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「新機動戦記ガンダムW」という作品がある
1995年から1996年まで放送された、従来の「宇宙世紀」の世界観を一新し新たな世界観を構築・定着させた「機動武闘伝Gガンダム」に続く、まったく新たな視点から《ガンダムワールド》を描く新世代ガンダムの二作目である
人類がコロニーに住むようになって百数十年。地球を巣立った人類は、宇宙コロニーでの生活に新たな希望を求めていた。しかし、《地球圏統一連合》は宇宙での権益を確保するため、非武装を解く指導者を暗殺。正義と平和の名の下に、圧倒的な軍事力をもって各コロニーを制圧していった。アフターコロニー195年。作戦名オペレーション・メテオ。連合に反目する一部のコロニー居住者たちは、流星に偽装した新兵器を地球に送り込む行動に出た。それは、五体の最新型モビルスーツ「ガンダム」。そして、それらを操る五人の少年…戦闘のプロフェッショナル…彼らこそが、コロニーから送り込まれたエージェントだった。というあらすじだけど、Gに負けず劣らずこちらも非常に斬新だと思う。
僕はこの作品の存在を視聴する前から知っていた。ゲーム作品によく登場していたからだ。ガンダムWは放送中は勿論の事、放送が終わってからも非常に高い人気を誇り、長い間ロボットが登場するゲームには引っ張りだこだった。
そこで僕はこのガンダムWという作品に一目惚れをした。「こんなに美しいロボットが居るのか!?こんなに主題歌がカッコいいのか!?このヒイロって主人公クールすぎるだろ!」ともう好きになる要素しか無かった。何もかも好みだった。
厳密に言えばその作品は「Endless Waltz」というWの続編だったけど、事情をよく知らない僕はこういうサブタイトルなんだろうなと勘違いしていた。「ビーストウォーズ」の「超生命体トランスフォーマー」のような副題だと思っていた。
ガンダムシリーズを取り扱ったゲーム作品において、このガンダムWの人気の絶大だった。どの作品にも五人の少年と五機のガンダム達は登場していた。その中にTV版を取り扱った物もあったので、そこでやっと僕は勘違いに気付いた。
ガンダムWの主題歌はどれもカッコ良かった。「JUST COMMUNICATION」も、「RHYTHM EMOTION」も、「WHITE REFLECTION」も、そして「LAST IMPRESSION」も。原曲の良さがゲームのアレンジ曲から伝わってきた。
そして、本編もカッコ良かった。「お前を殺す」「死ぬほど痛いぞ」などWを視聴する前から知っていた有名な台詞を実際に聞く事が出来た。「50階建てのビルから飛び降りても骨折するだけで死なない」「骨折を自力で治す」「鉄格子を素手で握り潰す」などあまりにも有名な主人公ヒイロの逸話も全て真実だった。まさかGガンダムの後とはいえガンダムでこんな事を出来るキャラクター達が登場するとは。宇宙世紀の強化人間でもここまで人間離れしてない気がする。
Wといえばカトキハジメ氏が手掛けた数々のMSも忘れられない。古くからのガンダムファンの中には「GとWはガンダムとして認められない」と否定的な人間も昔は少なからず居たらしい。そんな人でもMS「トールギス」のデザインに関しては唸らずにいられなかったそうな。デュアルアイや特徴的なV字アンテナなど所謂「ガンダム」的な記号は無いのに、あれほどまでにヒロイックな印象を放つMSはそう無いと僕も思う。非ガンダムライバル機の頂点の一つではないだろうか。
ゲーム作品ではあまり出番の無いヒロイン「リリーナ・ドーリアン」の動向も気になった。序盤で父親を殺された彼女は父を殺した犯人への復讐を目論んだり、物心付く前に生き別れた兄と再会したり、とある王国の王女として国家再興のため学園を経営する事になったり、その国が攻められ再び滅びたと思ったら今度は世界国家の元首に祭り上げられた後すぐに辞めさせられたり。MSにも乗らないというのに何と波乱万丈な人生だろう。Wって4クールの話なのに。
設定記録集に抜粋された放送開始前の企画書によると「新機動戦記ガンダムW」という番組の最大の特色は、息をもつかせぬドラマ展開らしい。確かに、主人公達の立ち位置も倒すべき相手も次々に移り変わるガンダムWという作品は非常に目まぐるしくスピーディーな展開だった。勢力図の複雑さは歴代ガンダムNO.1と言っても良いと思う。Zガンダムにも同じ事が言えるけど、一度見ただけでストーリーを把握出来た人はきっと居ないんじゃないだろうか…?
物語の終盤、遂にコロニー側革命軍ホワイトファングと地球側世界統一国家軍は激突する。ガンダムのパイロット達は、どちらにも与さず双方を否定した。未来とは強者の支配によって訪れる物ではない、自分達の手で掴む物だと。
このガンダムWの終盤の展開は本当に熱い。それまで世界各地で戦っていたガンダムのパイロット達が、遂に5人全員肩を並べて戦うのだ。全49話のアニメでチームが結成されたのが44話目だと言うのだから堪らない。待ちかねたぞ、ガンダム!後期OPもラスト10話でようやく解禁された!その後期OPの映像が完成したのは何とラスト2話!最終回のTVシリーズとは思えない超絶作画といいガンダムWという作品のクライマックスは最高に面白かった!!傑作だ!
そしてこの「新機動戦記ガンダムW」という作品は前述したように非常に人気が高かった。宇宙世紀でない所謂「アナザーガンダム」であったにも拘らず翌年にはOVAが製作され、後にOVAを一本に纏めた劇場版も公開された。
僕はTV版を見終えた後すぐにこのOVA作品「Endless Waltz」を見た。この作品に僕が初めて「ガンダムW」の存在を知った時から恋い焦がれていた。ここまで長かった。そして…冒頭の戦闘シーンから度肝を抜かれてしまった。
「何だこの超絶作画は!?量産機の動きがTV版と全然違う!しかもこのMSの描き込み!!あ、ガンダムのデザインもEW版になってる!スゲー!!」とTV版から圧倒的に向上したOVAクオリティにもうテンションが上がった。
舞台はTVシリーズから1年後。地球と宇宙の戦いが終わり平和になった世界で突如何者かに誘拐されたリリーナを連れ戻すために、世間はクリスマスだというのにヒイロ達がまた働くはめになるという内容だった。いかにも続編物らしい。
何と言っても超絶美麗な作画が特徴で、90年代OVA作品としては「ガンダム0083」や「マクロスプラス」と同じくセル画ロボットアニメの極致の一つだと言えるかもしれない。その美麗な作画でカトキハジメ氏が新たにデザインを描き下ろしたガンダム達が戦う。この所謂「EW版」の機体はガンダムファンから絶大な人気を得ており、一時ガンダムWのガンダムといえばこの「EW版」を指す事もあった。現在でも定期的に新商品が出続けている。何という人気だろうか。
Endless Waltzでは最終的に『平和と自由』を自らの手で掴み取るために立ち上がる民衆の姿が描かれる。弱者たちの代弁者として戦っていたガンダムのパイロットは役割を終え愛機を爆破した。彼らは自分の道を歩いていった。
こうして、ガンダムWというお話は綺麗に終わった。TV版で完全平和への道を模索し様々な人達が戦った。EW版でその平和を維持するためには一部の人間が戦うだけでは駄目なのだと民衆が立ち上がり声をあげる姿が描かれた。
TV版では描き切れなかった問題とその解決までを描いた見事な続編だと思う。「Endless Waltz」の数十年後の世界を描いた「Frozen Teardrop」という作品もあってこちらでも何らかの事件は起きているらしいが、僕は恒久平和の実現は非常に難しいと考えているのでそういう続編があっても良いと思う。まだ最初の方しか読んでいないけど結構自分好みだったので僕は好きだ。古くからのガンダムWファンにはあまり評判が良くないなので人には薦めないけど…。
この「新機動戦記ガンダムW」という作品は非常に個性的で面白い。キャラクターのエキセントリックな言動や行動からギャグアニメという人も居るけど、平和と戦いについてキャラが哲学を続ける内容は硬派である、と高い人気がある。
ここからが本題なんだけど…実は「ガンダムW」という作品の結末は企画当初に予定されていた物から変更されたらしい。これは「ガンダム」に限らずどんな作品で起こりうる事なので悪い事ではない。変更した結果面白くなる事も多い。
TVアニメではラストに亡き父と同じ外務次官の任についたリリーナがヒイロから贈られた手紙とぬいぐるみを発見し、その手紙をヒイロの前で破り捨る所で話が終わる。1話でヒイロはリリーナからの手紙を破り捨てたのでお相子だろうか。
一方小説版とコミックボンボンでときた洸一先生が連載していた漫画版では微妙に異なる結末が描かれる。TV版ではヒイロ達5人の少年の顛末は描かれずその後幾つかの外伝を経て「Endless Waltz」に繋がるのだが、この二作ではヒイロ達は火星地球化計画に参加し開拓者として火星へ向かう事となる。ガンダムWで火星が舞台となるのは「Frozen Teardrop」なので、大分先取りしている事になる。というよりEWが無ければ即FTが始まるのだろうか。
これは完全に僕個人の好みなので良い悪いの話ではないけど、僕はTV版のラストより小説版やボンボン版で採用された企画当初に考えられていた終わり方の方が好きだ。ガンダムWという作品でTV版だけでは「ヒイロ達はこの戦いの後何をするんだろう?」という疑問が残るけど、当初の構想では彼らは火星に赴くと断言されている。また小説版でヒイロは《戦いしか知らない俺たちは今の世界にはすぐには適応できないだろう。俺は戦いの中に身を置く事に慣れきってしまったのかもしれない。赤い惑星には俺たちの戦いが待っている。俺は再び戦いの中に身を投じるつもりだ。だが、今度の戦いは死への戦いではない。生きるための戦いだ。俺は必ず生きてみせる》と語っている。幼い頃からエージェントとして戦闘訓練を受けてきた彼らが日常生活にすぐ適応できるかは分からない。実際で「Endless Waltz」においてガンダムのパイロットの一人であった「張五飛」は平和な世界で無用な存在であると切り捨てられた兵士のために立ち上がり、自らが「悪」になる覚悟でヒイロ達と戦った。ベトナム戦争でPTSDを負いどうしても平和な生活に馴染めなかった「ランボー」のような兵士がきっとあの世界にも沢山居たんだと思う。ヒイロも、トラウマに苦しめられていた。
僕がこの終わり方が好きなのはヒイロ達の戦いがまだまだ続く所にもあると思う。ヒイロはTV版で《地球圏統一連合》を裏から操る秘密結社「OZ」の企みにより地球と宇宙の和平を望む平和論者であり連合軍最高司令官でもある《ノベンタ元帥》を殺害してしまう。ヒイロは己の犯した過ちの審判を仰ぐため、元帥の一族すべてに面会する旅に出る。己の罪を告白した後相手に拳銃を手渡し「ご家族の怒りと無念だった元帥の魂が引き金で静まる事」を願う。
ノベンタ元帥の孫娘・シルビアは「こんな事させて自分だけ楽になろうなんて!!卑怯だわ!」とヒイロに怒る。僕も少しそう思う。僕は続編でヒイロが生きている事を知っているので、彼が元帥のご遺族に殺されない事を知っている。
「命なんて安いものだ。特にオレのはな…」という台詞にあるように、ヒイロ・ユイという主人公はとても自分の命を安く見ている。1話で民間人に顔を見られて早速自害しようとしたが死ねなかった。2話でも機密保持のために自殺じみた行為を行ったが死ねなかった。3話では飛び降り自殺を図ったが死ねなかった。10話ではガンダムをOZに渡さないために機体を自爆させたが死ねなかった。物語の序盤でこれだけ自殺を図った主人公は他に絶望先生くらいだろうか。
そんな死にたがりの彼にいきなり拳銃を手渡されて「貴方のご家族を私が殺しました。許せなければ撃ってください」と言われても大半の人は困惑すると思う。怒った相手に殺されたとしても死にたいヒイロからすれば願ったりだろうし。
そのヒイロが、最終回でついに「俺は死なないっ!!」と生きる意思を見せるシーンは感動だ。これまで手にかけた相手の事で内心ずっと悔やんでいたヒイロが、EWの終盤戦いを終え「オレはもう誰も殺さない…」と呟くシーンも良い!
つまり自分の行いを悔やんでいるヒイロには、火星開拓への従事という初期の終わり方は前向きな贖罪になったんじゃないだろうか?と僕は思うんだけど…その終わり方だと「Endless Waltz」という作品は生まれなかったろうな…。
続編の製作が決まる事で現在進行中の物語の結末が変わる事はきっとよくあるんだろうけど、それはつまりその作品の続編が生まれるという事だから良い事だ!と僕は思う。ガンダムW、今年で放送終了25周年らしいです!
ああ。火星の戦力は軒並み向こうに回してんのかもな。
ああ。(そうだ。俺たちが今まで積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。これからも俺たちが立ち止まらないかぎり道は続く)
なんだよ、結構当たんじゃねぇか。
俺は鉄華団団長オルガ・イツカだぞ。こんくれぇなんてこたぁねぇ。
ミカ、やっと分かったんだ。俺たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇかぎり、道は続く。
俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ・・・。
これが基本。他にも幾つか特徴的な台詞があり、その一部を改変して使うと攻撃的なニュアンスが抑えられた柔らかい言い回しになる。
結局は使う者の意思次第だけど。
2015年に一期が始まり、2017年に分割で放送された二期が完結した、まあ色々と賛否両論な作品で放送終了から3年経った今でも話題になる事が多いタイトルである
正直に言うと僕はこの作品の一期が好きではなかった。主人公の三日月・オーガスを始めとした主役組織鉄華団の面々が好きではなく、逆に悪役である治安維持組織ギャラルホルンの側に肩入れしていたのが原因だと思う。
三日月はそれまでのガンダムにも中々居ない割り切ったドライな性格で、敵兵士を無表情で射殺する、初対面の相手を絞殺しかける、戦う事への迷いや敵への容赦が殆ど無いガンダムには比較的珍しいタイプの主人公だった。
鉄血のオルフェンズの一期はその三日月くんの所属する民間軍事組織「鉄華団」が、地球の植民地である火星の貧困問題解決を求めるクーデリアお嬢様を貿易交渉のために地球に送り届けるための護衛を務める話だったのだが、
鉄華団は保有するMS三機と、彼らの後ろ盾である木星圏のマフィア「テイワズ」から派遣してもらったMS二機を合わせた計MS五機の戦力で、ギャラルホルンを統べる七大氏族の一人「イズナリオ・ファリド公」が動かせる私兵と、地球軌道上に接近した勢力から地球を防衛する艦隊「地球外縁軌道統制統合艦隊」から差し向けられたMSを撃退し、ついにクーデリアを火星を分割統治する地球の経済圏の一つ「アーブラウ」へ無事送り届ける事に成功する。
それは良い。00のように一度主役達が敗れてからまた再結成、という展開にでもならないと主役組織が物語半ばで体制に敗れて壊滅する展開なんて中々描けない。負けてたまるか、と鉄華団の少年達は大人達に勝利した。
気になるのは、鉄華団のような極小規模な武装組織が、あの世界における唯一の軍隊であるギャラルホルンに正面から戦いを仕掛け、勝利するにしてもそのために払った犠牲が戦いの規模に割にあまりにも少ない気がする事だった。
地球外縁軌道統制統合艦隊との戦いで鉄華団は組織の古株であり参謀を務めていたビスケット・グリフォンを失った。名もない多くの団員達も戦いの中で散った。だが、作中で鉄華団が勝利と引き換えに失った物はそれだけ。
最後まで戦い抜いた五機のMSのパイロットも、鉄華団に所属する名前のある団員も、ビスケット一人を除いて誰一人として失われなかった。最終回もグッドエンドのような流れだったし、一期は完全勝利だったと考えても良いと思う。
ギャラルホルンは鉄華団との戦いに投入された多くの兵士の命と、七大氏族の党首が一人、七大氏族の後継ぎが一人、そして300年間揺らぐ事が無かった治安維持組織としての面子を失った。
アイン・ダルトンという一人の兵士が居た。彼は恩人と慕っていた上司を三日月に殺害され、その怨恨から鉄華団との戦いに志願し、戦いの中で半身を失った。その後非人道的な処置を受け、MSと完全に融合した異形の姿で蘇る。
そして最後の敵として三日月の前に立ち塞がるのだが…彼の活躍は思ったよりしょっぱい。瞬く間に鉄華団のMSを三機倒し衝撃的な登場を果たした…かと思いきや、その撃墜したMSのパイロットは怪我を負っただけで無事だった。
アインは主人公三日月を上回る圧倒的な反応速度で主役機ガンダム・バルバトスを苦戦させるのだが、彼がバルバトスに与えた損傷は片方のアンテナを折った事くらいだった。バルバトスが追加装甲を付けていたとはいえ、辛い。
逆に彼は機体の性能でもパイロットの反応速度でも勝っていた筈の三日月が親友オルガ・イツカの激励により本領を発揮した途端に圧倒され、辞世の言葉を言い切る間もなくコクピットを潰されて今度こそ本当に死んでしまった。
鉄華団は主役だから勝つにしても、これではあまりに双方の戦果と被害に差がありすぎじゃないか?と僕は思った。勿論これを言うと、鉄華団の勝利を喜んでいたファンからは作品のアンチ扱いされた。水を差してるから仕方ないけど。
こういう事があって僕は正直鉄血のオルフェンズに良い印象を持っていなかったし、嫌いになってもいたけど、そういう気持ちを吐き出せる場所もなかった。僕のこの作品の評価が変わったのは半年後の二期が始まってからだった。
鉄血のオルフェンズ二期の舞台は一期から2年後。鉄華団という小規模な武装勢力がMSという戦力を有効に扱い、ギャラルホルンという巨大な組織に土をつけた事で社会情勢に様々な変化が訪れた世界だった
鉄華団の活躍により少年兵とMSの有用性が広まり人身売買は益々横行し、MSを所有する犯罪組織も増えた。一応秩序の番人であった治安維持組織の権威が地に落ちた結果、各地で犯罪行為や暴動も増える事になった。
火星は経済的に一期より少し豊かになり、鉄華団はテイワズに正式な直系組織として認められ急速に組織の規模を拡大。アーブラウの代表と強い繋がりを持つ事で地球に支部も設立し、順風満帆に会社経営は進んでいた。
組織が大きくなった弊害として同じ組織の先輩に睨まれたり、政争を繰り広げる偉い人達に目を付けられて敵視されたり利用されたり、組織が請け負える以上の規模の仕事を受けてしまって会社の経営が傾いてしまうんだけど
僕は二期のこういう展開が「ああ、本当にありそう…」と思えて大好きである。一期が若者達の夢のある栄光の物語だとすると、二期は現実は辛い所を見せられる転落の物語なんだろうか?栄光と転落は大体セットだけど。
結局鉄華団はギャラルホルン内の権力闘争に巻き込まれて地球支部の経営に失敗し、テイワズのNo.2に睨まれた結果組織を追い出され後ろ盾を失い、失脚したイズナリオ公に変わりファリド家を継いだ「マクギリス・ファリド准将」に肩入れし、ギャラルホルンでも最大最強の戦力を誇る大規模艦隊「月外縁軌道統合艦隊アリアンロッド」と矛を交えた結果大敗し、組織のNo.1とNo.2であったオルガと三日月が死亡した事で壊滅してしまった。
この二期を通してじわじわ、じわじわと一期で鉄華団が積み重ねた成功が崩れていく様は本当に凄いと思う。成功物語ならよくあるけど、その成功からの破滅を描いたアニメはあんまり見ない…無い事も無いんだろうけど、多分少ない。
主人公が敗北し、死亡する所まで描いた長編ガンダムも閃光のハサウェイ以来じゃないだろうか。パラレルが有りならファーストとゼータも小説版では…だけど、映像作品のTVシリーズでは間違いなくこれが初めてだと思う。
僕はこの二期の顛末にとても興奮した。完全勝利すぎて好きじゃないな…と思っていた一期の結末が、二期のこの完全敗北な結末に至るまでの逆算から描かれた物だったのだ、と勝手に思った。成功した人間はいつか破滅する。
ところが、一期の結末を大絶賛していた人達はこの結末を「雑すぎる」などと批判する。二期の結末が好きな僕が一期の結末が気に入らなかったように、一期の結末が好きだった人達は二期の結末が気に入らないようだった。
「鉄血は一期は良かったが、二期は…」という人もよく見かけるけど、じゃあ何故貴方達は一期でシノやラフタやアジーさんが不自然に生き残った事には文句を言わなかったんですか?と言いたくなる。言ったら喧嘩になるけど。
僕は鉄血のオルフェンズの一期に色々と不満があり嫌いだったけど二期で好きになった。逆に二期に色々と不満があって嫌いになったけど今でも一期は好きな人もきっと居る。どちらもこの作品が好きだった事に変わりはないと思う。
完結してから3年経って好きな気持ちも嫌いな気持ちももう大分薄れていた気がしたけど、結構作品について書いてしまった。悪く言われている所を嫌な気持ちになるし、きっと僕は今でもこの作品の事を好きなんだろうな。
鉄血のオルフェンズの次回作であるビルドダイバーズとその続編リライズは今のところ特に内容で荒れる事は無く、平和に語られている。逆にこの作品は今でも最新作であるかのように叩かれているし、話題に挙がるとよく荒れる。
この作品の話題が荒れる事で人が集まって新作の話題で荒れる事が少なくなるのなら、それはそれで良い事なのかもしれないな、と思った。今でも叩かれてるのを見るとつらいけど、きっといつかは落ち着いて語れる日が来ると良いな。
【追記】
僕は鉄華団の面々が好きでなくギャラルホルンに肩入れしていたので一期は好きではなかった、と言ったけれど鉄華団に好きなキャラクターが居なかった訳では無い。パイロットなら天才肌のミカより努力家の明弘の方が好きだったかな?
テイワズから鉄華団に監査役として派遣された「メリビット・ステープルトン」という医術の心得のあるキャラクターが僕は好きだった。少しオルガと良い雰囲気になっていた?ような気もするけど、二期を見る分にはどうも勘繰りだったみたい。
彼女は団員が負傷した際に応急医療が出来る医療要員が鉄華団に居ない事について団長であるオルガを諫める事が出来たし、ビスケットが戦死した際血気に逸りギャラルホルンを皆殺しにしてやると猛る団員達を前に「こんな事は間違っている、ビスケット君はこんな事を望んでいない」と涙ながらに訴えた事もあった。大人の目線から危なっかしい子供達を見守る、ビスケット亡き後の鉄華団のブレーキ役を務める存在だったような気がしている。
結局一期はメリビットさんが諫めるまでもなく鉄華団は勝利したので彼女の心配は杞憂に終わったのだけど、二期の末路を見ると…戦いから抜け出せない鉄華団は戦いの果てに滅びる事が決まっていたのかもしれないな、と思った。
大規模公共工事なんて、それが特に前近代であれば有るほど、利益は自分が受け取れないものだよね。
治水なんて結果が出るのは十年二十年後が当たり前だ。植林なんてのもそうで、利益(というか意味)が出るのは孫の世代っていわれる。じゃあやらないでいいのかって言えばそんなことねぇわけで。
時間軸方向じゃなくて距離方向でいえば、北海道や北方のインフラに、それ以外の地方の人が自分のリソース(例えば税金)を割くのは無駄かもしれんしそれでえられる利益は微々たるものかもしれんけれど、しかし共同体のためにはそれをやるのが有益だと判断されるから投資が行われる。
属性方向で言えば、弱者への保護や福祉なんて利益を受けられる人は少ないかもしれんけれど、それでも全体が薄く身銭を切ってやるもんだ。それを否定しちゃうと、自分もセーフティネットから落ちる。
そんなの、改めて考えたり腹を立てたりするようなことじゃないと思うんだけどな。俺ら人類の歴史と、その歴史の中における個人の寿命を考えたら、相対的にスケールの差でそうならざるをえないでしょ。何らかの結果や結論は、俺らは見ることが出来ないって、そんなの当たり前過ぎてことさら喚くようなことじゃない。
俺が生きてるうちにはたぶん火星に有人基地できないし、地球連邦も出来ないし、常温核融合発電も出来ないし、量子通信ネットもできないし、それどころか海底超特急マリンエクスプレスすらできないだろうけど、別にそれでもええやろ。昨日よりマシなら、明日はもっとマシだろうし。
周りからは「すごいね」とか「勇気ある決断だね」だとかなんとか言われるが、
俺からすれば「なぜそこまでして日本にとどまり続ける?」としか思えない。
普段から「安倍総理がー」「保育園がー」「年金がー」って言ってるやつ、
「仕事がない」とか言うやつ、
自分のレジュメちゃんと書いてみた?更新してる?各国の最低賃金と市場、調べた?
「親の介護がある」とか言うやつ、
親も一緒に移住してもっと介護しやすい国がないか調べた?老人ホーム入れるのと移住費用どっちが高かった?
そもそも語学の勉強、ちゃんとやった?現地の学校事情、調べた?
「先立つものがない」とか言うやつ、
「故郷で骨を埋めたい」とか言うやつ、
だから、さっさと違う国に行けば良いじゃん。
ダメで帰ってきたら、それはそれで文句言わなくなるから良いじゃん。
冷静に考えて、躊躇う理由、どこにあるん?
「単純に質問してるだけ」ってことで煽りじゃないらしいからちゃんと答えると、
移住費用を貯めてるうちに思いがけず子どもができたので、生物として違う風土でも生きられる程度に強くなるのを待ってた。
待ってる間、「育児」については日本に文句言わないようにしてたぞ。
北米と書いたが、アメリカではない。カナダだ。何州かは想像にお任せする。
これはこれは。もっとも得心させられる回答かもしれん。
心の底からそう思ってるならなんの問題もないし、お世辞抜きに尊敬する。
俺はあーだこーだ言いながら「でもやっぱり日本が好き」みたいなツンデレが嫌いなんだ。
真理だな。
永住は相手国の事情や運も絡む、まずは移住してみれば良いと思ってる。
俺もそう思ってた時期があった。
しかし、中国人を見ろ、おっちゃんおばちゃんがノースキルノーコネクションだろうとどんどん他国に進出してるぞ。
俺はアメリカ関係ないし、トランプがボケの名手なのは否定できないが、
・国際情勢
日本のGDPは5位かそれ以下まで低下。代わりにインド、シンガポール、タイ、韓国、台湾などが上昇。
GDPのトップ5は中国、アメリカ、インド、ドイツ、日本(or 台湾 or 韓国 or タイ or シンガポール)の順に入れ替わる。
日本の経済力、生産力は少子高齢化により慢性的に低下を続けるが、一方で外国からの投資は積極的に行われる。
鉄道会社や電力会社をはじめとするインフラ関係各社は外国資本となる。JRは「繁華デリーレールウェイ株式会社」に改組される。
中国を中心勢力とするパターナリズム勢力と、アメリカを中心勢力とするリバタリアニズム勢力が新たな冷戦構造を作り上げている。
この二つの勢力は法令や憲法、理念、外交などを共有する緩やかな共同体を形成しているが、日本は2060年現在どちらにも加盟していない。
この時代では「共産主義」「資本主義」「民主主義」「独裁」などの単語が持つニュアンスは後退し、おおむね「パターナリズム」か「リバタリアニズム」にそれぞれ収斂している。
日本はそのなかにあって「パターナリズム・リバタリアン政治」を自称し、両勢力の良いところどりを模索しようとしているが、実態としてはあまりうまくいっていない。
コンタクトレンズ型の情報端末が普及している。神経系と接続して思考インターフェイスで操作することができる。
ここ10年の間に普及が進んだが大脳と直結することから個人のプライバシーが侵害されるとの声が強く、リバタリアニズム勢力下ではアナログ操作型の情報端末を選好する者が少なくない。
しかし広告業界にとっては非常に都合がよいのでコンタクトレンズ型の普及は時間の問題だとアナリストは指摘している。
一方、パターナリズム勢力下では健康情報をはじめとする国民のデータ収集と、それをもとに国民へ「指導」を行う必要性から積極的に用いられている。
特に中国では満五歳児から全国民の常時装着が実質義務付けられており、特に理由のなくこれを外すことはよからぬ嫌疑を生むことになる。
今後20年以内に「国民の安全保障と人生設計の精度を高めるため」に全国民の視界を無差別録画し、収集する機能実装を目標としている。(中国政府発表)
日本ではパターナリズム勢力の支持を受ける推進派とリバタリアニズム勢力の支持を受ける反対派、どちらともつかない日和見、もとい、慎重派の三すくみとなっていて、よく国会論争のタネになっている。
そのほか、電源は必要な電力が低いものはおおむね無線電源が普及しており、自動車や鉄道、バイクなどは電力での駆動が前提で設計されるようになる。電動航空機もだいぶ普及してきている。
発電はどの勢力下でも改良された原子力発電と自然エネルギーの二つが主で、火力発電の全体に占める割合は環境への配慮から大幅に減少傾向にある。核融合発電は目下研究中である。高速増殖炉は先進国に限り実用化されている。
宇宙開発は民間が主体となって行われている。中国は2032年に初の月面有人飛行、2044年に初の火星有人飛行を達成し、アメリカも同年に成功させるがそれ以降、国家規模での目立った計画は特にない。
2060年現在では月面開発が各国民間企業によって進められている。既に定期往復宇宙船と宇宙港もいくつかの国に設置されており、往復120万新元ほどで月面旅行が楽しめる。
ただし行動可能区画はかなり制限されているため観光の自由度は低い。定番のお土産は月の石。
リバタリアニズム勢力下は当然のことながら格差が激しく、最下層の人々の暮らしはその日の食事にも差し支えるほど困窮している。
アメリカの中流階級以上の平均寿命が90.2歳(2058年保健省統計)なのに対し、低所得者層のそれは75歳を下回っている。
国民皆保険制度がいまだ存在しないので中流階級以上であっても重病や大怪我などにより多額の支払いを迫られ、貧困層に転落することが珍しくない。
ただし食事の内容や日々の生活について政府から指導や管理を受けることはなく、マクドナルドやケンタッキーは2060年現在でも健在である。
他方、パターナリズム勢力下では実のところ格差がないわけではないが低所得者層に対する生活保障制度があり、すべての国民は健康的な食事と生活を送ることができる。
ただし睡眠時間、食事の内容をはじめとする生活のほぼすべてにおいて当局の「指導」に従わなければならず、そもそも政府が健康に益しないと判断した飲食店の開業は許されていない。
パターナリズム勢力下の国ではマクドナルドもケンタッキーも存在せず、ラーメン二郎は特定有害飲食物として政府認定を受けている。蘭州ラーメンは政府認定の優良飲食物とされている。
当然、タバコや飲酒も厳格に禁じられており、カフェインの摂取にも一定の制約が加えられている。レギュラーコーヒーは1杯150mlを1日3杯まで。
これらの徹底した管理によりパターナリズム勢力の中心である中国都市部の平均寿命は97.2歳(中国政府発表)にまで伸びている。
・教育
パターナリズム勢力下ではどの学校も学費が無償であり、すべての教育機関は公立または国立である。私塾の開設は特例を除き禁じられている。
すべての国民は各々の学力に応じていつでも学びを得ることができる。高卒程度までが義務教育とされ、卒業試験も課されている。
卒業後は成績にもとづいて大学に進学を推奨(実質強制)されるか、または適性のある職業に就くことになる。無就労かつ無就学で、特定の期間以内にどちらかの準備をはじめていない者は「指導」の対象となる。
他方、リバタリアニズム勢力下ではあらゆる方針の私立学校が無数に存在し、詐欺同然の無意味なものから1000年を越える歴史を持つ由緒正しい学校まで選択肢の広さにはこと欠かさない。
ただしこれらには多額の学費が必要であり、中流階級であっても借金しなければ通えない。特に優れた大学・大学院の研究力はパターナリズム勢力下における最高の国立大学・大学院のそれをしのぐと評されている。
なお、義務教育制度は廃止されているので本人の選択によっては小卒のままでいることも可能だがまず間違いなく職には就けない。
産学連携が盛んで、民間人が教授職に就いたり、民間企業の出資を受けた講義、あるいは教育機関そのものの運営もリバタリアニズム勢力下ではごく当たり前である。
パターナリズム勢力下では99.9%が最低でも高校を卒業し、その中の7割が大学まで進学しているが、リバタリアニズム勢力下では高校卒業までで8割ほど、大学進学はその中の4割程度に留まる。
パターナリズム勢力下において文化芸術は認可制であり、なにが正しい表現かは政府が厳格に定めている。
ただし「時として刺激的な表現物が市民の精神衛生に益する場合もある」との見地から、特定の年齢に達し、必要なリテラシー試験をクリアした市民に限り部分的に「刺激的な表現物」の閲覧が許されている。
とはいえ過度に反社会的であったり、反体制的な表現物が認められる余地は一切ない。「1984年」(ジョージ・オーウェル作)はもちろん発禁である。
対してリバタリアニズム勢力ではあらゆる表現が無制限に認められている。ヘイトスピーチですら可能。国旗を燃やしたり、大統領の写真を切り裂くことも可能。VR空間でバーチャル・ドールとまぐわうのも自由。
パターナリズム勢力下ではインターネットが厳しく検閲されているが、一定の知識がある者はこれらの規制を技術的な工夫でくぐり抜け、リバタリアニズム勢力産のコンテンツを密かに閲覧して楽しんでいる者も少なくない。
1時間ほどでここまで書いたがさすがに飽きてきたので後は任せた。