はてなキーワード: 乱れるとは
来月、彼等は結婚式を挙げる。
都内の豪奢なホテルに500名以上の人を招き、祝宴を開くのだ。私自身も参席が認められている。あの病院長の息子と言うだけあって、祝賀ムードに沸き立っていた。王妃となるそのお方はヒラヒラと美しい白衣を纏ってみせた。此方を振り返る様は少女のようだ。最終フィッティングが終われば二人は閨を共にし明日への準備を行うだけとなる。
その最終日にIは私を呼んだ。
「勿論、お祝いして下さいますね」
頭を下げて肯定すれば彼女は和かな笑顔を見せた。花のようなお方なのだ。
「良く尽くして下さいました。勿論貴方にも感謝を捧げなければ」
「私に感謝など滅相もございません」
「では一つだけ、最後にお願いを」
「何なりと」
返答を聞いた彼女はそっと私の手を取り、白き指で指の節をなぞる。
頭が真っ白になり何も言えず硬直する。いつの間にか肘まであるグローブを身に付け
無垢なその言葉は淡々と、残酷に告げられる。無慈悲な美しき乙女は、鈴の鳴るような声で続ける。
「此方へどうぞ、歩いてらして。」
時期院長、と一言付け加えて。ぎこちなくなった呼吸を整えると深く息を吸う。ほんの僅かな距離に黒髪の乙女は立っていた。美しい。純白の衣装に身を包んだ彼女はマリアとも見まごうような光を発している。ベールを下ろし表情は隠されてしまっているが、その輪郭は華奢そのもの。
コツ、コツと床が音を立てる。期待に満ちた瞳に自分自身が映っていた。
命じられた通りに差し出された白魚のようなか細い手を取り、口付ける。貴方を裏切らないという忠誠の証。見上げれば彼女の笑みが降り注ぐ。
それも全て明日から袂を別つ事を約束している身だった。決意を固めた彼女は、少し寂しそうにも見える。不安も期待も入り混じる表情で立ち上がった私をみつめた。
そして彼女は私の名を口にする。
「怖くはありません。」
「ええ。何の不安が御座いましょう」
彼女は、底知れない物を抱えている。それが何か解き明かしたかったのかもしれない。
果たして全てを払拭して差し上げる事が出来るだろうか。乙女は瞳を閉じて口付けを待つ。顔を近付け、唇が触れる寸前で止める、つもりでいた。
柔らかな唇の感触に思わず言葉が途切れてしまう。それは、私ではなく院長に捧げられる筈の純潔だ。
「言わないでください、何も。震えてしまいそうです」
あつい熱が喉奥から込み上げる。この方は自分の物では無い、筈なのに。何故こう悲しみとも苦しみともつかない感情が押し寄せるのだろう。契約一つで関係性に何か変化が訪れる訳では無い。秩序の保たれた今迄通りの関係が続いていく筈だ。それなのに、何故。肩を知らず抱き締める。
「…離したくありません」
離してしまえば、貴方はきっと遠くへ行ってしまう。私は一人取り残された心地で祝福するのだ、二人を、遠くから幸せそうに。それが出来たらどんなに良いかと思う。二人の幸せな結末に彩りを添えられる存在であれたら、どんなに。唇を噛み締めた。
浅ましい感情を隠していたのに。一度矜持を失えばどれだけ虚しさが胸を占拠するか分からないのに。そんな私の心を察したのか緩く背中を撫で始めた。
「御免なさい、無理強いを致しました。私の過ちです。どうか許して」
一つ口付けを頬に落として白衣を纏いし娘は去って行く。光だと思われたその姿はいつの間にか影で覆われて、此方を振り返りもしない。明日、貴方は私と同じように同じ唇で院長に口付けをするのですか。愛を誓うのでしょうか。女々しい想いに嫌気がさす程。気付けば首元には汗が流れ「どうぞ、逝かないで下さい」と叫ぶように懇願していた。
そこで、私の目は醒めた。はあはあと乱れる吐息。指先は闇の中で情けなく震えている。
それは現実を映した悪夢だった。記憶を辿ってみても愛したその人がどんな結末を迎えたのか思い出せそうに無い。まるで穴が空いたように、一部分だけが脳裏から欠けてしまっているのだ。無理に思い出そうとはしなかった。
私が秘書を務めるあの医師も夢を見るのだろうか。例えば、オペ中に失敗して権威を失う夢など。その喪失感は計り知れないだろうと想像し、また瞳を瞑った。今日のうちは眠ってしまうに越したことはない。先程の夢も、緊張が見せた物に違いない。だが、意識すればするほど睡魔はどこか遠くへ行ってしまい目が冴えるばかりだった。
ロバを売りに行く親子って知ってるかな?
ダメなものはダメ以外の説明だと屁理屈で「特例措置」を要求されるんだよ。
それこそ「我が社は労働基準法を導入していませんが、それを使うメリットは何がありますか?コンプライアンスって奴がアピールてきるらしいけど、それで優秀な若手が入ってくるとかですか?」レベルの話を展開されちまうんだよ。
『交通が乱れるし他の車にぶつかるから赤信号では止まれ』→『俺は避けるから大丈夫。それに俺、運転上手いから交通乱さないし。君、運転下手なんだ。大変ね』
このレベルでな!
馬鹿にちゃんと理由を説明して帰ってくるのは馬鹿な屁理屈による馬鹿な特例措置の申請だよ!
やってられるか!
民度が低いんだよ!
人生とはなんだったのか、このまま何もない虚無を生きていくのか、人生は苦痛ばかりだ。
そうでしょ?
で、俺もそんなオジサンだけど、彼女いない歴年齢のイケてないよりのオジサンなんだけど。
「サウナ 東京」とか、「サウナ 住んでる地域」で検索してみましょう。
おっとと。ググってないそこのオジサン。疑ってるね?サウナの実力を侮ってると。
サウナ自体も、色々あるんだけど、サウナを入る技術が向上してるの。
自律神経ってやつがあって、寒いとことか熱いとこに行くと反応して血管とかを閉じたり開いたりしてね、熱調整したり。神経の調節をするのよ。
それが乱れると、体や神経の調子が悪くなる。イライラしたりね。
で、社会でストレス受けてると、ドンドンこの神経が壊れちゃう。
で、それを、「ととのえる(サウナ用語)」ことができちゃうのよ。
サウナはね、熱い。
で、2,3分でいいのよ、最初に入るのは。で、速攻で水風呂。これも、冷たいね、最初は。
だけどね、これを、3往復くらいすると、自律神経がいい感じに「ととのう」。
すると、サウナの中に入っても、すんなり馴染む。水風呂もすんなり馴染む。こうなったら「勝ち」よ。
もっと深い話すると、「あまみ(水風呂とサウナの繰り返しで血管が浮く)」とか、「水風呂の温度」とか、「都内サウナ四天王」とか、色々あるんだけど。
細かいことは置いといて、
すぐできるから。
そうですよね…なんかつい最近、非常用ボタンは(電車を大きく止めるから・ダイヤも乱れるレベルで的な)押すものじゃないというようなSNSのまとめを読んだ記憶があって、フッとよぎっちゃいました。すみません、思い出してググったけどうまく見つからなかった。
それ読んだ時に「じゃあどうすればいいのか」まで突っ込んで調べておけばよかったんですけど、そんなものか…とマイナスイメージだけ残って、まさか遭遇するとは思わず、というところでした。偽善だとしても、大したことなかったとしても、その時できそうなことをする、できないなら口も手も出さない、なんですねきっと。私の行動に賛同してくれてありがとうございました。
数年前、社員旅行で1週間ほど会社の人と過ごすことになった時の話だ。
そのうち社員Aさん(シンママ・当時45)の5歳息子の子供が預け先がないってことで、5歳児も旅行には一緒だったんだが、
その5歳の息子が、まーワルガキで。
会って数時間の他の社員に「○○(苗字読み捨て)、バカ!」とか連呼したり、お腹殴りつけたり。
「慣れない環境だし不安にもなるんだろう」と未婚小梨の俺は思ってたんだが、Aさん曰く「すみませんね~。でもこれまだおとなしい方なんですよ~」って笑って
「○○ちゃん、ダメでしょ~」って一歩離れたところから声かける程度だった。
自分が小梨だから許容できないだけで、毎日あんなのと一緒なんてそりゃ疲れるだろうし
他の人がいる前で、あんまり自分が怒ってる姿を見せたくないのかもしれない。
そう思って、男児のオイタぶりにはしばらく目をつむることにした。
でも数日かけてどんどんエスカレートしていって、ある日男児はとうとう、他の女性社員のお腹を力いっぱい殴ってた。
殴られた子はしばらくその場にうずくまってて、それでもAさんは男児を叱る様子はなかった。
(殴られた女性に対してはもちろん誤ってた。子供は知らんぷりしてたが)
さすがにおかしいだろと思って、「Aさんって、子供のことあんまり叱ったりしないんですか?」と遠回しに効いてみたら
「どんなに叱っても言うこと聞かないから、3歳ぐらいで叱るのはやめました~。叱ったり怒ったりするだけ、心が乱れるから私が損だし。」
って言ってて目が点になった…。
え?俺が子供にキツいだけ?
もうその会社辞めたんで、そのAさんとも会うことはないだろうが、あのときの男児が分別のある大人に成長してくれることを願う。
なんか今後?テレビ画像が乱れるかもしれない、この機会にやっておかないと実費での交換となりますとのことだった。
テレビ見ないけど無料ならばと思い、日程を選んで頼んでおいた。
んで、業者が来たところJCOMさんで、端子のアンテナの受信具合を調べて問題ないと言われた。
テレビ端子の交換しないんですか?と聞いたらJCOMのVDSLは(乱暴に言えば)マンション全体のクオリティであって
マンション内の他の家の調子が悪ければ問題でるが、他の家もご依頼をいただいているので大丈夫ですとのこと。
面倒臭いので断った。
んで思ったのだが、JCOMの訪問販売じゃねーの。
実費になるかもという脅し文句でくるのタチ悪くない?
他の家も同じこと言って交換なんてほぼしてないんじゃないの?
アンテナ調べて悪けりゃそりゃ直すだろうけどそっちがメインじゃないだろ。
腸管には多様な微生物が大量に住み着いており、これらを総称して腸内微生物相という。腸内微生物相は、特に代謝や免疫の発達において、宿主に重要な恩恵をもたらすが、微生物相と宿主の関係が乱れると、炎症性腸疾患やメタボリックシンドロームと総称される肥満関連疾患群など、多くの慢性炎症性疾患に結び付く。腸管を微生物相から守る第一の障壁は腸管表面を覆う多層構造の粘液で、これによって腸管内壁を覆う上皮細胞は、大部分の腸内細菌と安全な距離を保つことができる。つまり、粘液と細菌との相互作用を破壊する薬品は、腸内炎症が関わる病気を助長する可能性がある。従って、加工食品に広く使われている乳化剤(洗剤に似た性質の分子で、in vitroで細菌の上皮通過を促進する作用を持つ)が、20世紀半ば以来の炎症性腸疾患の増加を促進しているとの仮説が出されている。今回我々は、一般に使われている2種類の乳化剤、カルボキシメチルセルロースとポリソルベート80が、比較的低濃度で野生型マウスに軽度の炎症と肥満/メタボリックシンドロームを引き起こし、これらの疾患の素因を持つマウスでは重度の大腸炎になることを明らかにした。乳化剤が引き起こすメタボリックシンドロームは、微生物相の侵害、微生物種の構成の変化、炎症促進作用の上昇につながる。無菌マウスを用いて糞便移植を行ったところ、このような微生物相の変化は、軽度の炎症とメタボリックシンドロームの発生に必要かつ十分な条件であることが示された。軽度の炎症につながる宿主–微生物相の相互作用の乱れが、肥満やそれに関連する代謝作用を助長するという見方が最近出てきている。今回の結果は、この見方を裏付けるものであり、さらに、乳化剤の広範な使用が、肥満/メタボリックシンドロームや他の慢性炎症性疾患の社会的な増加要因の1つとなっている可能性を示唆している。
携帯会社の代理店で窓口業務をやっていた、やめたのは4年前だがその間に経験した内容でやばそうだなって思ったこと時効だから書く。ちなみにこの業務は上司にも全て報告してたから勝手にやったことではない(更にその上に報告していたかは不明)
・法人名義で大量に番号変更
月に1回か2回来ては法人名義で10回線程度の番号変更。番号変更には手数料がかかるのでその手続きだけで2万ほどかかってる。もしかしたら大きな会社で社員が入ったりやめたりする度に番号変えてるのかなと思いつつ、本当に大きな会社であれば法人担当営業がついているはずなのでかなり怪しかった。
たいてい2人1組でやってくる。契約者は日本語が喋れず、付き添いの人が全てこちらとやりとりする。記憶が定かではないが1人2回線までしか新規契約出来ない制限があったので2回線分キッズ携帯を購入する。ちなみにキッズ携帯はネットも使えないしもちろんメールも出来ない。契約者は日本の身分証を持っていることが多かったので旅行者ではない。たぶん契約して即MNPしてキャッシュバックを貰ってたんだと思う。たぶん今は規制されてて無理。
自分はヤクザだから口座を持っていないしクレジットカードも自分名義では持っていないが契約させろと脅して来た人。普通のやばい人。
当時はスマホ以外のタブレット販売数が大事だったが、正直そんなに台数売れなかった。月末やばいとき店長の知り合いとかいうアラブ系の外人がきていつもタブレットを何台か買っていってくれた。手続き的には何の違法性もないが何だったんだろう。
・店内のトイレに糞尿を撒き散らして行った客
普通のやばい人。もはやお客さんだったのかどうかも分からない。
iPadで遊びたがる子供に一切譲らず新幹線の写真をいつもながめてた。子供に声を荒らげることもあって店内の風紀がかなり乱れるので迷惑だった。
中学高校でよくある、生まれつきの茶髪or天パです、って親に説明させるやつな。
「日本人なら髪の毛は黒くて直毛のはずだ」っていう単なる思い込みレベルの偏見が根拠で、「そうじゃないやつは何かしているに違いない」っていう偏見を隠そうともせず、「パーマや毛染めは不良だ、風紀が乱れる!」って80年代のヤンキードラマ見過ぎの馬鹿どもが未だにしがみついてる前世紀の遺物。
もう今時完全にアウト。
もしいま北米で同じ校則つくったら訴訟になるだろうし、大騒ぎになって校長が謝罪会見しかねないレベル。
・日本人でも完全な直毛はさほど多くはない。うねっている人の方がはるかに多く、うねらないようにみんな手間暇かけてまっすぐにしている。こんなもん美容業界なら常識。
・くせ毛がストパをあてるのはよくて、直毛がパーマをあてるのはダメ?それで何が損なわれるのか合理的な説明できるのか?
・身なりに気を使って自尊心を育むことも大切。学業に悪影響を及ぼすレベルで過度に華美な場合のみ注意すればよく、画一的な外見を強要することはむしろ人権侵害では?
結婚5年目。
潔癖症と知りながら好きだから結婚したのだし、配偶者を責めるつもりはないのだけれど、近頃ささいなことで私の精神状態が乱れるようになってきた。
家でのルールはだいたい以下のとおり。
・外から帰ったらシャワーを浴びるまでは汚染エリア(ソファーとテーブルの一部)以外の清潔エリアのものに触れない。
→シャワーを済ませないと休めないし、済ませるとその日は一歩も外に出られない。
・外から持ち帰ったもの(携帯など)はウェットティッシュで拭くまで清潔エリアに持ち込まない。
→携帯を使っていると毎日「それ拭いた?」と聞かれる。会社のPCを家で使うのも面倒。
・清潔エリア内でも汚染物質とみなされるものに極力手を触れず、触れたらすぐに手を洗う。
→何が汚染物質か決めるのは配偶者なので知らずに触ると(多くの場合ため息とともに)指摘される。
・外出先でトイレを使う場合はウェットティッシュで便座を拭き、手洗い後はドアに直接手を触れずに出る。
→行く前にウェットティッシュを持たされ、出たら毎回「ドアに触れた?」と聞かれる。
・旅行で使った靴は汚染されているのでしばらく履かない。買ったばかりの靴も他人の試着等で汚染されているのでしばらく履かない。
→忘れて履いてしまうと怒られる。
・粘膜に触れる前には手を洗い、その後携帯(菌が多いらしい)には触れない。
→セックスの前に毎回手洗いを要求されるので雰囲気も何もない。
最近までは夫婦仲は良く、喧嘩してもお互い引きずることはなかったし、ストレスを感じても趣味や運動で発散できていたのだけど、昨年の暮れに子供が生まれてからはそんな余裕もなくなり、自分の感情を上手くコントロールできなくなってしまった。
上に挙げたような日々のことが少しずつストレスとなり、ささいなきっかけで怒りのスイッチが入り、やがて倦怠感に襲われる。今のところ物を壊したり他人に暴力を振るうことはなく、自分の体を叩いたり、髪を引っ張ったり、息を止めたり、歯を噛み締めたりして抑えているが、傍からみれば十分に狂人かもしれない。
子供はとてもかわいく、愛情も責任も感じているけど、昨日腕に抱いてミルクを与えながら、それが遠い世界の出来事のような感覚を覚えた。いつか自分の精神が壊れてこの子に危害を加えるようになってしまったらと考えると怖い。
配偶者は神経質な親の影響で潔癖症になってしまったらしく、子供が将来同じように苦しむことは何としても避けたいのだけれど、どうすれば良いかわからない。
離婚は考えていない。
( 2019年冬アニメ1話ほぼ全部観たから感想書く その3 からの続き )
我が輩は猫である(飼い猫)。一人暮らしの作家先生に拾われた猫と共同生活する話。同じ時間軸の出来事を、作家と猫それぞれの視点で描く。ちなみに8割位ご飯の話。
本作のシリーズ構成を務める赤尾でこが関わった「ミイラの飼い方」もペットとの日常を描く作品だけど、赤尾でこって小動物の心が読めるのだろうか。というか実は猫なんじゃ。
猫がかわいい。漱石さん家のおっさん猫は「まったく人間という生き物は…」と愚痴を垂れる社会風刺だった気がするんだけど、本作は女の子みたいな猫が「あいつなんやねん。もっとシャキっとせい!」的な語り口なのにツンデレなのがかわいい。
前半部分に当たる、小説家の主人公による一人語りが小説っぽくて良い。斜に構えた視点、社会から距離をおいた生き方。他人がほとんど登場しないので、話の殆どが「猫とは…人間とは…」的な循環思考。
猫に限らず、人間と人外がひとつ屋根の下で暮らすというコンセプトの作品って結構「お互いに言葉が通じない中でどうやってコミュニケーションを取るか」というのが面白いけど、本作はそういう部分を踏襲しながら「同居人が主人公のことをどう思っているのか」をちゃんとモノローグにしているのが良いよね。前半が推理編、後半が答え合わせみたいな。
シュレディンガーの嫁。声優の厨パによる、ノリの軽いラブコメ。主人公と花嫁の馴れ初め(高校時代)を描く。原作は週刊少年マガジン。松岡禎丞x花澤香菜x竹達彩奈x伊藤美来x佐倉綾音x水瀬いのりて。貴重なメンツによるOPがもうすごい。
五つ子なので、どの子と結婚したかが分からないという仕様になっている。本作で描かれるのは結婚式当日及び学生時代の馴れ初め(スタートとゴール)。五つ子がそれぞれ20%の確率で主人公と添い遂げる可能性がある(5人合わせて100点(100%)という描写が印象的だった)。
「五つ子がそれぞれ20%の確率で主人公と添い遂げる可能性」=「(この中から一人を選ぶのではなく)それぞれ(20%の確率を引き当てて)無事ゴールできた世界線が重ね合わさった状態」という解釈が可能で、どの子が結婚したか作者が確定しない限り5人全員が実質本命の勝ちヒロインと考えられる。なので視聴者的には「この子(自分の推し)が、この後あーなってこーなって、最終的に結婚するのか…」みたいな妄想の余地が全員に用意されているのが特徴的な作品。そういう意味で「五等分の花嫁」という表題(一人20%、全員で100%の花嫁エピソード)はすごく上手いなぁ、って勝手に関心した。
演出的には1話で結婚式のシーンが出た後、そのシーンが各話に渡ってリフレインとして使われてるのが面白かった。この演出はゴールを最初から明示している本作ならではっていう感じ。キュンってなる。コメディ部分としては比較的コミカルな演出なので気楽に見られる。
「プラネテス」「コードギアス」でおなじみ谷口悟朗監督による、SF世界を舞台にしたヒーローモノ。ロボアニメ。制作は3DCG映像制作会社の白組。
背景を除けばほぼ全編3DCGのアニメ。3DCGってどうなん?という考えに真っ向から向き合っている印象を受ける。冒頭からキャラの動きが意図的に多彩で、その一つ一つの細かい仕草に趣向を凝らしてある。「座っているキャラの貧乏ゆすりしてる足元」とか、「3人で会話してる時、喋ってる子に視線が向かっている」とか、サッカーのシーン等これ見よがしにぬるぬる動くシーンとか。そして、特に制作の白組はゲーム等の3DCGでお馴染みの会社ゆえロボのデザインや動きがめっちゃ凄い。古今あらゆるロボットが登場時に必ず行う行事である「手の指を一本一本ガチョガチョ動かすやつ」めっちゃ好き。
それ以外にも、背景と3DCGを溶け込ませる演出が多い。背景→キャラ(3D)→ガードレール→道路を走る車(3D)というレイヤ構成のシーンが一番ユニークだった。それ以外にも回想シーンの「雨が降っているシーンで、日本家屋の屋根に雨が当たって弾けるエフェクト」とかめっちゃ凝ってる。
そんな背景美術のクオリティがかなり高く、写実的(背景:ビックスタジオ)。故に、事変後の世界も現実味のないファンタジー世界という感じがなく、「もう一つの現実世界」という印象に。「異世界転生して主人公が無双」ではなく「転移によって一瞬で四面楚歌に」という世界を描きたいのかな。
シナリオは、今期のアニメで言えば「ガーリー・エアフォース」にやや近い。未知の脅威(ロボ)に突如奪われる日常と、謎の戦う少女(ロボじゃないよ)と、ロボ。1話は事件を描くので実質2話から本番。1話はかなり早口。
AmazonPrimeVideo独占
退役軍人の再就職。PTSDと戦う女の子と、特殊な警察官のおしごと。制作はライデンフィルム。
魔法少女が魔法少女だけの世界で戦う作品とは違い、コッチは社会と魔法少女が共存してる魔法少女と魔法生物の戦いなので、非常にややこしい。基本的に悪と正義と力の話であり、魔法少女の名を冠するアニメの中ではかなり硬派。魔法少女というより特殊部隊の軍人。今期のアニメの中ではJOJO5部くらいきびしいせかい。まさかの「身内が細切れ」ネタが被るという。全体的に殺戮方法がグロい。
いつも思うけど、若林豪さんのプロデュースする音楽好き(音楽:R・O・N)。かなりハードな戦闘シーンがメインの作品ではあるけど、それと対比される日常パートも含めて音楽がエモい。戦闘はライフルの発砲音がエモい(音響効果:小山恭正)。かなり物騒なアニメなので、毎話ハードな戦闘シーンが続く。
スクエニのスマホアプリ原作。童話をモチーフにした各世界を守るために旅をする冒険活劇。
こういう「よその物語にお邪魔するお話」はいろいろあるけど、最近だと夢100…童話に登場する人たちがメイン キンハ…ディズニーの世界を主人公たちが訪れて友達になる ぱすてるメモリーズ…2次元作品(特にアニメ)の世界に入って異分子を排除 という感じで、本作はぱすメモに近い。だけど、キーアイテムである「運命の書」にある通り、シナリオに沿って人生を歩む(童話の世界の)人と、そうでない人(主人公たち)の対比が描かれているのが印象的だった。ラプラスの悪魔、までは行かないけどアイデンティティを探す旅っていう側面も掘り下げていくのかな。
各童話が異分子によって改変されてしまったため、修正するために奔走するというのが大まかな流れ。単なる改変というより、登場人物たちの心をより掘り下げる方向に改変されている傾向があって面白い。特に1話(赤ずきん)からエモいボス戦。
Gohandsの新作。大阪を舞台にした厨ニ聖杯戦争。新作とはいえ同じスタッフによるオリジナルアニメ「ハンドシェイカー」の続編に相当するので、まずはハンドシェイカー観てね。
この作品に限らず、Gohandsのアニメは独特な雰囲気がある。特にハンドシェイカー、W'zはGohandsみがつよい。魚眼レンズ風の独特なカットを多用(背景はいつものスタジオちゅーりっぷ)、ゆっくりカメラを回すように動かす演出、独特なキャラクターの演技(Gohandsは自前で動画を描いてる事が多い。本作の1話は全部自前)、強めのコントラスト、光の反射、常に流れる雲、特殊効果の使い方、etc。初見だとどこに視点を持っていけばいいのか分からない事がよくある。特に3DCGエフェクトと作画キャラのアクションが入り乱れる戦闘シーンは目が回りそう。
ハンドシェイカーでも独特な雰囲気を出していた音楽に磨きがかかってる(音楽:GOON TRAX)。主人公がDJという設定もあり、全編に渡りJAZZ HIPHOPが流れるMVみたいなアニメに。
あの大人気スポーツ、サークレットバウトに目覚めた高校生が青春するスポ根アニメ。DMMのゲーム原作。
サークレットバウト…MR空間で、変身した女の子が武器を使って戦うスポーツ。作中でMRって言ってるけど、VR+ARという感じ。e-sportsを意識したのかな。超現実的な華やかさを備えつつ、かといって身体的な表現を伴わないゲームでも無く、スポ根モノにおける泥臭くてストイックな練習と距離を置いた、高校生スポーツとe-sportsのいいとこ取りみたいな印象がある。
スポ根モノの王道なストーリーでかつ比較的ゆるめなので、のんびり見よう。
タイトルを要約すると「2次元文化」みたいな感じ。原作はフリューのスマホアプリ。フリューのゲームがアニメ化するのは去年のカリギュラ以来。秋葉原にあるメイド喫茶の店員がコスプレして戦うアニメ。なんでみんなおっぱい大きいの?
今期のグリムノーツに近いシナリオ。おとぎ話の世界を守るお話なのだけれど、登場するおとぎ話が最近のアニメ作品だったりする。最初に登場したのはあのごちうな。正式なコラボではないのでアニメガタリズみたいな感じになってるけど、構図や背景をほぼ完璧にトレスしてて笑った。「あのアニメのシーン、一度でいいから実際に体験してみたかった…!」的な妄想全開のオタクキャラが出てくるあたり、そういう層向けの作品っぽい。
公式サイトとか見ると何故かスチームパンク推しだけど、「甲鉄城のカバネリ」「プリンセス・プリンシパル」と比べるとあんまりスチームパンク要素は無い。コス姿を楽しむのじゃ。
全体的なノリはかなり軽いので気軽に見れる。戦闘パートも「ラストピリオド」のワイズマンみたいな感じ。あそこまで軽くは無いか。
ブシロードのカードゲーム「カードファイト!! ヴァンガード」のスピンオフ。バミューダ△の人魚を主役とした日常アニメ。
凪あすよりも人魚人魚してる世界。描き方も独特で、基本的に普通の地上と同じなのに微妙にこぽこぽしてたりスイーって移動したり、なんか不思議。キャラクターが画面に集まるとき画面全体にキャラが配置されるところも水中ならではの演出っぽいよね。水中でお茶。水中でケーキ。水中でベッド。水中で(ry
何かが起きそうで何も起きない。のんびり見よう。
まるで実写。監督はウルトラマン等実写畑の人で、出演者は2.5次元俳優がメイン。超次元ギャグアニメと見せかけてTVドラマ。
3Dのアニメパートはモーションキャプチャなので、一般的な3Dアニメーションより動きが自由。リップシンクちゃんとしてる。
1期はネトフリ独占だったけど、2期放送のタイミングで各配信サイトが配信を開始。制作は「一切妥協しない制作会社」ことボンズ(他にもIG、京アニ、神風、マッドハウスとか?)。相変わらずOP作画がエグい。
引き続きネトフリ配信。
制作は「メルヘン・メドヘン」でおなじみフッズエンタテインメント。1期の始まった当初は心配だったけど、無事に2期放送開始したようで一安心。
内容はラブストーリー。不器用な二人が何気ないことで傷ついたり傷つけたり、距離が離れたり近づいたり、「ハリネズミのジレンマ」を体現したストーリーになっている。
本当は怖い「あそびあそばせ」。1期に引き続きネトフリ独占配信。制作は「ゾンビランドサガ」でおなじみMAPPA。MAPPAは最近、毎期2作品ずつ放送している上2クール作品も複数作ってるし、相当体力のある会社になってるみたい。
今期は特に2期の作品が多い。「新規に投資できる器がない」「1作品あたりの投資が大きくなった」みたいな事情は一切知らないけど、ファンと一緒に育っていく作品を観られるのは幸せなのかもしれない。
1年前のラインナップでも思ったけど、やはりアマプラ、ネトフリはハードな作品を敢えて選んで配信しているみたい。今期ハードじゃない独占配信作品はピアノの森とドメカノくらい?海外ドラマが好きな人と層がかぶってるのかな。ネトフリ配信作品「HERO MASK」なんかまさに海外の刑事ドラマって感じだし。
1話全部視聴はおすすめしない。ところで私は「宇宙よりも遠い場所」が大好きなんだけど、その根拠は決して「よりもいが面白いアニメだから」だけではなく「BDを揃えた」「何度も何度も見返した」「演出の一つ一つを研究した」「監督のトークイベントで色んな話を聞いた」「極地研に行ってみた」「よりもい関連のニュース記事を見かけた」「思い出して泣いた」「思い出して笑った」「ふと自分の親を思い出した」等、本当に些細で個人的な周辺記憶の一つ一つが、私にとって「よりもい」の価値を規定してたりする。個人的に広く浅く心血を注いでいた去年のアニメシーンでは特定の作品を「些細な周辺記憶の積み重ねによって(よりもいのように)大好きに昇華」するのが非常に難しく、結果として「大好きなアニメ」に出会う機会を逸してしまった感が否めない(好きな作品は爆発的に増えたので、一概に否定することも出来ないけど)。「何度も見返せばよかた」「もっとあのアニメのこと考えながら毎日過ごせばよかった」「ゲームアプリさっさと始めればよかった」「聖地に行けばよかった」「ライブ行けばよかった」等。その一つ一つが自分にとって特定の作品を自分にとってかけがえのないものにし得る可能性だったと思うと、非常にもったいないことをしている気がする。なので(全体的な傾向として)コアファンに支えられがちなメディアであるアニメの楽しみ方は「広く浅く」より「狭く深く」の方を推したい。一人でも多くの人が「大好きなアニメ」に出会えることを祈っている。そういう意味でも、1話全部視聴はおすすめしない。