2021-06-09

夏がくる

外に出ると、庭のナンキンハゼの木が「アツイ アツイ」と言っていたので、もうすぐ夏がくると思った。

息を吸うと、梅雨特有湿度を伴った空気が肺を満たした。

雨上がりのせいか、遠くの山がとても綺麗に見える。暑い

空を見上げると、太陽が「申し訳ない」というように両手を合わせていた。

  

さて、と私は思った。

  

庭の隅に小さな家庭菜園がある。4月トウモロコシ里芋を植え付けて育てていた。

先週、実をつけ始めていたトウモロコシが夜の間にタヌキに食べられて全滅した。ネットを張っておくべきだったなと思ったが、もう遅い。

トウモロコシには悪いことをしたと思った。

  

里芋の方は順調に茎を出し葉を伸ばしている。

一週間前までは手のひらより小さかった葉が、今はもう顔くらいの大きさになっている。

10株ほどある里芋の一つ一つを見て回り、「大きくなったなあ」と呟いたら、その一つが「ソウカモネ。」と返事をした。

  

私は、家庭菜園野菜たちにはある種の愛情のようなものを持っている。

しかしその一方で、この愛情は食べる側から一方通行愛情に過ぎないと思うこともある。

ライオンを好きになるインパラがいないように、人間を好きになる里芋もいないのではないか

私のことをどう思っているのか。聞いても答えてくれないだろう。

  

暖かい風が南から吹いて私の前を通り過ぎていった。

朝まで降っていた雨の名残の水滴が、里芋の葉の窪みに溜まって、キラキラと光っていた。プールみたいだなと思った。

よく見るとカエルが一匹気持ち良さそうに浸っていた。

耳を澄ますと「結構結構。」という独り言が聞こえた気がした。

  

一通り見回ったので、家に戻ってアイスコーヒーでも飲もうかと思った。

庭の小道を歩くと乾いた砂利がザクザク砂糖のような音を立てた。

ナンキンハゼの木は相変わらず「アツイなあ、アツイアツイ。」と言っていた。

空を見上げると、太陽が両手を上げて吹っ切れたようにゆらゆらとダンスをしていた。

  

もうすぐ夏がくる。すぐそこに来ている、と私は思った。

  

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  • 農家増田よんでねーのか?本家からしたら家庭菜園なんかごみなんだよ消えな

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