はてなキーワード: 千円札とは
お昼食べようと思ったら何かのイベントでファーストフード店がクソ並んでて、運良くその列の先の方にいる後輩を見つけたわけですよ。
こりゃついてると思ってそいつに話しかけたら「せっかくだから注文しますよ!」って。
おお。いいやつじゃないか。それなら頼むよとひとまず千円札をわたしてオーダー。
で、待つことしばしで無事食事を受け取りました。ありがとさん!
あれー?忘れてるのかのなー?と思って、「そういえばお代足りた?」って聞いたら、「はい。余裕でした。」
うんうん。で、お釣りは?
いや、たしかにこういうシチュエーションになってみると、お釣りよこせ!ってすげーいいづらいのな!
多分セットで700円くらいだから300円ならお駄賃でくれてやっていいけどさ、それって暗黙の了解だっけ?
何か。お前さんはお金を受け取ったら買った人間がお釣りをもらっていいルールの家庭でそだったのか?
後輩「こちらお釣りです。」。俺「いいよ。とっとけ。」とか、かっこいいやり取りもさせててもらえないのかよ。
今ここで、「あ、おつりならいいから」とか言ったら完全に負け犬じゃん。え?そんなこと気にしてたの?みたいになるじゃん!
別にケチじゃないけどわたしたら自動でいらないほどがばがばでもねーよ!
そんなことばっかり考えてると何食べても味ってしないのな!知りたくもない貴重な経験ありがとな!
昼寝をしていると部屋のインターホンが鳴ったので、amazonで注文していた本がもう届いたのだろうか、と思ってドアを開けるとゾウが立っていた。
開ける前にちゃんと覗き穴で誰が来たか確認しておくべきだったと後悔したが、後の祭りなので仕方なく対応することにした。
ゾウならなんとかなるかも知れない、これがトラやライオンだったら大変なことになっていたので、まだマシだと思った。
「何かご用ですか?」
「先週、二階に越してきた者です。少し話がありまして。」
ゾウはそう言うと私の方をじっと見つめた。
シワシワのまぶたに覆われた小さな眼からはその表情を読み取ることはできなかった。地面に届きそうなダランと伸ばした鼻が時々ヒクヒクと動いていた。
ゾウがアパートに住むという話は聞いたことが無かったが、都会ではよくある事なのかも知れないと思った。
「話って、なんでしょう?」
私はゾウを見上げながら聞いた。ゾウの顔はだいぶ上の方にあるので首が痛くなりそうだった。しかしキリンと話すよりはマシだろう。
ゾウは私の問いには答えずに、地面に垂れていた鼻を私の肩越しに部屋の中へ伸ばすと、
台所のまな板の上に放置してあったニンジンの切れ端を掴んで口に運び、ムシャムシャと食べ始めた。
私はいきなりの事で驚いてしまった。いくらゾウとはいえ、他人の部屋の物を勝手に食べるのはおかしいと思った。慌てて扉を閉めようとしたが、長い鼻が邪魔で閉める事はできなかった。
「はあ・・・大変ですね」
ゾウの体を考えると、3日も何も食べていないのは、かなり辛いのではないかと思った。
それでもいきなり他人の台所のものを食べるのはどうかと思うのだが。
「すいません、とてもお腹が空いていて・・・アフリカにいる親戚がお金を送ってくれたのですが、手違いで一週間後に届くことになってしまったんです。」
ゾウはゆっくりとした口調で言った。
「突然で申し訳ないのですが、ひとつお願いがあるんです・・・」
「はあ、なんでしょうか。」
私は何か、相手のペースに呑まれている気がしたが、今さらどうすることもできなかった。
「少しだけでもいいので、お金を貸して欲しいんです。」
見たところ、悪いゾウではないような気がしたが、流石に初対面の動物にお金を貸すのは抵抗があった。
私がそう言って、不動産屋に電話をかけようと携帯をとった瞬間、ゾウの鼻が伸び、私が持っていた携帯を取ってしまった。
「少しだけでいいんです。今、財布にどのくらいあります?」
ビックリして固まっている私を尻目に、ゾウはそう言った。
私は、できるだけ平静を保とうと心の中で思いながら、財布の中身を確認した。財布内には一万円札が1枚と、千円札が6枚入っていた。
「いま、これだけしか無いんですけど」
私は努めて普通に言ったつもりだったが、声は少し震えていた。
これで「足りない」とでも言われたらどうなるのだろうと思った。
ゾウの足の大きさなら、私なんかは一足でカエルのように踏み潰されてしまうと思った。
ゾウはお札に目をやると、少し微笑んだ。(少なくとも私にはそのように見えた。)
私からお札を受け取ると携帯を私の手に戻し、「お金は必ず返しますから。」
と言って、そのまま悠々と歩いて行ってしまった。
私は少しのあいだ呆然としていたが、急に気がついて不動産屋に電話をかけた。
不動産屋の人は「先週、二階に引っ越してきた人っていますか?」という私の問いに、困惑したように「そのような人はいないですよ。」と言った。
私は全身の力が抜けるような気がした。
パトカーで来てくれた警察に事情を説明していくうちに、私はなぜこんな簡単な事件に引っかかってしまったんだろうと情けなくなってしまった。
少し考えると、お金を渡すのはどうしようもない悪手だった気がしてならなかった。
警察は一通り話を聞いたあと、防犯カメラを確認しに不動産屋の方に向かった。
後には私と婦警さんが一人残った。
私は隣に立っている婦警さんに、こういう事件はよくあることなのか聞いた。
婦警さんは少し苦笑いしながら、あまり聞いたことがないですね。と答えた。
しばらくして不動産屋から帰ってきた警察官は、「いま防犯カメラで確認したけどね、あれはアジアゾウだよ。アフリカゾウはこの辺りにはいないよ。」と言った。
私は、そういえばアフリカの親戚がどうとか言ってたなと気がついたが、今さら気づいても後の祭りだった。
続けて警察官は私の方を向いて、
「あなたは田舎から出てきたばかりだから仕方ないかもしれないけど、ここら辺には悪いゾウもいるんだから、気をつけないと駄目ですよ。簡単に扉を開けたりしたら駄目ですよ。わかった?」
と少し強い口調で言った。
空になった財布を手に持ちながら、私は本当にその通りだと思った。
実況検分が終わり、警察が帰ると、私は部屋に一人残された。
私はドアの方を見つめながら、これからはどんな動物が訪ねてきても、まず必ず覗き穴で確認し、チェーンロックをかけたまま対応しようと、固く心に誓った。
イオンモールに行った
でもレストランだけは大繁盛してた
ドレッシングとかおだしとかかつおぶし削る前のやつとかのちょっとお高いのを売ってる店先で、
出汁の試飲をやってた
めっちゃうまかった
上品で
しかも試飲が、野沢菜の漬物と小さじ1杯くらいのごはんにだしをかけて出汁茶漬けっぽくして食べれるようになってて、めちゃくちゃうまかった
でもだしのお値段1600円・・・さすがに高すぎる
でもだしをはじめとして調味料はほかの野菜やら肉やらと違って1回買ったらしばらく使うもんだから、ケチるところじゃないとも思うんだよな
そこはいまどき珍しく試食がたくさんあって、ドレッシング?みたいなのを小さなせんべいにつけて食べられるようにもなってた
そんな金持ちじゃないし
フタバ図書GIGAもいったけどかなりスペース狭かったしやすくなかった
最近、給料が入ったら銀行で二千円札に両替して、買い物で二千円札を使うようにしている。
よく「今も二千円札って使えるの?」と聞かれるが、今は刷ってないだけで現行の紙幣である。
まだ発行されて17年しか経ってない紙幣が無効にされてたまるか。
ゆうちょ銀行には二千円札が無いとのことだが、一般的な銀行、信用金庫ならどこでも両替できる。
客が誰もいない、住宅街にあるような地元では聞いたこともないような銀行だと待たされないのでおすすめ。
ただ、銀行から「ピン札の用意はできない」と言われるが、そもそも使われた回数が少ないので、折れ目が全く無い、ほぼピン札と言っても過言ではない綺麗な状態のものが多い。
よくネットで「コンビニのレジで二千円札出したら店員がパニックにwww」なんてのを見るが、あれは完全に嘘松。
高校生バイトなんて、下手したら生まれてこのかた一度も二千円札なんて目にしたことも無いのがいてもおかしくないが、
二千円札に文句を言う奴がよく言うのは、「自販機で使えない」だ。
地下鉄やラーメン屋の券売機など、五千円札、万札が使える自販機は二千円札も対応している。
五千円に対応していて二千円札は対応していないものは見たことがないので、不便を感じたことはない。
世界的に「20」のつく紙幣はあるのに、なぜ日本ではこんなに嫌がられるのか、謎だ。
ただ、こないだ風俗に行って二千円札を出したら「当店では二千円札は受け付けておりません」と返されてしまった。
実際使ってみても全く不便ではないし、計算しやすいし、逆に使いやすいとすら思えるので
受け取らないということではなくて、受け取りたいけど受け取るのが恥ずかしい。
例えば329円というお会計だったとして、小銭入れに百円玉数枚、50円玉、十円玉数枚が入ってたとする。
そうすると、一番近い渡せる小銭は330円になる。
ただそうするとお釣りが1円になってしまうので、そういうときは350円か400円を渡すようにしてしまう。
ポイントカードでせこせこと1円単位のポイントを貯めるくらいだからお金は大事だ。
でも、レジの相手に、たった1円を受け取るためにそれまで待っているのかと思われるのがとても嫌だ。
だから、小銭がなかった体で、お釣りが1円にならない金額を渡してしまう。
困るのは支払いが999円になったとき。
いくらなんでも千円札と9円だして10円玉を1枚受け取るみたいなことはできない。
そのまま千円札で支払えば相手は1円玉を一枚返すだけなのに、返ってくるのは同じ小銭一枚なのにこちらが小銭を減らしたいがために相手に9円分数えさせる負担を押し付けるようなものだ。
かといって千円札を払ってから1円を受け取るまでの間がどうにもならないほどに気まずい。
できるだけ頭のなかでお会計を計算するようにして、千円近い金額になると余計なものを買ってある程度飛び越えるようにしたりするときもある。
こんな息苦しい世界でみんなどうやって生きてるの?
なんと愛くるしことか…無事保護されてよかったのう…不憫な猫ちゃんたちの餌代の足しにでもなれば…と思い、財布から千円取り出し募金しようとしたその刹那…
何かと思いそちらの方に目をやると、不覚にも愛くるしい猫に気を取られ、猫ちゃまにタッチしてしまったお子様と店員BBAに烈火のごとく叱られる若いママの姿が…
『猫が病気になったらどうするんですか!?書いてあるでしょ至る所に触っちゃダメだって!お母さん、ちゃんと目を光らせておいてください!子供の監視もできないのに猫だなんてくぁwせdrftgyふじこlp』
おぉ神よ…気持ちは分からなくないのだが、貴方のようなヒステリック、サイコ嫌みクソババアの存在が保護猫の里親見つかるのを困難にしてるんじゃなかろうかね?
俺は千円札を握りしめてその場を後にしたよ。
滅びろ
退職直後は「こんなブラックを経験したんだから次は多少きつくても頑張れるだろう」と思っていた。
しかしいざ就活してみると、異常に傷つくことを恐れて求人の条件を無意識に厳しく見定めていた。
別にブラックというわけではなくても「なんか辛そう・大変そう・心折れそう」と感じると怖気づいてしまう。
ブラック企業就業経験で得たのは耐え抜く力じゃなくて自己保身だけだったと気づいた。
これを「新卒時代の就活の失敗経験を反省し、それを今後に活かしている」と言うと聞こえはいいが、
週休完全二日制で残業が少なくストレスもなくボーナスもそれなりに出るホワイトな正社員への道なんざ、
キャリアも資格もなくてもその道が用意されているのは他でもない、新卒だけだ。
ついさっき、正社員登用制度ありの契約社員(コールセンター・受電)の面談に行った。
コールセンターは学生時代のバイトで簡単な発信経験だけあるので、志望動機は書きやすい。
担当の人はとても良い人だった。前職のことも同情してくれた。
「クレーム多いよ。耐えられる?クレームの電話のあと、またすぐ電話とらないといけないけど、気持ち切り替えられる?」
「明日も仕事かあ、電話とりたくないなあって落ち込まない?」「ずっと溜め込んで引きずらない?」
溜め込む。引きずる。気持ちの切り替えはヘタ。仕事が嫌だと思うと自室で泣く。クレーム処理の経験はない。怖い。
でも正社員へのためだと思って、「大丈夫です、大丈夫です」と機械のように答えた。
シフトの時間帯を悩んでいるうちに、「このままだと決まってしまう」とだんだん不安になってきて、
声が小さくなって目が泳いでいたから担当の人も薄々わかってたんじゃないかと思う。
まっすぐ帰るのももったいないので、雑貨屋や服屋やコンビニをブラつき、適当に何か買ったりした。
そういえば父親にプリンターのインクを頼まれてたなと思い出し、それもダイソーで買った。200円だった。
帰宅してパソコンをつけて、だんだん情けなさと惨めさが心の奥底から沸き上がり、目頭が熱くなった。
昨夜、母親に「ここにするよ、正社員登用に力入れてるって書いてるし、GW明けから働くよ!」って元気よく言ったことを思い出した。
新卒時代からずっと私の就職のことで心配をかけていたので、本当に決めたかった。
私の就職の心配もなくなってスッキリした気分で飛行機に乗り、観光しているんだろうか。
「やっぱりだめだった」と連絡をするのは、旅行中と帰宅してから、どちらがショックが少ないだろうか。
私が帰宅しておよそ1時間後、父親も出先から帰宅した(家で仕事をしているので基本平日でも家にいる)。
プリンターのインクを渡すと、お駄賃として1000円貰った。今日のことは聞いてこなかった。
私の進学や就職や恋愛に関しては何も口出しをしてこない。そういうのは母親の役目だ。
私もそれを不満に思ったことは一度もない。家庭環境には何一つ問題はないと思っている。
久しぶりにリクナビNEXTを覗くと夢真ホールディングスがちらりと見えたのですぐ閉じた。
話がそれた。
正社員も落ちる。契約社員も落ちる。派遣も実務経験を求められることが多く、コールセンターばかり紹介される。
おもに新卒がこじらせる大手病というものがあるが、女子は事務職病になるのではないだろうか。
大手に入ることよりも、未経験者が正社員で事務職に就くことのほうが難しいのではないか。
「新卒で入社しそこである程度経験を積む」ことができなかった者の人生のハードルが高い。
その道からあぶれた者がまるで人間ではないかのような扱いを受ける。現代のエタヒニンだ。
調べると沢山いる。17卒ももう既卒なのかと少しぞっとするし、09卒の人もいて驚く。
新卒の就活解禁の時期は毎年ニュースになる。気持ち悪いほどの真っ黒なスーツ集団で埋め尽くされた合説会場が映し出される。
リクスーは日本の気候に不向きだとかパンプスは移動に不向きだとか履歴書手書き論争とか
そういうのは今ここであーだこーだ言わない。そこはまあルールに合わせる。
ていうか新卒でも結構やばいんだって。若者の就活事情がもうおかしいんだって。
まあ新卒の就活に関しては割と話題になることもあるけど、既卒なんてもう亡き者扱いになってる。
甘えだとか自己責任だとか言われるけど、それは知ってる。わかってる。
その上でほんとに、なんとかして。
社会が私を無能と言っているのなら殺してほしい。痛くないように。
簡単に安楽死できる施設がそこらへんにあってほしい。郵便ポストみたいに。
自殺はだめと言われるのに、自殺したくなる環境を野放しにすることは咎められないのはおかしくないか。
小さな小銭入れしか持ってない父親がくれた四つ折りの千円札を眺めながらこういうことを考える。
考えても現状は変わらないので、とりあえず履歴書を袋から出す。
追記
夜に母親から電話がかかってきた。別に今日のことを尋ねる目的ではなく、たまたま別の用事があったようだった。
ついでに泣きながら今日のことを報告した。おそらく既卒就活を始めてから一番の号泣具合だった。
「まあそう焦らないで。なんとかなるから大丈夫だから」と励まされた。
・プログラマについて
私はバリバリの文系でプログラミングのプの字も知りませんが、新卒時代、SEの内定を2つ貰いました。
「手に職持てるから」「なんかカッコいいから」というくだらない理由でした。
でも勤務地が地元ではなく東京で、初めての一人暮らし・初めての業界・初めての東京という三拍子に
「流石にキツくないか」「うつ病になってこっちに戻ってきそう」と家族に散々に言われ辞退。
また目指すべきなのでしょうか。検討してみます。ありがとうございます。
3人で飲みに行くと思ってたら後輩を一人呼んでもいいか?ということで面識のない4人目の学生が増えた
一通り料理を注文して食べ二杯ビールを飲んだ、他の人はもうちょい飲んでたかな
3000円置いていこうかなと思ったが、千円札は2枚
2000円じゃ流石に足りないだろうからどうしようかな、と思案していたらその場で一番近しい人から
との声に甘えその場は帰った
翌日のラインを見ると
「学生の○○からは1000円もらって、残り3人で割ってひとり4000円になりました」
それを見た瞬間胃がキリキリした
昨日同席しただけの今後関わらないであろう学生におごる理由もないし、俺の居ない所でおごることが決められたことに納得がいかない
おそらくその場に居たら不満顔をしながらいいよいいよと言って4000円出すことになったと思う
割り勘の3000ちょいではなく4000円出す、というのはその場での自分の意思決定があった上での4000円だ
それを選択肢が与えられない状態で一通のラインだけで、4000円払うことが押し付けられている感じがものすごーくモヤモヤする
そこに俺の意思が入らなかったのに、4000円請求って筋が通っていない気がする
割り勘代だけ払うねとラインを返したが俺がみみっちいだけなんだろうか
http://anond.hatelabo.jp/20170325194531
ねえ、貴女と一緒に出かけるときはいつもファミレスだったよね。
一番最初、貴女とノートを広げてテスト勉強してたときからそうだったね。
おごってもらったのがドトールだったよね。
「私は、毎日こういうところで休憩してるよ。金が余ってしょーがないから」
貴女はそういって笑ってたっけな。
「派遣の後輩たちにこうして奢ってやって、言うこと聞かせるんだ」
そういうことを目を輝かせて語っていたのも、ド○ールだったね。
あれから十年たって今、こうして、たまに貴女とカフェに行くときもやっぱりド○ールだ。
ここ何年か、こういう安いカフェに行くのは貴女と一緒のときだけだ。
別に安い店が悪いというわけじゃないけど、ここのコーヒーは色付の汚水みたいなもんだ。
カフェのあとに行く、ユニクロの服は、ボロ布を見ているような気がしてならない。
ねえ、別にファッションビルで少し値段の張った服を見なくたっていい。
もう少し金を出せば、ユニクロでなくって、本物の服やコーヒーを出す店を
でも、今の貴女を見ると、
貴女がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、
私はどうしても「もっといい店行こうよ」って言えなくなるんだ。
貴女が前の派遣先クビになったの聞いたよ。貴女が体壊したのも知ってたよ。
新しく入った派遣先で、一回りも歳の違う、20代の若い派遣社員の中に混じって、
使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になって仕事続けているのもわかってる。
だけど、もういいでしょ。
十年前と同じドトールで、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないで。
そんなのは、隣の席で浮かれているガキどもだけに許されるなぐさめなのよ。
初めてラブホテルに行った。ただし1人で。理由は興味本位。聞いた話では、ラブホの内装の豪華さや部屋の広さはビジネスホテルの比ではなく素晴らしいという。しかも価格はビジネスホテルとさほど変わらず、宿泊せず日帰りなら「休憩」という扱いでさらに安くなる。豪華で安いとは、それだけで興味を惹かれるではないか。そんな素敵な施設たちが、どれも性行為のために建てられているというのもまた興味をそそる。では実際に行ってみようと思ったわけだ。(恋人を作って2人で行ったほうが楽しかろうということは承知しているが、恋するアテがないので1人だ。)
まず地元のラブホを検索してみたが、どれも市街地から離れていて微妙に行きづらい場所にある。車があれば簡単なのだが、そのためには親の車を借りねばならない。行き先を親に尋ねられては面倒だから、やっぱりバスで行こう。早速バスに乗り、30分くらいして降りた。それからラブホまで1km以上歩く。遠い。これ、せっせと歩くのが私だけだから良いけど、もし恋人を連れていたらきっと文句を言われるんじゃないか。ラブホの一部屋のためだけに、何もない山道を進むデートプランなんて無理がある気がするぞ。地方住みの人間にとって車は大事だとよく聞かされるが、その理由の1つがデートか、と納得した。
しばらく歩いて目的地に到着した。いざホテルの看板を前にすると羞恥心が出る。いやしかしここは山道だし、人通りは極めて少ない。今は誰も見てないから、さあ入ってしまおう。18禁マークが描かれたドアをえいと開けた。中は薄暗く静かで、フロントにすら人影がない。営業時間外か?いや営業しているはずだ。私のスマホの画面によると、○○号室と××号室は今現在使用中なのだから。(ホテルのWebページで、何号室が利用中かをリアルタイムに確認できるのだ。「今この部屋で誰かが性交してます」という情報を一般公開するシステムが真面目に運用されていると思うと、何だか笑ってしまう。)さてフロント付近には、ボタンの付いた大きいパネルがある。これが噂に聞いた部屋選択パネルか。よさそうな部屋を選び、ボタンを押す。するとパネル上の部屋を示すライトが消える。…それだけ?特に音は出ず、案内もなく、これで本当に入室手続きが出来たのか不安になる。私よ安心しろ、事前に調べたとおりだ、と自分に言い聞かせる。ボタンを押し、部屋に行くだけ。フロント係が姿を見せないホテルも珍しくないと聞いたではないか。パネルのライトが消えたのは、部屋の状態が空室から利用中に変わったということだろう。緊張しながら部屋に向かう。急な階段を登り、角を曲がると、目的の部屋のドアが見える。ドアの上のランプがちかちかと点滅しているのは「ここに入室してください」のサインらしい。しかし人の気配がないのが不気味だ。暗く狭い廊下で、誰一人見かけない、誰の話し声もしない。時々遠くからドンッと重い音が聞こえるが、何の音か判別できない。防音性能が良すぎるゆえの不気味さか。点滅するランプだけが唯一の歓迎の証だ。これを信じてドアを開ける。いざ入室。
入室すると靴を脱ぐ場所があり、そのすぐ前にまたドアがある。二重扉、防音は安心できそうだ。2つ目のドアを開け、部屋を目にした瞬間に驚いた。広い、そしてオシャレだ。同価格帯のビジネスホテル2部屋分はあろうかという広さ、2人どころか3人は悠々と座れそうなフカフカのソファ、ガラス製のモダンなテーブル、でかいテレビ、控えめに流れるイージーリスニングのBGM、マッサージチェア、ウォーターサーバーまで。照明の雰囲気もとても良い。部屋の数の多さ、広さのために照明は沢山あるが、どれも暖色系の色合いで統一されている。照明自体に飾りがあったり、間接照明を多用していたりと、部屋の上質さを演出するために様々な工夫がされていることがわかる。部屋のデザインは豪華だが落ち着いていて、いやらしくないどころか上品さすら感じる。さて目立たない場所に自動精算機がある。これは部屋の鍵と連動していて、一度部屋に入ると精算機にお金を投入するまで出られないと聞いている。玄関のドアを確認すると、確かに開かない。不払いを防ぐ見事なシステムだ。それから風呂場も見てみようと重い、別のドアを開けるとまた驚いた。そこは風呂場ではない、脱衣所だ。顔を洗う用の蛇口と鏡、その横に大量のアメニティが並んでいる。タオルや歯ブラシは当たり前として、マウスウォッシュ、化粧品が5種類、整髪料が2種類、ローションなどなど。これ全種類使っていいのか…豪華だ。この部屋からトイレと風呂場に繋がっている。バス・トイレ別だ。風呂場も広い。ビジネスホテルの風呂場3つ分くらいの広さはありそうだ。(こんなに広い空間を何に使うのか疑問だ。マットプレイをするにしても、もっと狭い場所で良さそうなものだが。)さてメインの部屋に戻って、周りを見渡してみる。一見すると上品な部屋でも、よく見ると性行為に関連するグッズがたくさん置いてあることが分かる。ベッド脇にはコンドーム、大きなジュエリーボックスのような箱の中には電気マッサージ機があり、テレビ台の中の自動販売機にはピンクローター、ローション、バイブ、まむしドリンクなどが売られている。洒落たテーブルの上にあるファイルは、グッズのレンタルの案内だ。コスプレ衣装やマットプレイ用品などを借りることができる。レンタルは1つまで無料…って本当に?安すぎるのでは?しかし1人でコスプレをする気分ではない。他にはアロマディフューザーのレンタル…これは私でも楽しめそうだ。せっかく無料だから頼んでみよう。ベッド脇の受話器を取り、フロントにコール。相手はおばさんの声だ。
「はい、フロントです。」「アロマお願いします。」「お持ちします。少々お待ち下さい。」
この声を聞いて、ようやくホテルのスタッフが人間であることを理解した。今までスタッフの気配を全く感じなかったから、自立型ロボットが運営していると言われても信じてしまうくらいだった。しばらくすると部屋のチャイムが鳴った。玄関のドアは開かないはずだが…向こうから入ってこないということは、こっちから開けろということか。試してみると、ドアは普通に開いた。目の前にはサービスワゴンと、そこに乗ったアロマディフューザー。しかしスタッフの姿が見えず、声もしない。ラブホのスタッフは客との接触を最小限にしていると聞いてはいたが、まさか物品の受け渡し時ですら姿を隠すとは。恐らくスタッフは客の気を散らさないよう、柱の影に隠れているのだろう。私は廊下の暗がりに向かって「ありがとうございまーす」と声を掛けながら、ディフューザーを手にとってドアを閉めた。しばらくするとガチャンと音がした。ドアがまた施錠されたみたいだ。うーん、まるでサービスワゴンがひとりでに動いて来たみたいだ。やっぱりロボットなのでは…?
アロマを試してみると、普通に良い香りだ。でも機械の音が大きいから、性交時には使いにくいような気がする。
レンタルの次に気になるのは、やはり電マだろう。実物を手に取ったことはないから、どのようなものなのか興味が湧く。ベッド脇に置いてある大げさな箱を開けてそれを手に取る。意外と重い。形はよく見るタイプ(見るといっても液晶や紙の中でだが)で、細長い取っ手とテニスボール大の先端部からなる。コンセントを差してダイアルを回す。これがあの振動か。先端部を握ると手が痺れるほどの強さだ。さらにダイアルを回すと電マはけたたましい音を上げ、最大の強さにするとかつてないブルブルが私の手を襲った。先端部を握った手は重いパンチを受けたかのように力が抜け、強く握っていられない。これほど強烈だとは…どうりで有名グッズになるわけだ。ところで、電マの箱には注意書きが書いてある。「使用時はおもちゃ用ゴムを付けてください。」そのようなゴムがあるとは知らなかった。よく見ると箱のそばにはゴムらしきものがある。製品名は「トイラップ」と書かれている。「コンドームではありません」という表示のとおり、普通のスキンよりも分厚くて固い感触をしているが形状はコンドームと同じだ。説明書きによると、このゴムを内側から指で広げて電マの先端部にかぶせるらしい。なるほど面白い、せっかくだから使い方を覚えていくことにしよう。さっそく試してみるが難しい。コンドームを広げてテニスボールにかぶせるような動作といえば難しさが伝わるだろうか。すんなりとは輪っかが広がらず、無理に装着しようとしたら摩擦で破れてしまった。
しまった。もう一度挑戦したいが、そのためにはフロントに電話して替えのゴムを持ってきてもらわないといけない。これをお願いするのはかなり恥ずかしいが、それでも好奇心のほうが上だ。新しいアイテムの使い方を知りたい。意を決して受話器を取った。若い男性の声が電話に応答した。
「はい、フロントです。」「トイラップ?っていうやつの、替えを持ってきてもらえませんか。」「トイラッ"ク"?えーっと…」「いえ、トイラッ"プ"を…」「トイラップ…?ですか?」
おかしい、相手に伝わっていない。電マにかぶせるやつだと言えば一発で伝わるだろうが、電マなんて恥ずかしくて言いたくないぞ。
「試そうとしたら破れちゃったんで、新しいのを持ってきてほしいんですけど」 「破れ… ああ!あれですね。あの、で、でん…、電…」
お前が恥ずかしがってどうする。スパッと言ってくれないと、こっちまで恥ずかしくなってしまう。とはいえ、「でん」の2文字があれば意思疎通ができたことは分かる。
「そう、それです。」「分かりました、お持ちします。」ガチャリ。
思わずベッドに突っ伏した。想定よりも恥ずかしい会話になってしまった。お互いが「電マ」と言えないのに、電マに関することを伝えなければいけなかった。とはいえ、これでもう一度あのアイテムに挑戦できる。しばらく待機すると、またチャイムが鳴った。玄関のドアを開けると、やはり人がいない。目の前のサービスワゴンには小さなゴムだけがちょんと乗っている。奇妙な光景だが、人がいなくてよかった。もしこれを人から手渡されたら、さらなる羞恥を味わうところだった。「どうもー」と言いながらゴムを取り、ドアを閉めた。しばらくしてまた鍵を閉める音がした。
さて再トライだ。トイラップをかぶせる前によく広げるのがコツなのだろう。ちょっとした試行錯誤の末、装着に成功した。これで電マの先端部はカバーされ、局部に当たる部分が衛生に使えるようになった。しかし取っ手の部分まではカバーされない。ここにも他人の愛液なり精液なりが付くと思うのだが…まあ見た目には汚れはなく、ベタベタするわけでもないので衛生問題はさほど気にならない。ただ潔癖症の人は使用を嫌がるかもしれない。とにかく、これでようやくトイラップに関する私の好奇心は満たされた。
さて、まだ部屋にはアイテムがある。部屋の隅、目立たない場所にある額縁の中には「命を守るために。売上の一部は日本赤十字社に寄付されます。」カップルで命を作るついでに命を守る…面白いシャレだ。ベッド脇の分厚いファイルの中にはコミュニケーションノートがある。過去にこの部屋に宿泊した客が、思いの丈を書き記したノートだ。見るとただのノートではない。情事を書き記すために作られた記入欄がある。例えば「今日の想いに○をつけよう。彼女記入欄: 今日望むプレイは? ハードに・やさしく・ちょっとだけ・さわらないで 彼氏記入欄: 今日は何回がんばる? 彼女の望むだけ・3回・1回・もう帰る」といった生々しい質問がズラリ。そこに律儀に回答している沢山の恋人たち…。1人で冷静に部屋を観察している私と、熱々なノートの温度差が心にしみる。「好きすぎてやばい」「素敵なデート」「愛してくれてありがとう」 愛の記述のパレード。ラブホテルが人々の幸せに大きく貢献していることが分かった。どうぞお幸せに。
次はテレビでも点けよう。このホテルにはVODがない。(ネットの口コミレビューが言うに、「今時ラブホでVODがないなんてありえない」らしいが。)見れるのは地上波といくつかの有料放送。BS、CS、アダルトなチャンネルが3局など。しかし興味を惹かれる番組はない。食事を頼んで映画を見ながらまったり、といった楽しみ方はまた別の機会にしよう。
さて色々部屋を観察していたら、いつの間にか2時間を過ぎてしまった。料金プランの休憩2時間コースは超過し、代わりに休憩5時間コースが適用されるはずだ。5時間コースで今帰宅するのは勿体無い。もう2時間くらいは部屋にいよう。しかし何をしようか。食事も頼めるみたいだが、お腹は空いてない。とりあえずベッドに潜り、ダラダラとスマホを見た。うーん、他に楽しいことがあるような気がする。周りを見渡すと、私のそばに電マが横たわっている。そういえば先程のゴムの挑戦のあと、ベッドの上に放り投げたのだった。2回も挑戦した甲斐があって、先端部はしっかりとカバーされている。私はしばしそれを眺めた。さて。ベッド、私、電マが、飾り付き照明に照らされている。私はおもむろにそれを手に取る。ここからは割愛。
結局、休憩5時間コースを目一杯に利用してしまった。シャワーを浴び、服と荷物を整え、精算機に対面する。想定通りの料金になっているだろうか。何かの間違いで宿泊料金になっていたらどうしようか、と緊張する。「精算」ボタンを押して表示された金額は、よかった、想定通りだ。千円札を何枚かガーッと吸い込ませると、玄関のドアが解錠される音がした。さあ帰宅しよう。
「帰路」の案内に従って進むルートは、入室時とは別になっていた。他の客とすれ違わないようにするために、別の廊下を準備するとは驚きだ。出口の扉を開けると、入った所とは違う場所に出た。もうすっかり夜だ。公道に出た私を待っていたのは、闇だった。そういえば忘れていたが、この山道には街灯がない。目を凝らさなければ道路が見えないほどの闇の中、バス停まで1km以上歩かなければならない。ああ、これが2人デートじゃなくてよかった。恋人にこんな怖い道を歩かせていたら、興ざめなことこの上ない。このリア充界では車があるのが当たり前で、徒歩での移動は想定されていないわけだ。私は世のカップル達との温度差を感じながら、闇の中をせっせと歩いた。
バスに乗り安心したところで、今日の出来事を振り返った。美しい場所だった。内装の美しさ、性の美しさ、人と会わずにサービスを提供する奥ゆかしさ。そのような場所に初めて足を運んだのは大きな冒険だったが、次は気軽な気持ちで利用してみたいと思った。旅行時にコスパの良いホテルとして使えるし、コミケに参加した後で薄い本に没頭したい時にはうってつけの場所だ。設備があるホテルなら、映画や食事、カラオケでダラダラするのも良い。きっと1人でも、様々な使い方ができるはずだ。さあ、今日は新しい経験をした。このことは詳しく日記に残そう。私は帰宅して間もなくパソコンに向かい、この文章を書き始めたのだった。
自分の力量では思い通りにいかないことに直面したり、本当に欲しいものの代替品ばかりを掴まされて「自分が心から求めているものはどれだけ願っても手に入らないんだ」と思い知らされたりしたときに、ああこれはまるで人生みたいだなと、そう思う機会が多くなった。物事に折り合いをつけていくことの繰り返しは、豊かに生きていくための知恵だと思いながらも、いつか自分の首を絞めることになるのではないかと不安に感じてしまい、それでも淡々と過ごしていくしかないことを、日常と呼ぶのだとして。
全国のほとんどのスターバックスコーヒーがそうであるように、そこのお店にも可愛い女性店員さんがレジに立っていて、乃木坂46みたいだーなんて思いながらキャラメルマキアートとシフォンケーキを注文した。
正確な金額は覚えていないけど、確か税込854円くらいだったので、僕は千円札と一緒にいくつかの小銭を取り出し、端数分の54円を銀色のトレーに乗せた。
乃木坂さん(仮名)は白く細い指で丁寧に小銭を数えてゆき「はいえっと、千……、五十四円、ちょうどですね、頂戴いたします」と、とても明瞭で可愛げのある声で僕に告げた。
千、五十四円、ちょうど。
いや、待て。ちょうどじゃない。ちょうどじゃないぞ。
854円に対して1054円を手渡せば、200円のお釣りが返ってこなければおかしい。しかし、ちょうどじゃないぞ、という自分の心の声はもちろん乃木坂さんには聞こえていなくて、彼女はスタバ店員特有の得意気な笑みを浮かべながら、銀のトレーに乗ったお札と小銭を上手にすくい上げる。
もし200円が返ってこなかったとして、金銭的な損失は別にいいんだけど、いや良くはないんだけど、それよりも「分かっていたのに指摘しなかった」という地味な後悔が残ってしまう気がした。そんなもやもやした気持ちを抱えてしまったら、きっとキャラメルマキアートの味だって変わってしまうだろう。誰だって、後味が悪くなるような余計なトッピングはしたくない。
別のトレーに移し替えられたお札と小銭たち、さっきまで僕の財布で眠っていたお札と小銭たちが、レジの中に放り込まれてしまうその前に、「ちょうど、じゃないですよね……」と指摘してみた。
僕はそう言った瞬間、彼女の指はすでに100円玉を2枚掴んでいた。
乃木坂さんはテヘッと笑い「あっ、はい、そうですよねすみません」と言って僕に200円を手渡した。
「ちょうど」と言ってしまったと自分でも気づいていたけど、細かいことなのであえて言い直すことはしなかった。という一連の彼女の思考が、彼女の反応を見てすぐに理解できた。
「いえいえ……w」と笑いながら200円を自分の財布をしまい、「端数がちょうどだったので、つい言ってしまいました……笑」という乃木坂さんの言い訳を聞きながらシフォンケーキを受け取った。
「ナイスつっこみ、ありがとうございます笑」という、接客マニュアルには絶対に載っていない絶妙なフォローの一言を添えられて、僕は笑いながら赤いランプの下に向かい、別の店員からキャラメルマキアートを受け取った。
座席に着き、キャラメルマキアートをすする。12月も半ばを過ぎて、はあーと白い吐息が冬っぽくて。人生みたいだとは別に思わないけど、こういうやりとりの積み重ねが愛おしくて仕方ない。
「ナイスつっこみ、ありがとうございます」という彼女の言葉が、なにか性的な意味合いの暗喩だったらいいのにと、自分でも呆れるくらいくだらないことを考えながら飲むキャラメルマキアートはとても甘かった。
たぶん人生で初めて痴女のような人と出会った。地元の駅を出てしばらく家に向かって商店街を歩いていると、わざわざスカートをまくってわざとらしく尻を出し、人影の居ない脇道に曲がった女がいた。中肉中背でガールズバーの勧誘にしてはやや太めだが、十分に見栄えのする女性だ。何かの間違いだろうと脇道を眺めていると、誘うように何度か尻をまくって、僕を住宅街の奥へ奥へと誘い出す。角の手前で息を潜めると、そこにいるのは分かっているのよと誘ってくる。そして途中から住宅街の中にある駐車場に入ったので、これはさすがに潮時だろうと通り過ぎた。すると彼女は僕を探すように、通りへ出てキョロキョロとしている。追っかけるほどの勇気はなさそうだが、ここで尾行されるのも怖いので自分から向かっていった。彼女は身じろぎもせず僕のことを迎えてくれた。マスクで顔立ちは分からなかったけれども、目尻を見る限りは若いし、目鼻立ちも悪くない。この時間に何だろうか。「どうしたの?」と聞くと彼女は「お金がなくて困ってるんです。咥えさせてもらえませんか?人気のないところで」一緒にいるところを見られたくないと感じながら、ふらふらと脇道に入り「こんなところ人目だらけだよ。どこからきたの?」というと西の方を指す。「お金がなくて困ってるんだったら、これで帰りな」と、小銭入れから出した千円札を差し出すと「そういうのじゃないんです、咥えさせてもらえませんか?」という。この子に咥えてもらえるんだったら悪くないかもと思いつつ、地元であるが故に人目が気になる。この子はどこから来たんだろうか?そう遠くないところからであれば、今後の近所づきあいとして面倒すぎる。「うーん、やっぱ、ちょっと無理かな」と断ると、彼女は残念そうにとぼとぼと商店街の方へと消えていった。終電前、彼女の大事な書き入れ時を浪費してしまって申し訳ないと思いつつ、見送るでもなく自宅へと歩いた。彼女は今ごろ無事にスポンサーを見つけられただろうか?人生の貴重な機会を棒に振ってしまった気もしつつ、誘い込まれながら享楽に身を任せることもできない自分の中途半端さを残念に思いながら、これでよかったのだと自分を納得させるために、さっき目の前で起こったことを書いてみる。
ネット上での熊本の地震に関しての様々な書き込みを見て、世の中は、なんでこんなにクズばかりなのだろうと感じます。
逆に言えば、クズばかりがネット上で我先にと書き込みをするのだろうか?
togetterで震災系のまとめを見てるとこんな記事があった
このまとめの内容は、吐き気がするくらい、
「何かしてる奴は悪で、何もしないことが正義」ということを、延々と語っている。
このまとめ主のTL上での共通認識であるようだが、クズはクズを呼び、クズばかりのコミュニティを形成してしまうのか?
2)震災直後の現地に個人で行くのは、あくまで自給自足で物資用意できる人だけ。
3)震災直後から復興段階に入るまでの間で必要なのは「組織力」と「他の組織と連携できるコネクション」と「資金の集束力」
4)千羽鶴は被災地に送るなら、千円札や万札で折って送りましょう。A4用紙とか折り紙?ゴミでしかないです。
6)被災直後は道路の破損や輸送車両集中などで現地の輸送力が必要車両だけでも混乱・停滞します。
無駄に素人が行くことはその輸送能力の阻害となるので結果的に被害拡大させてます。小さな善意大きな迷惑。
8)被災支援のつもりで被災地に物資や能力無しが行っても、震災が続けば行った者がただの二次被災者になるだけです。
9)「無能な個人」が集団でボランティアに行って役立つのは、震災直後の混乱期ではなく、その混乱が収まり、輸送手段が回復した後の「廃棄物処理段階」の人足としてだけです。
その場合も現地に事前に連絡して受け入れ側の許可受けてからいきましょう。そうでなければ火事場泥棒の不審者と同じように現地に不安与えますよ。
10)ボランティア団体を支援する、参加する場合はその団体の過去の行動、活動内容を調べましょう。
12)「腐敗物品優先廃棄期」までに必要なのは素人ではなく「プロの組織集団」です。
18)善意を持つことは悪いことではありません。ですが、先や相手側のことを考えないで行う「善意」とは「独り善がり」であることも認識しましょう。
要は、空気を読めと同町圧をかけているのですよ。
しかも、そんなことを書きつつも、
14)可哀そう、悲しい、言ってるくらいなら明るい絵を描く、可愛い絵を描く、明るい曲を用意する。そういったものを紹介する。その方が気が滅入りがちな被災地支援にはいいのでは?
「実際に素人が動くなんて迷惑」という考えの裏には、どうも「何もしない私を認めろ」的なルサンチマンが見え隠れします。
まあ、このルサンチマンと言う言葉をだすと、この手の物言いをするネットの人間たちは皆「藁人形論法」といって、そんな事はないと否定するのです。
震災すら、こういった承認欲求や自己肯定のネタに使う彼ら彼女らには、ちょっとうんざりするし、
そこで、延々と論破合戦に時間を使っている輩を見るたびに、なんでこんなにクズばかりなのだろうと思うのです。
こういうまとめを作って、震災の貢献をしたような気になってること自体、
支援をしようとする気持ちのある人間のモチベーションを削ぎ、あたかも何もしない私が正しいと言いたげなまとめ。
これは、本当に震災を思っての書き込みやまとめなんでしょうか?
クズのコミュニティが自己肯定に躍起になってるようにしかみえないのですよ。
「藁人形」?本当にこれが詭弁であるならば、そんなに必死に反論もせずに、勝手に言ってろと意に返さないのでは?
やらない言い訳や、やってる人を批判する方が、遥かに簡単な行為であり、
そんな簡単な行為を、ドヤ顔でやられても…不快なだけで、何も共感できないんですよ。
友人が震災要因のドル円の流れを読み、稼がせてもらった恩返しだと熊本に資材をもってボランティアに出かけました。
勿論、知り合いがいるからと言う理由もあり、避難所に詰めている友人の手伝いをするためでもありました。
その友人が被災地でみた光景は、よく働くおじさんとおばさん…空気を読んで働かない若者だったそうです。
この現状をネットに書いてやろうと思ったそうですが、搬入の労働の疲れでそれどころでないそうです。
資材が来たとアナウンスがあっても、スマフォをポチポチして手伝おうともしない、炊き出しの手伝いもしない、
友人は、「どうしたの?一緒にやらないの?みんな大変みたいだよ?」と問うてみたそうなんですが。
「僕が動くと迷惑だから」「私は役に立たないから」と動こうともしないそうです。
多分、こういう事実がまとまると、今度は、こうやって動かなかった若者を切り分けて、
最低だのなんだのネット上ではまた始まる訳ですが、その原因をつくってるのもネットであり、
そういう情報を発信した人間が全く責任を負わなくていい、現状はいかがなものかとうんざりしていました。
私は、手伝いに行っていない人間なんで、結構ショックでしたね。
そういう事実を知ると、togetterのこのまとめが如何に害悪かと感じるわけですよ。
twitterで、こんなクズなやり取りを「共通認識」としてる時点で、だいぶ終わってるわけで、
事実ともかけ離れてるし、結局、ネット上に転がってるネガティブな情報をつかって、
自己正当化したいだけの集団でしかないことが、わかるわけですよ。
これは、最近の若者の問題というより、こういう若者を教育してこなかった親世代の問題でもあると思います。
そういう社会の闇的なものがこういう所に可視化される恐怖感って、みなさんにはわかりますかね?
「千羽鶴をおくるなボケ」と主張する人間がどんな職業でどんな境遇にあるか?とか考えた事ありますか?
世に出していい人間じゃない人も、死ぬほど論理武装して、こうやって発言するわけで、