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2023-10-26

電話マナーがなってないヤツが多い

未だに職場電話を使っている上に個別回線じゃなくて共通回線なので誰かが取る必要がある。

電話に出るのをサボル奴ばかりなので半分ぐらい俺が取ってる。

俺は主任係長ぐらいの職位なのでもっと下っ端にやって欲しいのだが、今どきの若者電話を取りたがらないというか「俺は自分仕事で忙しいから暇なやつが取れよ」を全力でオーラ出してくるし、嫌々やらせても相手名前も聞き取れないカスなのでもう期待してない。

んで俺と同格ぐらいでロートル人間は「俺のようなベテランはそんな粗末な仕事はしないですよ」を全力でやってくる。

取らんで放置してると睨むし、自分にかかってきそうな時は必死に取りに来て、こっちが先に取ると露骨な態度でガチャンと受話器を叩きつける。

まあここまではいい。

もうしょうがない。

雑用やって貢献ポイントが稼げるならもう割り切る。

下っ端もシュレッダー掃除だけはちゃんとやるし全体の割当考えたら俺が取りゃいいんだよなって割り切りはある。

でも電話を回したときの態度だけはマジで最悪だ。

電話を取って頂いている」という態度が出来ないやつが多い。

電話を回そうとすると露骨に嫌な顔をする。

電話を取った俺が受話器を抑えながら相手の方を向くだけで、眉間にしわを寄せてこっちを睨んでくる。

「そうかそうかそんなに嫌なら頼まれてもないけど居留守使ってやろうか?」と気を回してやる気にもならん。

マジで電話カスだ。

きっと毎晩ベルの墓には電話を恨んだ誰かが犬の糞を塗っているだろう。

ベルに負けたどこぞの誰かは不名誉回避して100年越しに大勝利だ。

本当に最悪の気分になる。

なんで電話を回してやるだけでいちいち睨まれ舌打ちされ忙しいアピールをされこっちが嫌な気持ちにならなきゃならん。

そんならお前らが我先にと取ってくれ。

雑談で忙しいか電話なんて取れませんわよという態度の奴ら、ずっと画面見て自分世界に入ってるアピールコミュ障、俺は幹部候補生だぞと出身大学採用ルートをちらつかせて雑用全部下に押し付ける新入り、マジでどいつもこいつも「代わりに電話を取っていただいてありがとうございました」が出来なすぎる。

信じられねえ……人として最低限のことが出来てねえんだよ。

コイツらはきっと親にヤンジャンを買いに行かせてはヤンマガを買ってきた親に「ババァ!本当に使えねえな!死ね!!」と言いながら育ってきたんだろうな。

腐った人間性が何気ない日常の中で溢れ出てるぜ。

本当に失礼な連中だ。

2023-10-25

優秀な個体だけを残すための効率を追及するなら、競走馬みたいに、雄は一流の実績を残した個体だけに限定して繁殖許可して、次々と雌を孕ませるのがいいんだよな

弱雄は雑用か、それもできなければ殺処分しかない

2023-10-21

anond:20231015162249

その社内企画ってのはアジャイルでやってるのか?

ウオーターフォールなんてやったの10年以上前だぞ

それにシステム設計はできるけど社内企画マネージメントなんていう雑用は知らないよ

2023-10-17

かに俺は雑用係だが。もう一人俺より遥かに歳食った未だに原付事務所行き来してる悲しいおっさんがいるが。

こっちが転んで痛いのに、自分が重いもの運ぶからってさも手伝って当たり前かのようにちょっといかなって言ってくるの不愉快だわ。

お前が仕事熱心なのはいいけど俺がお前の仕事に貢献して何になるんだよ。

そのうえこっちの状況感情蔑ろにしてる感じが最高にうぜえ

実はどうとでもなる痛さでもあるんだけどメタルギアスネークエヴァ関係じゃあるめえしお前ごときのために奮起する気になんかなれねえんだわ

2023-10-15

anond:20231008141222

理解できる程度には大体同じ境遇だけど流石に雑用押し付けられなかったか年代差も感じる

2023-10-12

仕事教えてやってる部下が雑談振ってくるとイライラする

あのさぁ……俺がお前のちょっとググれば分かるような質問にさえ気前よく答えているのはお前にとにかく仕事を出来るようになってもらって、それで最終的には俺たちの仕事を楽にして欲しいからなんだよ。

別にお前とおしゃべりするのが楽しいから笑顔質問に答えてなんかいいから。

お前が質問やすいように笑顔質問に答えてるし、お前が気軽に話を振れるように雑談にも笑顔対応してる。

でもそれは最終的には「お前が仕事できるようになってくれることで、俺たちの仕事量をいい加減減らして欲しいから」なんだよ。

このチームはもう完全にデスマーチ寸前になってる。

そこにやってきたお前には本当に仕事をできるようになって貰わないと話にならない。

極論を言うと、もうお前にはあらゆる雑用だけを押し付けて、俺たちはもう目の前の仕事を片付けるだけに精一杯になりたいのが本音だ。

でもそれをやるとお前の成長が止まって、いつまで経っても楽になりそうもないから、文字通りに寝る間を削ってお前に仕事を教えてるんだよ。

そうして時間を削ることで、お前の仕事自分必死に調べるよりだいぶ順調に進んだと思う。

それで生まれ時間にやってほしいことは、どんどん仕事を覚えて俺たちの仕事を巻いて言ってもらうから、進んで雑用を見つけて手伝ってもらうことなんだよ。

いちいち雑用について指定するのなんて面倒なんだ。

大抵の雑用は半端に人に頼むぐらいなら自分でやったほうが早い。

いちいちやり方を説明するのも面倒なぐらいだ。

俺たちが時折「どこそこの会社書類はここに来て、気づいた人が皆に配ってるよ」みたいなことを言ってるのは「暇な時間を見つけてやってくれると嬉しいな」なんだよ。

でもそれは本当に雑用しか無くて、そこに使命感を持たれたくもないから具体的に命令はしてない。

優先順位は低めだか時間に余裕がある人がやればいいっていう立ち位置なのを誤解してほしくないんだ。

お前が今やるべきは死ぬほど頑張って仕事を覚えること。

からお前が雑用なんてやってる時間がないっていうのは正しい……基本的には……自分業務量が大雑把に見えてきた俺たちが、なんか頭が疲れた時に脳みそ使わないで出来る作業として片付ければ良いのは事実だ。

でもな、お前なんかんだ結構早めに帰るじゃん。

まあこっちがお前の業務ペース把握しきれんし、あんまりお前の場所で止められてもそれはそれであとあと燃えだしたら小さな火でも面倒だから量を抑えてるってのはある。

でも結果的にお前余裕あるわけじゃん。

じゃあ残ってもうちょい勉強するとか、ないしは余裕があるんだから雑用をやるとか、そういう風にチームに貢献してくれねえかな。

入ったばかりで環境になれなくて疲れて仕事になりませんからせめて休みますってならしゃーない。

しゃーないよマジで

俺も新しい職場に来るとそうなっちゃう時はあった。

でもお前、そうやって出来た余力で雑談投げてくるじゃん。

いやそれは辞めてくれよ。

仲良くなるの大事みたいに思うかもだけど、職場必要な仲良くってのは心理的安全性が確保されていることであって、本当にお友達になることじゃないからさ。

しろ下手にお友達になると「せっかく出来た友達に嫌われたくないなあ」みたいになって心理的安全性が下がる谷間みたいな時期があって危険なんだよ。

雑談なんてわざわざ振らなくても俺はお前が振ってきた話にちゃんと答えてるよな?

くだらない質問だとそっちが自分で気づいてる内容にだって「何回でも聞いてくださいね」って返してるし、実際毎回教えてるよな。

なあ……なんで横の相手が今にも死にそうな勢いで顧客電話かけまくってるところに「へ~~大変ですねえ。無理のしすぎは良くないと思いますよ」みたいな事言ってくるんだよ。

応援なんて頼んでね―よ。

デバフから

いちいちそういう話に愛想笑いで返さないといけないことで俺の生命力ちょっとずつ無駄遣いされてるから

死にそうから本当の死へと着々と近づく一歩の一つがお前の振ってくる無計画雑談から

マジで勘弁してくれ。

俺が必死自分時間を分け与えて作ったお前の時間を、お前が目の前でドブに捨てて、そのドブに捨てる作業を俺に手伝わせるのマジでやめろよ。

精神がボッロボロに消耗するんだよ。

俺さ、マジでお前に仕事教えるための時間確保するのに頑張ってるんだよ。

ぶっちゃけ俺が死にそうなレベル残業してる理由の何割かは、お前に仕事教えるために時間使わされてるせいなんだよ。

それでお前がドンドン仕事覚えてるのは成果出てるなって感じてるけどさ、そうやって成果出た結果としてお前がヘラヘラと俺に雑談投げてくる余裕が出て、結果的に俺の時間が二重取りされるってならもう仕事教えたくねえよ。

頼むよ。

マジで察してくれ。

面と向かって頼まないのは俺が卑怯からじゃなくて、「雑談辞めてもらえますか」と言ったら質問までしなくなりそうだなってのが分かるからだよ。

雑談感覚質問ガンガン投げてくれて良い。

でもほんとうの雑談は辞めてくれ。

俺たちにそんな時間はない。

少なくとも俺にはもう寝る時間もねえんだ

つうか寝れな過ぎて不眠症なんだ。

今もベッドに入ったけど30分して寝れなかったから起きて増田書いてる。

本当はこの時間で寝てたかったんだよ。

2023-10-09

anond:20231009185901

人気のある名門()とかに入れちゃう雑用技術しか身に付かんけどな

新卒入社して数年はお茶汲みコピーばっかりやらされてたって50代女性が不満げに語っていたけれど

いや、数年経ったらちゃんとした仕事やらせてもらえたんでしょ?なら別によくない?

女性だけにそれをさせるのは駄目だろうけれど

男女問わず入社して数年は雑用で慣れてきたら責任のある仕事を任せるっていう体制別におかしいとは思わない

それが今は完全に正規非正規とで身分格差が出来てしまって、正規新卒入社出来た女性最初から遣り甲斐のある仕事を任される一方、非正規で入った女性永遠に非正規という身分の固定が起きているんだけど

その辺を問題視するフェミニストって何故なかいないんだよね

新卒入社して数年は」じゃねーんだよ

このポストがえらく拡散されているけれど、就職氷河期世代非正規女としては「新卒入社して数年は」の文字はらわたが煮え繰り返ったわ

数年で済むとは良いご身分だな

そもそも新卒入社なるものが出来ず、そういったスキルにならない雑用のみをやらされるのが恒久的に続くのが非正規労働者なんだよ

この人は50代らしいけれど、バブル世代なのかな?

50代には就職氷河期世代もいるけれど、まだまだバブル世代が多いからな…

数年我慢さえすれば当たり前のようにまともな仕事が振られるような人達には、非正規女性の苦しみは分からないんだろうね

私自身はフェミニストを自認しているし反フェミ女性は全く支持しないが

フェミニストの中にはこの人のように、女性間の格差には無頓着女性が一律に同じ立場に置かれているかのように語る人が多すぎる

https://twitter.com/castellabolo/status/1710796008878428273

カステラ

@castellabolo

私は50代なんだけど、新卒入社して数年は課員の事務机の清掃、お茶汲み、コピー取り、おじさんの手書き原稿ワープロ清書をやらされて、おじさんの「うちの女の子を行かせます」の電話一本で書類を届けたり受け取ったりの遣いに度々出されて、心の中で苦虫を噛み潰してた。

2023-10-08

anond:20231008141222

なんでモテベースなん?

旧帝(文学部以外)を出てたら雑用させてたっかい給料無駄にする上司なんていないでしょ

モテない女は幼少の頃からいちいち容姿からかわれて笑われる、

学生時代女子グループのお喋りや遊びには混ぜてもらえないのに雑用だけは押し付けられ、

とにかく何かと雑に扱われ

就活では顔採用連戦連敗し

やっと働けるようになったと思っても既婚の上司・同僚の子育て負担一方的に負わされ続け

仮に仕事成功してトップ層にまで上り詰めても「でもブスじゃん」の一言無効化されるという、

この上なく「女として」扱われるんだよなあ…

これ全部、平均以上にモテる女ならば回避出来る苦労なので

大多数であるモテる女からそもそも「女として」の扱いにカウントされる事すらないという

人として扱われたいかモテたいんですよ

ここの米欄にも出てくる、「女としてではなく人として扱われたい」ってやつ、それ自体にはすごーーく共感する。

ただ、その「人として扱われる」ためには、何よりも男からモテる」事が必要なんだと思っている。何故か世間では逆の風説が幅を効かせているけれど。

モテない女はそれこそ「女として」扱われるよ

性的魅力云々ではなく、都合よく雑用押し付けても顧みなくていい下女として。

モテない女は幼稚園小学校の頃から男子から(時には女子から)苛められからかわれるし、カースト上位の可愛い子達がお喋りしている傍ら一人だけ黙々と掃除をしているなんて実にありがち。

仕事でもワーママの皺寄せで仕事押し付けられてちょっとでも愚痴を言おうものならお局やマタハラ加害者として叩かれる

こういうのがまさに「人としてではなく女として」扱われるという事なんだよ。女ジェンダーの特徴って何よりも、金にならない雑務押し付けが主だし、皆婚社会ではなくなった現在においては寧ろ家庭外においてそれは起きている。

同じく非モテでも男ならそれはやられない。女にさせるような仕事モテない底辺だという理由で男にさせる事はない。

男はどんなにモテなかろうが最低限「人として」は扱ってもらえるし、逆に言えばモテた所でそこまでとんでもないメリットがある訳ではない。

結局、この社会において人間デフォルトとされているのは男なんだから、女が「人として」扱ってもらうには、

父親や夫や上司といった何らかの形で権力持ちの男に気に入られてその恩恵に預かるしかないのが現実

女が「人として」扱って貰うためには男からの「モテ」が必要なんだよ


https://togetter.com/li/2236915

2023-10-07

anond:20231007115720

フリーターまがいどころか正真正銘フリーランスだったりするんだが。 

というか、稼げればフリーランスが最強でしょ。人なんか雇わずに一人で何千万も何億も稼げれば一番いいじゃん。採用とか人事とか労務管理とかのバックステージ雑用が増えたら時間と労力ばっかり食って稼ぎにつながらないか所詮無駄だし。

2023-10-05

二度名前を消されかけた馬鹿な私の話

これは仕事で疲れ切っていた若くて馬鹿な私が、云年越しの真実に打ちのめされる話かもしれない。

どこか嘘かもしれないし全部本当かもしれない。ただただやりきれない気持ちだけで書く。

この日記を一行でまとめると下記の通りだ。

業務時間外に書いた云十万字の小説権利が、一切自身になかったことを知った話、である

* * *

学校卒業後に就職したのは小さなさな編集プロダクションだった。執筆編集者がやるタイプ編プロだった。

ニッチな界隈の本を細々と出していた会社で、今はもう存在しない。

好みの分野を扱うことが多かったので仕事自体は楽しく、担当していた界隈がにわかに盛り上がったときは激務に次ぐ激務だったがかなりのやりがいを感じていた。

編集者のいいところは、自分の関わった商品本屋という身近な場所に陳列されて、しかも奥付に自分名前が載ることだと思う。

「私はこれを作ったんだ」という実感は激務を忘れさせるほどの麻薬だった。

会社はいろんなタイプオタクがいて、コミケサークル参加するような同人作家も在籍していた。

スタッフ創作であることは仕事に生かされ、それが会社の強みにもなっていた。

私もそんな創作者のひとりだった。小学生のころから二次創作小説を書いていたような、生粋創作する側のオタクだ。もちろんコミケサークル参加したことがある。会社でも小説を書くことは隠していなかった。

前述したとおりいろんなオタクが集まっているのはこの会社の強みであり、取引から面白がられていたので、何かとそれは話題にあがった。「あなたは何のオタクなの?」という感じの雑談から、私が小説を書くオタクであることは取引先にも知られていた。

ある日、上司に呼ばれて席まで行くと、「小説を書いてみないか」と言われた。

とある人の半生が面白いので、脚色を加えて小説にする企画があるのだが、書き手ライター)が見つからない。

そういえば御社小説を書く人がいたよね? ――と、取引からお声がかかったらしい。

素人の思い出話を物語として成立させるには、筆力のほかに構成力も必要になってくる。

小説が書けて、編集者視点も持っている人にお願いしたい、というのが私が選ばれた大まかな理由だ。

人生何が起きるかわかんねぇな」と思いつつ、正直先方の正気を疑ったが、特に断る理由もないので「自分でよければ」と答えた。

そして、企画が動き出した。

当時私は中堅の社員で、後輩の教育も任されており、わりと大きな継続企画も抱えていたので、まあそこそこ忙しかった。

そこそこ忙しくはあったが、後輩に任せられることは任せ、溜まりに溜まっていた有休を無理くり使い、執筆作業に当てた。

徹夜もよくしたし、午前中にネカフェ執筆して午後から出社、終電後まで働くみたいなことも多かった。

執筆はすべて業務時間外にしていた。これは単に会社にいると仕事が降って来るので落ち着いて書けないし、原稿料をもらうからには切り分けねばと思ったからだ。

会社を空けることが多くなり、雑用確認作業が頼みにくいと上司からはよく嫌味を言われた。

通常の仕事に加え、睡眠時間を削りながらの執筆、「自分で書くのだから」と資料作成・装画周りにも関わり、とんでもなく忙しくはあったがやりがいも楽しさも感じていた。

初稿が上がり、大勢の人の目が入り、製作も大詰めというときだった。

上司が、軽い調子でこう言ったのだ。「著名は原案者だけにするかも」と。

反射で「私の名前が載らないってことですか?」と尋ねると、「そういう案も出ている」と言われた。

忙しくて頭の回っていなかった私は、ただただ「そんな話が出ているのか」とショックで、会話はそれで終わりになったと記憶している。

デスクに座ったまま、ぽろっと言われたくらいのノリだったように思う)

その日の夜になってようやくだった、「いや、私の名前が載らないのはおかしくないか?」と怒りが湧いてきたのは。

前述したとおりこの本は、とある人物の半生を脚色して小説化するというものだ。

当然、この「脚色」は私の創作である些細な話題を膨らませてドラマチックにしたり、つなぎになるエピソード創作して物語を盛り上げた。

たとえば登場人物の紹介をするのに、設定にある特徴から勝手エピソードを作ったりした。

こうした追加エピソードについては、原案からも「まるで本人を知っているかのような描写で驚いた」とお褒めの言葉をいただいている。設定から妄想を広げるのは二次創作同人屋の得意分野だ。

そう、この小説は相当私の「創作」が含まれているのだ。それなのに何故、ゴーストライターにされてしまうのか。

怒りのまま、とはいえギリギリビジネス文章に落とし込んだ形で、私は上司出版社担当者にメールを書いた。

個人アドレスから送ってやろうかと思ったがそれはやめた。不審メールとしてはじかれたら元も子もないかである

要は「私の名を出さないのなら、創作部分をすべてカットする」という内容だ。原案者が著者なら創作部分は生まれなかったはずだから、という理論だ。

私のガチギレぶりにめんどくささを感じたのだろう。私のペンネーム原案者と併記されることになった。

ガチギレメールについて上司から小言をくらったが知ったことではない。私のやることなすこと気に食わない上司文句などすでに聞き飽きていた。

今思えば原案/著で記載されるべきだったのだろうが、この後の出来事を考えるとこの時からすでに事は動いていたのかもしれない。

その後無事本は出版されたが、ろくな広報はされなかった。

発売後、今度は社長に呼び出された。社長と総務の前へ、何事だろうと寝不足の頭で棒立ちになっていた。

印税についての話である

個人出版社契約でなく、会社出版社契約を結び、入金された印税の中から褒賞として私に支払う形にする、という通達だった。

当時二十代半ばの私は、この言葉意味をよく理解しないまま、印税がもらえるならいいかと了承してしまった。

ここがすべての間違いであったのだが、そんなことは当時の私が知る由もない。

その後、若い私にとってはそこそこの額の執筆料をもらったが、当然のことながら重版などかからなかった。

なんやかんやあってその数年後、いろいろ限界を感じた私は逃げるように辞職した。このままでは飼い殺される、という危機感が一番強かった。

同じ家に暮らす家族から最近顔を見ていないけど元気?」とメールが来るような日々だったのだ。

それなりに「できる社員」として取引先にも認められていたので、おかげで再就職比較スムーズに進んだ。

* * *

それから結構時間が過ぎたころ、なんと前述の本のメディアミックスが決まった。

私がそれを知ったのはネットニュースでだった。

起き抜けのTwitterTL巡回中、見覚えのあるタイトルが目に入って一気に目が覚めた。それは結構な規模のメディアミックスで、有名な人も参加するプロジェクトだった。

何事かと思って公式サイトに飛んで、さらに驚いた。

スタッフクレジットの「原作」欄には、原案者の名前しか書かれていなかったのだ。

とはいえ、今も同人活動をしている身としてはあまり名が売れてほしくない思いもあり(商業活動をしているわけでもない)、それについてはそこまで怒りも湧かなかった。

何よりかにより私が衝撃を受けたのは、原作欄に掲載された書影から私の名が消されていたことだった。

ぱっと見た瞬間、変だと思った。画像の一部に雑な加工の跡があったからだ。何故加工されているのか、よく見たら名前が消えている。そういう順番での認識だった。

なんだかんだ長く出版界隈に居座っているので、画像加工については見慣れている。本職デザイナーの手にかかれば、あたかも初めから存在していなかったような「画」を作れることも嫌というほど知っていた。

その書影の加工は、どこから見ても素人仕事で、スタンプツール連打したんだろうなって感じのものだった。私でももっとましに作れる。

加工者が誰であれ、私の名は意図的にその画像から消されたという事実に変わりはなかった。

少し前に好奇心から知財の本を読んでいた私の頭には、人格権翻訳権、氏名表示権などなどいろいろな言葉が浮かんでいた。名を消されたことに関する影響も危惧していた。

それと同時に、ずぅっと謎だったけれど、見ないふりをしていた疑問も浮かんでいた。

私の印税ってどうなっているんだろう。

前述したとおりこの本はほとんど広告が行われていなかったため、重版など夢のまた夢だと思っていた。だから、それまで考えないようにしていた。

メディアミックスされるとなると話は別だ。

この時私は打算的にものを考えていて、名前を消した理由を尋ねるところから入り、この本に関する私の権利について確認を取ろうと思っていた。

正しくない書影掲載したという非が向こうにはあるので、多少強気でかかって話を引き出せると思ったのだ。

微々たる額でも印税がもらえたら御の字だなと考えていたのだ。なんたって印税契約をしていた会社はすでに倒産していた。

小狡い私はこの問い合わせを、出版社ライツ部に送った。

担当部署に直で聞くのが手っ取り早いが、権利に関する問題であるし、内々で片付けられても困る。よそを巻き込んで大事にしてやろうと思ったのだ。

結果、私は惨敗することになる。

なんと、当時の担当者がライツ部に異動になっていたのだ。こんな偶然があるのだろうか。

午前の早い時間に送ったメールは、午後には返事が来ていた。

お久しぶりです!」の文字にくらくらした。

この本が出たのはもうずいぶん昔の出来事で、だから、当時を知る人がもう社内におらず、だから、私と連絡が取れず、だから書影から名を消していたのだろうと、そう思っていた。

問い合わせのメールには、連絡が取れないか名前を消したのだろうか、だとしてもこんな雑な方法で消すのはどうなのか。何故名前を消したのか理由を知りたい。権利にかかわる問題はらんでいる恐れがあるためライツ部に連絡をした。製作時も記名に関してひと悶着あったというのに残念だ。そんなようなことを書いた。

当時を知る人がいない前提の文面だ。

だというのにどうだ。その担当者は私が転職したあとも仕事のやり取りがあり、だから、私の連絡先は知っていた。なんなら携帯番号も知っている。

連絡しようと思えばいつでもできたはずだった。

返信には、非常に軽い調子でこう書かれていた。

「先方に間違った画像を送ってしまった(入稿のものだったのかも?)。今正しいものを送ったので即時修正されるはずだ。今後の重版に関しても名前が消されていることはないので安心してほしい」

あのずさんな加工画像を、製作過程画像だと言い切った。

製作に関わっていた私が、そんな画像存在しないことくらい知っているだろうに、そう、本当に軽い調子で書いていた。

誤魔化すつもりなのだ公式サイトに私の名を記載しないが故、書影との差異を出さないように雑に消したのだろう。バレないとでも思っていたのだろう。これだけ対応が早いということは、この人が本件に関する責任者なのだろう。

まり、あの時私の名を本から消そうとしていた担当者が、私の名を表紙から消したのだ。

大事にしたかったのにならなかった。この時点でもう打つ手はないなと感じつつ、「当時を知る人がいるとは心強い!」とよいしょしながら、本書の権利について尋ねた。

念のため最初からメール署名から電話番号を消していた。電話では余計なことを口走ってしま可能性があるし、丸めまれる恐れがあるからだ。諸々のことを文章として残しておきたかったのもある。

この時点ですでに、職務著作という言葉が頭をよぎっていた。簡単に言うと、業務制作した著作物の著作権は会社帰属するというものだ。

わざわざ業務時間外に小説を書いていたが、契約会社に委ねてしまった時点で私は著作権を放棄したことになっているのだろうなとほぼ確信していた。

とはいえ契約である会社はすでに倒産しているわけだし、そこはどうなっているのだろう。この際だからという気持ちでいろいろ疑問をぶつけてみた。

会社在籍中は印税の一部は会社から支払われることになっていると聞いたが、という話も伝えていた。

(誤魔化そうとしているのは明白だったので、雑な加工については「画像の送付間違い」ということで流した。一応修正前の魚拓は保存している)

結果、分かったことは以下のとおり。

著作権は原案者のみが所持、会社とは業務委託の契約しか結んでいない。

印税契約は元社長が持っている別会社が引き継いでいる。

はあ、つまりだ。

職務著作どころでなく、はじめっから私の権利は知らんところで放棄されていたのである

ずいぶん話が戻るが原案/著表記にしなかったのは、こうすると私が著作者として確立してしまうからだったのでは?みたいな気持ちもある。

こんなめんどくさい人間を絡めるといろいろやりにくいと思われたのだろう。事実暴れてしまった前例もある。

そしてこの本がいくら売れようと、印税が入るのは案件ノータッチの元社長の懐だ。

結局、知識のある人間が得をするのだ。悪いのは無知な私だ。目の前の仕事で目を回していて、いったん持ち帰るということができなかった、仕事に疲れ切っていた若くて馬鹿な私なのだ

いろいろ教えてくれたことに感謝はしつつ、とはいえ雑に私の名を消した恨みは募っていたので、最後っ屁のつもりでやり取りの最後はこう締めた。

本来書影に書かれている名が意図的に消されていると、『この消された人物は何者なのか』と無為な詮索にさらされる危険性がある。それが一番の懸念だった。もう二度とこのようなことが起こらないよう留意してほしい」

シンプル名前が消された怒りもあるが、この危惧もあった。メディアミックスに際して名を消された著者。もし、私がこのペンネーム商業活動をしていたとしたらどう思われるだろうか。

消されるだけのことをしでかしたのではないかと思われる危険性は高い。これは信用問題になってくる。

それに、今のネットの「面白そうなおもちゃ」に対する残虐性は認識しているつもりだ。自分が掘り出した“真実”を喧伝し、当事者炎上させる。何かあったら嫌だ、と身構えるのは致し方ないと思われたい。

とはいえ、これを読んでいるような人なら理解してくれるだろうが、出版社のこの手の人間には理解されないだろう。

それでも、もう二度とこんな雑に人の存在を消さないでほしい、という訴えは届いてほしかった。

* * *

若人よ、契約書を作れ。契約書を読め。

この件に関して、私は別に詐欺にあったわけでも、法を犯されたわけでもない。ただただ無知で、己の権利に鈍感だっただけだ。

手痛い授業料だと思っている。このエントリーは半ば逆恨みだし、書いてすっきりして忘れたかったのかもしれない。炎上させたいわけではない。

自分無知で痛い目にあった私ができるのは、二度と同じ過ちを犯さぬよう、そして後進たちが同じ轍を踏まぬよう努めることだけだ。

提案は一度持ち帰って調べろ、即決するな。とくに寝不足とき危険だ。

教訓として、とりあえずこの一連についてはいたるところで語っていきたい。

なんせ、私と出版社は(ついでに元社長も)、なんの契約も交わしていないのだから

ほんの少しだけよかった話をする。なんと印税をもらえたのだ。

印税契約譲渡した元社長の現会社から連絡があり、お小遣い程度の収入を得た。夢にまで見た不労所得である

連絡をくれたのが元総務の人だったので(元の会社上層部がそのまま現会社に移っていた)少し話をしたのだが、出版社担当者の話題は一切出てこなかった。私とその人がやり取りしたことは知らないようだった。出版社から入金があったので粛々と対応した、という感じだった。

献本は送られてこなかったので自分で買った。初版と第二版の年月日を見比べると渇いた笑いが漏れた。ずいぶん長い時間がかかったものだ。

メディアミックスについてはとくに興味も湧かず、とはいえ周囲から話題を聞くこともないので、爆死も盛況もしていないのだろう。

もう一回ぐらい重版からいかな、と思っているが難しそうだ。

2023-09-29

やる気のないお局の出来上がり

元気だった頃は人間関係揉め事対処したり悩み相談に深夜まで付き合ったりしてた。

上部から仕事の依頼もおかしい所があれば抗議したり直せるところは許可を貰って修正したりしていた。残業もやった。会社の為にとあれこれやったり提案してもみた。

でもそれらをやっても給料は上がらないし評価も反抗するめんどくせー女みたいな感じばかりだった。同じ仕事男性がやると褒められるのに女がやると貶されるのワケワカンネ。まあ時代ですね。

しゃーねーので上司の言うことハイハイ聞いて給料レベルの働きしかしなくなった。人間関係も悩み相談もメンディから自分らで対処してねにした。

以前よりギスってるけど正直なところ馴れ馴れしい前の雰囲気より仕事やすい。定時で帰れるし業績は変わらないので給料も減ることはない。

若者からはあのBBAぐうたらしてんなクソがって思われてるだろうけどそれでいいやって気持ちをやっと持つことが出来た。前は気にしてたか些細な雑用かってでたりしたけどそれもやめた。給料上がらないし。体力も減ってるし。何より媚び売ってもキモいし。

勤務20年で昭和ドラマで見かけるやる気ねーBBAお局になってんなーと思う。あれはなるべくしてなる存在なのかもしれない。

お陰様でキラキラ輝く主人公にはなれなかったので隅でせんべい食ってるモブキャラ頑張ろうと思います。まあこれも悪くないよ。きっと。

2023-09-26

税務官僚だった頃の思い出 Part1/3


 国税庁の最終面接のことを思い出している。大学四年生の頃だ。今までの面接は、無機質な長机とパイプ椅子のものだった。だがその時は、四角いどっかりとした檜机と、ふかふかの椅子だった。それでいて圧迫感のある面接であり、最後に「私達と一緒に働けますか?」と言われたのを憶えている。

 「はい。私でよければ宜しくお願いします」といったことを告げると、その場で最終合格が遠回しな言い方で告げられた。内定通知は賃貸アパートに届いた。

 こんなところに書くほどだから予想はつくだろうが、結構前に官僚を辞めている。仕事は大変キツかった(きっつー、というやつ)が、やりがいはあった。いつかは挑戦してみたい仕事もあった。

 思えば、大学3年生の春からコツコツコツコツと勉強を重ねて、やっと第一志望のひとつだった官庁合格できて、「やったー!」と無邪気に思っていた。案外こんなものだ。

 国家公務員課税部門)としての経験20数年しかないが、せっかくのシルバーウィークだ。ちょっと語ってみたい。今は税務コンサルタントとして働いているが、夏前に大きな仕事が片付いた。今は仕事を少なくしてもらっている。

 仕事のことを、はてな匿名ダイアリーに書いてる人を稀に見る。今回、私もやってみようと思った次第だ。企業との課税交渉協議録とか、個人法人の税額とかを載せない限りは大丈夫だろう。何かあったら責任は取るつもりだ。

 高橋洋一山口真由が自著で話している内容に比べれば、当日記はベジタブルのようなものだ。あの内容を出版して捕まらないなら、ここで書く内容など余裕でセーフだ。

 なお、私ははてなユーザーの中では年寄り(フミコフミオさんと同い年)である。古い表現があってもお許し願いたい。

 先に言っておくが、「霞が関に来なければ体験できなかったことは人生財産」とか、「国のために働いている自負があった」とか、「苦しかったけどいい仕事ができて国民のためになった~」といったことはあまり書かない。

 そんなに夢や理想のある官僚じゃなかった。僅かばかりはあったが。むしろ組織に負のイメージがあって、若い頃に限った語彙だと「こいつらクソ野郎だな」という感情を抱いていた。それで、40代になって数年後に転職した。再就職規制に引っかかる危険はあったが、グレーな方法突破した。

 当日記は、数パートに分かれている。できるだけ簡潔にまとめたい。以下、思い出を何点か挙げて回想する。



思い出① 税金とは何か?という問い

 中学生の頃から、「税ってそもそも何ぞや?」という疑問があった。大学に入ってからは、税理士資格を取るために勉強していたが、どれだけ勉強しても税への理解イマイチだったし、全科目に合格した後も結局わからなかった。

東大とか一橋大とか慶應とか早稲田とか、そういうい大学を出てるわけじゃない。偏差値50ちょっと大学だ。たまたま会計学講義を取ってみたら面白く、勉強にハマった。

 税とは、一般的説明だと、国や地方自治体国家の維持や発展をめざして、民間では供給されにくい公共的なサービス提供するにあたっての資金として「税金」を徴収している――ということになっている。

 だが、おかしいと思っていた。だって、国はお金自由に発行できる。地方自治体が言うのならわかる。あと、大昔だったら年貢を物納で納めてもらわないと国が維持できなかったはずだ。

 だが、現代社会国家がそんなことを言っても説得力イマイチだ。税金をとらなくても、別にお金を刷ったらそれでいい。金本位制時代を通り抜けて、今では発行された紙幣のものに信用がある時代なのだお金というのは、それがお金であるがゆえにお金だ、というトートロジーである

 増田民の人も、わかってる人はわかってるだろう。税とは何かが。ここで答えは書かない。気になる人は、Yahoo!知恵袋とか、Quoraで求めれば賢い人が教えてくれる。

 私が納得いかなかったのは、一応は国家公務員一種試験(昔だったら上級甲種試験)を通ってきたはずの人達が、入庁一年目だった私の質問に答えられなかったことだ。「そんな当たり前のことを聞くな」という人もいたし、「ここではちょっと…」と口を濁す人もいたし、「知らん。自分で調べろ」という人もいた。

 税を納めるのは当たり前のこと、ただ、その原理と言うか……そう、原理大事だろう。何も考えずに常識を信じていいのは中級者までだ。上をめざすのであれば、身も蓋もない本質を疑う必要がある。

 こういうことを私が言っても説得力がないので、ちょっと引用させていただく。

それぞれの原理を、その自然本性のかぎりで探求しようとしなければならないし、きちんと定義されるよう腐心しなければならない。というのも、原理はそのあとに続く事柄にとって、大きな影響をもっているかである。実際、原理は全体の半分以上であり、探求されているものの多くは、原理を経由することで明確になると思われるのである。 ニコマコ倫理学(上) P.62


 なぜ国民から税金を取るのか、という新人職員の問いに答えられる職員10人に1人ほどしかいなかった。思えば、この時からはいつかここをやめようと思っていたのかもしれない。

 実際、徴税国民みんなから集めたお金公共サービスに充てるため、というのはお題目だ。わかりやす国民を納得させるための。本来目的はほかにある。それに比べると、上の『お題目』はビックリマンチョコのおまけに近い。ウエハースだ。



思い出② 課税処分の難しさ

 トラブルになりかけた事例になる。詳細は端折って書く。専門用語は補足するか、日常的な言葉に言い換えている。

 キャリア官僚現場体験しないイメージがあるかもしれないが、別にそんなことはない。入庁二年目から普通に現場だったし、30才を過ぎて地方支局で働いてる人もいる。

 当時は、北海道某所にある国税局に勤務していた。一応は税理士必要な科目は残りふたつというところまで取っていたが、それでも実務は難しかった。勉強しないといけないことは山ほどあるし、一年目は税務の学校で学ばせてもらったが、実務に必要知識の何割も身に付いていない。税務の世界は広いのだ。

 最初の頃はひたすら、簡単事務とか雑用とか、先輩が受けた税務相談の回答案作りとか、上位機関から調査ものとか、庶務全般文書収受会議日程調整~飲み会手配まで含む)に、兎に角いろいろやった。

 すべて勉強になるとは思ったが、正直これは臨時職員がやった方がいいのでは……と感じるものもあった。まあ、とにかく新人らしく何でもやった。

 赴任して半年だった。とある先輩を経由して、それなりの事業規模の法人の税務申告を最初から最後までやらせてもらえることになった。同じ年代職員(※省庁キャリア)の中では遅い方だった。資本金結構ある機械メーカーだったかな。これまで当業務では、先輩方を手伝う立場として動いていたから、割とすんなりいくように思えた。

 申告内容は当然精査するのだが、日本課税制度は一応性善説でいっている。国民法人含む)が嘘をついたりごまかしたりしない、ということを前提にしている。その企業も、過去に税務に関して更正処分(支払う税額が誤っていると判断した場合に○円払いなさい、という措置関係トラブルを起こしたことはない。

 一応は提出書類を三周ほどしたところ、申告書類も、帳簿も、領収書請求書契約書(請書)も、通帳関係問題なし……それで、さあ決裁だといった具合に伺いをスタートした。

 先輩方の場合は、スルッと起案が通るようだったが、自分場合はそうはいかなかった。新人に厳重なチェックが入るのは当然だった。

不動産の項目がおかしい。取得した不動産価格常軌を逸して安い。税をごまかそうとしているのでは?」

 という、先輩及び直属の上司からツッコミがあった。上司を納得させないと、次に進むことができない。思えば、あの先輩は、このことがわかっていて私に振ったのかもしれない。

 当時の私の実力を超えた課題だった。頭を抱えたのを憶えている。あの時の思考過程を追っていこう。

 かくして・・・

 探求の旅は はじまった

 まず何をすればいいかというと、不動産価格がしっかりしたものかを調べればいい。正当な根拠のある価格であればいいし、不適当価格であれば……面倒なことになる。

 不動産売買にかかる課税額は、比較シンプルだ。普通法人税と同じで基本は定率である(税額表を見ればいい)。ちょっと賢い中学生でも実務ができるだろう。

 印紙税も、登録免許税も、不動産取得税(県税)も、固定資産税(市税)もそんな具合だ。不動産本体価格については難しい計算必要だが、焦る必要はない。市区町村にある固定資産税台帳には、固定資産税評価額が載っている。それを見れば、登録免許税の目安となる不動産価格がわかる。※固定資産税の納付書にも書いてある。

 それを根拠に……と思ったが、そんなに単純な話ではない。ならば先輩も上司ツッコミを入れたりしない。イレギュラーなケースなのだ

 その物件は、なんと固定資産税台帳に載っていなかった。そういう土地だった。登記簿を見たところ、字名がとんでもないことになっていた。奥地にあって、大昔は栄えていたのかもしれないが、今では地域まるごと誰も手入れをしていない。そんな土地だった。しかし、幅4.0m以上の道路は通っている。江戸時代の人が整備したと思われる。

 国税庁においても、外部公表している不動産価格の調べ方みたいなものはある(いわゆる路線価だが、当然奥地には路線価がない)。国でも地方自治体でも、不動産価格を求めるための要綱要領は具えているが、今回は通用しないのではないか。そういう案件だった。

 若かりし日の私は思案しつつ、先輩にも相談して上司に2つの案を出したはずだ。懐かしい。

 1. 比準価格(みなし計算のようなもの)を使って不動産価格を弾くと、今の数倍以上の価格になる

   メリット…適正と思われる税を徴収できる

   デメリット…上申や裁判等になった時に勝てる保証がない

       県や市町村にも情報共有や協議意見聞取が必要

 2. 今回は大した金額ではないため、相手方の税額を受け入れる

   メリット…百万にも満たない税額差であり、費用対効果を考えるべき

   デメリット相手方が悪質だった場合前例を作ることになる

 結局、2.の案が採用された。それで、起案はあっさり通った。協議相談をしたのは直属の上司までであり、決裁の責任者には上司が一声かけたくらいだ。それで新人職員の一件目である課税処分は通ってしまった。

 思えば、先輩や上司からすれば、最初から2.一択だったのだ。今の私の判断もそうだ。課税額の差として百万円にも満たない金額のために、そこまでの手間はかけられない。もっとかに日本の税務行政のためにやらないといけないことが山ほどある。

 一応弁護しておくと、現場で働く公務員には、「法適用裁量」と「エネルギー振り分けの裁量」がある。現場的な要素が強い職種だと、上司の指揮監督を受けるのが望ましくない場合がある。極端な例だが、警察官凶悪犯をパトカーで追っている最中に、スピード違反信号無視をしている者を放っておくのはやむを得ない、といった観点だ。

 余談になるが、国税局職員県税や市税の脱税を見つけた場合も、人や状況によって対応が変わる。情報提供する場合もあれば、見なかったことにする場合もある。

 それこそ昔の話だが、飲み会とある話を聞いた。ある個人納税者から地方税務署相談があったという。要約すると「1年前に出した赤字決算の申告書だが、実は黒字で、税金を納めないといけないことがわかった。どうすればいいか」ということだった。追加で納付すべき税額は、約30円のようだ。このままでは脱税者になってしまうと焦っていたらしい。

 その相談を受けた税務署員はこう答えたという。「実は、ボールペンとか消しゴムとか、事務用品を買っていたのを申告書に書いてないんじゃないですか? だったら、納付すべき税額はやはり赤字では? 問題ないですよ」と。※以後の話は不明

 課税処分はもちろん、どのような行政処分であっても費用対効果という観点が重視される。税収1万円増のために2~3万円をかけるのは議論余地があるにしても、20~30万円をかけるのは明らかに不合理だろう。

 テレビネットメディアはてなブログでは、公務員は何も考えずに税金支出しているイメージがあるかもしれないが、ちゃんと考えている人が多数派である。そこは信じてほしい。

 数年後、私は北海道から霞が関に戻ることになった。それから退職するまで、ずっと法人課税部門にいた。



 Part2/3

 https://anond.hatelabo.jp/20230926201302

2023-09-20

anond:20230920164036

中学受験しないとか、教育熱心じゃないとかなら塾はない。都会というより教育方針感覚では塾行ってないほうが大多数では?

平日夕方クラブ習い事は都会も田舎も一緒かな

ただし、田舎は都会より人口密度が低い分人付き合いの濃度は濃くなるので、何らかのクラブに入ってるほうが大多数

週末の練習試合クラブ方針次第かな。学童野球の例だけど、緩いクラブは6~10月10回弱の試合公式メイン+数回練習試合

日曜試合場合土曜日練習ありになったりとかだね

いけいけクラブは毎週何らかの試合入れてるとかはある。片道1時間以上の練習遠征行くこともあり。

ぶっちゃけ子供は好きでやってるんだからいいんだろうけど、クラブは親が大変よ

特に田舎。送迎はもちろんのこと、子供人数とともに親の人数も少ないんで、審判したり、道具整理したり、雑用が多いね

道具整理などの雑用もすべて子供やらせるって方針のところもあるけど、限りある時間練習とかするためには、子供にちんたら

やらせるより親がやったほうが早くて時間効率的に使えるんよね。一長一短

2023-09-19

現在中小企業アルバイトしているものです。現在仕事内容経験に対して、待遇は適正でないように感じ辞めたいです。

時給1500/週3勤務。扶養範囲内で働いています

仕事内容:パワポ作成請求書データベース管理VBAでの社内システムメンテナンスpc関連の雑用全般HP管理

不登校の子供と小さい子供がいるためもう辞めたいが、自分が不完全な社内システムを作ったせいで(その罪悪感もあり)辞めるに辞められない。自分以外の社員は全員pc知識が全くありません。大変小さい会社です。新しい人間を雇ってくれと言っても人が集まらないと言われました。どうしたら辞められるでしょうか?

anond:20230919092656

しかに。

適当チェーン店適当料理人料理資格を持ってる雑用みたいな人ばかりだからな。 

で、それとは別にマジウマ店の店主というのがいるわけだ。

anond:20230919002911

零細企業勤務者だけど、零細企業でいいんだったらちょっとPC触れてPC関連機器セットアップとかできるだけですごい重宝されると思うんだけどな。

ただこの案の欠点は、就職できても零細企業であるということと、

零細企業PC関係以外の雑用めっちゃあるし、コミュニケーション能力必要とされるし、コミュニケーション相手には猿が多いよってことかなぁ。

2023-09-15

部長課長と先輩の板挟みってなに…?

なんでみんな言うことちがうの…?

それで私は3人の一番いいとこ見つけなきゃいけないのかな…。

まじで無理なんだけど…

そもそも全部の雑用みたいな仕事私に振られるのもわかんないし、なんで一個下も二個下もいるのに私がお茶出ししてfax整理して贈答品分けなきゃいけないわけ?

こういう仕事ばっかり振られるしだからと言って普段業務が軽くなるわけでもない。

部長以外も他の人も当然の顔して私にお土産渡すのやめて欲しい。

一個下か二個下の後輩に渡せばいいじゃん。

私が女だから??

気がついたら死ぬほどムカついてきて本当に無理になる。

さっさと辞めたい…。

2023-09-14

やっぱ人間雑用をしなくなるとダメだな

会社とか家庭とかで雑用しない人間ってな~んか抽象的で、いい感じの小理屈をこねくり回すだけの人間になるよな。

雑用ってその名の通り色々な用があって、退屈だったりもするけど臨機応変対応したり、一旦保留にして頭の中で覚えておかなきゃいけないこともあったりする。

すごく具体的な対応手続き連続自分の肉体と接続されるっていうのは面倒だけどそれなりに脳の一部を活性化させてるわけだ。

雑用をしないくらい偉くなっちゃった人間は脳の一部が確実に退化する。

偉くなっても雑用しろ

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