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2022-01-24

男でHPワクチン自費接種してきた

こないだ計3回のワクチン接種を無事終了した。

HPVは定期接種化で最近話題になることも多いが、そもそも女性だけでなく男性でも陰茎がん、肛門がん、喉頭がんなどの予防などメリットのあるワクチンである

もっともとっくに成人した自分の年齢ではあまり恩恵は大きくないが、パートナーが受けるというのでいい機会だと思い、一緒に接種を受けることにした。


接種したワクチンの種類

接種したのは9価HPVワクチン。ただし2021年承認された<シルガード9>ではなく、海外使用されている<GARDASIL9>を接種した。

9価というのは予防できるウイルスの型の数であり、従来の2価<サーバリックス>、4価<ガーダシル>よりも当然多くの型を防げるほうがいい。

ではなぜ国内承認されている<シルガード9>ではなく、海外輸入品の<GARDASIL9>を選んだのかというと、その理由は以下である

・<シルガード9>は男性適用がない、つまり男性に接種し、何らかの副反応が生じた場合、国から補償が降りない。

しかし<GARDASIL9>は海外男性にも使用されているワクチンであるため、民間海外医薬品業者補償制度がある。

以上の説明をクリニックで受け、納得したので輸入品の<GARDASIL9>を接種することにした。

ちなみにはじめはパートナーと同じクリニックで受けようとしたら、男性対応していないと言われ、色々探し回って結局性感染症メンズクリニックに行き当たった。

女性でも定期接種を逃した人は東京まで来て接種するということがあるらしく、男性では更に打てる場所は限られると思われる。

接種の痛み

接種直後に強いズン、とした痛みがある。毎年打つ皮下注のインフルエンザワクチンとは違う、より深い筋肉の痛みといった感じ。コロナワクチンも筋注なのだが、接種そのものの痛みはHPVの方が強い。接種翌日も軽い筋肉痛を感じた。ただしコロナワクチン後にあった微熱や倦怠感は一切なし。


予防医療こそが最強の医療なので、もっとワクチンが広がるといいと思う。

追記

そういや値段の話を書いてなかった。

3回で10万弱。いや高すぎでしょ、ってのはよく分かる。

2021-12-08

子宮頸がんワクチン

子宮頸がんワクチンの積極推奨が来年4月から再開される。このワクチンは、接種後に全身に強い痛みを感じる副作用が多く見られた故、1997年から2005年の間、積極推奨が一時的ストップされていた。

安全性有効性が確認されている、という事から積極推奨を再開するそうだ。

ということで、積極推奨されていない中このワクチンを打った私の体験談を書こうと思う。娘さんの接種を悩んでいる方に届く事を願って。


結論から言って、私はとても稀な副作用に見舞われる事になった。接種を受けた周囲の子は接種部にちょっと痛みが続いた程度で(これは筋肉注射なので当たり前である)、私と同じ副作用が出た子には会ったことがない。

持病などはないが、昔から一家でお世話になっている病院がある。そこで子宮頸がんワクチンの話をしたところ、扱っていないと言われた為、仕方なく家から一番近いクリニックで予約をした。2013年3月半ばだったと思う。

子宮頸がんワクチンは、計3回摂取する事になる。例えばサーバリックスなら、中学1年生になる年に1回目の接種を行い、その1か月後に2回目の摂取を受け、その6か月後に3回目の接種をする。

かくいう私も、3回しっかり受けた。1回目、2回目は副作用なし。それで安心しきっていた事もあるのだろう。

3回目を受ける日、クリニックに到着後、受付時に体温を計かる。どんなワクチンでもそうだが、熱があるとワクチンを打てないからだ。

その日、体温が37.1だった。

から10分ほどの距離を歩いてクリニックに向かった事と、私の体温はいつでも36.7度近くであるという事から、そこまで熱があるとはいえなかった。しかも、2回もうって副作用がなかったのだ。クリニック側と少し話し合いをして、10分ほど様子を見てから再度熱を計り、そこで決める事になった。

10分後に計った体温は、36.9だった。これならば打てるとなり、私は3回目の摂取を受けた。

摂取を受けたその日は一日中安静にしていた事もあり、何事もなかった。

しかし、問題は次の日の朝だ。

一階から起こしてくる母の声がかすかに聞こえるが、目が開かない。体も重い。熱い。頭もひどく痛かった。

動きにくい体を無理矢理起こして立ち上がると、強い目眩を感じて床に倒れ込んだ。音で気付いてくれた父と母が部屋へすぐに来てくれた。

体温計で熱を計ると、39度近くあった。目眩もすごく、黒い粒みたいなものがいくつも視界を漂っていて、歩く事もままならなかった。

父に抱えられて車に乗せられ、ワクチンを打ったクリニックに向かう。クリニックに着いた頃には、何故か体温が急速に上がり、私は春先だというのに汗だくになっていた。

処置室にそのまま運ばれ、脇、首、足首に氷の入った袋を当てられる。冷たくて気持ちが良かったが、熱はそのままどんどん上がっていく。下がる様子がないのを見た医師が、市営の大きな病院紹介状を書いてくれた。

目眩で体を動かせないので、また抱えながら車に乗せられて、すぐ病院に向かった。病院に着いてからは、連絡が行っていたらしく用意してもらった車椅子に乗せられた。

熱は41度を超えていた。人は42度が10時間続くと命が保たないらしく、本来内科にかかるところを、待合が誰もいないからと小児内科で見てくれることになった。

正直病院に連れて行かれる前からずっと意識朦朧としていたが、車椅子に抑えられて採血される時だけは意識がはっきりした事を覚えている。嫌だったんだと思う。

そのまま採血を受け、検査をする間に解熱剤を入れた点滴を受けた。人生初の高熱&採血に思いっきダメージをくらった私は、車椅子に座りながら、点滴が終わるまでの3時間弱、ぐっすり眠った。

点滴をはずすからと起こされたとき、驚いた。目眩も黒い粒もなければ、体はややだるいが熱くない。体温は37度弱まで下がっていた。

血液検査の結果は、特に異常なしとの事。ワクチンとの因果関係も見られないと言われた。

まりにも熱が高かったので後遺症が残る可能性があるから、気になったらまた来てくれと言われたが、その後は今に至るまで何もない。

以上が、稀にある副作用の一例だ。もしあのまま点滴で熱が下がらなかったら、多分死んでいたと思う。

これから子宮頸がんワクチンを打とうと思っている人、娘に打たせるか悩んでいる人は、一度よく考えてみる事をおすすめする。

これは稀な例だから自分は/自分の娘は大丈夫に決まっていると思うだろうか。そうだろう。私も、自分がこうなるまでは大丈夫だと思っていた。

ここに書いた話は病院に付き添ってくれた父と母の話を元にしている。正直この日は、クリニックに連れて行かれてから熱が下がるまでの間、採血をされた時以外の記憶ほとんどないのだ(意識朦朧としていたから当たり前)。

それでも、死んじゃうのかと思った、と本気で心配していた父の、熱が下がった私を見て号泣していた母の顔だけは、鮮明に覚えている。

2021-01-25

anond:20210125005454

インド学術誌によるHPVワクチン批判読んでみ?

https://ijme.in/articles/trials-and-tribulations-an-expose-of-the-hpv-vaccine-trials-by-the-72nd-parliamentary-standing-committee-report/?galley=html

2009年半ばに,ヒトパピローマウイルス (HPV) ワクチン実証プロジェクト」が,シアトル拠点とする非政府組織であるProgram for Appropriate Technology in Health (PATH) により, Indian Council of Medical Research (ICMR) およびAndhra PradeshとGujaratの州政府と協力して実施された。これらのプロジェクトは、Bill and Melinda Gates Foundationから資金提供を受けている。使用したワクチンガーダシルサーバリックス製造会社からPATH寄付されました。この例では、グラクソ・スミスクラインメルクシャープとDohme (MSD) 。これらのHPVワクチンは、アンドラプラデシュ州のKhammam地区およびグジャラート州のVadodara地区の約23,000人の10から14歳少女に投与された。

これらのプロジェクトは、七人の部族少女が死亡し、プロジェクトの非倫理的設計実施市民社会グループが強く反対したことを受けて、2010年に保健家族福祉省 (MoHFW) によって中断された。プロジェクト実施における「不正疑惑」を調査するため、調査委員会が設置された。委員会報告書 (1) は、参加者権利規制手続きにいくつかの違反があったという主張には同意したが、責任を負わなかった。また、そのような裁判許可実施に関与した者は罰せられるべきだという勧告についても、沈黙を守った。明らかな違反証拠があったにもかかわらず、調査プロジェクトに関与したすべての者の責任免除した。

プロジェクト手続き上および倫理上の欠陥を深刻な観点から捉え、第72回保健・家族福祉議会常任委員会最近調査実施し、「ヒトパピローマウイルス (HPV) ワクチンを用いた研究実施における不正の疑い」 (2) に関する報告書2013年8月30日ラジャサブハで発表した。この報告書(以下第72回報告書という) (2) は、インドにおけるHPVワクチン試験違反に常に注意を喚起してきた多くの声とキャンペーンを明確かつ包括的擁護するものである。第72回報告書は、2009年PATHによって同国で実施されたHPVワクチン実証プロジェクトが非倫理的であることを認めている。

2017-12-09

HPVで吹き上がってワクチン被害者朝日新聞を叩いてる奴ら

お前らさっさとワクチン接種してこいよ。男でもお前らの論理ならば接種は義務だ。

「3000人の命が」とか盛りに盛った数値で被害者朝日新聞を叩く暇があったら

今すぐ病院行ってワクチン接種してこい。

オススメサーバリックスだ。長期間効果があって副作用も最高だ。

しかも3回も接種が必要だ。でも安心しろ、お前らが大好きな無料で接種できる。

今すぐ病院行け。

2016-03-19

HPVワクチン副反応に関する3/16の発表に関して

初めに

HPVワクチン脳障害が!というニュース話題を集めている。

マスコミ各社で大体の論調は同じだが、最もブクマ数が多そうなのは以下の記事である

子宮頸がんワクチン副反応「脳に障害」 国研究班発表 (TBSJNN)

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20160317-00000008-jnn-soci

まず言っておくとすれば、マスコミ記事は強くミスリードを誘うものであるという点だ。

詳しくは後述するが、元の資料では「脳に障害」が起こったとは書かれておらず、またそれがワクチン副反応であるという根拠も書かれていない。

記事大本である資料厚労省の以下のページから入手できる。

ヒトパピローマウイルス感染症予防接種後に生じた症状に関する厚生労働科学研究事業成果発表会

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000116636.html

子宮頸がんワクチン接種後の神経障害に関する治療法の確立情報提供についての研究 池田修一氏 発表資料PDF23,903KB)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000116634.pdf

以下ではこの資料を元に今回の発表の内容について解説していく。

なお、特に注釈がない場合HPVワクチンという単語サーバリックスガーダシルの双方を指すものとして扱う。

池田氏らの発表について

資料は3部分に分割できる。

 (1) HPVワクチン副反応"疑い"の症例についての報告

 (2) 患者のHLA型調査

 (3) マウスを用いた実験

(1) HPVワクチン副反応"疑い"の症例についての報告

信州大学受診した123名の患者の中からHPVワクチン副反応否定できない98例についてその症状を詳しく見て報告した、というものである

主な病態としては、末梢性交感神経障害(起立性調節障害{OH、POTS}、複合性局所疼痛症候群{CRPS})、

高次脳機能障害(学習障害、過睡眠、奇異な麻痺)、自己免疫疾患の併発(RA、SLE他)が挙げられている。

なお、自己免疫疾患の併発については根拠が弱く、資料中でも疑問符付きで述べられていたことを付け加えておく。

また、HPVワクチン副反応否定された(他疾患と判断された)25例についても、

一部の疾患(てんかん、SLE、若年性関節リウマチ)はHPVワクチンに関連しているかもしれないと仄めかしている。

個々の患者データ自体は、それが副反応で有るにせよ無いにせよ有用ものであり、患者の救済・治療観点から重要である

しかしながら問題点もあり、その最たるものが「副反応否定できない」が途中で根拠なく「副反応」にすり替わっていることであろう。

この研究はControl(非接種群)と比較をおこなっておらず、各症状が接種者に特有なのか、接種者で発症頻度が高いのか等は分からないのにも関わらずだ。

さらに、他疾患との関連については、論文(*1)を引用してHPVワクチンでは自己免疫疾患や横断性脊髄炎の発生リスクがあると述べているが、

その論文では「他のワクチンと比べて発症頻度は高くない」と結論付けられているため、誤読意図的ミスリードが疑われる。

(2) 患者のHLA型調査

症例報告で自己免疫疾患の併発が示唆されたことに関連付けてなのか、患者のHLA型鹿児島大と信州大で調査したという内容である

その結果、HLA-DPB1*0501の頻度が一般的日本人の頻度より高かったと述べられている。

鹿児島大のデータ(n=19)ではDPB1*0501の頻度(恐らく保有率)が84%、

これに2名を追加したデータ(n=21)では保有率が85.7%、遺伝子頻度が57.1%であった。

Controlの遺伝子頻度は40.7%であり、患者側で有意に高かったようだ(P<0.001)。

信州大のデータ(n=14)では、DPB1*0501の保有率が71%遺伝子頻度が46%であった。

Controlの遺伝子頻度は38.4%で、記述がないことから、恐らく有意差は無かったと思われる。

上記で保有率遺伝子頻度を強調表示したが、それはこの2つが混同して語られているからだ。

ごく単純に説明すると、保有率の方はヘテロ接合でもホモ接合でも保有者1名として(つまり個体単位で)計算するが、

遺伝子頻度は遺伝子プール内の対立遺伝子の頻度で計算するため、ヘテロ/ホモ接合の割合によって保有率と遺伝子頻度は異なる値を示すことになる。

鹿児島大のデータを例に出すと、患者21名のうちDPB1*0501のホモ接合が6名、ヘテロ接合が12名であり、

保有率は(6+12)/21=85.7%なのに対し、遺伝子頻度は(6×2+12×1)/42=57.1%となる。

マスコミ各社の記事で見られた「8割で同じ型を保有」というのは保有率のことであろうが、

それと比較している一般的日本人のHLA型遺伝子頻度で示されている。

したがって、異なる指標比較していることになり、これは印象操作以外にほとんど意味のない行為と言える。

遺伝子頻度で見れば、一般的日本人のDPB1*0501の頻度は38.4~40.7%で、患者群が46~57.1%となり、それほど高いようには思われない

(少なくとも、「普通は4割なのに患者は8割!超高いじゃん!」というマスコミ報道よりは)。

また、健康日本人(Control)のDPB1*0501遺伝子頻度が55% (*2) や64% (*3)の論文存在している。

一応、鹿児島大のデータでは患者側で有意に頻度が高いという結果(10遺伝子座も調べてる割に有意水準が少し高いように思われるのだが)

が得られたことから、DPB1*0501が副反応"疑い"の症状と関連している可能性は否定できない(実際にワクチン副反応かは別として)。

今後、より精確な調査が望まれる。

(3) マウスを用いた実験

この実験概要と結果は以下である

自己免疫疾患を生じ易いNF-κBp50欠損マウスに、インフルエンザワクチンB型肝炎ワクチンHPVワクチン(サーバリックス)、

PBS(Control)を注射した結果、サーバリックス接種群のみ海馬自己抗体の沈着が見られた。

また、(恐らく)サーバリックス接種群でのみ末梢神経に病変が見られた。

マスコミ(少なくともTBSの)記事で「脳に障害」とされたのはこの海馬への自己抗体の沈着である

しかし、あくまで沈着していただけであり、これによって脳に障害が起こったとは少なくとも資料中では全く述べられていない。

しかもこれはマウス実験であり、ただちにヒトの脳に適用できるものでもない。

TBS記事中では池田氏発言も示されているが、

 「子宮頸がんワクチンを打ったマウスだけ、脳の海馬記憶の中枢に異常な抗体が沈着。海馬記憶の中枢)の機能障害していそうだ」(国の研究班の代表 信州大学 池田修一医学部長) (太字・下線は引用者による)

の2行後には

 「明らかに脳に障害が起こっている。ワクチンを打った後、こういう脳障害を訴えている患者共通した客観的所見が提示できている」(国の研究班の代表 信州大学 池田修一医学部長) (太字・下線は引用者による)

と、推測から断定への鮮やかな飛躍が見られる。

これがマスコミ誘導切り貼りによるものか、御本人の認識なのかは不明だが、どちらにせよ不注意な発言であろう。

また、話の流れ的にも「少女たちに何が起きているのでしょうか。」からマウス実験の内容に飛ぶのはおかしくはないだろうか。

どちらかと言えば症例報告の話((1)の内容)につなげる方が自然に思えるのだが。

さらに、マウスに接種されたのはHPVワクチンのうちサーバリックスのみであり、もう一方のガーダシルは用いられていないのは疑問である

HPVワクチンを主眼に据えている以上、ガーダシル実験をしていないというのは考えにくいのだが、何か理由があるのだろうか。

総評

資料全体の批評としては、一言で表すと「言い過ぎ」である

個々の内容(症例報告、HLA型調査マウス実験)はいずれもまっとうなものであり、特に今回の症例報告は患者治療を進める上でとても有用であろう。

後二者も研究のとっかかりとしては十分な内容である

しかしながら、各症例HPVワクチン副反応である根拠なく断言し、HLA調査では「ワクチン副反応の予防法の確立」等、

マウス実験でも「神経障害機序の解明」等のHPVワクチンによる副反応自明とした表現が目立つ。

プレゼン資料で少し強めのことを言ってしまうというのはよくあることだが、それにしてもこれらは言い過ぎなように思われる。

薄弱な根拠HPVワクチンの害を喧伝することは、患者救済という観点から見ても決して適切な方法ではない。

願わくは、不用意な発言は避け、研究内容に相応の穏当な表現でもって語っていただきたいところである

最後

今回のニュースブクマでよく見かけたのが「WHO安全声明は間違っていたのか」「ワクチン擁護者はどんな言い訳をするのか」等のコメントである

ここまで読んでいただいた方なら分かっているとは思うが、池田氏の発表からは各症状がHPVワクチン副反応であるとは言えない。

それを言うには、ワクチン接種者と非接種者を比較して、各症状の頻度が接種者で高いことを明らかにする必要があるのだ。

WHO安全声明(*4,5)は、HPVワクチン接種者と非接種者では自己免疫疾患等の発症率に有意な差は無いという疫学的な調査の結果に基づいてなされている。

調査対象の疾患のなかに池田氏らの症例報告にもあるPOTSやCRPS等も含まれており、そのリスクも接種者と非接種者で差は無かった。

これらは日本国外での調査であるが、国内においても名古屋市の約3万人の調査(*6)では、接種の有無による疾患リスクの増加はほとんどないことが示されている。

また、池田氏の発表資料と同じページに載っている牛田氏の発表資料(*7)も必見である

その主な内容は、器質的な原因に由来しない疼痛への対応治療ケアに関するものであるが、

子供起立性調節障害や慢性疼痛といったHPVワクチン副作用として疑われている症状が、もともと一定の頻度で存在していたことも示唆している。

以上より、今回の池田氏らによる研究発表は、HPVワクチン安全性について既存評価を覆すものではないということがお分かりいただけたと思う。

この文章が、報道を聞いて不安になった方や情報齟齬で混乱している方の助けになれれば幸いである。

なお、批判的に扱ってはいるが、池田氏らの研究の内容自体は素晴らしいものである(特に症例報告)ことは重ねて申し上げておく。

もし間違いや事実誤認等の不備があれば指摘していただけるとありがたい。

追加情報

さて、この文を書き終えたところで、既にこのニュースについて言及したブログを見つけてしまった。

先鞭をつけることは叶わなかったわけである畜生

以下二つとも、有益情報が多々含まれているため、本増田よりこれらを読んだ方が良いかも知れない。

HPVワクチン 接種後体調変化の報道 と その周辺 2016年3月 (感染症診療原則)

http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/7279d93d6ce526b5ed61b40d8a7a01b8

HPVワクチン副反応?に対する報道(2016/3/16)についての物言い (simbelmynë :: diary)

http://simbelmyn.hatenablog.com/entry/2016/03/18/164401



参考文献

*1 Slade et al. (2009) Postlicensure safety surveillance for quadrivalent human papillomavirus recombinant vaccine. JAMA, 302, 750-757.

*2 Onuma et al. (1994) Association of HLA-DPB1*0501 with early-onset Graves' disease in Japanese. Hum. Immunol., 39, 195-201.

*3 Matsushita et al. (2009) Association of the HLA-DPB1*0501 allele with anti-aquaporin-4 antibody positivity in Japanese patients with idiopathic central nervous system demyelinating disorders. Tissue Antigens,73, 171-176.

*4 Global Advisory Committee on Vaccine Safety Statement on the continued safety of HPV vaccination (12 March 2014)

http://www.who.int/vaccine_safety/committee/topics/hpv/GACVS_Statement_HPV_12_Mar_2014.pdf

*5 Global Advisory Committee on Vaccine safety Statement on Safety of HPV vaccines (17 December 2015)

http://www.who.int/vaccine_safety/committee/GACVS_HPV_statement_17Dec2015.pdf

*6 名古屋市⼦宮頸がん予防接種調査 解析結果(速報)

http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/cmsfiles/contents/0000073/73419/sokuhou.pdf

*7 慢性の痛み診療教育の基盤となるシステム構築に関する研究 牛田享宏氏 発表資料PDF:3,890KB)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000116635.pdf

 
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