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2021-06-14

呪術廻戦のオマージュパクリリスペクトについて

最近この漫画パクリ問題ネットで話題になってるけど

個人的には「マンガ面白ければいいんだ」派なので面白いならあんまり気にならない(犯罪レベルになると別だけど)

じゃあ呪術廻戦の問題は何なの?って話なんだけど

ストーリーに入り込めない点が問題なんだと思う

例えば日常とかちょっとした(本筋とはそんなに関係ない)シーンでパロディを使うのはいいのよ

けど呪術廻戦って戦闘シーンとか決めゴマとかでも平気でどっかで見たことある構図とか使うじゃん

そうなると呪術廻戦というストーリーに入り込んでるのに「これハンタじゃん」「これブリーチじゃん」って一気に現実世界に戻されるわけ

夏油が技使って「夏油かっけー!!!」じゃなくて「これどっかで見たことある・・・伊藤潤二?!」みたいな

こっちはせっかくフィクション世界にのめり込んでるのに横から「それただの漫画だよw」って冷水ぶっかけられてる気分

やっぱり漫画って読者をどれだけ自分作品に没入させるかが大事だと思ってて

ワンピースとかも最初は「ルフィ海賊王になるの楽しみだわ!ルフィ頑張れ!!」って読者がワンピース世界に入り込んでたわけよ

けど今じゃ読者がついていけないストーリーとか大量の覚えきれないキャラとか度重なる場面転換でつまらないって声が増えてる

呪術廻戦もストーリー自体はそこまでつまんないわけじゃなくて70点くらいの出来はあると思ってて

けどなんでここまで色々言われるかっていうと読んでる途中のノイズパクリ)が多すぎて読者が冷めるのが原因だと思う

2021-06-10

手取り16万なのに家賃30万!?23メガバンクOLに忍び寄る、エリート男の恐ろしい罠

東京には、多種多様人間が生息している。

清楚な彼女も、エリートな彼も、リッチ人妻も…

みんな、人には言えない複雑なストーリーを抱えて生きている。

あなたの隣にいる、幸せそうなあの子だって別の顔があるかも!?

彼らの“リアルな姿”を、知る勇気がある人だけ覗いてみて…。

File1:東京が生んだモンスター



―2年前ー


ザ・リッツ・カールトン東京の45階にある『ザ・ロビーラウンジ』。

死ぬ気で仕事を頑張り続け、気づけば39歳。経営者として成功した今の僕は、ラグジュアリーなこの空間が似合う男と言えるだろう。

だが、僕の目の前にいる女性は、洗練されたこ場所には不釣り合いで、彼女存在けが浮いて見える。

「ここのアフタヌーンティーたかったんです。でも、1万円もするからなかなか来れなくて…。インスタに載せたいか写真撮ってくれますか?」

キラキラした目をして手渡されたスマホの画面は、派手にひび割れていた。

カメラに向かって微笑むその女性は、小皺が寄ったブラウスミニスカートを合わせ、膝の上に合皮のバッグをちょこんと乗せている。

「優里香ちゃんって、どこに住んでるの?」

家賃3万円の東陽町にある社宅に住んでます。配属は、虎ノ門支店なので、本当はもっと都心に住みたいんですけどね…」

たった1万円のアフタヌーンティーに目を輝かせ、屈託のない笑顔を見せてくれた優里香23)を愛おしく感じた。

僕は、素直で擦れていない女性タイプだ。


一体なぜ!?39歳男が、純粋OL地獄に突き落とす…男の闇深い本音とは



地獄へのカウントダウン


「僕、優里香ちゃんのこと、すごく気に入っちゃったから、特別に3万円あげるよ」

「え?お茶だけで、3万円もくれるんですか?そんな…いいんですか?小日向さん優しすぎます…」

メガバンクに勤めていて手取り16万円程度の彼女は、戸惑いつつも目を輝かせた。

「いいよいいよ。優里香ちゃんは、それだけ価値のある女性なんだから自分を安く見積もっちゃだめだよ。これで表参道サロン行って髪のトリートメントでもしてきなよ。もっと自分お金をかけなさい」

「そうだ、東陽町からはるばる六本木まで来てくれたことだし、せっかくだからミッドタウンでお買い物もしよう」

ワンピースはストラスブルゴで、靴はマノロラニクで、鞄はヴァレクストラ……。

初期投資は50万円。この程度で心が掴めるなら、安いものだ。

「わぁ、こんなにいいんですか?なんだかシンデレラになった気分!会社の同僚は、お洒落な子ばかりだから…これでやっとお食事会に誘ってもらえるかも…!」

僕は、キラキラと目を輝かせて心の底から感謝してくれた彼女のこの日の笑顔を、一生忘れることはないだろう。

「いいかい優里香ちゃん、縫製の粗い服、合皮のバッグ、ビニールの靴なんかを買うのは金輪際やめなさい。安い女に見えるよ。僕がサポートしてあげるから質の良いものを身につけなさい」

小日向さん…神様なんですか…?」

手取り16万円じゃ東京暮らしていけないでしょう。月30万円はどうかな?

でも、それを貯金するような貧乏くさい真似はしちゃだめだよ。洋服化粧品友達との遊びで使い切って、若い時間を楽しんでね」

東京には、美人ごまんといる――。

それにもかかわらず、この程度の小娘に、お茶だけで3万円を渡し、会ったその日に50万円相当のプレゼントをし、新宿にある家賃30万円のマンションと月30万円の生活費をあげる男は、この世に僕しかいないだろう。

もちろん、下心なしに、女に金品を与える男はいない。

大抵の男は、若い女の体が目当てだが、僕にはもっと“壮大な目的”があるのだ。

東麻布 天本』、『長谷川 稔』、『薫 HIROO』、『三谷』、『カンサンス』…

会うたびに、客単価5万円ほどの一流店に連れて行き、彼女の舌は順調に肥えていった。

お世辞にも美人とは言えない彼女をおだて続け、分不相応要求にも笑顔で応え続けた。

東京に染まりきっていない純朴な女は、真っ白なキャンバスのようなもの彼女思考価値観を変えることは、赤子の手を捻るほどたやすかった。

彼女プライド欲望はみるみるうちに膨れ上がり、たった1年で傲慢モンスターへと成長した。

『この間同僚に誘われたんですけど、場所居酒屋だったんで速攻断りました。居酒屋とかありえないですよね〜。同世代の男とは、価値観が合わないわ』

ヒールが擦り切れてる女性って下品ピンヒールコンクリートの上なんて歩くもんじゃないですよね。タクシー乗ればいいのに』

パスタランチ全然美味しいと思えなくて…友達とのランチは、ダイエット中って嘘ついて最近パスしてます。あ、今度『エクアトゥール』いきた〜い!予約できます?』

若い時間って有限なのに、手取り16万って割に合わないですよね?だって私の1ヶ月って16万以上の価値ありますもん』

金融機関に勤めているから、高価なブランド品を持ってると怪しまれて色々詮索されるんです。妬みですかね?小日向さんのサポートがあるから、もう会社辞めようかな』

『お食事会で出会ったお友達ローズサクラバーキン持ってて、すごく可愛かったの。お誕生日プレゼントに欲しいなぁ♡』


遂に、闇深き39歳男が、純粋だったOL地獄に突き落とす…



フィナーレ


「優里香ちゃん24歳のお誕生日おめでとう。バーキンが似合う女性になってね」

可愛い〜!だけど、サイズは25がよかったなぁ」

僕は約束通り、誕生日エルメスバーキンプレゼントした。

しかし、彼女はもう、“ありがとう”さえ言わない女に成長していた。

機は熟した――。

「優里香ちゃんごめん……。実は会社資金繰りが苦しくなって、もう君のサポートはできなくなったんだ。マンションも既に解約したから、今月末には出ていってもらうことになる」

「え、ちょっと待って…いきなりすぎる。手切れ金として、引越し費用くらいはちょうだいよ」

天国から地獄へ。

彼女の顔が、一瞬にして青冷める。この時の哀れで惨めな女の顔は、一生忘れることはないだろう。

「ごめん…本当に苦しくて。一銭も余裕がないんだ。君への最後プレゼントバーキンだよ。でも君みたいな“素敵な”女性なら、サポートしてくれる男性はすぐに見つかるよ!」

小日向さんみたいな男性は、他にいないよ…。小日向さんがいないと私、生きていけない…」

ラ・トゥール新宿の26階から見える煌びやかな東京夜景を背景にして、涙ながらに僕にすがりつく彼女の姿は非常に趣深かった。

「この世は、諸行無常盛者必衰だね」

「なにそれ、どういう意味…?ねぇ、小日向さん…待って、行かないで…」



あれから数ヶ月が経ったが、彼女からは毎週のように連絡が入る。

小日向さん、お元気ですか?久しぶりに会いたいです』

『やっぱり小日向さんみたいな男性は、この世にいないよ…』

『私どうやって生きていけば良いの?小日向さんに見捨てられたら、私死ぬしかないよ』

僕は溜まったLINEを眺めて、恍惚とした気分になった。

Bang & Olufsenのスピーカーモーツァルトレクイエムを流し、彼女の変わりゆく表情を思い出しながら飲む酒は、格別な味がした。

彼女はもう二度と、家賃3万円の社宅に戻ることはできないだろう――。

彼女はもう二度と、手取り16万円の仕事だけで生きていくこともできないだろう――。

消費性向は、絶対所得水準だけでなく、過去の最高所得依存するという説もある。

人間という生き物は、生活習慣を急に変えたり、生活水準を簡単に下げたりすることができないのだ。

僕が与えたブランド品を売ったって、靴や洋服リセールバリューは恐ろしく低いので、端金にしかならない。

唯一換金性があるのはバーキンだが、せっかく手に入れた富の証をあっさり手放すとは思えない。

美人でもない彼女が、僕が与えたような生活を維持するためには、マトモな仕事だけでは難しいだろう。

とにかく、身も心もすり減らして堕ちていく未来が待っているはずだ。

大金を稼ぐ辛さ…

社会の厳しさ…

東京を生き抜く大変さ…

それらを身を持って知って欲しいと思う。

そして、彼女はもう二度と、同世代の男と純粋な恋を楽しむことはできないだろう――。

世代の男が必死仕事をして買ったプレゼントにも、頑張って連れて行ってくれたレストランにも、ワンルームマンションシングルベッドでの行為にも…、喜ぶことも満足することもできない。

価値観が合わないと言って切り捨てた同世代の男たちの年収は、あと数年もすれば、右肩上がりに増えていくというのに……。

彼らの価値に気づく頃には、マトモな男たちは、マトモな女とゴールインしている。

分不相応ブランド品を身にまとい、分不相応な高級レストランに通い慣れている女を、マトモな男は選ばない。

僕以外の金持ちを漁ったとしても、ここまで傲慢モンスターに仕上がってしまった彼女を選ぶ男はどこにもいない。

一人ぼっちになって、永遠に僕を求め続けてほしい。

僕が、手に入れることができなかった同世代同士の健全恋愛を…、幸せ結婚を…、女から奪ってやりたかった。

学生時代から付き合って結婚を考えていたのに、価値観が合わなくなったと言って、年上の金持ちに乗り換えた初恋の女…。

純粋だったのに、東京に染まって変わってしまった同郷の女たち…。

お金がないからと、学生時代の僕に見向きもしなかった同世代の女たち…。

お金があるからと、今の僕に媚を売ってくる東京の女たち…。

すべての女が憎くて堪らない。

僕はずっと苦しんできたのに、努力して金を手に入れたのに、女はいだって虫が良すぎる。

人生は山あり谷あり。プラスがあればマイナスもある。

それならば、ずっと底辺を生きてきた僕は報われるべきだし、ずっと甘い蜜を吸ってきた女は、地獄に堕ちるべきだ。

次のターゲットを見つけた僕は、東京夜景を見下ろしながらスマホスワイプした。



https://tokyo-calendar.jp/article/21326?ref=new

2021/06/10 05:05

東京カレンダー

2021-06-09

anond:20210609144532

こち亀ってアニメED大原二郎巡査部長ってのが海水浴場ワンピース型の水着を着ている場面があるんだけど昭和はあれが普通だったのか

なんか想像つかない

実家の片付けを手伝ってたら母のクローゼットかわいいワンピースがあったので

「これかわいいね」と言ったら「昔あなたがくれたのよ」と言われた。

そういえば中学生くらいの頃、近所の服屋のマネキンがこれを着ていて、母が好きそうだと思って母の日かなんかにプレゼントしたのを思い出した。

懐かしいなあと思っていたら続けて「だから安物だよ笑」と言われた。

実家は裕福で、母が着ている服はその服と桁が違うものばかりだけど、なんか悲しくなっちゃったよ。

2021-06-08

いらすとやがスヌーPとコラボしてた

スターウォーズとかワンピースとかけっこう権利関係大変そうなところと次々コラボしてるからすごい。

ゆっくり霊夢ゆっくり魔理沙コラボしてくれるのももうすぐかもwwwwwww

○○は○○する!で白ひげっぽくなれる

ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)は実在する!

ファッション流行は循環する!

ソビエトロシアではテレビあなた監視する!

子どものころに見たスーパー戦隊もので「敵の攻撃による呪い衣服的なものメンバーが苦しんでいる中、女性隊員が服を脱いで下に来ていた水着披露する」のようなシーンがあったような気がする。

確か既にワンピース水着状態で脱いで、すわ全裸!?となるもその下にビキニタイプ水着を着ていたみたいな話だったような気がする……

これが自分性癖に影響を与えたのだろうと唐突に思い出した。

もう一度見てみたいものだが、どの戦隊ものかわからなくなってしまった。

1990年代前半のはずなのだが……

各話リストを見て探してみるしかいか……

以下追記

オーレンジャー23話やろ

感謝感激雨あられ、これだわありがとう

2021-06-07

トラウマ

小学生の時、通っていたピアノ教室内の発表会があった。身内の発表会、大きな規模でもなかったので少しだけよそ行きなワンピースを着ていた。自分で選んで可愛いものが着れてすごく嬉しかった。発表会の後、家族とそのまま近所のショッピングモールに買い物に行った。ワンピースはそのまま着ていた。

親が会計をしている間1人でうろうろしていた時に「ああいうの着せたがる親っているよなー」ととあるカップルが話していた。

ショックだった。

聞こえてきたその一言自分が気に入って選んだ服、楽しかった発表会、全部が嫌な思い出になってしまった。そのワンピースはその後の発表会などでも着なくなってしまった。あんなにわくわくして買って、気に入っていたのに。せっかく買ってくれたのに。親が着せたがっていたわけではない、私が可愛くて、好きで選んだ服だったのに。大人になった今でもたまに思い出す。見知らぬ他人一言が傷になってしまった。

2021-06-06

ティ

中野区中央は狭い敷地に同じような家が同じように建ち、みっしりと並んだ区画が続く。歩いているうちに自分がどこへ向かっているのかわからなくなる。東京住宅地はそんなものだといえばそうだが、中央と名乗るからには、もうすこし街らしい華やかさがあってもよさそうなものではないか? 中野区中央は、その種のにぎわいとは無縁な場所だった。

べつに好き好んで中央まで歩いて来たわけではない。職場の寺元さんがこの1週間ほど出勤せず、連絡もとれない。社長に渡された住所のメモ住宅地図のコピーを頼りに寺元さんの居所を探し、様子を探るよう、依頼を受けて来た。他に社員は私しかいなかったからそうなったわけだ。

ファート商会という会社私たち職場だった。本社中野にあり、放屁の気体用保存容器を製造販売している。このシリンダー状の容器に放屁を閉じこめておくと、どれほど時間が経っても、栓を開けさえすれば、気体が肛門を通って出てきた瞬間のフレッシュ臭気を嗅ぐことができる。このような器具にどれほどの需要があるものかと、最初私は半信半疑だった。が、細々と着実に注文が入り、会社は今まで生き延びてきた。

中野では誰もがその日を生き延びるのに精一杯だった。いちど中野駅で電車が止まれば、もう中野を出て行くことはできなかったからだ。

もう何年も前の話だ。夕方、私は仕事を終えて秋葉原から総武線に乗り、荻窪アパートへ帰ろうとしていた。電車中野で停まり、ドアが開いた。もともと中野での停車時間は不自然に長かった。新たに乗り込んでくる人はおらず、車内に放置された乗客は、列車が再び動き出すまで忍耐強く黙っているのが常だった。だがその日の停車時間は長すぎた。15分を過ぎた頃から、いらいらと外の様子をうかがったり、ホームへ降りたりする乗客が出はじめた。それでも列車は動く気配がなかった。30分が経過した頃、当駅で列車運行を終了する旨のアナウンスが流れ、乗客は全員が外に出された。それ以来、私たち中野暮らしている。

中野は孤絶している。東京の他の区からも、日本の他の地域から隔離されたままだ。新宿よりも西に向かう列車選択的にブロックするよう、政府からJR東日本命令があったとかいう噂だ。感染症拡散を防ぎ、テレワークの普及を急ぐためらしかった。通勤を控えるようにこれまでさんざん忠告したのだから都心通勤した輩はもう帰宅させなくてもよろしいというわけだ。だが噂は噂で、なぜ中野以西への鉄道運行が突然終了したのか、本当のことを知る人はいない。少なくとも中野はいないと思う。

中野で足止めされたら、人生中野でやり直すしかなかった(生き続けていくのであれば)。テレワークをしていなかった乗客は一瞬で路頭に迷った。中野で住みかを見つけ、仕事を見つけ、生活の糧を得ていくしかなかった。

練馬杉並新宿中野境界には有刺鉄線を張ったバリケードが設置され、高いコンクリート壁の建設が始まっていた。20小銃を抱えた警備隊が昼も夜もバリケードの前を行き来していた。こうした措置に抗議したり、やけを起こしたりして境界突入する人はときどきいたが、その場で「管理」され、戻ってくることはなかった。「管理」されたくなければ、望んで降りたわけでもない中野で生きていく他はなかった。

ファート商会は、中野へ流れ着いた人間で始めた会社だった。偶然に同じ場所居合わせた三人、空き家になっていた蔦だらけの木造家屋を見つけて寝泊まりしていた三人だった。私たちは手持ちの金を出し合って米を炊き、駅前広場で獲った鳩を焼いて共同生活を送った。放屁を保存するシリンダー型容器というアイディアを出したのは、社長の鬼澤さんだった。本人の話では、食品品質検査に使う精密機器会社に勤めていたそうで、その方面知識豊富だった。最初中国から大量に取り寄せたシリンダー小箱に詰め替えて転売していた(中野から移動はできなかったが郵便物は届いた)。仕入元と取引を重ねるうちに、小ロットでも自社ロゴマーク入りの製品を作ってもらえるようになった。

その頃には空き家相続人を名乗る人物から弁護士経由で文書が届いて、私たちは追い出された(急激な人口増加のため中野地価は上がったらしい)。駅近くの雑居ビルたまたま空きがあったのでそこに移り、事務所で共同生活をしながら放屁の保存容器を日本中に送り続けた。事務所とは名ばかりで、中国から届いた段ボール箱が積み重なる室内には洗濯物が下がり、夕食の豚肉を焼くにおいが漂っていた。

三人がそれぞれに部屋を借りて事務所から引越したのは、それからさら一年ほど経ってからだ。そうするだけの資金がようやくできた、そろそろ仕事プライベートを分けたい、当面は中野から出られる見込みがなさそうだ、といった思惑や妥協が交差した結果、私たちはそろって職住同一から職住近接の体制へ移行したのだった。

鬼澤さんに渡された地図コピーを見ても、寺元さんの住みかはさっぱりわからない。どの角を曲がっても同じような家並みばかりで、ときおり家の塀に貼ってある番地表示板だけが現在地を知る手がかりだった。ひと昔前までは、スマートフォン地図アプリを見れば迷わずにいろいろなところへ行けた。中野に閉じこめられてから、その類のアプリはなぜかいっさい起動しなくなった。だから中野住宅地図は貴重品になっていた。

何度も同じ所を行ったり来たりして、ようやく見つけた寺元さんの居宅は、路地の奥にあった。旗竿地というのか、家と家の間を通って行くと不意に現れる隙間がある。そこへはまりこむようにして古アパートが建っていた。鉄柵にかかるプラ板に、かすれた文字で「シャトーひまわり」と書いてある。柵のペンキはささくれ立った指の皮のように、いたるところから剥けて、露出した地金から赤錆が吹き出していた。一階の通路には落ち葉が吹き溜まり、繰り返し人が通った箇所では砕けて粉になっていた。各戸の前に置かれた洗濯機のカバーは、もとは水色だったらしいが、雨と埃をかぶり続けて黒くなっていた。

103号室には表札も呼び鈴もついていない。寺元さんの居所はここらしいが、本当にそうであることを示す手がかりはない。ドアをノックしたら全く無関係他人が出てきて、警戒心に満ちた視線を向けてくるかもしれない。そういう可能性を考えると、ドアをコツコツとやる力が自然に弱々しくなる。返事はない。中に人の気配があるのかどうかも分からない。洗濯機の上にはすりガラスの小窓がついているが、その奥で人影が動く様子もない。小声で名前を呼びながら再びノックしてもやはり返事はなかった。

寺元さんは出かけているのだろうか。あるいは先週あたりに部屋の中で倒れて誰にも気づかれず……不意にそんな想念にとりつかれたが、辺りは埃っぽい臭いがするだけだ。やはり出かけているのだろう。

その場を離れようとして歩き始めた瞬間、背後で音がした。振り返ると、寺元さんがドアの隙間から半分だけ身を乗り出し、こちらを見ていた。禿げ上がった丸顔はいつもより青白く、無精ひげの生えた頬がこけて見えた。「田村さん、なんで……ああ、そうか……まあ、ここじゃなんなので、どうぞ……」

「散らかってるけど」

といいながら寺元さんは私を部屋に招き入れたが、中は私の部屋よりもきれいに片づいていた。ローテーブルの上にはA4サイズポスターみたいなものが散らばっていた。猫の写真の下に黄色い枠が印刷してあり、「さがしています」という文字が見えた。

「先週から急にいなくなっちゃってね、ずっと探してたんだけど……」

猫を飼いはじめたと寺元さんが言ったのは半年ぐらい前だったかランチの時に写真を見せてきたのを覚えている。たしか、ニティンとかい名前だった。額の毛が富士山のような形に、白と黒に分かれている猫だ。

「この近所では、見つからない感じ?」

毎日そこらじゅうの路地に入って見て、電柱ポスターも貼ったんだけどね。今のところ手がかりはなくて……」

寺元さんは俯いたままTVリモコンをいじくり回していた。目の下にできた隈が濃かった。

中野では孤独死が増えているらしい。突然にそれまでの生活人間関係から切り離され、中野に閉じこめられた人々が、生き残りをかけてあがき続け、一息ついたあとに待っていたものは、容赦のない孤絶だったというわけだ。

職場への連絡も忘れ、一週間にわたって捜索を続けていた寺元さんと猫との個人的な結びつきは、どれほどのものだったのだろう。そして突然に去られたと知ったときの衝撃は……いや、仕事を忘れていたのではなくて、猫を探すために休むと言えなかったから、連絡できなかったのかもしれない。猫の存在が、どれほど寺元さんの柔らかいところに入り込んでいたか、誰にも知られたくなかったから、中野ではそれなりに気心が知れているはずの私たちにも、失踪事件とそれがもたらした内面緊急事態について、口を閉ざしていたのではないだろうか……

「鬼澤さんには、寺元さんが体調崩して寝込んでたとか言っておくので、ニティンの捜索、続けてください」

「気遣わせちゃって、ごめん。僕の方からも、後で連絡入れておこうと思うから……」

寺元さんはアルミサッシを静かに開け、冷蔵庫から麦茶を出した。梅雨時の空気で蒸し暑くなり始めた部屋にかすかな風が入ってきた。窓の外に見えるのは隣家の壁ばかりで、申し訳程度についたコンクリート製のバルコニーの下には、古い落ち葉が厚く積もっていた。その隙間に何か、木の根か、古い革製品のような、黒に近い焦げ茶色のものが突き出ている。表面には緑の苔か黴のようなものが吹いて、時折、びくり、びくりと脈動しているように見える。

「寺元さん、そこに、何かいるみたいなんだけど」

「ああ、それ、引っ越してきたときからずっとそこにあって……え、動いてる?」

その「何か」の動きはしだいに大きくなり、周辺の落ち葉がめくれて露出した土には蚯蚓や百足が這っていた。そこに埋まっていた朽木のようなものは、地表面に見えていた一部分よりもはるかに大きかった。それは蛹のように蠕動しながら室内へどたりと入ってきた。麦茶のグラスが倒れ、中身がフローリングの上に広がった。

その「何か」は動き続けるうちに表皮が剥がれて、琥珀色をしたカブトムシの蛹的なものが姿を現した。痙攣的な動きはしだいにゆっくりと、動物らしい所作が読みとれるようなものになってきた。やがて内側から被膜が裂け、現れたのは肌だった。真白なその表面へしだいに赤みが差してきた。寝袋のように床へ残された被膜から、人型をしたものが起きあがる。

それは姉だった。間違いなく姉だった。17歳の夏の夕方高校の帰り道、自転車ごと、農道のどこかで消えた姉。警察が公開捜査に踏み切り、全国の交番写真が貼り出されても、けっして戻ってくることのなかった姉。落ち着いたピンク色のフレンチスリーブワンピースを着て、薔薇色の頬に薄い唇と切れ長の眼が微笑み、当時の面影はそのままに、だが記憶の中の姉よりもはるか大人びた姉が私を見ていた。

「背、伸びたじゃん」

といいながら姉が私の腕に触れた瞬間、思わず涙がこぼれた。

「そうか、田村さんのお姉さんだったのか。だからずっとそこに……」

寺元さんは何か遠く、眩しいものを見るような目で、姉と私を見ていた。

「ニティンくん、きっと戻ってきますよ」

姉は寺元さんに微笑みかけながらも決然と言った。寺元さんは照れくささと寂しさの入り交じったような顔で笑った。が、不意に真顔に戻った。

「待って。聞こえる……ニティン、ニティン!」

というが早いか、寺元さんは部屋から駆けだしていった。

かすかに、猫の鳴き声のような音が聞こえる。涼しい夕方空気が窓から入ってくる。

「もうすぐディオニュソスお祭りだね」

どこか遠いところを見ながら姉が言う。

「もうそんな季節か」

中野ディオニューシアまつりは毎年初夏に行われる。今年もたくさんの供物を捧げた行列が、狂乱状態の男女が、鍋屋横町を練り歩くのだろう。中野で過ごす何度目の夏になるだろう。いつの間にか、夏の風物詩を繰り返す季節の一部として、中野で受け入れつつある私がいた。

初恋*れ~るとりっぷ』という女子高生鉄道ファンをやるきらら漫画

日常系サブジャンルとして最も注目されているのが女子高生が男の趣味をやるタイプ――『けいおん!』や『ゆるキャン△』、今季だと『スーパーカブ』がある。

女子高生鉄道ファンをやる漫画まんがタイムきららMAX掲載されている。

その名も『初恋*れ~るとりっぷ』。作者は永山ゆうのん。作者の名前なら『Summer Pockets』で知った人もいるはず。

タイトルが示す通り、仙台舞台鉄道旅行テーマにした4コマ漫画仙台にある駅や観光スポットから踏切まで出てくる。

現在は、きららアニメと深いつながりのある叡山電鉄とのコラボで描き下ろし小冊子が配布されており、ヨドバシカメラマルチメディア仙台では壁面がれ~るとりっぷ仕様になっている。

試し読み

単行本20ページまで電子書籍サイトで公開されているが、ニコニコ漫画では1巻の1話から8話まで公開されている。

初恋*れ〜るとりっぷ / 永山ゆうのん おすすめ無料漫画 - ニコニコ漫画







あらすじ

天満そらは、小さい頃に電車の中で面倒を見てくれた「お姉さん」を追って鐘ノ台高校入学しかし、その「お姉さん」はすでに高校卒業していることに気づき落胆していたところでまひろ先生出会う。そして、まひろ先生が「小さい女の子切符の思い出話」を聞いて、鉄道部に入部する。

登場人物

天満そら

本作の主人公東方仗助虹村億泰と同い年。

鉄道は苦手だが、なんだかんだで部活を楽しんで克服してきている。

ピンクの髪を水色のリボンでくくったツインテール。いつも、ニーハイソックスを履いている。

小さい頃、電車の中で泣いていた自分の面倒を見てくれた「お姉さん」を探すために、とわちゃんとともに鐘ノ台高校入学。「お姉さん」からもらった切符を大切にしている。

しかし、この「お姉さん」の話は8年前で、すでに高校卒業していた。そのことに気づき落胆しているところでまひろ先生出会う。そして、まひろ先生が「小さい女の子と思い出の切符の思い出話」を聞いて、鉄道部に入部する。

最初は、まひろ先生のために頑張る健気な女の子という印象だったが、話が進むうちに「オタサーの姫」、いや「オタサー百合姫」と呼ばれそうな気がしてきた。

女子高生特定趣味をやる作品は、おっさん美少女化もとい、鉄オタの美少女化と言われる風潮があるけど、そらちゃんに限っては正真正銘女の子に違いない。

宮沢まひろ

鐘ノ台高校教師担当教科は美術鉄道部と美術部の顧問を掛け持ちしている。

廃部寸前の鉄道部の部員探しに奔走していたところ、そらととわに出会う。

筋金入りの鉄道ファンで、部室にはまひろ先生コレクションがいっぱいある。

校内の服装不思議な国のアリス彷彿させる。金髪碧眼に青いカチューシャ、青いワンピースに白いエプロン、そして、黒い車掌かばん。

そらちゃんが探していた「お姉さん」の正体。しかし、正体が分かったとき出落ち感が半端ない。なぜなら、見た目があまりにも幼いから。そらちゃんと同い年に見える。

作中でもその見た目の幼さが言及されて高校制服を着るネタがあるけど、高校生どころか、小学生に見える。

から、まひろ先生の初登場シーンでは、ツッコミコメント殺到するに違いない。こんな感じで。

合法

お前のような教師いるか

お姉さんとは何なのか

とわちゃんのほうがよっぽどお姉さんだろ」「いや、あれはママだろ

テニスの王子様』や『スラムダンク』とコラボしたら大変なことになりそう。おっさんたちが多人数で一人の幼女を囲む構図が見えて色々と危ない。

おそらく、作者の性癖が最も現れているキャラ。前作にも見た目の幼い教師が出てきたし、作者の看板娘には飛び級した教師もいる。

まんがタイムきららありそうでなかったタイプキャラ

まず、きららでは女子学生部活日常を描く作品で、メインキャラの教師はまず見かけない。

また、見た目の幼い女子学生がそのまま教師になったキャラは、きららでも非常に珍しい。少なくともアニメ化したきらら作品ではまずいない。

きららには、たいてい年不相応に見た目が幼いキャラが必ずと言っていいほど出てくる。しかし、教師になると、年相応の見た目でどころか、メインの女子学生よりも大きめの体型になる。

したがって、まひろ先生は、きららでは割と斬新なキャラだと言える。

見た目が幼く、性格子どもっぽいが、面倒見が良いため、そこに母性を感じるかもしれない。

星祭とわ

そらちゃん親友

そらちゃんとともに、鐘ノ台高校鉄道部に入部。

黒髪ロングのおっとりお姉さんだが、別に鬼畜要素があるわけではない。

料理を食べることも作ることも好きな健啖家。それが高じて、入部後には駅弁に詳しい駅弁鉄になる。

恋愛感情に敏感で、百合ップルを見るのが好き。そらちゃん応援している。

ゆるキャンだと、各務原なでしこ犬山あおいを足して割ったような感じ。

宮沢みかげ

まひろ先生の妹。

姉とは対照的に年相応の見た目で、長い金髪を赤いリボンでくくってポニーテールにしている。

最初は、鉄道知識豊富でないと鉄道部に入れないと勘違いしていたが、そらちゃんととわちゃんに説得され、鉄道部に入部する。

時刻表が大好きな時刻表鉄。部活では時刻表を読んで暗記している。

強気性格で、作中のツッコミ役。ただし、本人も少し抜けているところもある。

姉のまひろ先生に憧れているが素直になれず、ツンツンしている。

そういう意味では、『きんいろモザイク』の小路綾に似ている。

地下鉄でそらちゃんと乗っているとき、まひろ先生への好意をそらちゃんとの秘密にするために「おねえちゃんだいすき同盟」を組む。

小川琥珀

鐘ノ台高校生徒会長

灰色の髪に、白い帽子と紫のバラトレードマーク

おとなしい性格で、語尾に「~だよ」と付けるのが口癖。

発車メロディ電車モーター音に詳しい音鉄。その他、鉄道知識にも詳しい。鉄道の話になると、まれオタク特有早口になる。

最初は、鉄道趣味は一人で楽しむものだと考えていて鉄道から距離をとっていたが、鉄道が苦手なのに入部したそらちゃんに興味を示し入部。廃部寸前の鉄道部を救った。

普段の表情と感情を露わになったときの表情のギャップが魅力。それが最も現れた1巻の温泉回や2巻の横浜回は必見。

感想

女の子がとにかくかわいい

ごちうさきんモザにも言えるけど、かわいい女の子かわいい事をする漫画を読むと、読んでいるだけで幸せになれる。

まひろ先生が出てきたとき「幼すぎんだろ…」と突っ込んだけど、この子がそらちゃんが憧れている「お姉さん」の正体だと分かると「お姉さんとは何なのか」と言いたくなった。

そらちゃんは、恋と鉄道を頑張る健気な女の子という印象だったけど、2巻で人間関係が進んでいくにつれて、ある意味ヤバいと感じた。

琥珀ちゃんは、普段の表情と感情を露わにしたときの表情のギャップがたまらない。1巻の温泉回と2巻の横浜回は必見。

鉄道旅行というテーマ」と「かわいい女の子かわいい事をする」という塩梅ちゃんとできている。

きらら部活もの後者に傾倒してテーマがおろそかになりがちだと言われるけど、だからといって前者に傾倒すると「オタク早口言葉」や「学校の居眠り授業」のようになってしまう。

この漫画は読んでいるだけで幸福感が得られると前述したけど、鉄道ファンから評価も高い。連載開始時点で聖地巡礼する人が出てくるレベル

ちなみに、いまのところ撮り鉄は出ていない。

どちらかというと鉄道よりも旅行の要素のほうが大きいかな。まさに『かわいい世界の車窓から』。

鉄道テーマにしていると、どうしても鉄道界隈の人間が読む漫画だと思われがちだ。

しかし、鉄道界隈にいない人でも十分に楽しめる作品だ。癒やされる。かわいい女の子たちのかわいいやり取りを見るのが好きな人は、ぜひ読んでもらいたいところだ。

他の人の感想(ネタバレ注意)

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2021-06-03

ひとつなぎの書き込みワンピース)は実在する

偉大なる場末グランドライン)の

最終の新着記事ラフテル)に…

ひとつなぎの書き込みワンピース)は実在する!

どんっ!!

2021-06-02

前世旅行してきた

二日前、オモコロ催眠術記事を読んだことをきっかけにYouTube催眠術動画を見た。ヒプノディスク(なんかようわからんぐるぐるするやつ)を見ているうちに手が開かなくなったりとか、そのまま目を閉じるとまぶたが開かなくなったりとか。そういう5分に満たない動画。数年前にこれを試したときはてきめんに効いて驚いたのだけれど、今回は二度目だからか、当時よりも大人になったからか、はたまたヒプノディスクってヒプノシスマイクみたいだな…と邪念が湧いていたからか、催眠に対して抵抗することができた。アッもしかして"ヒプノ"は催眠を表す単語ですか?

その流れでおすすめに上がった前世催眠前世瞑想…?の動画を見ることにした。こちらは30分程度の大作である人生の30分をこれに使うのかと思ったけれど、どうせ暇なので、惰性のままに再生ボタンを押した。導入。ゆったりとした女性の声が私にリラックスを求めてくる。部屋を薄暗くし、マットレスに横たわり、命じられた深呼吸を繰り返しているところでアロマを炊けばよかったかとほんの少しだけ後悔した。埃をかぶっているアロマランプはこういうときに使うものだろう。たぶん。

さて、動画女性は私が完全にリラックスできたていで話を進めていく。私の精神深呼吸くらいでリラックスできないし、身体深呼吸くらいで脱力できないのだけれど、まあ、しかたがない。というか呼吸って意識すればするほどに浅くなりませんか?ほんとうにアロマを炊けばよかったと思ったよ。とにかく彼女は私に目を閉じろと言った。私は閉じた。あなたは海にいますと言われた。海。これまでの人生の1/3を海沿いの町で過ごしてきた私は海のイメージに自信があった。今となっては思い出の中にある海。真っ暗な空とそれよりも深い色をした海面、テトラポットに打ちつけられる波の音と飛沫、寒さでざらざらとするような潮風とその匂い。遠くで空港につながる道が光っている。

満天の星が輝いていますあなたを包む風はあたたかく……」と女性が言った。後出ししないでほしかった。思い出をまるめて捨てた私はおそらく海外だろう美しい砂浜を作り上げることに努めた。

この時点で結構いっぱいいっぱいというか、彼女が想定している私の脳内と実際にかなりの乖離があったのだけれど、彼女はペースを緩めてくれない。その海の中からなにかがあなたを案内するために迎えにくると言われ、それは人かもしれないし動物かもしれないし物体かもしれない、とにかくあなた安心できるものだと。ところで、私はそれまでの時間乙女ゲームにかけていた。攻略対象picをずっと見つめていた私が急拵えで作った「私を迎えにきた安心できるもの」は当然のように攻略対象だったわけだ。

いや、ちがうだろ、と思った。

前世乙女ゲーム攻略対象に案内してもらうのは違うだろ。

私はそのイメージを打ち消すと、白いワンピースに身を包んだ幼女一心不乱に想像した。案内役が幼女安心できるのかと言われたらNOだと今になれば思うのだけれど、そのときは焦っていた。幼女は……というか動画女性は私を海底に導いた上で目の前に門があるとぬかす。門。門か。門ってなんだろう。コナンアニメで出てくるあれかな?両開きの扉がついているやつ。もうそれでいいよ。妥協が肝心だ。この門をくぐると私は前世体験できるらしい。いよいよである

これはもうほんとうにイメージの話であるのだけれど、事件の始まりを予感させる扉の先で脳内に浮かんだものショッキングピンクだった。女性が足下を見てくださいと命ずる。なにを履いていますか?それとも裸足でしょうか……ゴールドハイヒール……ハイヒールということはドレス……いやでも前世パーティードレスを着るか?ドレス……なんかもっとこう異世界転生して悪役令嬢になった主人公が着るような……マリアントワネットみたいな…………連想ゲームのような感じで私の前世は決まった。中世ヨーロッパ貴族の令嬢。連想ゲームというか乙女ゲーム世界から抜け出せていない感じは否めない。あと、ショッキングピンクはまじで関係がなかった。なんだったんだよ。

女は「前世あなたいちばん幸せだった場面に飛びます」と言った。私は飛んだ。素直だから。その場面の私は幼女の姿をして椅子に座っていた。優しそうな侍女が私の長い髪をくしで梳かして、ととのえている。指先や表情から彼女が私をかわいがってくれていることは明らかだった。嬉しいなあ。幸せだなあと思ったけれど、これをいちばん幸せな瞬間とするならば前世の私はよほど不幸だったのか。はたまた、ありふれた日常の一幕こそがほんとうの幸福なんだよ、そういう教訓だろうか。とにかく私は侍女のことが大好きで彼女ハグをしていると「今度はあなたいちばん愛情を感じた場面に飛びます」と指示が入る。飛んだ。そこは、舞踏会か、なにかしらのパーティーの壇上だった。17歳の私はそのきらびやかな席で主催である父親に娘だと紹介されている。そっかあ、そうかあ。だれに紹介しても恥ずかしくない娘か……

ぶっちゃけ、これが前世のはずはないのだ。わかっている。ただイメージを作ることを強制された脳内の中で自分欲望は思いがけず、はっきりと浮かぶもので、要するに私はすでに父親がいない。彼は再婚した先で新しく家庭を築いている。そうして私は、私が、両親にとってよくない娘であったことがずっとコンプレックスだった。そのことで苦しむ夜は数年単位で訪れていないのだけれど。

なんだかしゅんとしてしまった。あと、この場にさっきの侍女がいないことがさみしかった。なんとなく彼女はすでに私から離れているような気がしていた。さっきから母親の影がないこともなにかしらの表れかと悲しい思いがする。

しか感情に浸る間もなく「現世であなたレベルアップさせるための場面に飛びます」と女がめちゃくちゃを言った。それはもう私の脳内にないだろって。そのイメージ材料無意識下にでもないだろって思ったのだけれど、だからなのか、使い回しのように私は海辺にいた。差分変化として夕暮れだった。隣に妙齢女性

彼女は厳しい目で海をながめていた。馬鹿にしているようでもあった。ただ、私は怖い顔をしているけれどこの人はほんとうは海で遊びたいんじゃないかな?と考えていた。誘ってみようかな。ああでも彼女も美しいドレスを着ているから海に入れないか。でも……「あなた前世から戻ってきます。少し先の未来レベルアップしたあなたはなにをしていますか」私は職場にいて、四月に入職したり異動してきたりしたまだ親しくない同僚にいっしょに仕事しましょうと持ちかけていた。それを終えて、大変だったけれどやってよかったですねえと笑った。

これで前世旅行おしまい不思議な三十分間だったので記録しておきたいと思って、これを書いた。なんの意味もない。この話をしたら友達からは「新興宗教か?」と訝しまれたのだけれど、それはほんとうに私もそう思うよ。

anond:20210602074940

剣士とか魔法使いとか具体的な武器職業指定ちゃうと、技や衣装限定されて展開が広がりにくいじゃん?エンタメはざっくりしてた方がその後の広がりがうまくいくんだよ、ナルトキャラが全員クナイと手裏剣だけで戦うよりチャクラかいうなんでもあり超能力で戦った方が面白いみたいなもん。ブリーチだって「刀」という名前をつけてるだけで実質なんでもあり超能力だし、肉弾戦のワンピースだって主人公の手足が伸縮自在特定武器モチーフになってないし悪魔の実もなんでもあり超能力特にドラクエ職業選択できるし、わざわざ展開の幅狭める理由もないか抽象的な「勇者」にしとくのがいいんだと思うよ

anond:20210602074940

剣士とか魔法使いとか具体的な武器職業指定ちゃうと、技や衣装限定されて展開が広がりにくいじゃん?エンタメはざっくりしてた方がその後の広がりがうまくいくんだよ、ナルトキャラが全員クナイと手裏剣だけで戦うよりチャクラかいうなんでもあり超能力で戦った方が面白いみたいなもん。ブリーチだって「刀」という名前をつけてるだけで実質なんでもあり超能力だし、肉弾戦のワンピースだって主人公の手足が伸縮自在特定武器モチーフになってないし悪魔の実もなんでもあり超能力特にドラクエ職業選択できるし、わざわざ展開の幅狭める理由もないか抽象的な「勇者」にしとくのがいいんだと思うよ

2021-05-29

政府IOCが手を組んで日本をめちゃくちゃにしようとしてくる展開、最近ワンピースじゃん

2021-05-27

anond:20210527185949

男性は短いワンピースを着ていたので勃起しているのが見えて、一層怖くなった。

ヒェー

2021-05-25

ワンピースのナミの人気

普段は男どもに恐れられて気丈に振る舞いあるときはアネゴ、あるときオフクロ的な振る舞いはするけれど、

ココ一番って時には涙を流して『助けて…』しちゃったり

歯を食いしばって涙を流しても『ルフィは私の海賊王』的ムーブする

これこそですよ。

これこそヒロイン

『いざというときには健気に涙を流して男を求める』

コレなんですよ。


フェミニズムとかLGBTとかくそくらえ。

女はこうでなくちゃいけないんですよ。

世界がこういう女を選んでるんですよ。

上司さんお願いします女の容姿について小粋なジョークをかまさないでマジで病むぞ

どうしても!ゆるせないことがあったので!身バレ覚悟で書いてしまうヨ!

私の上司Aさんは、うちの会社には珍しく、女性差別的にとられかねないことを、スラっと言ってしまう。

女は感情的だ。

女は好き嫌い仕事をする。

女は合理性に欠ける。

女は狭窄的に物事をみる。

雑な物言いではあるが、そうかもねと思う部分もある。

感情表現することや、好悪の価値観仕事に反映させること、合理性からこぼれ出るものを掬いとる能力や、ミクロ世界凝視できることが活きる職種だし、なによりAさんが、そういう資質をもっている人である

40代男性である彼が、そのような気質を抑えながらマネジメント業をがんばっているのだから、「女ばっかりずるぃょ」という泣き声と思って、あたたかく見守っている。

しかし、どうしても耐え難いのが、女性容姿に対する言動デリカシーの無さよ。

「おまえでも、そういう服を着ていれば見られなくはないな」

「このSlack写真、実物よりかわいすぎないか?」

「えええ?今日ワンピース着てるじゃん、他人送別会で何がんばってんのwwww」

まあ、いい。

よくないけど、おじさんだから女性容姿へのデリカシーが行き届かなのは大目にみよう。

おじさんも女性から、このようなデリカシーのない言葉を向けられることは多々あるし、そのことをおじさん側が声高に批判しにくいご時世だ。

おじさん好きとして、甘んじて受けとめよう。




が、先ほどまたしてもそのようなお言葉を頂戴したときですね、

「もお。そういうこと言わないでくださいよお、メンタル病みますからwww」(和訳:黙れ)って言ったのね。

そうしたらね。

メンタル病むって……本当にメンタルを病んでいる人が聞いたらどう思うかな? 冗談だとしても、適当ではない表現なので訂正したほうがいい」





くそがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


メンタル病むっていうのはな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

てめえみたいな人間がな!!!!!!!!

小粋な冗談なのか本音なのかわからない容姿への批評をな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

月数万におよぶ美容費や、毎日早めに起きてメイクする時間や、日々老い身体やコンディションの波へのあらゆる抵抗を経た、女の体に行われてな!!!!!!!!!!!!!!!

自分価値が低く値踏みされたことに深く落ち込んだり!!!!!!!!!

それによって自分身体への認知がゆがんだり!!!!!!!!!!!!!!!!!!

その結果、いまの自分身体ではだめだ、もっとれいにならなければって強迫性を強めたり!!!!!!!!!!!!!!

その結果、身体の変化に対し偏執的なこだわりが生じたり!!!!!!!!!!!!!!!!!!

する、その、苦しみという、意味だよ覚えといてくださいやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!


※実際、認知の歪み、強迫性偏執性の強まりというのは、程度が強くなれば精神疾患として治療対象になるだろうし、少なくとも私は摂食障害醜形恐怖でカウセ受けているのでその私怨(?)は多分に含まれておるのだが。



でもねえ。

からないよね。

少なくとも、彼がわかっていないことは、わからない場所にいることは、わかる。

からないひとに「わかってないね!」って言ったところで、相手がわかることはまずない、っていうの、齢30を越せば、さすがにわかってる。

から「ウフフ、なるほどそんなふうに思えてませんでしたぁ。そんな配慮もできる上司がいる職場で働けることに感謝感激ありがとうマジで。ア・・リ・ガ・ト・ウ・ゴ・ザ・イ・マ・ス!」

って微笑みの爆弾を、ぶちこむのが、かしこいオンナの所作ですヨネ。

わかってる。

わかってる、からといって、許せる、わけではない。

はやく、その口を、閉じて。

女は、あなたのような人の冗談でたやすく、ルッキズムという永久地獄に絡めとられていくのだから

2021-05-18

ワンピースは終盤に向かっているが内容の密度が上がり続けているのでいつまでも終わらない

黒ひげ海賊団の幹部さらに下のキャラ1人と戦うのに1年ずつかけても不思議ではない。

ワンピースならやってくれそうに思える。

人の夢は終わらねェしワンピースも終わらねェ。

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