当主中央譜代衆に命令をくだした。

最大の手柄は自分たちが収める。複数地域支配する家ならではの狡猾さが現れていた。

 下がる増田軍は一気に圧力を増やされ、今度は思ったところで踏みとどまれなかった。

後ろは河なのにずるずると下がり続けてしまう。それをみて、敵は嵩にかかって攻め立ててくる。

 もはや増田軍は風前の灯火。ついに殿をつづける当主を見捨てて、武具も脱ぎ捨て河を泳ぎ渡る兵士が出没しはじめた。

忠誠心の期待できない増田家(六)出身兵の行動だったが、動揺は増田軍全体に広がっていく。

「もうだめだぁ」

「お助けを」

 武器を捨てるもの、敵の慈悲にすがるもの戦意を失ったものパラパラと現れる。

「御館様、ここはお下がりください」

「敵の勢いが激しすぎます

 近侍の諫めに対して、増田当主正反対の行動で応えた。

「ここで生きながらえて意味があろうか。死中に活を得ん!」

 最前線に躍り出て、鞘を抜き放つと、太刀を陽の光にかざして叫ぶ。

「我こそは増田鎮北将軍なり!討って手柄とせよ!!」

 戦場が一瞬、鎮まり――どよめき立った。

「鎮北将軍だとぉ……!?

 敵の名乗りを聞いた増田当主は顔を歪めた。

鎮北将軍といえば、かつて増田家(六)の血筋東北支配に任じられた極めて高位の官職であり、

その権力増田家(三)の現支配領域全体におよんだ。

 増田家(六)の血筋を奪ったことで無理矢理名乗っているのであろうが、当主にとっては非常に不快である

頭の一部では挑発理解しつつも、兵をけしかけてしまう。

「あの僭称者の希望通りにせよ!首をとった者には一城、いや一国を授けるぞ!」

「「おおっ!!」」

 目前に高価な肉をぶら下げられて六万人が一人の殺害に心を合わせた。

まさに殺到が起こり、圧死者が敵味方に発生する。もはや人の津波である。汗の蒸気が霧になり、戦場を覆った。

ちょっと言い過ぎたか……?)

 自称鎮北将軍は鎧の中で冷や汗をかいた。

ちなみに戦場の喧噪の中で鎮北将軍は、ちんぽこ将軍と聞こえた。

 もはや六万人の大半が馬蹄型の内部に入り込み、隊列の入れ替えも難しい状況だった。

目端の利く指揮官は川沿いを走らせることで、敵の側面攻撃を狙った。

彼らが最初被害者になった。

 太鼓の乱打音を受けて対岸に配置されていた増田軍(四)投石機部隊偽装撤去、全力射撃を始めたのだ。

「せーの!」

 数十人が力をあわせて綱を引き下げると、腕木が旋回し、反対側にくくられた飛礫が高速で飛翔していく。

敵だらけなので狙いを付ける必要もない。ただ発射速度を優先して撃ちまくる。

綱を引くだけなら戦闘訓練なしの人材でも行える点も便利だった。

 増田軍は決戦のために領内の投石機をかき集めていた。新造もおこない三十メートルに一基の密度で砲台を築いている。

さらに吊り井楼まで投入され、一挙に高所にあがった精鋭弓兵が対岸の的を射まくった。

 増田兵が吹き飛び、苦悶の声をあげて倒れ、死体が折り重なっていく。射撃から逃れる遮蔽物といえば、その死体しかない。

 増河屈曲部は地獄絵図と化した。

バカ!?野戦あんものを準備できるはずが……ッ」

 増田家(三)の当主絶句する。ただ配置するだけではなく、偽装完璧とは信じられない。

最近の設置であれば動きを察知できたはずだ。自分たちの進撃路は完全に読まれていたと言うのか。

「やつは海から一日行程以上離れない。そして、ここの先には有名な漁港がある……」

 賭けに勝った増田家(四)当主はひとりごちた。長年にわたる地道な諜報活動のたまものであった。

東北で勝ち抜いたのが、以前から国境を接している増田であることが幸いした。

他の二家であれば、ここまでの情報は集められなかったはずだ。

 射程三百メートルを超える投石機の猛射撃によって増田軍はやむなく馬蹄型空間の中心に集められていった。

当初はひとりあたり六平方メートルあった空間が一平方メートルになってしまい、

武具や馬の存在を考えれば満足に体の向きを変えることさえできない。

本陣だけは馬廻りのスクラム空間が確保されていたが、押しつぶされるのも時間問題に思われた。

「ワレラが退路を切り開きもうす」

 アトビーグランドマスダーが当主に告げた。

「よし、いけ!」

 カラトラヴァ騎士団蝟集する味方を吹き飛ばして後方へ走った。

だが、そこには敵の視界外から長駆して進出してきた騎馬軍団が展開を終えていた。

本当の増田騎馬軍団だ。両翼に伏せていたのは増田軍(四)の騎兵にすぎない。内通者によって、その誤認は導かれていた。

 彼らは重騎兵との正面衝突をさけ、騎射でもっぱら馬を狙った。

卑怯者ガ!!」

「ふんっ、武士畜生と言われようが勝つことにござる」

 増田典厩は騎士の主張を鼻で笑う。彼らは戦場からの脱出を試みる敵をことごとく網に掛けていった。

 そうこうしている間にも増田軍本隊は末期状態に陥っており、三国出身者が混在しているせいで同士討ちさえ起こっていた。

「まて、拙者は増田軍だ」

「どの増田軍だ」

「味方だ」

「俺がどの軍か分かるのか」

増田軍だ!」

 もはやグダグダである。一部の兵士にいたっては自分空間を確保するためにあえて味方を殺傷していた。

「降れ!降れ!」

勝負はもう着いた」

 もっともな勧告が正面から聞こえてきて、傷つき疲れ果て恐怖のあまり脱糞した増田軍はついに武器放棄した。劇的な逆転であった。

 カラトラヴァ騎士団のみが何とか組織を維持して戦場離脱する。

 増田家(三)の当主三国の太守から一転、毎年サバ一年分の捨て扶持を与えられる身になった。

「おのれ!我が青ザリガニ大事に育てていることがバレるとは!!」

 ……そんなことは誰も知らなかった。

前回

http://anond.hatelabo.jp/20160611095343

次回

http://anond.hatelabo.jp/20160613121912

2016-05-25

http://anond.hatelabo.jp/20160524144116

なにが言いたいのかわからない

「会見に来たフランス宿泊業界団体代表規制に胡坐かいて質の低いサービス提供してただけの

 自由競争普通に淘汰されようとしてるだけの自業自得さん」

てこと?

小粋な文体にするまえに要点をわかりやすくしてくれ

ちゃう

民泊の不都合な真実とかって題名フランスから来た業界団体の話が出てるけど、

はてブのコメント違法ホテル(闇ホテルってネーミングはエエな)前提の人が多いから書いたんやで

最初からあの会見理解できた人には不要やで

要点は「あのフランス人が言ってたんを理解するには、日本フランスでは前提が違うっちゅうのをおさえとき」やで。

日本の「民泊」で要点書くの難しいんやで。

なぜなら報道がゴチャマゼだからや。

流石に消防庁あたりはクリア検討してるけど、それも防火とかの観点で整理できるからやで。

フランスのオッサン無視して、「オレの考える要点」は、4つあるで。

  1. ホテル業界への圧迫
  2. 防災公安上の問題
  3. オリンピック特需(&今後の観光需要
  4. いまある「規制緩和民宿」との整合性

ホテル業界への圧迫

これは、前のエントリで書いたけど、もっと要点絞るで。

ワイのとっ散らかった文章から要素を拾ってくれた手腕に期待して細かく言うと

  1. ツーリストホテルビジネスホテルに、いまは明確な区分けはない
  2. ツーリストホテルを探す人(旅行者需要)のうち、相当数がシェアリングエコノミーに流れる
  3. ハンパな立ち位置ホテル廃業する

フランスの流れはコレ。

日本だと、前提となる「違法ホテルを潰す」部分でモタモタしてる。罰金もとらんしな。(だからより悪いわけやが)

家賃が高くなるとかってのは、元々宿代も賃貸代もAirbnb無関係に上昇傾向だったってのは押さえとくべきやな。

防災公安上の問題

防災はほぼ火災対策

オレが言うより消防庁資料見ると一発なんやが、

http://www.mlit.go.jp/common/001111881.pdf

日本災害が多いので、すでにして民家やマンション結構ガチガチ規制がかかってる。

なので、「息子の出てった部屋を旅行者に貸すで」なら、消防設備は基本不要

マンションも、現状で結構しっかりしてるから不要ですわ、みたいな見解

たぶんこれからポイントは2つで

(例えば、日本人は寝タバコすると死ぬってしっかり刷り込まれてるが、外国の人はどうだ?)

実は築浅のマンションは、かなり安全なんやで。

公安テロ及び感染症の追跡

外国行くと、入国審査で何しにどこ行くか聞かれて、ホテル泊まる時パスポート見せるやろ。

旅行者ガッチリ追跡が、基本やで。

これが違法ホテルに潜伏されると追跡できなくて困る。

シェアリングエコノミーでも宿帳おけやってのは、コレの話やな。

ホテル通報逮捕とか多いやろ。それをどこまで民泊に求めるか、やな。

オリンピック特需(&今後の観光需要

モメる筆頭がコレなんやが、だいたいこんな感じ。

コレおっそろしいことに、基本増やす方向で話進んでる。

防災OKで、追跡OKだと、周辺に説明会とか無くてもゴーになりかねないのよね。

課税周りとかちゃんとしといたほうが良いと思うんだけどなあ)

いまある「規制緩和民宿」との整合性

アグリツーリズモとかグリーンツーリズムとか聞かへんか

ざっくり農業体験型民宿なんやが、これ規制緩いんやわ。(農林漁業体験民宿業)

それと賃貸の変形版な。一週間以上貸すタイプ

あと、法律で網かける時に問題になるのが、花火大会とかの一時的民宿扱いな。

反復継続して業としてやらんときは、自宅提供現行法上OKなんやで。

この辺とのまあ、棲み分けやな。

特に農林漁業体験民宿は、Airbnbに何年も先行してんのに、あん流行ってないしなぁ……

何が言いたいかというと

フランスからきた代表者は、まあ、恨み言主体だが、エエコトは言っとる。聞くべきや。

ただ、ジブンらはナンモ変えんと、生き残りたい!言うんは、ちとムシがエエとは思う。

日本場合は、違法ホテルオリンピック特需合法化するんは、ヤメるべきや。

防災公安、衛生、全部ワヤクチャなるからな。法律があっても違反取り締まれからや。

シェアリングエコノミーは、既存農業体験とかと上手いこと融合させる方向にいかんかな、と。

ずっと家に居る定年後のオッサンオバハンが、部屋を貧乏学生旅行者に貸すのは、エエことやと思うからや。

まあ、一番言いたいのは「投資目的違法ホテル開業したいヤツ」を潰して、

シェアリングエコノミーで、観光需要を満たす」方向に行って欲しいってコトや。

シェア全面押しで、実態違法ホテルってのが一番マズイが、分けて理解してないとミソもクソも一緒になるからな)

蛇足

増田に書いたのは久々やから、指摘はもっともだと思ったで

遅なったし読んでくれるか判らんが、サンキュー

2016-05-15

認知症の人に限ってうんこを弄ったり風呂に入らなかったり歯を磨かなくても感染症にかかって死んだりしないの

文字通りの生存バイアス感ある

2016-05-01

厚生労働省Twitterアカウント@MHLWitterが良い

熊本地震に関連して、感染症予防のための情報や、エコノミークラス症候群の予防についての情報を短く分かりやすツイートしていて参考になる。

あとアカウント名がなんかかわいい

MHLW (Ministry of Health, Labour and Welfare:厚生労働省) + Twitter ってことなんだろう。

私は「えむえっちえるうぃったー」と呼んでいる。

http://anond.hatelabo.jp/20160501004236

吐き気の原因は生理の可能性がありませんか?

まり吐き気がひどいようでしたら、婦人科おすすめします。

内科では分からないと思いますし、内科感染症などの患者も多いので病院感染してしまリスクがあります

女医さんのいる婦人科ネットで調べていくといいですよ。

大事に。

2016-04-24

結婚後悔論

やっぱりさ、結婚なんてするもんじゃねえよ。

まれも育ちも風習も違う人間死ぬまで毎日一緒にいる生活を送るなんてーのは俺には無理なんだよ。

良かった事と言ったら親族縁者に家庭をもてるだけの男になったか安心させられたことくらい。

果たして俺の人生はその縁者関係を満足させるために使い果す事になってしまったのか、

それとも自分勝手自由気ままに生きていた方が人生謳歌できたんじゃないかと今更後戻りできないながらに考えるよ。

そもそも俺の場合は生まれて初めて付き合った彼女喧嘩もしないまま3ヶ月で結婚してしまったもんだから

お互いの意見をすり合わせるとか、お互いが実際にはどんな人間なのかとか、どこまで遠慮しているのかわかんないまま結婚したのが大失敗。

結婚してから半年女房妊娠して男の子が生まれたんだけど、やはり育児方針全然違いすぎる。

そもそも男3人兄弟の真ん中の俺と母子家庭の一人娘じゃ境遇が違いすぎる。痛感する。

ちょっとぐらい変なとこ舐めたり外に出て遊んだりしてもそうそう悪くはならねえよと考えている俺と、

時間通りにミルクをあげてちょっと床を触ったらすぐに除菌シートで手をふいたりしてるくらい神経質な女房とではそら毎日もめるわな。

それがお互いが「自分の行動は子どものためを思っているんだ」っていう正義感をふりかざすからたちが悪い。

でもさあ、ちょっと過剰じゃないの?

7ヶ月目にもなるのに動物園に連れて行きたいと言ったら感染症が怖いと言い、

祖父急逝して俺の実家に連れ帰ったら兄夫婦が咳をしていたもんだから子ども風邪感染ったと言い、

ショッピングモールベビーベッドは他の子がどんな使い方してるかわからないから不潔だと言い、

それお前どんだけ世間のことを信用してないのよ?いくら赤ちゃんとは言え過保護すぎやしないかい

そもそもミルク母乳なんだし、母乳飲んでる間は風邪をひきにくいと言われているこのタイミングを逃していつお出かけに行くのさ。

育児家事が大変なのはわかるよ。だから俺も休みの日は積極的散歩に連れてったり料理作ったり重いもの運んだりしてるじゃない。

それなのに「育児24時間休みなしでやってる」「育児を甘く見すぎてるんじゃない?」って言われた日にはさ。

俺も育児以外の時間会社仕事をしているよ、わかっておくれよ。ここんとこ土日はどこにも行けず3人で食料品買出しに行っておしまいじゃない。非効率な。

そこまで言うならせめて最低限の家事はしてくれよ。

葬式で使ったスーツを平日の昼間にクリーニングに出せないかと頼んだら「子どもをだっこしながらスーツは重くて持てない」と言い、

じゃあせっかく買ったベビーカーを使ったらと聞いたら「この辺は車通りが激しくて怖くて無理」と言い、

それなら日中何しているのと聞けば「子どもが膝の上で3時間寝てしまって動けなかった」と言い、

起きてたら起きてたで寝返りうつから家事ができないってそれせっかくエルゴ買ったんだからおんぶしたらええやんけ!

そしたらおんぶは怖くてできないってなんだよそれ!

そしたら他の家のお母さんはどうやってるんでしょうね!みんなウチと同じかな!

でもこの辺でお母さん一人で赤ちゃんだっこしながら買い物してる人見るけどね!

それに休日俺が料理するのもさ、ぶっちゃけ君は料理するとき味見をしないからご飯がおいしくない事が多いんだ。

俺も早く結婚したいと言っていたクチではあるが、

やはり自分相手の本性を受け容れられる人同士が結ばれるべきであって、

俺みたいに人と衝突するのが怖いからって言ってケンカもろくに出来ない奴は結婚する資格が無いよ。

それが無理なら俺みたいに残りの人生妥協するしかないな。

だが果たして俺の本性をさらけ出しても尚付き合ってくれる友人は果たして今まで何人いたかな?

2016-04-18

生理無知警察過激派の皆さん

生理が大変であること、避難所生理用品が無ければ感染症も起こしかねないこと、そういうことの啓蒙って確かに大事ですよ。

でもさー! 「こんなことも知らない男は本当に駄目だな!日本人男性は終わってる!」みたいな人、なんなの?

ちゃんと理解しようとしてくれる人までまとめて殴るなよ。わかろうとしてくれてるじゃん、終わってないじゃん。

「女の大変さを知らないなんて!」VS「男だって大変なんだ!」じゃなくて、

双方ともに「人体」に詳しくなればいいんじゃね? って思う。対決する必要ないでしょ。

「お互い大変ですね」って理解すればいいだけの話でしょ。

男の人だって自分意思とは関係なく、しか苦痛と共に精液がオッパッピーしたらしんどそうじゃん。

いや実際に男の人がそれを不快に思うのかどうかは知らんけどさー。

みたいなところも含め、知らんから、知ったらいいんじゃない

しんどい側も、あんまり「気遣え! 尽くせ! 無知は罪だ!」っていう勢いになりすぎず、普通に教えたらいいよ。

受け取る側もただ「知ってほしい」って言ってる人に対しては「気遣えというのか!?」って怒らないでほしいよ。

「こういう感じで大変なんですよ」「そうなんだー」って感じだったらいいなと思う。

確かに「どうせ生理って○○なんだろ、甘えすぎw」みたいな、無知暴言コンボは腹が立ちますよ。

それを咎められても「知らなかったんだから仕方ないだろ」って無知を盾に暴言正当化する人は嫌ですよ。

でも、ただ知らないだけの人を罵るのはやめましょうよ。機会がないと知れないのは仕方ない。

腹が立ったからって「男性」をまとめて殴るのはやめてほしいです。マジで

私も自分理解しようとしてる事について「こんなこともわからないなんて、これだから女は」って言われたら腹が立つと思う。

生理無知警察過激派の人、普段は色んな差別に怒ってる人も多い気がする。それは悪いことじゃないですよ。

そんな人たちが男性に対して差別をしないで。マジでマジで。お願いしますよ!

2016-04-13

オリンピック前後に新型の感染症で混乱するのはわかるけど

既存感染症で混乱しそうなオリンピックはよく分からない

東京

2016-04-10

http://anond.hatelabo.jp/20160410030734

飲尿健康法とかあるよね。

感染症はやはり危険らしいけど、死は人間が避けて通れないものだし遅いか早いかの違いでしかない。

勇気を出してどうぞ。

2016-03-22

HPVワクチン副反応について。

この前のノックアウトマウス遺伝子型の研究について、Twitterはてな等でボコボコに叩かれていたが、ああいうのは専門医でなくても「おかしい」と強く言えるものなんだろうか?

自己免疫疾患について詳しいであろうリウマチ専門医とか膠原病科の医師意見をまず聞いてみたいのだが、例の研究ボコボコに叩いている人たちは内科医とか産婦人科医とか精神科医とか小児科医とか、あるいは感染症に詳しい医師だったりで、自己免疫疾患を専門としているような医師意見が見当たらない。

自分が見落としているだけだろうか(自己免疫疾患を専門領域としている医師自体少ないだろうし)。

個人的経験から、「医師自分の専門外の分野については表面的な理解しかしていない」という偏見のようなものがあるので、あまり専門外の人たちが強い態度でワクチン副反応について否定的に論じているのを見ると、どこまで信じていいものか迷ってしまう。

2016-03-19

HPVワクチン副反応に関する3/16の発表に関して

初めに

HPVワクチン脳障害が!というニュース話題を集めている。

マスコミ各社で大体の論調は同じだが、最もブクマ数が多そうなのは以下の記事である

子宮頸がんワクチン副反応「脳に障害」 国研究班発表 (TBSJNN)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160317-00000008-jnn-soci

まず言っておくとすれば、マスコミ記事は強くミスリードを誘うものであるという点だ。

詳しくは後述するが、元の資料では「脳に障害」が起こったとは書かれておらず、またそれがワクチン副反応であるという根拠も書かれていない。

記事大本である資料厚労省の以下のページから入手できる。

ヒトパピローマウイルス感染症予防接種後に生じた症状に関する厚生労働科学研究事業成果発表会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000116636.html

子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立情報提供についての研究 池田修一氏 発表資料PDF23,903KB)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000116634.pdf

以下ではこの資料を元に今回の発表の内容について解説していく。

なお、特に注釈がない場合HPVワクチンという単語サーバリックスガーダシルの双方を指すものとして扱う。

池田氏らの発表について

資料は3部分に分割できる。

 (1) HPVワクチン副反応"疑い"の症例についての報告

 (2) 患者のHLA型調査

 (3) マウスを用いた実験

(1) HPVワクチン副反応"疑い"の症例についての報告

信州大学受診した123名の患者の中からHPVワクチン副反応否定できない98例についてその症状を詳しく見て報告した、というものである

主な病態としては、末梢性交感神経障害(起立性調節障害{OH、POTS}、複合性局所疼痛症候群{CRPS})、

高次脳機能障害(学習障害、過睡眠、奇異な麻痺)、自己免疫疾患の併発(RA、SLE他)が挙げられている。

なお、自己免疫疾患の併発については根拠が弱く、資料中でも疑問符付きで述べられていたことを付け加えておく。

また、HPVワクチン副反応否定された(他疾患と判断された)25例についても、

一部の疾患(てんかん、SLE、若年性関節リウマチ)はHPVワクチンに関連しているかもしれないと仄めかしている。

個々の患者データ自体は、それが副反応で有るにせよ無いにせよ有用ものであり、患者の救済・治療観点から重要である

しかしながら問題点もあり、その最たるものが「副反応否定できない」が途中で根拠なく「副反応」にすり替わっていることであろう。

この研究はControl(非接種群)と比較をおこなっておらず、各症状が接種者に特有なのか、接種者で発症頻度が高いのか等は分からないのにも関わらずだ。

さらに、他疾患との関連については、論文(*1)を引用してHPVワクチンでは自己免疫疾患や横断性脊髄炎の発生リスクがあると述べているが、

その論文では「他のワクチンと比べて発症頻度は高くない」と結論付けられているため、誤読意図的ミスリードが疑われる。

(2) 患者のHLA型調査

症例報告で自己免疫疾患の併発が示唆されたことに関連付けてなのか、患者のHLA型鹿児島大と信州大で調査したという内容である

その結果、HLA-DPB1*0501の頻度が一般的日本人の頻度より高かったと述べられている。

鹿児島大のデータ(n=19)ではDPB1*0501の頻度(恐らく保有率)が84%、

これに2名を追加したデータ(n=21)では保有率が85.7%、遺伝子頻度が57.1%であった。

Controlの遺伝子頻度は40.7%であり、患者側で有意に高かったようだ(P<0.001)。

信州大のデータ(n=14)では、DPB1*0501の保有率が71%遺伝子頻度が46%であった。

Controlの遺伝子頻度は38.4%で、記述がないことから、恐らく有意差は無かったと思われる。

上記で保有率遺伝子頻度を強調表示したが、それはこの2つが混同して語られているからだ。

ごく単純に説明すると、保有率の方はヘテロ接合でもホモ接合でも保有者1名として(つまり個体単位で)計算するが、

遺伝子頻度は遺伝子プール内の対立遺伝子の頻度で計算するため、ヘテロ/ホモ接合の割合によって保有率と遺伝子頻度は異なる値を示すことになる。

鹿児島大のデータを例に出すと、患者21名のうちDPB1*0501のホモ接合が6名、ヘテロ接合が12名であり、

保有率は(6+12)/21=85.7%なのに対し、遺伝子頻度は(6×2+12×1)/42=57.1%となる。

マスコミ各社の記事で見られた「8割で同じ型を保有」というのは保有率のことであろうが、

それと比較している一般的日本人のHLA型遺伝子頻度で示されている。

したがって、異なる指標比較していることになり、これは印象操作以外にほとんど意味のない行為と言える。

遺伝子頻度で見れば、一般的日本人のDPB1*0501の頻度は38.4~40.7%で、患者群が46~57.1%となり、それほど高いようには思われない

(少なくとも、「普通は4割なのに患者は8割!超高いじゃん!」というマスコミ報道よりは)。

また、健康日本人(Control)のDPB1*0501遺伝子頻度が55% (*2) や64% (*3)の論文存在している。

一応、鹿児島大のデータでは患者側で有意に頻度が高いという結果(10遺伝子座も調べてる割に有意水準が少し高いように思われるのだが)

が得られたことから、DPB1*0501が副反応"疑い"の症状と関連している可能性は否定できない(実際にワクチン副反応かは別として)。

今後、より精確な調査が望まれる。

(3) マウスを用いた実験

この実験概要と結果は以下である

自己免疫疾患を生じ易いNF-κBp50欠損マウスに、インフルエンザワクチンB型肝炎ワクチンHPVワクチン(サーバリックス)、

PBS(Control)を注射した結果、サーバリックス接種群のみ海馬自己抗体の沈着が見られた。

また、(恐らく)サーバリックス接種群でのみ末梢神経に病変が見られた。

マスコミ(少なくともTBSの)記事で「脳に障害」とされたのはこの海馬への自己抗体の沈着である

しかし、あくまで沈着していただけであり、これによって脳に障害が起こったとは少なくとも資料中では全く述べられていない。

しかもこれはマウス実験であり、ただちにヒトの脳に適用できるものでもない。

TBS記事中では池田氏発言も示されているが、

 「子宮頸がんワクチンを打ったマウスだけ、脳の海馬記憶の中枢に異常な抗体が沈着。海馬記憶の中枢)の機能障害していそうだ」(国の研究班の代表 信州大学 池田修一医学部長) (太字・下線は引用者による)

の2行後には

 「明らかに脳に障害が起こっている。ワクチンを打った後、こういう脳障害を訴えている患者共通した客観的所見が提示できている」(国の研究班の代表 信州大学 池田修一医学部長) (太字・下線は引用者による)

と、推測から断定への鮮やかな飛躍が見られる。

これがマスコミ誘導切り貼りによるものか、御本人の認識なのかは不明だが、どちらにせよ不注意な発言であろう。

また、話の流れ的にも「少女たちに何が起きているのでしょうか。」からマウス実験の内容に飛ぶのはおかしくはないだろうか。

どちらかと言えば症例報告の話((1)の内容)につなげる方が自然に思えるのだが。

さらに、マウスに接種されたのはHPVワクチンのうちサーバリックスのみであり、もう一方のガーダシルは用いられていないのは疑問である

HPVワクチンを主眼に据えている以上、ガーダシル実験をしていないというのは考えにくいのだが、何か理由があるのだろうか。

総評

資料全体の批評としては、一言で表すと「言い過ぎ」である

個々の内容(症例報告、HLA型調査マウス実験)はいずれもまっとうなものであり、特に今回の症例報告は患者治療を進める上でとても有用であろう。

後二者も研究のとっかかりとしては十分な内容である

しかしながら、各症例HPVワクチン副反応である根拠なく断言し、HLA調査では「ワクチン副反応の予防法の確立」等、

マウス実験でも「神経障害機序の解明」等のHPVワクチンによる副反応自明とした表現が目立つ。

プレゼン資料で少し強めのことを言ってしまうというのはよくあることだが、それにしてもこれらは言い過ぎなように思われる。

薄弱な根拠HPVワクチンの害を喧伝することは、患者救済という観点から見ても決して適切な方法ではない。

願わくは、不用意な発言は避け、研究内容に相応の穏当な表現でもって語っていただきたいところである

最後

今回のニュースブクマでよく見かけたのが「WHO安全声明は間違っていたのか」「ワクチン擁護者はどんな言い訳をするのか」等のコメントである

ここまで読んでいただいた方なら分かっているとは思うが、池田氏の発表からは各症状がHPVワクチン副反応であるとは言えない。

それを言うには、ワクチン接種者と非接種者を比較して、各症状の頻度が接種者で高いことを明らかにする必要があるのだ。

WHO安全声明(*4,5)は、HPVワクチン接種者と非接種者では自己免疫疾患等の発症率に有意な差は無いという疫学的な調査の結果に基づいてなされている。

調査対象の疾患のなかに池田氏らの症例報告にもあるPOTSやCRPS等も含まれており、そのリスクも接種者と非接種者で差は無かった。

これらは日本国外での調査であるが、国内においても名古屋市の約3万人の調査(*6)では、接種の有無による疾患リスクの増加はほとんどないことが示されている。

また、池田氏の発表資料と同じページに載っている牛田氏の発表資料(*7)も必見である

その主な内容は、器質的な原因に由来しない疼痛への対応治療ケアに関するものであるが、

子供起立性調節障害や慢性疼痛といったHPVワクチン副作用として疑われている症状が、もともと一定の頻度で存在していたことも示唆している。

以上より、今回の池田氏らによる研究発表は、HPVワクチン安全性について既存評価を覆すものではないということがお分かりいただけたと思う。

この文章が、報道を聞いて不安になった方や情報齟齬で混乱している方の助けになれれば幸いである。

なお、批判的に扱ってはいるが、池田氏らの研究の内容自体は素晴らしいものである(特に症例報告)ことは重ねて申し上げておく。

もし間違いや事実誤認等の不備があれば指摘していただけるとありがたい。

追加情報

さて、この文を書き終えたところで、既にこのニュースについて言及したブログを見つけてしまった。

先鞭をつけることは叶わなかったわけである畜生

以下二つとも、有益情報が多々含まれているため、本増田よりこれらを読んだ方が良いかも知れない。

HPVワクチン 接種後体調変化の報道 と その周辺 2016年3月 (感染症診療原則)

http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/7279d93d6ce526b5ed61b40d8a7a01b8

HPVワクチン副反応?に対する報道(2016/3/16)についての物言い (simbelmynë :: diary)

http://simbelmyn.hatenablog.com/entry/2016/03/18/164401



参考文献

*1 Slade et al. (2009) Postlicensure safety surveillance for quadrivalent human papillomavirus recombinant vaccine. JAMA, 302, 750-757.

*2 Onuma et al. (1994) Association of HLA-DPB1*0501 with early-onset Graves' disease in Japanese. Hum. Immunol., 39, 195-201.

*3 Matsushita et al. (2009) Association of the HLA-DPB1*0501 allele with anti-aquaporin-4 antibody positivity in Japanese patients with idiopathic central nervous system demyelinating disorders. Tissue Antigens,73, 171-176.

*4 Global Advisory Committee on Vaccine Safety Statement on the continued safety of HPV vaccination (12 March 2014)

http://www.who.int/vaccine_safety/committee/topics/hpv/GACVS_Statement_HPV_12_Mar_2014.pdf

*5 Global Advisory Committee on Vaccine safety Statement on Safety of HPV vaccines (17 December 2015)

http://www.who.int/vaccine_safety/committee/GACVS_HPV_statement_17Dec2015.pdf

*6 名古屋市⼦宮頸がん予防接種調査 解析結果(速報)

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000073/73419/sokuhou.pdf

*7 慢性の痛み診療教育の基盤となるシステム構築に関する研究 牛田享宏氏 発表資料PDF:3,890KB)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000116635.pdf

2016-03-15

感染症持ちの猫を隔離しないのは立派な虐待行為

http://nekoyashiki.a-thera.jp

このブログ書いてるやつみたいに堂々と隔離ワクチンもしてません、みたいなことを平気で世界中に発信するような輩がいなくなることを祈りつつ。

数年前、ブリーダーから1匹の猫を譲ってもらった。

の子が寂しがりやで、私も仕事で家を空けがちだったので、お友達をと思いその1年後、もう1匹、今度は捨て猫をもらうことにした。

里親募集サイトで見つけたその子について、私は募集元の方に「エイズ白血病検査はされましたか?」と聞いた。

すると「猫風邪をひいていたので病院にかかっていた。いまは治って問題ない。ワクチンは1回打った」との返答がきた。

譲ってもらってから数日、2回目のワクチンを打ちに行った際、なんとなく引っかかって血液検査をしてもらった。

結果はFeLV陽性。目の前が真っ暗になった。

幸いケージに入れていて、まだ先住猫とは少し匂いを嗅ぎあった程度だった。

念のために先住猫も検査をして陰性を確認し、5種混合ワクチンを打ってもらい、そのまま隔離して飼うことを続けていた。

匂いを嗅ぎあったときの2匹はとても相性がよさそうだった。

ケージで新入りは夜な夜な哀しげに鳴いた。先住猫も気になって新入りの部屋の近くをうろうろ。

ネットで調べると、ワクチンをして隔離しないで問題なくやっているというようなことを知恵袋などに書いている人が何人かいた。

私はFeLVをナメた。先住猫に2回目のワクチンを打って1ヶ月、隔離をやめたのだ。

2匹は本当の兄妹のように仲良く暮らしていた。

しかし1年後、新入りが発症し、まもなく亡くなった。

先住猫は寂しがり、問題行動を起こすようになった。私も新入りがいなくなってとても寂しかった。

そのころ、かかりつけの獣医から「亡くなった子に似た生後2週間くらいの子保護されている。白血病エイズは陰性。見に来てみては?」との連絡があり、見に行って即決でその子を迎えることにした。

いままで飼ったどの子よりも元気いっぱいで、ご飯もよく食べ、風邪ひとつひかずにすくすく大きくなる3匹目。

先住猫はやや気圧され気味ながらもあたたかく迎えてくれた。

平和な時が1年半ほど流れた。

先住猫が急に痩せてご飯を食べなくなってきた。すぐに治るだろうと思い病院に連れて行った。

…FeLVによる重度の貧血。もう助からない。

嘘でしょ、と思った。

私のせいで元気だった子を病気にしてしまった。

すぐに3匹目も検査をしてもらった。

…陽性。これ以上最悪なことなんてあるだろうか。

気持ちを無理やり切り替えた。病気にしてしまったことはもう取り返しはつかない。

できることをできるかぎりするのが自分責任だと。

先住猫は苦しんで苦しんで、それでも1ヶ月近く頑張って亡くなっていった。

何度思い出してもつらい。なんであんな目に遭わせてしまったのだろう。

そしていま、3匹目がリンパ腫と闘っている。

赤ちゃんのうちに感染した分、覚悟はしていたものの早い発症だった。

毎日私のせいでごめんね、そう思いながらいっしょにいる。

猫白血病ウイルスは恐ろしいものです。

私のようにワクチンをしていても感染することだってあります

新しく猫を迎えるとき白血病エイズ検査をして、もし陽性であれば、かわいそうだと思っても完全隔離しなければいけません。

それが健康な子への責任です。猫は自分自分生活を選べません。

みんなで仲良くってさ、何もない健康な子からしたら何も知らずに殺されていくようなもんだ。

私のような愚かな飼い主がこれから増えないよう、そして不幸な死に目を辿る飼い猫が増えませんよう。心より糾弾します。

http://anond.hatelabo.jp/20160315170221

精神科に限らず、治すものじゃない薬は大量にある、というかそっちの方が多いくらいだと思うので、薬ってそういうものだというのは割と常識なのかもよ

飲めば完治して再発もないような薬って抗生剤とかくらいじゃない? というか、そういう治り方する病気で手術等せず済むのが感染症くらいな気がする

はいえ若くて大きな病気をしたことのない人が、病気や薬の常識を知らないのは仕方なくもある

まあ世の中のすべてを聞かれる前に説明しきるのは無理だし、何が大切な情報かは人によって異なるので、何でも図々しく聞いてみるのが良いよ

2016-03-11

アスペ

http://anond.hatelabo.jp/20160310211304

論理で言えば日本生命体じゃないので死にません。

感情で言えば「死ね」は我が事であるがゆえの親愛と憎悪罵倒です(思春期に「死ねソババア」と思ったことのないものけが石を投げなさい)。

こんな一般人なら普通に読み取れ読み飛ばす修辞(本筋はそこでないから)が、まるで自分に向けられているように感じてしま夜郎自大ぶりをせめて恥じればいいのに。出来ないからしょうがいね

本筋からは外れついでに言っとくと、「平和ボケ」とかわかりやすすぎなんだよ。

だいたい第2次世界大戦とかシリアとか「劇的な死」しか想定できず、もっと複雑で普通で長い時間がかかってめんどくさい老衰血圧孤立痴呆介護骨折床ずれ壊死感染症でまだ死ねないみたいな四苦を想像できないところも中学生レベルで残念。

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