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2022-11-15

地方に行ったら「◯◯は美人いね」と

その土地を褒めるけど、内心はやっぱ東京とか都会のほうが女のレベルは高いと思ってる。

すずめの戸締まりに対する不満

端的に言って、新海誠映画の中に自分が出てこなかったのが一番の不満だ。

新海誠主人公ってのは、独り善がりと被害者意識自己陶酔で生きてるような、普通に見れば気持ち悪いものを持っているのが魅力だった。ああいキモさ、自分を、許容してくれるのが新海誠作品だったのだ。ほら、新海誠好きな男なんて大抵キモいだろ。俺もそうだ。

すずめの戸締まりでは、そういう気持ち悪いキャラが出てこない。ダイジンキモかったが、見た目が猫なので許されている。あれおっさんだったらみんな勘違いストーカー野郎だと罵倒するだろ。まあ、おっさんだったらすずめにうちのこになる?なんて言われないけど。

すずめもそうたも芹澤もあまりにもキレイすぎる。

新海誠の描く相手キャラってのは非常に都合の良い、もっと言えば自我がないキャラとして描かれるから、そうたは想定内だった。

しかし、主人公であるすずめも、きれいすぎた。被災者であり地震悲惨さを実感しているからこそ、母の形見を取り戻すため、そうたを元に戻すために戸締まりの旅をする。なんだそのキレイすぎる推進力は!!最初イケメンからって惹かれたところが新海誠っぽいけどな!

あと、なんだあの芹澤って男は、いいヤツすぎるだろ。メンタル化け物かよ。自分と対比したら彼岸にいるよ。

あー、もしかしたら環が芹澤と寝てれば、岡部稔のBSS共感できていたかもしれない。それもなかったけど。

結局のところ、自分持っているもの描写してくれるのが新海誠だったのに、それがなくなってしまったのが寂しいわけ。

新海誠は俺のことわかってくれてるんだって思ってたのに、変わっちまったな誠。でも、いいんだ。俺はお前と通じ合えてた思い出を胸に、お前のいない現実を生きていくよ。誰とも分かち合えない苦しみが、お前との思い出を輝かせる。

から、この苦しみは俺の誇りなんだ。だろ?誠。

ふぅ・・・

わかるか?新海誠。今、俺はお前の主人公より新海誠主人公だぞ。

---

まあ、それはさておき、すずめの戸締まりはそこそこ面白かった。

すずめの自己救済の話としてよくできていたと思う。

いいところは沢山あるが、どうせ沢山語られるので不満点を書き出す。

1.閉じ師の存在

はじめ、現実にあった震災ファンタジーにしてよかったのか?とも思わなくもなかったが、まあロー・ファンタジーだし、こんなもんかなという気持ちに落ち着いた。

どちらかというと、閉じ師の存在が納得いかない。あんなに大事仕事なのに、あの映画ではそうたとその祖父しか出てこない。それこそ、各地に人員を配置していたり、東京では他の閉じ師が寄ってきてもいいはず。そうたがこういうのは知られないくらいでいい、みたいなことを言っていたが、何を舐めたこと言っているんだ。周知徹底して人員増やせ。閉じ師の必死さが全く見えてこないので、大学生カジュアルにやってる仕事しか見えない。あってもなくてもいい存在ってことなのか?

2.愛媛存在

愛媛のシーンが中途半端すぎる。すずめはあそこで何を得た?他の土地に比べて、薄味すぎる。他で入れるとくどくなりすぎる要素をまとめて配置したようなとてっつけた感。東京に行くまでで、神戸だけじゃさみしいし、愛媛あたりでも入れとく?みたいな。みかん女の親も何家出少女普通に受け入れてるんだ。

ただ、道中でどんどん衣服GETして自分が変わっていくってのは面白い要素だった。東京でそうたを失ったあと、ただのすずめとして元の制服を身にまとい行動する。歩む足にはそうたの靴。いいね

3つめ、書こうと思ってたけど、明確に出てこなかったので、これでおしまいにする。

2022-11-14

もうだめだ仕事見つかんないよ

結婚を機に夫の職場近くに引っ越し

政令指定都市だし仕事あるだろwって軽い気持ちで決めて前からやってみたかった職種転職して

ブラック企業メンタル壊れて&めちゃくちゃ向いてない職種なのわかってすぐ退職

新卒から3年やった職種に戻ろうとしてるけどほとんど求人がなくてもうだめ 思ってた以上に求人東京に集中してた

そもそもこの街に住み続けたいかというとそうでもないか東京引っ越したいよ

でも夫の職場は変えられないし、頑張って通うよと言われても限度があるし、私は私で満員電車耐性ないから住む場所限られるし

どこに住んだらいいかわかんないし引っ越して1年経ったくらいなのにもう引っ越すの?

かと言ってこの土地で頑張って転職したらうだうだここに住み続けることになるだろうしそれもやだな……

子ども欲しいなって考えると次の職場で1年位働いて産休とって復帰してってしなきゃいけないしそうこうしてるうちに多分その仕事辞められなくなってるんだよな いま転職活動がこれだけ厳しいことだしその席手放せないじゃん多分

あれ何を考えなきゃいけないのかわかんなくなっちゃった

無職続けてくうちにどんどん自分バカになっていく感覚がある

東京引っ越し子ども産んで育ててる友達いいな、下北沢に住もうかなって?こっちはそういうレベルで戦ってないが

新卒で入った会社勝手に割高アパート契約してた

20年も前の話だけど

どうしても就きたい職業たまたま友人の実家家業だったので、頼み込んで就職させてもらった

新卒地方価格で、手取り15万


実家から数百キロ離れ、勝手も知らない土地だったので

社長友達の親)が自宅兼会社から徒歩5分のアパート契約してくれたらしい

あなたのお隣が友達の弟の一人暮らしから安心よ、とのこと

ん?自宅からその距離で弟一人暮らし


蓋を開けてみたら

2LDK5.5万円

新卒が住むには贅沢すぎる


そしてそんな物件道楽弟(社員という名の重役出勤)に住まわせてる時点で気付くべきだった

家族に甘すぎる会社だった


というか、15万の給料で5.5万のアパートとかありえない

ボーナスも年一回0.5ヶ月

車も必要から貯金どころか毎月赤字


貯金崩してたけど生活できなくなったか

夢の仕事だったけど辞めたよ

数年後倒産したと聞いて

やっぱりなという気持ち

新卒カードもったいないことしたなと思った

仕事自体は楽しかったけどね

大阪の親が東京にくる

いい感じの観光スケジュールを教えてくれないか

コロナ禍の時に上京してきてまったく土地勘がないんだ

品川ホテルを取ったらしい

東京民の増田が多いから頼んだぞ

大阪の親が東京にくる

いい感じの観光スケジュールを教えてくれないか

コロナ禍の時に上京してきてまったく土地勘がないんだ

品川ホテルを取ったらしい

東京民の増田が多いから頼んだぞ

anond:20221114005954

そもそも原始人って他民族と出くわすことなんてそうそうなかったんじゃないか。あったとしても広大な土地勝手暮らしてるだろ。北海道では縄文人オホーツク人が数世紀住み分けてたぞ。

2022-11-13

anond:20221113234549

開放感特化で家建てるなら設計じゃなくて立地を気にした方がいいのでは

広めの土地なら問題ないです

anond:20221113212256

人間よりも土地が余っていた時代人類がしてきたことを考えると、

火星開拓されるようになったら、増田穀潰し火星に投入されそうな気がする。

小中の同級生にインスタのフォローを外されていた話

先に断っておくと、彼女とは親しくはない。中学卒業して以来、きちんと会話をしたことはない。フォローを外されていたのを確認して私も彼女フォローをすぐに外した。その程度の関係性だ。



彼女と私は同じ日に生まれた。私たちは同じ町内に実家があった。にもかかわらず全く違う人生を歩んでいることが面白かった。もしかすると見下している気持ちもあったのかもしれない。だからフォロー許可したし、こちらもフォローしていた。


彼女は生まれからずっとこの土地にいた。小学校には保育園からの幼馴染がたくさんいた。父親仕事は詳しく知らないが、母親歯科で働いていると聞いたことがある。近所では有名なヤンキー両親だった。彼女の親は自分の親の家の敷地内に家を建てており(彼女は積○ハウスで家を建てたと自慢していた)、祖父母、おじおば、いとこたちに囲まれ生活していた。

一方の私は転勤族小学校に上がると同時にこの土地引っ越してきた。幼馴染などはおらず、親戚も県内はいなかった。父はブルーカラーホワイトカラーの間のような仕事をしていて(一応大企業の子会社で働いていた)、母は専業主婦だった。


私は小学校あいだ、標準語であったこと、母親が働いていなかったことを理由いじめられた。喋り方が気持ち悪いと言われた。祖父母百貨店で買ってもらったランドセル足跡をつけられ、水をかけられた。ピンポンダッシュをされた。遊ぶときはいつもみんなに置いて行かれた。

同じ誕生日彼女の方がこの土地ではスタンダードだった。彼女の周りには人がたくさんいて、私はひとりだった。近所に住んでいたため、下校のときは本当に惨めだった。みんなで楽しそうに学童に向かう中、私はひとりで家に帰っていた。


中学校に入ってから転機が訪れた。私は定期考査で学年1位を取りまくった。部活動でも表彰された。学級委員生徒会も推薦された。先生からも生徒からも期待され、信頼されていたのを実感できた。常に私は同級生に、私の親は同級生の親に羨ましがられた。認められた、シンプルいじめられなくなった。

一方彼女は成績が芳しくなく、態度も良くなかったため、常に先生たちから怒られていた記憶がある。部活動にも入っていなかったため、小学生のころほど大きなグループ形成できていなかった。

最終的に私は地元で最も偏差値が高かった私立高校に成績優秀者の奨学金で進学した(公立はみんなが行くから嫌だった)。彼女偏差値が30くらいの私立高校に専願で行った。


高校時代の話は割愛しよう。私はうつ病を拗らせたが無事に卒業して、地元大学に進学した。彼女がこの間どうしていたのかは知らない。


大学に入って少しした頃、彼女からインスタグラムフォローされた。

彼女は当時キャバ嬢をしていて、ヤンキーたちとつるんでいる生活毎日投稿されていた。金髪だった。しばらくすると彼氏と付き合い始め、1ヶ月記念、2ヶ月記念、3ヶ月記念……と刻み始めた。

私もちょうど同じ頃、初めて彼氏ができたが、記念日など投稿しなかった(この彼氏とは3年目で別れた)。彼女は何ヶ月記念かに入籍して、数ヶ月後に出産した(子供妊娠週数?も細かく刻んで投稿していた)。

ちなみに成人式ときにはボテ腹振袖を着ていて、やはり妊婦であることを自慢げに投稿していた。私は成人式には行かなかった。

出産後も子供月齢ごとに投稿していた(ストーリー毎日)。この頃から飽きてきて特に注視していなかった。


フォローを外されたことに気がつく数ヶ月前、私は就活で使い終わったリクルートスーツを近所のクリーニング店に出しに行った。そこにいたのだ、彼女が。店員として働いていた。着いてきていた私の母が先に気がついた。

「あら○○ちゃん?」

私は言われるまで気がつかなかった。ふくよかになっていておばさんかと思ったのだ。

かたやパートで働く主婦、かたや結婚どころか彼氏もいない、就活ストレスガリガリに痩せた学生ニート

てっきり結婚して違う地域に住んでいるかと思ったが、親子三世代ここに住み続けていることにも驚いた。

私は地元ではそこそこの企業総合職として内定をもらったので、バリバリ働くつもりではいる。結婚は……できる気がしないので、子供部屋おばさんまっしぐらである

同じ誕生日、同じ地域に住み、同じ空気感の中生きてきた人間人生がここまで違うのか。

私は彼女と目を合わせた。お互い話すことはなかった。私は母に物を託して先に家に帰った。


それから数ヶ月後、インスタグラムフォローを外されていたことに気がついた。いつから外されていたのかは分からない。クリーニング屋の一件の前かもしれない。私はそのまま彼女フォローを外した。たぶんもう互いの人生が交わることはない。

anond:20221113165153

元増田だがすまん

近所の別の土地に新しく家建てたんだよ

2022-11-11

昔のことだが、○したいお客さんがいた


ちょっと聞いてくれ。

数年前のことだ。うちは日中~夜まで飲食店をやってるんだが、とあるお客さんがいた。今でも記憶にこびり付いている。話させてほしい。気持ちの整理をつけるためにも。お客さんの立場である増田民あなたも感じることがあるかもしれない。

当時、とある田舎一級河川沿いのエリア食事メインのお店をやっていた。おでんに、蕎麦に、刺身に、唐揚げとかポテトサラダとか、野菜のお浸しとか、居酒屋に近い。コの字型のカウンターと、座敷がふたつだけある。

いつもは俺と、アルバイト(男2、女2)のうち最低1人が一緒に働いている。平日は暇なんだが、週末になると忙しい。北にある政令指定都市の方から会社学校帰りの人が流れてくる。

それで、店内が八割方埋まって、スーツ姿のリーマンとか、会社名入りの作業服を着てる人とか、数人連れの大学生とか専門学生でわいわいとした雰囲気になる。

うちの料金は安い。はっきりいって安い。鳥貴族に毛が生えた程度だ。元実家土地でやってるからな。

そんな中で、ひときわ目立つお客さんがいた。最初に会ったのは平日の夜だった。その時間帯は、アルバイト女子大生接客を任せて追加分のおでんを仕込んでいた。

格子枠の扉をガラガラと開けて、その人が入ってきた。外身は白っぽい作業服だったかな。時期は初秋で、作業服の下にはシャツネクタイが覗いていた。銀色ネクタイピンも。

「ん!?」と思って顔を見ると、アァと納得がいった。あなた人生で何度か見たことがあるのではないか。圧倒的なオーラの持ち主を。その人の目を見ただけでわかった。

ぎらぎらとしているようで、どこかあどけない感じもして、しかし落ち着いている。只者じゃない。修羅の目だ。多くの物事と戦ってきたに違いない。人生の重みは表情に出る。

見た目は30過ぎかなと思ったが、こういうのに年齢は関係ない。繰り返すが、苦難の日々は顔に刻まれる。

アルバイト女子大生(Nさん)が彼のところに向かっていた。見たことのない笑顔で「いらっしゃいませ」と言っている。屈託のない様子で「初めてですか?」とも。

当時、コロナ流行っていない。その人(S氏)は「どこに座ったらいいですか」と言ってたっけ。Nさんに「お好きな席にどうぞ」と言われて、俺がおでんの仕込みをしているカウンターの前に座った。ほかの客はほぼいなかったと記憶している。

唐突に会話が始まった。

「涼しくなってきましたね」からスタートして、好きなお酒から、好きなアテに、この周辺でおススメの居酒屋に、S氏の仕事の話など。盛り上がった記憶がある。暇な日だったのでNさんも会話に入っていた。ルンルン(死語)な気分でS氏と話をしていた。

やがて、S氏は自分とNさんにそれぞれ1杯おごって、約一時間ほどいて帰って行った。その時はいい人だなぁと思っていたけど、Nさんがいつまでも嬉しがっている様子を眺めていて、ちょっと思うところがあった。

その日の営業が終わって現金を数えている時も、Nさんは心なしか嬉しそうだった。気のせいかとも思ったけど、やはりそんな気がした。

「なあ、今日はうちに寄っていくか」とNさんに聞いたら、「朝から講義がある。ごめん」とだけ返ってきた。

Nさんとは付き合ってまだ半年で、気持ちが通いきっていないのもあった。何かに負けたような気がして悔しい思いがした。



それからSさんは、月に何度かお店に来るようになった。

実際、いいお客さんだった。小一時間もしないうちに帰るのだが、その間に最低でも三~四千円は落としてくれる。自分の酒肴以外にも、店員がいたらみんなにジュースお酒をおごってくれる。

短い時間ではあったが、いろいろ話をして盛り上がったのを覚えている。店の十周年記念の時はシャンパンを空けてくれたっけな。

金持ってるだけじゃなくて、人柄もよかった。今でも思い出す。懐かしい記憶だ。

ある時だった。S氏が初めて来店して三ヶ月くらいか。夜九時頃の店内で、残業帰りのS氏と俺とNさんで話が盛り上がって、S氏のグラスが空いたところだった。「じゃあもう帰ります」ということで、クレジットカードを受け取った。それで、コの字のカウンター卓の奥でクレカ機械に読み込ませていた。

ふと声がして、お客さんの注文かなと思ってホールを見ると、S氏がNさんと携帯電話の番号を交換しているところだった。

「今度、ご飯行こうな」「はい!」という声が調理スペースの方まで響いてきた。そのタイミングで俺は、決済処理を終わらせてふたりのところに向かった。何事もなかったようにしてS氏は、Nさんからコートを着せてもらって入り口に向かった。

普段スタッフに見送らせているのだが、俺も一緒に入り口へと向かった。S氏を見送ると、彼は歩いて自宅の方に向かった。姿が消えたのを確認した。

電話番号、交換したんか」とNさんに聞くと、「うん。何度もしつこくって」という返答があった。ご飯、行くのか」と聞くと、「多分いかない」と返ってきた。

訝しい感じがして、でも問い詰めることもできずに、そのまま調理スペースに入ろうとしたところで、ほかのお客さんから注文の呼び出しがあった。



ここまで言ったらわかるだろ。ある程度は。

核心的なところを言うと、それから二ヶ月後だった。S氏とNさんが、お店からおよそ10km離れた政令市にある百貨店の休憩所で一緒にメシを食っているのを見た。ちょうど食べ終わるところだった。

ハンバーガーか、クレープか、たこ焼きか。よく見えなかったが、百貨店内のどこかでテイクアウトしたものだろう。Nさんは綺麗な恰好をしていた。華美ではないけど、暖かそうな秋冬用のワンピース風……あれはなんというのだろうか、女のファッションはわからない。

清潔感のある装いだった。茶色の小さい鞄を肩から下げている。どちらも、俺とのデートで付けているのを観たことはない。いや、鞄の方は多分ある。

それで、ふたりが立ち上がって、時計宝石を売ってるエリアへと階段を降りて行ったところで、俺はそのまま地下街に向かった。当初の予定どおり、常連さんにサービスする用の特別食材を買って帰った。

俺がNさんとデートする頻度は、2~3週間に一度だった。あの子看護大学に通っていたから忙しかったのもあるし、俺自身お金を貯めている最中金欠だったのもある。

セックスはしたりしなかったりだ。割合までは覚えていないが。あの光景を見てから、次にNさんと会ったのは二日後だった。あのワンピースみたいなのは着てなかった。簡素恰好だ。部屋着というわけではないが。

あの百貨店の近くの河原町通りやアーケードを一緒に歩いて、食事をして、猫カフェに行って、映画を見て、近くにあるホテルに入った。

あの時の俺は必至だったと思う。いや、必死だった。「愛してる」とベッドの中で何度も言った。伝えた。本当は、叫んでいたかもしれない。Nさんもベッドの上でいろんな動きをしたり、いろんなことを言っていた。

でも、Nさんは行為最中特別な何かをするでもなく、普通調子だった。普通セックスだった。30分で終わった。いや、なんかもうわかっていた。そんな気がしていた。



「別れよう」と言われてはいなかったが、Nさんと会う頻度が落ちていった。次にデートするまでに一ヵ月以上かかることもあった。

S氏がお店に来る頻度も落ちていった。さすがに計測はしてないが。S氏は素直に凄い奴だと思っていた。いい大学を出てるし、いい会社で働いてるし、偉ぶったところもないし、自己中に感じることは稀にあったが、よくいえば決してブレない。

俺は高校を出てない。子どもの頃から勉強が嫌で嫌でしょうがなくて、それで進学から逃げて、17才の頃までは完全なるプー太郎で、親に叱咤激励されて伏見の小料理屋でアルバイトを始めて、滅茶苦茶に厳しい毎日で、それでも料理作るのが楽しくなっていって、中年差し掛かった頃に両親が死んで、相続した土地家屋改装して今の店にした。長かった。

でも、やっぱり真の人格ってものがあるよな。S氏は、スタッフ飲み物をおごってくれなかった日は一度としてない。店員が男だろうが女だろうが、必ず一杯は出してくれた。俺はほかの店に飲みに行っても、可愛げのある女の子店員しかお酒は出さない。

S氏は、はっきりいって『上』の人だと思う。Nさんの件さえなければ。これで俺より五つ以上も年下なんだから笑えてくる。

そんなこんなで、半年も経つ頃には諦めがついた。ある日、お店でS氏と話していた。それで、ふいに聞かされてしまった。

「先日、Nさんのお父さんに会ったんですよ」

だってさ。キツイ。当時の俺にはキツかった。Nさんへのデートの打診を3回続けて断られていた。そういうことだったんだな。

俺の中で何かが切れた音がした。少年時代に読んでいた漫画ジョジョだったと思う)で、「切れた。僕の中の大事ものが……」といった台詞があった。当時は、そんなわけねーだろと苦笑していたが、ジョナサン気持ちがわかったかもしれなかった。本当に、心や体の『糸』が切れると、抵抗する気すら起きなくなる。ただ、沈んでいくだけ。

Nさんのことは諦めた。

それから二ヵ月くらいか。鬱々とした気持ちで過ごした。どうしようか。悔しい。畜生。どうすることもできない。でも、やっぱり悔しい。畜生だな、本当に。いや、くっそ。悔しいんだよ。でも、感じない。心がマヒしているみたいだ。本当は悔しいって思いたい。

俺の大事な女を取りやがって。くそくそくそ!! あいつさえ、あいつさえいなければ。畜生!! ○してやりたい。



暗い気分にさせてごめんよ。もうちょっとで終わる。あれは四年と少し前のことだ。初夏の頃だった。大きい台風が迫っていて、すごい雨だったな。うちの店はそれでも営業していた。開店当初から決まっているのだ。どんな雨風が来ても絶対に店を開けてやると。

そういう時にうちに来るのは、決まって大雨対応で疲れ切った近所の人か、ほかの店が閉まっているために流れてきた飲み客だったりする。

土曜日の深夜だった。S氏が疲れ切った様子で店に来た。スタッフはみんな上がらせていて、俺しか店に残っていない。彼は「いや、疲れましたよ。何時間か寝たら、また職場まで出発です~」といったことを告げて、メニューを手に取ろうとしていた。

増田さん。外の雨、すごいですよ」

「ええ、すごいですね」

「殴りつけてきますね。人生で最強の雨かもしれません」

「二十年前もこんなんがあったんですよ」

「本当に? 自分、このへんの生まれじゃないんで詳しくなくて」

「大雨の対応って。樋門(※排水ゲートのようなもの)の面倒でもされてはるの?」

「そんなものです。そうだ、せっかくですから一緒に外に出てみませんか。ある意味記念です」

「ほな行ってみましょ」

そんな具合で、店から歩いて一分ほどのところにある鴨川(のさらに南の支流)のほとりまで来た。家屋家屋の間に雑草だらけの小道が通っていて、そこから川の方を向いた崖地に辿り着いた。

真下を見ると、葦やら雑木やら上流からの堆積土やら、いろんなものが流れ着いている。見た目の悪い場所だった。今は河川の底を拡げる工事が進んで、もっと綺麗になっている。

俺は傘を差していて、S氏は簡易なヤッケを装備している。真っ暗な世界の中で、唯一の明かりが頭上の頼りない水銀ランプひとつだけだった。今は、2人で濁流を真上から見ている。ここから飛び降りたとしたら、数秒もかからないうちにドボンだろう。それほど水嵩が増している。水の色は見えない。

下流はとんでもないですね」

Sさん対応してるのは市内やろ。そこもこんな感じ?」

「ここよりはマシですね。護岸が整備されてるんで」

「こないな時期に大雨の対応はしたくないでしょ」

「はははは。まあそうですね。でもね、しっかりしないといけないんでね。結婚もするんで」

俺は何も言わずに、彼の方に寄った。

「危ないよSさん。下がって」

その時、殴りつけるような雨が降ってきた。風も強い。S氏は、身を屈めるようにして風雨から身を守っていた。すると、ふいに彼が鴨川の方を向いたっけ。しみじみとした寂しい背中だった。

Sさん」と声をかけると、いまだに彼は増水した河川を見下ろしていた。風がまた吹いてきた。強い風だった。

……数分が経って、俺は雑草だらけの小道の途中にいた。後ろをサッと振り返った。誰もいなかった。雨の音がうるさい。

そのまま、雑草だらけの小道をザクザクと踏み分けて行って、店の方まで戻った。お客さんが来ていないことを確認して、ラジオで大雨情報を聞いて、誰も来ないだろうという個人的確信が強まっていった。

そそくさとお店を閉めると、自分の家まで原付に乗って帰った。



特にオチがなくて申し訳ない。誰かが悲しい思いをしてるとか、嬉しい思いをしてるとか、そういうことでもない。

お店は今も普通営業している。あれからすぐにNさんは店をやめてしまったが、そこは腐っても京都府内だ。別のアルバイトに「いい子いない?」と聞いたら、新しい子が面接に来た。幸いにも、Nさんと同じくらい朗らかで明るい雰囲気の子だった。今でもお店で働いていて、辞められたら困る人材に成長している。

ずっと思っていた。苦しかった時期のことを話したいと。あの日を境に肩の荷が下りて、心と体が軽くなって、ゆっくり眠れるようになった。すっきりした気分だった。今ではのびのびと働くことができている。

これを書いていて辛いと思う時もあったが、筆をしたためてよかった。増田のみんなが幸せでありますように。

東京まれ東京育ちにも閉塞感はあるんだろうか

別に東京じゃなくてもいいが、政令指定都市と呼ばれるような大きな街で生まれ育った人はその土地特有の閉塞感を感じたことがあるのだろうか。

私が生まれ育ち出ていった場所はそれはもう田舎で、袋小路のような、出口が見えない迷路のような、息苦しさを感じさせる場所だった。

経済的文化的に発展しておらず、昔から住んでいる人は僅かな希望も持たず氷が溶けて薄まった酒を舐めるような生活をしていた。

たくさんいたはずの同級生ほとんどは故郷を捨て、もっと人がいる場所移住したらしい。

私も故郷を捨てた身なので伝聞でしか知らないのだが。

田舎から出てきた人が決まって言われるのが「えぇ〜自然豊かで羨ましい。いいところじゃん」といった羨望だ。

出てきた身からすると苦笑いで受け取めるしかない。しかし、ふと思った。

田舎出身者同士で話すとき地元の閉塞感について共感を得ることは多いが大都市で生まれ育った人たちにもこういった感覚があるんだろうか。

電車が通っており、買い物へ行くのにも選択肢豊富で、人がたくさんいる土地で産まれ育った人にも故郷を捨てたくなるほどの閉塞感が。

anond:20221111010128

ああああああああ地主から土地を取り上げてええええええええええええええええええええええええええええええ

3Dプリンター住宅日本でも始まってきたとニュースでやってた

千葉でも埼玉でもそんな都心から離れていない場所でも、駅からちょっと離れると田畑が広がっていたりするし

土地さえあれば数百万で作れるのは結構面白いかもしれない。

2022-11-10

神様が作った土地をただ占有しただけの地主大金を得てるのが憎い

anond:20221110164832

年収800万を維持するために水道水臭い土地で頑張ってるのって哀れ

これから(11月〜)の北海道観光について

コロナのことは置いておいて過去の知見をここに残しておきます。またコロナ落ち着いたら再投稿するためにも今書いておきます

1.北海道は非常に広いので2つ以上の都市めぐりたいなら一日の半分は移動に費やされることを頭に入れてください。例えば札幌函館なら、

札幌(新千歳空港)着→札幌観光→一泊して起きたら4時間弱移動→夕方に着いて夜にかけての函館観光

一泊して札幌(新千歳空港)へ4時間弱で帰るということになります。二泊三日で2都市ですね。でもツアー旅行と同じくらいの忙しさになりますしかしこのくらい目まぐるしいのも楽しくていいかもとも思います

2.11月から寒いです。本州から来るなら薄手ダウンかアウドアブランドの上着が最低条件で、ヒートテック下着必須です。屋外が寒く屋内は暖かいようにされているので上一枚脱いだらある程度涼しくなるようにしておくと快適です。居酒屋ついたら脱ぐみたいな。下半身はそれなりの厚さのあるボトムを履いてください。薄いボトムで長時間歩くと骨が寒くて痛くなります下半身はかなり大切です。靴下は長いものにして靴は暖かいある程度厚めのものを選びましょう。女性タイツの上に靴下一枚はくとかなり違います

3.雪についてですが大体11月中旬から降り始めて12月車道歩道が雪に覆われます12月後半は踏み固められ凍結した部分がかなり多くなりますスニーカーは最も滑りやすく、登山靴チックな靴でないと道民以外はまともに歩けません。ある程度底のごついブーツで来てください。北海道で雪が降ったあとにコンバースで歩く人は道民はいません。グリップかきく靴なら札幌繁華街を移動するスピードがかなり上がります女性の方はローリーズファームやレプシィムで売っているヒールのあるレザーショートブーツおすすめです。かかとで硬い雪を削って踏ん張れるので下手したら登山靴より歩きやすいかも。

4.雪まつりについて

インフルエンザの温床です。でも相当楽しいです。おすすめしたいのですができないのが辛いです

札幌市の大通公園のもの一般的です。巨大で精巧雪像が飽きるほど作られます企業市民が作るのもあれば自衛隊が作るのもあるし、カナダ北欧まさかハワイの方がつくる雪像もあります飲食屋台は温かいものほとんどですが提供されて一分後には口内体温より低くなります。なので限界まで楽しんだら予約した居酒屋に飛び込んで暖を取りましょう。飽きてくるととたんに寒くなるのは道民もそうです。

5.11月から食べ物おすすめ北海道ポイント

ホッケが美味しくなります居酒屋でたのんでください。じゃがバタてきなお芋料理全然違います。芋は全然違うと思う。観光者向けの居酒屋でもこれだけは同じです。とりあえずホッケはたべろ!

次に北海道回転寿司の話。なごやか亭、トリトンという2大巨頭回転寿司が回らないお寿司より美味しいのでぜひ行くべき。駅前にないかちょっとタクシー使うかも。高いネタもそれなりに食べて一人3500円くらいです。函館朝市もいいけど色んな種類のお魚食べるならこういう回転寿司のほうが満足度高いです。

でもウニ決め打ち、イクラ決め打ちなら函館朝市の海鮮丼屋さんで頼むべきですね。まじで満たされる。

味噌バタコーンのいわゆる札幌味噌ラーメンは期待しすぎないでください。そんなに美味しくはないような…まあバター美味しい地域なのでそれを楽しむのも一興なのかなあ。札幌で人気のあるラーメン店味噌味にバターもコーンものせません。

すみれ純連系列は美味しい味噌ラーメンです。

私は味噌ラーメンというよりはえそば一幻というラーメン屋さんを推します。あとは旭川系列山頭火とか。

6.景色

雪に覆われるとどこもおんなじです。山は違うのかもしれないけど、雪山登山なんておっかなくてよっぽど好きな人以外はやりません。

北海道らしい美しい景色をみたいなら、7月十勝に来てください。レンタカー借りてドライブするだけで楽しいですよ。そのためだけにバイカーが十勝に押し寄せるくらいです。

本州にはどこまでも平らな土地ってあんまりないですけど北海道にはあります。豊かに繁ってる平らな土地っていいですよ。

以上です!

現在北海道過去やばいので、今は来ないでくださいね来年落ち着いたら来てください。

2022-11-09

anond:20221109133639

住民がおっとりしてると衝突したりしにくくていいじゃん。宮崎市に何回か行ったことあるけど、みなさんおっとりしてて親切で感じが良かったよ。

その上気候は穏やかで猛暑日なんか少なくて土地は広々していて空も広くて、かなり住みやすそうな感じだった。気候が穏やかなのは海のおかげかな。関東でも海沿いはそんな感じだからね。

スマホの協力プレイ的なもののお作法が分からない

サンシャイン牧場ぷよクエ(リア友のみ連携)→FGOというゲーム歴。

たまーに広告見て面白そうだな、と思って始めたゲームが大体よく分からない。チュートリアルはあるんだけど、このチュートリアルが何を説明してるのか分からない。多分基礎知識がある人に「この機能はこうしたら使えるよ」って説明してるんだけど、そもそもの「このゲームでこの機能って何のためにあるの?」「このゲームって何?(なんのためにキャラ集めて育ててるの?)」が分からんものが多い。

その中でデイリーミッションとか恒常ミッションとかをこなすんだけど、たまに「ギルドに入れ」みたいなのがある。

ギルド、一番ワケ分からん

まぁ大抵初心者歓迎出入り自由ミッション達成用ギルドがあるのでそこに入らせてもらうんだけど、ギルドのお作法分からん

デイリーミッションギルクエ達成がある場合、起動したらギルクエやろうと思いながら退会もせず起動もしない日が続き、思い出したように起動して「アプリアップデートがあります」の文字を見てそっ閉じしてアプリ削除を行うので、ギルドから退会するのを忘れて枠を埋めっぱなしにしていたりする。もちろん引き継ぎコードの類は発行していない。

まぁギルド活動に参加しない方はまだしも、ギルド限定のアレコレがお得っぽい時がもっと作法分からん

たとえばギルドガチャみたいな。ギルド所属した状態イベント参加して上位にランクインするとご褒美が貰えたりするが、Sランク武器みたいなのがギルドガチャとやらにあると、欲しいけど回していいもんなのか? と思う。というかこの、ギルドに溜まってるポイントって誰に使う権利あるんですかね……知らない人のギルド勝手に入ったので、自分ギルマスでないことは確かなんだけど。でもギルマスらしき人最終ログイン30日前だし……ガチャボタンこっちでも押せそうだし……。まぁ怒られるの嫌だからさないけど。

あとギルドじゃないけど4人揃ったら自動でバトル開始系、ローンチ同時開始組じゃない自分としては低レアレベル、バトル仕様分からん状態で参加するんだけど、あれも他3名のプレイヤー殺意抱かれてそうで、ミッションじゃなければやりたくなさが半端ない。せめて全く同じ戦闘システムで、システム分かるまではソロプレイさせてくれよ……。全プレイヤー同時アクション操作クソ野郎は足手まといだし、ローテ制だと自分のターンでテンパる(操作方法からないしどれだけ待たせていいのか分からん)からやだ。

ストラテジー系に至っては国が50個くらい隣接した土地に集まってる連合国家みたいなのも見かけて、これ全部本人別垢か知り合いだけで構成されてんのかな、とか思った。

とりあえず一人でプレイして勝てるはずない(し、それもあって楽しくない)。

多分、スマホゲー界隈での『ギルド』や『協力プレイ』のお作法があるんだと思うんだけど、スマホゲー強者のみなさま是非その辺教えてください。

ファイターズ球場公認野球規則の話

えっ!日本ハム球場使えない!? ファウルゾーンの広さ公認野球規則規定に満たず

https://www.daily.co.jp/baseball/2022/11/08/0015789449.shtml

はてブでも盛り上がったこの話、補足が必要そうなので書きます

野球ルール」の話〜Offical Baseball Rules と 公認野球規則

国際オリンピック委員会に加盟している、または加盟を目指すような多くのメジャースポーツには国際統括団体があって、競技規則管理・維持・改定しています

ちょっと特殊なのはゴルフで、セント・アンドリュースゴルフ場を保有するロイヤルアンドエンシェントゴルフクラブという組織国際ゴルフ連盟に変わってゴルフルール管理をしていますが、世界中ゴルフ競技団体から人と意見を集めてルール改定作業をしている、という点では他のスポーツと変わりません。

ところが野球は本当に変わっていて、アメリカ野球規則委員会が定めるOfficial Baseball Rulesは、世界のその他の国の意見とかは聞くこともなく、アメリカの都合だけで改正されますし、他の国がこれを採用するかどうかも一切調整とかはしません。日本野球界は、独自野球ルールを定めることもできるのですが、基本的にはOfficial Baseball Rulesはよくできているので、これを翻訳して1年遅れで「公認野球規則」としてそのまま採用することにしています。つまり公認野球規則Official Baseball Rulesと基本的には同一であるのは、たまたまそうなっているだけであって、本来は全く異なるルールを作っても一向にかまわないわけです。

id:sds-page 本場アメリカでも重視してない規則なんだし誤訳だったら日本側の規則も元の規則に合わせて緩くして終わりじゃねーの

id:HelfardHelfardまり誤訳であり努力規定では?

id:napsucks recommendedを必要とすると誤訳したのが問題だけど、ローカルルールが許されるのであればそっち優先になりそうだな。

追記】ゆえに、日米の野球規則で内容が違っていても「誤訳」ということは理論的にもあり得ないわけです(以下で「私は」誤訳してます。その点はすみません

これが今回の件の前提にあります。なお、そうは言っても公認野球規則Official Baseball Rulesと違うところも多くて、例えばアメリカにはない軟式野球規則公認野球規則には含まれます。また、2020年からOfficial Baseball Rulesはワンポイントリリーフ投手打者1人との対決で交代させる)を禁止しましたが、日本はこれを採用しませんでした。

本塁バックストップ距離努力規定なのか義務規定なのか

さて、今回の件は、エスコンフィールドホームベースバックストップ本塁とその後ろの壁との距離)が、公認野球規則では「60フィート(18.288メートル)以上を必要とする」と定められており、NPB本拠地球場ではすべてこの数値が守られているところ、エスコンフィールドでは15メートルしかない、というものになります

なぜこのようなことになったのかというと、エスコンフィールド設計を行ったのがメジャーリーグの球場設計経験したアメリカ設計事務所で、アメリカでは60フィートよりも本塁バックストップとの距離を短くすることが多いから、ということが言われています。そうだとすると、本工事の施主であるファイターズ球団の不注意責任を問われることは避け得ないでしょう。

さて、なぜアメリカではそうなのか、ということについてThe DIGESTは以下の記事を出しており、これがはてなでもよく読まれたようです。

物議を醸す日本ハム球場ファウルゾーンの広さ」問題。事の発端は野球規則の“解釈”にあった?

https://news.yahoo.co.jp/articles/91f72e956ea44dbeae9df1459f3a7d40ec725646

この記事では以下のように記載しています

It is recommended that the distance from home base to the backstop, and from the base lines to the nearest fence, stand or other obstruction on foul territory shall be 60 feet or more.」

翻訳すると、「本塁からバックストップまでの距離、塁線からファウルグラウンドにあるフェンススタンドまたはプレーの妨げになる施設までの距離は、60フィート(18・288m)以上」までは公式野球規則と同じ。問題は「It is recommended」の部分にある。日本ではこの箇所が「必要とする」になっているが、原文では「推奨される」とあり、必要条件ではないのである

これをもって記事内では「日本誤訳」の可能性まで触れていますが、しかしもう一度立ち止まって、英文を読み直してみましょう。

It is recommended that the distance from home base to the backstop (中略)"shall" be 60 feet or more.

The DIGESTの訳では助動詞「shall」の訳が抜け落ちてます。このshallをどう訳すかということですが、一般的意味義務、つまり「〜しなければならない」という意味で訳してみると、これなかなか難しくなります。つまり

本塁バックストップ距離は60フィートまたはそれ以上でなければならないとrecommmendされる。

という訳になります。こうなると「It is recommended」をThe DIGESTのように「推奨される」とは訳せませんよね?「でなければならないと推奨される」って、それ日本語として通じませんよね。このrecomemendはむしろ勧告する」とでも訳すべきではないでしょうか?そうであるなら、公認野球規則が「誤訳」ではないかというあらぬ疑いは晴れるわけです。

【20221109追記ブコメご指摘ありがとうございます仮定現在、思い出しました!ならば「すべきと推奨する」で問題なさそうです。そうするとやはり、自分としてはこの節、最初から努力規定だったのか、途中で義務規定から努力規定に変わったのかを知りたいのですが、意外と「Ofiicial Baseball Rules」の変更履歴って見つからないんですよね。

ですので、ファイターズとしては、やはり義務規定である公認野球規則を遵守しなければならない立場であったのは確かです。もっともこれは、2023年から公認野球規則改訂してしまえば大きな問題にはならないかもしれません。

野球場の形状の話

ただ、Official Baseball Rulesが、純然たる義務規定としないで、努力規定のようにも解しうる「It is recommended」を書いたことの意味は、一歩進んで考えてみる必要はありそうです。現在メジャーリーグの球場を見て日本ファンが思うのは、「ずいぶんいびつな形をしているな」ということではないでしょうか?左右非対称なのは当たり前、外野フェンスは直線だったり曲線だったり、果ては外野に丘がある球場すらあります

これは別にひねくれてそういうデザインをしているわけではなく、野球というゲーム誕生たころの歴史リスペクトなんですね。最初から野球野球場で行われたわけではなく。街の中の広場なんかで遊ばれていたわけです。当然そういう場所は左右非対称で区画いびつだったわけです。野球の人気が大きくなって専用野球場が作られるようになっても、まだ十分な広さの土地までは確保できない頃は、例えば球場右翼側は十分な広さになっても、左翼側は全然広さが足りない、なんてことは古い球場には普通にありました(例えばグリーンモンスターで有名なボストンのフェンウェイ・パークは、まさにそういう設計であり、それではあまりにも左翼側に本塁打が出すぎるので、あの高く巨大な壁が作られたわけです)。

野球「ゲーム」からスポーツ」に変化する過程で、それではあんまりだということで、左右対称の扇形の野球場が増えていきます。それはそれでスポーツ必要な公平な環境になったとはいえ、今度は「野球ってそういうものだったろうか」という伝統への回帰20世紀末に起こって、それ以降の新設球場19世紀から20世紀はじめの野球場の特徴を取り入れたものになっていきます

実際、公認野球規則でもOfficial Baseball Rulesでも、内野については非常に厳密に定めている一方で、球場の形状を決定する外野規定については驚くほどおおざっぱなのです。以下に公認野球規則を示します。

内野

まず、本塁位置を決め、その地点から二塁を設けたい方向に、鋼鉄製巻尺で、127フィート3と3/8インチ(38.795メートル)の距離を測って二塁の位置を定める。次に本塁と二塁を起点としてそれぞれ90フィート(27.431メートル)を測り、本塁から向かって右側の交点を一塁とし、本塁から向かって左側の交点を三塁とする。したがって、一塁から三塁までの距離は127フィート3と3/8インチとなる。(中略)90フィート平方の内野を作るには、まず各ベースライン(塁線)およびホームプレート(本塁)を同一水平面上に設け、続いて内野中央付近投手板をホームプレートより10インチ(25.4センチ)高い場所に設け、投手板の前方6インチ(15.2センチ)の地点から本塁に向かって6フィート(182.9センチ)の地点まで、1フィート(30.5センチ)につき1インチ(2.5センチ)の傾斜をつけ、その傾斜は各競技場とも同一でなければならない。

外野

本塁よりフェアグラウンドにあるフェンススタンドまたはプレイの妨げになる施設までの距離は250フィート(76.199メートル)以上を必要とするが、両翼は320フィート(97.534メートル)以上、中堅は400フィート(121.918メートル)以上あることが優先して望まれる。

【付記】(a)1958年6月1日以降プロフェッショナル野球クラブが建造する競技場は、本塁より左右両翼のフェンススタンドまたは左右両翼のフェアグラウンド上にあるプレイの妨げになる施設までの最短距離は325フィート(99.058メートル)、中堅のフェンスまでの最短距離は400フィート(121.918メートル)を必要とする。(b)1958年6月1日以降現在競技場を改造するにあたっては、本塁より左右両翼およびフェンスまでの距離を、前記の最短距離以下に短縮することはできない。

多分、本塁バックストップとの距離について多くのMLB球場がOfiicial Baseball Rulesに記載の数値を満たさず、かつ満たさないことが即違反にならないような書きぶりであるのは、この精神尊重のように思うのです。

id:BigHopeClasicでした。

補記:バックストップまでの距離努力規定義務規定、どちらが望ましいか

これは完全な私見になりますが、私は義務規定であるべきだと思っています

本塁バックストップまでの距離野球プレーに与える最も大きな影響は「投手ワイルドピッチ捕手パスボールが発生した後の処理」にあると思っています

最も極端な例として、本塁ダートサークルの直後にバックストップを置くと仮定しましょう。この場合捕手が平均的な能力を備えているとすれば、ワイルドピッチパスボール守備側にもたらす悪影響は著しく減弱するでしょう。

ただ、それでいいのか、という問題はあります。ここで公認野球規則における「野球のアウト」の定義を見てみましょう。

5.09 アウト

(a) 打者アウト

打者は、次の場合、アウトとなる。

(1) フェア飛球またはファウル飛球(ファウルチップを除く)が、野手正規に捕らえられた場合

(中略)

(2) 第3ストライクと宣告された投球を、捕手正規に捕球した場合

 【原注】〝正規の捕球〟ということは、まだ地面に触れていないボールが、捕手のミットの中に入っているという意味である

(後略)

この(2)は「三振」を定義したものになります。これを見てわかるように、三振【による打者アウト(←トラバの指摘を受けて修正ありがとうございます)】は「ストライクを3つ取ること」では達成できず、「3つ目のストライク捕手がノーバウンドで捕球すること」で初めて成立します。そのくらい野球ルールは「捕手がノーバウンドで投球を捕球すること」を重視して、選手にそれを要求しているわけです。だから野球では「ノーアウトまたはワンアウトで走者が一塁にいる」場合を除き3ストライク後の振り逃げルール上認められているわけですし、このシチュエーションでワンバウンドの投球で空振り三振を取ったときは、捕手は必ず打者ボールタッチするか一塁に送球してアウトを取っているわけです。

これほど「捕手正規の捕球」をルール上重視しているのに、本塁バックストップ距離を短くして、ワイルドピッチパスボール守備側に与える影響を減らすというのは、私はルール立法趣旨に反するのではないかと思います。ゆえに私は義務規定であることが望ましいと思っています

2022-11-08

anond:20221108195204

昔も外国土地を奪わない限り、農民流動性はなかったわけで

近代世界シェアを争う新天地の分野では流動性はあったはず

 

ただ戦後音楽CDとかウォークマンとかツイッターとか拡大縮小もあった

 

ということで固い職業公務員大手不動産法律系だけど、そこは世襲も多いというジレンマ

anond:20221108110706

「逃げる百姓、追う大名江戸農民獲得合戦 (中公新書)」という名著がある。

小作の人は土地愛着があるわけない。土地に縛られて引っ越せないのは下級武士地主だけ(´・ω・`)

いや、そうでもないんだよなー anond:20221108094428

生地元の土地たがやしたり放牧したりして暮らしたいのがヒトだ。

とはいえ日本人の「安定志向」「変化を嫌う傾向」は、突出してるんではないかと思うよw

かつて某IT系企業に勤めてたころに、某ヨーロッパ系のエンジニアと一緒に仕事してたことがあるけど、彼らは地元にずっと居たがるようなそぶりはほとんど見せなかった。面白いやりたい仕事があるなら、日本でも米国でも英国でもまたほかの何処かでも、どんどん出て行って仕事しますよ〜的な意欲に満ち溢れてる感じだったね。

ちなみに、世界59ヶ国における価値観調査で「リスクをとって冒険することが大切」および「新しいアイデアなどを考案し創造することが大切」と考える人の率は日本最下位。逆に両者ともトップなのはナイジェリアだそうだw

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