はてなキーワード: ウェールズとは
オープンレター問題は「人文学」という主語で語られがちだが、オープンレターの発起人の出身大学が非常に偏っていることが気になる。
現在残っている発起人のうち、「人文学者」と呼べそうな大学教員、研究者をピックアップして、その出身大学を記すと、以下のようになる。
清水晶子氏→東京大学/ウェールズ大学卒、ウェールズ大学大学院修了
※上記はresearchmapおよびWikipediaを参照して作成している。
小宮氏、三木氏、山口氏を除いて、全員が東京大学の学部か院を出ている。
このような偏りは、東京大学が最も偏差値の高い日本の大学であるからして、東京大学出身の研究者の母数が多い、という話では説明できない。
多いと言ったって、東大は1つ、その他に研究者を輩出してきた大学は20や30はある。40や50くらいあるかもしれない。これらの大学出身者がほとんど含まれないのは、多様性やグローバル化を率先して推進してきた人々のコミュニティの形態としては極めて不自然である。
オープンレター発起人の中には、グローバルな視野を強調する研究者もいるが、オープンレター発起人のメンバーからは、そのようなグローバルさは感じられないし、むしろ内輪の狭いコミュニティですべてがまわっている印象を受けざるをえない。
(ちなみに、オープンレターに名前の挙がっている呉座勇一氏も東京大学出身であり、この度の騒動の中心人物はみな東京大学関係者だったりする。)
東京大学出身の研究者がやや特別な地位にあることは、特に根拠を示す必要を感じないので示さないが、人文学系学界では周知のことと言える。
東京大学は、「植民地」と呼ばれる非常勤先や就職先を多数確保しており、東大出身者を、研究能力とは別の力学で、優先してそこに就職させてきた。
(京都大学も当然同様の要素があるが、やっぱり「強い」のは東大だ。ただ、この強弱は分野によって違うかもしれない。)
そして、そのような天下りともいえるポストをゲットしても、それを天下り、既得権益、つまり特権とは思わず、私は東大出身で優秀だからポストを獲得できたんだ、という思考回路に陥る大学教員がたくさんいるのである。彼らの中には、東大が最も優れた大学であり、東大以外の大学出身者は「東大に入れなかった人である」、と信じている者もまれではない。そして、自分たちは偉いと信じている。このことはまったく証明する必要を感じない、周知の事実である。
東京大学出身の研究者は多く、当然のことながら、非常に尊敬できる、素晴らしい人格を持った大学教員はもちろんたくさんいる。
しかし、このような素晴らしい人格をもった東大出身の大学教員は、上記のような現状を決して否定しないであろう。
このような現状は、女性差別的なアカデミズムの慣例と同じくらい、負の影響をアカデミズムにもたらしている、このことも周知の事実だろう。
しかし、このような、誰の目にも明らかな問題構造については、誰も批判しないし、できないのである。
オープンレターが掲げた志は理解できるが、東大集団にいわれてもシラける、というのがオープンレターを読んだ初見の感想だ。
理系の状況はわからないが、おそらく似たような構造があるのではないだろうか。
つまり、オープンレターで明らかになった大学教員の醜態は、人文学者の醜態というより、東大をめぐるアカデミズムの権威主義という、文理問わず共通の、醜い醜い構造があらわになったものなのではないだろうか。
人文学ではなく、東京大学をめぐる力学を、ほかならぬ東大出身者が自省して自浄してほしい。
他大学出身者は、それこそハラスメントや今後の不利益を考慮すると、それを成すのにあなたたちの100倍勇気が必要なのだから。
今回のONSの分析では、両地方とも最困窮地域での死亡率が非常に高いことがわかった。イングランド全体における10万人当たりの死亡者数は81.9だが、困窮指数が高い地域順に見ると、128.3、124.8、114.5、88.3、80.3、73.2、71.8、70.3、67.0、58.8で、最困窮地域では最も恵まれた地域の2倍以上高いことが明らかになった。一方、ウェールズ全体における10万人当たりの死亡者数は67.6だが、困窮指数が高い地域順では109.5、78.5、64.2、50.5、57.5で、イングランドと同様に困窮度の高い地域の死亡率が圧倒的に高い。
イングランドでの具体的な地域について見て行くと、ロンドンでの10万人当たりの死亡者数は137.6と極めて高い。とりわけ突出しているのはブレント210.9、ニューアム196.8、ハックニー182.9、ハーロウ178.0、ハーリンゲイ177.9。これに対し死亡率が低いのは、シティ・オブ・ロンドン42.6、リッチモンド・アポン・テムズ85.4、カムデン89.7、ベクスリー91.6、キングストン・アンド・チェルシー92.8となっている。
ただ中心部であり金融センターとなっているシティ・オブ・ロンドンの2020年の居住人口は7,561人と推計されているので、多くが20万人から30万人規模の人口をもつ他の32自治区とは区別して解釈する方がよいと思われる。さらにこれらの地域の中には、例えばハーリンゲイのように有数の高級住宅街と最困窮地域とが隣接している地域があることにも留意したい。
ロンドン以外の地域で10万人当たりの死亡者数最も高いのは、イングランド北西部のサルフォードで199.6。以下、西ミドランズのウォルソール159.1、ヨークシャー北部のミドルズブラ148.3、バーミンガム144.1、リバプール140.2だった。これに対し死亡率が低いのは、イングランド南東部のヘイスティングズ8.9、東部リンカシャ―にあるグリムズビー14.1、ノーウィッチ23.0、リンカーン29.5、プリマス33.5となっている。
海外からの留学先として人気のあるオックスフォードは66.0、ケンブリッジは66.1だった。この両地域は大学を中心に独自の社会・文化が形成され、共通点も多いが、死亡率までが近似していることが注目される。この数値にも、コロナ関連死亡率と社会経済状況との関連が表れていると言えそうだ。
なお、ONSが発表した同期間のデータには、新型コロナを含む全てに起因する死亡者数と10万人当たりの調整死亡者数も記載されているが、イングランドでは困窮指数が高い地域順に466.2、431.4、387.7、342.5、320.0、299.7、290.1、279.5、271.0、242.6で、やはり困窮度が高いほど死亡率が際立って高い。さらにウェールズでも412.5、364.4、294.7、267.8、261.7と同様の状況が明らかになっている。
【イギリス】政府統計局、新型コロナ関連死亡率は最困窮地域で2倍。格差影響が浮き彫りに
https://sustainablejapan.jp/2020/06/20/uk-covid-19-mortality-rate/51049
ジニ係数と超過死亡に強い相関関係
データサイエンティストのユーヤン・グー氏はこのほど、解析モデルを何度も調整して、41種類の変数と米国の各州の新型コロナ死者数との間の相関関係を探った。
その結果、どの解析においても新型コロナによる死亡と重要な相関関係がある変数は3つしかないことがわかった。所得格差、人口密度、人口当たりの介護施設入所者数だ。そのうち最も影響が大きいのは所得格差だった。
世界を見渡すと、グー氏はいいポイントを突いているようだ。所得格差が小さい北欧諸国では、新型コロナの人口当たりの死者数が欧州全体を下回っている(厳しい行動規制を取らなかったスウェーデンでも同じだ)。
ジニ係数が0.29のフランスでは、0.34の隣国の英国より(死者数が平年に比べどの程度多いかを示す)超過死亡が格段に少ない。一方で、格差が著しく大きい米ニューヨーク州では、新型コロナの死者数もずばぬけて多い。フロリダ州はいずれの点でも突出していない。
グー氏と同じように変数を用いて分析した研究は少ない。だが、本誌(The Economist)が新型コロナによる死者数の決定要因を巡る研究論文を数十件調べた結果、所得格差は死者数がばらつく理由を解明する力が一貫して強いことを確認した。例えば、カナダ・マギル大学のフランク・エルガー氏らは84カ国を調査し、ジニ係数が1%上昇すると、新型コロナによる死亡率が0.67ポイント上昇することを突き止めた。
また、米スタンフォード大学のアナベル・タン氏、ジェシカ・ヒンマン氏、ホーダ・アブデル・マギド氏は米国の各郡を調べ、所得格差と新型コロナ感染者数と死者数との関係性は2020年こそ一定しなかったが、おおむね関係性があり、格差が大きい郡ほど感染者や死者が多くなる傾向があることを確認した。
▼コロナ死の多寡 決める格差(The Economist): 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010TH0R00C21A8000000/
去年も書いたけど経済格差で死んでるだけで日本みたいに医療もIT活用も終わってないからな
エリート様はいつも通りで問題ないだろうけどそれ以外の国民はAmazon倉庫みたいな
やっぱ格差はあるもの前提で海外行くならアメリカ1択ですわ・・・
今回のONSの分析では、両地方とも最困窮地域での死亡率が非常に高いことがわかった。イングランド全体における10万人当たりの死亡者数は81.9だが、困窮指数が高い地域順に見ると、128.3、124.8、114.5、88.3、80.3、73.2、71.8、70.3、67.0、58.8で、最困窮地域では最も恵まれた地域の2倍以上高いことが明らかになった。一方、ウェールズ全体における10万人当たりの死亡者数は67.6だが、困窮指数が高い地域順では109.5、78.5、64.2、50.5、57.5で、イングランドと同様に困窮度の高い地域の死亡率が圧倒的に高い。
イングランドでの具体的な地域について見て行くと、ロンドンでの10万人当たりの死亡者数は137.6と極めて高い。とりわけ突出しているのはブレント210.9、ニューアム196.8、ハックニー182.9、ハーロウ178.0、ハーリンゲイ177.9。これに対し死亡率が低いのは、シティ・オブ・ロンドン42.6、リッチモンド・アポン・テムズ85.4、カムデン89.7、ベクスリー91.6、キングストン・アンド・チェルシー92.8となっている。
ただ中心部であり金融センターとなっているシティ・オブ・ロンドンの2020年の居住人口は7,561人と推計されているので、多くが20万人から30万人規模の人口をもつ他の32自治区とは区別して解釈する方がよいと思われる。さらにこれらの地域の中には、例えばハーリンゲイのように有数の高級住宅街と最困窮地域とが隣接している地域があることにも留意したい。
ロンドン以外の地域で10万人当たりの死亡者数最も高いのは、イングランド北西部のサルフォードで199.6。以下、西ミドランズのウォルソール159.1、ヨークシャー北部のミドルズブラ148.3、バーミンガム144.1、リバプール140.2だった。これに対し死亡率が低いのは、イングランド南東部のヘイスティングズ8.9、東部リンカシャ―にあるグリムズビー14.1、ノーウィッチ23.0、リンカーン29.5、プリマス33.5となっている。
海外からの留学先として人気のあるオックスフォードは66.0、ケンブリッジは66.1だった。この両地域は大学を中心に独自の社会・文化が形成され、共通点も多いが、死亡率までが近似していることが注目される。この数値にも、コロナ関連死亡率と社会経済状況との関連が表れていると言えそうだ。
なお、ONSが発表した同期間のデータには、新型コロナを含む全てに起因する死亡者数と10万人当たりの調整死亡者数も記載されているが、イングランドでは困窮指数が高い地域順に466.2、431.4、387.7、342.5、320.0、299.7、290.1、279.5、271.0、242.6で、やはり困窮度が高いほど死亡率が際立って高い。さらにウェールズでも412.5、364.4、294.7、267.8、261.7と同様の状況が明らかになっている。
【イギリス】政府統計局、新型コロナ関連死亡率は最困窮地域で2倍。格差影響が浮き彫りに
https://sustainablejapan.jp/2020/06/20/uk-covid-19-mortality-rate/51049
ジニ係数と超過死亡に強い相関関係
データサイエンティストのユーヤン・グー氏はこのほど、解析モデルを何度も調整して、41種類の変数と米国の各州の新型コロナ死者数との間の相関関係を探った。
その結果、どの解析においても新型コロナによる死亡と重要な相関関係がある変数は3つしかないことがわかった。所得格差、人口密度、人口当たりの介護施設入所者数だ。そのうち最も影響が大きいのは所得格差だった。
世界を見渡すと、グー氏はいいポイントを突いているようだ。所得格差が小さい北欧諸国では、新型コロナの人口当たりの死者数が欧州全体を下回っている(厳しい行動規制を取らなかったスウェーデンでも同じだ)。
ジニ係数が0.29のフランスでは、0.34の隣国の英国より(死者数が平年に比べどの程度多いかを示す)超過死亡が格段に少ない。一方で、格差が著しく大きい米ニューヨーク州では、新型コロナの死者数もずばぬけて多い。フロリダ州はいずれの点でも突出していない。
グー氏と同じように変数を用いて分析した研究は少ない。だが、本誌(The Economist)が新型コロナによる死者数の決定要因を巡る研究論文を数十件調べた結果、所得格差は死者数がばらつく理由を解明する力が一貫して強いことを確認した。例えば、カナダ・マギル大学のフランク・エルガー氏らは84カ国を調査し、ジニ係数が1%上昇すると、新型コロナによる死亡率が0.67ポイント上昇することを突き止めた。
また、米スタンフォード大学のアナベル・タン氏、ジェシカ・ヒンマン氏、ホーダ・アブデル・マギド氏は米国の各郡を調べ、所得格差と新型コロナ感染者数と死者数との関係性は2020年こそ一定しなかったが、おおむね関係性があり、格差が大きい郡ほど感染者や死者が多くなる傾向があることを確認した。
▼コロナ死の多寡 決める格差(The Economist): 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010TH0R00C21A8000000/
買収阻止なら中国からの投資に英政府が強硬姿勢を強めるシグナルに
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英半導体メーカー、ニューポート・ウエハー・ファブが中国系のオランダ企業に買収されることが明らかになった。英国のハイテク産業の将来を脅かしかねないとの声が議会から上がり、ジョンソン英首相は直属の国家安全保障担当者による調査を約束した。
中国の電子通信機器メーカー、聞泰科技(ウィングテック・テクノロジー)は5日、オランダ半導体子会社ネクスペリアを通じて、英西部ウェールズで自動車向け半導体を製造するニューポートを買収すると発表した。
ジョンソン首相は6日の議会で、「われわれはその件を調査する。国家安全保障担当補佐官に指示した」と語った。
英政府は企業法の規定に基づき、買収計画の推進を承認するか、審査を求めるか30日以内に判断する。聞泰科技は発表資料で、買収が「不確実性」に直面しているとの認識を示した。
ニューポートは自動車向け半導体のほか、第5世代(5G)移動通信システムや顔認証技術に不可欠な高機能の化合物半導体も手掛け、複数の英国の大学と提携関係にある。
買収計画を阻止した場合、米中貿易戦争の重要分野である半導体産業への中国からの投資に対し英政府が強硬姿勢を強めるシグナルとなり、中国政府の反発を買う恐れがある。
この件は要注目だなあ
保守党(Conservative)、労働党(Labour)、スコットランド国民党(SNP)、自由民主党(Lib Dem)、ウェールズ党(Plaid Cymru)、緑の党(Green)、ブレグジット党(Brexit Party)、その他(Others)の獲得議席予想です。英下院の定数は650議席です。 pic.twitter.com/MFdwqmuPgr— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) 2019年12月12日
これに関しては恐らく大方の人の予想通り。
EU離脱党ことブレグジット党が実質的な後押しに回った時点で大体の人はこうなる事を予測できたはずだろうしね。
無論最大の焦点はEUの離脱だけど、これに関しても過剰なグローバル化の反動による所も大きいしね。
移民難民の問題による所や宗教関係の問題等もあるし、何よりイギリスもイギリスでこれまでポリコレフェミが女性の権利やら子供の権利やらLGBTやらで大暴れした結果、差別の再生産まで起こす事態になっていたから、リベラルに関しては嫌われて当然とも言える状況だったのも確かだったからね。
何もイギリスに限らず、アメリカやフランスやドイツでもリベラルへの反発が目に見え始めたし、今後は国家のローカル化が進んでいくのではないかなと思う。
フィンランドでは女性首相が連立を組んだ5つの政党党首を全員女性にしたとかやらかしたみたいだけど、あっちはあっちで右派が台頭しだしているみたいだし、北欧も北欧でスウェーデンやノルウェーとかでも移民問題が問題視され始めているから、時間の問題だと思う。
11月最初の週末は、ラグビーW杯2019日本大会、最後の週末だ。
ラグビー伝統国以外での、そしてアジア初開催となったこのトーナメントも残すところは2試合を残すのみ。
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大会を振り返った時、3位のチームを覚えている人は少ないだろう。
地上波放送もなかったし、3位決定戦自体の存在意義に疑義を唱える関係者もいると聞く。
しかし、今回、不可抗力で中止になった試合こそあるものの、W杯の開催地に最後まで残って、参戦したときに行う可能性のある7試合全てを戦えるのはここまで残った4チームにのみ許された権利だし、この大舞台で戦う経験を積む新星、そして代表戦の舞台から去るベテランたちにとってこの一戦は大きな意味を持っている。
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ニュージーランドのWTBリーコ・イオアネや、ウェールズのSHトモス・ウィリアムズ、CTBオーウェン・ワトキンはこの3位決定戦で次の4年に向けた新たな一歩を踏み出し、No8キアラン・リード、FBベン・スミス、CTBライアン・クロッティ、FLマット・トッド、そしておそらくはこのステージで残された時の少ないLOアラン・ウィン・ジョーンズといった伝説たちが、代表として有終の美を飾るための戦いに臨む。
また、スティーブ・ハンセン、ウォーレン・ガットランド両HCも退任が決まっており、これらはこの試合が1つのサイクルの終焉と新たなサイクルの始動を繋ぐものであることも意味している。
強豪国として名をはせる両国は今夜、どのような「終わりと始まり」を見せてくれるだろうか。
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若手に経験を積ませたりベテランの花道を作ってやりたいとは思っても、負ける気など全くないウェールズ。
伝統の固いディフェンスと激しいタックルは若手にも浸透しているであろうが、相対するのは攻めてくるのを待っていて勝てる相手ではない。
ウェールズは攻撃的守備を遂行しつつ、ペナルティーキックやセットプレーなどの一瞬の勝機を何度ものにできるかが問われる一戦となる。
対してスタメンを大幅に入れ替えても世界的なビッグネームばかりという層の厚さを誇るオールブラックスは、完全に封じられれた準決勝の苦い思い出を払拭し、自信を取り戻さないといけない。
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国家斉唱を前にこの試合で黒衣を脱ぐキアラン・リードの頬に笑顔が漏れる。
スタジアムが純粋にラグビーを楽しむ祝祭的なムードに包まれる中、両国の代表と観客が声を合わせて歌う国歌。
特別な試合、原則マオリの血を引くものが務めるとされるハカのリードはキアラン・リードだった。
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いよいよキックオフ、増田の予想に反してウェールズは試合開始から果敢にランで展開しつつ攻めるが、これを止めたオールブラックスがペナルティを獲得、外れたゴールキックの攻防からボールをつなぎ、なんとPRのジョー・ムーディーが激走してトライ!
つづく12分にもラインアウトからのセットプレーでクロスパスを受けたFBボーデン・バレッドがディフェンスをすり抜けてトライ。
14-0。
オープンな展開から2トライを奪ったオールブラックスが序盤をリードする。
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対するウェールズも深く攻め込んでからのセットプレーを取り切ってトライ、その後もペナルティーゴールを獲得し14-10とやり返していく。
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しかし、ボールをもってもキックを使わず走るウェールズが挑んだ攻めあいはオールブラックスの土俵で、32分にはセットプレーからターンオーバが連続する混乱をベン・スミスが走り抜けてトライ。
銅鑼のなった40分すぎにまたもベン・スミスがインゴール右隅に飛び込み、28-10として前半を終了した。
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スタンドに観戦にやってきていた上皇夫妻に送られる拍手と歓声。
トーナメントを勝ち上がってきたキック主体の戦術を使わずランでのオープンな展開で攻めたウェールズだが、オールブラックスの得意な混乱からの打ち合いを誘発してしまう。
ウェールズは今日が代表最後となるベン・スミスの2トライなどで大幅リードを許して前半を折り返した。
後半は締めていくのか、覚悟を決めて引き続き果敢に攻めるのか。
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後半開始早々、オールブラックスはまたもベン・スミスがディフェンスをすりぬけてチャンスメイクし、ソニー・ビル・ウィリアムス一流のオフロードでつなぎ、ライアン・クロッティが飛びこみトライ。
今大会を若い力で駆け上がってきたオールブラックスは、3位決定戦でみせたベテラン3人のアンサンブルで35-10。
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ウェールズは残された大舞台最後の時間を観客とともに全力で楽しむように、後半もキックを使わずランで攻める。
オーソドックスな展開攻撃だけではなかなかビックゲインができなかったが、辛抱強くボールを繋ぎつづけ、インゴールライン間際の攻防からジョッシュ・アダムズが頭を突っ込んだ!
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ゲームは選手の交代が相つぐ時間となり、大歓声で送られるウェールズのアラン・ウィン・ジョーンズやオールブラックスのソニー・ビル・ウィリアムズ。
最もセクシーなアスリートと世の女性にもてはやされながら、前大会で得た金メダルを興奮してフィールドに降り駆け寄ってきたファンの子供にあげてしまうなど、セクシーの期末試験があったら記述問題に採用したい振る舞いがノータイムで出せる伊達男ソニー・ビルは、13人制でカナダからのオファーがるという。
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腕を痛めたウェールズSOリース・パッチェルの交代で怪我の穴埋めにとことん縁のあるダン・ビガーがフィールドに降り立ち、同じく交代で入ったSHガレス・デービスがややキックを増やしたことで後半の展開は均衡したが、やはりオープンなゲームであることは終盤になっても変わらない。
観客にラグビーの楽しさを示すように攻め合いになったゲームは、75分にウェールズ陣深い位置からのスクラムからオールブラックスSOモウンガが、その均衡を破るトライで40-17として、このスコアのままゲームは終了した。
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おそらくは互いに最後のW杯となるアラン・ウィン・ジョーンズ、キアラン・リード両キャプテンが晴れ晴れとした表情でインタビューに答える。
準決勝の苦い敗戦を払拭し、最後の試合を飾ったスティーブ・ハンセンHCは大歓声に送られ、花火大会の打ち上げ本数で上回られたウォーレン・ガットランドHCは少しだけ悔しそうな表情で、しかし歳月を噛みしめるようにウェールズを鍛え上げた日々への思いを語った。
今大会で堂々オールブラックスの司令塔を務めた新星モウンガは試合前に「先輩たちのために今日は戦う」と語ったという。
ウェールズの選手たちも同じ気持ちではなかったのだろうか、去る者の思いは若い戦士たちに受け継がれていく。
4年後には彼らが先頭に立ってチームを引っ張っていくのだろう。
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決戦の1試合を残して大会を去った彼らだが、大会後にはキアラン・リード、ライアン・クロッティ、マッド・トッド、ブロディ・レタリック、サム・ホワイトロック、リーアム・スクワイアなど、多くの選手が日本にやってくる。
あと、W杯が始まってからというもの、どうにも悪役キャラのようなセリフを吐きまくるエディーがまた口を滑らせたおかげで、スティーブ・ハンセンが次に指揮を執るのがトヨタヴェルブリッツであることも明らかになった。
日本代表の躍進をその屈強な身体で支えた姫野を擁し、元オールブラックスのキャプテンとHCがやってくるトヨタは台風の目になるだろう。
W杯を沸かせた彼らのプレーや采配を間近で見ることのできる、トップリーグのスタンドにも是非足を運んでほしい。
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そして、日付が変わって11月2日、2019年大会を制するチームがついに決定する。
追憶と希望をのせたトライの花火と歓声が夜空を彩った今夜だったが、次の夜はもっとシリアスなものが飛び交うだろう。
44日間の激闘を見守ってきたウェブ・エリス・カップは、白と緑、どちらのユニフォームの上で輝くのか。
10月も最終週を迎え、ラグビーW杯も3試合を残すのみとなった。
準々決勝で日本が大会を去り、バラエティ番組などでは「大会お疲れ様」という雰囲気も流れているが、四年後の話をするにはまだ早い。
ウェブ・エリス・カップを巡って決勝を戦うチームは今夜決まるのだ。
日本代表がいない大会でも、まだみんながラグビーを楽しんでいてくれて嬉しい。
増田ももうすこしだけ試合をレビューしてみんなの力になりたいと思う。
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さて、ラグビーの母国イングランドが黒衣の王者ニュージランドを下した昨日の対戦を「事実上の決勝戦」と表現する声もあったが、そう言われては今日戦う2チームは立つ瀬がない。
今夜行われる対戦は、2度のW杯チャンピオンに輝いた南アフリカと、直近の欧州王者ウェールズだ。
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日本と因縁浅からぬ南アフリカは、その圧倒的なフィジカルを利して日本を封殺しただけでなく、予選プールでもニュージランドに敗れた1試合以外は30点差以上の点差をつけて危なげなく勝ちあがってきた。
ただ、予選で1敗でもしたチームがW杯で優勝したことはなく、準決勝に臨んで得点源の一人である「ポケットロケット」チェスリン・コルピを怪我で欠くのも気がかりだ。
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対するウェールズはここまで薄氷の勝利を積み上げてきたものの、ツーブロックに長いドレッドのFLジョシュ・ナビディ、多くのチャンスを演出してきたFBリーアム・ウィリアムスを失い満身創痍だ。
激しい戦いのせいか怪我に悩まされるウェールズ代表は、今回だけでなく前回W杯でも大会前から予選プールにかけて大量の離脱者を出し、ベスト8に終わった。
その時に敗れた相手が南アフリカで、こうなってくるとラグビーの神様が赤いドラゴンに試練を与えているのではないかと疑いたくなる。
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ただ、そういった方面の話には朗報もあって、昨日、神様の中でも黒い服を着たやつを、そういう事あんまり気にしないパワハラおじさんがお仕置きしてくれたので、これ以上のイタズラは心配しなくても良いかもしれない。
全力をもって今夜の戦いに臨むだけだ。
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南アフリカは圧倒的なフィジカルと勤勉さを盾にした鉄壁のディフェンスとハイパント、これまた強力なフィジカルで圧力をかけてからの展開や、キックで得点を狙うチームだ。
対するウェールズも、赤い壁と表現されるディフェンスと、一撃必殺のセットプレー、アタッキングキックを用いた奇襲、突如繰り出すドロップゴールなどで対抗する。
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お互いぶつ切りの展開になれば自分たちのラグビーに持ち込めるが、それは相手も同じで、強みにフォーカスすると相手の強みも誘発してしまいかねない。
がっぷり四つの対戦になるだろうか、相手の強みを消しにいくだろうか。
ウェールズのウォーレン・ガッドランドHCは「世界一美しい試合というわけにはいかない」とキックの多いゲームを示唆したが、そのキックにつながる地上の密集戦がどちらのものになるかが重要で、これを制圧した方がゲームをより優位に進めるのではないだろうか。
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17:45、フィールドに屈強な男たちが降り立ち、黙祷に続く国歌の斉唱。
代表チームのキャンプ入りの際、地元の子供の合唱という形で歓迎を受けたウェールズ国歌、「ランドオブ・マイファーザー」は今夜も場内の多くのファンが声を合わせた。
「神よ、アフリカに祝福を・南アフリカの呼び声」も同様で、それは美しい光景だった。
国にかかわらず皆が声を合わせ、会場に響き渡る国歌、これはこのW杯で日本がホストとして成し遂げた成果かもしれない。
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いよいよ試合開始、前半、南アフリカのキックオフは、蹴り返されて自分たちに戻ったボールをいきなりハイパントし、そのキックが展開を予想させるものとなった。
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開始早々、ウェールズがボールを持てば南アが力任せに抱え上げて立往生を食らわせ、南アボールの密集になればウェールズのLOアラン・ウィン・ジョーンズが地上戦でボールを引っこ抜いて攻守交代。
双方フィジカルで一歩も引かず、硬いディフェンスのうえ、どちらも攻撃の展開にも複雑なオプションがない。
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簡単に突破できないのでキックに活路を見出し、2分に1回はどちらかがハイパントをあげてはスクラム、という展開のなか、その流れで南アが獲得したマイボールスクラムに組み勝って2度のペナルティーゴールを獲得。
しかし、ウェールズもランから進入してやり返し、これまたペナルティゴールを獲得する。
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異様に回数が増え、序盤の鍵を握る事になったハイパントは、横浜国際総合競技場上空に強い風が吹いているためボールの行方が安定しない。
徐々にランに切り替える南アだが、地上戦では度々攻守の交代を食らわされ、ウェールズがジワジワと前進してくる。
後退の原因は起点となる地上の密集戦を制圧しきれないことだ。
30分を過ぎ、南アにとって息苦しいような時間帯になっていく。
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強みを見つけて流れをつかみかけたウェールズだが、やはり神様はしつこいようで、35分、突進してくる南ア・フェルミューレンにいった単純なタックルでPRトマス・フランシスが肩を痛め、その直後にWTBジョージ・ノースがハムストリングに悲鳴をあげて交代、ここにきて負傷者が相次いでしまう。
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キック合戦でゲームが動かないまま40分が過ぎ、6-3のスコアで前半は終了したが、ウェールズはまたも襲ってきたこの試練を乗り越え、後半の40分を自分たちのものにすることができるだろうか。
そして大方有利とみなされながらも赤い壁に阻まれウェールズを引き離すことができなかった南アは、流れを引き寄せるプランを立てられるだろうか。
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ウェールズのキックオフから始まった後半も、火を吹くようなフィジカルのぶつかり合いとなり、小柄なデクラークもエキサイトして自分よりはるか大柄な選手に摑みかかる。
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そのデクラークのミスに乗じた敵陣でのセットプレーから、ウェールズはペナルティーゴールを得て9-9。
スコアは振り出しに戻り、試合は点数の上でも一進一退の攻防となる。
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ここで南アはゲームを動かすべくマルコム・マークスを投入し、制圧していると言い難いスクラムで優位を作ることも目論む。
南アはこのゲームでまだ相対的な強みを見つけられていなかったのだ。
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すると53分、そのテコ入れしたスクラムで組み勝ち、続くセットプレーでCTBデアリエンティが膠着を破るトライ!
ついに南アは均衡したゲームに決定的な差を生み出す事に成功した。
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しかし、まだ試合は終わらない、今度は地上戦でボールを引っ抜いたウェールズがペナルティーキックで南アインゴール間際まで前進。
21フェイズに及ぶ力押しでペナルティを得て、なんと選択は先ほど組み負けたスクラム。
位置的に中央なので有利とはいえ、明らかにスクラムは南ア有利なのに、相手の強みであってもぶつかっていって勝負の流れを引き寄せにかかる。
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64分、ここからの必殺のセットプレーでWTBジョッシュ・アダムズがインゴールに飛び込みトライ!
コンバージョンも決めて16-16。
お互いの限界を試すような勝負、これでその行方は全く分からなくなった。
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ゲームは終盤、1ゴールを争うような展開のなか、ドロップゴールをチラつかせながらFWでフェイズを重ね前進するウェールズ。
攻める方も守る方も我慢比べ、70分を過ぎてどちらのフィジカルとメンタルが破綻するかという場面だ。
しかし、ここで南アが機械の歯車に噛むようなジャッカルで決定的な攻守交代!
勝ちを大きく引き寄せるペナルティーゴール得て、スコアを19-16とする。
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だがウェールズは何度もこんな場面で勝ちを手繰り寄せてきた。
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終了間際の78分、自陣深くから一瞬の勝機にかけるウェールズボールのラインアウト、しかし弧を描いたボールは南アLOモスタートの長い手に触れた。
ボールは南アのものとなり、最後のスクラムに組み勝った南アが息詰まるシーソーゲームを制した。
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相手の強みを徹底的に封じ込めたニュージーランド×イングランド戦と打って変わって、お互いの強みを正面からぶつけ合い、見ているもの心と身体を熱くさせるような展開となったこの試合。
他球技に比べ実力が結果に反映されやすいとはいえ、プランがはまって相手を翻弄できれば一方的に封殺もできるラグビーにあって、今夜は最後まで勝敗の行方が分からず、どちらが勝ってもおかしくはなかった。
ただ、連戦で積み上げた身体的負担、気候、その他フィールドのプレーよりも大きな数々のファクターが命運となって一戦を左右した。
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タイトロープを歩きながらここまで勝ち上がって、南アフリカを追い詰めたウェールズはこれで3位決定戦に回るが、今夜の敗戦を笑うものはいないだろう。
彼らは胸を張って1週間後に備えるのがふさわしい。
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そして、頂への三度目の挑戦権を得た南アフリカ。
https://anond.hatelabo.jp/20191021220820
ラグビー始めて今年で33年。ラグビー歴はほぼほぼRWCの歴史と一緒。
ラグビー増田がホッテントリに入るなんて全く想像していなかった、インターネット老人会の増田、です。
レビューずっと拝見していました。
当然、日本代表を応援していたわけですが、個人的に縁があるフィジーとフランスも強く推していました。
アップセット最右翼のフィジーにはウェールズを食ってもらおう、と期待していましたが、逆にウルグアイに金星献上し、寂しい戦績で終了。結果はともかく、濡れた石鹸、とまで言われたボールを上手に扱う、彼らの「魔法」は随所に見られたし、もっと見たかったものです。
一報、フランスは前評判を覆して、準々決勝まで行ってくれたので、準決勝進出を期待していましたが、残念。
でも、フランスは、
・個々人が好きなように走って好きなようにボールを動かす。
・チームワークってなんだっけ。
・80分が長すぎて、途中で飽きちゃう。
・思い通りにならないと、やんちゃな行動にでる。
という点も含めて…。
大会を去った贔屓が今後どのようにチームを作ってくるか(あるいは作れずに実力を落としているか)を見守っていくのも楽しみです。
フランスのジャック・ブリュネルもご老体。日本代表は相変わらず、マネジメントがゴタゴタ、とHC人事がすっきりしなさそうですが、そんなを観測していくのも含めて。
そういえば、フランスのかつての決勝進出チームは、「最大の敵であるHC」を倒すためにキャプテン以下団結していたものです。
上のフランス代表の欠点は、「Anglo-SaxonのHCをよぶ」という最終手段で全て解決しそうですが、それはありえないでしょうねぇ。
贔屓はさりましたが、次の4年間がもう始まっています。
日曜の日本×南ア戦、結果は少し残念なものとなったが、ちょっと苦し紛れっぽくポストしたプレビューで試合の見所を紹介でき、観戦の良い補助線になったというコメントもいただき、多くの人に楽しみを提供できたかもしれないと思うと嬉しかった。
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日本代表の試合となると、勝ち負けの結果が最大の観戦ポイントとなるのは避けがたいが、そうなると負け試合になった時、ただ悔しい、辛い、つまらない、みるんじゃなかった、という思いも心に湧き上がってしまう。
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増田としては、それだけではなくて、事前に何をもって戦いに臨み、実際にフィールドで何が起きているのか、というところに目を向けて、このスポーツの面白みを発見できる見方を知って欲しかった。
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また、見方において日本戦だけでなく他の試合においても思うところあり、スコットランド戦のレビューでも触れたように、「勝者の物語」はまた「敗者の物語」という側面を持っている。
日本に敗れたチームや、強豪に敗れたチームの詳細にも触れて、普段の観戦よりもう少しだけ多くの視点からの風景を共有したいと思った。
そう言った意味では、ウェールズ×ジョージア戦や、ちょっとお説教を頂いた日本×スコットランド戦のレビューも、その遂行面ではともかく、視点としてはまあまあ気に入っている。
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さあ、準々決勝の4試合だが「多分リアルタイムで観るの難しいっぽいなー」と言っていたものの、蓋を開けてみるとクアラルンプールからの帰国便は6時間余りあり、機内のモニタでも国際スポーツチャンネルがあったので、19日の2試合はリアルタイム観戦ができた。
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さらに、南ア戦の翌日は1週間の旅の疲れを癒すために休暇をとっていたので、オンデマンド放送でウェールズ×フランス戦も観戦できた。
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詳細なレビューは書ききれないが、これらの試合を概観し、準決勝の展望についても触れたいと思う。
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イングランド×オーストラリアの試合は、伝統的な重くてシンプルなフィジカルラグビーに4年で鍛え上げた強力なオープン攻撃を組み合わせたイングランドの「進化型フィジカルラグビー」と、「ストラクチャー」ではあるが地上戦のランで組み立てる今となってはクラシカルなオーストラリアの「シークエンスラグビー」の激突となった。
「シークエンス(台本)」と言いながらも、オーストラリアはその布陣においてSHのウィル・ゲニア、SOのクリスチャン・リアリーファノ、FBのカートリー・ビールと試合のタクトを振れる3人を並べ、トリプル司令塔で攻撃に冗長性と予測不能性を加えていた。
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しかし、その3人をもってしてもイングランドの強固なディフェンスの穴を見つけることができず、長時間ボールを支配したにも関わらず、その時間に見合ったスコアを獲得できなかった。
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スタッツをみることができるなら、「ボール支配率(possession)」と「ゲインメーター(meters made)」に注目してほしい。
オーストラリアは62%もポゼッションし、イングランドの2倍以上の距離をメイドした。
にもかかわらずスコアにはつながっておらず、これは多くの場合、エラーやディフェンスにあって突破ができなかったという事で、非常に効率の悪い攻めをしていたことを意味する。
このことの視点をひっくり返してタックルに注目してみると、イングランドはタックル数において86回のオーストラリアに倍する193回のタックルを見舞っていたにも関わらず、オーストラリアの13回のタックルミスに対して21回のタックルミスしかしていない。
6.6回に1回捕まえられなかったオーストラリアに対し、倍の数を試して10回に1回しかミスしていないということだ。
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効率を無視したメーター数と運動能力で圧倒するのはオーストラリアのスタイルであり、簡単に変えるのが正しいとは言い切れないが、ボールを持たずに白い壁を作り、切り返しからの一発で獲るのもまたイングランドのスタイルであり、オーストラリアは自分たちのプランに持ち込めたが、遂行の面でイングランドに問題を突きつけられた、という形になった。
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オーストラリアとイングランド、双方のHC、マイケル・チェイカとエディー・ジョーンズはコーチボックスでブチ切れる事で名高いが、フラストレーションの溜まる展開も、結果はかなり一方的なものとなり、チェイカはキレるというより憮然としてしまった。
こうしてイングランドが準々決勝に次いでまたも準決勝に一番乗りした。
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スタイルを貫いたのに壁に跳ね返される展開となった第一試合だったが、第二試合で増田はさらに息を呑むような衝撃的な光景を目の当たりにする。
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今年のテストマッチでオールブラックスを破り、直前まで獲得した世界ランキング1位を引っ提げてW杯に乗り込んだアイルランドだったが、彼らはその「1位」という数字の当てにならなさを残酷なまでに突きつけられた。
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36%しか獲得できなかった「地域獲得率(territory)」、オールブラックスと比して8割ほどの回数はボールキャリーできたのに半分ほどしかメイドできなかった「ゲインメーター(meters made)」、クリーンブレイク僅か2回、そして最終スコアの46−14は、「どんなプランを持っていたにせよ、ほとんど何もさせてもらえなかった」という事を意味する。
オールブラックスとほぼ同じ回数タックルを見舞っていたにも関わらず、2.5倍もタックルミスをしてしまい、8回ものターンオーバーを喫している。
実際見ても、あの緑の壁が地上戦でズルズルと下がっていたのは恐ろしい光景だった。
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オールブラックスはアーディー・サヴェア、ブロディ・レタリックなど強力FW陣が躍動し、コーディー・テイラー、デーン・コールズ(驚くべきことに2人ともFWだ)、ジョージ・ブリッジなどの驚異的なランナーが次々とラインを破り、アーロン・スミスやボーデン・バレッドがその閃きで違いを作り出したが、増田は個人的POMとしてSOのリッチー・モウンガを挙げたい。
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この地味な司令塔は、敵陣に侵入し、すわ驚異的なアタックが始まるぞという時でも、デフェンスラインが浅いとみるやゴロパントを蹴って22mのさらに深くからのセットプレーを相手に強い、ボールが暴れるやドリブルで蹴だしてボーデン・バレットへ脚でのパス。
黒子に徹しながらも異常な反応速度と驚異的な回転の早さで黒衣の王者を動かした。
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緑の巨体を一蹴したオールブラックスが今度は白い壁がまつ準決勝に駒を進めた。
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細かい数字の話が続いたのでスタッツからは少し離れることにしよう。
ウェールズ×フランスは、準々決勝で唯一、1点を争うクロスゲームが演じられた。
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緑の芝に赤と青のユニフォームが映える一戦は、個人の閃きで予測不能な攻撃を仕掛ける青のフランスに対し、壁を作って切り返し、直線的なランとハイパント、サインプレーからの一発を狙う赤のウェールズという展開となった。
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前半からボールを支配し、次々と不確実性を突きつけるフランスに対し、守勢に回るウェールズは、数少ない攻撃のチャンスを得ても、ダン・ビガー、ガレス・デービス、リーアム・ウィリアムズの個人技しか出来ることがない。
そもそもウェールズは3フェイズ以上の攻撃になるとすぐに手詰まりを起こしてしまい、そこから先はキックと個人技と密集戦くらいしかやることがなくなってしまうのだが、その3フェイズの切れ味で尸の山を築いてきたチームだ。
ボールをもってジャズセッションを奏でたいフランス相手に気分良い時間を提供してしまう。
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しかし、しかしだ、フランスにはなぜかW杯で顔を出す、悪い、致命的に悪いクセがある。
前回W杯で密集のどさくさに紛れてオールブラックスのリッチー・マコウに芝との挟み撃ちにするプレスパンチを繰り出し退場者をだした様に、今回もLOのセバスティアン・ヴァーマイナがモールのどさくさに紛れてウェールズの選手に肘打ちを見舞ってしまう。
掲げられた赤いカードは同じ赤のジャージを着たウェールズにとっては幸運のカード、青のフランスにとっては逮捕状に見えたことだろう。
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ここからウェールズは徐々に息を吹き返し、ついには土壇場で勝負をひっくり返した。
フランスは優位に進めていた試合を自ら壊してしまい、涙を飲むことになった。
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W杯が始まってからというもの、「あーこりゃマズいな」という状況を執念でひっくり返し、薄氷の勝利の道を踏み抜かずに歩き続けるウェールズは感嘆に値する。
毎度毎度、怪我人の穴埋めで呼び出されて司令塔になるW杯男、ダン・ビガーは、男であればこうありたいと思わせる勝負強さだし、肘打ちを食いながらもPOMに輝いたアーロン・ウェインライトは全てのパパが見習うべきで、父たるもの大男はちょっと厳しくてもヤンチャな娘の肘打ちくらいには耐えないといけない。
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土壇場に強い男たちの活躍で準決勝3番目の椅子はウェールズのものとなった。
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準決勝はニュージーランド×イングランド、ウェールズ×南アフリカという組み合わせとなった。
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ここまで圧倒的な強さを見せつけるオールブラックスだが、相手に付け入る隙を与えずねじ伏せてきたのはイングランドも変わらない。
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しかしオールブラックスが優位に試合を運ぶのではないだろうか。
重厚でクラシカルなスタイルから進化して、未来型フィジカルラグビーとでもいうべき戦法で次々と対戦相手を沈めてきたイングランドだが、その選択肢の多さが逆にオールブラックスの付け入る隙となるかもしれない。
いっそランニングを捨てて激しく前に出る高速ディフェンスによってオールブラックスのモメンタムがつく前に潰し続け、ロースコアの展開に持ち込んだほうが勝機が見えて来るのではないかとも思う。
オールブラックスとしては、いかにして前に3mのスペースがある状態でボールを持つかということになる。
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名将スティーブ・ハンセンと、勝負師エディー・ジョーンズの采配に注目だ。
また、エディーがいつコーチボックスでブチ切れるかにも注目だ。
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南アフリカとウェールズの戦いに関しては、ともにフィジカルを盾にしたディフェンスに特色のあるチームであり、小細工を弄するような対戦になると考えづらい。
双方ともペナルティゴールを積み上げた上で、試合合計でも3個以内のトライを奪い合う展開になるのではないかと思う。
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自分の自尊心を守る為に見えてるものに目を瞑る誘惑には耐えなければいけないが、それでも南アフリカが優位にゲームを進めるのではないだろうか。
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翻って必殺の一撃が世界最高クラスのフィジカル相手にも通じるのか試さないといけないウェールズだが、どうもクロスゲームには縁があり、かつて日本相手のテストマッチでも70分過ぎのドロップゴールで逃げ切った経験がある。
今回ももし75分を過ぎて手が届く点差なら何でも起き得る。
綱渡りのうまい大男達がまたも勝負の谷を超え、頂への挑戦権を得るだろうか。
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日本の挑戦は終わったが、W杯で残された4試合はいずれも興味深いものばかりだ。
みんなも是非もう少しお付き合いいただきたい。
Day,0
出発前
ANAのマイルが溜まっていたので、休暇を利用してマレーシアに行くことにした。
なぜマレーシアなのかというと、GWと元号絡みの10連休で韓国に行った時に、「これは非常に国民の同質性の高い国だな」と思い、「次は多様性の高い国に行きたいな」と思ったのと、以前からアジアのイスラム国家に興味があり、ならマレーシアがうってつけなのではないかと思ったからだ。
ニョニャ料理に興味があったのもある。
せっかくだから陸路で行けるシンガポールも行ってみたくなり、さらに予習のつもりで行ったマレー料理屋のママがイポー出身で、激推しされたのも心動かされ、7泊7日の日程でクアラルンプール→マラッカ→シンガポールに入国→クアラルンプールで最終チェックイン→日帰りでイポー→クアラルンプール国際空港から帰国という詰め込みスケジュールとなってしまった。
そんな強行日程なんだが、直前まで緊張感のあるプロジェクトに携わり、出発直前になって台風まで関東を直撃し、出発できるのか心配になったが、台風が巻きで通過してくれたので、フライトに影響はなく、仕事もなんとか終わりが見える形で後輩に留守を引き継いだ。
Day,1
1日目
台風一過の晴天の下、羽田空港国際線ターミナルに向かう。
フライトは23時なので、日が高いうちに向かう必要は本来ないのだが、羽田空港に早めに到着して、ラグビーW杯の日本×スコットランド戦が観たかった。
旅行を計画した時には気づかなかったが、日本の突破がかかる一戦にフライトの日が重なってしまっていた。
旅行に全力を傾けるために観戦を諦めるという選択もあったのだが、いざ大会が始まると、ラグビーの楽しみ方、面白さを伝えたい一心でレビューの投稿などを始めてしまい、おまけに日本代表の大活躍でこの一戦にプール突破がかかる緊迫した状況になってしまい、どうにも観ないわけにはいかなくなってしまった。
羽田空港に早めに行って手荷物預け入れなどを済ませてから、空港に設置されたテレビで観戦してレビューを書いてフライトするというスケジュールになってしまった。
ただでも旅行中は常に記録して旅行記を書きながら過ごしているのに、その上出発前も書き物をするとは、どうものっけから書きっぱなしの旅行になりそうだ。
羽田空港につき、ラグビー観戦にうってつけのモニタのある食事処に陣取ると、一団の外国人がラップトップを持ち込んでウェールズ×ウルグアイ戦を観戦していた。
また、日本戦キックオフが近付くと、モニタに映し出される試合目当てにガタイのいい外国人が続々現れる。
みんな目当ては一緒っぽい。
こちらもモニタはもちろんだが、一応、動画サイトの同時中継を準備して、ダブルモニタ体制で観戦することにした。
この旅行記が投稿される頃には明らかになっているだろうが、日本代表は見事勝利を収め、史上初の決勝トーナメント進出となった。
食堂は大盛り上がりで、レビューにも力が入ったが、そのため出発までがバタバタとしたものとなり、推敲は機内で行う事になった。
「先に我々のメンバーを見たことで、相手が作戦を変更してきても、それは私がどうこうできることではない。関係ありません」試合3日前に登録メンバーを発表した南アフリカのエラスムスHCは言った。
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ラグビーワールドカップは予選プール1ヶ月の激闘の後、ノックアウトラウンドが始まり、準々決勝の2試合が行われた初日は、イングランドとニュージランドがそれぞれ圧倒的な強さでオーストラリアとアイルランドを封じ込めて準決勝進出を決め、今日行われたトーナメントの反対の山、ウェールズ×フランスは激闘の末にウェールズが勝負をひっくり返し、わずか1点差で試合を制した。
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そして夜、準決勝の最後の椅子を巡って日本×南アフリカの対戦が行われる。
日本と南アフリカといえば、4年前のW杯を思い起こさずにはいられれない。
世界中に全く注目されない中、日本は大会の良い試運転になると目論んでいた南アフリカを撃破し、世界中に衝撃を与えた。
南アフリカの選手はあの夜、試合が終わったあと呆然として芝に座り込んでいた。
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あれから多くのプレーヤーが来日し、ジャパンラグビー・トップリーグでプレーした。
日本にやってくる外国人選手というと口さがない人はすぐ「金目当てだ、日本リーグに純粋なスポーツ価値なんてあるわけない」という。
しかしきっとそれだけではない。
彼らは日本ラグビーをリスペクトし、何が起きているのかこの目で確かめるためにやってきたに違いない。
長年かけて準備をしてきたのは日本だけではない。
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4年前の南アフリカ代表は試合前、日本に対して特別な事はしていないと言ったと記憶している。
字面だけ見れば似たように見える今年の言葉、だけど今回はきっと込められた意味が違う。
意訳するとこうだ。
「我々はもう君たちを知っているぞ」
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台風19号の被害は甚大で七十人を超える死者を出し、この試合でも冒頭に黙祷が行われた。
さらに今日10月20日は日本ラグビーの象徴、平尾誠二の命日でもある。
日本はもう居ない人たちへの思いと、今いる多くの人たちの未来への希望を背負って戦いに挑む。
流は国歌斉唱で泣いていたがそれはまだ早い、今夜はどんな結果になろうとどのみちまた泣く事になるのだから。
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日本は取った田村が自陣深くからいきなりキックパスし、対する南アもデクラークがハイボール、キックの応酬となる立ち上がりとなった。
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3分、南アボールのファーストスクラムで、日本はわずかに押されて下がりながらのディフェンス、こうなると守るのが難しい。狭いサイドをマピンピが鋭くつきこの試合初めての得点となるトライをとり0-5。
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リスタートからまたもハイパンを上げるデクラークに対して日本もハイパンで応酬、落下点で競るが今日は日本のキャッチが当たっている。
ラインアウトからのセットプレーでも蹴る日本は直前のテストマッチで単純な地上戦ではディフェンス突破ができないと踏んだか。
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最初の15分、強みを見せつけて「力押しとパワフルラン」といういつもの攻めをする南アフリカと、多彩なキックを活用して撹乱を狙う日本、狙いは混乱から前進し複雑さを突きつける「アンストラクチャーラグビー」だ。
今日はハイボを松島がよく取り、そこから始まる日本の早くて複雑なプレーを前に南アはズルズルとディフェンスラインを下げるが、日本はエラーで最後まで詰め切れない。
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ただ、まだ流れを持っている日本は18分にスクラムで初めて組み勝ってペナルティゴールを獲得、3-5。
雄叫びをあげる具智元。
その後、日本はペナルティ獲得で南ア陣22mにも侵入し、ここから繰り出す複雑なプレーで南アディフェンスを圧倒する。
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南アはボールを持つチームではない、でもポゼッション21%はいくらなんでも低すぎだ。
ハイボが取れないだけでなく運もなく、30分台に訪れた2回のほぼ決定的なチャンスも偶発的なエラーで逃す。
小柄なデクラークが一人気を吐く中、全く攻め切れず3-5で前半終了。
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複雑な攻めを突きつけてペースを握るもエラーで取り切れなかった日本だが、より深刻なのは南アだ。
取れるところ、取るべきところでことごとく点数を取れていない。
問題を起こしているのはエラーなので修正のしようはあるかもしれないが、40分やって2点差というのはまずい。
残り40分、南アは体力の限界が訪れる前に勝負を決めないと、4年前の再現となってしまう。
対する日本は自分たちが試合を動かせる60分まで南アを封じ込めることができるだろうか。
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後半、フィールドに先に現れ、円陣を組む日本は予選突破でやりきったなんてとんでもない、もっと勝ち続ける気満々だ。
だが淡々としていたように見えていた南アは、10分の間に着実に自分たちのプレーを修正していた。
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後半の南アはミスが少なくなり、ブレイクダウンの激しさとデクラークのアグレッシブなタックルで地上を制圧する。
40分台、南アは2度のマイボールスクラムで組み勝ってペナルティゴールを獲得、2回ともチャンスを確実に決めて3-11。
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何が起きていたのかわからずに混乱していた4年前とは全く違い、シンプルプレーを悉く繰り返す南アは、「自らの強みを疑わない信念」と「身体の強さ」で強引に命運を引き寄せた。
対する日本は自分を取り戻した南アの前に地上戦でボールを得ることができないだけでなく、ラインアウトも失い、流れがが逃げていく。
こうなっては起点がないので複雑なサインプレーにも、アンストラクチャーの走りあいにも持ち込めない。
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勝負を分ける60分台には南アがこれも強みであるモールで20mあまりも前進したあと、今日大活躍のデクラークが鋭いランでインゴールに飛び込みトライ、コンバージョンも決まって3-21。
欲しい時間帯で最も得意なプレーで取る、これは取った側は大きな自信になり、取られた側は大きなショックとなった。
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着々と試合終了が迫る中、18点差を追う日本は、南ア陣深くラインアウトを得るが、試合を蘇らせる最後のチャンスにこれを切り返されて、逆に南アが勝利を決定的に引き寄せるトライ!
3-26。
75分を過ぎて23点差は日本にとってはもはや逆転不能な数字だし、南アにとってはもう命運は逃げていかない。
だが日本は諦めないし、最後にボールを得た南アは待つだけで手に入る簡単な勝利を拒否するように攻め続ける。
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勝敗の帰趨は決まっていても、双方最後まで激しく戦った80分、ボールはタッチに蹴り出され、ついに南アが勝利を手にした。
4年前のショックはW杯直前のテストマッチで払拭したと語ったエラスムスHC。
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大量点を取り合うラグビーでは、残り10分ではもう勝負の帰趨が決まっていることも多い。
増田がラグビーを好きな理由の一つは、刻々と迫ってくる決着の時を前に、勝者も敗者もどのように結末を迎えるかの姿勢が問われ、そこにドラマを見ることができるからだ。
それは強がりであったり、自分を抑える意思であったり、時に激しく溢れる感情だったりする。
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「自分たちのできることはやったんで」たくさんの勝ちと負けを突きつけられてきた堀江は、試合後のインタビューでいつものように淡々と答える。しかし、少し、少しだけ悔しそうな表情だった。
トンプソン・ルークは「ちょっと寂しい」と語った、その「ちょっと」は4回のW杯を戦った16年の日々を振り返った「ちょっと」だった。
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予選プールで立て続けにアップセットを演じ、大きな成果を得た日本代表の旅はここで終わったが、W杯はまだ続きがある。
来週には異次元の強さを見せつけたニュージーランドが進化したフィジカルラグビーのイングランドと相まみえ、今夜日本を破った南アフリカは自らの鏡写しのような強力ディフェンスを誇るウェールズと対戦する。
3位決定戦も含めても、2019年のW杯はもう4試合しかない。
決勝を争う最後の2つの椅子には、どのチームが座るのか、白、黒、赤、緑、どのユニフォームの上でウェブ・エリス・カップは掲げられるのだろうか。
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試合後の円陣で泣いていた流、その涙が嬉し涙でなかったのは残念だが、流にはまだ時間がある。
4年後、4年後だ。