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2019-12-22

おっさんだけどお洒落したい。

ユニクロ無印ABCマートに飽きた。

でも正直駅の「船たち」とか行っても雑な染色縫製の服に信じられない値札をつけて売っているだけで

あんなの欲しいと思わない。「明日世界」でも細身で華奢なデザインに服ばかりで、オッサンはくるな

といわんばかりだ。だからと言って「真珠色の門たち」「父たち」みたいな中小社長が来てるような服は

ケツ食らえと思う。

ロロピアーナとか縫製も染色もデザインもいいなと思うけれども、平民消耗品として賄える金額でない。

でも正直どうしたらいいかからない。消去法でとりあえず「J圧縮」とかで様子見るしかないのか。

デザインも縫製もブランドも信用できない、

それで皆さんワークマンとかモンベルとかパタゴニアかになっているわけなのか。

anond:20191222004526

ブコメで挙げられてるのが悉く別に欲しくないものばかり…

写真

すっぴん髪ボサ使い古し室内着の姿なんか残したくもない

菓子類

元々好きじゃないので別に嬉しくはない。無難ではあるだろうけど。家によってはお歳暮なんか貰ってて溜まってる時期かも

冷凍食品

自由に買い物行けないんだから冷凍庫は常に満杯、まして正月前なんていつも以上に買いだめしてそう

・酒

授乳してたらアウトじゃない?

・茶、スープ味噌汁

熱い飲み物子供いたら火傷しないか気を遣う

入浴剤ハンドクリーム

子供いたら入浴剤は使えないしハンドクリームも効き目第一で選ばないと手が荒れ放題になるから

洒落で良い匂いがするけど効き目がない系はこやし化する

美容

使ってる暇あるわけないだろ

子供預かるから遊びに行って系

子供いない人に1歳児を預けられるわけない(やった事もないのに世話できんだろ)&普段から親に預けてるなら親に預けるだろ普通

じゃあ何が欲しいかっつーと物理的なもの別に何も欲しくないけど強いて言えば金

anond:20191222004526

東京の小洒落お菓子いいなー

子連れだと出かけるのが難しいし小洒落た店には入れないしそう言うのと縁遠くなるから、美味しい菓子お茶入れてもてなしてくれたら嬉しい

子育てをがんばっている母親に/追記しました

増田子育て関係の話があがるたびに姉のことを思う。地元職場結婚をして実家の近くに家を建てて3歳の女の子と1歳の男の子を育てている。姉は働いていることもあって実家が近所だから親が姪っ子と甥っ子の面倒を見によく赴いているらしい。家庭科教科書にでも載りそうな家庭。自分と違って、ちゃんと家庭を作っている。歳の差は1つなのに、同じ環境で育ったはずなのに、こんなにまっとうに生きている姉を誇らしく思うし、上京してふらふらしている自分に悲しくなったりする。

もう12月で、年末年始帰省する予定。帰省すれば姉は喜んでくれるし姪っ子や甥っ子も構ってくれるのが嬉しい。だから何か手土産を、と考えている。いつも帰省の際には母親からリクエスト崎陽軒シューマイとか虎屋羊羹とか)を持って行くのだけど、姉夫婦にも何か渡したい。

何がいいんだろう。子育ては大変だなって増田を読んでいて思うから、できれば姉の為になるものがいいのだけど、東京お菓子とか逆に失礼だったりしないか心配で、だれか助言をください。お洒落お菓子を買っていったら「自分お菓子を楽しむ余裕もないのに」なんて思わせないだろうか。姉はそんなことを思う人じゃないのだけど、育児に疲れていたら卑屈にもなるかもしれない。むしろこういうのが欲しいとかあったりするのかな。大学進学とともに上京してふらふら生きている妹からもらって嬉しいもの、そんなものはないのだろうか。子ども用のおもちゃとかは姉は考えて買うタイプからダメだと思う。

なにか癒しになるものお土産にしたいのだけど、あからさまな癒しのものは失礼な気がしてる。「疲れてると思われている」なんて思わせるのは本当に失礼だ。みんな帰省土産にはどんなものを選んでいるんだろう。

子育てをしているお母さん方、もしこの記事を目にしたらアドバイスをいただけたらと思います

家庭を作っていること、子育てをしていること、本当に本当に尊敬する。だから何か、何かを渡せたらと思うのだけど、次元が違いすぎて何を贈ればいいかからない。


[以下追記です]

たくさんのご意見、本当にありがとうございます。嬉しいです。

トラバいただいた再投稿の件は、そういえば増田書いたなと確認したときにあまり増田に慣れてないこともあって公開できてないと勘違いして再投稿してしまいました。

前に投稿した際に見てくださってたんですね。嬉しい。ありがとうございます。同じ内容を再投稿してしまってごめんなさい。

乞食と言われたら他の人の意見が欲しかったので乞食です。

たくさんのブコメいただけて嬉しいです。ありがとうございますスープストック自分もよく行くのでお土産に買って行こうと思います

沢山の意見をいただけて知見が広がりますハンドクリーム贈りたい!と思ったんですが帰省土産らしくないかなと思ったので、姉の誕生日近くに帰省して誕生日プレゼントにしようと思います

写真の案とても素敵で、帰省の際にはカメラを持って行こうと思います。考えもしなかったので増田に書いてよかった。今回だけじゃなくて数年撮りためてフォトブックにしたらサプライズにもなるかな、喜んでくれたらいいな。

本人に聞こうって意見もあって「できるならしてるよー」ってPCの前で言ってしまった。聞いても姉は「なんでもいいよー、お土産なんていらないよー」と言う人。だからこそお土産を買っていきたい。

アドバイスくださった方々、本当にありがとうございます蛇足ですが、子育てをしていることって凄いことだ。家庭を作っていること、子育てをしていること、凄いことだと思う。自分は姉にしかその敬意を伝えられないけど、みなさん本当に大変なことをやっていて。ただただ凄いなと思っています

2019-12-21

anond:20191221181103

そもそも洒落層はesportsなんか興味ないと思う

ゲーム業界自体センスがああいう感じ(でなきゃもっと子供向けか二次元オタク向け)なわけだし

そのセンスが未だに残ってる場所はある

anond:20191221003651

かに指ぬきグローブにチェックシャツ絶滅危惧種

しか現在も、ああいう「オタク的なセンス」が盛り上がってる界隈が存在する

そう、プロゲーマー界隈だ あのセンスは正直見てられない

ガンプラ的・ペルソナ的なオサレセンスで配色された、ロゴラインゴテゴテのユニフォーム

そしてデコトラセンスで飾り付けられた、LEDゴテゴテビカビカのゲーミングPC

マジメに、e-sportsもっとメジャーにしたいなら、このセンス刷新しないと難しいと思う

ダサいオタク同士で遊んでるようにしか見えんし、お洒落層な層はあんジャージ着るくらいなら出場を辞退する

2019-12-17

キャンパーyoutuber底辺飯女配信者がうざい

wawawaという、汚い座敷で汚い飯を食う動画配信者が居る。汚いけれど、1:1ハイボールをズルズルと飲み豪快なその食べっぷりが制約の多い現代社会からの開放感を感じる事ができる素晴らしい配信者だ。

ある日twitterを見てると、wawawaさんのレシピ再現してみた、という動画があった。

おっ、と思って見ているうちに、違和感を感じる。そいつ、無理矢理カメラ自分の顔を入れようとするのである

しかアヒル口。顔も地味な、これといって特徴のない顔。ぶりっこされると一番頭に来る顔だと言ったらわかるだろうか。

何度も入ってくる。

これが、自分で作ったメシならいい。しかしこいつがやってるのは、wawawaさんのネームバリューを使って自分の顔を売り込もうとしているだけだ。

wawawaさんを汚された気がして腹がたった。wawawaさんは確かに汚れてはいるが、心は純粋だ。その純粋さを汚い顔と精神で汚された気がしたのだ。

美人ならわかる。でもいかにも底辺飯を食ってそうな女が、アヒル口で顔をプルプル震わせながら底辺飯を食す世界を俺は許さない。

最近キャンプ動画を見るのにハマっていて、時たま女キャンパー配信をしている。

キャンパーは金があるのか知らんが、やたらいいお洒落キャンプ道具を持ってる。当然その道具に興味を持つ訳だ。

しか動画を見ると、youtubeの画面の4分の1が、女キャンパー顔面で常に占められてる。

かに可愛い美人だ。化粧もしっかりしてる。山中に行くのに化粧しっかりするんだ。

キャンプなので、結構細かく手元を映すシーンが多い。その時は顔が見えなくなる筈だ。焚き火はどういう道具で火をつけるのだろうか?

そう思って眺めていると、急にカメラ位置が変わる。画面の4分の1が、スタイルの良い女の全体像になる。手元は見えない。

キャンプも、底辺飯も、どちらも自己満足世界だ。そんな自己満足世界を覗き込むのが楽しいのだ。

お前は目の前のキャンプ底辺飯という自己満足を写したいのではないのか。

なぜ女を売ろうとするのか。お前にとって目の前のキャンプと飯は、自分を映えさせる為の道具でしかないのか。

はいつもそうだ。目の前の出来事より、自分を売り込もうとする。

そうやって入ってきたミーハーが、「安心してキャンプできない!」とか言い出して、保護を求め、山に手すりをつけ、警備員をつけ、植民地にしようとする。

自己顕示をしたいならインスタで自撮りでも上げてろカス

2019-12-16

豆腐を堪能する冬にしたい増田住まい足しに湯フル吸う暢たを風と(回文

おはようございます

本格的に寒くなってきていかがお過ごしですか。

そんな冒頭の出だしはいくつかの時を超えてたくさん書かれてきたんだけど、

依然として冬は寒く私の手は悴んでしまいそうなほどなんだけど

今年は横着してエアコン暖房なんだけどすごく乾燥して、

いい加減出す出す詐欺で出すと言っていた石油ファンヒーター

出すって言ってから1ヶ月は経っていつという有様なのよね。

やっぱりあの温まりっぷりが瞬間的にホッツな状況を作り出してくれる且つ目覚めのいい暖かい朝のホッツミルクのような優しさも持ち合わせていて、

マジ寒いからこれは本格的に宣言して石油ファンヒーターさなくちゃって思ってる矢先なの。

豆腐をね豆腐をね

焼いたら美味しいって言わんばかりにフライパンで焼いてみたら肉にはならなかったように

畑の大豆って言うぐらいだから

しっかり木綿豆腐を水切りしてちょっと固めの肉感あふれるさまにしてみて、

じっくり焼いてみたところで

なんだか焦げたところは肉のような食感、

そう目を閉じれば食感だけはバービーボーイズみたいな感じで、

先日やってた細かすぎるモノマネ大会モノマネが本当に全般にわたってよく分からなかったかのように、

私はチャンネルを変えてみようと思って見たら、

料理チャンネル豆腐焼いてたわけ。

その頃私はちょうど買い物帰りで木綿豆腐があったか

ここぞとばかりに豆腐を焼いたって具合なのよ。

やっぱり畑の大豆とは言え肉とは別物で

厚切り木綿豆腐は中はふんわり豆腐のままだったから、

これもしかして

厚さを2分の1にして薄くして焼いたらさらに二区間を完走してしまいそうな勢いの肉感が溢れるのかしら?って挑戦してみたけど、

私はその時、

他の食材白菜やら豚肉やらキノコ類はこれだけのエノキダケとか

色々蒸し焼きにして、

それもう鍋にしてもいいんじゃない?って思ったけど

あとはポン酢でなんとかなるわ!って味付けが聞いたのか、

蒸し料理にしたところで、

私の木綿豆腐焼きは完結したところなの。

でさ、

ポン酢のあの液体をジュレにした小粋な料亭小鉢もあるけれど、

それをさらに上行くお洒落小鉢私であったのよ!

泡泡ポン酢

ふんわりメレンゲ形式のその泡ポン酢はほんのりとポン酢の酸味と塩味を感じられる、

霧吹きみたいな減塩醤油差しのワンプッシュ0.021グラムという塩分量で超絶減塩できるじゃない!って思わせるほど

草原香りを感じるってワインプロソムリエの人が言いそうなことを言っちゃいそうよね。

でもさワインソムリエの人がワイン果実感!って言うんだけど、

どう見てもワイン葡萄100パーセントで出来ているから、

果実感もなにももともと果実だしって

ファンタグレープを飲みながらそう思ってやまないわよね。

だってファンタグレープの味わいをソムリエの人が飲んだら首をかしげそうだけど、

ファンタソムリエの人が飲んだら、

このファンタグレープ味の果実感!ってそれ無果実からね!って

秘密の合い言葉を言い合いたいところなんだけど、

結局はなんだか雰囲気でみんな物を言ってるだけかも知れないか

あながち

木綿豆腐も焼いてみると真理がうかがえるかも知れないわ!

豆腐ソムリエの人に焼いた豆腐食べさせたところでこれは豆腐ですよね!って言いたさげだけど、

私はそれはそれで

またじっくり豆腐を焼いて晩ご飯のおかずの一品にして見たいところだと思ったわ。

でね、

テレビの街ぶらチャンネルあるじゃない、

あれのパフィーさんバージョンがあればいいなと思って、

もうただただ蟹食べに行くロードムービーさながらの

パフィーさんが各地の蟹を食べまくる番組があったら私見てみたいわって。

番組中のビージーエムは「アジアの純真」で

そこはカニ食べ行かないのかよ!って総ツッコミされそうな展開で、

結局はあのカニ食べに行こうって言う歌なんだっけ?と

カラオケでこの時期100人100人が「アジアの純真」を間違って曲入れちゃうで、

あれ?サビの部分でこの歌違うじゃん!って、

繰り広げられてるこの忘年会シーズンじゃない?

これみんな毎年やってるわよねーって思っちゃう

うふふ。


今日朝ご飯

レタスハムサンドよ。

タンパク質野菜炭水化物と万能サンドイッチだわと私は思うんだけど、

これってかなり理に適ってるわよね。

シャキシャキ感もいいじゃない。

今日デトックスウォーター

広島県産国産レモンがじゃんじゃん出てきたので皮ごと使えるからいいわよね!

国内産絶対の信頼を寄せてる人っているけど、

私もその1人かもしれないし、

三日月切りにしてたくさん冷凍してストックして早めに使っちゃわないと、

だんだん冷凍と言えども状態ベストのところから下回ってくるから

やっぱり冷凍と言っても無限ではないみたいね

そんなレモンホッツウォーラー

レモン冷凍する前の切った切り立てなので

フレッシュレモン感が抜群で

果汁感も感じちゃうわ!


すいすいすいようび~

今日も頑張りましょう!

2019-12-13

anond:20191212201348

隙あらば自分語りで恐縮だけど、

先日できた私の彼氏もこの境地に達しているのかもしれん...外見を全く気にしていない。

というか好きなタイプがないらしい。好きな芸能人聞いてみたけど皆無。多分なんでもいいんだと思う。

では私のどこが好きなのか聞いたら「フィーリングが合った」とか「一緒にいて楽しい」とかそういうことしか言わない。

デートにお洒落していっても外見について一切言及されない。唯一、「ピアス(実際にはイヤリングだが)沢山持ってるね」と「髪の毛なんで染めてるの?」だけ言われたことがある。

頑張りがいがないなーとは思うけど、元々そんなお洒落が好きとか拘りがある方でもないのでプレッシャーなくてめちゃめちゃ楽。

やっぱフィーリングだよなぁ。

2019-12-12

出会い系アプリ友達を失った話

私の高校時代から友達に、とても美人女の子がいた。

華奢で、シンプルニットタイトスカート高校のうちから着こなして、大学では大学院まで行って英語を学んで海外仕事をしたいと語る、耳で綺麗に揃えられたショートヘアの彼女は、私の自慢の友人だった。

高校卒業して大学に入っても、彼女とは頻繁に連絡を取り合っていたし、お酒を飲めるようになってから月に一度は私たちには少し敷居の高いお洒落なお店で近況報告をした。ふたりで丸一日ディズニーランドで過ごすことなんて何度もあったし、初めての海外旅行は彼女とだった。つまり、かなり仲が良い女友達だったのだ。

彼女はあまり男運が良くなかった。

本気で好きになった人に秒でやり捨てされた大学1年の夏、男がダメなら女と付き合うことにしたと言っていた(私はその日初めて彼女バイだったことを知った)翌月、親のために結婚をしたいと言われ振られたと泣いていた2年の春。

もはや自暴自棄になった彼女が手を出したのは出会い系アプリだった。

そこで出会った10個上の男性は、彼女曰く「完璧な人」だったらしく、彼女はわかりやすくそ男性にのめり込んでいったし、あっという間に付き合うことになった。

それはおめでたい飲み会を取り付け、肉を焼きながら話を聞くのだが何かがおかしい。

「彼は社長らしくて、忙しいから月に一回会えるかどうか」

「家が2つあるらしくて、ひとつの家にはお邪魔させてもらったけどもう一つの家には社員さんとルームシェアしてるから行けない」

「付き合って3ヶ月経つけど、未だにおうちデート以外したことがないし、写真も撮らないでねって言われてる。そういえば苗字も知らない」

「あと、完璧主義で私にもそれを要求してくるんだけど、それは全部私のためになることなだって。」

………いやいやいや。いやいやいやいやいや。

どう考えてもおかしい。麻雀のことはよくわからないけど、「役満」ってたぶんこういうことだろう。ダメ役満。どう考えても奥さんか、それか本命の女と一緒に住んでるオチだろうし、完全に遊び相手にされてるだろ。喉まででかかった言葉を飲み込んで、

ちょっとモラハラ気味じゃない?大丈夫かなあ」

と一番突っ込みやすそうな部分を笑い混じりで指摘してみたところ、彼女の顔色が変わった。

「でもね、彼と私は、今のままの私じゃ釣り合わないんだって。だから彼は強く言ってくれるし、私が気づかないような部分まで指摘してくれるの。伝えてくれたところを頑張って直すと、自分がとてもいい女になった気がするの」

「それよりね、こないだ彼と〜」

あれ、彼女、こんな子だったっけ?

最初に抱いた違和感はそこだった。一瞬言葉に詰まったのを覚えている。

無我夢中で彼の「いいところ」を並べ立てる彼女は、可愛らしいというより少し不気味だった。

そんな別人のような友達と喋ることが辛くなり、その日は早めにお開きにした。

それからは恋は盲目、あばたもえくぼ、そんな自分に気づかない彼女は周りを蹴散らしてどんどん彼に猪突猛進。そんな状態が続いた。

「ベッドに長い髪の毛が落ちていた。でも大丈夫。私は彼を信じているから。」

「彼の通知画面に出会い系アプリの通知があった。でも大丈夫。私は最後には幸せになるから。」

「彼には何年も付き合っている彼女がいて、その人と同棲していた。でも大丈夫。私が一番愛されているから」

私はそのたび彼の矛盾している部分を何度も何度も指摘したが、私の言葉彼女には何も届いていないようだった。

友達出会い系アプリで彼と出会ってから、もう一年半が経とうとしていた。

私は就活をしながら、めっきり会う頻度が減った彼女の裏アカウントツイートを眺めていた。いつのまにかラインもしなくなった私たちが、お互いの近況を知るためのツールツイッターインスタグラムだけだった。

基本的には、彼のどんなところが好きだとか、自分には何が足りないのかとか、そんなことを綴っていた裏アカウントに、衝撃の言葉が綴られていた。

「彼の会社就職することにした♡面白そうだし、楽しみだなあ。」

頭がくらくらした。たしか、彼の会社ベンチャー企業で少なくとも海外で働けるような環境ではない。

いやお前、、、あのさあ、、、

海外で働く夢は?進学予定だった大学院は?その夢を応援してくれていたご両親は、、??

もう、私が知っている彼女はどこにもいないのだとその時痛いほど突きつけられた。私が大好きだった彼女は、出会い系出会った32歳の男性によって全て塗り替えられて、まったくの別人になってしまったのだ。

大体、出会い系20歳女の子を引っ掛けて会社にまで入れちゃう30代社長って何?最初から最後まで地雷物件じゃねえか。

まあ、幸せならそれでいいのかな。話のネタにもなるし。

そんな気持ちで裏アカウントフォローも外さず、監視を続けていくと、彼女の様子はどんどんおかしくなっていった。

仕事が辛い。けど、頑張らなきゃ。」「大学辞めたい。仕事に集中したい。」「仕事に集中したいのにゼミの人たちが邪魔をしてくる。」

「闘っていかなきゃ。仕事を楽しまなきゃ。」

「こんなの、やりたい仕事じゃない。」

このままだと、大学中退就活経験フリータープライドけが高いバケモノが出来上がってしまうのかな。でもまあしょうがいか。もはやエンターテインメントひとつとしてしか彼女を見ていなかったが、それも長くは続かなかった。

彼女が裏アカウントを消してしまったのだ。理由は確か、仕事愚痴をここに吐いてしまって甘えてしまうとかだった気がする。

これで完全に彼女との深い友人としてのつながりは切れてしまったと思った。あとはうわべだけのインスタグラムしか残っていない。インスタグラムストーリーで、彼がついに本命女と別れて、彼女ちゃんとした同棲を始めたことを知った。(ふつうにすごい。健気さと執念と若さ勝利だと思った。)(本命女は30前半だったらしい。)

ただ、すでに私の中で、心からおめでとうと言える段階ではなかった。

私は大好きだった友人が変わっていくのが悲しかったのかもしれない。私の話も聞かずに彼のことばかりを上の空で話し続ける彼女から目を逸らしたくて、連絡する頻度も少なくなっていったのかもしれない。ただ、今となってはそんなことはどうでも良くて、彼女は私にとって「どこからどうみても地雷の男に溺れて忠告も聞かず自分との友情を切った女」でしかなかった。そんな女を今でも大好きな親友♡と思えるほど、私はお人好しではない。

彼女同棲を始めて少し経った時くらいだろうか、彼女から急にインスタグラムDMが来た。(驚きすぎて、その日の夜は彼女と彼と私の3人で遊ぶ夢を見た。悪夢だった。)

2日間ほどぽつぽつとやりとりをしていると、送られてきたのは「彼が浮気していて辛い。自分の思い描いてた幸せはこんなものじゃなかったのかもしれない」というメッセージだった。

「今更気づいたのか」以外の感情が沸かなかった。ていうか彼との関係不安定になってきたから私に擦り寄っているようにしか見えないんですけど…。

私たちってまだ友達なのかな。私がもっと優しい人だったら、今でもあなたの悩みに寄り添えるのかなあ。そう思いながら、興味本位で話を聞き続けた。彼女はいつのまにかポエマー気質になっていて、文章はとても読みづらかった。(彼も清水翔太の書く歌詞のようなLINEをすると話していたことを思い出した。)

ついきのう、彼にもう無理かと思ってると言われた、辛いけど離れようと思うと彼女から連絡が来た。これを伝えるためにライン1スクロール分くらい使って送ってきた。

ねえ、もう大学四年生の冬になるよ。失ったのは、たぶん彼に費やした時間だけじゃないんじゃないかな。学校での信頼とか、ご両親の信頼とか、私との友情とか。あなたはこれから、どうやって過ごしていくの?

あ、お願いだから、私にだけは頼ってこないでね。

そんなふうに思いながら自分の心の整理のためにメモ帳アプリに書き起こしてみたら、想像以上に大長編になってしまった。とりあえず残しておこうと思う。

後日談

結局彼女はのこのこ彼と復縁をして、また頑張ってみると抜かしやがった。2時間電話して別れたのは正解だったよとテープレコーダーのように繰り返し声をかけ続けた私の虚しさを返してほしい。

怒り半分、悲しさ半分。気付いたら「なんでもいいけど彼の言うことしか聞けないならもう私に連絡してこないでね」とラインしていた。完全に友達を失ってしまった瞬間だった。

こんな私が友達で本当にごめんね、彼とお幸せに。

anond:20191212122234

20年前に10数万したものなら、今のカリモクほどのお洒落さはないとしても

クソダサ子供仕様ではないと思うんだよな

20年前のお洒落家具くらいの仕様ではあったんじゃないか

大体高いものほどデザインも優れているし大人になっても使う前提だから

2019-12-11

子育てをがんばっている母親

増田子育て関係の話があがるたびに姉のことを思う。地元職場結婚をして実家の近くに家を建てて3歳の女の子と1歳の男の子を育てている。姉は働いていることもあって実家が近所だから親が姪っ子と甥っ子の面倒を見によく赴いているらしい。家庭科教科書にでも載りそうな家庭。自分と違って、ちゃんと家庭を作っている。歳の差は1つなのに、同じ環境で育ったはずなのに、こんなにまっとうに生きている姉を誇らしく思うし、上京してふらふらしている自分に悲しくなったりする。

もう12月で、年末年始帰省する予定。帰省すれば姉は喜んでくれるし姪っ子や甥っ子も構ってくれるのが嬉しい。だから何か手土産を、と考えている。いつも帰省の際には母親からリクエスト崎陽軒シューマイとか虎屋羊羹とか)を持って行くのだけど、姉夫婦にも何か渡したい。

何がいいんだろう。子育ては大変だなって増田を読んでいて思うから、できれば姉の為になるものがいいのだけど、東京お菓子とか逆に失礼だったりしないか心配で、だれか助言をください。お洒落お菓子を買っていったら「自分お菓子を楽しむ余裕もないのに」なんて思わせないだろうか。姉はそんなことを思う人じゃないのだけど、育児に疲れていたら卑屈にもなるかもしれない。むしろこういうのが欲しいとかあったりするのかな。大学進学とともに上京してふらふら生きている妹からもらって嬉しいもの、そんなものはないのだろうか。子ども用のおもちゃとかは姉は考えて買うタイプからダメだと思う。

なにか癒しになるものお土産にしたいのだけど、あからさまな癒しのものは失礼な気がしてる。「疲れてると思われている」なんて思わせるのは本当に失礼だ。みんな帰省土産にはどんなものを選んでいるんだろう。

子育てをしているお母さん方、もしこの記事を目にしたらアドバイスをいただけたらと思います

家庭を作っていること、子育てをしていること、本当に本当に尊敬する。だから何か、何かを渡せたらと思うのだけど、次元が違いすぎて何を贈ればいいかからない。

お空の上から選びました・前(短編小説)

「またやっちゃった…」

ヒロコは苛立ちと罪悪感でいっぱいになった胸を抑えて深く溜め息を付いた。

間も無く3歳になる娘のユウが赤くなったあどけない頬をめいっぱい歪ませて泣きじゃくっている。

嫌な周波数の泣き声がヒロコの脳に刺さり容赦なくさぶる。

片付けても片付けてもおもちゃを散らかし、いたずらばかりするユウをきつく叱りつけたのだ。

手をあげる必要などなかったことはわかっている。

同じことを何度繰り返せばいいのか、また抑えきれない怒りを発してしまった。

掌がヒリヒリと痺れている。

我に返った時には遅く、ユウは火が付いたように泣き出した。

それでもヒロコはすぐには動けなかった。

その様子を他人事のように見詰め、抱き寄せる事も出来ず、これを宥めるのも自分仕事かとうんざりし、またそう考えてしま自分が嫌だった。

夫の帰りは今日も遅いのだろう。

激務の為、終電になることがほとんどだ。最後に娘が起きている時間に帰ってきたのはいつの事だったろうか。

日が傾き始めた窓の外に目をやり、逃れられない娘の泣き声と孤独感にヒロコはまた溜め息をついた。

──

「こんなはずじゃなかったのに」

ヒロコはサキの家のリビングクッキーを齧りながら言った。

「イヤイヤ期は大変よね」

サキは応じる。

ヒロコの学生時代の友人だ。

サキの子供はユウの2つ上の男の子で、サキ企業勤めのいわゆるワーママである

ヒロコにとっては気の置けない親友であり、育児の先輩だ。

最近は忙しくて会う機会も減っていたがサキが2人目の出産を間近にして産休に入った為、久しぶりにお茶でもどうかと招待を受けたのだ。

「可愛くない訳じゃないんだけどね、時々イライラが止まらないの。本当にひどいんだよ。なんで何回言ってもわからないんだろう」

自分の家にはない、物珍しいおもちゃの数々に目を輝かせているユウを横目に、ヒロコはまた溜め息をつく。

「片付けは出来ないし、気付いたらすぐ散らかすし、昨日もリビングに水をぶちまけるし、トイレットペーパーは全部出しちゃうし…。毎日毎日片付けに追われてる…!すぐにビービー泣いてうるさくて頭おかしくなりそう。この子、私のこと嫌いなのかなって本気で思う事がある」

愚痴は次から次と溢れ出す。

サキは時折自身体験を交えながらヒロコの言葉にうんうんと耳を傾ける。

ヒロコがアドバイスなどを求めていないことはよくわかっている。

ただただ言葉を吐き出したいだけなのだ

まだ意思の疎通もままならない子供と一日過ごしているだけでどれだけ気力と体力が削られるかサキもよく覚えている。

久しぶりに人と話をしている高揚感と充実感に夢中になるヒロコの気持ちはよくわかった。

「…そろそろ保育園のお迎えに行かないと」

サキカップを置いた。

時間が過ぎるのはあっという間だ。

長居してごめんね」

ヒロコも席を立ち、ユウの散らかしたおもちゃを片付ける。

「帰るよ」

その一言でユウの顔がぷうと膨れた。

「やだ」

ヒロコの目が吊り上がった。

「また始まった…!ワガママ言わないで!!」

「やあぁー!あそぶ!あそぶの!!」

ユウはおもちゃギュッと握りいやいやと首を振る。

「もう時間なの!これ以上いたら迷惑でしょ!」

さなから乱暴おもちゃを取り上げると、ユウはわぁっと泣き声を上げた。

「はぁ…。もううるさい!泣かないでよ!行くよ!」

ヒロコはユウを抱き上げようとしたが、ユウは泣いて暴れ、その手から逃がれようとする。

カァッと目の前が赤くなるような感覚に襲われ、反射的にヒロコの右手にグッと力が入ったが視界にサキの姿が入り、ヒロコは震わせた拳を抑えた。

その分声はヒートアップする。

「泣いたって時間から仕方ないの!暴れないで!」

強引にユウを引き寄せ、そのまま引きずるようにして玄関へ向かう。

「みっともない所見せてごめんね。いつもこんなで…ホントごめん」

辛そうに頭を下げるヒロコにサキは困ったような笑顔を返すと、本棚から一冊の本を取り出してヒロコに渡した。

「ね、良かったらこれ、読んでみて」

──

ヒロコは疲れていた。

「こんなはずじゃなかったのに」

もっと育児って楽しいものだと思ってたのに。

お母さんだからメイクもお洒落ちゃんと出来なくて、髪を振り乱して鬼の形相で子供に怒鳴り、お母さんだから子供の為に我慢ばかりで辛い事ばかり。

ユウの寝顔を見て愛しいと思っても、朝になればまたあの1日が始まると思うと恐怖すら感じた。

の子を産んでいなければ…考えても仕方のないifが頭の中を駆け巡る。

夫は今夜も終電での帰宅になると連絡があった。

めしい。子供の事など考えず、仕事だけしていればいい夫が恨めしかった。

独りの時間はとても長く、虚無で満たされていた。

ふとヒロコはサキに渡された絵本の事を思い出す。

(絵本か…)

本屋へは何度か行ったが子供に何を選べばいいのかわからず、無難そうな物を数冊買ったきりだ。

読み聞かせをしてもユウはすぐに飽きてしま最後まで読み切れた事もなく、読んでいる最中絵本を破かれて怒って以来、開くのをやめた。

サキは何故、絵本なんかを渡して来たのだろう。

から取り出し、表紙を撫ぜた。

『この子は、ママをおこらせるためにいきています

絵本はそんな一文から始まった。

「えぇ…どういうこと?」

口の端に自然と笑みが浮かんだ。

静かなリビングにページをめくる乾いた音が響く。

いたずらで母親を困らせる可愛くない子供が、デフォルメされた絵柄で描かれていた。

(そう、毎日こうよ。嫌になる。この子ユウみたい)

嫌な感情が胸を巡る。

気分が悪くなり、一度は絵本を閉じようかと思った。

しかし、めくるごとにヒロコの手が震えだした。

(あ、このママ…)

絵本の中の母親自分が重なっていく。

(私だ…私がいる…)

『はっきり言って、おこらないママなんかダメだと思う!

あたしがあんたをうんだんだもん!

大好きすぎるからおこるのよ!あんたにはママよりしあわせになってほしいの!!

それがおこるってことなのよ!』

絵本の中のママは涙と鼻水で顔を汚しなから子供に叫んでいた。

ヒロコの目から知らずに涙がこぼれた。

(うん、私、怒りたいんじゃない。ユウが大好き。大好きだから怒ってしまうんだ…!私、間違ってなかったんだ…!)

胸が、身体中がカァッと熱くなった。

堰を切ったようにとめどなく涙が溢れてくる。

ヒロコは絵本を抱き締めて嗚咽を上げた。

ヒロコは昨夜泣き腫らしてむくんだ瞼をこすりながらも、穏やかな気持ちでいた。

今朝も早くからユウは冷蔵庫野菜室に積み木を放り込むいたずらをしていた。

いつものように怒鳴り付けたヒロコだったが、泣いているユウを自然に抱き締める事が出来た。

「あのね、ママはユウが好きだから怒ったんだよ。わかる?ユウの事がどうでもよかったら、怒ったりもしないの。だからユウが悪い事をしたら怒るのよ」

そう。こうやって子供に素直な気持ちを伝えれば良かったのだ。

今はまだ全ては伝わらないかも知れない、けれどきっとわかってくれるはず。

心持ちが違うだけでこんなにも余裕を持っていられるなんて。ヒロコは晴れやかさすら感じていた。

──

もしもしサキ?昨日はありがとう絵本、読んだよ」

追い詰められていた自分気持ち理解し、黙って絵本を渡してくれたサキ感謝を伝えようとヒロコは電話を掛けた。

「何て言うか、助けられた気持ち。私、いっぱいいっぱいだったんだと思う…」

「私もそうだよ」

サキの声は安堵したような響きがあった。

「いい絵本だったでしょう?私も辛いときに読んでるんだ。怒るのは悪いことじゃない、子供の為だって思えると気が楽になるよね」

「うん。ユウにちゃんと向き合えた気がする」

しばらく話を続けたあと、あぁそうだとサキは言った。

「あの絵本を書いた作家さんの講演会が再来週あるんだけど行ってみない?」

講演会?」

そんな堅苦しいのはちょっと…とヒロコは尻込みした。

「ユウも騒ぐしそんな所に連れていけない…」

大丈夫子供連れでも安心して行ける講演会なの。作家さんが子供と遊んでくれたり、絵本読み聞かせをしてくれたりするんだ。親も子供も楽しめていい息抜きになるよ」

本を一冊読んだだけ、どんな人かもわからない絵本作家講演会に3000円も出すのは専業主婦のヒロコにとっては少し高いなと思う金額だった。

だが、子供も沢山来ると言う話だし、ユウにもいい刺激になるかも知れない。

熱心に勧めてくれるサキに押され、せっかくだからと参加を決めた。

講演会と聞いて構えていたが、会場に入って拍子抜けした。

椅子も置かれていないホールブルーシートが敷かれているだけ。

子供大人もその上で体育座りをして待っている。

「なんなの、これ?」

わず口をついて出た言葉サキが拾った。

「知らないとちょっと驚くよね。まぁ座って座って」

サキに促されるまま、ブルーシートの端にそっと腰を降ろした。

キョトキョトと辺りを見回しているユウにサキが声を掛ける。

「ユウちゃん、これから楽しいお兄さんが来て遊んでくれるよ。ご本も読んで貰おうね」

サキの息子ケンタは場馴れしているのか、サキに寄り掛かるようにして静かに座っていた。

ケンタくん、お利口さんだね。ユウとは大違い」

「そんなことないよ。全っ然ダメな子なんだから今日はユウちゃんいるから良い子のフリしてるだけ。もうすぐ赤ちゃんも産まれるんだからもっとお兄ちゃんらしくして貰わないと困っちゃう。ね?ケンタ?…あ、ほら始まるよ!」

それはヒロコが想像していた作家講演会とは全くかけ離れたものだった。

絵本作家と聞いてかなり年配なのだろうと勝手に思っていたヒロコは、40半ばに見える気取らない格好をしたこ男性絵本作家その人であることも驚いた。

作家本人が壇上を降りて子供と触れ合い、子供達が楽しめるように趣向を凝らした様々な遊びが繰り広げられた。

時には大人も一緒に歓声をあげるような賑やかなもので、気付けばユウもキャッキャと声を上げて遊びの輪の中で満面の笑みを浮かべていた。

(凄い…)

今まで自分が知らなかった世界が広がっている。

絵本作家って本当に子供好きなんだね」

そっと囁くとサキ悪戯っぽく笑う。

「この人は特別だよ。こんなに子供の為に自分からやってくれる作家さんなんて聞いたことないもの。生の意見を聞きたいって日本中回って年に何本も講演会開くんだよ。絵本も発売前に講演会読み聞かせして、感想を聞いて手直しするの。凄いでしょ?」

サキ、詳しいね

「前にね、仕事でこの人のイベントに関わった事があって。妥協しないでこだわりを貫く姿勢とか、誰に対してもフランクで、作家なのに偉ぶらない所とか、凄く温かみがあって純粋な人だからファンなっちゃったんだ。しかも、ちょっとかっこいいじゃない?」

作家の事を語るサキの瞳はキラキラと輝いていた。

絵本読み聞かせもなんて上手なんだろう、とヒロコは思った。

子供達は食い入るように作家の手元を見詰め、声を上げて笑っている。

(これがプロ読み聞かせ…!ユウなんて私が読んでも最後まで聞かないのに、こんなに子供の心を掴むなんて。やっぱりプロは違うのね。私もあんな風に感情を込めて読んでみたらいいのかな)

作家は、二冊の本を読み終わり、次が最後読み聞かせだと告げた。

講演会も佳境である

もう終わってしまうのか…と残念な気持ちになるヒロコは気付かないうちにもうこの作家ファンになっているのだ。

新作だと言うそ黄色い表紙の絵本は、作家が渾身の思いを注いで全国のママ達の為に描き上げたのだそうだ。

この明るくて楽しい、優しさに溢れた人が私達ママの為に描いてくれた絵本とは一体どんなものなのだろう。

ヒロコの胸は期待に掻き立てられた。

世界中でママにしたい人はたったひとりでした』

読み上げられた一文にヒロコは頭を殴られたような気がした。

何故子供を産んでしまったのかと後悔が過る事もあった。

周りを見れば大人しい子供もいるのに何故ユウのようないたずらばかりする子だったのかと妬ましい気持ちになることもあった。

子供が親を選んで産まれてきただなんて考えたこともなかったのだ。

作家感情を溢れさせた独特の声音絵本を読み進め、ページを捲っていく。

空の上から下界を覗き、ママになる人を探す沢山の赤ちゃん達。

ひとりぼっちで寂しそうなママを喜ばせたいんだと飛び込んでいく魂。

ヒロコの心は激しく揺さぶられた。

気付けば茫沱たる涙が頬を濡らしていく。

子供は空の上で己の人生を決めてから母の胎内に降りてくる。

母に喜びを与える為に産まれるのだ。

ヒロコは肩を震わせしゃくり上げて泣いた。

その背中を優しくさするサキの頬にも涙が伝う。

そこかしこから鼻をすする音が聞こえる。

作家の声もいつの間にか涙声に変わっていた。

作家を中心に会場の空気が一つになったような感覚をヒロコとサキは味わった。

同じように感じる来場者は他にもいたのではないだろうか。

(自分絵本を読みながら泣くなんて、とても繊細な人なんだ…)

作家自分に寄り添ってくれるような気持ちになり、ヒロコはその涙が温かく感じた。

ママ…?」

ヒロコが泣いている事に気付いたユウが、どうしたの?と母の頬に手を伸ばす。

ヒロコは反射的にその小さな体をギュウと抱き締めた。

「ユウ、ありがとう

何故かはわからない。無性にそう言いたくなった。

「私の為に産まれてきてくれたんだね。ありがとう

講演後に開かれた即売会でヒロコは迷わず黄色い表紙の絵本を買った。

そのまま作家サインが貰えると言う。

感動と感謝を伝えているとまた涙が溢れてきた。

作家はにこにこしながら『ユウひめ、ヒロコひめへ』と言う宛名の下に2人の似顔絵を描いて手渡してくれた。

──

翌日からヒロコはユウに、そのサインの入った絵本積極的読み聞かせた。

講演会で見た絵本作家の姿を脳裏に思い浮かべ、それと同じように読み聞かせをしたのだ。

冗談を言うシーンでユウは笑う。

もう一度ここを読んでとヒロコにせがむ。

こんなこと今まで一度だってなかったのに。

この絵本はまるで魔法のようだと思った。

「ユウもこんな風にお空の上からママを選んだんだって。覚えてる?」

「うん。おじいちゃん

ユウは絵本の中の神様を指差す。

「このおじいちゃんにユウも会ったの?」

「うん」

幾人もの子供たちから聞いた話を元に絵本を描いたとあの作家は言っていた。

本当だ、ユウも産まれる前の記憶を持っているんだ、とヒロコは確信した。

「どこが良くてママを選んだの?」

「うーん…ママかわいい

照れたように小首を傾げながら舌足らずに答えるユウをヒロコはきゅっと抱き締める。

ママ嬉しい~!ユウも可愛いよ!可愛いママを選んだんだからユウが可愛いのも当たり前だよね~!」

ヒロコは幸せ気持ちで満たされていた。

子供からこんなにも愛を貰えると気付かせてくれたこ絵本は、ヒロコにとって正にバイブルとなったのだ。

後半はこちら↓

https://anond.hatelabo.jp/20191211112403

2019-12-10

猫が驚いた

「キャッ」と。

 

このダジャレフリーダジャレです。はてブにあったレベルの高い洒落に打ちのめされたので初心に戻ります

2019-12-06

彼氏の顔が嫌い

最初から顔は好みではないなと思って付き合い始めて、でも一緒にいて楽しいし好きだから付き合ってるうちに顔にも愛着が湧いてくるものだと思ってた。

で、付き合って半年くらい経つんだけど顔はやっぱり好きになれない。愛着も湧かない。

会う度にこの顔好きじゃないなってちょっとがっかりする。

彼は髪や服には気を遣っているタイプなので雰囲気含めて別にすごいブサイクってわけではないと思う。

あと私もそんなに交際相手の見た目にこだわらないタイプ私自身が地味だしイケメン苦手だしパーマかけたりするお洒落な人も苦手)、のはず、だった。

でも何故か今の彼氏の顔はだめらしい。

このまま付き合い続けて大丈夫不安になってくる。

パートナーの顔が嫌いだけど上手く付き合ってますって人いますか?

2019-12-05

インスタの

おすすめ投稿(?)みたいなとこに表示される動画、ジェルとかカラフル粘土みたいなやつになにかを混ぜてひたすらコネコネしてるものばかり表示されるんだけど、なにしてんのかわからなくてモヤモヤする。

最初は何か(お菓子とかアクセサリーとか)できるのかと思ってたけど、そうでもなかった。

あのコネコネ動画意味を知ってる人がいたら教えて欲しい。

それとは関係ないけど他にもおすすめ投稿に下世話なエッセイ漫画文字投稿ばかり表示されるようになっていい加減うざい。

「〜した話」というタイトルを見るとイライラするようになった。

インスタのお洒落さ、どこへ行ったんだ?

2019-12-03

マッチングアプリ女性と会ったが正直印象が少し微妙だった

完全に自分のことを棚にあげてますし、鏡見ろなどと言われそうですが。

30代前半の男性ですが、マッチングアプリで初めて女性に会ったが、正直少し地味系な方でした。

容姿判断するのはだめだろうなと思いながらも、写真詐欺とは言いませんがアプリでの写真から見ると確かにからなくはないかなみたい感じで、

ちょっと背伸びしてお洒落カフェで集合にしたのですが、正直周りは女子力高いなという思ってしまうお客さんが多かったり、

会話もあまりときめかなかったりして、短いながらもいた元カノならもう少しおしゃれだったとか会話も続いたなとか、思ってはいけないと思いつつも比べてしまったりしま自分がいたりして..

コミュ力容姿判断しない良いお付き合いができるのかなと思う反面、次のステップに進まなくていいかなと思う自分もいて..

相手のことより、むしろ後者をよぎってしまっている自分自身が残念だなと思ってしまってます..

かと言って他にあてがあるわけではないので、贅沢なだけかも知れません..

批判されて)背中を押して欲しいだけなのかも知れませんが、思っていることを垂れ流すということで..

2019-12-02

anond:20191202155444

つーか低学年だと服の値段なんか分からん

高学年だとその辺のブランド流行ってないか普通にダサい子」扱いになると思う

大人もだけど、百貨店ブランド着る=お洒落、って発想が中高年のものだよね

元増田世代が窺い知れる、いい年こいて何やってるんだか

anond:20191201132813

おっさんガチ女子中学生に性欲向けて付き合いたがってる化け物が結構いるか洒落にならんわ。

相手を真っ青にしてヤバそうに見えるおじさんですって条件追加されてるし。

2019-12-01

母親新車ビニールさな

とっくに一年以上経ってるけどまだ外さな

新車って言っても軽自動車

今日新車匂いが好きだからさないとか言ってた

貧乏くさいって概念は多分持ってるけど

ビニールさないのを貧乏くさいとは思わないみたい

因みに運転席だけは外してる

今日久しぶりに母親の車に乗ったけど毎回恥ずかしい(指摘すると発狂するタイプなので誰も言えない)

還暦だけど容姿結構良くて服装とか髪型とか持ち物も気を付けてキレイにしてるんだけど

洒落からという理由スタバカップ職場で使い回したりもしてるみたい

???

こんな親恥ずかしい

2019-11-28

趣味が長続きしない。

やってみたいとかマスターしたいと思うことは多々あるが、だいたいお道具とか入門書をそろえた時点で終わってしまう。公私ともにそんなに忙しいわけではなく、ほぼ毎日定時で家に帰っているのになぜそうなるのか謎だ。

フォトショップの使い方やwebページの作り方を覚えたい。

 最新バージョンの本は高いので、ブックオフ入門書を手に入れた。写真を撮るので特にフォトショップはできるに越したことはないのだが、ほとんどカメラのおまけソフトで済ませてしまう。

 webについてもHTMLCSSの基本を書いた本を持っているが、既存SNSブログサービス機能で済んでしまうことが多く、わざわざお金払って勉強するのもなぁ…と思ってしまって現在に至る。

大人塗り絵

 取っつきやすそうだったので本を2冊と12色入りの色鉛筆を買ってスタート。何ページかは塗ってみて達成感を味わったけど、「もっと色のバリエーションが欲しい」と36色の色鉛筆を買ったところでストップしている。どうせなら36色の色鉛筆を買う前に飽きる方がましだったと思う。

着付け

 正月に絣の着物を着せてもらい、「どうせなら自分で着られるようになりたい」とリサイクル着物の店で初心者向きの帯と着物を購入。DVD付きの着付け入門書も入手済みなので、私が動画と本を見ながら練習する努力家であればとっくのとうにマスターできているはず。救いはあまり高い着物を買わずリサイクルで済ませたことだ。それでも総投資額は五万円ぐらいかかっているはず。

 そもそも洋服でもあまり洒落にうるさい方ではなく、何年も前に買った服を着続けるような女に着物ハードルは高かった。

折り紙

 これは今のところ続いているといっていいかも。元々子どもときから折り紙が大好きで、社会人になってからは金にものを言わせていろいろな紙を買い集めていたが、新聞で紹介されていた透き通った折り紙に心惹かれた。星や花のような平べったいものを数枚の折り紙を折って貼り合わせて作る。

 窓などに貼ると光を通してきれいなんだけど、我が家は散らかっているし、職場の窓に勝手折り紙を貼るわけにいかない。折り紙に付いてきた小冊子に載っていたものを何種類か折ってはみたけど、これを発展させるにはどうしたらいいかという状態

趣味でも何でも、時間に余裕があればできるのでなく、根性のある人だけが上に登っていくことができるのだなと実感する今日この頃。どれか一つでもいいから全うしたい。

2019-11-22

おっさん脱毛サロン行ってきた

メンズ脱毛探してた増田だけど

anond:20191120002347

結局その日に女性スタッフしかいない脱毛サロンを予約し行ってきた。ホットペッパービューティー男性も歓迎と書いてあった。

予め施術を受ける箇所を剃っておくよう注意書きにあったので、勢い余ってVIO含めつるつるにして当日に臨む。脇毛を剃るのは初めての経験だ。少しひりひりする。

行ってみるとマンションの一室。マリン風のかわいい内装でかっこいいスタッフが迎えてくれた。サーファーで昔から日焼け肌のため脱毛には苦労してきたらしい。日焼けしてると痛かったりするらしいのだ。その経験からサロンを開くに至ったのかもしれない。増田自身スポーツ日焼けしまくってるのがこの店を選んだ理由でもある。

日焼け肌に対応出来るような最新の脱毛マシンを入れてるらしく、口コミでも痛みがないという意見が多かった。

コーヒーカフェでついてくるような洒落お菓子を出していただきカルテ記入の合間にくいっと飲み干した。

予約したのは全身(顔・えりあし・VIOなし)コース。正直、脚以外は特になくてもよかったがクーポンであまりに安かったためどうせなら全身にした。一回で生えてこなくなるようなことはないから、脚以外は毛が薄くなる効果を期待してる。

施術開始。ベッドと機械の置かれた部屋に通され着替えるように言われる。用意されていたのは紙製のTバックビキニと巻いた状態ボタンで留められるバスタオル。素っ裸になりTバックを穿きタオルを巻く。初めてのTバックはなかなか快適でエクスカリバーの納まりもよく普段からこれでもいいんじゃないかと思わされた。なぜ男性は慎ましい下着社会から求められるのだろう。むしろ快適じゃないのかこれ。下着の形状の制約から我がヤマザキナイススティックは横を向いてしまうことはなくポジションが安定していた。

着替えたらベルを鳴らしスタッフを呼ぶ。背中等剃り残している箇所を電動フェイスシェーバーで刈られる。もちろん痛くない。身体の毛を刈られるのは、なんだかひつじになった気分である。めー。

アイマスクをさせられたが、これは脱毛マシンの発する光から目を守るためかな。おかげで何やってるかあまりからないが、マシンを当ててぴかっぴかっと光り、少しちりちりする感触がした。痛いと言えるレベルでは全然ない。リラックスして身体の表裏を小一時間ぴかっぴかっとされる。

恥ずかしさはあまりない。目隠しの効果あるかな

終わると一人にされ、着替えるように言われる。この時点で見た目の変化はない。日が経つといまある毛が抜けるらしい。

アイマスクを外すとタオルははだけ、あられもなく紐Tバックビキニが丸出しであった。Tバック最後までやはり快適だった。これ、ほしい。でもこれを着用してるとこを他人に変に思われたらと思うと無理だ。第一、紙製では洗うことも出来ない。脱いだTバックを名残惜しみつつ備え付けのごみ箱に入れる。

服を着てコーヒーを出されチョコレートをつまんだ。

初めての脱毛はなかなか面白い経験をしたなあという感想

かわいいお店で丁寧に身体中あれこれされて、ねこになったようでもあった。なかなかいい気分であるニャー。

 

帰って妻に報告した。VIOをやってないと言うと、なにやらクーポンサイトVIO脱毛チケット二回分をくれた。

このさいつるつるにしてみようか。

2019-11-20

anond:20191120111754

国力で言えばそうだけど、列強の中では特に内乱リスクが割と洒落ならんからな……。200年ほど経ってみないとわからんよ。

2019-11-17

吉良上野介の話

最初

吉良姓を受け継いだ吉良上野介の子はいない。(後に別家が吉良の名を継いだ形で、子孫の方は上杉家や畠山家等におられる)

三河地方に吉良の領地があったのは元禄16年(1703年)までで、それ以降は吉良と三河地方との関係は無い。

 

 

吉良上野介は名君?

忠臣蔵で悪役として扱われている吉良上野介

近年「実は吉良上野介地元では名君」っていう話をよく聞くようになった。

歴史秘話みたいな感じでテレビでも取り上げられるので、

吉良上野介は名君」って言う説を知っている人も多いだろう。

 

 

で、その「吉良の地元ってどこだ?」って話になると

案外、知ってる人が少なかったり誤解している人が多かったりすると思う。

 

 

恥ずかしながら私もそうで、

三河地方っていうのは知っていたのだけれど

漠然と、今の西尾市だろうと思っていると、

年配の西尾市出身の人から変な顔をされた。

 

地元歴史的経緯 

この辺には歴史的な経緯があるそうで、

そもそも三河に持っていた吉良上野介領地というのは

幡豆郡吉良庄の中のうち、八か村が飛び地の形であった。

いっても吉良は旗本なんで、そんなに領地は大きくない。

吉良は赤穂事件の後、三河領地没収されて

その後、これら土地は、あちこちの藩やら寺社旗本領地なんかに吸収されて

明治からは村の統廃合が続く。

(こういう状態で「吉良の地元」という意識が受け継がれてきたというのには少し無理があるような) 

 

 

その後、昭和三十年に 横須賀村と吉田町合併して吉良町生まれる。

(余談だが吉良には雲母の意があったという)

吉良町の中に、かつての吉良上野介領地も含まれてた感じ。

  

そして平成23年にこの吉良町西尾市編入合併される。

  

もともと西尾市には西尾藩というのがあったわけで、

歴史を知っている人でも、吉良上野介は大昔の隣の殿様という扱いで

古くから西尾市の人に「吉良上野介地元」と言われると変な顔をされたわけだ。

 

 

もう少し西尾市の人に話を聞いてみると、

んで、もう少し突っ込んで話を聞いてみると、

吉良上野介時代に、西尾藩には土井利意という名君がいて

西尾藩領民が、吉良が作った堤防により水害が発生して苦しんでいたので

大二重堤防を作って、これを防いだという逸話があるという。

 

 

こういう歴史上の逸話は、どこまで本当かどうかはワカランが

こういう逸話があるぐらいなんで旧西尾藩地域の人にとっては、

吉良上野介地元では名君とされている」と言われるのに抵抗があるみたい。

 

 

名君の作り方

ただ近年、西尾市教育委員会とかが、

積極的に「黄金堤」などを吉良上野介の治績として

吉良上野介地域の名君として賞賛する教育西尾市の全域で行っているとのこと。

 

それで地元とは言えない所の子供達にまで「地元の名君」と教えられているそうな。 

(吉良の堤防による洪水で、エライ目に遭ってた所だったりしたら洒落にならんな)

 

調べてみると、

吉良上野介黄金堤を作って地域の開発に役立ったのかからして怪しいという。

そもそも吉良上野介の治績を裏付ける文献や史料は無く、

どうも大正時代に作られた怪しい逸話が元になっているらしい。

 

 

残された絵図面なんかをみると、この地域にあった鎧が淵の新田開発で

しろ周辺とトラブルを起こしていたりしてる。

 

 

どうも旧吉良町との同化政策の一環として、

近年になって「吉良つながり」で、吉良上野介が担ぎ出されてきたっぽい。

 

 

実際に吉良上野介が名君であったかどうかはともかく、

消えてしまった「吉良町」という名前を、

なんとか別の形で残そうという人の思いかも知れないね

 

でも、そういう都合で「新しい歴史」をつくっちゃて

教育を利用して子供達に広げるのはどうなのかなぁと。

 

 

また吉良上野介と同時代に、その地域

地震被害の救済に尽力したり色々と善政をおこなった土井利意や

堤防などの治水等で名代官と言われる鳥山牛之助(さきほどでた新田開発のトラブル調停もしている)

なんかの話が、わりとしっかり記録や文献をたどれるのに殆ど注目されなくて、

「らしい」という話しかない吉良上野介けが地元の名君」って言われて教育現場で広められている状況は、

なんだかなぁって思ったりする。

 

 

吉良の赤馬

吉良上野介が名君であったという話に「吉良の赤馬」という郷土玩具をセットにする人が多い。

愛知県ホームページにも、

吉良上野介義央は治水事業に心を寄せ、領内の水害を防ぐため、黄金堤を築き、自ら愛馬赤馬に乗り巡視にあたりました。その姿は威風堂々とし、愛馬も大変立派であったので、領民はこれを称えいつしか赤馬と呼ぶようになりました。領内の村に住んでいた村人が江戸天保年間に子ども玩具として作ったのが始まりです」

とある

しかしこの記述は、よく読むとあやしい

天保年間というのは、1831年から1845年までの間だ。

いわゆる赤穂浪士の討ち入りが元禄15年末(1703年の1月)。

三河領地を取り上げられる裁定が下ったのが元禄16年(1703年)になる。

 

 

まり天保年間というのは、130年ぐらい後の話になるわけで

「領内の村に住んでいた村人」と言っても、

その時には吉良領は跡形もなくなっている。

昔、吉良の領民だった人も既に死に絶えた後のはず。

 

 

実際の記録では吉良上野介三河領地を訪れたのは生涯一回だけだったらしい。

直に吉良上野介を見た村人が、後に玩具を作り出したとかいう話なら、

まだなんとなくわかる気がするのだけれど、

百年以上前に一回だけ訪れた殿様の馬を、

わざわざ玩具にしようというのいうのは変だよなぁ。

天保年間には別の殿様が治めている状況なのに。

  

  

調べると、さらに興味深い話が出てきて、

吉良の赤馬は近年になって愛好家から要望で、

商品に「白馬」と「殿様」というのが加わったという。

この時点では「白馬」なのね。

もし本当に赤馬と吉良上野介の話が元になっていたのなら、

突然、殿様に白馬ってのは出てこないよなぁ

  

まりそもそも赤馬と吉良上野介関係なく、

「自ら愛馬赤馬に乗り巡視にあたった」という話自体が後から出た感じがする。

 

 

もちろん、こういうのは商品を開発したり売る人が、

色々面白おかしく「いわれ」を主張するのは別に良いと思うのだが、

愛知県をはじめとした自治体がそういうのに乗っかって、

曖昧根拠のまま紹介するのはどうなんだろうね。

実際、どうなんだろう?

このエントリーは「吉良上野介地元では名君」という説が「ちょっと変」っていう話で、

からといって、これだけでは「名君ではない」とまで言えない。

(西尾藩領民洪水被害を出した伝承とかは、ちょっとふれたが)

 

  

んで、赤穂浪士研究している団体の中には、

「名君だと言うならもその根拠資料を出せ」と言っている所もあるそうな。

 

吉良上野介が名君だった」という人は、きちんとした資料を出してやれば良いと思うよ。

 

 

それを元にして、地域教育とかを書き直していく必要があるんじゃないのかな。

少なくとも教育委員会とか自治体が、根拠に疑問が持たれる話を持ち出して

へんな形で「地元の名君」を作り出そうとするような状態は良くないなぁと。 

 

 

たぶんメディアとかでは広がらない話。

もっとも「実は、吉良が名君という話は怪しい」というのは、

中々メディアとかでは取り上げにくい話だと思う。

 

 

実は「正義の味方だった」と言うのは受けるだろうが

例えば「イメージ通りの悪い人でした」と言っても、

そこには話題性も何も無いわけだ。

 

 

この点は、なかなか興味深くて、  

「誤った情報」と「正しい情報」っていうのを比べてみても

必ずしも同じように拡散するわけでは無くて、

広がりやすさには非対称性が生まれてる。

 

たぶん「地元では吉良上野介は名君」って話は

このまま誰も異議を唱えないまま残ってしまうんじゃ無かろうか。

 

とか思ってたら、wikiかにもわりと詳しく書いてあったわ。

 

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