はてなキーワード: 業務上とは
(ちなみに遵法精神とは法律違反だけでなく倫理や道徳も含めた言葉なので、「漫画村でマンガを読むだけならセーフだから」などは関係ない)
こういう人達の遵法精神をどうこう言ったところで、そもそもが無なので変えようがない。
しかし、そんな高い遵法精神を持っている人が以下のようなことをしていたりする。
こういう人は「宣伝になっているからいいじゃないか」「営利目的ではないから」などという説明をするようだ。
とはいえ遵法精神が無の人々と比べて、自分のことを棚上げして他者を責めるダブスタになってしまっている時点でむしろタチが悪い気がする。
本人の中ではどういう解釈が行われているのだろうか。
率直に言えば「お前アニメキャプチャ何枚貼るんwwwwwwあとBluray特典動画Youtubeで見てんなよクソが金払え!よくその口で『あのゲームクリエイターがゲハブログの投稿してて最悪』だの『イラストレーターに対価を支払わない人は云々』言えるなwwwwwwwwwww」という気持ちになるのだが、自分が直接被害を受けたわけではないことに対して責め立てに行くのはやめようと思っているので何も言わない。
もやもやする。
あなたが食べるご飯はあなたの肉体のためですが食事会を開くのはあなたのためではなくてだれかのためですよ
だれかのために食事会という時間を割くことと食事会で食事をするかどうかは別問題です
食事代の費用は出しますが出席できませんでもいいかもしれません
送別会を開く・参加する気持ちはありませんと伝えるのもいいとおもいます
業務上開催される行事に個人的に参加しない理由であれば有給を取ればいいと思います
やめる方も人間をやめるわけではなくて仕事をやめるわけなので最後のときにまだ業務中であれば
業務だから金がでるのかといいたいと思いますが業務で成果のでなかったものがあればあなたは返金するんですか?
あなたが陰ながら頑張ったこと評価に出ないよかったところなど自己申告なければ賞与評価に加点しなくて結構ですか?
あなたが健康を管理していることや個人的に得意なこと苦手なこと、事情など「業務中」であればどんなことでも無視してかまいませんか?
「あなたが嫌だとおもうこと」を会社に言うこと聞かせているのは「あなた自身の個人的な理由ひとつ」であって
業務は個人を凌駕しないはずだという概念をもってして個人の事情で他の団体行動である「業務」を押しつぶそうとしていませんか?
個人の事情で業務が遂行できません、とか会社に給料をもらっているわけではないので会社の都合を聞くいわれはありませんとか
他の方のために業務の時間をさく意思がある会社に対して、その人の労働があなたの給与に関した部分を全部返金するので
「担当者変えろ」ならマタハラ・パワハラかもしれないけど、「常時連絡が取れないことで当社に不利益が生じているので対処してくれ」なら業務上必要な要求だよね。それにどう対応するのか(件の時短女性だけでなく複数担当にするのか、件の時短女性に携帯持たせるか、など)はA社の問題で、そこに口出しするのは問題外だけど、たとえばそれによって成果物への対価が上がったとしたらその時点でまたA社と同業他社との競合になる、それだけの話だと思う。それだけのことなら、元増田が何かを気に病む必要は全然なかった。だが、元増田は全然違う選択をした。今回の件では、元増田の調整能力は残念ながら【低かった】と言わざるを得ない。慰めるつもりで書いてるのかもしれないけど、とてもとても「完璧な対応」ではないよ。きちんと正しく要求を述べていたら全く違う結果になった可能性もある。自分の部下がやったら説教するレベル。
……だけど、正直この程度のことは、本当は元増田は理解しているんじゃないかなと思う。感情的にならなければ、上のように理性的に対応することはそう難しくないのだから。そもそも「何か言うとマタハラなのでは?」という妙な頭の働き方をしてしまったのは自分が「マタハラになりそうなことを考えていた」からなのでは? 「育児しながら仕事とかなめてんの?」とか「自分の子供よりこっちの仕事優先しろや。金貰ってんだろうが」とか「はいはい育休時短とれるホワイト乙www」とか、まあそんな。だから、A社が件の女性に気遣って複数担当にして常時対応が可能になっていたとしても、自分の「もやもや」感は消えないと元増田はどこかで気づいていたのではないだろうか。結果、「何も言わなかった」のではないか。
そんなわけで、元増田はその時短女性に「腹を立てて」いたんじゃないか、それが形となって現れたからこその「後ろめたさ」なのではないかと私は考える。もしそうなのだとしたらこういうのがまさに「言霊」とか「呪い」とかいう案件だ。「人を呪わば穴二つ」と昔から言う。だから、元増田は今回の件を反省し、この「後ろめたさ」を十分に噛み締めた方がいいと思う。今回のことは紛れもなく「あなたの思い」が一因となって起こったことだし、その「後ろめたさ」には十分理由があるのだから。
もし、私の推測が完全的外れで、元増田が上のような可能性に「いやそもそも全く気付きもしなかった!」ということなら、元増田は今からでも菓子折もって「私の方がきちんと要求を伝えられず不満をため込み、結果契約を切ることになって申し訳なかった」とA社に詫びに行ってもいいくらいの案件。だけど、元増田は多分そうしないんじゃないかな。
意欲だけはあっても能力が追いつかず精神的に疲弊して短期退職を繰り返してる。
喋るのが苦手で業務上の報告、連絡、相談をする言葉が上手く紡げないのが凄まじく辛いんだけど、そういうと「普通に話せてるじゃん」と一蹴されて途方に暮れる。
精神科に行ったら今度検査受けることになったんだけど、「単純作業の方がいいんじゃないかな」とアドバイスを貰った。単純作業すらケアレスミス発生させるんだけどな。
頭が悪すぎて自分の将来が怖すぎる。
金が沢山欲しいとも言わないし、滅茶苦茶遊び回りたいともいわない、だがせめて親が安心して暮らせるだけの金と俺への安楽死が欲しい。
あるホワイト企業のシミの話を、人目に付くところに備忘録程度のものを落書きしたいという欲からここに記す。
知人(以下A氏)から、A氏友人(以下B氏もしくは上司氏)の所の住み込みバイトを紹介された。
→選考が進むにつれ違和感が出てきたため、人事に交渉して入社辞退した。
→A氏とB氏に半ば脅されるような形で入社辞退を取り消して入社した。
・ある先輩(以下C氏)が引き抜かれかけていてB氏が不穏な空気を出していた。
・B氏に言われたこと(あなたは黙って私の言うことを聞いていればいいの! はい、はい と素直に聞きなさい! 質問をあなたからはしちゃダメ という旨)をC氏になんとなしに話し、どうやらB氏が私にパワハラをしていることが判明。
・帰り際にたまたま会った人事の人が「え?! X(事業所名)、初日からこの時間までやるの…」と漏らし危機感MAX
・どうやら職場内でのいざこざが有り、その影響で退職者が多く、人手不足が起きたらしいことが調査により判明。その後のしりぬぐいなんて、やってらんねぇので、入社3日にして退職を決意。あと、前日にならないと休みかどうかわからないシステムはクソ。
→辞意をB氏に伝えたところ、時間外に呼び出され説教されて、尋問のような脅され方をして辞意を撤回させられた。労基もしくは人事に突き出すことを決意した。
・他の部署と関係を持つことは業務上必要であっても禁止されていたが、人事の人が直接来る機会が有ったので、それとなく「労基法に抵触している可能性があるのがどこ」で「どのように法的にOUTらしいか」伝えた。
・B氏からのハラスメントが加速した。裁量が無いのに責任だけ降ってくるタイプのパワハラ。仕事を進めさせてもらえない系ハラスメント。
・労基もしくは人事に突き出すための資料が揃いだす。ついでに、勤務時間前後数時間の待機のプレッシャーも有り、体を壊しかけた。
・体を壊したから休みを取ったら、ガチでほかの人の勤務時間が狂うくらいの人手不足ということが判明した。ついでに、残業前提マネジメントが行われていることなども判明していった。
・人事兼コンプライアンスの所が動き、そこから事業所単位での注意を受けた。
・上司が人事に怒られたであろう日の翌日に退職勧告を受け、その日のうちに退職届を書いた。
・最終出勤日の定時後に平然と新しい仕事を追加
・最終出勤日後の出勤命令
・やめる前にB氏から
「やめた後もわからないことが有ったら聞いていい?」
と言われていたので濁していた。当然のように退職後音信不通にしたら、A氏から怒られた。
A氏「アフターサービスまでが仕事なの。あなたには、業務内容分の手当ても付けているそうよ」
私「どこまでが仕事なのか明示されていない以上、これを引き受けると、いつまでもタダ働きと言わんばかりになりかねないので引き受けられません。それから業務内容分の手当て……というのを時給=(最低賃金+100)円のアルバイトについているとは到底思えませんし、少なくとも明細上は手当てはついていませんでした」
ということで、職を紹介してくれた恩は有るものの、A氏もまとめて音信不通にした……はずだ。
ハラスメントやいじめというものは、一般論的には、被害者側がいじめだと思えばいじめらしい。
先に示したように、私は、いかんせん感情的に鈍いようで、いじめられたとていじめと辛さが対応していない。
C氏に指摘されなかったら「これがハラスメント」ということに気が付いていたかも怪しい。
そして、被害者が辛かったらOUTという定義によれば、私は、客観的にはハラスメントを受けているが、ハラスメント被害者ではないということになる。
これは「されて嫌なことはしない」というモデルの機能不全を示しているようで、将来ハラスメント加害者になってしまいそうでおそろしい。
ハラスメントの中でもせめて刑法的にOUTなやつぐらいは察知できるように頭の中に刑法インストールしておくこと、どのようなことがハラスメント呼ばわりされやすいかということを把握するために過去の事例を漁って頭に叩き込むことで、将来の私によるハラスメント加害は防げるだろう。
また、ハラスメントというものは、どうしても育ってきた文化の違いから互いの当たり前を押し付けてしまうだけでも起きかねないから、被害者への取り組みだけでなく、うっかり加害してしまうかもしれないと気が付いた人に対しての支援も有ったら良いなぁ、と感じた。
B氏は、言うなれば、中間管理職でしかないから、あんまり決定権を持っていなかったりもした。また、B氏はいわゆるブラック企業らしきところからの生え抜きであろうと推測できる発言もあった。(例「週6・毎日残業で働けるのは当たり前なのに……」)
B氏は手癖レベルで残業前提のマネジメントをしていて反感を買っていたが、これは、どう見ても、育った文化の違いに起因している。ついでに言うと、あんまり決定権も無いから、B氏はスタッフのお賃金を上げるなどは簡単にはできず、適当に歩合制を取り入れることでのモチベーション向上も見込めず、ただただHATEが溜まるという状況だった。そして、人手不足が慢性化してしまう。
部署に何かしらの固有の特性があるならば、それをうまいこと示して上層部を動かすのは中間管理職の仕事だ。しかし上層部が「何らかの固有の特性のある所への、その特性に見合った」柔軟な対応をとるという判断ができなければ詰んでしまう。それから、上層部が、適材適所の重要性や戦場にはソルジャーだけでなくヒーラーも必要というようなことをわかっていないと、残念なことになるのは致し方ない。かなしいね。
B氏しか知らない事などが多く有り、B氏ご自身も心身への負荷でしんどそうであったが、部署の性質上B氏の後任を見つけるのも難しいらしい、というただただ残念な状況だった。B氏の後任探しはB氏より更に上の人がする仕事でもありそうだし、B氏の経歴が有れば転職もムリゲーではなさそうだから、うまいことやってほしい。
労基が動かなくてもコンプラからのお怒りが発生するだけで企業レベルではなんとかなるっぽいことは、私の退職時のあれこれでわかった職場だからもう要らない。忘れたい以外の感情が無いので処分したいが、個人情報黒塗りして捨てるだけでは芸がなさすぎる。適当な空き地でも探して焚火でもすればいいのかね。
動きや声のチックが重度の場合、周囲にいる人間はガリガリと神経が削られる。
前の職場の同僚がそれで、椅子から身を起こす動きがいちいちうるさいうえに「ウウウウウウウンッ!!!」という爆音空咳を30秒毎に繰り返すので
もうこちらが発狂するかその同僚を撲殺するかぐらいまで追い詰められた。
他の同僚も席の位置や神経で多少程度の差はあれみんな困っていた。
「あっ」も重症はすごくて、
役所の窓口でそれの人に当たったが、話し始めるときも話の途中でも
ポタポタと水滴がもれ落ちるかのように執拗に「あっ」を入れる若い男だった。
最初は気にしなかったが説明が長引くとだんだんこちらの耳や神経が酷く疲れてきた。
それがまた一回一回体をピクッとすくめるように発する「あっ」なので、近くで聞いてるとこっちにもピクッが影響し始める。
その人には書類と手続きの説明を受けただけだから良かったが、ずっと同じ空間にいてやり取りする同僚の立場だったらキツい。
マスターも大概神経質っぽくて叱り過ぎではないかと思ったものの、
マスターが普通の機嫌で何か業務上の指示や質問をしているだけなのに
その店員がいちいちテンパった顔で「あっ はい!」と言うのだ。
何かの作業に集中していたとか、どこかへ行こうとしていたとか、
そういう時に声を掛けられて「あっ はい!」ならわかるのだが、
マスターが噛んで含めるように指示の手順を段階的に説明しているときに、あいまの相槌がいちいち「あっ はい!」なのだ。
平静を維持しながらもマスターがだんだんストレスを貯めていくのが手にとるように伝わってきた。
カウンターのこっちでなんとなしに聞いていてもあまりの異様さについ顔を上げてしまうような感じだが
あれを同じ職場でずーっとやられているマスターは何倍神経をやられるだろうか。
店員はうだつのあがらない感じの30代で、マスターの知り合いの息子かなんかなのだと言う。(常連のお節介おばさん情報)
非常に立地のいい近所の店だからたまにいくのだが、その店員のせいで地獄のような店内になっている。
重度のチックは本当に周囲にとってつらいのだ。
もちろん気にしない人もたまにいるし受け手によっても結構変わるのだが
やっぱりあれはハラスメントだと思う。
当人がすごく悩んでいて直そうと頑張っているなら責められないが、
この増田やブックマーカー達のように一方的な被害者のような認識でいられると腹が立つ。
というか、自分は普段温厚なほうだが、チックの元同僚にあまりにも苦しめられたために、
「自分が周囲に撒き散らすハラスメントに気付かず被害者面のチック」を想像すると
切れ味の鈍い包丁で叩き殺してミンチにしたくなるほどの怒りが湧きあがる。
陰口はショックだったろうけれども
追記も読んだけど、奨学金返済が残っているのに、彼の1馬力で大丈夫かな、と思った。
パートやバイトと簡単に言うけど、労力の割にそんなに稼げませんよ。
子供を一人前にするにはお金が想像以上にかかります。あなた自身が奨学金返済で苦労しているのに、自分の子供にも同じことをさせるつもり?
それは全て、専業主婦のあなたのタスクとなるでしょう。嫌でも離婚しない限り逃れられません。ヘルパーさん使うのもお金が必要です。
せっかく正社員なのだから、何か業務上でスキルをつけるとか、独身で条件がいいうちに転職するとか、まとまったお金貯めてから辞めるとか、目先の「仕事が嫌だから」辞めるのではなく、もっと計画的に考えないと、後で後悔しますよ。
それでもたまに思い出してしまう人がいる。
その人は、元カレでもなんでもない、告白したら振られてしまった人。
でも今まで付き合ったどんな元カレよりも印象深く、忘れられない人だ。
4つくらい年下の彼のことを、最初は真面目で謙虚な好青年だと思っていた。
バイトで同じ内容の仕事をしているのもあり、そのうち彼とは自然とよく話すようになっていった。
私は当時よくバイト仲間とお酒を飲みに言っていた。男の子と飲むことも多々あったけど、あくまでもバイト仲間としてワイワイするだけで、誰のことも異性としては全く意識していなかった。
彼は、いつ誘っても忙しいからと断ることが多かった。同じ周りのバイト仲間の学生たちも、「○○くんは謎が多いから」「○○くんは真面目だから」と、一線を置いていた。私自身も何度か断られているうちに、きっとお酒の席やワイワイしてる空間が苦手なんだろうなと思うようになっていった。
その日のバイトは彼も私も17時上がり。(彼は日中に講義のない日だった)予定もなかったので、私はダメもとで彼を飲みに誘ってみた。
すると、彼はこう言う。
「今日は、他の人は一緒じゃないんですか?」
私は、もしかすると二人きりだと嫌なのかな?と思い、ああ、じゃあ誰か呼ぼうか?と提案した。けれど、彼はこう言う。
二人きりなのは、もちろん構わないのだけど。
その当時、私には彼氏はいなかったのだけど、恋愛対象として見るつもりの全くなかった彼に、まだ働いてる時間なのに不意打ちでそんなことを言われ、(誘ったのは私からだが)少しだけ舞い上がってしまった。
結果、じゃあ、二人きりで行こうか。と、いう流れになった。
とはいえ、この時点では全く好意を持ってるとかそんなんではなかった。
なんだか緊張するので、店は個室居酒屋とかいい雰囲気の場所ではなく、バイト仲間の野郎どもと良く行くタイプの、焼き鳥と日本酒とビールしか出てこない、常に親父がテレビで野球中継見ているみたいな雰囲気の大衆飲み屋へと連れていった。普通、男女のカップルでは絶対に行かないタイプの店だ。
彼は、「僕、こういう雰囲気の店、好きですよ」とにこにこしていた。こうやって二人で飲みに行くまで知らなかったけど、きれいめのファッションがよく似合うおしゃれな男だった。正直、ファッションセンスはとても、ものすごく好みだと思った。
とりあえずビールと枝豆で乾杯する。飲んでる彼のことを初めて見た。酒が苦手だと勝手に思っていたので、ビールをガンガン空けていく彼にものすごくショックを受けた。こんな話、聞いてない。知らない。そんなに飲めたんだ?と聞くと、「酒は好きなんですよ」と、いつもはしないタイプのにこやかな笑顔で笑った。
酒が進むにつれ、彼はどんどん饒舌になっていった。
普段飲み会を断るのは、本当の自分とのギャップに周りがびっくりしそうだから、というのが一番の理由らしく、真面目そうに見えるが実はお調子者で、どんな相手でも絡んでいってしまうので敢えて避けているとの事だった。
また、普段は気をつけているが、そこそこ口が悪いらしく、友達の前だとくだけた口調で話すらしい。
これは、内緒ですよ。なんて口に指を当ててしーっとするジェスチャーをされて、不覚にもどきっとしてしまった。
一軒目の店を出て、そこそこ酔いも回っていたけれど、なんとなく解散ムードにはならなかった。
「もう少しだけ、一緒にいません?」
なんて聞かれて、正直ちょっといい気分だった。
二軒目は、普通に個室居酒屋に連れていかれてしまった。もうどこでもよかった。もうすこしだけ、二人きりで話がしたかった。
そこでした話は、今ではもうほとんど覚えていない。でも、向かい合わせでも座れるのにいつの間にか隣に座ってて、彼が
「これ食べます?あーんして」
なんて感じであやされているのは記憶にある。久しぶりに、ものすごく、女として扱ってもらえて、すごくドキドキした。その日の夕方までなんとも思っていなかったはずの彼が、信じられない位かっこいい男の子に見えて、つい、私も、普段隠してた自分の女っぽい部分をさらけ出し始めた。
「このままじゃ帰れないです。責任とって…」
なんて、わかりやすく甘えて。
彼は、そのままタクシーで自分の家まで私を持ち帰って、その夜は、最後まではしなかったけれど、それなりにエッチなことを沢山した。
夢みたいな時間だった。
それまで、自分はあまり自分のことを女だと思ってなかった。それなのに、彼は、たった一晩で私の女の部分をこじ開けた。
あんなに真面目そうに見えたのに、どうして。
別に今まで私のこと好きだったとかそんなんじゃないのに、どうして。
家にコンドームがないからと最後のそれは断ったくらい遊び慣れてなさそうなのに、どうして。
たくさんの「どうして」で胸がいっぱいで、でもなんだか嫌ではなかった。
結果、彼とどうなったかというと、このあと彼のことを好きになった私は、次のデートの約束を取り付けるものの、そこでふられた。
理由は、「増田さんは僕と似すぎてるから、ダメ」で、今思い出してもなんじゃそりゃって感じだ。ふられた直後はショックで顔も見たくなかったけど、バイト先で会う手前平然としていなければならなかったし、他のバイト仲間は私たちにそんなことがあったなんて誰も知らない(知ってても困る)から、この期間が一番きつかった。
やがて彼と私は、バイトの中でもお互いに違うポジションの仕事を担当するようになり、一緒のシフトに入っても、休憩時間さえ被らなければ、顔を合わせることもめったになくなった…………はずだった。
彼は、あの夜以降、なぜかよく飲み会に顔を出すようになった。
今まで真面目で通してきたキャラが一転、女の子大好きキャラになり、女の子からは嫌がられていたものの男の子からは面白いと絶賛され、バイト内での友達も増えたようだった。
それを別の輪の中から見ながら、(元気そうでなによりだな)と思っていた私だが、しばらくは彼と会話をする気にもなれず、半年くらいはずっと無言か、業務上必要な会話も明らかに塩対応だったと思う。
年下にいいように遊ばれたな、というのが正直な気持ちだった。そんな自分が恥ずかしくて、なるべく早く次の恋がしたかった。
そんなある日だ。
閑散とする時間だったので、自分のポジションを私一人で回していたとき、急に彼が私のところへ来たのだ。
「お久しぶりです」
なんでもないような感じで普通に話しかけてくる彼に、私は全身から警戒オーラを放っていたと思う。すると彼は、近寄ってきて、急に手を取って私の手になにか握らせる。
びっくりして中を覗くと、クッキーだった。
「一人で頑張ってたから、ご褒美……」
困ったみたいに言う彼に、なんだかおかしくなって私は大笑いしてしまった。ありがとう、って言ったら、彼は、
「やっと俺に笑ってくれた」
と嬉しそうに笑うので、すこしだけ、やっぱこの人のこういうとこ、スキだな…と思った。
それ以来、つきあってるわけではないのだけど、バイト中に遊びに来たり、一緒に食事に言ったり、バイト帰りに自転車二人乗りでどこかに行ったりと、私がバイトをやめるまでよく遊ぶようになった。
彼は、バイト先では絶対に言わないが私のことを増田さんではなく名前で呼ぶようになり、慣れ親しんだ友達に接するみたいに私をぞんざいな態度で扱うようになった。でも、たまに○○さんの名前、かわいい。なんて言いながら頭撫でたりするので油断ならなかったが。
私も、彼のことを好きだったのかどうなのか、思い出してもわからない。けれど、ものすごく一緒にいて楽だった。あの日以来、キスも何もしなかったけど、彼の前では無理せずに、女の子でいられた。女扱いされてなかったのに。
今思えば、お互いに、別に理想の相手でも付き合いたい相手でもなかったんだと思う。
それはきっと、うぬぼれでなければそうだと思う。
だって、当時こっそり覗いた携帯のメモリー、女の名前は私だけだったから。
それがすごく、嬉しかった。
まぁ、彼女じゃなかったんだけどね。
というわけで、私が県外に就職し、3年もしたら別の男とあっさり結婚したのでこの件はわたくしだけの思い出話なのだけど、何が恐いってつい最近私は一方的に知ってしまったんだよね。彼、今わりと近くに住んでるっぽい。偶然見つけてしまった。
なんでなんだろう。
県外も県外、行き先も何も知らせてないのに。
どうやら今は向こうにも相手がいるみたいだし、私も太って誰だかわからなくなったので大丈夫だと思うけど。
たぶん彼がまたあんなふうに仕掛けてきたら、どうなってしまうかわからないなととっさに思った自分がいた。
こんなこと、誰にも言えない。
両方含む事柄もあるがそれは関わらなければいいだけの事だ。
人生における歩みを進める物事であり、生活の維持に必要な事であり、できればやりたくないがやらざる得ない事柄である。
最低限さえやれば良い事ではあるが自分の場合は発生ペースが常に処理ペースを超えており青息吐息、自転車操業の毎日だ。
読書、鑑賞、ゲーム、喫煙飲酒、生命維持に必要の無い飲食や睡眠など。
元来人間を喜ばせる為のものなので義務に比べれば遥かに少ない気力で手をつけられるものの、人生の歩みを止めている状態である。
自分はつまらない人間なのでやってみたもののどれも違いが分からず、精々待ち時間の居眠りを防止する作業にしかならない。
日々「嫌な事」をこなすに当たる疲労感に項垂れ焦燥感に焼かれ、ただでさえやらなければいけない事すらこなせないのに他人が楽しそうに騒いでいる「無駄な事」に同じ様に騒ぐ気力も無く、適当な理由をつけて生活保護を受けるにも親元への連絡という更なる「嫌な事」を避けてただ生きている。
前述した通り、能力が低い人間なので叱責・罵倒が周囲に絶える事は無く、ただ耐えて、プライベートな時間はひたすら重力に逆らう気力すら無く横になり眠るでもなく天井のシミを数えるでもなくぼんやりし続ける毎日。
国立大学を卒業し、あり着いた職場もホワイトと言われる残業もそう多くない叱責も業務上におけるもののみ、生みの親だって自分が成人するまでキチンと養育した常識的な親だ。
それにも関わらず辛い。頑張りたくない。これ以上「嫌な事」に立ち向かいたくない。
甘ったれている事ぐらい分かっている。自分は人並みの事をこなすだけの能力が無いのだろうな。
気力を振り絞り続けたくない。生きていたくない。
まあ、自殺する為の痛みや苦しみも嫌なんだけどね。失敗する度に散々な目にあってる。
https://anond.hatelabo.jp/20171226112219
現在31歳、非常に強いADHDと非常に強いASDを持つと判明した俺が、他人とどうコミュニケーションを取ってきたのか?と言えば「今までの人生経験へ問い合わせて問題が起きる確率が低い言動を選択していた」だ。
すなわち、それに至るまで数々の問題が起きる言動を選択してきたし、これからも過去に近似的な経験のないパターンに遭遇すると問題が起きる言動を誤って選択してしまう可能性が高い。
つまりこれまで俺はABテストを繰り返して他人とのコミュニケーションを試み続けきたわけだが、どうやら一般的な感性の持ち主達はそうではないようだというのを病院で医者と話しているうちに知った。
一般的な感性の持ち主の言動選択はもちろん経験則もあるが、その選択の大半は感覚的な即決によって行われているそうだ。
こちらが経験への問い合わせのために言動選択を考えているのに、一般的な感性の持ち主が次から次へと言動を重ねていけるのは、こうした違いがあったからなのだ。
どうやっても俺の言動選択は1テンポ以上遅くなってしまうし、一般的な感性の持ち主と同等のスピードで言動選択をしようとしたら言動の候補がすべて揃っていない状態での言動選択なので誤った選択になる確率が上がってしまう。
実のところ他人とのコミュニケーションを取る上で、インターネットなどを活用したメールやチャットなどのテキストベースでのコミュニケーションは非常に精神的負担が少ないことが経験上わかっている。
これはなぜかと言えば「テキストベースでのコミュニケーションでは送信者が返信に対する待機時間を大幅に取ることを前提にしたシステムである」からだ。
つまり、こちらとしては十分な経験への問い合わせ時間を確保することがシステム上可能であり、選択しうる言動を十分に吟味して返答できるので問題ある言動を選択する可能性が低くなるのだ。
テキストベースでのコミュニケーションは通常のコミュニケーションと比べて遅くなることがシステム上の前提としてあるわけだ。
しかも「送信者は送信後に待機することが絶対条件」なので「通常の会話のように新要素が追加されることがほぼ無い」というのもテキストベースでのコミュニケーションの美点である。
更には「与えられた情報要素へ対して正しい表情や姿勢を取らなくとも良い」というのも便利なことだ。
あえて真面目な表情を作ったり、笑ったり、驚いたりしなくとも良いのは非常に精神的負担が少ない。
言動選択を急かしても誤った言動選択をしてしまう可能性が高いので、前提として言動選択を急かしてはならない。
周囲にもし「コイツおかしい」と感じる者が居て、プライベートでは関わりたくもないが業務上の理由などでコミュニケーションを取らざる得ない場合、テキストベースてコミュニケーションを試みるのはどうだろうか?
そのおかしい者が俺に近似的な要素を持っているのならば直接会話するよりかは上手くコミュニケーションが取れる可能性が高い。
特におかしい者が後輩だったり年下だったりするのであれば「直接会話するのとチャットならどちらが精神的負担が少ないか?焦る心を持たないか?」と質問を投げかけてみるのもアリだ。
相手が「何故その選択肢を?」と疑問を投げかけて来たら「チャットの方が精神的に楽で、正確な返答を行える者が世の中には居るということをネットで読んだ」とでも言えば良いだろう。
こんな感じて気分が乗れば発達障害Tipsを増田に書き連ねようと思うが需要はあるものなんだろうか。
まぁ無いと言われても書くだろうけれどw
びっくりした。
この超絶繁忙期に、何を言っているんだろうと。
実態は、人員減の上、一部あんまり働かない人もいるし、当該上司自身があまりまだ慣れていないのもあって、私のような末端は勤務時間外にも仕事をしないと回らないくらいだ。
とはいえその上司にしてみれば、自分たちは何もしなくてもすべてが完了して流れている状態が当たり前、そのための下支えとしてどんな作業を誰がいつしているかなんてまったく知らないし、興味もないのだろう。同じ事務所で働いていて、見えてないのだろうか。
で、よくよく聞くと、私が業務上12/11から1/2まで連勤となってしまうが、部下に時間外をつけると上司自身の査定に響くので、つけたくないということらしい。でも休ませることはできないので全部半休にして調整しろということのようだ。
それならそう言えばいいのに、なぜ私に仕事がないから半休にする、なんて言われないといけないのか。連勤だとかはどうでもいいのだが、その点が本当に納得いかない。
そもそも上司の杜撰な労務管理で連勤になっているのに、議論をすり替えられて、不当に「仕事をしていない人」扱いされたことが、連勤より残業がつかないことより何より悔しい。
聞いてくるやつはデリカシーがない、とか、相手に配慮がないとかいわれるが、
全く欲しくなくて理由もしっかりある人間なので聞かれてもムカつかないし詳らかに説明させていただいています。
既婚の選択子無し歴が10年以上のBBAになったので、そこそこの回数聞かれていまふ。
①親戚の方々
まぁ一番ありがちな方々でしょう。
作らないの?というよりは作らないと暇じゃない?という聞き方。
親戚は何故か私達夫婦以外全員子持ちの専業主婦という一族なので(夫も私も)、
子供を作らない主婦は何をして生きているのだろう?という疑問があるのだろう。
そういう方には
「世の中には共働き夫婦というものがあり、正社員で働いていると、平日は毎日9時から5時までは働くんですね。
そこから帰ってかんたんに夕飯を済ませて少しテレビ見てくつろいだりしたらもう寝る時間なんですね。
土日は平日に稼いだお金で旅行に行ったり趣味を楽しんだりしますね。
そしたら、暇な時間なんてないですね。
欲しくもないので、時間を作ろうとも思いません。」
大抵「こいつだめだ」と呆れて立ち去っていただけます。
セクハラだ!と思われるかもしれないけれど会社の上司には面談のたびにほぼ質問されます。
これは人事上の都合があると思われます。
私の勤務先は女性活躍推進(笑)をしていて、3年育休取れるし、時短勤務もあるし、旦那が転勤になったら妻も転勤させてくれるし(社内社外問わず)、会社内に保育園もあり常に定員に余裕があるので最悪の場合子供はそこに預けられるし、補充人員もしっかり取ってきてくれる、とマタハラなどがない大変な優良企業なので、
その代わり、産休育休を取る人数が多いため人事部はやりくりのパズルになかなか苦心しています。
そのため、少しでも妊娠を考えている部下は上司としては把握していたいということなのでしょう。
ですが、私は全く考えていませんので、その点をはっきり伝えています。
「仕事が好きというわけではないですけども、
子供のためにそのお金や体力や時間を使う気は一切ないので、産休などは一切考えてません。
最後の一文を言うとぎょっとされるのですが、子供を産むくらいなら自殺するか堕胎します。
多分、上司は私のことをメンヘラと思っているのか、仕事の量もだいぶ減らしてくれています。
③既婚者の友人
が、大抵の友人は私の遊んでいる様子をよく知っているので
「あんたは子供いらないだろうね、うん」と答えるまでもなく納得されます。
以上が子供は?と聞いてくる人たちとその返答ですが、
一番ありがち?な両親や義両親には一度たりとも聞かれたことがありません。
おそらくは
「土日のたびに遊びに出て家事すら放棄しているこいつらに子育てはできない」
「育児放棄されてこっちに育児させられたら溜まったもんじゃない」
こんな感じだと思われます。
息子や娘を育てたのはご自身ですから、どういう人間なのかはよくご存知なのでしょう。
その辺りの判断力のある両親で良かったです。世の中には子供の才能や力量を測れず、むちゃな要求をする贅沢な親というのも存在するようですから、その点私は恵まれています。
私のことをよく知らない人や業務上の都合がある人は子供は?と聞いてきますが、
私のことをよく知っていて身近な人であればあるほど、子供は?などと質問自体が愚問であるとわかっているのです。
聞いてくる人はデリカシーがないというよりは、子無し希望の人間のことをよく知らないだけなのです。
ですので、いかに子供が自分にとって不要な存在であり、育児をする意思がないということを、ぜひ説明してあげてください。
案外、「子供を必要としておらず、かつ、子供を育てるのに不適な人間」がこの世に存在しているということをご存知ない方も世の中には存在しているのです。
それでもしつこく質問してきたり、あわよくば子供を作れなどと推薦してくる方々は著しく理解力の低い人間かと思いますので、人生で付き合う必要のない人間だと思います。
https://mainichi.jp/articles/20171109/k00/00e/040/237000c
その女性は第一生命という保険会社に勤務していたんだけれど、結婚して姓が変わったことに伴い作り直した名刺や判子などの費用を会社から負担させられたとぼやいていた。曰く、結婚したのは自己都合だから、らしい。
そんな理不尽なことを大手企業がやるとは思えなかったし、そもそも自己都合も何も名刺など業務上必要とされるものを被雇用者が負担すること自体おかしいので「(第一生命とは)業務委託契約なのでは?」と尋ねたが「いや、正社員である」との返答が返ってきた。
友人は社会経験が乏しくいわゆるコンプライアンス的な発想を持ち合わせておらず、勤め先の対応を愚痴りはするものの「当然のこと」として受け止め消化していたため、私も「そうなんだ」と相槌を打ち、それ以上深く話を聞こうとはしなかった。「正社員だが基本給はない」などと謎の台詞を口走っていたので、私は「彼女は何か雇用形態をしっかりと把握していないんだろう」と思ったのだが、いったい事実はどういうことなんだろう・・・。
ADHDでもアスペでもいいけど、こういう発達障害の人間は、普通の人とは生きてる世界が違いすぎるため、相互理解には正しい知識が必要であることは、多分専門家の間では常識だろう。
これは普通の人が発達障害の知識を得るだけでなく、発達障害当事者が普通の人の知識を得ることも必要だと思う。
即ち、意志の力や情熱、経験則に基づく「ちょっとした工夫」だけでうまくやれる可能性は、かなり低い。
普通、人間理解というのは生まれてから蓄積してきた対人経験に基づいて相手を観察し、その場の現物合わせ、いわゆる「ちょっとした工夫」でこなすものである。
だからこそ、いわゆるコミュ強者と言われる人ほど、なまじ経験則でオールオッケーだったが故に、発達障害への理解に正しい知識が必要という所に辿り着きにくい気がするのだが、どうだろうか。
何より普通の人から見て、発達障害当事者の言動はしばしば不快感を催すため、そういう感情的反応も、一層理解を難しくする気がしている。
実際、今まで自分が見てきて「今思うと、コイツ絶対そうだろう」という人間が何人もいたのだが、彼らに対し、今だったら一体何が出来るのか、結構疑問である。
もし既に対処法が確立しているならトラバに書いてもらって構わない。
勿論、これらのケースで最も困っているのは本人であることは間違いない。
しかし、周囲だって大変な迷惑を被っているわけで、そういう意味では、彼らも加害者なのである。
確かに殴られたりキレられたりと、かなり暴力的な対応をされているが、これは明らかに彼らがしでかしたことへの「帳尻合わせ」なわけで、こういう対応をするから悪い奴とは言い切れない。
それを踏まえた上で、どういう対応をすべきなのか、かなり難しいと思う。
度重なる押し問答の末、シューゴさんはとうとう爆発した。
「もういい! もうたくさんだ! こんな曖昧な基準で、表現が統制されてたまるもんか!」
「ワガママを言わないでください。社会にとって害悪なものは統制される。それが今回はアニメだったというだけの話じゃないですか」
「俺から言わせればな、普遍性のないボーダーラインを大義名分に、表現を統制しようとすることこそ害悪でありワガママだ」
「上等だ! 奴らが文句を言うのはもちろん自由だ。だが、オレたちにも同じくらい尊重すべき自由がある!」
シューゴさんは頑なだった。
「自分にとって不都合な影響を与えたくなくて、躾もロクに出来なくて、その責任をオレたちに擦り付けるしか出来ない。だったら、いっそ何もない家に一生閉じ込めておけ。それが一番確実で健全だ」
「なぜ自分と同じ物差しを、誰もが持っているべきだと思いあがれる? よしんば持っていたとして、同じ物差しで同じ場所に、同じように線を引くとでも思ってんのか。それを踏みこえてはいけないと、なぜ言い切れる?」
父もフォンさんも溜め息をつくが、どこか安堵もしていた。
シューゴさんほどではなかったが、二人とも今回の対応に不服であったのは同じだったからだ。
どこかでシューゴさんが突っぱねてくれることを期待している節があったのかもしれない。
そして、放送後……
「シューゴさん、苦情が……」
「変える気はないぞ。主人公たちの武器はこれまでと同じ、人間相手にもバンバン使っていく」
「いや、今回はそこじゃなくて……」
「ん? どういうことだ?」
「『入浴シーンがセクシュアル的でよろしくない。青少年の健全な成長に悪影響を与える!』……とのことです」
それを聞いたシューゴさんは大げさに笑って見せ、父は白々しく「あちゃ~」と言いながら頭を抱えた。
「わっはっは。あ~そっちかあ~」
「というか暴力表現に関する苦情はどうしたんです? 今回はアクションシーンが派手だったから、いつもより来ていると思ったんですが」
「恐らく、入浴シーンのほうが気になったんでしょう。性的描写の方を問題視する人って多いですから」
「性別関係なく湯気をこれでもかってくらいつけているんですけどねえ。作画の手抜きを湯気で誤魔化しているんじゃないかって疑われるレベルで。更には放送局がそこに雑な修正まで入れてるほどなのに」
「一番スケベなこと考えているのは子供より、そいつらの方なんじゃねえか?」
「また、そういうこと言う……それに暴力描写と性的描写は別物ですから、判断基準も変わってくるのは当然ですよ」
「どちらも表現の一形態だろ。これは良くて、これはダメ。ここまでならOK、これ以上はNG。それを区別する境界線を誰が、どうやって決めれば正しいんだ」
「それは私も分かりませんが、彼らの主張自体は理解できるでしょう。これはTPOに基づいた、妥当性の問題です」
「その“T”と“P”と“O”とやらを、それぞれ具体的に考えたことあんのか? そんな状態で妥当性なんぞ共有できないだろう。基準が曖昧なままなのに、主張に汲み取るべきところがあるからと受け入れていったら、雰囲気だけで規制できてしまうぞ」
「そうです。都合のいい言説を振りかざしているだけです。主張の内容はそれっぽいことを並べてはいても、象徴的だったり抽象的なものの域を出ていない。とどのつまり恣意的に判断しているのを誤魔化しているわけです。それで表現が統制されるべきとは思えません」
「そんなこと言っても仕方ないでしょ。私たちも上から通達が来たから業務上やってるだけで、それが本当に正しいことか分からなくても、やらないといけないわけですし……」
「ああ、そもそも上の指示に大人しく従ったのがケチのつき始めだったよな。それで安易に変えてしまったら、他の表現も次々とその対象になる。クリエイターを抑圧し、萎縮させて、風当たりだけが強くなっていき、虚構のディストピアが出来上がるわけだ」
「そうして世間の目が矯正されれば、今までは全く問題視されていなかった表現まで規制の対象と認識される。事例や風潮の積み重ねが基準やエビデンスを形作るなら、なおさら現状にNOを突きつけるべきなんです」
この時フォンさんはかなり戸惑っていたようだった。
目の前の問題から目を背けて、二人が不平不満を言っているだけのように見えたからだ。
「二人とも、検閲そのものの是非はともかくとして、結局何らかの対応はしないと……」
「それなら大丈夫だ。今回のエピソードでお上からの指令は来なくなる」
「え、どういうことです? むしろ余計に悪化しそうな気がするんですが」
「“自由の応用”・・・・・・?」
「オレたちは表現の自由を不可侵の聖域だとは思っちゃいない。なぜなら表現の自由は、言論などの“自由”も包括しているからだ」
意見を肯定するか、否定するか、スルーするかという選択はできる。
だが都合の悪い意見そのものを失くそうと黙らせるのは矛盾した行為だという。
「ではどうやってこの流れを止めるというんです」
「直に分かりますよ、フォンさん」
父たちは作り手だからこそ、表現の自由に構造的な欠点があることを知っていた。
それはつまり、“その他の自由”にも欠点があるのを知っているってことだ。